JP5136655B2 - 潤滑油供給装置 - Google Patents

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Description

本発明は、潤滑油供給装置に関する。
従来、動力伝達装置において、駆動輪の回転と連動して回転する回転部材の回転によって鉛直方向上側のオイル受け部に潤滑油を送る技術が知られている。例えば、特許文献1には、回転部材により掻き上げられたオイルを、オイル受け部に供給するオイル供給装置において、掻き上げられたオイルの移動方向を回転部材の回転速度に応じて異なる方向に分岐させる分岐機構を備える技術が開示されている。
特開2003−336729号公報
しかしながら、回転部材の回転によって潤滑油を上方に送る場合、低車速時や、回転部材からオイル受け部までの高さが大きい場合などオイル受け部まで潤滑油が届かないことがある。これに対して、オイルポンプの追加あるいは強化により対応しようとすると、コストアップや引き摺りトルクの増加などの問題がある。
本発明の目的は、鉛直方向の上方に潤滑油を送る能力の向上を図ることができる潤滑油供給装置を提供することである。
本発明の潤滑油供給装置は、潤滑油を貯留する貯留部と、車両の駆動輪と接続され、前記駆動輪の回転と連動して回転して前記貯留部の潤滑油を送る回転部材と、前記回転部材よりも鉛直方向上方に配置されたオイル受け部とを有し、前記オイル受け部から被潤滑部に潤滑油が供給される動力伝達装置に設けられ、前記オイル受け部に潤滑油を供給する潤滑油供給装置であって、前記回転部材によって送られる潤滑油を前記オイル受け部に導く通路部材を備え、前記通路部材は、前記回転部材の周方向に沿って前記回転部材と対向して設けられ、前記回転部材との間に前記回転部材によって送られる潤滑油が流入する第一通路を形成する第一構成部と、前記第一通路内の潤滑油を前記オイル受け部に導く第二通路を形成する第二構成部と、を有し、前記第二通路は、前記第一通路における前記回転部材の回転方向に沿った潤滑油の流れ方向の下流側に形成された流出口よりも前記流れ方向の上流側において前記第一通路に接続されており、前記潤滑油供給装置は、更に、前記第一通路において潤滑油が前記第二通路との接続部から前記流出口へ向けて流れることを抑制する抑制構造を備えることを特徴とする。
上記潤滑油供給装置では、前記抑制構造として、前記接続部よりも前記流れ方向の下流側における前記回転部材と前記第一構成部との隙間が、前記接続部よりも前記流れ方向の上流側における前記回転部材と前記第一構成部との隙間よりも小さいことが好ましい。
上記潤滑油供給装置では、前記接続部は、前記回転部材の外周面と対向する位置に形成されており、前記第一構成部は、前記回転部材の側面と対向する側壁部を有し、前記側壁部における前記回転部材の側面と対向する壁面には、前記接続部と対応する位置に段差部が形成されており、前記段差部よりも前記流れ方向の下流側における前記回転部材の側面と前記壁面との隙間は、前記段差部よりも前記流れ方向の上流側における前記回転部材の側面と前記壁面との隙間よりも小さく、前記段差部は、前記壁面に沿って流れる潤滑油を前記接続部に誘導する方向に延在していることが好ましい。
上記潤滑油供給装置では、前記接続部は、前記回転部材の外周面と対向する位置に形成されており、前記第二通路において、前記オイル受け部側が前記接続部側よりも前記流れ方向の下流側に位置していることが好ましい。
上記潤滑油供給装置では、前記第二構成部は、前記第二通路が内部に形成された筒状であることが好ましい。
上記潤滑油供給装置では、前記接続部は、前記回転部材の外周面と対向する位置に形成されており、前記回転部材の軸方向における前記第二通路の幅が、前記回転部材の軸方向における前記回転部材の外周面の幅と近似していることが好ましい。
上記潤滑油供給装置では、前記接続部は、前記回転部材の外周面と対向する位置に形成されており、前記回転部材は、はすば歯車であり、前記第二通路が、前記接続部から前記オイル受け部に向けて前記回転部材の軸方向における前記回転部材の回転方向前方の歯面が向く側に傾斜していることが好ましい。
上記潤滑油供給装置では、前記接続部は、前記回転部材の外周面と対向する位置に形成されており、前記第二構成部は、前記第二通路を挟んで前記回転部材の軸方向において互いに対向する内壁面を有し、前記互いに対向する内壁面のうち、前記回転部材の回転方向後方の歯面が向く側の内壁面には、他方の内壁面に向けて突出する突出部が形成されていることが好ましい。
上記潤滑油供給装置では、前記接続部は、前記回転部材の外周面と対向する位置に形成されており、前記第二通路に整流部材が配置されていることが好ましい。
上記潤滑油供給装置では、前記第二通路において、前記オイル受け部側の流路断面積が、前記接続部側の流路断面積よりも小さいことが好ましい。
上記潤滑油供給装置では、前記第二通路における前記接続部側から前記オイル受け部側へ向かう潤滑油の移動を許容し、かつ前記オイル受け部側から前記接続部側へ向かう潤滑油の移動を抑制する逆流抑制構造を備えることが好ましい。
上記潤滑油供給装置では、前記第二通路は、少なくとも前記回転部材の回転速度が低速度である場合に前記オイル受け部に向けて潤滑油が流れる低速用通路と、前記低速用通路よりも流路断面積が大きく、前記回転部材の回転速度が高速度である場合に前記オイル受け部に向けて潤滑油が流れる高速用通路とを有することが好ましい。
上記潤滑油供給装置では、前記第一通路および前記第二通路よりも前記回転部材の径方向外側において、前記動力伝達装置のケースの内周面と前記通路部材との間に、潤滑油が流通可能な第三通路が形成されており、前記回転部材の回転速度が高速度である場合に前記回転部材から離れた潤滑油が前記第三通路を通って前記オイル受け部に向けて移動することが好ましい。
上記潤滑油供給装置では、前記回転部材は、他の回転部材である所定回転部材と噛合っており、前記抑制構造として、前記流出口が、前記通路部材によって形成される油路によって、前記回転部材と前記所定回転部材との噛合い部と接続されていることが好ましい。
上記潤滑油供給装置では、前記第一通路の圧力に応じて前記第一通路の潤滑油を外部に逃がす機構、あるいは前記第二通路の圧力に応じて前記第二通路の潤滑油を外部に逃がす機構の少なくともいずれか一方を備えることが好ましい。
上記潤滑油供給装置では、前記流出口から流出する潤滑油を前記貯留部に導く流出口誘導部材を備えることが好ましい。
上記潤滑油供給装置では、前記第一構成部は、前記回転部材の外周面および両側面とそれぞれ対向していることが好ましい。
上記潤滑油供給装置では、前記通路部材が、前記回転部材に対して軸方向に相対移動可能に支持されていることが好ましい。
本発明の潤滑油供給装置は、潤滑油を貯留する貯留部と、車両の駆動輪と接続され、前記駆動輪の回転と連動して回転して前記貯留部の潤滑油を送る回転部材と、前記回転部材よりも鉛直方向上方に配置され、被潤滑部に潤滑油を供給するオイル受け部と、通路部材とを備え、前記通路部材は、前記回転部材の周方向に沿って前記回転部材と対向して設けられ、前記回転部材との間に前記回転部材によって送られる潤滑油が流入する第一通路を形成するものであって、前記第一通路には、前記第一通路における前記回転部材の回転方向に沿った潤滑油の流れ方向における他の部分よりも前記回転部材と前記通路部材との隙間が小さい部分が存在し、前記第一通路における前記隙間が小さい部分よりも前記流れ方向の上流側には、前記第一通路内の潤滑油を前記オイル受け部に導く第二通路が接続されていることを特徴とする。
本発明にかかる潤滑油供給装置は、第一通路において潤滑油が第二通路との接続部から流出口へ向けて流れることを抑制する抑制構造を備える。これにより、第一通路から第二通路へ流入し、オイル受け部へ向けて鉛直方向の上方に向かう潤滑油の流れが促進される。よって、本発明にかかる潤滑油供給装置によれば、鉛直方向の上方に潤滑油を送る能力の向上を図ることができるという効果を奏する。
図1は、第1実施形態に係る動力伝達装置を示す正面図および断面図である。 図2は、実施形態の通路部材を示す斜視図である。 図3は、第2実施形態に係る動力伝達装置を示す正面図および断面図である。 図4は、第3実施形態に係る動力伝達装置を示す正面図である。 図5は、第3実施形態に係る通路部材を示す正面図、側面図および断面図である。 図6は、第4実施形態に係る動力伝達装置を示す正面図および要部拡大図である。 図7は、誘導部材を示す斜視図である。 図8は、誘導部材を備えない潤滑油供給装置の一例を示す図である。 図9は、第5実施形態に係る動力伝達装置を示す側面図である。 図10は、第二通路において発生する渦について説明するための図である。 図11は、第6実施形態に係る動力伝達装置を示す側面図である。 図12は、第7実施形態に係る動力伝達装置を示す側面図である。 図13は、第8実施形態に係る動力伝達装置を示す正面図および側面図である。 図14は、第9実施形態に係る動力伝達装置を示す正面図である。 図15は、第10実施形態にかかる潤滑油供給装置の通路部材を示す正面図である。 図16は、変形例に係る通路部材を示す正面図である。 図17は、第11実施形態に係る潤滑油供給装置の通路部材を示す正面図である。 図18は、整流装置を示す斜視図である。 図19は、第12実施形態に係る潤滑油供給装置の通路部材を示す正面図、側面図および斜視図である。 図20は、低車速時における潤滑油の流れを示す図である。 図21は、高車速時における潤滑油の流れを示す図である。 図22は、変形例にかかる通路部材を示す正面図である。 図23は、第13実施形態に係る動力伝達装置を示す正面図である。 図24は、第14実施形態に係る動力伝達装置を示す正面図である。 図25は、第14実施形態に係る潤滑油供給装置の要部を示す拡大図である。 図26は、第15実施形態に係る動力伝達装置を示す正面図および断面図である。 図27は、変形例にかかる動力伝達装置を示す正面図である。 図28は、第16実施形態に係る動力伝達装置を示す正面図である。 図29は、第17実施形態に係る動力伝達装置を示す正面図である。 図30は、低速走行時における潤滑油の流れを示す図である。 図31は、高速走行時における潤滑油の流れを示す図である。 図32は、第18実施形態に係る通路部材の支持方法を示す図である。 図33は、通路部材の動作を示す図である。 図34は、通路部材の固定方法の一例を示す図である。 図35は、潤滑油供給装置の構成例を示す図である。
以下に、本発明にかかる潤滑油供給装置の一実施形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る動力伝達装置を示す正面図および断面図、図2は、実施形態の通路部材を示す斜視図である。
本実施形態の潤滑油供給装置は、オイル受け部に潤滑油を供給するものであって、デフリングギア(ファイナルリングギア)にダクト状のケース(後述する通路部材)を備えることで、通路部材およびデフリングギアによるポンプ効果によって、従来のデフ掻き揚げ構造では届かなかった場所に潤滑油を誘導する。これにより、オイルポンプの低コスト化や引き摺りトルクの低減が図られる。
図1において、符号1は、ハイブリッド車両(図示せず)の動力伝達装置を示す。また、符号1−1は、本実施形態の潤滑油供給装置を示す。動力伝達装置1は、ケース2を有する。ケース2内には、カウンタドライブギア3、カウンタドリブンギア4、ドライブピニオンギア5、MG2リダクションギア6、デフリングギア(回転部材)7、オイル受け部8、貯留部9、通路部材10が設けられている。カウンタドライブギア3は、カウンタドリブンギア4よりも車両前後方向の前側に、MG2リダクションギア6およびデフリングギア7は、カウンタドリブンギア4よりも車両前後方向の後側に配置されている。
カウンタドライブギア3は、図示しないエンジンの出力軸および第1のモータジェネレータ(MG1)の回転軸と遊星歯車機構を介して接続されており、エンジンの出力は、カウンタドライブギア3およびMG1に分割して入力される。カウンタドリブンギア4およびドライブピニオンギア5は、同軸上に配置され、かつ一体に回転する。カウンタドリブンギア4は、カウンタドライブギア3と噛合っている。MG2リダクションギア6は、第2のモータジェネレータ(MG2)20のロータ21の回転軸22に連結されており、ロータ21と一体に回転する。MG2リダクションギア6は、カウンタドリブンギア4と噛合っている。MG2リダクションギア6は、カウンタドリブンギア4よりも小径であり、MG2(20)の出力は、MG2リダクションギア6からカウンタドリブンギア4に増幅して伝達される。
ドライブピニオンギア5は、デフリングギア7と噛合っており、カウンタドリブンギア4に入力されたエンジンの出力トルクおよびMG2(20)の出力トルクは、ドライブピニオンギア5を介してデフリングギア7に伝達される。デフリングギア7は、差動機構23を介して図示しない駆動輪と接続されており、駆動輪の回転と連動して回転する。矢印Y1は、車両の前進時におけるデフリングギア7の回転方向を示す。MG2リダクションギア6は、デフリングギア7の鉛直方向上方に配置されている。
ケース2内における鉛直方向の下部には、潤滑油(例えば、ATF)を貯留する貯留部9が形成されている。デフリングギア7は、ケース2内の下部に配置されており、貯留部9に潤滑油が貯留された場合に、その貯留された潤滑油にデフリングギア7の一部が浸かる。ケース2内におけるデフリングギア7よりも鉛直方向上方には、オイル受け部8が設けられている。オイル受け部8は、潤滑油を貯留可能に構成されており、オイル受け部8内の潤滑油は、動力伝達装置1の被潤滑部に供給される。オイル受け部8は、ケース2の内壁面から突出するリブ8aによってケース2内の下方の空間と仕切られている。オイル受け部8の潤滑油は、供給孔8bを介してMG2(20)に、供給孔8cを介してMG1にそれぞれ供給されてMG1およびMG2(20)を潤滑・冷却する。なお、オイル受け部8の潤滑油は、動力伝達装置1の他の被潤滑部に供給されてもよい。
デフリングギア7は、駆動輪の回転と連動して回転して貯留部9の潤滑油を送る。従来、デフリングギア7等の回転部材によって、貯留部の潤滑油を鉛直方向上方のオイル受け部等の供給先に掻き揚げる技術が知られているが、このような掻き上げ方式では、下記のような状況において供給先に潤滑油が届かなかったり、十分な量が供給されなかったりする問題があった。
(a)低車速度時(デフリングギアの回転数が少ないため)。
(b)供給先がデフ軸からみて高い(高さに対して潤滑油の勢いが足りないため)。
(c)供給先がデフリングギアよりも車両後方にある(潤滑油の飛び出し方向を目標に向けるのが難しいため)。
(d)車両が坂を上っている時(デフリングギア周囲の潤滑油が増え、飛び出す潤滑油の勢いがなくなるため)。
本実施形態の潤滑油供給装置1−1は、デフリングギア7によって送られる潤滑油をオイル受け部8に導く通路部材10を備えている。これにより、低車速度時や、オイル受け部8がデフリングギア7の回転軸から見て高い位置にある場合であっても、オイル受け部8に潤滑油を供給することができる。
通路部材10は、第一構成部11および第二構成部12を有する。第一構成部11は、デフリングギア7の周方向に沿ってデフリングギア7と対向して設けられ、デフリングギア7との間にデフリングギア7によって送られる潤滑油が流入する通路である第一通路13を形成する。第一構成部11は、デフリングギア7を軸方向に挟んで互いに対向する一対の側壁部11aと、デフリングギア7の外周面7aと径方向に対向し、外周面7aに対応する形状に形成された曲面部11bとを有する。曲面部11bは、デフリングギア7と同心上に配置されており、曲面部11bと外周面7aとの隙間の大きさは、周方向において一様である。側壁部11a,11aにおける径方向の外側端部は、曲面部11bによって互いに接続されている。つまり、第一構成部11は、デフリングギア7の両側面および外周面7aとそれぞれ対向しており、第一構成部11とデフリングギア7との間には、潤滑油の通路としての第一通路13が形成されている。
デフリングギア7の周方向における第一構成部11の設置領域は、デフリングギア7の半周よりもわずかに少ない領域であって、かつデフリングギア7の回転方向前方の歯面が鉛直方向の上側を向く領域とされている。言い換えると、デフリングギア7に対して第一通路13が形成される周方向の範囲は、デフリングギア7の回転によって潤滑油が鉛直方向上側に送られる範囲に対応している。これにより、第一通路13における潤滑油の流入口13aは、第一通路13の鉛直方向下端に位置し、デフリングギア7の回転方向に沿った潤滑油の流れ方向の下流側に形成された流出口13bは、第一通路13の鉛直方向上端に位置している。流入口13aにおいて、曲面部11bの外周面はケース2の底面に接しており、デフリングギア7の回転によって送られる潤滑油は、流入口13aから第一通路13に流入する。
第二構成部12は、第一通路13と接続されて第一通路13内の潤滑油をオイル受け部8に導く第二通路14を形成している。第二通路14は、第一通路13におけるデフリングギア7の回転方向に沿った潤滑油の流れ方向の流出口13bよりも上流側において第一通路13に接続されている。以下の説明では、第一通路13におけるデフリングギア7の回転方向(Y1)に沿った潤滑油の流れ方向の上流側および下流側を単に「第一通路13の上流側」および「第一通路13の下流側」と称する。第二通路14は、第一通路13に対して径方向の外側から接続されている。第一構成部11の曲面部11bには、開口部が形成されており、この開口部が、第一通路13と第二通路14との接続部13cであり、かつ第二通路14の流入口となっている。つまり、第二通路14の流入口である接続部13cは、デフリングギア7の外周面7aと径方向に対向している。
また、第二通路14は、第一通路13の上流側に向けて開口している。第二構成部12は、第二通路14が内部に形成された断面矩形の煙突状(筒状)に形成されており、接続部13cからオイル受け部8に向けて鉛直方向に延在している。第二構成部12が筒状とされ、第二通路14の両端以外が閉じていることで、第二通路14における潤滑油の移動方向が第二構成部12の軸方向のみに規制され、また油圧の抜けが抑制されることで、潤滑油を上方へ導く力が増加する。第二通路14の流路断面積は、第一通路13の流路断面積よりも大きい。第二通路14の下端は、接続部13cにおいて第一通路13に接続されており、上端はオイル受け部8の流入口81に向けて開口している。
デフリングギア7が回転すると、貯留部9の潤滑油は、デフリングギア7に送られて流入口13aから第一通路13に流入する。デフリングギア7により、第一通路13に継続的に潤滑油が送り込まれることで、第一通路13内の油圧が上昇する。つまり、第一通路13は、デフリングギア7の周りの潤滑油を集めて潤滑油の圧力を高くするオイル集中部として機能する。第一通路13の油圧が上昇することで、第一通路13内の潤滑油は、第二通路14をオイル受け部8に向けて上昇する。つまり、デフリングギア7および通路部材10は、潤滑油の油圧を高めて潤滑油を上方に送り出すポンプとして機能する。また、第二通路14は、集中した潤滑油の進行方向をデフリングギア7の回転方向から鉛直方向上方へ導く誘導部として機能する。
油圧およびデフリングギア7の回転によって第一通路13内をデフリングギア7の回転方向に沿って流れる潤滑油は、第二通路14との接続部13cから流出口13bおよび第二通路14に向けてそれぞれ流れようとするが、本実施形態の潤滑油供給装置1−1は、第一通路13において接続部13cから流出口13bへ向けて潤滑油が流れることを抑制する抑制構造を備えている。この抑制構造とは、第二通路14が、接続部13cから径方向の外側に向けて延在しており、遠心力を受ける潤滑油が第二通路14に向けて流れやすいこと、第二通路14において、オイル受け部8側が接続部13c側よりも第一通路13の下流側に位置しており、接線方向に沿って第一通路13から第二通路14に潤滑油が流れやすいこと、第二通路14の流路断面積が、第一通路13の流路断面積よりも大きいこと、接続部13cよりも流出口13bが鉛直方向の上側に位置していることなどである。本実施形態の抑制構造は、通路部材10とデフリングギア7を含んで構成される。接続部13cがデフリングギア7の外周面7aと対向する位置に形成されており、第二通路14が接続部13cから径方向の外側に向けて延在していることにより、デフリングギア7の回転の勢いにより第二通路14に送り込まれる潤滑油は、その勢いによって、第二通路14を上方に移動していくことができる。
このように、本実施形態の潤滑油供給装置1−1では、デフリングギア7の回転力によるエネルギー(勢い)だけでなく、デフリングギア7と通路部材10によるポンプ効果をも利用して潤滑油がケース2内の上方に向けて送られる。また、接続部13cから流出口13bへ向けて潤滑油が流れることが抑制されており、第二通路14へ向かう潤滑油の流れが促進されることで、第二通路14を介してケース2内の上部まで潤滑油が送られる。よって、低車速度時や、オイル受け部8がデフリングギア7の回転軸から見て高い位置にある場合であっても、オイル受け部8に潤滑油を供給することができる。つまり、潤滑油供給装置1−1により、鉛直方向の上方に潤滑油を送る能力が向上する。潤滑油を飛散させることなく、第一通路13に集中させてからオイル受け部8に向けて上方に誘導することで、効率的に潤滑油をオイル受け部8に供給することができる。
また、潤滑油供給装置1−1では、ポンプ効果による油圧を利用するため、オイル受け部8の位置にかかわらず容易にオイル受け部8に向けて潤滑油を送ることができる。例えば、オイル受け部8の流入口81がデフリングギア7の中心軸線よりも車両後方側にあるような場合であっても、デフリングギア7の回転で潤滑油を飛ばす場合と異なり、容易にオイル受け部8に潤滑油を供給することができる。
なお、本実施形態では、潤滑油供給装置1−1が、ハイブリッド車両の動力伝達装置に設けられる場合を例に説明したが、これには限定されない。潤滑油供給装置1−1は、他の種類、例えばMT(手動変速機)の動力伝達装置に適用されてもよい。
本実施形態では、第一構成部11が、デフリングギア7の両側面および外周面7aのそれぞれと対向していたが、これには限定されず、デフリングギア7の少なくとも1つの面と対向していればよい。
また、本実施形態では、第二構成部12が煙突状(筒状)であったが、これには限定されず、潤滑油をオイル受け部8に導くことができる形状であればよい。
(第2実施形態)
図3を参照して、第2実施形態について説明する。第2実施形態については、上記実施形態で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。図3は、第2実施形態に係る動力伝達装置を示す正面図および断面図である。
第2実施形態の潤滑油供給装置1−2において、上記第1実施形態の潤滑油供給装置1−1と異なる点は、第一通路13において、流出口13b側におけるデフリングギア7と第一構成部15との径方向のクリアランスG2が、流入口13a側におけるデフリングギア7と第一構成部11との径方向のクリアランスG1よりも小さい点である。これにより、接続部13cから流出口13bへ向けて潤滑油が流れることを抑制する効果が高められる。
図3に示すように、本実施形態の潤滑油供給装置1−2の通路部材10は、上記第1実施形態と同様に、デフリングギア7との間に潤滑油の通路である第一通路13を形成する第一構成部15と、第二構成部12とを有する。第一構成部15は、上記第1実施形態の側壁部11aと同様の一対の側壁部15aと、デフリングギア7の外周面7aと径方向に対向し、外周面7aに対応する形状に形成された曲面部15bとを有する。第一通路13において、デフリングギア7と曲面部15bとの径方向のクリアランスは、周方向の位置によって異なっており、流入口13a側のクリアランスG1と比較して、流出口13b側のクリアランスG2が小さい。本実施形態では、接続部13cよりも流入口13a側と流出口13b側とで上記クリアランスが異なっており、接続部13cよりも第一通路13の下流側(流出口13b側)におけるクリアランスG2が、接続部13cよりも第一通路13の上流側(流入口13a側)におけるクリアランスG1よりも小さい。
このように、流出口13b側のクリアランスG2が流入口13a側のクリアランスG1よりも小さいことで、流入口13a側の第一通路13では、大きなクリアランスG1があることで、デフリングギア7の回転により潤滑油を径方向に溜め込むことができる。一方、流出口13b側の第一通路13では、潤滑油が通り難くなり、接続部13cから流出口13bへ向けて潤滑油が流れることが抑制される。その結果、第一通路13の油圧が高まることでデフリングギア7と通路部材10によるポンプ効果が高まり、多くの潤滑油が第二通路14の上部まで送られる。つまり、本実施形態の潤滑油供給装置1−2によれば、鉛直方向の上方に潤滑油を送る能力が向上する。本実施形態の抑制構造は、第一構成部15とデフリングギア7を含んで構成される。
なお、接続部13cよりも第一通路13の下流側において、接続部13cの上流側よりもデフリングギア7と第一構成部15との隙間を小さくする範囲は、下流側の全範囲でなくてもよい。デフリングギア7の回転方向に沿った流れ方向の一部に他の部分よりも上記隙間が小さい部分を設け、第一通路13におけるこの隙間が小さい部分よりも流れ方向の上流側に第二通路14を接続するようにすれば、接続部13cから流出口13bへ向けて潤滑油が流れることが抑制される。
(第3実施形態)
図4および図5を参照して、第3実施形態について説明する。第3実施形態については、上記実施形態で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。図4は、第3実施形態に係る動力伝達装置を示す正面図、図5は、第3実施形態に係る通路部材を示す正面図、側面図および断面図である。
本実施形態の潤滑油供給装置1−3において、上記実施形態の潤滑油供給装置と異なる点は、デフリングギア7の側方を流れる潤滑油を径方向外側に導く誘導部17を備える点である。誘導部17により潤滑油が径方向外側に誘導され、第二通路14への潤滑油の流れが促進されることにより、より多くの潤滑油が第二通路14の上部に誘導され、オイル受け部8に供給される。
図4に示すように、本実施形態の潤滑油供給装置1−3の通路部材10は、上記実施形態と同様に、デフリングギア7との間に潤滑油の通路である第一通路13を形成する第一構成部16と、第二構成部12とを有する。第二構成部12については、上記各実施形態の第二構成部12と同様の構成とすることができる。第一構成部16の曲面部16bは、上記第1実施形態の曲面部11bや第2実施形態の曲面部15bと同様の構成とすることができる。接続部13cは、上記各実施形態と同様に、デフリングギア7の外周面7aと対向する位置に形成されている。
第一構成部16において、デフリングギア7を挟んで軸方向に互いに対向する一対の側壁部16aには、誘導部(段差部)17が設けられている。誘導部17は、側壁部16aにおける接続部13cと対応する位置(接続部13cの径方向内方)に設けられている。誘導部17において、一対の側壁部16aの互いに対向する面は、流入口13a側から流出口13b側へ向けて段階的に隙間Sが減少する階段形状に形成されている。これに対応して、側壁部16aには、第一通路13の上流側を向く誘導面17a,17b,17cが形成されている。
誘導面17a,17b,17cは、それぞれ径方向の外側へ向けて流出口13b側へ向かうように傾斜している。流入口13aから第一通路13に流入し、側壁部16aに沿って流れる潤滑油は、誘導面17a,17b,17cに誘導されて径方向外側に向けて流れる。誘導面17a,17b,17cは、それぞれ側壁部16aの壁面に沿って流れる潤滑油を接続部13cに誘導する方向に延在しており、誘導面17a,17b,17cに誘導される潤滑油は、接続部13cから第二通路14に流入する。つまり、側壁部16aとデフリングギア7との間を流れる潤滑油がそのまま流出口13bから流出してしまうことが抑制され、多くの潤滑油が第二通路14に流入する。誘導面17a,17b,17cにより第二通路14に誘導された潤滑油は、その流れの勢いにより、第二通路14をオイル受け部8へ向けて上昇する。このように、本実施形態によれば、潤滑油をオイル受け部8まで送るエネルギーとして、潤滑油の流れのエネルギーが有効に利用される。
一対の側壁部16aの軸方向の隙間Sは、誘導部17よりも流入口13a側と流出口13b側とで異なり、流入口13a側の隙間S1よりも流出口13b側の隙間S2が小さい。つまり、誘導部17よりも第一通路13の上流側におけるデフリングギア7の側面と側壁部16aとの隙間は、誘導部17よりも下流側におけるデフリングギア7の側面と側壁部16aとの隙間よりも大きい。また、誘導部17は、接続部13cと対応する位置に形成されている。これにより、接続部13cから流出口13bへ向けて潤滑油が流れることが抑制される。つまり、本実施形態の抑制構造は、第一構成部16とデフリングギア7を含んで構成される。なお、流出口13b側の隙間S2は、第二通路14の軸方向の幅と等しい。流出口13bへ向かう流れが抑制されることで、第一通路13内の圧力が上昇し、ポンプ効果が高まり、第二通路14を介してケース2内の上部に潤滑油が送られる。
このように、潤滑油供給装置1−3によれば、鉛直方向の上方に潤滑油を送る能力が向上する。なお、誘導部17は、隙間Sが不連続に(階段状に)減少する形状に代えて、第一通路13の上流側から下流側に向けて連続的に隙間Sが減少するテーパ形状とされてもよい。
(第4実施形態)
図6から図8を参照して、第4実施形態について説明する。第4実施形態については、上記実施形態で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。図6は、第4実施形態に係る動力伝達装置を示す正面図および要部拡大図、図7は、誘導部材を示す斜視図、図8は、誘導部材を備えない潤滑油供給装置の一例を示す図である。
本実施形態の潤滑油供給装置1−4において、上記実施形態の潤滑油供給装置と異なる点は、第一通路13と第二通路14との接続部13cに、周方向に流れる潤滑油を第二通路14へ導く誘導部材18を備える点である。誘導部材18により、第一通路13から第二通路14への潤滑油の流れをスムーズにすることができる。
図6に示すように、誘導部材18は、接続部13cに設けられている。誘導部材18は、第二構成部12における第一通路13の下流側の内壁面12aに設けられており、内壁面12aから第一通路13の上流側に向けて突出している。誘導部材18は、鉛直方向下側ほど第一通路13の上流側に突出している。このように、誘導部材18は、内壁面12aと比較して、第一通路13を流れる潤滑油の流れ方向となす角度が小さいため、誘導部材18が設けられない場合よりもスムーズに潤滑油を第一通路13から第二通路14に導くことができる。誘導部材18が設けられない場合、図8に示すように、第一通路13の上流側から下流側へ流れる潤滑油が内壁面12aに激しくぶつかり、デフリングギア7に向けて潤滑油が逆流してしまう。これに対して、本実施形態の潤滑油供給装置1−4によれば、図6に示すように、誘導部材18によってスムーズに潤滑油を第二通路14に導くことができる。また、図7に示すように、誘導部材18において、潤滑油を誘導する誘導面18aは、第一通路13の下流側に向けて凹んだ曲面であるため、スムーズに潤滑油の流れ方向を変えることができる。
誘導部材18の鉛直方向の下端には、板状部材19が設けられている。板状部材19は、板状の部材であって、デフリングギア7の周方向に延在し、デフリングギア7と径方向に対向している。板状部材19は、第一通路13の上流側に向けて突出しており、潤滑油を誘導部材18に導く。図7に示すように、板状部材19の先端部は、U字状の切欠部を有し、幅方向(デフリングギア7の軸方向)の両端部ほど第一通路13の上流側に突出している。このため、板状部材19によって誘導部材18に導かれる潤滑油は、板状部材19および誘導部材18の幅方向の中央部に集まる。よって、第一通路13から第二通路14へスムーズに潤滑油を流すことができる。よって、本実施形態の潤滑油供給装置1−4によれば、鉛直方向の上方に潤滑油を送る能力が向上する。
(第5実施形態)
図9および図10を参照して、第5実施形態について説明する。第5実施形態については、上記実施形態で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。図9は、第5実施形態に係る動力伝達装置を示す側面図、図10は、第二通路において発生する渦について説明するための図である。
本実施形態の潤滑油供給装置1−5において、上記実施形態の潤滑油供給装置と異なる点は、第二通路14における渦の発生を抑制する構造を有する点である。デフリングギア7がはすば歯車である場合、歯スジの向きにより、潤滑油は斜め方向に押し出される。つまり、デフリングギア7の回転により第二通路14に送り込まれる潤滑油の流れは、図9および図10に矢印Y2で示すように、軸方向の一方側に向かう。これにより、第二構成部12における軸方向に対向する内壁面12b,12cのうち一方の内壁面12bに沿って潤滑油が鉛直方向上方に流れるため、第二通路14内に渦が形成されてしまう。図10に示すように、一方の内壁面12bから他方の内壁面12cに向かう流れ(矢印Y3参照)が生じ、他方の内壁面12cに沿って潤滑油が鉛直方向下方に流れる(矢印Y4参照)ことで、第二通路14からデフリングギア7に向けて潤滑油が逆流してしまう。つまり、第二通路14においてオイル受け部8に向かう潤滑油の流れが第一通路13に向かう流れへと向きを変える渦が発生する。このような潤滑油の逆流は、図10に示すようにデフリングギア7の歯幅(外周面の幅)W1よりも第二通路14の軸方向の幅W3が広い場合に生じやすい。
本実施形態の潤滑油供給装置1−5では、図9に示すように、第二通路14の軸方向の幅W2は、デフリングギア7の歯幅W1と近似している。ここで、「幅が近似している」とは、第二通路14の幅W2が、デフリングギア7の歯幅W1と略同じ幅であることを示すものであり、例えば、第二通路14の軸方向の幅W2が、デフリングギア7の歯幅W1と同一とされる。これにより、第二通路14における渦の発生や潤滑油の逆流の発生が抑制される。第二通路14の軸方向の幅W2がデフリングギア7の歯幅W1に合わせられていることによって、潤滑油が第二通路14から鉛直方向下方に抜け難く、第二通路14において、一方の内壁面12bから他方の内壁面12cに向かう流れ(矢印Y5)の発生が抑制される。第二通路14における下方への潤滑油の抜けが抑制され、渦の発生が抑制されることで、第二通路14を介してオイル受け部8に効率よく潤滑油が供給される。つまり、本実施形態の潤滑油供給装置1−5によれば、鉛直方向の上方に潤滑油を送る能力が向上する。
(第6実施形態)
図11を参照して、第6実施形態について説明する。第6実施形態については、上記実施形態で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。図11は、第6実施形態に係る動力伝達装置を示す側面図である。
本実施形態の潤滑油供給装置1−6において、上記実施形態の潤滑油供給装置と異なる点は、第二通路14における渦の発生を抑制するように第二通路14が傾斜している点である。デフリングギア7によって送り出される潤滑油の飛び出し方向に第二通路14が傾斜している。これにより、第二通路14における潤滑油の渦の発生が抑制される。接続部13cは、デフリングギア7の外周面と対向する位置に形成されている。
図11に示すように、第二通路14において、少なくとも第一通路13との接続部13cの近傍の部分14a(以下、「第二通路14の傾斜部分14a」と記載する。)は、鉛直方向に対して、はすば歯車であるデフリングギア7によって送り出される潤滑油の流れ方向に傾斜している。この傾斜方向は、軸方向におけるデフリングギア7の回転方向前方の歯面が向く側(以下、単に「歯面前方側」と記載する)に対応しており、第二通路14の傾斜部分14aは、鉛直方向の上方に向けて歯面前方側に向かうように傾斜している。なお、回転方向前方の歯面とは、車両の前進時におけるデフリングギア7の回転方向前方の歯面のことである。
これにより、デフリングギア7によって第二通路14に送られる潤滑油が、第二通路14内において一方側の内壁面に偏って流れることが抑制される。よって、第二通路14内に渦が発生することが抑制され、鉛直方向の上方に潤滑油を送る能力が向上する。また、第二通路14において、傾斜部分14aよりも鉛直方向上方の部分14bは、軸方向には傾斜していない。これにより、第二通路14の総延長の増加が抑制されている。
(第7実施形態)
図12を参照して、第7実施形態について説明する。第7実施形態については、上記実施形態で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。図12は、第7実施形態に係る動力伝達装置を示す側面図である。
本実施形態の潤滑油供給装置1−7において、上記実施形態の潤滑油供給装置と異なる点は、第二通路14における渦の発生を抑制する突出部が設けられている点である。接続部13cは、デフリングギア7の外周面と対向する位置に形成されている。
図12に示すように、第二構成部12には、突出部24が設けられている。突出部24は、第二構成部12における鉛直方向の下部、言い換えると、接続部13cから鉛直方向上方に向けて所定範囲に配置されている。第二構成部12は、第二通路14を挟んで軸方向において互いに対向する内壁面12d,12eを有する。突出部24は、互いに対向する内壁面12d,12eのうち、デフリングギア7の回転方向後方の歯面が向く側(以下、「歯面後方側」と記載する)の内壁面12eに設けられている。突出部24は、板状に形成されており、第二構成部12における歯面前方側の内壁面12dと軸方向に対向している。突出部24は、歯面前方側の内壁面12dに向けて突出しており、突出部24と上記内壁面12dとの軸方向の隙間は、鉛直方向の下側においては一定の大きさであり、鉛直方向の上側においては、鉛直方向の上方に向けて隙間が拡大している。鉛直方向の下部における突出部24と歯面前方側の内壁面12dとの隙間W4は、デフリングギア7の歯幅W1よりも小さい。また、突出部24が設けられていない部分における第二通路14の軸方向の幅W5は、デフリングギア7の歯幅W1と等しい。
このように、突出部24によって第二通路14の鉛直方向下部における流路の軸方向の幅が小さくされることで、潤滑油が第二通路14から鉛直方向下方に抜け難くなる。これにより、第二通路14における渦の発生が抑制され、鉛直方向の上方に潤滑油を送る能力が向上する。なお、突出部24が設けられて、第二通路14の流入口の幅W4が、デフリングギア7の歯幅W1よりも小さくなっているが、突出部24は、歯面後方側の内壁面12eに設けられているため、デフリングギア7により第二通路14に送り込まれる潤滑油の流れに対して及ぼす影響は小さい。また、第二通路14における鉛直方向の上部では、突出部24が設けられていないことで、潤滑油の流路断面積を十分に確保することができる。
第二通路14において、突出部24の鉛直方向における設置位置は、例えば、渦の発生による潤滑油の供給効率の低下度合いに基づいて決定することができる。例えば、ある車速において渦の発生による潤滑油の供給効率の低下が著しい場合に、その車速において渦が発生しやすい位置に合わせて突出部24を設置するようにすればよい。
(第8実施形態)
図13を参照して、第8実施形態について説明する。第8実施形態については、上記実施形態で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。図13は、第8実施形態に係る動力伝達装置を示す正面図および側面図である。
本実施形態の潤滑油供給装置1−8において、上記実施形態の潤滑油供給装置と異なる点は、貯留部9の油面位置を高くする構成を有する点である。これにより、通路部材およびデフリングギア7によるオイル受け部8への潤滑油の供給効率が向上する。
図13に示すように、動力伝達装置1には、第一通路13の流出口13bから流出する潤滑油の飛散を規制する規制部材25が設けられている。規制部材25は、流出口13bと対向しており、流出口13bから流出する潤滑油は、規制部材25に当たって鉛直方向下方に落ちる。規制部材25が設けられていない場合、流出口13bから流出する潤滑油は、大量に空中に散布されて空中や各ギア等の被潤滑部に滞留してしまう。その結果、貯留部9の油面Fが低下してしまう。潤滑油供給装置1−8では、デフリングギア7の回転による勢いだけでなく、デフリングギア7および通路部材10によるポンプ効果も利用して潤滑油を鉛直方向上方へ送る。この場合、油面Fの位置が高いほど、潤滑油供給装置1−8によってより多くの潤滑油が上に上がるという性質がある。逆に、貯留部9の油面Fが低下すると、油面Fからオイル受け部8までの高低差が大きくなり、オイル受け部8への潤滑油の供給量が低下してしまう。
本実施形態では、規制部材25が設けられることで、貯留部9の油面Fの低下が抑制される。潤滑油の飛散を抑制する効果を高める観点からは、規制部材25が流出口13bの近傍に設けられることが好ましい。規制部材25における鉛直方向の下部には、デフリングギア7に潤滑油が落下することを抑制する通路部25aが設けられている。通路部25aは、軸方向に延在しており、流出口13bに向けて突出している。通路部25aは、規制部材25に当たって落下する潤滑油を受け止めて、潤滑油を軸方向に導き、デフリングギア7の側方に落下させる。これにより、潤滑油はデフリングギア7に落下することなく、貯留部9に流入することができる。つまり、規制部材25は、流出口13bから流出する潤滑油を貯留部9に導く流出口誘導部材である。また、規制部材25における軸方向の一方側の端部には、側壁部25bが設けられている。側壁部25bは、差動機構23側の端部に設けられ、鉛直方向に延在している。側壁部25bは、通路部25aと同様に流出口13bに向けて突出している。側壁部25bが設けられることで、規制部材25に当たった潤滑油が差動機構23側に流れることが抑制され、潤滑油が貯留部9に速やかに流入する。
また、本実施形態では、ケース2の形状は、貯留部9の油面Fを高い位置とすることができる形状とされている。ケース2において、デフリングギア7よりも車両前方側の底面2eは、デフリングギア7の下方の底面と比較して、鉛直方向の高い位置に形成されている。このようにケース2内の下部の無駄なスペースが排除されることで、デフリングギア7の周りに潤滑油を集中させることができる。また、底面2eは、車両前方から後方に向けて鉛直方向下側に向かうように傾斜している。これにより、底面2eに落下した潤滑油が貯留部9に向けて速やかに流入する。その結果、貯留部9の油面Fの低下が抑制されて油面Fが高い位置となり、潤滑油供給装置1−8によるオイル受け部8への潤滑油の供給量が増加し、鉛直方向の上方に潤滑油を送る能力が向上する。
なお、動力伝達装置1において、貯留部9の油面Fを調節する油面調節手段が設けられてもよい。油面調節手段により、車速や車両負荷、潤滑油の油温等の車両状態に応じて、オイル受け部8に潤滑油を送る効率が高くなる位置に油面Fの高さを調節するようにすればよい。
(第9実施形態)
図14を参照して、第9実施形態について説明する。第9実施形態については、上記実施形態で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。図14は、第9実施形態に係る動力伝達装置を示す正面図である。
本実施形態の潤滑油供給装置1−9において、上記実施形態の潤滑油供給装置と異なる点は、第二通路14が先細形状とされている点である。これにより、第二通路14内の潤滑油の流速は、鉛直方向上方の位置ほど速くなる。よって、低車速時であっても潤滑油がオイル受け部9へ供給可能であり、また、オイル受け部8がより高い位置に設けられても潤滑油を供給可能となる。
図14に示すように、本実施形態の潤滑油供給装置1−9では、第二通路14の車両前後方向の幅は、鉛直方向の上側と下側とで異なり、鉛直方向上側における第二通路14の幅W7は、鉛直方向下側における第二通路14の幅W6よりも小さい。第二通路14は、鉛直方向上側に向かうにつれて車両前後方向の幅が小さくなるテーパ形状に形成されている。第二通路14において、鉛直方向上側の幅W7が鉛直方向下側の幅W6よりも小さくされていることで、鉛直方向上側の位置における潤滑油の流速が、鉛直方向下側の位置における潤滑油の流速よりも大きくなる。鉛直方向下側から上側に向けて徐々に第二通路14が細くなり、潤滑油の流速が上がることで、低車速時であっても潤滑油がオイル受け部8に供給される。また、潤滑油供給装置1−9によって、ケース2内のより高い位置まで潤滑油を送ることができる。つまり、潤滑油供給装置1−9によれば、鉛直方向の上方に潤滑油を送る能力が向上する。
なお、本実施形態では、第二通路14における車両前後方向の幅が変化しているが、これに代えて、またはこれに加えて、第二通路14の軸方向の幅を鉛直方向の位置によって異ならせるようにしてもよい。つまり、第二通路14において、鉛直方向の上側(オイル受け部8側)の流路断面積が下側(接続部13c側)の流路断面積よりも小さくなっていればよい。なお、第二通路14の軸方向の幅を鉛直方向の位置によって異ならせることで第二通路14を先細とする場合、鉛直方向上側に向かうほど歯面後方側の壁面を歯面前方側の壁面に寄せるようにすれば、デフリングギア7により送られる潤滑油の勢いを有効に利用して潤滑油を上げることができる。また、本実施形態では、第二通路14の幅が徐々に変化しているが、これに代えて、鉛直方向下側から上側に向けて段階的に(不連続に)第二通路14の幅が変化するようにしてもよい。
(第10実施形態)
図15を参照して、第10実施形態について説明する。第10実施形態については、上記実施形態で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。図15は、第10実施形態にかかる潤滑油供給装置1−10の通路部材10を示す正面図である。
本実施形態の潤滑油供給装置1−10において、上記実施形態の潤滑油供給装置と異なる点は、第二通路14に潤滑油の逆流を規制するチェックボール式の逆止弁(逆流抑制構造)が設けられている点である。デフリングギア7が回転して潤滑油をオイル受け部8へ送る場合に、第二通路14内で潤滑油の脈動が発生する場合がある。逆止弁により、潤滑油の逆流が規制されることで、脈動が発生するようなデフリングギア7の回転数であっても、潤滑油をオイル受け部8まで送ることができる。
図10を参照して説明したように、第二通路14内において潤滑油の渦が発生することがある。より高い位置まで潤滑油を上げようとすると、潤滑油の重みで上がらなくなり、第二通路14内の下部(例えば、図15に符号14cで示す位置)において渦が発生する。この渦の発生により、第二通路14における渦の発生位置14cよりも上側の部分(以下、「脈動部」と記載する。)14dでは、潤滑油の脈動が起こる。本実施形態では、脈動部14dに逆止弁26が設けられることで、潤滑油の逆流および脈動の抑制が可能となる。
図15に示すように、第二通路14の脈動部14dには、二つの逆止弁26が設けられている。二つの逆止弁26は、鉛直方向の互いに異なる位置に配置されており、脈動部14dを開放あるいは閉塞する。逆止弁26は、チェックボール26aと、仕切部材26bとを有する。仕切部材26bは、第二通路14を鉛直方向の上側と下側とに仕切るものであり、第二構成部12の内壁面に接続されている。仕切部材26bには、仕切部材26bを鉛直方向に貫通する貫通孔26cが形成されている。貫通孔26cの直径は、チェックボール26aの直径よりも小さい。チェックボール26aは、仕切部材26bの上側に配置されており、第二通路14内を鉛直方向に移動することができる。
デフリングギア7が回転して第二通路14に潤滑油が送り込まれると、チェックボール26aに対して下方から油圧が作用し、重力に抗してチェックボール26aを上方に押し上げる。これにより、逆止弁26が開き、潤滑油が鉛直方向上側に流れる。つまり、逆止弁26は、第二通路14における接続部13c側からオイル受け部8側へ向かう潤滑油の移動を許容する。一方、脈動により潤滑油が鉛直方向下方に流れようとすると、チェックボール26aが貫通孔26cを閉塞し、逆止弁26が閉じるため、潤滑油は仕切部材26bの上側に溜る。つまり、逆止弁26は、オイル受け部8側から接続部13c側へ向かう潤滑油の移動を規制する。これにより、第二通路14内における潤滑油の逆流を規制し、鉛直方向上側に向かう潤滑油のエネルギーを効率的に利用して潤滑油をオイル受け部8に送ることができるため、鉛直方向の上方に潤滑油を送る能力が向上する。
なお、逆止弁26は、本実施形態のようにデフリングギア7の回転による勢いとポンプ効果の圧力とによって潤滑油が送られる通路に限らず、ポンプ効果の圧力を用いずにデフリングギア7の回転によって潤滑油が送られる通路に設けられても有効である。例えば、デフリングギア7の回転によって送られる潤滑油をオイル受け部8に導く筒状の通路においても、逆止弁26が設けられることで、潤滑油の逆流および脈動の抑制が可能となる。
(第10実施形態の変形例)
第10実施形態の変形例について説明する。図16は、本変形例に係る通路部材10を示す正面図である。本変形例の潤滑油供給装置1−101では、第二通路14の脈動部14dには、3つの逆止弁(逆流抑制構造)27が設けられている。各逆止弁27は、鉛直方向の互いに異なる位置に配置されている。逆止弁27は、弾性変形可能な弁体で構成されており、第二構成部12の内壁面に接続されている。逆止弁27は、第二通路14における径方向の中央に向けて鉛直方向上方に向かうように傾斜しており、鉛直方向下側に向けて逆流しようとする潤滑油を受け止めることができる。逆止弁27は、潤滑油を受け止めた場合など、上側から圧力(荷重)が作用すると弾性変形して第二通路14を閉塞する。また、逆止弁27は、鉛直方向下側から圧力が作用すると、第二通路14を開放する。これにより、逆止弁27によって、上記第10実施形態と同様に、第二通路14における潤滑油の逆流および脈動が抑制される。
(第11実施形態)
図17および図18を参照して、第11実施形態について説明する。第11実施形態については、上記実施形態で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。図17は、第11実施形態に係る潤滑油供給装置1−11の通路部材10を示す正面図、図18は、整流装置を示す斜視図である。
本実施形態の潤滑油供給装置1−11において、上記実施形態の潤滑油供給装置と異なる点は、第二通路14内に整流装置(整流部材)28が設けられている点である。整流装置28により潤滑油の流れが整流され、潤滑油の流れがスムーズになることで、第二通路14を介してより多くの潤滑油をオイル受け部8に送ることが可能となる。接続部13cは、デフリングギア7の外周面と対向する位置に形成されている。
図17に示すように、第二通路14における鉛直方向の下部には、整流装置28が設けられている。デフリングギア7が回転して第二通路14に送り込まれた潤滑油は、整流装置28を通ってオイル受け部8へ向けて流れる。図18に示すように、整流装置28内は、格子状の仕切28aによって鉛直方向に延在する複数の通路に仕切られている。整流装置28を通過する潤滑油は、流路断面積の小さな複数の通路に分かれて流れるため、渦の発生が抑制される。また、デフリングギア7がはすば歯車であって、潤滑油が斜め方向に押し出されて第二通路14に流入する場合であっても、整流装置28によって潤滑油の流れ方向が第二通路14の軸方向に向けられることで、渦の発生が抑制される。よって、潤滑油供給装置1−11によれば、鉛直方向の上方に潤滑油を送る能力が向上する。
なお、第二通路14における整流装置28の設置位置は、鉛直方向の下部には限定されない。第二通路14において、渦が発生しやすい位置に整流装置28を配置するようにすればよい。また、整流装置28の仕切28aの形状は、格子状には限定されない。整流装置28は、第二通路14の延在する方向と直交する方向に潤滑油が流れることを抑制できる仕切を有することが望ましい。なお、整流装置28は、渦の発生を抑制する構成として、仕切以外の構成を有していてもよい。
(第12実施形態)
図19、図20および図21を参照して、第12実施形態について説明する。第12実施形態については、上記実施形態で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。図19は、第12実施形態に係る潤滑油供給装置1−12の通路部材10を示す正面図、側面図および斜視図、図20は、低車速時における潤滑油の流れを示す図、図21は、高車速時における潤滑油の流れを示す図である。
本実施形態の潤滑油供給装置1−12において、上記実施形態の潤滑油供給装置と異なる点は、第二通路14が、低車速時用の経路と高車速時用の経路の2つの経路に分けられている点である。低車速時は必要油量が少なく、かつ潤滑油の勢いが少ないため、細い筒にて潤滑油を上げる。細い筒であれば上の潤滑油の重さが軽いため、潤滑油が上がりやすい。これにより、低車速時であってもオイル受け部8に潤滑油が供給される。一方、高車速時には、必要油量が多くなる。細い筒のみでは高車速時に潤滑油が足りなくなるため、低車速時の経路とは別に高車速時用の経路が設けられている。
図19に示すように、第二構成部12には、第二通路14として、低車速時用通路141および高車速時用通路142が形成されている。低車速時用通路141および高車速時用通路142は、互いに独立した通路であり、それぞれの下端は第一通路13に接続され、上端は第二構成部12の上端部に設けられている。低車速時用通路141における車両前後方向の幅W8は、高車速時用通路142における車両前後方向の幅W9よりも小さい。つまり、低車速時用通路141の流路断面積は、高車速時用通路142の流路断面積よりも小さい。流路断面積が小さい細い筒では、上の潤滑油の重さが軽いため、潤滑油が筒を上がりやすい。これにより、デフリングギア7によって送り込まれる潤滑油の勢いが小さい低車速時であっても、図20に示すように、流路断面積の小さな低車速時用通路141を潤滑油が上昇し、オイル受け部8に潤滑油が供給される。つまり、低車速時用通路141は、少なくともデフリングギア7の回転速度が低速度である場合にオイル受け部8に向けて潤滑油が流れる低速用通路である。
低車速時用通路141は、鉛直方向下側よりも上側の流路断面積が小さい先細の形状とされており、低車速時であっても潤滑油がオイル受け部8まで上がりやすくなる構成となっている。また、低車速時用通路141を構成する壁面は、デフリングギア7によって送り出される潤滑油の流れ方向に対応して傾斜している。図19に示すように、第二構成部12において、低車速時用通路141を構成する内壁面12fは、軸方向において、デフリングギア7によって送り出される潤滑油の流れ方向に傾斜している。この内壁面12fは、軸方向に互いに対向する内壁面のうち、歯面後方側の内壁面であり、鉛直方向の上側ほど歯面前方側へ向かうように傾斜している。内壁面12fがこのように傾斜していることで、低車速時用通路141における渦の発生が抑制され、低車速時用通路141の潤滑油の流れがスムーズとなる。
高車速時には、デフリングギア7によって送り込まれる潤滑油の勢いが大きいため、図21に示すように、低車速時用通路141だけでなく、流路断面積の大きな高車速時用通路142を潤滑油が上昇して、オイル受け部8に潤滑油が供給される。よって、高車速時には多くの潤滑油がオイル受け部8に供給される。高車速時用通路142は、デフリングギア7の回転速度が高速度である場合にオイル受け部8に向けて潤滑油が流れる高速用通路である。このように、潤滑油供給装置1−12では、高車速時と低車速時とで異なる経路により潤滑油を送ることで、鉛直方向の上方に潤滑油を送る能力が向上する。
また、本実施形態では、低車速時用通路141は、高車速時用通路142よりも第一通路13の上流側において第一通路13に接続されている。これにより、デフリングギア7の回転によって第一通路13を流れる潤滑油は、高車速時用通路142よりも上流側の位置に開口している低車速時用通路141に優先的に流入することとなる。したがって、低車速時に低車速時用通路141に潤滑油が集中することで、オイル受け部8まで潤滑油が上昇しやすくなる。
(第12実施形態の変形例)
第12実施形態の変形例について説明する。図22は、本変形例にかかる通路部材10を示す正面図である。図22に示すように、高車速時用通路142に圧力で開閉する開閉弁29が設けられてもよい。開閉弁29は、第一通路13側に作用する圧力が大きな場合には高車速時用通路142を開放し、第一通路13側に作用する圧力が小さな場合には高車速時用通路142を閉塞する。開閉弁29は、高車速時用通路142における鉛直方向の下部(例えば、第一通路13との接続部)に配置される。開閉弁29は、低車速時に高車速時用通路142を閉塞し、高車速時に高車速時用通路142を開放するように特性が調節されている。開閉弁29は、例えば、第一通路13側の圧力が、高車速時用通路142を介してオイル受け部8に潤滑油を送るために十分な圧力である場合に開放するように構成されればよい。
(第13実施形態)
図23を参照して、第13実施形態について説明する。第13実施形態については、上記実施形態で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。図23は、第13実施形態に係る動力伝達装置を示す正面図である。
本実施形態の潤滑油供給装置1−13において、上記実施形態の潤滑油供給装置と異なる点は、第二通路14から流出する潤滑油を更に上方に送る機構を有する点である。これにより、潤滑油供給装置1−13によって、低車速時であってもオイル受け部8に潤滑油が送られる。
図23に示すように、通路部材10の第二構成部30における鉛直方向の上端には、潤滑油をMG2リダクションギア6に導く誘導通路31が設けられている。誘導通路31は、第二通路14における鉛直方向の上側の開口部とMG2リダクションギア6の下部とを接続している。第二通路14は、鉛直方向の上側に向けて開口しており、第二通路14から流出して誘導通路31によりMG2リダクションギア6に導かれた潤滑油は、MG2リダクションギア6に付着してMG2リダクションギア6の回転方向に送られる。
潤滑油供給装置1−13は、上部通路部材32を備えている。上部通路部材32は、カウンタドリブンギア4およびMG2リダクションギア6のそれぞれとの間に潤滑油の通路を構成し、潤滑油をオイル受け部8に導くものである。上部通路部材32は、カウンタドリブンギア4の周方向に沿ってカウンタドリブンギア4と対向して設けられ、カウンタドリブンギア4との間に潤滑油の通路を構成する第三構成部33と、MG2リダクションギア6の周方向に沿ってMG2リダクションギア6と対向して設けられ、MG2リダクションギア6との間に潤滑油の通路を構成する第四構成部34と、誘導通路36を構成する第五構成部35とを有する。
第三構成部33は、カウンタドリブンギア4を挟んで軸方向に互いに対向する一対の第二側壁部33aと、カウンタドリブンギア4の外周面と径方向に対向し、カウンタドリブンギア4の外周面に対応する形状に形成された第二曲面部33bとを有する。
第四構成部34は、MG2リダクションギア6を挟んで軸方向に互いに対向する一対の第三側壁部34aと、MG2リダクションギア6の外周面と径方向に対向し、MG2リダクションギア6の外周面に対応する形状に形成された第三曲面部34bとを有する。第三構成部33および第四構成部34は、カウンタドリブンギア4およびMG2リダクションギア6におけるそれぞれの中心軸線を結ぶ仮想線分L1よりも鉛直方向上側(オイル受け部8側)の部分を覆っている。
第二側壁部33aと第三側壁部34aとは互いに接続されて一体の壁部として形成されており、カウンタドリブンギア4とMG2リダクションギア6との噛合い部40を軸方向に挟んでいる。第五構成部35は、断面矩形の煙突状に形成されており、第二曲面部33bおよび第三曲面部34bとそれぞれ接続されている。第五構成部35の下端は、噛合い部40に向けて開口しており、上端部は、オイル受け部8に開口している。つまり、誘導通路36は、オイル受け部8と、噛合い部40よりも鉛直方向上側におけるカウンタドリブンギア4とMG2リダクションギア6との間の隙間と、を接続している。
カウンタドリブンギア4およびMG2リダクションギア6は、それぞれの中心軸線を結ぶ仮想線分L1よりも鉛直方向上側の部分が互いに近づく方向に回転している。カウンタドリブンギア4およびMG2リダクションギア6に付着した潤滑油(歯と歯の間を満たす潤滑油)は、回転によりそれぞれ噛合い部40に集まり、噛合い部40におけるカウンタドリブンギア4とMG2リダクションギア6との噛み合いにより押し出される。ここで、第二側壁部33aおよび第三側壁部34aによって噛合い部40から軸方向への潤滑油の流れが規制されるため、噛み合いにより押し出される潤滑油は、鉛直方向上側に向けて流れ、誘導通路36を介してオイル受け部8に流入する。
このように、本実施形態の潤滑油供給装置1−13によれば、デフリングギア7の回転エネルギー(勢いおよびポンプ効果の圧力)だけでなく、カウンタドリブンギア4とMG2リダクションギア6との噛み合いにより潤滑油を押し出すエネルギーを利用して潤滑油が送られる。よって、低車速時であってもオイル受け部8に潤滑油を供給可能である。また、デフリングギア7とオイル受け部8との鉛直方向の高低差が大きい場合であっても、十分な量の潤滑油がオイル受け部8に供給される。つまり、潤滑油供給装置1−13によれば、鉛直方向の上方に潤滑油を送る能力が向上する。
また、車速が高くなると、第二通路14から鉛直方向上方に向けて流出する潤滑油の勢いが大きいため、上部通路部材32が形成する通路を介することなく、第二通路14から飛び出す潤滑油が直接オイル受け部8に流入することができる。
上部構成部材32は、以下のように構成されることが好ましい。
上部構成部材32は、第二曲面部33bおよび第三曲面部34bを有しなくともよいが、ドライブピニオンギア5やMG2リダクションギア6に付着した潤滑油が回転により飛散してしまうことを抑制する観点からは、第二曲面部33bおよび第三曲面部34bを有することが好ましい。
噛合い部40から潤滑油が軸方向に押し出されることを抑制する観点から、第二側壁部33aおよび第三側壁部34aは、少なくとも噛合い部40を軸方向に挟む形状であることが好ましい。
(第14実施形態)
図24および図25を参照して、第14実施形態について説明する。第14実施形態については、上記実施形態で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。図24は、第14実施形態に係る動力伝達装置を示す正面図、図25は、第14実施形態に係る潤滑油供給装置の要部を示す拡大図である。
本実施形態の潤滑油供給装置1−14において、上記実施形態の潤滑油供給装置と異なる点は、デフリングギア7とドライブピニオンギア(所定回転部材)5との噛み合いにより押し出される潤滑油の油圧によって、接続部13cから流出口13bへ向けて潤滑油が流れることを抑制する点である。
図24に示すように、本実施形態の通路部材10は、第六構成部37を有する。第六構成部37は、第一通路13の下流側の端部において第一構成部11に接続されている。第六構成部37は、ドライブピニオンギア5の周方向に沿ってドライブピニオンギア5と対向して設けられ、ドライブピニオンギア5との間に潤滑油の通路を形成するものである。第六構成部37は、第一構成部11との接続部からドライブピニオンギア5の回転方向と反対方向に向けて延在している。第六構成部37は、ドライブピニオンギア5の両側面および外周面とそれぞれ対向しており、ドライブピニオンギア5との間にピニオン側通路38を形成している。ピニオン側通路38は、第一通路13の下流側の端部である流出口13bと接続されている。第一構成部11と第六構成部37とは、デフリングギア7とドライブピニオンギア5との噛合い部41を軸方向に挟んでおり、噛合い部41から軸方向に潤滑油が流れ出ることを規制している。つまり、流出口13bは、通路部材10によって形成される油路によって、噛合い部41と接続されている。
デフリングギア7およびドライブピニオンギア5は、それぞれの中心軸線を結ぶ仮想線分L2よりも接続部13c側において互いに近づく方向に回転している。デフリングギア7およびドライブピニオンギア5に付着した潤滑油(歯と歯の間を満たす潤滑油)は、噛合い部41におけるデフリングギア7とドライブピニオンギア5との噛み合いにより押し出される。第一構成部11および第六構成部37により、噛合い部41から軸方向への潤滑油の流れが規制されるため、図25に矢印Y6で示すように、噛合い部41から第一通路13およびピニオン側通路38に潤滑油が押し戻される。また、ドライブピニオンギア5の回転に伴い、ピニオン側通路38を通って継続的に潤滑油が噛合い部41に向けて流入する。その結果、第一通路13とピニオン側通路38との接続部における油圧が高まる。これによって、矢印Y7で示すように、第一通路13における接続部13cと流出口13bとの間の区間13dを潤滑油が逆流し、接続部13cに潤滑油の壁が形成される。その結果、第一通路13を流入口13aから接続部13cまで流れた潤滑油は、潤滑油の壁に阻まれ、第二通路14に向けて流れることとなる。つまり、潤滑油供給装置1−14によれば、潤滑油が接続部13cから流出口13bへ向けて流れることが抑制され、第一通路13から第二通路14を介してオイル受け部8へ向かう潤滑油の流れが促進され、鉛直方向の上方に潤滑油を送る能力が向上する。本実施形態の抑制構造は、通路部材10、デフリングギア7およびドライブピニオンギア5を含んで構成される。
(第15実施形態)
図26を参照して、第15実施形態について説明する。第15実施形態については、上記実施形態で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。図26は、第15実施形態に係る動力伝達装置を示す正面図および断面図である。
本実施形態の潤滑油供給装置1−15において、上記実施形態の潤滑油供給装置と異なる点は、第二通路14を上がった潤滑油が、MG2リダクションギア6の回転によりオイル受け部8に送られる点である。
第14実施形態(図24、図25)の潤滑油供給装置1−14において、第一通路13における接続部13cと流出口13bとの間の区間13dの長さが大きいと、ドライブピニオンギア5とデフリングギア7との噛み合いにて押し出された潤滑油が接続部13cへ向けて逆流しがたくなり、接続部13cから流出口13bへ向かう潤滑油の流れを抑制する効果がでにくくなる。これに対して、上記区間13dの長さを小さくしようとすると、第二構成部12をドライブピニオンギア5に寄せることとなり、MG2リダクションギア6が邪魔となる。MG2リダクションギア6と第二構成部12とが干渉してしまい、第二通路14をオイル受け部8の入口まで上に伸ばすことができなくなる。
本実施形態の潤滑油供給装置1−15では、第二通路14が接続部13cからMG2リダクションギア6まで設けられており、第二通路14を介して上げられた潤滑油は、MG2リダクションギア6の回転による掻き揚げ力によってオイル受け部8まで送られる。上記第14実施形態と同様の第六構成部37が設けられており、第六構成部37とドライブピニオンギア5との間にはピニオン側通路38が形成されている。第一通路13における接続部13cと流出口13bとの間の距離D1が小さくなるように、第二構成部42はドライブピニオンギア5に寄せて配置されている。接続部13cは、MG2リダクションギア6の鉛直方向下方に位置している。第二構成部42は、断面矩形の煙突状に形成されており、接続部13cからMG2リダクションギア6まで鉛直方向に延在している。第二構成部42の鉛直方向上側の開口部は、MG2リダクションギア6の外周面と対向している。また、第二構成部42の鉛直方向上側の端部には、ガイド部42aが設けられている。ガイド部42aは、MG2リダクションギア6の外周面と対向しており、かつ、第二構成部42の上端からMG2リダクションギア6の回転方向に沿って周方向に延在している。第二通路14からMG2リダクションギア6に向けて流出する潤滑油は、MG2リダクションギア6の回転によってMG2リダクションギア6とガイド部42aとの間に形成される通路を通り、オイル受け部8へ送られる。
以上のように、本実施形態の潤滑油供給装置1−15によれば、潤滑油が接続部13cから流出口13bへ向けて流れることがより確実に抑制され、かつ、デフリングギア7の回転だけでなくMG2リダクションギア6の回転を用いてオイル受け部8に潤滑油が送られることで、低車速時や、デフリングギア7とオイル受け部8との高低差が大きい場合であっても、潤滑油がオイル受け部8に供給される。つまり、鉛直方向の上方に潤滑油を送る能力が向上する。
(第15実施形態の変形例)
図27を参照して、第15実施形態の変形例について説明する。本変形例の潤滑油供給装置1−151では、MG2リダクションギア6の回転により送り出される潤滑油をオイル受け部8に導く上部第一通路および上部第二通路が設けられている。これにより、MG2リダクションギア6によって効率的にオイル受け部8に潤滑油を送ることができる。
図27は、本変形例にかかる動力伝達装置を示す正面図である。図27に示すように、本変形例の通路部材10では、上記第15実施形態のガイド部42aに代えて、第七構成部43および第八構成部45が設けられている。第七構成部43は、MG2リダクションギア6の周方向に沿ってMG2リダクションギア6と対向して設けられ、MG2リダクションギア6との間に潤滑油の通路である上部第一通路44を形成している。第七構成部43は、第二構成部42の上端と接続されており、MG2リダクションギア6の回転方向に沿って周方向に延在している。第七構成部43は、MG2リダクションギア6の両側面および外周面とそれぞれ対向している。第八構成部45は、断面矩形の煙突状に形成されており、内部に上部第二通路46を有する。上部第二通路46は、上部第一通路44と接続されており、上部第一通路44内の潤滑油をオイル受け部8に導く。上部第二通路46の下端は上部第一通路44と接続されており、上端はオイル受け部8に向けられている。
デフリングギア7の回転によって第二通路14を介してMG2リダクションギア6まで送られた潤滑油は、MG2リダクションギア6の回転の勢いに加えて、MG2リダクションギア6および第七構成部43によるポンプ効果によって、上部第一通路44および上部第二通路46をオイル受け部8へ向けて送られる。上部第二通路46が設けられることで、MG2リダクションギア6によって送られる潤滑油がオイル受け部8とは異なる方向に向けて飛散してしまうことが抑制される。
(第16実施形態)
図28を参照して、第16実施形態について説明する。第16実施形態については、上記実施形態で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。図28は、第16実施形態に係る動力伝達装置を示す正面図である。
本実施形態の潤滑油供給装置1−16は、上記第14実施形態の潤滑油供給装置1−14(図24)に対して、圧力に応じて第二通路14内の潤滑油を外部に排出する排出弁が設けられた点が異なる。高車速になり、油圧が高くなると、排出弁が開き、第二通路14の潤滑油を排出する。これにより、噛合い部41の油圧の上昇が抑制され、引き摺りトルクの増加が抑制される。
図28に示すように、本実施形態の潤滑油供給装置1−16において、第二構成部12には、排出弁47が設けられている。第二構成部12における車両前後方向の前側の壁面には、開口部(窓)12gが形成されている。排出弁47は、この開口部12gを閉塞することが可能な弁体47aを有しており、開口部12gを開閉するものである。弁体47aは、ヒンジ等によって第二構成部12と連結されており、第二構成部12に当接して開口部12gを閉塞した状態から、第二通路14内の圧力によって外側に向けて開くことができる。弁体47aは、バネ等の付勢手段により第二通路14に向けて押圧されており、第二通路14内の圧力が所定圧以上となると、付勢手段の付勢力に抗して開き、開口部12gを開放する。低車速時には第二通路14内の圧力が低いため、排出弁47は閉じているが、高車速時は、第二通路14内の圧力が高圧となって排出弁47が開き、第二通路14の潤滑油が外部に排出される。つまり、排出弁47は、第二通路14の圧力に応じて第二通路14の潤滑油を外部に逃がす機構である。これにより、噛合い部41の油圧が上昇しすぎることが抑制され、引き摺りトルクの増加による伝達効率の低下等が抑制される。
また、本実施形態では、開口部12gは、第一構成部11の曲面部11bの鉛直方向上方の位置に設けられている。したがって、開口部12gを介して第二通路14から排出される潤滑油は、曲面部11b上(第一構成部11の外周面)に一時的に溜り、曲面部11bから溢れた潤滑油が貯留部9に落ちる。このように、潤滑油が第一構成部11上に溜められることで、高車速時に貯留部9の油面が下がり、デフリングギア7の攪拌抵抗が低減する。その結果、本実施形態の潤滑油供給装置1−16によれば、動力伝達装置1の伝達効率が向上するという効果を奏する。
なお、排出弁47は、第一通路13の圧力に応じて第一通路13の潤滑油を外部に逃がすものであってもよい。また、第一通路13および第二通路14にそれぞれ排出弁47が設けられてもよい。
(第17実施形態)
図29から図31を参照して、第17実施形態について説明する。第17実施形態については、上記実施形態で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。図29は、第17実施形態に係る動力伝達装置を示す正面図、図30は、低速走行時における潤滑油の流れを示す図、図31は、高速走行時における潤滑油の流れを示す図である。
本実施形態の潤滑油供給装置1−17は、上記第14実施形態の潤滑油供給装置1−14に対して、高車速時には第一通路13や第二通路14を介さずに潤滑油がオイル受け部8に送られるように通路部材10が構成されている点が異なる。高車速時に潤滑油が第一通路13および第二通路14の外部を通ることで、噛合い部41の油圧の上昇が抑制され、引き摺りトルクが低減される。
図29に示すように、本実施形態の潤滑油供給装置1−17において、通路部材10の下端は、上記第14実施形態の通路部材10の下端よりも鉛直方向の上側に位置している。また、第一通路13および第二通路14よりもデフリングギア7の径方向外側において、通路部材10の外周面と、ケース2の内周面2aとは離間しており、通路部材10とケース2の内周面2aとの間に潤滑油が流通可能な第三通路39が形成されている。流入口13aよりも車両前後方向の後側には、通路部材10とケース2の内周面2aとの間に隙間G3が形成されている。
低車速時には、粘性により潤滑油がデフリングギア7にまとわりつく。このため、図30に示すように、潤滑油は、デフリングギア7の回転によって流入口13aから第一通路13に流入し、第二通路14を介してオイル受け部8に流入する。
一方、高車速時には、遠心力により、潤滑油はデフリングギア7から離れ、ケース2の内壁面2aに沿って上昇する。つまり、デフリングギア7の回転速度が高速度である場合に、図31に示すように、デフリングギア7から離れた潤滑油が隙間G3を通って第一通路13および第二通路14の外側を上昇し、第三通路39を通ってオイル受け部8に向けて移動する。
このように、本実施形態の潤滑油供給装置1−17によれば、切替機構等の複雑な構成を要することなく、流速に応じた潤滑油の流路の切り分けが実現される。遠心力と潤滑油の粘性を利用するため、通路部材10の構造をシンプルなものとすることができる。なお、流入口13aの位置は、例えば、所定の高車速時において遠心力によってデフリングギア7から潤滑油が離れる位置に基づいて設定すればよい。流入口13aの位置は、例えば、デフリングギア7の中心軸線よりも鉛直方向の上側の位置とすることができる。
(第18実施形態)
図32から図34を参照して、第18実施形態について説明する。第18実施形態については、上記実施形態で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。図32は、第18実施形態に係る通路部材の支持方法を示す図、図33は、本実施形態に係る通路部材の動作を示す図、図34は、通路部材の固定方法の一例を示す図である。
本実施形態の通路部材の支持方法では、通路部材10が、支持軸によって軸方向に摺動可能に支持されている。つまり、通路部材10は、デフリングギア7に対して軸方向に相対移動可能に支持されている。油圧による自動調心作用により、通路部材10とデフリングギア7との軸方向の隙間が調節され、通路部材10の位置が軸方向においてバランスされる。よって、通路部材10がケース2に固定されてデフリングギア7に対して相対移動できない場合と比較して、通路部材10とデフリングギア7との軸方向の隙間における余裕を小さくすることができる。これにより、デフリングギア7の側方からの潤滑油の漏れを小さくすることができる。
図32に示すように、本実施形態の潤滑油供給装置1−18では、通路部材10が、軸方向に移動可能に支持されている。通路部材10の外周面には、取付部48が設けられている。取付部48には、取付部48を軸方向に貫通する貫通孔48aが形成されている。ケース2内には、軸方向に延在する支持軸49が配置されている。支持軸49は、貫通孔48aに挿入された状態で両端部がそれぞれケース2の内壁面に固定されている。通路部材10は、複数の取付部48を有しており、各取付部48は支持軸49によって支持されている。貫通孔48aの内径は、支持軸49の外径よりも大きく設定されており、通路部材10は、支持軸49に対して摺動することで、デフリングギア7に対して軸方向に相対移動可能となっている。また、支持軸49には、通路部材10の軸方向の移動を一定範囲に規制するストッパー50が設けられている。
このように通路部材10がデフリングギア7に対して軸方向に相対移動可能なように支持されていることで、第一通路13の油圧により、通路部材10は、デフリングギア7の側面に対して適度な隙間を保つことができる。図33に示すように、軸方向の一方と他方とで通路部材10の側壁部11aとデフリングギア7の側面7bとの隙間の大きさが異なると、隙間小の側の潤滑油の流速は、隙間大の側の潤滑油の流速よりも大きくなる。これにより、隙間大の側よりも隙間小の側の遠心力による潤滑油の油圧が大きくなり、第一構成部11には全体として隙間小の側の隙間を大きくする方向の力が作用する。このように、軸方向のいずれか一方の隙間が小さくなるとそれを解消する向きの力が第一構成部11に作用することで、通路部材10は、デフリングギア7が常に一対の側壁部11aの間の中央部に位置するように移動する。
本実施形態の潤滑油供給装置1−18における通路部材10の支持方法によれば、遠心油圧を用いた自己調心機構を備えることで、以下に図34を参照して説明するように、ばらつきを考慮したデフリングギア7の側面7bと側壁部11aとの隙間を小さなものに設定することができる。これにより、デフリングギア7による掻き揚げ性能の最大化が可能となる。
図34には、通路部材10の固定方法の一例として、ボルトによる固定方法が示されている。通路部材10は、貫通孔48aを有する取付部48を備えており、貫通孔48aに挿入されてケース2のボス部2bに螺合するボルト51によってケース2に固定されている。通路部材10がケース2に直接固定される場合、通路部材10とデフリングギア7の側面7bとのクリアランスを確保するために多くのばらつきを考慮するため、よび値にて大きな隙間を設定しなければならず、潤滑油の漏れが大きくなってしまう。デフリングギア7の側面7bと側壁部11aとの隙間(以下、「側面クリアランス」と記載する。)A1のばらつきは、以下の3つの距離のばらつきを足し合わせたものとなる。
(1)デフリングギア7におけるベアリング面7cと側面7bとの軸方向の距離A2
(2)取付部48のボス当て面48bと側壁部11aの内側面11cとの軸方向の距離A3
(3)ケース2におけるボス面2cとベアリング当て面2dとの軸方向の距離A4
これに対して、本実施形態の潤滑油供給装置1−18における通路部材10の支持方法では、側面クリアランスA1のばらつきは、以下の2つの距離のばらつきを足し合わせたものとなる。
(4)デフリングギア7の歯幅W1
(5)一対の側壁部11aの軸方向の隙間A5
この場合、側面クリアランスA1は、例えばボルト51によって固定される場合の側面クリアランスA1の1/3程度の大きさでよい。よって、デフリングギア7の側面7bと側壁部11aとの間からの潤滑油の漏れが抑制され、デフリングギア7の回転によってオイル受け部8へ潤滑油を送る能率を向上させることができる。例えば、より低車速においてオイル受け部8に潤滑油を送ることや、ケース2内のより上部まで潤滑油を上げることが可能となる。
なお、潤滑油供給装置は、例えば、図35に示すように構成されてもよい。図35は、潤滑油供給装置の構成例を示す図である。図35に示す潤滑油供給装置1−19では、通路部材10に、第二構成部が設けられておらず、第一通路13によりオイル受け部8に潤滑油が送られる。第一構成部11は、デフリングギア7を軸方向に挟んで互いに対向する一対の側壁部11aおよびデフリングギア7の外周面7aと径方向に対向し、外周面7aに対応する形状に形成された曲面部11bを有する。第一構成部11とデフリングギア7との間には、第一通路13が形成されている。第一通路13の流出口13bは、オイル受け部8の流入口81を向いている。第一通路13の上流側におけるデフリングギア7と第一構成部11との径方向のクリアランスG4は、第一通路13の下流側におけるデフリングギア7と第一構成部11との径方向のクリアランスG5よりも大きい。これにより、第一通路13の下流側における潤滑油の流速は、上流側における潤滑油の流速よりも大きくなる。よって、デフリングギア7と第一構成部11との径方向のクリアランスが第一通路13の流れ方向に沿って変化しない場合と比較して、流出口13bから流出する潤滑油がケース2内のより上方まで上がる。これにより、潤滑油供給装置1−19において鉛直方向の上方に潤滑油を送る能力の向上を図ることができる
上記の各実施形態は、適宜組み合わせて実施されることができる。
以上のように、本発明にかかる潤滑油供給装置は、回転部材の回転によってオイル受け部に潤滑油を供給するのに有用であり、特に、鉛直方向の上方に潤滑油を送る能力の向上を図るのに適している。
1 動力伝達装置
1−1,1−2,1−3,1−4,1−5,1−6,1−7,1−8,1−9,1−10,1−11,1−12,1−13,1−14,1−15,1−16,1−17,1−18,1−19 潤滑油供給装置
2 ケース
7 デフリングギア
8 オイル受け部
9 貯留部
10 通路部材
11,15,16 第一構成部
12,30,42 第二構成部
13 第一通路
13b 流出口
13c 接続部
14 第二通路
39 第三通路
40,41 噛合い部

Claims (19)

  1. 潤滑油を貯留する貯留部と、車両の駆動輪と接続され、前記駆動輪の回転と連動して回転して前記貯留部の潤滑油を送る回転部材と、前記回転部材よりも鉛直方向上方に配置されたオイル受け部とを有し、前記オイル受け部から被潤滑部に潤滑油が供給される動力伝達装置に設けられ、前記オイル受け部に潤滑油を供給する潤滑油供給装置であって、
    前記回転部材によって送られる潤滑油を前記オイル受け部に導く通路部材を備え、
    前記通路部材は、
    前記回転部材の周方向に沿って前記回転部材と対向して設けられ、前記回転部材との間に前記回転部材によって送られる潤滑油が流入する第一通路を形成する第一構成部と、
    前記第一通路内の潤滑油を前記オイル受け部に導く第二通路を形成する第二構成部と、
    を有し、
    前記第二通路は、前記第一通路における前記回転部材の回転方向に沿った潤滑油の流れ方向の下流側に形成された流出口よりも前記流れ方向の上流側において前記第一通路に接続されており、
    前記潤滑油供給装置は、更に、前記第一通路において潤滑油が前記第二通路との接続部から前記流出口へ向けて流れることを抑制する抑制構造を備える
    ことを特徴とする潤滑油供給装置。
  2. 前記抑制構造として、前記接続部よりも前記流れ方向の下流側における前記回転部材と前記第一構成部との隙間が、前記接続部よりも前記流れ方向の上流側における前記回転部材と前記第一構成部との隙間よりも小さい請求項1に記載の潤滑油供給装置。
  3. 前記接続部は、前記回転部材の外周面と対向する位置に形成されており、
    前記第一構成部は、前記回転部材の側面と対向する側壁部を有し、
    前記側壁部における前記回転部材の側面と対向する壁面には、前記接続部と対応する位置に段差部が形成されており、前記段差部よりも前記流れ方向の下流側における前記回転部材の側面と前記壁面との隙間は、前記段差部よりも前記流れ方向の上流側における前記回転部材の側面と前記壁面との隙間よりも小さく、
    前記段差部は、前記壁面に沿って流れる潤滑油を前記接続部に誘導する方向に延在している請求項2に記載の潤滑油供給装置。
  4. 前記接続部は、前記回転部材の外周面と対向する位置に形成されており、
    前記第二通路において、前記オイル受け部側が前記接続部側よりも前記流れ方向の下流側に位置している請求項1に記載の潤滑油供給装置。
  5. 前記第二構成部は、前記第二通路が内部に形成された筒状である請求項1または2に記載の潤滑油供給装置。
  6. 前記接続部は、前記回転部材の外周面と対向する位置に形成されており、
    前記回転部材の軸方向における前記第二通路の幅が、前記回転部材の軸方向における前記回転部材の外周面の幅と近似している請求項5に記載の潤滑油供給装置。
  7. 前記接続部は、前記回転部材の外周面と対向する位置に形成されており、
    前記回転部材は、はすば歯車であり、
    前記第二通路が、前記接続部から前記オイル受け部に向けて前記回転部材の軸方向における前記回転部材の回転方向前方の歯面が向く側に傾斜している請求項5に記載の潤滑油供給装置。
  8. 前記接続部は、前記回転部材の外周面と対向する位置に形成されており、
    前記第二構成部は、前記第二通路を挟んで前記回転部材の軸方向において互いに対向する内壁面を有し、
    前記互いに対向する内壁面のうち、前記回転部材の回転方向後方の歯面が向く側の内壁面には、他方の内壁面に向けて突出する突出部が形成されている請求項5に記載の潤滑油供給装置。
  9. 前記接続部は、前記回転部材の外周面と対向する位置に形成されており、
    前記第二通路に整流部材が配置された請求項5に記載の潤滑油供給装置。
  10. 前記第二通路において、前記オイル受け部側の流路断面積が、前記接続部側の流路断面積よりも小さい請求項5に記載の潤滑油供給装置。
  11. 前記第二通路における前記接続部側から前記オイル受け部側へ向かう潤滑油の移動を許容し、かつ前記オイル受け部側から前記接続部側へ向かう潤滑油の移動を抑制する逆流抑制構造を備える請求項5に記載の潤滑油供給装置。
  12. 前記第二通路は、少なくとも前記回転部材の回転速度が低速度である場合に前記オイル受け部に向けて潤滑油が流れる低速用通路と、前記低速用通路よりも流路断面積が大きく、前記回転部材の回転速度が高速度である場合に前記オイル受け部に向けて潤滑油が流れる高速用通路とを有する請求項5に記載の潤滑油供給装置。
  13. 前記第一通路および前記第二通路よりも前記回転部材の径方向外側において、前記動力伝達装置のケースの内周面と前記通路部材との間に、潤滑油が流通可能な第三通路が形成されており、
    前記回転部材の回転速度が高速度である場合に前記回転部材から離れた潤滑油が前記第三通路を通って前記オイル受け部に向けて移動する請求項1に記載の潤滑油供給装置。
  14. 前記回転部材は、他の回転部材である所定回転部材と噛合っており、
    前記抑制構造として、前記流出口が、前記通路部材によって形成される油路によって、前記回転部材と前記所定回転部材との噛合い部と接続されている請求項1または2に記載の潤滑油供給装置。
  15. 前記第一通路の圧力に応じて前記第一通路の潤滑油を外部に逃がす機構、あるいは前記第二通路の圧力に応じて前記第二通路の潤滑油を外部に逃がす機構の少なくともいずれか一方を備える請求項1に記載の潤滑油供給装置。
  16. 前記流出口から流出する潤滑油を前記貯留部に導く流出口誘導部材を備える請求項1に記載の潤滑油供給装置。
  17. 前記第一構成部は、前記回転部材の外周面および両側面とそれぞれ対向している請求項1に記載の潤滑油供給装置。
  18. 前記通路部材が、前記回転部材に対して軸方向に相対移動可能に支持されている請求項17に記載の潤滑油供給装置。
  19. 潤滑油を貯留する貯留部と、車両の駆動輪と接続され、前記駆動輪の回転と連動して回転して前記貯留部の潤滑油を送る回転部材と、前記回転部材よりも鉛直方向上方に配置され、被潤滑部に潤滑油を供給するオイル受け部と、通路部材とを備え、
    前記通路部材は、前記回転部材の周方向に沿って前記回転部材と対向して設けられ、前記回転部材との間に前記回転部材によって送られる潤滑油が流入する第一通路を形成するものであって、
    前記第一通路には、前記第一通路における前記回転部材の回転方向に沿った潤滑油の流れ方向における他の部分よりも前記回転部材と前記通路部材との隙間が小さい部分が存在し、
    前記第一通路における前記隙間が小さい部分よりも前記流れ方向の上流側には、前記第一通路内の潤滑油を前記オイル受け部に導く第二通路が接続されている
    ことを特徴とする潤滑油供給装置。
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