JP2013060976A - 終減速装置の潤滑構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構造で、デフリングギヤの近傍の潤滑対象部に潤滑油を効果的に供給できる終減速装置の潤滑構造を提供する。
【解決手段】入力軸25に中間軸21を介して連結するデフリングギヤ2と、ドライブシャフト12と一体に回転するサイドギヤ4およびサイドギヤ4に噛合するピニオンギヤ5を収納するギヤ収納室6を有し、デフリングギヤ2と一体に回転するデフケース3と、を備えた終減速装置1において、デフリングギヤ2の内部に、ギヤ収納室6の潤滑油をデフリングギヤ2の側面において開口する排出口34まで導いて中間軸21を軸支する軸受26に向けて排出するための潤滑油流路33を形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、終減速装置の潤滑構造に関する。
一般に前輪駆動車用の終減速装置はトランスアクスル装置の一部としてトランスアクスル装置の内部に変速装置と共に配置されている。この終減速装置は変速歯車列と平行に配置され、前輪と近い高さに配置されることが望ましいことから、トランスアクスル装置の内部において最も低い位置に配置されることが多い。終減速装置は上方に配置された中間軸を介して変速装置と連結する方式が多用され、この場合、中間軸を軸支する軸受に潤滑油を供給する構造が必要となる。
従来の潤滑油の供給手段として例えばギヤの撥ね掛けにより潤滑油を潤滑対象部に供給するいわゆる飛沫潤滑方式が挙げられる。特許文献1には、ミッションケースの内壁に樋状のオイルガータを形成し、ギヤによって撥ね上げられた潤滑油をこのオイルガータにより捕集して潤滑対象部に供給する技術が記載されている。また、特許文献2、3には、ケースの内壁に潤滑油案内用のリブを突設し、内壁を伝って流下する潤滑油或いは撥ね上げられた潤滑油をリブで捕集して潤滑対象部まで導く技術が記載されている。
しかし特許文献1〜3の技術によれば、ケースの内壁にオイルガータやリブ等の突設部を形成する分、ケースの成形型の構造が複雑になるという問題がある。また、潤滑対象部の配置箇所によってはオイルガータやリブ等の突設部を設けるとケース内の他の構成部材と干渉するのを防止するため、ケースが大型化してしまうことがある。
潤滑油の供給手段の他の従来例として、ギヤの噛み合い部に存在する潤滑油をギヤの捩じれ角度を利用して軸方向に流して潤滑対象部に供給する技術が知られている(例えば特許文献4参照)。しかしこの技術はギヤの捩じれ角度を利用する方式であることから、軸方向両側の内の一方側にしか潤滑油を流せないという制約を受ける。
一方、特許文献5には、変速機の同期装置においてクラッチハブの内部に法線方向に沿う潤滑油路を形成し、回転軸の内部から供給される潤滑油をこの潤滑油路を通して回転体の外方に位置する潤滑対象部に導く技術が記載されている。この技術によれば、特許文献1〜4の課題は解消され、前記した変速装置と終減速装置との間に介在する中間軸の支持用の軸受への潤滑構造として好適に利用できるものと期待される。
特開2006−97863号公報 実開平4−39362号公報 実開平6−28412号公報 実開平1−80859号公報 特開2009−185838号公報
しかしながら、特許文献5に記載の技術は、入力軸或いはカウンタ軸に設けられた変速ギヤに潤滑油を供給する技術であり、クラッチハブの内部に形成した潤滑油路に潤滑油を導くにあたっては、同公報にも記載されているように別途油圧ポンプ等の潤滑油の供給駆動源を要するという問題がある。入力軸の内部においても軸方向に沿う油路と前記潤滑油路に連通する放射状の油路とを形成する必要があり、油圧ポンプからこの入力軸内の油路に潤滑油を導入する構造も必要となる。
また、クラッチハブ等の回転体の内部に潤滑油路を形成する構造では、回転体の強度を損なうことなく潤滑油路を形成することが求められる。例えば前記潤滑油路を形成する回転体を終減速装置のデフリングギヤ等のギヤとした場合、ギヤの歯元の近傍まで潤滑油路を延ばす必要があるときには歯の強度低下に留意しなければならない。
本発明は、このような課題を解決するために創案されたものであり、簡単な構造で、デフリングギヤの近傍の潤滑対象部に潤滑油を効果的に供給できる終減速装置の潤滑構造を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明は、入力軸に連結するデフリングギヤと、ドライブシャフトと一体に回転するサイドギヤおよび該サイドギヤに噛合するピニオンギヤを収納するギヤ収納室を有し、前記デフリングギヤと一体に回転するデフケースと、を備えた終減速装置において、前記デフリングギヤの内部に、前記ギヤ収納室の潤滑油を前記デフリングギヤの側面において開口する排出口まで導いて潤滑対象部に向けて排出するための潤滑油流路が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、サイドギヤとピニオンギヤとの噛合部に供されるギヤ収納室内の潤滑油を、デフリングギヤの外部に位置した潤滑対象部への潤滑油の供給源に充てることができ、簡単で製造コストも抑えられる潤滑構造となる。潤滑油は主にデフケースの回転に伴う遠心力によりギヤ収納室から潤滑油流路に流れ込むため、油圧ポンプ等の潤滑油の供給駆動源を別途要することもない。
また、本発明は、前記潤滑油流路は、前記デフリングギヤの軸回り360度にわたって前記ギヤ収納室に連通する環状空間と、該環状空間と前記排出口とを線状に連通する排出孔路と、からなることを特徴とする。
本発明によれば、ギヤ収納室から潤滑油流路に流れ込んだ潤滑油が環状空間に貯留され、この環状空間に貯留された潤滑油が排出孔路に効果的に流れ込むため、潤滑対象部への潤滑油量の定量性が向上する。
また、本発明は、前記潤滑油流路は、局所的に開口形成されて前記ギヤ収納室に臨む連通口と前記排出口とを線状に連通する流路からなることを特徴とする。
本発明によれば、デフリングギヤの内部に大きな空洞部を形成する必要がなく、デフリングギヤの強度を確保しやすくなる。
また、本発明は、前記排出口は、前記連通口を通過する前記デフリングギヤの法線よりも後進回転方向寄りに位置することを特徴とする。
本発明によれば、前進回転時の円周方向の慣性力が効果的に働いて潤滑油流路内の潤滑油の流れがスムーズとなり、潤滑油が効果的に排出口から排出される。
また、本発明は、前記潤滑油流路は、前記連通口の開口面積が最大流路断面積となるように形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、連通口から流入した潤滑油が潤滑油流路内において効果的に寄り集まったうえで排出口から排出される。
また、本発明は、前記デフリングギヤは中間軸を介して前記入力軸と連結し、前記潤滑対象部は前記中間軸を軸支する軸受であることを特徴とする。
本発明によれば、中間軸を軸支する軸受への潤滑油の供給が安定し、変速装置と終減速装置との連結部の機能が安定して維持される。
また、本発明は、前記デフリングギヤと前記デフケースとが鋳造により一体成形されていることを特徴とする。
本発明によれば、潤滑油流路を鋳造時に形成することができ、別途の機械加工工程を要することがなくなり、デフリングギヤの製造コスト高を抑えることができる。
本発明によれば、サイドギヤとピニオンギヤとの噛合部に供されるギヤ収納室内の潤滑油を、デフリングギヤの外部に位置した潤滑対象部への潤滑油の供給源に充てることができ、簡単で製造コストも抑えられる潤滑構造となる。
(a)は終減速装置を模式的に示した構成図であり、(b)は車幅方向から見た終減速装置における入力軸と出力軸の位置関係を示す概略説明図である。 本発明の第1実施形態を示す側断面図である。 本発明の第1実施形態における潤滑構造の要部を車幅方向から見た説明図である。 図2における潤滑油流路の拡大説明図である。 本発明の第2実施形態を示す側断面図である。 本発明の第2実施形態における潤滑構造の要部を車幅方向から見た説明図である。 図5における潤滑油流路の拡大説明図である。
以下、本発明に係る潤滑構造を終減速装置に適用した形態について説明する。図1(a)は終減速装置を模式的に示した構成図である。本図において終減速装置1は、例えば電動機Eの出力軸に連結する入力軸25上に形成された入力ギヤ24と、入力ギヤ24に噛合するアイドラドリブンギヤ23と、アイドラドリブンギヤ23と一体に回転する中間軸21と、中間軸21上に形成されたアイドラドライブギヤ22と噛合しドライブシャフト12と同軸に軸支されたデフリングギヤ2と、該デフリングギヤ2と一体に形成された差動装置とから構成されている。
以上の終減速装置1は、概ね図1(b)に示すように車幅方向から見て、終減速装置1のハウジング58内に入力軸25、中間軸21、差動装置が略水平に配置される。ハウジング底部に貯留する油面は前記3つの軸を結ぶ線と略水平になるが、回転体の外径は入力軸<中間軸<差動装置のようになり、回転体による潤滑油の掻き上げ効果は差動装置と一体に回転するデフリングギヤ2が最も高く、該デフリングギヤ2による潤滑対象部への潤滑油の供給が重要となる。潤滑油の供給対象部(潤滑対象部)を中間軸21を軸支する軸受とした場合について2つの実施形態を以下に示す。
「第1実施形態」
図2において、終減速装置1は、入力軸25の入力ギヤ24と噛合するアイドラドリブンギヤ23と、アイドラドリブンギヤ23と一体に形成された中間軸21と、中間軸21に形成されたアイドラドライブギヤ22と、アイドラドライブギヤ22に噛合するデフリングギヤ2と、デフリングギヤ2と一体に回転し、ドライブシャフト12と一体に回転するサイドギヤ4およびこのサイドギヤ4に噛合するピニオンギヤ5を収納するデフケース3とを備える。
なお、図2は概ね図1(b)におけるA−A線に沿った断面図として示されている。
デフケース3は、ギヤ収納室6を構成して車幅方向を回転軸Oとして回転する略球殻形状のシェル部7と、回転軸Oを軸心としてシェル部7の車幅方向両端に形成される一対の円筒形状のボス部8とを有する。ギヤ収納室6には、回転軸Oとの直交面に沿うようにしてピニオンシャフト9が配される。ピニオンシャフト9の両端はシェル部7に形成されたシャフト取付孔10に差し込まれ、一方のシャフト取付孔10において固定ピン11によりピニオンシャフト9とシェル部7とが一体化される。
ピニオンシャフト9の両端寄りにはピニオンギヤ5がピニオンシャフト9に対し回転自在に取り付けられる。各ボス部8にはドライブシャフト12が挿入され、ギヤ収納室6において、ドライブシャフト12の端部にスプライン結合によりドライブシャフト12と一体回転かつ回転軸Oに沿って摺動可能に取り付けられたサイドギヤ4がピニオンギヤ5に噛合する。サイドギヤ4の背面とギヤ収納室6の内面との間にはスラストワッシャ13が介設される。ボス部8の内周面には、ドライブシャフト12が前進回転方向に回転したときにドライブシャフト12の表面上の潤滑油をギヤ収納室6側に導くための螺旋溝14が形成されている。
デフケース3は各ボス部8にて軸受15によりハウジング58に回転自在に支承されている。
ハウジング58におけるドライブシャフト12の挿通孔とドライブシャフト12との間にはシール部材17が介設される。そして、シール部材17と前記軸受15との間において、ハウジング58には、シール部材17が取り付けられるドライブシャフト12の挿通孔の径よりも大径の空間である油路空間18が形成される。ハウジング58の内壁を伝って落ちる潤滑油の一部は油路空間18を経由し前記螺旋溝14を通ってデフケース3のギヤ収納室6に供給される。
デフケース3のシェル部7の回転軸O方向一方寄りには、デフケース3と一体となって回転軸O回りに回転するデフリングギヤ2が設けられている。本実施形態では、デフリングギヤ2はデフケース3と一体成形により形成されており、回転軸Oとの直交面に沿って延在し、外周部に歯が形成されている。
デフリングギヤ2と略水平位置には、回転軸Oと平行に中間軸21が配置されている。中間軸21は両端が開口した筒状の軸部材からなり、外周上にアイドラドライブギヤ22およびアイドラドリブンギヤ23が設けられている。アイドラドライブギヤ22はデフリングギヤ2と噛合し、アイドラドリブンギヤ23は入力軸25の入力ギヤ24に噛合する。
中間軸21は両端において軸受26、27に支承され、入力軸25は軸受30、31に支承されている。各軸受26、27、31とハウジング58の内面との間にはそれぞれ油路空間28、29、32が形成される。ここで軸受26に着目すると、中間軸21よりも下方に位置した軸受26の下部周りについてはデフリングギヤ2とアイドラドライブギヤ22との噛合部20が近接しているため、デフリングギヤ2がハウジング58の底部に溜まった潤滑油を掻き揚げることにより、本来であればこの噛合部20からの潤滑油の飛沫により軸受26に充分な潤滑油量が確保されるはずである。しかし、静音性の向上等の目的によりデフリングギヤ2およびアイドラドライブギヤ22がはす歯ギヤからなり、捩じれ角の向きが潤滑油を図2における右側方向に送る並進成分を有する向きであった場合、軸受26への充分な潤滑油量を確保できないおそれがある。
これに対し、本発明に係る潤滑構造は、デフリングギヤ2の内部に、ギヤ収納室6内の潤滑油をデフリングギヤ2の側面において開口する排出口34まで導いて潤滑対象部である軸受26に向けて排出するための潤滑油流路33が形成される。本実施形態の潤滑油流路33は、デフリングギヤ2の軸(すなわち回転軸O)回り360度にわたってギヤ収納室6に連通する環状空間35と、この環状空間35と排出口34とを線状に連通する排出孔路36とからなる。環状空間35はサイドギヤ4とピニオンギヤ5との噛合部19に臨むようにギヤ収納室6と連通する。
環状空間35の下部はハウジング58の底部に溜まる潤滑油の油面Hよりも下方に位置している。また、下部に位置した排出口34は油面Hよりも下方に位置する。これにより、概ね非回転時に環状空間35内に溜まる潤滑油の油面の高さもハウジング58における油面Hと同程度となる。そして図2から判るように、上部に位置した排出口34は軸受26に対向する。つまり、回転軸O方向から見て、排出口34の回転軌跡の一部と軸受26の一部とが互いに重なる関係にある。
排出口34(排出孔路36)の個数や孔径は潤滑油量に応じて適宜に決定される。排出口34が複数形成される場合は、デフリングギヤ2の円周方向に等間隔で設けられる。図3では回転軸Oを挟んで180度正対する位置に一対の排出口34が形成された場合を示している。また、排出孔路36は、図2に示すように環状空間35から排出口34に向かうにしたがいデフリングギヤ2の径外方向に変位するように形成されている。上方に位置した排出孔路36の孔軸の延長上に軸受26が位置する。
デフリングギヤ2の回転の遠心力を利用して潤滑油を排出口34から排出するにあたっては、前記したように環状空間35から排出口34に向かうにしたがいデフリングギヤ2の径外方向に変位するように排出孔路36を形成した方が効果的に潤滑油を排出できる。しかし、排出孔路36の向きに関しては、場合により回転軸Oと平行に形成してもよいし、環状空間35から排出口34に向かうにしたがいデフリングギヤ2の径内方向に変位するように形成してもよく、排出口34からの潤滑油の排出が可能であれば排出孔路36の向きは特に限定されない。
潤滑油流路33は、デフリングギヤ2を鋳造により成形することで容易に形成可能である。本実施形態ではデフリングギヤ2とデフケース3とを鋳造により一体に成形している。従来、デフケースとデフリングギヤの構造として、環状のフランジを形成した鋳造製のデフケースに対し、浸炭処理等を施した鋼材からなるデフリングギヤを前記フランジにボルトにより締結固定する構造が一般的である。デフリングギヤとしては歯の強度等の点から炭素鋼が多く用いられているが、この炭素鋼に潤滑油流路33とりわけ環状空間35を形成することは、その分の機械加工工程が増えるためコスト高につながりやすい。
これに対しデフリングギヤ2とデフケース3とを鋳造により一体成形することで、環状空間35をその鋳造時に形成することができ、別途の機械加工工程を要することがなくなりコスト高を抑えることができる。鋳鉄としては、例えば熱処理により疲労強度を向上させた球状黒鉛鋳鉄を用いることにより、環状空間35のような大きな空洞部を形成する場合であってもデフリングギヤ2の強度を確保できる。したがって、例えば環状空間35を歯の根元近傍まで形成することによる環状空間35内の潤滑油貯留量の確保とデフリングギヤ2の強度の確保の両立を図ることができる。球状黒鉛鋳鉄の熱処理手法としては例えば特公昭61−19698号公報、特許第3723706号等に記載されたものを好適に利用することができる。
「作用」
電動機Eからの回転入力により中間軸21を介してデフリングギヤ2およびデフケース3が一体に回転すると、環状空間35の底部に貯留されている潤滑油の一部が、下方に回ってきた排出孔路36に流れ込む。排出孔路36に流れ込んだ潤滑油は、排出孔路36が油面Hよりも上方に位置したときに排出口34から排出される。したがって、図4に示すように排出口34が軸受26の横に位置した際に潤滑油が軸受26に供給される。
ハウジング58の内壁に付着した潤滑油の一部は、油路空間18を経由し螺旋溝14を通ってデフケース3のギヤ収納室6に流れ込む。ギヤ収納室6に流れ込んだ潤滑油はサイドギヤ4とピニオンギヤ5との噛合部19に供給されたうえで、デフケース3の回転に伴う遠心力により、噛合部19に臨む環状空間35に流れる。潤滑油はギヤ収納室6から環状空間35に流れる際に主に飛沫状として或いは図4に白抜き矢印で示すように環状空間35の内面を伝って流れ、これらは環状空間35に貯留されて一部は排出口34から排出される。これにより環状空間35における潤滑油の貯留量は概ね一定に保持される。
以上のように、デフリングギヤ2の内部に、ギヤ収納室6の潤滑油をデフリングギヤ2の側面において開口する排出口34まで導いて潤滑対象部(軸受26)に向けて排出するための潤滑油流路33を形成すれば、サイドギヤ4とピニオンギヤ5との噛合部19に供されるギヤ収納室6内の潤滑油を、デフリングギヤ2の外部に位置した潤滑対象部への潤滑油の供給源に充てることができる。潤滑油は重力により或いはデフケース3の回転に伴う遠心力によりギヤ収納室6から潤滑油流路33に流れ込むため、油圧ポンプ等の潤滑油の供給駆動源を別途要することもない。
また、潤滑油流路33を、デフリングギヤ2の軸(回転軸O)回り360度にわたってギヤ収納室6に連通する環状空間35と、環状空間35と排出口34とを線状に連通する排出孔路36とから構成すれば、環状空間35に貯留された潤滑油が排出孔路36に効果的に流れ込み、潤滑対象部への潤滑油量の定量性が向上する。
「第2実施形態」
図5ないし図7は第2実施形態にかかる図面であり、第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。なお、図5は概ね図1(b)におけるA−A線に沿った断面図として示されている。
第2実施形態は、潤滑油流路33が、局所的に開口形成されてギヤ収納室6に臨む連通口37と排出口34とを線状に連通する流路からなる。つまり、第1実施形態では、ギヤ収納室6から排出口34までにわたる流路の内、ギヤ収納室6と回転軸O回り360度にわたって連通する環状空間35が介在しており、環状空間35から排出口34までの間のみ線状の排出孔路36が形成された構造であるのに対し、第2実施形態の潤滑油流路33は、ギヤ収納室6に臨む連通口37から既に1本の線状の流路として排出口34までにわたって形成される。
潤滑油流路33は、連通口37からデフリングギヤ2の歯の根元近傍まで延設される比較的流路断面積の大きい上流路38と、この上流路38の下流端近傍から排出口34までにわたり形成される排出孔路36とからなる。排出孔路36の流路断面積は上流路38のそれよりも小さい。排出孔路36の向きについては、第1実施形態の排出孔路36と同様に、デフリングギヤ2の回転の遠心力を利用して潤滑油を排出口34から排出するにあたり、上流路38から排出口34に向かうにしたがいデフリングギヤ2の径外方向に変位するように形成することが好ましい。上方に位置した排出孔路36の孔軸の延長上に軸受26が位置する点についても第1実施形態と同じである。
潤滑油流路33が複数形成される場合は、デフリングギヤ2の円周方向に等間隔で設けられる。図6では回転軸Oを挟んで180度正対する位置に一対の潤滑油流路33が形成された場合を示している。回転軸O方向から見た潤滑油流路33の向きとして、例えば上流路38を径方向に沿って形成して排出口34と連通口37とを同じ法線上に位置させてもよいが、図6に示されるように、排出口34を、連通口37を通過するデフリングギヤ2の法線Nよりも後進回転方向寄りに位置させることで、前進回転時の円周方向の慣性力が効果的に働いて潤滑油流路33内の潤滑油の流れがスムーズとなり、潤滑油が効果的に排出口34から排出される。回転軸O方向から見て、上流路38は下流に向かうにしたがい前記法線Nから漸次離間するように形成される。
また、潤滑油流路33を連通口37の開口面積が最大流路断面積となるように形成すれば、連通口37から流入した潤滑油が潤滑油流路33内において効果的に寄り集まったうえで排出口34から排出される。本実施形態では、上流路38は、下流に向かうにしたがい漸次その流路断面積が小さくなるように形成されており、連通口37から流入した潤滑油が上流路38内を流れるにしたがい効果的に寄り集まったうえで排出孔路36に入り込み排出口34から排出される。
本実施形態の潤滑油流路33についてもデフリングギヤ2を鋳造により成形することで容易に形成可能であり、本実施形態でもデフリングギヤ2とデフケース3とが鋳造により一体に成形されている。
「作用」
ハウジング58の内壁に付着した潤滑油の一部は、油路空間18を経由し螺旋溝14を通ってデフケース3のギヤ収納室6に流れ込む。ギヤ収納室6に流れ込んだ潤滑油はサイドギヤ4とピニオンギヤ5との噛合部19に供給されたうえで、デフケース3の回転に伴う遠心力により、連通口37から上流路38に流れる。潤滑油はギヤ収納室6から上流路38に流れる際に主に飛沫状として或いは図7に白抜き矢印で示すように上流路38の内面を伝って流れ、下流に向かうにしたがい寄り集まって排出孔路36に入り込み、排出口34から軸受26に向けて排出される。
本実施形態の潤滑油流路33は1本の線状の流路からなるため、第1実施形態の環状空間35に比べて潤滑油の貯留機能はさほどないが、上流路38の流路断面積を大きくする等の措置により、上流路38の下流端側において潤滑油の貯留機能を持たせることが可能である。
以上のように、潤滑油流路33を、局所的に開口形成されてギヤ収納室6に臨む連通口37と排出口34とを線状に連通する流路から構成した第2実施形態の潤滑構造によれば、第1実施形態の環状空間35のような比較的大きな空洞部がデフリングギヤ2の内部に形成されることがないため、デフリングギヤ2の強度を確保しやすいという点で有利な構造となる。
以上、本発明の好適な実施形態を説明した。2つの実施形態では潤滑対象部を中間軸21を軸支する軸受26としているが、本発明は他の潤滑対象部に対しても容易に適用することができる。また、第2実施形態における上流路38は、図6に示すように回転軸O方向から見て直線状に形成されることに限定されず、例えば径外方向或いは径内方向に凸となる緩やかな円弧状の流路とすることも可能である。
また、入力軸25としては電動機Eに連結したものに限られず、変速装置等に連結したものであってもよい。
1 終減速装置
2 デフリングギヤ
3 デフケース
4 サイドギヤ
5 ピニオンギヤ
6 ギヤ収納室
12 ドライブシャフト
21 中間軸
22 アイドラドライブギヤ
23 アイドラドリブンギヤ
25 入力軸
26 軸受(潤滑対象部)
33 潤滑油流路
34 排出口
35 環状空間
36 排出孔路
37 連通口
38 上流路

Claims (7)

  1. 入力軸に連結するデフリングギヤと、
    ドライブシャフトと一体に回転するサイドギヤおよび該サイドギヤに噛合するピニオンギヤを収納するギヤ収納室を有し、前記デフリングギヤと一体に回転するデフケースと、
    を備えた終減速装置において、
    前記デフリングギヤの内部に、前記ギヤ収納室の潤滑油を前記デフリングギヤの側面において開口する排出口まで導いて潤滑対象部に向けて排出するための潤滑油流路が形成されていることを特徴とする終減速装置の潤滑構造。
  2. 前記潤滑油流路は、前記デフリングギヤの軸回り360度にわたって前記ギヤ収納室に連通する環状空間と、該環状空間と前記排出口とを線状に連通する排出孔路と、からなることを特徴とする請求項1に記載の終減速装置の潤滑構造。
  3. 前記潤滑油流路は、局所的に開口形成されて前記ギヤ収納室に臨む連通口と前記排出口とを線状に連通する流路からなることを特徴とする請求項1に記載の終減速装置の潤滑構造。
  4. 前記排出口は、前記連通口を通過する前記デフリングギヤの法線よりも後進回転方向寄りに位置することを特徴とする請求項3に記載の終減速装置の潤滑構造。
  5. 前記潤滑油流路は、前記連通口の開口面積が最大流路断面積となるように形成されていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の終減速装置の潤滑構造。
  6. 前記デフリングギヤは中間軸を介して前記入力軸と連結し、
    前記潤滑対象部は前記中間軸を軸支する軸受であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の終減速装置の潤滑構造。
  7. 前記デフリングギヤと前記デフケースとが鋳造により一体成形されていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の終減速装置の潤滑構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE102013208211A1 (de) * 2013-05-06 2014-11-06 Zf Friedrichshafen Ag Verzahntes Bauteil
WO2019244564A1 (ja) * 2018-06-19 2019-12-26 ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフト 車両用駆動装置
CN113932003A (zh) * 2021-10-16 2022-01-14 安徽江淮汽车集团股份有限公司 一种电动汽车减速器油道结构

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