JP5254757B2 - 布帛 - Google Patents

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Description

本発明は、消臭性、制電性及び防汚性に優れた布帛に関するものである。
従来から、布帛に対し消臭性、制電性、防汚性といった特性を付与するため、種々の試みがある。
例えば、特許文献1には、消臭性微粒子が親水性架橋シリコーン樹脂を介して付与された繊維構造体が開示されており、ソフトな風合いと共に洗濯耐久性に優れた消臭性を発揮できることが記載されている。また、特許文献2には、ビニルスルホン酸及び第4級アンモニウム塩を表面に備えてなる繊維構造物が開示されており、効果として吸湿性、消臭性、抗菌性、制電性などを発揮できると記載されている。さらに、引用文献3には、グラフト重合にて導入されたカルボン酸重合体の末端基を特定量アルカリ金属塩化させることで、繊維製品のアンモニア消臭性、SR防汚性、帯電防止性などを向上させる技術が開示されている。
特開2005−273068号公報 特開平9−188970号公報 特開2000−226765号公報
しかしながら、いずれの技術も、ある特性をもった樹脂組成物を繊維に付着させるという手段を採用する点で共通しており、このことから洗濯耐久性や用途展開に課題を残しており、抜本的な改善が望まれるところである。
本発明は、上記のような従来技術の欠点を解消するものであり、消臭性、制電性、防汚性を兼ね備えると共に、それらの洗濯耐久性にも優れ、しかも広くユニフォーム衣料全般に渡り適用可能であり、特に、食品製造分野、医療分野、精密機械製造分野などにおいて使用するユニフォーム衣料に好適な布帛を提供することを課題とするものである。
本発明者らは、このような課題を解決するために鋭意検討の結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1)親水性ポリエステルと消臭剤とを含有するビニル系ポリマーを表面に備えてなる布帛であり、JIS L0217 103法による洗濯を30回行った後において、アンモニア消臭率が70%以上で、摩擦帯電圧が800V以下であり、かつ再汚染防止性等級が4級以上であることを特徴とする布帛。
(2)前記ビニル系ポリマーが、構成単位として2官能ビニル系モノマーを含むと共に、アクリレート樹脂、メタクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂及びエポキシメタクリレート樹脂からなる群より選ばれた少なくとも一種のポリマーであることを特徴とする上記(1)記載の布帛。
(3)前記消臭剤が平均粒子径0.01〜10.00μmの金属酸化物であることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の布帛。
本発明の布帛は、消臭性、制電性、防汚性を兼ね備えると共に、それらの洗濯耐久性にも優れている。このため、本発明の布帛は、広くユニフォーム衣料全般に適用することができ、特に、食品製造分野、医療分野、精密機械製造分野などにおいて使用するユニフォーム衣料に好適である。
本発明の布帛は、織物、編物、不織布など、繊維から形成されるものを対象とする。
本発明の布帛を構成しうる繊維としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリ乳酸などのポリエステル系繊維の他、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド系繊維、アクリル系繊維、ポリウレタン系繊維、綿、羊毛、絹、麻、竹などの天然繊維、ビスコースレーヨン、銅アンモニアレーヨン、溶剤紡糸セルロース繊維などの再生繊維、アセテートなどの半合成繊維などがあげられ、これらを単独で又は交撚、混紡、混繊、交織、交編するなどして用いることができる。
繊維の形態としては、長繊維、短繊維のいずれであってもよく、断面形状も特に限定されない。また、繊維中には、目的に応じ二酸化チタン、二酸化ケイ素、顔料などが含まれていてもよい。
また、本発明では、ビニル系ポリマーを使用する。ビニル系ポリマーを使用することは、後述する消臭性、制電性及び防汚性の洗濯耐久性向上に資するところが大きい。
本発明におけるビニル系ポリマーとしては、構成単位としてビニル系モノマーを主体とするポリマーであればどのようなものでも用いることができる。ビニル系モノマーとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ブテントリカルボン酸、フマル酸、クトロン酸、ビニルプロピオン酸、メチルビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、α−メチルスチレンスルホン酸、スルホプロピルアクリレート、スルホプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロパンスルホン酸、2−ヒドロキシ−3−メタクリロイロキシプロパンスルホン酸、2−アクリロイロキシエタンスルホン酸、2−メタクリロイロキシエタンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−アクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、3−メタクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、t−ブチルアクリルアミドスルホン酸、アリルスルホコハク酸又はそれらの誘導体などがあげられる。本発明では、ビニル系モノマーが単独で又は混合して用いられる。
本発明では、特にビニル系ポリマーとして、制電性、防汚性の観点から2官能ビニル系モノマーが好ましく用いられる。2官能ビニル系モノマーとしては、ジアクリレートが好ましく、具体的には、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールエポキシジアクリレート、ポリプロピレングリコールエポキシジアクリレート、ポリエチレングリコールエポキシジメタクリレート、ポリプロピレングリコールエポキシジメタクリレートなどがあげられる。そして、ここにあげたアクリレートを用いる場合、分子中に配された繰り返し単位たるポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコールの繰り返し数としては、1〜23が好ましく、これは、繰り返し単位のみの分子量に換算すると100〜1000に相当する。
ここで、ジアクリレートの構造式として、下記(1)式にアクリレート系の一般式を、(2)式にエポキシアクリレート系の一般式を示す。
本発明におけるビニル系モノマーとしては、このように2官能ビニル系モノマーを用いるのが好ましく、これを分子中に構成単位として含む場合、ビニル系ポリマーは、アクリレート樹脂、メタクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂及びエポキシメタクリレート樹脂からなる群より選ばれた少なくとも一種のポリマーとなる。
本発明では以上のようなビニル系ポリマーを使用するが、本発明ではこれを単独で用いるのではなく、消臭性、制電性及び防汚性の観点から、親水性ポリエステルと消臭剤とを含有させて用いる。
親水性ポリエステルとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコールと、テレフタル酸、スルホイソフタル酸などのジカルボン酸化合物との縮合ポリマーなどがあげられる。親水性ポリエステルの分子量としては、100〜10000が好ましい。
親水性ポリエステルの使用量としては、ビニル系ポリマー単独(以下、ビニル系ポリマー単独とは、親水性ポリエステル及び後述の消臭剤を含まない状態のビニル系ポリマーをいう)100質量部に対し1〜100質量部とするのが好ましく、5〜50質量部がより好ましい。親水性ポリエステルの使用量が1質量部未満であると、制電性、防汚性が向上しない傾向にあり、好ましくない。一方、100質量部を超えると、染色堅牢度が低下する傾向にあり、好ましくない。
また、消臭剤としては、無機系、有機系のいずれでもよく、特に限定されるものでないが、いかなる環境下でも優れた消臭性を発揮させる観点から、Zn、Si、Ti、Fe、Al又はZrのいずれかの元素を含む金属酸化物、あるいはこれらの混合物などが好ましい。なお、消臭剤は、光触媒機能を具備していてもよい。
消臭剤の平均粒子径(一次粒子径)としては、特に限定されないが、好ましくは0.01〜10.00μmとする。平均粒子径が0.01μm未満になると、消臭剤を微粉末化するための製造コストが非常に増すので好ましくない。一方、10.00μmを超えると、消臭剤が布帛表面から脱落し易くなり、洗濯耐久性が低下するので好ましくない。
消臭剤の使用量としては、ビニル系ポリマー単独100質量部に対し0.1〜50.0質量部とするのが好ましく、1.0〜30.0質量部がより好ましい。消臭剤の使用量が0.1質量部未満であると、所望の消臭性が得難い傾向にあり、一方、50.0質量部を超えると、消臭性の向上が期待できないばかりか、製造コストが増す傾向にあり、いずれも好ましくない。
本発明では、以上のような親水性ポリエステルと消臭剤とを含有するビニル系ポリマーを使用し、これが布帛の表面に備えられるようにして用いる。このとき当該ビニル系ポリマーは、繊維布帛(加工前の布帛)の質量に対し、1〜30質量%付着しているのが好ましく、1〜20質量%がより好ましい。ビニル系ポリマーの付着量が1質量%未満であると、所望の制電性及び防汚性が得難い傾向にあり、一方、30質量%を超えると、風合いが硬くなる傾向にあり、いずれも好ましくない。
本発明の布帛は、消臭性、制電性、防汚性を兼ね備えると共に、それらの洗濯耐久性にも優れている。ここで洗濯耐久性に優れるとは、社団法人繊維評価技術協議会発行の消臭加工繊維製品認証基準(JED301)の中で指定されている、「JAFET標準洗剤」(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)を使用して、JIS L0217 103法に準じて30回洗濯した後においても、当該効果を維持できることをいう。
本発明では消臭性の指標として、このJIS L0217 103法による洗濯を30回行った後のアンモニア消臭率が、70%以上であることが必要である。アンモニア消臭率をこの範囲に設定することで臭いが布帛に付くのを抑制することができるので、衣料の着用快適性を向上させる効果が期待できる。
アンモニア消臭率は、社団法人繊維評価技術協議会の消臭加工繊維製品認証基準(JED301)において規定されている機器分析試験法に準じて測定するものとする。具体的には、アンモニア初濃度が100ppmに調整された3Lのテドラーバッグ(ただし、通常、最大容積5Lのテドラーバッグを使用)を用意し、この内に10cm四方の調湿済み試料を2時間載置し、検知管にてテドラーバッグ内の残存アンモニア濃度を測定する。その一方で試料を載置しない場合のアンモニア濃度も測定する。測定後、下記式に基づいて減少率(%)を算出し、これをアンモニア消臭率とする。
アンモニア消臭率を上記の範囲に設定することは、ビニル系ポリマーに消臭剤を所定量包含させた上でポリマーを所定量繊維布帛表面に付着させることにより達成できる。
また、制電性の指標としては、同じくJIS L0217 103法による洗濯を30回行った後の摩擦帯電圧が、800V以下である必要がある。800Vを超えると、着用中に帯電し空気中の汚れ粒子を吸着し汚れやすくなり、食品製造分野などで使用するユニフォーム衣料へ適用できなくなる。
摩擦帯電圧は、JIS L1094B法に準じて測定するものとする。
摩擦帯電圧を上記の範囲に設定することは、ビニル系ポリマーに親水性ポリエステルを所定量包含させた上でポリマーを所定量繊維布帛表面に付着させることにより達成できる。
さらに、防汚性の指標としては、同じくJIS L0217 103法による洗濯を30回行った後の再汚染防止性等級が、4級以上である必要がある。再汚染防止性等級が4級未満であると、洗濯しても汚れが残ってしまう。再汚染防止性等級とは、布帛にB重油を0.2mL滴下し、30分間放置した後、JIS L0217 103法に準じて1回洗濯し、乾燥後、JIS L0805汚染用グレースケールに準じて判定した残留汚染レベルを指す。この再汚染防止性等級は、5等級で評価し、1級が最も悪く、5級が最も良い。なお、B重油とは、JIS K2205に記載された第2種の重油に該当する。
再汚染防止性等級を上記の範囲に設定することは、同じくビニル系ポリマーに親水性ポリエステルを所定量包含させた上でポリマーを所定量繊維布帛表面に付着させることにより達成できる。
次に、本発明の布帛を製造する方法について説明する。
本発明の布帛は、まず前述の繊維から構成される繊維布帛を準備した後、この繊維布帛にビニル系モノマー、親水性ポリエステル及び消臭剤を含む水溶液を付与し、しかる後に当該モノマーを重合することにより得られる。なお、繊維布帛を、予め精練、アルカリ減量、染色してもよい。
また、水溶液を繊維布帛に付与する方法としては、特に限定されるものではなく、パディング法、スプレー法、キスロールコータ法、スリットコータ法など公知の方法が適宜採用できる。
ビニル系モノマーを重合させる手段としては、任意の手段が採用でき、水溶液付与後、まず風乾又は加熱によって予備乾燥し、しかる後に低温プラズマ処理、乾熱処理、蒸気加熱処理、コールドバッチ処理又は紫外線処理する手段などが採用できる。中でも重合効率や安定性の面から、低温プラズマ処理、蒸気加熱処理が好ましい。
また、同じく重合効率や安定性の面から、水溶液中には重合開始剤が含まれているのが好ましく、重合開始剤としては、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、硝酸セリウムアンモニウム、過酸化水素などの無機系重合開始剤、2,2′−アゾビス(2−アミディノプロパン)ジハイドロクロライド、2,2′−アゾビス(N,N′−ジメチレンイソブチラミディン)ジハイドロクロライド、2−(カルバモイラゾ)イソブチロニトリルなどの有機系ラジカル開始剤などのラジカル開始剤などが一般的であるが、過酸化物と還元性物質とを併用する、いわゆるレドックス系開始剤も使用可能である。レドックス系開始剤としては、過酸化物として、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムなどが、還元性物質として、スルホキシル酸ナトリウムとホルマリンとの反応物、ハイドロサルファイトなどがあげられる。
重合開始剤の使用量としては、ビニル系モノマー単独の質量に対し、0.1〜15.0質量部が好ましい。
さらに、当該水溶液中には、重合抑制剤が含まれていてもよい。重合抑制剤を併用することにより、低温域での重合を抑制することができ、所望の重合度を有するビニル系ポリマーを得る点で有利である。重合抑制剤としては、ベンゾキノン、ハイドロキノン、メトキシフェノールなどのキノン類、第三ブチルカテコールのようなポリオキ化合物、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジエチルヒドロキシルアミンなどの有機硫黄化合物、ニトロ化合物、ジエチルヒドロキシルアミン、イソプロピルヒドロキシルアミンなどのアミノ化合物などがあげられる。
重合抑制剤の使用量としては、ビニル系モノマー単独の質量に対し、0.01〜2.00質量%が好ましい。
繊維布帛に上記水溶液を付与した後、ビニル系モノマーを重合させる手段として低温プラズマ処理、蒸気加熱処理が好ましいことは先に述べた。具体的に、低温プラズマ処理を採用する場合、プラズマ雰囲気内に繊維布帛を一定時間置くことでビニル系モノマーを重合することができる。低温プラズマは、減圧状態にある酸素又は酸素を含む混合気体に高周波エネルギーを与えることによって酸素分子が励起される結果、発生するものである。
酸素あるいは酸素を含む混合気体とは、酸素100%もしくは酸素と他の気体とを混合したガスのことである。他のガスとしては、ヘリウム、アルゴンなどに代表される不活性ガス、窒素、水蒸気、炭酸ガスなどがあげられる。また、高周波エネルギーの周波数としては、低温プラズマを発生しうる周波数であれば特に限定されるものでなく、1〜3000MHzの範囲で使用可能である。但し、実用上は、電波法などの規制により、13.56MHz、27.12MHz、40.68MHz、915MHz、2450MHzのいずれかを使用するのが好ましい。高周波エネルギーの電力(高周波電力)としては、0.1〜10.0W/cmが好ましい。さらに、処理時の真空度としては、低温プラズマが発生する範囲であれば、特に限定されるものでないが、実用上は、13〜2670Paが好ましく、40〜1330Paがより好ましい。処理時間についても、特に限定されるものでないが、1〜240秒の範囲が好ましい。
また、蒸気加熱処理を採用する場合は、常圧スチーム法に基づく処理、高圧スチーム法基づく処理のいずれでも採用可能であるが、コストの点から、常圧スチーム法に基づくのが好ましい。蒸気加熱処理の温度としては、80〜180℃が好ましく、98〜150℃がより好ましい。また、蒸気加熱処理の時間としては、1〜20分間が好ましい。
ビニル系モノマーを重合してビニル系ポリマーとなした後は、必要に応じて、布帛を柔軟処理、撥水処理、難燃処理などしてもよい。
次に、本発明を実施例により具体的に説明する。
(実施例1)
経糸としてポリエステルマルチフィラメント加工糸167dtex48fを、緯糸としてポリエステルマルチフィラメント加工糸334dtex96fを用い、経糸密度128本/2.54cm、緯糸密度58本/2.54cmの綾織物を製織し、通常の方法で精練した。
次に、この綾織物を下記処方1に示す組成の水溶液に含浸した後、マングルにて絞り率80質量%で絞り、130℃で60秒間予備乾燥した。
《処方1》
ビニル系モノマー(ポリエチレングリコール400エポキシジメタクリレート) 60g/L
親水性ポリエステル(高松油脂(株)製「SR6200(商品名)」) 30g/L
酸化亜鉛配合消臭剤(長瀬カラーケミカル(株)製「デナシスY−UMN(商品名)」、平均粒子径0.10μm) 30g/L
その後、ガス種として空気、真空度として133Pa、周波数として13.56MHz、高周波電力として1.0W/cm、処理時間として60秒なる条件で綾織物を低温プラズマ処理し、本発明の布帛を得た。
このとき、親水性ポリエステルと消臭剤とを含有するビニル系ポリマーの繊維布帛(加工前の布帛)に対する付着量は5.5質量%であった。また、親水性ポリエステル、消臭剤の使用量は、ビニル系ポリマー単独100質量部に対しそれぞれ10質量部、10質量部であった。
(実施例2)
処方1に代えて下記処方2に示す組成の水溶液を用いる以外は、実施例1と同様にして本発明の布帛を得た。
得られた布帛において、親水性ポリエステルと消臭剤とを含有するビニル系ポリマーの繊維布帛に対する付着量は8.7質量%であり、また、親水性ポリエステル、消臭剤の使用量は、ビニル系ポリマー単独100質量部に対しそれぞれ6質量部、6質量部であった。
《処方2》
ビニル系モノマー(ポリプロピレングリコール200エポキシジメタクリレート) 100g/L
親水性ポリエステル(日華化学(株)製「ナイスポールPR−99(商品名)」) 30g/L
光触媒機能を有する酸化チタン消臭剤(大和化学工業(株)製「ザオバセットナノTi−2000(商品名)」、平均粒子径0.06μm) 30g/L
参考例1
経糸としてポリエステルマルチフィラメント加工糸334dtex96fを、緯糸としてポリエステル綿混紡糸45番手双糸を用い、経糸密度66本/2.54cm、緯糸密度56本/2.54cmの平織物を製織し、通常の方法で精練、漂白、マーセライズ処理した。
次に、この平織物を下記処方3に示す組成の水溶液に含浸した後、マングルにて絞り率80質量%で絞り、130℃で60秒間予備乾燥した。
《処方3》
ビニル系モノマー(ポリエチレングリコール1000ジメタクリレート) 100g/L
親水性ポリエステル(日華化学(株)製「ナイスポールPR−99(商品名)」) 30g/L
酸化亜鉛複合消臭剤(ラサ工業(株)製「KD211GF(商品名)」、平均粒子径10.00μm) 30g/L
重合開始剤(過硫酸アンモニウム) 10g/L
その後、この平織物を常圧スチーム法に基づいて99℃で5分間蒸気加熱処理し、参考例の布帛を得た。
このとき、親水性ポリエステルと消臭剤とを含有するビニル系ポリマーの繊維布帛に対する付着量は8.7質量%であった。また、親水性ポリエステル、消臭剤の使用量は、ビニル系ポリマー単独100質量部に対しそれぞれ6質量部、6質量部であった。
(比較例1)
実施例1で用いた精練後の綾織物を下記処方4に示す組成の水溶液を用いて、浴比を1:30として130℃で30分間吸尽処理し、乾燥後、下記処方5に示す組成の水溶液に含浸した後、マングルにて絞り率80質量%で絞り、130℃で60秒間予備乾燥した。
《処方4》
親水性ポリエステル(大原パラジウム(株)製「パラソルブPET−2(商品名)」) 3%owf
《処方5》
アクリルポリマー系バインダー(長瀬カラーケミカル(株)製「デナシスY−AE(商品名)」) 30g/L
酸化亜鉛配合消臭剤(長瀬カラーケミカル(株)製「デナシスY−UMN(商品名)」、平均粒子径0.10μm) 30g/L
その後、この綾織物を170℃で1分間乾熱処理し、比較用の布帛を得た。
(比較例2)
参考例1で用いたマーセライズ処理後の平織物を、下記処方6に示す組成の水溶液に含浸した後、マングルにて絞り率80質量%で絞り、130℃で60秒間予備乾燥した。
《処方6》
親水性ポリエステル(高松油脂(株)製「SR6200(商品名)」) 30g/L
親水性ポリエステル用触媒(高松油脂(株)製「SR−CA−1(商品名)」) 10g/L
金属酸化物複合消臭剤(大和化学工業(株)製「ニューザオバセットNH−S12(商品名)」) 50g/L
その後、この平織物を170℃で1分間乾熱処理し、比較用の布帛を得た。
以上のようにして得た、実施例1〜2、参考例1及び比較例1〜2にかかる布帛の洗濯前並びに洗濯30回後のアンモニア消臭率、摩擦帯電圧、再汚染防止性等級を下記表1に示す。
表1から明らかなように、実施例1〜にかかる布帛は、洗濯30回後においても消臭性、制電性、防汚性に優れていた。したがって、得られた布帛は、各種ユニフォーム衣料、特に食品製造分野、医療分野、精密機械製造分野などにおいて使用するユニフォーム衣料に好適である。一方、比較例1、2にかかる布帛は、実施例と異なりビニル系ポリマーが使用されていないので、消臭性、制電性及び防汚性の洗濯耐久性に劣る結果となった。したがって、ユニフォーム衣料に使用こそできるものの、その適用範囲は限られたものとなる。

Claims (2)

  1. 親水性ポリエステルと消臭剤とを含有するビニル系ポリマーを表面に備え、下記(1)〜(4)を満足する布帛であって、JIS L0217 103法による洗濯を30回行った後において、アンモニア消臭率が85%以上で、摩擦帯電圧が300V以下であり、かつ再汚染防止性等級が4級以上であることを特徴とする布帛。
    (1)前記ビニル系ポリマーが構成単位として2官能ビニル系モノマーを含むと共に、エポキシアクリレート樹脂及びエポキシメタクリレート樹脂からなる群より選ばれた少なくとも一種。
    (2)前記親水性ポリエステルの含有量が前記ビニル系ポリマー100質量部に対して6〜10質量部。
    (3)前記消臭剤の含有量が前記ビニル系ポリマー100質量部に対して6〜10質量部。
    (4)前記ビニル系ポリマーの付着量が5.5〜30質量%。
  2. 前記消臭剤が平均粒子径0.01〜10.00μmの金属酸化物であることを特徴とする請求項1記載の布帛。
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