JP5270474B2 - 高周波接続配線基板、およびこれを備えた光変調器モジュール - Google Patents

高周波接続配線基板、およびこれを備えた光変調器モジュール Download PDF

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Description

本発明は、光通信などで数十GHzの高速で動作させる光デバイスや電子デバイスとそれらと駆動するための電気ドライバとの接続に適用する高周波接続配線基板、およびこれを備えた光変調器モジュールに関する。
高速電気接続配線を適用する代表的な光デバイスとして誘電体材料を用いた光変調器がある。近年、高速、大容量の光通信システムが実用化されているが、このような高速、大容量の光通信システムに組込むための高速、小型、かつ低価格の光変調デバイスの開発が求められている。
このような要望に応える光デバイスとして、リチウムナイオベート(LiNbO)のように電界を印加することにより屈折率が変化する、いわゆる電気光学効果を有する基板(以下、LN基板と略す)に光導波路と進行波電極を形成した進行波電極型リチウムナイオベート光変調器(以下、LN光変調器と略す)がある。このLN光変調器は、その優れたチャーピング特性から2.5Gbit/s、10Gbit/sの大容量光通信システムに適用されている。最近はさらに40Gbit/sの超大容量光通信システムにも適用が検討されている。
以下、従来、LN光変調器の概略とそれを実際にモジュール化する際に必要となる高周波接続配線基板について説明する。
(第1の従来技術)
図8に特許文献1に開示されたz−カットLN基板を用いたLN光変調器チップ30の斜視図を示す。また、図9には図8のA−A´における断面図を示す。z−カットLN基板1上に光導波路3が形成されている。この光導波路3は、金属Tiを1050℃で約10時間熱拡散して形成した光導波路であり、後で述べるようにマッハツェンダ干渉系(あるいは、マッハツェンダ光導波路)を構成している。したがって、光導波路3の電気信号と光が相互作用する部(相互作用部と言う)には2本の相互作用光導波路3a、3b、つまりマッハツェンダ光導波路の2本のアームが形成されている。
この光導波路3の上面にSiOバッファ層2とその上にz−カットLN基板1を用いて製作したLN変調器に特有の焦電効果に起因する温度ドリフトを抑圧するためのSi導電層2´を形成する。さらに、このSi導電層2´の上面に進行波電極4が形成されている。進行波電極4としては、1つの中心導体4aと2つの接地導体4b、4cを有するコプレーナウェーブガイド(CPW)を用いている。なお、通常、進行波電極4はAuにより形成されている。
変調用の10Gbps以上の高周波電気信号をこのLN光変調器チップ30の中心導体4aと接地導体4bに供給すると、中心導体4aと接地導体4b、4cの間に電界が印加される。z−カットLN基板1は電気光学効果を有するので、この電界により屈折率変化を生じ、2本の相互作用光導波路3a、3bを伝搬する光の位相にずれが発生する。このずれがπになった場合、光導波路3のマッハツェンダ光導波路としての合波部において、高次モードを励振し、その結果光はOFF状態になる。中心導体4aと接地導体4bの間に電圧を印加すると、光信号(あるいは、光出力)はON→OFF→ONを繰り返す。
LN光変調器チップを実際に使用する際には、パッケージの中に入れた、いわゆるモジュールとして使用する。図10にその模式的な上面図を示す。ここで、5は筐体であり、筐体5の一部が突出してなる(または別部材でなる)台座6に図8と図9に示したLN光変調器チップ30が固定されている。7a、7bは各々光入射用単一モード光ファイバ、及び光出射用単一モード光ファイバ、8は高周波コネクタ、9は高周波コネクタの芯線である。また、5´は筐体5に設けた空洞であり、高周波コネクタの芯線9とのセットによりほぼ50Ωの特性インピーダンスを実現している。
なお、図の説明を簡単にするために、台座6はLN光変調器チップ30と高周波接続配線基板Iの下方のみに設けられているとするが、本発明の適用範囲ははこれに限るものではないことはいうまでもない。
また、Iは高周波コネクタ(あるいは、RFコネクタ)9とLN光変調器チップ30とを電気的に接続するという極めて重要な役割をする高周波接続配線基板であり、特許文献2に開示された構成である。なお、10は高周波接続配線基板の本体である本体基板(以降、基板と呼ぶ)、11は高周波接続配線基板の中心導体、12と13は高周波接続配線基板の接地導体、14は台座6と接地導体12、13との電気的導通をとるためのビアホール、15は高周波接続配線基板と30とを電気的に接続するワイヤーである。これらの、高周波電気信号を外部からLN光変調器チップ30に入力するまでの構成は、高周波接続配線構造を構成している。
図11にこの高周波接続配線基板の部分的な斜視図、図12に部分的な拡大図を示す。この図からわかるように、特許文献2に開示された高周波接続配線基板は高周波コネクタの芯線9と電気的に接続する部分を含む領域II(つまり、高周波電気信号の入力部)ではマイクロストリップ線路としての構造を、CPW型の進行波電極構造を有するLN光変調器チップ30と電気的に接続する部分(つまり、高周波電気信号の出力部)を含む領域IIIではCPW(厳密には接地導体付CPW)としての構造をとっている。そのため、この構造はマイクロストリップ−CPW変換構造と呼ばれている。また、図12のB−B´での断面図を図13に示す。後の説明のために、マイクロストリップ構造の領域IIとCPW構造の領域IIIについて各々の長さをL、Lとする。
例えば、基板10として厚みが500μmのAlを用いた場合の高周波接続配線基板について考える。高周波接続配線基板Iの中心導体の高周波コネクタとの接続部の幅Sは500μmである。また、LN光変調器チップ30との接続部については、中心導体11の幅Sは250μm、中心導体11と接地導体12、13とのギャップWは120μmである。
ここで、図12のC−C´における断面図を図14に示す。ここで、9´は高周波コネクタの芯線9と高周波接続配線基板Iの中心導体11とを電気的に接続するための半田である。なお、図を簡単にするために、図10〜図13において半田9´を省略した。また、本明細書のほとんどの図面においても半田9´の表示を省略している。
図14において40は電気力線である。中心導体11と高周波コネクタの芯線9との接続部はマイクロストリップ構造であるので、この図からわかるように中心導体11と高周波コネクタの芯線9から発せられた全ての電気力線20´は金属である台座6に落ちている。
第1の従来技術による高周波接続配線基板について、SパラメータのS21とS11の周波数特性を図18に点線で示す。図からわかるように、この第1の従来技術では低周波でのS21とS11の特性は比較的良いが、高周波になるとS21とS11が著しく劣化する。
次に、この理由について考察する。マイクロストリップ領域IIでは、基板10の上側表面は当然のことながら筐体5の台座6と同電位とはなっていないが、CPW領域IIIでは基板10の上面に形成した接地導体12と13はビアホール14によりアースである筐体5の台座6と同電位である。
従って、マイクロストリップ領域IIを伝搬してきた高周波電気信号はCPW領域IIIにおいて基板10の上側表面がアースとしての電位を持たねばならない。そのために、マイクロストリップ領域IIとCPW領域IIIの境界において高周波電気信号としての位相が急激に変化する。このことは、電気信号の波長が短くなる(即ち、周波数が高くなる)に従って著しくなるため、図18に示すように第1の従来技術であるマイクロストリップ−CPW変換構造は高周波においてそのS21とS11の特性が劣化してしまう。
図19にマイクロストリップ領域IIの長さLとCPW領域IIIの長さLの和を一定とし、かつCPW領域IIIの長さLを変えた場合の高周波におけるS21とS11の特性について示す。図から、CPW領域IIIの長さLが長いほど、マイクロストリップ領域IIとCPW領域IIIにおける高周波電気信号の位相のずれが蓄積されて大きくなり、S21とS11ともに特性が劣化することがわかる。この傾向は周波数が高くなるほど顕著となる。
(第2の従来技術)
図15には第2の従来技術として高周波コネクタ9との接続部もCPW構造、いわゆるCPW−CPW変換構造を有する高周波接続配線基板の斜視図を、図16にはその上面図を示している。この第2の従来技術は特許文献2において従来技術として示されている。図16において、LN光変調器チップ30と接続する側の領域Vにおける中心導体16の幅Sや中心導体16と接地導体17、18とのギャップWは図12に示した第1の従来技術と同じである。
一方、高周波コネクタ9との接続部を含む領域IV(つまり、高周波電気信号の入力部)は図12に示した第1の従来技術のマイクロストリップ構造と異なり、通常のCPW構造となっている。ここで、中心導体16の幅Sと中心導体16と接地導体17、18とのギャップWは不図示の高周波コネクタとのインピーダンス整合を考えて各々400μm、140μmとした。なお、高周波コネクタ9と筐体5に設けた空洞5´の側壁とのギャップGは約200μmである。一般に、ギャップGとギャップWの間には、G>Wの関係が用いられて来た。また、19は接地導体17、18と筐体5の不図示の台座(図10の6を参照)と電気的な導通をとるビアホールである。
図17には図16のD−D´における断面図を示す。この図からわかるように、高周波コネクタの芯線9との接続部を含む領域IVは比較的ギャップが小さく構成された完全なCPW構造であることと、高周波コネクタの芯線9の直径は300μm程度と大きいため、電気力線41のほとんどは高周波コネクタの芯線9や中心導体16(さらには、半田9´)から接地導体17、18に飛んでおり、台座6へ落ちている量は少ない。
図18にはこの第2の従来技術のS21とS11の特性について一点鎖線で示している。図18からわかるように、この第2の従来技術では高周波領域におけるS21とS11の特性の劣化は第1の従来技術ほど大きくはない。しかしながら、大きな導体である高周波コネクタの芯線9と接地導体12、13との間に発生するキャパシタンスの影響が大きいため、第1の従来技術よりも低周波領域におけるS21とS11の特性の劣化が著しい。また、低周波において劣化した特性が高周波において改善されるわけではないので、結局全体的に特性が悪くなっている。
特公平7−013711号公報 特開2003−060403号公報
以上のように、従来技術では高周波コネクタからの高周波電気信号の変換効率、即ち伝送効率が悪かった。また、光デバイスの1つであるLN光変調器へ高周波電気信号を入力する際に用いた場合にあっては、結果的にLN光変調器としての変調効率を劣化させてしまうという問題があった。本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、小型で、高周波コネクタからの高周波電気信号の変換効率、さらにはLN光変調器への入力に用いた場合にあっては、LN光変調器の進行波電極への高周波電気信号の変換効率について大幅に改善された高周波接続配線基板を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1の高周波接続配線基板は、本体基板上に中心導体と接地導体とを有し、前記中心導体の一端側から10Gbps以上の高周波電気信号が入力され、前記中心導体の他端側から前記高周波電気信号が出力される高周波接続配線基板であって、前記高周波接続配線基板が台座を介して取り付けられる筐体には、前記高周波電気信号を外部から入力するための高周波コネクタが、その芯線が前記筐体と所定の距離Gを有した状態で前記筐体と固定され、また前記高周波コネクタの前記芯線と前記中心導体の前記一端側とが接続されており、前記中心導体の前記一端側において、前記中心導体の前記一端側における前記中心導体と前記接地導体との距離W3と前記距離Gとが 3 >Gの関係を有するとともに、当該距離W 3 が400μm〜3mmに設定され、これにより優れたS 21 とS 11 についての伝送特性を有することを特徴としている。
上記課題を解決するために、本発明の請求項の高周波接続配線基板は、請求項1の高周波接続配線基板において、前記距離W3と前記距離GとがW3>3Gの関係を有することを特徴としている。
上記課題を解決するために、本発明の請求項3の高周波接続配線基板は、請求項1または2の高周波接続配線基板において、前記高周波接続配線基板の厚みが略500μmである、もしくは500μmより薄いことを特徴としている。
上記課題を解決するために、本発明の請求項4の高周波接続配線基板は、請求項1乃至3のいずれか一項の高周波接続配線基板において、前記接地導体にビアホールが形成されていることを特徴としている。
上記課題を解決するために、本発明の請求項5の高周波接続配線基板は、請求項4の高周波接続配線基板において、前記ビアホールが、前記高周波コネクタの前記芯線が接続される部位の前記中心導体と相対向した部位の前記接地導体にも形成されていることを特徴としている。
上記課題を解決するために、本発明の請求項6の光変調器モジュールは、前記筐体内に光変調器チップが配置され、請求項1乃至5のいずれか一項の高周波接続配線基板を介して前記高周波電気信号が前記光変調器チップに入力されることを特徴としている。
本発明では、CPW−CPW変換を使用している。従って、従来のマイクロストリップ−CPW変換構造を含む高周波接続配線基板と異なり、高周波電気信号が伝搬するに際に位相が急激に変化する不連続部がない。また、高周波コネクタの芯線と接続する箇所では、高周波コネクタの芯線や中心導体と接地導体の間に形成されるキャパシタンスが極めて小さくなるように高周波接続配線基板の中心導体と接地導体とのギャップを充分広げている。その結果、本発明の高周波接続配線基板は低周波領域から高周波領域まで優れたS21とS11について伝送特性を有するという利点がある。
本発明の第1の実施形態に係わる高周波接続配線基板の斜視図 本発明の第1の実施形態に係わる高周波接続配線基板について部分的に拡大した上面図 図2のE−E´から見た簡略的な断面図 本発明の原理を説明する図 本発明の原理を説明する図 本発明の第2の実施形態に係わる高周波接続配線基板の斜視図 本発明の第2の実施形態に係わる高周波接続配線基板について部分的に拡大した上面図 従来のLN光変調器チップの概略構成を示す斜視図 図8のA−A´から見た簡略的な断面図 従来のLN光変調器に第1の従来技術の高周波接続配線基板を適用して製作したLN光変調器モジュールの概略構成を示す上面図 第1の従来技術の高周波接続配線基板について概略構成を示す斜視図 第1の従来技術の高周波接続配線基板について概略構成を示す上面図 図12のB−B´から見た簡略的な断面図 図12のC−C´から見た簡略的な断面図 第2の従来技術の高周波接続配線基板について概略構成を示す斜視図 第2の従来技術の高周波接続配線基板について概略構成を示す上面図 図16のD−D´から見た簡略的な断面図 第1の従来技術と第2の従来技術の高周波接続配線基板について問題点を説明する図 第1の従来技術の高周波接続配線基板について問題点を説明する図
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、ここでも光変調器モジュールに適用した場合で説明していく。図8から図19に示した従来技術と同一の符号は同一機能部に対応しているため、ここでは同一の符号を持つ機能部の説明を省略する。LN光変調器モジュールとしての態様は図10に示す従来技術の態様と同様である。
(第1の実施形態)
本発明の高周波接続配線基板に関する実施形態の一つについてその斜視図を図1に、その上面図を図2に示す。また、図2のE−E´における断面図を図3に示す。ここで、20は中心導体、21、22は接地導体、23は接地導体21、22と台座6との電気的な導通をとるビアホールである。
高周波接続配線基板の中心導体20について、高周波コネクタの芯線9との接続部の幅をS、接地導体21、22とのギャップをWとする。また、図2において、LN光変調器チップ30と接続する(つまり、高周波電気信号の出力部)側における中心導体20の幅Sや中心導体20と接地導体21、22とのギャップWは図12に示した第1の従来技術と同じである。
次に、本発明の動作原理について説明する。本発明では高周波接続配線基板の中心導体20と高周波コネクタの芯線9との接続部(つまり、高周波電気信号の入力部)において、中心導体20と接地導体21、22とのギャップWを図16に示した第2の従来技術における中心導体16と接地導体17、18とのギャップWよりも極めて広くなるように構成している。さらに、高周波接続配線基板の中心導体20と接地導体21、22とのギャップWを筐体5に設けた空洞5´内の高周波コネクタの芯線と空洞5´の側壁とのギャップGよりも広くしている(つまり、G<W)。具体的にはギャップGが約200μmに対し、高周波接続配線基板の中心導体20と接地導体21、22とのギャップWを400μmから3mmとした。
その結果、高周波コネクタの芯線9から筐体5に設けた空洞5´の側壁へ軸対称に分布していた電気力線が高周波接続配線基板に乗り移る際に、本実施形態は図16と同様のCPW構造を有している。そして、高周波コネクタの芯線9や中心導体20(さらには、半田9´)から接地導体21、22へ飛ぶ電気力線の量を充分少なくしている。図3によりこの様子が理解できる。つまり、電気力線42のうちごくわずかな量が接地導体21、22に飛んではいるが、電気力線42のほとんどは台座6に落ちている。このように本実施形態では、高周波コネクタの芯線9と接地導体21、22との間に形成されるキャパシタンスの影響が極めて小さくなるように構成している。
また、本実施形態において重要なことは、本実施形態は図12に示した第1の従来技術とは異なり、マイクロストリップ−CPW変換の構造をとっておらず、高周波コネクタの芯線9との接続領域VI、及び不図示のLN光変調器チップ30へ伝えるために高周波電気信号が伝搬する領域VIIともにCPW構造としている。
このように、図16に示した第2の従来技術と同じく、本実施形態もCPW−CPW変換の構造ということができる。その結果、図12の第1の従来技術において問題となったマイクロストリップ領域IIとCPW領域IIIとの接続部における位相ずれに起因する高周波電気信号のモードの乱れが生じることはない。この構造の変化に起因する位相ずれを生じさせないことが、高周波における低損失で安定な伝送を実現する上で極めて重要である。そして、本実施形態の場合には高周波コネクタの芯線9との接続領域VIにもビアホール23を設けることにより、接地導体21、22と台座6との電気的導通を図っている。
なお、台座6と筐体5は電気的に導通しているので、このビアホール23の代わりに、リボンやワイヤーなどを用いて、接地導体21、22と筐体5の壁との導通をとっても良い。さらには、高周波コネクタの芯線9との接続領域VIにも接地導体21、22を設けているので、例えビアホール23、あるいはリボンやワイヤーを使用しなくても、マイクロストリップ領域とCPW領域との接続部における位相ずれがなく、第1の従来技術よりも優れた特性を実現できる。
図4に本発明の第1の実施形態による高周波接続配線基板のS21とS11の特性を実線で示す。なお、比較のために第1の従来技術と第2の従来技術による特性を各々点線と一点鎖線で示す。図4からわかるように、本実施形態は低周波から高周波にいたるまで安定して優れたS21とS11を得ることができる。
図5には中心導体20と接地導体21、22とのギャップWと高周波コネクタの芯線と空洞5´の側壁とのギャップGとの比W/Gに対するS11の特性を示す。ここで、周波数は約30GHzとした。図からわかるように、一般的に実用上最低限必要とされる−10dBより優れた反射特性を得るにはG<Wが必要であるが、さらにそれよりも良い−10dB〜−15dB程度の反射特性を得るには3G<W程度必要であり、実用上ほぼ完全といえる特性を実現できる−15dBより優れた反射特性を得るには4G<W以上、最も好ましくは5G<Wとすれば良いことがわかる。
(第2の実施形態)
図6には本発明の第2の実施形態についてその斜視図を示す。また図7にはその上面図を示す。この実施形態では、不図示のLN光変調器チップ30に接続する箇所を含む領域IXにはビアホール26を設けているが、接地導体24、25について、中心導体20と高周波コネクタの芯線9とを接続する領域VIIIにはビアホール26を設けていない。
これまで説明してきたように、中心導体20と高周波コネクタの芯線9との接続には一般に半田を用いるので半田溶融時における部材の熱膨張係数の差により機械的な応力が掛かる。そのため、この領域VIIIにビアホール26がないということは機械的な強度が向上し、製作時の歩留まりが高いというメリットがある。そして、ビアホール26が無くても、第1の実施形態と異なり、領域VIIIにも接地導体24、25を設けているので、領域VIIIと領域IXの境界における高周波電気信号の位相ずれはほとんど無視できる。
また、第2の従来技術と異なり、本発明では中心導体20や高周波コネクタの芯線9と接地導体24、25との間のキャパシタンスが充分小さくなるように設定されている。このように、この第2の実施形態は機械的強度が高いばかりでなく、第1の実施形態や第2の実施形態よりも特性的に大変有利であるという利点を有する。但し、中心導体20と高周波コネクタの芯線9とを接続する領域VIIIの長さが長くなると、図2に示した第1の実施形態の方が特性的に有利となる。
(各種実施形態)
以上において、本発明の高周波接続配線基板を適用するデバイスとしてLN光変調器という光デバイスをとり上げたが、これに限るものではなく、電界吸収型や進行波電極型の半導体光デバイスでも良いし、電子デバイスでも良い。また、高周波接続配線基板を形成する基板としてAl基板、ALN、あるいは石英基板、LN基板などその他の絶縁体基板でも良いし、半導体基板でも良い。さらに、電極構成としては構造が対称なCPW電極を用いた構成について説明したが、構造が非対称なCPW電極でも良いし、さらには本発明としての効果が薄れるものの非対称コプレーナストリップ(ACPS)あるいは対称コプレーナストリップ(CPS)など、その他の構成でも良い。また、本実施形態では高周波接続配線基板に1つのCPW(つまり、1つの中心導体)がある場合について説明したが、複数のCPW(つまり、複数の中心導体)がある実施形態にも適用可能である。
以上のように、本発明により高周波電気信号の高周波コネクタからデバイスへの伝搬特性について大幅に改善された高周波接続配線基板を提供できる。
1:z−カットLN基板(LN基板)
2:SiOバッファ層
2´:Si導電層
3:マッハツェンダ光導波路(光導波路)
3a、3b:相互作用光導波路
4:進行波電極(電極)
4a:中心導体
4b、4c:接地導体
5:筺体
5´:空洞
6:台座
7a:光入射用単一モード光ファイバ
7b:光出射用単一モード光ファイバ
8:高周波コネクタ
9:高周波コネクタの芯線
9´:半田
10:高周波接続配線基板の本体基板(基板)
11、16、20:高周波接続配線基板の基板の中心導体
12、13、17、18、21、22、24、25:高周波接続配線基板の基板の接地導体
14、19、23、26:ビアホール
15:ワイヤー
30:LN光変調器チップ
40、41、42:電気力線
I:高周波接続配線基板

Claims (6)

  1. 本体基板上に中心導体と接地導体とを有し、前記中心導体の一端側から10Gbps以上の高周波電気信号が入力され、前記中心導体の他端側から前記高周波電気信号が出力される高周波接続配線基板であって、
    前記高周波接続配線基板が台座を介して取り付けられる筐体には、前記高周波電気信号を外部から入力するための高周波コネクタが、その芯線が前記筐体と所定の距離Gを有した状態で前記筐体と固定され、また前記高周波コネクタの前記芯線と前記中心導体の前記一端側とが接続されており、
    前記中心導体の前記一端側において、前記中心導体の前記一端側における前記中心導体と前記接地導体との距離W3と前記距離Gとが 3 >Gの関係を有するとともに、当該距離W 3 が400μm〜3mmに設定され、これにより優れたS 21 とS 11 についての伝送特性を有することを特徴とする高周波接続配線基板。
  2. 前記距離W3と前記距離GとがW3Gの関係を有することを特徴とする請求項1に記載の高周波接続配線基板。
  3. 前記高周波接続配線基板の厚みが略500μmである、もしくは500μmより薄いことを特徴とする請求項1または2に記載の高周波接続配線基板。
  4. 前記接地導体にビアホールが形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の高周波接続配線基板。
  5. 前記ビアホールが、前記高周波コネクタの前記芯線が接続される部位の前記中心導体と相対向した部位の前記接地導体にも形成されていることを特徴とする請求項4に記載の高周波接続配線基板。
  6. 前記筐体内に光変調器チップが配置され、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の高周波接続配線基板を介して前記高周波電気信号が前記光変調器チップに入力されることを特徴とする光変調器モジュール。
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