JP5310191B2 - インサート着脱式切削工具 - Google Patents

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Description

本発明は、工具本体に形成されたインサート取付座に取り付けられた切削インサートに向けてクーラントを供給して噴出するクーラント孔が形成されたインサート着脱式切削工具に関するものである。
このようなインサート着脱式切削工具のうち、特許文献1〜3には、軸線回りに回転される円柱状の工具本体の先端部外周に複数のインサート取付座が該軸線方向に並ぶように列をなし、このようなインサート取付座の列が周方向に間隔をあけて複数列形成されて、これらのインサート取付座にそれぞれ切削インサートが取り付けられることにより、これらの切削インサートの切刃の軸線回りに回転軌跡が該軸線方向に連続するようにされたインサート着脱式の長刃のエンドミルにおいて、上述のようなクーラント孔を形成したものが提案されている。
実開昭63−53613号公報 実開平3−15017号公報 特開平7−60528号公報
しかしながら、これら特許文献1〜3に記載されたインサート着脱式切削工具はいずれも、工具本体の上記軸線に沿って形成したクーラントの供給孔から各インサート取付座に向けてクーラントの噴出孔を分岐させたものであるため、噴出孔の方向が軸線に対する径方向に制限されざるを得ない。このため、工具本体の回転方向に向けられた切削インサートのすくい面のうち、上記軸線に対する最外周に位置して切削に使用される切刃の周辺に向けて確実にクーラントを供給、噴出させて効率的な冷却や潤滑を図ることは困難であった。
ここで、このような特許文献1〜3に記載のインサート着脱式切削工具において、こうして切刃周辺の効率的な冷却、潤滑を図るために、上記回転方向に向けられた切削インサートのすくい面に対し、この回転方向側からクーラントを噴出させるには、1つに上記軸線に沿って形成されたクーラントの供給孔の内径を大きくして、その内周面から接線方向に向けて噴出孔を延設することが考えられる。しかしがなら、そのように内径の大きな供給孔を形成すると、工具本体の剛性や強度の低下を招いて安定した切削加工を行うことができなくなる。
本発明は、このような背景の下になされたもので、工具本体の強度や剛性を損なうことなく、切削インサートの切削に使用される切刃に向けて確実にクーラントを噴出させて効率的な冷却、潤滑を図ることが可能なインサート着脱式切削工具を提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、工具本体に形成されたインサート取付座に着座させられた切削インサートが、該工具本体にねじ込まれるクランプネジにより着脱可能に取り付けられるインサート着脱式切削工具であって、上記工具本体は、軸線を中心とした外形円柱状または外形円盤状をなし、その外周に周方向に間隔をあけて複数の上記インサート取付座が形成されており、上記工具本体にはクーラントが供給される供給孔と、このクーラントを上記切削インサートに向けて噴出する噴出孔とが形成されるとともに、これら供給孔と噴出孔とは、上記工具本体に形成されて上記クランプネジがねじ込まれる取付ネジ孔から延びるネジ下孔に連通させられていて、周方向に隣接するインサート取付座のうち一方のインサート取付座に取り付けられた上記切削インサートに向けて上記クーラントを噴出する噴出孔が、他方のインサート取付座に上記切削インサートを取り付けるための上記取付ネジ孔から延びる上記ネジ下孔に連通させられていることを特徴とする。
このように構成されたインサート着脱式切削工具では、クーラントの噴出孔を切削インサートのすくい面における切削に使用される切刃に向けて形成する一方で、この噴出孔に向けてクーラントを供給する供給孔は、その向きや位置が制限されざるを得ないような場合でも、これら供給孔と噴出孔とを上記ネジ下孔に連通させることによって、該ネジ下孔を介してクーラントを噴出孔に供給して噴出させることができる。
そして、このネジ下孔は、切削インサートをインサート取付座に取り付けるためのクランプネジがねじ込まれる取付ネジ孔から延びていて、すなわち取付ネジ孔に雌ネジを形成するために工具本体に形成したネジ下孔を延長させて形成することができるので、これら供給孔と噴出孔とを連通させるために工具本体の肉厚が必要以上に削がれることがなく、その強度や剛性を確保することができる。
さらに、当該インサート着脱式切削工具は、上述のようなエンドミルのように、上記工具本体が、軸線を中心とした外形円柱状または外形円盤状をなし、その外周に周方向に間隔をあけて複数の上記インサート取付座が形成されたものであるのに対し、周方向に隣接するインサート取付座のうち一方のインサート取付座に取り付けられた上記切削インサートに向けて上記クーラントを噴出する噴出孔が、他方のインサート取付座に上記切削インサートを取り付けるための上記取付ネジ孔から延びる上記ネジ下孔に連通させられるように構成することにより、この噴出孔が延びる長さを短くして工具本体の強度や剛性を一層確実に確保するとともに、噴出孔から噴出させられるクーラントの圧力が低減するのも防ぐことができる。
特に、このようなエンドミルが長刃のものであって、すなわち上記工具本体の外周には、上記軸線方向に列をなす複数の上記インサート取付座が周方向に間隔をあけて複数列形成されている場合には、上記一方のインサート取付座の上記噴出孔を、周方向に隣接する列において上記軸線方向にずらされた上記他方のインサート取付座の上記ネジ下孔に連通させることにより、こうして多数のインサート取付座が形成されることになる工具本体においても、各インサート取付座に取り付けられる切削インサートの切刃に確実に向けられるように噴出孔を形成することが可能となる。
さらにまた、上記クランプネジに、上記ネジ下孔に連通する貫通孔を形成することにより、供給孔と連通したネジ下孔からこの貫通孔を通してもクーラントが噴出させられるため、工具本体の強度や剛性を損なうことなく、一層効果的な冷却および潤滑を図ることが可能となる。
以上説明したように、本発明によれば、工具本体の強度や剛性を損なったりすることなく安定した切削加工を可能としながらも、クーラントをすくい面のうち切削に使用される切刃の周辺に確実に噴出させることができて、切刃や被削材の切削部位を効果的に冷却、潤滑することができ、切削時の熱による切削インサートの損傷等を防いで円滑な加工を図ることができる。
本発明の一実施形態を示すインサート着脱式切削工具(エンドミル)の側面図である。 図1に示す実施形態を軸線方向後端側から見た平面図である。 図1に示す実施形態の部分断面図である。 図3に示す断面図の拡大図である。 図1に示す実施形態の他の部分断面図である。 図1に示す実施形態の変形例を示す部分拡大断面図である。
図1ないし図5に示す本発明の一実施形態のインサート着脱式切削工具は、本発明をインサート着脱式のエンドミルに適用したものである。すなわち、本実施形態のインサート着脱式切削工具において、その工具本体1は軸線Oを中心とした外形略円柱状をなしており、その後端部(図1、図3、図5における上側部分)が工作機械の主軸側に取り付けられて上記軸線O回りに工具回転方向Tに回転させられることにより、被削材の切削加工(転削加工)に使用される。
この工具本体1には、上記軸線Oに沿って当該工具本体1を貫通するように装着孔2が形成され、この装着孔2は、軸線O方向後端側から先端側(図1、図3、図5において下側)に向けて順に、内径が最も大きな大径部2Aと、内径が最も小さな小径部2Bと、これら大径部2Aと小径部2Bとの間の内径の中径部2Cとが同軸に配列されて構成されている。なお、小径部2Bの先端側には環状溝2Dが形成されていて、この環状溝2DにはOリング3が嵌め込まれている。また、工具本体1の後端面には、キー溝4が軸線Oに対する直径方向に延びるように形成されている。
一方、工具本体1の外周面には、その先端から後端側に向けて軸線O回りに工具回転方向Tの後方側に捩れる切屑排出溝5が周方向に等間隔をあけて複数条形成されており、これらの切屑排出溝5には、その工具回転方向Tを向く壁面と上記外周面とに開口する複数(本実施形態では4つずつ)のインサート取付座6が該切屑排出溝5に沿って形成されていて、これらのインサート取付座6に、それぞれクランプネジ7によって切削インサート8が着脱可能に取り付けられる。
なお、これら複数の切屑排出溝5および該切屑排出溝5同士でこれに沿って形成される複数のインサート取付座6は、軸線O回りに所定角度ずつ回転対称となるように形成されている。また、図示のインサート着脱式切削工具では説明のために2条の切屑排出溝5およびこれらに沿って形成されたインサート取付座6しか示されていないが、3条以上の切屑排出溝5を形成してインサート取付座6を設けても勿論構わない。
本実施形態における切削インサート8は、超硬合金等の硬質焼結体により多角形の平板状に形成されており、すなわち一対の多角形面とその周囲に配置される側面とを備えていて、これらの側面の1つをすくい面として工具回転方向Tに向けてインサート取付座6に取り付けられる。具体的に、本実施形態の切削インサート8は概略五角形平板状とされており、一対の五角形面9と、これらの五角形面9の周囲に配置されるすくい面10、一対の側面11、および着座面12とを備えていて、上記五角形面9に対向する方向からみたときにこの着座面12が凸V字状をなすことにより概略五角形状を呈している。
また、切削インサート8には、これら一対の五角形面9の間を貫通する取付孔13が両五角形面9の略中央に開口するように形成されており、この取付孔13には図4に示すようにその中心線方向の中央部側に向かうに従い内径が漸次小さくなる縮径部13Aが形成されている。さらに、上記すくい面10は概略平行四辺形状に形成され、この平行四辺形の四辺のうち、すくい面10と上記五角形面9との交差稜線部には主切刃10Aが、すくい面10と側面11との交差稜線部には副切刃10Bが形成されている。
このような切削インサート8が取り付けられるインサート取付座6は、図4に示すように工具本体1の外周側を向く底面6Aと、工具回転方向T側を向く壁面6Bとを備えている。このうち、壁面6Bは、切削インサート8の上記着座面12がなす凸V字と等しい挟角の凹V字状をなしており、また底面6Aは平面状とされて、その略中央には工具本体1の径方向に向けて延びるように取付ネジ孔6Cが形成されている。
そして、切削インサート8は、一対の五角形面9のうち1つを底面6Aに密着させるとともに、着座面12を上記壁面6Bに当接させてインサート取付座6に着座させられた上で、上記取付孔13に挿通されたクランプネジ7が取付ネジ孔6Cにねじ込まれることにより、該クランプネジ7の頭部7Aによって取付孔13の上記縮径部13Aが押圧されて底面6A側と壁面6B側とに押しつけられた状態で、インサート取付座6に取り付けられる。
従って、こうしてインサート取付座6に取り付けられた切削インサート8のすくい面10は工具回転方向Tに向けられるとともに、このすくい面10と、上記底面6Aに密着させられた五角形面9とは反対の五角形面9との交差稜線部に形成された主切刃10Aは工具本体1の外周側に向けられる。さらに、1つの切屑排出溝5に沿って形成されたインサート取付座6に取り付けられる複数の切削インサート8においては、この外周側に向けられた主切刃10A同士の軸線O回りの回転軌跡が該軸線O方向に連続して長刃を形成するようにされる。
なお、こうして1つの切屑排出溝5について複数形成されるインサート取付座6は、本実施形態では、それぞれの上記壁面6Bが、切屑排出溝5の捩れに沿った螺旋階段状をなすように配列されている。すなわち、先端側のインサート取付座6の壁面6Bに対して、その後端側に隣接する次のインサート取付座6の壁面6Bは、エンドミル回転方向Tの後方側に向けて一段ずらされるようにして配置されている。
従って、1つの切屑排出溝5において隣接するインサート取付座6の壁面6B同士の間には、周方向に延びる段差面14が形成されることになり、インサート取付座6に取り付けられた切削インサート8の工具本体1先端側を向く側面11は、この段差面14と対向するように配置される。ただし、こうして取り付けられた切削インサート8上記側面11は、本実施形態ではこの段差面14に接触することなく、僅かな間隔をあけて配置されるようになされている。
また、各インサート取付座6の底面6Aの工具回転方向T側において、切屑排出溝5の工具本体1外周側を向く底面には、この底面よりもさらに凹むように凹所15がそれぞれ形成されている。この凹所15は、工具本体1の周方向に沿った断面においても、軸線O方向に沿った断面においても、滑らかな凹曲線をなすように凹み、各インサート取付座6ごとにその工具回転方向T側に位置するように、互いに間隔をあけて形成されている。
このようなインサート着脱式切削工具は、工作機械の上記主軸側の端面から突出した図示されない装着軸が上記装着孔2の大径部2Aに嵌挿させられるとともに、この端面に設けられた同じく図示されないキーが上記キー溝4に嵌合させられた上で、工具本体1の先端側から装着孔2に挿入したやはり図示されない装着ボルトを上記装着軸に形成されたボルト孔にねじ込むことにより、この装着ボルトの頭部が装着孔2の小径部2Bと中径部2Cとの段差部を押圧して工具本体1の後端面が上記主軸側の端面に押し付けられ、上述のように主軸側に取り付けられる。
ここで、上記装着軸の主軸側端面からの突出長さは大径部2Aの後端面からの深さよりも小さくされており、これにより、装着軸の先端面と、装着孔2の大径部2Aと小径部2Bとの円環状をなす段差部2Eとの間には間隔があけられて、上記装着ボルトの周りに円筒状をなす空間が形成される。
この空間は、先端側は上記Oリング3が装着ボルトの外周に密着することにより、また後端側は装着軸が装着孔2の大径部2Aに密着するように嵌め入れられることにより、液密な状態を維持可能とされている。さらに、上記装着軸の先端面には、上記工作機械から給送された高圧のクーラント(本実施形態では液状の切削油剤)を該空間に導入する導入孔が開口させられる。
さらにまた、この空間に連通するように、工具本体1には、上記段差部2Eに開口するようにクーラントの供給孔16が形成されるとともに、このクーラントを切削インサート8の外周側に向けられた主切刃10Aに向けて噴出する噴出孔17が、各インサート取付座6の工具回転方向T側に形成された上記凹所15にそれぞれ開口するように形成されている。
そして、これら供給孔16と噴出孔17とは、各インサート取付座6の上記クランプネジ7がねじ込まれる取付ネジ孔6Cから延びるように形成されたネジ下孔18に連通させられている。すなわち、このネジ下孔18は、上記取付ネジ孔6Cの内周に雌ネジ部を形成する前の下孔を、装着孔2に達しない範囲で取付ネジ孔6Cとして必要な深さよりも延長して形成したものであり、従って取付ネジ孔6Cと同軸とされて、本実施形態では該取付ネジ孔6Cと同様に工具本体1の径方向に向けて延びている。
なお、これら供給孔16、噴出孔17、およびネジ下孔18は、それぞれ直線状に延びるように形成されている。また、供給孔16と噴出孔17とは、図3および図4に示すようにネジ下孔18の延設方向において同一位置で連通させられていてもよく、また図5に示すようにこの延設方向において異なる位置で連通させられていてもよい。
ただし、本実施形態では、このネジ下孔18は、各切屑排出溝5に沿って形成された複数のインサート取付座6のうち、最も先端側のインサート取付座6には形成されておらず、つまりこの最先端のインサート取付座6を除いたインサート取付座6の底面6Aに形成された取付ネジ孔6Cだけに形成されている。
また、上記供給孔16は、1つのネジ下孔18に対して1つずつ連通するように形成されており、従って1つの切屑排出溝5に沿って形成された複数(本実施形態では4つ)のインサート取付座6に対しては、図2に示すように最先端のインサート取付座6を除いた数(本実施形態では3つ)の供給孔16が形成されることになる。これらの供給孔16は、切屑排出溝5の捩れに沿った複数のインサート取付座6の周方向へのずれに合わせて、回転方向T側に位置するインサート取付座6(先端側に位置するインサート取付座6)のネジ下孔18に連通するものから順に、上記段差部2Eにおいて回転方向T側から互いに間隔をあけて開口し、かつ供給孔16同士が交差しないように穿設されている。
さらに、噴出孔17も、1つのネジ下孔18に対して1つずつ連通するように形成されていて、本実施形態では軸線O方向視において図2に示すように、このネジ下孔18から該軸線を中心とした円の接線方向に向けて延びるとともに、凹所15への開口部に向かうに従い外周側に向かうように延びて、該凹所15の軸線O方向後端側の隅部に開口している。
また、この噴出孔17は、凹所15に連なるインサート取付座6に取り付けられた切削インサート8のすくい面10に対しては、回転方向T側から回転方向T後方側に向けて斜めに、また該すくい面10がなす平行四辺形の対角線方向に沿うようにして、該切削インサート8の外周側に向けられた主切刃10Aの先端側の、副切刃10Bとのコーナ部近傍にクーラントを噴出するように穿設されている。
ここで、工具本体1の外周に周方向に間隔をあけて複数のインサート取付座6が形成された本実施形態のインサート着脱式切削工具では、周方向に隣接する一対のインサート取付座6の一方のインサート取付座6に取り付けられた切削インサート8のすくい面10に対して、他方のインサート取付座6に形成されたネジ下孔18から延びる噴出孔17からクーラントが噴出させられるようになされている。
具体的には、周方向に隣接する切屑排出溝5に沿って形成されたインサート取付座6のうち、回転方向T後方側に位置する切屑排出溝5に沿った一方のインサート取付座6に取り付けられた切削インサート8に対して、回転方向T側の他方のインサート取付座6のネジ下孔18に連通する噴出孔17からクーラントが噴出させられる。
しかも、これら切屑排出溝5に沿って軸線O方向に列をなすように複数の切削インサート6が形成された本実施形態では、上記一方のインサート取付座6の噴出孔17は、周方向に隣接する列において軸線O方向にずらされた上記他方のインサート取付座6のネジ下孔18に連通させられている。
具体的に、周方向に隣接する切屑排出溝5のうち、回転方向T後方側の切屑排出溝5に沿う一方のインサート取付座6に取り付けられた切削インサート8に向けてクーラントを噴出する噴出孔17は、回転方向T側の切屑排出溝5に沿った複数のインサート取付座6のうち軸線O方向後端側に1つずれた他方のインサート取付座6のネジ下孔18に連通させられて、凹所15への開口部に向かうに従い先端側に向かうように延びている。
なお、1つの切屑排出溝5に沿って形成された複数のインサート取付座6のうち、最も後端側のインサート取付座6については、その回転方向T側かつ軸線O方向後端側に1つずれた他方のインサート取付座6が存在しないため、この最後端のインサート取付座6に連なる凹所15に噴出孔17は図示されていないが、これら最後端のインサート取付座6に対しては、上記段差部2E等に噴出孔17を開口させて上記空間に直接連通するように形成し、切削インサート8のすくい面10に向けてクーラントを噴出すればよい。
このように構成されたインサート着脱式切削工具において、上述のように工作機械側から上記空間に導入されたクーラントは、これら最後端のインサート取付座6に取り付けられた切削インサート8に噴出させられるものを除いて、供給孔16からネジ下孔18を介して噴出孔17から噴出させられ、切削インサート8のすくい面10における外周側に向けられた切削に使用される切刃(主切刃10Aおよび副切刃10B)に供給される。
ここで、この噴出孔17は、本実施形態では上述のように軸線Oを中心とする円の接線方向に延びて、すくい面10に対して外周側に向かうに従い回転方向T後方側に向けて斜めに噴出させられるので、確実かつ集中的に上記切刃に向けてクーラントを供給することができ、切刃や被削材の切削部位の効果的な冷却、潤滑を図ることができる。
さらに、このように切刃に向けてクーラントを噴出しうる噴出孔17を形成するのに、上記構成のインサート着脱式切削工具では、切削インサート8をインサート取付座6に取り付けるのに用いる取付ネジ孔6Cのネジ下孔18にこの噴出孔17とクーラントの供給孔16とを連通させるようにしており、従ってこのネジ下孔18が延びている範囲のいずれかの位置で連通可能であれば、最も効果的にクーラントを噴出しうる向きや位置に噴出孔17を穿設することができる。
これは、供給孔16についても同様であり、すなわち該供給孔16はネジ下孔18のいずれかの位置で連通させられていればよく、供給孔16同士が交差しないような位置に供給孔16を穿設することが容易である。すなわち、例えば供給孔16と噴出孔17とを交差させて直接的に連通するように穿設したりするのに比べ、これら供給孔16や噴出孔17の位置や向きが制約を受けることが少ない。
その一方で、このネジ下孔18は、もともと切削インサート8をインサート取付座6に取り付けるために形成された取付ネジ孔6Cの下孔を延長したものであり、このネジ下孔18とは別に供給孔16と噴出孔17とに連通する孔を工具本体1に形成したりするのに比べて手間がかからず、またその工具本体1外周側への開口部は取付ネジ孔6Cにねじ込まれたクランプネジ7によって封止されるので、このような開口部に埋め栓等を取り付ける必要もない。
そして、このような別の孔を形成したり、あるいは上述のように工具本体の軸線に沿って形成した供給孔の径を大きくして接線方向に延びる噴出孔を形成したりするのに比べ、工具本体1の肉厚が削がれる部分を最小限に抑えることができるため、上記構成のインサート着脱式切削工具によれば、工具本体1の強度や剛性が損なわれるのを防ぐことができ、こうして工具強度や剛性が確保されることと、効率的な冷却、潤滑が図られることとが相俟って、安定した切削加工を促すことが可能となる。
一方、本実施形態では、工具本体1が軸線Oを中心とした外形円柱状をなして、その外周に周方向に間隔をあけて形成された複数のインサート取付座6に切削インサート8が取り付けられ、工具本体1を軸線O回りに回転させてこれらの切削インサート8の切刃(主切刃10Aや副切刃10B)により切削を行う、インサート着脱式のエンドミルに本発明を適用しており、特に周方向に隣接するインサート取付座6のうち、一方のインサート取付座6側にクーラントを噴出する噴出孔17が、他方のインサート取付座6の取付ネジ孔6Cから延びるネジ下孔18に連通させられている。
すなわち、この他方のインサート取付座6のネジ下孔18に連通する噴出孔17は、周方向に隣接した間近の一方のインサート取付座6に取り付けられた切削インサート8に対してクーラントを噴出することになるので、噴出孔17の延設長さを短くすることができ、噴出するクーラントの圧力が噴出孔17との摩擦抵抗により減じられたりするのを抑えることができる。しかも、本実施形態では、この噴出孔17が、凹所15への開口部に向かうに従い転削加工時の工具本体1の回転方向Tの後方側に向けて径方向外周側に向かうように延びているので、工具本体1の回転による遠心力によって一層効率的なクーラントの供給を行うことが可能となる。
また、本実施形態のインサート着脱式切削工具は、このようなエンドミルにおいても、周方向に間隔をあけたインサート取付座6が、工具本体1の軸線O方向に列をなすように切屑排出溝5に沿って複数配設されたものであり、本実施形態では、周方向に隣接するインサート取付座6のうち、上記一方のインサート取付座6側に開口する噴出孔17は、該一方のインサート取付座6とは軸線O方向にずらされた他方のインサート取付座6のネジ下孔18に連通させられている。
従って、この噴出孔17は、一方のインサート取付座6に取り付けられた切削インサート8のすくい面10に対して例えば上述のように該すくい面10がなす平行四辺形の対角線方向に沿うように、軸線O方向に向けても延びるように形成されることになる。このため、外周側に向けられた切刃(主切刃10A)のうちでも特に高い負荷が作用する部分(本実施形態では軸線O方向先端側の副切刃10bとのコーナ部周辺)に確実かつ集中的にクーラントを供給することが可能となり、このような部分における切削時の発熱による切削インサート8の損傷等を防いで一層円滑な加工を図ることができる。
しかも、本実施形態では、この噴出孔17が開口する一方のインサート取付座6が、該噴出孔17が連通するネジ下孔18が形成された他方のインサート取付座6に対して軸線O方向先端側にずらされたものであり、工作機械側から高圧で給送されたクーラントは、同じく軸線O方向先端側に延びる供給孔16からネジ下孔18を経てその圧力を大きく減じられることなく噴出孔17から噴出させられる。このため、本実施形態によれば、1つの切屑排出溝5に沿って配設されたインサート取付座6および切削インサート8の数が多い長刃のエンドミルにあっても、上述のように遠心力が加わることとも相俟って、切削負荷の高い部位にさらに効率的なクーラントの供給を図ることができる。
ただし、本実施形態では、このように軸線O方向に列をなす複数のインサート取付座6が周方向に間隔をあけて複数列形成されたエンドミルに本発明を適用した場合について説明したが、工具本体の先端部外周のみに複数のインサート取付座が周方向に間隔をあけて形成されて切削インサートが取り付けられた外形円柱状のエンドミルや外形円盤状の正面フライス等のインサート着脱式切削工具に本発明を適用することも可能である。このような場合に、周方向に隣接するインサート取付座のうち一方のインサート取付座側に開口する噴出孔は、例えばその工具回転方向側に位置する軸線方向にずらされていない他方のインサート取付座のネジ下孔に連通するように形成すればよい。
さらに、本実施形態では、インサート取付座6の底面6Aに取付ネジ孔6Cが形成されていて、切削インサート8に形成された取付孔13にクランプネジ7を挿通してこの取付ネジ孔6Cにねじ込むことにより、切削インサート8が直接的にインサート取付座6に取り付けられるようにされているが、例えば上記正面フライスのようなインサート着脱式切削工具では、工具本体にねじ込まれるクランプネジによってクサビを締め込んで切削インサートを押圧することによりインサート取付座に着脱可能に取り付けるものもあり、そのようなインサート着脱式切削工具にも本発明を適用することは可能である。すなわち、このようなインサート着脱式切削工具では、上記クサビを締め込むためのクランプネジがねじ込まれる取付ネジ孔に、クーラントの供給孔と噴出孔とが連通するネジ下孔を形成すればよい。
一方、本実施形態では、この供給孔と噴出孔とが連通知るネジ下孔が、中実のクランプネジ7によって上述のように封止されているものとしたが、例えば図6に示す上記実施形態の変形例のように、このような中実のクランプネジ7に代えて、頭部21Aから雄ネジ部先端にかけてその中心線に沿うように貫通孔21Bが形成されたクランプネジ21を取付ネジ孔6Cにねじ込むことにより切削インサート8をインサート取付座6に取り付けるようにしてもよい。なお、この変形例においては、クランプネジ21以外の構成は上記実施形態と変わらないので、図6では同一の符号を配して説明を省略する。
従って、このようなクランプネジ21が取付ネジ孔6Cにねじ込まれて切削インサート8が取り付けられたインサート着脱式切削工具では、このクランプネジ21の貫通孔21Bが上記ネジ下孔18に連通することになり、上記空間から供給孔16を介してネジ下孔18に供給されたクーラントは、噴出孔17から切削インサート8のすくい面10に向けて噴出させられるとともに、一部はこの貫通孔21Bからも噴出させられる。このため、工具本体1には新たな噴出孔を形成したりせずにその強度や剛性を維持したまま、一層効果的な冷却、潤滑を図ることができる。
特に、上記変形例のインサート着脱式切削工具(エンドミル)では、クランプネジ21の貫通孔21Bは、工具本体1の外周側に向けられた切刃(主切刃10A)に連なって外周逃げ面となる切削インサート8の五角形面9に開口することになり、上述のようにクーラントを高圧で給送した場合には、この五角形面9と被削材の加工面との間を通してクーラントを上記切刃に到達させることができる。
従って、このように構成された変形例のインサート着脱式切削工具では、噴出孔17からすくい面10側に噴出させられるクーラントと、上記貫通孔21Bを通してこの外周逃げ面とされる五角形面9側から到達させられるクーラントにより、上記切刃および被削材の切削部位を一層確実に冷却、潤滑することができて、さらに円滑かつ安定した切削加工を促すことが可能となる。
1 工具本体
2 装着孔
5 切屑排出溝
6 インサート取付座
6C 取付ネジ孔
7、21 クランプネジ
8 切削インサート
10 すくい面
10A 主切刃
10B 副切刃
15 凹所
16 供給孔
17 噴出孔
18 ネジ下孔
21B クランプネジ21の貫通孔
O 工具本体1の軸線
T 回転方向

Claims (3)

  1. 工具本体に形成されたインサート取付座に着座させられた切削インサートが、該工具本体にねじ込まれるクランプネジにより着脱可能に取り付けられるインサート着脱式切削工具であって、上記工具本体は、軸線を中心とした外形円柱状または外形円盤状をなし、その外周に周方向に間隔をあけて複数の上記インサート取付座が形成されており、上記工具本体にはクーラントが供給される供給孔と、このクーラントを上記切削インサートに向けて噴出する噴出孔とが形成されるとともに、これら供給孔と噴出孔とは、上記工具本体に形成されて上記クランプネジがねじ込まれる取付ネジ孔から延びるネジ下孔に連通させられていて、周方向に隣接するインサート取付座のうち一方のインサート取付座に取り付けられた上記切削インサートに向けて上記クーラントを噴出する噴出孔が、他方のインサート取付座に上記切削インサートを取り付けるための上記取付ネジ孔から延びる上記ネジ下孔に連通させられていることを特徴とするインサート着脱式切削工具。
  2. 上記工具本体の外周には、上記軸線方向に列をなす複数の上記インサート取付座が周方向に間隔をあけて複数列形成されており、上記一方のインサート取付座の上記噴出孔は、周方向に隣接する列において上記軸線方向にずらされた上記他方のインサート取付座の上記ネジ下孔に連通させられていることを特徴とする請求項1に記載のインサート着脱式切削工具。
  3. 上記クランプネジには、上記ネジ下孔に連通する貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインサート着脱式切削工具。
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