JP5199126B2 - グルカゴン様ペプチドの合成 - Google Patents

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Description

発明の背景
本発明は、ペプチド薬物の合成、即ち、GLP−1ペプチドアゴニストの合成の分野に関する。
新規な分類の糖尿病薬、即ち、GLP−1またはグルカゴン様ペプチド1アゴニストは、有望な新規分類の治療用化合物である。しかし、標準の固相ペプチド合成技術によるそれらの調製は、全てが容易なものではない。基本的に、ヒトGLP−1は、配列において、天然に存在するグルカゴンに関連している。能力を増大することを目的として、天然のGLP−1の僅かに修飾された種々の操作された配列変異体が文献に記載されてきた。
斯かるGLP−1ペプチドの調製は、WO05/027978およびWO02/90388に記載されている;しかし、非常に基本的で且つ標準のFmoc固相法が、ペプチド合成のために用いられてきたに過ぎない。
発明の概要
本発明の出願人は、先行技術のアプローチが良好な収量を可能にしないことを見出したが、これは工業的製造のためには許容され得ないものである。明らかに配列に依存して、個々のカップリング工程は高度に非効率的であることが分かった。
本発明の目的は、GLP−1ペプチドアゴニストを合成するためのもう一つの、または改善された方法を案出することである。この目的は、固相合成の際の独特の内部配列位置において、単一のFmocアミノ酸だけの代わりに、Fmocシュードプロリンジペプチド単位の使用を含んでなる本発明の方法によって解決される。
本発明に従えば、GLP−1またはGLP−1アゴニストペプチドを製造する方法が案出され、ここでの前記ペプチドは次式のものであるか、
A−(R1)x−(R2)y−R3−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−R8−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−R4−R5−(R6)w−(R7)z−B;
または次式のものであるか
A−(R1)x−(R2)y−R3−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−B;
または次式のものであるか、
A−(R1)x−(R2)y−R3−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−B;
または次式のものであるか、
A−(R1)x−(R2)y−R3−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−B;
または次式のものであるか、
A−(R1)x−(R2)y−R3−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−R8−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−R4−B;
または次式のものであり、
A−(R1)x−(R2)y−R3−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−R8−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−R4−Gly−B
ここで、
B=−OH、または−NH
A=H−、Ac−、Boc−、Fmoc−
R1=His、D−His、desアミノ−ヒスチジン、2−アミノ−ヒスチジン、β−ヒドロキシ−ヒスチジン、ホモヒスチジン、アルファ−フルオロメチル−ヒスチジン、またはアルファ−メチル−ヒスチジン;
R2=−Ala、D−Ala、−Val、D−Val、Gly、Aib(α−アミノイソ酪酸);
R3=Glu、Asp、Met、Leu、好ましくはGluまたはAsp、最も好ましくはAsp;
R4=−Lys、またはArg;
R5=−Gly、Aib、Ala、D−Ala;
R6=Arg、Lys、またはGly;
R7=Arg、LysまたはGly、好ましくはLysまたはGly;
R8=GlyまたはAib
であり、
また、独立に、x=1の場合はy=1で、またz=1の場合はw=1であることを条件として、x、y、w、zは0または1であり、
個々のアミノ酸は任意に保護基を有していてよく、
前記方法は、
a.Fmoc保護され、更に任意に側鎖を適切に保護されたアミノ酸またはシュードプロリンジペプチドを含んでなるジペプチドを段階的に線型に結合させることによって固相上でペプチドを合成する工程であって、但し、−Val−Ser−および/またはVal−Ser−Serであり、上記の配列式において下線で強調した独特の一つの適切な配列位置において、第一のシュードプロリンジペプチドが成長するペプチド鎖に結合され、該シュードプロリンジペプチドはFmoc−Val−Ser(ψMe,Mepro)−OH、Fmoc−Val−Ser(ψH,Hpro)−OH、Fmoc−Ser(P)−Ser(ψMe,Mepro)−OH、およびFmoc−Ser(P)−Ser(ψH,Hpro)−OHからなる群から選択され、ここでのPは、水中の少なくとも80%TFAの強酸性条件下で開裂する酸開裂性の側鎖保護基であり、好ましくは、Pは下記で定義する弱酸性条件下では開裂せず、最も好ましくは、Pはtert−ブチルまたはトリチルである工程と;
b.前記ペプチドを前記固相から開裂し、任意に該ペプチド鎖を脱保護する工程
を含んでなるものである。
GLP−1ペプチドの活性は、配列における変化、主として、残基のある種の保存性置換を可能にする周辺配列要素の変化に対して高度に敏感である。明らかに、マイナーな変化でさえも、生物学的安定性または受容体結合性、従って薬理学的活性に対して予期しない影響を有する可能性がある。このようなことについての良好な総説が、文献(Sarrauste de Menthiere et al, European J. Medicinal Chemistry 39, 2004:473-480)の中に与えられている。GLP−1ペプチド科のコア配列部分は、文字通り如何なる変化も許容しない。
このコア部分を含んでなる全長ペプチドもしくは部分的ペプチドの線型固相合成は、個々のカップリング工程が全く非効率的であり、反復したカップリングが殆ど不可能になるという大きな問題に遭遇する。カップリング時間の延長や、カップリング温度の上昇などは、ラセミ化または望ましくない副生成物を増大させる可能性が高い。
様々な著者(Sarrauste, supra, and Adelhorst et al. J. Biol. Chem. 269 (1994), 6275-6278)が、円偏光二色性分光学によって水溶液中の天然のGLP−1ペプチドの二次構造を分析し(例えば、Chen et al.. (1974) 「円偏光二色性による水溶液中のタンパク質のへリックスおよびβ形態の決定」 Biochemistry 13, 3350−3359; Greenfield, N. and Fasman, G. D. (1969) 「タンパク質コンホメーションの評価のためのコンピュータ処理された円偏光二色性」Biochemistry 8, 4108−4116)、折りたたまれない螺旋構造の遥かに大きな領域を除き、極めて低い含量(10%)に過ぎないβシート構造がペプチド骨格の凝集を生じることを見出した。適用されたこの分光学的方法は、対応するGLP−1配列部分を前記構造要素に割り当てることを可能にしなかった。凝集、即ち、固相合成における問題は、当該技術においては、βシート構造の延長領域の頻度に相関すると一般に信じられている。βシート構造の低含量は、少なくとも10アミノ酸長の殆どのペプチドに共通しており、合成方法にける如何なる異常な問題とも相関しない。
Fmoc−シュードプロリンジペプチド単位は、現在では商業的に入手可能であり、それらの合成が記載されている(例えば、Ruckle et al., Tetrahedron 1999, 55(37): 11281-11288; Keller et al., 1998, J. Am. Chem. Soc. 120:2714-2720)。前記シュードプロリンペプチドは、前記独特の中心配列切片または配列位置または部分配列−Val−Ser−Ser−の中に少なくとも一つの中心セリン残基を導入するために使用され、該配列位置において部分配列−Val−Ser−または−Ser−Ser−の代わりにシュードプロリンジペプチドを使用することを可能にし、これは本発明の本質であるが、これに加えて、最終的には更に第二のシュードプロリン残基を、部分配列-Gly−Thr−または-Phe−Thr−、好ましくは部分配列-Gly−Thr−の中に導入する。本発明の前記シュードプロリンは、SerまたはThrから誘導されたN−Fmoc−ペプチジル−(4S)−1,3−オキサゾリジンカルボキシレートであり、本発明の状況においては次式Iの共通の構造を有する。
Figure 0005199126
ここで、Kは、Ser、Val、Phe、Glyからなる群から選択されるアミノ酸残基であり、ここでのSerは更に、下記で定義する強酸性条件下で開裂する側鎖保護基Pを有しており;R11、R12は独立に、H、メチルまたはエチルであり、R10はHまたはメチルである。置換基R11およびR12の性質は、オキサゾリジンがその一部であるペプチドアミド結合のシス/トランス異性化に影響し、従って、合成の際に成長するペプチドの構造に積極的に作用するシュードプロリンの効果に影響する。
また、本発明の関連においてそれほど好ましいものではないが、シュードプロリン部分として、特別なカップリングおよび脱保護の化学を必要とするピログルタミン酸を使用することも可能である(Tomasini, C. et al. , Tetrahedron letters 2001, 42:5211-5214)。
更に好ましくは、上記で特定したGLP−1配列内の二つの中心Ser残基の何れか一つにおける前記第一の一つのシュードプロリン残基のみが、本発明の合成方法において用いられる。これは、合成の際に、第二のシュードプロリンジペプチド単位は用いられないことを意味している。最も好ましくは、本発明による固相合成に使用するための前記第一のシュードプロリンジペプチドは、Fmoc−Val−Ser(ψMe,Me)−OHである。
本発明の独特のシュードプロリンジペプチドの不存在下での、GLP−1ペプチドの合成を探索する無益な比較例が実験セクションに記載されているが、これは本発明を動機付けた技術的問題を例示している。
ペプチド合成のためのカップリング試薬は、当該技術において周知である(Bodansky, M. , Principles of ペプチド Synthesis, 2nd ed. Springer Verlag Berlin/Heidelberg, 1993; also see discussion of role of coupling additives or auxilliaries therein参照)。カップリング試薬は混合酸無水物(例えばT3P:プロパンホスホン酸無水物)、または活性化型エステルもしくは酸ハロゲン化物(例えばICBF、クロロギ酸イソブチル)のような他のアシル化剤であってよく、或いは、それらはカルボジイミド[例えば、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド]、活性化されたベンゾトリアジン誘導体[DEPBT:3−(ジエトキシホスホリルオキシ)−1,2,3−ベンゾトリアジン−4(3H)−オン]、またはベンゾトリアゾールのウロニウムもしくはホスホニウム塩誘導体であってよい。
最良の収率、短い反応時間、および鎖延長の際のラセミ化に対する保護を考慮すると、カップリング試薬は、遊離カルボン酸官能基を活性化できるベンゾトリアゾールのウロニウム塩およびホスホニウム塩からなる群から選択されと共に、前記反応は塩基の存在下で行われるのがより好ましい。このようなウロニウムもしくはホスホニウムカップリング塩の適切且つ同様に好ましい例は、例えば、HBTU[O−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルロニウム・ヘキサフルオロホスフェート]、BOP[ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−(ジメチルアミノ)−ホスホニウム・ヘキサフルオロホスフェート]、PyBOP[ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリピロリジノホスホニウム・ヘキサフルオロホスフェート]、PyAOP、HCTU[O−(1H−6−クロロ−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルロニウム・ヘキサフルオロホスフェート]、TCTU[O−1H−6−クロロベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルロニウム・テトラフルオロボレート]、HATU[O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルロニウム・ヘキサフルオロホスフェート]、TATU[O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルロニウム・テトラフルオロボレート]、TOTU(O−[シアノ(エトキシカルボニル)メチレンアミノ]−N,N,N’,N’’−テトラメチルロニウム・テトラフルオロボレート)、HAPyU[O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)オキシビス−(ピロリジノ)−ウロニウム・ヘキサフルオロホスフェート]である。
好ましくは、前記塩基試薬は、ペプチドまたはアミノ酸もしくはアミノ酸誘導体のα−アミノ官能基を除き、その共役酸がpKa7.5〜15、より好ましくはpKa7.5〜10のpKa値を有する弱塩基であり、また該塩基は、好ましくは三級の立体障害アミンである。このような更に好ましい例は、ヒューニッヒ塩基(N,N−ジイソプロピルエチルアミン)、N,N’−ジアルキルアニリン、2,4,6−トリアルキルピリジン、2,6−ジアルキルピリジン、またはN−アルキル−モルホリンであり(アルキルは直鎖もしくは分岐鎖のC1〜C4アルキルである)、より好ましくは、それはN−メチルモルホリン(NMM)またはコリジン(2,4,6−トリメチルピリジン)であり、最も好ましくはコリジンである。
カップリング添加剤、特に、ベンゾトリアゾール型のカップリング添加剤の使用もまた知られている(上記で挙げたBodansky参照)。それらの使用は、活性化の性質が高い先に述べたウロニウムもしくはホスホニウム塩カップリング試薬を使用するときに、特に好ましいものである。従って、更に好ましくは、カップリング試薬添加剤は、活性化されたエステルを形成でき、より好ましくは酸性の求核性N−ヒドロキシ官能基(ここでのNはイミドまたはN−アシルもしくはN−アリル置換トリアゼンである)を有する求核性のヒドロキシ化合物であり、最も好ましくは、前記カップリング添加剤はN−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール誘導体(もしくは1−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール誘導体)またはN−ヒドロキシベンゾトリアジン誘導体である。このようなカップリング添加剤のN−ヒドロキシ化合物は、WO94/07910およびEP−410182に大規模に広く記載されており、そのそれぞれの開示を本明細書の一部として援用する。その例は、例えばN−ヒドロキシ−スクシンイミド、N−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,2,3−ベンゾトリアジン(HOOBt)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAt)、およびN−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール(HOBt)である。N−ヒドロキシ−ベンゾトリアジン誘導体が特に好ましく、最も好ましい実施形態においては、該カップリング試薬添加剤はヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,2,3−ベンゾトリアジンである。
カップリング添加剤のアンモニウム塩化合物が知られており、カップリング化学におけるそれらの使用は、例えばUS4806641号に記載されている。
また、カップリング補助剤としてのその役割と同時に、合成の際のArg側鎖保護のためのイオン対合試薬として、Argの共有結合側鎖保護に対するオプションとして、例えばHOBtを用いることも可能である。その場合、固相合成の全ての周期的処理工程を通して、充分に高濃度のHOBtが維持されなければならない。
更なる特別に好ましい実施形態において、前記ウロニウムまたはホスホニウム塩カップリング試薬はウロニウム塩試薬であり、好ましくはHCTU、TCTUまたはHBTUであり、更に好ましくは、N−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,2,3−ベンゾトリアジンまたはその塩との組合せにおいて当該反応に使用される。この実施形態は主に、塩基に不安定なNα−保護基を除去した後の、ペプチド合成の鎖伸長工程での使用のために好ましいものであるが、側鎖を環化する際のラクタム化反応のために使用されてもよい。
本発明の関連において、HCTUおよびTCTUは、結晶構造解析(O. Marder, Y. Shvo, and F. Albericio “HCTU and TCTU: New Coupling Reagents: Development and Industrial Applications”, Chimica Oggi 2002, 20:37-41)によって、これらの化合物および可能な類似体がウロニウム部分ではなくイソニトロソ部分を含むことが示されており、またヘテロ環コア上のN−アミジノ置換基は代りにグアニジウム構造を生じるにもかかわらず、当該技術において通常理解されるように「ウロニウム塩試薬」の語に包含されるように定義されることに留意すべきである。この意味において、斯かる種類の化合物は、本発明によるウロニウム塩試薬の「グアニジウム型サブクラス」と称される。
塩基に不安定なNαの脱保護は、例えば、N−メチルモルホリン(NMP)、ジクロロメタン(DMC)またはジメチルホルムアミド(DMF)中の20%ピペリジンを用いて、当該技術において日常的に行われるように実施されてよい。固相合成の全ての工程について、当該技術においては、有機の無極性および非プロトン性溶媒の両方が日常的に適用される。
Fmocアミノ酸またはジペプチドは、カイザー試験によって決定可能な反応性固相結合アミノ官能基1当量あたり、好ましくは通常1〜3当量、より好ましくは僅か1〜2当量の斯かるFmocアミノ酸試薬を用いて結合される。特に、ホスホニウムもしくはウロニウム型のカップリング試薬を使用する場合、カップリング温度は、通常は15〜30℃の範囲である。典型的には、カップリングのために約20〜25℃の温度が適用される。本発明の方法の利点は、過剰量の高価で且つ生物学的に危険な試薬を使用したり、本質的に反応流出物中の当該過剰物の殆どの浪費を余儀なくされたりすることなく、高収率の生成物または優れた純度のGLP−1生成物を可能にする合成方法を案出したことである。
主に、アミノ酸側鎖またはNα−末端アミノ基の保護のための、保護基およびそれらの使用は当該技術において周知である(上記で挙げたBodanzsky参照)。Glu,Aspのために通常用いられるカルボキシ保護基は、例えば、Mpe、O−1−アダマンチル、O−ベンジルであり、更に、通常はそれほど頻繁ではないが、単純なアルキルエステルを使用してよい。容易さのために、典型的に且つ好ましくは、tert−ブチル基が使用される。チロシンは異なる保護基、例えばtert−ブチルエーテル、またはZ−、更に好ましくは2−ブロモ−Z−エステルによって保護されてよい。2−クロロ−トリチルまたは4−メトキシもしくは4,4’−メトキシ−トリチル基のようなトリチルアルコール保護基を使用することも等しく可能である。好ましくは、それはトリチル保護基またはtert−ブチル保護基である。更に好ましくは、それは三級ブチル(tBu)保護基であり、これはチロシル側鎖が三級ブチルエステルに修飾されることを意味する。該tBu基は、強酸性条件下でのみ効率的に除去される。アルギニン保護基は、好ましくは、2,2,4,6,7−ペンタメチレンジヒドロベンゾフラニルー5−スルホニル(Pbf)、アダマンチロキシ−カルボニルおよびイソボルニル−オキシ−カルボニル、2,2,5,7,8−ペンタメチレンクロマンスルホニル−6−スルホニル(Pmc)、4−メトキシ−2,3,6−トリメチルベンゼンスルホニル(Mtr)およびその4−tert−ブチル−2,3,5,6−テトラメチルホモログ(Tart)またはBocからなる群から選択されてよく、これらは上記で定義した強酸性条件下でのみ開裂される。より好ましくは、それはPbf、Pmc、Mtrであり、最も好ましくは、それはPbfである;通常は水性媒質中における強酸性条件下での側鎖の全般的な脱保護に際し、Pmc、Mtrおよび特にPbfを用いると、脱保護されたチロシンの無関係なアルキル化は観察されない。Pbfの開裂速度は最も高い。HOBtを用いた任意のイオン対合保護モードに対するヒントに留意されたい。Ser、Thrは、典型的に且つ好ましくはtert−ブチルまたはトリチル、最も好ましくはtert−ブチルによって保護される。例えばベンジルを用いた他の保護モードが等しく可能であるが、これは結局、等しく望ましくない強酸性での水素化分解除去または長期インキュベーションを必要とするので、あまり好ましくない。同様の考察が、LysまたはNor−もしくはHomo−リジンに適用される;典型的且つ好ましくは、LysはBocで保護される。Trpは必ずしも保護されねばならないものではないが、典型的にはBocでの保護が好ましい。側鎖保護基に関しては、天然のLアミノ酸並びにそれらのD−ホモログの両者について、上記で述べたものが有効である。
固相Sは、制御された孔サイズのガラス、シリカ、または更に一般的にはポリマー有機樹脂、例えばペプチドをそれに結合させるためのヒドロキシベンジル−フェニルの一体的リンカー部分と共にメリフィールド社によって使用される古典的なポリスチレン−ジビニルベンゼン樹脂(PS樹脂)、またはヒドロキシ−ベンジル−pベンジロキシ部分と共にワング社(Wang)により使用されるPS樹脂のような、固体の不溶性支持体材料に等しいものとして理解される。ペプチドの結合のためのこのような官能基部位は、本発明においてはリンカーと称され、本発明に関しては、「固相」の用語により必須の特徴として暗黙のうちに意味されるものと理解される。もし必要であれば、他のリンカー部分、例えばより特殊化された、例えば酸に対してより不安定なリンカーが、予め作製された固相上の前記第一の一体的リンカーにグラフトされてよく、当該技術においては屡々「ハンドル」と称される。このようなリンカーまたはハンドル−樹脂複合体の更なる例は、それぞれのペプチド部分へのO−連結もしくはN−連結における、(4−メトキシフェニル)−アミノメチル−もしくは−ヒドロキシメチル−、および(4−メチルフェニル)−アミノメチル−もしくは−ヒドロキシメチル−PS固相(Atkinson et al., 2000, J. Org. Chem. 65, 5048)であり、樹脂からのペプチドの最終開裂の際に、C末端の酸またはカルボキサミド基の発生の両方を可能にする。本発明の目的について、合成に使用するための固相樹脂は、必ず、固相コア材料の一部である少なくとも一つの一体リンカーまたはハンドルを具備する;このようなリンカーまたはハンドルは、固相化された保護基と看做されてよい(Guillier et al., Chem.Rev.100,2091-2157,2000)。典型的には、不活性な固体支持体または樹脂を含んでなる所定の固相は、アミノ酸またはペプチドと共にアシル化を可能にするハンドル基のリンカーの化学的性質によって扱われる。
更に複雑なPEG−グラフトポリスチレン樹脂、例えば、異なるグラフト化ハンドルまたはリンカーを備えた入手可能なテンタゲル(tentagel)に基づくノバシン(Novasyn)TG(Novabiochem, Merck Biosciences, Germany)は、標準のPS樹脂よりも両親媒性であり、また合成効率に影響する。本発明の内容において、リンカーもしくはハンドル部分、およびPEGもしくは他のポリオキシアルキレン切片を欠いた、PS樹脂製PEG固相の使用が好ましい。一体のまたはグラフトされたPEGまたはポリオキシアルキレン樹脂、従って固相はそれほど好ましくなく、好ましくは本発明では権利放棄される。
本発明において使用される樹脂は標準のメッシュサイズ(US標準局)のものであり、これは約50〜500メッシュ、より好ましくは100〜400メッシュである。
例えば文献(Holmes et al., 1995, J. Org. Chem. 60, 2318)に記載されたカルボキサミド発生性の光開裂可能なリンカーのような、光開裂可能なリンカーを使用することが可能である。もう一つの好ましい実施形態において、本発明の固相は、強酸性条件下での固相からのペプチドの開裂を可能にする。本発明に従う定義によって、弱酸性条件の逆である強酸性条件は、溶媒中の少なくとも50%(v/v)のトリフルオロ酢酸(TFA)を適用することを意味する。更には、逆に、除去のために強酸性条件を必要とする保護基は、少なくとも80%TFAによって除去できる保護基である。従って、HFのような更に強い酸を必要とする保護基は、本発明に関して上記で述べた定義の支配を受けない。
弱酸性条件は、0.01%(v/v)から50%未満のTFA、好ましくは0.1%〜30%のTFAを有することによって定義される。「酸に不安定な」の用語は、ジクロロメタン中の2〜10%TFAにおいて、周囲温度において少なくとも1時間で本質的に定量的に開裂することを意味する。
本発明の特別な内容において、固相から開裂され且つ殆どまたは完全に脱保護された上記で特定したGLP−1ペプチドは、主として共通に用いられる溶媒または溶媒混合物と共に、泡状でゲル状の溶液を生じる。このようなゲル状溶液を取り扱うことは、特に固相から分離させるための濾過操作に伴って、材料の顕著な喪失を容易に生じる。好ましい実施形態において、該固層は、上記で定義した弱酸性条件下で、酸に不安定な固相を使用して、未だ保護されているペプチドから開裂される固相である。斯かるモードにおいて、最初に、当該ペプチドは固相から開裂され、次いで第二の工程において、上記で定義した強酸性条件下で側鎖が脱保護される。
一つの更なる好ましい実施形態において、GLP−1ペプチドは、C末端カルボキサミドとして樹脂から遊離される。斯かるカルボキサミド発生樹脂の例は、例えばPAL樹脂[5−(4−アミノ−メチル−3,5−ジヒドロキシフェノキシ)バレリン酸エステル]、ジーベル樹脂(Sieber, P. 1987, Tetrahedron Lett. 28, 2107)、または関連のキサンテニルアミド型樹脂(例えばUS5306562)、リンクアミド樹脂(Rink, H. 1987, Tetrahedron Lett. 28:3787)、BAL樹脂[4-(4-ホルミル-3,5-ジメトキシフェノキシ)-酪酸エステル, Tetrahedron Lett. 43:3543]であり、好ましくは、ジーベル樹脂または他のキサンテニルアミド型樹脂またはBAL樹脂のような酸に不安定なカルボキシミド発生樹脂が使用され、これらはまた最も好ましい実施形態である。
もう一つの好ましい実施形態において、前記固相は、固相からの保護されたペプチドの開裂に際してC末端カルボン酸を放出する、酸に不安定な固相である。両方の例およびこのような更に好ましい実施形態は、2’−クロロ−トリチル、4−メトキシもしくは4,4’−ジメトキシ−トリチル,4−メチルトリチル樹脂、またはベイヤーの4-カルボキシトリチルリンカーを用いたアシル化によってアミノ−もしくはヒドロキシ官能化樹脂から誘導可能で、且つ例えばノバシンTG樹脂(Novasyn TG resin)のブランドで販売されている、関連してはいるが異なる2−(4−ヒドロキシ−フェニル)−2,2−ジフェニル−アセチル樹脂である。更なる例は、例えば、酸に不安定なリンク酸樹脂(Rink acid resin)[4-(2’,4’-diメトキシフェニル-ヒドロキシメチル)フェノキシ, Rink et al., 1987, Tetrahedron Lett. 28,3787]、およびHMPB樹脂[Sieber et al., 1987, Tetrahedron Lett. 28, 6147; HMPB:4-ヒドロキシメチル-3-メトキシフェノキシブチリル, 通常はリンクアミド樹脂またはその誘導体への二次ハンドルとして結合される]である。
最も好ましくは、本発明によるペプチドは、樹脂または樹脂ハンドルに対して、カルボキシ末端に結合される(S=固相または樹脂、任意にハンドルを備えた樹脂)
更に好ましいのは、下記に列記した特別なペプチド配列、およびそれぞれのペプチド−固相複合体であり、これらは単独でも、または上記の更に好ましい実施形態との組合せであってもよい。
1.A−His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−Gly−Arg−S、またはA−His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−Gly−Arg−NH
2.A−His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Arg−Gly−Arg−Gly−S、またはA−His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Arg−Gly−Arg−Gly−OHもしくは−NH
3.A−His−D−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−Gly−Gly−S、またはA−His−D−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−Gly−Gly−OHもしくは−NH
4.A−D−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−Gly−Arg−Lys−S、またはA−D−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−Gly−Arg−Lys−NH
5.A−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−NorVal−Arg−S、またはA−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−NorVal−Arg−NH;但し、NorValはNor−L−バリンであり、これはα−アミノイソ酪酸またはα−メチルアラニンであり、通常はアクロニム(akronym)−略語ではAibにより参照される。
以下に、本件出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]GLP−1またはGLP−1アゴニストペプチドを製造する方法であって:ここでの前記ペプチドは次式のものであるか、
A−(R1)x−(R2)y−R3−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−R8−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−R4−R5−(R6)w−(R7)z−B;
または次式のものであるか、
A−(R1)x−(R2)y−R3−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−B;
または次式のものであるか、
A−(R1)x−(R2)y−R3−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−B;
または次式のものであるか、
A−(R1)x−(R2)y−R3−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−B;
または次式のものであるか、
A−(R1)x−(R2)y−R3−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−R8−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−R4−B;
または次式のものであり、
A−(R1)x−(R2)y−R3−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−R8−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−R4−Gly−B
ここで、
B=−OH、または−NH
A=H−、Ac−、Boc−、Fmoc−
R1=His、D−His、desアミノ−ヒスチジン、2−アミノ−ヒスチジン、β−ヒドロキシ−ヒスチジン、ホモヒスチジン、アルファ−フルオロメチル−ヒスチジン、またはアルファ−メチル−ヒスチジン;
R2=−Ala、D−Ala、−Val、D−Val、Gly、Aib(α−アミノイソ酪酸);
R3=Glu、Asp、Met、Leu、好ましくはGluまたはAsp、最も好ましくはAsp;
R4=−Lys、またはArg;
R5=−Gly、Aib、Ala、D−Ala;
R6=Arg、Lys、またはGly;
R7=Arg、LysまたはGly、好ましくはLysまたはGly;
R8=GlyまたはAib
であり、
また、独立に、x=1の場合はy=1で、またz=1の場合はw=1であることを条件として、x、y、w、zは0または1であり、
個々のアミノ酸は任意に保護基を有していてよく、
前記方法は、
a.Fmoc保護され、更に任意に側鎖を適切に保護されたアミノ酸またはシュードプロリンジペプチドを含んでなるジペプチドを段階的に線型に結合させることによって固相上でペプチドを合成する工程であって、但し、一つの適切な配列位置において、Fmoc−Val−Ser(ψ Me,Me pro)−OH、Fmoc−Val−Ser(ψ H,H pro)−OH、Fmoc−Ser(P)−Ser(ψ Me,Me pro)−OH、およびFmoc−Ser(P)−Ser(ψ H,H pro)−OHからなる群から選択される第一のシュードプロリンジペプチドが成長するペプチド鎖に結合され、ここでのPは、少なくとも80%TFAの強酸性条件下で開裂する酸開裂性の保護基であり、好ましくは、Pはtert−ブチルまたはトリチルである工程と;
b.前記ペプチドを前記固相から開裂し、任意に該ペプチド鎖を脱保護する工程
を含んでなる方法。
[2]前記[1]に記載の方法であって、Fmocグリシジル残基としてまたはFmoc−アミノアシルグリシジル残基としてカップリングされてよい少なくとも一つのグリシジル残基が、更に、その骨格Nα上でN−(o,p−ジアルコキシ−ベンジル)またはN−(o−ヒドロキシ−p−アルコキシ−ベンジル)またはN−(o−アシロキシ−p−アルコキシ−ベンジル)でN−保護されており、ここでのアシロキシおよびアルコキシは、それぞれ独立に、C1〜C4−アルコキシおよびC1〜C4−アシロキシであり、但し、前記グリシジル残基は、配列−Gly−Thr(ψ Me,Me pro)−または−Gly−Thr(ψ H,H pro)−の中に含まれておらず、またも憂い一つのシュードプロリンまたはNα保護されたグリシジル残基から少なくとも二つの介在するアミノ酸残基によって離間されていることを特徴とする方法。
[3]前記[1]に記載の方法であって、二つのシュードプロリンジペプチドが使用され、ここでの第二のシュードプロリンジペプチドは、第一のシュードプロリンジペプチドから少なくとも四つの介在アミノ酸残基だけ離間されており、且つ好ましくはFmoc−Gly−Thr(ψ Me,Me pro)−OHであることを特徴とする方法。
[4]前記[1]に記載の方法であって、合成において唯一のシュードプロリンジペプチド単位が使用され、好ましくは、成長するペプチド鎖にカップリングするためにFmoc−Val−Ser(ψMe,Mepro)−OHが使用されることを特徴とする方法。
[5]固相に結合されたGLP−1またはGLP−1アゴニストペプチドであって;ここでの前記ペプチドは次式のものであるか、
A−(R1)x−(R2)y−R3−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−R8−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−R4−R5−(R6)w−(R7)z−S;
または次式のものであるか、
A−(R1)x−(R2)y−R3−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−S;
または次式のものであるか、
A−(R1)x−(R2)y−R3−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−S;
または次式のものであるか、
A−(R1)x−(R2)y−R3−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−S;
または次式のものであるか、
A−(R1)x−(R2)y−R3−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−R8−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−R4−S
または次式のものであり、
A−(R1)x−(R2)y−R3−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−R8−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−R4−Gly−S;
ここで、
S=チオエステル、エステルまたはアミド基を介してC末端で、または該C末端アミノ酸がリジンであるときは任意に該リジンのε-アミノ官能基を介して共有結合的にペプチジル部分に結合された固相;
A=H−、Ac−、Boc−、Fmoc−;
R1=His、D−His、desアミノ−ヒスチジン、2−アミノ−ヒスチジン、β−ヒドロキシ−ヒスチジン、ホモヒスチジン、アルファ−フルオロメチル−ヒスチジン、またはアルファ−メチル−ヒスチジン;
R2=−Ala、D−Ala、−Val、D−Val、Gly、Aib(α−アミノイソ酪酸);
R3=Glu、Asp、Met、Leu、好ましくはGluまたはAsp、最も好ましくはAsp;
R4=−LysまたはArg;
R5=−Gly、Aib、Ala、D−Ala;
R6=Arg、Lys、またはGly;
R7=Arg、LysまたはGly、好ましくはLysまたはGly;
R8=GlyまたはAib
であり、
また、独立に、x=1の場合はy=1で、またz=1の場合はw=1であることを条件として、x、y、w、zは0または1であり、ここで少なくともLys、Thr、Ser、Glu、Aspの個々の側鎖は塩基に不安定でなく、好ましくは酸で開裂可能な保護基を有しており、ThrまたはSerの場合に該保護基はシュードプロリン保護基であってよく、ここで独特の配列切片−Val−Ser−Serにおける一つのSerはセリンのシュードプロリン−オキサゾリジン誘導体であり、好ましくは−Ser(ψ Me,Me pro)−または−Ser(ψ H,H pro)−からなる群から選択されるペプチド。
[6]前記[5]に記載の固相に結合されたペプチドであって、前記Ser(ψ−pro)−シュードプロリンは、前記ペプチドにおける唯一のシュードプロリン保護された残基であることを特徴とするペプチド。
[7]前記[5]に記載の固相に結合されたペプチドであって、該ペプチドは少なくとも一つのダイニノシュードプロリン保護された残基を含んでおり、これは−Thr(ψ Me,Me pro)−であるか、またはThr(ψ H,H pro)−であり、また独特の配列切片−Gly−Thr−の中に位置しており、好ましくは、前記ペプチドは二つだけのシュードプロリン保護された残基を含んでおり、これらは前記第一および第二のシュードプロリン残基であることを特徴とするペプチド。
実験
実施例1:Fmoc−Val−Ser(ψMe,Mepro)−OHを用いた、H−His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Arg−Gly−Arg−Gly−OHの合成
上記ペプチドは、線型Fmoc合成によって得られた。合成の過程で、シュードプロリンジペプチドFmoc−Val−Ser(ψMe,Mepro)−OH(Merck Biosciences GmbH, Schwalbach/Germany, Novabiochem brand productsから入手した)がN末端配列Ser−Tyr−Leu−Glu−にカップリングされる一つのカップリング工程を除き、カップリングされた全てのアミノ酸は、商業的に入手可能なFmoc−モノアミノ酸であった。更なる例外として、最後のHis残基はBoc−His残基としてカップリングされた;His側鎖には保護が与えられなかった。側鎖保護基が用いられた;列記の容易さのために、N末端Fmoc保護の使用については更に言及しない:Arg(Pbf)、Asp(tbu)、Gln(Trt)、Glu(tbu)、Lys(Boc)、Ser(tbu)、Thr(tbu)、Trp(Boc)、Tyr(tbu)。
3ミリモル規模での合成は、Fmoc−Gly−2−クロロトリチルポリスチレン樹脂(即ち、Fmoc−グリシンを前負荷された2−CTC樹脂, order number RAA-1039, Loading: > 0.5 mmol/mL, 100-200 Mesh, obtained from CBL-Patras, Greece)上で開始された。最初に、樹脂をジクロロメタンで膨潤させた。標準のFmoc合成は、カップリングのために2〜2.5当量のFmocアミノ酸を使用し、ジクロロメタン−N−メチルモルホリン(DCM:NMP=1:3)の溶媒系中のジイソプロピルアミン/HOBtの存在下において、25℃で30分のアミノ酸のHBTU活性化を用いる。前活性化は行わずに、全ての試薬は単一工程において単純に混合された。Fmoc脱保護は、NMP中の20%(w/w)ピペリジンによって達成され、続いてNMP洗浄によって塩基試薬を完全に除去した。洗浄効率はクロラニル試験によって評価された;洗浄は、カップリング前に、もはや青の着色が観察されなくなるまで繰り返した。全てのカップリングは良好に進行し、再カップリングは必要とされなかったが、末端Boc−Hisは例外であった。これは、恐らくはDCM中での溶解性の問題によるものであり、共溶媒として小量のDMSOを添加することによって減少し得るであろう。カップリング効率は、位置Gln−17についてのFmoc−Gln(Trt)の代わりに、側鎖保護されていないFmoc−Glnを使用することによって、穏やかに更に改善できるであろう。
最初の工程では、DCM中の2%TFAにおいて、0℃で少なくとも10〜30分間、Boc保護されたペプチドが樹脂から開裂された。各サイクルの後にピリジン処理および濯ぎを伴って、3回反復される15分のTFAサイクルが最も良好に作用することが示された。1%(sw/w)のトリエチルシラン(TES)がスカベンジャーとして使用された。該反応は窒素バブリングによって撹拌された。開裂の後、反応ブロスを希釈ピリジン(ピリジン/エタノール、1:9(v/v))の中に注ぐことによって、TFAはピリジンを使用して中和された。樹脂をDCMで濯ぎ、濾過により溶媒をストリップ除去した。DCMを減圧下で蒸留除去することによりDCMからエタノールへの濾液の溶媒交換を行い、最後に水の添加により保護されたペプチドを沈殿させて濾過した。そのケーキを水で3回洗浄し、ペプチドを減圧下に室温で乾燥した。この段階において、77%の収率に相当する約77.3%面積(HPLCにより評価したもの)の純度の物質が得られた。HPCL−MSで観察された分子量は、理論的な予測質量に対応した。DCMのような標準溶媒中におけるこの生成物の溶解度は完全であった。
第二の工程においては、全般的な脱保護が開裂カクテル(「CC」)で希釈されたDCM[DCM:「CC」=1:10(v/v)]の中で行われた。GLP−1ペプチドについては、脱保護の際のペプチドの溶解度を最適化するために、純粋なDCMよりも、純粋なDCMの1部当たり0.1〜1部のトリフルオロエタノールの添加が最適であることが分かった。「CC」は、混合率(%w/w)が89:2.5:2.5:5.0:1.0のTFA/チオアニソール/フェノール/水/TESで作成された。先の開裂工程からの乾燥生成物は、上記で述べたように「CC」を用いて希釈された10mLのDCM中に溶解され、室温で5時間撹拌された。次いで、50mLのメチル−tert−ブチルエーテル(MTBE, Fluka Chemie, Buchs/Switzerland)を添加し、該反応を水浴中で30分間0℃に冷却し、その間に形成された塩沈殿物を濾過することにより、該生成物を回収した。この濾過ケーキをMTBEで数回濯ぎ、次いで室温で乾燥して、HPLCにより測定したときの純度が95%の粗製生成物0.8gを得た。工程2および3の全体に亘る合計収率は、75%であった。
実施例2(比較例):シュードプロリンの不存在下での、N末端断片H−His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−OH(断片1〜16)の合成
最初に、より短い断片のみが合成されるように設定した点を除き、本質的には実施例1に記載したようにして、前記小断片の固相合成を実施した。各カップリング反応について2.5〜3当量のアミノ酸を使用して、15〜9のアミノ酸を容易に全てカップリングした。しかし、以下のFmocアミノ酸8〜1は幾つかの問題を提起した:二つの位置においてのみ、カップリングは同様の容易さで進行した。全ての他の位置は、少なくとも2回の反復したカップリングサイクルを必要としたが、それでも純度30%を超える充分な収率を可能にしなかった。この問題の重要性を評価するために、また過度のラセミ化の普通に知られた側面を無視するために、剪断力カップリングアプローチは、4当量のアミノ酸を使用し、少なくとも一般にラセミ化傾向の低いアミノ酸のカップリングのための温度を30〜40℃に増大させ、代わりにより活性な6−Cl−HOBtを使用した。しかし、それでも定常的な再カップリングが必要とされ、カップリング効率自身の改善は観察できなかった。樹脂からの開裂は、該断片が非常に独特な溶解挙動を有することが示されたことを除き、実施例1に記載したように第一の工程において2%TFA中で進行した。保護された未開裂断片は、ピリジンの添加後にゲルを形成した。結局、ピリジンは、濾過工程の後、濾液にのみ添加することが必要とされた;DCM蒸留は、ゲルを形成して至るところに固体を残し、収率を劇的に低下させるので、非常に困難であることが分かった。水を添加すると固体が形成され、これは単離することができた。しかし、前記固体生成物をその後に再度可溶化させることは困難であることが示された:この保護された断片は、DCM、THF、アセトニトリル、およびこれらの混合物中において主として不溶性である。THF中のLiClの添加は溶解度を改善しなかった。該ペプチドは、NMP、DMFまたはDMSO中に僅かしか溶解せずに、より合理的な濃度でゲル様の外観を与え、従って収率について最適未満であることが分かっている高度の希釈下で研究することが必須であることが示された。

Claims (7)

  1. GLP−1またはGLP−1アゴニストペプチドを製造する方法であって:ここでの前記ペプチドは次式のものであるか、
    A−(R1)x−(R2)y−R3−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−R8−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−R4−R5−(R6)w−(R7)z−B;
    または次式のものであるか、
    A−(R1)x−(R2)y−R3−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−B;
    または次式のものであるか、
    A−(R1)x−(R2)y−R3−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−B;
    または次式のものであるか、
    A−(R1)x−(R2)y−R3−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−B;
    または次式のものであるか、
    A−(R1)x−(R2)y−R3−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−R8−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−R4−B;
    または次式のものであり、
    A−(R1)x−(R2)y−R3−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−R8−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−R4−Gly−B
    ここで、
    B=−OH、または−NH
    A=H−、Ac−、Boc−、Fmoc−
    R1=His、D−His、desアミノ−ヒスチジン、2−アミノ−ヒスチジン、β−ヒドロキシ−ヒスチジン、ホモヒスチジン、アルファ−フルオロメチル−ヒスチジン、またはアルファ−メチル−ヒスチジン;
    R2=−Ala、D−Ala、−Val、D−Val、Gly、Aib(α−アミノイソ酪酸);
    R3=Glu、Asp、Met、Leu;
    R4=−Lys、またはArg;
    R5=−Gly、Aib、Ala、D−Ala;
    R6=Arg、Lys、またはGly;
    R7=Arg、LysまたはGly;
    R8=GlyまたはAib
    であり、
    また、独立に、x=1の場合はy=1で、またz=1の場合はw=1であることを条件として、x、y、w、zは0または1であり、
    個々のアミノ酸は、保護されたまたは保護されないアミノ酸であり、
    前記方法は、
    a.Fmoc保護されたアミノ酸またはシュードプロリンジペプチドを含んでなるジペプチドを段階的に線型に結合させることによって固相上でペプチドを合成する工程であって、但し、一つの適切な配列位置において、Fmoc−Val−Ser(ψMe,Mepro)−OH、Fmoc−Val−Ser(ψH,Hpro)−OH、Fmoc−Ser−Ser(ψMe,Mepro)−OH、およびFmoc−Ser−Ser(ψH,Hpro)−OHからなる群から選択される第一のシュードプロリンジペプチドが成長するペプチド鎖に結合される工程と;
    b.前記ペプチドを前記固相から開裂する工程
    を含んでなる方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、Fmocグリシジル残基としてまたはFmoc−アミノアシルグリシジル残基としてカップリングされてよい少なくとも一つのグリシジル残基が、更に、その骨格Nα上でN−(o,p−ジアルコキシ−ベンジル)またはN−(o−ヒドロキシ−p−アルコキシ−ベンジル)またはN−(o−アシロキシ−p−アルコキシ−ベンジル)でN−保護されており、ここでのアシロキシおよびアルコキシは、それぞれ独立に、C1〜C4−アルコキシおよびC1〜C4−アシロキシであり、但し、前記グリシジル残基は、配列−Gly−Thr(ψMe,Mepro)−または−Gly−Thr(ψH,Hpro)−の中に含まれておらず、またもう一つのシュードプロリンまたはNα保護されたグリシジル残基から少なくとも二つの介在するアミノ酸残基によって離間されていることを特徴とする方法。
  3. 請求項1に記載の方法であって、二つのシュードプロリンジペプチドが使用され、ここでの第二のシュードプロリンジペプチドは、第一のシュードプロリンジペプチドから少なくとも四つの介在アミノ酸残基だけ離間されていることを特徴とする方法。
  4. 請求項1に記載の方法であって、合成において唯一のシュードプロリンジペプチド単位が使用されることを特徴とする方法。
  5. 固相に結合されたGLP−1またはGLP−1アゴニストペプチドであって;ここでの前記ペプチドは次式のものであるか、
    A−(R1)x−(R2)y−R3−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−R8−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−R4−R5−(R6)w−(R7)z−S;
    または次式のものであるか、
    A−(R1)x−(R2)y−R3−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−S;
    または次式のものであるか、
    A−(R1)x−(R2)y−R3−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−S;
    または次式のものであるか、
    A−(R1)x−(R2)y−R3−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−S;
    または次式のものであるか、
    A−(R1)x−(R2)y−R3−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−R8−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−R4−S
    または次式のものであり、
    A−(R1)x−(R2)y−R3−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−R8−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−R4−Gly−S;
    ここで、
    S=チオエステル、エステルまたはアミド基を介してC末端で、共有結合的にペプチジル部分に結合された固相;
    A=H−、Ac−、Boc−、Fmoc−;
    R1=His、D−His、desアミノ−ヒスチジン、2−アミノ−ヒスチジン、β−ヒドロキシ−ヒスチジン、ホモヒスチジン、アルファ−フルオロメチル−ヒスチジン、またはアルファ−メチル−ヒスチジン;
    R2=−Ala、D−Ala、−Val、D−Val、Gly、Aib(α−アミノイソ酪酸);
    R3=Glu、Asp、Met、Leu;
    R4=−LysまたはArg;
    R5=−Gly、Aib、Ala、D−Ala;
    R6=Arg、Lys、またはGly;
    R7=Arg、LysまたはGly;
    R8=GlyまたはAib
    であり、
    また、独立に、x=1の場合はy=1で、またz=1の場合はw=1であることを条件として、x、y、w、zは0または1であるペプチド。
  6. 請求項5に記載の固相に結合されたペプチドであって、前記Ser(ψ−pro)−シュードプロリンは、前記ペプチドにおける唯一のシュードプロリン保護された残基であることを特徴とするペプチド。
  7. 請求項5に記載の固相に結合されたペプチドであって、該ペプチドは少なくとも一つの第二のシュードプロリン保護された残基を含んでおり、これは−Thr(ψMe,Mepro)−であるか、またはThr(ψH,Hpro)−であり、また独特の配列切片−Gly−Thr−の中に位置していることを特徴とするペプチド。
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