JP5166837B2 - 壁構造物の補強方法および補強構造 - Google Patents

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Description

本発明は、既存のコンクリート造の壁構造物に対する壁構造物の補強方法および補強構造に関する。
耐力が不十分であると判断された既設の鉄筋コンクリート構造物(以下、単に「RC構造物」という場合がある)に対して、せん断補強を行う場合がある。
従来、このような既設のRC構造物の補強構造として、RC構造物の表面に配筋された主筋及び配力筋と、コンクリートとにより、RC構造物の断面を鉄筋コンクリートにより増厚する構造が採用されていた。しかし、この構造では、RC構造物の補強後に部材厚が増大してしまうため、例えば、上下水道浄化施設の場合には貯水能力や処理能力が減少し、鉄道構造物等の場合には建築限界を満足しなくなるおそれがあった。
そのため、本出願人は、例えば、特許文献1に示すように、既存の構造物に対して、部材の厚さ方向に補強部材挿入孔を形成し、この補強部材挿入孔にせん断補強鉄筋を挿入するとともにグラウト材等を充填することで一体化し、既存のRC構造物の部材厚を増加させることなく、せん断補強を行うせん断補強構造を開示し、実用化に至っている。このせん断補強構造によれば、大地震等により生じる大きなせん断力等に対して、十分な耐力を有したRC構造物を構築することが可能となる。
特開2006−57288号公報
ところが、既存の構造物に対して十分な耐力を発現させるためには、多数のせん断補強鉄筋を配置するなど、一般的に施工に長時間を要していた。
一方、供用中の構造物の中には、例えば鉄道構造物のように、長時間にわたって供用を休止することができず、深夜等の限られた時間内でしか補強工事を行うことができない場合がある。
本発明は、前記の問題点を解決することを目的とするものであり、短時間で施工を行うことを可能とした壁構造物の補強方法および補強構造を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明の壁構造物の補強方法は、既設の鉄筋コンクリート造の壁構造物の表面に、前記壁構造物の縦筋の配筋間隔よりも大きな長さを有した複数の帯状材をアンカー材により固定するものであって、前記帯状材を、前記縦筋と交差するように、かつ、他の帯状材との上下方向の間隔が前記壁構造物の有効厚さ以下となるように配置し、前記アンカー材を前記縦筋の配筋間隔以下の間隔で配置することを特徴としている。
かかる補強方法によれば、帯状材を上下方向の間隔が前記壁構造物の有効厚さ以下となるように間隔をあけて配設するため、壁構造物の全体に対して補強を行う従来の補強方法に比べて、安価であるとともに、短時間で施工を行うことが可能である。
また、前記壁構造物の補強方法において、複数の前記帯状材を、該帯状材同士の間隔が前記縦筋の配筋間隔以下となるように、横方向に連続して配置すれば、せん断破壊に伴い縦筋がはらみだすことを防止できるため、好適である。
また、前記壁構造物の補強方法において、アンカー材同士の間隔を前記有効厚さ以下となるように配置すれば、せん断破壊が生じた場合であっても、アンカー材による帯状材の固定を維持し、壁構造物がせん断破壊前の常時の自重を保持することができる程度の機能を維持することが可能となる。
また、前記壁構造物の補強方法において、前記アンカー材の埋め込み長さを、該アンカー材の直径の15倍以上、かつ前記壁構造物の鉄筋の被り厚さの2倍以上、なおかつ前記壁構造物の壁厚の1/2以下とすれば、せん断破壊が生じた場合であっても、アンカー材により斜めひび割れの進行を抑えることが可能となるため、好適である。
また、本発明の壁構造物の補強方法によれば、複数の帯状材が配設することで、壁構造物にせん断破壊が生じたとしても、壁構造物がせん断破壊前の常時の自重を保持することができる程度の機能を維持し、急激に構造物が崩壊することを防ぐことを可能としている。
また、本発明の補強構造は、既設の鉄筋コンクリート造の壁構造物と、前記壁構造物の表面に該壁構造物の縦筋と交差する方向に配設される複数の帯状材と、前記帯状材を固定するアンカー材と、を備えており、前記帯状材は、前記縦筋の配筋間隔以下の間隔で配置された複数の前記アンカー材により前記壁構造物に圧着されており、該帯状材同士の上下方向の間隔が前記壁構造物の有効厚さ以下であることを特徴としている。
かかる補強構造によれば、短時間で構築することができるため、供用中の構造物であって、時間的な制約がある構造物に対しても補強を行うことが可能なため、好適である。
さらに、壁構造物にせん断破壊が生じたとしても、有効厚さ以下の間隔により配設された帯状材により、この壁構造物が急激に崩壊することを防止することができる。
本発明の壁構造物の補強方法および補強構造によれば、短時間で施工を行うことを可能とし、限られた時間内において構造物の補強を行うことが可能となる。
本発明の壁構造物の補強方法および補強構造の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
<第1の実施の形態>
図1乃至図4を参照して、第1の実施の形態について説明する。
第1の実施の形態に係る補強構造1は、図1に示すように、既設の壁構造物10と、壁構造物10の表面(前面)11に水平方向に配設される複数の帯状材20,20,…と、これらの帯状材20,20,…を固定する複数のアンカー材30,30,…とを備えて構成されている。
壁構造物10は、図1(a)に示すように、前面11側および背面12側に、それぞれ所定のピッチにより縦筋R1,R1,…および横筋R2,R2,…が所定の被り厚さt1を確保した状態で配筋された鉄筋コンクリート部材である。
帯状材20は、図1(a)および(b)に示すように、断面コの字型の鋼製プレートであって、壁構造物10の前面11側の表面に、水平となるように、複数段設置されている。本実施形態では、壁構造物10の幅全長にわたって帯状材20を連続して配設するものとする。
帯状材20同士の上下方向の間隔p1(上下に配設された帯状材20,20の中心から中心までの距離)は、壁構造物10の有効厚さ以下となるように構成されている。ここで、壁構造物の有効厚さとは、鉄筋コンクリート製の壁構造物10の厚さ方向における前面11または背面12から反対側の主筋までの間隔(一方の被り厚さt1+主筋同士の間隔t2)、つまり、壁構造物10の部材厚Tから前面11側または背面12側の被り厚さt1を除いた壁構造物10の厚さをいう。
また、帯状材20同士の上下方向の間隔p1は、せん断破壊により急激な破壊が生じた場合であっても、壁構造物10が地震前の常時の自重を保持して、壁構造物の急激な崩壊を防ぐことが可能な程度の補強ができるように、壁構造物10の有効厚さ以下に設定されている。つまり、「棒部材において計算上せん断補強鋼材が必要な場合は、せん断補強鋼材であるスターラップの間隔は、部材の有効高さの1/2倍以下で、かつ、300mm以下としなければならない」(「コンクリート標準示方書 構造性能照査編」土木学会より)との指針の記載に基づき、第1の実施の形態に係る補強構造1では、壁構造物10のせん断補強を目的として配設される帯状材20の上下方向の間隔p1を、有効厚さ以下に設定することで、必要最低限の補強を行うとともに、早期に施工を行うものとする。
そして、帯状材20は、所定の間隔a1により配設された複数のアンカー材30,30,…により壁構造物10の表面に圧着されている。
帯状材20には、予め壁構造物10の縦筋R1の配筋ピッチと同間隔でアンカー孔(図示せず)が形成されている。なお、アンカー孔のピッチは、縦筋R1の配筋ピッチ以下であれば、限定されるものではない。また、アンカー孔は、アンカー材30の施工により壁構造物10に配筋された縦筋R1および横筋R2に損傷を与えることがないように、壁構造物10の施工時の配筋図や非破壊試験の情報をもとに、縦筋R1および横筋R2にアンカー材30が接触することがない位置に形成するものとする。さらにアンカー孔は、アンカー材30の配置に応じて、現地にて形成してもよい。
アンカー材30には、一般的に使用されているアンカーピンを使用するものとし、アンカー材30同士の間隔a1が壁構造物10に配筋された縦筋R1の間隔と同間隔となるように配置する。このようなアンカー材30としては、機械式アンカーピン、樹脂接着系アンカーピン、樹脂接着併用型機械式アンカーピン等、適宜公知のアンカーピンの中から選定して使用すればよい。
ここで、アンカー材30の間隔a1は、縦筋R1と同間隔に限定されるものではなく、壁構造物の有効厚さ以下となるように適宜設定すればよい。つまり、「棒部材において計算上せん断補強鋼材が必要な場合は、スターラップの間隔は、部材の有効高さの1/2倍以下で、かつ、300mm以下としなければならない」(「コンクリート標準示方書 構造性能照査編」土木学会より)との指針の記載に基づき、帯状材20を固定するとともにせん断補強材としての機能も有するアンカー材30同士の間隔a1を、有効厚さ以下に設定することで、必要最低限の補強を行うものとしている。
アンカー材30の埋め込み長さa2は、図1(a)および(b)に示すように、アンカー材30の直径の15倍以上、かつ、壁構造物10の鉄筋の被り厚さt1の2倍以上、なおかつ、壁構造物10の壁厚Tの1/2以下とする。
ここで、アンカー材30の埋め込み長a2は、アンカー材30の先端が、被り厚さt1よりも内部に配置されるように、被り厚さt1の2倍以上とするとともに、「曲げとせん断を受ける場合はアンカーの埋め込み長さは15φ以上とする」(「あと施工アンカー工法設計施工の手引き」、財団法人鉄道総合技術研究所)に基づき、設定されている。
次に、第1の実施の形態に係る壁構造物の補強方法について説明する。
第1の実施の形態に係る壁構造物の補強方法は、まず、図2(a)に示すように、帯状材20を壁構造物10に配筋された縦筋R1と交差する方向(水平)となるように壁構造物10の表面に配置する。
続いて、図2(a)および(b)に示すように、アンカー材30を、帯状材20に形成されたアンカー孔21を挿通させるとともに、壁構造物10の前面11から背面12方向に打ち込むことにより、帯状材20を壁構造物10に固定する。
以上、第1の実施の形態に係る壁構造物の補強方法およびこれにより構成される補強構造1によれば、図3に示すように、壁構造物10の上部および下部において主筋(縦筋R1,横筋R2)に沿って発生する斜めひび割れCに対して、上下方向で壁構造物10の有効厚さ以下となるように配設されている複数の帯状材20,20が、ひび割れCの進行を抑えることで、急激に壁構造物10が崩壊することを防止する。
また、帯状材20は、縦筋R1の配筋ピッチと同間隔で配置されたアンカー材30,30,…により固定されているため、壁構造物10にせん断破壊が生じた際に、縦筋R1のはらみ出しを抑えることを可能としている。
また、帯状材20を固定するアンカー材30の埋め込み長a2が、壁構造物10の被り厚さt1の2倍以上であるため、図3に示すように、せん断破壊により壁構造物10に斜めひび割れCが発生した場合であっても、アンカー材30に定着力により急激な破壊の進行を抑え、急激に壁構造物10が崩壊することを防止する。
また、アンカー材30の埋め込み長a2は、壁構造物10の壁厚Tの1/2以下であるため、深い削孔を要することなくアンカー材30の設置を行うことができ、施工性に優れている。
また、アンカー材30の位置決めは、帯状材20を定規として、予め帯状材20に形成されたアンカー孔21を利用して行うため、施工性に優れている。
したがって、第1の実施の形態に係る壁構造物の補強方法および補強構造1によれば、短時間で既存の壁構造物10の補強を行うことができるため、供用中の構造物であって、施工時間に限りのある構造物であっても、短時間の施工により、利用者の安全性を確保できる。つまり、壁構造物10にせん断破壊が生じた場合であっても、急激な破壊の進行を抑止することが可能であるため、急激に壁構造物10が崩壊することを防止することで、利用者の安全性を確保することを可能としている。
第1の実施の形態により構成された壁構造物の補強方法によれば、大地震等により大きな応力が作用することでせん断破壊が生じた場合であっても、例えば利用者が避難することができる程度の時間が確保できるように、構造物がすぐに崩壊することを防止することができる補強構造を、短時間で構築することが可能となる。したがって、既存の構造物の利用状況により、大地震等において想定される応力に対して十分な耐力を発現する補強構造を時間をかけて構築するのではなく、短時間の施工により必要最小限の補強が求められる場合に好適に採用可能である。
また、第1の実施の形態に係る壁構造物の補強方法は、比較的軽量な帯状材20をアンカー材30により固定するという簡易な構成のため、施工性に優れており、材料費も安価である。また、部材の取り扱いも容易なため、施工の手間の省力化や施工時の安全性の向上も可能である。
また、多数の削孔やグラウト注入等を要しないため、騒音や粉塵等の周囲環境への悪影響を最小限に抑えることを可能としている。また、現場を汚すこともない。
なお、第1の実施の形態では、帯状材20を壁構造物10の表面に設置した状態で、アンカー材30を埋め込む(打ち込む)ものとしたが、アンカー材30を壁構造物10に埋め込んだ後、このアンカー材30の頭部に帯状材20を固定する構成としてもよい。
また、第1の実施の形態では、帯状材20として断面コの字状の鋼製プレートを使用するものとしたが、帯状材20を構成する材料はこれに限定されるものではなく、例えば、図4(a)に示す平板や、図4(b)に示す断面L字状の鋼製プレートや、図4(c)に示す角鋼管等、適宜公知の材料から選定して使用すればよい。
また、角鋼管を帯状材20として使用する場合において、図4(d)示すように、角鋼管の内部をモルタルやコンクリート等の充填材22により充填してもよい。
また、第1の実施の形態では、帯状材10を水平に配置するものとしたが、帯状材10は、縦筋R1と交差するように配置されていれば必ずしも水平に配設されている必要はなく、斜めに配設されていてもよい。
また、帯状材10の長さは限定されるものではなく、縦筋の配筋ピッチ以上の長さにおいて適宜設定することが可能である。
<第2の実施の形態>
次に、図5および図6を参照して第2の実施の形態について参照する。
第2の実施の形態に係る補強構造は、図5に示すように、既設の壁構造物10と、壁構造物10の表面(前面11)に水平に配設される複数の帯状材20と、帯状材20を固定するアンカー材30とを備えて構成されている。
帯状材20は、図5に示すように、壁構造物10の被り部分に埋設された状態で、壁構造物10に埋め込まれたアンカー材30により固定されている。
この他、帯状材20に関する事項は、第1の実施の形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
また、第2の実施の形態に係る補強構造2のこの他の構成は、第1の実施の形態で示した補強構造1と同様なため、詳細な説明は省略する。
次に、第2の実施の形態に係る壁構造物の補強方法について説明する。
第2の実施の形態にかかる壁構造物の補強方法は、はつり工程と、帯状材固定工程と、充填工程と、を備えている。
はつり工程は、図6(a)に示すように、壁構造物10の表面(前面11)に、帯状材20を配置するための溝13を形成する工程である。溝13は、壁構造物10の表面を、縦筋R1が露出するまではつることにより形成されている。すなわち、第2の実施の形態では、溝13の深さが縦筋R1の被り厚さt1と同等に形成されている。
また、溝13は、上下に複数、互いに平行かつ水平に形成するものとし、この溝13同士の間隔は、壁構造物10の有効厚さ以下となるように構成されている。
帯状材固定工程は、図6(b)および(c)に示すように、壁構造物10の表面に形成された溝13に帯状材20を配置し、この帯状材20を複数のアンカー材30により固定する工程である。
第2の実施の形態に係る帯状材20は、図5に示すように、溝13に完全に埋設される高さ(図面において左右方向の長さ)を有した断面コの字型の鋼材により構成されており、溝13内において、縦筋R1に当接した状態で配設されている。
帯状材20には、予めアンカー材30を挿通するためのアンカー孔21が形成されており、アンカー材30をこのアンカー孔21を挿通させた状態で壁構造物10に打ち込むことで帯状材20を固定する。
なお、第2の実施の形態では、帯状材20を溝13に設置してからアンカー材30を埋め込むことで帯状材20を固定するものとしたが、アンカー材30を溝13の内部に固定してから、このアンカー材30の頭部に帯状材20を固定する構成としてもよい。
充填工程は、図6(d)に示すように、帯状材20が配置された溝13に充填材40を充填する工程である。第2の実施形態では、充填材40としてグラウトを使用するものとしたが、充填材40として使用可能な材料は、硬化により壁構造物10と一体化することが可能であれば限定されるものではなく、適宜公知の材料の中から選定して使用することが可能である。
以上、第2の実施の形態に係る壁構造物の補強方法および補強構造2によれば、帯状材20が壁構造物10の内部に配設されるため、壁構造物10の表面に突出物が形成されることがなく、壁構造物の周囲の利用スペースに影響を及ぼすことがない。
この他、第2の実施の形態係る壁構造物の補強方法および補強構造2による作用効果は、第1の実施の形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
なお、帯状材20は、必ずしも縦筋R1に接した状態で埋設されている必要はない。また、帯状材20は、必ずしも完全に溝13内に埋設されている必要はなく、前面11かた一部が突出していてもよい。また、帯状材20を構成する材料は限定されるものではない。
<第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態について、図7を参照して説明する。
第3の実施の形態に係る補強構造3は、図7に示すように、既設の壁構造物10と、壁構造物10の前面11に水平に配設される複数の帯状材20,20,…と、帯状材20,20,…を固定する複数のアンカー材30,30,…とを備えて構成されている。
第3の実施の形態に係る帯状材20は、図7に示すように、3本のアンカー材30,30,30により壁構造物10の前面11に固定される平板鋼板であって、横方向に隣り合う帯状材20同士の間隔p2が、壁構造物に配筋された縦筋R1の間隔以下となるように構成されている。また、帯状材20の上下方向の間隔p1は、壁構造物10の有効厚さ以下となるように構成されている。
なお、第3の実施の形態では、図7に示すように、帯状材20を上下方向の列を合わせて配置するものとしたが、帯状材20の配置は、限定されるものではない。例えば、図8に示す補強構造4のように、帯状材20を千鳥状に配置してもよい。
また、帯状材20は平鋼板に限定されるものではなく、適宜他の材料から選定して使用することが可能である。
また、一枚の帯状材20を固定するアンカー材30の本数は限定されるものではなく、適宜設定することが可能である。
この他、第3の実施の形態に係る補強構造3(壁構造物10、帯状材20、アンカー材30)の構成は、第1の実施の形態で示した内容と同様なため詳細な説明は省略する。
第3の実施の形態に係る補強構造3によれば、帯状材20を、壁構造物10の幅全長にわたって配置するのではなく、間隔p2を空けて配置することにより、帯状材20およびアンカー材30の数量を削減し、材料費を低減することおよび施工の手間を省略することを可能としている。
また、帯状材20同士の横方向の間隔p2を、縦筋R1の間隔以下に設定することで、壁構造物10にせん断破壊が生じた場合であっても、鉄筋のはらみ出しを抑制することを可能としている。
なお、この他の第3の実施の形態に係る補強構造3の作用効果は第1の実施の形態で示した補強構造1と同様なため、詳細な説明は省略する。
以上、本発明について、好適な実施形態について説明した。しかし、本発明は、前述の各実施形態に限られず、前記の各構成要素については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜設計変更が可能であることは言うまでもない。
第1の実施の形態に係る補強構造の概略を示す図であって、(a)斜視図、(b)は断面図である。 (a)および(b)は第1の実施の形態に係る壁構造物の補強方法を示す断面図である。 図1に示す補強構造の補強効果を示す断面図である。 (a)〜(d)は、帯状材の変形例を示す断面図である。 第2の実施の形態に係る補強構造の概略を示す断面図である。 (a)〜(d)は第2の実施の形態に係る壁構造物の補強方法を示す断面図である。 第3の実施の形態に係る補強構造の概略を示す斜視図である。 図7に示す補強構造の変形例を示す斜視図である。
符号の説明
1,2,3,4 補強構造
10 壁構造物
13 溝
20 帯状材
30 アンカー材
40 充填材
R1 縦筋
R2 横筋
t1 被り厚さ
t2 主筋同士の間隔

Claims (2)

  1. 既設の鉄筋コンクリート造の壁構造物の表面に、前記壁構造物の縦筋の配筋間隔よりも大きな長さを有した複数の帯状材をアンカー材により固定する壁構造物の補強方法であって、
    前記帯状材を、前記縦筋と交差するように、かつ、他の帯状材との上下方向の間隔が前記壁構造物の有効厚さ以下となるように配置し、
    前記アンカー材を、前記縦筋の配筋間隔以下の間隔で配置することを特徴とする、壁構造物の補強方法。
  2. 既設の鉄筋コンクリート造の壁構造物と、
    前記壁構造物の表面に該壁構造物の縦筋と交差する方向に配設される複数の帯状材と、
    前記帯状材を固定するアンカー材と、を備える補強構造であって、
    前記帯状材は、前記縦筋の配筋間隔以下の間隔で配置された複数の前記アンカー材により前記壁構造物に圧着されており、
    該帯状材同士の上下方向の間隔が前記壁構造物の有効厚さ以下であることを特徴とする補強構造。
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