JP5172040B2 - 表面形状測定方法及び表面形状測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、白色干渉を用いた表面形状測定方法及び表面形状測定装置に関するものである。
半導体ウエハ又は液晶表示器用ガラス基板などの精密加工品の凹凸形状を、白色光の干渉を用いて測定する表面形状測定装置が知られている。従来の表面形状測定装置(特許文献1参照)を、図15を用いて説明する。
従来の表面形状測定装置100は、白色光源101からの白色光を、第1レンズ102を通してハーフミラー103まで導き、ハーフミラー103で反射した白色光を、第2レンズ104によって集光している。さらに、従来の表面形状測定装置100は、集光した白色光を、ビームスプリッタ105を介して被測定面106に照射するように構成されている。ビームスプリッタ105は、被測定面106に照射する白色光(以下、測定光とする。)と、参照面107に照射する白色光(以下、参照光とする。)とに分割する分割手段である。参照光は、参照面107の反射部107aで反射した後にビームスプリッタ105に再び入射する。一方、測定光は、被測定面106で反射した後にビームスプリッタ105に再び入射する。ビームスプリッタ105は、反射部107aで反射した参照光と、被測定面106で反射した測定光とを再び同一の経路に合成する合成手段としての機能も有する。このとき、被測定面106からビームスプリッタ105までの距離L1と、ビームスプリッタ105から参照面107までの距離L2との距離の差(測定光と参照光との光路長差)に応じた干渉現象が発生する。その干渉現象が発生した白色光(以下、干渉光とする。)は、結像レンズ108を介してCCDカメラ109で撮像される。CCDカメラ109は、干渉光と共に、被測定面106を撮像する。
ここで、図示しない移動手段によって、ビームスプリッタ105を上下に変動させて、距離L1と距離L2の位置関係を変化させることにより、測定光と参照光との光路長差を変化させる。これにより、CCDカメラ109に入射する干渉光が、強め合ったり、又は、弱め合ったりする。例えば、CCDカメラ109で撮像される領域内の被測定面106の特定箇所に着目した場合に、ビームスプリッタ105の位置を変動させる。これに伴い、特定箇所における干渉光の強度の信号(以下、干渉強度信号とする。)を測定することで、図16の(a)〜(c)に示したグラフを得ることが可能である。図16の(a)〜(c)は、縦軸にCCDカメラ109で検出した干渉強度信号の強度を示し、横軸に被測定面106からビームスプリッタ105までの距離L1(被測定面106の高さ)を示したものである。
理論的には、干渉強度信号の強度と被測定面106の高さとの関係を示すグラフは、図16の(a)に示すような干渉強度信号の波形信号として求められる。この波形信号に基づいて、被測定面106の高さを求めることができる。但し、実際には、予め設定した間隔寸法(サンプリング間隔寸法)だけ移動する毎にCCDカメラ109によって干渉光を撮像するため、得られるデータ群は、図16の(b)に示すように離散的である。このため、取得した離散的なデータから干渉強度信号の波形信号を求める必要がある。そこで、図16の(b)に示した離散的なデータから、特性関数を求めることで、図16の(c)に示すように、干渉強度信号の波形信号を近似する。従来の表面形状測定装置100は、この近似した干渉強度信号の波形信号に基づいて、被測定面106の高さを求めている。
特開2001−66122号公報
しかしながら、従来の表面形状測定装置100では、測定光と参照光との光路長差が非常に僅かであるような、限られた光路長差の範囲でなければ、干渉強度信号を検出することができない。このため、光路長差の変化量を非常に細かくして被測定面106の高さ形状を測定する必要がある。従って、測定回数が多くなり、被測定面106の高さの測定に多くの時間を必要とする。特に、被測定面106の高低差が大きくなる程、測定に要する時間が顕著に長くなる。
本発明は、係る課題を解決するもので、干渉強度信号を検出可能な光路長差の範囲を広げ、高速に被測定面の測定が可能な表面形状測定方法及び表面形状測定装置を提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するため、以下のように構成している。
本発明の1つの態様によれば、
異なる波長を含む白色光を参照光と測定光とに分割し、
前記参照光を第1回折格子に入射させた後、第1光路を通って第2回折格子に入射させ、更にその後に、前記第2回折格子から前記第1光路を通って前記第1回折格子に入射させた前記参照光と、被測定面に入射させて該被測定面で反射させた前記測定光とを合成して干渉光とし、
前記干渉光における干渉強度を検出し、
前記干渉強度に基づいて前記被測定面の表面形状を測定する表面形状測定方法を提供する。
また、本発明の別の態様によれば、
異なる波長を含む白色光を照射する光源と、
前記白色光を参照光と測定光とに分割する分割部と、
前記測定光が照射される被測定物が載置されるテーブルと、
第1ピッチで第1方向の格子が形成されると共に前記参照光が垂直に入射する第1回折格子と、
前記第1ピッチの半分のピッチで前記第1方向の格子が形成され、かつ、前記第1回折格子と平行に配置されると共に、前記第1回折格子を出射した前記参照光が入射する第2回折格子と、
前記第2回折格子を出射した後に前記第1回折格子を出射した前記参照光と前記被測定物で反射した前記測定光とを合成して干渉光とする合成部と、
前記干渉光における干渉強度を検出する検出部と、
前記干渉強度に基づいて前記被測定物の表面形状を測定する測定部と、を備える表面形状測定装置を提供する。
また、本発明のさらに別の態様によれば、
異なる波長を含む白色光を照射する光源と、
前記白色光を参照光と測定光とに分割する分割部と、
前記測定光が照射される被測定物が載置されるテーブルと、
第1ピッチで第1方向の格子が形成されると共に前記参照光が垂直に入射する第1回折格子と、
前記第1ピッチで前記第1方向の格子が形成され、かつ、前記第1回折格子と平行に配置されると共に、前記第1回折格子から出射した前記参照光が入射する第2回折格子と、
前記第2回折格子を出射した前記参照光を反射して前記第2回折格子に入射させる鏡と、
前記鏡で反射した後に前記第2回折格子と前記第1回折格子との順に出射した前記参照光と前記被測定物で反射した前記測定光とを合成して干渉光とする合成部と、
前記干渉光における干渉強度を検出する検出部と、
前記干渉強度に基づいて前記被測定物の表面形状を測定する測定部と、を備える表面形状測定装置を提供する。
以上のように、本発明の表面形状測定方法及び表面形状測定装置によれば、干渉強度信号を検出可能な光路長差の範囲を広げ、被測定面の測定を高速に行うことが可能である。
本発明の特徴は、添付された図面についての実施形態に関連した次の記述から明らかになる。この図面においては、
図1Aは、第1実施形態に係る表面形状測定装置の模式図であり、 図1Bは、第1実施形態に係る表面形状測定装置のCPUのブロック図であり、 図1Cは、第1実施形態における参照ユニットを示した模式図であり、 図1Dは、第1実施形態の変形例における参照ユニットを示した模式図であり、 図1Eは、第2実施形態に係る表面形状測定装置のCPUのブロック図であり、 図2は、第1実施形態における第1回折格子と第2回折格子とで回折する参照光の様子を説明する説明図であり、 図3Aは、従来の表面形状測定方法における光路長差が−40〜40μmの場合の干渉強度信号と光路長差との関係を表すグラフであり、 図3Bは、従来の表面形状測定方法における光路長差が−5〜5μmの場合の干渉強度信号と光路長差との関係を表すグラフを示した図であり、 図4は、従来の表面形状測定方法における干渉強度信号と干渉強度信号を波長分解した様子を説明する説明図であり、 図5は、従来の表面形状測定方法における干渉強度信号の位相と波長との関係を表すグラフを示した図であり、 図6Aは、第1実施形態に係る表面形状測定装置における光路長差が−40〜40μmの場合の干渉強度信号と光路長差との関係を表すグラフであり、 図6Bは、第1実施形態に係る表面形状測定装置における光路長差が−5〜5μmの場合の干渉強度信号と光路長差との関係を表すグラフであり、 図7は、第1実施形態に係る表面形状測定装置における干渉強度信号と干渉強度信号を波長分解した様子を説明する説明図であり、 図8は、第1実施形態に係る表面形状測定装置における干渉強度信号の位相と波長との関係を表すグラフを示した図であり、 図9は、第1実施形態に係る表面形状測定装置の動作を表すフローチャートであり、 図10は、第3実施形態における参照ユニットの構成を示す模式図であり、 図11Aは、第4実施形態における参照ユニットの構成を示す模式図であり、 図11Bは、第4実施形態の変形例における参照ユニットの構成を示す模式図であり、 図11Cは、第4実施形態の更なる変形例における参照ユニットの構成を示す模式図であり、 図12は、第5実施形態における参照ユニットの構成を示す模式図であり、 図13は、第5実施形態の変形例1における参照ユニットの構成を示す模式図であり、 図14は、第5実施形態の変形例2における参照ユニットの構成を示す模式図であり、 図15は、従来の表面形状測定装置の構成を示す模式図であり、 図16は、従来の表面形状測定装置によって干渉強度信号の波形を求めるまでを示す図であって、(a)は理論的な干渉強度信号の波形を示す図、(b)は実測した干渉強度信号のプロットを示す図、(c)は特性関数から近似した干渉強度信号の波形を示す図であり、 図17Aは、第1から第5実施形態に適用可能な回折格子の断面形状の一例を説明する図であり、 図17Bは、第1から第5実施形態に適用可能な回折格子の断面形状の他の例を説明する図であり、 図17Cは、第1から第5実施形態に適用可能な回折格子の断面形状の更に他の例を説明する図である。
本発明の記述では、添付図面において同じ部品については同じ参照符号を付している。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
図1Aは、第1実施形態に係る表面形状測定装置1を示した模式図である。まず、表面形状測定装置1の概要を述べる。表面形状測定装置1は、被測定物2の表面である被測定面3に、特定周波数帯域の白色光を照射して反射光を受光する光学系ユニット4と、光学系ユニット4を制御及び駆動する制御駆動系ユニット5と、被測定物2を載置するためのテーブル6とを備えている。被測定物2は、例えば、非球面レンズ又は回路基板などである。光学系ユニット4には、参照ユニット7が備えられる。この参照ユニット7にも白色光が照射される。この参照ユニット7の詳細については後述するため、ここでは説明を省略する。
表面形状測定装置1は、被測定面3で反射した白色光と参照ユニット7内で反射した白色光とを干渉させることで、被測定面3の面内(図1Aに示したX軸とY軸とで定まるX−Y平面)の高さ情報(図1Aに示したZ軸方向での位置)を測定する。換言すれば、表面形状測定装置1は、被測定面3の表面形状を測定する。この場合、表面形状測定装置1は、予め設定した基準面6aからの高さ情報を測定する。基準面6aとしては、被測定物2を載置するテーブル6の表面を用いることが好ましい。基準面6aとしてテーブル6の表面を用いることで被測定物2が未知であっても、表面形状を測定可能である。なお、被測定物2の平均高さが既知の場合は、この平均高さの位置を基準面6aとして設定しても良い。また、テーブル6は、表面形状測定装置1が設置された設置床に固定されている。
以下に表面形状測定装置1の構造の詳細について、図1Aを用いて説明する。
まず、表面形状測定装置1が備える光学系ユニット4について説明する。光学系ユニット4は、参照ユニット7と、白色光源8と、集光レンズ9と、ハーフミラー10と、第1対物レンズ11と、第2対物レンズ12と、結像レンズ13と、カメラ14とを備えている。
白色光源8は、照射波長帯域が400〜1800nmの光源である。白色光源8を点光源とみなせるように、白色光が出射される開口を十分に小さくしている。この白色光源8には、ハロゲンランプ、キセノンランプ、白色LED、又は、極短パルスレーザなどの広い帯域の波長を有する光源を用いることが好ましい。
集光レンズ9は、白色光源8から照射される白色光をハーフミラー10上に集光させる光学系であって、ハーフミラー10上に焦点を有するように配置されている。
ハーフミラー10は、集光レンズ9によって集光された白色光8Aを、被測定面3に照射される白色光(以下、測定光8Bとする。)と、参照ユニット7に照射される白色光(以下、参照光8Cとする。)との2つの白色光(測定光8Bと、参照光8C)に分割する分割手段(分割部)の一例として機能する。さらに、ハーフミラー10は、被測定面3に照射された後に被測定面3から反射した測定光8Bと、参照ユニット7に照射された後に参照ユニット7内から反射した参照光8Cとを1つの光束の白色光(以下、干渉光8Dとする。)に合成する合成手段(合成部)の一例としても機能する。すなわち、ハーフミラー10は、分割手段の一例と合成手段の一例とを1つの部材で構成するものである。このとき、分割されてから合成されるまでの測定光8Bの光路長と、分割されてから合成されるまでの参照光8Cの光路長との間に差(以下、測定光8Bと参照光8Cとの光路長差とする。)が生じる。このため、測定光8Bと参照光8Cとの光路長差に対応して、干渉光8Dに生じる干渉縞の強度が変化する。なお、干渉光8Dの干渉縞を効率良く発生させるために、ハーフミラー10の分割比は、測定光8Bと参照光8Cとの光強度がほぼ1対1となるように設定されることが望ましい。
第1対物レンズ11は、測定光8Bを被測定面3に照射する光学系であって、ハーフミラー10を介して集光レンズ9の反対側に配置される。第1対物レンズ11から出射した測定光8Bが、被測定面3の表面に略垂直に照射されるように、被測定物2がテーブル6に載置されている。言い換えれば、第1対物レンズ11から出射した測定光8Bの光軸がテーブル6の平らな表面に略直交するように、テーブル6が配置されている。
第2対物レンズ12は、参照光8Cを参照ユニット7に照射する光学系であって、第2対物レンズ12の焦点位置がハーフミラー10上で、集光レンズ9の焦点位置と一致するように配置されている。
参照ユニット7は、第2対物レンズ12から参照ユニット7に入射した参照光8Cを、参照ユニット7の内部で反射させた後に参照ユニット7から出射させるものである。参照ユニット7から出射した参照光8Cは、再び、第2対物レンズ12に入射する。この場合、参照ユニット7に入射する際の参照光8Cの光路と、参照ユニット7から出射する際の参照光8Cの光路が一致するように、参照ユニット7が設置されている。なお、参照ユニット7の作用については後述する。
結像レンズ13は、ハーフミラー10を介して第2対物レンズ12の反対側に配置される。結像レンズ13に入射した干渉光8Dは、カメラ14に向けて出射する。
カメラ14は、一例として、CCD又はCMOSなどの2次元上に撮像素子が配置された撮像装置であり、白色光源8の波長帯域に感度を有しており、干渉強度信号を検出する検出手段(検出部)の一例として機能する。カメラ14は、結像レンズ13を介して、ハーフミラー10と反対側に配置されている。カメラ14は、干渉縞が生じた干渉光8Dを撮像すると共に、結像レンズ13と、ハーフミラー10と、第1対物レンズ11とを介して、被測定面3の画像をカメラ14で撮像する。また、測定光8Bと参照光8Cとの光路長差が変動するに際して、干渉強度信号を取得する間隔寸法(以下、サンプリング間隔寸法とする。)毎に、干渉光8Dと共に被測定面3の画像が撮像される。撮像により取得されたデータは、制御駆動系ユニット5によって収集される。なお、サンプリング間隔寸法は、例えば、カメラ14の撮像画素の1画素単位とする。サンプリング間隔寸法は、予め設定された所定の間隔寸法である。
ここで、白色光源8から出射した白色光8Aが通る経路について説明する。白色光源8から出射した白色光8Aは、集光レンズ9を介してハーフミラー10に入射する。ハーフミラー10に入射した白色光8Aは、測定光8Bと参照光8Cとに分割される。ハーフミラー10で2つに分割された白色光(測定光8Bと、参照光8C)のうち一方の白色光(測定光8B)は、第1対物レンズ11を介して被測定面3に入射した後に、この被測定面3で反射して第1対物レンズ11によって集光され、再びハーフミラー10に入射する。一方、ハーフミラー10で2つに分割された白色光(測定光8Bと、参照光8C)のうち他方の白色光(参照光8C)は、第2対物レンズ12を介して参照ユニット7に入射する。詳細は後述するが、参照ユニット7に入射した参照光8Cは、参照ユニット7の内部で反射した後に、参照ユニット7から出射する。参照ユニット7から出射した参照光8Cは、第2対物レンズ12によって集光され、再び、ハーフミラー10に入射する。再度、ハーフミラー10に入射した測定光8Bと参照光8Cとは、ハーフミラー10によって同一の光束に合成される(干渉光8Dとなる)。干渉光8Dは、結像レンズ13を介してカメラ14に入射する。
次に、制御駆動系ユニット5について説明する。制御駆動系ユニット5は、CPU16と、カメラ14によって撮像された干渉光8Dの干渉縞及びCPU16での演算結果などの各種データを記憶する記憶メモリ17と、サンプリング間隔寸法及びその他の設定情報を入力するマウス又はキーボードなどの入力装置18と、測定結果を表示するモニタ19と、光学系ユニット4と被測定面3との相対距離を変化させることで測定光8Bと参照光8Cの光路長差を変化させる駆動装置15とを備える。
CPU16は、表面形状測定装置1の全体を統括的に制御し、演算処理を行うための中央処理装置である。CPU16は、図1Bに示す動作制御部16aと、測定手段(測定部)の一例としての処理を行う演算部16bとの機能を有する。動作制御部16aは、カメラ14と、記憶メモリ17と、駆動装置15とを動作制御する機能を有する。演算部16bは、カメラ14で取得した干渉光8Dの干渉縞に基づいて干渉強度信号を取得し、この干渉強度信号に基づいて被測定面3の表面形状を測定する機能を有する。動作制御部16aと、演算部16bとの処理については、詳細を後述する。さらに、CPU16には、入力装置18とモニタ19とが接続されている。このため、操作者は、モニタ19に表示される操作画面を観察しながら、入力装置18から各種の設定情報の入力を行い、動作制御部16a及び演算部16bに必要な情報を入力することができる。また、モニタ19には、被測定面3の測定終了後に、測定した被測定面3の表面形状が、画像又は数値として表示される。
駆動装置15は、CPU16の動作制御部16aからの指示に応じて、光学系ユニット4を、テーブル6に対して、図1A中に示した互いに直交するX、Y、Z軸方向に駆動する3軸駆動型のサーボモータなどの駆動機構を備えたものである。テーブル6に対して、駆動装置15によって光学系ユニット4を図1Aに示したZ軸方向に移動させることで、被測定面3と光学系ユニット4との距離が近くなれば、測定光8Bの光路長が短くなる。また、被測定面3と光学系ユニット4との距離が遠くなれば、測定光8Bの光路長が長くなる。一方で、被測定面3と光学系ユニット4との間の距離が変化しても、参照光8Cの光路長は変わらない。このため、光学系ユニット4が図1Aに示したZ軸方向に移動することにより、測定光8Bと参照光8Cとの光路長差が変化する。なお、光学系ユニット4が移動する代わりに、被測定物2の載置されるテーブル6を、直交3軸方向に移動させてもよい。この場合は、表面形状測定装置1が設置された設置床に光学系ユニット4を固定することになる。
次に、光学系ユニット4が備える参照ユニット7について、詳細を説明する。参照ユニット7は、第1回折格子20と第2回折格子21とを備えている。第1回折格子20は、参照ユニット7内で第2対物レンズ12に近い位置に配置され、参照光8Cを回折及び透過させる。第2回折格子21は、参照ユニット7内で第1回折格子20よりも第2対物レンズ12から遠い位置に配置され、第1回折格子20で回折及び透過した参照光8Cを回折及び反射させる。なお、図示するに際して、反射型の回折格子についてはハッチングを付して、透過型の回折格子との違いを明確にしている。
この参照ユニット7に入射した参照光8Cは、まず、第1回折格子20に入射する。第1回折格子20に入射した参照光8Cは、第1回折格子20にて回折すると共に第1回折格子20を透過する。第1回折格子20を透過した参照光8Cは、次に、第2回折格子21に入射する。第2回折格子21に入射した参照光8Cは、第2回折格子21にて回折するとともに第2回折格子21にて反射する。第2回折格子21にて反射した参照光8Cは、再び、第1回折格子20に入射する。再び、第1回折格子20に入射した参照光8Cは、第1回折格子20にて回折すると共に第1回折格子20を透過し、その後、参照ユニット7から第2対物レンズ12に向けて出射される。以下の説明では、参照ユニット7に入射する際の参照光8Cを第0参照光とし、第1回折格子20を透過した第0参照光を第1参照光とし、第2回折格子21で反射した第1参照光を第2参照光とし、第1回折格子20を透過した第2参照光を第3参照光とする。
第1回折格子20は、透過型の回折格子であり、第1方向に平行な直線状の格子(溝)が形成された平面(第1格子面20a)を有する。第2対物レンズ12によって平行光化された第0参照光が、図1Aに示した矢印Aの方向から入射するように第1回折格子20が配置されている。図1Aに示した矢印Aの方向とは、第1格子面20aの表面に対して垂直な方向である。また、この第1回折格子20は、一例としてブレーズド回折格子を用いあり、その第1方向が、図1Aに示したX軸方向と平行となるように配置されている。さらに、第1格子面20aが第2回折格子21と対向するように第1回折格子20が配置されている。このため、図1Aに示した矢印Bの方向に第0参照光が、第1回折格子20にて回折するとともに、第1回折格子20を透過する(第1参照光として矢印Bの方向に出射する)。また、第1格子面20aには反射防止膜が形成され、表面反射の発生を抑制している。なお、反射防止膜としては、一般的な単層あるいは多層の薄膜反射防止膜を用いる。また、白色光源8から照射される波長帯域に対応した反射防止膜を用いる。
第2回折格子21は、反射型の回折格子であり、第2方向に平行な直線状の格子(溝)が形成された平面(第2格子面21a)を有している。この第2格子面21aに対して、図1Aに示した矢印Bの方向から第1参照光が入射するように、第2回折格子21が配置されている。また、この第2回折格子21は、一例として、ブレーズド回折格子であり、第1方向が、例えば、図1Aに示したX軸方向と平行となるように配置されている。この場合、第1回折格子20と第2回折格子21との格子(溝)方向(第1方向と第2方向)は互いに平行であり、第1格子面20aと第2格子面21aも互いに平行となるように配置されている。また、第1回折格子20の格子ピッチ(第1ピッチp)をpとすると、第2回折格子21の格子ピッチ(第2ピッチp)は、pの半分のピッチ、すなわちp/2となる。これらにより、第2回折格子21に入射した第1参照光が、図1Aに示した矢印Cの方向(矢印Bの方向と対向方向)に第2回折格子21で反射する(第2参照光として矢印Bの方向と対向方向に出射する)。つまり、第2回折格子21で反射した第1参照光(すなわち第2参照光)は、第1参照光の光路を逆進するようにして、第1回折格子20に再度、入射する。換言すると、第1回折格子20を透過した後に第2回折格子21に入射する際の第1参照光の光路と、第2回折格子21で反射した後に第1回折格子20に入射する際の第2参照光の光路と、が一致する。また、第2参照光は、第1回折格子20に再度入射することで、さらに第1回折格子20で回折及び透過し、第1回折格子20から第3参照光として図1Aに示した矢印Dの方向(矢印Aの方向と対向方向)へ出射する。この場合、第1回折格子20を透過した第2参照光は、第3参照光として、第0参照光の光路を逆進することとなる。すなわち、参照ユニット7に入射する際の第0参照光の光路と、参照ユニット7から出射する際の第3参照光の光路とは一致する。
ここでは、特に、第1回折格子20を透過した後に第2回折格子21に入射する際の第1参照光の光路と、第2回折格子21で反射した後に第1回折格子20に入射する際の第2参照光の光路とが一致するように、第1回折格子20と第2回折格子21との条件を設定することが重要である。これは、詳細は後述するが、参照光8Cに対して波長毎に異なる光路長差を付与するためである。なお、ブレーズド回折格子は、格子面が鋸状に形成されている。具体的には、第1回折格子20と第2回折格子21とをブレーズド回折格子とすると図1Cのように表現できる。この図1Cは、図1Aの参照ユニット7を拡大した図である。しかし、常にブレーズド回折格子を図示していては、図面が複雑になるため、図1Aに記載される第1回折格子20と第2回折格子21との様に、簡略化して回折格子を記載する場合がある。
ここで、第1回折格子20と第2回折格子21とが充足すべき構成条件について説明する。
一般的に、回折格子への入射角をθ、回折角をη、回折格子に入射する光の波長をλ、回折格子の格子ピッチをp、回折次数をn、とすると、回折方程式は次の式(1)で表すことができる。
Figure 0005172040
........(1)
式(1)から、第1回折格子20に入射する第0参照光の入射角をθ、回折角をη、第1回折格子20の第1ピッチをp、とした場合、第1回折格子20における回折方程式は次の式(2)で表すことができる。
Figure 0005172040
........(2)
また式(1)から、第2回折格子21に入射する第1参照光の入射角をθ、回折角をη、第2回折格子21の第2ピッチをp、とした場合、第2回折格子21における回折方程式は次の式(3)で表すことができる。
Figure 0005172040
........(3)
ここで、第1回折格子20から第2回折格子21に入射する際の第1参照光の光路と、第2回折格子21から第1回折格子20に入射する際の第2参照光の光路と、が一致するためには、少なくとも、第1回折格子20と第2回折格子21との格子(溝)方向(第1方向と第2方向)を互いに平行にする必要がある。同時に、第1回折格子20における回折角ηと第2回折格子21における回折角ηとが一致する必要がある。よって、回折角ηと回折角ηとは次の式(4)の関係を満たす必要がある。
Figure 0005172040
........(4)
この式(4)を式(3)に代入することで、次の式(5)を得ることができる。
Figure 0005172040
........(5)
ここで、第1実施形態において、第1格子面20aと、第2格子面21aとは平行になるように、第1回折格子20と第2回折格子21とが配置されている。このため、第1回折格子20における回折角ηと、第2回折格子21における入射角θとは、等しくなる。すなわち、回折角ηと入射角θは、次の式(6)の関係で表すことができる。
Figure 0005172040
........(6)
式(6)を式(5)に代入することで、次の式(7)を得ることができる。
Figure 0005172040
........(7)
次に、式(7)と式(2)から、第1回折格子20の第1ピッチpと第2回折格子21の第2ピッチpとの関係は次の式(8)で表すことができる。
Figure 0005172040
........(8)
なお、式(8)では、第1ピッチpと、第2ピッチpとが波長に依存するため、異なる複数の波長を含む白色光を用いる第1実施形態において、式(8)に基づいて第1ピッチp及び第2ピッチpを決定するのは容易でない。特に、第2格子面21aに入射する参照光の位置及び波長によって第2ピッチpを変化させる必要があるため、そのような特殊な格子ピッチを有する回折格子を作成するのは非常に困難である。また、第2回折格子21に入射する参照光の位置と、参照光の入射する位置における第2ピッチpとを正確に一致させる必要があるため、光学系の調節が非常に困難である。そこで、第1実施形態において、第0参照光が第1格子面20aの表面に垂直に入射するように、第1回折格子20を設置する。これにより、第1回折格子20に入射する際の参照光の入射角θは0(rad)とすることができる。よって式(6)の入射角θに0(rad)を代入することで、次の式(9)で第1ピッチpと第2ピッチpとの関係を表すことができる。
Figure 0005172040
........(9)
式(9)より、第1ピッチpと第2ピッチpとの関係は、波長によらず一定の関係となるため、このような関係の第1回折格子20と第2回折格子21とを容易に作成することができる。また、第2回折格子21に参照光の入射する位置における参照光の波長と第2ピッチpと正確に一致させる必要がないため、第1回折格子20と第2回折格子21との調節を容易に行うことができる。
なお、第1実施形態では、光量の損失を抑えるために、使用する回折次数nは1である。よって、式(1)から、第1回折格子20における回折方程式を式(10)で表すことが可能である。
Figure 0005172040
........(10)
ここで、第2格子面21aが第1格子面20aに対して角度ψだけ傾斜して配置されている場合について説明する。説明を簡単にするため、第1回折格子20に入射する参照光の入射角を0(rad)とし、回折次数nを1とする。また、第2回折格子21への参照光の入射角θはη+ψとなるため、この場合の式(7)は次の式(11)で表すことができる。
Figure 0005172040
........(11)
式(11)と式(2)から、第1ピッチpと第2ピッチpとの関係は、波長に依存することがわかる。よって、第2格子面21aが第1格子面20aに対して角度ψだけ傾斜して配置されていては、上述の通り、第1ピッチpと第2ピッチpとを容易に決定することができない。従って、第1格子面20aと第2格子面21aとが平行な向きに配置されなければならない。
以上のことから、第1回折格子20と第2回折格子21とが満たすべき条件についてまとめると、次の4つの条件となる。
まず、第1に、第1回折格子20と第2回折格子21との格子(溝)方向(第1方向と第2方向)が互いに平行となるように、第1回折格子20と第2回折格子21とを配置する必要がある。
第2に、式(4)の関係を満たすため、第1格子面20aと、第2格子面21aとは平行に配置されている必要がある。
第3に、式(6)の関係を満たすために、第1回折格子20は、参照光が第1格子面20aに垂直に入射するように配置されている必要がある。
第4に、式(9)の関係を満たすため、第2回折格子21の第2ピッチpは、第1回折格子20の第1ピッチpの半分のピッチである必要がある。
これらの4つの条件を満たす第1回折格子20と第2回折格子21とを用いることで、第1回折格子20から第2回折格子21に入射する際の第1参照光の光路と、第2回折格子21から第1回折格子20に入射する際の第2参照光の光路と、を一致させることができる。
また、第1参照光の光路と第2参照光の光路とを一致させることで、第1回折格子20に入射する際の第0参照光の光路と、第1回折格子20から出射する際の第3参照光の光路と、も一致する。式(1)及び式(10)から、第1回折格子20にηの角度で入射する第2参照光は、0(rad)の角度で第1回折格子20を透過する第3参照光となるからである。なお、第0参照光が第1回折格子20に入射する際の角度は0(rad)である。
次に、参照ユニット7に入射する際の参照光(すなわち第0参照光)と、参照ユニット7から出射する際の参照光(すなわち第3参照光)との違いについて説明する。
図2に、第0参照光に含まれかつ互いに異なる3つの波長λ、λ、λの光が、第1回折格子20及び第2回折格子21の両方で回折する様子を示す。この場合、λ〜λは以下の式(12)の関係をとる。
Figure 0005172040
........(12)
式(10)から、第1回折格子20で回折する際の回折角ηは、波長に依存する。このため、第0参照光は、第1回折格子20に入射することにより、波長毎に分割され、波長毎に異なる光路を進行する第1参照光となる。また、第2回折格子21で回折する際の回折角ηは、式(4)より、η=ηの関係となる。すなわち、波長毎に異なる光路を進行する第1参照光は、第2回折格子21で反射することで、波長毎に進行してきた光路を逆進する第2参照光となる。図2を用いて具体的に述べると、第1参照光に含まれる波長λの光の進行方向(図2に示した矢印Bの方向)と、第2参照光に含まれる波長λの光の進行方向(図2に示した矢印Cの方向)とは、互いに逆行する方向の関係にある。波長λ、λについても同様である。ここで、第1回折格子20と第2回折格子21との間隔(第1格子面20aから第2格子面21aに降ろした垂線の長さ)をLとすると、波長λにおける第1回折格子20と第2回折格子21との間での光路長sは、式(10)を用いて次の式(13)で表すことができる。
Figure 0005172040
........(13)
各波長λ〜λに対応する第1回折格子20と第2回折格子21との間の光路長s〜sは、式(12)と式(13)から次の式(14)の関係が導きだすことが可能である。
Figure 0005172040
........(14)
すなわち、式(14)から、第1回折格子20と第2回折格子21との両方で回折することで、波長毎に異なる光路長が付与されていることがわかる。つまり、参照ユニット7から出射した参照光(第3参照光)は、参照ユニット7に入射した参照光(第0参照光)に対して、波長毎に異なる光路長が付与されたものである。
このように、透過型の第1回折格子20と反射型の第2回折格子21との組合せといった、簡単な構成で、参照光8Cに対して波長毎に異なる光路長差を付与することが可能である。また、第1回折格子20と第2回折格子21とを隣接して配置することが可能であるため、装置の小型化が可能である。
また、第1格子面20aが第2回折格子21と対向する位置となるように第1回折格子20を配置している。これは、第1回折格子20を出射する際に、参照光8Cを回折させるためである。この場合、参照光8Cは第1格子面20aの表面に対して垂直に入射するため、第1回折格子20の波長分散の影響を受けない。なお、第1格子面20aが、第2対物レンズ12と対向する位置となるように第1回折格子20を配置した場合は、参照光8Cは、第1格子面20aで回折した後に、第1回折格子20内に入射する。そのため、参照光8Cは、波長分散の影響を受け、屈折角が変化してしまう。このため、第1回折格子20と第2回折格子21との間に、屈折角の変化を補正する補正板を配置する方が好ましい。
なお、第1実施形態において、一例として、被測定面3の大きさを、直径1mmの円とし、第1対物レンズ11と第2対物レンズ12との焦点距離を等しくしている。この場合、第1対物レンズ11から出射する測定光8Bの光束径、及び、第2対物レンズ12から出射する参照光8Cの光束径は、それぞれ、少なくとも直径1mm以上必要であり、第1回折格子20の第1格子面20aの大きさも直径1mm以上必要である。この場合、第2回折格子21の第2格子面21aは、参照光8Cに含まれる波長の光のうち、測定に用いる波長の光を全て反射させるだけの大きさで形成することが好ましい。具体的に、好ましい第2回折格子21の第2格子面21aの大きさについて、以下に説明する。なお、説明のために、第2格子面21aの大きさとして、回折方向(図2に示したZ軸方向)の長さについて説明する。
図2において、参照光8Cに含まれる波長であって、測定に用いる波長のうち、最小の波長をλ(ここでは、説明のためλmin.とする。)、最大の波長をλ(ここでは、説明のためλMAX.とする。)とする。また、最小波長λmin.における第1回折格子20での回折角をηmin.とし、最大波長λMAX.における第1回折格子20での回折角をηMAX.とする。また、第1回折格子20と第2回折格子21との距離(第1格子面20aから第2格子面21aに下ろした垂線の距離)をLとする。最小波長λmin.の参照光8Cは、第1格子面20aにおける出射位置から、Ltanηmin.だけ、回折方向(図2に示したZ軸方向)にずれて第2回折格子21に入射する。一方、最大波長λMAX.の参照光8Cは、第1格子面20aにおける出射位置から、LtanηMAX.だけ、回折方向(図2に示したZ軸方向)にずれて第2回折格子21に入射する。つまり、第2格子面21aの回折方向に対する長さをSとした場合、次の式(15)関係を求めることができる。
Figure 0005172040
........(15)
式(15)のtanηmin.及びtanηMAX.は式(10)から求めることが可能である。また、第1回折格子20に入射する参照光8Cの光束の直径をrとした場合、式(16)で表されることが望ましい。より多くの参照光8Cを反射させることで、光量の低下を防止するためである。
Figure 0005172040
........(16)
式(16)の条件を満たす第2格子面21aを有する第2回折格子21を、第1回折格子20を透過した最小波長λmin.の参照光8Cが入射する位置に配置することで、参照光8Cに含まれる波長のうち、測定に用いる最小の波長から最大の波長までを有効に回折及び反射することが可能である。
なお、第1実施形態において、一例として、第1回折格子20の第1ピッチpを12μmとし、第2回折格子21の第2ピッチpを6μmとし、第1回折格子20と第2回折格子21との距離Lを50mmとしている。
ここで、波長毎に異なる光路長を付与した参照光8Cを用いて被測定面3を測定する方法について説明する前に、まず、波長毎に異なる光路長差を付与しない参照光を用いる方法、すなわち、従来の表面形状測定方法について説明する。従来の表面形状測定方法において、測定光と参照光との光路長差を変化させた際に検出する干渉強度信号の関係を示したグラフを図3A及び図3Bに示す。ここでは、実験のため、白色光源8の波長帯域を400〜700nmの一様な強度分布としている。これらの図3A及び図3Bは、縦軸に検出した干渉光の干渉強度信号を示し、横軸に測定光と参照光との光路長差を示す。なお、光路長差が負の場合とは、参照光の光路長が測定光の光路長よりも長い場合を示す。また、光路長差が正の場合とは、測定光の光路長が参照光の光路長よりも長い場合を示す。また、図3Aは、測定光と参照光との光路長差が−40〜40μmの場合における干渉強度信号の関係を示したものである。また、図3Bは、図3Aにおける測定光と参照光との光路長差が−5〜5μmの範囲(図3Aに示したA−A’の範囲)を拡大したものである。図3Bより、干渉強度信号のピークは測定光と参照光との光路長差が−1〜1μmの範囲でのみ明確に確認できることがわかる。
また、図3A及び図3Bに示した干渉強度信号は、図4に示すように、白色光源8に含まれる各波長の干渉強度信号の重ね合わせとして検出されている。よって、フーリエ変換を用いることにより、検出した干渉強度信号を正弦波毎に分解することができる。これにより、波長毎の干渉強度信号を得ることができる。
また、図4で、測定光と参照光との光路長差が0になる位置を測定基準とすると、測定基準から距離dだけ異なる位置にある被測定面3での波長λの干渉強度信号の位相φ(rad)は、kを定数として、次の式(17)で与えられる。
Figure 0005172040
........(17)
この場合、測定基準と被測定面との間の光路は、反射光路であるから、光路長の変化は距離dの2倍であり、干渉では、λ/2で1周期の正弦波となる。すなわち、k=π/2となる。このとき、横軸にk/λ、縦軸に干渉強度信号の位相φを座標とするグラフは、図5に示すように傾きdの直線で表すことができる。従来の表面形状測定方法では、この傾きdから、被測定面3の測定基準からの距離dを求められる。
このような従来の表面形状測定方法では、測定光と参照光との光路長差が0の位置(測定基準)になった場合に、各波長の干渉強度信号の位相が一致し、干渉強度信号のピークとして検出される。その一方で、測定光と参照光との光路長差を有する位置(測定基準でない位置)では各波長の干渉強度が打ち消しあい、干渉強度信号は、ほとんど消えてしまう。このため、干渉強度信号は、限られた狭い範囲でしか検出することができない。仮に、従来の表面形状測定方法を、図1Aに示した表面形状測定装置1で実施した場合、光学系ユニット4と、被測定面3との相対距離が、略基準位置(測定光と参照光との光路長差が0になる位置)になければ、被測定面3の形状を測定することが不可能である。
また、光学系ユニット4と被測定面3との相対距離が略基準位置になければ干渉強度信号を検出できないような場合には、どの位置で干渉強度信号を検出するか既知でないため、フーリエ変換を用いるためにも、走査方向における干渉強度信号取得のサンプリング間隔寸法を細かくする必要がある。従って、被測定面3の表面形状の凹凸が大きくなる程、走査範囲を広くしなければならず、測定時間が増大する上に、処理すべきデータ数が増大してしまい、多くのデータ処理時間が必要となる。また、このような細かいサンプリング間隔寸法で取得した膨大なデータであっても、測定に使用できる有効なデータはごく一部である。干渉強度信号のピークの存在しない領域のデータは、振幅がほぼ0の無駄なデータだからである。この無駄なデータは、サンプリングした干渉強度信号の大多数を占めるため、効率が悪く、処理を行うCPU16などの制御手段にも過度の負荷を強いるものである。
このような従来の表面形状測定方法に対して、第1実施形態に係る、図1Aに示した表面形状測定装置1を用いて行う表面形状測定方法について説明する。表面形状測定装置1を用いて、被測定面3をZ軸方向に走査する際に検出する干渉強度信号の関係を示したグラフを図6A及び図6Bに示す。この場合、実験のために、白色光源8の波長帯域を400〜700nmの一様な強度分布としている。この図6A及び図6Bは、縦軸に検出した干渉光の干渉強度信号を示し、横軸に測定光と参照光との光路長差を示す。この場合、ハーフミラー10から第2回折格子21までの距離を、白色光源8が出射する白色光の中心波長(550nm)に基づいて、ハーフミラー10から被測定面3までの距離と略等しくなるように設定している。従って、白色光源8が照射する白色光の中心波長において、測定光8Bと参照光8Cとの光路長差が0になる位置に測定基準が設定されている。なお、光路長差が負の場合は、参照光8Cの光路長差が測定光8Bの光路長差よりも長い場合を示し、光路長差が正の場合は、測定光8Bの光路長が参照光8Cの光路長よりも長い場合を示している。また、図6Bは、測定光8Bと参照光8Cとの光路長差が−40〜40μmの場合における干渉強度信号の関係を示したものである。図6Bは、図6Aにおける測定光8Bと参照光8Cとの光路長差が−5〜5μmの範囲(図6Aに示したB−B’の範囲)を拡大したものである。図6Bより、従来の表面形状測定方法に比べて広い範囲で干渉強度信号を検出することが可能であることがわかる。また、図6Aから、干渉強度信号は、測定光8Bと参照光8Cとの光路長差が−20〜20μmの範囲(図6Aに示したC−C’の範囲)でも十分に確認できることがわかる。これは、図7に示したように、参照ユニット7によって、参照光8Cに対して波長毎に異なる光路長を付与したからである。詳細を述べると、波長毎に異なる光路長を付与した参照光8Cに干渉を生じさせたため、波長毎に異なる位置に干渉強度信号のピークが現れたからである。
また、図6Aで得られた干渉強度信号から、フーリエ変換によって、波長毎の干渉強度信号に分解することができる。この場合、測定基準(測定光8Bと参照光8Cとの光路長差が0になる位置)から距離dだけ離れた位置における被測定面3での波長λの干渉強度信号の位相φ(rad)は、次の式(18)で与えられる。
Figure 0005172040
........(18)
式(18)においては、式(17)の場合と同様にk=π/2である。この場合、参照光8Cには波長毎に異なる光路長差が付与されているため、式(17)と異なり、干渉強度信号の位相φは、参照光8Cの波長毎に付与した光路長sに依存する。なお、光路長sは式(13)で求めることができる。
式(18)に基づいて、横軸にk/λ、縦軸に位相φを座標軸としたグラフを、図8に示す。ちなみに、図5の場合と異なり、図8のグラフが曲線を示すのは、波長毎に付与した光路長sの影響を受けているからである。従って、この曲線から、測定基準からの距離dを求めるには、波長毎に付与した光路長sの影響を除外すればよい。具体的には、予め測定しておいた第1回折格子20と第2回折格子21との距離Lと、第1回折格子20の第1ピッチpとを用い、式(13)及び式(18)から非線形最小二乗法などを用いて直線に近似し、近似した直線の傾きから、測定基準からの距離dを求めることが可能である。この距離dに、基準面6aからの測定基準の位置を加えることで、被測定面3の高さを計測することが可能である。
このように、表面形状測定装置1を用いることで、測定光と参照光との光路長差が大きくても、干渉強度信号を検出可能である。このため、走査方向のサンプリング間隔寸法を広くすることができ、測定の高速化が可能である。
なお、基準面6aの位置をテーブル6の表面に一致させた場合は、図6Aに示したCの位置を、この基準面6aに一致させるように、初期条件としての測定基準を設定することが好ましい。図6Aに示したCの位置は、干渉強度信号を検出可能な位置であって、測定光と参照光との光路長差が最大になる位置であると共に、測定光の光路長が参照光の光路長よりも長くなる位置である。干渉強度信号の検出可能な領域を有効に利用することができるため、被測定面3の表面形状を高速に測定することが可能である。具体的には、測定基準を、テーブル6の表面から高さ方向(図1Aに示したZ軸方向)に20μmずらした位置に設定することで、被測定面3の表面形状を測定する。
また、被測定物2の平均高さを基準面6aの位置とした場合は、この基準面6aと測定基準の位置とを一致させることが好ましい。具体的には、測定光8Bの光路長と、参照光8Cの光路長と、が基準面6aで一致するように初期条件としての測定基準を設定する。これにより、干渉強度信号を検出可能な領域を効率良く利用することができるため、被測定面3の表面形状を高速に測定することが可能である。
次に、第1実施形態に係る表面形状測定装置1を用いた場合に、従来の表面形状測定方法に比べて、どの程度高速に測定可能なのかを、具体的な数値を用いて説明する。
図3Bから、従来の表面形状測定方法では、測定光と参照光との光路長差が約2μm(−1〜1μm)の範囲にある場合でしか干渉強度信号を検出することができない。一方で、表面形状測定装置1では、図6Aから分かるように、測定光と参照光との光路長差が約40μm(−20〜20μm)で干渉強度信号を検出することが可能である。すなわち、第1実施形態に係る表面形状測定装置1を用いることで、測定光8Bと参照光8Cとの光路長差について、従来の約20倍の範囲で干渉強度信号を検出することができる。
さらに、従来の表面形状測定方法と、第1実施形態に係る表面形状測定装置1を用いた表面形状測定方法との差異を明確にするため、表面に40μmの凹凸形状が形成された被測定面3を測定する場合について説明する。従来の表面形状測定方法では、測定光と参照光との光路長差が2μmの範囲になければ、干渉強度信号を検出することができない。そのため、40μmの凹凸形状を検出するためには、干渉強度信号が発生する幅を含めて測定する必要があり、少なくとも45μmの範囲を走査する必要がある。また、被測定面3の表面形状を精度良く検出するために、例えば、100種類の光路長差と干渉強度との関係を検出する場合、つまり、100回のサンプリングを行う場合、干渉強度信号を検出できる範囲は2μmであるため、サンプリング間隔寸法は0.02μmとなる。走査する範囲は45μmであるから、全領域におけるサンプリング数は、2250となる。つまり有効な100のデータを取得するために、従来の表面形状測定方法では、2250回のサンプリングを行う必要がある。
一方、第1実施形態に係る表面形状測定装置1では、干渉強度信号を−20μm〜20μmの範囲で検出可能であるため、被測定面3の全体を含む範囲を一回で検出可能である。また、40μmの領域を100のサンプリング数で検出を行うため、サンプリング間隔寸法は0.4μmである。このとき、全領域におけるサンプリング数も、100となる。つまり、有効な100個のデータを取得するために、100回のサンプリングを行えばよい。従って、従来の表面形状測定方法では2250回のサンプリングを行う必要があったものに対して、第1実施形態に係る表面形状測定装置1では、22.5倍の速度で測定が可能となる。以上のことから、表面形状測定装置1を用いることで、従来の表面形状測定方法に比べて高速化を図ることが可能である。
また、例えば、表面形状測定装置1でサンプリング間隔寸法を0.02μmとし、2250回のサンプリングを行った場合は、取得するデータの数が2250となる。取得したデータ全てにおいて干渉強度信号を検出することが可能であるため、2250種類の光路長差と干渉強度信号との関係をサンプリングすることができる。従って、表面形状測定装置1にて、従来の表面形状測定方法と同じサンプリング間隔寸法で測定を行った場合には、従来の22.5倍のデータ数で被測定面3の表面の測定ができる。つまり、表面形状測定装置1を用いて、従来の方法と同じサンプリング間隔寸法で測定を行えば、測定精度を向上させることも可能である。
次に、表面形状測定装置1が行う処理のフローチャートを、図1A、図1B、及び図9を用いて説明する。
ステップS1では、CPU16により、サンプリング間隔寸法と、基準面6aの位置と、測定基準の位置と、光学系ユニット4の初期位置等の初期条件が設定される。なお、ステップS1では、これらの初期条件が、操作者による入力装置18の操作によって設定されてもよいし、又は、記憶メモリ17に予め設定されていてもよい。
次いで、ステップS2では、設定されたサンプリング間隔寸法で干渉強度信号をカメラ14で検出する。このとき、CPU16の動作制御部16aは、光学系ユニット4を図1Aで示したZ軸方向に移動を開始させるための変動開始の指示を駆動装置15に与える。駆動装置15は、CPU16の動作制御部16aからの指示に従って光学系ユニット4をテーブル6に対してZ軸方向に移動させる。これにより、測定光8Bと参照光8Cとの光路長差が変動する。さらにこのとき、CPU16の動作制御部16aは、光学系ユニット4がステップS1で設定されたサンプリング間隔寸法を移動する度に、カメラ14で干渉光の干渉強度信号を検出して、記憶メモリ17に順次記憶する。また、記憶メモリ17は、駆動装置15のサーボモータに取り付けられた図示しないエンコーダからの値に基づいて、干渉強度信号と、この干渉強度信号を検出したZ軸方向の基準面6aからの位置とを対応させて記憶する。なお、Z軸方向と直交するX軸方向とY軸方向の位置も、駆動装置15のサーボモータに取り付けられた図示しないエンコーダからの値に基づいて、記憶メモリ17に記憶される。
次いで、ステップS3では、CPU16の演算部16bが、カメラ14で検出した干渉強度信号についてフーリエ変換を行い、波長毎の干渉強度信号を算出する。
次いで、ステップS4では、CPU16の演算部16bで算出した波長毎の干渉強度信号に基づいて、被測定面3のZ軸方向の基準面6aからの位置を測定する。具体的には、CPU16の演算部16bで式(13)と式(18)を用いて、被測定面3の基準面6aからのZ軸方向の位置を算出する。
次いで、ステップS5では、CPU16の演算部16bで算出した被測定面3の基準面6aからのZ軸方向の位置、すなわち、被測定面3の高さをモニタ19に表示する。
以上のように、表面形状測定装置1を用いることで、被測定面3と光学系ユニット4との位置関係が測定基準(測定光8Bと参照光8Cとの光路長差が0の位置)から離れた位置関係であっても、干渉強度信号を検出することが可能である。つまり、表面形状測定装置1によって、測定光8Bと参照光8Cとの光路長差が大きい場合であっても干渉強度信号を検出することができるため、表面形状を高速に測定することが可能である。
なお、駆動装置15としては、サーボモータに限られるものではなく、圧電素子又はステッピングモータを用いてもよい。
なお、白色光源8の波長帯域を広くすると、図8に示したグラフの横軸k/λの範囲を広く取ることができるため、測定精度を向上させることができる。しかし、一般的に、白色光源8の波長帯域を広くすると、干渉強度信号を検出できる範囲が狭くなる。その一方で、表面形状測定装置1では、白色光源8の波長帯域を広くしても、干渉強度信号を検出できる範囲が十分に広いため、測定速度の低下を抑えつつ、測定精度の向上を図ることが可能である。
なお、第1回折格子20と第2回折格子21との間隔Lを広くすることで、干渉強度信号を検出可能な、測定光と参照光との光路長差の領域を広げることが可能である。これは、波長毎に付与される光路長が大きくなるからである。これを利用して、例えば、被測定面3のZ軸方向に形成された凹凸形状よりも広い範囲で干渉強度信号が検出可能なように第1回折格子20と第2回折格子21とを調節すればよい。これにより、形成された凹凸の範囲よりも狭い範囲を走査するだけで表面形状の測定ができ、測定時間の短縮が可能である。
なお、図1Aでは、ハーフミラー10での反射角を90°として図示しているが、光学系ユニット4を構成する各部品が互いに接触しない範囲で角度を変えても良い。
なお、第1回折格子20及び第2回折格子21の断面形状はのこぎり型(ブレーズド)型とすることで、必要な方向のみの回折光(第1実施形態においては1次回折光)が得られ、光量のロスと、不要回折光(1次回折光以外)による迷光が最も少なくなる。なお、これらの回折格子の断面形状は、正弦型、あるいは、矩形型を用いることも可能だが、不要な回折光が生じるため、正弦型、あるいは、矩形型を用いた場合はカメラ14に入らないように除去する手段を別途設けることが必要となる。
なお、第1回折格子20の格子(溝)方向と第2回折格子21の格子(溝)方向とは、図1Aに示したX軸方向と平行であるとして説明したが、これらの格子(溝)方向が平行になるように第1回折格子20と第2回折格子21とが配置されていればよい。例えば、第1回折格子20の格子(溝)方向と第2回折格子21の格子(溝)方向とが共にZ軸方向に平行となるように、第1回折格子20と第2回折格子21とが配置されてもよい。この場合、参照光8Cの回折方向は図1Aに示したX軸方向となる。
なお、干渉強度信号を得るために、光学系ユニット4をZ軸方向に走査したが、駆動装置15によって参照ユニット7をY軸方向に移動して、測定光8Bと参照光8Cとの光路長差を変化させても良い。
ここで、参照ユニット7の変形例を説明する。変形例は、第1回折格子20と第2回折格子21とを、一体として、1つの部材である回折格子200で構成したものである。具体的には、図1Dに示すように、回折格子200として、透明な平面基板である基板203の互いに平行な2つの面に、第1格子面201と、第2格子面202とが形成される。この第1格子面201が、第1回折格子20の第1格子面20aに相当する。また、第2格子面202が、第2回折格子21の第2格子面21aに相当する。すなわち、第1格子面201と第2格子面202とが満たすべき条件は、上述した、第1回折格子20と第2回折格子21とが満たすべき条件と同じである。なお、図1Dでは、第1格子面201と、第2格子面202とがブレーズド回折格子であることを明確に図示ししている。また、第1格子面201は透過型の回折格子として機能し、第2格子面202は反射型の回折格子として機能する。
この変形例により、2枚の基板にそれぞれ回折格子の格子面を形成して第1回折格子20と第2回折格子21とを構成するのと機能的に同様に、測定を行うことができる。
1つの基板203の両面に第1格子面201と、第2格子面202とを形成することで、格子面間の距離、及び、格子面に平行な方向への変動を最小限に抑えることができる。格子面間の距離の変動は、各波長における光路長の変化になり、高さを測定する際の誤差になる。また、格子面に平行な方向の変動は、干渉信号強度の変動につながる。具体的には、被測定面3の高さの計算において、各波長へのスペクトル分解を行う中での測定誤差となる。従って、1つの基板203の両面に格子面を形成することで、これらの変動要因を最小限にすることができ、測定精度の低下を防ぐことができる。
一方、回折格子(格子面)を2つの別々の基板に形成すると、格子面間の距離を簡単に広げられる。格子面間の距離が狭すぎると、±1次回折光を分離できず、±1次回折光が交じり合ってしまう場合がある。この場合、光路長差が波長の1/2に近くなると参照光8Cの強度が極端に小さくなって、干渉強度信号がほとんど検出されなくなり、測定できなくなることがある。つまり、回折格子(格子面)を2つの別々の基板に形成すると、±1次回折光を分離するのに十分な距離を、容易に調節することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態に係る表面形状測定装置の構成自体は、第1実施形態に係る表面形状測定装置1と大略同じであるため、構成自体の説明を省略する。図1Eに示すように、CPU16は、動作制御部16aと演算部16cとを有している。このCPU16の演算部16cによって、干渉強度信号から被測定面3のZ軸方向の位置を検出する演算処理のみが、第1実施形態とは異なる。この演算処理について、以下に説明する。
式(18)の、非線形部分k×s/λは、CPU16の演算部16cによって、カメラ14で撮像したデータを用いることで除去することができる。カメラ14が備える各撮像素子で検出した干渉強度信号から得られる信号の位相をφとし、カメラ14が備える撮像素子全体で検出した干渉強度信号から得られる位相の平均値をφavr.とし、各撮像素子に対応する被測定面3の測定基準(測定光と参照光との光路長差が0になる位置)からの距離をdとし、データ数をmとする。この場合、光路長sは撮像素子に依存しないため、式(18)は、次の式(19)で表すことができる。
Figure 0005172040
........(19)
式(19)中のΣは総和を示す。CPU16の演算部16cでの演算において、式(19)よりk×s/λを消去すると、次の式(20)で表すことができる。
Figure 0005172040
........(20)
式(20)の、Σd/m、φavr.は定数なので、式(20)に基づいて作成したグラフは直線となる。この直線の傾きより、CPU16の演算部16cで、被測定面3の測定基準からの距離dを求めることができる。
このような処理をCPU16の演算部16cで行うことで、参照ユニット7で付与した各波長における光路長の影響によって図8に示したような曲線となったグラフを、計算によって直線化することが可能である。これにより、被測定面3の測定基準からの距離dを算出する計算を簡単化し、計算時間を短縮することができる。
なお、CPU16の演算部16cにおいて、非線形部分k×s/λを除去するために、撮像素子全体で検出した干渉強度信号から得られる位相の平均値を用いたが、特定の撮像素子あるいは、カメラ14の撮像素子全体から間引いた複数個の撮像素子を用いて計算量を削減してもよい。
(第3実施形態)
第3実施形態に係る表面形状測定装置は、第1実施形態に係る表面形状測定装置1について、参照ユニット7を、構成が異なる参照ユニット22に置換したものである。以下に、異なる構成についてのみ説明する。また、第1回折格子とは、参照ユニットに入射した参照光が、最初に入射する回折格子を示す。また、第2回折格子とは、第1回折格子の後に参照光が入射する回折格子を示すものとして説明する。
図10に第3実施形態に係る参照ユニット22を示す。参照ユニット22は、第1実施形態に係る参照ユニット7が備える透過型の第1回折格子20を、反射型の第1回折格子23に置換したものである。さらに、参照ユニット22は、第1実施形態に係る参照ユニット7が備える反射型の第2回折格子21を、反射型の第2回折格子24に置換したものである。また、第2回折格子24の第2ピッチpは第1回折格子23の第1ピッチpの半分の格子ピッチである。
また、第1回折格子23と第2回折格子24との関係は、第1実施形態に係る第1回折格子20と、第2回折格子21との関係と同じである。このように、共に反射型の回折格子を備えることにより、透過型の回折格子を用いた場合に生じる、参照光8Cの透過による減衰を低減することが可能である。このため、より明確な干渉光を検出することが可能となり、測定の精度を向上させることが可能である。
但し、透過型の回折格子を用いる場合よりも、回折格子の間隔Lを広く取る必要があるため、装置の小型化を主目的においた場合は、第1実施形態に係る参照ユニット7を用いることが好ましい。なお、参照光8Cの光量を上げる必要がある場合は、第3実施形態に係る参照ユニット22を用いることが好ましい。なお、第3実施形態に係る参照ユニット22を第2実施形態に係る表面形状測定装置に用いても良い。
(第4実施形態)
第4実施形態に係る表面形状測定装置は、第1実施形態に係る表面形状測定装置1について、参照ユニット7を、構成が異なる参照ユニット25に置換したものである。以下に、第1実施形態と異なる構成についてのみ説明する。
図11Aに第4実施形態に係る参照ユニット25を示す。参照ユニット25は、第1実施形態に係る参照ユニット7が備える透過型の第1回折格子20と反射型の第2回折格子21とを、透過型の第1回折格子26と透過型の第2回折格子27とに置換したものである。更に、参照ユニット25は、第2回折格子27を透過した参照光8Cを、その参照光8Cの光路を逆進させるように反射する参照鏡28を備えたものである。また、第1回折格子26は、第1方向に平行な直線状の格子(溝)が形成された平面である第1格子面26aを有する。また、第2回折格子27は、第2方向に平常な直線状の格子(溝)が形成された平面である第2格子面27aを有している。また、参照鏡28は、平面上の鏡面が形成された反射面28aを備えている。
参照ユニット25に入射した参照光8Cは、まず、第1回折格子26にて回折及び透過する。第1回折格子26を透過した参照光8Cは、次に、第2回折格子27に入射する。第2回折格子27に入射した参照光8Cは、第2回折格子27にて回折及び透過する。第2回折格子27を透過した参照光8Cは、次に、参照鏡28に入射し、反射する。参照鏡28から反射した参照光8Cは、再度、第2回折格子27に入射する。第2回折格子27に再度入射した参照光8Cは、第2回折格子27にて回折及び透過する。再度、第2回折格子27を透過した参照光8Cは、更に、第1回折格子26に対して2度目の入射を行う。第1回折格子26に2度目の入射を行った参照光8Cは、第1回折格子26にて回折及び透過する。第1回折格子26を2度透過した参照光8Cは、参照ユニット25から出射する。
このような参照ユニット25に入射した参照光8Cは、第1実施形態に係る参照ユニット7と同様、波長毎に異なる光路長差を付与される。ここで、参照光8Cに対して波長毎に異なる光路長差を付与するための第1回折格子26と第2回折格子27と参照鏡28との関係について説明する。なお、以下の説明では、第1回折格子26の第1ピッチをp、第1回折格子26に入射する参照光8Cの角度をθ、第1回折格子26での回折角をηとし、第2回折格子27の第2ピッチをp、第2回折格子27に入射する参照光8Cの角度をθ、第2回折格子27での回折角をηとし、回折次数をnとする。
参照鏡28は、第2回折格子27を透過した参照光8Cを、参照光8Cの光路上で逆進させるために、第2回折格子27と対向して配置されている(第2格子面27aと反射面28aとは平行に配置されている)。この場合、参照光8Cは、異なる波長であっても同一の方向から参照鏡28に入射しなければ、参照光8Cの光路を逆進せず、再度、第2回折格子27に入射しない。このため、参照鏡28に入射する参照光8Cは、同一の方向に第2回折格子27で回折しなければならない。つまり、参照鏡28に入射する際の参照光8Cの回折角は0(rad)である必要がある。なお、回折角が0(rad)でない場合は、波長毎に回折角の値が異なるため、第2回折格子27を透過した参照光8Cは、同一の方向から参照鏡28に入射しない。これらから、式(3)の回折角ηに0(rad)を代入して、次の式(21)が得られる。
Figure 0005172040
........(21)
また、第1回折格子26と第2回折格子27とは、第1実施形態に係る第1回折格子20と第2回折格子21との関係と同様、第1回折格子26と第2回折格子27との格子(溝)方向(第1方向と第2方向)は互いに平行であり、第1格子面26aと第2格子面27aとが平行になるように配置する必要がある。従って、式(6)の関係が成り立つ。更に、第1実施形態で述べたように、第1格子面26aに対して垂直に入射する必要がある。従って、入射角θは0(rad)となる。これらのことから、式(21)は次の式(22)で表すことができる。
Figure 0005172040
........(22)
式(22)からpとpは等しくする必要があることがわかる。以上をまとめると、第1回折格子26と第2回折格子27と参照鏡28とが充足すべき構成条件は次の4つとなる。
第1に、第1回折格子26と第2回折格子27との格子(溝)方向(第1方向と第2方向)は互いに平行となるように、第1回折格子20と第2回折格子21とを配置する。
第2に、参照光8Cが第1格子面26aに垂直に入射するように、第1回折格子26を配置する。
第3に、第1格子面26aと第2格子面27aと反射面28aとが平行になるように、第1回折格子26と第2回折格子27と参照鏡28を配置する。
第4に、第1ピッチpと、第2ピッチpとが等しい。
これらの4つの構成条件を満たす第1回折格子26、第2回折格子27、参照鏡28を備える参照ユニット25を用いることで、参照ユニット25に入射する参照光8Cに対して、波長毎に異なる光路長を付与して、波長毎に位相をずらすことができる。従って、被測定面3と光学系ユニット4との位置関係が測定基準(測定光8Bと参照光8Cとの光路長差が0の位置)から離れた位置関係であっても、干渉強度信号を検出することが可能である。つまり、第4実施形態に係る表面形状測定装置1によって、測定光8Bと参照光8Cとの光路長差が大きい場合であっても干渉強度信号を検出することができるため、表面形状を高速に測定することが可能である。
なお、第1格子面26aと第2格子面27aとの大きさの関係は、第1実施形態に係る第1格子面20aと第2格子面21aとの大きさの関係と同じである。
また、第1格子面26aが第2回折格子27と対向するように第1回折格子26を配置する。これは、参照光8Cが第1回折格子26を出射する際に、参照光8Cを回折させるためである。この場合、参照光8Cは第1格子面26aの表面に対して垂直に入射するため、第1回折格子26の波長分散の影響を受けない。また、第2格子面27aが第1回折格子26と対向するように第2回折格子27を配置する。これは、第2回折格子27に入射する際に、参照光8Cを回折させるためである。この場合、第2格子面27aで回折した参照光8Cの回折角は0(rad)であるから、第2回折格子27を透過する際に、波長分散の影響を受けない。つまり、第1格子面26aと第2格子面27aとを対向するように、第1回折格子26と、第2回折格子27とを配置することで、これらを透過する際の波長分散の影響を低減することが可能である。
また、第1回折格子26と第2回折格子27とには、同じ回折格子を用いることが可能である。部品の種類を減らすことができるため、設備の製造コストの低減を図ることが可能である。さらに、被測定物2を変更した場合に装置の設定を容易に変更することが可能である。第1回折格子26と第2回折格子27とに同じ変更を行えばよいからである。なお、第4実施形態に係る参照ユニット25を第2実施形態に係る表面形状測定装置に用いても良い。
ここで、参照ユニット25の変形例を説明する。変形例は、第1回折格子26と第2回折格子27とを、一体として、1つの部材である回折格子204で構成したものである。具体的には、図11Bに示すように、回折格子204として、透明な平面基板である基板205の互いに平行な2つの面に、第1格子面206と、第2格子面207とが形成される。第1格子面206が、第1回折格子26の第1格子面26aに相当する。また、第2格子面207が、第2回折格子27の第2格子面27aに相当する。そして、参照鏡28は変形例でも同じである。すなわち、第1格子面206と第2格子面207と参照鏡28とが満たすべき条件は、上述した、第1回折格子26と第2回折格子27と参照鏡28とが満たすべき条件と同じである。なお、図11Bでは、第1格子面206と、第2格子面207とがブレーズド回折格子であることを明確に図示している。また、第1格子面206と、第2格子面207とは、共に、透過型の回折格子として機能する。
この変形例により、2枚の基板にそれぞれ回折格子の格子面を形成して第1回折格子26と第2回折格子27とを構成するのと機能的に同様に、測定を行うことができる。
1つの基板205の両面に第1格子面206と、第2格子面207とを形成することで、格子面間の距離、及び、格子面に平行な方向への変動を最小限に抑えることができる。格子面間の距離の変動は、各波長における光路長の変化になり、高さを測定する際の誤差になる。また、格子面に平行な方向の変動は、干渉信号強度の変動につながる。具体的には、被測定面3の高さの計算において、各波長へのスペクトル分解を行う中での測定誤差となる。従って、1つの基板205の両面に格子面を形成することで、これらの変動要因を最小限にすることができ、測定精度の低下を防ぐことができる。
一方、回折格子(格子面)を2つの別々の基板に形成すると、格子面間の距離を簡単に広げられる。格子面間の距離が狭いと、±1次回折光を分離できず、±1次回折光が交じり合ってしまう場合がある。この場合、光路長差が波長の1/2に近くなると参照光8Cの強度が極端に小さくなって、干渉強度信号がほとんど検出されなくなり、計測できなくなることがある。つまり、回折格子(格子面)を2つの別々の基板に形成すると、±1次回折光を分離するのに十分な距離を、容易に調節することができる。
また、更なる変形例として、第1回折格子26と第2回折格子27と参照鏡28とを、一体として、1つの部材で構成してもよい。具体的には、図11Cに示すように、1つの部材208として、透明な平面基板である第1基板209の互いに平行な2つの面に、第1格子面210と、第2格子面211とが形成される。さらに、透明な平面基板である第2基板212が、第2格子面211を共有して配置される。この場合、第2基板212の第2格子面211と平行な面に参照鏡213が配置される。図11Cでは、第1格子面210が、第1回折格子26の第1格子面26aに相当する。また、第2格子面211が、第2回折格子27の第2格子面27aに相当する。そして、参照鏡213が参照鏡28に相当する。
なお、第2回折格子27と参照鏡28とを、一体として、1つの部材で構成し、第1回折格子26を別部材としてもよい。
(第5実施形態)
第5実施形態に係る表面形状測定装置は、第4実施形態に係る参照ユニット25を、構成が異なる参照ユニット29に置換したものである。以下に、第4実施形態と異なる構成についてのみ説明する。
図12に第5実施形態に係る参照ユニット29を示す。参照ユニット29は、第4実施形態に係る参照ユニット25が備える透過型の第1回折格子26と透過型の第2回折格子27とを、反射型の第1回折格子30と、反射型の第2回折格子31とにそれぞれ置換したものである。また、第2回折格子31の第2ピッチpは第1回折格子30の第1ピッチpと等しい。
また、第1回折格子30と第2回折格子31との関係は、第4実施形態に係る第1回折格子26と、第2回折格子27との関係と同じである。このように、共に反射型の回折格子を備えることにより、透過型の回折格子を用いた場合に生じる、参照光8Cの減衰を低減することが可能である。このため、より明確な干渉光を検出することが可能となり、測定の精度を向上させることが可能である。
但し、透過型の回折格子を用いる場合よりも、回折格子の間隔を広く取る必要があるため、装置の小型化を主目的においた場合は、第4実施形態に係る参照ユニット25を用いることが好ましい。なお、参照光8Cの光量を上げる必要がある場合は、第5実施形態に係る参照ユニット29を用いることが好ましい。
また、第1回折格子30と第2回折格子31とには、同じ回折格子を用いることが可能である。部品の種類を減らすことができるため、設備の製造コストの低減を図ることが可能である。さらに、被測定物2を変更した場合に装置の設定を容易に変更することが可能である。なお、第5実施形態に係る参照ユニット29を第2実施形態に係る表面形状測定装置に用いても良い。
<変形例1>
第5実施形態の変形例1として、図13に参照ユニット32を示す。第5実施形態に係る参照ユニット29が備える反射型の第2回折格子31を、透過型の第2回折格子33へと置換したものが変形例1に係る参照ユニット32である。なお、第2回折格子33の第2ピッチpは第1回折格子30の第1ピッチpと等しい。また、第1回折格子30と第2回折格子33との関係は、第4実施形態に係る第1回折格子26と、第2回折格子27との関係と同じである。
このような参照ユニット32を用いることで、参照ユニット32に入射する参照光8Cに対して、波長毎に異なる光路長を付与して、波長毎に位相をずらすことができる。従って、被測定面3と光学系ユニット4との位置関係が測定基準(測定光8Bと参照光8Cとの光路長差が0の位置)から離れた位置関係であっても、干渉強度信号を検出することが可能である。つまり、変形例1に係る表面形状測定装置によって、測定光8Bと参照光8Cとの光路長差が大きい場合であっても干渉強度信号を検出することができるため、表面形状を高速に測定することが可能である。
<変形例2>
第5実施形態の変形例2として、図14に参照ユニット34を示す。第5実施形態に係る参照ユニット29が備える反射型の第1回折格子30を、透過型の第1回折格子35へと置換したものが変形例2に係る参照ユニット34である。なお、第2回折格子31の第2ピッチpは第1回折格子35の第1ピッチpと等しい。また、第1回折格子35と第2回折格子31との関係は、第4実施形態に係る第1回折格子26と、第2回折格子27との関係と同じである。
このような参照ユニット34を用いることで、参照ユニット34に入射する参照光8Cに対して、波長毎に異なる光路長を付与して、波長毎に位相をずらすことができる。従って、被測定面3と光学系ユニット4との位置関係が測定基準(測定光8Bと参照光8Cとの光路長差が0の位置)から離れた位置関係であっても、干渉強度信号を検出することが可能である。つまり、変形例2に係る表面形状測定装置によって、測定光8Bと参照光8Cとの光路長差が大きい場合であっても干渉強度信号を検出することができるため、表面形状を高速に測定することが可能である。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施できる。例えば、各回折格子の格子面の断面形状としては、図17Cのようにブレーズド回折格子43、すなわち、鋸歯の各表面で反射が起こる分光素子に限られない。他の例として、図17Aのように基板に溝40を彫ったタイプの格子面44、又は、図17Bのように屈折率の違う部分41、42を組み合わせたタイプの格子面45なども回折格子として使用することができる。
なお、前記の様々な実施形態又は変形例のうちの任意の実施形態又は変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
本発明は、添付図面を参照しながら実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形又は修正は明白である。そのような変形又は修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
本発明の表面形状測定方法及び表面形状測定装置は、被測定面の表面形状を高速に測定することができる。このため、本発明の表面形状測定方法及び表面形状測定装置は、半導体ウエハ又は液晶表示器用ガラス基板などの精密加工品の表面形状の測定の用途、例えば、凹凸形状を、白色光の干渉を用いて高速に測定するのに好適である。

Claims (15)

  1. 異なる波長を含む白色光8Aを参照光8Cと測定光8Bとに分割し、
    前記参照光を第1回折格子20に入射させた後、第1光路を通って第2回折格子21に入射させ、更にその後に、前記第2回折格子21から前記第1光路を通って前記第1回折格子20に入射させた前記参照光と、被測定面3に入射させて該被測定面で反射させた前記測定光とを合成して干渉光8Dとし、
    前記干渉光における干渉強度を検出し、
    前記干渉強度に基づいて前記被測定面の表面形状を測定する表面形状測定方法。
  2. 前記参照光を、前記第1光路を通って前記第2回折格子21に入射させた後に、更に、鏡で反射させ、更にその後に、前記第2回折格子から前記第1光路を通って前記第1回折格子に入射させる、請求項1に記載の表面形状測定方法。
  3. 前記参照光は、前記第1回折格子により波長毎に光路長が変えられて前記第1回折格子から前記第2回折格子に入射する、請求項1に記載の表面形状測定方法。
  4. 異なる波長を含む白色光を照射する光源8と、
    前記白色光を参照光と測定光とに分割する分割部10と、
    前記測定光が照射される被測定物2が載置されるテーブル6と、
    第1ピッチで第1方向の格子が形成されると共に前記参照光が垂直に入射する第1回折格子と、
    前記第1ピッチの半分のピッチで前記第1方向の格子が形成され、かつ、前記第1回折格子と平行に配置されると共に、前記第1回折格子を出射した前記参照光が入射する第2回折格子と、
    前記第2回折格子を出射した後に前記第1回折格子を出射した前記参照光と前記被測定物で反射した前記測定光とを合成して干渉光とする合成部10と、
    前記干渉光における干渉強度を検出する検出部4と、
    前記干渉強度に基づいて前記被測定物の表面形状を測定する測定部16と、を備える表面形状測定装置。
  5. 前記分割部と前記合成部とを1つの部材で兼用する、請求項4に記載の表面形状測定装置。
  6. 前記第1回折格子は透過型の回折格子であり、前記第2回折格子は反射型の回折格子である請求項4に記載の表面形状測定装置。
  7. 前記第1回折格子と前記第2回折格子とは共に反射型の回折格子である請求項4に記載の表面形状測定装置。
  8. 前記第1回折格子と前記第2回折格子とが一体として1つの部材200で形成されている、請求項4に記載の表面形状測定装置。
  9. 異なる波長を含む白色光を照射する光源8と、
    前記白色光を参照光と測定光とに分割する分割部10と、
    前記測定光が照射される被測定物が載置されるテーブル6と、
    第1ピッチで第1方向の格子が形成されると共に前記参照光が垂直に入射する第1回折格子と、
    前記第1ピッチで前記第1方向の格子が形成され、かつ、前記第1回折格子と平行に配置されると共に、前記第1回折格子から出射した前記参照光が入射する第2回折格子と、
    前記第2回折格子を出射した前記参照光を反射して前記第2回折格子に入射させる鏡と、
    前記鏡で反射した後に前記第2回折格子と前記第1回折格子との順に出射した前記参照光と前記被測定物で反射した前記測定光とを合成して干渉光とする合成部10と、
    前記干渉光における干渉強度を検出する検出部4と、
    前記干渉強度に基づいて前記被測定物の表面形状を測定する測定部16と、を備える表面形状測定装置。
  10. 前記第1回折格子と前記第2回折格子とは共に反射型の回折格子である請求項9に記載の表面形状測定装置。
  11. 前記第1回折格子と前記第2回折格子とは共に透過型の回折格子である請求項9に記載の表面形状測定装置。
  12. 前記第1回折格子は反射型の回折格子であり、前記第2回折格子は透過型の回折格子である請求項9に記載の表面形状測定装置。
  13. 前記第1回折格子は透過型の回折格子であり、前記第2回折格子は反射型の回折格子である請求項9に記載の表面形状測定装置。
  14. 前記第1回折格子と前記第2回折格子とが一体として1つの部材204で形成されている、請求項9に記載の表面形状測定装置。
  15. 前記第1回折格子と前記第2回折格子と前記鏡とが一体として1つの部材208で形成されている、請求項9に記載の表面形状測定装置。
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