JP4137983B1 - 光変調器 - Google Patents

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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

【課題】生産性が良く、機械的強度が強い光変調器を提供する。
【解決手段】電気光学効果を有する基板12と、基板に形成された光を導波するための光導波路3と、基板の一方の面側に形成され、光の位相を変調する高周波電気信号を印加するための中心導体4a及び接地導体4bからなる電極4とを有し、電極に高周波電気信号を印加することにより光の位相を変調する相互作用部3a、3bと、基板を固定する固定部20と、少なくとも外部回路から相互作用部に高周波電気信号を印加するための入力用フィードスルー部とを具備する光変調器において、基板は少なくとも一つの別体の基板13とともに固定部に並置されて固定されており、基板の厚みと別体の基板の厚みとから決定される誘電体共振の共振周波数が高周波電気信号の周波数よりも高くなるように、基板の厚みと別体の基板の厚みとを設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は駆動電圧が低く、かつ高速で変調が可能な光変調器の分野に属する。
リチウムナイオベート(LiNbO)のように電界を印加することにより屈折率が変化する、いわゆる電気光学効果を有する基板(以下、リチウムナイオベート基板をLN基板と略す)に光導波路と進行波電極を形成した進行波電極型リチウムナイオベート光変調器(以下、LN光変調器と略す)は、その優れた伝送特性から2.5Gbit/s、10Gbit/sの大容量光伝送システムに適用されている。最近はさらに40Gbit/sの超大容量光伝送システムにも適用が検討されており、キーデバイスとして期待されている。
[第1の従来技術]
このLN光変調器にはz−カットLN基板を使用するタイプとx−カットLN基板(あるいはy−カットLN基板)を使用するタイプがある。ここでは、第1の従来技術としてz−カットLN基板と2つの接地導体を有し、基本モードの伝搬に有利なコプレーナウェーブガイド(CPW)進行波電極を使用したz−カットLN基板LN光変調器をとり上げ、その斜視図を図12に示す。図13は図12のA−A'線における断面図である。なお、以下の議論はx−カットLN基板やy−カットLN基板でも同様に成り立つ。
図中、1はz−カットLN基板、2は1.3μm、あるいは1.55μmなど光通信において使用する波長領域では透明な200nmから1μm程度の厚みのSiOバッファ層、3はz−カットLN基板1にTiを蒸着後、1050℃で約10時間熱拡散して形成した光導波路であり、マッハツェンダ干渉系(あるいは、マッハツェンダ光導波路)を構成している。なお、3a、3bは電気信号と光が相互作用する部位(相互作用部と言う)における光導波路(あるいは、相互作用光導波路)、つまりマッハツェンダ光導波路の2本のアームである。また、位相変調器の場合は直線光導波路で良い。CPW進行波電極4は中心導体4a、接地導体4b、4cからなっている。また、図13において中心導体4aの幅は6μmから20μm程度であり、一般には10μm前後が使用されている。一方、中心導体4aと接地導体4b、4cの間にはギャップ(あるいはCPWのギャップ)を形成している。
この第1の従来技術では、中心導体4aと接地導体4b、4c間にバイアス電圧(通常はDCバイアス電圧)と高周波電気信号(RF電気信号とも言う)を重畳して印加する。また、SiOバッファ層2は高周波電気信号の等価屈折率n(あるいは、マイクロ波等価屈折率n)を光導波路3a、3bを伝搬する光の実効屈折率nに近づけることにより、光変調帯域を拡大するという重要な働きをしている。
次に、このように構成されるLN光変調器の動作について説明する。このLN光変調器を動作させるには、中心導体4aと接地導体4b、4c間にDCバイアス電圧とRF電気信号とを印加する必要がある。
図14に示す電圧−光出力特性はある状態でのLN光変調器の電圧−光出力特性であり、Vはその際のDCバイアス電圧である。この図14に示すように、通常、DCバイアス電圧Vは光出力特性の山と底の中点に設定される。
さて、LN光変調器を光伝送システムにおいて使用する際には、金属筐体(パッケージ)にLN光変調器のチップ、光ファイバ、及び電気信号用のマイクロ波コネクタを固定した光変調器モジュールとせねばならない。
図15にはその光変調器モジュールの構造を示す。図中のいくつかの番号は図12や図13と共通している。なお、簡単のために、SiOバッファ層2は省略している。
ここで、5は金属筐体、6a、6bは金属筐体5に固定された不図示のマイクロ波コネクタの芯線である。7a、7bはマイクロ波コネクタの芯線6a、6bの周囲に形成された空洞である。まず、LN基板1を台座(固定部)に固定するが、ここでは説明の便宜のために、図15において金属筐体5の内部の20を台座とする。CPW進行波電極4とマイクロ波コネクタの芯線6a、6bを電気的に接続する。
図15には示していないがLN光導波路3へ光を入力・出力できるように光学系を設定する。次に、金属のふた8を金属筐体5に固定することにより、LN光変調器モジュールが完成する。なお、高周波電気信号の出力側(図12と図15を比較してわかるように、高周波電気信号の出力側は6b、7bの側に対応する)については、終端抵抗により電気的に終端しても良く、その場合には出力側のマイクロ波コネクタの芯線6bと空洞7bは不要である。
以下、LN光変調器チップの生産性と電気的特性の観点から光変調器としての劣化要因について考える。図16においてLNウェーハを10として、またz−カットLN光変調器のチップを11として示した。このLNウェーハはオプティカルグレードという欠陥が少なくて、均一性も高く、価格が極めて高価である。
図からわかるように、従来におけるz−カットLN光変調器のチップの横幅は2〜5mm程度もあるので、金属筐体5の台座20への接着強度は高いものの(特に横幅が5mmもあればその接着強度は極めて高い)、例えば3インチウェーハの場合約10〜20個程度のチップしかとれず、生産性の観点から問題があり、材料費と人件費との観点からLN光変調器のコストを高める大きな要因の一つであった。
次に、電気的特性の観点から光変調器としての歩留まりを著しく劣化させるマイクロ波ディップについて述べる。図17には、図15においてマイクロ波コネクタの芯線6aと金属筐体5に形成された空洞7aの部分を拡大して示す。ここで、EFはマイクロ波コネクタの芯線6aと金属筐体5に形成された空洞7aとの間に生じる高周波電気信号の電気力線である。
図17からわかるように、高周波電気信号の電気力線EFはマイクロ波コネクタの芯線6aを中心とした軸対称な分布をなしている。
一方、図18には、図15のz−カットLN基板1に形成された進行波電極のマイクロ波コネクタの芯線6aとの接続部(入力用フィードスルー部と呼ぶ)のB−B'線における断面図を示す。ここで、DEFは中心導体4aと接地導体4bの間に生じた電気力線を表している。図18からわかるように、入力用フィードスルー部のB−B'において電気力線DEFは平面的な分布をなしている。
このようにマイクロ波コネクタの芯線6aを中心とした軸対称な分布(マイクロ波コネクタの固有モードと呼ぶ)の電気力線EFと、進行波電極4の中心導体4aと接地導体4b、4cの間に生じた平面的な分布(CPW進行波電極の固有モードと呼ぶ)の電気力線DEFにはそれらの分布形状にミスマッチがあり、高周波電気信号がマイクロ波コネクタの芯線6aから進行波電極4の中心導体4aと接地導体4bに伝搬する際に高周波電気信号に漏れる成分が生じる。
図19にLN光変調器を構成するz−カットLN基板1の形状と寸法を示す。図のx方向が幅(あるいは、横幅)に、z方向が厚みに、y方向が長さに対応し、各々の寸法をL、L、及びLとする。前述の漏れた高周波電気信号成分に対しては、z−カットLN基板1は誘電体共振器として機能する。つまり、漏れた高周波電気信号成分はz−カットLN基板1に共振モードを励振し、その中で共振(誘電体共振と呼ぶ)すると考えられる。
後に詳しく議論するが、特許文献1によれば、z−カットLN基板1における横断面である図20における対角線dの長さが長いと誘電体共振のために、光伝送に障害が生じる。つまり、誘電体共振が生じると、マイクロ波コネクタの芯線6aから進行波電極の中心導体4aと接地導体4b、4cに伝搬すべき高周波電気信号のエネルギーの多くが、z−カットLN基板1からなる誘電体共振器の内部に共振モードを励振するのに費やされてしまい、図12や図13に示した相互作用光導波路3a、3bにおける光の変調に有効に活用されない。そのため、変調周波数に対する光の変調指数に激しい落ち込み(周波数ディップと呼ぶ)を生じてしまう。
ちなみに、特許文献1の考え方では、z−カットLN基板1の横幅(L)を5mmや6mmと大きくすると、横断面における対角線の長さdはこの横幅よりもさらに長くなり、周波数ディップは4GHz程度に現れる。10Gbit/sの変調速度の場合に、この周波数ディップが10GHz付近やそれ以下の周波数領域に生じた場合や、40Gbit/sの変調速度の場合に、この周波数ディップが30GHz付近やそれ以下の周波数領域などに生じると、実用上極めて深刻な問題となってしまう。
[第2の従来技術]
図16に示したように、z−カットLN光変調器のチップ11における横幅のサイズが大きいと1枚のウェーハ当たりにとれるz−カットLN光変調器のチップ11の数が少なくなってしまった。そこで、z−カットLN光変調器のチップ11の横幅を狭くした第2の従来技術を図21に示す。こうすることにより、1枚のウェーハ当たりに数多くのチップ11を得ることができ、プロセスにおける生産性が著しく向上する。このように、生産性の観点からはz−カットLN光変調器のチップ11の横幅を狭くすることは大変望ましい。
このように、z−カットLN光変調器のチップ11の横幅を狭くすることにより1ウェーハ当たりの生産性の問題は解決できた。さらに、第2の従来技術により電気的特性である周波数ディップも解決できることを示す。この第2の従来技術は第1の従来技術における誘電体共振器としての共振周波数を光変調に必要な周波数領域から高周波側に外すことにより、光の変調指数における周波数ディップの影響を改善するために特許文献1に提案された技術である。ここで、図12から図20に示した第1の従来技術と同一番号は同一機能部に対応しているため、ここでは同一番号を持つ機能部の説明を省略する。
図22に図21のz−カットLN光変調器を構成するz−カットLN基板1の斜視図を、図23にその横断面図を示す。特許文献1によれば、変調指数の周波数ディップf
= c/(2n・d) (1)
で与えられるとのことである。ここで、cは真空中の光速、nは高周波電気信号の等価屈折率、そして重要な物理量であるdは図22に示す横断面図において最も長くなる長さ(通常は、対角線の長さ)である。
そして、高周波電気信号の等価屈折率nと対角線の長さdとの積n・dを0.8mmより大きく、11mmよりも小さくすることにより、周波数ディップを10Gbit/sの光伝送に支障のない高い周波数にシフトできるとしている。
我々はこの(1)式に従って、z−カットLN基板1を用いた光変調器を実際に設計・製作した。なお、設計に当たっては、特許文献1に従い、高周波電気信号の等価屈折率は図23のx方向では6.59、z方向では5.36とした。
この第2の従来技術の要求条件(1)式に基づいてLN光変調器を設計・製作したところ、周波数ディップを光伝送に支障のない高い周波数にシフトできることを確認した。ところが、機械的強度の観点からLN光変調器を歩留まり良く作ることが困難であるという重要な事実が判明した。
つまり、1例として周波数ディップfを40GHzとすると、(1)式からz−カットLN基板1の横断面図における対角線の長さdは0.63mmとなる。そこで、z−カットLN基板1の厚み(L)を0.5mmと仮定すると、z−カットLN基板1の横幅(L)はわずか0.39mmとなる。
通常、z−カットLN基板1の長さ(L)は数十mm有るのでz−カットLN基板1の横断面についての対角線の寸法がこのように小さくなり過ぎると、z−カットLN基板1の剛性が極めて弱くなってしまい、LN光変調器モジュールとしての機械的強度に著しい問題があることがわかった。
次にこのモジュール製作後の機械的強度について考察する。図24はz−カットLN基板1の底面の面積を変数とした場合の図15に示した金属筐体5の台座20への接着強度である。図からわかるように、z−カットLN基板1の横幅(L)が狭くなり、その底面の面積が小さくなると、金属筐体5への接着強度が著しく劣化し、実装した後の機械的な振動・衝撃試験によりz−カットLN基板1がはがれてしまうことがわかった。
特開平3−253814号公報
以上述べたように、LN光変調器のチップの横幅が広いと一枚のウェーハからとることのできるLN光変調器のチップの総数が少なくなる。そこで、LN光変調器のチップの横幅を狭くすることにより、一枚のウェーハからとることのできるLN光変調器のチップの総数を多くし、生産性を良くするとともに、かつ第2の従来技術の考え方、即ちLN基板の横断面において最も長くなる長さ(通常は、対角線の長さ)をd、高周波電気信号の等価屈折率をnとして、周波数ディップfをf = c/(2n・d)から求め、周波数ディップfが充分高くなるように対角線の長さdを設定するという考え方に基づいてLN光変調器の断面構造を決定すると、LN光変調器の横断面の寸法が極めて小さくなり、LN光変調器のモジュールとしての機械的強度が劣化した。そして、特に光変調器モジュール製作後の振動・衝撃などの機械的な信頼性試験において、LN光変調器のチップそのものが光変調器の金属筐体からはがれてしまうという問題が生じた。以上のことから、一枚のウェーハからとることのできるLN光変調器のチップの総数を多くしつつ、周波数ディップfを使用周波数領域から外し、かつLN光変調器としての機械的強度、特にモジュール製作後の振動・衝撃などの機械的試験に耐えることのできるLN光変調器はまだ開発されておらず、これを実現するための技術が望まれていた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、生産性が良く、機械的強度が強い光変調器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1の光変調器は、筐体内に、電気光学効果を有する基板と、該基板に形成された光を導波するための光導波路と、前記基板の一方の面側に形成され、前記光の位相を変調する高周波電気信号を印加するための中心導体及び接地導体からなる進行波電極とを有し、前記進行波電極に前記高周波電気信号を印加することにより前記光の位相を変調する相互作用部と、前記基板を前記筐体に固定する固定部と、少なくとも外部回路から前記相互作用部に前記高周波電気信号を印加するための入力用フィードスルー部とを具備する光変調器において、さらに誘電体からなる別体の基板を前記基板の前記入力用フィードスルー部が形成された側に並置して有しており、前記別体の基板には中心導体および接地導体からなる電極パターンが形成され、前記基板に形成された前記中心導体および前記接地導体にそれぞれ電気的に接続されており、かつ、前記別体の基板の、前記基板に接する側とは反対側の端面における前記中心導体から前記高周波電気信号が入力されるようになっており、前記基板の厚みと前記別体の基板の厚みとから決定される誘電体共振の共振周波数が前記高周波電気信号の周波数よりも高くなるように、前記基板の前記厚みと前記別体の基板の前記厚みとを設定し、また、前記基板は少なくとも一つの前記別体の基板とともに前記固定部に接着固定されており、前記別体の基板が無い場合と比較して、前記基板の前記固定部への接着強度が大きいことを特徴とする
本発明の請求項の光変調器は、前記基板の厚みと前記別体の基板の厚みをLz、前記誘電体共振の共振周波数をfc、前記基板と前記別体の基板の厚み方向の共振の次数をm 、前記高周波電気信号の前記基板における厚み方向の等価屈折率をn 、真空中の光速をc とするとき、前記誘電体共振の共振周波数に対して前記基板の厚みと前記別体の基板の厚みが、fc = (c /2)・m /(n ・L )によって定まることを特徴とする。
本発明の請求項の光変調器は、筐体内に、電気光学効果を有する基板と、該基板に形成された光を導波するための光導波路と、前記基板の一方の面側に形成され、前記光の位相を変調する高周波電気信号を印加するための中心導体及び接地導体からなる進行波電極とを有し、前記進行波電極に前記高周波電気信号を印加することにより前記光の位相を変調する相互作用部と、前記基板を前記筐体に固定する固定部と、少なくとも外部回路から前記相互作用部に前記高周波電気信号を印加するための入力用フィードスルー部とを具備する光変調器において、さらに誘電体からなる別体の基板を前記基板の前記入力用フィードスルー部が形成された側に並置して有しており、前記別体の基板には中心導体および接地導体からなる電極パターンが形成され、前記基板に形成された前記中心導体および前記接地導体にそれぞれ電気的に接続されており、かつ、前記別体の基板の、前記基板に接する側とは反対側の端面における前記中心導体から前記高周波電気信号が入力されるようになっており、前記基板の厚みとその厚み方向における前記高周波電気信号の等価屈折率との積、もしくは前記別体の基板の厚みとその厚み方向における前記高周波電気信号の等価屈折率との積の少なくとも一方が0.4mmより大きく、かつ15mmよりも小さくなるように、前記基板の前記厚みと前記別体の基板の前記厚みとを設定し、前記基板は少なくとも一つの前記別体の基板とともに前記固定部に接着固定されており、前記別体の基板が無い場合と比較して、前記基板の前記固定部への接着強度が大きいことを特徴とする。
本発明の請求項の光変調器は、筐体内に、電気光学効果を有する基板と、該基板に形成された光を導波するための光導波路と、前記基板の一方の面側に形成され、前記光の位相を変調する高周波電気信号を印加するための中心導体及び接地導体からなる進行波電極とを有し、前記進行波電極に前記高周波電気信号を印加することにより前記光の位相を変調する相互作用部と、前記基板を前記筐体に固定する固定部と、少なくとも外部回路から前記相互作用部に前記高周波電気信号を印加するための入力用フィードスルー部とを具備する光変調器において、
さらに誘電体からなる別体の基板を前記基板の前記入力用フィードスルー部が形成された側に並置して有しており、前記別体の基板には中心導体および接地導体からなる電極パターンが形成され、前記基板に形成された前記中心導体および前記接地導体にそれぞれ電気的に接続されており、かつ、前記別体の基板の、前記基板に接する側とは反対側の端面における前記中心導体から前記高周波電気信号が入力されるようになっており、前記基板の幅と前記別体の基板の幅との和が、前記基板もしくは前記別体の基板の少なくとも一方の厚みの約1.4倍以上あり、前記基板は少なくとも一つの前記別体の基板とともに前記固定部に接着固定されており、前記別体の基板が無い場合と比較して、前記基板の前記固定部への接着強度が大きいことを特徴とする。
本発明の請求項の光変調器は、前記別体の基板が前記基板と同じ材料の誘電体からなることを特徴とする。
本発明の請求項の光変調器は、前記別体の基板が前記基板と異なる材料の誘電体からなることを特徴とする。
本発明の請求項の光変調器は、前記基板がオプティカルグレードのリチウムナイオベート基板でなり、前記別体の基板がSAWグレードのリチウムナイオベート基板でなることを特徴とする。
本発明の請求項の光変調器は、前記基板および前記別体の基板がそれぞれオプティカルグレードのリチウムナイオベート基板でなることを特徴とする。
本発明の請求項の光変調器は、前記基板の側面と前記別体の基板の側面との少なくとも一部が接着手段により互いに固定されていることを特徴とする。
本発明によれば、LN光変調器のチップの横幅を狭くすることにより、高価なオプティカルグレードのウェーハから多くの細い光変調器のチップをとることができるので、オプティカルグレードのウェーハについての材料費と、時間的に長く、実際のコストの多くを占めるプロセスにおける人件費の観点から光変調器としてのコストを著しく低減し、かつLN光変調器のチップと極めて安価なSAWグレードLN基板を機械的に一体のLN基板と見なせるようにしてコストを上げることなく機械的強度を保ち、さらにその一体のLN基板の厚みを薄くするとともに横幅を充分に広くすることにより、光伝送にとって有害な周波数ディップfを正確、確実、かつ容易に使用周波数領域よりも高い周波数にシフトできるという大きな利点がある。換言すると、第2の従来技術と異なり、本発明によれば高い機械的強度を確保しつつ、1枚のウェーハからとることのできるチップの総数と周波数ディップfを独立に設計できる。
以下、本発明の実施形態について説明するが、図12から図23に示した従来の実施形態と同一番号は同一機能部に対応しているため、ここでは同一番号を持つ機能部の説明を省略する。また、光導波路、進行波電極、相互作用部および入力用フィードスルー部は、従来技術と同様に形成されているものとして説明するが、これに限定されるものではない。
[第1の実施形態]
本発明では、LN光変調器としてのエンジンの部分に高価なオプティカルグレードのz−カットLN基板をその横幅が狭い形状で使用し、機械的な強度は安価な例えばSAWグレードLN基板を併用することにより確保する。なお、オプティカルグレードのLN基板とSAWグレードLN基板の比誘電率は互いにほぼ等しい。そのため、後で詳しく議論するように、本発明のようにオプティカルグレードのLN基板と、それとは別体のSAWグレードLN基板を横方向に並べて(即ち、並置して)用いると、電磁界的にはオプティカルグレードの一体のLN基板と見なすことができる。
図1に本発明の第1の実施形態についてその概略図を示す。図中、12は第1の従来技術よりも横幅を狭くしたオプティカルグレードのz−カットLN基板である。前述のように、オプティカルグレードのz−カットLN基板12は欠陥が少なく、均一であるが価格が高い。13は例えばオプティカルグレードの1/5から1/10程度と価格が低い例えばSAWグレードLN基板である(以下、オプティカルグレードのz−カットLN基板12と区別するためにSAWグレードLN基板、あるいは別体の基板と呼ぶ)。なお、熱膨張係数がz−カットLN基板12に近くて価格が低ければSAWグレードLN基板に限らなくても良いことは言うまでもない。
基板の方位については、SAWグレードLN基板13もその基板の方位をz−カットとしておけば熱膨張係数の観点から有利である。ここで、14はz−カットLN基板12とSAWグレードLN基板13の側面における接触面であり、z−カットLN基板12とSAWグレードLN基板13の側面は接触面14において不図示の接着剤で部分的にあるいは全体的に互いに接着されているか、機械的に密着、もしくは接触している。なお、z−カットLN基板12に貼り付けるSAWグレードLN基板13はオプティカルグレードではないので元々のウェーハの価格が低く、材料費の観点からコストアップにはならない。
さらに、SAWグレードLN基板13については時間的に長いプロセスは必要ではなく、単にプログラマブルのダイサーを用いてSAWグレードLN基板を指定された横幅で切断すれば良い。また、z−カットLN基板12を金属筐体5の中の固定部である台座20に接着した後、SAWグレードLN基板13を台座20に接着剤で貼り付ける作業も極めて短時間でできる。従って、人件費の観点からもコストはほとんど上昇しない。
本発明においては、z−カットLN基板12の横幅は狭いので、高価なオプティカルグレードのウェーハからとり得るLN光変調器の数を著しく増やすことができる。LN光変調器を製作するプロセスは時間的に長いので、実際にはプロセスにおける人件費がLN光変調器におけるコストの大きな割合を占めている。従って、本発明を用いて1回のプロセスで製作することのできるLN光変調器の総数を大幅に増やすことができれば、プロセスにおける人件費の観点からもコストを大幅に低減できる。つまり、一枚のウェーハからとれる光変調器の総数が2倍になれば、人件費によるコストを半分にできるし、総数を3倍にできればそのコストは1/3になる。
この考え方に基づくと、これまで光導波路を形成するz−カットLN基板12はオプティカルグレードを前提として議論して来たが、コストを低減するためにオプティカルグレードではなくSAWグレードLN基板を光変調器として使用する場合にも、本発明を適用することにより、オプティカルグレードのLN基板の場合と同じく人件費に関わるコストを大幅に低減できることになる。このことは本発明の全ての実施形態について言える。
本発明ではこの図1に示したz−カットLN基板12とSAWグレードLN基板13のセットを図15におけるz−カットLN基板1の代わりに金属筐体5に固定し、LN光変調器モジュールとして製作する。
図2(a)は図1に示したz−カットLN基板12とSAWグレードLN基板13のセットの横断面図である。z−カットLN基板12とSAWグレードLN基板13は接触面14において、接着剤により接着されているので、図2(b)の15として示したほぼ一体のLN基板と実質上見なすことができる。
この一体のLN基板15は下面の面積が広いので図15に示した金属筐体5への接着強度が高い。つまり、図2(a)のz−カットLN基板12とSAWグレードLN基板13の底面が金属筐体5へ接着し、かつz−カットLN基板12とSAWグレードLN基板13は互いに接着しているので、一体のLN基板15が金属筐体5へ接着していることと等価である。
このようにして、本実施形態により、1枚のウェーハから数多くのLN光変調器のチップを取り出すことにより材料費とプロセスにおける人件費のコストを大幅に低減するとともに、かつ図21〜図23に示した第2の従来技術が持つモジュール組み立て後の振動・衝撃試験における脆弱さを克服し、図15や図16に示した第1の従来技術と同等の機械的強度を実現できた。
次に、第1の従来技術において問題となっていたLN光変調器における光変調指数の周波数ディップfについて考える。LN光変調器における光変調指数の周波数ディップfの原因としては、進行波電極を伝搬する高周波電気信号の高次モードと、LN基板の誘電体共振器としての共振の2つが考えられるが、ここでは本発明の全ての実施形態において、進行波電極については基本モードを励振し、伝搬させるように設計する。
よって、本発明の全ての実施形態においては、光変調指数の周波数ディップfは誘電体共振器としての基板の共振周波数により決定される。そして、誘電体共振器としての基板の共振周波数により決定されるこの周波数ディップfに対し、基板の各辺の寸法がそれらの自乗に反比例して影響を与えることを利用する。
先に述べた第2の従来技術では、図23に示す横断面図を基にし、周波数ディップfを与える式として(1)式に基づいて設計し、横断面図において最も長くなる長さ、即ち対角線の長さdを決定していた。
一方、本発明においては、誘電体共振器の原理・原則の式に立ち返って考える。本発明では、LN光変調器を駆動する際の伝送速度は10Gbit/sあるいは40Gbit/sであるので、その高周波電気信号の波長はセンチメートルオーダーあるいはミリメートルオーダーと長い。また、z−カットLN基板12とSAWグレードLN基板13の比誘電率はほぼ等しい。従って、LN変調器の進行波電極4を伝搬する電磁界にとっては、z−カットLN基板12とSAWグレードLN基板13とは分割された2つの基板としてではなく、一体のLN基板15として感じる。
つまり、図2(b)に示す一体のLN基板15からなる誘電体共振器の共振周波数が周波数ディップfに対応すると考える。この周波数ディップfは、図2(b)における一体のLN基板15の上面(進行波電極が形成されているz−カットLN基板12の基板面と同じ面側にあるSAWグレードLN基板13の基板面)と下面(進行波電極が形成されている基板面と反対の基板面)に金属がある場合には
= (c/2)・{(m/(n・L))+(m/(n・L))+(m/(n・L))1/2 (2)
また、一体のLN基板15の上面には金属があり、下面の下方には充分に深い空隙があるとすると
= (c/2)・{(m/(n・L))+(m/(n・L))+((m−1/2)/(n・L))1/2 (3)
となる。
ここで、m、m、及びmは共振の次数を表す自然数であり、問題となるのは最も低い次数(つまり、1)の共振周波数である。2以上のm、m、及びmは2次以上の高次モードに対応する。n、n、及びnはx、y、及びzの各方向における高周波電気信号の等価屈折率であり、ここでは特許文献1に従い、n=n=6.59、n=5.36とする。
また、(2)式と(3)式の比較からわかるように、z−カットLN基板12の幅方向(x方向)において、片方の端面に金属が有り、その反対側の端面が広い空間に接している場合には、mをm−1/2により置き換えれば良い。
(2)式や(3)式の中において、一体のLN基板15の横幅L、長さL、及び厚みLが使用されている式の形態を考え、本発明においては、第2の従来技術が主張している「横断面において最も長くなる長さ(通常は対角線の長さ)と、その方向における高周波電気信号の等価屈折率との積」ではなく、「横断面において最も短くなる辺の長さと、その方向における高周波電気信号の等価屈折率との積」をキーポイントとする。そして、本発明において、「横断面において最も短くなる辺の長さ」とは一体のLN基板15の厚みLとなる。
本発明では、まず、周波数ディップfを決定する式の中に、横断面の各辺の長さが自乗に反比例する形式で入っていることに着目し、横断面において最も長い辺の長さを意図的に長くすることにより、周波数ディップfに対する影響を極めて小さくする。次に、横断面において最も短くなる辺の長さである厚みLを意図的に小さくすることにより、最も短くなる辺の長さとその方向における高周波電気信号の等価屈折率との積で決まる周波数ディップfを光伝送で使用する帯域よりも充分高い周波数領域に正確、確実、容易にシフトさせる。換言すると、そのように周波数ディップfを高い周波数領域にシフトさせるために、横断面の寸法のうち、厚みLを薄くする構造を採用する。
以上のことを具体的に式を用いて説明する。(2)式と(3)式において、
<<L、L (4)
と仮定すると、(2)式と(3)式は各々
= (c/2)・m/(n・L) (5)
= (c/2)・(m−1/2)/(n・L) (6)
と表現でき、一体のLN基板15の最も短くなる辺の長さ(ここでは、LN基板の厚みL)により周波数ディップfが決定できる。
ここで、(4)式が成り立つと仮定できる条件について考察する。一体のLN基板15の長さLは充分長いので、L<<Lは当然成り立っている。従って、次に、残るLとLの関係について考える。Lは周波数ディップfの式の中にLの自乗に反比例する形式で入っているので、LはLの1.4倍以上の大きさであるとすると周波数ディップfに対するLの影響はLの影響の約1/2と充分小さくなり、L<<Lが成り立つと考えることができる。また、一体のLN基板15は等価的にその横幅Lが広いと考えて良いので、光変調器としての充分な機械的強度が確保できるという利点が生じる。
なお、これまでの説明においては、z−カットLN基板12の厚みと別体の基板であるSAWグレードLN基板13の厚みは同じとしたが、これらは異なっていても良い。その場合に本発明として課す条件は厳密にはz−カットLN基板12の厚みもしくはSAWグレードLN基板13の厚みの厚い方に対して課す方が望ましいが、実際には誘電体共振のモードの分布形状も関連するので、ここではz−カットLN基板12の厚みもしくはSAWグレードLN基板13の厚みのどちらか一方について成立すれば良いとする。そして、このことは本発明の全ての実施形態について言うことができる。
なお、進行波電極4のうち不図示の外部回路から高周波電気信号を伝搬させるために、不図示のコネクタの芯線を接続する箇所をフィードスルー部というが、そのフィードスルー部の下に有限の深さの空隙がある場合がある。このように、一体のLN基板15の下方に有限の深さの空隙がある場合には、(3)式あるいは(6)式とは異なってくるものの、一体のLN基板15の比誘電率(その平方根が等価屈折率と近似できる)は高いので、空隙よりも一体のLN基板15による影響の方が大きい。従って、一体のLN基板15に着目したここでの議論の大筋は同じである。
一体のLN基板15の下方に有限の深さの空隙がある場合について、より正確に設計するには、一体のLN基板15の厚みと空隙の厚みとから決定される共振周波数が高周波電気信号よりも高くなるように、一体のLN基板15の厚みに応じて空隙の厚みを設定する。そして、この空隙には、最も比誘電率が小さな空気や比誘電率がz−カットLN基板12やSAWグレードLN基板13など、一体のLN基板15よりも小さな媒質(低誘電率層)が充填される。
以上のように、周波数ディップfに関して、本発明は特許文献1として示された第2の従来技術の「横断面において最も長くなる長さ(通常は対角線)とその方向における高周波電気信号の等価屈折率との積」ではなく、その反対の「横断面において最も短くなる辺の長さとその方向における高周波電気信号の等価屈折率との積」をキーポイントと考えており、第2の従来技術とは発想が全く反対である。
具体的に説明すると、第2の従来技術によれば、周波数ディップfを高い周波数領域にシフトさせるためには、一体のLN基板15の横幅(L)を狭くしないといけないことになるが、本発明では逆に一体のLN基板15の横幅(L)を数mmと広くして、かつ厚み(L)を薄くすることより周波数ディップfを正確、確実、容易に、実際の光伝送で使用される伝送速度に対応する光変調周波数よりも高くする構造とする。
次に、「横断面において最も短くなる辺の長さとその方向における高周波電気信号の等価屈折率との積」についてさらに考察を進める。
一般に、周波数ディップfは周波数に対してシャープではなく、ある周波数帯域を持つ(言い換えると、誘電体共振器としての共振のQ値が高くない)ので、10Gbit/sの光伝送を考える際には、周波数ディップfとしてはできれば30%程高い13GHz程度には設定したいが、ここでは最低確保したい10GHzとすると、「横断面において最も短くなる辺の長さとその方向における高周波電気信号の等価屈折率との積((5)式や(6)式のn・L)」の大きい値については、15mmとなる。
一方、n・Lの小さな方の値については、現在我々が行っているプロセスではz−カットLN基板1の厚みLとして、0.3mm程度あれば何ら問題なく、0.2mm程度までなら歩留まりを確保できている。厚み方向の共振における等価屈折率nは5.36として議論して来たが、2程度まで考えられるので、その結果、「横断面において最も短くなる辺の長さとその方向における高周波電気信号の等価屈折率との積((5)式や(6)式のn・L)」の小さな値としては約0.4mmとなる。
なお、実際には、「横断面において最も短くなる辺の長さとその方向における高周波電気信号の等価屈折率との積((5)式や(6)式のn・L)」の大きな値である15mmについても、厚み方向の基板共振の等価屈折率nが2程度となっても良いし、小さな値である0.4mmの場合においても厚み方向の基板共振の等価屈折率nが5.36であっても基板共振周波数を充分高くするという理屈の上では良いが、実際のLN光変調器モジュールを製作する上ではz−カットLN基板1の厚みが薄くなりすぎて製作性の観点から好ましくない。
本発明の効果を明らかにするために、実際にLN光変調器を試作した。まず図1と図2(a)において、z−カットLN基板12の横幅を1mmとし、図15の第1の従来技術において金属筐体5の台座20に接着剤によりLN光変調器を固定したように、不図示の金属筐体の台座にz−カットLN基板12を接着した。また、SAWグレードLN基板13の横幅を5mmとし、これも接着剤により不図示の台座に接着剤により固定した。さらにSAWグレードLN基板13の接触面14に相当する基板側面に接着剤をあらかじめ塗っておき、z−カットLN基板12とSAWグレードLN基板13とを互いに固定した。なお、この接着剤はz−カットLN基板12とSAWグレードLN基板13との接触面14の上方に少々はみ出しても問題なかった。
そして、一体のLN基板15の横幅Lは第2の従来技術では10Gbit/sの光変調でさえも許容することができない6mmをあえて採用している。また、基板の厚みLは0.3mm、基板の長さLは50mmとした。
なお、ここでは説明の便宜のために、図15における金属筐体5の内部の20を台座と仮定して説明したが、金属筐体5の内部の20を台座とせず、別途台座を設けて、それを金属筐体5に固定し、さらにz−カットLN基板12とSAWグレードLN基板13を台座に固定しても良いことは言うまでもない。また、z−カットLN基板12とSAWグレードLN基板13に各々異なる台座を設けて、それらを金属筐体の中に固定しても良い。
このように、z−カットLN基板12の横幅を例えば1mmと狭くすることにより、その横幅が2〜5mmであった第1の従来技術と比較して、1枚のオプティカルグレードのz−カットLN基板のウェーハからとることのできるLN光変調器のチップの総数を第1の従来技術の10〜20チップの2倍〜5倍、つまり40〜50チップへと大幅に増やすことができた。そして、z−カットLN基板12の横幅を1mmよりもさらに狭くすることにより、もっと多くのLN光変調器のチップをとることができる。
また、製作したLN光変調器の変調指数の周波数応答特性を図3に示す。本発明によるLN光変調器の特性である図3においては、第2の従来技術の基板となっている式(1)から予測される周波数ディップfは5GHzであるが、図からわかるようにこの周波数はおろか40GHzまでは周波数ディップfが観測されない。よって、第2の従来技術のように素子を極めて小さくすること無しに、変調指数の周波数ディップfを40GHz以上の高い周波数にシフトさせることが可能であることがわかる。
そして本発明の大きな特徴は周波数ディップfがz−カットLN基板12の横幅に依存せずに、z−カットLN基板12やSAWグレードLN基板13の厚みにのみ依存している点であり、第2の従来技術と異なり、1枚のウェーハからとることのできるチップの総数と周波数ディップfを独立に設計できた。
さらに、z−カットLN基板12を不図示の金属筐体からの引き剥がす実験を行った結果、同じ横幅のz−カットLN基板1からなる第1の従来技術のLN光変調器と同等の強度を持っており、LN光変調器モジュール組み立て後の振動・衝撃試験も問題なくクリアした。このように、本実施形態はz−カットLN基板1の横幅が狭い第2の従来技術のLN光変調器と比べてはるかに強い機械的強度を有している。
以上のように、本発明によれば、LN光変調器のチップの横幅を狭くすることにより、高価なオプティカルグレードのウェーハから多くの細い光変調器のチップをとることができるので光変調器としてのコストを材料費と実際には大きな割合を占めるプロセスにおける人件費の観点から低減し、かつLN光変調器のチップと極めて安価なSAWグレードの基板を機械的に一体のLN基板と見なせるようにしてコストを上げることなく機械的強度を保ち、さらにその一体のLN基板の厚みを薄くするとともに横幅を充分に広くすることにより、光伝送にとって有害な周波数ディップfを正確、確実、かつ容易に使用周波数領域よりも高い周波数にシフトできるという大きな利点がある。
さらに、光導波路を形成するz−カットLN基板としてSAWグレードLN基板を使用する場合にも、本発明を適用することにより人件費に関わるコストを大幅に低減できることになる。
また、以上の説明においては、図15を例にとり、金属筐体5の内部の20を台座としてz−カットLN基板12とSAWグレードLN基板13を固定したが、これは説明の便宜のためであり、勿論、金属筐体5の内部の20を台座とせずに別途台座を設けても良いことは言うまでもないし、z−カットLN基板12とSAWグレードLN基板13を一つの台座あるいは別々の台座に貼り付けた後に、金属筐体5の内部に固定しても良いことは言うまでもない。
以上の議論においては別体の基板としてSAWグレードLN基板13、つまりLN変調器チップと同じ材料の誘電体からなる材料を使用した。また、別体の基板としてはx−カット、y−カット等、面方位が異なるLN基板でも良いし、リチウムタンタレート基板、アルミナ基板、窒化アルミ基板、あるいはサファイア基板などのその他の誘電体基板でも良い。なお、ここで誘電体基板とは金属ではないという意味なので、本明細書においては誘電体基板という言葉は通常の誘電体基板の他にGaAs基板やInP基板などの半導体基板も含むものとする。なお、これらのことは本発明の全ての実施形態について言える。
また、別体の基板、つまりSAWグレードLN基板13としてz−カットLN基板を用いる場合には、LN変調器チップであるz−カットLN基板12とSAWグレードLN基板13において−z面と+z面の方向を同じとすることが望ましいが、逆にすることにより焦電効果による電荷を中和することができる。
さらに、別体の基板として、例えばステンレスなどの金属からなる材料を使用し、かつz−カットLN基板12の幅が狭い場合には、誘電体共振の共振周波数はz−カットLN基板12の幅の影響も受けることになる。従って、誘電体共振の共振周波数がz−カットLN基板12の幅にほぼ影響されずにそれらの厚みのみに依存し、周波数ディップfの設定が正確、確実、かつ容易であるという本発明における重要な一つのポイントは失われるものの、z−カットLN基板12を含めて、台座20への高い接着強度を確保しつつ、1枚のウェーハからとることのできる光変調器の総数を著しく増加するという本発明の利点を生かすことができる。
[第2の実施形態]
図4に、本発明の第2の実施形態を示す。この第2の実施形態の基本構造は図1に示した第1の実施形態と同様であるが、例えばAuなどの金属からなる電極16をSAWグレードLN基板13に形成している。そして、電極16は不図示のAuワイヤや不図示の導電性を有する接着剤などにより不図示の金属筐体にアースするか、あるいは図4のように接地導体4bとAuワイヤ17a、17b、17cにより電気的に接続しても良いし、さらには接地導体4bとAuワイヤ17a、17b、17cにより電気的に接続した後、電極16を不図示の金属筐体にアースしても良い。ここで、金属筐体にアースしたのは、この実施形態ではSAWグレードLN基板13としてz−カットLN基板を用いたので、焦電効果について配慮したためである。なお、Auワイヤ17a、17b、17cはそのうちの1本のみを使用しても良く、このことは本発明のその他の実施形態についても言える。
但し、この電極16はあった方が好ましいというレベルであり、実用上なくても良い。なお、14’はz−カットLN基板12とSAWグレードLN基板13の側面における接触面であり、z−カットLN基板12とSAWグレードLN基板13の側面は接触面14’において不図示の接着剤で部分的にあるいは全体的に互いに接着されているか、機械的に密着、もしくは接触している。なお、言うまでもないことであるが、本発明の他の実施形態と同様に、z−カットLN基板12とSAWグレードLN基板13は不図示の台座に底面で固定されている。
[第3の実施形態]
一般的に光導波路へ光を入出力する単一モード光ファイバの位置はほぼ決まっているので、LN変調器モジュールのパッケージである金属筐体の中においてz−カットLN基板の幅方向の位置もほぼ決まっている。そのため、LN変調器チップであるz−カットLN基板の幅を狭くした場合にはマイクロ波コネクタの芯線がLN変調器チップに届かない、あるいはマイクロ波コネクタの芯線が長くなりすぎて電気的反射を生じてしまうなどの不具合が生じる可能性がある。
こうした場合にも本発明を適用することができる。つまり、マイクロ波コネクタとLN変調器チップの間にSAWグレードなどのLN基板や他の材料からなる別体の基板を設け、その別体の基板に電極パターンを形成しておけば、マイクロ波コネクタとz−カットLN基板の間の電気的な橋渡しをさせることができる。従って、マイクロ波コネクタとz−カットLN基板の間の電気的な反射を抑圧することができる。
その適用例を図5に本発明の第3の実施形態として示す。この第3の実施形態では別体の基板であるSAWグレードLN基板13’(あるいは、別体の基板13’)に中心導体18a、18a’、接地導体18b、18b’、18cからなる電極パターンを形成し、不図示のマイクロ波コネクタの芯線を中心導体18a、18a’に、また接地導体18b、18b’、18cを不図示の金属筐体に接続する。SAWグレードLN基板13’に形成した電極パターンはAuワイヤ19a、19b、19c、19d、19eによりz−カットLN基板の進行波電極4と電気的に接続されている。
なお、本発明の他の実施形態と同様に、z−カットLN基板12とSAWグレードLN基板13’は不図示の台座に底面で固定されているが、さらにそれらが側面で互いに固定されていると機械的強度の観点から極めて有利である。但し、例えそれら同士が互いに側面で固定されていなくても、z−カットLN基板を不図示の台座に固定する際のガイドとしてSAWグレードLN基板13’を活用できるので好都合である。
[第4の実施形態]
図6に本発明の第4の実施形態を示す。この第4の実施形態ではSAWグレードLN基板からなる第1の別体の基板13’’と、同じくSAWグレードLN基板からなる第2の別体の基板13’’’の2つの別体の基板を使用する。ここで、z−カットLN基板12と第1の別体の基板13’’との接触面を14’’、z−カットLN基板12と第2の別体の基板13’’’との接触面を14’’’とする。第1の別体の基板13’’に形成した電極パターン16’はAuワイヤ25a、25b、25cによりz−カットLN基板の進行波電極4の接地導体4bと電気的に接続されている。第2の別体の基板13’’’には中心導体21a、21a’、接地導体21b、21b’、21cからなる電極パターンを形成し、不図示のマイクロ波コネクタの芯線を中心導体21a、21a’に、また接地導体21b、21b’、21cを不図示の金属筐体に接続する。第2の別体の基板13’’’に形成した電極パターンはAuワイヤ22a、22b、22c、22d、22eによりz−カットLN基板12の進行波電極4と電気的に接続されている。
なお、z−カットLN基板12と第1の別体の基板13’’と第2の別体の基板13’’’とが側面で互いに固定されていると機械的強度の観点から極めて有利となるが、例えそれら同士が互いに側面で固定されていなくても、z−カットLN基板を不図示の台座に固定する際のガイドとして別体基板を活用できるので好都合である。
[第5の実施形態と第6の実施形態]
図7に本発明における第5の実施形態の斜視図を示す。説明を簡単にするために、進行波電極を省略している。また、光導波路もz−カットLN基板12の端面にのみ3として示している。図7のC−C´における断面図を図8に示す。33はSAWグレードLN基板からなる別体の基板、30は厚みGの接着剤層である。なお、通常、z−カットLN基板12と別体の基板33をほぼ完全には密着させないときにも接着剤層30の厚みは約5〜10μm程度と薄いが、この第5の実施形態は30〜50μm程度さらには100μmと厚い場合についても含んでいる。
さて、本実施形態ではz−カットLN基板12と別体の基板33の隙間全体にわたって接着剤層30が入っているとしたが、基板の共振は不図示のコネクタの芯線から不図示の進行波電極に乗り移る際に漏れて放射された高周波電気信号により引き起こされるので、不図示のコネクタの芯線と不図示の進行波電極とを結ぶ入力用フィードスルー部で主に生じる。従ってC−C´は不図示の入力用フィードスルー部の付近を横断しているとし、図8はこの付近での断面図と考えて良い。
また、図9に本発明における第6の実施形態の斜視図を示す。この斜視図のD−D´における断面図を図10に示す。ここで、z−カットLN基板12とSAWグレードLN基板からなる別体の基板33は接着剤層30により部分的に固定されている。D−D´は第6の実施形態での不図示の入力用フィードスルー部の付近を横断しているとし、図9はこの付近での断面図と考えて良い。つまり、D−D´の断面においてz−カットLN基板12と別体の基板33の間には空気層31が入っている。
この第6の実施形態の場合にも接着剤層30により互いに部分的に固定されたz−カットLN基板12と別体の基板33はさらに不図示の筐体内部の台座に固定されているので、接着面積を広くすることができる。従って、不図示の筐体内部の台座にz−カットLN基板12のみを固定する場合と比較してz−カットLN基板12を強固に不図示の筐体内部の台座に固定することが可能となる。
図11は図7と図8に示した本発明における第5の実施形態において接着剤層30の厚みGを変数とした場合について、z−カットLN基板12、接着剤層30、及び別体の基板33からなる構造体の共振周波数を実線で、また図9と図10に示した本発明の第6の実施形態において空気層31の厚みGを変数とした場合について、z−カットLN基板12、空気層31、及び別体の基板33からなる構造体の共振周波数を破線で示す。なお、z−カットLN基板12と別体の基板33は両方とも厚みと幅が1mmとした。なお、ここでは10Gbit/sの光伝送を想定している。
図からわかるように、本発明において接着剤層30や空気層31の厚みGはG=0、つまり厚みが1mmで幅が2mmである一体のz−カットLN基板の場合での共振周波数とほぼ変わらず、本発明の構造を採用することにより一体のz−カットLN基板の場合と比較して共振周波数が変化するというデメリットはない。
z−カットLN基板12と別体の基板33が一体のz−カットLN基板からなっている場合には不図示の入力用フィードスルー部から漏れた高周波電気信号を模擬した電磁界は一体のz−カットLN基板の幅方向にも伝搬することは明らかであるし、実際に電磁界解析により確認した。
そして、不図示の入力用フィードスルーから漏れた高周波電気信号を模擬したこの電磁界を別体の基板33の内部に励振すると、別体の基板33とz−カットLN基板12の隙間Gが10〜30μmの場合は勿論であるが、50μmの場合はおろか100μm、さらには200μmの場合においてでさえも、高周波電気信号は別体の基板33から接着剤層30もしくは空気層31を突き抜けてz−カットLN基板12に伝搬する。
つまりz−カットLN基板12と別体の基板33の隙間Gが図11に図示した程度である場合には、z−カットLN基板12と別体の基板33の隙間に接着剤層30があっても、あるいは空気層31があっても電磁界は通り抜け、z−カットLN基板12と別体の基板33はあたかも一体のz−カットLN基板として機能する。
このように、z−カットLN基板12の幅を狭くすることにより1枚のウェーハから多くのLN変調器チップを得るとともに、全体としての接着面積を大きくできるので幅の狭いLN変調器チップを不図示の筐体の台座に強固に固定することを可能にするという本発明の効果を発揮しつつ、それに付随して発生する問題はないことがわかる。
[各実施形態について]
以上においては、進行波電極としてはCPW電極を例にとり説明したが、非対称コプレーナストリップ(ACPS)や対称コプレーナストリップ(CPS)などの各種進行波電極、あるいは集中定数型の電極でも良いことは言うまでもない。また、光導波路としてはマッハツェンダ型光導波路の他に、方向性結合器や直線など、その他の光導波路でも良いことは言うまでもない。
また、高周波電気信号の出力側にもマイクロ波コネクタの芯線があるとして説明してきたが、このことは本発明においては本質的なことではなく、終端抵抗を用いて筐体パッケージの中で、電気的に終端しても良いことは言うまでもない。また、以上の説明においては電気的に接続するためにAuワイヤを用いるとして説明したが、Auリボンでも良い。さらに筐体は金属として説明したが、本発明の考えは筐体がプラスティックなどの非金属材料からなる場合にも適用可能である。
なお、LN変調器チップの側面と別体の基板の側面とを接着する接着手段としての接着剤は紫外線硬化接着剤や熱硬化接着剤でも良いし、さらには銀ペーストなどの導電性接着剤や半田剤でも良い。
さらに、これまでの説明においては別体の基板として主にSAWグレードの素材のLN基板を使用するとしたが、部材費としての価格は高くなるものの別体の基板としてオプティカルグレードの素材のLN基板を使用しても良いことは言うまでもない。そして、その場合においても、LN変調器チップの製作工程において多くの人件費が発生するので、1枚あたりのウェーハから数多くのLN変調器チップを得ることができる本発明の効果は顕著である。
また、以上の実施形態はx−カット、y−カットもしくはz−カットの面方位、即ち、基板表面(カット面)に対して垂直な方向に結晶のx軸、y軸もしくはz軸を持つ基板にも適用可能であるし、以上に述べた各実施形態での面方位を主たる面方位とし、これらに他の面方位が副たる面方位として混在しても良い。
以上のように、本発明に係る光変調器は、安価で、機械的強度が高く、かつRF変調性能について改善することができるという効果を有し、高速で駆動電圧が低い光変調器として有用である。
本発明の第1の実施形態に係るLN光変調器の斜視図 (a)本発明の第1の実施形態に係るLN光変調器の横断面図、及び(b)本発明の第1の実施形態の原理を説明するための一体のLN基板の横断面図 本発明の第1の実施形態の光変調特性を示すグラフ 本発明の第2の実施形態に係るLN光変調器の斜視図 本発明の第3の実施形態に係るLN光変調器の斜視図 本発明の第4の実施形態に係るLN光変調器の斜視図 本発明の第5の実施形態に係るLN光変調器の斜視図 図7のC−C'線における断面図 本発明の第6の実施形態に係るLN光変調器の斜視図 図9のD−D'線における断面図 本発明の第5と第6の実施形態についての基板共振周波数を説明する図 第1の従来技術に係る光変調器の斜視図 図12のA−A'線における断面図 第1の従来技術に係る光変調器の動作を説明する図 第1の従来技術に係る光変調器モジュールの斜視図 第1の従来技術に係るLNのウェーハとそれに形成した光変調器チップを示す平面図 第1の従来技術に係る光変調器モジュールのマイクロ波コネクタ部における高周波電気信号の電気力線の分布を説明する図 図15のB−B'線で示した入力用フィードスルー部における高周波電気信号の電気力線の分布を説明する図 第1の従来技術に係るz−カットLN基板の斜視図 第1の従来技術に係るz−カットLN基板の横断面図 第2の従来技術に係るLNのウェーハとそれに形成した光変調器チップを示す平面図 第2の従来技術に係るz−カットLN基板の斜視図 第2の従来技術に係るz−カットLN基板の横断面図 機械的接着強度について従来技術の問題点を説明する図
符号の説明
1、12:z−カットLN基板(基板、LN基板)
2:SiOバッファ層(バッファ層)
3:光導波路
3a、3b:相互作用光導波路(光導波路、相互作用部)
4:進行波電極(電極)
4a:中心導体
4b、4c:接地導体
5:金属筐体
6a、6b:マイクロ波コネクタの芯線
7a、7b:マイクロ波コネクタの芯線の周囲にある空洞
8:金属のふた
10:LNウェーハ
11:LN光変調器のチップ
13、13’、33:SAWグレードLN基板(別体の基板)
13’’:SAWグレードLN基板(第1の別体の基板)
13’’’:SAWグレードLN基板(第2の別体の基板)
14、14’、14’’、14’’’:接触面
15:一体のLN基板
16:電極
16’:電極パターン
17a、17b、17c、19a、19b、19c、19d、19e、22a、22b、22c、22d、22e、25a、25b、25c:Auワイヤ
18a、18a’、21a、21a’:中心導体
18b、18b’、18c、21b、21b’、21c:接地導体
20:台座(固定部)
30:接着剤層
31:空気層

Claims (9)

  1. 筐体内に、電気光学効果を有する基板と、該基板に形成された光を導波するための光導波路と、前記基板の一方の面側に形成され、前記光の位相を変調する高周波電気信号を印加するための中心導体及び接地導体からなる進行波電極とを有し、
    前記進行波電極に前記高周波電気信号を印加することにより前記光の位相を変調する相互作用部と、前記基板を前記筐体に固定する固定部と、少なくとも外部回路から前記相互作用部に前記高周波電気信号を印加するための入力用フィードスルー部とを具備する光変調器において、
    さらに誘電体からなる別体の基板を前記基板の前記入力用フィードスルー部が形成された側に並置して有しており、
    前記別体の基板には中心導体および接地導体からなる電極パターンが形成され、前記基板に形成された前記中心導体および前記接地導体にそれぞれ電気的に接続されており、かつ、前記別体の基板の、前記基板に接する側とは反対側の端面における前記中心導体から前記高周波電気信号が入力されるようになっており、
    前記基板の厚みと前記別体の基板の厚みとから決定される誘電体共振の共振周波数が前記高周波電気信号の周波数よりも高くなるように、前記基板の前記厚みと前記別体の基板の前記厚みとを設定し、また、前記基板は少なくとも一つの前記別体の基板とともに前記固定部に接着固定されており、前記別体の基板が無い場合と比較して、前記基板の前記固定部への接着強度が大きいことを特徴とする光変調器。
  2. 前記基板の厚みと前記別体の基板の厚みをLz、前記誘電体共振の共振周波数をfc、前記基板と前記別体の基板の厚み方向の共振の次数をm、前記高周波電気信号の前記基板における厚み方向の等価屈折率をn、真空中の光速をcとするとき、前記誘電体共振の共振周波数に対して前記基板の厚みと前記別体の基板の厚みが、
    fc = (c/2)・m/(n・L
    によって定まることを特徴とする請求項1に記載の光変調器。
  3. 筐体内に、電気光学効果を有する基板と、該基板に形成された光を導波するための光導波路と、前記基板の一方の面側に形成され、前記光の位相を変調する高周波電気信号を印加するための中心導体及び接地導体からなる進行波電極とを有し、
    前記進行波電極に前記高周波電気信号を印加することにより前記光の位相を変調する相互作用部と、前記基板を前記筐体に固定する固定部と、少なくとも外部回路から前記相互作用部に前記高周波電気信号を印加するための入力用フィードスルー部とを具備する光変調器において、
    さらに誘電体からなる別体の基板を前記基板の前記入力用フィードスルー部が形成された側に並置して有しており、
    前記別体の基板には中心導体および接地導体からなる電極パターンが形成され、前記基板に形成された前記中心導体および前記接地導体にそれぞれ電気的に接続されており、かつ、前記別体の基板の、前記基板に接する側とは反対側の端面における前記中心導体から前記高周波電気信号が入力されるようになっており、
    前記基板の厚みとその厚み方向における前記高周波電気信号の等価屈折率との積、もしくは前記別体の基板の厚みとその厚み方向における前記高周波電気信号の等価屈折率との積の少なくとも一方が0.4mmより大きく、かつ15mmよりも小さくなるように、前記基板の前記厚みと前記別体の基板の前記厚みとを設定し、
    前記基板は少なくとも一つの前記別体の基板とともに前記固定部に接着固定されており、前記別体の基板が無い場合と比較して、前記基板の前記固定部への接着強度が大きいことを特徴とする光変調器。
  4. 筐体内に、電気光学効果を有する基板と、該基板に形成された光を導波するための光導波路と、前記基板の一方の面側に形成され、前記光の位相を変調する高周波電気信号を印加するための中心導体及び接地導体からなる進行波電極とを有し、
    前記進行波電極に前記高周波電気信号を印加することにより前記光の位相を変調する相互作用部と、前記基板を前記筐体に固定する固定部と、少なくとも外部回路から前記相互作用部に前記高周波電気信号を印加するための入力用フィードスルー部とを具備する光変調器において、
    さらに誘電体からなる別体の基板を前記基板の前記入力用フィードスルー部が形成された側に並置して有しており、
    前記別体の基板には中心導体および接地導体からなる電極パターンが形成され、前記基板に形成された前記中心導体および前記接地導体にそれぞれ電気的に接続されており、かつ、前記別体の基板の、前記基板に接する側とは反対側の端面における前記中心導体から前記高周波電気信号が入力されるようになっており、
    前記基板の幅と前記別体の基板の幅との和が、前記基板もしくは前記別体の基板の少なくとも一方の厚みの約1.4倍以上あり、
    前記基板は少なくとも一つの前記別体の基板とともに前記固定部に接着固定されており、前記別体の基板が無い場合と比較して、前記基板の前記固定部への接着強度が大きいことを特徴とする光変調器。
  5. 前記別体の基板が前記基板と同じ材料の誘電体からなることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の光変調器。
  6. 前記別体の基板が前記基板と異なる材料の誘電体からなることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の光変調器。
  7. 前記基板がオプティカルグレードのリチウムナイオベート基板でなり、前記別体の基板がSAWグレードのリチウムナイオベート基板でなることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の光変調器。
  8. 前記基板および前記別体の基板がそれぞれオプティカルグレードのリチウムナイオベート基板でなることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の光変調器。
  9. 前記基板の側面と前記別体の基板の側面との少なくとも一部が接着手段により互いに固定されていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の光変調器。
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