JP5289768B2 - 焦点位置決定方法、焦点位置決定装置、微弱光検出装置及び微弱光検出方法 - Google Patents

焦点位置決定方法、焦点位置決定装置、微弱光検出装置及び微弱光検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、試料内の観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置を決定する焦点位置決定方法および焦点位置決定装置に関するものである。
本発明は、微弱光を発する生物由来の被験試料を、レンズを含む拡大結像光学手段を用いて観察、または測定する方法、及び装置に関する。
[I]今日、蛍光を利用した生物試料のイメージング手法は生命科学の研究にとって、大きな役割を担っている。特定のタンパク質をマーキングし発光を利用することにより、細胞内外で起こっている種々の生命現象を観察することが可能となり、また、種々の生命現象の動的な振る舞いなどをリアルタイムで知ることができる。特に最近では、GFP(Green Fluorescent Protein:緑色蛍光タンパク質)などの蛍光タンパク質を用いることにより、細胞内の構造物のイメージングを安定に且つ容易に実現できるようになってきており、種々の生命現象の解明が着実に進みつつある。
また、生物発光性タンパク質(具体的にはルシフェラーゼやエクオリンなど)を発現する発光関連遺伝子を細胞内の種々の機能解析に役立てる(具体的には発光関連遺伝子をタンパク質発現のレポーター分子として活用する)ことも、しばしば行なわれるようになってきた。そして、このような機能解析を行なう上で、細胞内の特定の部位にレンズのフォーカスを合わせて鮮明な画像を描出したり、細胞内に導入した特定の生物発光性タンパク質からの発光を効率良く受光したりすることは、非常に重要である。ところが、生物試料からの自家発光の光強度は一般に極めて微弱であるので、通常、生物試料からの発光を肉眼で直接確認できないことが多い。このような微弱な光を発する試料に対して光学素子(例えば検出系のレンズなど)を調整しても試料内の特定の部位にレンズのフォーカスを合わせることは、当然、肉眼では困難である。
ここで、試料容器内の試料に光をフォーカスする方法についてはいろいろ開示されている。ただし、その何れも、試料からの光を肉眼で(目視で)確認できる場合における方法である。例えば、試料容器の底面位置を検出し、検出した位置情報を元にして試料容器内の試料に光をフォーカスする方法については特許文献1や特許文献2で開示されている。特許文献1では、対物レンズを通して光を試料容器の底面へ照射し、光の照射位置を上下に移動させながら試料容器の底面からの鏡面反射光の強度を順番に検出し、検出した光の強度に基づいて試料容器の底面位置を検出し、検出した位置情報を元に試料容器内の試料の位置を推定し、推定した位置に光をフォーカスする。また、特許文献2では、対物レンズを通して光を試料容器の底面へ下から斜めに照射し、試料容器の底面からの鏡面反射光のXY平面上でのずれ量を光検出器で検出し、検出したずれ量に基づいて試料容器の光軸上での底面位置を検出し、検出した位置情報を元に試料容器内の試料の位置を推定し、推定した位置に光をフォーカスする。これにより、試料容器内の試料に対物レンズの焦点位置を合わせることができる。
また、細胞などの位相物体を明視野で観察する顕微鏡を用いて、対物レンズの位置を通常の合焦位置から前後にずらして固定してデフォーカスによる高いコントラストの観察画像を得て細胞を観察する方法が、特許文献3や特許文献4に開示されている。これにより、位相物体である細胞の観察画像を高いコントラストで得ることができる。
[II]今日、蛍光や発光(化学発光および生物発光)現象を利用した、生物由来の試料を解析する技術は、生命科学分野の研究に重要な役割を担っている。細胞内外で起こっている種々の生命現象を、特定のタンパク質をマーキングし、蛍光や発光を利用することで、実際に計測可能となり、これらの動的な振る舞いなどをリアルタイムで求めることができる。特に最近ではGFP(Green Fluorescent Protein:緑色蛍光タンパク質)などの蛍光タンパク質を用いることにより、細胞内の構造物を安定に且つ容易にイメージングできるようになってきており、蛍光画像による解析技術は生命現象の解明に着実に寄与しつつある。
蛍光画像による生物由来の試料の解析においては、試料が小さ過ぎる場合に観察画像を光学的ないし電子的(デジタル的)に拡大してから画像解析する試みが行なわれている。このような例として、増殖した微生物に対して蛍光色素により蛍光染色した蛍光画像を拡大した拡大画像を用いて微生物の数を測定する装置が開示されている(特許文献5参照)。
特表2002−541430号公報 特表2002−542480号公報 特開2004−354650号公報 特開2005−173288号公報 特開2005−172680号公報
[I]しかしながら、試料内の特定の部位を観察対象部位として当該観察対象部位の発光観察を行う場合、試料を設置した時点では試料からの発光が微弱あるいは未だ起こってないので、従来の技術では、試料を設置した時点では当該観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置を決定することができず、ゆえに、対物レンズの焦点位置を当該観察対象部位に合わせることができなかった、という問題点があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、試料内の特定の部位を観察対象部位として当該観察対象部位の発光観察を行う場合、試料を設置した時点で、当該観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置を決定することができ、その結果、対物レンズの焦点位置を当該観察対象部位に合わせることができる焦点位置決定方法および焦点位置決定装置を提供することを目的とする。
[II]しかしながら、一般に蛍光は輝度が高い反面、光量が一定せず変動したり徐々に消失する。また、励起光を照射するために、長期間の観察においては、励起光の繰返し照射による輝度の変動も生じ易いという問題が有り、精密な画像解析、とりわけ定量的な解析は困難である。また、生物からの自家発光は蛍光と異なり常に一定の光量で発光しているとされている。しかし、自家発光による光強度は極めて微弱であり、肉眼では直接観察できない場合が多いので、フォーカス位置を正確に合わせることが出来ないので、鮮明な画像を描出したり、特定の生物発光タンパク質からの発光を効率良く受光することは不可能であった。
一方、上記の蛍光タンパク質の代わりに、生物発光タンパク質であるルシフェラーゼやエクオリンなどといった遺伝子をタンパク質発現のレポーター分子として活用し、細胞内の機能解析に役立てることも、しばしば行なわれるようになってきており、自家発光による画像解析の期待も非常に高いと推測する。
従って、本発明は、発光等により直接観察が出来ない試料に対しても正確にフォーカス位置を合せることができる微弱光検出方法および装置を提供することを目的とする。また、本発明は、とくに鮮明な発光画像を得ることが可能な方法および装置を提供することを目的とする。
[I]上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる点位置決定方法は、試料内の観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置を決定する焦点位置決定方法であって、対物レンズの近点側の焦点位置および/または対物レンズの遠点側の焦点位置を計測し、計測した焦点位置に基づいて前記観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置を決定することを特徴とする。
また、本発明にかかる点位置決定方法は、試料内の観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置を決定する焦点位置決定方法であって、試料へ光を照射する光照射ステップと、対物レンズの焦点位置を変更する焦点位置変更ステップと、前記焦点位置変更ステップで変更した焦点位置を計測する焦点位置計測ステップと、前記焦点位置変更ステップで変更した焦点位置にて、前記光照射ステップで光が照射された試料を撮像する試料撮像ステップと、前記試料撮像ステップで撮像した撮像画像に基づいて撮像画像を特徴付ける特徴量を算出する特徴量算出ステップと、前記焦点位置変更ステップ、前記焦点位置計測ステップ、前記試料撮像ステップおよび前記特徴量算出ステップを繰り返し実行する実行ステップと、前記実行ステップを実行して蓄積した複数の焦点位置から、前記実行して蓄積した複数の特徴量に基づいて、少なくとも1つの焦点位置を選出する焦点位置選出ステップと、前記焦点位置選出ステップで選出した焦点位置に基づいて、前記観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置を決定する焦点位置決定ステップと、を含むことを特徴とする。
また、本発明にかかる点位置決定方法は、上記の発明において、前記焦点位置選出ステップでは、前記実行ステップを実行して蓄積した複数の焦点位置から、前記実行して蓄積した複数の特徴量に基づいて、2つの焦点位置を選出し、前記焦点位置決定ステップでは、前記焦点位置選出ステップで選出した2つの焦点位置に基づいて、当該2つの焦点位置の中央位置を、前記観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置として決定することを特徴とする。
また、本発明にかかる点位置決定方法は、上記の発明において、前記2つの焦点位置は、対物レンズの近点側の焦点位置および対物レンズの遠点側の焦点位置であることを特徴とする。
また、本発明にかかる点位置決定方法は、上記の発明において、前記焦点位置選出ステップでは、前記実行ステップを実行して蓄積した複数の焦点位置から、前記実行して蓄積した複数の特徴量に基づいて、1つの焦点位置を選出し、前記焦点位置決定ステップでは、前記焦点位置選出ステップで選出した1つの焦点位置および予め定めた距離に基づいて、当該焦点位置から当該距離だけ離れた位置を、前記観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置として決定することを特徴とする。
また、本発明にかかる点位置決定方法は、上記の発明において、前記1つの焦点位置は、対物レンズの近点側の焦点位置または対物レンズの遠点側の焦点位置であることを特徴とする。
また、本発明にかかる点位置決定方法は、上記の発明において、前記焦点位置決定ステップで決定した焦点位置にて試料を撮像する決定位置試料撮像ステップと、前記決定位置試料撮像ステップで撮像した撮像画像に基づいて特徴量を算出する決定位置特徴量算出ステップと、前記焦点位置決定ステップで決定した焦点位置を変更する決定後焦点位置変更ステップと、前記決定後焦点位置変更ステップで変更した焦点位置にて試料を撮像する決定後試料撮像ステップと、前記決定後試料撮像ステップで撮像した撮像画像に基づいて特徴量を算出する決定後特徴量算出ステップと、前記決定位置特徴量算出ステップで算出した特徴量と前記決定後特徴量算出ステップで算出した特徴量とを比較する特徴量比較ステップと、前記特徴量比較ステップで比較した結果、前記決定後特徴量算出ステップで算出した特徴量の方が大きかった場合には、前記決定後焦点位置変更ステップで変更した焦点位置を、前記観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置として再度決定する焦点位置再決定ステップと、をさらに含むことを特徴とする。
また、本発明にかかる点位置決定方法は、上記の発明において、前記試料は生体細胞または組織であることを特徴とする。
また、本発明は焦点位置決定装置に関するものであり、本発明にかかる点位置決定装置は、試料内の観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置を決定する焦点位置決定装置であって、試料へ光を照射する光照射手段と、対物レンズの焦点位置を変更する焦点位置変更手段と、対物レンズの焦点位置を計測する焦点位置計測手段と、試料を撮像する試料撮像手段と、前記試料撮像手段で撮像した撮像画像に基づいて撮像画像を特徴付ける特徴量を算出する特徴量算出手段と、前記焦点位置変更手段、前記焦点位置計測手段、前記試料撮像手段および前記特徴量算出手段を繰り返し実行させるよう、各々の手段を制御する制御手段と、前記制御手段で前記各々の手段を繰り返し実行させたことにより蓄積した複数の焦点位置から、前記繰り返し実行させたことにより蓄積した複数の特徴量に基づいて、少なくとも1つの焦点位置を選出する焦点位置選出手段と、前記焦点位置選出手段で選出した焦点位置に基づいて、前記観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置を決定する焦点位置決定手段と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明にかかる点位置決定装置は、上記の発明において、前記焦点位置選出手段は、前記蓄積した複数の焦点位置から、前記蓄積した複数の特徴量に基づいて、2つの焦点位置を選出し、前記焦点位置決定手段は、前記焦点位置選出手段で選出した2つの焦点位置に基づいて、当該2つの焦点位置の中央位置を、前記観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置として決定することを特徴とする。
また、本発明にかかる点位置決定装置は、上記の発明において、前記2つの焦点位置は、対物レンズの近点側の焦点位置および対物レンズの遠点側の焦点位置であることを特徴とする。
また、本発明にかかる点位置決定装置は、上記の発明において、前記焦点位置選出手段は、前記蓄積した複数の焦点位置から、前記蓄積した複数の特徴量に基づいて、1つの焦点位置を選出し、前記焦点位置決定手段は、前記焦点位置選出手段で選出した1つの焦点位置および予め定めた距離に基づいて、当該焦点位置から当該距離だけ離れた位置を、前記観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置として決定することを特徴とする。
また、本発明にかかる点位置決定装置は、上記の発明において、前記1つの焦点位置は、対物レンズの近点側の焦点位置または対物レンズの遠点側の焦点位置であることを特徴とする。
また、本発明にかかる点位置決定装置は、上記の発明において、前記特徴量算出手段で予め個別に算出した2つの特徴量を比較する特徴量比較手段と、前記特徴量比較手段で比較した結果に基づいて前記観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置を再度決定する焦点位置再決定手段とをさらに備え、前記焦点位置決定手段で決定した焦点位置にて前記試料撮像手段で試料を撮像し、撮像した撮像画像に基づいて前記特徴量算出手段で特徴量を算出し、前記焦点位置決定手段で決定した焦点位置を前記焦点位置変更手段で変更し、変更した焦点位置にて前記試料撮像手段で試料を撮像し、撮像した撮像画像に基づいて前記特徴量算出手段で特徴量を算出し、前記決定した焦点位置に対応する特徴量と前記変更した焦点位置に対応する特徴量とを前記特徴量比較手段で比較し、比較した結果、前記変更した焦点位置に対応する特徴量の方が大きかった場合には、前記焦点位置再決定手段で、前記変更した焦点位置を、前記観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置として再度決定することを特徴とする。
また、本発明にかかる点位置決定装置は、上記の発明において、前記試料は生体細胞または組織であることを特徴とする。
また、本発明にかかる点位置決定装置は、上記の発明において、前記光照射手段を含む照明光学系の瞳位置に開口を配置したことを特徴とする。
また、本発明にかかる点位置決定装置は、上記の発明において、前記開口を光軸に対して偏芯させて配置したことを特徴とする。
また、本発明にかかる点位置決定装置は、上記の発明において、前記光照射手段を含む照明光学系に狭帯域通過フィルターを配置したことを特徴とする。
また、本発明にかかる点位置決定装置は、上記の発明において、前記光照射手段は単色の可視光を発することを特徴とする。
また、本発明にかかる点位置決定装置は、上記の発明において、試料へ励起光を照射する励起光照射手段をさらに備えたことを特徴とする。
また、本発明は焦点位置決定方法に関するものであり、本発明にかかる点位置決定方法は、試料内の観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置を決定する焦点位置決定方法であって、対物レンズの位置を移動させながら試料を撮像すると共に対物レンズの焦点位置を計測し、撮像した画像に基づいて、画像を構成する各画素の画素値の最大値と最小値との差であるコントラストを算出し、算出したコントラストおよび計測した対物レンズの焦点位置に基づいて観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置を決定することを特徴とする。
また、本発明にかかる点位置決定方法は、上記の発明において、前記コントラストは、画像を構成する各画素の画素値のうち最大値を含む複数の上位の画素値の平均値と、画像を構成する各画素の画素値のうち最小値を含む複数の下位の画素値の平均値との差であることを特徴とする。
また、本発明にかかる点位置決定方法は、上記の発明において、算出したコントラストを他のものと比較してその極小値を1つ探索し、探索した極小値の元となる画像を撮像したときの対物レンズの焦点位置を、観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置として決定することを特徴とする。
また、本発明にかかる点位置決定方法は、上記の発明において、算出したコントラストを他のものと比較してその極大値を2つ探索し、探索した各極大値の元となる画像を撮像したときの対物レンズの焦点位置の中間を、観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置として決定することを特徴とする。
また、本発明にかかる点位置決定方法は、上記の発明において、対物レンズの位置を、その移動量を段階的に減らしながら移動させることを特徴とする。
また、本発明にかかる点位置決定方法は、上記の発明において、対物レンズの位置を、その移動量を前回の移動量の半分に減らしながら移動させることを特徴とする。
[II]本発明者は、以上の見地に初めて立ち、種々のイメージング技術を開発し鋭意検討して来た(特願2005−267531号参照)。この検討によれば、対物レンズの開口数(NA)および投影倍率(β)で表される(NA÷β)の2乗の値が0.01以上の光学系で撮像することによって、単一の細胞から発生する発光だけで画像化できることが証明された。驚くべきことに、この撮像条件は、従来、画像化が困難であったあらゆる生物由来の試料にも適用できる可能性が有り、短い時間(例えば20分以内)で生物発光のような肉眼(および顕微鏡下)では直接観察出来ないような微弱な発光成分による細胞画像を撮像できる。さらに、発明者が追究した光学的条件によれば、撮像装置の対物レンズを開口数(NA)/投影倍率(β)の2乗で表される光学的条件が0.071以上である場合に、1〜5分以内という短時間で画像化でき、画像解析も可能な細胞画像を提供できること突き止めた。
ここにおいて、まず、発明者は低倍率の対物レンズで被験試料全体の画像を取得し、視野内の所望の発光部位を確認していたが、この場合、所望の発光部位は観察視野内の一部分であることが多く、微小な領域に留まっているためにその解析や機能を確認することが困難ということが分かった。そこで、観察視野内の所望の部位を拡大して観察しようとしたところ、単に、対物レンズの倍率を上げただけでは生物発光タンパク質などの微弱な発光画像を取得しようとする場合、視野が暗くなり、発光像を容易に確認できない場合が有るという技術課題も発見した。
そこで、本発明の微弱光検出装置は、生物由来の被験試料の画像を光学的結像手段を用いて描出する装置であって、前記被験試料の画像を光学的結像手段を用いて描出する画像生成工程と、前記画像生成工程で取得した当該画像から、所望の領域を抽出する画像抽出工程と、前記画像抽出工程で取得した当該領域を拡大する画像拡大工程と、を含むことを特徴とする。この装置は、前記被験試料の一部である、所望の領域の拡大画像を前記被験試料の明視野、または暗視野画像に重ねて表示する画像表示工程、または当該画像を記録する画像記録工程を含むのが好ましい。
また、本発明の微弱光検出方法は、生物由来の被験試料の画像を描出し、当該画像から所望の領域を抽出し、当該領域を拡大して表示、または記録することを特徴とする。この方法は、さらに、前記被験試料の一部である、所望の領域の拡大画像を前記被験試料の明視野、または暗視野画像に重ねて表示、または記録する工程を有するのが好ましい。また、この方法において、前記画像拡大工程は、光学的な画像拡大工程、あるいは電気的な処理による画像拡大工程であるのが好ましい。
本発明によれば、所望の発光部位の画像を特定し、その部分を拡大して表示する方法及び装置が提供される。ここで、レンズを含む拡大結像光学手段を用いて微弱光を発する被験試料の観察を行なう際に(或いは被験試料を観察し、画像として取得する際に)、描出された画像に基づいて、発光部位を含む所望の部位の画像を拡大し、表示する(或いは描出された画像内の所望の領域の画像要素を指定し、指定した画像要素を任意倍率で拡大し、画像表示する)ことが重要な構成要素となる。
一方、移行塩基配列、及び発光関連遺伝子に加えて、さらに蛍光タンパク質を発現する蛍光関連遺伝子を融合した融合遺伝子を細胞に導入し、当該細胞の蛍光画像を得て、得られた蛍光画像に基づいて、細胞内の所定の部位に生物発光性タンパク質が局在するか否かを判定することも判明した(特願2005−104341号参照)。このように蛍光物質による発光を利用して細胞内の発光タンパク質による発光位置のマーキングを行なうことは有効な方法であるが、蛍光物質による蛍光を利用した、細胞内の発光位置の特定が行なわれても、通常、その部位は細胞内の微小な部分であり、観察視野内のごく一部分に過ぎないために、これを撮像しているCCDカメラの撮像素子のうち、受光に与る素子も、一部であり、得られる画像の解像度も不十分となる場合があり得る。すなわち、ボケた画像しか、得られないことになる。
そこで、蛍光物質による蛍光を利用した場合にも、細胞内の発光タンパク質による発光位置を認識した後に、この位置でマーキングを行ない、この位置を細胞内の発光タンパク質による発光位置とし、次に、この部位についてディジタルズーム、あるいは光学ズームを行なって、所望部位の拡大画像を得ることとする(或いは、細胞内に導入された発光関連遺伝子による微弱発光を観察する微弱光測定装置において、微弱発光する生物発光タンパク質を含む細胞内の発光部分をその近傍に標識された蛍光物質が発する蛍光により同定し、これにより同定された発光部分の像を拡大し、拡大画像として生成させることとする)ことが出来る。
[I]本発明にかかる焦点位置決定方法によれば、対物レンズの近点側の焦点位置(略焦点位置)および/または対物レンズの遠点側の焦点位置(略焦点位置)を計測し、計測した焦点位置に基づいて試料内の観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置を決定するので、試料内の特定の部位を観察対象部位として当該観察対象部位の発光観察を行う場合、試料を設置した時点で、当該観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置を決定することができ、その結果、対物レンズの焦点位置を当該観察対象部位に合わせることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、試料内の発光部位の発光観察を行う際、当該発光部位からの発光を確認しなくても、試料内の発光部位に対物レンズの焦点を合わせることができるという効果を奏する。
また、本発明にかかる焦点位置決定方法および焦点位置決定装置によれば、(1)試料へ光を照射し、(2)対物レンズの焦点位置を変更し、(3)変更した焦点位置を計測し、(4)変更した焦点位置にて、光が照射された試料を撮像し、(5)撮像した撮像画像に基づいて撮像画像を特徴付ける特徴量を算出し、(6)(2)〜(5)を繰り返し実行し、(7)実行して蓄積した複数の焦点位置から、実行して蓄積した複数の特徴量に基づいて、少なくとも1つの焦点位置を選出し、(8)選出した焦点位置に基づいて、試料内の観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置を決定するので、試料内の特定の部位を観察対象部位として当該観察対象部位の発光観察を行う場合、試料を設置した時点で、当該観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置を決定することができ、その結果、対物レンズの焦点位置を当該観察対象部位に合わせることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、試料内の発光部位の発光観察を行う際、当該発光部位からの発光を確認しなくても、試料内の発光部位に対物レンズの焦点を合わせることができるという効果を奏する。
また、本発明にかかる焦点位置決定方法および焦点位置決定装置によれば、前記の(7)では、実行して蓄積した複数の焦点位置から、実行して蓄積した複数の特徴量に基づいて、2つの焦点位置を選出し、前記の(8)では、選出した2つの焦点位置に基づいて、当該2つの焦点位置の中央位置(略中央位置)を、試料内の観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置として決定するので、試料内の観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置を容易に決定することができるという効果を奏する。
また、本発明にかかる焦点位置決定方法および焦点位置決定装置によれば、2つの焦点位置は、対物レンズの近点側の焦点位置(略焦点位置)および対物レンズの遠点側の焦点位置(略焦点位置)であるので、試料内の観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置を容易かつ簡便に決定することができるという効果を奏する。
また、本発明にかかる焦点位置決定方法および焦点位置決定装置によれば、前記の(7)では、実行して蓄積した複数の焦点位置から、実行して蓄積した複数の特徴量に基づいて、1つの焦点位置を選出し、前記の(8)では、選出した1つの焦点位置および予め定めた距離に基づいて、当該焦点位置から当該距離だけ離れた位置を、試料内の観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置として決定するので、試料内の観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置をさらに容易に決定することができるという効果を奏する。
また、本発明にかかる焦点位置決定方法および焦点位置決定装置によれば、1つの焦点位置は、対物レンズの近点側の焦点位置(略焦点位置)または対物レンズの遠点側の焦点位置(略焦点位置)であるので、試料内の観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置をさらに容易かつ簡便に決定することができるという効果を奏する。
また、本発明にかかる焦点位置決定方法および焦点位置決定装置によれば、(9)前記の(8)で決定した焦点位置にて試料を撮像し、(10)撮像した撮像画像に基づいて特徴量を算出し、(11)前記の(8)で決定した焦点位置を変更し、(12)変更した焦点位置にて試料を撮像し、(13)撮像した撮像画像に基づいて特徴量を算出し、(14)(10)で算出した特徴量と(13)で算出した特徴量とを比較し、(15)比較した結果、(13)で算出した特徴量の方が大きかった場合には、(11)で変更した焦点位置を、試料内の観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置として再度決定するので、試料を設置した時点だけでなく、試料の発光観察を開始してからも、試料内の観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置を決定し続けることができ、その結果、対物レンズの焦点位置を常に当該観察対象部位に合わせることができるという効果を奏する。
また、本発明にかかる焦点位置決定方法および焦点位置決定装置によれば、試料は生体細胞または組織であるので、微弱光を発するものを試料として用いることができるという効果を奏する。
また、本発明にかかる焦点位置決定装置によれば、光照射手段(光源)を含む照明光学系の瞳位置に開口を配置したので、透過光と回折光との位相差を大きくすることができ、その結果、撮像画像のコントラストを高くすることができるという効果を奏する。
また、本発明にかかる焦点位置決定装置によれば、開口を光軸に対して偏芯させて配置したので、透過光と回折光との位相差をさらに大きくすることができ、その結果、撮像画像のコントラストをより高くすることができるという効果を奏する。
また、本発明にかかる焦点位置決定装置によれば、光照射手段(光源)を含む照明光学系に狭帯域通過フィルターを配置したので、光源から発せられた光を、波長帯域バンド幅の極めて狭い単色光とすることができ、その結果、撮像画像のコントラストを高くすることができるという効果を奏する。
また、本発明にかかる焦点位置決定装置によれば、光照射手段(光源)は単色の可視光を発するので、光源から発せられた光を試料に照射したときに、波長分散がほとんど無くなり、シャープな回折光を得ることができ、その結果、撮像画像のコントラストを高くすることができるという効果を奏する。
また、本発明にかかる焦点位置決定装置によれば、試料へ励起光を照射する励起光照射手段(励起用光源)をさらに備えたので、試料の蛍光観察と発光観察とを同時に行うことができるという効果を奏する。
また、本発明にかかる焦点位置決定方法によれば、対物レンズの位置を移動させながら試料(具体的には、発光する物質を含む生物試料など)を撮像すると共に対物レンズの焦点位置を計測し、撮像した画像に基づいて、画像を構成する各画素の画素値の最大値と最小値との差であるコントラストを算出し、算出したコントラストおよび計測した対物レンズの焦点位置に基づいて観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置を決定するので、試料内の特定の部位を観察対象部位として当該観察対象部位の発光観察を行う場合、試料を設置した時点で、当該観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置を決定することができ、その結果、対物レンズの焦点位置を当該観察対象部位に合わせることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、試料内の発光部位の発光観察を行う際、当該発光部位からの発光を確認しなくても、試料内の発光部位に対物レンズの焦点を合わせることができるという効果を奏する。
また、本発明にかかる焦点位置決定方法によれば、コントラストは、画像を構成する各画素の画素値のうち最大値を含む複数の上位の画素値の平均値と、画像を構成する各画素の画素値のうち最小値を含む複数の下位の画素値の平均値との差であるので、撮像した画像に擬似信号(例えば反射光や散乱光などのノイズ光によるものなど)が入り込んでいても、当該画像から信頼性の高いコントラストを算出することができるという効果を奏する。
また、本発明にかかる焦点位置決定方法によれば、算出したコントラストを他のものと比較してその極小値を1つ探索し、探索した極小値の元となる画像を撮像したときの対物レンズの焦点位置を、観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置として決定するので、試料内の観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置を容易に決定することができるという効果を奏する。
また、本発明にかかる焦点位置決定方法によれば、算出したコントラストを他のものと比較してその極大値を2つ探索し、探索した各極大値の元となる画像を撮像したときの対物レンズの焦点位置の中間を、観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置として決定するので、試料内の観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置を容易に決定することができるという効果を奏する。
また、本発明にかかる焦点位置決定方法によれば、対物レンズの位置を、その移動量を段階的に減らしながら移動させるので、試料内の観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置を迅速に決定することができるという効果を奏する。
また、本発明にかかる焦点位置決定方法によれば、対物レンズの位置を、その移動量を前回の移動量の半分に減らしながら移動させるので、試料内の観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置を迅速に決定することができるという効果を奏する。
[II]本発明によれば、低倍率の対物レンズで被験試料全体の画像を取得し、視野内の所望の発光部位を確認し、その部位のみのズームアップを行なうので、所望の発光部分に特化し、拡大された観察画像を得ることができる。なお、対物レンズの焦点位置決定方法、または焦点位置決定装置を用いて、対物レンズの焦点位置決定を行ない、被験試料の画像をデジタルズーム、または光学ズームを行なうことにより、焦点位置決定と画像描出、画像拡大を連続的に行なうことができる。
図1は、物点、光学系の入射瞳、射出瞳、結像面を模式的に示す図である。 図2は、対物レンズを移動させながらCCDカメラで細胞を撮像した時のCCDカメラの各画素の出力信号の変化の仕方の一例、および当該変化の仕方に対応させて模式的に書いたシャーレの位置および細胞の位置を示す図である。 図3は、図2の位置αで細胞を撮像した時のCCDカメラの特定の画素列に含まれる各画素の光強度の分布、および図2の位置βで細胞を撮像した時のCCDカメラの特定の画素列に含まれる各画素の光強度の分布を示す図である。 図4は、2つの照明画像を撮像した時の対物レンズの光軸上での焦点位置および発光画像を撮像した時の対物レンズの光軸上での焦点位置に関する測定結果を示す図である。 図5は、対物レンズの焦点位置がシャーレの外側底面の位置に合った時の対物レンズの焦点位置を模式的に示す図である。 図6は、近点側で撮像した最も高いコントラストの照明画像と発光画像とを示す図である。 図7は、図6の画像を撮像した時の対物レンズの焦点位置を模式的に示す図である。 図8は、中心点で撮像した最も高いコントラストの照明画像と発光画像とを示す図である。 図9は、図8の画像を撮像した時の対物レンズの焦点位置を模式的に示す図である。 図10は、遠点側で撮像した最も高いコントラストの照明画像と発光画像とを示す図である。 図11は、図10の画像を撮像した時の対物レンズの焦点位置を模式的に示す図である。 図12は、第1実施形態の焦点位置決定装置1の基本構成を示す図である。 図13は、第1実施形態の焦点位置決定装置1の構成の具体的一例を示す図である。 図14は、試料ステージ17付近に配設された各部の構成の一例を示す図である。 図15は、開口ユニット24の構成および対物レンズ30の瞳における開口の投影像の一例を示す図である。 図16は、開口ユニット24の別の構成および対物レンズ30の瞳における開口の投影像の一例を示す図である。 図17は、第1実施形態の焦点位置決定装置1の構成の別の具体的一例を示す図である。 図18は、第1実施形態の焦点位置決定装置1が行う焦点位置決定処理の一例を示すフローチャートである。 図19は、第1実施形態の焦点位置決定装置1が行う焦点位置再決定処理の一例を示すフローチャートである。 図20は、第2実施形態の焦点位置決定装置1の構成の具体的一例を示す図である。 図21は、第2実施形態の焦点位置決定装置1の構成の別の具体的一例を示す図である。 図22は、第2実施形態の焦点位置決定装置1の構成の別の具体的一例を示す図である。 図23は、プラスミドベクターを導入したHeLa細胞の照明画像および蛍光画像を示す図である。 図24は、プラスミドベクターを導入したHeLa細胞の照明画像および発光画像を示す図である。 図25は、選定した番号1のHeLa細胞からの発光強度の時間変化を示す図である。 図26は、対物レンズと試料との位置関係の一例を示す図である。 図27は、対物レンズの位置と画像のコントラストとの関係の一例を示す図である。 図28は、第3実施形態の焦点位置決定装置1'の構成を示すブロック図である。 図29は、第3実施形態の焦点位置決定装置1'が行う焦点位置決定処理の一例を示すフローチャートである。 図30は、第3実施形態の焦点位置決定装置1'が行う焦点位置決定処理の一例を示すフローチャートである。 図31は、画像を構成する各画素の受光強度の一例を示す図である。 図32は、画像を構成する各画素の受光強度の2次元分布の一例を示す図である。 図33は、画像を構成する各画素の受光強度の2次元分布の一例を示す図である。 図34は、第3実施形態の焦点位置決定装置1'が行う焦点位置決定処理の一例を示すフローチャートである。 図35は、第3実施形態の焦点位置決定装置1'が行う焦点位置決定処理の一例を示すフローチャートである。 図36は、本発明の第1の実施形態に係わる光学系の構成を示した図である。 図37は、本発明の第1の実施形態に係わる試料容器近傍意の構成を示した図である。 図38は、本発明の第1の実施形態に係わるデジタルズームの動作を示したフローチャートである。 図39は、本発明の第1の実施形態に係わるデジタルズームの構成を示したブロック図である。 図40は、本発明の第1の実施形態に係わるデジタルズームの操作パネルの構成を示した図である。 図41は、本発明の第2の実施形態に係わる光学系の構成を示した図である。 図42は、本発明の第2の実施形態の変形例に係わる装置構成を示した図である。 図43は、本発明の第2の実施形態に係わるズーム動作を示したフローチャートである。
符号の説明
1 焦点位置決定装置
10 試料(生体細胞)
10a 観察対象部位
20 光照射部(光源)
30 対物レンズ
40 焦点位置変更部(対物レンズz軸移動機構)
50 焦点位置計測部
60 試料撮像部(CCDカメラ)
70 情報処理装置(パーソナルコンピュータ)
70a 制御部
70a1 特徴量算出部
70a2 焦点位置選出部
70a3 焦点位置決定部
70a4 特徴量比較部
70a5 焦点位置再決定部
70b 記憶部
70b1 撮像画像データベース
70b2 焦点位置管理ファイル
80 励起光照射部(励起用光源)
1' 焦点位置決定装置
10' 試料(生体細胞)
10'a 観察対象部位
20' 光照射部(光源)
30' 対物レンズ
40' 対物レンズ移動部
50' 対物レンズ位置計測部
60' 試料撮像部(CCDカメラ)
70' 情報処理装置(パーソナルコンピュータ)
70'a 制御部
70'a1 コントラスト算出部
70'a2 焦点位置決定部
70'b 記憶部
70'b1 画像等ファイル
70'b2 決定位置管理ファイル
A1 照明光学系
A3 試料ステージ
A2 光源
A4 被験試料
A5 観察光学系
A8 CCDカメラ
A9 対物レンズZ軸駆動機構
A15 対物レンズ
A19 結像面
A21 試料容器
A22 水槽
A27 ヒートプレート
A30 フタ付き密閉容器
A34 デジタルズーム回路
A35 CPU
A37 TVモニタ
A38 記録再生制御回路
A40 操作パネル
A51 コリメートレンズ
A53 切り替式ダイクロイックミラー
A54 遮光ボックス
A61 励起光源
[I]以下に、本発明にかかる焦点位置決定方法および焦点位置決定装置の実施の形態(第1実施形態、第2実施形態および第3実施形態)を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
[第1実施形態]
[1.本発明の基本原理]
まず、本発明の基本原理について図を参照して詳細に説明する。本発明は、基準となる対物レンズの焦点位置を決定し、決定した焦点位置を基準として対物レンズの近点側の焦点位置(略焦点位置)および/または対物レンズの遠点側の焦点位置(略焦点位置)を計測し、計測した焦点位置に基づいて試料内の観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置を決定し、決定した焦点位置に対物レンズの焦点位置を合わせる(移動する)。
具体的には、本発明は、(1)試料へ光を照射し、(2)例えば試料の位置および/または対物レンズの位置を光軸方向に移動および/または対物レンズの焦点距離を変更(この場合は可変焦点レンズを採用する。)することで、対物レンズの焦点位置を例えば一定量だけ変更し、(3)変更した焦点位置を計測し、(4)変更した焦点位置にて、光が照射された試料を、CCDカメラを用いて撮像し、(5)撮像した撮像画像に基づいて撮像画像を特徴付ける特徴量(例えば、撮像画像のコントラスト、撮像画像の輝度の積分値、撮像画像の輝度分布から得られる統計量、撮像画像における所定の閾値を超えた輝度を有する画素数と全画素数との比など)を算出し、(6)(2)〜(5)を繰り返し実行し、(7)実行して蓄積した複数の焦点位置(対物レンズの焦点位置を表す光軸上の座標値)から、実行して蓄積した複数の特徴量に基づいて、少なくとも1つの焦点位置(具体的には対物レンズの近点側の焦点位置および/または対物レンズの遠点側の焦点位置)を選出し、(8)選出した焦点位置に基づいて、試料内の観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置を決定し、(9)例えば試料の位置および/または対物レンズの位置を光軸方向に移動および/または対物レンズの焦点距離を変更(この場合は可変焦点レンズを採用する。)することで、決定した焦点位置に対物レンズの焦点位置を合わせる(移動する)。
ここで、本発明は、前記の(7)において、実行して蓄積した複数の焦点位置から、実行して蓄積した複数の特徴量に基づいて、2つの焦点位置(具体的には対物レンズの近点側の焦点位置(略焦点位置)および対物レンズの遠点側の焦点位置(略焦点位置))を選出し、前記の(8)において、選出した2つの焦点位置に基づいて、当該2つの焦点位置の中央位置(略中央位置)を、試料内の観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置として決定してもよい。
また、本発明は、前記の(7)において、実行して蓄積した複数の焦点位置から、実行して蓄積した複数の特徴量に基づいて、1つの焦点位置(具体的には対物レンズの近点側の焦点位置(略焦点位置)または対物レンズの遠点側の焦点位置(略焦点位置))を選出し、前記の(8)において、選出した1つの焦点位置および予め定めた距離に基づいて、当該焦点位置から当該距離だけ離れた位置を、試料内の観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置として決定してもよい。
また、本発明は、(10)前記の(8)で決定した焦点位置にて、試料の発光画像をCCDカメラを用いて撮像し、(11)撮像した撮像画像に基づいて特徴量を算出し、(12)前記の(8)で決定した焦点位置を変更し、(13)変更した焦点位置にて試料の発光画像をCCDカメラを用いて撮像し、(14)撮像した撮像画像に基づいて特徴量を算出し、(15)(11)で算出した特徴量と(14)で算出した特徴量とを比較し、(16)比較した結果、前記の(14)で算出した特徴量の方が大きかった場合には、(12)で変更した焦点位置を、試料内の観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置として再度決定してもよい。
また、本発明は、前記の(1)で用いる光源を含む照明光学系の瞳位置に開口を例えば光軸に対して偏芯させて配置してもよく、また、前記の(1)で用いる光源を含む照明光学系に狭帯域通過フィルターを配置してもよい。また、本発明は、前記の(1)で用いる光源として、単色の可視光を発するものを用いてもよい。また、本発明は、試料として、生体細胞や組織などを用いてもよい。
ここで、試料として生体細胞を用いた場合を一例として、生体細胞の位相分布に比例したコントラストを撮像画像(照明光による画像)に発生させる原理について、図1を参照して説明する。図1は、物点、光学系の入射瞳、射出瞳、結像面を模式的に示す図である。
合焦位置に生体細胞(物体)を配置してから物体へ光を照射すると、図1に示すように、物点から出た光は実線で示したように球面状に広がって入射瞳に入射し、入射瞳に入射した光は射出瞳から射出し、射出瞳から射出した光は実線で示したように球面状の収束光となって結像面に集光することで、最終的に物体の像が形成される。なお、像が形成されるまでの過程で、光学系を通過する各光線の間に光路差(位相差)は生じず、像にボケは現れない。次に、物点を点線に示す位置に移動してから物体へ光を照射すると、図1に示すように、物点から出た光は点線で示したように球面状に広がって入射瞳に入射し、入射瞳に入射した光は射出瞳から射出し、射出瞳から射出した光は点線で示したように球面状の収束光となって移動後の結像面に集光することで、最終的に物体の像が形成される。以上より、移動後の結像面位置を観察点として物体を観察すれば光学系を通過する各光線の間に光路差(位相差)は生じないが、当初の結像面位置を観察点として物体を観察すると各光線の間に光路差(位相差)が生ずる。
また、生体細胞は、通常、光学的に位相物体として取り扱うことができる。生体細胞は、通常、ほぼ同じような形状となっている。ゆえに、例えばシャーレ内に分布している培養生体細胞へ照明光を入射すると、生体細胞が回折格子のような役割を演じて、生体細胞の形状に依存して特有の方向に照射光が回折し、回折光が観察される。すなわち、シャーレ内の細胞へ特定の方向から照明光を入射すると、細胞に因り入射光に回折が起こり、入射光の方向に0次回折光(透過光)が発生し、更に透過光に対し特定の角度の方向に1次回折光が発生する。
以上より、生体細胞を光学系の合焦位置からずらした位置に配置して光学系を透過する各光線の間に位相差を生じさせることができる。また、観察光学系の合焦位置から前後に外れた位置で生体細胞を観察することにより、生体細胞を透過した光と生体細胞で回折した光との間に、合焦位置からのずれ量(デフォーカス量)に応じた位相差を生じさせることができる。具体的には、対物レンズの焦点位置が通常の観察における合焦位置とされている位置に合うように対物レンズを光軸に沿って移動させ、当該移動させた位置から対物レンズをさらに微小量だけ移動させることで、観察光学系の透過する各光線の間に、移動量に比例した位相差を生じさせることができる。なお、この位相差は、対物レンズの最大NAを通過する光線で最大となる。また、この時、偏射照明により、回折光の一部は対物レンズのNA外に回折されて、観察光学系を透過しなくなるので、屈折光の場合と同様、レリーフ感のあるコントラストの像を形成することができる。
つまり、これらの現象を利用して、生体細胞の鮮明な、照明光による画像(照明画像)を得ることができ、位相差顕微鏡や微分干渉顕微鏡と同じような観察を行うことができる。また、結果として、生じた位相差量が位相差観察法で用いている位相膜と等価な機能を果たし、生体細胞の位相分布に比例したコントラストを観察画像に与えることができ、無色透明な生体細胞を高いコントラストで観察することができるようになる。
なお、より高いコントラストで生体細胞を観察する場合、観察光学系の倍率を低くすれば、観察光学系を通過する回折光の角度が制限されるので、観察画像のコントラストを高くすることができる。
また、生体細胞などの位相物体を観察する場合、位相物体の位相分布に比例したコントラストは、位相物体の位相量および透過光と回折光との間に与える位相差量に比例する。また、透過光と回折光との間の角度は位相物体の形状に依存して変わる。さらに、透過光と回折光との間の角度が変わると、同じデフォーカス量でも2つの光束の間に発生する位相差量が異なってくる。そこで、顕微鏡の照明光学系の瞳位置で開口を照明光学系の光軸に対して偏芯させて配置することにより、物体に対し特定の角度で照射する照明光を生成することができる。そして、開口を偏芯させている分、物体への入射光の方向に透過する透過光より角度を持たせた回折光を、光学系の入射瞳に入射させることができるので、透過光と回折光との位相差をさらに大きくすることができる。換言すると、開口を照明光学系の光軸から偏芯させて配置することにより、透過光より回折光にさらに角度を持たせることができるので、透過光と回折光との位相差をより大きくすることができる(特開2004−354650号公報参照)。つまり、これらの方法で透過光と回折光との位相差を大きくすれば、観察画像のコントラストをより高くすることができる。
また、デフォーカスによって生じる各光線間の位相差については、物体が観察光学系の合焦位置から近点側にずれた場合と遠点側にずれた場合とで、その符号が変わる。ゆえに、デフォーカスにより、物体の高コントラスト画像を光軸上の2箇所で得ることができる。また、画像のコントラストについては、培養細胞等の位相物体を観察光学系の合焦位置から近点側にずらして観察した画像と遠点側にずらして観察した画像とで、当該位相物体の位相分布に相当して反転する。また、シャーレの底面に付着したゴミ等からの光を吸収する物体は位相物体ではなくなるので、デフォーカスによって当該物体に位相差を与えても画像のコントラストに変化は生じない。従って、デフォーカスによって、位相物体とそうでない物体との区別を明確に行なうことができる。そこで、近点側にずらして撮像した画像および遠点側にずらして撮像した画像に対して画像間演算を行うことにより、デフォーカスによって与えられる位相差に影響されない画像成分を分離することができる。特に、2つの画像の各画素間で差演算を行なうことにより、物体の位相分布に相当する画像成分のコントラストを2倍にすることができるので、ゴミや異物、照明ムラなどの位相情報をもたない画像成分を無くすことができる。つまり、これらの方法で観察画像のコントラストをより高くすることができる。
つぎに、対物レンズを移動させながらCCDカメラで生体細胞を撮像した時のCCDカメラの各画素からの出力信号(各画素が捉えた光の光強度に対応したディジタル信号)の変化の仕方の一例、および当該出力信号の変化の仕方に基づく生体細胞内の特定の部位(観察対象部位)に合うような対物レンズの焦点位置の決定の仕方の一例について、図2や図3を参照して説明する。試料容器(シャーレ)に入れられた培養液に生体細胞を浸した状態で、生体細胞へ照明光を照射し、対物レンズを光軸(z軸)に沿ってシャーレの下側から上側へ移動させながらCCDカメラで生体細胞を撮像すると、CCDカメラの全画素からの出力信号(光強度、光検出信号)の積分値と対物レンズの焦点位置(z軸上の座標)との関係は、図2の(A)のようになる。また、シャーレの位置および生体細胞の位置を図2の(A)と対応させて模式的に書くと、図2の(B)のようになる。
具体的には、対物レンズを光軸に沿って上側へ移動させていくと、CCDカメラの全画素からの光強度の積分値は、まず、照射光が強く反射する試料容器の外側底面の位置で極大且つ最大となる。そして、対物レンズを光軸に沿って更に上側へ移動させていくと、CCDカメラの全画素からの光強度の積分値は序々に低下し、試料容器の内側底面の位置で再び極大となる。なお、試料容器の内側底面の位置での積分値は、試料容器の内側底面とそれに接する培養液との屈折率差が試料容器の外側底面と空気の接触面との屈折率差に比べて小さいので、試料容器の外側底面の位置での積分値に比べて小さい。そして、対物レンズを光軸に沿って更に上側へ移動させていくと、CCDカメラの全画素からの光強度の積分値は急激に低下し、図2の(A)で示す位置αで再び極大となる。当該位置αが、デフォーカスに因る高いコントラストの撮像画像が得られるz軸上の位置である。また、当該位置αでは、生体細胞のほぼ下側の淵の部分(下側辺縁部)に対物レンズの焦点が合っている。そして、対物レンズを光軸に沿って更に上側へ移動させていくと、CCDカメラの全画素からの光強度の積分値は低下し、図2の(A)で示す位置βで極小となる。当該位置βでは、生体細胞のほぼ中央の位置に対物レンズの焦点が合っている。そして、対物レンズを光軸に沿って更に上側へ移動させていくと、CCDカメラの全画素からの光強度の積分値は増加し、図2の(A)で示す位置γで再び極大となる。当該位置γも、デフォーカスに因る高いコントラストの撮像画像が得られるz軸上の位置である。当該位置γでは、生体細胞のほぼ上側の淵の部分(上側辺縁部)に対物レンズの焦点が合っている。
つまり、図2の(A)で示す位置αから位置γまでの領域(位置βを含む)では、生体細胞の内部に対物レンズの焦点が合っているので、当該位置αおよび当該位置γに基づいて生体細胞内の特定の部位に合うような対物レンズの焦点位置を決定することができる。また、位置βを生体細胞内の所定の部位に合うような対物レンズの焦点位置として決定してもよい。
ここで、図2の(A)で示す位置αで生体細胞を撮像した時のCCDカメラの各画素からの出力信号(各画素がとらえた光の光強度に対応したディジタル信号)および図2の(A)で示す位置βで生体細胞を撮像した時のCCDカメラの各画素からの出力信号から、予め定めた閾値を越えた出力信号のみを有効な出力信号としてそれぞれ選択し、選択したそれぞれの出力信号の強度分布を求めた(図3参照)。図3は、図2の(A)で示す位置αで生体細胞を撮像した時のCCDカメラの特定の画素列に含まれる各画素の光強度の分布(図3の(A))、および図2の(A)で示す位置βで生体細胞を撮像した時のCCDカメラの特定の画素列に含まれる各画素の光強度の分布(細胞の内部の中央付近での出力信号の強度分布:図3の(B))を示す図である。なお、図3において点線は閾値を示す。図3に示す強度分布を統計処理することで、高いコントラストの画像が得られる対物レンズの焦点位置を決定することができる。さらに、図3で示す閾値より高い閾値を超えた光強度の画素の数の計算、および計算した画素の数の全画素数に対する割合(計算した画素数÷全画素数)の算出を、対物レンズの焦点位置を光軸上で動かしながら実行し、この割合が最も高かった時の対物レンズの焦点位置を最も高いコントラストの画像が得られる対物レンズの焦点位置として決定してもよい。
つぎに、高いコントラストの2つの画像(照明画像)を撮像した時の対物レンズの焦点位置に基づいて決定した対物レンズの焦点位置が、生体細胞内の中心部位(例えば発光する部位)にどの程度合っているかを、細胞の発光画像を実際に撮像して確認した。なお、ここで用いた生体細胞は、ルシフェラーゼ遺伝子(pGL3−control vector:プロメガ社)を、1mMのルシフェリンを添加して導入したHeLa細胞である。なお、発光画像は、当該HeLa細胞を室温で1分間露出してから撮像したものである。
まず、対物レンズを光軸に沿って移動させながらHeLa細胞を照明光源で照明しながら撮像し、対物レンズの遠点側で撮像した、コントラストの最も高い撮像画像(照明画像)と、対物レンズの近点側で撮像した、コントラストの最も高い撮像画像(照明画像)とを選出した。一方、対物レンズを光軸に沿って移動させながら照明を行わずにHeLa細胞を撮像し、コントラストの最も高い撮像画像(発光画像)を選出した。そして、選出した2つの照明画像を撮像した時の対物レンズ(20倍、40倍)の光軸上での焦点位置と、選出した発光画像を撮像した時の対物レンズ(20倍、40倍)の光軸上での焦点位置とを計測した。計測結果を図4に示す。なお、計測した焦点位置は、図5に示すように、対物レンズの焦点位置が試料容器(シャーレ)の外側底面の位置に合った時の対物レンズの光軸上での位置(基準位置)からの距離と同じである。
図4に示すように、選出した発光画像(図8の(B))を撮像した時の対物レンズの焦点位置(図4で示す「中心点」の欄に記載の10.507、10.506:図9で示す“Zb”)は、遠点側に対応する照明画像(図10の(A))を撮像した時の対物レンズの焦点位置(図4で示す「遠点側」の欄に記載の10.512、10.590:図11で示す“Za”)および近点側に対応する照明画像(図6の(A))を撮像した時の対物レンズの焦点位置(図4で示す「近点側」の欄に記載の10.500、10.503:図7で示す“Zc”)の略中央であった。これにより、選出した2つの照明画像(図6の(A)および図10の(A))を撮像した時の対物レンズの焦点位置(図7で示す“Zc”および図11で示す“Za”)に基づいて決定した対物レンズの焦点位置が、細胞内の略中央部位(例えば発光する部位)に合っていることが確認できた。つまり、上述した計算により、細胞内の略中央部位(例えば発光する部位)に対物レンズの焦点位置をあわせることができた。なお、図6は、近点側で撮像した最も高いコントラストの照明画像(A)と発光画像(B)とを示す図である。図7は、図6の画像を撮像した時の対物レンズの焦点位置を模式的に示す図である。図8は、中心点で撮像した最も高いコントラストの照明画像(A)と発光画像(B)とを示す図である。図9は、図8の画像を撮像した時の対物レンズの焦点位置を模式的に示す図である。図10は、遠点側で撮像した最も高いコントラストの照明画像(A)と発光画像(B)とを示す図である。図11は、図10の画像を撮像した時の対物レンズの焦点位置を模式的に示す図である。
これにて、本発明の基本原理の説明を終了する。
[2.装置構成]
つぎに、本発明にかかる第1実施形態の焦点位置決定装置1の構成について、図12から図17を参照して詳細に説明する。まず、第1実施形態の焦点位置決定装置1の基本構成について、図12を参照して説明する。図12は、第1実施形態の焦点位置決定装置1の基本構成を示す図である。焦点位置決定装置1は、発光観察を行う際、生体細胞や組織などの試料10を設置した時点で、試料10内の観察対象部位10aに合うような対物レンズ30の焦点位置を決定する。焦点位置決定装置1は、図12に示すように、光照射部20と、対物レンズ30と、焦点位置変更部40と、焦点位置計測部50と、試料撮像部60と、情報処理装置70と、で構成されている。
光照射部(光源)20は試料10へ光を照射する。光照射部20は、可視光領域の波長の光(可視光)を発するインコヒーレント光源であり、具体的にはハロゲンランプ、LED、タングステンランプ、水銀ランプなどである。なお、光照射部20としてレーザーなどのコヒーレント光源を用いてもよい。ただし、この場合、コヒーレント光源から発せられる光(レーザー光など)は、拡散板などを用いてインコヒーレントな光に変えてから試料10へ照射される。また、光照射部20として赤外光を発する光源を用いてもよい。この場合、赤外光による焦点決定は照明を行わない状態を維持したままで行えるので、自家蛍光による画像ノイズの発生を防止することができると共に可視光よりも鮮明な物体情報を得ることができる。つまり、赤外光による焦点決定には当該焦点決定を精密に行えるという利点がある。また、検出しようとする微弱光と波長が一部重複する光又は当該微弱光と波長が同一の光であっても、当該微弱光に対して有意に強い光強度で且つ短時間(例えば0.5秒以内)に検出可能な光であれば、焦点決定用の照射光として用いてもよい。
対物レンズ30は試料10の像を形成するためのものである。なお、対物レンズ30として可変焦点レンズを用いてもよい。
焦点位置変更部40は、具体的には試料10の位置および/または対物レンズ30の位置を光軸方向に移動および/または対物レンズ30の焦点距離を変更することで、対物レンズ30の焦点位置を変更する。
焦点位置計測部50は、焦点位置変更部40と接続され、例えば試料10の光軸上での位置、対物レンズ30の光軸上での位置、対物レンズ30の焦点距離のうち少なくとも1つに基づいて、対物レンズ30の焦点位置を計測する。
試料撮像部60は試料10を撮像する。試料撮像部60は、具体的には撮像素子を有する高感度のCCDカメラである。
情報処理装置70は、具体的には市販のパーソナルコンピュータであり、焦点位置変更部40、焦点位置計測部50および試料撮像部60と接続されている。情報処理装置70は、制御部70aと記憶部70bとを備えている。制御部70aは、当該制御部70aを統括的に制御するCPU等であり、OS(Operating System)等の制御プログラム、各種の処理手順等を規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有し、これらのプログラムに基づいて種々の処理を実行するための情報処理を行う。
制御部70aは、焦点位置変更部40、焦点位置計測部50、試料撮像部60、後述する特徴量算出部70a1を繰り返し実行するよう、これら各部を制御したり、当該制御部70aが備える各部を制御したりする。また、キーボードやマウスなどの入力装置やTVモニタなどの出力装置が当該情報処理装置70と接続されている場合には、制御部70aは、入力装置で入力された情報を取得したり、出力装置へ情報を出力したりする。制御部70aは、特徴量算出部70a1と、焦点位置選出部70a2と、焦点位置決定部70a3と、特徴量比較部70a4と、焦点位置再決定部70a5と、で構成されている。特徴量算出部70a1は、試料撮像部60で撮像した撮像画像に基づいて撮像画像を特徴付ける特徴量(例えば、撮像画像のコントラスト、撮像画像の輝度の積分値、撮像画像の輝度分布から得られる統計量、撮像画像における所定の閾値を超えた輝度を有する画素数と全画素数との比など)を算出する。焦点位置選出部70a2は、制御部70aで各部(具体的には、焦点位置変更部40、焦点位置計測部50、試料撮像部60、特徴量算出部70a1)を繰り返し実行させたことにより蓄積した複数の焦点位置(焦点位置計測部50で計測した焦点位置)から、繰り返し実行させたことにより蓄積した特徴量に基づいて、少なくとも1つの焦点位置を選出する。焦点位置決定部70a3は、焦点位置選出部70a2で選出した焦点位置に基づいて、試料10内の観察対象部位10aに合うような対物レンズの焦点位置を決定する。特徴量比較部70a4は、特徴量算出部70a1で予め個別に算出した2つの特徴量の大小を比較する。焦点位置再決定部70a5は、特徴量比較部70a4で比較した結果に基づいて試料10内の観察対象部位10aに合うような対物レンズの焦点位置を再度決定する。
記憶部70bは、ストレージ手段であり、具体的には、RAMやROM等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、光ディスク等を用いることができる。記憶部70bは、図示の如く、撮像画像データベース70b1と焦点位置管理ファイル70b2とを格納する。撮像画像データベース70b1は、撮像画像を一意に識別するための画像識別情報と、撮像画像と、当該撮像画像を撮像した時の対物レンズの焦点位置と、当該撮像画像の特徴量と、を相互に関連付けて格納する。焦点位置管理ファイル70b2は、試料10内の観察対象部位10aに合うような対物レンズの焦点位置(具体的には焦点位置決定部70a3で決定した焦点位置や焦点位置再決定部70a5で再度決定した焦点位置)を格納する。ここで、撮像画像には、照明画像、発光画像、蛍光画像が含まれる。
つぎに、第1実施形態の焦点位置決定装置1の構成の具体的一例について、図13を参照して説明する。なお、上述した説明と重複するものについては、その説明を省略する場合がある。図13は、第1実施形態の焦点位置決定装置1の構成の具体的一例を示す図である。図13に示す焦点位置決定装置1は、倒立型顕微鏡をベースとする構成であり、図12に示す焦点位置決定装置1と同様、微弱光を発する生体細胞の発光観察を行うために用いるものである。図13に示す焦点位置決定装置1は、上述した各部(光照射部20、対物レンズ30、焦点位置変更部40、焦点位置計測部50、試料撮像部60、情報処理装置70)に加えて、さらに、照明光学系、観察光学系、接眼レンズ43などを備えて構成されている。以下、当該焦点位置決定装置1を構成する各部を詳細に説明する。
試料10は、試料容器11に入れた培養液に浸されている。
試料容器11は、具体的にはシャーレであり、少なくともその底面が光学的に透明なもの(通常の対物レンズで対応できるようなもの)である。なお、当該底面は、具体的には顕微鏡用のカバーガラスと同じ素材で厚さが0.17mmのものである。ここで、試料容器11として、シャーレの他、スライドガラス、マイクロプレートなどを用いてもよい。また、試料容器11に対して、図14に示すように、フタ18を配設してもよい。再び図13に戻り、試料容器11は、ノズル13を通して供給された純水が張られた水槽12内に配置されている。なお、当該純水は、試料容器11内の湿度を保つことを目的として水槽12内に入れられている。
水槽12には、ガスボンベ14から排出された混合ガス(二酸化炭素(CO2)を5%、酸素(O2)を95%含むガス)が、ガス供給チューブ15を通して、図示の如く水槽12の上方から、50mL/minの流速で供給されている。なお、水槽12の形状は、図14に示すような、試料容器11全体を覆い隠す形状でもよい。この場合、水槽12の上部には着脱可能なフタ19が配設される。再び図13に戻り、水槽12はヒートプレート16の上に配置されている。
ヒートプレート16は環境温度の設定を行うものであり試料ステージ17の上に配置されている。なお、ヒートプレート16は、当該ヒートプレート16と接続された温度コントローラー(図示せず)の制御により、環境温度の設定を0.5℃間隔で行うことができる。
試料ステージ17は、試料10などを設置するための板状のものであり、図示の如く光軸(z軸)に直交するように配設されている。試料ステージ17は、互いに直交する向き(90°方向)で当該ステージの所定の位置に取り付けられた2個のステッピング・モーター(図示せず)の駆動力に因り、当該ステージが配設された位置から光軸(z軸)に直交する方向(例えばx方向やy方向)に移動可能である。なお、各ステッピング・モーターは、当該各モーターと接続された試料ステージコントローラー(図示せず)で制御される。また、試料ステージコントローラーは、情報処理装置70と接続されており、情報処理装置70からの指令に基づいて各ステッピング・モーターを適宜駆動し、試料ステージ17を移動する。
照明光学系は、光源20から発せられた照明光を試料10へ導くためのものであり、コレクターレンズ21と、照明光の光軸を偏向する偏向ミラー22と、光源20の像を投影するコンデンサーレンズ23と、で構成されている。
ここで、コンデンサーレンズ23の瞳位置には、図15の(A)に示す開口ユニット24が着脱自在に配設されている。図15は、開口ユニット24の構成および対物レンズ30の瞳における開口の投影像の一例を示す図である。開口ユニット24は、部分輪帯の開口24aと遮光性を有する遮光板24bとで構成されている。開口24aは、瞳の中心に対して偏芯した状態になるように光軸に対して配設され、自在に横ずれを起こすことができる構成となっている。開口24aの開口径は、当該開口24aの投影像が図15の(B)に示すように対物レンズ30の瞳の外周部分にほぼ内接するように決める。開口24aの幅(図15の(A)に示す“Ro−Ri”)は、共役関係にある対物レンズ30の瞳半径の3分の1以下であることが望ましい。これにより、観察する生体細胞の種類によって対物レンズ30の移動量を適宜設定することで、最良のコントラストの像を得ることができる。
なお、開口ユニット24は、図16の(A)に示すように、矩形の開口24aを備えたものでもよい。図16は、開口ユニット24の別の構成および対物レンズ30の瞳における開口の投影像の一例を示す図である。当該矩形の開口24aは、瞳の中心位置から所定の距離だけ離れた位置に、瞳の中心に対して偏芯した状態で配設されている。当該矩形の開口24aを備えた開口ユニット24を用いて試料10を偏射照明することで、対物レンズ30の瞳に開口24aの像を投影させる。また、矩形の開口24aは瞳の中心に対して同心円状に配設されてないので、例えば観察する生体細胞が細長い場合において高いコントラストの像を得ることができる。ここで、偏射照明光は、立体的な大きさをもった生体細胞に入射され、透過光、屈折光および回折光に分離されて生体細胞から射出される。生体細胞内において、球や楕円体に近い形状の輪郭である部分からは屈折光が多くなり、扁平な部分からは透過光と回折光が多くなる。細胞内の、球や楕円体に近い形状である部分で屈折した屈折光の一部は、対物レンズ30のNAより大きくなるので、対物レンズ30には取り込まれない。
また、図17に示すように、偏向ミラー22の下側に、光源20を準単色とするための干渉フィルター25を配設してもよい。これにより、光源20から発せられた照明光は偏向ミラー22で進行方向が偏向され、偏向された照明光は、干渉フィルター25を通ることで波長帯域バンド幅の極めて狭い単色光となって、コンデンサーレンズ23へ向かう。なお、干渉フィルターに限らず、狭帯域バンドパス・フィルターを用いてもよい。
再び図13に戻り、観察光学系は、試料10の像を形成するためのものであり、試料ステージ17の下方に倒立に配置されている。観察光学系は、対物レンズ30以外に、対物レンズ30で形成された像(試料10の像)を結像面に結像させるリレーレンズ31と、対物レンズ30からの光を偏向する偏向ミラー32と、リレーレンズ31と共に対物レンズ30で形成された像(試料10の像)を結像面に結像させるリレーレンズ33と、で構成されている。
焦点位置変更部40は、具体的には、ラックピニオン機構(図示せず)で対物レンズ30を光軸方向(z軸方向)に移動(駆動)させる対物レンズz軸移動(駆動)機構である。ラックピニオン機構に含まれるノブは、コンピュータ制御されたステッピング・モーター(図示せず)で回転させる。なお、対物レンズz軸移動機構は、ラックピニオン機構の他、フリクションローラー機構で対物レンズ30を光軸方向に移動させてもよい。また、焦点位置変更部40は、対物レンズ30を光軸に沿って移動させる構成の他、試料ステージ17を光軸に沿って移動させる構成でもよい。対物レンズz軸移動機構には、図示の如く、対物レンズヒーター41が備えられている。
対物レンズヒーター41は、図示の如く、対物レンズ30に接触して対物レンズ30の周囲に取り付けられている。対物レンズヒーター41は、当該対物レンズヒーター41と接続された温度調節装置(図示せず)により制御されている。対物レンズヒーター41は、対物レンズ30の外側から対物レンズ30の温度設定を0.5℃間隔で行うことで、対物レンズ30の温度を一定に保っている。
接眼レンズ43は、試料10の像を拡大するものであり、観察者に試料10の像を目視で観察させるためのものである。
切替ミラー44は、図示の如く、接眼レンズ43とリレーレンズ33との間に配設されている。これにより、接眼レンズ43による試料10の目視での観察と、試料撮像部60による試料10の観察とを、任意に切り替えることができる。なお、切替ミラー44として、機械的に2つの光路を切り替える形式のものの他、ハーフミラーを用いて2つの光路を分離する形式のものを用いてもよい。
赤外線カットフィルター45は、図示の如く試料撮像部60の受光面の上方に着脱自在に配設され、背景光となる赤外線を遮断する。換言すると、赤外線カットフィルター45は、背景光となる赤外線が試料撮像部60に入射するのを必要に応じて防ぐ。
試料撮像部60は、具体的には、その受光面に撮像素子60aを有するCCDカメラである。当該撮像素子60aの画素数は1360×1024である。当該CCDカメラには、試料10から発せられた微弱光を検出することができるよう、できるだけ高感度のものを用いる。ここで、CCDカメラとして、カラーの明視野像を撮像するために、3板式カラーカメラを用いてもよい。また、試料撮像部60は、CCDカメラに限定することなく、例えばCMOSイメージセンサーやSITカメラなどを用いてもよい。試料撮像部60は、情報処理装置70(当該情報処理装置70と接続されたTVモニタ)と信号ケーブルを介して接続されている。試料撮像部60の底部には、CCDカメラから発する暗電流を抑えるために、冷却装置61が配設されている。
冷却装置61は、ペルチェ素子から成るものであり、試料撮像部60の温度を0℃程度に冷却して保温する。
情報処理装置70は、入出力装置(TVモニタ、キーボード、マウスなど)をさらに備えている。情報処理装置70は、試料撮像部60で撮像した撮像画像をTVモニタに描出する。
以上、図13に示す焦点位置決定装置1では、まず、光照射部20から発せられた光はコレクターレンズ21で平行光にされ、この平行光がコンデンサーレンズ23の瞳位置に投影される。そして、光照射部20から発せられた光の像は、コンデンサーレンズ23によりケーラー照明として試料10を照明する。つぎに、試料10を照明した光は、試料10を透過して、対物レンズ30に入射する。つぎに、対物レンズ30に入射した光(測定光)は、対物レンズ30、リレーレンズ31およびリレーレンズ32により結像面に試料10の像を形成する。そして、結像面に形成された試料10の像は、接眼レンズ43にそのまま入射すると共に、切替ミラー44によりCCDカメラ60の撮像素子60a上に結像する。
これにて、第1実施形態の焦点位置決定装置1の構成の説明を終了する。
[3.焦点位置決定装置1の処理]
つぎに、第1実施形態の焦点位置決定装置1が行う焦点位置決定処理について図18を参照して説明する。図18は、第1実施形態の焦点位置決定装置1が行う焦点位置決定処理の一例を示すフローチャートである。なお、ここでは、生体細胞の発光観察を図13に示す焦点位置決定装置1を用いて行う場合における焦点位置決定処理について説明する。
観察者が、試料10である生体細胞を入れた試料容器11を試料ステージ17上に設置し、焦点位置決定装置1および光源20を起動させると、焦点位置決定装置1は以下の処理を行う。
まず、焦点位置決定装置1は、光源20から発せられた照明光を、生体細胞へ照射する(ステップSA−1)。
つぎに、焦点位置決定装置1は、情報処理装置70の制御部70aにより焦点位置変更部40である対物レンズz軸移動機構を動作させ、対物レンズz軸移動機構により対物レンズ30を初期位置から光軸に沿って一定量だけ移動させることで、対物レンズ30の焦点位置を変更する(ステップSA−2)。
つぎに、焦点位置決定装置1は、情報処理装置70の制御部70aにより焦点位置計測部50を動作させ、焦点位置計測部50により対物レンズ30の焦点位置を計測する(ステップSA−3)。
つぎに、焦点位置決定装置1は、情報処理装置70の制御部70aにより試料撮像部60であるCCDカメラを動作させ、CCDカメラにより生体細胞を撮像する(ステップSA−4)。
つぎに、焦点位置決定装置1は、情報処理装置70の制御部70aにより特徴量算出部70a1を動作させ、特徴量算出部70a1により、ステップSA−4で撮像した撮像画像に基づいて当該撮像画像のコントラストを算出する(ステップSA−5)。
ここで、焦点位置決定装置1は、情報処理装置70の制御部70aにより、ステップSA−3で計測した焦点位置、ステップSA−4で撮像した撮像画像およびステップSA−5で算出したコントラストを、相互に関連付けて、記憶部70bの撮像画像データベース70b1に格納する。
つぎに、焦点位置決定装置1は、情報処理装置70の制御部70aにより、ステップSA−2からステップSA−5を、ステップSA−2で変更した対物レンズ30の焦点位置が光軸上の予め定められた位置を越えるまで、繰り返し実行する(ステップSA−6)。
つぎに、焦点位置決定装置1は、情報処理装置70の制御部70aにより、焦点位置選出部70a2を動作させ、焦点位置選出部70a2により、撮像画像データベース70b1に格納された複数のコントラストのうち極大となる2つのコントラストを選出し、選出したコントラストと対応付けられて撮像画像データベース70b1に格納されている焦点位置を取得する(ステップSA−7)。換言すると、焦点位置決定装置1は、焦点位置選出部70a2により、撮像画像データベース70b1に格納された複数の焦点位置から、撮像画像データベース70b1に格納された複数の特徴量に基づいて、対物レンズ30の近点側の焦点位置(略焦点位置)および対物レンズ30の遠点側の焦点位置(略焦点位置)を選出する。
つぎに、焦点位置決定装置1は、情報処理装置70の制御部70aにより、焦点位置決定部70a3を動作させ、焦点位置決定部70a3により、ステップSA−7で選出した2つの焦点位置に基づいて、当該2つの焦点位置の中央の位置(略中央の位置)を、生体細胞内の観察対象部位10aに合うような対物レンズ30の焦点位置として決定する(ステップSA−8)。
つぎに、焦点位置決定装置1は、情報処理装置70の制御部70aにより、対物レンズz軸移動機構を動作させ、対物レンズz軸移動機構により、ステップSA−8で決定した中央の位置(略中央の位置)に対物レンズ30の焦点位置が合うように、対物レンズ30の位置を調整する(ステップSA−9)。
以上、説明したように、第1実施形態の焦点位置決定装置1は、光源20により生体細胞へ照射光を照射する。そして、焦点位置決定装置1は、対物レンズz軸移動機構により対物レンズ30を光軸に沿って一定量ずつ繰り返し移動させながら、移動させる度に、焦点位置計測部50により対物レンズ30の焦点位置を計測し、CCDカメラにより生体細胞を照明して撮像し、特徴量算出部70a1により、撮像した撮像画像のコントラストを算出する。そして、焦点位置決定装置1は、焦点位置選出部70a2により、対物レンズ30を繰り返し移動させたことで蓄積した複数のコントラストのうち極大となるコントラストを2つ選出し、選出したコントラストに対応する撮像画像を撮像した時の対物レンズ30の焦点位置を、対物レンズ30を繰り返し移動させたことで蓄積した複数の焦点位置から取得する。そして、焦点位置決定装置1は、焦点位置決定部70a3により、取得した2つの焦点位置に基づいて、当該2つの焦点位置の中央の位置(略中央の位置)を、生体細胞内の観察対象部位10aに合うような対物レンズ30の焦点位置として決定し、対物レンズz軸移動機構により、対物レンズ30を移動させて、対物レンズ30の焦点位置を、決定した焦点位置に合わせる。これにより、生体細胞内の特定の部位を観察対象部位10aとして当該観察対象部位10aの発光観察を行う場合、生体細胞を設置した時点で、当該観察対象部位10aに合うような対物レンズ30の焦点位置を決定することができ、その結果、対物レンズ30の焦点位置を当該観察対象部位10aに合わせることができる。具体的には、焦点位置決定装置1によれば、微弱光を発する生体細胞をレンズを含む拡大結像光学手段を用いて観察したり、当該生体細胞からの発光を測定したり、例えば、生体細胞内からの生物発光タンパク質による微弱発光を観察したりする顕微鏡において、生体細胞からの発光を確認しなくても、生体細胞内の発光している部位(生物発光タンパク質が局在する部位)に対物レンズの焦点を自動的に合わせることができる。ゆえに、レンズを含む拡大結像光学手段を用いて微弱光を発する試料の観察を行う際に、対物レンズの焦点位置を、試料内の目的とする部位に、手動で行う場合と比べて迅速に且つ精度よく設定することができる。また、焦点位置決定装置1では、対物レンズの焦点位置を決定において試料の照明画像を用いているが、当該照明画像は明るくしかもコントラストが高いので、試料10内の観察対象部位10aに合うような対物レンズ30の焦点位置を、目視で行う場合と比べて容易且つ迅速に決定することができる。また、焦点位置決定装置1では、コントラストが高い、試料10の照明画像を撮像した時の対物レンズ30の焦点位置が、試料10のほぼ上下辺縁部に対応しているので、その中央位置(略中央位置)を、試料10内の観察対象部位10aに合うような対物レンズ30の焦点位置として決定すればよい。これにより、試料10内の観察対象部位10aに合うような対物レンズ30の焦点位置を容易且つ簡便に決定することができる。
ここで、生物(生体細胞など)による発光現象を測定する場合、試料を設置した時点では、生物からの発光は、その強度が極めて微弱であるため、高性能のCCDカメラでもほとんど検出することができない。すなわち、通常の顕微鏡観察のように生物内の観察対象部位(細胞など)を確認しながら対物レンズの焦点を合わせることができない。つまり、生物を設置した時点では、通常、生物の内部構造を観察することができない。また、蛍光や発光(化学発光または生物発光)を観察する顕微鏡においては、細胞内の発光タンパク質が局在する部位(微弱発光する部位)を細胞間で同時に観察する際、細胞などの位相物体の照明画像に基づいて検出した対物レンズの焦点位置では、細胞内に局在する発光タンパク質の発光部分に合わず、観察画像がぼけてしまう。また、蛍光観察においては、蛍光励起光により蛍光を発している位相物体について蛍光強度が最も大きい位置を焦点位置として決定している。ただし、この決定方法の場合、励起光に因る光毒性が強いため、生きた細胞など生物活性を有する試料に対して繰り返し焦点位置を決定するのは望ましくないので、焦点位置の決定回数をできるだけ少なくする必要がある。しかし、長期間の蛍光観察においては、焦点位置の決定回数を少なくすると、観察画像の鮮明度が不安定になる可能性がある。そこで、焦点位置決定装置1では、照明光による画像観察として、ハロゲンランプなどの光源20から発せられる光を生物に照射し、顕微鏡により生物の照明画像を取得し、取得した照明画像に基づいて対物レンズ30の焦点位置を決定する。つまり、生体細胞を照明下で撮像し、生体細胞の内部の位置を推定する。これにより、生物を設置した時点で生物の内部構造を観察することができる。また、細胞内の発光タンパク質が局在する部位(微弱発光する部位)を細胞間で同時に観察する際、細胞内に局在する発光タンパク質の発光部分に対物レンズの焦点を合わせることができる。また、蛍光で対物レンズの焦点位置を決定しないので、長期間の蛍光観察を行うことができる。
なお、焦点位置決定装置1は、ステップSA−7において、焦点位置選出部70a2により、撮像画像データベース70b1に格納された複数の焦点位置から、撮像画像データベース70b1に格納された複数の特徴量に基づいて、対物レンズ30の近点側の焦点位置(対物レンズ30の近点側においてコントラストの高い撮像画像が得られた時の対物レンズ30の焦点位置)を選出し、ステップSA−8において、焦点位置決定部70a3により、選出した対物レンズ30の近点側の焦点位置から予め測定した生体細胞の厚みの半分の距離だけ光軸の上方に離れた位置を、生体細胞内の観察対象部位10aに合うような対物レンズ30の焦点位置として決定してもよい。換言すると、焦点位置決定装置1は、照明下での観察による近点側の高コントラストの画像が得られた時の対物レンズ30の焦点位置を選出し、選出した焦点位置から細胞の厚さの半分程度の距離だけ光軸の上方に離れた位置を、生体細胞内の観察対象部位10aに合うような対物レンズ30の焦点位置として決定してもよい。また、焦点位置決定装置1は、ステップSA−7において、焦点位置選出部70a2により、撮像画像データベース70b1に格納された複数の焦点位置から、撮像画像データベース70b1に格納された複数の特徴量に基づいて、対物レンズ30の遠点側の焦点位置(対物レンズ30の遠点側においてコントラストの高い撮像画像が得られた時の対物レンズ30の焦点位置)を選出し、ステップSA−8において、焦点位置決定部70a3により、選出した対物レンズ30の遠点側の焦点位置から予め測定した生体細胞の厚みの半分の距離だけ光軸の下方に離れた位置を、生体細胞内の観察対象部位10aに合うような対物レンズ30の焦点位置として決定してもよい。換言すると、焦点位置決定装置1は、照明下での観察による遠点側の高コントラストの画像が得られた時の対物レンズ30の焦点位置を選出し、選出した焦点位置から細胞の厚さの半分程度の距離だけ光軸の下方に離れた位置を、生体細胞内の観察対象部位10aに合うような対物レンズ30の焦点位置として決定してもよい。これにより、対物レンズ30や試料10を動かして、近点側と遠点側のデフォーカス位置を選出する場合に比べて、試料10内の観察対象部位10aに合うような対物レンズの焦点位置を容易且つ簡便に決定することができる。
ここで、焦点位置決定装置1は、以下の工程1から工程6を実行することで、試料容器11に配置された生体細胞内の観察対象部位10aに合うような対物レンズ30の焦点位置を決定してもよい。
(工程1)光源20の電源を入れ、光源20のシャッターを開閉して試料容器11の上方から照明光を照射する。
(工程2)試料容器11の底面(外側底面または内側底面)に合うような対物レンズ30の焦点位置(図14の“Zd”に対応)を決定する。具体的には、対物レンズz軸移動機構により、対物レンズ30を光軸に沿って一定量ずつ移動させながら、一定量移動させる度に、CCDカメラにより生体細胞を照明下で撮像し、特徴量算出部70a1により、撮像した撮像画像の全画素からの光強度の積分値(CCDカメラからの出力信号の強度)を算出し、制御部70aにより、算出した積分値が極大値であるか否かを確認し、極大値であると確認された場合には、当該極大値の元となった撮像画像を撮像した時に対物レンズ30の焦点が試料容器11の底面に合っていると見做して、当該撮像した時の対物レンズ30の焦点位置(図14の“Zd”に対応)を焦点位置計測部50で計測する。つまり、対物レンズ30を光軸に沿って動かしながら、試料容器11の底面からの反射光の極大値を照明画像で決定する。
(工程3)対物レンズ30の近点側において、コントラストの高い撮像画像を撮像した時の対物レンズ30の焦点位置(図14の“Zc”に対応)を決定する。具体的には、対物レンズz軸移動機構により、対物レンズ30を、(工程2)で移動させた位置からさらに光軸に沿って一定量ずつ移動させながら、一定量移動させる度に、CCDカメラにより生体細胞を照明下で撮像し、特徴量算出部70a1により、撮像した撮像画像のコントラストを算出し、制御部70aにより、算出したコントラストが極大値であるか否かを確認し、極大値であると確認された場合には、当該極大値の元となった撮像画像を撮像した時に対物レンズ30の焦点が生体細胞のほぼ下端面に合っていると見做して、当該撮像した時の対物レンズ30の焦点位置(図14の“Zc”に対応)を焦点位置計測部50で計測する。
(工程4)対物レンズ30の遠点側において、コントラストの高い撮像画像を撮像した時の対物レンズ30の焦点位置(図14の“Za”に対応)を決定する。具体的には、対物レンズz軸移動機構により対物レンズ30を(工程3)で移動させた位置からさらに光軸に沿って一定量ずつ移動させながら、一定量移動させる度に、CCDカメラにより生体細胞を照明下で撮像し、特徴量算出部70a1により、撮像した撮像画像のコントラストを算出し、制御部70aにより、算出したコントラストが極大値であるか否かを確認し、極大値であると確認された場合には、当該極大値の元となった撮像画像を撮像した時に対物レンズ30の焦点が生体細胞のほぼ上端面に合っていると見做して、当該撮像した時の対物レンズ30の焦点位置(図14の“Za”に対応)を焦点位置計測部50で計測する。
(工程5)(工程3)で決定した焦点位置(図14の“Zc”に対応)および(工程4)で決定した焦点位置(図14の“Za”に対応)の略中央の位置(例えば、図14の“Zb((Zc+Za)÷2)”に対応)を、生体細胞内の観察対象部位10aに合うような対物レンズ30の焦点位置として決定する。
(工程6)(工程5)で決定した中央の位置に対物レンズ30の焦点位置が合うように、対物レンズ30を移動する。
なお、工程4および工程5において、対物レンズ30を一定量移動させる度にCCDカメラで生体細胞を照明下で撮像すると共に当該撮像した時の対物レンズ30の焦点位置を計測し、対物レンズ30を移動させながら撮像してきた複数の撮像画像のコントラスト(複数の撮像画像の各画素からの出力信号の総和)を算出し、算出した各コントラスト(各総和)を比較して極大のコントラスト(総和)を選出し、選出したコントラスト(総和)に対応する撮像画像を撮像した時の対物レンズ30の焦点位置を、対物レンズ30を移動させながら計測してきた複数の対物レンズ30の焦点位置の中から選択することで、図14の“Zc”または“Za”に対応する対物レンズ30の焦点位置を決定してもよい。また、焦点位置決定装置1は、CCDカメラの代わりにフォトダイオードを配設してもよい。この場合、工程4および工程5において、対物レンズ30を一定量移動させる度に、フォトダイオードの出力電流を増幅して電圧信号に変換すると共に対物レンズ30の焦点位置を計測し、対物レンズ30を移動させながら変換してきた複数の電圧信号の強度を比較して極大の電圧信号の強度を選出し、選出した電圧信号の強度に対応する対物レンズ30の焦点位置を、対物レンズ30を移動させながら計測してきた複数の対物レンズ30の焦点位置の中から選択することで、図14の“Zc”または“Za”に対応する対物レンズ30の焦点位置を決定してもよい。また、焦点位置決定装置1において、対物レンズ30や試料10を移動させる量(移動量)は、CCDカメラで撮像した像にボケが生じない範囲であることが望ましい。具体的には、当該移動量は、光源20で発せられる光の波長を対物レンズ30のNAの二乗で割った値(λ÷NA2:λは波長、NAは開口数)以下であることが望ましい。
また、焦点位置決定装置1において、光源20として単色性の高い光源(レーザーなど)を用いてもよい。ここで、光源の単色性が高いと、照明光を位相物体に照射したときに、波長分散がほとんど無くなるので、シャープな回折光が得られる。従って、近点側の撮像画像、遠点側の撮像画像のいずれにおいても、そのコントラストが、白色光源を用いたときと比べて、非常に高くなる。これにより、コントラストが極大となる撮像画像を撮像した時の対物レンズの焦点位置を容易に選出することができる。
また、焦点位置決定装置1において、観察者(オペレーター)が、対物レンズz軸移動機構のノブを手動で回しながら接眼レンズ43を介して、生体細胞の像のコントラストが高くなる2箇所の対物レンズの位置を目視で決定し、焦点位置計測部50により、当該決定した時の対物レンズの焦点位置を計測し、焦点位置決定部70a3により、計測した2つの焦点位置の中央位置(略中央位置)を、生体細胞内の観察対象部位10aに合うような対物レンズの焦点位置として決定してもよい。
また、焦点位置決定装置1によれば、対物レンズ30の位置を通常の観察の合焦位置から試料10に対して微小量だけ前後に移動させることにより、位相差用の対物レンズを使用しなくても位相差観察法と同様なコントラストの像を得ることができる。また、焦点位置決定装置1によれば、対物レンズ30とコンデンサーレンズ23との瞳収差を考慮する必要がないので、低倍率の対物レンズを使用することができる。つまり、焦点位置決定装置1によれば、位相差観察法では使えない、1倍や2倍の倍率の対物レンズを使用しても、培養細胞のような位相物体を観察することができ、従来の観察法では実現できなかった広い範囲での観察が可能になる。また、焦点位置決定装置1によれば、偏射照明により、位相分布に陰影を付けたレリーフ感のある、高いコントラストの像を得ることができる。また、焦点位置決定装置1によれば、切替ミラー44により、目視による観察とTVモニタによる観察とを切り替えて行うことができる。また、切替ミラー44としてハーフミラーを用いることで、目視による観察とTVモニタによる観察とを同時に行うことができる。また、焦点位置決定装置1によれば、開口を取り外すことで、通常の顕微鏡として試料の観察を行うことができる。また、焦点位置決定装置1によれば、対物レンズ30の焦点位置の決定を2段階に分けて実施することにより、高倍率の対物レンズを用いた場合でも焦点位置の決定を行うことができる。また、焦点位置決定装置1によれば、励起光を使用しないので、蛍光を発する生物学的試料に対して繰り返し焦点位置決定処理を実行しても、光毒性の影響が殆どないという利点がある。換言すると、生きた細胞に対して連続的・経時的に観察を行う場合において、焦点位置決定処理を繰り返し行うことで鮮明な撮像画像を撮像し続けることができる。また、焦点位置決定装置1によれば、赤外光を用いて焦点位置決定処理を行う場合において、可視光での照明を行わない状態を維持したまま、対物レンズの焦点位置を合わせることと試料の暗視野画像を撮像することの両方を行うことができるので、自家発光により撮像画像にノイズが生じることを効果的に防止することができる。
また、焦点位置決定装置1は、試料10から発せられる発光の強度がCCDカメラで検出できる程度になった場合には、試料10を設置した時点で決定した、試料10内の観察対象部位10aに合うような対物レンズの焦点位置を再度決定し直してもよい(焦点位置再決定処理)。ここで、高倍率(例えば40倍以上)の対物レンズ30で試料10からの発光を観察する場合には、対物レンズ30の倍率が高くなればなるほど、焦点深度が極めて浅くなっていくので、対物レンズ30の焦点位置が精確に試料10内の観察対象部位10aに合ってないと試料10の像がぼやける。上述した焦点位置決定処理で決定した焦点位置は試料10のほぼ中心に合っているが、さらに高精度で試料10からの発光を取得する場合には、より精度よく試料10内の観察対象部位10aに合うような対物レンズ30の焦点位置を決定する必要がある。そこで、焦点位置再決定処理を実行することにより、試料10を設置した時点だけでなく、試料10の発光観察を開始してからも、試料10内の観察対象部位10aに合うような対物レンズの焦点位置を決定し続けることができ、その結果、対物レンズの焦点位置を常に当該観察対象部位10aに合わせることができる。ここで、焦点位置決定装置1が行う焦点位置再決定処理について、図19を参照して説明する。図19は、第1実施形態の焦点位置決定装置1が行う焦点位置再決定処理の一例を示すフローチャートである。
まず、焦点位置決定装置1は、制御部70aによりCCDカメラを動作させ、CCDカメラにより、焦点位置決定部70a3で決定した焦点位置(上述した図18におけるステップSA−8で決定した、試料10内の観察対象部位10aに合うような対物レンズ30の焦点位置)にて、試料10を照明を行わずに撮像する(ステップSB−1)。
つぎに、焦点位置決定装置1は、制御部70aにより特徴量算出部70a1を動作させ、特徴量算出部70a1により、ステップSB−1で撮像した撮像画像(発光画像)に基づいて特徴量(例えば発光画像の各画素からの発光強度、発光画像の発光強度分布から得られる統計量、発光画像のコントラストなど)を算出する(ステップSB−2)。
つぎに、焦点位置決定装置1は、制御部70aにより対物レンズz軸移動機構を動作させ、対物レンズz軸移動機構により、対物レンズ30を光軸に沿って一定量だけ移動することで、焦点位置決定部70a3で決定した焦点位置を変更する(ステップSB−3)。なお、焦点位置の変更は、対物レンズ30の移動の他、試料ステージ17の移動で行ってもよい。
つぎに、焦点位置決定装置1は、制御部70aによりCCDカメラを動作させ、CCDカメラにより、ステップSB−3で変更した焦点位置にて試料10を照明を行わずに撮像する(ステップSB−4)。
つぎに、焦点位置決定装置1は、制御部70aにより特徴量算出部70a1を動作させ、特徴量算出部70a1により、ステップSB−4で撮像した撮像画像(発光画像)に基づいて特徴量(例えば発光画像の各画素からの発光強度、発光画像の発光強度分布から得られる統計量、発光画像のコントラストなど)を算出する(ステップSB−5)。
つぎに、焦点位置決定装置1は、制御部70aにより特徴量比較部70a4を動作させ、特徴量比較部70a4により、ステップSB−2で算出した特徴量とステップSB−5で算出した特徴量とを比較する(ステップSB−6)。なお、特徴量の比較においては、試料10の種類や特性に因りコントラストで比較した方が適当である場合と発光強度分布から得られる統計量で比較した方が適当である場合とがあるが、最終的にはS/N(シグナル・ノイズ比)で比較する。
つぎに、焦点位置決定装置1は、ステップSB−6での比較結果がステップSB−5で算出した特徴量の方が大きかった場合(ステップSB−7:Yes)には、制御部70aにより焦点位置決定部70a5を動作させ、焦点位置決定部70a5により、ステップSB−3で変更した焦点位置を、生体細胞内の観察対象部位10aに合うような対物レンズの焦点位置として決定する(ステップSB−8)。
一方、焦点位置決定装置1は、ステップSB−6での比較結果がステップSB−5で算出した特徴量の方が大きくなかった場合(ステップSB−7:No)には、制御部70aにより、ステップSB−3の実行回数が所定回数に達したか否か(ステップSB−3での対物レンズ30の移動量が所定量に達したか否か)を確認し、所定回数に達した場合(ステップSB−9:Yes)には、制御部70aにより対物レンズz軸移動機構を動作させ、対物レンズz軸移動機構により、ステップSB−3で変更した対物レンズ30の焦点位置を、焦点位置決定部70a3で当初決定した焦点位置(上述した図18におけるステップSA−8で決定した、生体細胞内の観察対象部位10aに合うような対物レンズ30の焦点位置)に戻す(ステップSB−10)。また、焦点位置決定装置1は、所定回数に達してない場合(ステップSB−9:No)には、制御部70aにより、ステップSB−3の処理に戻る。
以上、第1実施形態の焦点位置決定装置1の説明を終了する。
[第2実施形態]
つぎに、本発明にかかる第2実施形態の焦点位置決定装置1の構成について、図20から図22を参照して詳細に説明する。なお、上述した第1実施形態の説明と重複する説明を省略する場合がある。
図20は、第2実施形態の焦点位置決定装置1の構成の具体的一例を示す図である。図20に示す焦点位置決定装置1は、倒立型顕微鏡をベースとする構成であり、微弱光を発する生体細胞の発光観察と蛍光観察とを同時に行うために用いるものである。焦点位置決定装置1は、蛍光観察と発光観察とを同時に行う際、生体細胞や組織などの試料10を設置した時点で、試料10内の観察対象部位10aに合うような対物レンズ30の焦点位置を決定する。焦点位置決定装置1は、図20に示すように、励起光照射部(励起用光源)80、コリメートレンズ81、偏向ミラー82およびダイクロイックミラー83からなる励起用光学系をさらに備えて構成されている。
なお、図20に示す焦点位置決定装置1において、試料10が空気中に存在する(試料10が培養液などの液体に浸されてない)場合には、対物レンズ30として開口数(NA)が0.9程度のものを用い、試料10が液体に浸されている場合には、対物レンズ40として開口数が1.0以上のものを用いる。また、試料10は、蛍光色素(蛍光物質)であるローダミン・グリーン(Rhodamine Green:RhG)で予め染色されている。ここで、蛍光物質として、ローダミン・グリーンの他、例えばTMR(Tetramethylrhodamine)、5−Tamra(5−carboxytetramethylrhodamine)、FITC(Fluorescein−isothiocyanate)、TOTO1、Acridine−Orange、Texas−Redなどを用いてもよい。
励起光照射部80は、可視光領域の波長のレーザー光を発するガスレーザー(例えばアルゴン・レーザー、ヘリウムネオン・レーザー(He・Neレーザー)など)であり、具体的には、波長488nmで出力10mWのアルゴン・レーザーである。ここで、試料10を蛍光物質であるTMRで染色した場合には、当該TMRを励起するために、励起光照射部80として波長514.5nmのアルゴン・レーザーを用いる。また、試料10を蛍光物質である5−Tamraで染色した場合には、当該5−Tamraを励起するために、励起光照射部80として波長543.5nmのHe・Neレーザーを用いる。
コリメートレンズ81は、励起光照射部80から発せられたレーザー光を、ビーム幅を有する円形の平行光束に変換する。
偏向ミラー82は、コリメートレンズ81で平行光束に変換されたレーザー光の光軸を偏向する。
ダイクロイックミラー83は、具体的には切替式ダイクロイックミラーであり、偏向ミラー82で偏向されたレーザー光を対物レンズ30へ入射させる。なお、切替式ダイクロイックミラーは、励起用光源80の発振波長の光を反射し、蛍光信号および発光信号のスペクトルを透過するスペクトル特性を持っている。ここで、ダイクロイックミラー83は、ホルダー(図示せず)に収められており、レーザー光の発振波長に合わせて、交換可能に配設されている。なお、励起光照射部80から発するレーザー光の波長を変更する必要がなければ、ダイクロイックミラー83として、切替式のものでなく、通常のダイクロイックミラーを用いてもよい。
以上、図20に示す焦点位置決定装置1では、試料10から発せられた蛍光および発光は、対物レンズ30を通って、ダイクロイックミラー83に到達する。そして、ダイクロイックミラー83に到達した蛍光および発光は、ダイクロイックミラー83を透過し、リレーレンズ31およびリレーレンズ33を通って、切替ミラー44で反射し、CCDカメラ60の受光面にある撮像素子60aで焦点を結ぶ。なお、切替ミラー44を光路から取り外した場合、試料10から発せられた蛍光および発光は、接眼レンズ43に到達する。これにより、観察者が試料10の像を直接観察することができる。
つぎに、第2実施形態の焦点位置決定装置1の構成の別の具体的一例について、図21を参照して詳細に説明する。図21は、第2実施形態の焦点位置決定装置1の構成の別の具体的一例を示す図である。
図21に示すように、焦点位置決定装置1の本体(光学系部分)は本体架台106に固定されている。なお、本体架台106は上下方向に移動できるような構成である。本体架台106は支柱105に取り付けられている。支柱105は底板100の上に固定されている。焦点位置決定装置1の観察光学系やCCDカメラ60などは鏡筒に収められている。鏡筒は、鏡筒上部107および当該鏡筒上部107と連結された鏡筒下部108で構成されている。鏡筒上部107は本体架台106に固定されている。鏡筒下部108はベース架台104の上に固定されている。鏡筒は上下方向に移動可能に取り付けられている。ベース架台104は底板100の上に固定されている。焦点位置決定装置1の本体は遮光性を有する遮光箱101で覆われている。遮光箱101は底板100に固定されている。遮光箱101の上面には遮光蓋102が取り付けられている。遮光蓋102は、その一端が遮光箱101と蝶番103で連結されており、開閉できるように取り付けられている。
試料10を入れた試料容器11は、試料ステージ17上に配設されている。ここで、図22に示すように、試料容器11を水槽12に入れて試料ステージ17上に配設してもよい。
再び図21に戻り、光照射部20には例えばハロゲンランプ、メタルハライドランプなどを用い、光照射部20から発せられた光は光ファイバー26を通して試料ステージ17上の試料10を含む試料容器11に照射される。
観察光学系において、偏向ミラー32は用いず、対物レンズ30で形成された像(試料10の像)を結像させるリレーレンズ34が鏡筒下部108に図示の如く配設されている。
ここで、図21に示す焦点位置決定装置1は、図22に示すように、焦点位置変更部40として、対物レンズz軸移動機構ではなく、試料ステージ17をz軸に沿って移動させるステージz軸移動機構を備えてもよい。ここで、図22には、本体架台106にステージz軸移動機構を備えたZ軸移動ステージが設置されている。当該Z軸移動ステージは、XY方向に移動可能なXY試料ステージの下方に、当該XY試料ステージを支える形で取り付けられている。当該Z軸移動ステージの上方には、試料容器11が配置されており、試料容器11はZ軸移動ステージの上下移動と共に上下に移動する。Z軸移動ステージはラックピニオン機構により上下運動する。なお、ラックピニオン機構の動作は、ラックピニオン機構のノブ(図示しない)をステッピング・モーターにより回転駆動することにより実施される。そして、ステッピング・モーターの駆動はコンピュータにより制御される。これにより、対物レンズ30を上下移動させた場合と同様の操作ができる。ここで、Z軸移動ステージの上下移動は手動により行ってもよい。また、ラックピニオン機構の動作は、当該ラックピニオン機構のノブ(図示しない)を回転して行なってもよい。
再び図21に戻り、CCDカメラ60は、その受光面の中心が光軸にほぼ合うように、配設されている。試料(生体細胞)10から発せられた蛍光および発光は、ダイクロイックミラー83を透過し、リレーレンズ34を通ってCCDカメラ60の受光面に集光する。ここで、赤外光を取り出す場合には、CCDカメラ60の前面に取り付けられた赤外線カットフィルター45を、焦点位置決定装置1を起動させる前に取り外す。CCDカメラ60は、CCDカメラ60からの出力信号を処理する情報処理装置70とケーブルを介して接続されている。
情報処理装置70は、CCDカメラの出力信号から発光画像を描出してそれを解析したり、発光強度の時間変化を測定したり、出力信号を解析したりする。また、情報処理装置70は、対物レンズ30の焦点位置が試料10内の観察対象部位10aに合った後、試料10からの蛍光および発光を受光するために、制御部70aによりCCDカメラを動作させる。
励起光照射部80は、波長488nmで出力10mWのアルゴン・レーザーであり、図示の如く、遮光箱101の外に配設されている。なお、遮光箱101には光ファイバーを通すレーザー入射口84が設けられている。励起光照射部80から発せられたレーザー光はコリメートレンズ81を通過して光ファイバー内を伝播し、伝播したレーザー光はダイクロイックミラー83に到達する。ダイクロイックミラー83に到達したレーザー光はダイクロイックミラー83で反射されて対物レンズ30に下方から入射し、入射したレーザー光は集光して試料10に照射される。ダイクロイックミラー83は、ホルダー85に収められており、レーザー光の発振波長に合わせて、交換可能に配設されている。
以上、図21に示す焦点位置決定装置1では、試料10から発せられた蛍光および発光は、対物レンズ30を通って、ダイクロイックミラー83に到達する。そして、ダイクロイックミラー83に到達した蛍光および発光は、ダイクロイックミラー83を透過し、リレーレンズ34を通って、CCDカメラの受光面にある撮像素子60aで焦点を結ぶ。
これにて、第2実施形態の焦点位置決定装置1の構成の説明を終了する。
つぎに、第2実施形態の焦点位置決定装置1が行う焦点位置決定処理および焦点位置再決定処理については、上述した第1実施形態の説明と同様であるため、その説明を省略する。
以上、説明したように、第2実施形態の焦点位置決定装置1は、励起用光学系をさらに備えている。第2実施形態の焦点位置決定装置1は、光源20により生体細胞へ照射光を照射する。そして、焦点位置決定装置1は、対物レンズz軸移動機構により対物レンズ30を光軸に沿って一定量ずつ繰り返し移動させながら、移動させる度に、焦点位置計測部50により対物レンズ30の焦点位置を計測し、CCDカメラにより生体細胞を照明下で撮像し、特徴量算出部70a1により、撮像した撮像画像のコントラストを算出する。そして、焦点位置決定装置1は、焦点位置選出部70a2により、対物レンズ30を繰り返し移動させたことで蓄積した複数のコントラストのうち極大となるコントラストを2つ選出し、選出したコントラストに対応する撮像画像を撮像した時の対物レンズ30の焦点位置を、対物レンズ30を繰り返し移動させたことで蓄積した複数の焦点位置から取得する。そして、焦点位置決定装置1は、焦点位置決定部70a3により、取得した焦点位置に基づいて、当該2つの焦点位置の中央の位置(略中央の位置)を、生体細胞内の観察対象部位10aに合うような対物レンズ30の焦点位置として決定し、対物レンズz軸移動機構により、対物レンズ30を移動させて、対物レンズ30の焦点位置を、決定した焦点位置に合わせる。これにより、生体細胞内の特定の部位を観察対象部位10aとして当該観察対象部位10aの蛍光観察と発光観察とを同時に行う場合、生体細胞を設置した時点で、当該観察対象部位10aに合うような対物レンズ30の焦点位置を決定することができ、その結果、対物レンズ30の焦点位置を当該観察対象部位10aに合わせることができる。
ここで、第2実施形態の焦点位置決定装置1を用いて生体細胞の発光画像と蛍光画像とを同時に観察しながら、生体細胞内のATP量の測定を行う手法について、その幾つかを以下に説明する。ルシフェラーゼの発光反応(発光の強度)はATP量に依存するので、ルシフェラーゼの発光反応を利用してATPを定量することは以前から行われている。そして、バイオ、臨床検査、食品衛生などの分野では、ルシフェラーゼを用いた細胞内のATP量の測定が行なわれている。なお、ATP(アデノシン3リン酸)は細胞内のエネルギーの供給源であり、生命現象に深く関わっている物質である。一方、ホタルのルシフェラーゼは、ATP、O2、Mg2+の存在下で、D‐ルシフェリンを発光基質として、オキシルシフェリン、CO2、AMP、ピロリン酸を生成する反応を触媒し、当該反応により発光する。
生体細胞内のATP量の測定は、通常、以下の(1A)〜(1C)の工程で行われる(H.J.Kennedy, A.E.Pouli, E.K.Ainscow, L.S.Jouaville, R.Rizzuto, G.A.Rutter, “Glucose generates sub−plasma membrane ATP microdomains in single islet β−cells.”, Journal of Biological Chemistry, vol.274, pp.13281−13291, 1999)。
(1A)細胞または細菌を溶解してATPを抽出する。
(1B)その抽出液をルシフェリンおよびルシフェラーゼを含む反応液に添加する。
(1C)抽出液が添加された反応液から生じる発光量を測定することで、細胞内のATPを定量する。
また、細胞内のATP量の測定は、通常、以下の(2A)〜(2C)の工程で行われる。
(2A)ルシフェラーゼ遺伝子を細胞に導入して発現させる。
(2B)細胞を含む培養液中にルシフェリンを添加する。
(2C)ルシフェリンが加えられた培養液から生じる発光量を検出し、細胞内のATPを定量する。
さらに、生きた細胞内の所定の部位(具体的にはミトコンドリア)におけるATP量の経時的測定は、以下の(3A)および(3B)の工程で行われる(H.J.Kennedy, A.E.Pouli, E.K.Ainscow, L.S.Jouaville, R.Rizzuto, G.A.Rutter, “Glucose generates sub−plasma membrane ATP microdomains in single islet β−cells.”, Journal of Biological Chemistry, vol.274, pp.13281−13291, 1999)。
(3A)ルシフェラーゼ遺伝子にミトコンドリア移行シグナル遺伝子を融合し、その融合した遺伝子を細胞に導入する。細胞に導入する融合遺伝子は、移行塩基配列および発光関連遺伝子に加えてさらに蛍光タンパク質を発現する蛍光関連遺伝子を融合したものである。
(3B)ルシフェラーゼが細胞内のミトコンドリアに局在しているということを前提とし、細胞からの発光量を経時的に測定することで、細胞内のミトコンドリアにおけるATP量の時間変動を測定する。具体的には、当該融合遺伝子が導入された細胞の蛍光画像を撮り、得られた蛍光画像に基づいて所定の部位に発光タンパク質が局在するか否かを判定する。判定結果が局在すると結論された場合、細胞からの発光量を検出する。これにより、当該細胞の所定の部位に発光たんぱく質が局在しているか否かを判定することができる。すなわち、融合遺伝子が導入された生きた細胞に対し発光タンパク質の局在を確認すると共に、当該細胞からの発光量を測定する。また、測定した発光量が所定の部位からのものであることを確認することができる。
なお、融合遺伝子が導入された生きた細胞が撮像視野の範囲内に複数個存在する場合、複数の細胞の蛍光画像および発光画像を撮り、その蛍光画像に基づいて所定の部位に発光タンパク質が局在するか否かを細胞ごとに判定し、撮像した蛍光画像および撮像した発光画像を重ね合わせることで、判定結果が局在すると判定された細胞の中から測定対象の細胞を選定し、選定した細胞からの発光量を測定する。これにより、複数の細胞の中から個々の細胞を識別し、単一の細胞内の所定の部位からの発光量を他と分離して測定することができる。また、蛍光画像および発光画像を同時に取得することで、測定対象の細胞における発光タンパク質の局在と、当該細胞から発せられる発光強度を同時に得ることができる。そのため、遺伝子の導入効率や細胞周期による個々の細胞の生理的な状態の違いの影響を排除した解析を行うことができる。ここで一例として、蛍光画像を撮像した後、発光タンパク質が所定の部位に局在しているか否かの判定を行ない、局在すると判定された場合、発光画像を撮像してもよい。さらに、蛍光画像および発光画像を撮像した後、局在の判定を行なってもよい。
以上、第2実施形態の焦点位置決定装置1の説明を終了する。
[第3実施形態]
つぎに、本発明にかかる第3実施形態の焦点位置検出装置1'の概要、その構成およびその処理について、図を参照して詳細に説明する。なお、上述した第1実施形態や第2実施形態の説明と重複するものを省略する場合がある。
まず、本発明の概要について詳細に説明する。本発明は、対物レンズの位置を移動させながら試料(具体的には、発光する物質を含む生物試料)を撮像すると共に対物レンズの焦点位置を計測し、撮像した画像に基づいて、画像を構成する各画素の画素値の最大値と最小値との差であるコントラストを算出し、算出したコントラストおよび計測した対物レンズの焦点位置に基づいて観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置を決定する。具体的には、本発明は、位置zに対物レンズがあるときに試料を撮像した画像のコントラストと、位置zからΔzだけ離れた位置に対物レンズを移動して試料を撮像したときの画像のコントラストとを比較することで、対物レンズの焦点位置を求める。つまり、本発明は、対物レンズの位置と画像のコントラストとの関係に着目して、観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置を求める。したがって、本発明では、観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置を決定するに先立って、対物レンズの位置と画像のコントラストとの関係を得る。これにより、試料内の特定の部位を観察対象部位として当該観察対象部位の発光観察を行う場合、試料を設置した時点で、当該観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置を決定することができ、その結果、対物レンズの焦点位置を当該観察対象部位に合わせることができる。また、これにより、試料内の発光部位の発光観察を行う際、当該発光部位からの発光を確認しなくても、試料内の発光部位に対物レンズの焦点を合わせることができる。ところで、画像のコントラストは対物レンズの位置の変化に従ってスムーズに変化しないことがある。換言すると、画像のコントラストと対物レンズの位置との関係を表す曲線がスムーズなものにならず、コントラストの値にバラツキが出ることがある。そこで、このような場合には、本発明は、対物レンズの位置と画像のコントラストとを関連付けたデータに対し、画像のコントラストと対物レンズの位置との関係を表す曲線がスムーズになるようにスムージング処理を行ってから、スムージング処理後のデータを用いて観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置を決定してもよい。
なお、本発明は、コントラストを、画像を構成する各画素の画素値のうち最大値を含む複数の上位の画素値の平均値と、画像を構成する各画素の画素値のうち最小値を含む複数の下位の画素値の平均値との差としてもよい。これにより、撮像した画像に擬似信号(例えば反射光や散乱光などのノイズ光によるものなど)が入り込んでいても、当該画像から信頼性の高いコントラストを算出することができる。
また、本発明は、算出したコントラストを他のものと比較してその極小値を1つ探索し、探索した極小値の元となる画像を撮像したときの対物レンズの焦点位置を、観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置として決定してもよく、算出したコントラストを他のものと比較してその極大値を2つ探索し、探索した各極大値の元となる画像を撮像したときの対物レンズの焦点位置の中間を、観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置として決定してもよい。これにより、試料内の観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置を容易に決定することができる。ところで、細胞などの生物試料は位相物体であり、対象領域に屈折率差を持っている。そのため、このような位相物体を観察対象にした場合、図26に示すように対物レンズをz軸方向に移動していくと、画像のコントラストは図27に示すように変化し、結果として2つの極大値およびこの2つの間に挟まれた1つの極小値が得られる。そこで、本発明者は、このことに基づき、観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置が、画像のコントラストが極小値となるときの対物レンズの焦点位置であること、さらには、観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置が、画像のコントラストが極大値となるときの対物レンズの焦点位置2つのほぼ中間であること、を見い出した。
また、本発明は、対物レンズの位置を、その移動量を段階的に減らしながら移動させてもよい。具体的には、本発明は、対物レンズの位置を、その移動量を前回の移動量の半分に減らしながら移動させてもよい。これにより、試料内の観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置を迅速に決定することができる。
つぎに、本発明にかかる第3実施形態の焦点位置決定装置1'の構成について、図28を参照して詳細に説明する。焦点位置決定装置1'は、光照射部20'と、対物レンズ30'と、対物レンズ移動部40'と、対物レンズ位置計測部50'と、試料撮像部60'と、情報処理装置70'と、で構成されている。
光照射部(光源)20'は、発光する物質を含む生物試料のような試料10'へ光を照射する。光照射部20'は、可視光領域の波長の光(可視光)を発するインコヒーレント光源であり、具体的にはハロゲンランプ、LED、タングステンランプ、水銀ランプなどである。対物レンズ30'は試料10'の像を形成するためのものである。対物レンズ移動部40'は、対物レンズ30'の位置を光軸(z軸)方向に移動する。対物レンズ位置計測部50'は、焦点位置変更部40'と接続され、対物レンズ30'の光軸上での位置を計測する。
試料撮像部60'は試料10'を撮像する。試料撮像部60'は、具体的には撮像素子を有する高感度のCCDカメラである。
情報処理装置70'は、具体的には市販のパーソナルコンピュータであり、対物レンズ移動部40'、対物レンズ位置計測部50'および試料撮像部60'と接続されている。情報処理装置70'は、制御部70'aと記憶部70'bとを備えている。
制御部70'aは、当該制御部を統括的に制御するCPU等であり、OS(Operating System)等の制御プログラム、各種の処理手順等を規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有し、これらのプログラムに基づいて種々の処理を実行するための情報処理を行う。制御部70'aは、当該制御部が備える各部は勿論、対物レンズ移動部40'や対物レンズ位置計測部50'、試料撮像部60'を制御する。また、キーボードやマウスなどの入力装置やTVモニタなどの出力装置が情報処理装置70'と接続されている場合には、制御部70'aは、入力装置で入力された情報を取得したり、出力装置へ情報を出力したりする。制御部70'aは、コントラスト算出部70'a1と、焦点位置決定部70'a2とで構成されている。コントラスト算出部70'a1は、試料撮像部60'で撮像した画像に基づいて、画像を構成する各画素の画素値の最大値と最小値との差で定義されるコントラストを算出する。焦点位置決定部70'a3は、コントラスト算出部70'a1で算出したコントラストおよび対物レンズ位置計測部50'で計測した対物レンズの位置に基づいて、観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置を決定する。
記憶部70'bは、ストレージ手段であり、具体的には、RAMやROM等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、光ディスク等を用いることができる。記憶部70'bは、図示の如く、画像等ファイル70'b1と決定位置管理ファイル70'b2とを備えている。画像等ファイル70'b1は、試料撮像部60'で撮像した画像と、コントラスト算出部70'a1で算出したコントラストと、対物レンズ位置計測部50'で計測した対物レンズの位置とを相互に関連付けて格納する。具体的には、画像等ファイル70'b1は、画像を一意に識別するための画像識別情報と、画像と、コントラストと、画像を撮像した時の対物レンズの位置と、を相互に関連付けて格納する。決定位置管理ファイル70'b2は、試料10'内の観察対象部位10'aに合うような対物レンズ30'の焦点位置(具体的には焦点位置決定部70'a2で決定した焦点位置)を格納する。
つぎに、第3実施形態の焦点位置決定装置1'が行う焦点位置決定処理について、図29、図30、図34、図35などを参照して詳細に説明する。まず、図29や図30などを参照して第3実施形態の焦点位置決定装置1'が行う焦点位置決定処理の一例を説明し、続いて図34や図35などを参照して第3実施形態の焦点位置決定装置1'が行う焦点位置決定処理の別の一例を説明する。
観察者が、生体細胞などの試料10'を所定の位置に設置し、焦点位置決定装置1'および光源20'を起動させると、焦点位置決定装置1'は、図29に示す以下の処理を行う。
まず、焦点位置決定装置1'は、情報処理装置70'の制御部70'aで試料撮像部60'を動作させ、光源20'から発せられた照明光が照射されている試料10'を試料撮像部60'で撮像し、情報処理装置70'の制御部70'aで、撮像した試料の画像を画像等ファイル70'b1の所定の記憶領域に格納する(ステップSC−1)。また、焦点位置決定装置1'は、情報処理装置70'の制御部70'aで対物レンズ位置計測部50'を動作させ、対物レンズ位置計測部50'で対物レンズ30'の光軸(z軸)上での位置を計測し、情報処理装置70'の制御部70'aで、計測した対物レンズ30'の位置を、予め設定した変数Zkへ代入すると共に、画像等ファイル70'b1の所定の記憶領域に格納する(ステップSC−1)。
つぎに、焦点位置決定装置1'は、情報処理装置70'の制御部70'aでコントラスト算出部70'a1を動作させ、コントラスト算出部70'a1で、ステップSC−1で撮像した画像から当該画像のコントラストを算出し、情報処理装置70'の制御部70'aで、算出したコントラストの値を、予め設定した変数Ckに代入すると共に、画像等ファイル70'b1の所定の記憶領域に格納する(ステップSC−2)。なお、画像のコントラストは、画像を構成する各画素の受光強度Ii(図31のI0,I1,I2,・・・,Ik,・・・,In)の分布を図32に示すように2次元的に再生することで得られた受光強度の最大値Imaxと受光強度の最小値Iminの差、つまり「Imax−Imin」で定義される。
ここで、測定データ(画像を構成する各画素の受光強度)には、擬似信号(例えば反射光や散乱光などのノイズ光に因るもの等)が入り込む可能性がある。そこで、算出したコントラストの値の信頼性を高めるために、コントラストを、受光強度の値Imax・meanと受光強度の値Imin・meanとの差、つまり「Imax・mean−Imin・mean」で定義してもよい。これにより、ノイズ光に因る測定誤差(受光強度の誤差)を低減することができる。なお、受光強度の値Imax・meanは、一番大きな受光強度の値Imaxを含む複数の上位の受光強度の値の平均値、すなわち受光強度の大きい順に第1番目の受光強度の値から第N番目の受光強度の値までの平均値であり、例えば図33に示すように、一番大きな受光強度の値Imax、二番目に大きな受光強度の値Imax・2ndおよび三番目に大きな受光強度の値Imax・3rdの平均値、つまり「(Imax+Imax・2nd+Imax・3rd)/3」で定義してもよい。また、受光強度の値Imin・meanは、一番小さな受光強度の値Iminを含む複数の下位の受光強度の値の平均値、すなわち受光強度の小さい順に第1番目の受光強度の値から第N番目の受光強度の値までの平均値であり、例えば図33に示すように、一番小さな受光強度の値Imin、二番目に小さな受光強度の値Imin・2ndおよび三番目に小さな受光強度の値Imin・3rdの平均値、つまり「(Imin+Imin・2nd+Imin・3rd)/3」で定義してもよい。
つぎに、焦点位置決定装置1'は、情報処理装置70'の制御部70'aで対物レンズ移動部40'を動作させ、対物レンズ移動部40'で対物レンズ30'を初期位置から光軸方向に一定量だけ移動させる(ステップSC−3)。
つぎに、焦点位置決定装置1'は、情報処理装置70'の制御部70'aで試料撮像部60'を動作させ、試料10'を試料撮像部60'で撮像し、情報処理装置70'の制御部70'aで、撮像した試料の画像を画像等ファイル70'b1の所定の記憶領域に格納する(ステップSC−4)。また、焦点位置決定装置1'は、情報処理装置70'の制御部70'aで対物レンズ位置計測部50'を動作させ、対物レンズ位置計測部50'で対物レンズ30'のz軸上での位置を計測し、情報処理装置70'の制御部70'aで、計測した対物レンズ30'の位置を、予め設定した変数Zk+1へ代入すると共に、画像等ファイル70'b1の所定の記憶領域に格納する(ステップSC−4)。
つぎに、焦点位置決定装置1'は、情報処理装置70'の制御部70'aでコントラスト算出部70'a1を動作させ、コントラスト算出部70'a1で、ステップSC−4で撮像した画像から当該画像のコントラストを算出し、情報処理装置70'の制御部70'aで、算出したコントラストの値を、予め設定した変数Ck+1に代入すると共に、画像等ファイル70'b1の所定の記憶領域に格納する(ステップSC−5)。
つぎに、焦点位置決定装置1'は、情報処理装置70'の制御部70'aで焦点位置決定部70'a2を動作させ、焦点位置決定部70'a2でCkの値とCk+1の値との大小を比較し、「Ck<Ck+1」であった場合(ステップSC−6:Yes)には、情報処理装置70'の制御部70'aで、Ck+1の値をCkに代入すると共にZk+1の値をZkに代入して(ステップSC−7)、ステップSC−3へ戻る。また、焦点位置決定装置1'は、「Ck<Ck+1」でない場合(ステップSC−6:No)には、焦点位置決定部70'a2で、Ckの値が最初のコントラストの極大値(第1極大値)であると判断し、Ckが得られたときの対物レンズの位置Zkの値を、予め設定した変数Zmax・1stへ格納する(ステップSC−8)。
つぎに、焦点位置決定装置1'は、情報処理装置70'の制御部70'aで、Ck+1の値をCkに代入すると共にZk+1の値をZkに代入する(ステップSC−9)。
つぎに、焦点位置決定装置1'は、情報処理装置70'の制御部70'aで対物レンズ移動部40'を動作させ、対物レンズ移動部40'で対物レンズ30'を光軸方向に一定量だけ移動させる(ステップSC−10)。
つぎに、焦点位置決定装置1'は、情報処理装置70'の制御部70'aで試料撮像部60'を動作させ、試料撮像部60'で試料10'を撮像し、情報処理装置70'の制御部70'aで、撮像した試料の画像を画像等ファイル70'b1の所定の記憶領域に格納する(ステップSC−11)。また、焦点位置決定装置1'は、情報処理装置70'の制御部70'aで対物レンズ位置計測部50'を動作させ、対物レンズ位置計測部50'で対物レンズ30'のz軸上での位置を計測し、情報処理装置70'の制御部70'aで、計測した対物レンズ30'の位置を変数Zk+1へ代入すると共に、画像等ファイル70'b1の所定の記憶領域に格納する(ステップSC−11)。
つぎに、焦点位置決定装置1'は、情報処理装置70'の制御部70'aでコントラスト算出部70'a1を動作させ、コントラスト算出部70'a1で、ステップSC−11で撮像した画像から当該画像のコントラストを算出し、情報処理装置70'の制御部70'aで、算出したコントラストの値を、変数Ck+1に代入すると共に、画像等ファイル70'b1の所定の記憶領域に格納する(ステップSC−12)。
つぎに、焦点位置決定装置1'は、情報処理装置70'の制御部70'aで焦点位置決定部70'a2を動作させ、焦点位置決定部70'a2でCkの値とCk+1の値との大小を比較し、「Ck≦Ck+1」でない場合(ステップSC−13:No)には、情報処理装置70'の制御部70'aで、Ck+1の値をCkに代入すると共にZk+1の値をZkに代入して(ステップSC−14)、ステップSC−10へ戻る。また、焦点位置決定装置1'は、「Ck≦Ck+1」であった場合(ステップSC−13:Yes)には、焦点位置決定部70'a2で、Ckの値がコントラストの極小値であると判断すると共に、当該極小値に対応する対物レンズ30'の位置が試料10'の観察対象部位10'aに合うような対物レンズ30'の焦点位置であると決定し、Ckが得られたときの対物レンズの位置Zkの値を、予め設定した変数Zminへ格納する(ステップSC−15)。
そして、焦点位置決定装置1'は、情報処理装置70'の制御部70'aで対物レンズ移動部40'を動作させ、対物レンズ移動部40'で、対物レンズ30'を変数Zminの値に対応する位置へ移動する(ステップSC−16)。
これにて、図29に示す焦点位置決定処理の説明を終了する。
ここで、焦点位置決定装置1'は、ステップSC−15に引き続いて、図30に示す焦点位置決定処理を実行してもよい。これにより、試料10'の観察対象部位10'aに合うような対物レンズ30'の焦点位置の測定精度をさらに高めることができる。以下、図30に示す焦点位置決定処理について説明する。なお、上述した説明と重複する説明を省略する場合がある。
ステップSC−15に引き続いて、焦点位置決定装置1'は、情報処理装置70'の制御部70'aで、Ck+1の値をCkに代入すると共にZk+1の値をZkに代入する(ステップSC−17)。
つぎに、焦点位置決定装置1'は、情報処理装置70'の制御部70'aで対物レンズ移動部40'を動作させ、対物レンズ移動部40'で対物レンズ30'を光軸方向に一定量だけ移動させる(ステップSC−18)。
つぎに、焦点位置決定装置1'は、情報処理装置70'の制御部70'aで試料撮像部60'を動作させ、試料撮像部60'で試料10'を撮像し、情報処理装置70'の制御部70'aで、撮像した試料の画像を画像等ファイル70'b1の所定の記憶領域に格納する(ステップSC−19)。また、焦点位置決定装置1'は、情報処理装置70'の制御部70'aで対物レンズ位置計測部50'を動作させ、対物レンズ位置計測部50'で対物レンズ30'のz軸上での位置を計測し、情報処理装置70'の制御部70'aで、計測した対物レンズ30'の位置を変数Zk+1へ代入すると共に、画像等ファイル70'b1の所定の記憶領域に格納する(ステップSC−19)。
つぎに、焦点位置決定装置1'は、情報処理装置70'の制御部70'aでコントラスト算出部70'a1を動作させ、コントラスト算出部70'a1で、ステップSC−19で撮像した画像から当該画像のコントラストを算出し、情報処理装置70'の制御部70'aで、算出したコントラストの値を、変数Ck+1に代入すると共に、画像等ファイル70'b1の所定の記憶領域に格納する(ステップSC−20)。
つぎに、焦点位置決定装置1'は、情報処理装置70'の制御部70'aで焦点位置決定部70'a2を動作させ、焦点位置決定部70'a2でCkの値とCk+1の値との大小を比較し、「Ck≧Ck+1」でない場合(ステップSC−21:No)には、情報処理装置70'の制御部70'aで、Ck+1の値をCkに代入すると共にZk+1の値をZkに代入して(ステップSC−22)、ステップSC−18へ戻る。また、焦点位置決定装置1'は、「Ck≧Ck+1」であった場合(ステップSC−21:Yes)には、焦点位置決定部70'a2で、Ckの値が二番目のコントラストの極大値(第2極大値)であると判断すると共に、ステップSC−8で得られた第1極大値に対応する対物レンズ30'の位置と当該第2極大値に対応する対物レンズ30'の位置の中間が試料10'の観察対象部位10'aに合うような対物レンズ30'の焦点位置であると決定し、Ckが得られたときの対物レンズの位置Zkの値を、予め設定した変数Zmax・2ndへ格納する(ステップSC−23)。
そして、焦点位置決定装置1'は、情報処理装置70'の制御部70'aで対物レンズ移動部40'を動作させ、対物レンズ移動部40'で、対物レンズ30'を「(Zmax・1st+Zmax・2nd)/2」の値に対応する位置へ移動する(ステップSC−24)。
これにて、図30に示す焦点位置決定処理の説明を終了する。
つぎに、図34や図35などを参照して第3実施形態の焦点位置決定装置1'が行う焦点位置決定処理の別の一例を説明する。なお、上述した説明と重複する説明を省略する場合がある。
焦点位置決定装置1'は、最初の段階では対物レンズ30'の移動量を大きくし、その移動量を対物レンズ30'の移動方向を変えながら次第に小さくして、最終的には画像のコントラストが極小値となる位置へ対物レンズ30'の位置を収束させる。
具体的には、焦点位置決定装置1'は、以下の手順1〜11を実行する。
手順1:対物レンズ30'のスタート位置(初期位置)で、画像のコントラスト(C1)を取得する。
手順2:対物レンズ30'を、予め設定したz軸の正(+)方向に、上記の第2極大値に対応する対物レンズ30'の位置を越える程度の位置まで大きく移動する。
手順3:手順2で移動した位置で、画像のコントラスト(Ck)を取得する。
手順4:対物レンズ30'を、z軸の正方向に、1ステップ(予め設定した1回あたりの移動量)移動する。
手順5:手順4で移動した位置で、画像のコントラスト(Ck+1)を取得する。
手順6:Ckの値とCk+1の値との大小を比較する。
手順7:「Ck>Ck+1」を満たす場合、対物レンズ30'を、z軸の負(−)方向に、上記の第1極大値に対応する対物レンズ30'の位置付近まで大きく移動する。また、「Ck<Ck+1」を満たす場合、対物レンズ30'を、z軸の負方向に、1ステップ移動する。
手順8:手順7で移動した位置で、画像のコントラスト(Ck+1)を取得する。
手順9:Ckの値とCk+1の値との大小を比較する。
手順10:「Ck<Ck+1」を満たす場合、対物レンズ30'を、z軸の正方向に、上記の第2極大値に対応する対物レンズ30'の位置付近まで大きく移動する。
手順11:上記の手順を、対物レンズ30'の移動量を小さくしながら繰り返すことで、画像のコントラストの極小値に対応する対物レンズ30'の位置を求め、この位置を試料10'の観察対象部位10'aに合うような対物レンズ30'の焦点位置として決定する。
なお、焦点位置決定装置1'は、上記に示した手順において、2回目以降の対物レンズ30'の移動時の移動量を、先に行われた移動時の移動量の半分に設定し、移動先の位置でCkの値とCk+1の値との大小を比較し、次の移動時の移動量を、直前の移動時の移動量の半分に設定し、このような移動および比較を繰り返してもよい。すなわち、対物レンズ30'の移動量をコントラストの比較の度に半分に減らすことで、対物レンズ30'の移動距離を減らし、最終的に、対物レンズ30'の位置をコントラストが極小値になるときの対物レンズの位置に収束させてもよい。具体的には、焦点位置決定装置1'は、図34および図35に示す焦点位置決定処理を実行してもよい。これにより、試料10'の観察対象部位10'aに合うような対物レンズ30'の焦点位置をより高速に決定することができる。
ここで、図34および図35に示す焦点位置決定処理について説明する。なお、上述した説明と重複する説明を省略する場合がある。観察者が、生体細胞などの試料10'を所定の位置に設置し、焦点位置決定装置1'および光源20'を起動させると、焦点位置決定装置1'は以下の処理を行う。
まず、焦点位置決定装置1'は、情報処理装置70'の制御部70'aで試料撮像部60'を動作させ、光源20'から発せられた照明光が照射されている試料10'を試料撮像部60'で撮像し、情報処理装置70'の制御部70'aで、撮像した試料の画像を画像等ファイル70'b1の所定の記憶領域に格納する(ステップSD−1)。また、焦点位置決定装置1'は、情報処理装置70'の制御部70'aで対物レンズ位置計測部50'を動作させ、対物レンズ位置計測部50'で対物レンズ30'の光軸(z軸)上での位置を計測し、情報処理装置70'の制御部70'aで、計測した対物レンズ30'の位置を、予め設定した変数Zkへ代入すると共に、画像等ファイル70'b1の所定の記憶領域に格納する(ステップSD−1)。
つぎに、焦点位置決定装置1'は、情報処理装置70'の制御部70'aでコントラスト算出部70'a1を動作させ、コントラスト算出部70'a1で、ステップSD−1で撮像した画像から当該画像のコントラストを算出し、情報処理装置70'の制御部70'aで、算出したコントラストの値を、予め設定した変数Ckに代入すると共に、画像等ファイル70'b1の所定の記憶領域に格納する(ステップSD−2)。
つぎに、焦点位置決定装置1'は、情報処理装置70'の制御部70'aで対物レンズ移動部40'を動作させ、対物レンズ移動部40'で対物レンズ30'を初期位置から、光軸(z軸)の正(+)方向に、予め設定した移動ステップ数N(Nは、移動ステップ数を格納する変数である。)だけ移動させる(ステップSD−3)。なお、光軸の正負の方向や1ステップあたりの移動量は予め設定しておく。
つぎに、焦点位置決定装置1'は、情報処理装置70'の制御部70'aで試料撮像部60'を動作させ、試料撮像部60'で試料10'を撮像し、情報処理装置70'の制御部70'aで、撮像した試料の画像を画像等ファイル70'b1の所定の記憶領域に格納する(ステップSD−4)。また、焦点位置決定装置1'は、情報処理装置70'の制御部70'aで対物レンズ位置計測部50'を動作させ、対物レンズ位置計測部50'で対物レンズ30'のz軸上での位置を計測し、情報処理装置70'の制御部70'aで、計測した対物レンズ30'の位置を、予め設定した変数Zk+1へ代入すると共に、画像等ファイル70'b1の所定の記憶領域に格納する(ステップSD−4)。
つぎに、焦点位置決定装置1'は、情報処理装置70'の制御部70'aでコントラスト算出部70'a1を動作させ、コントラスト算出部70'a1で、ステップSD−4で撮像した画像から当該画像のコントラストを算出し、情報処理装置70'の制御部70'aで、算出したコントラストの値を、予め設定した変数Ck+1に代入すると共に、画像等ファイル70'b1の所定の記憶領域に格納する(ステップSD−5)。
つぎに、焦点位置決定装置1'は、情報処理装置70'の制御部70'aで、移動ステップ数を格納する変数Nに、当該Nの値の半分(N/2)の値を代入する(ステップSD−6)。
つぎに、焦点位置決定装置1'は、情報処理装置70'の制御部70'aで焦点位置決定部70'a2を動作させ、焦点位置決定部70'a2でCkの値とCk+1の値との大小を比較し、「Ck<Ck+1」であった場合(ステップSD−7:Yes)には、情報処理装置70'の制御部70'aで対物レンズ移動部40'を動作させ、対物レンズ移動部40'で対物レンズ30'を光軸(z軸)の負(−)方向に、ステップSD−6で更新された移動ステップ数Nだけ移動させ(ステップSD−8)、情報処理装置70'の制御部70'aでCk+1の値をCkに代入すると共にZk+1の値をZkに代入して(ステップSD−9)、ステップSD−4へ戻る。また、焦点位置決定装置1'は、「Ck<Ck+1」でない場合(ステップSD−7:No)には、情報処理装置70'の制御部70'aで対物レンズ移動部40'を動作させ、対物レンズ移動部40'で対物レンズ30'を光軸(z軸)の正(+)方向に、ステップSD−6で更新された移動ステップ数Nだけ移動させ(ステップSD−10)、情報処理装置70'の制御部70'aでCk+1の値をCkに代入すると共にZk+1の値をZkに代入する(ステップSD−11)。
つぎに、焦点位置決定装置1'は、情報処理装置70'の制御部70'aで試料撮像部60'を動作させ、試料撮像部60'で試料10'を撮像し、情報処理装置70'の制御部70'aで、撮像した試料の画像を画像等ファイル70'b1の所定の記憶領域に格納する(ステップSD−12)。また、焦点位置決定装置1'は、情報処理装置70'の制御部70'aで対物レンズ位置計測部50'を動作させ、対物レンズ位置計測部50'で対物レンズ30'のz軸上での位置を計測し、情報処理装置70'の制御部70'aで、計測した対物レンズ30'の位置を変数Zk+1へ代入すると共に、画像等ファイル70'b1の所定の記憶領域に格納する(ステップSD−12)。
つぎに、焦点位置決定装置1'は、情報処理装置70'の制御部70'aでコントラスト算出部70'a1を動作させ、コントラスト算出部70'a1で、ステップSD−12で撮像した画像から当該画像のコントラストを算出し、情報処理装置70'の制御部70'aで、算出したコントラストの値を、変数Ck+1に代入すると共に、画像等ファイル70'b1の所定の記憶領域に格納する(ステップSD−13)。
つぎに、焦点位置決定装置1'は、情報処理装置70'の制御部70'aで、変数Nに、当該Nの値の半分(N/2)の値を代入する(ステップSD−14)。
つぎに、焦点位置決定装置1'は、情報処理装置70'の制御部70'aで焦点位置決定部70'a2を動作させ、焦点位置決定部70'a2でCkの値とCk+1の値との大小を比較し、「Ck>Ck+1」であった場合(ステップSD−15:Yes)には、情報処理装置70'の制御部70'aで対物レンズ移動部40'を動作させ、対物レンズ移動部40'で対物レンズ30'を光軸(z軸)の負(−)方向に、ステップSD−14で更新された移動ステップ数Nだけ移動させ(ステップSD−16)、情報処理装置70'の制御部70'aでCk+1の値をCkに代入すると共にZk+1の値をZkに代入して(ステップSD−17)、ステップSD−12へ戻る。また、焦点位置決定装置1'は、「Ck>Ck+1」でない場合(ステップSD−15:No)には、情報処理装置70'の制御部70'aで対物レンズ移動部40'を動作させ、対物レンズ移動部40'で対物レンズ30'を光軸(z軸)の正(+)方向に、ステップSD−14で更新された移動ステップ数Nだけ移動させ(ステップSD−18)、情報処理装置70'の制御部70'aでCk+1の値をCkに代入すると共にZk+1の値をZkに代入する(ステップSD−19)。
つぎに、図35へ進み、焦点位置決定装置1'は、情報処理装置70'の制御部70'aで試料撮像部60'を動作させ、試料撮像部60'で試料10'を撮像し、情報処理装置70'の制御部70'aで、撮像した試料の画像を画像等ファイル70'b1の所定の記憶領域に格納する(ステップSD−20)。また、焦点位置決定装置1'は、情報処理装置70'の制御部70'aで対物レンズ位置計測部50'を動作させ、対物レンズ位置計測部50'で対物レンズ30'のz軸上での位置を計測し、情報処理装置70'の制御部70'aで、計測した対物レンズ30'の位置を変数Zk+1へ代入すると共に、画像等ファイル70'b1の所定の記憶領域に格納する(ステップSD−20)。
つぎに、焦点位置決定装置1'は、情報処理装置70'の制御部70'aでコントラスト算出部70'a1を動作させ、コントラスト算出部70'a1で、ステップSD−20で撮像した画像から当該画像のコントラストを算出し、情報処理装置70'の制御部70'aで、算出したコントラストの値を、変数Ck+1に代入すると共に、画像等ファイル70'b1の所定の記憶領域に格納する(ステップSD−21)。
つぎに、焦点位置決定装置1'は、情報処理装置70'の制御部70'aで、変数Nに、当該Nの値の半分(N/2)の値を代入する(ステップSD−22)。
つぎに、焦点位置決定装置1'は、情報処理装置70'の制御部70'aで焦点位置決定部70'a2を動作させ、焦点位置決定部70'a2でCkの値とCk+1の値との大小を比較し、「Ck>Ck+1」でない場合(ステップSD−23:No)には、情報処理装置70'の制御部70'aで対物レンズ移動部40'を動作させ、対物レンズ移動部40'で対物レンズ30'を光軸(z軸)の負(−)方向に、ステップSD−22で更新された移動ステップ数Nだけ移動させ(ステップSD−24)、情報処理装置70'の制御部70'aでCk+1の値をCkに代入すると共にZk+1の値をZkに代入して(ステップSD−25)、ステップSD−20へ戻る。また、焦点位置決定装置1'は、「Ck>Ck+1」であった場合(ステップSD−23:No)には、情報処理装置70'の制御部70'aで対物レンズ移動部40'を動作させ、対物レンズ移動部40'で対物レンズ30'を光軸(z軸)の正(+)方向に、ステップSD−22で更新された移動ステップ数Nだけ移動させ(ステップSD−26)、情報処理装置70'の制御部70'aでCk+1の値をCkに代入すると共にZk+1の値をZkに代入する(ステップSD−27)。
つぎに、焦点位置決定装置1'は、情報処理装置70'の制御部70'aで試料撮像部60'を動作させ、試料撮像部60'で試料10'を撮像し、情報処理装置70'の制御部70'aで、撮像した試料の画像を画像等ファイル70'b1の所定の記憶領域に格納する(ステップSD−28)。また、焦点位置決定装置1'は、情報処理装置70'の制御部70'aで対物レンズ位置計測部50'を動作させ、対物レンズ位置計測部50'で対物レンズ30'のz軸上での位置を計測し、情報処理装置70'の制御部70'aで、計測した対物レンズ30'の位置を変数Zk+1へ代入すると共に、画像等ファイル70'b1の所定の記憶領域に格納する(ステップSD−28)。
つぎに、焦点位置決定装置1'は、情報処理装置70'の制御部70'aでコントラスト算出部70'a1を動作させ、コントラスト算出部70'a1で、ステップSD−28で撮像した画像から当該画像のコントラストを算出し、情報処理装置70'の制御部70'aで、算出したコントラストの値を、変数Ck+1に代入すると共に、画像等ファイル70'b1の所定の記憶領域に格納する(ステップSD−29)。
つぎに、焦点位置決定装置1'は、情報処理装置70'の制御部70'aで、変数Nに、当該Nの値の半分(N/2)の値を代入する(ステップSD−30)。
つぎに、焦点位置決定装置1'は、情報処理装置70'の制御部70'aで焦点位置決定部70'a2を動作させ、焦点位置決定部70'a2でCkの値とCk+1の値との大小を比較し、「Ck=Ck+1」でない場合(ステップSD−31:No)には、情報処理装置70'の制御部70'aで対物レンズ移動部40'を動作させ、対物レンズ移動部40'で対物レンズ30'を光軸(z軸)の負(−)方向に、ステップSD−30で更新された移動ステップ数Nだけ移動させ(ステップSD−32)、情報処理装置70'の制御部70'aでCk+1の値をCkに代入すると共にZk+1の値をZkに代入して(ステップSD−33)、ステップSD−28へ戻る。また、焦点位置決定装置1'は、「Ck=Ck+1」であった場合(ステップSD−31:Yes)には、焦点位置決定部70'a2で、Ckの値がコントラストの極小値であると判断すると共に、当該極小値に対応する対物レンズ30'の位置が試料10'の観察対象部位10'aに合うような対物レンズ30'の焦点位置であると決定し、Ckが得られたときの対物レンズの位置Zkの値を、予め設定した変数Zminへ格納する(ステップSD−34)。
そして、焦点位置決定装置1'は、情報処理装置70'の制御部70'aで対物レンズ移動部40'を動作させ、対物レンズ移動部40'で、対物レンズ30'を変数Zminの値に対応する位置へ移動する(ステップSD−35)。
これにて、図34および図35に示す焦点位置決定処理の説明を終了する。
以上、説明したように、第3実施形態の焦点位置決定装置1'は、対物レンズの位置を移動させながら試料を撮像すると共に対物レンズの焦点位置を計測し、撮像した画像に基づいて、画像を構成する各画素の画素値の最大値と最小値との差であるコントラストを算出し、算出したコントラストおよび計測した対物レンズの焦点位置に基づいて観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置を決定する。これにより、試料内の特定の部位を観察対象部位として当該観察対象部位の発光観察を行う場合、試料を設置した時点で、当該観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置を決定することができ、その結果、対物レンズの焦点位置を当該観察対象部位に合わせることができる。また、試料内の発光部位の発光観察を行う際、当該発光部位からの発光を確認しなくても、試料内の発光部位に対物レンズの焦点を合わせることができる。
なお、第3実施形態の焦点位置決定装置1'は、算出したコントラストを他のものと比較してその極小値を1つ探索し、探索した極小値の元となる画像を撮像したときの対物レンズの焦点位置を、観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置として決定してもよい。具体的には、第3実施形態の焦点位置決定装置1'は、対物レンズをステップ毎にz軸方向に移動し、それぞれのステップで画像のコントラストを比較し、画像のコントラストが極小となるときの対物レンズのz軸位置を、観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置として決定してもよい。これにより、試料内の観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置を容易に決定することができる。
また、第3実施形態の焦点位置決定装置1'は、算出したコントラストを他のものと比較してその極大値を2つ探索し、探索した各極大値の元となる画像を撮像したときの対物レンズの焦点位置の中間を、観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置として決定してもよい。具体的には、第3実施形態の焦点位置決定装置1'は、対物レンズをステップ毎にz軸方向に移動し、それぞれのステップで画像のコントラストを比較し、画像のコントラストが極大となるときの対物レンズのz軸位置を2箇所決定し、この2箇所の極大値に対応する対物レンズのz軸位置の中間位置を、試料内の観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置として決定してもよい。これにより、試料内の観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置を容易に決定することができる。
また、第3実施形態の焦点位置決定装置1'は、対物レンズの位置を、その移動量を段階的に減らしながら移動させてもよい。具体的には、第3実施形態の焦点位置決定装置1'は、対物レンズのz軸方向の移動の幅を移動のステップ毎にほぼ半分にして、対物レンズを移動させてもよい。これにより、試料内の観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置を迅速に決定することができる。
また、第3実施形態の焦点位置決定装置1'は、コントラストを、画像を構成する各画素の画素値のうち最大値を含む複数の上位の画素値の平均値と、画像を構成する各画素の画素値のうち最小値を含む複数の下位の画素値の平均値との差として定義してもよい。これにより、撮像した画像に擬似信号(例えば反射光や散乱光などのノイズ光によるものなど)が入り込んでいても、当該画像から信頼性の高いコントラストを算出することができる。
[II]以下に、本発明にかかる微弱光検出装置および微弱光検出方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
[第1の実施の形態]
図36から図37を用いて、第1の実施の形態の構成について説明する。図36は倒立型顕微鏡をベースとする微弱光検出装置の概略図である。微弱光検出装置は、光源A2と、光源A2から発せられた光を平行光とし、被験試料A4へ導くための照明光学系A1と、被験試料A4の像を生成するための観察光学系A5と、被験試料A4の像を拡大して目視観察するための接眼レンズA6と、被験試料A4の像を撮像するための撮像素子A7を有するCCDカメラA8とにより構成されている。またCCDカメラA8には、テレビモニターを兼ねるコンピューターA16が信号ケーブルA100によって接続されている。
照明光学系A1は、光源A2側から順に、コレクターレンズA10、照明光の光軸A11を偏向させるための偏向ミラーA12、及びコンデンサレンズA14により構成される。光源A2はハロゲンランプ、LED光源、タングステンランプ、水銀ランプなどの可視域の波長のインコヒーレント光源を用いる。あるいはレーザーのようなコヒーレント光源の光を拡散板などを用いてインコヒーレントな光に変えて、光源として用いても良い。光源の波長は通常、可視光を用いるが、赤外光を用いても良い。
観察光学系A5は、被験試料A4側から順に、被験試料A4の像を形成するための対物レンズA15、第1のリレーレンズA16、対物レンズA15からの光を偏向するための偏向ミラーA17、第1のリレーレンズA16と共に対物レンズA15の像(被験試料A4の像)を結像面A19に結像させるための第2のリレーレンズA18により構成される。また、第2のリレーレンズA18と結像面A19との間には、被験試料A4の像を接眼レンズA6による目視観察とCCDカメラA8による観察が任意に切り替えることができるように、切替ミラーA20が配置されている。なお、切替ミラーA20は機械的な切り替えタイプ以外に、ハーフミラーを用いて2つの光路を分離するようにしても良い。
次に本発明による微弱光検出装置の構成について、図37を用いて説明する。被験試料はシャーレなどの試料容器A21に、培養液と共に入れられる。試料容器A21の周囲には水槽A22が配置されており、この水槽A22内に純水がノズルA23を通して供給される。この純水は試料容器内の湿度を保つために送られる。また水槽A22の上面にはガス供給チューブA24を通してCO2ガスが供給される。CO2ガスは測定装置本体の外部に置かれたガスボンベA25から供給される。図39参照。ガスボンベ内はCO25%、O295%の混合ガスで満たされている。CO2ガスはガスボンベA25から試料容器A21が入ったフタ付き密閉容器A30内へ、ガス供給チューブA24を通って、50mL/minの流速で供給される。また、試料容器全体はヒートプレートA27の上に乗っている。ヒートプレートA27は温度コントローラー(図示しない)により環境温度の設定が0.5°ステップ間隔で行なわれている。試料容器A21の底面は顕微鏡用カバーガラスと同じ材質で、厚さ0.17mmになっており、通常の対物レンズが対応できるようになっている。試料容器A21の底面は光学的に透明になっている。なお、試料容器A21はシャーレに限ることなく、スライドガラス、マイクロプレートなどを用いても良い。
試料容器A21の上面には試料容器フタA26が、試料容器A21の上面前面を覆って、かぶせられるように配置されている。試料容器フタA26は光学的に透明なアクリル樹脂などの合成樹脂でできており、試料容器A21内の被験試料A4内にゴミなどの異物が侵入することを防いでいる。また、試料容器A21内の被験試料A4が蒸発することも防いでいる。水槽A22を含めた試料容器A21はフタ付き密閉容器A30内に収められている。フタ付き密閉容器A30は光学的に透明なアクリル樹脂などの合成樹脂でできており、上面には蝶番A32を介して、フタA31が取り付けられている。フタA31は蝶番A32により、手動で開閉することができる。
試料ステージA3には2個のステッピング・モーター(図示しない)がそれぞれ90°方向に別々に取り付けられており、それぞれのステッピング・モーターは試料ステージコントローラーに接続されている。試料ステージコントローラーはコンピューターA16に接続されており、コンピューターA16からの指令により、2個のステッピング・モーターを駆動し、試料ステージA3をX方向、Y方向に移動させる。試料ステージA3下方には対物レンズA15が倒立に配置されており、対物レンズヒーターA28が対物レンズA15に接触して周囲に取り付けられている。対物レンズヒーターA28は温度調整装置につながれており、0.5°ステップ間隔で温度コントロールが行なわれ、対物レンズを外側から一定温度に保持している。また、対物レンズヒーターの周囲には対物レンズZ軸駆動機構A9が備えられており、対物レンズA15をZ軸(光軸方向)に沿って自動的に駆動する。対物レンズZ軸駆動機構A9はラックピニオン機構(図示しない)で対物レンズを上下に移動させる。ラックピニオン機構のノブの回転動作はコンピューター制御されたステッピングモーター(図示しない)により行なう。なお、対物レンズZ軸駆動機構A9はラックピニオン機構のほかに、フリクションローラー機構で行なっても良い。
受光器はCCD(Charge Coupled Device)カメラを用いる。図39を用いて、受光部分の構成を説明する。CCDカメラA8の受光面にある撮像素子の画素数は1,360×1,024となっている。被験試料から発せられた光が微弱光のため、受光器としてのCCDカメラA8はできる限り高感度のものを用いる。CCDカメラA8から発する暗電流を抑えるために、CCDカメラA8の底部にはペルチエ素子から成る冷却装置A29が備え付けられており、CCDカメラA8の温度を0℃程度で冷却保温する。CCDカメラA8の受光面の上方に赤外線カットフィルターを配置し、背景光となる赤外線を遮断する。CCDカメラには信号ケーブルを通してTVモニターが接続されており、TVモニター上に試料画像が描出される。CCDカメラは3板式カラーカメラとして、カラーの明視野像が得られるようにしても良い。
なお光検出器はCCDカメラに限ることなく、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサーやSIT(Silicon Intensified Target)カメラなどを用いても良いのは勿論である。
生物発光タンパク質による発光現象を測定する場合、試料セッティング時には発光強度がまだ極めて微弱で、ほとんど光信号として、受光器で検出することができない。従って、細胞の内部構造は通常、観察できない。すなわち、通常の顕微鏡観察のように、試料内の観察対象である細胞を確認しながら対物レンズのフォーカスを合わせることができない。そこで明視野像観察として、ハロゲンランプなどの光源からの光を照明光学系を通して、被験試料に投光し、被験試料による顕微鏡の明視野像を得て、これに基づいて対物レンズのフォーカス位置を決定する。すなわち、明視野観察において、高いコントラスト像が得られる、対物レンズの光軸上の2箇所の略中心位置を対物レンズのフォーカス位置とする。これにより、生物発光タンパク質による発光強度が大きくなってきたときに、CCDカメラに合焦された鮮明な発光像が得られる。対物レンズの焦点位置決定方法は先の実施例で詳細に説明した。
次に、第1の実施の形態の光学系の作用について図36に基づいて説明する。光源A2はコレクタレンズA10により平行光とされ、コンデンサーレンズA14の瞳位置に投影される。この光源A2の像は、コンデンサーレンズA14によってケーラー照明として被験試料A4を照明する。被験試料A4を照明した光は、被験試料A4を透過して対物レンズA15に入射する。対物レンズA15に入射した測定光は、対物レンズA15と第1のリレーレンズA16及び第2のリレーレンズA18により結像面A19に被験試料A4の像を形成する。ここでは倍率×20の対物レンズを用いている。
結像面A19に形成された被験試料A4の像は、接眼レンズA6にそのまま入射すると共に、切替ミラーA20により、CCDカメラA8の撮像素子A7上に結像する。CCDカメラA8の受光面の前方に赤外線カットフィルターA13が設置され、これにより背景光となる赤外線を遮断する。なお、対物レンズを移動させるに限らず、試料ステージA3を光軸に沿って移動させても良いことは勿論である。
次にディジタルズーム機能について、図39のブロック図に基づき、説明する。被験試料の画像はCCDカメラA8の撮像素子A7に入力され、ここでアナログの電気信号、すなわち画像信号に変換される。変換後の画像信号は信号処理回路A33に入力され、ここで増幅処理やフィルタリング処理、輪郭強調などの画像処理が施された後、ディジタルズーム回路A34に導かれる。画像信号はディジタルズーム回路A34によりA/D変換されてディジタル画像信号が生成されるとともに、このディジタル画像信号に対しCPU(Central Processing Unit)A35から与えられるディジタルズーム制御信号に応じてディジタルズーム処理が施される。そして、この処理後のディジタル画像信号は、表示制御回路A38を通ってTVモニタA37に入力され、TVモニタA37の画面上に被験試料の拡大画像が表示される。
一方、ディジタルズーム回路から出力されるディジタル画像信号は、記録再生制御回路A38にも入力される。記録再生制御回路A38は入力されたディジタル画像信号を、CPUA35から与えられる記録制御信号に基づいて、メモリスロット(図示しない)に収容されている着脱可能な記録媒体A39に記録する。記録媒体としてメモリカードが用いられる。また記録再生制御回路A38は、CPUA35から与えられる再生制御信号に応答して、記録媒体A39に記録されているディジタル画像信号を読み出す。この読み出されたディジタル画像信号は、表示制御回路A38を介してTVモニタA37に入力され、これによって、TVモニタA37の画面上に被験物体の画像が表示される。なお、画像の記録はメモリカードに限ることなく、例えばハードディスク、磁気ディスク、光磁気ディスクなどの記録媒体に記録しても良い。
また、CPUA35には図40に示すような操作パネルA40がつながれている。操作パネルA40には電源スイッチA46が備えられており、操作パネルA40の電源のオン・オフを行なう。操作パネルA40による指示で、CPUA35を介し、ディジタルズーム制御信号をディジタルズーム回路A34に供給する。このとき、CPUA35から発せられるディジタルズーム制御信号は、矩形波の連続パルス信号となっている。そして操作パネルA40には、録画ボタンA42および再生ボタンA43も組み込まれている。このうち録画ボタンA42をONすると、CPUA35は録画モードに入り、録画制御信号を生成して記録再生制御回路A38に供給する。一方、再生ボタンA43をONすると、CPUA35は再生モードに入り、上述した再生制御信号を生成して記録再生制御回路A38に供給する。このCPUA35の動作を制御するための制御プログラムは、メモリA41に記憶されている。
これらボタンの押圧操作によって操作基板からCPUA35に、各ボタンに対応した指示信号を出力して、ズーム中心位置、ズーム倍率などの調節を行なう。なお、図40においてはこれらシャッタボタンA48、ズーム拡大ボタンA43、ズーム縮小ボタンA44、十字カーソルボタンA45を例として示し、他の操作部材はその表記を省略する。
以上の説明から判るように、この第1実施の形態の微弱光測定装置は、取得された画像信号をディジタル処理することによって、ズーム倍率を調整可能なディジタルズーム機能を有している。ディジタルズーム機能によるズーム倍率Mは、最大で4.0倍であり、上述したディジタルズーム制御信号に従ってディジタルズーム回路A34を制御することで、M=1.00〜4.00の範囲内で当該ズーム倍率Mを可変できる。なお、ディジタルズーム機能を担うディジタルズーム回路A34については、公知の技術を用いているので、ここでは説明を省略する。
前記デジタル信号処理部は、アナログ信号処理部(A/D変換器)から入力された画像データに、必要に応じてガンマ補正などのデジタル処理を施すほか、CPUA35からの制御信号に基づいて、CCDによって取り込まれた画像データ(CPUの全画素領域の画像データ)からデジタルズーム領域の画像データを取り込む画像取込手段として用いられる。すなわち、デジタル信号処理部にCPUA35からズーム倍率およびズーム中心位置を制御する制御信号が入力されることで、該ズーム中心位置を中心とした該ズーム倍率の画像データを切り出して1画面分の画像を生成し、この画像をデジタルズーム領域の画像として取り込むことができる。
特にデジタル信号処理部では、ズーム中心位置およびズーム倍率をオペレーターに視覚的に示すため、取り込んだデジタルズーム領域の画像を表示メモリに出力し、TVモニタA37に表示させることができる。これにより撮影者はズーム中心位置を把握できるほか、前記十字カーソルボタンA45を押圧操作することで、ズーム中心位置を任意位置に移動でき、所望の位置でズーム中心位置を指定できる。また、ズーム拡大ボタンA43、ズーム縮小ボタンA44を押下操作することで、デジタルズーム領域を変化させて所望のズーム倍率に指定できる。
前記メモリカードA39は画像データを記録保存する。図40に示すように、モードスイッチA47を撮像モードとし、シャッターボタンA48の押下操作により、画像の記録指示入力があると、CPUA35からデジタル信号処理部に制御信号が出力され、CCDから1コマ分の画像データが読み込まれ、デジタル信号処理部にてデジタル信号処理が施された後、この画像データがメモリA41に書き込まれる。メモリA41に書き込まれた画像データは圧縮回路によって圧縮処理されて、記録再生制御回路A38によってメモリカードA39に記録され、保存される。
表示画像のズーミングはデジタルズームに限ることなく、光学ズームを用いて行なっても良い。光学ズームはズームレンズにより行なう。光学ズームは通常行なわれているように、CCDカメラと第2のリレーレンズの間の焦点距離をステッピングモーターによるモーター駆動で、光軸に沿って移動させて行なう。ズームレンズの構成は3変倍レンズ群、収差補正などを行なう補正レンズ群、およびフォーカス調整を行なうフォーカスレンズから成り、レンズの焦点距離を10段階で手動、または自動で変化できるようになっている。ズームレンズの駆動はズームレンズの周囲に取り付けられたズームモーターの作動により行なわれる。ズームモーターは超音波モータなどが用いられており、CPUA35から発せられる制御信号に基づいて、レンズを光軸に沿って移動させる。
[第2の実施の形態]
(蛍光と生物発光の同時測定)
デジタルズームと光学ズームを同時に行なうことができ、また、蛍光と生物発光の同時測定を行なうことができる微弱光検出装置の光学系の概略を図41に示す。なお、光学系の構成や動作については、励起用光学系A49が追加されている以外は、基本的に図36の第1の実施の形態で説明した内容と同じである。基本的な構成は倒立型光学顕微鏡をベースに用いている。そして照明用光源、試料ステージ、対物レンズ、コンピューターが付属する。光学系は光をシャーレなどの試料容器A21内の被験物体A4に導く照明光学系A1、そして、被験物体A4から発せられた微弱光をCCDカメラA8に導く観察光学系A5より構成される。
励起用光学系A49は励起光源A50、コリメートレンズA51、偏向ミラーA52、切り替式ダイクロイックミラーA53より構成される。励起光源は通常、アルゴンレーザー、ヘリウムネオン・レーザーなどの可視域のガスレーザーが用いられる。また、切り替式ダイクロイックミラーA53は励起光源の発振波長の光を反射し、螢光、および発光信号のスペクトルを透過させるスペクトル特性を持っている。
本体外部には励起光源A50が備えられている。励起光源A50は波長488nm、出力10mWのアルゴン・レーザーである。レーザー光はコリメートレンズによりビーム幅を有する円形の平行光束に変換されて偏向ミラーA52で反射され、観察光学系A5に設置された切り替式ダイクロイックミラーA53に入射する。観察光学系A5に入射したレーザー光は、切り替式ダイクロイックミラーA53により反射されて対物レンズA28に下から入射し、試料容器A21内の被験試料A4に集光して照射される。切り替式ダイクロイックミラーA53はホルダー(図示しない)に収められており、励起レーザー光の発振波長に合わせて、交換可能に設置される。なお、励起光源A50の波長を変更する必要がなければ、切り替式ダイクロイックミラーA53を用いず、通常のダイクロイックミラーを固定して観察光学系A5の中に設置しても良い。
細胞画像を得るためにNA(開口数)0.9程度の開口数の対物レンズを用いる(空気中の場合)。液浸された被験試料に対しては1.0以上の高NAの対物レンズを用いる。被験試料A4から発せられた蛍光信号、あるいは発光信号は再び対物レンズA15を通って、装置本体の観察光学系A5を通過し、切り替式ダイクロイックミラーA53に達する。そして切り替式ダイクロイックミラーA53を透過し、第1のリレーレンズA16、第2のリレーレンズA18を通って、切り替ミラーA20で反射され、CCDカメラA8内の撮像素子A7の受光面に焦点を結ぶ。
被験試料から発せられた蛍光信号、あるいは発光信号は切り替ミラーA20を光路から取り外した場合は、結像面A19で結像した後、接眼レンズA6に到達し、画像を直接、観察者が観察することができる。
CCDカメラA8からの光信号は微弱光装置本体外部に置かれたコンピューターA16に送られ、コンピューターA16により、発光画像の描出、解析、また発光強度の時間測定、信号解析などが行なわれる。解析結果はコンピューターA16のモニター画面上に表示される。すなわち、コンピューターA16は試料画像を描出するのみでなく、発光強度の時間変化などの解析も行なう。
蛍光色素としてローダミン・グリーン(Rhodamine Green:RhG)を用いる。螢光物質として、ローダミン・グリーン(Rhodamine Green:RhG)以外に、例えばTMR(Tetramethylrhodamine)、5−Tamra(5−carboxytetramethylrhodamine)などを用いても良い。この場合、螢光物質TMRを励起するために、波長514.5nmのアルゴンレーザー、螢光物質5−Tamraを励起するために波長543.5nmのHe・Neレーザーなどを励起レーザー光源として用いればよい。その他螢光色素としてFITC(Fluorescein−isothiocyanate)、TOTO 1、Acridine−Orange、Texas−Redなどを用いても良い。
図42にデジタルズームと光学ズームを同時に行なうことができ、また、蛍光と生物発光の同時測定を行なうことができる微弱光検出装置の実施例を示す。測定装置本体はアルミニュウムなどの金属板の表面を黒色塗装し、ボックス型に組み合わせた構造の遮光ボックスA54内に入れられ、底板A55に止め具A56で固定されている。遮光ボックスA54は上面に遮光フタA57が分離して取り付けられており、遮光フタA57の一端は遮光ボックスA54本体と蝶番A58で連結され、遮光フタA57は扇状に手動、または自動で開閉できるようになっている。
照明用の光源として、例えばハロゲンランプ、あるいはメタルハライドランプなどのインコヒーレント光源を用いる。照明用の光源は光源ボックスA59内に設置されている。光源ボックスA59からは照明用光ファイバーA60を通して試料ステージA3上の試料容器A21上面から照明光を導き、被験試料A4全体を照明する。観察光学系では第1の実施例で用いた偏向ミラーは用いず、対物レンズA15により集光した被験試料A4から発せられた信号光を、レンズA67を通してCCDカメラA8で受光する。
微弱光測定装置本体外部にはレーザー光源A61が励起光源ボックスA62内に固定されており、レーザー光源A61を出射したレーザー光は励起光源ボックスA62内に取り付けられ、固定されたコリメーターレンズA63により、ビーム直径が拡大された平行光となり、遮光ボックスA54に配設されれた円形のレーザー入射口A64を通して、装置本体に入射する。レーザー光源A61として、波長488nm、出力10mWのアルゴン・レーザーを用いる。レーザー入射口A64を通して微弱光測定装置本体に入射したレーザー光は、切り替式ダイクロイックミラーA65に到達し、切り替式ダイクロイックミラーA65により反射されて、対物レンズA15に下部から入射し、被験試料A4に集光して照射される。切り替式ダイクロイックミラーA65は励起光源の波長領域を含み、この波長領域より短い波長領域の光を反射し、励起光源の波長領域よりも長い波長領域の光を透過させる光学特性を持っている。切り替式ダイクロイックミラーA65は鏡筒A70内でホルダーA72に収められている。このホルダーA72内に取り付けられた切り替式ダイクロイックミラーA65は、励起レーザー光の発振波長に合わせて、交換可能に設置される。
鏡筒A70は鏡筒上部A78、鏡筒下部A66に分離しており、鏡筒上部A78、鏡筒下部A66は連結されている。鏡筒上部A78は支柱A73に鏡筒Z軸駆動機構A76を介して保持されている。鏡筒上部A78は鏡筒Z軸駆動機構A76の駆動動作により、光軸に沿って上下移動できるようになっている。なお、鏡筒Z軸駆動機構A76はラックピニオン機構により光軸に沿って、鏡筒上部A78の位置を上下移動できるようになっている。
微弱光測定装置本体に取り付けられた鏡筒下部A66にはレンズA67が配置されており、そのZ軸上のフォーカス位置に受光面のほぼ中心が合うようにCCDカメラA8が取り付けられている。レンズA67はズームレンズになっている。ズームレンズの動作については第1の実施の形態で述べているので、説明を省略する。試料から発せられた光が微弱光のため、CCDカメラA8はできる限り高感度のものを用いる。ここで、CCDカメラA8の画素数は1,360×1,024となっている。CCDカメラA8から発する暗電流を抑えるために、CCDカメラA8の底部にはペルチエ素子から成る冷却装置A29が装着されており、CCDカメラA8の温度を0℃程度で冷却保温する。CCDカメラA8の受光面の上方に赤外線カットフィルターA68を設置し、背景光となる赤外光を遮断する。ただし、赤外光を信号光として取り出す場合は、この赤外カットフィルターA68を測定の前に鏡筒下部A66から取り外しておく。CCDカメラA8の出力部には信号ケーブルA69を通して焦点検出部、続いて位置検出部、さらにコンピューターA16が接続されており、コンピューターA16に付属したTVモニターA72上に試料画像が描出される。CCDカメラA8は3板式カラーカメラとして、カラーの明視野像が得られるようにしても良い。なお、本体架台は鏡筒A70をスライド上下させて、位置調整することができる。
試料容器A21はXY試料ステージA3の上に止めピン(図示しない)で固定される。XY試料ステージはXY平面に沿って、ラックピニオン機構により自在にXY平面上の位置を移動できるようになっている。試料容器A21の下方に対物レンズA15が設置されている。対物レンズA15は対物レンズZ軸駆動機構A9に取り付けられており、光軸(Z軸)に沿って移動できる。対物レンズZ軸駆動機構A9は導線A69によって、微弱光検出装置外部に設置された焦点検出部A70に接続し、焦点検出部A70から位置検出部A71に繋がれ、位置検出部A71の出力信号がコンピューターA16に付属したTVモニタA72に出力される。一方、導線A69は分岐され、CCDカメラA8の出力信号は信号処理部A74に導かれ、信号処理部A74の出力信号はコンピューターA16に接続されている。
細胞から発せられた蛍光、あるいは発光信号は、対物レンズA15、および切り替え式ダイクロイックミラーA65を透過し、鏡筒下部A66に取り付けられたレンズA67を通過して、CCDカメラA8の受光面に集光される。
微弱光測定装置本体はベース架台A75に固定されている。ベース架台A75は支柱A73に取り付けられており、ベース架台A75は上下移動できるようになっている。鏡筒下部A66はベース架台A75の上に止め具(図示しない)により固定されている。また支柱A73、ベース架台A75は底板A55の上に固定されている。
次に動作を説明する。CCDカメラA8から得られた、照明光源による被験試料の照明画像の信号を信号処理部A74に導き、各画素からの出力強度信号を統計処理して、光信号強度分布を得る。対物レンズZ軸駆動機構A9と連動し、対物レンズZ軸駆動機構A9を動作させて、対物レンズA15を光軸に沿って適当量、移動させる。対物レンズZ軸駆動機構A9は対物レンズ駆動装置A77に信号ケーブルを介して繋がれており、対物レンズ駆動装置A77による指令に基づいて、対物レンズZ軸駆動機構A9が作動し、対物レンズA15を自動的に上下動させることができる。
対物レンズA15の移動ステップ毎にCCDカメラA8からの光出力信号を信号処理部A74で信号解析し、高コントラスト画像が得られる対物レンズA15の光軸上の位置を検出する。上下2箇所の高コントラスト画像が得られる対物レンズA15の光軸上の位置を見つけ出し、信号処理部A74で計算を行なって、上下2箇所の略中央位置を被験試料A4の発光位置とする。続いて、対物レンズZ軸駆動機構A9を動作させて、この位置に対物レンズA15を移動させる。これによって、対物レンズA15のフォーカス位置が決定されたので、この位置で対物レンズA15を固定し、被験試料A4から発せられる蛍光信号、ならびに発光信号をCCDカメラA8で受光する。対物レンズの焦点位置決定方法は先の実施例で詳細に説明した。
対物レンズA15は交換可能に対物レンズZ軸駆動機構A9に取り付けられている。対物レンズA15の倍率を上げて被験試料A4を撮像すると、得られた画像は暗くなる。細胞などの被験試料A4は培養液中で動く。高倍率の対物レンズでこれを観察すると、視野が狭くなり、場合によっては被験試料A4が動いて、視野からいなくなってしまうことがある。従って、まず、×10、×20といった低倍率の対物レンズで被験試料A4を観察する。そして、被験試料A4の所望の位置を確認してマウスやキーボードを用いて指定し、試料画像のズームアップを行なう。あるいは、発光画像における発光部分と、それ以外の部分の光強度について、スレショッドを決めて2値化し、発光部分の領域を求め、この領域についてズームアップを行なっても良い。
なお、信号処理部A74を省略し、信号処理部A74の機能をコンピューターA16の機能に兼ねて用いても良い。
対物レンズZ軸駆動機構A9は導線A69によって、微弱光検出装置外部に設置された焦点検出部A70に接続し、焦点検出部A70から位置検出部A71に繋がれ、位置検出部A71の出力信号がTVモニタに出力される。
(測定手順)
1)ディジタルズームまたは光学ズームのいずれかを行なう場合の測定手順を以下に示す。
デジタルズームを行なう場合のフローチャートを図38に示す。
1.被験試料(細胞)を培養液が入ったシャーレ(試料容器)に浸す。
2.光源による照明開始。
3.受光器の電源を入力し、被験試料(細胞)の画像を描出。焦点位置決定方法および装置を用いて、被験試料の焦点位置を決定し、対物レンズを焦点位置に移動する。
4.得られた画像のうち、所望の領域を指定。
5.光源による照明終了。
6.励起光源を入力。
7.被験試料(細胞)の蛍光画像を描出。
8.励起光源の電源を落とす。
9.被験試料(細胞)の発光画像を描出。
10.ディジタルズームを行なう場合、所望の発光領域を指定。
11.ディジタルズーム駆動。
12.デジタルズームを行なって所望のズーム画像が得られた場合、対物レンズの焦点位置決定動作を行ない、対物レンズを被験試料の焦点位置に移動する。その後、これをTVモニタ上に表示、またはメモリカードに入力。デジタルズームを行なって所望のズームが得られなかった場合、発光領域の指定をやり直す、或いは焦点位置のずれ量をデジタル画像解析により算出して、ずれ量に応じた補正位置に対物レンズを移動して9.に戻る。
13.終了。
ただし、蛍光画像の重ね合わせが不要な場合は、励起光源による細胞内の所望の部位に標識された蛍光物質の励起は行なわない。発光画像だけでも同様に対物レンズの焦点位置検出を行ない、対物レンズを焦点位置に移動し、デジタルズーム、あるいは光学ズーム、あるいはデジタルズームと光学ズームの両方を行うことができる。焦点位置決定方法および装置を用いて、被験試料の焦点位置を決定するタイミングは、得られた画像のうち、所望の領域を指定した後、すなわち4.の後に行なってもよい。また、必要に応じて、対物レンズの焦点位置決定動作は3.または12.のうちいずれか1回でもよい。
2)ディジタルズームと光学ズームを同時に行なう場合の測定手順を以下に示す。
フローチャートを図43に示す。
1.被験試料(細胞)を培養液が入ったシャーレ(試料容器)に浸す。
2.光源による照明開始。
3.受光器の電源を入力し、被験試料(細胞)の画像を描出。焦点位置決定方法および装置を用いて、被験試料の焦点位置を決定し、対物レンズを焦点位置に移動する。
4.得られた画像のうち、所望の領域を指定。
5.光源による照明終了。
6.励起光源を入力。
7.被験試料(細胞)の蛍光画像を描出。
8.励起光源の電源を落とす。
9.被験試料(細胞)の発光画像を描出。
10.所望の発光領域を指定。
11.デジタルズームを行なう場合、上述した測定手順1)の10.〜12.を行う。但し、この測定手順2)ではずれ量の算出を行わずに、デジタルズームで得た画像では所望の画像が得られないとオペレータが判断した場合には光学ズーム駆動(図42のズームレンズA67の移動)を行って発光画像を描出(表示)する。
12.光学ズーム駆動。対物レンズの焦点位置決定動作を行ない、対物レンズを被験試料の焦点位置に移動する。
13.終了。焦点位置決定方法および装置を用いて、被験試料の焦点位置を決定するタイミングは、得られた画像のうち、所望の領域を指定した後、すなわち4.の後に行なっても良い。また、必要に応じて、対物レンズの焦点位置決定動作は3.または12.のうちいずれか1回でもよい。
ただし、蛍光画像の重ね合わせが不要な場合は、励起光源による細胞内の所望の部位に標識された蛍光物質の励起は行なわない。発光画像だけでも同様に対物レンズの焦点位置検出を行ない、対物レンズを焦点位置に移動し、デジタルズーム、あるいは光学ズーム、あるいはデジタルズームと光学ズームの両方を行うことができる。デジタルズーム、及び光学ズームを行なった後、さらに対物レンズの焦点位置決定動作を行なうことにより、試料内の所望の領域において、より鮮明な画像を得ることができる。
以上、本発明を実施の形態によって説明したが、上述した説明から導出されるあらゆる発明を包含しており、その均等物にも及ぶ。また、本発明は、上述した実施の形態に制限されず、種々の変更が可能であり、それらの設計物ないし製造物もしくは使用する方法を包含する。なお、第2の実施の形態では、デジタルズーム画像により発光量の計測を行うとともに、光学ズーム画像により観察用画像を得るような併用も可能である。このようなデジタル画像と光学画像を併用する場合には、タイムラプスによる連続的な発光量の計測を行いながら、別途、高倍率での鮮明な発光画像を描出することが可能である。
また、蛍光と異なり、生物発光のような極めて微弱な発光画像は、画像形成に必要な発光シグナルを所定時間露光する蓄積時間が被験試料の種類に応じて10〜60分と長い画像形成時間を必要とする。単に、光学ズームしようとして倍率を高くした場合に低倍率におけるよりも長い露光時間を必要とする。これにより、光学ズームにより微弱発光画像を取得するようにすると、低倍率の場合に対して高倍率の場合に2倍以上の露光時間が必要となり、画像形成だけで非常に長時間かかってしまう。一方、タイムラプスによる撮像を行う場合には、撮像間隔よりも長い露光時間では撮像出来ないので、なるべく短時間に拡大した微弱光画像を得る必要がある。撮像する被験試料の数が多いほど、デジタルズームにするのが好ましい。
なお、デジタルズーム画像は、光学ズーム画像と違って、既に取得済み画像をデジタルで拡大するだけで迅速に拡大画像が得られるので、低倍率の逐一の画像化モニタリング中に、いつでも所望の部位を指定して、その拡大画像を拡大する前の画像とともに並列表示できる。
本実施例では、第2実施形態の焦点位置決定装置1でプラスミドベクターを導入した複数のHeLa細胞に対物レンズの焦点を合わせ、複数のHeLa細胞の中から対象とするHeLa細胞を選定し、選定したHeLa細胞内のミトコンドリアからの発光量およびATP量を経時的に測定した。まず、本実施例における実験を、以下の(手順1)〜(手順7)に従って行った。
(手順1)蛍光タンパク質(GFP)とミトコンドリア移行シグナルとルシフェラーゼとが繋がった融合遺伝子を作製する。
(手順2)融合遺伝子が入ったプラスミドベクターをHeLa細胞に導入する。
(手順3)焦点位置決定装置1により、HeLa細胞内のミトコンドリアに対物レンズの焦点位置を予め合わせて、CCDカメラでHeLa細胞を照明下と照明無しのそれぞれで撮像し、撮像した撮像画像(蛍光画像)に基づいてGFPがミトコンドリアに局在しているか否かを判定することで、ルシフェラーゼがミトコンドリアに局在しているか否かを確認する(図23参照)。図23はプラスミドベクターを導入したHeLa細胞の照明画像および蛍光画像を示す図である。
(手順4)HeLa細胞にヒスタミンを投与し、Ca2+を介したミトコンドリアのATP量の変動を引き起こす。
(手順5)CCDカメラでHeLa細胞を照明下と照明無しのそれぞれで撮像することで、HeLa細胞内のミトコンドリアからの発光を捉えた発光画像を経時的に取得する(図24参照)。図24はプラスミドベクターを導入したHeLa細胞の照明画像および発光画像を示す図である。
(手順6)撮像した照明画像、蛍光画像および発光画像を重ね合わせることで、対象とするHeLa細胞を選定する。
(手順7)選定したHeLa細胞内のミトコンドリアからの発光強度の時間変化を測定すると共に、ATP量の時間変動をモニタする。
つぎに、実験結果について説明する。図23に示すように、番号1のHeLa細胞においては、プラスミドベクターにより融合遺伝子が導入され且つミトコンドリアにルシフェラーゼが局在していることが確認できた。また、番号2および番号4のHeLa細胞においては、プラスミドベクターにより融合遺伝子が導入されていないことが確認できた。さらに、番号3のHeLa細胞においては、プラスミドベクターにより融合遺伝子が導入されているがミトコンドリアにルシフェラーゼが局在していないことが確認できた。つまり、プラスミドベクターにより融合遺伝子が導入され且つミトコンドリアにルシフェラーゼが局在していることが確認できたHeLa細胞は番号1のHeLa細胞のみであったので、対象とするHeLa細胞は番号1のHeLa細胞に選定された。また、図24に示すように、番号3のHeLa細胞からの発光強度が最も大きく、ついで番号1のHeLa細胞からの発光強度が大きく、ついで番号2および番号4のHeLa細胞からの発光強度は同等の大きさであることが確認できた。そして、図25に示すように、番号1のHeLa細胞のミトコンドリアからの発光強度の経時変動をモニタすることができた。図25は、選定した番号1のHeLa細胞からの発光強度の時間変化を示す図である。
以上のように、本発明にかかる焦点位置決定方法、焦点位置決定装置、微弱光検出装置および微弱光検出方法は、生体細胞の発光観察、蛍光観察、蛍光・発光同時観察において、好適に実施することができる。また被験試料を設置した後、本実施例による対物レンズの焦点位置決定方法、または焦点位置決定装置を用いて、対物レンズの焦点位置を決定した後、被験試料の画像のデジタルズーム、または光学ズームを行なうことにより、画像拡大したときの画像が高コントラストで、しかも鮮明となり、画像を解析する上でも精度良く実施できるという利点がある。本発明の対物レンズの焦点位置決定方法、または焦点位置決定装置、さらにデジタルズーム、または光学ズームの方法、装置については、実施例で説明した生物発光タンパク質を含む生物試料に限らず、発光を伴わない通常の位相物体についても適用できる。

Claims (28)

  1. 試料内の観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置を決定する焦点位置決定方法であって、
    対物レンズの近点側の焦点位置および/または対物レンズの遠点側の焦点位置を求め、求めた焦点位置に基づいて前記観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置を決定することを特徴とする焦点位置決定方法。
  2. 試料内の観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置を決定する焦点位置決定方法であって、
    試料へ光を照射する光照射ステップと、
    対物レンズの焦点位置を変更する焦点位置変更ステップと、
    前記焦点位置変更ステップで変更した焦点位置を計測する焦点位置計測ステップと、
    前記焦点位置変更ステップで変更した焦点位置にて、前記光照射ステップで光が照射された試料を撮像する試料撮像ステップと、
    前記試料撮像ステップで撮像した撮像画像に基づいて撮像画像を特徴付ける特徴量を算出する特徴量算出ステップと、
    前記焦点位置変更ステップ、前記焦点位置計測ステップ、前記試料撮像ステップおよび前記特徴量算出ステップを繰り返し実行する実行ステップと、
    前記実行ステップを実行して蓄積した複数の焦点位置から、前記実行して蓄積した複数の特徴量に基づいて、少なくとも1つの焦点位置を選出する焦点位置選出ステップと、
    前記焦点位置選出ステップで選出した焦点位置に基づいて、前記観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置を決定する焦点位置決定ステップと、
    を含むことを特徴とする焦点位置決定方法。
  3. 前記焦点位置選出ステップでは、前記実行ステップを実行して蓄積した複数の焦点位置から、前記実行して蓄積した複数の特徴量に基づいて、2つの焦点位置を選出し、
    前記焦点位置決定ステップでは、前記焦点位置選出ステップで選出した2つの焦点位置に基づいて、当該2つの焦点位置の中央位置を、前記観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置として決定することを特徴とする請求項2に記載の焦点位置決定方法。
  4. 前記2つの焦点位置は、対物レンズの近点側の焦点位置および対物レンズの遠点側の焦点位置であることを特徴とする請求項3に記載の焦点位置決定方法。
  5. 前記焦点位置選出ステップでは、前記実行ステップを実行して蓄積した複数の焦点位置から、前記実行して蓄積した複数の特徴量に基づいて、1つの焦点位置を選出し、
    前記焦点位置決定ステップでは、前記焦点位置選出ステップで選出した1つの焦点位置および予め定めた距離に基づいて、当該焦点位置から当該距離だけ離れた位置を、前記観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置として決定することを特徴とする請求項2に記載の焦点位置決定方法。
  6. 前記1つの焦点位置は、対物レンズの近点側の焦点位置または対物レンズの遠点側の焦点位置であることを特徴とする請求項5に記載の焦点位置決定方法。
  7. 前記焦点位置決定ステップで決定した焦点位置にて試料を撮像する決定位置試料撮像ステップと、
    前記決定位置試料撮像ステップで撮像した撮像画像に基づいて特徴量を算出する決定位置特徴量算出ステップと、
    前記焦点位置決定ステップで決定した焦点位置を変更する決定後焦点位置変更ステップと、
    前記決定後焦点位置変更ステップで変更した焦点位置にて試料を撮像する決定後試料撮像ステップと、
    前記決定後試料撮像ステップで撮像した撮像画像に基づいて特徴量を算出する決定後特徴量算出ステップと、
    前記決定位置特徴量算出ステップで算出した特徴量と前記決定後特徴量算出ステップで算出した特徴量とを比較する特徴量比較ステップと、
    前記特徴量比較ステップで比較した結果、前記決定後特徴量算出ステップで算出した特徴量の方が大きかった場合には、前記決定後焦点位置変更ステップで変更した焦点位置を、前記観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置として再度決定する焦点位置再決定ステップと、
    をさらに含むことを特徴とする請求項2から6のいずれか1つに記載の焦点位置決定方法。
  8. 前記試料は生体細胞または組織であることを特徴とする請求項2から7のいずれか1つに記載の焦点位置決定方法。
  9. 試料内の観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置を決定する焦点位置決定装置であって、
    試料へ光を照射する光照射手段と、
    対物レンズの焦点位置を変更する焦点位置変更手段と、
    対物レンズの焦点位置を計測する焦点位置計測手段と、
    試料を撮像する試料撮像手段と、
    前記試料撮像手段で撮像した撮像画像に基づいて撮像画像を特徴付ける特徴量を算出する特徴量算出手段と、
    前記焦点位置変更手段、前記焦点位置計測手段、前記試料撮像手段および前記特徴量算出手段を繰り返し実行させるよう、各々の手段を制御する制御手段と、
    前記制御手段で前記各々の手段を繰り返し実行させたことにより蓄積した複数の焦点位置から、前記繰り返し実行させたことにより蓄積した複数の特徴量に基づいて、少なくとも1つの焦点位置を選出する焦点位置選出手段と、
    前記焦点位置選出手段で選出した焦点位置に基づいて、前記観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置を決定する焦点位置決定手段と、
    を備えたことを特徴とする焦点位置決定装置。
  10. 前記焦点位置選出手段は、前記蓄積した複数の焦点位置から、前記蓄積した複数の特徴量に基づいて、2つの焦点位置を選出し、
    前記焦点位置決定手段は、前記焦点位置選出手段で選出した2つの焦点位置に基づいて、当該2つの焦点位置の中央位置を、前記観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置として決定することを特徴とする請求項9に記載の焦点位置決定装置。
  11. 前記2つの焦点位置は、対物レンズの近点側の焦点位置および対物レンズの遠点側の焦点位置であることを特徴とする請求項10に記載の焦点位置決定装置。
  12. 前記焦点位置選出手段は、前記蓄積した複数の焦点位置から、前記蓄積した複数の特徴量に基づいて、1つの焦点位置を選出し、
    前記焦点位置決定手段は、前記焦点位置選出手段で選出した1つの焦点位置および予め定めた距離に基づいて、当該焦点位置から当該距離だけ離れた位置を、前記観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置として決定することを特徴とする請求項9に記載の焦点位置決定装置。
  13. 前記1つの焦点位置は、対物レンズの近点側の焦点位置または対物レンズの遠点側の焦点位置であることを特徴とする請求項12に記載の焦点位置決定装置。
  14. 前記特徴量算出手段で予め個別に算出した2つの特徴量を比較する特徴量比較手段と、
    前記特徴量比較手段で比較した結果に基づいて前記観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置を再度決定する焦点位置再決定手段と、
    をさらに備え、
    前記焦点位置決定手段で決定した焦点位置にて前記試料撮像手段で試料を撮像し、撮像した撮像画像に基づいて前記特徴量算出手段で特徴量を算出し、
    前記焦点位置決定手段で決定した焦点位置を前記焦点位置変更手段で変更し、変更した焦点位置にて前記試料撮像手段で試料を撮像し、撮像した撮像画像に基づいて前記特徴量算出手段で特徴量を算出し、
    前記決定した焦点位置に対応する特徴量と前記変更した焦点位置に対応する特徴量とを前記特徴量比較手段で比較し、比較した結果、前記変更した焦点位置に対応する特徴量の方が大きかった場合には、前記焦点位置再決定手段で、前記変更した焦点位置を、前記観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置として再度決定することを特徴とする請求項9から13のいずれか1つに記載の焦点位置決定装置。
  15. 前記試料は生体細胞または組織であることを特徴とする請求項9から14のいずれか1つに記載の焦点位置決定装置。
  16. 前記光照射手段を含む照明光学系の瞳位置に開口を配置したことを特徴とする請求項9から15のいずれか1つに記載の焦点位置決定装置。
  17. 前記開口を光軸に対して偏芯させて配置したことを特徴とする請求項16に記載の焦点位置決定装置。
  18. 前記光照射手段を含む照明光学系に狭帯域通過フィルターを配置したことを特徴とする請求項9から15のいずれか1つに記載の焦点位置決定装置。
  19. 前記光照射手段は単色の可視光を発することを特徴とする請求項9から18のいずれか1つに記載の焦点位置決定装置。
  20. 試料へ励起光を照射する励起光照射手段をさらに備えたことを特徴とする請求項9から19のいずれか1つに記載の焦点位置決定装置。
  21. 試料内の観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置を決定する焦点位置決定方法であって、
    対物レンズの位置を移動させながら試料を撮像すると共に対物レンズの焦点位置を計測し、撮像した画像に基づいて、画像を構成する各画素の画素値の最大値と最小値との差であるコントラストを算出し、算出したコントラストおよび計測した対物レンズの焦点位置に基づいて観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置を決定することを特徴とする焦点位置決定方法。
  22. 前記コントラストは、画像を構成する各画素の画素値のうち最大値を含む複数の上位の画素値の平均値と、画像を構成する各画素の画素値のうち最小値を含む複数の下位の画素値の平均値との差であることを特徴とする請求項21に記載の焦点位置決定方法。
  23. 算出したコントラストを他のものと比較してその極小値を1つ探索し、探索した極小値の元となる画像を撮像したときの対物レンズの焦点位置を、観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置として決定することを特徴とする請求項21または22に記載の焦点位置決定方法。
  24. 算出したコントラストを他のものと比較してその極大値を2つ探索し、探索した各極大値の元となる画像を撮像したときの対物レンズの焦点位置の中間を、観察対象部位に合うような対物レンズの焦点位置として決定することを特徴とする請求項21から23のいずれか1つに記載の焦点位置決定方法。
  25. 対物レンズの位置を、その移動量を段階的に減らしながら移動させることを特徴とする請求項21から24のいずれか1つに記載の焦点位置決定方法。
  26. 対物レンズの位置を、その移動量を前回の移動量の半分に減らしながら移動させることを特徴とする請求項25に記載の焦点位置決定方法。
  27. 生物由来の被験試料の微弱光画像を、光学的結像手段を用いて描出する微弱光検出方法であって、
    請求項1から8、請求項21から26のいずれか1つに記載の焦点位置決定方法用いて対物レンズの焦点位置を決定し、
    決定した焦点位置において前記被験試料の微弱光画像および/または明視野または暗視野画像を取得することを特徴とする微弱光検出方法。
  28. 生物由来の被験試料の微弱光画像を、光学的結像手段を用いて描出する微弱光検出装置であって、
    求項9から20のいずれか1つに記載の焦点位置決定装置を用いて対物レンズの焦点位置を決定し、
    決定した焦点位置において前記被験試料の微弱光画像および/または明視野または暗視野画像を取得することを特徴とする微弱光検出装置。
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