JP5314379B2 - モールドコイル含浸注形用エポキシ樹脂組成物、モールドコイル装置及びモールドコイル装置の製造方法 - Google Patents

モールドコイル含浸注形用エポキシ樹脂組成物、モールドコイル装置及びモールドコイル装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、モールドコイル含浸注形用エポキシ樹脂組成物及びモールドコイル装置に係り、特に、耐クラック性、電気特性、機械特性及び耐熱性に優れた自動点火コイルの絶縁材として好適な含浸注形用エポキシ樹脂組成物及びそれを用いたモールドコイル装置に関する。
従来から、含浸注形用エポキシ樹脂組成物は、自動車やテレビの電子部品である高圧トランス、産業用モジュール等の絶縁処理に使用されている。そして、自動車の電子機器用トランス類のうち、点火コイルはエポキシ樹脂組成物で絶縁処理し製造されている。その上、この用途の樹脂組成物では、耐クラック性、電気特性、機械特性の他に耐熱性の要求がますます大きくなっている。近年、小型化による内臓部品の複雑化等により、絶縁距離が狭くなりつつあり、含浸注形用樹脂組成物には、絶縁破壊に対する要求が高まり、長期信頼性のある樹脂組成物が求められている。このようなエポキシ樹脂組成物において、絶縁信頼性を付与する手法としては、注形含浸用樹脂中の不純物又は金属異物を低減し、充填剤を球状にし、高充填化が行われている(例えば、特許文献1乃至2参照。)。
特開2006−169312号公報 特開2008−195782号公報
しかしながら、そのような手法でも、硬化物の機械強度の低下を防止することはできず、また、初期の絶縁破壊電圧を向上することはできても、通電状態での絶縁破壊電圧の低下を防ぐには不十分であり、特に高絶縁信頼性に対する要求が強いペンタイプのイグニッションコイル等への樹脂含浸が困難である。
そこで、本発明は、このような従来の課題を解消するためになされたものであって、機械強度に優れ、初期だけでなく通電状態での絶縁破壊電圧も高く維持することができ、かつコイルへの含浸性に優れたエポキシ樹脂組成物及びこのエポキシ樹脂組成物を用いたモールドコイル装置を提供しようとするものである。
本発明者らは鋭意研究を進めた結果、後述の組成を有するエポキシ樹脂組成物が、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成したものである。
本発明のモールドコイル含浸注形用エポキシ樹脂組成物は、特定のシリカを所定量用いることにより、注形に適し、絶縁信頼性に優れた樹脂組成物である。すなわち、本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂と、(B)シリカ粒子と、(C)酸無水物と、(D)硬化促進剤とを必須成分として含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物であって、(B)シリカ粒子の配合割合が前記エポキシ樹脂組成物全体の30〜85質量%であって、この(B)シリカ粒子が、球状溶融シリカを80質量%以上含んでおり、該球状溶融シリカとして、(B−1)数平均粒径3〜7μmの球状溶融シリカと(B−2)数平均粒径30〜60μmの球状溶融シリカとを合わせて80質量%以上含み、かつ(B−1):(B−2)が30:70〜70:30の質量比であることを特徴とするものである。
また、本発明の他のモールドコイル含浸注形用エポキシ樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂と、(B)シリカ粒子と、(E)樹脂微粒子とを必須成分として含有する主剤成分と、(C)酸無水物と、(D)硬化促進剤とを必須成分として含有する硬化剤成分とからなることを特徴とする2液性のエポキシ樹脂組成物であって、主剤成分と硬化剤成分とを混合した状態において、(B)シリカ粒子の配合割合が前記エポキシ樹脂組成物全体の30〜85質量%であって、この(B)シリカ粒子が、球状溶融シリカを80質量%以上含んでおり、該球状溶融シリカとして、(B−1)数平均粒径3〜7μmの球状溶融シリカと(B−2)数平均粒径30〜60μmの球状溶融シリカとを合わせて80質量%以上含み、かつ(B−1):(B−2)が30:70〜70:30の質量比となることを特徴とするものである。
そして、本発明のモールドコイル装置は、コイルを本発明のモールドコイル含浸注形用エポキシ樹脂組成物によって含浸・硬化させてなることを特徴とするものであり、コイルとしては、磁気コア、1次コイル及び2次コイルを備えたイグニッションコイル本体を用いるイグニッションコイルであることが好ましい。
また、本発明のモールドコイル装置の製造方法は、磁気コア、1次コイル及び2次コイルを備えたイグニッションコイル本体を、含浸注形用金型内に配置した後、金型内に本発明のモールドコイル含浸注形用エポキシ樹脂組成物を真空下で注形し、含浸・硬化させることを特徴とする。
本発明のモールドコイル含浸注形用エポキシ樹脂組成物によれば、コイルへの含浸性に優れ、その硬化物の機械強度及び通電状態における絶縁破壊電圧の向上を図り、絶縁信頼性に優れた硬化物を得ることができ、モールドコイルを安価に製造することができる。
また、本発明のモールドコイル装置によれば、本発明の樹脂組成物を用いて含浸、製造することにより機械強度及び絶縁信頼性に優れたモールドコイルとすることができ、動作信頼性の高い製品を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いる(A)エポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物であればよく、汎用エポキシ樹脂、固形エポキシ樹脂等、特に制限なく使用することができる。例えば、ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル、ビスフェノールF型ジグリシジルエーテル、脂環式エポキシ樹脂等が挙げられ、これらは単独又は2種以上混合して使用することができる。また、この他に、必要に応じて液状のモノエポキシ樹脂等を併用成分として使用することができる。
このエポキシ樹脂のうち、エポキシ樹脂として脂環式エポキシ樹脂が20〜60質量%含まれると絶縁信頼性を向上することができるため好ましく、このとき他のエポキシ樹脂としてはビスフェノールA型ジグリシジルエーテル、ビスフェノールF型ジグリシジルエーテル等の液状エポキシ樹脂を用いるのがコイル含浸性を良好にする点で好ましい。
この(A)エポキシ樹脂の配合量は、エポキシ樹脂組成物中に6〜40質量%の範囲で含有することが好ましく、含有量が6質量%未満では粘度が上昇し作業性が低下する傾向があり、40質量%を超えると強度が十分に確保できない傾向にある。
本発明に用いる(B)シリカ粒子としては、用いるシリカ粒子のうち球状溶融シリカが80質量%以上含んでおり、さらに、その球状溶融シリカのうち、(B−1)数平均粒径3〜7μmの球状溶融シリカと(B−2)数平均粒径30〜60μmの球状溶融シリカとを合わせて80質量%含み、かつ(B−1):(B−2)が30:70〜70:30の質量比で含むものである。
これによって、通電状態での絶縁破壊電圧の低下を防ぐことができる。これは通電状態で発生するトリーが、シリカ粒子の平均粒径が30〜60μmであればそれより平均粒径の小さいシリカ粒子を使用した場合に比較してその形成経路距離が長くなり、トリー経路が成長しにくくなることによるものである。しかしながら、(B−2)が球状溶融シリカの70質量%を超えると、曲げ強さが低下してしまい、(B−1)が球状溶融シリカの70質量%を超えると、コイル含浸性が悪くなり、絶縁破壊電圧も低下してしまう。
この球状溶融シリカとしては、粒径以外には特に制限なく広く使用でき、具体的な銘柄としては、FB−959(旭電化工業株式会社製、商品名)、MSR15、MSR−25、MSR−2212(以上、株式会社龍森製、商品名)、FB74、FB940、FB942(以上、電気化学工業株式会社製、商品名)等が挙げられる。
また、球状溶融シリカ以外のシリカ粒子を用いることもでき、含浸注形用樹脂組成物中へ通常配合されるシリカ粒子であれば用いることができ、例えば、結晶シリカ、溶融シリカ、破砕シリカの区別なく使用可能である。
エポキシ樹脂組成物の粘度、絶縁破壊への耐性等の観点から溶融球状シリカを上記のような配合で用いることが好ましいが、これは、破砕シリカであると形状が鋭角のため電界集中が起きやすいが、球状シリカであるとそのような電界集中が起きにくく、より絶縁破壊が生じにくくなるためである。
このように比較的大きな粒径のシリカ粒子を用いると、硬化物の強度低下、樹脂組成物中でのシリカの沈降を生じる場合があり、これを防止するために平均粒径0.01〜1.5μmの微細シリカをエポキシ樹脂組成物中に5〜20質量%併用することが好ましい。このときエポキシ樹脂組成物中の微細シリカ粒子の含有量は、5〜10質量%であることがより好ましい。このような微細シリカとしては、例えば、クリスタライト5X、ヒューズレックスX(以上、株式会社龍森製、商品名)、SP−0.3B、SP−1B(扶桑化学工業株式会社製、商品名)等が挙げられる。
なお。数平均粒径は、COULTER社製、MULTISIZERなどの粒度分布測定装置により測定した50%平均粒径(D50)を算出することにより求めることができる。
この(B)シリカ粒子の配合量は、エポキシ樹脂組成物中に30〜85質量%の範囲で含有することが好ましく、含有量が30質量%未満では強度が十分に確保できない傾向があり、85質量%を超えると、粘度が上昇し作業性が低下する傾向にある。
また、この(B)シリカ粒子は、樹脂組成物中へのカップリング剤の添加により、その表面改質を施すことにより、さらに硬化物の絶縁信頼性、機械強度等を向上させることができ好ましい。ここで用いることができるカップリング剤としては、シランカップリング剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられ、耐湿性等の特性向上に優れていることからシランカップリング剤、特に、エポキシシランカップリング剤が好ましい。
このエポキシシランカップリング剤の具体例としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルメチルトリエトキシシラン(日本ユニカー株式会社製、商品名:A−1871)、γ−グリシドキシプロピルメチルトリメトキシシラン(日本ユニカー株式会社製、商品名:A−187)、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(日本ユニカー株式会社製、商品名:A−186)等が挙げられ、これらは単独でも2種類以上を併用してもよい。
シランカップリング剤を使用する場合には、配合量が樹脂組成物中に0.01〜0.3質量%の範囲で含有していることが(B)シリカ粒子の改質処理を十分に行うことができる点で好ましい。
また、本発明に用いる(C)酸無水物としては、通常、エポキシ樹脂の硬化剤として用いられる分子中に酸無水物基を有するものであれば特に制限されずに用いることができ、脂環式酸無水物であることが好ましく、具体的には、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(ME−HHPA)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(ME−THPA)、テトラヒドロ無水フタル酸(THPA)が挙げられる。
この(C)酸無水物の配合量は、エポキシ樹脂組成物中に6〜40質量%の範囲で含有することが好ましく、含有量が6質量%未満では樹脂の硬化が十分に行えなくなり、40質量%を超えると耐熱性が低下してしまう。
また、この(C)酸無水物の配合量は、本発明の組成物における(A)エポキシ樹脂が有するエポキシ基数(a)と(C)酸無水物が有する酸無水物基数(c)との比(a)/(c)が0.5〜1.5となる範囲が好ましく、0.8〜1.2となる範囲であるとより好ましい。(a)/(c)が0.5未満では、硬化物の耐湿信頼性が低下し、逆に1.5を超えると、硬化物の強度が低下する。
また、本発明に用いる(D)硬化促進剤は、エポキシ樹脂の硬化において一般的に用いられる硬化促進剤が挙げられ、例えば、ベンジルジメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2−エチル−4−メチルイミダゾール(2E4MZ)、M2−100(日本油脂株式会社製、商品名)等を用いることができ、これらは単独又は2種類以上を混合して使用することができる。
この(D)硬化促進剤の配合量は、(C)酸無水物 100質量部に対して、0.3〜5質量部の範囲であることが好ましく、配合量が0.3質量部未満であると、硬化時間が長くなり、硬化特性を十分に向上させることができないおそれがあり、5質量部を超えると反応が速く、ポットライフが短くなるため好ましくない。
本発明のモールドコイル含浸注形用エポキシ樹脂組成物には、以上の各成分の他に、本発明の効果を阻害しない範囲で、この種の組成物に一般に配合される、アルミナ、マグネシア、窒化硼素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、タルク、炭酸カルシウム、チタンホワイト、クレー、ベンガラ、ガラス繊維、炭素繊維等の無機充填剤、カップリング剤、消泡剤、顔料その他添加剤及び難燃剤として水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン等を必要に応じて配合することができる。
本発明の含浸注形用エポキシ樹脂組成物は、常法により上述した各成分、すなわちエポキシ樹脂、シリカ粒子、酸無水物、硬化促進剤及びその他の成分を加えて、十分に混合、撹拌して製造することができる。こうして得られた含浸注形用エポキシ樹脂組成物は、自動車用点火コイルに、含浸注形用として使用することができる。
このとき、好ましくは、(A)エポキシ樹脂及び(B)シリカ粒子の必須成分とその他必要に応じて配合される成分とを混合した主剤成分と、あらかじめ(C)酸無水物、(D)硬化促進剤の必須成分と必要に応じて配合される成分とを混合した硬化剤成分とを、それぞれ調整した2液性のエポキシ樹脂組成物とし、使用時に、主剤成分と硬化剤成分とを均一に混合することにより製造することができる。なお、このとき、硬化剤成分に(B)シリカ粒子を配合しておいてもよく、その場合には、主剤成分と硬化剤成分とを混合した後において、上記で説明した配合量となるようにすればよい。
また、上記のようにして得られた本発明の含浸注形用エポキシ樹脂組成物は、電気機器部品、例えば、コイル、ICチップ等の封止、被覆、絶縁等に適用すれば優れた特性と信頼性を付与することができる。中でも絶縁信頼性の要求されるモールドコイル、特にイグニッションコイルを注形含浸するのに好ましく使用できる。
本発明のモールドコイル装置は、コイルを本発明のモールドコイル含浸注形用エポキシ樹脂組成物によって含浸・硬化させるなるものである。このようなモールドコイル装置としては、直径2.0cm以下のプラスチックケース中に配置された、直径30μm以下の被覆銅線を鉄心に巻いたコイルをモールドコイル含浸注形用エポキシ樹脂組成物によって含浸・硬化させてなるペンタイプのイグニッションコイルが挙げられ、このイグニッションコイルにおける樹脂占有体積割合は30%以下であることが好ましい。
本発明のモールドコイル装置は、本発明のモールドコイル含浸注形用エポキシ樹脂組成物を用いて、コイルを注形により含浸、硬化させてなることを特徴とするものであり、このモールドコイル装置を得るには、コイル等の電気・電子部品に対し、例えば、本発明のエポキシ樹脂組成物を2液性のエポキシ樹脂における常法に従い注形し、硬化させることにより製造することができる。
そして、モールドコイル装置としては、磁気コア、1次コイル及び2次コイルを備えたコイル本体に本発明のエポキシ樹脂組成物により注形、含浸させて得られるイグニッションコイルであることが、本発明のエポキシ樹脂組成物の特性を生かすことができ、コイル特性も優れたものとなる点で好ましい。
次に、本発明について実施例を参照しながら説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。以下の実施例及び比較例において「部」とは「質量部」を意味するものである。
(実施例1)
液状エポキシ樹脂であるビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂のEP4100(旭電化工業株式会社製、商品名) 60部、脂環式エポキシ樹脂としてセロキサイド#2021P(ダウケミカル株式会社製、商品名) 40部、消泡剤としてTSA720(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、商品名) 0.1部、エポキシシランカップリング剤としてA187(日本ユニカー株式会社製、商品名) 0.5部、平均粒径5μmの球状溶融シリカとしてFB−5D(電気化学工業株式会社製、商品名) 100部、平均粒径40μmの球状溶融シリカとしてFB−40F(電気化学工業株式会社製、商品名) 150部を混合し、主剤成分とした。
これとは別に、脂環式酸無水物硬化剤として、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸 HN5500E(日立化成株式会社製、商品名) 100部、消泡剤としてTSA720(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、商品名) 0.1部、エポキシシランカップリング剤としてA187(日本ユニカー株式会社製、商品名) 0.5部、硬化促進剤としてM2−100(日本油脂株式会社製、商品名) 1部、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール(TAP) 1.5部、平均粒径5μmの球状溶融シリカとしてFB−5B(電気化学工業株式会社製、商品名) 140部、平均粒径40μmの球状溶融シリカとしてFB−40F(電気化学工業株式会社製、商品名) 210部、を混合して硬化剤成分とした。
上記のように得られた主剤成分と硬化剤成分とにより2液性のエポキシ樹脂組成物が得られた。これら成分は、主剤成分/硬化剤成分=100部/130部の割合で混合してモールドコイル含浸注形用エポキシ樹脂組成物として使用した。
(実施例2〜4、比較例1〜6)
表1に示した組成とした以外は、実施例1と同様の操作により含浸注形用エポキシ樹脂組成物を製造した。
なお、このとき用いた成分は、酸無水物硬化剤としては、テトラヒドロ無水フタル酸(南亜株式会社製、商品名)、硬化促進剤としては、イミダゾール系の2E4MZ(四国化成株式会社製、商品名)、数平均粒径16μmの球状溶融シリカとしてFB−48(電気化学工業株式会社製、商品名)、数平均粒径15μmの破砕溶融シリカとしてヒューズレックスE−1(株式会社龍森製、商品名)を用いた。
(試験例)
実施例1〜4、比較例1〜6のそれぞれで製造した含浸注形用エポキシ樹脂組成物について、粘度、コイル含浸性、ガラス転移点を、この樹脂組成物を加熱硬化させた硬化物について、曲げ強さ、絶縁破壊電圧の特性を調べた。これらの結果を表1に配合と併せて示した。
Figure 0005314379
*1 混合液粘度:主剤と硬化剤を均一に混合した直後の粘度を、B型粘度計を用いて、25℃、12rpmの条件で測定した。
*2 コイル含浸性:イグニッションコイルにエポキシ樹脂組成物を真空注入し、硬化後、コイルの断面を観察することにより評価した。
○:ボイドなし、△:連続ボイド 1個あり、×:連続ボイド 2個以上あり
*3 ガラス転移点:TMA法により、昇温温度を15℃/分として室温から185℃まで昇温させて測定した。
*4 曲げ強さ:JIS C 2105に準じ、温度25℃において測定した。
*5 絶縁破壊電圧:エポキシ樹脂組成物に針電極(オゲラ針、針先端曲率半径:5μm)を絶縁間距離2mmになるように埋め込み、硬化させた。針電極に様々な電圧印加させ、絶縁破壊寿命(V−t特性)を取得し、100時間及び1000時間における絶縁破壊電圧を調べた。
これらの結果から、本発明のモールドコイル含浸注形用エポキシ樹脂組成物は、作業性がよく、含浸性が良好な樹脂組成物を得ることができ、その硬化物は機械強度、絶縁信頼性にも優れるため、この樹脂組成物を用いて得られるモールドコイル装置は装置の信頼性の高いものである。

Claims (9)

  1. (A)エポキシ樹脂と、(B)シリカ粒子と、(C)酸無水物と、(D)硬化促進剤とを必須成分として含有するエポキシ樹脂組成物であって、
    前記(B)シリカ粒子の配合割合が前記エポキシ樹脂組成物全体の30〜85質量%であって、この(B)シリカ粒子が、球状溶融シリカを80質量%以上含んでおり、該球状溶融シリカとして、(B−1)数平均粒径3〜7μmの球状溶融シリカと(B−2)数平均粒径30〜60μmの球状溶融シリカとを合わせて80質量%以上含み、かつ(B−1):(B−2)が30:70〜70:30の質量比であることを特徴とするモールドコイル含浸注形用エポキシ樹脂組成物。
  2. (A)エポキシ樹脂と、(B)シリカ粒子とを必須成分として含有する主剤成分と、(C)酸無水物と、(D)硬化促進剤とを必須成分として含有する硬化剤成分とからなる2液性のエポキシ樹脂組成物であって、
    前記主剤成分と硬化剤成分とを混合した状態で、前記(B)シリカ粒子の配合割合が前記エポキシ樹脂組成物全体の30〜85質量%であって、この(B)シリカ粒子が、球状溶融シリカを80質量%以上含んでおり、該球状溶融シリカとして、(B−1)数平均粒径3〜7μmの球状溶融シリカと(B−2)数平均粒径30〜60μmの球状溶融シリカとを合わせて80質量%以上含み、かつ(B−1):(B−2)が30:70〜70:30の質量比となることを特徴とするモールドコイル含浸注形用エポキシ樹脂組成物。
  3. 前記(A)エポキシ樹脂が、エポキシ樹脂組成物中に6〜40質量%、前記(C)酸無水物が、エポキシ樹脂組成物中に6〜40質量%、前記(D)硬化促進剤が、前記(C)酸無水物 100質量部に対して、0.2〜5質量部となるように配合したことを特徴とする請求項1又は2記載のモールドコイル含浸注形用エポキシ樹脂組成物。
  4. 前記(C)酸無水物が、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸及び/又はメチルテトラヒドロ無水フタル酸であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のモールドコイル含浸注形用エポキシ樹脂組成物。
  5. 前記(A)エポキシ樹脂が、脂環式エポキシ樹脂を20〜60質量%含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のモールドコイル含浸注形用エポキシ樹脂組成物。
  6. 前記(B)シリカ粒子が、エポキシシラン系カップリング剤で表面処理されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載のモールドコイル含浸注形用エポキシ樹脂組成物。
  7. コイルを請求項1乃至6のいずれか1項記載のモールドコイル含浸注形用エポキシ樹脂組成物によって含浸・硬化させてなることを特徴とするモールドコイル装置。
  8. 磁気コア、1次コイル及び2次コイルを備えたイグニッションコイル本体を、請求項1乃至6のいずれか1項記載のモールドコイル含浸注形用エポキシ樹脂組成物によって含浸・硬化させてなり、かつ、最外部にケースを具備しないことを特徴とするモールドコイル装置。
  9. 磁気コア、1次コイル及び2次コイルを備えたイグニッションコイル本体を、含浸注形用金型内に配置した後、前記金型内に請求項1乃至6のいずれか1項記載のモールドコイル含浸注形用エポキシ樹脂組成物を真空下で注形し、含浸・硬化させることを特徴とするモールドコイル装置の製造方法。
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