JP6454500B2 - ワイピングクロス、およびワイピングクロスの製造方法 - Google Patents

ワイピングクロス、およびワイピングクロスの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ワイピングクロス、およびワイピングクロスの製造方法に関する。
家庭用および業務用の分野に用いられるワイピングクロスとして、天然繊維(例えば、綿からなる繊維)で構成された布帛が多く用いられる。しかし、こうした布帛は清掃効果が不十分であり、さらに発塵性を有する。また、こうした布帛に付着した汚れを除去するには通常の家庭用洗濯では困難であり、衛生面において問題がある。
清掃効果が向上され発塵性が抑制されたワイピングクロスとして、単糸繊度が0.1デシテックス以下程度である繊維から構成されたワイピングクロスが知られている(例えば、特許文献1または特許文献2)。また、汚れ除去性が向上され衛生面に配慮されたワイピングクロスとして、表面が抗菌剤(制菌剤)または吸水剤により処理されたワイピングクロスが知られている(例えば、特許文献3〜5)。また、リング撚糸機を用いて得られるリング糸条からなるワイピングクロスが知られている(例えば、特許文献6)。
特開平11−172549号公報 特開平11−152643号公報 特開2001−254266号公報 特開2004−283514号公報 特開2000−342501号公報 特開2006−112001号公報
しかしながら、特許文献1〜5に記載された技術を用いたとしても、得られたワイピングクロスは風合いが柔らかすぎ、手にまとわりついたりするなど取扱い性に劣り、汚れの拭き取りに適した張り腰を達成することができない。さらに、ワイピングクロスに付着した汚れを家庭用洗濯などにより除去することは困難である。
また、特許文献6に記載されたワイピングクロスは、実使用における一定以上の汚れの拭き取り性を有するが、各種性能に対する更なる改善が要望されている。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の単糸繊度を有する捲縮糸と高収縮糸とを特定の構成において併用することにより、拭き取り性に適した張り腰を有した風合いと吸水性とが向上され、清掃効果が更に高められたワイピングクロスが得られることを見出し、さらに表面に特定の処理が施されることにより抗菌性と、吸水性、防汚性および再汚染防止性とが向上されたワイピングクロスが得られることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は以下の(I)〜(IX)を要旨とする。
(I)経糸および緯糸の何れにおいてもリング糸と混繊糸とが配された織物からなるワイピングクロスである。前記リング糸は、第一の捲縮糸がオーバーフィード状態で第二の捲縮糸の周囲に撚回してなる複合糸に対して第三の捲縮糸が上撚されたものであり、かつ長手方向に凹凸構造を有する。前記第一の捲縮糸の単糸繊度は0.01〜0.5デシテックスであり、前記第二の捲縮糸の単糸繊度は1.0〜7.0デシテックスである。前記混繊糸は、前記第一の捲縮糸と高収縮糸とを含み、前記高収縮糸の単糸繊度は1.0〜7.0デシテックスである。
(II)前記織物はピリジン系抗菌剤と親水性ポリマーとを含み、前記ワイピングクロスの防汚性および再汚染防止性の等級が3−4級以上であり、JIS L 1902に従って測定される殺菌活性値が0を超える、(I)のワイピングクロス。
(III)前記織物の組織が、経糸と緯糸とが1:1で配列された二重織組織である、(I)又は(II)のワイピングクロス。
(IV)前記第一の捲縮糸、前記第二の捲縮糸、前記第三の捲縮糸、および前記高収縮糸から選択される1種以上がポリエステル系繊維からなる、(I)〜(III)の何れかのワイピングクロス。
(V)前記高収縮糸の30分間処理後の沸水収縮率が20%以上である、(I)〜(IV)の何れかのワイピングクロス。
(VI)(I)〜(V)の何れかのワイピングクロスを製造する方法である。割繊されて前記第一の捲縮糸となる海島型複合繊維を前記第二の捲縮糸の周囲にオーバーフィード状態で撚回させて未割繊複合糸を得、前記未割繊複合糸に対して、前記海島型複合繊維と逆方向に前記第三の捲縮糸を撚回させて未割繊リング糸を得る工程と、前記海島型複合繊維と前記高収縮糸とを混繊させて未割繊混繊糸を得る工程と、前記未割繊リング糸と前記未割繊混繊糸とを経糸および緯糸の何れにも用いて製織する工程とを実行することで生機を製造し、前記生機を、下記工程(1)および(2)に、この順に付する。
(1)熱水でリラックス処理する工程
(2)前記海島型複合繊維の海成分を溶解除去して割繊する工程
(VII)前記工程(2)の後に、前記生機を下記工程(3)および(4)に、この順に付する(VI)のワイピングクロスの製造方法。
(3)ヒートセットを行わずに120℃以上の温度で前記ピリジン系抗菌剤を吸尽させる工程
(4)前記親水性モノマーを付与し、次いでプラズマ処理を行う工程
(VIII)(I)〜(V)の何れかのワイピングクロスを製造する方法である。前記第一の捲縮糸を前記第二の捲縮糸の周囲にオーバーフィード状態で撚回させて前記複合糸を得て、前記複合糸に対して、前記第一の捲縮糸と逆方向に前記第三の捲縮糸を撚回させて前記リング糸を得る工程と、前記第一の捲縮糸と前記高収縮糸とを混繊させて前記混繊糸を得る工程と、前記リング糸と前記混繊糸とを経糸および緯糸の何れにも用いて製織する工程と、を実行することで生機を製造し、前記生機を下記工程(5)に付する。
(5)熱水でリラックス処理する工程
(IX)前記工程(5)の後に、前記生機を下記工程(6)および(7)に、この順に付する(VIII)のワイピングクロスの製造方法。
(6)ヒートセットを行わずに120℃以上の温度で前記ピリジン系抗菌剤を吸尽させる工程
(7)前記親水性モノマーを付与し、プラズマ処理を行う工程
本発明のワイピングクロスは、特定の単糸繊度を有する捲縮糸と高収縮糸とを併用し、凹凸構造を有することにより、拭き取り性に適した張り腰を有した風合いと、吸水性とに優れる。さらに、汚れの拭き取り性と保持性とが向上し、清掃効果が顕著に向上する。また、親水性ポリマーと特定の抗菌剤とにより表面が処理されている場合は、吸水性、防汚性および再汚染防止性と、抗菌性とに優れる。つまり、本発明によれば、家庭用途および工業用途に適したワイピングクロス(特に、食器等の水拭き、またはウエット状態で拭き取る用途に適し、さらに抗菌性に優れたワイピングクロス)を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のワイピングクロスは、経糸および緯糸の何れにおいてもリング糸と混繊糸とが配された織物からなる。リング糸は、第一の捲縮糸がオーバーフィード状態で第二の捲縮糸の周囲に撚回してなる複合糸に対して、第三の捲縮糸が上撚されたものである。混繊糸は、第一の捲縮糸と高収縮糸とが混繊されたものである。第一の捲縮糸、および第二の捲縮糸は、後述のように、それぞれ特定の単糸繊度を有する。
第一の捲縮糸、第二の捲縮糸、第三の捲縮糸を構成する繊維としては、例えば、綿などの天然繊維または合成繊維が挙げられる。合成繊維の具体例は、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリアクリル系繊維またはポリオレフィン系繊維である。これらのうち合成繊維が乾燥性に優れ衛生面などの観点からも好ましく、中でも、ポリエステル系繊維またはポリアミド系繊維がより好ましく、ポリエステル系繊維がさらに好ましい。
リング糸について以下に説明する。
リング糸は、第一の捲縮糸、第二の捲縮糸および第三の捲縮糸からなり、長手方向に凹凸構造を有する。
詳しくは、リング糸は複合糸を含む。複合糸は、芯糸としての第二の捲縮糸の周囲に、オーバーフィード状態で極細繊維の第一の捲縮糸を撚回させて得られ、これにより凹凸構造が発現する。撚回には、例えばリング撚糸機を用いる。第一の捲縮糸のオーバーフィード率は、良好な凹凸構造を形成するために、20%以上が好ましく、30〜70%がより好ましい。オーバーフィード率が20%未満であると、凹凸構造を十分に形成できない場合がある。なお、第一の捲縮糸は飾り糸ともいう。
リング糸においては、複合糸に対して第三の捲縮糸がさらに上撚されている。第三の捲縮糸は押さえ糸として作用し、凸部を形成する第一の捲縮糸を固定するために、第一の捲縮糸とは逆方向に撚回されている。
第一の捲縮糸は、0.01〜0.5デシテックスの単糸繊度を有する極細繊維を、例えば仮撚加工して捲縮性を与えた繊維である。この極細繊維は、海島型複合繊維の海成分を溶解除去して得られるものであってもよい。海島型複合繊維は、海成分として易溶性樹脂(例えば、易溶性ポリエステル)が配され、島成分として難溶性樹脂(例えば、難溶性ポリエステル)が配された構成を有する。極細繊維を用いることで、細かい粒子による汚れ、および薄い油膜性の汚れの拭き取り性能が向上する。
第一の捲縮糸の単糸繊度は0.01〜0.5デシテックスであり、0.05〜0.3デシテックスであることが好ましい。ここで、第一の捲縮糸の単糸繊度が0.01デシテックス未満であると、汚れの拭き取り性に優れる一方で、使用時の摩擦により繊維の単糸切れなどが発生し毛羽が発生しやすくなる。一方、第一の捲縮糸の単糸繊度が0.5デシテックスを超えると、微細な汚れを捕捉することが困難になる。
第一の捲縮糸の総繊度は、10〜200デシテックスであることが好ましく、50〜150デシテックスであることがより好ましい。第一の捲縮糸の総繊度が10デシテックス未満であると、吸水性または保水性が不足し、さらに、拭き取り性に劣る場合がある。一方、第一の捲縮糸の総繊度が200デシテックスを超えると、嵩高になり過ぎて作業性が低下する場合がある。
第一の捲縮糸は、丸断面であってもよいし異形断面(例えば、三角断面、四角断面、扁平断面、楔型断面、またはアルファベットの各文字に類似したC型断面若しくはH型断面など)であってもよい。異形断面であると織物表面の繊維密度が大きくなり、汚れを除去性により優れる。また、拭き取った汚れの保持性または再付着防止性も向上する。
第二の捲縮糸は、凹凸構造を有する糸条であるリング糸に張り感および腰感を与えるための芯糸である。第二の捲縮糸の単糸繊度は1.0〜7.0デシテックスであり、1.0〜4.0デシテックスであることが好ましい。第二の捲縮糸の単糸繊度が1.0デシテックス未満であると、ワイピングクロスに適度な張り腰感を付与することが困難となり、汚れを拭き取る際に皺がよってしまうため、拭き取り面を均一に押さえることが困難となる。また第二の捲縮糸の単糸繊度が7.0デシテックスを超えると、ワイピングクロスを曲げ変形させることが困難となり、微細な凹凸上または曲面上における汚れの拭き取り性に劣る。
第二の捲縮糸の総繊度は10〜200デシテックスであることが好ましく、50〜150デシテックスであることがより好ましい。第二の捲縮糸のトータル繊度が10デシテックス未満であると、汚れの拭き取り性に劣る場合がある。第二の捲縮糸のトータル繊度が200デシテックスを超えると、嵩高になり過ぎて作業性が低下する場合がある。
複合糸における第一の捲縮糸と第二の捲縮糸との割合(質量比)は、特に限定されないが、(第一の捲縮糸)/(第二の捲縮糸)=80/20〜60/40であることが好ましい。
第三の捲縮糸は、特定の単糸繊度を有し、極細繊維である第一の捲縮糸を糸条の凸部に固定するための押え糸として機能する。第三の捲縮糸の単糸繊度は、芯糸としての第二の捲縮糸と同程度であればよく、1.0〜7.0デシテックスであることが好ましく、1.5〜4.0デシテックスであることがより好ましい。第三の捲縮糸の単糸繊度が1.0デシテックス未満であると、押え糸としての機能が不十分となる場合があり、7.0デシテックスを超えると嵩高になり過ぎて作業性が低下する場合がある。
また、第三の捲縮糸の総繊度は10〜200デシテックスであることが好ましく、50〜150デシテックスであることがより好ましい。第三の捲縮糸の総繊度が10デシテックス未満であると汚れの拭き取り性に劣る場合がある。一方、第三の捲縮糸の総繊度が200デシテックスを超えると、嵩高になり過ぎて作業性が低下する場合がある。
第二の捲縮糸および第三の捲縮糸は、第一の捲縮糸と同様に、仮撚加工などの捲縮加工により1本1本の単繊維配列が乱れている。このため、構成繊維の表面積が大きく作用し、空隙率が大きくなる。その結果、毛細管現象により水分吸収能が増加され、本発明のワイピングクロスの吸水性および嵩高性が向上する。
リング糸における第三の捲縮糸の割合は、特に限定されないが、10〜30質量%の範囲が好ましい。
混繊糸について以下に説明する。
混繊糸は、上述の第一の捲縮糸と高収縮糸とを混繊してなる。混繊糸に含まれる第一の捲縮糸は、上述のリング糸を構成する第一の捲縮糸と同様である。
混繊糸に含まれる高収縮糸は、沸水処理による収縮によって混繊糸の芯部を構成し、織物を高密度化させる。高収縮糸の単糸繊度は1.0〜7.0デシテックスであり、1.0〜5.0デシテックスであることが好ましい。高収縮糸の単糸繊度が1.0デシテックス未満であると、混繊糸の張り腰が不十分となる。一方、高収縮糸の単糸繊度が7.0デシテックスを超えると、得られるワイピングクロスの風合いが硬くなり過ぎて作業性が低下する。
高収縮糸の30分間処理後の沸水収縮率は20%以上であることが好ましく、25%以上であることがさらに好ましい。高収縮糸の沸水収縮率が20%未満であると、混繊糸の織物を高密度化させ難くなる場合がある。なお、本明細書における沸水収縮率とは、JISL−1013−7.15B法に従って、沸水で処理し風乾燥後の糸長(L′)と処理前の糸長(L)を測定し、下記式により算出した数値である。
沸水収縮率(%)=〔(L−L′)/L〕×100
なお、高収縮糸の沸水収縮率を制御するためには、例えば、延伸時の熱処理温度を適宜に調整すればよい。
高収縮糸は、例えば、合成繊維である。高収縮糸を構成するポリマーは特に限定されず、例えば、ポリエステル系繊維を構成するための公知のポリマー(例えば、2,2−ビス{4−(β−ヒドロキシエトキシ)フェニル}プロパンとイソフタル酸との共重合物)が挙げられる。
混繊糸における第一の捲縮糸と高収縮糸との混繊割合(質量比)は、特に限定されないが、(第一の捲縮糸)/(高収縮糸)=80/20〜60/40であることが好ましい。
本発明のワイピングクロスにおいては、特定の単糸繊度を有する第一の捲縮糸を含むリング糸が、混繊糸中の高収縮糸の収縮によって織物の表裏で凹凸化し、適度な張り腰が発現する。そのため、これらの相乗効果により優れた拭き取り性を実現できる。さらに、第一の捲縮糸では、仮撚加工などにより捲縮されるため各々の単繊維配列が乱れており、構成繊維の表面積が大きくなり、ひいては空隙率が大きくなる。その結果、水分吸収能が毛細管現象により増加され、汚れの拭き取り性と吸水性とが向上する。単糸繊度が細いほど清掃効果が大きく、かつ繊維の表面積と空隙率が増大し、毛細管現象による水分の吸収が向上する。
本発明のワイピングクロスにおいて、リング糸と混繊糸との割合(質量比)は、拭き取り性、汚れの保持性、および風合いのバランスから、(リング糸)/(混繊糸)=30/70〜70/30であることが好ましい。
本発明のワイピングクロスにおいては、ピリジン系抗菌剤と親水性ポリマーとが織物表面に固着して含まれていることが好ましい。
本発明のワイピングクロスにおいては、好ましくは織物にピリジン系抗菌剤が固着して含有されるため、抗菌性が付与される。ピリジン系抗菌剤はピリジン系化合物を主成分とする抗菌剤であり、その他の抗菌剤と比較すると、濃度が低くても抗菌性に優れるという利点がある。ピリジン系化合物としては、例えば、2−ピリジルチオール−1−オキシド亜鉛、2−クロロ−4−トリクロロメチル−6−(2−フリルメトキシ)ピリジン、2−クロロ−4−トリクロロメチル−6−メトキシピリジン、2−クロロ−6トリクロロメチルピリジン、ジ(4−クロロフェニル)ピリジルメタノール、2,3,5,−トリクロロ−4−(n−プロピルスルフォニル)ピリジン、2−ピリジンチオール−1−オキシドナトリウム、1,4−(1−ジヨードメチルスルフォニル)ベンゼン、10,10’−オキシビスフェノキシアルシン、6−(2−チオフェンカルボニル)−1H−2−ベンズイミダゾールカルバニン酸メチルまたは5−クロロ−2メチル−4−イソチアゾリン−3−オンが挙げられる。ピリジン系抗菌剤としては、優れた抗菌性を発現させる観点から、2−ピリジルチオール−1−オキシド亜鉛が好ましい。
ピリジン系抗菌剤の含有量(固着量)は、ワイピングクロスの全質量に対し0.01〜10質量%であることが好ましく、0.05〜5質量%であることがより好ましい。ピリジン系抗菌剤の含有量が0.01質量%未満であると抗菌性が不十分となる場合がある。一方、ピリジン系抗菌剤の含有量が10質量%を超えると、ワイピングクロスの耐光堅牢度が悪化し、またコストアップにつながる場合がある。
本発明のワイピングクロスにおいては、織物に親水性ポリマーが固着して含有されていると、吸水性、防汚性および再汚染防止性が付与される。なお、ピリジン系抗菌剤が固着し、その上に親水性ポリマーが固着されている場合は、ピリジン抗菌剤が織物に強固に付着するとともに親水性が良好に発現し、防汚性および再汚染防止性が顕著に向上するため好ましい。
親水性ポリマーとしては、防汚性のために、ポリエチレングリコール若しくはポリプロピレングリコールを含むアクリレート樹脂、メタクリレート樹脂またはポリエステルポリエーテルブロック共重合体が好ましい。ポリエステルポリエーテルブロック共重合は、市販品も使用することができる。
親水性ポリマーの含有量(固着量)は、ワイピングクロスの全質量に対し0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましい。親水性ポリマーの含有量が0.1質量%未満であると、ワイピングクロスの防汚性が低下する場合がある。一方、親水性ポリマーの含有量が10質量%を超えると、得られるワイピングクロスの湿潤堅牢度が悪化する場合がある。
本発明のワイピングクロスは、経糸および緯糸を構成の何れにおいても、上述のリング糸と混繊糸とが用いられた織物からなる。こうした織物の組織としては、経糸と緯糸とを1:1で配列した二重織組織が好ましい。「1:1で配列した二重織組織」としては、緯糸のみが表層/裏層に二重になるように配列された緯二重織物;経糸のみが表層/裏層に二重になるように配列された経二重織物:経糸および緯糸の何れもが、表層/裏層に二重になるように配列された完全二重織物が挙げられる。
本発明のワイピングクロスにおいては、拭き取り性の定量的な指標となる光沢回復率が、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。光沢回復率とは、混合汚染剤を塗布することにより損なわれたはずの光沢が拭き取りにより回復する度合いを示すものであり、具体的な算出方法は実施例において後述する。
本発明のワイピングクロスにおいては、防汚性および再汚染防止性の等級が3−4級以上であることが好ましい。防汚性および再汚染防止性は5等級で評価され、1級が最も劣る評価であり5級が最も優れる評価である。防汚性および再汚染防止性の等級が3−4級未満であると、洗濯後も汚れが残留したり、洗濯槽に残留する油汚れなどが再付着したりして、徐々に黒ずんでいくという問題が発生する。
防汚性は以下のようにして評価される。JIS L 1912:2012 C法(滴下拭き取り法)に従って、ワイピングクロスに対して、人工汚染剤(組成:オリーブ油61.5質量%、オレイン酸38.0質量%およびオイルレッド0.5質量%)を0.1mL滴下する。滴下後1分間放置し、ろ紙を汚染物質の上に載せ、ろ紙の自重で汚染物質を吸い取る。次いで、JIS L 0217 103法に従ってワイピングクロスを1回洗濯し、乾燥する。その後、JIS L 0805の汚染用グレースケールを用いて、汚染レベルの等級を判定する。
再汚染防止性は以下のようにして評価される。まず、上記の人工汚染剤0.3g/Lに界面活性剤0.3g/Lと温水を加えて混合乳化し、乳化物を得る。そして、この乳化物に、浴比が1:100となるようにしてワイピングクロスを投入し、温度80℃で10分間攪拌する。次いで、ワイピングクロスを湯洗い、水洗いし、乾燥する。その後、JIS L 0805の汚染用グレースケールを用いて、残留汚染レベルの等級を判定する。
本発明のワイピングクロスに関し、JIS L 1902に従って測定される殺菌活性値が0を超えることが好ましい。この殺菌活性値の測定方法は、JIS L 1902(2002)「繊維製品の抗菌性試験方法・抗菌効果」に規定される菌液吸収法に従い、菌種として黄色ぶどう球菌、肺炎かん菌およびMRSAの3種を使用して測定する。殺菌活性値が0を超えると、十分な抗菌性が維持されていることの指標となる。
本発明のワイピングクロスの製造方法について述べる。
本発明のワイピングクロスの第一の製造方法は、割繊されて前記第一の捲縮糸となる海島型複合繊維を前記第二の捲縮糸の周囲にオーバーフィード状態で撚回させて未割繊複合糸を得、前記未割繊複合糸に対して、前記海島型複合繊維と逆方向に前記第三の捲縮糸を撚回させて未割繊リング糸を得る工程と、前記海島型複合繊維と前記高収縮糸とを混繊させて未割繊混繊糸を得る工程と、前記未割繊リング糸と前記未割繊混繊糸とを経糸および緯糸の何れにも用いて製織する工程とを実行することで生機を製造する。そして、前記生機を、下記(1)および(2)の工程に、この順に付する。
(1)熱水でリラックス処理する工程(リラックス処理工程)
(2)海島型複合繊維の海成分を溶解除去して割繊する工程(割繊工程)
さらに、工程(2)の後に、前記生機を下記(3)および(4)の工程に、この順に付することが好ましい。
(3)ヒートセットを行わずに120℃以上の温度でピリジン系抗菌剤を吸尽させる工程(抗菌加工工程)
(4)親水性モノマーを付与し、次いでプラズマ処理を行う工程(親水加工工程)
未割繊リング糸を製造するには、まず未割繊複合糸を製造する。未割繊複合糸は、芯糸である第二の捲縮糸の周囲に、オーバーフィード状態で海島型複合繊維(後の工程で、割繊により細分化される繊維)を撚回させて製造される。海島型複合繊維は割繊されて第一の捲縮糸となる。海島型複合繊維のオーバーフィード率は20%以上が好ましく、30〜70%がより好ましい。さらに、未割繊複合糸に対して第三の捲縮糸を上撚し、凸部を形成する極細繊維の海島型複合繊維を固定する。このため、押さえ糸である第三の捲縮糸を海島型複合繊維とは逆方向に撚回する。
海島型複合繊維には、仮撚加工などにより捲縮性が付与されていてもよい。海島型複合繊維を構成する材料は、第一の捲縮糸を構成する材料と同様である。海島型複合繊維の単糸繊度は、例えば、10〜100デシテックスである。
未割繊混繊糸を製造するには、例えば、繊維(海島型複合繊維および高収縮糸)を過供給状態でノズル内に導き、エアージェットの乱流を用いて繊維をループ状に交絡させる空気混繊によって混繊する。詳しくは、一般的なインターレース法またはタスラン法を用いることができる。
本発明のワイピングクロスの第二の製造方法について、以下に述べる。前記第一の捲縮糸を前記第二の捲縮糸の周囲にオーバーフィード状態で撚回させて前記複合糸を得て、前記複合糸に対して、前記第一の捲縮糸と逆方向に前記第三の捲縮糸を撚回させて前記リング糸を得る工程と、前記第一の捲縮糸と前記高収縮糸とを混繊させて前記混繊糸を得る工程と、前記リング糸と前記混繊糸とを経糸および緯糸の何れにも用いて製織する工程と、を実行することで生機を製造する。そして、前記生機を下記工程(5)に付する。
(5)熱水でリラックス処理する工程(リラックス処理工程)
さらに、工程(5)の後に、前記生機を下記工程(6)および(7)にこの順に付することが好ましい。
(6)ヒートセットを行わずに120℃以上の温度でピリジン系抗菌剤を吸尽させる工程(抗菌加工工程)
(7)親水性モノマーを付与し、プラズマ処理を行う工程(親水加工工程)
リング糸を製造するには、まず、複合糸を製造する。
芯糸である第二の捲縮糸の周囲に、オーバーフィード状態で、極細繊維である第一の捲縮糸を撚回させて、複合糸を製造する。第一の捲縮糸は極細繊維を仮撚加工などにより捲縮性を与えることで製造される。第一の捲縮糸のオーバーフィード率は、20%以上が好ましく、30〜70%がより好ましい。さらに、複合糸に対して第三の捲縮糸を上撚し、凸部を形成する第一の捲縮糸を固定してリング糸を得る。このため、押さえ糸である第三の捲縮糸を、第一の捲縮糸とは逆方向に撚回する。
混繊糸の製造方法は、例えば、第一の捲縮糸および高収縮糸を過供給状態でノズル内に導き、エアージェットの乱流を用いて繊維をループ状に交絡させる空気混繊によって混繊する方法である。詳しくは、一般的なインターレース法またはタスラン法を用いることができる。
なお、生機の組織は、経糸と緯糸とを1:1で配列した二重組織が好ましい。また、生機はウォータージェット織機、エアージェット織機、またはレピア織機等の公知の織機で製織すればよい。
第一の製造方法と第二の製造方法における各々の工程について、以下に述べる。
(リラックス処理工程)
リラックス処理工程は、第一の製造方法と第二の製造方法とに共通して含まれる工程である。リラックス処理工程においては、高収縮糸を収縮させて、第一の捲縮糸を織物表面に浮き立たせ、織物を高密度化する。リラックス処理工程は、織物に張力が掛からない状態で熱水(ほぼ100℃)を用いて行うため、バッチ方式(ロータリドラムワッシャーまたは液流染色機のような装置を用いる方式)で実行することが好ましい。
リラックス処理温度が100℃未満では高収縮糸の収縮が不十分となる。また、リラックス処理温度が過度に高くても収縮の度合いに変化がなく、エネルギーコストが増大するので100℃程度で十分である。
リラックス処理工程は、高収縮糸の収縮を良好とするために、糊抜き精練と同時に行ってもよいし、糊抜き精練の前に行ってもよい。しかし、糊剤の織物への再付着汚れを防止するためには、糊抜き精練後にリラックス処理工程を実行することが好ましい。
(割繊工程)
割繊工程は、第一の製造方法に含まれる工程である。割繊工程においては、海成分と島成分とからなる海島型複合繊維の海成分を溶解除去して細分化し、極細繊維である第一の捲縮糸を得る。溶出は、バッチ式または連続減量式などに従って、公知の方法にて行うことができる。
具体的には、バッチ式を採用した溶出は、例えば、苛性ソーダを10〜30g/Lの濃度で用い、溶出温度80〜140℃かつ溶出時間5〜60分間の条件下で、ロータリドラムワッシャーまたは液流染色機などを用いて行うことができる。また、連続減量式を用いた溶出は、例えば、苛性ソーダを10〜30質量%の濃度で用い、滞留槽温度100℃〜130℃かつ滞留時間3〜10分の条件下で、通常の連続式減量機を用いて行うことができる。
(抗菌加工工程)
抗菌加工工程は、第一の製造方法および第二の製造方法に好ましく含まれる工程である。抗菌加工工程では、通常では染色前に実行されるヒートセット(乾熱処理)を行わずに、120℃以上でピリジン系抗菌剤を吸尽させる。ヒートセットを行わずにピリジン系抗菌剤を吸尽させることによって、織物表面の第一の捲縮糸が方向性のないチンチラ調になり、拭き取り性が向上する。ここで、ピリジン系抗菌剤の吸尽を実行するに際して、例えば、通常のポリエステル系繊維を用いた場合の条件(温度170〜200℃、時間30〜120秒)でヒートセットすると、織物表面の極細繊維が均一化してしまう場合があるため、拭き取り性が向上しない。
吸尽には、例えば、浴中吸尽処理法が用いられる。詳しくは、ピリジン系抗菌剤を分散させた浴中に織物を投入する。そして、例えば、温度120℃〜135℃、かつ時間15分〜60分間の条件で、公知の機械(例えば、液流染色機または高圧ウィンス染色機)を用いて、ピリジン系抗菌剤を吸尽させる。
浴中吸尽処理法を用いてピリジン系抗菌剤を含有させる場合、ピリジン系抗菌剤のみが分散された浴中で、ピリジン系抗菌剤を吸尽させてもよい。または、工程の簡略化の観点から、ピリジン系抗菌剤抗菌剤と染料とが分散された浴中で、ピリジン系抗菌剤抗菌剤と染料とを同時に吸尽させてもよい。
(親水加工工程)
親水加工工程は、第一の製造方法および第二の製造方法に好ましく含まれる工程である。親水加工工程では、前記抗菌加工工程の後に、織物に親水性モノマーを付与し、次いでプラズマ処理を行って、繊維表面で親水性モノマーをポリマー化する。抗菌加工工程に次いで、親水加工工程を実行することで、抗菌剤が織物に強固に付着するとともに、親水加工が良好に施され、防汚性および再汚染防止性が顕著に向上する。
親水性モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ブテントリカルボン酸、フマル酸、クトロン酸、ビニルプロピオン酸、メチルビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、α−メチルスチレンスルホン酸、スルホプロピルアクリレート、スルホプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロパンスルホン酸、2−ヒドロキシ−3−メタクリロイロキシプロパンスルホン酸、2−アクリロイロキシエタンスルホン酸、2−メタクリロイロキシエタンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−アクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、3−メタクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、t−ブチルアクリルアミドスルホン酸、アリルスルホコハク酸またはそれらの誘導体などのビニル系モノマーが挙げられる。
織物に親水性モノマーを付与するためには、例えば、親水性モノマーの水溶液を準備する。そして、パディング法、スプレー法、キスロールコータ法またはスリットコータ法など公知の方法を適宜に用い、織物にこの水溶液を付与する。
プラズマ処理は、必要に応じて、風乾または加熱による予備乾燥を行った後に行ってもよい。本明細書においてプラズマ処理は、低温プラズマ処理であってもよい。
プラズマ処理は、例えば以下のような手法で行う。まず、減圧状態にある酸素、または酸素を含む混合気体に対し、高周波エネルギーを与える。これにより酸素分子を励起させてプラズマを発生させる。次いで、このプラズマ雰囲気内に親水性モノマーを付与した織物を一定時間静置する。
酸素を含む混合気体とは、酸素と他の気体とを混合したガスである。他の気体とは、例えば、ヘリウム、アルゴン、窒素、水蒸気または炭酸ガスである。
高周波エネルギーの周波数は、低温プラズマを発生し得る周波数であれば特に限定されず、例えば1〜3000MHzの範囲である。但し、実用上は、電波法などの規制により、13.56MHz、27.12MHz、40.68MHz、915MHzまたは2450MHzの何れかの周波数を有する高周波エネルギーを使用することができる。高周波エネルギーの電力(高周波電力)は、0.1〜10.0W/cmが好ましい。
プラズマ処理時の真空度は、プラズマが十分に発生する範囲であれば特に限定されない。実用上は、13〜2670Paが好ましく、40〜1330Paがより好ましい。処理時間は、例えば1〜240秒の範囲である。
なお、親水加工工程の後に、未反応の親水性モノマーによる染色堅牢度の低下または変色のような悪影響を回避するために、公知の方法で洗浄処理を行うことが好ましい。
以下、実施例に従って本発明を具体的に説明する。本発明はこの実施例に限定されない。
(1)拭き取り性
スライドガラスを準備し、温度20±2℃かつ相対湿度65±2%の室内で、このスライドガラスの表面を純水で洗浄した。その後、スライドガラスの表面をメタノール置換した。このスライドガラスの光沢度(K)を、偏角光度計(スガ試験機株式会社製)を用いて測定した。
次に、下記表1に示す組成の油性汚染剤と無機汚染剤とを、質量比3:1の割合で混合し、混合汚染剤を得た。上記スライドガラスの表面における中央部(4cm以内の面積)に、この混合汚染剤0.1gを塗布した。そして、学振型摩擦試験機(大栄科学精機製作所製、「RT−200」)の試料台の上に、混合汚染剤を塗布したスライドガラスを装着し、摩擦子に試験片(実施例および比較例で得られたワイピングクロス)を取り付け、片道だけの運転を行なって混合汚染剤を拭き取った。
次いで試験片(実施例および比較例で得られたワイピングクロス)を新しい試験片に取り替えて、再度、混合汚染剤を拭き取り、さらに試験片を新しい試験片に取り替えて、もう一度混合汚染剤を拭き取るという操作を行った。つまり、1枚のスライドガラスについて、新しい試験片による混合汚染剤の拭き取りを3回行った。摩擦子は45Rエッヂのものを使用し、荷重は400gとした。
次いで、上記の偏角光度計を用いて、再びスライドガラスの光沢度(K)を測定し、下記式に従って光沢回復率を算出した。
光沢回復率(%)=(K/K)×100
なお、上記の光沢回復率は、混合汚染剤を塗布することにより損なわれたはずの光沢が、拭き取りにより回復する度合いを示すものであり、汚れの拭き取り性の定量的な指標となる。光沢回復率は80%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。
(2)防汚性
JIS L 1912:2012 C法(滴下拭き取り法)に従って、試験片(実施例および比較例で得られたワイピングクロス)に対して、下記表2に示す組成の人工汚染剤0.1mLを滴下し、1分間放置した。
次いで、人工汚染剤を滴下した部分にろ紙を載せ、ろ紙の自重で汚染物質を吸い取った。その後、JIS L0217 103法に従って1回洗濯し乾燥させ、JIS L 0805の汚染用グレースケールを使用し、残留汚染レベルの等級を判定した。
(3)再汚染防止性
表2に示す組成の人工汚染剤0.3g/Lに対し、界面活性剤0.3g/Lと温水とを添加して混合乳化し、汚染液を得た。浴比が1:100となるようにして汚染液に試験片を投入し、温度80℃で10分間攪拌した。次いで、試験片に対して、湯洗い、水洗いおよび乾燥を行った後、JIS L 0805の汚染用グレースケールを使用して、残留汚染レベルの等級を判定した。
(4)殺菌活性値
JIS L 1902(2002)「繊維製品の抗菌性試験方法・抗菌効果」に規定される菌液吸収法に従って測定した。菌種として黄色ぶどう球菌、肺炎かん菌およびMRSAの3種を使用した。下記式に従って殺菌活性値を算出した。殺菌活性値が0を超えるワイピングクロスは抗菌性を有すると判断した。
(殺菌活性値)=M−M
上記式中、Mは、無加工布(または標準布)における試験菌接種直後の3検体(黄色ぶどう球菌、肺炎かん菌およびMRSA)の生菌数の常用対数値の平均値である。Mは、加工布(本明細書においては、実施例および比較例で得られたワイピングクロス)における18時間培養後の3検体の生菌数の常用対数値の平均値である。
なお、殺菌活性値の試験成立条件は、無加工布(または標準布)における18時間培養後の3検体の生菌数の常用対数値の平均値をMとした場合に、M−Mが1.5を超えかつM≠0である条件とした。
(5)吸水性
JIS L 1096(バイレック法)に従って測定した。実施例および比較例で得られたワイピングクロスから、200mm×25mmのサイズの試料を採取した。試料が垂直となるように一端を固定し、他端を水に浸漬した。10分間放置後の水が試料内を上昇した高さ(mm)を、試料の経方向および緯方向について測定し、吸水性の指標とした。
(6)洗濯耐久性
JIS L 0217の103法に従って、実施例および比較例で得られたワイピングクロスを「JAFET標準洗剤」(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)を使用して50回洗濯した。50回洗濯後に、上記(1)〜(5)の各々の評価を実施した。
実施例1
第二の捲縮糸および第三の捲縮糸として、それぞれ84デシテックス/36フィラメントのポリエステル仮撚加工糸を準備した。また、78デシテックス/48フィラメントのポリエステル割繊糸3本を460T/m(撚り方向Z)で合撚した糸を準備した。ポリエステル割繊糸は、海成分として易溶出性ポリエステル樹脂が配された海島型複合繊維であり、割繊後に第一の捲縮糸となる。
リング撚糸機(オゼキテクノ株式会社製)を用い、撚数700T/m(撚り方向Z)かつオーバーフィード率50%の条件で、第二の捲縮糸に、ポリエステル割繊糸を巻付けて(撚回)、未割繊複合糸を得た。さらに、ポリエステル割繊糸を固定させるため、押さえ糸としての第三の捲縮糸を撚数680T/m(撚り方向S)で撚り合わせ(上撚)、557デシテックスの未割繊リング糸を得た。
次に、78デシテックス/48フィラメントのポリエステル割繊糸の仮撚加工糸と、沸水収縮率が25%である2,2−ビス{4−(β−ヒドロキシエトキシ)フェニル}プロパンとイソフタル酸との共重合物から得られた高収縮糸(33デシテックス/12フィラメント)とを、インターレース混繊した。その後、これら2本(仮撚加工糸および高収縮糸)を240T/m(撚り方向S)で合撚し、225デシテックスの未割繊混繊糸を得た。このようにして得られた未割繊リング糸と未割繊混繊糸とを、経糸および緯糸の何れにも1:1の配列で用い、平二重組織の生機(経糸密度66本/インチ、かつ緯糸密度60本/インチ)を製織した。
得られた生機を常法により精練した後、サーキュラー型液流染色機(日阪製作所株式会社製)を用い、浴比1:20、処理温度120℃および処理時間30分間の条件で、リラックス処理を行った。
続いて、織物に対し、苛性ソーダ濃度が15g/Lである水溶液を用い、サーキュラー型液流染色機にて海島型複合繊維中の海成分(易溶出性ポリエステル)を溶出させて割繊し、海島型複合繊維を細分化した。割繊の条件は、浴比1:20、処理温度90℃および処理時間45分間であった。割繊後の第一の捲縮糸は、単糸繊度が0.16デシテックスであり、フィラメント数が384本であった。その後、乾燥し、経糸密度66本/インチ、緯糸密度60本/インチの織物を得た。
続いてサーキュラー型液流染色機を用い、下記処方1にて、染色と抗菌加工とを同時に行った(抗菌加工工程)。条件は、浴比1:10、処理温度135℃および処理時間30分間とした。
<処方1>
Dianix Blue U−SE(ダイスター株式会社製の分散染料):0.1%o.m.f
ニッカサンソルトSN−250(日華化学株式会社製の分散剤):0.5g/L
酢酸(濃度:48質量%):0.1cc/L
マルカサイドYP−DP(大阪化成株式会社製のピリジン系抗菌剤):2%o.m.f
次に、織物を乾燥した後、下記処方2に示す水溶液に含浸し、親水化モノマーを付与した。次いで、マングルで絞り(絞り率:80質量%)、温度130℃で60秒間の予備乾燥を行った。
<処方2>
ポリエチレングリコール1000ジメタクリレート:60g/L
ナイスポールPR−99(日華化学株式会社製の親水性ポリエステル化合物):30g/L
次に、下記条件1に従ってプラズマ処理を行った。
<条件1>
ガス種:酸素
真空度:133Pa
周波数:13.56MHz
高周波電力:1.0W/cm
処理時間:60秒
次いで、連続オープンソーパーを用い未反応のモノマーを洗浄した後に乾燥し、実施例1のワイピングクロスを得た。
実施例2
海島型複合繊維に代えて、60デシテックス/168フィラメントのポリエステル仮撚加工糸(第一の捲縮糸)を用い、487デシテックスのリング糸と186デシテックスの混繊糸とし、割繊処理を行わなかった以外は、実施例1と同様の手法により実施例2のワイピングクロスを得た。
実施例3
実施例1の未割繊混繊糸に使用した高収縮糸の沸水収縮率を、製造時の延伸温度を変更することにより、20%に変更した以外は、実施例1と同様の手法により実施例3のワイピングクロスを得た。
実施例4
実施例1の未割繊混繊糸に使用した高収縮糸の沸水収縮率を、製造時の延伸温度を変更することにより、5%に変更した以外は、実施例1と同様の手法により実施例4のワイピングクロスを得た。
実施例5
割繊処理後に織物を乾燥させ、次いでピンテンター(市金株式会社製)を用いてヒートセット(温度190℃、時間30秒)を行った以外は、実施例1と同様の手法により実施例5のワイピングクロスを得た。
実施例6
上記<処方1>において、ピリジン系抗菌剤(マルカサイドYP−DP)を用いなかった以外は、実施例1と同様の手法により実施例6のワイピングクロスを得た。
実施例7
上記<処方1>においてマルカサイドYP−DPを用いず、上記<処方2>を下記<処方3>に変更した(つまり、抗菌加工と親水加工とを同時に行った)以外は、実施例1と同様の手法により実施例7のワイピングクロスを得た。
実施例8
上記<処方2>による処理およびプラズマ処理(親水加工工程)を実行しなかった以外は、実施例1と同様の手法により実施例8のワイピングクロスを得た。
比較例1
使用糸を未割繊リング糸のみとし、平組織の生機(経糸密度66本/インチ、緯糸密度60本/インチ)を製織した以外は、実施例1と同様の手法により比較例1のワイピングクロスを得た。
比較例2
使用糸を未割繊混繊糸のみとし、平組織の生機(経糸密度66本/インチ、緯糸密度60本/インチ)を製織した以外は、実施例1と同様の手法により比較例2のワイピングクロスを得た。
比較例3
経糸として未割繊リング糸のみを用い、緯糸として未割繊混繊糸のみを用いて、平組織の生機(経糸密度66本/インチ、緯糸密度60本/インチ)を製織した以外は、実施例1と同様の手法により比較例3のワイピングクロスを得た。
比較例4
海島型複合繊維に代えて、84デシテックス/72フィラメントのポリエステル仮撚加工糸を用いることにより、582デシテックスのリング糸と234デシテックスの混繊糸とを得た。そして、割繊処理を行わなかった以外は、実施例1と同様の手法により比較例4のワイピングクロスを得た。
<処方3>
ポリエチレングリコール1000ジメタクリレート:60g/L
ナイスポールPR−99(日華化学株式会社製の親水性ポリエステル化合物):30g/L
マルカサイドYP−DP(大阪化成株式会社製のピリジン系抗菌剤):25g/L
表3に実施例および比較例で得られたワイピングクロスの構成を示し、表4にそれらの評価結果を示す。
表4に示された内容から明らかなように、実施例1〜8で得られた本発明のワイピングクロスは、拭き取り性に優れていた。特に、実施例1は実施例2と対比すると、第一の捲縮糸の単糸繊度がさらに好ましい範囲であるため、拭き取り性により優れていた。また、実施例1は、実施例3及び実施例4と対比すると、高収縮糸の沸水収縮率がさらに好ましい範囲であるため、拭き取り性により優れていた。
さらに、実施例1〜5で得られたワイピングクロスは、ピリジン系抗菌剤と親水性ポリマーとが表面に固着して含まれているため、防汚性、再汚染性、抗菌性および吸水性に顕著に優れていた。
なお、実施例5では抗菌加工を行う前にヒートセットを行ったため、実施例1と対比すると拭き取り性に若干劣っていたが、十分に実用に耐えうるものであった。
比較例1で得られたワイピングクロスは、混繊糸を使用せず、リング糸のみから製織されたものであったため、拭き取り性に劣っていた。
比較例2で得られたワイピングクロスは、リング糸を使用せず、混繊糸のみから製織されたものであったため、拭き取り性に劣っていた。
比較例3で得られたワイピングクロスは、経糸にリング糸のみを用い、緯糸に混繊糸のみを用いたものであったため、拭き取り性に劣っていた。
比較例4で得られたワイピングクロスは、リング糸における第一の捲縮糸の単糸繊度が太過ぎたため、拭き取り性に劣っていた。
本発明のワイピングクロスは、家庭用途または工業用途に適したワイピングクロスであり、特に、食器等の水拭き、またはウエット状態で拭き取る用途に好適に用いられる。

Claims (11)

  1. 経糸および緯糸の何れにおいてもリング糸と混繊糸とが配された織物からなるワイピングクロスであって、
    前記リング糸は、第一の捲縮糸がオーバーフィード状態で第二の捲縮糸の周囲に撚回してなる複合糸に対して第三の捲縮糸が上撚されたものであり、かつ長手方向に凹凸構造を有し、
    前記第一の捲縮糸の単糸繊度は0.01〜0.5デシテックスであり、
    前記第二の捲縮糸の単糸繊度は1.0〜7.0デシテックスであり、
    前記混繊糸は、前記第一の捲縮糸と高収縮糸とを含み、
    前記高収縮糸の単糸繊度は1.0〜7.0デシテックスであることを特徴とする、ワイピングクロス。
  2. 経糸および緯糸の何れにおいてもリング糸と混繊糸とが配された織物からなるワイピングクロスであって、
    前記リング糸は、第一の捲縮糸がオーバーフィード状態で第二の捲縮糸の周囲に撚回してなる複合糸に対して第三の捲縮糸が上撚されたものであり、かつ長手方向に凹凸構造を有し、
    前記第一の捲縮糸の単糸繊度は0.01〜0.5デシテックスであり、
    前記第二の捲縮糸の単糸繊度は1.0〜7.0デシテックスであり、
    前記混繊糸は、前記第一の捲縮糸と高収縮糸とを含み、
    前記高収縮糸の単糸繊度は1.0〜7.0デシテックス(ただし、0.5〜1.0デニールを除く)であることを特徴とする、ワイピングクロス。
  3. 前記第一の捲縮糸、第二の捲縮糸、および第三の捲縮糸の何れもが、仮撚加工糸であることを特徴とする、請求項1または2に記載のワイピングクロス。
  4. 前記織物はピリジン系抗菌剤と親水性ポリマーとを含み、
    前記ワイピングクロスの防汚性および再汚染防止性の等級が3−4級以上であり、JIS L 1902に従って測定される殺菌活性値が0を超えることを特徴とする、請求項1〜3の何れかに記載のワイピングクロス。
  5. 前記織物の組織が、経糸と緯糸とが1:1で配列された二重織組織であることを特徴とする、請求項1〜の何れかに記載のワイピングクロス。
  6. 前記第一の捲縮糸、前記第二の捲縮糸、前記第三の捲縮糸および前記高収縮糸から選択される1種以上がポリエステル系繊維からなることを特徴とする、請求項1〜の何れかに記載のワイピングクロス。
  7. 前記高収縮糸の30分間処理後の沸水収縮率が20%以上であることを特徴とする、請求項1〜の何れか1項に記載のワイピングクロス。
  8. 請求項1〜の何れか1項に記載のワイピングクロスを製造する方法であって、
    割繊されて前記第一の捲縮糸となる海島型複合繊維を前記第二の捲縮糸の周囲にオーバーフィード状態で撚回させて未割繊複合糸を得、前記未割繊複合糸に対して、前記海島型複合繊維と逆方向に前記第三の捲縮糸を撚回させて未割繊リング糸を得る工程と、
    前記海島型複合繊維と前記高収縮糸とを混繊させて未割繊混繊糸を得る工程と、
    前記未割繊リング糸と前記未割繊混繊糸とを経糸および緯糸の何れにも用いて製織する工程と、
    を実行することで生機を製造し、
    前記生機を、下記工程(1)および(2)に、この順に付することを特徴とする、ワイピングクロスの製造方法。
    (1)熱水でリラックス処理する工程
    (2)前記海島型複合繊維の海成分を溶解除去して割繊する工程
  9. 前記工程(2)の後に、前記生機を下記工程(3)および(4)に、この順に付することを特徴とする、請求項に記載のワイピングクロスの製造方法。
    (3)ヒートセットを行わずに120℃以上の温度で前記ピリジン系抗菌剤を吸尽させる工程
    (4)前記親水性モノマーを付与し、次いでプラズマ処理を行う工程
  10. 請求項1〜の何れか1項に記載のワイピングクロスを製造する方法であって、
    前記第一の捲縮糸を前記第二の捲縮糸の周囲にオーバーフィード状態で撚回させて前記複合糸を得て、前記複合糸に対して、前記第一の捲縮糸と逆方向に前記第三の捲縮糸を撚回させて前記リング糸を得る工程と、
    前記第一の捲縮糸と前記高収縮糸とを混繊させて前記混繊糸を得る工程と、
    前記リング糸と前記混繊糸とを経糸および緯糸の何れにも用いて製織する工程と、
    を実行することで生機を製造し、
    前記生機を、下記工程(5)に付することを特徴とする、ワイピングクロスの製造方法。(5)熱水でリラックス処理する工程
  11. 前記工程(5)の後に、前記生機を下記工程(6)および(7)に、この順に付することを特徴とする、請求項10に記載のワイピングクロスの製造方法。
    (6)ヒートセットを行わずに120℃以上の温度で前記ピリジン系抗菌剤を吸尽させる工程
    (7)前記親水性モノマーを付与し、プラズマ処理を行う工程
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