JP5161563B2 - エレベータ - Google Patents

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Description

詳細な説明
本発明は、請求項1の前段に記載のエレベータ、および請求項10の前段に記載のエレベータの動作を抑制および/または休止する方法に関するものである。
エレベータの開発事業の目的の1つは、効率的かつ経済的な建物空間の活用を実現することにある。近年この開発事業によって、とりわけ機械室がなく、またカウンタウェイトのないさまざまなエレベータ方式が生み出されてきた。機械室がなく、またカウンタウェイトのないエレベータの良好な例が、フィンランド特許出願第FI20021959号および第FI20030153号の明細書に開示されている。これらの明細書に記載されているエレベータは、空間活用の点においてかなり効率が良く、建物内でエレベータ機械室が占める空間およびエレベータシャフト内でカウンタウェイトが占める空間を、エレベータシャフトを大きくすることなく排除することを可能にしている。
こういった基本的に良好なエレベータ方式では、巻上機に要する空間がエレベータレイアウト方式における選択の自由を制限してしまう。ある程度の空間が巻上ロープの経路のために必要である。とくにエレベータがエレベータカー下方または上方のエレベータシャフト空間に取り付けられた緩衝装置へ向かう場合、またはカーが上昇しすぎるのを防ぐ場合に、エレベータカーの動きを所望の位置で停止させる。エレベータの近代化にあたって、エレベータシャフト内の利用可能な空間は、多くの場合、機械室のないエレベータ構想の適用を制限してきた。とくに油圧式エレベータを近代化または交換する場合、とりわけカウンタウェイトを有さない油圧式エレベータの近代化または交換において、機械室のないエレベータ方式の適用は、エレベータシャフト内の空間が十分でないために有用でない。またシャフト内に安全空間を確保すること、とくにエレベータカー上方に安全空間を確保してエレベータの上昇動作を停止させることは、カウンタウェイトがないエレベータ方式では難しい課題である。
本発明は、以下の目的のうちの少なくとも1つを達成することを目的とする。一方で発明は、機械室のないエレベータを開発し、建物およびエレベータシャフトの空間を従来よりも効率的に利用可能にすることを目的とする。これは、必要ならば、エレベータをかなり狭いエレベータシャフトに設置可能にしなければならないことを意味する。他方で本発明は、とくに整備員がカー頂部に上がる際に、エレベータの動作を所望の位置で抑制および停止可能にして、エレベータシャフト内に必要な安全空間を形成するエレベータ、好ましくはカウンタウェイトのないエレベータの実現を目的とする。エレベータに安全空間を確保して、エレベータが上昇しすぎるのを防ぐことを目的とする。
本発明のエレベータは、請求項1の特徴部に開示されていることにより特徴付けられ、本発明の方法は、請求項10の特徴部に開示されていることにより特徴付けられ、また本発明による使用は、請求項11に開示されていることにより特徴付けられる。本発明の他の実施例は、他の請求項に開示されていることにより特徴付けられる。本発明の実施例は、本願の説明部分にも示されている。本願に開示されている発明の内容は、特許請求の範囲に規定されているものとは別の形で規定することも可能である。また本発明は、とくに明示あるいは黙示のサブタスクの点から見た場合、または達成される利点あるいは一連の利点から見た場合、いくつかの別々の発明から成っていてもよい。この場合、各請求項に含まれる属性のいくつかは、別々の発明の概念からみて不要であるかもしれない。
本発明を適用することで、とくに以下の利点を1つ以上達成できる。
− 本発明のエレベータの動作を、簡便な方法によって所望の位置で休止できる。
− 本発明を適用することで、エレベータ上部の安全空間を簡単に確保できる。
− 本発明のエレベータの安全性および信頼性が向上する。
− 本発明のエレベータおよび方法は、安価で実施できる方式である。
− エレベータの動作を、把持部材によって可能な限り巻上機の近傍で抑制および/または休止するため、ロープの伸長による遅延を可能な限り短くでき、またエレベータカーを短い距離内で停止できる。
− また可能な限り巻上機の近傍で動作を休止するので、エレベータカーを停止させるためのロープの力を可能な限り小さくできる。
− 本発明のエレベータおよび方法を用いた場合、緩衝装置を使用した重くて高価な従来の構造体と比べて、資材と設置にかかる費用が節約できる。エレベータカーの上昇を簡単に止めることができ、エレベータが再度下降を始めると、把持部材は自動的に解除されてエレベータの正常な動作を可能にし、また補償ギアの通常の動作を可能にする。
本発明の主要な適用分野は、人間および/または貨物を輸送するためのエレベータである。本発明の標準的な適用分野は、速度範囲が約1.0m/sあるいはそれ以下のエレベータであるが、それより速いエレベータでもよい。たとえば、走行速速度が0.6m/sのエレベータも、本発明によって容易に実現可能である。
乗客用および貨物用の両エレベータにおいて、本発明によって達成される多くの利点は、わずか2〜4人用のエレベータであっても明らかに発揮され、6〜8人(500〜630kg)用のエレベータであれば著しく発揮される。
本発明のエレベータには、一般に使用されるスチールワイヤロープなど、標準的なエレベータロープを適用できる。本エレベータには、合成材料が含まれるロープを用いてもよいし、またたとえば、いわゆる「アラミド」ロープやケブラーロープといったような、合成繊維の耐力部分を有するロープ構造を使用してもよい。これらは最近エレベータに導入されている。また適用可能な方式には鋼で補強した平ベルトが挙げられるが、これはとくに、小さな曲がり半径を可能とするからである。本発明のエレベータへの使用にとくに好適なのは、たとえば丸くて丈夫なワイヤを縒り合わせたエレベータの巻上ロープである。丸いワイヤを用いると、各ワイヤの太さを同一にしたり異ならせたりすることで、ロープをさまざまに縒ることができる。本発明に好適なロープでは、ワイヤの太さは平均で0.4mm以下である。丈夫なワイヤから作られた適切なロープでは、そのワイヤの太さの平均は0.3mm未満、または時には0.2mm未満である。たとえば、細い鋼入りの強靭な4mmロープは、ワイヤを縒って比較的都合よく形成することができ、完成したロープにおけるワイヤの平均的な太さは、0.15〜0.25mmであり、一番細いワイヤの太さは0.1mmほどである。細いロープワイヤは、簡単に強靭にすることができる。本発明では、強度がたとえば2000N/mm2相当のロープワイヤを使用できる。適切なロープワイヤの強度は、2100〜2700N/mm2である。原則として、強度が約3000N/mm2のロープワイヤを使用できるが、それ以上の強度であってもよい。
本発明のエレベータは、エレベータカーが1本のロープまたは複数本の平行するロープで構成される一連の巻上ロープに支持され、巻上ロープでエレベータカーを動かすトラクションシーブを有し、またエレベータカーから上下方向に走行する巻上ロープ部分を有する。またエレベータカーから上部ロープ部分へ走行するロープ部分は第1ロープ張力(T1)の作用を受け、エレベータカーから下部ロープ部分へ走行するロープ部分は第2ロープ張力(T2)の作用を受ける。エレベータは、巻上ロープに作用する補償装置を含み、ロープ張力および/またはロープ伸長を均等化および/または補償し、および/または第1ロープ張力と第2ロープ張力との比率(T1/T2)を実質的に一定にする。エレベータの動作は、第2ロープ張力(T2)に対する第1ロープ張力(T1)の比率を高めることで、抑制および/または休止される。
本発明によるエレベータの動作を抑制および/または休止する方法において、エレベータカーは、1本または複数本の平行するロープで構成される一連の巻上ロープで少なくとも部分的に支持される。エレベータは、巻上ロープによってエレベータカーを動かすトラクションシーブを有し、また、エレベータカーから上下方向に走行する巻上ロープ部分も有する。トラクションシーブからエレベータカー上部のロープ部分へ走行するロープ部分は、第1ロープ張力(T1)の作用を受け、トラクションシーブからエレベータカー下部のロープ部分へ走行するロープ部分は、第2ロープ張力(T2)の作用を受ける。エレベータは、巻上ロープに作用する補償装置を有し、ロープ張力および/またはロープ伸長を均等化および/または補償し、および/または第1ロープ張力と第2ロープ張力との比率(T1/T2)を実質的に一定にする。本方法では、第2ロープ張力(T2)に対する第1ロープ張力(T1)の比率を高めることでエレベータの動作を抑制および/または休止する。
転向プーリとして機能するローププーリを使用して接触角を大きくすることで、トラクションシーブと巻上ロープとの間の把持力を向上できる。それによってカーの重量を軽減でき、またこの寸法を大きくできるため、エレベータにおける空間節約の効率が高まる。トラクションシーブと巻上ロープとの間の接触角は、1個または複数個の転向プーリを使用することで180o以上にできる。ロープ伸長を補償する補償装置は、適切なT1/T2比を維持して、エレベータの稼動および安全性に十分な把持力を巻上ロープとトラクションシーブとの間に確保する。一方、カウンタウェイトのないエレベータ方式におけるエレベータの駆動および安全性には、エレベータカーの下方のロープに十分な張力が保たれることが重要である。また本発明は、エレベータの利用を、エレベータを安全に駆動可能な正常駆動領域内に制限できる。とくに、エレベータカーに必要な上空の安全空間を確保でき、また必要に応じて、エレベータための別の有効領域を定めて区画するために本発明を用いることができる。たとえば、エレベータシャフトの上部の方に、エレベータの最大運転領域を定め、エレベータがこの領域を超えて上昇できないようにする。この領域は、エレベータカー頂部から作業を行う場合には、所要の上空安全空間よりも広くする。またより広い上空安全空間が定められた第2の領域を画定することも可能である。この場合、エレベータは最大運転領域まで上昇できず、またこの安全空間は、たとえばエレベータカー頂部から作業を行う場合に要求される条件を満たしている。
以下に、本発明をいくつかの実施例および添付の図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明によるエレベータの構造を示す概略図である。エレベータは、好ましくは機械室のないエレベータであり、エレベータシャフト内に運転機械装置4が設置されている。図示のエレベータは、トラクションシーブエレベータであり、機械装置を上部に有し、またカウンタウェイトを有していない。エレベータの巻上ロープ3は、次のように走行する。巻上ロープ3の一端は、エレベータカー1に固く不動に固定されたレバー15上の固定点16に固定されている。この固定点16は、レバーをエレベータカー1に結合するピボット17から少し離れたところに位置している。そのため図1に示す状況では、補償装置として使用されるレバー15は、締結点17を軸にエレベータカー1上で回転する。固定点16から、巻上ロープ3は上昇して、エレベータシャフトにおいてエレベータカー1の上方、好ましくはシャフト上部に取り付けられた転向プーリ14に接触する。ロープ3は、この転向プーリからエレベータカーにある転向プーリ13へ向けて下降し、転向プーリ13から再び上昇して、エレベータカー上方のエレベータシャフト上部に取り付けられた転向プーリ12へ向かう。転向プーリ12からロープは再び下降してエレベータカーに設けられた転向プーリ11に向かい、この転向プーリを通過すると再び上昇して、エレベータシャフト上部に取り付けられた転向プーリ10へ向かう。そこを通過するとロープは、エレベータカーに取り付けられた転向プーリ9へ向けて下降する。転向プーリ9を通過すると巻上ロープ3は、エレベータシャフト上部に設けられた運転機械装置4のトラクションシーブ5に向けてさらに上昇し、まず転向プーリ7と「接点方向から接して」、プーリを通過する。これは、トラクションシーブ5からエレベータカー1に進むロープ3が転向プーリ7における綱溝を通り、また転向プーリ7によって生じるロープ3のたわみがきわめて小さいことを意味する。トラクションシーブ5から走行してくるロープは、「接線方向」からのみ転向プーリ7と接触すると言える。このような「接線方向からの接触」は、離れていくロープの振動を減衰させる方式の役割を果たし、この方式は他のロープ方式にも適用可能である。ロープは、運転機械装置4のトラクションシーブ5を、トラクションシーブ5の綱溝に沿ってそこを通過する。トラクションシーブ5から、ロープは転向プーリ7へとさらに下降して、転向プーリ7の綱溝に沿ってそこを通過すると、トラクションシーブ5に向かって上へ戻り、トラクションシーブの綱溝に沿ってそこを通過する。トラクションシーブ5から、ロープ3はさらに下降して転向プーリ7に「接線方向から接触」し、さらにエレベータカーを通過してエレベータシャフト下部に設置された転向プーリ8へ向かい、これに設けられた綱溝に沿ってこれを通過する。エレベータシャフト下部の転向プーリ8から、ロープはさらに、エレベータカーにある転向プーリ18に向かって上昇する。このプーリからロープ3は、エレベータシャフト下部における転向プーリ19へ向かう。それからエレベータカーにある転向プーリ20へと上昇して、そのプーリからロープはさらにエレベータカーにある転向プーリ22へ向かい、このプーリからロープは、エレベータシャフト下部における転向プーリ23へさらに向かう。転向プーリ23からロープ3はさらに、点17で固定されながらエレベータカー1上を回転するレバー15向かう。ロープ3のもう一端は、ピボット17から距離bを隔てた点24でこのレバー15に不動固定される。図1に示す例では、巻上機および転向プーリはすべてエレベータカーにおける同一側面に設置するのが好ましいが、エレベータカーの異なる側面に設けてもよい。この方式は、とくにリュックサック型エレベータ方式に有効であり、この場合、上記の構成部品は、エレベータカーの背面であって、エレベータカーとシャフトの背壁との間のスペースに配置される。トラクションシーブ5と転向プーリ7との間のロープ連結は、ダブルラップローピングと呼ばれ、ここでは、巻上ロープはトラクションシーブに2回および/またはそれ以上巻きつけられる。このようにして、2段階および/またはそれ以上にわたって接触角を増大させることができる。たとえば、図1に示す実施例では、トラクションシーブ5と巻上ロープ3との間に180o+180o、すなわち360oの接触角が達成される。また図示されているダブルラップローピングは、その他の方法で配されてもよい。たとえば、転向プーリ7をトラクションシーブ5の横へ配置することによる方法の場合、巻上ロープは、トラクションシーブを2回通過するため、180o+90o、すなわち270oの接触角が得られる。または、トラクションシーブを他の適切な位置に配置してもよい。好適な方式は、転向プーリ7が巻上ロープ3のガイドおよび減衰プーリとして機能するようにトラクションシーブ5および転向プーリ7を配置することである。転向プーリ14、13、12、11、10、9、7は、巻上機4のトラクションシーブ5と共にエレベータカー上部の懸垂部を形成し、この懸垂機構はエレベータカー下部の懸垂部と同じ懸垂比であって、図1では7:1である。トラクションシーブ5からエレベータカー1の上部のロープ部分へ走行するロープ部分は、第1ロープ張力(T1)の作用を受ける。転向プーリ8、18、19、20、21、22、23は、エレベータカー下部の懸垂部、およびロープ部分を形成する。トラクションシーブからエレベータカー下部のロープ部分へ走行するロープ部分は、第2ロープ張力(T2)の作用を受ける。エレベータの巻上機4およびトラクションシーブ5、および/またはエレベータシャフト上部の転向プーリ7、10、12、14は、ガイドレール2で構成されるフレーム構造体またはエレベータシャフトの上端部の梁構造の適所に設置してもよいし、エレベータシャフトに別途設置してもよいし、あるいは他の適切な設置方式を適用してもよい。エレベータシャフト下部における転向プーリは、ガイドレール2で構成されるフレーム構造体またはエレベータシャフト下端部の梁構造の適所に設置してもよいし、エレベータシャフトの下部に別途設置してもよいし、あるいは他の適切な設置方式を適用してもよい。エレベータカーの転向プーリは、たとえばカーフレームなどのエレベータカー1のフレーム構造体の適所に設置してもよいし、エレベータカーの1つまたは複数の梁構造に設置してもよいし、エレベータカーに別途設置してもよいし、あるいは他の適切な設置方式を適用してもよい。また転向プーリは、モジュール構造であってもよい。たとえば転向プーリを、カセット式構造体などの個々のモジュール構造体にし、エレベータのシャフト構造体、エレベータカーの構造体および/またはカーフレーム、またはエレベータシャフトの適所あるいはその近辺に取り付けたり、またはエレベータカーに連結させてもよい。エレベータシャフトに設けられた転向プーリ、巻上機械装置、および/またはエレベータカーに連結して取り付けられた転向プーリは、そのすべてをエレベータカーとエレベータシャフトの間でエレベータカーの一側面に設置してもよいし、またはエレベータカーの別々の側面に所望の方法で設置してもよい。トラクションシーブ5と転向プーリ7との間のロープ連結は、ダブルラップローピングとは異なる方法、たとえばシングルラップローピングなどを実施してもよい。この場合には、転向プーリ7は必ずしも必要でない。また、ESW(Extended Single Wrap)ローピングや、目的に適した他の類似のローピング方式などを実施してもよい。
エレベータシャフト内に配置された駆動機械4は、平坦な構造であるのが好ましい。換言すれば、この機械は、幅および/または高さに比べて厚みの寸法が小さい、あるいは少なくともエレベータカーとエレベータシャフトの壁との間に収容できる程度に薄いことが好ましい。この機械装置は他の方法で設置してもよく、たとえば薄型の機械装置をエレベータカーの仮想延長線とシャフト壁との間に、部分的に、または完全に配置してもよい。本発明のエレベータでは、運転機械装置4は、機械装置用の空間に収まるものであれば、ほぼどのような型および設計のものでも使用できる。たとえば、ギア式またはギアレス式の機械装置が使用可能である。機械装置は小型および/または平型でもよい。本発明による懸垂方式では、ロープの速度がエレベータの速度に比べて速いことが多いため、単純な型の機械装置をも基本的な機械装置方式として用いることができる。エレベータシャフトは、有利には、トラクションシーブ5を駆動するモータへの電力供給に必要な機器と、エレベータ制御に必要な機器を備える。これらは両方とも共通の計器盤6に設置してよく、あるいは互いに別々に設置してもよく、あるいは部分的もしくは全体的に駆動機械4に統合されてもよい。好ましい方式は、永久磁石モータを有するギアレス式の機械である。駆動機械は、エレベータシャフトの壁、天井、ガイドレールまたは梁やフレームなどのその他の構体に固定してもよい。機械装置が下方に設けられるエレベータの場合さらに、エレベータシャフトの底部に機械装置を設置するという可能性がある。図1は好適な懸垂方式を示し、ここでは、エレベータカー上部の転向プーリおよびエレベータカー下部の転向プーリの懸垂比は、どちらも7:1である。実際にこの比率を具体化すると、それは巻上ロープの走行距離とエレベータカーの走行距離との比率を意味する。エレベータカー1の上部の懸垂機構は、転向プーリ14、13、12、11、10および9で構成され、エレベータカー1の下部の懸垂機構は、転向プーリ23、22、21、20、19、18および8で構成される。また、その他の懸垂方式を使用して本発明を構成してもよい。また本発明のエレベータは、機械室を有する方式として実施されてもよいし、または機械をエレベータと連動するように搭載してもよい。
図1において、点17を軸にエレベータカー1上を回転し、また補償装置の役割を果たすレバー15の機能は、ロープ張力および/またはロープ伸長を均等化および/または補償し、および/または第1ロープ張力と第2ロープ張力との比率(T1/T2)を実質的に一定にすることである。エレベータの駆動および安全性のために、下部ロープ部分で十分な張力を維持することが極めて重要である。下部ロープ部分とは、エレベータカー下部にある巻上ロープの部分を指す。図1に示すレバー装置15を用いることによって、トラクションシーブ5に対してそれぞれ別方向に作用するロープ張力T1およびT2間の比率T1/T2を所望の定数値、たとえば2に保つことができるような方法で、ロープ引張を実行することが可能である。この一定に保たれる比率は、T1/T2=b/aであることから、距離aおよびbを変えることによって変更することが可能である。奇数の懸垂比がエレベータカーの懸垂に用いられる場合には、レバー15はエレベータカー上を回動し、偶数の懸垂比が用いられる場合には、レバー15はエレベータシャフト上を回動する。
図1は、本発明によるエレベータの過剰上昇を阻止および/または防ぐ装置を示す。ロープ張力T2が低下または消失すると、トラクションシーブと巻上ロープとの間の摩擦が失われ、その結果エレベータカー1の巻き上げが不可能になる。図1では、補償装置として用いられるレバー15に接触するストッパー部材25が、エレベータシャフトにおける点26に固定され、このストッパー部材によって所望の上空空間がエレベータカーとエレベータシャフトの天井との間に確保され、エレベータカーがエレベータシャフト内の所望の位置を越えて上昇するのを阻止することが可能になる。エレベータカー1が上昇して、エレベータカーの動きが阻止されるはずの地点を越えた場合、エレベータの補償装置として用いられるレバー15がストッパー部材25に接触して、レバー15は下向きに変わる。これによってエレベータカー1下部のロープ部分が緩み、その結果、ロープ張力T2が消失し、第1および第2ロープ張力の比T1/T2が大きくなる。そのため、エレベータカー1の動きが停止する。ストッパー部材25に加え、本発明のエレベータには第2のストッパー部材を設けることも可能であり、これをエレベータシャフト内に固定して、たとえば保守作業中に、エレベータカー上部に十分な安全空間を保証するために使用できる。第2ストッパー部材は安全な位置に、すなわち、手動もしくは電動で補償装置15に接触する位置に配設することが可能であり、たとえばカー頂部に設けられたサービスボックスによって作動する位置に配設することが可能である。整備員がカー頂部を離れ、保守作業が終了すると、ストッパーは手動または電動で補償装置15と接触しない最終位置に戻る。第2ストッパー部材には、ストッパーが安全位置にあるときはエレベータの通常運転をできなくする安全スイッチを設けてもよい。
図2は、本発明による、カウンタウェイトのないトラクションシーブエレベータの概略図を示し、エレベータカーは、エレベータシャフト内を上昇しすぎないように抑制される。図示されたエレベータは、図1と同様のエレベータであるが、図2のエレベータは懸垂比が8:1であり、違う補償装置224を備えている点で図1のエレベータと異なる。本エレベータはカウンタウェイトのないトラクションシーブエレベータであり、エレベータカー1はガイドレール202に沿って動く。巻上高が大きいエレベータでは、巻上ロープの伸長を補償する必要があり、補償は一定の許容制限値内で確実に行わなければならない。エレベータの運転および安全性にとっては、エレベータカー下部のロープ部分に十分な張りを保つことがきわめて重要である。図2に示すロープ張力補償装置224では、非常に長い動作がロープ伸長の補償により達成される。これはより大きな伸長の補償を可能にする。図2に示す本発明による補償装置224は、トラクションシーブに作用するロープ張力T1とT2との間に一定の比T1/T2をもたらす。図2に示す例では、そのT1/T2比は2/1である。エレベータカーの上部および下部の懸垂比が偶数の場合、補償装置224は、エレベータカーと連結されずに、エレベータシャフトまたはそれに相当する他の適切な場所に取り付けられる。エレベータカーの上部および下部の懸垂比が奇数の場合は、補償装置224はエレベータカー1に連結される。
図1において、巻上ロープは次のように走行する。巻上ロープ3の一端は、転向プーリ216から下降してくるロープ部分に吊り下がるように取り付けられた転向プーリ225に、固定されている。転向プーリ216および225は、巻上ロープの他端を固定する固定点226と共に、ロープ張力を均等にする装置224を構成する。この補償装置224は、エレベータシャフトの所定の位置に取り付けられる。転向プーリ225から、巻上ロープ203は上昇して、エレベータカー上方のエレベータシャフトに、好ましくはエレベータシャフトの上部に設けられた転向プーリ216に接し、転向プーリ216に設けられた綱溝に沿ってそこを通過する。転向プーリ216から、さらにロープはエレベータカーの所定の位置に取り付けられた転向プーリ215に向けて下降する。このプーリを通過するとロープは、エレベータシャフト上部の所定の位置に取り付けられた転向プーリ214へ向けて上昇する。転向プーリ214を通過すると、ロープはエレベータカーの所定の位置に取り付けられた転向プーリ213へ向けて再び下降し、そこを通過すると、エレベータシャフト上部の所定の位置に取り付けられた転向プーリ212に向かって上昇する。このプーリを通過すると巻上ロープ203は、エレベータカーの所定の位置に取り付けられた転向プーリ211へ下降する。このプーリ211を通過すると、巻上ロープはさらに、エレベータシャフト上部の所定の位置に取り付けられた転向プーリ210に向けて上昇する。そこを通過すると、巻上ロープ203はさらにエレベータカーの所定の位置に取り付けられた転向プーリ209へ下降する。このプーリを通過するとロープは上昇して転向プーリ207に接線方向から接触し、トラクションシーブ205へと向かう。転向プーリ207は、好ましくは巻上機204の近傍に、および/または巻上機と連結するように取り付けられる。転向プーリ207と巻上機204のトラクションシーブ205との間には、図2では図1と同様にダブルラップ(DW)ローピングが示されている。転向プーリ216、214、213、212、211、210、209、207は、巻上機204のトラクションシーブ205と共にエレベータカー上部の懸垂部を形成し、その懸垂比はエレベータカー下部の懸垂部と同じであって、図2では8:1である。トラクションシーブからエレベータカー上部の懸垂方向へ走行するロープ部分は、第1ロープ張力(T1)の作用を受ける。トラクションシーブ205からロープは、転向プーリ207に接線方向から接触し、さらに転向プーリ208へ向かう。このプーリは、エレベータシャフト下部の所定の位置に取り付けられるのが好ましい。転向プーリ208を通過すると、ロープ203はエレベータカーの所定の位置に取り付けられた転向プーリ218へ上昇し、この転向プーリ218を通過すると、ロープはエレベータシャフト下部に設けられた転向プーリ219に向かって下降し、このプーリを通過すると、エレベータカーの所定の位置に取り付けられた転向プーリ220へ向かって上方に戻る。転向プーリ220を通過すると、巻上ロープ203はエレベータシャフト下部の所定の位置に取り付けられた転向プーリ221へ向けてさらに下降し、そこを通過するとエレベータカーに設けられた転向プーリ222に向かって上昇する。転向プーリ222を通過すると巻上ロープ203は、エレベータシャフト下部の所定の位置に取り付けられた転向プーリ223へ向けて下降し、そこを通過するとエレベータカーに設けられた転向プーリ228へ向けて上昇する。転向プーリ228を通過すると巻上ロープ203は、エレベータシャフト下部の所定の位置に取り付けられた転向プーリ227に向かって下降する。そこを通過すると、巻上ロープは補償装置における転向プーリ225に向かって上昇し、そこを通過すると、このロープの他端が固定される固定点226へ向かう。固定点は、エレベータシャフトにおける適切な場所に設けられている。転向プーリ208、218、219、220、221、222、223、228、227は、懸垂部を形成し、エレベータカー下部におけるロープ部分を構成する。このロープ部分は、第2ロープ張力(T2)の作用を受ける。
図2に示されるエレベータは、ロープ張力および/またはロープ伸長を均等化および/または補償し、および/または第1ロープ張力と第2ロープ張力との比(T1/T2)を実質的に一定にする補償装置を含み、この補償装置は転向プーリ225が動くことで稼動する。転向プーリ225が限られた距離間を動くことによって、巻上ロープ203の伸長が補償される。またこの装置によって、トラクションシーブ205にかかるロープ張力が一定のレベルに維持され、その結果図2におけるロープ張力間の比率T1/T2は約2/1である。なお補償装置224は例示以外の方法でも構築でき、たとえばより複雑な懸垂機構にすると共に、補償装置により多くの転向プーリを使用して、補償装置の転向プーリ間でさまざまな懸垂比を提供することも可能である。図2に示すカウンタウェイトのないエレベータでは、エレベータがシャフトの天井まで走行するのを防止して、カー頂部で作業を行うこともある設置作業員のけがを未然に防ぎ、またエレベータの損傷を防ぐ必要がある。従来の緩衝装置を使用する場合は、大型で費用のかかる方式および構造体が必要となる可能性がある。図2に示すような、エレベータが天井まで走行するのを防止する本発明の機構は、できるだけ機械装置24の近傍に都合よく設置されるため、巻上ロープ203の伸長による遅延を可能な限り少なくでき、停止距離も極力短くできる。またこの配置は、巻上ロープに対する保磁力を最小限に抑えられるために好ましい。エレベータカー21が上昇して最終的に停止しなければならない領域に到達すると、ロープに作用する把持部材229が巻上ロープ203を把持してロープの動きを止める。把持部材229は、エレベータカーに取り付けられた安全装置230、好ましくは緩衝装置が当たると閉じられ、するとすぐにロープの動きが停止する。このとき、補償装置224は作動しなくなる。また、トラクションシーブが第2ロープ張力T2側の巻上ロープ部分にロープを送り続けるため、ロープを把持する把持部材が作用して、ロープの内部剛性によってエレベータカー部のロープ部分における第2ロープ張力T2が大幅に削減され、トラクションシーブと巻上ロープとの間の摩擦力が消失してトラクションシーブが空転し始め、同時にエレベータカーの動きが停止する。図2に示す把持部材229は、カーが下方向に動き始めるとロープ、および保障装置224を解除するよう形成され、それによってエレベータが再び正常に動作する。把持部材229の構造については、たとえばエレベータカーの緩衝装置230に接する第1部分を含む機構でよく、この第1部分は、緩衝装置に接触すると、把持部材の第1部分と軸連結する第2部分を押圧する。この結果、一連の巻上ロープは把持部材の第1部分と第2部分の間に挟まれてその動きが阻止され、同時に、エレベータカー下部のロープ部分が即座に緩められる。把持部材は、たとえばエレベータシャフトの適当な位置に設けることが望ましい。
図3は、図2と同様のエレベータを示しているが、図3におけるエレベータでは、懸垂比が6:1である点で図2と異なっている。図3は、図2で述べた補償装置に相当する補償装置を示し、巻上ロープの経路は図2と同様である。図3では、エレベータカーの動きを抑制および/または休止するために用いる装置が図2と異なり、またその装置が作用する場所が図2と異なる。図3に示すカウンタウェイトのないエレベータでは、把持部材333によって、エレベータが天井まで走行するのが防止される。この部材は、補償装置324の近傍の巻上ロープ部分に、好ましくはエレベータシャフト上部に設けられた転向プーリ314に作用する。巻上ロープはこの転向プーリを通過した後、補償装置の転向プーリ325へ向かう。エレベータカー1が上昇して最終的に停止しなければならない区域に到達すると、把持部材333がロープの動きを止める。把持部材は、他端が補償装置324の転向プーリ325に連結しているロープを止める。把持部材333がロープを把持すると、補償装置324が作動しなくなり、その結果トラクションシーブにかかる第1ロープ張力T1が増大し、かつ第2ロープ張力T2が減少する。その結果、エレベータカー下部の巻上ロープ部分が即座に緩み、機械装置304における機械装置304とトラクションシーブ305との間に要する摩擦力が消失し、トラクションシーブ305が空転し始める。把持部材333は好ましくは自動的に作動し、エレベータカー301が下方向に動くように設定されると、把持部材333はロープを開放し、エレベータの補償装置が再び正常に機能する。図3において、把持部材333は、エレベータシャフトの天井に設けられ、エレベータカーに設置されたストッパー330と、好ましくは緩衝装置と接触するように設けられた第1部分334を含んでいるとよい。第1部分はエレベータカーの衝突の制動力を制限する機器327を備えていてもよいし、この装置を把持部材333のブレーキ速度に作用するように利用してもよい。またこの機器が第2制動バネ332を備えていてもよく、このバネを、把持部材333のブレーキ動作速度に作用するように利用してもよいし、把持部材が作動した後でエレベータが下方向に動く際に、把持部材の開放動作に作用するように利用してもよい。また把持部材は第2部分331を含み、この第2部分に対して第1部分が可動に取り付けられる。第1部分はまた、中間梁を備え、この梁に転向プーリ314が取り付けられる。エレベータの緩衝装置330が把持部材333の第1部分に接触した場合には、第1部分の動作によって転向プーリ314を動かすことができ、転向プーリ314が巻上ロープを把持部材の第2部分331に押し付け、その結果、ロープの動作が阻止されてエレベータの動作が上述したように停止する。
本発明のエレベータの好適な実施例は、機械室がなく、機械装置を上方に有するエレベータであり、その運転機械装置はコーティングされたトラクションシーブを有する。またこのエレベータは実質的に円形断面の細くて丈夫な巻上ロープを有する。巻上ロープとエレベータのトラクションシーブとの接触角は180oより大きく、この接触角は、トラクションシーブおよび転向プーリを有する運転機械装置において、DWローピング方式を用いることで実現される。この運転機械装置では、トラクションシーブおよび転向プーリは、互いに対して的確な角度であらかじめ取り付けられている。運転機械装置は、エレベータガイドレールの適所に設置される。このエレベータは、エレベータカー上部の懸垂比とエレベータカー下部の懸垂比がともに8:1になるように、またロープがエレベータカーにおける壁の一つとエレベータシャフトの壁との間を走行するように、カウンタウェイトがなく、8:1の懸垂比で構築されている。本エレベータは、ロープ張力の比T1/T2を実質的に2:1に維持する補償装置を有する。エレベータの補償装置は、巻上ロープの抑制されていない緩み、および/または補償装置の無制御な作動を防止する少なくとも1つのロープ緩み防止装置を含み、このロープ緩み防止装置は、好ましくは緩衝装置である。エレベータの作動は、第2ロープ張力(T2)に対する第1ロープ張力(T1)の比率を高めることで休止および/または抑制され、それによって、トラクションシーブと巻上ロープの間の摩擦が除去される。
当業者にとっては明らかな事項であるが、本発明の様々な実施例は、上述の例に限定されるものではなく、特許請求の範囲において改変可能である。たとえば、巻上ロープがエレベータシャフト上部の転向プーリとエレベータカー上の転向プーリとの間、およびエレベータシャフト下部の転向プーリとエレベータカー上の転向プーリとの間を通過する回数を変更してもよく、それによって所望の懸垂比がエレベータカー上下に実現可能になる。一般に実施例は、ロープがエレベータカーに対する上下方向とも同じ回数だけ走行してエレベータカー上部の懸垂比とエレベータカー下部の懸垂比とが等しくなるように実施すべきである。上述の実施例によれば、当業者は本発明の実施例を改変可能であり、トラクションシーブおよび転向プーリは、コーティングされた金属プーリではなく、コーティングされていない金属プーリ、または本発明の目的に適した他の材料で作られたコーティングされていないプーリにしてもよい。
また、本発明で転向プーリとして用いる金属製のトラクションシーブおよび綱車は、少なくともそれらの溝の領域が非金属材料でコーティングされたものであり、コーティング材料として、たとえばゴム、ポリウレタン、または本発明の目的に適した他の材料を使用して実施してよいことは当業者にとって明らかである。
本発明のエレベータには、任意の可撓性巻上手段を巻上ロープとして用いてよいことは当業者にとって明らかである。たとえば、1本以上のストランドで構成された可撓性ロープ、平坦なベルト、歯車のついたベルト、台形のベルト、または本発明の目的に適した他のタイプのベルトを用いてもよい。また次のことも当業者にとっては明らかである。すなわち、充填材が設けられたロープを用いる代わりに、充填材のないロープによって本発明を実施してもよい。ロープには潤滑剤を与えても与えなくてもよい。また、ロープを多くの様々な方法でねじってよいことも当業者にとっては明らかである。
また本発明によるエレベータは、トラクションシーブと1つの転向プーリ/複数の転向プーリとの間で、様々なローピング方式を用いて、実施例で説明したローピング方式よりも、トラクションシーブと転向プーリとの接触角αを増大させてもよいことは当業者にとって明らかである。たとえば、実施例で説明したローピング方式とは別の方法で、転向プーリ、トラクションシーブおよび巻上ロープを配置することが可能である。また、本発明のエレベータにカウンタウェイトを設置してもよいことは当業者にとっては明らかである。そのようなエレベータでは、たとえばカウンタウェイトをカーより軽量にして、別のロープで懸垂するのが好ましく、エレベータカーは、一部分が巻上ロープに、そして別の一部分がカウンタウェイトおよびそのローピング方式によって支持される。
本発明による、カウンタウェイトのないトラクションシーブエレベータの概略図を示す。 本発明による、カウンタウェイトのない第2のトラクションシーブエレベータの概略図を示す。 本発明による、カウンタウェイトのない第3のトラクションシーブエレベータの概略図を示す。

Claims (12)

  1. エレベータカーが1本のロープまたは複数本の平行するロープで構成される一連の巻上ロープに懸垂され、該巻上ロープで該エレベータカーを動かすトラクションシーブ、および前記エレベータカーから上下方向に走行する巻上ロープのロープ部分を含み、該トラクションシーブから該エレベータカー上部のロープ部分へ走行する前記ロープ部分は、第1ロープ張力の作用を受け、該トラクションシーブからエレベータカー下部のロープ部分へ走行する前記ロープ部分は、第2ロープ張力の作用を受け、該ロープ張力および/もしくはロープ伸長を均等化および/もしくは補償し、ならびに/または第1ロープ張力と第2ロープ張力とのを実質的に一定にする補償装置を含むエレベータにおいて、該エレベータの動作は、第2ロープ張力に対する第1ロープ張力のを高めることで抑制および/または休止されることを特徴とするエレベータ。
  2. 請求項1に記載のエレベータにおいて、該エレベータの動作は、前記補償装置の作用によって休止および/または抑制されることを特徴とするエレベータ。
  3. 請求項1または2に記載のエレベータにおいて、該エレベータの動作は、少なくとも1つの把持部材による前記ロープへの作用によって休止および/または抑制されることを特徴とするエレベータ。
  4. 請求項に記載のエレベータにおいて、前記ロープに作用する前記把持部材は前記エレベータカーの動作を抑制するために設けられていることを特徴とするエレベータ。
  5. 請求項3または4に記載のエレベータにおいて、前記把持部材がロープを把持した後に該エレベータが下降し始めると、該把持部材は前記巻上ロープへの作用を止めることを特徴とするエレベータ。
  6. 請求項ないし5のいずれかに記載のエレベータにおいて、前記把持部材は少なくとも、前記エレベータカーに設けられたストッパーと接触する第1部分と、第1部分が可動に軸固定される第2部分とを含み、第1部分の動きによって該部材は前記エレベータの巻上ロープを把持することを特徴とするエレベータ。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載のエレベータにおいて、該エレベータの補償装置は1つまたは複数の転向プーリを含むことを特徴とするエレベータ。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載のエレベータにおいて、前記エレベータカーに設けられてエレベータカー上部の懸垂率を増大させる転向プーリであって、巻上ロープがそこから上昇する転向プーリの数と、前記エレベータカーに設けられてエレベータカー下部の懸垂率を増大させる転向プーリであって、巻上ロープがそこから下降する転向プーリの数とは、いずれも、1、2、3、4、5個、またはそれよりも多いことを特徴とするエレベータ。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載のエレベータにおいて、該エレベータはカウンタウェイトがないエレベータであることを特徴とするエレベータ。
  10. 請求項1に記載のエレベータにおいて、該エレベータは機械室を有さないエレベータであることを特徴とするエレベータ。
  11. エレベータカーが1本のロープまたは複数本の平行するロープからなる一連の巻上ロープに少なくとも部分的に懸垂され、該巻上ロープで該エレベータカーを動かすトラクションシーブ、および前記エレベータカーから上下方向に走行する前記巻上ロープのロープ部分を含み、前記トラクションシーブから前記エレベータカー上部のロープ部分へ走行する前記ロープ部分は第1ロープ張力の作用を受け、前記トラクションシーブから前記エレベータカー下部のロープ部分へ走行する前記ロープ部分は第2ロープ張力の作用を受け、該ロープ張力および/もしくはロープ伸長を均等化および/もしくは補償し、ならびに/または第1ロープ張力と第2ロープ張力とのを実質的に一定にする補償装置を含むエレベータの動作を抑制および/または休止する方法において、該エレベータの動作は、第2ロープ張力に対する第1ロープ張力のを高めることで抑制および/または休止されることを特徴とする方法。
  12. エレベータにおけるエレベータカーの動きを抑制および/または休止する装置であって、該装置は、巻上ロープで前記エレベータカーを動かすトラクションシーブから前記エレベータカー上部へ走行する第1のロープ部分、前記トラクションシーブからエレベータカー下部へ走行する第2のロープ部分とに接し、第1のロープ部分は第1ロープ張力の作用を受け、第2のロープ部分は第2ロープ張力の作用を受け、前記装置は第2ロープ張力に対する第1ロープ張力の比を高めて前記エレベータカーの動きを抑制および/または休止することを特徴とする装置
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