JP2000136909A - 高い迷光処理能力を有する光学機構を備えた幾何学的に感度抑圧された干渉計 - Google Patents

高い迷光処理能力を有する光学機構を備えた幾何学的に感度抑圧された干渉計

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JP2000136909A
JP2000136909A JP11243186A JP24318699A JP2000136909A JP 2000136909 A JP2000136909 A JP 2000136909A JP 11243186 A JP11243186 A JP 11243186A JP 24318699 A JP24318699 A JP 24318699A JP 2000136909 A JP2000136909 A JP 2000136909A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高測定精度を維持し、ゴーストイメージを最小
に抑える一方で回折格子から干渉計の画像装置への背面
反射の数が減少した光学機構を備えたGDI干渉計を提
供する。 【解決手段】GDI干渉計20の光学機構62は、測定
物体表面Sが最適測定平面上にある場合に平均位相オフ
セットを最小化、あるいは防止する一方で干渉計20の
画像装置64のヒトミ78から迷光を逸らす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は干渉計に関し、より
詳細には、表面形状測定のための幾何学的感度抑圧干渉
計(GDI)に関する。更に詳細には、本発明は迷光を低
減、抑制するように構成された光学機構を備えたGDI干
渉計に関する。本発明は更に、迷光処理能力が向上した
干渉計の操作方法に関する。
【0002】
【従来の技術】表面形状の光学的測定法は一般的に2つ
の方法、すなわち、干渉計的測定法と幾何学的測定法と
に大別される。幾何学的方法には三角測量及びモアレ縞
分析が含まれる。モアレ縞分析ではロンキーテストなど
のように、周期的構造を投射する。幾何学的技術は表面
粗さ及び変形に対する感度が比較的低く、解像度が低
い。幾何学的技術は解像度が低いことにより、高精度の
表面形状測定が必要とされる多くの用途において不適当
である。
【0003】これに対し、干渉計を用いた測定法は測定
物体の表面形状を高い精度で決定するうえで光の波動性
を利用している。従来の一般的な干渉計は、光線を発生
するための光発生器と、この光線を球状波面に発散させ
る空間フィルタビームダイバータと、この濾過光から発
散球状波面の一部を発散させるビームスプリッタと、こ
の波面を平行にしてコヒーレントな光の平面状波面を生
じるコリメートレンズとを備える。このコヒーレントな
光の波面は測定表面及び参照表面にて反射し、第1及び
第2の反射波面を生じる。第1及び第2の反射波面は重
ね合わされ、強め合う、または弱め合うように干渉して
干渉縞模様を形成する。固体カメラなどの画像化装置は
この再合成された波面を受けて干渉縞模様を得るという
ものである。この干渉縞模様を分析して測定物体の表面
形状に関する情報を得る。
【0004】表面の形状測定のための干渉縞模様の分析
は公知の位相シフト干渉計(PSI)技術によってしばし
ば行われる。PSI法では画像化装置の第1及び第2の画
素によって画像化される特定の表面上の異なる点の間の
高さの差は、まず第1及び第2の画素によって受けられ
る光の位相差を決定し、次にこの位相差を計算に用いる
ことによって得られる。PSI法の最も重要な利点はその
高い精度にある。PSIにおける垂直方向の高さの精度
は、測定に使用される光の波長よりも大幅に小さい
(例、1/100)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、一般的に従来
のPSI法では隣り合う測定点の間の高さの変動、すなわ
ち「表面偏差」が比較的小さい、平滑な平面の形状決定
しか行うことができない。この制約条件は、PSI法の位
相不確定性条件によるものである。具体的には、形状測
定される表面上の隣り合う測定点間の最大の物理的間隔
は光源波長の1/4未満でなくてはならない。別の言い
方をすれば、参照光線及び測定光線の間の最大の位相差
の絶対値はπよりも小さくなければならない。この制約
条件は、「2π不確定性」として知られ、位相から距離
への変換に用いられる関数であるアークタンジェントが
±πの値域において一義的であることによるものであ
る。したがって、位相シフト法により非常に高い精度が
得られるものの、隣り合う測定点間の偏差は最大で光源
波長の1/4に制限される。PSI法の更なる難点とし
て、表面の傾斜が大きい場合、干渉縞の密度が大きくな
りすぎて区別が困難となる点がある。したがって、PSI
法は幾何学的表面形状測定法と比較して非常に高い精度
を有するものの、表面が粗い物体や表面の凹凸が著しい
物体に対して用いるには不向きであると考えられてき
た。したがってPSI法を用いた干渉計は特定の表面形状
測定用途においては適当でないとされてきた。
【0006】PSI法の1/4波長制約条件を伴わない干
渉計技術として、いわゆる走査型白色光干渉計、すなわ
ちSWLI法がある。SWLI法では白色光源、またはより一般
的には、狭帯域のものとは反対に広帯域のものが用いら
れ、測定表面上の各点についてコントラストの高い部分
を走査位置の関数として含む干渉縞が形成される。与え
られた画素に対する高コントラストの走査位置は測定表
面上の対応する点の高さを示す。したがって、これらの
高コントラストの部分の時間的特性を互いに比較するこ
とにより、形状測定される表面上のの2点間の高さの差
を決定することが可能である。PSI法と異なり、SWLI法
では位相差に基づいた高さの差の計算は行われないた
め、PSI法の位相制限条件を伴わない。したがって、形
状測定される表面上の隣り合う測定点間の最大の物理的
偏差はPSI法による場合よりもSWLI法による場合の方が
はるかに大きい。
【0007】しかし、SWLI法はその産業上の用途を制限
する固有の難点を有する。例として、標準的な顕微鏡の
対物レンズと比較して視野が大きくない点がある。適正
に動作するためには、干渉計の画像化装置は対応する干
渉縞の密度に比較して高い解像度を有さなければならな
い。一般的なSWLI干渉計の視野が大きくなる場合、高解
像度の画像装置を用いても干渉縞の区別は困難となり得
る。この問題は特に粗い表面の形状測定の際に顕著であ
る。更に、鏡面における傾斜許容度は視野の大きさに線
形比例して低減し、粗い表面の測定において必要とされ
るスペックル効果は対物レンズの開口数(NA)が視野の
拡大に線形比例して減少する場合にのみ解像可能であ
る。集められる光量は開口数の2乗に比例して減少する
ため、粗い表面からのスペックル模様を解像する必要性
が最大の支障となる。
【0008】光損失により面積の大きい表面ほど強力な
照明を必要とする。更に都合の悪いことに干渉縞のコン
トラストは非常に変化しやすいパラメータであり、測定
精度は参照光及び測定光の強度のバランスに大きく依存
する。
【0009】一般的なSWLI法の別の難点として、データ
取得が非常に遅い点がある。この遅さは走査位置の関数
として急激に変化する干渉効果によるものである。正確
な測定を行うためにはこうした変化が詳細に、すなわ
ち、通常75nmのスキャン動作毎に画素1個当たり1
回の測定を行って記録される必要がある。
【0010】一般的なSWLI法の更に別の難点として、振
動に対する感度が高い点がある。SWLI分析用に構成され
た干渉計は一般的に嵩張る取り付け固定台及びコストの
かかる振動隔離を必要とする。
【0011】近年では、表面偏差の大きい、すなわち粗
い表面や凹凸が著しい表面を有する加工部品の表面形状
測定のための高速かつ高精度の測定法が求められてい
る。こうした需要は実験室においてではなく、製造現場
におけるデータ取得の必要性から生じたものである。例
として、コンピュータのディスクドライブ用のハードデ
ィスクなどの高精度製品は、測定製品が製造過程で生じ
る振動に曝されるような条件下で、高精度、高速にて形
状測定を行わなければならない。従来のPSI法及びSWLI
法のいずれもこの目的には適していない。したがって、
表面粗さや表面凹凸に対する感度が比較的低い、「感度
抑圧」された干渉計であって、表面の形状測定を高精度
かつ高速にて行い、振動に対する感度が比較的低く、し
たがって製造ラインでの使用に適した干渉計が必要とさ
れている。
【0012】この需要は幾何学的感度抑圧干渉計(GD
I)の開発によってかなりの部分満たされた。deGr
ootが論文「Gratinginterferome
terforflatnesstesting」(Op
t.Lett.21(3),228−230(199
6))の中で述べているように、GDI干渉計は従来の干
渉計のビームスプリッタを、コリメーティングレンズと
測定物体との間に配置される光学機構にて置き換えたも
のとして特徴付けられる。この光学機構は通常(必ずと
は限らない)回折格子、ホログラム、またはミラーやレ
ンズなどの従来の光学素子と組み合わせた回折光学素子
を備え、平行にされた光源からの光を2本の光線に分割
する。この2本の光線は異なる2方向に伝播し、形状測
定される表面上の同じ位置に異なる入射角にて入射す
る。光線は形状測定される表面から反射し、光学機構内
を異なる方向に戻り、再び合成される。この反射、再合
成された光線は干渉して強め合うか弱め合って光源波長
よりもオーダーの大きな波長を有する干渉縞模様を形成
する。この結果、GDI干渉計はPSI法を用いた従来の干渉
計と比較して高さの変動及び表面の凹凸に対する感度が
低くなる。したがって、限定された視野、小さいデータ
取得速度、振動に対する高い感度などのSWLI法に伴う多
くの難点が防止される。GDI干渉計の感度は従来の干渉
計とモアレ縞分析との中間であり、斜入射干渉計によっ
て得られる感度に匹敵する。したがってGDI干渉計は製
造現場における用途や従来の干渉計を好適に用いること
ができない他の用途において使用することが可能であ
る。
【0013】ここまでに述べなかったGDI干渉計の特徴
の1つとして、GDI干渉計は完全に有効な迷光処理手段
を備えていない点がある。「迷光」はGDI干渉計の光学
機構から干渉計のCCDカメラや他の画像装置のヒトミに
入射する光線であって、干渉計の性能を低下させる。迷
光は、1)「背面反射」、2)ゴーストイメージの2つ
に分類される。これら2種類の迷光及びそれぞれにまつ
わる問題点について述べる。
【0014】背面反射は、干渉計の光学機構の回折格子
や他の素子において光が多重反射、回折を行うことによ
って生じ、測定物体が存在しない場合にも存在する。光
学機構が2個の回折格子を備える通常の場合、空気−ガ
ラス境界面、回折格子の基板の不良、格子の溝の鋭い縁
などにより背面反射が生じる。例として、図9に示され
るように、迷光は一般的なGDI干渉計の粗い格子G1から
進む光線の、格子基板の背面における光線R1としての
反射、細かい格子G2自体からの光線R2としての反射、
あるいは、細かい格子の基板の背面からの光線R3として
の反射によって生じる。これらの背面反射は適正な反射
光A'及びB'に重なりノイズとなる。このノイズはGDI測
定の精度を大幅に低減させる。これは、特に測定物体の
表面が光をあまり反射せず、したがって、信号−ノイズ
比が大きい比較的弱い干渉測定信号しか発生しない場合
に顕著である。
【0015】干渉計の光学機構の回折格子や他の光学素
子に楔形状や傾きを導入して干渉計のCCDカメラや他の
画像装置のヒトミから背面反射を逸らすことにより背面
反射の影響を改善する試みがなされてきた。しかし従
来、迷光を画像装置のヒトミから逸らすことは干渉計の
セットアップ及び位置決めを複雑化していた。測定精度
をできるだけ高めるためには測定表面を最適測定平面に
近い位置に置かなければならない。最適測定平面は、任
意の一点において異なる角度で反射する光線が再合成さ
れて干渉計の画像装置上の一点に入射するような理想測
定面として定義される。回折格子に楔または傾きを導入
することにより、測定物体表面が最適測定平面に近くな
るよう適切に配置された場合に著明な位相オフセットが
得られる。位相オフセットとは測定物体表面上の任意の
一点にて反射する複数の光線の光路長の差に比例した光
学的位相差のことである。干渉計に拡張光源が用いられ
ている場合、位相オフセットにより干渉縞のコントラス
トが最大となる位置は最適測定平面から大きく変位す
る。このため、干渉縞の最適なコントラストに対応する
空間的位置は必ずしも最適測定平面に一致しない。干渉
計の配置に応じて、位相オフセットが干渉計の視野上で
線形変化するように構成することも可能である。理解を
助けるうえで、全体的な効果を2つの要素に分けて考え
る。すなわち、1)最適測定平面からのZ方向の距離Lと
して測定される、平均位相オフセット、2)測定物体が
最適測定平面上にある場合に干渉計の視野内に見られ
る、傾いた干渉縞の数として表される位相オフセット変
化である。
【0016】上述の位相オフセットのため、従来では、
まず測定物体を動かして干渉縞の最大コントラストの位
置を求め、更に測定物体を更なる所定量だけ動かして最
適測定平面の位置を求めることが必要だった。この物体
の更なる移動は操作者の熟練を要し、干渉計の操作を複
雑なものにしていた。操作を複雑にする更なる原因とし
て、測定物体が最適測定平面内に適切に置かれ、拡張光
源が用いられた場合、一般的に干渉縞のコントラストが
良好でない点がある。
【0017】表面の測定を高コントラスト、高精度にて
行うためにGDI干渉計の性能を向上させる提案がなされ
ている。1998年6月に出願されdeGrootに付
与された、発明の名称が「Geometrically
−DesensitizedInterferomet
erwithAdjustableRangeofMe
asurementDepths」である米国特許出願
第09/003,449号(deGroot出願)で
は、1)干渉計が拡張光源を有し、したがって小さいコ
ヒーレンスエンベロープを有する低コヒーレンス操作モ
ードと、2)干渉計が狭帯域光源を有し、したがって大
きいコヒーレンスエンベロープを有する高コヒーレンス
操作モードとの間で切り換えが可能な可変幾何光源を備
えたGDI干渉計が提案されている。低コヒーレンス操
作モードは最適測定平面の位置の特定を助けるために干
渉計のセットアップにおいて用いられる。この平面が特
定されると、システムは後の全ての測定において干渉縞
のコントラストを向上させるための高コヒーレンスモー
ドに切り換えられる。deGroot出願では、コヒー
レンスモード間の切り換えが可能であることにより干渉
計の適正な操作が容易となっているものの、最適測定平
面において位相オフセットをなくし、これにより測定を
行うために測定物体を位置決めする都度、コヒーレンス
モード間の切り換えを行う必要がなくなる方法について
の教示はない。
【0018】ここで今度はゴーストイメージの原因とな
る迷光について述べる。ゴーストイメージは測定物体か
ら生じシステムを通じて伝播する迷光によって引き起こ
され、所望の像に重なる2重像を生じ、像の品質を低下
させる。こうした物体のゴーストは図10に基づいて理
解される。図10にはGDI干渉計が概略的に示されて
いるが、光学機構の回折格子G1及びG2は、第1の回
折次数Aとしての−1、及び、第2の回折次数Bとして
の+1の回折光しか透過しないように構成されている。
0次回折光Cのような他の次数の回折光の伝播により測
定物体表面のゴーストイメージが、有用な回折次数の回
折光によって形成される実像と同じであるが空間的にず
れた干渉模様として形成される。不適当な回折次数処理
能を有するGDI干渉計では、入射光線は回折格子に入
射し有用な次数の回折光を生じる際に、更なる透過回折
光及び反射回折光を生じる。
【0019】したがって、当該技術分野においては、適
当なGDI干渉計の構成では、望ましくない回折次数の
回折光は低減されることが必要である(上述のdeGr
ootによる論文「Gratinginterfero
meterforflatnesstesting」な
どを参照)。しかし図10に示された0次回折光のよう
な不必要な回折次数の回折光を低減しようとすると格子
溝の断面形状は方形または三角形を用いる必要がある
(ブレーズド回折格子として知られる)。こうした断面
形状は縁が鋭いために弱い、高次の回折光線が得られ
る。ここで云う「高次」とは3次以上の光線のことであ
る。これら高次の回折光は回折効率が低いために強度が
弱いものの、基板のARコーティングされた表面に対し
て非常に大きな入射角で入射するものがある。したがっ
てこれらの光は干渉計の画像装置に向けて非常に高い効
率で反射される。こうした回折次数の回折光の中には全
反射するものもあり、背面反射に寄与する比較的明るい
迷光路を与える。最も好ましくないのは回折格子の基板
が平面かつ互いに平行であり、測定物体表面に対して平
行である場合である。この場合、回折格子機構の内部で
多重反射、回折する光線の多くが画像装置の光軸に対し
て平行となる。この結果、光源の出力が大きい場合、こ
れらの光線の足し合わされた寄与が検出器で検出される
ことになる。すなわちゴーストイメージの低減の一つの
結果は、更なる望ましくない背面反射が生じることであ
る。
【0020】したがって、迷光を生じないか、あるいは
画像装置のヒトミから逸らすようなGDI干渉計の光学
要素を設計する必要がある。したがって本発明の主たる
目的は、高測定精度を維持し、ゴーストイメージを最小
に抑える一方で回折格子機構から干渉計の画像装置への
背面反射の数が減少した光学機構を有するGDI干渉計
を提供することにある。
【0021】本発明の第2の主たる目的は、従来のGD
I干渉計と比較して迷光の抑制において向上した光学機
構を備えるGDI干渉計を提供することにある。本発明
の別の更なる目的は上記の第2の目的を達成するととも
に回折処理性能が向上した干渉計の提供にある。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に基づくGDI干渉計の光学機構は、測定物
体表面が最適測定平面上にある場合に平均位相オフセッ
トを最小化、あるいは防止し、かつ、好ましくは、最適
測定平面内における位相オフセット変化を最小化、ある
いは防止する一方で干渉計の画像装置のヒトミから迷光
を逸らすための手段を備えることをその要旨とする。光
学機構が2個の回折格子を備える通常の場合では、回折
格子及び測定物体はY軸またはX軸の周りに傾けられ、
楔方向、楔角はそれぞれの回折格子に対して独立に設定
される。楔角、傾き、及び基板の厚さは両方の回折格子
で等しい必要は必ずしもない。設計上の制約や他の要因
により楔や傾きのみでは位相オフセットの最小化が難し
い場合、第1及び第2の回折格子の間、または第2の回
折格子と測定物体との間に透過型補償板を置くことによ
り位相オフセットを更に低減、あるいは無くすことが可
能である。
【0023】本発明の別の特徴に基づけば、上記の目的
は回折格子機構の一方または両方の回折面に滑らかな断
面形状を有する溝を形成することにより達成される。尖
った縁部を欠いた滑らかな断面形状により背面反射は低
減させつつゴーストイメージを抑制することが容易とな
り、楔や傾きの設定をそれほど厳密に行うことなく残留
する背面反射光線を画像装置のヒトミから逸らすことが
容易となる。
【0024】本発明の他の目的、特徴及び利点は以下の
詳細な説明及び付属の図面を参照することにより当業者
にとって明らかとなろう。しかし詳細な説明及び具体例
は、本発明の好ましい実施形態を説明するものの、あく
まで説明を目的とし発明を限定するものではない。本発
明の精神から逸脱することなく多くの変更及び改良を本
発明の範囲内で行うことが可能であるがこうした改良は
すべて本発明に含まれるものである。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明を、図1〜図10に基づき
以下に詳細に説明する。 1.解決策の概要 本発明はGDI干渉計において干渉計の画像装置のヒト
ミから迷光を逸らし、迷光を低減するためのGDI干渉
計の光学機構の構成に関するものである。迷光の逸れ
は、最適測定平面における位相オフセットを防止または
少なくとも最小化しつつ迷光を逸らすことを実現するよ
うな特定の楔または傾きを選択することにより最適化さ
れる。上述したように、位相オフセットとは測定物体上
の一点にて反射する光線の光路長の差に比例した光学的
な位相差のことであり、平均位相オフセットまたは位相
オフセット変化を含む。やはり上述したように、位相オ
フセットにより、拡張光源が用いられている場合に干渉
縞の最大コントラストの位置が最適測定平面から大幅に
変位する。迷光の低減は、干渉計の回折機構の溝断面に
おいて滑らかな縁を用いることで実現することが可能で
ある。このような断面形状により背面反射が低減し、回
折次数の調整を効果的に行うことが可能である。本発明
は光学機構が第1及び第2の回折格子を備えるようなG
DI干渉計において特に好適に使用される。この場合、
楔または傾きを導入した後に残る平均位相オフセットは
第1及び第2の回折格子の間、または第2の回折格子と
測定物体との間に適当な補償板を挿入することで全てな
くすことが可能である。これらの特徴を備えたGDI干
渉計の好ましい一実施形態を具体例と共に以下に述べ
る。 2.GDI干渉計の構成 図1を参照する。本発明の第1の好ましい実施形態に基
づいて構成されたGDI干渉計20はメインフレーム2
2、測定物体支持スタンド24、及びコンピュータ26
を備える。コンピュータ26は少なくともメインフレー
ム22に接続されるが、測定物体支持スタンド24が走
査ステージ54(後に詳述する)を備えるような図の実
施形態においては走査ステージにも接続され、測定物体
Oがメインフレーム22に接近したり離間する際の変位
を制御する。
【0026】コンピュータ26は、メインフレーム22
または走査ステージ24の動作を制御することが可能
な、プログラム可能な汎用コンピュータであれば何であ
ってもよい。コンピュータ26はプロセッサ、RAM、
ROMなどを収容するケーシング28とデータ入力用の
キーボード30とモニタ32とを備える。コンピュータ
26は、メインフレーム22内に配置され、コンピュー
タ26のデータ処理機能を全て行う内蔵電子プロセッサ
に置き換えることが可能である。この場合、ディスプレ
イ機能はメインフレーム22に直接接続されるスタンド
アローンのモニタによって行われる。
【0027】測定物体支持スタンド24は、形状測定さ
れる表面Sがメインフレーム22からの光を受け、メイ
ンフレーム22に反射するような位置に測定物体Oを支
持することが可能な任意の構成を用いることが可能であ
る。支持スタンド24は、図に示されるようにメインフ
レーム22から分離するか、あるいはメインフレーム2
2に作動連結または物理的に連結させてアッセンブリを
構成してもよい。図に示された実施形態においては、支
持スタンド24は、固定台50、支持床52、及び支持
床52と固定台50とを連結する走査ステージ54を備
える。走査ステージ54は、焦点を合わせる目的や深度
走査を行う目的で支持床52及び測定物体Oを表面Sに
ほぼ垂直な方向に移動させるように配置される。深度走
査に関してはP.deGrootに付与された米国特許
第5,598,265号に詳しく述べられており、ここ
にその内容を援用するものである。
【0028】GDI干渉計の動作要素としては、光を発
生する光発生器60、画像装置64、コリメーティング
レンズ66が含まれる。コリメーティングレンズ66
は、光発生器60と光学機構62との間に配置され、光
源60から光学機構62に進入する光を平行にする。同
様なレンズ68が光学機構62と画像装置64との間に
配置される。
【0029】光発生器60としては、任意の拡張光源及
びこれに伴ってGDI干渉計において一般的に用いられ
る構成を使用することが可能である。例として、光発生
器60として線形配列LEDなどの直線状の光発生器を
用いることが可能である。レーザダイオードは他のレー
ザ発生器と比較して経済的であるのにも関わらず粗い表
面を明るく照射することが可能であり、光源としてレー
ザダイオードを使用した光発生器が現在好んで用いられ
ている。
【0030】同様に画像装置64としては回折格子機構
62からの光線または波面を受け、干渉模様を生じるこ
とが可能な任意の装置またはシステムを用いることが可
能である。本発明においては人間の眼も一種の画像装置
と考えることが可能である。図に示された実施形態にお
いては画像装置64は小型のレンズ80と固体電荷結合
素子(CCD)76とを備え、入射孔78としてヒトミ
を有する。
【0031】光学機構62の目的は光発生器60の等価
波長を増幅し、従来の干渉計に伴う2π不確定性に対し
て干渉計を感度抑圧して粗い表面の形状測定を行う性能
を向上させることにある。光学機構62では、ホログラ
ム、レンズ系、または光源60からの光線を、測定物体
Oの形状測定される表面S上の一点Pに異なる入射角で
入射する2本の光線A及びBに分割する任意の構成を用
いることが可能である。好ましい光学機構62は、1以
上の回折格子を有する回折格子機構を含む。したがっ
て、便宜上、光学機構62を回折格子機構と呼ぶことと
する。
【0032】図に示された回折格子機構62は第1及び
第2の互いに平行な線形回折格子70及び72を含む。
回折格子70及び72は、図1におけるXY平面にほぼ
平行に配置され、Z軸方向、すなわち図1における水平
方向に間隔をおいて配置される。細かい格子である第2
の回折格子72は通常(必ずというわけではない)、粗
い格子である第1の回折格子70の2倍の格子密度を有
する。図に示された実施形態においては、第1の回折格
子70は1mm当たり刻線250本の格子密度を、第2
の回折格子72は1mm当たり刻線500本の格子密度
を有する。第2の回折格子72により、第1及び第2の
回折格子70、72の間の距離Hを適当な値に設定し
て、回折格子機構62の出射側と測定物体Oの形状測定
される表面Sを含む最適測定平面との間の距離H'を0
から任意の選択された値にまで大きくすることが可能で
ある。deGrootに付与された米国特許第5,59
8,265号に詳述されるように、深度走査を行うため
にこの距離をコンピュータ制御により変化させることが
可能である。
【0033】図2(A)、(B)、及び図3には、光学
機構62として、あるいはその代りに使用することが可
能な異なる光学機構が示されている。これらの実施形態
のそれぞれにおいて各回折格子は、BK7ガラスから形
成された基板を含み、前面である回折面と非反射性(A
R)材料にてコーティングされた後面とを有する。各実
施形態において、少なくとも第1の回折格子70の回折
面の溝の断面形状を調整して所望の迷光低減効果を得る
ことが可能である。
【0034】例として、図2(A)に示される実施形態
では、第1の回折格子70の回折面はブレーズされた2
つの領域R1及びR2からなり、該領域R1とR2とは
回折格子70の中心線に対して線対称となっている。領
域R1の三角形状の断面形状は光が0及び+1次に主に
回折されるように最適化される。−1次光は大幅に低減
される。同様に、領域R2の断面形状により光は0及び
−1次に回折され、+1次の回折光は低減する。第2の
回折格子72の回折面は方形の断面形状を有し、0次の
透過光を低減させ、+1次及び−1次に光を集中させ
る。この構成の有利な特徴はレンズ66、68がいずれ
もXY平面に対して平行に配置されることから干渉計の
大きさを最小とすることが可能な点である。
【0035】図2(B)に示された実施形態では、第1
の回折格子170はブレージングが一方向にのみ形成さ
れている点を除いて図2(A)の実施形態の第1の回折
格子70と同様である。すなわち回折格子170の回折
面はその全体において+1次に光を透過する。したがっ
て、所望の回折次数の光が画像装置64に透過されるた
めには、画像装置64または光発生器60及びこれらに
付随するレンズ66または68をZ軸に対して傾けなけ
ればならない。これにより干渉計全体の構成は若干大き
くなる。この点を除けば光学機構162は図2(A)の
光学機構62と同様であり、100を加えた同様の参照
符号にて示してある。
【0036】図3の実施形態では、第1及び第2の回折
格子270、272はいずれも方形の断面形状を有す
る。すなわち、回折格子はいずれも+1次及び−1次の
回折光を透過し、0次光は低減する。所望の効果を得る
ためには、光発生器60、画像装置64及びこれらに付
随するレンズ66、68をいずれもZ軸に対して傾けな
ければならないため、この構成がこれら3つの構成の内
で最も大きくなる。しかし、図3の実施形態は色消しで
あるという利点を有し、等価波長は光源波長とはほぼ独
立している。光学機構262はこの点を除いて図2
(A)の光学機構62と同様であり、100を加えた同
様の参照符号にて示してある。
【0037】図3の実施形態では第1及び第2の回折格
子270,272はいずれも方形の断面形状を有する。
したがって、これらの回折格子はいずれも+1次及び−
1次の回折光を透過するが、0次回折光は低減する。所
望の効果を得るためには、光発生器60、画像装置64
及びこれらに付随するレンズ66、68をいずれもZ軸
に対して傾けなくてはならないため、この構成がここに
述べられる3つの構成の内で最も大きくなる。しかし図
2の実施形態は色消しであるという利点を有し、等価波
長は光源波長とほぼ独立している。光学機構262はこ
の点を除けば図2(A)の光学機構62と同様であり、
200を加えた同様の参照符号にて示してある。
【0038】実際の使用に際しては、GDI干渉計20の
光発生器60が光線を発生し、光線はレンズ66によっ
て平行にされて回折格子機構62の第1の回折格子70
に入射角γで入射する。第1の回折格子70は入射光線
を2本の光線A、Bに回折する。これらの光線は第2の回
折格子72によって偏向されて測定物体Oの測定表面S
に入射する。反射光線A'及びB'は表面S上の一点Pか
ら反射されるが、異なる入射角で進み(表面Sが最適測
定平面にあると仮定した場合)、第2及び第1の回折格
子72、70を通じて伝播し、再び合成されて干渉し、
弱め合うかまたは強め合う。この干渉光線または波面は
レンズ68によって集束され画像装置64において結像
する。画像の干渉縞模様はコンピュータ26により、例
としてPSI分析法にて分析され正確な形状測定値が得
られる。
【0039】上記の3つの光学機構の構成62,16
2,262のいずれにおいても、光学機構の回折格子の
形状、向き、または溝の断面形状は光学機構64のヒト
ミ78から迷光を逸らすか、または迷光を低減するよう
に選択することが可能である。説明を容易にするため、
以下の、3.背面反射偏差の処理、及び、4.迷光の低
減の説明では図2(A)の光学機構62を中心に考察す
る。しかし同様の説明は図2(B)及び図3の光学機構
162,262並びにGDI干渉計において用いること
の可能な他の回折格子機構や光学機構にも適用されるこ
とは認識されなければならない。 3.背面反射偏差の処理 回折格子70及び72からの背面反射は測定物体Oの方
向を制御するか、回折格子70及び72のそれぞれの形
状や方向を適当に制御することにより画像装置64のヒ
トミから逸らすことが可能である。回折格子または測定
物体の方向の選択に基づいた制御は、傾き選択または傾
き処理として知られ、回折格子70または72の形状の
選択に基づいた制御は、楔選択または楔処理として知ら
れる。これらの考え方を順に説明する。
【0040】図4(A)及び4(B)を参照すると、測
定物体の傾きは空間におけるX軸またはY軸の周りの測
定物体の回転角として定義できる。図に示された角度は
レンズ設計用プログラムであるコードVにおいて使用さ
れている幾何学的コンベンションにしたがったものであ
る。回転角ADEは回折格子の基板を定義する異なる表
面のX軸の周りの回転を示すものである。回転角BDE
は同じ表面のY軸の周りの回転を示すものである。回転
角ADE及びBDEは当業者にはよく知られたものであ
り、ここで詳しく述べることはしない。当業者によれば
ADE傾き及びBDE傾きなどによる説明により測定物
体の向きは理解されよう。楔は回折格子の基板の形状の
完全な直方体形状からの逸脱を示すものである。楔角は
回折格子の基板の前面と背面とがなす角度であり、表面
が互いに平行である場合には0である。楔方向は楔が最
大となる基板の表面を含む平面の方向である。
【0041】図5を参照すると、回折格子の楔形状は、
基板の背面SBと前面SFによって形成されるプリズムの
向き及び傾きを表す2つの角度θ及びωによって説明さ
れる。すなわち、1個の回折格子は回折面の組(AD
E,BDE)と、背面の組(ADE,BDE)または等
価プリズムを定義する角度の組(θ,ω)との組み合わ
せによって定義することが可能である。
【0042】楔形及び傾きを両方とも考慮すると、回折
面の回転角の組(ADE,BDE)と背面の組(AD
E,BDE)または等価プリズムを定義する角度の組
(θ,ω)との組み合わせによって1個の回折格子を定
義することが可能である。
【0043】ある程度の幅で楔形及び傾きの選択が可能
であるものとして、楔形及び傾きを適当に選択すること
により、迷光を画像装置のヒトミ78から逸らし、同時
に最適測定平面における平均位相オフセット及び位相オ
フセット変化を防止するか少なくとも最小化することが
可能である。単純化された楔形及び傾き制御により、平
均位相オフセットをなくすか少なくとも最小化し、同時
に位相オフセット変化を許容可能なレベルにまで低減す
ることが可能である。最適な迷光処理では通常、ADE
傾き及びBDE傾きは約2°に、楔角の最大値は約2°
〜2.5°に、楔の方向角の最大値は約45°に設定さ
れる。溝断面形状の選択については、4.迷光の抑制に
おいて迷光の低減に関連して述べ、楔形及び傾き制御の
具体例については、5.例において述べる。 4.迷光の抑制 3.背面反射偏差の処理において述べたように楔と傾き
の組み合わせによっては背面反射光の全体を画像装置6
4のヒトミから逸らすことができない。こうした背面反
射光の不完全な逸れによる悪影響は迷光を低減させるこ
とにより背面反射光線が同時に除去される場合に低減す
ることが可能である。
【0044】迷光は回折面に従来にない断面形状の溝を
形成することにより極めて効果的に抑制することが可能
である。図3の回折格子270または272の従来の方
形溝断面は尖った角部を有する。これらの角部に入射す
る光により高次の回折光が生じ、この回折光が基板内部
で内部反射することにより回折格子270または272
に向けて反射して背面反射光の問題を引き起こす。この
問題は鋭い角部がなくなるように従来の回折格子の断面
を改良することによって解消することが可能である。す
なわち図6を参照すると、高次の回折光及び他の迷光
は、溝断面Pの縁部を軟化して、好ましくは非線形に湾
曲した、比較的大きい曲率半径を有する縁部とすること
により抑制することが可能である。図6において湾曲部
分は実線Eにて示され、破線E'にて示される従来の方
形溝格子の尖った縁部と区別されている。滑らかな縁部
Eは現在のエッチング技術及び干渉面に格子溝を刻線す
るために一般的に用いられている他の技術を用いて容易
に形成することが可能である。無論、他の技術を用いて
ブレーズド回折格子の三角形状の溝の縁を滑らかにする
ことも可能である。 5.例 背面反射処理及び迷光の低減処理を単独で、または組み
合わせて行って干渉計による観測の精度を向上させる方
法について幾つかの具体例に基づいて説明する。これら
の例は全て図3に示されるような光学機構262を用い
て実施することが可能であり、以下の3つの条件を完全
に、あるいは部分的に満たす。すなわち、 1.背面反射された迷光を画像装置64のヒトミから逸
らすこと、 2.平均位相オフセットを最小化または除去すること、
及び、 3.干渉計の視野全体にわたった位相オフセット変化を
最小化またはなくすことの3点である。
【0045】これらの条件が部分的に満たされるのは、
平均位相オフセットは0かほぼ0であるが、干渉計の視
野にわたって位相オフセット変化が幾分見られる場合で
ある。
【0046】これらの例を実施する干渉計は以下の特徴
を備える。すなわち、 ・光源の平均波長は0.68ミクロン。 ・第1の(粗い)回折格子270の空間周波数は250
線/mm。
【0047】・第2の(細かい)回折格子272の空間
周波数は500線/mm。 ・回折格子270と272との間の距離H'は約75m
m(この距離は基板の厚さに応じて異なる)。
【0048】・ヒトミ78の幅は±12mradである
(この範囲はヒトミ78を通過する光軸からの光線の最
大の逸れを与える。したがって全ての迷光は光軸から1
2mradよりも逸らされなくてはならない)。
【0049】・回折格子270及び272の基板材料は
BKガラスである。特に指定しない限り回折格子270
及び272の回折面はいずれも方形の溝断面を有し、そ
れぞれの基板の上面または底面に形成される。ADE角
及びBDE角は図4(A)及び図4(B)に関連して上
に述べたXYZ座標系に対して与えられる。また、これ
らの角度は図5に基づいて述べた、θ及びωを用いた極
座標系で表すことも可能である。
【0050】a.第1例 この例においては、楔形の数及び傾きのパラメータに関
して制約を設けなかった。したがって楔形及び傾きを組
み合わせて回折格子270及び272の回折面とARコ
ート面とについてADE傾き及びBDE傾きを最適化し
た。回折面はいずれも図3に示されるように基板の上面
に設けた。この例における条件を表1にまとめた。前面
及び後面のADE傾き、前面及び後面のBDE傾き、最
大楔角、最大楔方向、及び基板の中心における基板の厚
さが示されている。
【0051】
【表1】 10個の傾きのパラメータは全てこの解決策に基づいて
最適化することが可能であるため(測定物体Oは傾きの
選択の考察においては光学機構262の一部とみなすこ
とが可能であるが、これも含む)、全ての迷光を画像装
置64のヒトミ78から逸らすことが可能である。結果
的に回折格子270及び272の回折面の溝断面形状の
尖った縁部によって生じる高次回折は問題とならない。
干渉計20の平均の位相オフセットは0であり、干渉計
の視野の全体にわたって位相オフセット変化は残らな
い。
【0052】b.第2例 回折格子270及び272の基板を同じとして、すなわ
ち、最大楔角及び厚さを同じとして製造工程を簡略化す
ることが望ましい場合がある。この例における条件を表
2にまとめた。
【0053】
【表2】 表から最大楔角、最大楔方向角、及び基板の厚さが回折
格子270及び272の両方について同じでなければな
らないことにより最適化可能なパラメータは少なくなる
ことが理解される。この結果、許容可能な程度に小さい
位相オフセット変化(100mmの視野において±6本
の縞の回折次数)が干渉計の視野にわたって残る。
【0054】c.第3例 この例では、製造工程を更に簡略化するために設計にお
いて更なる制約が設けられる。基板270及び272の
全ての表面のX軸の周りの回転角は0に制約される。最
適測定平面における平均位相オフセットが0であるため
にはこの制約条件だけで充分である。残りの5つの傾き
パラメータ(測定物体Oのパラメータを含む)を最適化
して画像装置64のヒトミ78から迷光を逸らすことが
可能である。更に、回折格子270及び272において
同じ基板が使用される場合、視野において位相オフセッ
ト変化はなくなる。この例の条件を表3に示す。
【0055】
【表3】 この例に基づけば、楔は基板の縁に対して平行となって
いるため従来技術と比較してより容易に干渉計を製造す
ることが可能である。更に、両方の回折面の楔を同じ方
向とすることにより干渉計20の視野全体にわたって平
均位相オフセットを0とし、位相オフセット変化を0と
することが可能である。またこの構成は干渉計の視野全
体にわたって完全に色消しである。
【0056】この例においてはパラメータは4つしか変
化させることができないため、背面反射処理のみによっ
て高次回折の影響をなくすことはより困難である。した
がって、この例は、楔及び傾きの選択が、上述の4.迷
光の抑制に述べたように格子断面形状が滑らかな縁部を
有するような回折面と組み合わせて用いられる場合に最
も高い効果を奏する。
【0057】d.第4例 この例では上記の例とは若干異なった解決法を取ってい
る。この解決法では楔及び傾きを位相オフセットに関係
なく最適化し、ヒトミ78からの迷光の逸れを最大にす
る。最適測定平面における平均位相オフセットは光学機
構の一部の有効厚さを適当に選択することにより、なく
すか、少なくとも最小化することが可能である。例とし
て図7に見られるように、光学機構362の第1の回折
格子370の回折面は回折格子の基板の前面とは反対側
に当る底面または後面上に形成され、これによりこの回
折格子の有効厚さが減少する。光学機構362はこの点
を除き図3の光学機構262と同じであり、したがって
構成要素は光学機構262の対応する構成要素の参照符
号に100を加えたもので示してある。この例に基づい
て所望の効果を得るための条件を表4にまとめた。
【0058】
【表4】 表4に示した解決策は、他の解決策と同様、測定物体O
の測定表面Sが最適測定平面上にある場合に、干渉計の
視野にわたった平均位相オフセット及び位相オフセット
変化が無視できる量となるように設計することが可能で
ある。第1の回折格子370の回折面が基板の下側に設
けられるため、生じる高次回折光線は少なくなる。した
がってこの場合回折格子の滑らかな溝断面形状は必要で
はない。
【0059】第1の回折格子370の回折面を回折格子
基板の底部に設けることは、負の厚さを有する仮想ガラ
ス板を2つの回折格子370及び372の間に導入する
ことに相当する。このことはまた、第2の回折格子37
2において実際の基板の厚さを増大させることなく基板
の等価厚さを増大させることに相当する。
【0060】これらの解決策の代りとして、あるいはこ
れらの解決策に加えて、透明な補償板を光学機構に導入
し、第1及び第2の回折格子においてより一般的な基板
を使用できるようにすることが可能である。このように
構成された光学機構462が図8に示されており、1)
図3の回折格子270及び272と同様の第1及び第2
の回折格子470及び472と、2)第2の回折格子4
72と測定物体Oとの間に配置される補償板463とを
備える。光学機構462はこの点を除けば図3の光学機
構262と同様であり、したがってその構成要素は光学
機構262の対応する構成要素の参照符号に200を加
えたものにて示してある。所望の結果に応じて補償板4
63は第1及び第2の回折格子470及び472の間に配
置するか、あるいは測定物体Oの支持構造を構成するこ
とも可能である。
【0061】
【発明の効果】本発明に基づいて構成されたGDI干渉計
により以下の効果がもたらされる。第1に、最適測定平
面において位相オフセットが無くなっているか少なくと
も最小化されていることにより、操作者が最大干渉縞コ
ントラストの領域に測定物体Oを置いた後に測定を行う
ためにこれを再び配置し直す必要がない。第2に、信号
−ノイズ比が大幅に低減されていることにより、粗い表
面や他の反射性が弱い表面を低コヒーレンスモードで画
像化することが可能であり、低コヒーレンスモードと高
コヒーレンスモードとの間で干渉計20の切換えを行う
必要がない。したがって、平滑な表面及び粗い表面の両
方において単一の光源サイズを使用することが可能であ
るが、これはまた、滑らかな部品におけるスペックルノ
イズの低減、及び回折格子の周期性欠陥に起因する高周
波ノイズの低減を助けるものである。更に、ゴースト反
射が低減され、迷光がヒトミから逸らされることによ
り、反射性が低いかまたは散乱性が高い部品をより高い
精度で測定することが可能である。これらの利点はまた
干渉計の走査性能を向上させるものであり、上述のde
Groot特許に開示される走査モードなどの深度走査
モードにおける高精度の測定を可能とする。
【0062】本発明には発明の精神から逸脱することな
く多くの変更及び改良を行うことが可能である。これら
の変更の幾つかについてその範囲を上に考察した。他の
変更の範囲は請求の範囲において明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい第1実施形態に基づいて構成
された幾何学的に感度抑圧された干渉計(GDI)を示
す概略図。
【図2】(A)図1の干渉計の光学機構の第1の配置を
示す模式図、(B)図1の干渉計の光学機構の第2の配
置を示す模式図。
【図3】図1の干渉計の光学機構の第3の配置を示す模
式図。
【図4】(A)レンズ設計プロトコルのコードVコンベ
ンションにしたがった回転角ADEを示す図、(B)レ
ンズ設計プロトコルコードVコンベンションにしたがっ
た回転角BDEを示す図。
【図5】プリズムの基板の前面に対して背面がなす方向
及び傾斜角を示す概略図。
【図6】本発明に基づいて構成されたGDI干渉計にお
いて使用することが可能な回折格子の回折表面の一部を
示す概略図。
【図7】本発明に基づいて構成されたGDI干渉計にお
いて使用することが可能な光学機構の更なる別の一実施
形態であって、図3の構成にほぼ対応した構成を示す概
略図。
【図8】本発明に基づいて構成されたGDI干渉計にお
いて使用することが可能な光学機構の更なる別の一実施
形態であって、図3の構成にほぼ対応した構成を示す概
略図。
【図9】GDI干渉計の背面反射を示す模式図。
【図10】GDI干渉計において測定物体のゴーストを
生じる望ましくない回折次数の光の伝播を示す模式図。
【符号の説明】
20…GDI干渉計、60…光発生器、62…光学機
構、64…画像装置、70…第1の回折格子、72…第
2の回折格子、78…入射孔、O…測定物体、S…測定
物体表面。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年10月13日(1999.10.
13)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】削除
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 グザビエ コロンナ デ レーガ アメリカ合衆国 06457 コネチカット州 ミドルタウン トロリー クロッシング レーン 58

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定物体表面の形状測定を行うための幾
    何学的に感度抑圧された干渉計であって、 (A)前記測定物体表面からZ方向に間隔をおいて配置
    される光発生器と、 (B)前記光発生器と前記測定物体表面との間に配置さ
    れる光学機構であって、1)前記光発生器からの光を、
    a)異なる2方向に伝播し、b)前記測定物体表面に入
    射し、c)該測定物体表面からの第1及び第2の反射光
    線を生じる、第1及び第2の入射光線に分割し、2)前
    記測定物体表面からの前記第1及び第2の反射光線を再
    合成して該測定物体表面の特徴を表す干渉模様を形成す
    るように構成された前記光学機構と、 (C)前記光学機構に対して前記光発生器と同じ側に配
    置される画像装置であって、前記光発生器から前記光学
    機構を透過して前記測定物体表面にて反射し、前記光学
    機構を再び透過する光を受けるように配置された入射孔
    を有する前記画像装置とを備え、 前記光学機構は、前記第1及び第2の反射光線が前記測
    定物体表面上の一点において異なる入射角にて反射され
    る最適測定平面上またはその付近に前記測定物体が位置
    するような距離H'だけZ方向に前記測定物体表面から
    離間し、 前記光学機構は、位相オフセットを少なくとも最小化し
    つつ、前記画像装置の前記入射孔から迷光を逸らすよう
    に構成され、 位相オフセットは前記第1及び第2の反射光線の光路長
    の差に比例した光学的位相差である干渉計。
  2. 【請求項2】 前記光学機構は第1及び第2の回折光学
    素子を備える請求項1に記載の干渉計。
  3. 【請求項3】 前記第1及び第2の回折光学素子のそれ
    ぞれは前記Z方向に対して直行するX‐Y平面上にほぼ位
    置するように配置される回折格子を含み、該回折格子の
    それぞれは前記光源に対向する前面と前記測定物体表面
    に対向する後面とを有する基板を含み、該前面及び後面
    のいずれか一方は回折面であり他方はARコーティングさ
    れた面である請求項2に記載の干渉計。
  4. 【請求項4】 前記第1及び第2の回折格子の少なくと
    も一方はX−Y平面から外れるようにY方向に平行な軸の
    周りに傾けられた請求項3に記載の干渉計。
  5. 【請求項5】 前記第1及び第2の回折格子の少なくと
    も一方はX−Y平面から外れるようにX方向に平行な軸の
    周りに傾けられた請求項3に記載の干渉計。
  6. 【請求項6】 前記第1及び第2の回折格子の少なくと
    も一方はX−Y平面から外れるようにX方向に平行な軸の
    周りかつY方向に平行な軸の周りに傾けられた請求項3
    に記載の干渉計。
  7. 【請求項7】 前記第1及び第2の回折格子の前記基板
    は互いにほぼ等しい楔角及び楔方向を有し、楔角は回折
    格子の基板の前記前面と前記後面との間の角度であって
    該前面と後面とが互いに平行な場合には実質的に0であ
    る角度であり、楔方向は前記楔角が最大となる基板の方
    向であって前記平面内の方向である請求項3に記載の干
    渉計。
  8. 【請求項8】前記第1及び第2の回折格子の少なくとも
    一方の回折面の溝断面形状は高次回折光を最小化するよ
    うに選択される請求項3に記載の干渉計。
  9. 【請求項9】前記第1及び第2の回折格子は異なる楔角
    及び楔方向を有する請求項3に記載の干渉計。
  10. 【請求項10】前記第1及び第2の回折格子の少なくと
    もいずれか一方の楔角、楔方向及び傾角の少なくともい
    ずれか一つは、前記画像装置の前記入射孔への迷光の透
    過を位相オフセットを防止することなく少なくともほぼ
    無くすように選択され、前記光学機構の構成要素の少な
    くとも一つは測定物体が前記最適測定平面にある場合に
    位相オフセットを最小化するように選択される有効厚さ
    を有する請求項3に記載の干渉計。
  11. 【請求項11】前記第1の回折格子の回折面は該回折格
    子の前記後面上に設けられることにより前記第2の回折
    格子の有効厚さが増大する請求項10に記載の干渉計。
  12. 【請求項12】前記光学機構は透明材料にて形成された
    補償板を更に備え、該補償板は、(1)前記第1及び第
    2の回折格子の間、及び(2)前記第2の回折格子と前
    記測定物体表面との間のいずれかに配置され、補償板の
    厚さは前記測定物体表面が前記最適測定平面にある場合
    に位相オフセットを最小化するように選択される請求項
    10に記載の干渉計。
  13. 【請求項13】前記補償板は測定物体支持面を含む請求
    項12に記載の干渉計。
  14. 【請求項14】前記光学機構は前記干渉計の平均位相オ
    フセットを最小化するように構成される請求項1に記載
    の干渉計。
  15. 【請求項15】前記光学機構は前記干渉計の視野上で位
    相オフセットをほぼ無くすように構成される請求項14
    に記載の干渉計。
  16. 【請求項16】前記第1及び第2の回折格子の少なくと
    もいずれか一方の回折面の溝断面形状は所望の回折次数
    以外の回折光の反射または透過を抑制する形状に形成さ
    れる請求項3に記載の干渉計。
  17. 【請求項17】前記溝断面形状は、(1)異なるブレー
    ジング方向を有する2つの異なる領域に設けられ、かつ
    (2)第1の領域には0次及び−1次にのみ光を回折
    し、第2の領域には0次及び+1次にのみ光を回折する
    請求項16に記載の干渉計。
  18. 【請求項18】前記溝断面形状はブレージング方向が一
    つである一つの領域に設けられ、0次にのみ及び−1次
    及び+1次の一方にのみ光を回折する請求項16に記載
    の干渉計。
  19. 【請求項19】前記溝断面形状はほぼ方形であり、−1
    次及び+1次にのみ光を回折する請求項16に記載の干
    渉計。
  20. 【請求項20】測定物体表面の形状測定を行うための幾
    何学的に感度抑圧された干渉計であって、 (A)前記測定物体表面からZ方向に間隔をおいて配置
    される光発生器と、 (B)前記光発生器と前記測定物体表面との間に配置さ
    れる光学機構であって、1)前記光発生器からの光を、
    a)異なる2方向に伝播し、b)前記測定物体表面に入
    射し、c)該測定物体表面からの第1及び第2の反射光
    線を生じる、第1及び第2の入射光線に分割し、2)前
    記測定物体表面からの前記第1及び第2の反射光線を再
    合成して該測定物体表面の特徴を表す干渉模様を形成す
    るように構成され、前記光学機構は前記Z方向に対して
    直行するX‐Y平面上にほぼ位置するように配置される第
    1及び第2の回折格子を備え、該回折格子のそれぞれは
    前記光源に対向する前面と前記測定物体表面に対向する
    後面とを有する基板を含み、該前面及び後面のいずれか
    一方は回折面であり他方はARコーティングされた面であ
    る前記光学機構と、 (C)前記光学機構に対して前記光発生器と同じ側に配
    置される画像装置であって、前記光発生器から前記光学
    機構を透過して前記測定物体表面にて反射し、前記光学
    機構を再び透過する光を受けるように配置された入射孔
    を有する前記画像装置とを備え、 前記光学機構は、前記第1及び第2の反射光線が前記測
    定物体表面上の一点において異なる入射角にて反射され
    る最適測定平面上またはその付近に前記測定物体が位置
    するような距離H'だけZ方向に前記測定物体表面から
    離間し、 前記回折格子のそれぞれは、平均位相オフセットを無く
    し、位相オフセット変化を最小化しつつ、前記画像装置
    の前記入射孔から迷光が逸らされるように選択された楔
    角、楔方向、及び傾角の少なくとも一つを有し、 位相オフセットは前記第1及び第2の反射光線の光路長
    の差に比例した光学的位相差である干渉計。
  21. 【請求項21】 測定物体表面の形状測定を行うための
    幾何学的に感度抑圧された干渉計であって、 (A)前記測定物体表面からZ方向に間隔をおいて配置
    される光発生器と、 (B)前記光発生器と前記測定物体表面との間に配置さ
    れる光学機構であって、1)前記光発生器からの光を、
    a)異なる2方向に伝播し、b)前記測定物体表面に入
    射し、c)該測定物体表面からの第1及び第2の反射光
    線を生じる、第1及び第2の入射光線に分割し、2)前
    記測定物体表面からの前記第1及び第2の反射光線を再
    合成して該測定物体表面の特徴を表す干渉模様を形成す
    るように構成された前記光学機構とを備え、 前記光学機構は、前記第1及び第2の反射光線が前記測
    定物体表面上の一点において異なる入射角にて反射され
    る最適測定平面上またはその付近に前記測定物体が位置
    するような距離H'だけZ方向に前記測定物体表面から
    離間し、 前記光学機構は前記Z方向に対して直行するX‐Y平面上
    にほぼ位置するように配置される第1及び第2の回折格
    子を備え、該回折格子のそれぞれは前記光源に対向する
    前面と前記測定物体表面に対向する後面とを有する基板
    を含み、該前面及び後面のいずれか一方は回折面であり
    他方はARコーティングされた面であり、 前記第1及び第2の回折格子の少なくとも一方の回折面
    の溝断面形状は高次回折を最小化する湾曲部分を有する
    干渉計。
  22. 【請求項22】 前記光学機構に対して前記光発生器と
    同じ側に配置される画像装置であって、前記光発生器か
    ら前記光学機構を透過して前記測定物体表面にて反射
    し、前記光学機構を再び透過する光を受けるように配置
    された入射孔を有する前記画像装置を更に備え、前記第
    1及び第2の回折格子は、平均位相オフセットを防止し
    つつ、前記画像装置の前記入射孔から迷光が逸らされる
    ように構成され、位相オフセットは前記第1及び第2の
    反射光線の光路長の差に比例した光学的位相差である請
    求項21に記載の干渉計。
  23. 【請求項23】前記回折格子の一つはほぼ方形状の溝断
    面形状を有する請求項21に記載の干渉計。
  24. 【請求項24】前記回折格子の一つはほぼ三角形状の溝
    断面形状を有するブレーズド回折格子である請求項21
    に記載の干渉計。
  25. 【請求項25】光発生器、光学機構、及び該光学機構の
    前記光発生器と同じ側に配置される画像装置とを備える
    幾何学的に感度抑圧された干渉計を操作する方法であっ
    て、 (A)光が、(1)前記光学機構に対して垂直に延びる
    直線に対する入射角Δγの範囲で、前記光発生器から前
    記光学機構へ進み、 (2)前記光学機構を通じて進み、 (3)測定物体の表面上に第1及び第2の光線として入
    射し、該表面から第1及び第2の反射光線として反射
    し、前記表面は前記第1及び第2の反射光線が異なる入
    射角で一点に入射する最適測定平面上に位置し、 (4)前記光学機構を再び通じて進み、 (5)コントラストがΔγの大きさに依存する干渉模様
    として前記画像層の入射孔へと進むように伝播する工程
    と、該伝播工程における、 (B)位相オフセットを最小化しつつ前記画像装置の前
    記入射孔から迷光を逸らし、位相オフセットは前記第1
    及び第2の反射光の光路長の差に比例した光学的位相差
    である工程とを含む方法。
  26. 【請求項26】前記光学機構はそれぞれが回折面を有す
    る第1及び第2の回折格子を備え、前記伝播工程におい
    て、前記回折面からのスプーリアスな反射及び回折を抑
    制する工程を更に含む請求項25に記載の方法。
  27. 【請求項27】前記伝播工程において、高次回折を抑制
    する工程を更に含む請求項26に記載の方法。
  28. 【請求項28】前記伝播工程において、前記干渉計の位
    相オフセット変化を最小化する工程を更に含む請求項2
    5に記載の方法。
  29. 【請求項29】光発生器、光学機構、及び該光学機構の
    前記光発生器と同じ側に配置される画像装置とを備える
    幾何学的に感度抑圧された干渉計を操作する方法であっ
    て、 (A)光が、(1)前記光学機構に対して垂直に延びる
    直線に対する入射角Δγの範囲で、前記光発生器から前
    記光学機構へ進み、 (2)前記光学機構の第1の回折格子を透過することに
    より第1及び第2の拡散光線に分割され、更に、 (3)前記光学機構の第2の回折格子を透過することに
    より第1及び第2の光線に回折し、 (4)測定物体の表面上に第1及び第2の光線として入
    射し、該表面から第1及び第2の反射光線として反射
    し、前記表面は前記第1及び第2の反射光線が異なる入
    射角で一点に入射する最適測定平面上に位置し、 (5)前記光学機構を再び通じて進み、 (6)コントラストがΔγの大きさに依存する干渉模様
    として前記画像層の入射孔へと進むように伝播する工程
    と、該伝播工程における、 (B)位相オフセットを少なくともほぼ防止しつつ前記
    画像装置の前記入射孔から迷光を逸らし、位相オフセッ
    トは前記第1及び第2の反射光の光路長の差に比例した
    光学的位相差である工程と、 (C)前記干渉計の位相オフセット変化を最小化する工
    程とを含む方法。
  30. 【請求項30】前記第1及び第2の回折格子のそれぞれ
    について前記迷光を逸らす工程は該迷光を逸らす工程を
    与える楔角、楔方向、及び傾き方向の少なくとも一つを
    選択する工程を含む請求項29に記載の方法。
  31. 【請求項31】前記選択工程は該選択工程により位相オ
    フセットが防止されるよう位相オフセットを考慮したも
    のである請求項30に記載の方法。
  32. 【請求項32】前記選択工程は位相オフセットを考慮し
    たものではなく、位相オフセットは、(1)前記第1及
    び第2の回折格子の間、及び(2)前記第2の回折格子
    と前記測定物体表面との間のいずれか一方に配置される
    補償板を光が透過することによって最小化される請求項
    30に記載の方法。
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