JP5309844B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5309844B2
JP5309844B2 JP2008251781A JP2008251781A JP5309844B2 JP 5309844 B2 JP5309844 B2 JP 5309844B2 JP 2008251781 A JP2008251781 A JP 2008251781A JP 2008251781 A JP2008251781 A JP 2008251781A JP 5309844 B2 JP5309844 B2 JP 5309844B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seat
air
air conditioner
air conditioning
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008251781A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010083204A (ja
Inventor
孝仁 伊藤
光宏 河村
崇文 近藤
博章 佐々木
恒夫 内田
幸一 枡田
康彦 新美
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2008251781A priority Critical patent/JP5309844B2/ja
Publication of JP2010083204A publication Critical patent/JP2010083204A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5309844B2 publication Critical patent/JP5309844B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/80Technologies aiming to reduce greenhouse gasses emissions common to all road transportation technologies
    • Y02T10/88Optimized components or subsystems, e.g. lighting, actively controlled glasses

Landscapes

  • Air-Conditioning For Vehicles (AREA)

Description

この発明は、車両用空調装置に関する。
特許第3301109号公報 特開2006−123874号公報
自動車の車室内空間は、一般住居等に比較すると空間容積が小さく、また、窓を閉めきると密閉空間となり、例えば、ガラス越しに漏入する熱線により駐車中の車内温度は夏季には異常に上昇する。しかし、一般の自動車用空調装置は集中型であり、車室内の空間全体の空気温度を下げるべく設計されているので、どうしても温度調節に時間が係る問題がある。そこで、特許文献1及び特許文献2には、シート内に局所空調装置を組み込み、ヘッドレストや手すり等に設けた吹出し口から冷風を吹き出すことで、車室内を分散空調する方式が提案されている。
ところで、自動車等においては、車室内空間を包括的に空調する主空調装置(例えば、オートエアコン)が設けられるのが一般的である(例えば、特許文献2)。従来、こうした主空調装置とともにシート空調装置を設ける場合、温度設定も含め独立に動作制御されることが多かった。しかしながら、この方式では、例えば、シート空調主体の動作でも十分快適となりうる状況であっても、それとは無関係に主空調装置が設定温度に応じて独立動作するため、主空調装置の出力が過剰となって燃費悪化を招いたり、過剰空調により却って不快感を増したりする不具合につながる。
本発明の課題は、車両に主空調装置とシート空調装置とが併設されるとともに、主空調装置とシート空調装置との出力バランスを適正化でき、ひいては車両全体の空調効率を高め、省エネルギーにも貢献できる車両用空調装置を提供することにある。
課題を解決するための手段及び作用・効果
上記の課題を解決するために、本発明の車両用空調装置は、
シート以外の車室内構造物に吹出口を有し、車室内空間を包括的に空調する主空調装置と、
シートに設けられ、当該シートに着座する乗員に対する個別空調を行なうシート空調装置と、
シートに着座する乗員の状態を検出する乗員状態検出手段と、
検出される乗員状態に応じて、主空調装置の空調出力とシート空調装置の空調出力との空調出力比が変化するように、主空調装置及びシート空調装置の少なくともいずれかの動作を調整制御する空調制御手段と、を備え、前記シート空調装置は電気を動力源とする送風機とペルチェモジュールとから構成され、 前記主空調装置は車両の走行駆動源を動力源とする冷凍機と、空調対象気流と接触してこれを冷却するエバポレータの温度を検出するエバポレータ温度センサとを有し、
前記乗員状態検出手段は前記乗員の体温を反映した体温反映情報を検出する体温反映情報検出手段を有し、
前記空調制御手段は、該冷凍機の、検出されるエバポレータ温度の閾温度との比較結果に基づいて前記冷凍機の動作をオン・オフすることにより前記主空調装置の出力を調整するとともに、冷房空調時において、前記体温反映情報が示す体温状態が低体温側にシフトするほど、前記主空調装置の空調出力に対する前記シート空調装置の空調出力の比率が大きくなるように、前記主空調装置及び前記シート空調装置の少なくともいずれかの動作を調整制御し、また、燃費優先モードでの冷房空調時には、快適優先モードでの冷房空調時において標準値となる前記閾温度を上昇方向に変更設定することにより、前記主空調装置の空調出力を前記快適優先モードでの冷房空調時比べて相対的に縮小する制御を行なうことを特徴とする。
上記本発明の空調装置の構成によると、車両に主空調装置とシート空調装置とが併設されるとともに、シートに着座する乗員の状態を検出する乗員状態検出手段を設け、検出される乗員状態に応じて、主空調装置の空調出力とシート空調装置の空調出力との空調出力比が変化するように、主空調装置及びシート空調装置の少なくともいずれかの動作を調整制御するようにした。これにより、主空調装置とシート空調装置との出力バランスを、車両内の乗員の状態を考慮して適正化することができ、車両全体の空調効率が高めされて省エネルギーに貢献する。
シートに設ける空調装置は、ペルチェモジュールと送風機とが導風通路部とともに一体的にシートに埋設されたものとすることができる。ペルチェモジュールの採用により、シートへ冷媒配管等を引き込む必要がなくなり、構成を大幅に簡略化できる。さらに、シート毎に独立してペルチェモジュールを設けることで、乗員毎に異なる条件で空調制御することも容易である。なお、ペルチェ素子は通電断面積(電流導通方向と直交する断面積)の大きい金属導体として構成されるので、PWM等により入力電流をスイッチングにより制御すると、波形エッジでの電流遮断時に大きな渦電流が発生し、目的の極性と逆方向の電圧が供給されて冷却効率を低下させるジュール熱が多量に発生するので好ましくない。そこで、空調制御手段は、該空調装置の吹出温度が設定入力された制御温度値に近づくように、ペルチェモジュールの駆動電流をレベル制御するように構成することが望ましい。
乗員状態検出手段は、乗員の体温を反映した体温反映情報を検出する体温反映情報検出手段を有するものとして構成できる。冷房時に乗員の体温が過剰に高かったり、あるいは暖房時に乗員の体温が過剰に低かったりする場合は、車室内が適正空調状態となっていない可能性が高く、これを参照して主空調装置とシート空調装置とのバランスを変更することで、乗員の体温を適正化し不快状態を解消するための空調制御を的確に実行することができる。
この場合、空調制御手段は、具体的には、冷房空調時において、体温反映情報が示す体温状態が低体温側にシフトするほど、主空調装置の空調出力に対するシート空調装置の空調出力の比率が大きくなるように、主空調装置及びシート空調装置の少なくともいずれかの動作を調整制御するように構成できる。冷房空調出力が適正化され乗員が快適に感じていれば、乗員の体温は下がる傾向にあり、これを検出して主空調装置の出力比率を下げることで、省エネルギーと過剰空調による不快防止を効果的に達成できる。また、同様に、暖房空調時においては、体温反映情報が示す体温状態が高体温側にシフトするほど、主空調装置の空調出力に対するシート空調装置の空調出力の比率が大きくなるように、主空調装置及びシート空調装置の少なくともいずれかの動作を調整制御すればよい。
また、シートが複数設けられる場合は、乗員状態検出手段は、それら複数のシートの乗員による占有状態を検出するシート占有状態検出手段を有するものとして構成できる。例えば、複数のシートのうち、いくつのものに乗員が着座しているか、あるいは殿シートに着座しているかに応じて、主空調装置とシート空調装置とのバランスを変更することで、車両全体の空調効率を効果的に高めることができ、また、無駄な空調出力となることも効果的に防止できる。
空調制御手段は、具体的には、シート占有状態検出手段が示す複数のシートの乗員による占有数が少なくなるほど、主空調装置の空調出力に対するシート空調装置の空調出力の比率が大きくなるように、主空調装置及びシート空調装置の少なくともいずれかの動作を調整制御するように構成できる。乗員数が少ない場合に、乗員の存在しない車室内空間も空調対象とする主空調装置の出力を抑え、代わりに、その乗員が占有するシート空調装置の出力を優先させることで、省エネルギー化と快適性とを両立することができる。
主空調装置は車両の走行駆動源を動力源とする冷凍機と、空調対象気流と接触してこれを冷却するエバポレータの温度を検出するエバポレータ温度センサとを有するものとして構成できる。空調制御手段は、該冷凍機の、検出されるエバポレータ温度の閾温度との比較結果に基づいて冷凍機の動作をオン・オフすることにより主空調装置の出力を調整するとともに、閾温度を上昇方向に変更設定することにより、冷房空調時における該主空調装置の空調出力をシート空調装置の空調出力に対して相対的に縮小する制御を行なうように構成できる。冷凍機は、冷媒を圧縮するためのコンプレッサーを走行駆動源(例えばエンジン)により駆動するので、空調使用時は不使用時と比較して燃費が悪化する。主空調装置の空調出力をシート空調装置の空調出力に対して相対的に縮小する際に、冷凍機動作のオン・オフ切替を行なうためのエバポレータ温度の閾値を引き上げることにより、冷房空調時にあっては、冷凍機がオフ状態となる温度域が通常時よりも高温側にシフトして、空調気流温度がより高温になるまで燃費悪化につながる冷凍機が動作しなくなるので、より直接的な燃費向上を図ることができる。
なお、別の方式として、空調制御手段は、主空調装置の目標設定温度を、冷房空調時においては上昇方向に変更し、暖房空調時においては低下方向に変更することにより、該主空調装置の空調出力をシート空調装置の空調出力に対して相対的に縮小する制御を行なように構成することができる。また、空調制御手段は、主空調装置の吹出風量を減少させることにより、該主空調装置の空調出力をシート空調装置の空調出力に対して相対的に縮小する制御を行なうように構成することもできる。そして、エバポレータ温度の閾温度を変更する前述の方式も含め、これら複数の方式の2以上のものを互いに組み合わせて実施することも可能である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の車両用空調装置の一例に係る全体構造を示すブロック図である。主空調装置CAは主ダクト101を備え、該主ダクト101には、車内空気を循環させるための内気吸い込み口113と、車外の空気を取込む外気吸い込み口114とが形成され、内外気切替ダンパー115によりいずれかが切替使用される。これら内気吸い込み口113ないし外気吸い込み口114からの空気は、ファン116によって主ダクト101内に吸い込まれる。
主ダクト101内には、吸い込まれた空気を冷却して冷気を発生させるためのエバポレータ117と、逆にこれを加熱して暖気を発生させるヒータコア102(エンジン冷却水の廃熱により発熱動作する)とが設けられている。エバポレータ117は冷凍機の一部をなすものであり、エンジン駆動される図示しないコンプレッサーにより圧縮後、冷却・凝結した冷媒が、その後の膨張・気化により低温化した状態で導かれ、主ダクト110内に吸い込まれた空気と接触して熱交換し、これを冷却する。
これら冷気と暖気とが、エアミックスダンパー103の角度位置に対応した比率にて混合され、吹出し口104,105,106より吹き出される。このうち、フロントグラス曇り止め用のデフ吹出し口104はフロントグラスの内面下縁に対応するインパネ上方奥に、フェイス吹出し口105はインパネの正面中央に、フット吹出し口106はインパネ下面奥の搭乗者足元に対向する位置にそれぞれ開口し、吹出し口切替ダンパー107,108,109により個別に開閉される。
具体的には、モータ120からのダンパー制御用の回転入力位相に応じて、ダンパー駆動ギア機構110により、フェイス吹出し口105のみを開いた状態(フェイス吹出モード)、フェイス吹出し口105とフット吹出し口6とを開いた状態(フット・フェイス吹出モード)、フット吹出し口106のみを開いた状態(フット吹出モード)、フット吹出し口106とデフ吹出し口104とを開いた状態(デフ・フット吹出モード)及びデフ吹出し口104のみを開いた状態(デフ吹出モード)の間で切り替えられる。各吹出モードの選択は、モード切替スイッチ群75に含まれる対応するモード選択スイッチを個別に操作することにより行なう。
また、内外気切替ダンパー115はモータ121により、エアミックスダンパー103はモータ119により、吹出し口切替ダンパー107,108,109はモータ120により、それぞれ電動駆動される。これらモータ119,20,21は例えばステッピングモータにて構成される。さらにブロワモータ123はブラシレスモータ等で構成され、PWM制御にて回転速度制御することにより吹出し風量が調整される。
これらモータ(アクチュエータ)119〜121,123及びエバポレータ117は、主空調ECU150とシリアル通信バス130により接続され、該シリアル通信バス130を介して主空調ECU150により集中制御される。また、シリアル通信バス130には後述のシート空調ECU203が接続され、主空調ECU150との連携制御のための通信が可能となっている。
主空調ECU150の実体はコンピュータハードウェアであり、その入出力部には、エバポレータ温度センサ151、内気センサ155、外気センサ156、水温センサ157及び日射センサ158が接続されている。また、主空調ECU150には、風量設定スイッチ72、温度設定スイッチ73、吹出モードを切り替えるモード切替スイッチ群75、リアデフスイッチ76、内外気切替スイッチ77、A/Cスイッチ78、ファンスイッチ79及びオート切替スイッチ80が接続されている。
また、主空調ECU150には、シートに着座する乗員を撮影するカメラ410が接続されている。カメラ410は、図5に示すように、シート(及びこれに着座する乗員)200を正面から撮影するものであり、乗員HKの上半身(少なくとも首から上の部分:すなわち、顔)が包含されるように撮影視野410Fを定め、その撮影画像から周知の画像解析により、乗員HKの顔の位置を特定することができる。カメラ410を複数のシート毎に設けておくことで、撮影視野410Fに乗員HKが特定されるか否かにより、乗員の着座の有無を判定することができ、また、それらカメラ410の乗員着座判定結果を総合することにより、複数のシートのいくつが乗員により占有されているか、あるいはどのシートが乗員により占有されているかを特定することができる。
さらに、主空調ECU150にはサーモグラフィーカメラ411も接続されている。サーモグラフィーカメラ411は公知のものであり、露光部に設けた赤外線センサにより、物体から放射される遠赤外線の波長分布を二次元測定し、その測定結果に基づいて温度マッピングデータ(サーモグラフィー)を生成するものである。具体的には、図5に示すように、シート1に着座した乗員HKの、首より上の皮膚露出部のサーモグラフィーTGを撮影するものであり、特に首筋部分が周囲よりも高温の領域HTとして現われるので、その領域HTをサーモグラフィー画像上で温度とともに特定することができる。なお、カメラ410の撮影視野をサーモグラフィーカメラ411の撮影視野411Fと一致させておくことで、カメラ410の画像も参照することにより、首筋領域の特定をより高精度に行なうことができる。また、体温測定値を首筋領域HTの平均温度として決定することができる(多少精度は下がるが、顔の温度で代用することも可能である)。
なお、図1に示すように、各シートに荷重センサ等からなる乗員検知センサ412を設けることができ、各シートの乗員の着座状態を該乗員検知センサ412により行なうことも可能である。また、図示はしていないが、各シートの背もたれ部あるいは座部にシート温度センサを埋設し、着座した乗員の体温を該シート温度センサで検出するようにしてもよい(この場合、カメラ410ないしサーモグラフィーカメラ411を省略してもよい)。
主空調ECU150は、搭載された制御アプリケーションの実行により、以下のような制御を行なう。
・内外気切替スイッチ77の操作入力状態に対応して、内気側及び外気側のいずれかに内外気切替ダンパー115が倒れるよう、対応するモータ121の駆動ICに制御指令を行なう。
・A/Cスイッチ78の操作状態に応じて、エバポレータ117の作動をオン・オフさせる。
・リアデフスイッチ70の操作に伴い、図示しないリアガラスの電熱線に通電し、リアガラスの曇り除去を行なう。
・オート切替スイッチ80の入力状態に基づいて、主空調装置CAの動作モードをマニュアルモードとオートモードとの間で切り替える。オートモードでは、温度設定スイッチ73による設定温度の入力情報と、内気センサ155、外気センサ156、水温センサ157及び日射センサ158の出力情報とを参照し、車内温度が設定温度に近づくよう周知のシーケンスに従い、エアミックスダンパー103の開度調整による吹出し温度調整と、ブロワモータ123による風量調整と、吹出し口切替ダンパー107,108,109の位置変更とがなされるよう、対応するモータ119,123,120の動作制御指令を行なう。
・マニュアルモードでは、風量設定スイッチ72とモード切替スイッチ群75との操作入力状態に対応して、ブロワモータ123による風量調整を行なうとともに、吹出し口切替ダンパー107,108,109が対応する開閉状態となるようにモータ120への駆動制御指令を行なう。
オート空調制御は、具体的には、主空調風の目標吹出温度TAOを算出することにより行なう。この目標吹出温度TAOは、下記(1)式に基づいて算出されるものであり、車室内を設定温度TSETに維持するために必要な吹出温度を意味する。
TAO=E×(TSET+△T)
−F×TR−G×TAM−H×TS+C ・・・(1)
TSET:設定温度(通常:温度設定スイッチ74による設定温度/通信途絶時:ROM42に記憶されている所定温度)
TR :室内温度(内気センサ81により検出)
TAM :外気温(外気センサ82により検出)
TS :日射量(日射センサ84により検出)
△T,C:補正定数
E〜H :係数
エアミックスダンパー103の開度(吹出し温度)と、ブロワモータ123による風量は、算出された目標吹出温度TAOの値に応じて決定される。
また、エバポレータ117の表面温度ξはエバポレータ温度センサ151により検出され、該温度ξが予め定められた閾値ξs0(標準値:例えば、エバポレータへの結露凍結が生ずる限界温度付近に設定される)未満になると、エンジン(走行駆動源)によるコンプレッサー駆動が遮断され、エバポレータ117の冷却が停止する(つまり、エバポレータ117はオフ状態となる)。そして、エバポレータ117の表面温度ξが上昇し、閾値ξs0を超えるとコンプレッサーがエンジンに再接続され、エバポレータ117の冷却が再開される(つまり、エバポレータ117はオン状態となる)。後述のごとく、エバポレータ117のオン・オフ切替のための上記閾値は、燃費優先制御を行なうための主空調装置CAの出力抑制を目的として、上記標準値ξs0よりも高温側に変更設定することが可能とされている。
次に、図2はシート空調装置の一例を示す全体概要図である。該シート空調装置50は、自動車の各シート200、例えば運転席と助手席とにそれぞれ組み込まれている。該シート200は、乗員の臀部を乗せる座部201と、背中を当てる背もたれ部202と、背もたれ部202の頂部に取り付けられたヘッドレスト302とを有する。そして、座部201及び背もたれ部202の各表皮203には吹出口204が形成されている。
座部201及び背もたれ部202の各内部には空気ダクト205が形成されている。この空気ダクト205は車室内に一端が開口し、他端が上記吹出口204に開口している。そして、各空気ダクト205の途中にペルチェモジュール303が介装されている。ペルチェモジュール303は、一方の面が吸熱面、他方の面が放熱面となるように、厚さ方向に直流通電駆動される周知のペルチェ素子と、順方向通電時に冷却側、逆方向通電時に発熱側となる面に密着配置される金属製のヒートブロックと、同じく空調熱交換側となる面に密着配置される金属製のヒートシンクとを有し、ヒートシンクの裏面に熱交換を促進するためのフィが一体化された周知の構成を有するものである(例えば特開2005−280710号公報参照)。
空気ダクト205の途中におけるペルチェモジュール303の上流側には、該ペルチェモジュール303の放熱フィンには車室内の空気を圧送する送風機304が設けられている。送風機304は放熱フィンに周囲の空気を吹き付けることにより温度調整された空気を生成し、この温度調整された空気が空気ダクト205を介して吹出口204から吹き出される。このように、空気ダクト205、ペルチェモジュール303及び送風機304を有したペルチェ空調ユニット210Aが背もたれ部202に、また、同様の構成のペルチェ空調ユニット210Bが座部201に、それぞれ個別に組み込まれた構造となっている。上記のような構造のペルチェ空調ユニット210A,210B(以下、両者を総称する場合には、「ペルチェ空調ユニット210」とも記載する)の組を有した車両用シート空調装置が、自動車の各シート(具体的には、運転席1(A)、助手席1(B),右後部座席1(C)、左後部座席1(D))に独立して組み込まれている。
次に、図3は、上記車両用シート空調装置50の電気的構成の一例を示すブロック図である。要部をなすのはマイクロプロセッサとして構成されたシート空調ECU103(空調制御手段)を主体とする制御回路であり、温度入力設定手段をなす手元操作スイッチ(温調設定スイッチ212と手元電源スイッチ213が温調入力インターフェース222を介して、それぞれシート空調ECU103に接続されている。シート空調ECU103は、各シートのシート空調装置50毎に個別に設けられている。
シート空調ECU103には、各々ペルチェモジュール303、送風機304、及びそれらの駆動制御を司る駆動ユニット221の組からなるペルチェ空調ユニット210A(背もたれ側)及び210B(座部側)が接続されている。駆動ユニット221は、ペルチェモジュール303を冷房使用時と暖房使用時とで互いに異なる極性にて通電駆動するものである。
図2に示すように、各シート200には、乗員が操作するための空調装置用の手元操作スイッチ212が設けられている。シート空調ECU103は、該手元電源スイッチ213がオフ状態のときペルチェ空調ユニット210の動作を停止する。手元操作スイッチ212はプッシュ機能付のロータリースイッチであり、1回押圧すると引っ込んで手元電源スイッチ213をオフ状態とする。一方、さらに押圧すると飛び出して電源スイッチ213をオン状態とし、設定温度変更のための回転操作が可能となる。このとき、手元操作スイッチ212は、中立位置NTLに関して第一方向に回転させると暖房モードでの温度設定となり、中立位置NTLから離れるほど設定温度は高くなるとともに、当該第一方向の限界位置まで回転させると最高暖房温度の設定状態となる。また、中立位置NTLに関して第二方向に回転させると冷房モードでの温度設定となり、中立位置NTLから離れるほど設定温度が低くなるとともに、当該第二方向の限界位置まで回転させると最低冷房温度の設定状態となる。電源スイッチ213のオン/オフ状態、及び温度設定状態(さらには、冷暖房モード)は温調入力インターフェース222を介してシート空調ECU103に入力される。
また、温調入力インターフェース222には、連動/独立切替スイッチ214が接続されている。図5に示すように、該連動/独立切替スイッチ214は、手元操作スイッチ222に近接してシート200に取り付けられ、該スイッチ214を第一位置(「連動」)側に操作すると、温調入力インターフェース222はシート空調装置50を主空調装置CAと連動制御する連動モードの選択信号をシート空調ECU10に出力し、第二位置(「独立」)側に操作すると、シート空調装置50を主空調装置CAとは独立して制御する独立モードの選択信号をシート空調ECU10に出力する。
図4は、駆動ユニット221の回路構成例を示すものである。駆動電源は、ペルチェ素子への過電圧印加防止を考慮して、絶縁型に構成されている。具体的には、車載バッテリー電圧+Bを入力電圧として受電する入力側DC電源250を有し、そのDC出力電圧が、昇圧用発振回路253により駆動される昇圧スイッチング用トランジスタ252(本実施形態ではパワーFETにて構成され、昇圧スイッチング周波数は10〜30kHz:例えば、15kHz)によりスイッチングされつつ、昇圧用のトランス251の1次側に入力される。該トランス251の2次側昇圧出力電圧は8〜15V(例えば12V)である。なお、昇圧用発振回路253は、トランス251の一次側インダクタンスの一部を流用した自励式発振回路として構成されている。
トランス251の2次側昇圧出力電圧は、ダイオード254Dにより半波整流され、さらにコンデンサ254Cにより平滑化された後、PWMスイッチング用トランジスタ255に入力される。PWMスイッチング用トランジスタ255はパワーFETにて構成され、シート空調ECU103が決定するデューティ比(例えば50〜100%)にてPWMスイッチングされる。PWMスイッチング用トランジスタ255は、ゲート駆動用トランジスタ256を介してフォトカプラ265によりスイッチングされる。
ペルチェ素子は導通断面積の大きい金属導体として構成されているので、PWMスイッチング電圧波形をペルチェ素子へ直接入力すると、波形エッジでの電流遮断時に渦電流が発生し、目的の極性と逆方向の電圧が供給されて冷却効率を低下させるジュール熱が多量に発生するので好ましくない。そこで、本実施形態では、コイル258とコンデンサ259とを有した駆動平滑化回路により、上記PWMスイッチング電圧波形をデューティ比に応じた直流駆動電圧(出力電圧範囲は、例えば6〜12V:出力電流範囲は、例えば3〜6A)として平滑化し、極性切替スイッチ260を介してペルチェモジュール303に供給するようにしている。なお、PWMスイッチング周波数は例えば1〜5kHzであり、昇圧スイッチング周波数よりも小さく設定される。
極性切替スイッチ260は、本実施形態ではリレースイッチとして構成され、リレー駆動トランジスタ262を介してフォトカプラ263により動作制御される(ここでは、リレー駆動トランジスタ262がOFFのとき、端子260Aが電源入力/端子260Bが接地となり(順方向極性)、同じくオンのときは端子260Aが接地/端子260Bが電源入力となるよう(逆方向極性)、スイッチ260が切り替わる)。また、送風機304へのモータ駆動出力は、トランス251の2次側にてPWMスイッチング用トランジスタ255の前段より、電圧安定化用のレギュレータIC264を介して非スイッチング状態で取り出される。
なお、本実施形態では車載バッテリー電圧+Bの変動を補償するために昇圧回路を組み込んでいるが、ペルチェ素子の動作が保障できる場合、例えば、ペルチェ素子への駆動出力電圧範囲が車載バッテリー電圧+Bの変動範囲よりも常時小さいことが保障できる場合には、この昇圧回路を省略することも可能である。この場合、ペルチェ素子への出力段に電圧モニタリング部を追加し、PWMスイッチングのデューティ比制御にこれをフィードバックして電圧を安定化するレギュレータ部を追加すればよい。また、ペルチェ素子への駆動出力電圧が車載バッテリー電圧+Bの変動範囲を若干上回る場合にあっても、該レギュレータ部を周知の昇圧型ステップアップ回路として構成すれば、昇圧回路は同様に省略できる。
前述のごとく、電源スイッチ213のオン/オフ状態、及び温度設定状態(さらには、冷暖房モード)は温調入力インターフェース222を介してシート空調ECU103に入力される。電源スイッチ213がオフ状態のとき、シート空調ECU103は、入力側DC電源250へのバッテリー受電系路上に設けられた電源スイッチ250Sをオフにし、ペルチェモジュール303と送風機304とを双方ともに停止させる。一方、電源スイッチ213がオン状態のときは電源スイッチ250Sをオンにする。そして、手元操作スイッチ212が冷房側に回転していればリレー駆動トランジスタ262をオフとし、通電極性を順方向とする。また、暖房側に回転していればリレー駆動トランジスタ262をオンとし、通電極性を逆方向とする。
また、冷房側及び暖房側のいずれにおいても、手元操作スイッチ212の操作角度は、例えばポテンショメータ等を介して温調入力インターフェース222により読み取られ、冷房設定温度θないし暖房設定温度θ’に変換されてシート空調ECU103に送られる。
以下、フローチャートを用いて、上記車両用空調装置の動作説明を行なう。
図7は、主空調ECU150による主空調制御の第一例に係る流れを示すフローチャートである。S1では、着座した乗員の体温を前述のサーモグラフィーにより検出する。複数の乗員が着座している場合は、それら乗員の体温の平均値を算出し、これを代表値として用いるか、あるいは、乗員に予め優先順位をつけておき、該優先順位の上位に位置する乗員の体温で代表させる。具体的には、図5の顔面(あるいは首筋領域HT)の体温Tが適正範囲外にある場合、例えば冷房空調時においては、該体温Tが高温側閾値(例えば、36.8〜37.5度)を超えている場合は、S2からS5へ進んで燃費(省エネルギー)優先モードによる空調制御処理となる。他方、体温Tが適正範囲内にある場合、例えば冷房空調時において、該体温Tが高温側閾値未満の場合は、S3に進み、着座している乗員の人数を特定する。この人数が閾人数(例えば、2人あるいは3人)未満の場合も、S4からS5に進んで燃費優先モードによる空調制御処理となる。また、S2において体温Tが適正範囲内にあり、かつ、S4にて乗員人数が閾人数以上の場合はS8に進み、快適優先モードによる空調制御処理となる。
すなわち、乗員の体温が適正範囲外にある場合は、乗員にとって不快な状況が長く継続しないよう、シート空調装置50の出力を増強した快適優先モードを採用する。一方、乗員の体温が適正範囲内にあるか、あるいは乗員数が少ない場合には、シート空調装置50の出力を抑制した燃費優先モードを採用する。
例えば冷房空調時にあっては、快適優先モードでは、S5においてエバポレータ117のオン・オフ切替のための閾値(以下、エバポレータ切替閾値温度ともいう)として標準値ξs0が採用され、また、図1の温度設定スイッチ73からの入力温度(そのまま表示部(液晶ディスプレイ)4に表示される)は、S6にて、無補正で主空調ECU150における設定温度として採用される。他方、燃費優先モードでは、S8においてエバポレータ切替閾値温度として、前述の標準値ξs0よりもΔξ(例えば、3℃〜10℃)だけ高温側にシフトさせたξが採用され、また、図1の温度設定スイッチ73からの入力温度(そのまま表示部(液晶ディスプレイ)4に表示される)は、S8にて、Δθだけ高温側に補正した値にて、主空調ECU150における設定温度として採用される(つまり、表示部4上の見かけの設定温度はθだが、実際にはそれよりも高いθ+Δθが設定される)。
両モードでの処理を比較すると、快適優先モードでは、エバポレータ切替閾値温度ξが燃費優先モードよりも低く設定される(ξS0)ので、エバポレータ117の表面温度がより低温となり、主空調装置CAの出力が増大する(つまり、主空調装置CAの「利き」がよくなる)ので、乗員が快適と感じられる空調環境が速やかに実現する。ただし、冷凍機がオフ状態となる温度域が下がるため、エンジンがコンプレッサーを駆動する期間比率も長くなり、燃費は低下する。他方、燃費優先モードでは、上記温度閾値ξが快適優先モードよりも高く設定される(ξS0+Δξ)ので、エバポレータ表面温度がより高温になるまで冷凍機が動作しなくなり、直接的な燃費向上を図ることができる。また、内部処理上は主空調装置CAの設定温度もθ+Δθに引き上げられるので、目標吹出温度TAOは高めに演算されることになり、主空調装置CAの出力が抑制されても、吹出風量やエアミックスダンパーの開度は適正に制御されることとなる。
快適優先モード燃費優先モードとでは、上記のごとく主空調装置CAの出力に相対的に差が付与される。他方、シート空調装置50側では、両モードで同じ出力となるように制御を行なってもよいし、モード間での出力優劣関係を主空調装置CAとは逆転させた形で、シート空調装置50の出力にもモード間で相対的に差が付与されるように制御を行なってもよい。後者の場合は、主空調装置CAとシート空調装置50との間で連動制御がなされる形なる。本実施形態では、この連動制御を行なうか行なわないかの切替を、図2及び図3の連動/独立切替スイッチ214の操作により実施できるようになっている。該スイッチの操作状態に基づく連動制御の指令情報は、後述のごとく、シート空調ECU203から主空調ECU150へ通信により送信されている。そして、連動制御が指令されている場合に限り、該連動制御に使用する補正係数αとして、快適優先モードではS7にて値αCFが、燃費優先モードではS10にて値αSEが(ただし、<0αCF<αSE<1)それぞれ主空調ECU150からシート空調ECU203に通信により送信される。
図8は、シート空調ECU103によるシート空調制御の流れを示すフローチャートである。まず、S101では手元電源スイッチ213がONになっているか否かを判定する。ONになっていなければS109に進み、ペルチェモジュール303及び送風機(ファン)304の動作を停止する。
一方、S101では手元電源スイッチ213がONになっていればS102に進み、温調入力インターフェース222が手元操作スイッチ212の操作位置に基づいて決定した冷房設定温度θないし暖房設定温度θ’を取得する。また、S103では、図4の主空調装置CA側からは、内気センサ155の温度検出値Tを、通信バス130を介して取得する。そして、S104では、冷房時は図6Aのデューティ比テーブルを、暖房時は図6Bのデューティ比テーブルを参照して、適正なデューティ比η(電流値に対応する)を読み取る。冷房時はT−θが大きくなるほどデューティ比(電流値)ηは高く設定され、暖房時はθ−Tが大きくなるほどデューティ比(電流値)ηは高く設定される。
次に、S105では、温調入力インターフェース222が連動/独立切替スイッチ214(図2、図3)の操作位置に基づいて出力するモード選択信号をリードする。独立モードであれば、図1においてシート空調ECU103は、該独立モードが選択されている旨を主空調ECU150に通信バス130を介して通知する。そして、S108に進み、シート空調ECU103は、読み取ったデューティ比ηをそのまま制御設定デューティ比(駆動デューティ比)η’として採用する。
他方、連動モードであればS106に進み、該連動モードが選択されている旨を主空調ECU150に通知する。主空調ECU150からは、前述のごとく、シート空調装置50の出力を補正するための補正係数α(快適優先モードではαCF、燃費優先モードではαSE:αCF<αSE)から送信されてくるので、S106でこれを取得する。シート空調ECU103は、S106にてこの補正係数αを主空調ECU150から通信取得し、S107で、読み取ったデューティ比ηを該補正係数αで補正し、これを制御設定デューティ比(駆動デューティ比)η’として採用する。そして、S109では、PWMスイッチング用トランジスタ255を上記制御設定デューティ比η’でスイッチング駆動して、ペルチェ素子の出力調整を行なう。前述のごとく、<0αCF<αSE<1だから、制御設定デューティ比η’は燃費優先モードにて快適優先モードよりも高くなる。これにより、燃費優先モードでは、主空調装置CAの出力が抑制される代わりにシート空調装置50の出力が増強され、快適性を良好に維持できる。
なお、ペルチェモジュールの電流出力(上記の実施形態ではこれに対応したスイッチング入力波形のデューティ比)の補正とともに(あるいは、該補正に代えて)、送風機(ファン)304の出力補正を行なうようにしてもよい。
なお、上記説明した例では、乗員の体温及び着座人数(あるいは着座位置)が一定の条件を充足しているか否かに基づき、主空調装置CAの制御条件を、2モード(燃費優先モードと快適優先モード)間での択一的に切り替える処理を行なっていたが、本発明は当然にこれに限定されるものではない。以下、乗員の体温や着座人数(あるいは着座位置)に応じて、主空調装置CAとシート空調装置50との連動制御条件を、さらにきめ細かく変更する変形実施態様について説明する。ただし、各変形実施態様にてシート空調ECU103側での処理流れは、図8と同じである。
図9は、その第一変形例に係る主空調ECU150側での処理の流れを示すものである(冷房空調時にて代表させて説明を行なう)。201では、既に説明した周知の手法により目標吹出温度TAOを演算する。S202では選択中のモードに係る情報をシート空調ECU103から取得する。連動モードであればS204に進み、図7のS1と同様に体温情報をリードする。そして、体温情報に反映された体温値Tを基準値T0と比較し、体温偏差ΔTをT−T0として演算する。図11に示すように、シート空調装置50側に送信する補正係数α(0<α<1)は、体温偏差ΔTが小さくなるほど大きくなるように(具体的には、ΔT=0でα=1となり、ΔTがある上限値以上では一律にゼロとなるように)、予め定められ、ECU内のメモリに記憶されている。S207ではΔTに対応する補正係数αの値を読み取り、S208で、これをシート空調ECU103へ送信する。
また、S209では、αの値から主空調装置側の補正係数βを演算する。該補正係数βの値は、体温偏差ΔTが小さくなるほど主空調装置CAの出力は小さくなるよう(つまり、αとは体温偏差ΔTに対する増減の傾向が逆となるように)、0〜1の範囲で定めてある。本実施形態では、βはαに対し相補的に定義されており(すなわち、β≡1−α)、αの値からβを演算により決定するようにしている。
そして、図13に示すように、前述のエバポレータ切替閾値温度ξの設定値が、αの値に応じて異なる値となるように、具体的にはαが大きくなるほど低くなるように(換言すれば、βが大きくなるほど高くなるように)、ECU内のメモリに記憶されており、S209にて、そのβに対応したエバポレータ切替閾値温度ξの値を読み出し、設定する。これにより、主空調装置CA側では、補正係数β(≡1−α)により、体温偏差ΔTが低くなるほどエバポレータ切替閾値温度ξが上昇するように切替設定されて、その出力が抑制され、他方、シート空調装置50側では、補正係数αにより駆動デューティ比が大きくなるように補正され、出力が増強される。
一方、S204にて独立モードであればS210に進み、エバポレータ切替閾値温度ξとして無補正の基準値ξS0が採用され、シート空調装置50側への補正係数の送信もなされない。つまり、主空調装置CAとシート空調装置50とは、従来通り、各々の設定値に基づいた独立制御が実施される。
図10は、図9におけるS204(体温偏差ΔTの演算及び対応する補正係数αの取得)の処理を行なう代わりに、S205にて乗員の着座人数をリードする。図12に示すように、シート空調装置50側に送信する補正係数α(0<α<1)は、着座人数が少ないほど大きくなるように予め定められ、ECU内のメモリに記憶されている。S207では着座人数に対応する補正係数αの値を読み取り、S208で、これをシート空調ECU103へ送信する。S209以下の処理内容は図9と同じである。なお、乗員の着座人数のみでなく、乗員の着座位置も考慮して補正係数を決定することも可能である。この場合は、例えば、図18に示すように、運転席、助手席及び後部座席の占有パターン(P1,P2,‥,P5)毎に、補正係数αの値を定めておけばよい。
なお、図9に図10のS205の処理を追加し(一点鎖線で示す)、体温偏差ΔTによる補正係数α(及びβ)と、着座人数による補正係数α(及びβ)とを併用して空調出力補正を行なってもよい。この場合、両係数の平均値(適宜重みを付与してもよい)を用いて空調出力補正を行なう方式を例示できるが、これに限定されるものではない。
また、上記のようにエバポレータ切替閾値温度ξを変更して空調出力補正を行なう態様に限らず、図14に示すように、補正係数α(及びβ)により空調設定温度θを補正する態様も可能である。この場合、例えば冷房空調時においては、図14に示すように、空調設定温度θの増加補正値Δθを、補正係数α(≡1−β)が大きくなるほど増大するように定めておくとよい。この場合の処理流れは、図9及び図10のフローチャートにおいて、S209及びS210を、図15のS1209及びS1210で置き換えたものとなる。すなわち、S1209では、図14にて1−β(=α)に対応するΔθの値を読み取り、入力温度θを該Δθだけ高温側にシフトさせて主空調装置CAに対する設定温度とする。他方、S1210では、入力温度θを補正せずに主空調装置CAに対する設定温度とする。また、エバポレータ切替閾値温度ξと入力温度θとの双方を補正する態様ももちろん可能であり、この場合の処理流れは、図9及び図10のフローチャートにおいて、S209及びS210を、図16のS2209及びS2210で置き換えたものとなる。
また、図9及び図10のフローチャートにおいて、S201で演算されるTAOをβで補正することにより(例えば、演算されたTAOにβを乗じて補正することにより)、主空調装置CAの出力を調整する態様も可能である。この場合の処理流れは、図9及び図10のフローチャートにおいて、S209及びS210を、図17のS3209及びS3210で置き換えたものとなる。
本発明の車両用空調装置を構成する主空調装置の電気的構成を、その周辺部とともに示すブロック図。 本発明の車両用空調装置を構成するシート空調装置の一例を示す側面断面図。 シート空調装置の電気的構成の一例を示す全体ブロック図。 ペルチェモジュールの駆動ユニットの電気的構成の一例を示す回路図。 顔カメラ及びサーモグラフィーカメラの視野設定例を示す模式図。 冷房時に使用するデューティ比テーブルの模式図。 暖房時に使用するデューティ比テーブルの模式図。 主空調制御処理の第一例に係る流れを示すフローチャート。 シート空調制御処理の流れを示すフローチャート。 主空調制御処理の第二例に係る流れを示すフローチャート。 主空調制御処理の第三例に係る流れを示すフローチャート。 体温偏差に応じたシート空調装置側の補正係数の設定例を模式的に示す図。 着座人数に応じたシート空調装置側の補正係数の設定例を模式的に示す図。 シート空調装置側の補正係数に応じたエバポレータ切替閾値温度の設定例を模式的に示す図。 シート空調装置側の補正係数に応じた主空調設定温度補正値の設定例を模式的に示す図。 図13の場合の主空調制御に係る処理流れを、図9の処理との相違点を抽出する形で示す図。 図14の場合の主空調制御に係る処理流れを、図9の処理との相違点を抽出する形で示す図。 TAO補正を行なう場合の主空調制御に係る処理流れを、図9の処理との相違点を抽出する形で示す図。 シート空調装置側の補正係数を規定する種々の着座パターンを示す図。
符号の説明
CA 主空調装置
50 シート空調装置
103 シート空調ECU(空調制御手段)
150 主空調ECU(空調制御手段)
151 エバポレータ温度センサ
200 シート
410 人カメラ(シート占有状態検出手段)
411 サーモグラフィーカメラ(体温反映情報検出手段)

Claims (4)

  1. シート以外の車室内構造物に吹出口を有し、車室内空間を包括的に空調する主空調装置と、
    前記シートに設けられ、当該シートに着座する乗員に対する個別空調を行なうシート空調装置と、
    前記シートに着座する乗員の状態を検出する乗員状態検出手段と、
    検出される乗員状態に応じて、前記主空調装置の空調出力と前記シート空調装置の空調出力との空調出力比が変化するように、前記主空調装置及び前記シート空調装置の少なくともいずれかの動作を調整制御する空調制御手段と、
    を備え、
    前記シート空調装置は電気を動力源とする送風機とペルチェモジュールとから構成され、
    前記主空調装置は車両の走行駆動源を動力源とする冷凍機と、空調対象気流と接触してこれを冷却するエバポレータの温度を検出するエバポレータ温度センサとを有し、
    前記乗員状態検出手段は前記乗員の体温を反映した体温反映情報を検出する体温反映情報検出手段を有し、
    前記空調制御手段は、該冷凍機の、検出されるエバポレータ温度の閾温度との比較結果に基づいて前記冷凍機の動作をオン・オフすることにより前記主空調装置の出力を調整するとともに、冷房空調時において、前記体温反映情報が示す体温状態が低体温側にシフトするほど、前記主空調装置の空調出力に対する前記シート空調装置の空調出力の比率が大きくなるように、前記主空調装置及び前記シート空調装置の少なくともいずれかの動作を調整制御し、また、燃費優先モードでの冷房空調時には、快適優先モードでの冷房空調時において標準値となる前記閾温度を上昇方向に変更設定することにより、前記主空調装置の空調出力を前記快適優先モードでの冷房空調時比べて相対的に縮小する制御を行なうことを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記空調制御手段は、暖房空調時において、前記体温反映情報が示す体温状態が高体温側にシフトするほど、前記主空調装置の空調出力に対する前記シート空調装置の空調出力の比率が大きくなるように、前記主空調装置及び前記シート空調装置の少なくともいずれかの動作を調整制御する請求項に記載の車両用空調装置。
  3. 前記シートが複数設けられるとともに、前記乗員状態検出手段は、それら複数のシートの前記乗員による占有状態を検出するシート占有状態検出手段を有する請求項1又は請求項に記載の車両用空調装置。
  4. 前記空調制御手段は、前記シート占有状態検出手段が示す複数の前記シートの前記乗員による占有数が少なくなるほど、前記主空調装置の空調出力に対する前記シート空調装置の空調出力の比率が大きくなるように、前記主空調装置及び前記シート空調装置の少なくともいずれかの動作を調整制御する請求項記載の車両用空調装置。
JP2008251781A 2008-09-29 2008-09-29 車両用空調装置 Expired - Fee Related JP5309844B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008251781A JP5309844B2 (ja) 2008-09-29 2008-09-29 車両用空調装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008251781A JP5309844B2 (ja) 2008-09-29 2008-09-29 車両用空調装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010083204A JP2010083204A (ja) 2010-04-15
JP5309844B2 true JP5309844B2 (ja) 2013-10-09

Family

ID=42247609

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008251781A Expired - Fee Related JP5309844B2 (ja) 2008-09-29 2008-09-29 車両用空調装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5309844B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012239797A (ja) * 2011-05-24 2012-12-10 Toyota Boshoku Corp 乗物用シート
US9873308B2 (en) 2012-01-17 2018-01-23 Koninklijke Philips N.V. Heating system for heating a living being
JP5849893B2 (ja) * 2012-02-13 2016-02-03 株式会社デンソー 車両用空調装置
US8839632B2 (en) * 2012-03-09 2014-09-23 Visteon Global Technologies, Inc. Control strategy for a zonal heating, ventilating, and air conditioning system of a vehicle
WO2013161613A1 (ja) * 2012-04-25 2013-10-31 日産自動車株式会社 車両用空調装置
KR102559163B1 (ko) * 2017-11-30 2023-07-26 주식회사 유니크 개인 맞춤형 능동 편의 시스템
JP2020131743A (ja) * 2019-02-13 2020-08-31 三菱重工業株式会社 車載空調装置および車載空調装置制御方法
JP2021172205A (ja) * 2020-04-23 2021-11-01 株式会社デンソー 車両用空調システム

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62227809A (ja) * 1986-03-28 1987-10-06 Diesel Kiki Co Ltd 車両用空気調和装置
JPH0585155A (ja) * 1991-09-26 1993-04-06 Suzuki Motor Corp 車両用空調制御装置
JP3102517B2 (ja) * 1991-12-26 2000-10-23 スズキ株式会社 車両用空調制御装置
JP3637395B2 (ja) * 1997-04-28 2005-04-13 本田技研工業株式会社 車両の空調装置とシート用加熱冷却装置
JP3329253B2 (ja) * 1998-01-19 2002-09-30 株式会社デンソー 車両用空調装置
JP4023077B2 (ja) * 2000-08-04 2007-12-19 三菱自動車エンジニアリング株式会社 車両用空調制御装置
JP2003011639A (ja) * 2001-06-28 2003-01-15 Fujikura Ltd 空調制御装置
JP2006082641A (ja) * 2004-09-15 2006-03-30 Honda Motor Co Ltd 車両の温度制御装置
JP4524623B2 (ja) * 2005-01-18 2010-08-18 株式会社デンソー カーシート温度調節装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010083204A (ja) 2010-04-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5309844B2 (ja) 車両用空調装置
JP5278667B2 (ja) 車両用シート空調システム
US8176741B2 (en) Local air conditioning system for vehicle and method of controlling local air conditioning unit
US10279650B2 (en) Adaptive vehicle climate control system and method
JP5594281B2 (ja) 車両用空調装置
JP5561196B2 (ja) シート空調装置を備えた車両用空調装置
WO2012144154A1 (ja) 車両用空調装置
JP6123557B2 (ja) 車両用空調装置
JP6201847B2 (ja) 車両用空調装置
JP4962425B2 (ja) 車両用シート空調装置
JP5928225B2 (ja) 車両用空調装置
JP5146819B2 (ja) 車両用シート空調装置
JP5549639B2 (ja) 車両用空調装置
JP2006298037A (ja) 車両用シート空調装置
JP5195702B2 (ja) 車両用空調装置
JP5257754B2 (ja) 車両用シート空調システム
JP5146749B2 (ja) 車両用シート空調システム
JP2006082641A (ja) 車両の温度制御装置
JP5217711B2 (ja) 車両用空調装置
JP5278665B2 (ja) 車両用シート空調システム
JP4930442B2 (ja) 車両用シート空調装置
JP2009040147A (ja) 車両用空調装置
JP5228256B2 (ja) 車両用空調制御装置
JP5556783B2 (ja) 車両用空調装置
JP2008247340A (ja) 車載発熱体の冷却装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110615

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120801

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120831

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121022

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20121022

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130328

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130514

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130604

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130617

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5309844

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees