JP2016060898A - 2液性注型用エポキシ樹脂組成物、及びコイル部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷熱サイクルによるクラックの発生を防止し、常温及び熱時の絶縁破壊特性に優れた注型用樹脂組成物、及びこの注形用樹脂組成物を用いたコイル部品を提供する。
【解決方法】本発明の2液性注形用エポキシ樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂と、(B)長鎖アルキル鎖を有する芳香族アミンを含む硬化剤とを含有する。本発明のコイル部品は、本発明の2液性注形用エポキシ樹脂組成物8で注形されたものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、2液性注型用エポキシ樹脂組成物、及びコイル部品に関する。
電気・電子部品等のコイルには周囲に対して電気的絶縁性を確保しなければならないという観点から、樹脂組成物で注型封止して用いるのが常識となっている。このような樹脂組成物に対しては、高含浸性、高絶縁性が要求され、上記観点から従来エポキシ樹脂組成物が汎用されている。
しかしながら、自動車等の各種機器に使用されるコイル、特にイグニッションコイルは高電圧が印加されるため、単に通常のエポキシ樹脂組成物を用いたのみでは、絶縁性が不十分であって絶縁破壊等が生じたり、封止樹脂硬化物の熱サイクルに起因した応力によって、封止樹脂にクラックが生じたりしてしまう場合があった。封止樹脂にクラックが生じると、コイルに電流を流した際に、前記クラック部分で異常放電等が発生することになり、上記コイル部品を正常に動作させることができない。加えて、近年のイグニッションコイルにおいては、使用環境温度が上昇し、150℃条件下での絶縁破壊強度が必須となっている。
このような問題に鑑み、無機充填材を含有することにより、検討がなされている。特許文献1においては、エポキシ樹脂組成物に対して特定範囲の粒径からなるシリカ粒子を所定量含有させることによってトリー経路を形成しにくくし、エポキシ樹脂組成物の絶縁破壊強度を向上させ、コイル部品に高電圧が印加された場合においても絶縁破壊が生じないような試みがなされている。
また、特許文献2においては、特定粒径の球状シリカと酸無水物と硬化促進剤とからなるA剤を、エポキシ樹脂のB剤と混合してエポキシ樹脂組成物を得、エポキシ樹脂組成物の硬化物の線膨張率を低減させることによって熱応力によるクラックの発生を防止する試みがなされている。
しかしながら、上述したような無機充填材を含有する方法では、注型封止した樹脂組成物の絶縁破壊や冷熱サイクルに起因した応力によるクラックの発生を十分に防止することができず、さらなる改善が求められていた。
一方、可とう性構造を導入する方法でも検討がなされている。
特許文献3においては、可とう性のエポキシ樹脂等を含む主剤成分と、この主剤に対する硬化剤成分との2液性のエポキシ樹脂組成物とし、柔軟な骨格を導入することにより、応力の発生を低減しクラックの発生を防止する試みがなされている。
また、特許文献4では、酸無水物とポリエーテルジオール等とを硬化剤成分とし、エポキシ樹脂等を主成分としたエポキシ樹脂組成物を使用して、エポキシ樹脂の硬化物の絶縁破壊強度を向上させる試みがなされた。しかしながら、可とう性構造を硬化物に導入した場合、通常、絶縁性の低い構造及び官能基を多く有する為、常温での絶縁破壊強度はあるものの、高温環境下での絶縁破壊強度は満足いくものではなかった。
特開2008−195782号公報 特開平11−71503号公報 特開2012−201711号公報 特開2007−277469号公報
本発明は、熱サイクルによるクラックの発生を防止し、絶縁破壊特性及び耐熱性、つまり150℃下での絶縁破壊強度に優れた2液注型用樹脂組成物、及びこの注形用樹脂組成物を用いたコイル部品を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべき鋭意検討を実施した。その結果、コイルの絶縁分野で現在、封止樹脂としてエポキシ樹脂が汎用されていることに着目し、このエポキシ樹脂に種々の工夫を加えることで上記課題の解決を試みた。その結果、可とう性骨格を有し、長鎖アルキル鎖を有する芳香族アミンを含む硬化剤を添加することにより得られるエポキシ樹脂組成物を用いることにより上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、最終的に得られるエポキシ樹脂組成物において、特定の硬化剤を用いて、エポキシ樹脂組成物の硬化物の骨格を柔らかくすることでクラックの発生を防止し、加えて、特定の高絶縁性構造を有する官能基をエポキシ樹脂組成物に導入することで、 150℃条件下での絶縁破壊強度に優れた硬化物を得ることができる。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物は、このような高絶縁性及び耐クラック性に優れた樹脂組成を含有することで、従来行われてきたフィラー導入によるクラック対策の必要がないため、粘度低下により大幅な作業性改善がなされ、コイル等への含浸性が向上する。
その結果、本発明のエポキシ樹脂組成物によれば、エポキシ樹脂組成物の硬化物に高い絶縁特性を付与するとともに、エポキシ樹脂組成物の硬化物に可とう性を付与する硬化剤を含有するので、冷熱サイクル時のクラックの発生を抑制することができる。この結果、エポキシ樹脂組成物の硬化物の絶縁破壊特性を十分に確保することができる。
上記目的を達成すべく、本発明は、以下のものに関する。
[1](A)エポキシ樹脂と、(B)長鎖アルキル鎖を有する芳香族アミンを含む硬化剤とを含有する、2液性注形用エポキシ樹脂組成物。
[2]前記(A)エポキシ樹脂が、液状エポキシ樹脂である、上記[1]に記載の2液性注形用エポキシ樹脂組成物。
[3]前記(B)長鎖アルキル鎖を有する芳香族アミンは、下記一般式(II)に示される構造を有する、上記[1]又は[2]に記載の2液性注形用エポキシ樹脂組成物。
[式中、nは5〜20以上の数である]
[4]前記硬化剤は、前記(B)長鎖アルキル鎖を有する芳香族アミンを50質量%以上含む、上記[1]〜[3]のいずれか1つに記載の2液性注形用エポキシ樹脂組成物。
[5]前記エポキシ樹脂組成物の硬化物の弾性率が1000MPa以下であり、加えて当該硬化物を150℃で500時間放置下後の硬化物の硬度変化率が130%以下である、上記[1]〜[4]のいずれか1つに記載の2液性注形用エポキシ樹脂組成物。
[6]前記エポキシ樹脂組成物の硬化物の150℃の絶縁破壊強度が15kV/mm以上である、上記[1]〜[5]のいずれか1つに記載の2液性注形用エポキシ樹脂組成物。
[7]上記[1]〜[6]のいずれか1つに記載の2液性注形用エポキシ樹脂組成物で注形された、コイル部品。
[8]前記コイル部品は、イグニッションコイルである、上記[7]に記載のコイル部品。
以上より、本発明によれば、冷熱サイクルによって発生する応力によるクラックの発生を防止し、150℃条件下での絶縁破壊強度に優れた2液性注型用エポキシ樹脂組成物、及びこの2液性注形用エポキシ樹脂組成物を用いたコイル部品を提供することができる。
本発明の一実施形態におけるイグニッションコイルの構成を示す断面図である。 クラック性試験に使用するワッシャーを説明するための図である。
以下、本発明のその他の特徴及び利点について、発明を実施するための形態に基づいて詳細に説明する。
(2液注形用エポキシ樹脂組成物)
本発明の2液性注形用エポキシ樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂と、(B)長鎖アルキル鎖を有する芳香族アミンを含む硬化剤とを含有する。
本発明の2液性注形用エポキシ樹脂組成物に用いる(A)エポキシ樹脂は、本発明の2液性注形用エポキシ樹脂組成物の母材をなすものであって、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するものであれば、分子量、分子構造等に制限されることなく、一般的に用いられているものを用いることができる。(A)エポキシ樹脂には、例えば、ビスフェノール型、ノボラック型、ビフェニル型等の芳香族系エポキシ樹脂、ポリカルボン酸のグリシジルエーテル、シクロヘキサン誘導体等のエポキシ化によって得られる脂環族系エポキシ樹脂等が挙げられ、これらは単独又は2種以上混合して使用することができる。本発明の2液性注形用エポキシ樹脂組成物に用いる(A)エポキシ樹脂は、好ましくは液状エポキシ樹脂である。
本発明の2液性注形用エポキシ樹脂組成物に用いる硬化剤は(B)長鎖アルキル鎖を有する芳香族アミンを含む。上記硬化剤における(B)長鎖アルキル鎖を有する芳香族アミンの含有割合は、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは80〜100質量%であり、さらに好ましくは90〜100質量%であり、とくに好ましくは100質量%である。上記硬化剤における(B)長鎖アルキル鎖を有する芳香族アミンの含有割合が50質量%以上であると、本発明の2液性注形用エポキシ樹脂組成物の硬化物に可とう性を充分に付与することができる。
本発明の2液性注形用エポキシ樹脂組成物に用いる硬化剤が含む長鎖アルキル鎖を有する芳香族アミンは、(A)エポキシ樹脂と反応して(A)エポキシ樹脂を硬化させることができるものであればとくに限定されない。エポキシ樹脂組成物の硬化物に可とう性を付与するという観点から、上記長鎖アルキル鎖を有する芳香族アミンは、好ましくは2つ以上のアミノ基を含むものであり、より好ましくは下記一般式(I)に示される構造を有するものであり、さらに好ましくは下記一般式(II)に示される構造を有するものである。
[式中、R1はポリアルキルアルキレン骨格である]
[式中、nは5〜20の数である]
上記一般式(II)に示される構造を有する長鎖アルキル鎖を有する芳香族アミンを含む硬化剤には、例えば、エラスマー1000、エラスマー650P(以上、イハラケミカル工業株式会社製、商品名)等がある。
上記硬化剤は、長鎖アルキル鎖を有する1種の芳香族アミンを含んでもよく、長鎖アルキル鎖を有する2種以上の芳香族アミンを含んでもよい。
なお、これらの硬化剤の含有割合は、(A)エポキシ樹脂の量に応じて適宜に設定する。
上記硬化剤の含有割合は、例えば、(A)エポキシ樹脂100質量部に対して、好ましくは86〜200質量部、より好ましくは130〜200質量部である。このような含有割合の硬化剤を用いることで、本発明の特性を発現することができる。
この場合、最終的に得る2液性注形用エポキシ樹脂組成物の硬化物は、可とう性を有する構造を有する為、冷熱サイクル時のクラックの発生を防止することができる。また、最終的に得る2液性注形用エポキシ樹脂組成物の硬化物は高絶縁性構造を有する為、エポキシ樹脂組成物の硬化物の絶縁破壊特性を十分に確保することができる。
本発明の2液性注形用エポキシ樹脂組成物は、無機フィラー及び有機フィラー等のフィラーを含むことができる。フィラーの含有割合は、エポキシ樹脂100質量部に対して、好ましくは0〜50質量部、より好ましくは0〜20質量部である。
本発明の2液性注形用エポキシ樹脂組成物に用いる無機フィラーは、樹脂組成物用のフィラーとして通常使用されているものであり、かつ、繊維状でないものであれば、特に限定されない。本発明の2液性注形用エポキシ樹脂組成物に用いる無機フィラーには、例えば、シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム及びタルク等が挙げられる。
本発明の2液性注形用エポキシ樹脂組成物に用いる有機フィラーも、樹脂組成物用のフィラーとして通常使用されているものであり、かつ、繊維状でないものであれば、特に限定されない。本発明の2液性注形用エポキシ樹脂組成物に用いる有機フィラーには、例えば、シリコーン樹脂粉及びスチレン樹脂粉等が挙げられる。
樹脂組成物の粘度及び樹脂組成物の保存安定性の観点から、上記フィラーの平均粒径は、好ましくは約0.5〜約30μmであり、より好ましくは3〜20μmである。
本発明の2液性注形用エポキシ樹脂組成物には、以上の各成分の他に、本発明の効果を阻害しない範囲で、この種の組成物に一般に配合される、カップリング剤、消泡剤、顔料などのその他の添加剤を必要に応じて配合することができる。但し、コイルへの含浸性から、繊維質充填剤を含まないことが好ましい。その他の添加剤の含有割合は、例えば、エポキシ樹脂100質量部に対して、好ましくは0.1〜5.0質量部、より好ましくは0.1〜1.0質量部である。
本発明の効果を発現するという観点から、2液性注形用エポキシ樹脂組成物における(A)エポキシ樹脂と(B)長鎖アルキル鎖を有する芳香族アミンを含む硬化剤との合計の含有割合は、例えば、好ましくは50〜100質量%であり、より好ましくは80〜100質量%である。
本発明の2液性注形用エポキシ樹脂組成物を、注形材料として調製するにあたっては、(A)エポキシ樹脂、及び(B)可とう性硬化剤、並びに上述したような必要に応じて配合される成分を充分混合し均一に混合することにより製造することができる。本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物における150℃条件下での絶縁破壊強度は、好ましくは15kV/mm以上であり、より好ましくは20kV/mm以上である。また、本発明のエポキシ樹脂組成物をコイル部品に用いた際に、本発明のエポキシ樹脂組成物はコイルに対して高含浸性であることが好ましい。
このようにして得られた2液性注形用エポキシ樹脂組成物は、電気機器部品、特にコイル部品、特にイグニッションコイル、特に自動車用のイグニッションコイルの封止、被覆、絶縁等に適用すれば、優れた特性と信頼性とをコイル部品に付与することができる。これらの用途に適用するためには、本発明の2液性注形用エポキシ樹脂組成物から得られる硬化物は柔軟性を有することから、本発明の2液性注形用エポキシ樹脂組成物の硬化物は以下の特性を有する。ガラス転移温度は、好ましくは25℃以下であり、より好ましくは0℃以下である、また、25℃における弾性率は、好ましくは1000MPa以下、より好ましくは900MPa以下である。さらに、150℃で500時間保持後の硬度及び硬度変化率は、それぞれ、好ましくは80以下及び130%以下であり、より好ましくは75以下及び115%以下である。なお、弾性率は、JIS K 7161の試験方法で、測定を行ったときの値である。
(イグニッションコイル)
次に、上述した2液性注形用エポキシ樹脂組成物を注形するコイル部品の一例としてイグニッションコイルについて説明する。
図1は、本発明の一実施形態におけるコイル部品としてのイグニッションコイルの構成を示す断面図である。なお、図1(b)は、図1(a)の領域9における2次線の抜けの一例を示す図である。本発明の2液性注形用エポキシ樹脂組成物を用いることにより、このような2次線の抜けが発生しないようにすることができる。
イグニッションコイルは、磁性体の中心コア1、不図示の外部コア、一次ボビン2、一次コイル3、二次ボビン4、二次コイル5、端子6などで構成される。一次コイル3は、例えば直径0.5mm程度のエナメル線を約200回、二次コイル5は、例えば直径0.05mm程度のエナメル細線を20000回程度ボビンに巻線されている。一次コイル3はバッテリーに接続され直流電流が流れるが、点火タイミング調整電子回路部品8及び図示しないパワースイッチにより電流を断続させて磁束を変化させ、自己誘導作用により一次電圧を得る。この一次電圧を一次コイル3と二次コイル5の相互誘導作用により20〜40kVの高電圧とし、端子6に接続した点火プラグに火花放電を起こさせる。
なお、点火タイミング調整電子回路部品は、電子部品が本発明の2液性注形用エポキシ樹脂組成物8によって、封止されたような形態を採る。
上述した中心コア1等は、例えばポリフェニレンサルファイド(PPS)からなるケース7中に収納され、ケース7と中心コア1等との空隙は、上述した本発明の2液性注形用樹脂組成物の硬化物8によって充填される。
図1に示すイグニッションコイルは、上述したように、点火タイミング調整電子回路部品8及び図示しないパワースイッチにより生じた一次電圧が、一次コイル3及び二次コイル5に印加されるようになるので、瞬時に高電圧の一次電圧が印加され、電流の流入及び停止を頻繁に繰り返す場合がある。
このように高電圧が瞬時に印加されると、イグニッションコイルを封止している2液性注形用エポキシ樹脂組成物8にも瞬時に高電圧が印加されるが、2液性注形用エポキシ樹脂組成物の硬化物8は、上述のように絶縁破壊特性に優れた本発明の2液性注形用エポキシ樹脂組成物からなるので、2液性注形用エポキシ樹脂組成物の硬化物8は絶縁破壊を引き起こすことなく、イグニッションコイルに対する絶縁性を確保することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
2液性注形用エポキシ樹脂組成物の製造
(実施例1)
最初に、ビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂としてR−140P(三井化学株式会社製、商品名) 100質量部、消泡剤としてTSA720 (モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、商品名) 0.1質量部を、1時間混合を行って主剤成分を製造した。
上記エポキシ樹脂100質量部に対して、可とう性芳香族アミン硬化剤としてエラスマー1000 (イハラケミカル工業株式会社製、商品名)を166質量部混合したものを注形用エポキシ樹脂組成物として得た。
(実施例2〜7、比較例1〜5)
表1に示す量の配合成分を用いる以外は実施例1と同様にしてコイル注形用樹脂組成物及び比較用の樹脂組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
尚、その他の使用材料は以下に示す。
(1)エポキシ樹脂:ビスフェノールA型エポキシ樹脂EP4000 (ADEKA株式会社製、商品名)
(2)芳香族アミン:エラスマー650P(イハラケミカル工業株式会社製、商品名)
(3)脂肪族アミン:ジェファーミンD2000 (ハンツマン・コーポレーション社製、商品名)
(4)脂肪族アミン:ジェファーミンD400 (ハンツマン・コーポレーション社製、商品名)
(5)脂肪族アミン:ジェファーミンD230 (ハンツマン・コーポレーション社製、商品名)
(6)酸無水物:HN−2000(日立化成株式会社製、商品名)
(7)硬化促進剤:BDMA(N,N−ジメチルベンジルアミン)
(比較列6)
最初に、ビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂としてR-140P(三井化学株式会社製、商品名) 100質量部、消泡剤としてTSA720 (モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、商品名)0.1質量部、充填剤としてクリスタライトAA(株式会社龍森製、商品名)を160質量部、1時間混合を行って主剤成分を製造した。
上記エポキシ樹脂100質量部に対して、硬化剤としてHN−2000(日立化成株式会社製、商品名)を87質量部、硬化促進剤としてBDMA(N,N−ジメチルベンジルアミン)を混合したものを注形用エポキシ樹脂組成物として得た。
評価
次いで、上述のようにして得た注型用エポキシ樹脂組成物に対して、ガラス転移温度、絶縁破壊強度、含浸性、硬度を測定することにより、上記注型用エポキシ樹脂組成物の実用特性を評価した。
・ガラス転移温度:樹脂組成物を150℃/10時間(150℃の温度で10時間保持することを示す。以下、同じ)で硬化させて、DSC法により、昇温速度15℃/minとして、室温から200℃まで昇温させて測定した。
・絶縁破壊強度:樹脂組成物を150℃/10時間で硬化させて、JIS C2110の試験法で、サンプルが破壊するまでの変位を求めた。
・含浸性:ボビン径直径18mm、巻き線径直径45μm、巻き数15000ターン、ケース径直径23mmのコイルにエポキシ樹脂組成物を注形し、90℃/3時間→150℃/3時間の2ステップで硬化後のコイルの断面を確認した。
(表1;○:含浸率100%、△:含浸率50%以上100%未満、×:含浸率50%未満)
・弾性率:樹脂組成物を150℃/10時間で硬化させて、JIS K 7161の試験方法で、測定を行った。
・硬度:樹脂組成物を150℃/10時間で硬化させて、JIS K6253の試験方法で、サンプルが破壊するまでの変位を求めた。硬度はデュロメータのタイプAにて測定を行った。測定は、樹脂硬化後の硬度と、硬化後の樹脂を150℃で500時間放置した後の硬度を測定した。
・硬度変化率:以下の計算式を用いて算出した。
硬度変化率=(150℃で500時間放置した後の硬度÷樹脂硬化後の硬度)×100
・クラック性試験
エポキシ樹脂組成物をワッシャーの入った金属シャーレに注型し、90℃/3時間→150℃/3時間の2ステップで硬化後の構造物に対して、 150℃〜−40℃の冷熱サイクル試験で評価した。
金属シャーレは直径6cm、高さ1.5cmのものを用いた。
また、ワッシャーは、図2に示す直径30mmのものを用い、直径3mmの金属ボールを上面3か所、下面3か所に設置したものを作製し、評価に用いた。なお、図2(a)はワッシャーの上面図であり、図2(b)は、ワッシャーをおよそ側面側から見た図である。
(表1;○:20サイクル以上、×:20サイクル以下)
表1から明らかなように、本発明に従った実施例における注形用エポキシ樹脂組成物においては、ガラス転移温度が25℃以下であることや、弾性率が1000MP以下であることから、柔軟性に優れていることが分かる。
加えて、硬度変化率が比較例1より少ないことから、高温放置後でも、優れた柔軟性を示す。
また、150℃下の絶縁破壊強度も20kV/mm以上であり、絶縁破壊特性も優れていることが分かる。
以上、本発明を上記具体例に基づいて詳細に説明したが、本発明は上記具体例に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない限りにおいて、あらゆる変形や変更が可能である。
1:中心コア
2:一次ボビン
3:一次コイル
4:二次ボビン
5:二次コイル
6:端子
7:ケース
8:2液性注形用エポキシ樹脂組成物の硬化物(点火タイミング調整電子回路部品)

Claims (8)

  1. (A)エポキシ樹脂と、(B)長鎖アルキル鎖を有する芳香族アミンを含む硬化剤とを含有する、2液性注形用エポキシ樹脂組成物。
  2. 前記(A)エポキシ樹脂が、液状エポキシ樹脂である、請求項1に記載の2液性注形用エポキシ樹脂組成物。
  3. 前記(B)長鎖アルキル鎖を有する芳香族アミンは、下記一般式(II)に示される構造を有する、請求項1又は2に記載の2液性注形用エポキシ樹脂組成物。
    [式中、nは5〜20以上の数である]
  4. 前記硬化剤は、前記(B)長鎖アルキル鎖を有する芳香族アミンを50質量%以上含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の2液性注形用エポキシ樹脂組成物。
  5. 前記エポキシ樹脂組成物の硬化物の弾性率が1000MPa以下であり、加えて当該硬化物を150℃で500時間放置下後の硬化物の硬度変化率が130%以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の2液性注形用エポキシ樹脂組成物。
  6. 前記エポキシ樹脂組成物の硬化物の150℃の絶縁破壊強度が15kV/mm以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の2液性注形用エポキシ樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の2液性注形用エポキシ樹脂組成物で注形された、コイル部品。
  8. 前記コイル部品は、イグニッションコイルである、請求項7に記載のコイル部品。
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