JP4952049B2 - 鉄筋コンクリート部材のせん断補強構造及びせん断補強方法 - Google Patents

鉄筋コンクリート部材のせん断補強構造及びせん断補強方法 Download PDF

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Description

本発明は、既存鉄筋コンクリート部材のせん断補強構造及び方法に関する。
構造物の壁や梁等のせん断荷重の作用する鉄筋コンクリート部材のせん断補強を行う場合には、コンクリート部材が負担していた引張応力を負担するようにコンクリート部材内にせん断補強筋を新たに埋設する方法が広く用いられている。この際、充分なせん断補強効果を得るためには、せん断補強筋とコンクリート部材との間で応力の伝達が確実に行われるようにし、せん断補強筋は引張応力に抵抗できるように、確実にコンクリート部材内に定着する必要がある。
このような確実に応力の伝達を行う定着構造を備えたせん断補強構造として、例えば、図11及び図12に示すように、鉄筋コンクリート部材10の表面より掘削孔21を設け、両端に定着材31を備えるせん断補強筋32を配置し、掘削孔21内に充填材33を注入することにより形成されたせん断構造30が用いられることがある。かかる構成によれば、せん断補強筋32の両端に設けられた定着材31が定着強度を向上し、せん断補強筋32は引張応力に抵抗できるので、コンクリート部材12のせん断強度が向上する。
また、これと同様の工法として、特許文献1には、せん断補強筋の両端に円筒体の定着材を備えたせん断補強部材を鉄筋コンクリート部材内に設置する方法が開示されている。
特開2005―105808号公報
しかしながら、上記説明したせん断補強構造では、充分な効果を得るためには、多くのせん断補強筋を配置する必要があり、施工の手間及び時間がかかるという問題点があった。
そこで、本発明は、上記の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、補強部材の設置数を従来よりも減らすことができ、かつ、せん断耐力を向上させることが可能な鉄筋コンクリート部材のせん断補強構造及びせん断補強方法を提供することである。
前記目的を達成するため、本発明の鉄筋コンクリート部材のせん断補強構造は、せん断荷重の作用する既存の鉄筋コンクリート部材のせん断補強構造であって、前記せん断荷重により生じる斜めひび割れ面と交差するように、鉄筋コンクリート部材に設けられた掘削孔と、断面が十字状となるように複数の帯状の板材を互いに直角に組み合わせてなる棒状の補強材と該補強材の少なくとも2箇所に取り付けられた支圧機構とから構成され、前記掘削孔に、前記板材の向きが前記鉄筋コンクリート部材に作用する前記せん断荷重の主応力方向に対して45°程度となるように挿入される補強部材と、前記掘削孔に充填されたグラウトとを備えることを特徴とする(第1の発明)。
本発明による鉄筋コンクリート部材の補強構造によれば、斜めひび割れ面において補強部材がほぞのように作用するため、せん断耐力を向上することができる。したがって、従来のせん断補強構造に用いられていたせん断補強筋の本数よりも少ない補強部材の本数でせん断補強が可能であるため、掘削孔の数を減らすことができ、施工性を向上することが可能となる。
また、本発明による鉄筋コンクリート部材の補強構造によれば、支圧機構を補強部材の両端に設けることにより、補強材を確実に鉄筋コンクリート部材内に支圧定着することが可能となる。
さらに、断面が放射状となるように複数の板材を組み合わせることにより補強材の断面2次モーメントが大きくなる。したがって、ほぞとしての役割を十分に期待できるようになるので、鉄筋コンクリート部材に作用するせん断荷重に対する耐力が向上する。
また、帯状の板材を直交するように接続することにより少ない板材で効果的にほぞ効果を得ることが可能である。
さらに、板材の向きがせん断荷重の主応力方向に対して45°程度となるように配置し、主応力方向と板材の向きとを異なる方向にすることにより、せん断荷重作用時に板材がくさびの働きをして、主応力方向の割裂を誘発することを防止できる。したがって、板材は鉄筋コンクリート部材の弱点となることがない。
第2の発明は、第1の発明において、前記補強材は、前記斜めひび割れ面に作用するせん断荷重よりも大きなせん断耐力を有することを特徴とする。
本発明による鉄筋コンクリート部材の補強構造によれば、斜めひび割れ面において補強材がほぞのように作用するため、せん断耐力を向上することが可能となる。
の発明は、第1又は第2の発明において、前記支圧機構は、前記補強材の両端に取り付けられた板状部材であることを特徴とする。
本発明による鉄筋コンクリート部材の補強構造によれば、補強材は断面放射状の形状を有し、板状部材全面を覆うように取り付けられるのではなく、隣接する板材との間に多くの隙間を有するように取り付けられるために、板状部材と鉄筋コンクリート部材との接触面積が広くなり、補強部材を確実に鉄筋コンクリート部材内に支圧定着することが可能となる。
の発明は、第1〜第のいずれかの発明において、前記鉄筋コンクリート部材はカルバートであることを特徴とする。
本発明による鉄筋コンクリート部材の補強構造によれば、既設のカルバートを補強することが可能となる。
の発明は、第1〜第のいずれかの発明において、前記掘削孔は、前記鉄筋コンクリート部材の一方の面のみに設けられていることを特徴とする。
本発明による鉄筋コンクリート部材の補強構造によれば、地中の既設の鉄筋コンクリート部材を鉄筋コンクリート部材の内部から補強作業を行うことが可能となる。
の発明は、第1〜第のいずれかの発明において、前記補強材は、鋼材又はFRP等の強化プラスチックからなることを特徴とする。
本発明による鉄筋コンクリート部材の補強構造によれば、鋼材又は強化プラスチックからなる補強材を用いることにより、鉄筋コンクリート部材に作用する引張り荷重に対向することが可能となる。
の発明は、第1〜第のいずれかの発明において、前記支圧機構は、鋼材又はFRP等の強化プラスチックからなることを特徴とする。
本発明による鉄筋コンクリート部材の補強構造によれば、鋼材又は強化プラスチックからなる支圧機構を用いることにより、鉄筋コンクリート部材に作用する引張り荷重に対向することが可能となる。
の発明の鉄筋コンクリート部材のせん断補強方法は、せん断荷重の作用する既存の鉄筋コンクリート部材のせん断補強方法において、前記せん断荷重により生じる斜めひび割れ面と交差するように、鉄筋コンクリート部材に設けられた掘削孔を設け、断面が放射状となるように複数の帯状の板材を組み合わせてなる棒状の補強材と該補強材の両端に取り付けられた支圧機構とから構成された補強部材を前記掘削孔に挿入し、前記掘削孔にグラウトを充填し、前記補強部材のダウウェル効果によりせん断補強を行うことを特徴とする。
本発明によれば、補強部材の支圧定着力を確保しつつ、鉄筋コンクリート部材のせん断耐力が向上する。
以下、本発明のせん断補強構造の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態においては、既設のBOXカルバートの壁面への適用例について説明するが、本発明はBOXカルバートへの適用に限定されるものではなく、既設の鉄筋コンクリート部材にも適用できることはいうまでもなく、また、壁面への適用に限定されるものではなく、梁や柱等にも適用できることはいうまでもない。
図1は、本実施形態のせん断補強構造の設置の対象となる地中BOXカルバート41を示す断面図である。図1に示すように、BOXカルバート41の外側には、土砂42が存在しており、BOXカルバートの外壁部43には、土砂42の土圧Qが作用している。
図2は、図1におけるBOXカルバート41の外壁部の破線で囲まれた部分の鉄筋コンクリート部材の拡大図であり、図3は、図2のA−A’断面図である。
図2及び図3に示すように、一般的にBOXカルバート41を構成する鉄筋コンクリート部材10は、コンクリート部材12と、その外側及び内側に配置された主鉄筋11と、主鉄筋11と直交するように配置された配力筋13とを備える。
鉄筋コンクリート部材10には、土圧Qがせん断荷重Pとして作用し、その反力P´が図1における外壁部43の支持部に作用している。後述するように、このせん断荷重P及びその反力P´により、図2に一点鎖線で示すような斜めひび割れ面(せん断荷重によるひび割れが生じやすい面)が発生する。
本実施形態のせん断補強構造20は、このような鉄筋コンクリート部材10の一方の面に適宜な間隔で上記の斜めひび割れ面と交差するように掘削孔21を設け、この掘削孔21に補強部材22を挿入し、掘削孔21内の空隙にグラウト27を充填し、このグラウト27が硬化することで形成される。すなわち、せん断補強構造20は、図2及び図3に示すように、鉄筋コンクリート部材10の表面に設けられた掘削孔21と、掘削孔21内に挿入された補強部材22と、掘削孔21内の空隙に充填されたグラウト27とを備えた構成となる。
図4は、本実施形態に係る補強部材22を示す図であり、図5は、図4のB−B’断面図である。図4及び図5に示すように、補強部材22は、棒状の補強材23と、この補強材23の両端に取り付けられた支圧機構24a、24bとから構成され、図2に示すように、その軸方向がせん断荷重の作用方向と略並行に配置される。
補強材23は、4枚の帯状の板材25を断面形状が十字状になるように互いに直角に接続して構成されている。
支圧機構24は鋼材からなる円盤形状の定着板24から構成され、補強材23の両端に堅固に取り付けられている。
補強部材22は、板材25の向きがせん断荷重の作用方向に対して45°程度となるように鉄筋コンクリート部材10内に配置される。
なお、本実施形態においては、4枚の板材25で補強材23の断面形状を十字状とする方法について説明したが、これに限定されるものではなく、3枚の板材25(図6)や2本のアングル26(図7)や中央部分にスリットを有する2枚の板材(図示しない)等を組み合わせて、断面形状を十字状としてもよい。
また、本実施形態においては、支圧機構24を円盤形状の定着板24の形状を円盤形状とする方法について説明したが、この形状に限定されるものではなく、例えば、正方形や円筒形としてもよい。
さらに、本実施形態においては、補強材23及び支圧機構24の材質は、鋼材を用いているが、これに限定されるものではなく、FRP等の強化プラスチックを用いてもよい。
また、本実施形態においては、補強材23の両端に支圧機構24を設ける方法について説明したが、これに限定されるものではなく、補強材23のいずれの箇所に支圧機構24を設けてもよい。
次に、本発明のせん断補強構造20により鉄筋コンクリート部材10のせん断耐力が向上する原理を、一例として鉄筋コンクリート部材10の単純梁を用い、この梁の中心に関して対称な任意の2箇所にせん断荷重が作用する場合、つまり、作用点と支点間のコンクリート部材12には、一定のせん断力が生じる場合について説明する。なお、以下の説明において、鉄筋コンクリート部材10に作用する荷重は、鉄筋コンクリート部材10の中央面に対して対称であるため、鉄筋コンクリート部材10の片側半分の解析モデルについて考える。
図8は、せん断荷重が作用している状態の鉄筋コンクリート部材10における応力伝達を示す図である。図8に示すように、鉄筋コンクリート部材10は、対称性を考慮すると、作用荷重Pと、その反作用による支点反力P(=P)とにより釣合い状態となる。
釣合い状態にあるコンクリート部材12には、荷重Pの作用する点と支点反力の作用する点Pとを結ぶ方向に作用する圧縮応力を伝達する応力伝達機構が形成される。また、上記の応力伝達機構には、モールの応力円の理論により圧縮応力の作用する方向と略垂直に引張応力が作用しており、鉄筋コンクリート部材10に作用するせん断荷重が大きくなると、それに伴ってこの引張応力も大きくなる。引張応力が過大になり、この引張応力にコンクリート部材12が耐えられなくなると、応力伝達機構に沿ってコンクリート部材12に斜めひび割れが生じ、せん断破壊を起こしてしまう。すなわち、斜めひび割れ面は、荷重の作用する点と、支点反力の作用する点とを結ぶ方向に発生する。
次に、定着板24のくさび効果について説明する。
図9は、図5のC−C’断面図であり、定着板24の定着部におけるくさび効果を示す図である。図9に示すように、補強材23に引張り応力が作用した場合、補強材23の端部に取り付けた定着板24近傍には、補強材23に対してθ=20°程度のくさび形状の引張り応力とその反力による圧縮領域が形成される。この圧縮領域がくさびの効果(以下、くさび効果という)をはたして、補強部材22は引張り応力に対して確実に支圧定着される。
そこで、本発明のせん断補強構造20は、図2〜図5に示すように、補強材23の両端に定着板24a、24bを取り付け、コンクリート部材12に作用する引張応力を斜めひび割れ面(図1における一点鎖線)と交差するように設けた補強材23に負担させるものである。さらに、補強材23に作用する引張り応力は、定着板24a、24bにくさび効果を生じさせ、このくさび効果により補強部材22はコンクリート部材12により堅固に支圧定着され、補強材23は引張り応力に対してより効果的に抵抗できるようになる。
また、斜めひび割れ面と交差するように補強部材22を設け、この補強部材22の補強材23がほぞとして作用する効果(いわゆる、ダウエル効果)を利用して、せん断破壊を防止するという考えに基づくものである。
従来のせん断補強構造に用いられるせん断補強筋32は(図12及び図13)、引張応力のみを負担させることを目的として設けられていたため、曲げ耐力の小さい鉄筋が用いられている。したがって、コンクリート部材12とともにせん断補強筋32も変形してしまうので、ほぞとしての機能が低く、せん断荷重の増加に伴ってせん断破壊の進行を許してしまい、最終的にダウエル効果が充分に発生する以前に鉄筋コンクリート部材10が破壊し、せん断耐力を向上することはできない。
これに対し、本実施形態のせん断補強構造20に用いられている補強部材22は、せん断補強筋32に比べて断面2次モーメントが大きく、大きな曲げ剛性を有する。このため、ほぞとしての機能が高く、せん断荷重載荷当初から、充分なダウエル効果が期待でき、せん断耐力を向上することができる。また、補強材23として、斜めひび割れ面に生じるせん断力以上のせん断耐力を有する補強材を用いると、斜めひび割れ面に沿って引き離そうとする力に対して抵抗することができるため、確実にせん断耐力を向上できる。
また、ほぞ効果を期待して曲げ剛性の大きい鋼管を補強材として用いた場合は、所定のくさび効果を得るために定着板24を鋼管の径よりもさらに大きくしなければならないが、本実施形態の補強部材22は、複数の板材から構成された補強材23を用いることにより、鋼管を用いた場合と比べて定着板24を小さくしても、所定のくさび効果を得るために必要なコンクリート部材12と定着板24との接触面積を確保できる。
また、図2及び図3に示すように、本実施形態のせん断補強構造20は、部材軸に対して直交方向に補強部材22を配置している、通常、斜めひび割れは、応力伝達機構に沿って、すなわち、部材軸に対して斜め方向に発生するため、補強部材22は斜めひび割れと交差する。このため、本実施形態のせん断補強構造20のように、部材軸に対して直交方向に補強部材22を配置しても、せん断補強効果が得られる。
また、鉄筋コンクリート部材10の一方の面のみから補強部材22を部材直交方向に挿入することで、補強部材22を斜めひび割れと交差するように配置させることできる。このため、本実施形態のせん断補強構造20は、鉄筋コンクリート部材10の一方の面からせん断補強を行うことが可能となる。
このように鉄筋コンクリート部材10の一方の面からせん断補強を行うことができるので、地中構造物であるBOXカルバートの外壁部のせん断補強を行う場合などに、特に有効である。図1に示すように、BOXカルバート41の外壁部43の外側には土砂42が存在している。本実施形態のせん断補強構造20によれば、上記説明したように、鉄筋コンクリート部材10の一方から施工を行うことが可能であり、BOXカルバート41の外壁部43にせん断補強工事を行う場合であっても、外壁部43の両面から作業する必要はなく、したがって、土砂42を掘削することなく、BOXカルバート41内側より施工を行うことができる。
さらに、板材25の向きをせん断荷重の主応力方向に対して45°程度となるように配置して、主応力方向と板材25の向きとを異なる方向にすることにより、せん断荷重作用時に板材がくさびの働きをして、主応力方向の割裂を誘発することを防止できる。したがって、板材は鉄筋コンクリート部材の弱点となることがない。
以上説明したように、本実施形態のせん断補強構造によれば、補強部材は鉄筋コンクリート部材に十分支圧定着されるので、鉄筋コンクリート部材のせん断耐力を向上させることが可能となる。
また、せん断荷重により生じるひび割れ面と交差するように補強部材を設けるために、効率的な補強が可能である。
以上の2点の効果により、従来の方法で用いられていたせん断補強筋に比べて、補強部材は少ない本数でせん断補強を行うことができるため、コンクリート部材に設ける掘削孔を減らすことができ、施工性が向上される。また、鉄筋コンクリート部材の一方の側から施工できるため、BOXカルバートのような他方に外壁背面に土砂があるような場合にも、土砂を掘削することなく、内側から施工できる。
なお、本実施形態では、補強材23として帯状の板材25を断面十字状にして用いたが、これに限定されるものではなく、例えば、断面米字状(図10)等の断面2次モーメントが大きくなる配置であり、かつ、定着板24が所定のくさび効果を得ることが可能となるような配置であればよい。かかる場合には、補強部材22の隣接する板材25同士により形成される角度の中心が、せん断荷重の主応力方向と略一致するように補強部材22を鉄筋コンクリート部材10内に配置することが望ましい。
なお、本実施形態においては、既設の鉄筋コンクリート部材10への適用例について説明したが、本発明は鉄筋コンクリート部材10への適用に限定されるものではなく、鉄骨鉄筋コンクリート部材にも適用できることはいうまでもない。
せん断補強構造の設置の対象となる地中BOXカルバートを示す断面図である。 図1におけるBOXカルバート41の外壁部の破線で囲まれた部分の鉄筋コンクリート部材の拡大図である。 図2のA−A’断面図である。 本実施形態に係る補強部材を示す図である。 図4のB−B’断面図である。 3枚の板材から構成される補強材の例を示し、補強材断面図である。 2本のアングルから構成される補強材の例を示し、補強材断面図である。 せん断荷重が作用している状態の鉄筋コンクリート部材における応力伝達を示す図である。 図5のC−C’断面図であり、定着板の定着部におけるくさび効果を示す図である。 断面米字状の補強材の例を示し、補強材断面図である。 せん断補強筋の両端に定着具を有する従来のせん断補強構造を示す横断面図である。 図11のD−D’断面図である。
符号の説明
10 鉄筋コンクリート部材
11 主鉄筋
12 コンクリート部材
13 配力筋
20 せん断補強構造
21 掘削孔
22 補強部材
23 補強材
24 支圧機構(=定着板)
25 板材
26 アングル
27 グラウト
30 従来のせん断補強構造
31 定着材
32 せん断補強筋
33 充填材
41 BOXカルバート
42 土砂
43 外壁部

Claims (8)

  1. せん断荷重の作用する既存の鉄筋コンクリート部材のせん断補強構造であって、
    前記せん断荷重により生じる斜めひび割れ面と交差するように、鉄筋コンクリート部材に設けられた掘削孔と、
    断面が十字状となるように複数の帯状の板材を互いに直角に組み合わせてなる棒状の補強材と該補強材の少なくとも2箇所に取り付けられた支圧機構とから構成され、前記掘削孔に、前記板材の向きが前記鉄筋コンクリート部材に作用する前記せん断荷重の主応力方向に対して45°程度となるように挿入される補強部材と、
    前記掘削孔に充填されたグラウトとを備えることを特徴とする鉄筋コンクリート部材のせん断補強構造。
  2. 前記補強材は、前記斜めひび割れ面に作用するせん断荷重よりも大きなせん断耐力を有することを特徴とする請求項1に記載の鉄筋コンクリート部材のせん断補強構造。
  3. 前記支圧機構は、前記補強材の両端に取り付けられた板状部材であることを特徴とする請求項1又は2に記載の鉄筋コンクリート部材のせん断補強構造。
  4. 前記鉄筋コンクリート部材はカルバートであることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の鉄筋コンクリート部材のせん断補強構造。
  5. 前記掘削孔は、前記鉄筋コンクリート部材の一方の面のみに設けられていることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の鉄筋コンクリート部材のせん断補強構造。
  6. 前記補強材は、鋼材又はFRP等の強化プラスチックからなることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の鉄筋コンクリート部材のせん断補強構造。
  7. 前記支圧機構は、鋼材又はFRP等の強化プラスチックからなることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の鉄筋コンクリート部材のせん断補強構造。
  8. せん断荷重の作用する既存の鉄筋コンクリート部材のせん断補強方法において、
    前記せん断荷重により生じる斜めひび割れ面と交差するように、鉄筋コンクリート部材に設けられた掘削孔を設け、
    断面が放射状となるように複数の帯状の板材を組み合わせてなる棒状の補強材と該補強材の両端に取り付けられた支圧機構とから構成された補強部材を前記掘削孔に挿入し、
    前記掘削孔にグラウトを充填し、
    前記補強部材のダウウェル効果によりせん断補強を行うことを特徴とする鉄筋コンクリート部材のせん断補強方法。
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