JP5515958B2 - 切削工具のクーラント供給孔構造 - Google Patents

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Description

本発明は、切削工具のクーラント供給孔構造に関するものである。
従来、工作機械に取り付けられて、金属材料からなる被削材に切削加工を施す切削工具が知られている。この種の切削工具として、例えば、軸状をなす工具本体と、この工具本体の先端部や外周部に着脱可能に装着される板状の切削インサートとを備え、工具本体がその中心軸(工具軸線)回りに回転されることにより、切削インサートの切れ刃で被削材を転削加工するように構成された刃先交換式転削工具がある。
例えば、特許文献1、2に示される刃先交換式転削工具においては、工具本体の先端外周部に複数のインサート取付座が形成されており、これらインサート取付座には、切削インサートがそれぞれ装着されている。これら切削インサートは、工具軸線方向に並ぶように列をなしており、列全体としては工具回転方向に捩れるように螺旋階段状とされている。また、このような切削インサートの列は、前記先端外周部において周方向に間隔をあけて複数形成されている。
前記刃先交換式転削工具は、切削油剤等のクーラントを工具本体の内部に流通させるとともに、切れ刃近傍へ向けて噴出させるクーラント供給孔構造を備えている。詳しくは、クーラント供給孔構造は、工具本体の工具軸線に沿うように延びる第1供給孔(供給孔、冷却媒体通路)と、この第1供給孔に連通するとともに前記先端外周部の切削インサートに向けて延びる第2供給孔(噴出孔、分岐通路)とを備えており、該第2供給孔は切屑排出溝(チップ溝)に開口されている。そして、切削加工時には、工具本体の後端部を支持する工作機械の主軸等から該工具本体の第1供給孔にクーラントが供給され、クーラントは第1供給孔内を工具本体の先端側へ向けて流れていき、第2供給孔を通って切削インサートの切れ刃近傍へ向けて噴出される。
実開平3−15017号公報 特開平7−60528号公報
しかしながら、この種の切削工具のクーラント供給孔構造においては、下記のような課題を有していた。
一般に、第1供給孔が工具軸線に沿って1つ形成されているのに対し、第2供給孔は切削インサートの切れ刃の配置に対応するように、工具軸線を中心に周方向に間隔をあけたり工具軸線方向に間隔をあけたりして、複数形成されている。この場合に、第2供給孔の配置等によって、一部の孔(第2供給孔)からクーラントが噴出されにくくなることがあった。すなわち、これら第2供給孔を通って噴出されるクーラントの流速や供給量を均等に設定することは難しかった。
具体的に、例えば特許文献1、2に記載された切削工具のように、複数の切削インサートが工具軸線方向に沿うように配列されている場合、第2供給孔は、切削インサートの切れ刃の配置に対応して、工具軸線方向に間隔をあけて複数形成される。これら第2供給孔のうち、工具本体の先端側に位置する第2供給孔を通って噴出されるクーラントの流速や供給量に対比して、該第2供給孔よりも工具本体の後端側に位置する他の第2供給孔から噴出されるクーラントの流速や供給量が低められることがあった。
第2供給孔同士の間でクーラントの流速や供給量に差が生じると、工具全体として切れ刃の切れ味や切屑の排出性が安定しなくなり、加工精度が確保できなくなる。また、クーラントが十分に供給されない領域に配置された切削インサートは、クーラントによる切れ刃の冷却・潤滑効果が得られにくくなり、溶着や折損等が生じやすくなって、工具寿命が短くなってしまう。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、切れ刃近傍へ向けて噴出するクーラントの流速や供給量を工具全体に均等にでき、切れ刃の切れ味や切屑の排出性を安定して高めることができるとともに、加工精度が確保され、工具寿命を延長できる切削工具のクーラント供給孔構造を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
すなわち本発明は、切れ刃を備える軸状の工具本体の内部に形成されて、前記切れ刃に向けてクーラントを供給する切削工具のクーラント供給孔構造であって、前記工具本体の工具軸線に沿うように延びる第1供給孔と、前記第1供給孔の内面に形成されて、前記工具軸線とは反対側へ向けて窪む凹所と、前記凹所の奥面に開口するとともに、前記切れ刃へ向かうように延びる第2供給孔と、を備え、前記凹所は、前記第1供給孔の内面から前記奥面に向かうに従い漸次第2供給孔の軸線に接近するように傾斜して形成されていることを特徴とする。
また本発明は、切れ刃を備える軸状の工具本体の内部に形成されて、前記切れ刃に向けてクーラントを供給する切削工具のクーラント供給孔構造であって、前記工具本体の工具軸線に沿うように延びる第1供給孔と、前記第1供給孔の内面に形成されて、前記工具軸線とは反対側へ向けて窪む凹所と、前記凹所の奥面に開口するとともに、前記切れ刃へ向かうように延びる第2供給孔と、を備え、前記凹所は、前記工具軸線方向に間隔をあけて複数形成されており、前記第1供給孔の内面は、前記工具軸線に沿う後端側から先端側へ向かうに従い漸次工具軸線に接近するように傾斜して形成されていることを特徴とする。
本発明に係る切削工具のクーラント供給孔構造は、軸状の工具本体と、この工具本体の先端部又は/及び外周部(以下、先端外周部と省略する)に配置されて被削材を切削する切れ刃と、を備えた切削工具に用いられて、切削油剤等のクーラントを切れ刃近傍に供給するものである。切削工具は、例えば、工具本体の後端部が工作機械の主軸等に支持された状態で、前記工具軸線回りに回転させられることにより、切れ刃で被削材を切削加工(転削加工)する。切削工具の工具本体には、その中心軸(工具軸線)に沿うように第1供給孔が形成されている。第1供給孔は、例えば円柱孔状に形成されており、その内面には、前記工具軸線とは反対側へ向けて窪む凹所が形成されている。凹所は、例えば、前記工具軸線を中心に周方向に沿って延びる円環状や、前記内面から部分的に凹む凹曲面状等に形成されており、その奥面(凹所における径方向外方に配されて前記工具軸線側を向く面、すなわち底面)には、第2供給孔が開口している。第2供給孔は、例えば第1供給孔よりも小径の円柱孔状に形成されて、前記切れ刃へ向かうように延びている。
ここで、従来の構成においては、第1供給孔の内面に単純に第2供給孔を開口させて、これら第1、第2供給孔同士を連通させていた。しかしながら、第1供給孔と第2供給孔とは、互いの内径が異なるとともに延在する向きも異なっているため、第1供給孔から第2供給孔に流入するクーラントは、その流速が摩擦抵抗等により大きく減じられることとなり、切れ刃近傍へ向けてクーラントを勢いよく噴出させることができなかった。
一方、本発明の切削工具のクーラント供給孔構造によれば、工作機械の主軸等から工具本体の第1供給孔にクーラントが供給されると、クーラントは該第1供給孔の凹所に溜まるとともに、該凹所の形状に沿うようにこの凹所内を前記工具軸線とは反対側へ向けて流れて、凹所の奥面に開口された第2供給孔内にスムースに案内される。すなわち、クーラントが凹所を介して第1供給孔から第2供給孔に流入することによって、該クーラントの流速が減じられるようなことが防止されているとともに供給量が確保されて、クーラントは切れ刃近傍へ向けて勢いよく噴出されるのである。
また、例えば、切削工具の工具本体において、切れ刃が工具軸線方向や周方向に間隔をあけて複数設けられたり、工具軸線に沿うように延在して長刃に形成されたりする場合には、該切れ刃に対応して第2供給孔が複数形成される。このような場合に、前述した従来の構成では、第2供給孔の配置等によって一部の孔(第2供給孔)からクーラントが噴出されにくくなることがあり、これら第2供給孔を通って噴出されるクーラントの流速や供給量を均等に設定することは難しかった。
一方、本発明に係る切削工具のクーラント供給孔構造によれば、それぞれの第2供給孔を通って噴出するクーラントの流速や供給量が十分に確保されるので、これら第2供給孔同士におけるクーラントの流速や供給量に差が生じにくくなり、工具全体としてクーラントが均等に噴出される。
従って、工具全体として切れ刃の切れ味や切屑の排出性が安定して高められることとなり、加工精度が確保される。また、切れ刃の冷却・潤滑効果が確実に得られることから、該切れ刃の溶着や折損等が防止されて、工具寿命が延長する。
また、凹所が、第1供給孔の内面から奥面に向かうに従い漸次第2供給孔の軸線に接近するように傾斜して形成されていることで、該凹所内を流れるクーラントの摩擦抵抗が低減されるとともに、前記奥面に向かうに従い漸次クーラントの流速が高められる。これにより、第2供給孔内を通って噴出されるクーラントの勢いが増す。
一般に、第1供給孔における工具軸線方向の後端側の部位に必要とされるクーラント量は、工具軸線方向の先端側の部位に必要とされるクーラント量よりも多い。すなわち、第1供給孔内において工具軸線方向の後端側の部位に必要とされるクーラント量は、該後端側の部位から第2供給孔を通して切れ刃近傍へ向けて噴出されるクーラント量のみならず、該後端側の部位から工具軸線方向の先端側の部位へ流れ、該先端側の部位から第2供給孔を通して切れ刃近傍へ向けて噴出されるクーラント量をも含んでいる。そのため、第1供給孔の内面が、工具軸線に沿う後端側から先端側へ向かうに従い漸次工具軸線に接近するように傾斜して形成されていることで、クーラント量が多く必要とされる第1供給孔内の工具軸線方向の後端側の部位における容量が十分に確保されている。
またこのような構成により、クーラントは、工具軸線方向に間隔をあけて配置された複数の凹所に対して略均等に流れ込むこととなる。そして、クーラントは、これら凹所に開口する各第2供給孔を通して、切れ刃近傍へ向けて均等に噴出されることになり、工具全体として切れ刃の切れ味や切屑の排出性が安定して高められるのである。
また、本発明に係る切削工具のクーラント供給孔構造において、前記工具本体は、前記工具軸線回りに回転されて、前記切れ刃で被削材を転削加工することとしてもよい。
本発明に係る切削工具のクーラント供給孔構造によれば、工具本体が工具軸線回りに回転されることにより切れ刃で被削材を転削加工するので、工具本体が回転する際に生じる遠心力によって、凹所にクーラントが溜まりやすくされている。また、凹所に溜まったクーラントが、工具軸線とは反対側の奥面へ向けて流れやすくなるとともに、前記奥面に開口する第2供給孔内に流入しやすくなる。これにより、切れ刃近傍へ噴出されるクーラントの流速や供給量が確実に高められる。
また、本発明に係る切削工具のクーラント供給孔構造において、前記第1供給孔の内面が前記工具軸線に対して傾斜する角度αは、0°<α≦20°の範囲内に設定されることとしてもよい。
本発明に係る切削工具のクーラント供給孔構造によれば、第1供給孔の内面が工具軸線に対して傾斜する角度αが、0°<α≦20°の範囲内に設定されているので、工具軸線方向に沿って複数の凹所が形成されている場合に、これら凹所にクーラントが略均等に流入するとともに、工具本体の剛性が確保される。すなわち、角度αが20°を超えて設定された場合には、工具本体において工具軸線方向の後端側に位置する部位の肉厚が確保しにくくなって、該工具本体の剛性が低減することがある。
また、本発明に係る切削工具のクーラント供給孔構造において、前記第2供給孔の軸線は、前記切れ刃よりも前記工具本体が回転する工具回転方向の前方側に向けて延びており、前記第2供給孔の軸線と前記切れ刃との距離が、0.5mm〜3mmの範囲内に設定されることとしてもよい。
本発明に係る切削工具のクーラント供給孔構造によれば、第2供給孔の軸線が、切れ刃よりも工具回転方向の前方側へ向けて延びており、該軸線と切れ刃との距離が、0.5mm〜3mmの範囲内に設定されている。すなわち、第2供給孔を流れるクーラントは、切れ刃が切削して生じる切屑に向けて噴出されることとなり、詳しくは、該切屑の根元付近に向けて噴出される。
ここで、切屑は、切れ刃に削り取られるとともにすくい面に掬われることによって、工具本体の工具軸線側へ向かった後、工具回転方向の前方側へ向かうように、カールして生成されている(例えば、図3参照)。従って、切屑の根元付近に噴出されたクーラントは、切屑を冷却した後、該切屑のカールに沿うように、切屑とすくい面との間やその周囲を切れ刃側へ向かって流れていく。これにより、切屑及び切れ刃に効率よく安定してクーラントが供給されることとなり、切屑の排出性や切れ刃の切れ味が安定して高められて、加工精度が確保される。
また、本発明に係る切削工具のクーラント供給孔構造において、前記第2供給孔は、該第2供給孔の軸線に垂直な断面が円形状をなし、前記第2供給孔の前記切れ刃側に連通して、前記断面が円形状とされているとともに該第2供給孔よりも小径の第3供給孔が形成され、これら第2、第3供給孔の間には、前記第2供給孔の軸線に沿って前記切れ刃側へ向かうに従い漸次縮径するテーパ面が形成されていることとしてもよい。
本発明に係る切削工具のクーラント供給孔構造によれば、第2供給孔よりも小径に設定された第3供給孔が、該第2供給孔の切れ刃側に連通して形成されている。そして、これら第2、第3供給孔の間には、第2供給孔の軸線に沿って切れ刃側へ向かうに従い漸次縮径するテーパ面が形成されている。このようなテーパ面が形成されていることにより、第2供給孔から第3供給孔に流入するクーラントの摩擦抵抗が低減されるとともに、クーラントの流速が高められている。従って、第3供給孔内を通って切れ刃近傍へ噴出されるクーラントの勢いが十分に確保される。
また、本発明に係る切削工具のクーラント供給孔構造において、前記第3供給孔の内径が、0.5mm〜1.6mmの範囲内に設定されることとしてもよい。
本発明に係る切削工具のクーラント供給孔構造によれば、第3供給孔の内径が0.5mm〜1.6mmの範囲内に設定されているので、クーラントが該第3供給孔内で詰まるようなことが防止されているとともに、該クーラントの噴出力が十分に確保される。すなわち、前記内径が0.5mmよりも小さく設定された場合、第3供給孔内でクーラントが固着等により詰まってしまうことがある。また、前記内径が1.6mmを超えて設定された場合、第2供給孔から第3供給孔に流れ込んだクーラントの流速が十分に高められにくくなり、噴出の勢いが確保できないことがある。
本発明に係る切削工具のクーラント供給孔構造によれば、切れ刃近傍へ向けて噴出するクーラントの流速や供給量を工具全体に均等にでき、切れ刃の切れ味や切屑の排出性を安定して高めることができるとともに、加工精度が確保され、工具寿命を延長できる。
本発明の一実施形態に係る切削工具のクーラント供給孔構造を用いた刃先交換式転削工具を示す側面図である。 図1の刃先交換式転削工具を一部簡略化して示す側断面図であり、本発明の一実施形態に係る切削工具のクーラント供給孔構造を説明する図である。 図2のA−A断面を示す図である。 本発明の一実施形態に係る切削工具のクーラント供給孔構造の要部を説明する側断面図である。 本発明の一実施形態に係る切削工具のクーラント供給孔構造の要部を説明する側断面図である。
図1、図2に示すように、本発明の一実施形態に係る切削工具のクーラント供給孔構造10は、切削工具である刃先交換式転削工具1に形成されている。刃先交換式転削工具1は、鋼材等からなる軸状の工具本体2と、超硬合金等の硬質材料からなり、工具本体2の先端外周部に着脱可能に装着されて該工具本体2から切れ刃3を突出させる板状の切削インサート4と、を備えている。詳しくは、工具本体2は円柱状をなしており、刃先交換式転削工具1は、該工具本体2の中心軸(工具軸線)O1方向の後端部(図1、図2における上側の端部)が工作機械の主軸等に支持された状態で、工具軸線O1回りに工具回転方向Tに回転させられることにより、切れ刃3で金属材料からなる被削材を切削加工(転削加工)する。
この切削工具のクーラント供給孔構造10は、工具本体2の内部に形成されて、切れ刃3に向けて切削油剤等からなるクーラントを供給するものである。
図2において、工具本体2には、工具軸線O1方向に該工具本体2を貫通する多段円柱孔状の装着孔5が形成されている。装着孔5は、工具本体2の後端面2Aに開口するとともに内径が最も大きく設定された大径部5Aと、工具本体2の先端面2Bに開口するとともに大径部5Aよりも小径とされた小径部5Bと、これら大径部5A及び小径部5Bの間に配されて最も小径とされた第1供給孔6と、が同軸に配置されて形成されている。また、工具本体2には、該工具本体2の後端面2Aに開口するとともに、工具軸線O1に対して直径方向に延びるようにキー溝7が形成されている。
この刃先交換式転削工具1は、工作機械の主軸における装着軸が装着孔5の大径部5Aに工具本体2の後端側(図2における上側)から嵌挿させられるとともに、前記主軸に設けられたキーがキー溝7に嵌合させられるようになっている。そして、この状態で、工具本体2の先端側(図2における下側)から装着孔5に挿入した装着ボルトを前記装着軸のボルト孔にねじ込むことにより、この装着ボルトの頭部が装着孔5の小径部5Bと第1供給孔6との段差部5Cを押圧して、工具本体2の後端面2Aが前記主軸に押し付けられ該主軸に取り付けられる。この装着ボルトの周囲には、第1供給孔6の内面6Aとの間に空間が設けられており、該空間には工作機械の主軸側からクーラントが供給される。
図1において、工具本体2の外周面には、先端面2Bから後端側に向かうに従い漸次工具回転方向Tの後方側に捩れるように切屑排出溝8が形成されている。切屑排出溝8は、工具本体2の外周面に周方向に間隔をあけて複数条形成されている。
切屑排出溝8には、凹状のインサート取付座9が該切屑排出溝8に沿って複数(本実施形態では4つずつ)形成されている。インサート取付座9は、工具回転方向Tの前方側を向く壁面と、工具本体2の径方向外方を向く底面と、を備えている。工具本体2の外周面に対向する向きから見て、インサート取付座9の前記壁面は、凹V字状に形成されている。また、インサート取付座9の前記底面は、概略五角形状に形成されており、該底面の略中央には、工具本体2の径方向に向けて延びるように取付ネジ孔が形成されている。
切削インサート4は、超硬合金等の硬質焼結体により多角形の平板状に形成されている。詳しくは、切削インサート4は、一対の多角形面とその周囲に配置される側面とを備えていて、これらの側面の1つをすくい面として工具回転方向Tの前方側へ向けた状態で、インサート取付座9に取り付けられる。具体的には、本実施形態の切削インサート4は概略五角形平板状とされており、一対の五角形面12と、これら五角形面12の周囲に配置される側面13とを備えている。
また、切削インサート4の側面13のうち、工具回転方向Tの前方側を向く面がすくい面13Aとされ、工具回転方向Tの後方側を向く面が着座面13Bとされている。切削インサート4は、五角形面12に対向する方向から見てこの着座面13Bが凸V字状をなすことにより五角形状を呈している。また、切削インサート4には、一対の五角形面12の間を貫通する取付孔14が両五角形面12の略中央に開口するように形成されている。
切削インサート4には切れ刃3が形成されており、該切れ刃3は、工具本体2の外周面から径方向外方に向けて突出する主切れ刃3Aと、工具本体2の先端面2Bから先端側に向けて突出する副切れ刃3Bと、これら主切れ刃3A及び副切れ刃3Bを繋ぐ凸曲線状のコーナー刃とを有している。
詳しくは、切削インサート4のすくい面13Aは概略平行四辺形状に形成されており、この平行四辺形の辺部及び角部が切れ刃3とされている。そして、前記辺部のうち、すくい面13Aと五角形面12との交差稜線部が主切れ刃3Aとされる。また、前記辺部のうち、すくい面13Aと該すくい面13Aに隣接する他の側面13との交差稜線部が副切れ刃3Bとされる。また、前記角部が前記コーナー刃とされる。
切削インサート4は、一対の五角形面12のうち1つをインサート取付座9の前記底面に当接させ、着座面13Bをインサート取付座9の前記壁面に当接させて、インサート取付座9に着座させられる。この状態で、切削インサート4の取付孔14にクランプネジ11が挿通されるとともにインサート取付座9の前記取付ネジ孔にねじ込まれることにより、切削インサート4はインサート取付座9の前記底面と前記壁面とに押し付けられた状態で、該インサート取付座9に着脱可能に取り付けられる。
また、1つの切屑排出溝8に沿って複数形成されるインサート取付座9は、工具回転方向Tの前方側を向くそれぞれの前記壁面が切屑排出溝8の捩れに沿った螺旋階段状をなすように配列されている。すなわち、工具本体2の先端側のインサート取付座9の前記壁面に対して、その後端側に隣り合う他のインサート取付座9の前記壁面が、工具回転方向Tの後方側に向けて一段ずらされるようにして配置されている。
図1において、1つの切屑排出溝8に沿ってインサート取付座9に装着された複数(本実施形態では4つ)の切削インサート4は、全体として螺旋階段状に配列されており、工具本体2には、このような列が該工具本体2の外周面に周方向に間隔をあけて複数形成されている。また、図2に示すように、1つの切屑排出溝8に沿ってインサート取付座9に取り付けられる複数の切削インサート4同士においては、これら切削インサート4の主切れ刃3A同士の工具軸線O1回りの回転軌跡が該工具軸線O1方向に連続して長刃を形成するように配置されている。
また、切屑排出溝8において、インサート取付座9の前記底面よりも工具回転方向Tの前方側に位置する部位は、該底面よりも工具軸線O1側へ向けて窪む凹曲面状に形成されて、溝底面8Aとされている。
そして、切削工具のクーラント供給孔構造10は、工具本体2の工具軸線O1に沿うように延びる第1供給孔6と、第1供給孔6の内面6Aに形成されて、工具軸線O1とは反対側(工具本体2の径方向外方)へ向けて窪む凹所15と、凹所15の奥面(底面)15Aに開口するとともに切れ刃3へ向かうように延びる第2供給孔16と、第2供給孔16の切れ刃3側にテーパ面18を介して連通する第3供給孔17と、を備えている。
図2に示すように、第1供給孔6は、工具本体2の工具軸線O1を中心とした円柱孔状又は切頭円錐孔状に形成されており、その工具軸線O1に垂直な断面が円形状をなしている。詳しくは、第1供給孔6は、その内面6Aが工具軸線O1に沿う後端側から先端側へ向かうに従い漸次工具軸線O1に接近するように傾斜して形成されて、その先端部が最も小径とされている。また、第1供給孔6の内面6Aが工具軸線O1に対して傾斜する角度αは、0°<α≦20°の範囲内に設定されている。
第1供給孔6の内面6Aには、凹所15が複数形成されている。本実施形態では、凹所15は工具軸線O1方向に間隔をあけて2つ形成されており、これら凹所15は、工具軸線O1を中心に周方向に沿って延びる円環状にそれぞれ形成されている。また、これら凹所15のうち、工具軸線O1方向の後端側に位置する凹所15は、工具軸線O1方向の先端側に位置する凹所15よりも大径に形成されている。凹所15には、該凹所15内の径方向外方に配されて工具軸線O1側(工具本体2の径方向内方)を向く奥面15Aが形成されている。また、これら凹所15の深さX(第1供給孔6の内面6Aから奥面15Aまでの距離)は、互いに同一の値に設定されており、この深さXは、例えば0.5mm〜2.5mmの範囲内に設定される。
凹所15は、第1供給孔6の内面6Aから奥面15Aに向かうに従い漸次第2供給孔16の軸線O2に接近するように傾斜して形成されている。図4(a)の側断面視に示すように、本実施形態の凹所15においては、工具軸線O1側に位置して内面6Aに連なる部位が断面凸曲線状をなし、前記部位よりも工具本体2の径方向外方に位置する奥面15A側の部位が断面凹曲線状をなしている。
また、各凹所15の奥面15Aには、第2供給孔16がそれぞれ開口して形成されている。第2供給孔16は、第1供給孔6よりも小径の円柱孔状に形成されており、該第2供給孔16の軸線O2に垂直な断面は円形状をなしている。また、2つの凹所15のうち、工具軸線O1方向の先端側に位置する凹所15の奥面15Aには、複数の第2供給孔16が開口して形成されている。第2供給孔16は、凹所15の奥面15Aから工具本体2の切屑排出溝8へ向かうように延びている。尚、本実施形態では、装着孔5の大径部5Aと第1供給孔6との連結部位にも第2供給孔16が開口して形成されている。図2の側断面視では、説明の便宜上、複数の第2供給孔16が工具本体2の同一側断面内に配置されているように記載しているが、実際には、これら第2供給孔16は、切屑排出溝8の形状に対応するように工具軸線O1回りに周方向に間隔をあけて配置されている。尚、これら第2供給孔16同士は、前記同一側断面内に配置されていてもよい。
詳しくは、図2において、第2供給孔16は、その軸線O2が凹所15の奥面15Aから径方向外方に向かうに従い漸次工具軸線O1方向の先端側へ向かうように延びている。また、図3に示すように、第2供給孔16の軸線O2は、凹所15の奥面15Aから径方向外方に向かうに従い漸次工具回転方向Tの後方側へ向かうように延びている。
図3において、第2供給孔16の軸線O2は、切屑排出溝8の溝底面8Aを通り切削インサート4の切れ刃3近傍へ向けて延びている。詳しくは、第2供給孔16の軸線O2は、切削インサート4の主切れ刃3A(切れ刃3)よりも僅かに工具回転方向Tの前方側に向けて延びており、該軸線O2と主切れ刃3Aとの距離Lが、0.5mm〜3mmの範囲内に設定されている。すなわち、第2供給孔16の軸線O2は、切削インサート4の切れ刃3やすくい面13Aに交差するように延在しているのではなく、該切れ刃3で切削して生じる切屑Wの根元付近へ向けて延在するように設定されている。
また、工具本体2の切屑排出溝8には、第2供給孔16の切れ刃3側に位置して概略円筒状の調整部材19がそれぞれ配設されている。詳しくは、調整部材19は、切屑排出溝8の溝底面8Aに形成された孔8Bに螺合又は嵌合されて、工具本体2に着脱可能に装着されている。調整部材19は、第2供給孔16に同軸とされ該第2供給孔16よりも小径に形成された円柱孔状の第3供給孔17と、該第3供給孔17の工具軸線O1側に位置してこれら第2、第3供給孔同士を繋ぐテーパ面18とを備えている。
詳しくは、第3供給孔17は多段円柱孔状をなしており、第2供給孔16の軸線O2に垂直な断面が円形状に形成されている。また、第3供給孔17の内径は、0.5mm〜1.6mmの範囲内に設定されている。第3供給孔17における軸線O2に沿う切れ刃3側の部位は、軸線O2に沿うテーパ面18側の部位よりも一段拡径して形成されている。
また、テーパ面18は、第2供給孔16の軸線O2に沿って切れ刃3側へ向かうに従い漸次縮径して形成されている。
切削加工時において、工具本体2を支持する工作機械の主軸側からクーラントが装着孔5に供給されると、クーラントは大径部5A、第1供給孔6、第2供給孔16、第3供給孔17の順に流れて、切屑排出溝8に開口する該第3供給孔17から切れ刃3近傍へ向けて流出される。
以上説明したように、本実施形態の切削工具のクーラント供給孔構造10によれば、工作機械の主軸側から工具本体2の第1供給孔6にクーラントが供給されると、クーラントは第1供給孔6の凹所15に溜まるとともに、凹所15の形状に沿うようにこの凹所15内を工具軸線O1とは反対側へ向けて流れ、該凹所15の奥面15Aに開口された第2供給孔16内にスムースに案内される。すなわち、クーラントが、凹所15を介して第1供給孔6から第2供給孔16に流入することによって、該クーラントの流速が減じられるようなことが防止されているとともに供給量が確保されて、クーラントは切れ刃3近傍へ向けて勢いよく噴出されるのである。
本実施形態で説明した刃先交換式転削工具1のように、工具本体2の外周面に周方向に間隔をあけて切削インサート4の列が複数設けられたり、同列に配置された切削インサート4同士の切れ刃3が全体として前記長刃をなすように形成されたりする場合には、各切削インサート4の切れ刃3に対応して、工具本体2には第2供給孔16が複数形成されている。このような場合に、従来の構成では、第2供給孔16の配置等によって一部の孔(第2供給孔16)からクーラントが噴出されにくくなることがあり、これら第2供給孔16を通って噴出されるクーラントの流速や供給量を均等に設定することが難しかった。
一方、本実施形態に係る切削工具のクーラント供給孔構造10によれば、それぞれの第2供給孔16を通って噴出するクーラントの流速や供給量が十分に確保されるので、これら第2供給孔16同士におけるクーラントの流速や供給量に差が生じにくくなり、工具全体としてクーラントが均等に噴出される。
従って、工具全体として切れ刃3の切れ味や切屑Wの排出性が安定して高められることとなり、加工精度が確保される。また、切れ刃3の冷却・潤滑効果が確実に得られることから、該切れ刃3の溶着や折損等が防止されて、工具寿命が延長する。
また、凹所15が、第1供給孔6の内面6Aから奥面15Aに向かうに従い漸次第2供給孔16の軸線O2に接近するように傾斜して形成されているので、該凹所15内を流れるクーラントの摩擦抵抗が低減されるとともに、奥面15Aに向かうに従い漸次クーラントの流速が高められる。これにより、第2供給孔16内を通って噴出されるクーラントの勢いが増す。
また、この刃先交換式転削工具1は、工具本体2が工具軸線O1回りに回転されることにより切れ刃3で被削材を転削加工するので、工具本体2が回転する際に生じる遠心力によって、凹所15にクーラントが溜まりやすくされている。さらに、凹所15に溜まったクーラントが、工具軸線O1とは反対側(工具本体2の径方向外方)の奥面15Aへ向けて流れやすくなるとともに、奥面15Aに開口する第2供給孔16内に流入しやすくなる。これにより、切れ刃3近傍へ噴出されるクーラントの流速や供給量が確実に高められる。
ところで、第1供給孔6における工具軸線O1方向の後端側の部位に必要とされるクーラント量は、工具軸線O1方向の先端側の部位に必要とされるクーラント量よりも多い。すなわち、第1供給孔6内において工具軸線O1方向の後端側の部位に必要とされるクーラント量は、該後端側の部位から第2供給孔16を通して切れ刃3近傍へ向けて噴出されるクーラント量のみならず、該後端側の部位から工具軸線O1方向の先端側の部位へ流れ、該先端側の部位から第2供給孔16を通して切れ刃3近傍へ向けて噴出されるクーラント量をも含んでいる。本実施形態の切削工具のクーラント供給孔構造10によれば、第1供給孔6の内面6Aが、工具軸線O1に沿う後端側から先端側へ向かうに従い漸次工具軸線O1に接近するように形成されている。従って、クーラント量が多く必要とされる第1供給孔6内の工具軸線O1方向の後端側の部位における容量が十分に確保されている。
またこのような構成により、クーラントは、工具軸線O1方向に間隔をあけて配置された複数の凹所15に対して略均等に流れ込むこととなる。そして、クーラントは、これら凹所15に開口する各第2供給孔16を通して、切れ刃3近傍へ向けて均等に噴出されることになり、工具全体として切れ刃3の切れ味や切屑の排出性が安定して高められるのである。
また、第1供給孔6の内面6Aが工具軸線O1に対して傾斜する角度αが、0°<α≦20°の範囲内に設定されているので、工具軸線O1方向に沿って複数の凹所15が形成されていても、これら凹所15にクーラントが略均等に流入するとともに、工具本体2の剛性が確保されている。すなわち、角度αが20°を超えて設定された場合には、工具本体2において工具軸線O1方向の後端側に位置する部位の肉厚が確保しにくくなり、該工具本体2の剛性が低減することがある。
また、第2供給孔16の軸線O2が、切れ刃3よりも工具回転方向Tの前方側へ向けて延びており、該軸線O2と切れ刃3との距離Lが、0.5mm〜3mmの範囲内に設定されている。すなわち、第2供給孔16内を流れるクーラントは、切れ刃3が切削して生じる切屑Wに向けて噴出されることとなり、詳しくは、該切屑Wの根元付近に向けて噴出される。
図3に示すように、切屑Wは、主切れ刃3A(切れ刃3)に削り取られるとともにすくい面13Aに掬われることによって、工具本体2の工具軸線O1側へ向かった後、工具回転方向Tの前方側へ向かうように、カールして生成されている。図示の例では、切屑Wは、工具回転方向Tとは反対方向にカールするように渦巻き状に形成されている。従って、切屑Wの根元付近に噴出されたクーラントは、切屑Wを冷却した後、該切屑Wの根元付近のカールに沿うように、切屑Wとすくい面13Aとの間やその周囲を主切れ刃3A側へ向かって流れていく。これにより、切屑W及び切れ刃3に効率よく安定してクーラントが供給されることとなり、切屑Wの排出性や切れ刃3の切れ味が安定して高められて、加工精度が確保される。
また、第2供給孔16よりも小径に設定された第3供給孔17が、該第2供給孔16の切れ刃3側に連通して形成されている。そして、これら第2、第3供給孔の間には、第2供給孔16の軸線O2に沿って切れ刃3側へ向かうに従い漸次縮径するテーパ面18が形成されている。このようなテーパ面18が形成されていることにより、第2供給孔16から第3供給孔17に流入するクーラントの摩擦抵抗が低減されるとともに、クーラントの流速が高められている。従って、第3供給孔17内を通って切れ刃3近傍へ噴出されるクーラントの勢いが十分に確保される。
また、第3供給孔17の内径が0.5mm〜1.6mmの範囲内に設定されているので、クーラントが該第3供給孔17内で詰まるようなことが防止されているとともに、該クーラントの噴出力が十分に確保される。すなわち、前記内径が0.5mmよりも小さく設定された場合、第3供給孔17内でクーラントが固着等により詰まってしまうことがある。また、前記内径が1.6mmを超えて設定された場合、第2供給孔16から第3供給孔17に流れ込んだクーラントの流速が十分に高められにくくなり、噴出の勢いが確保できないことがある。
また、第3供給孔17は、調整部材19に形成されており、該調整部材19は工具本体2に着脱可能とされている。すなわち、調整部材19を交換することによって、内径の異なる第3供給孔17に容易に変更できることから、該第3供給孔17を通して噴出されるクーラントの流速や供給量をより精細に調整することが可能である。
尚、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることができる。
例えば、前述の実施形態では、切削工具として刃先交換式転削工具1を用いて説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、切削工具として転削工具1以外の旋削工具等を用いることとしても構わない。また、切削インサート4を用いる刃先交換式切削工具に限定されるものではなく、例えば、工具本体2の先端外周部に切れ刃3が直接形成されたソリッドタイプの切削工具であってもよい。
また、本実施形態で説明した角度α、深さX、距離L、及び、第3供給孔17の内径は、前述した数値の範囲内に限定されるものではない。
また、凹所15は、工具軸線O1回りに周方向に沿って延びる円環状をなしていることとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、凹所15が、内面6Aから部分的に窪む凹曲面状等に形成されていてもよい。また、凹所15は、工具軸線O1方向に間隔をあけて複数形成されているとしたが、工具軸線O1回りに周方向に間隔をあけて複数形成されていてもよい。また、複数の凹所15の深さX同士は、互いに異なる値に設定されていてもよい。また、凹所15が複数形成されていることとしたが、凹所15は単数形成されていても構わない。
また、図4(b)及び図5(a)(b)は、凹所15の変形例を示している。
図4(b)の側断面視において、凹所15は、その工具軸線O1側を向く奥面15Aが該工具軸線O1に平行となるように形成されている。奥面15Aの工具軸線O1方向に沿う長さは、第2供給孔16の内径と略同一に設定されている。また、凹所15において奥面15Aの周囲に連なる部位は、内面6Aから奥面15A側に向かうに従い漸次軸線O2に接近するように傾斜するテーパ面とされている。
また、図5(a)の側断面視において、凹所15は、全体に凹曲線状に形成されている。
また、図5(b)の側断面視において、凹所15は、その工具軸線O1側を向く奥面15Aが該工具軸線O1に平行となるように形成されている。この変形例では、奥面15Aの工具軸線O1方向に沿う長さが、第2供給孔16の内径よりも大きく設定されている。また、凹所15において奥面15Aの周囲に連なる部位は、内面6Aから奥面15A側に向かうに従い漸次軸線O2に接近するように傾斜するテーパ面とされている。
1 刃先交換式転削工具(切削工具)
2 工具本体
3 切れ刃
6 第1供給孔
6A 第1供給孔の内面
10 切削工具のクーラント供給孔構造
15 凹所
15A 凹所の奥面
16 第2供給孔
17 第3供給孔
18 テーパ面
L 第2供給孔の軸線と切れ刃との距離
O1 工具軸線
O2 第2供給孔の軸線
T 工具回転方向
α 第1供給孔の内面が工具軸線O1に対して傾斜する角度

Claims (7)

  1. 切れ刃を備える軸状の工具本体の内部に形成されて、前記切れ刃に向けてクーラントを供給する切削工具のクーラント供給孔構造であって、
    前記工具本体の工具軸線に沿うように延びる第1供給孔と、
    前記第1供給孔の内面に形成されて、前記工具軸線とは反対側へ向けて窪む凹所と、
    前記凹所の奥面に開口するとともに、前記切れ刃へ向かうように延びる第2供給孔と、を備え
    前記凹所は、前記第1供給孔の内面から前記奥面に向かうに従い漸次第2供給孔の軸線に接近するように傾斜して形成されていることを特徴とする切削工具のクーラント供給孔構造。
  2. 切れ刃を備える軸状の工具本体の内部に形成されて、前記切れ刃に向けてクーラントを供給する切削工具のクーラント供給孔構造であって、
    前記工具本体の工具軸線に沿うように延びる第1供給孔と、
    前記第1供給孔の内面に形成されて、前記工具軸線とは反対側へ向けて窪む凹所と、
    前記凹所の奥面に開口するとともに、前記切れ刃へ向かうように延びる第2供給孔と、を備え、
    前記凹所は、前記工具軸線方向に間隔をあけて複数形成されており、
    前記第1供給孔の内面は、前記工具軸線に沿う後端側から先端側へ向かうに従い漸次工具軸線に接近するように傾斜して形成されていることを特徴とする切削工具のクーラント供給孔構造。
  3. 請求項1又は2に記載の切削工具のクーラント供給孔構造であって、
    前記工具本体は、前記工具軸線回りに回転されて、前記切れ刃で被削材を転削加工することを特徴とする切削工具のクーラント供給孔構造。
  4. 請求項2又は3に記載の切削工具のクーラント供給孔構造であって、
    前記第1供給孔の内面が前記工具軸線に対して傾斜する角度αは、0°<α≦20°の範囲内に設定されることを特徴とする切削工具のクーラント供給孔構造。
  5. 請求項3又は4に記載の切削工具のクーラント供給孔構造であって、
    前記第2供給孔の軸線は、前記切れ刃よりも前記工具本体が回転する工具回転方向の前方側に向けて延びており、
    前記第2供給孔の軸線と前記切れ刃との距離が、0.5mm〜3mmの範囲内に設定されることを特徴とする切削工具のクーラント供給孔構造。
  6. 請求項1〜のいずれか一項に記載の切削工具のクーラント供給孔構造であって、
    前記第2供給孔は、該第2供給孔の軸線に垂直な断面が円形状をなし、
    前記第2供給孔の前記切れ刃側に連通して、前記断面が円形状とされているとともに該第2供給孔よりも小径の第3供給孔が形成され、
    これら第2、第3供給孔の間には、前記第2供給孔の軸線に沿って前記切れ刃側へ向かうに従い漸次縮径するテーパ面が形成されていることを特徴とする切削工具のクーラント供給孔構造。
  7. 請求項に記載の切削工具のクーラント供給孔構造であって、
    前記第3供給孔の内径が、0.5mm〜1.6mmの範囲内に設定されることを特徴とする切削工具のクーラント供給孔構造。
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