JP5084148B2 - 放熱部材およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶組成物を、配向制御添加剤やラビング処理法などにより配向制御して重合することにより得られる重合体からなる放熱部材およびその製造方法に関する。
近年、パーソナルコンピューター、携帯電話、PDA(Personal Data Asistant)などの電子情報機器の高機能化は著しい。この高機能化を達成させるためにはLSIの高集積化や高速化、バッテリーの高容量化などの改良が必要不可欠である。しかしながら、このような改良に伴い、電子材料部品から発生する熱量が増大し、熱量蓄積による動作不良などの問題が発生している。そのため、電子情報機器の高機能化を達成させるためには放熱問題を早急に解決する必要がある。
このような放熱問題を解決する方法としては、発熱部位に高熱伝導性材料(放熱部材)を設けて放熱する方法が挙げられる。熱伝導性が高い材料として、金属や金属酸化物などの無機材料が挙げられる。しかしながら、このような無機材料は、絶縁性や加工性などに問題があり、特に電子材料部品の周辺に設けるには制限がある。そのため、高熱伝導化した樹脂からなる放熱部材の開発が行われている。
樹脂の高熱伝導化は、一般的に、ポリエチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などの汎用樹脂に、金属充填剤や無機充填材を多量に添加することにより行われてきた。しかしながら、このような方法では、充填剤の充填作業が煩雑であり、得られる樹脂材料の加工性、機械的強度の向上および軽量化など、近年要求されている特性を満たすことが難しい。
こうした中、優れた熱伝導性を発揮する樹脂材料として、メソゲン基を有するモノマーを含む樹脂組成物を重合させて液晶相を発現させた液晶性樹脂(たとえば、特許文献1および2参照)や、磁場により配向させた液晶性樹脂(たとえば、特許文献3〜6参照)などが提案されている。しかしながら、さらに高度な要求にも対応できる放熱部材が望まれている。
特開平11−323162号公報 特開2003−268070号公報 特開2004−149722号公報 特開2004−149723号公報 特開2004−175926号公報 特開2004−256687号公報
本発明の課題は、高熱伝導性に加え、透水性、吸水性およびガス透過度が低く、化学的安定性、耐熱性、硬度および機械的強度などに優れた特性を有する放熱部材を提供することにある。
本発明者らは、液晶性を有する重合性化合物のメソゲン部位を一定の方向に配向させて重合することにより得られる、分子配列が固定された重合体からなる放熱部材によって、熱伝導の要素のひとつであるフォノンの伝達損失が抑制され、樹脂の高熱伝導化が望めることを見出した。本発明に係る放熱部材およびその製造方法の態様としては、以下に記載
したとおりである。
[1] 末端に重合性基を有する重合性液晶化合物を含む液晶組成物を、配向膜、配向制御添加剤、ラビング処理または該組成物の自己配向規制力により、該液晶化合物のメソゲン部位を配向制御して重合することにより得られる液晶重合体からなることを特徴とする放熱部材。
[2] 前記重合性液晶化合物が下記式(1−1)で表される少なくとも1種の化合物であることを特徴とする[1]に記載の放熱部材。
a1−Z−(A−Z)m1−Ra1 ・・・(1−1)
式(1−1)中、Ra1は、独立に下記式(2−1)〜(2−6)で表される重合性基、水素、ハロゲン、シアノ、−CF3、−CF2H、−CFH2、−OCF3、−OCF2H、
−N=C=O、−N=C=Sまたは炭素数1〜20のアルキルであり、該アルキルにおいて、任意の−CH2−は、−O−、−S−、−SO2−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、任意の水素は、ハロゲンまたはシアノで置き換えられてもよく、Ra1の少なくとも1つは、式(2−1)〜(2−6)で表される重合性基であり;
Aは、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、ビシクロ[2.2.2]オクト−1,4−ジイル、ビシクロ[3.1.0]ヘキス−3,6−ジイルまたは下記式(3−1)〜(3−10)で表される2価の基であり、これらの環において、任意の−CH2−は−O−で置き換えられてもよく、任意
の−CH=は−N=で置き換えられてもよく、任意の水素は、ハロゲン、炭素数1〜10のアルキルまたは炭素数1〜10のハロゲン化アルキルで置き換えられてもよく、該アルキルにおいて、任意の−CH2−は、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−C
H=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく;
Zは、独立に単結合または炭素数1〜20のアルキレンであり、該アルキレンにおいて、任意の−CH2−は、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=C
H−、−CF=CF−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−N(O)=N−または−C≡C−で置き換えられてもよく、任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;
m1は1〜6の整数である。
Figure 0005084148
式(2−1)〜(2−6)中、Rbは、独立に水素、ハロゲン、−CF3または炭素数1〜5のアルキルであり、qは0または1である。
Figure 0005084148
[3] 前記式(1−1)中、Ra1の少なくとも一つが、前記式(2−1)、(2−5)または(2−6)で表される重合性基であることを特徴とする[2]に記載の放熱部材。
[4] 前記式(1−1)中、Ra1の少なくとも一つが、前記式(2−1)、(2−5)または(2−6)で表される重合性基であり;Aが、1,4−シクロヘキシレン、任意の水素がハロゲンで置き換えられた1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、任意の水素がハロゲンもしくはメチルで置き換えられた1,4−フェニレン、フルオレン−2,7−ジイルまたは任意の水素がハロゲンもしくはメチルで置き換えられたフルオレン−2,7−ジイルであることを特徴とする[2]に記載の放熱部材。
[5] 前記式(1−1)中、Ra1の少なくとも一つが、前記式(2−1)、(2−5)または(2−6)で表される重合性基であり;Aが、1,4−シクロヘキシレン、任意の水素がハロゲンで置き換えられた1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、任意の水素がハロゲンもしくはメチルで置き換えられた1,4−フェニレン、フルオレン−2,7−ジイルまたは任意の水素がハロゲンもしくはメチルで置き換えられたフルオレン−2,7−ジイルであり;Zが、単結合、−(CH2a−、−O(CH2a−、−(CH2aO−、−O(CH2aO−、−CH=CH−、−C≡C−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−、−CH2CH2−COO−、−OCO−CH2CH2−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−OCF2−または−C
2O−であり、該aが1〜20の整数であることを特徴とする[2]に記載の放熱部材
[6] 前記式(1−1)中、Ra1の少なくとも一つが、前記式(2−2)、(2−3)または(2−4)で表される重合性基であることを特徴とする[2]に記載の放熱部材。
[7] 前記式(1−1)中、Ra1の少なくとも一つが、前記式(2−2)、(2−3)または(2−4)で表される重合性基であり;Aが、1,4−シクロヘキシレン、任意の水素がハロゲンで置き換えられた1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、任意の水素がハロゲンもしくはメチルで置き換えられた1,4−フェニレン、フルオレン−2,7−ジイルまたは任意の水素がハロゲンもしくはメチルで置き換えられたフルオレン−2,7−ジイルであることを特徴とする[2]に記載の放熱部材。
[8] 前記式(1−1)中、Ra1の少なくとも一つが、前記式(2−2)、(2−3)または(2−4)で表される重合性基であり;Aが、1,4−シクロヘキシレン、任意の水素がハロゲンで置き換えられた1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、任意の水素がハロゲンもしくはメチルで置き換えられた1,4−フェニレン、フルオレン−2,7−ジイルまたは任意の水素がハロゲンもしくはメチルで置き換えられたフルオレン−2,7−ジイルであり;Zが、単結合、−(CH2a−、−O(CH2a−、−(CH2aO−、−O(CH2aO−、−CH=CH−、−C≡C−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−、−CH2CH2−COO−、−OCO−CH2CH2−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−OCF2−または−C
2O−であり、該aが1〜20の整数であることを特徴とする[2]に記載の放熱部材
[9] 前記式(1−1)中、Ra1の少なくとも一つが、前記式(2−1)、(2−5)または(2−6)で表される重合性基であり;Aが、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、任意の水素がハロゲンもしくはメチルで置き換えられた1,4−フェニレン、フルオレン−2,7−ジイルまたは任意の水素がハロゲンもしくはメチルで置き換えられたフルオレン−2,7−ジイルであり;Zが、単結合、−COO−、−OCO−、−(CH2a−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−、−CH2CH2−COO−、−OCO−CH2CH2−、−O(CH2a−、−(CH2aO−または−O(CH2aO−であり、該aが1〜20の整数であることを特徴とする[2]に記載の放熱部材。
[10] 前記式(1−1)中、Ra1の少なくとも一つが、前記式(2−1)、(2−5)または(2−6)で表される重合性基であり;Aが、1,4−フェニレン、任意の水素がCl、Fもしくはメチルで置き換えられた1,4−フェニレン、フルオレン−2,7−ジイルまたは任意の水素がFもしくはメチルで置き換えられたフルオレン−2,7−ジイルであり;Zが、−COO−、−OCO−、−(CH2a−、−O(CH2a−、−(CH2aO−または−O(CH2aO−であり、該aが1〜20の整数であることを特徴とする[2]に記載の放熱部材。
[11] 前記式(1−1)中、Ra1の少なくとも一つが、前記式(2−2)、(2−3)または(2−4)で表される重合性基であり;Aが、1,4−シクロヘキシレン、任意の水素がハロゲンで置き換えられた1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、任意の水素がハロゲンもしくはメチルで置き換えられた1,4−フェニレン、フルオレン−2,7−ジイルまたは任意の水素がハロゲンもしくはメチルで置き換えられたフルオレン−2,7−ジイルであり;Zが、単結合、−COO−、−OCO−、−(CH2a−、−O(CH2a−、−(CH2aO−または−O(CH2aO−であり、該aが1〜20の整数であることを特徴とする[2]に記載の放熱部材。
[12] 前記式(1−1)中、Ra1の少なくとも一つが、前記式(2−2)、(2−3)または(2−4)で表される重合性基であり;Aが、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、任意の水素がハロゲンもしくはメチルで置き換えられた1,4−フェニレン、フルオレン−2,7−ジイルまたは任意の水素がハロゲンもしくはメチルで置き換えられたフルオレン−2,7−ジイルであり;Zが、−COO−、−OCO−、−(CH2a−、−O(CH2a−、−(CH2aO−または−O(CH2aO−であり、該aが1〜20の整数であることを特徴とする[2]に記載の放熱部材。
[13] 前記式(1−1)中、Ra1の少なくとも一つが、前記式(2−2)、(2−3)または(2−4)で表される重合性基であり;Aが、1,4−フェニレン、任意の水素がCl、Fもしくはメチルで置き換えられた1,4−フェニレン、フルオレン−2,7−ジイルまたは任意の水素がFもしくはメチルで置き換えられたフルオレン−2,7−ジイルであり;Zが、−COO−、−OCO−、−(CH2a−、−O(CH2a−、−(CH2aO−または−O(CH2aO−であり、該aが1〜20の整数であることを特徴とする[2]に記載の放熱部材。
[14] 前記重合性液晶化合物が下記式(1−2)で表される少なくとも1種の化合物であることを特徴とする[1]に記載の放熱部材。
Figure 0005084148
式(1−2)中、Ra2は、独立に水素、ハロゲン、シアノ、−CF3、−CF2H、−CFH2、−OCF3、−OCF2H、−N=C=O、−N=C=Sまたは炭素数1〜20の
アルキルであり、該アルキルにおいて、任意の−CH2−は−O−、−S−、−SO2−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられてもよく、任意の水素はハロゲンまたはシアノで置き換えられてもよく;Ra3は、[2]に記載の式(2−1)〜(2−5)のいずれかで表される重合性基であり;
Aは、独立に1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、ビシクロ[2.2.2]オクト−1,4−ジイル、ビシクロ[3.1.0]ヘキス−3,6−ジイルまたは[2]に記載の式(3−1)〜(3−10)で表される2価の基であり、これらの環において、任意の−CH2−は−O−で置き換えら
れてもよく、任意の−CH=は−N=で置き換えられてもよく、任意の水素はハロゲン、炭素数1〜10のアルキルまたは炭素数1〜10のハロゲン化アルキルで置き換えられてもよく、該アルキルにおいて、任意の−CH2−は、−O−、−CO−、−COO−、−
OCO−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく;
Zは、独立に単結合または炭素数1〜20のアルキレンであり、
該アルキレンにおいて、任意の−CH2−は−O−、−S−、−CO−、−COO−、−
OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−N(O)=N−または−C≡C−で置き換えられてもよく、任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;
Yは単結合または炭素数1〜20のアルキレンであり、該アルキレンにおいて、任意の−
CH2−は−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−または−CH=CH−で
置き換えられてもよく、任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;
m2およびn2は、それぞれ0〜5の整数である。
[15] 前記式(1−2)中、Ra3が[2]に記載の式(2−1)、(2−5)または(2−6)で表される重合性基である[14]に記載の放熱部材
[16] 前記式(1−2)中、m2+n2が1〜3の整数である[14]に記載の放熱部材
[17] 前記式(1−2)中、m2+n2が2である[14]に記載の放熱部材
[18] 前記式(1−2)中、Ra2が、独立に炭素数1〜10のアルキル、炭素数1〜10のアルコキシまたは炭素数2〜10のアルケニルであり、これらの任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;Ra3が、[2]に記載の式(2−1)、(2−5)または(2−6)で表される重合性基であり;Aが、独立に1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリダジン−3,6−ジイルまたはピリミジン−2,5−ジイルであり、これらの任意の水素は、塩素、フッ素、炭素数1〜3のアルキルまたは炭素数1〜3のフルオロアルキルで置き換えられてもよく;Zが、独立に単結合、−CH2O−、−OCH2−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−(CH22COO−、−OCO(CH22−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−または−C≡C−であり;Yが単結合または炭素数1〜10のアルキレンであり、該アルキレンにおいて任意の−CH2−は−O−、−COO−または−OCO−で置き換えられてもよい[14]に記載の放熱部材
[19] 前記式(1−2)中、Ra2が、独立に炭素数1〜10のアルキルまたは炭素数1〜10のアルコキシであり;Ra3が、[2]に記載の式(2−1)、(2−5)または(2−6)で表される重合性基であり;Aが、独立に1,4−シクロヘキシレンまたは1,4−フェニレンであり;Zが、独立に単結合、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−(CH22COO−、−OCO(CH22−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−または−C≡C−であり;Yが単結合または炭素数1〜10のアルキレンであり、該アルキレンにおいて環に隣接する−CH2−が−O−、−COO−または−OCO−で置き換えられてもよい[14]に記載の放熱部材
[20] 前記液晶組成物が、非重合性の液晶性化合物を含有することを特徴とする[1]〜[19]のいずれかに記載の放熱部材。
[21] 前記液晶組成物が光学活性であることを特徴とする[1]〜[20]のいずれかに記載の放熱部材。
[22] 前記液晶組成物が、[2]に記載の式(1−1)または[14]に記載の式(1−2)で表わされる液晶化合物以外の重合性光学活性化合物を含有することを特徴とする[1]〜[21]のいずれかに記載の放熱部材。
[23] 前記液晶組成物が、[2]に記載の式(1−1)または[14]に記載の式(1−2)で表わされる液晶化合物以外の非重合性光学活性化合物を含有することを特徴とする[1]〜[22]のいずれかに記載の放熱部材。
[24] 前記液晶組成物が無機充填剤を含有することを特徴とする[1]〜[23]のいずれかに記載の放熱部材。
[25] 前記液晶組成物が金属充填剤を含有することを特徴とする[1]〜[23]のいずれかに記載の放熱部材。
[26] 前記液晶重合体が、前記液晶組成物を、ホモジニアス、ツイスト、ホメオトロピック、ハイブリッド、ベンドまたはスプレー配向させて重合することにより得られたことを特徴とする[1]〜[25]のいずれかに記載の放熱部材。
[27] 前記液晶重合体が、前記液晶組成物を、配向制御添加剤によりホモジニアス、ツイスト、ホメオトロピック、ハイブリッドまたはスプレー配向させて重合することにより得られたことを特徴とする[1]〜[25]のいずれかに記載の放熱部材。
[28] 前記液晶重合体が、前記液晶組成物を、ラビング処理によりホモジニアス、ツイスト、ハイブリッドまたはスプレー配向させて重合することにより得られたことを特徴とする[1]〜[25]のいずれかに記載の放熱部材。
[29] 高分子成形体であることを特徴とする[1]〜[28]のいずれかに記載の放熱部材。
[30] シートであることを特徴とする[1]〜[28]のいずれかに記載の放熱部材。
[31] フィルムであることを特徴とする[1]〜[28]のいずれかに記載の放熱部材。
[32] 薄膜であることを特徴とする[1]〜[28]のいずれかに記載の放熱部材。
[33] 熱伝導度が0.3W/(K・m)以上であることを特徴とする[1]〜[32]のいずれかに記載の放熱部材。
[34] 末端に重合性基を有する重合性液晶化合物を含む液晶組成物を、配向膜、配向制御添加剤、ラビング処理または該組成物の自己配向規制力により、該液晶化合物のメソゲン部位を配向制御して重合することを特徴とする放熱部材の製造方法。
本発明の放熱部材は、高熱伝導性に加え、透水性、吸水性およびガス透過度が低く、化学的安定性、耐熱性、硬度および機械的強度などに優れた特性を有することから、たとえば、放熱板、放熱シート、放熱塗膜、放熱接着剤などに適している。
以下、本発明の放熱部材およびその製造方法について詳細に説明する。なお、本明細書における用語の使い方は以下のとおりである。
「液晶性化合物」は、ネマチック相やスメクチック相などの液晶相を有する化合物、および、液晶相を有しないが液晶組成物の成分として有用な化合物の総称である。また、「(メタ)アクリロイルオキシ」は、アクリロイルオキシまたはメタクリロイルオキシを意味し、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートまたはメタクリレートを意味し、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸またはメタクリル酸を意味する。
「アルキルにおける任意の−CH2−は、−O−、−CH=CH−などで置き換えられ
てもよい」等の句の意味を一例で示す。たとえば、C49−における任意の−CH2−が
、−O−または−CH=CH−で置き換えられた基としては、C37O−、CH3−O−
(CH22−、CH3−O−CH2−O−、H2C=CH−(CH23−、CH3−CH=CH−(CH22−、CH3−CH=CH−CH2−O−などである。このように「任意の」という語は、「区別なく選択された少なくとも1つの」を意味する。なお、化合物の安定性を考慮して、酸素と酸素とが隣接したCH3−O−O−CH2−よりも、酸素と酸素とが隣接しないCH3−O−CH2−O−の方が好ましい。
「化合物(1−1)」は、上記式(1−1)で表わされる液晶化合物を意味し、また、上記式(1−1)で表わされる化合物の少なくとも1種を意味することもある。なお、「化合物(1−2)」についても同様であり、化合物(1−1)および化合物(1−2)を総称して「化合物(1)」と表す。「組成物(1)」は、前記化合物(1)から選択される少なくとも1種の化合物を含有する液晶組成物を意味する。「重合体(1)」は前記組成物(1)を重合させることによって得られる液晶重合体を意味する。1つの化合物(1)が複数のAを有するとき、任意の2つのAは同一でも異なっていてもよい。複数の化合物(1)がAを有するとき、任意の2つのAは同一でも異なっていてもよい。この規則は、Ra1やZなど他の記号、基などにも適用される。
〔液晶化合物〕
本発明で用いられる化合物(1)は、液晶骨格と重合性基を有し、高い重合反応性、広い液晶相温度範囲、良好な混和性などを有する。この化合物(1)は他の液晶性化合物や重合性化合物などと混合するとき、容易に均一になりやすい。
上記化合物(1)の末端基Ra1もしくはRa2(以下、これらを「末端基Ra」と総称す
る。)、環構造Aおよび結合基Zを適宜選択することによって、液晶相発現領域などの物性を任意に調整することができる。末端基Ra、環構造Aおよび結合基Zの種類が、化合
物(1)の物性に与える効果、ならびに、これらの好ましい例を以下に説明する。
<末端基Ra
上記化合物(1)のRaが直鎖状アルキルである場合、液晶相の温度範囲が広く、かつ
粘度が小さい。一方、Raが分岐状アルキルである場合、他の液晶性化合物との相溶性が
よい。Raがシアノ、ハロゲン、−CF3、−OCF3である場合においても、良好な液晶
相温度範囲を示し、誘電率異方性が高く、適度な相溶性を有する。
好ましいRaとしては、水素、フッ素、塩素、シアノ、−N=C=O、−N=C=S、
アルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、アルキルチオ、アルキルチオアルコキシ、アルケニル、アルケニルオキシ、アルケニルオキシアルキル、アルコキシアルケニル、アルキニル、アルキニルオキシなどが挙げられる。これらの基において、少なくとも1つの水素がハロゲンで置き換えられた基も好ましい。好ましいハロゲンはフッ素、塩素であり、さらに好ましくはフッ素である。具体例としては、モノフルオロアルキル、ポリフルオロアルキル、ペルフルオロアルキル、モノフルオロアルコキシ、ポリフルオロアルコキシ、ペルフルオロアルコキシなどである。これらの基は分岐鎖よりも直鎖の方が好ましいが、光学活性な化合物(1)を得るためには分岐したRaが好まし
い。
さらに好ましいRaとしては、水素、フッ素、塩素、シアノ、−CF3、−CF2H、−
CFH2、−OCF3、−OCF2H、炭素数1〜10のアルキル、炭素数1〜10のアル
コキシ、炭素数2〜10のアルコキシアルキルなどが挙げられる。前記アルキル、アルコキシおよびアルコキシアルキルとしては、たとえば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、ブチルオキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、メトキシメチル、メトキシエチルなどが挙げられる。特に好ましいRaとしては、炭素数1〜10のアルキル、炭素数1〜10のアル
コキシである。
<環構造A>
上記化合物(1)の環構造Aにおける少なくとも1つの環が1,4−フェニレンの場合
、配向秩序パラメーター(orientational order parameter)および磁化異方性が大きい
。また、少なくとも2つの環が1,4−フェニレンの場合、液晶相の温度範囲が広く、さらに透明点が高い。1,4−フェニレン環上の少なくとも1つの水素がシアノ、ハロゲン、−CF3または−OCF3に置換された場合、誘電率異方性が高い。また、少なくとも2つの環が1,4−シクロヘキシレンである場合、透明点が高く、かつ粘度が小さい。化合物(1)が、環構造Aとして基(3−1)〜(3−10)を有する場合、ねじれ誘起力が大きい。
好ましいAとしては、1,4−シクロへキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、2,2−ジフルオロ−1,4−シクロへキシレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,3,5−トリフルオロ−1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、3−フルオロピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ピリダジン−3,6−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、9−メチルフルオレン−2,7−ジイル、9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイル、9−エチルフルオレン−2,7−ジイル、9−フルオロフルオレン−2,7−ジイル、9,9−ジフルオロフルオレン−2,7−ジイル、式(3−1)、(3−2)、(3−6)、(3−8)または(3−10)で表される2価の基などが挙げられる。
1,4−シクロヘキシレンおよび1,3−ジオキサン−2,5−ジイルの立体配置は、シスよりもトランスが好ましい。2−フルオロ−1,4−フェニレンおよび3−フルオロ−1,4−フェニレンは構造的に同一であるので、後者は例示していない。この規則は、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレンと3,6−ジフルオロ−1,4−フェニレンとの関係などにも適用される。
さらに好ましいAとしては、1,4−シクロへキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレンなどである。特に好ましいAは、1,4−シクロへキシレンおよび1,4−フェニレンである。
<結合基Z>
上記化合物(1)の結合基Zが、単結合、−(CH22−、−CH2O−、−OCH2−、−CF2O−、−OCF2−、−CH=CH−、−CF=CF−または−(CH24−である場合、特に、単結合、−(CH22−、−CF2O−、−OCF2−、−CH=CH−または−(CH24−である場合、粘度が小さくなる。また、結合基Zが、−CH=CH−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−または−CF=CF−である場合、液晶相の温度範囲が広い。また、結合基Zが、炭素数4〜10程度のアルキルの場合、融点が低下する。
好ましいZとしては、単結合、−(CH22−、−(CF22−、−COO−、−OCO−、−CH2O−、−OCH2−、−CF2O−、−OCF2−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−(CH24−、−(CH23O−、−O(CH23−、−(CH22COO−、−OCO(CH22−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−などが挙げられる。
さらに好ましいZとしては、単結合、−(CH22−、−COO−、−OCO−、−CH2O−、−OCH2−、−CF2O−、−OCF2−、−CH=CH−、−C≡C−などが
挙げられる。特に好ましいZとしては、単結合、−(CH22−、−COO−または−OCO−である。
上記化合物(1)が3つ以下の環を有するときは粘度が低く、3つ以上の環を有するときは透明点が高い。なお、本明細書においては、基本的に6員環および6員環を含む縮合環等を環とみなし、たとえば3員環や4員環、5員環単独のものは環とみなさない。また、ナフタレン環やフルオレン環などの縮合環は1つの環とみなす。
上記化合物(1)は、光学活性であってもよいし、光学的に不活性でもよい。化合物(1)が光学活性である場合、該化合物(1)は不斉炭素を有する場合と軸不斉を有する場合がある。不斉炭素の立体配置はRでもSでもよい。不斉炭素はRaまたはAのいずれに
位置していてもよく、不斉炭素を有すると、化合物(1)の相溶性がよい。化合物(1)が軸不斉を有する場合、ねじれ誘起力が大きい。また、施光性はいずれでも構わない。
以上のように、末端基Ra、環構造Aおよび結合基Zの種類、環の数を適宜選択するこ
とにより、目的の物性を有する化合物を得ることができる。
<化合物(1−1)>
化合物(1−1)は、下記式(1−a)または(1−b)のように表すこともできる。P−Y−(A−Z)m−Ra ・・・(1−a)
P−Y−(A−Z)m−Y−P ・・・(1−b)
上記式(1−a)および(1−b)中、A、Z、Raは上記式(1−1)で定義したA
、Z、Ra1と同義であり、Pは上記式(2−1)〜(2−6)で表される重合性基を示し、Yは単結合または炭素数1〜20のアルキレン、好ましくは炭素数1〜10のアルキレンを示し、該アルキレンにおいて、任意の−CH2−は、−O−、−S−、−CO−、−
COO−、−OCO−または−CH=CH−で置き換えられてもよい。特に好ましいYとしては、炭素数1〜10のアルキレンの片末端もしくは両末端の−CH2−が−O−で置
き換えられたアルキレンである。mは1〜6の整数、好ましくは2〜6の整数、さらに好ましくは2〜4の整数である。
好ましい化合物(1−1)の例としては、以下に示す化合物(a−1)〜(g−20)が挙げられる。
Figure 0005084148
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上記化学式において、Ra、PおよびYは上記式(1−a)および(1−b)で定義し
たとおりである。
1は、単結合、−(CH22−、−(CF22−、−(CH24−、−CH2O−、−OCH2−、−(CH23O−、−O(CH23−、−COO−、−OCO−、−CH=
CH−、−CF=CF−、−CH=CHCOO−、−OCOCH=CH−、−(CH22COO−、−OCO(CH22−、−C≡C−、−C≡C−COO−、−OCO−C≡C−、−C≡C−CH=CH−、−CH=CH−C≡C−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−OCF2−または−CF2O−である。なお、複数のZ1は同一でも異なっ
ていてもよい。
2は、−(CH22−、−(CF22−、−(CH24−、−CH2O−、−OCH2
−、−(CH23O−、−O(CH23−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CH=CHCOO−、−OCOCH=CH−、−(CH22COO−、−OCO(CH22−、−C≡C−、−C≡C−COO−、−OCO−C≡C−、−C≡C−CH=CH−、−CH=CH−C≡C−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−OCF2−または−CF2O−である。
3は、単結合、炭素数1〜10のアルキル、−(CH2a−、−O(CH2aO−、
−CH2O−、−OCH2−、−O(CH23−、−(CH23O−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CH=CHCOO−、−OCOCH=CH−、−(CH22COO−、−OCO(CH22−、−CF=CF−、−C≡C−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−OCF2−または−CF2O−であり、複数のZ3は同一でも異なっ
ていてもよい。
Xは、任意の水素がハロゲン、アルキル、フッ化アルキルで置き換えられてもよい1,4−フェニレンおよびフルオレン−2,7−ジイルの置換基であり、ハロゲン、アルキルまたはフッ化アルキルを示す。
上記化合物(1−1)のより好ましい態様について説明する。より好ましい化合物(1−1)は、下記式(1−c)または(1−d)で表すことができる。
1−Y−(A−Z)m−Ra ・・・(1−c)
1−Y−(A−Z)m−Y−P1 ・・・(1−d)
上記式中、A、Y、Z、Raおよびmはすでに定義したとおりであり、P1は下記式(4−1)〜(4−14)で表される重合性基を示す。上記式(1−d)の場合、2つのP1
は同一の重合性基(4−1)〜(4−14)を示し、2つのYは同一の基を示し、2つのYは対称となるように結合する。
Figure 0005084148
上記化合物(1−1)のより好ましい具体例を以下に示す。
Figure 0005084148
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Figure 0005084148
<化合物(1−2)>
次に、化合物(1−2)の例を以下に示す。好ましい化合物(1−2)の例としては、以下に示す化合物(h−1)〜(h−5)が挙げられる。
Figure 0005084148
上記化学式において、Raは、上記式(1−2)で定義したRa2と同義であり、X、Y
、Z3およびPは上述したとおりである。
上記化合物(1−2)のより好ましい具体例を以下に示す。
Figure 0005084148
Figure 0005084148
Figure 0005084148
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Figure 0005084148
<化合物(1)の合成方法>
上記化合物(1)は、有機合成化学における公知の手法を組み合わせることにより合成できる。出発物質に目的の末端基、環構造および結合基を導入する方法は、たとえば、ホーベン−ワイル(Houben-Wyle, Methods of Organic Chemistry, Georg Thieme Verlag, Stuttgart)、オーガニック・シンセシーズ(Organic Syntheses, John Wily & Sons, Inc.)、オーガニック・リアクションズ(Organic Reactions, John Wily & Sons Inc.)、コンプリヘンシブ・オーガニック・シンセシス(Comprehensive Organic Synthesis, Pergamon Press)、新実験化学講座(丸善)などの成書に記載されている。
結合基Zの導入方法について、下記スキーム1〜12で説明する。これらのスキームにおいて、MSG1およびMSG2は、少なくとも一つの環を有する1価の有機基を示し、Halはハロゲンを示す。下記スキームで用いた複数のMSG1(またはMSG2)は、同一でも異なっていてもよい。下記スキームにおける化合物(1A)〜(1M)は上記化合物(1)に相当する。これらの方法は、光学活性な化合物(1)および光学的に不活性な化合物(1)の合成に適用できる。
(スキーム1)Zが単結合の化合物
下記に示すように、アリールホウ酸(S1)と公知の方法で合成される化合物(S2)とを、炭酸塩水溶液およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムのような触媒の存在下で反応させることにより、MSG1とMSG2との間に単結合が導入された化合物(1A)を合成することができる。この化合物(1A)は、公知の方法で合成される化合物(S3)に、n−ブチルリチウム、次いで塩化亜鉛を反応させた後、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムのような触媒の存在下で化合物(S2)をさらに反応させることによっても合成することができる。
Figure 0005084148
(スキーム2)Zが−CH=CH−の化合物
下記に示すように、公知の方法で合成されるホスホニウム塩(S5)にカリウムt−ブトキシドなどの塩基を作用させて発生させたリンイリドと、アルデヒド(S4)とを反応させることにより、MSG1とMSG2との間に−CH=CH−が導入された化合物(1B)を合成することができる。反応条件および基質によってはシス体が生成するので、必要に応じて公知の方法によりシス体をトランス体に異性化する。
Figure 0005084148
(スキーム3)Zが−(CH22−の化合物
下記に示すように、上記のようにして得られた化合物(1B)をパラジウム炭素などの触媒の存在下で水素化することにより、MSG1とMSG2との間に−(CH22−を有する化合物(1C)を合成することができる。
Figure 0005084148
(スキーム4)Zが−(CF22−の化合物
下記に示すように、J. Am. Chem. Soc., 2001, 123, 5414 に記載されている方法に従
い、フッ化水素触媒の存在下、ジケトン(S6)を四フッ化硫黄でフッ素化することにより、MSG1とMSG2との間に−(CF22−を有する化合物(1D)を合成することができる。
Figure 0005084148
(スキーム5)Zが−(CH24−の化合物
下記に示すように、スキーム2の方法に従って、ホスホニウム塩(S5)の代わりにホスホニウム塩(S7)を用いて−(CH22−CH=CH−を有する化合物を合成し、これを上記スキーム3と同様にして接触水素化することにより、MSG1とMSG2との間に−(CH24−が導入された化合物(1E)を合成することができる。
Figure 0005084148
(スキーム6)Zが−CH2O−または−OCH2−の化合物
下記に示すように、化合物(S4)を水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤で還元して化合物(S8)を得る。これを臭化水素酸などでハロゲン化して化合物(S9)を得る。この化合物(S9)と化合物(S10)とを、炭酸カリウムなどの存在下で反応させることにより、MSG1とMSG2との間に−OCH2−(または−CH2O−)が導入された化合物(1F)を合成することができる。
Figure 0005084148
(スキーム7)Zが−COO−または−OCO−の化合物
下記に示すように、化合物(S3)に、n−ブチルリチウム、続いて二酸化炭素を反応させてカルボン酸(S11)を得る。この化合物(S11)とフェノール(S10)とを、DCC(1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド)およびDMAP(4−ジメチルアミノピリジン)の存在下で脱水反応させることにより、MSG1とMSG2との間に−COO−(または−OCO−)が導入された化合物(1G)を合成することができる。
Figure 0005084148
(スキーム8)Zが−CF=CF−の化合物
下記に示すように、化合物(S3)をn−ブチルリチウムで処理した後、テトラフルオロエチレンと反応させて化合物(S12)を得る。次いで、化合物(S2)をn−ブチルリチウムで処理した後、化合物(S12)と反応させることにより、MSG1とMSG2との間に−CF=CF−が導入された化合物(1H)を合成することができる。合成条件を選択することで、シス体の化合物を製造することも可能である。
Figure 0005084148
(スキーム9)Zが−C≡C−の化合物
下記に示すように、ジクロロパラジウムおよびハロゲン化銅の触媒存在下、化合物(S13)と化合物(S2)とを反応させることにより、MSG1とMSG2との間に−C≡C−が導入された化合物(1J)を合成することができる。
Figure 0005084148
(スキーム10)Zが−C≡C−COO−または−OCO−C≡C−の化合物
下記に示すように、化合物(S13)をn−ブチルリチウムでリチオ化した後、二酸化炭素を作用させてカルボン酸(S14)を得る。次いで、カルボン酸(S14)とフェノール(S10)とを、DCCおよびDMAPの存在下で脱水反応させることにより、MSG1とMSG2との間に−C≡C−COO−(または−OCO−C≡C−)が導入された化合物(1K)を合成することができる。
Figure 0005084148
(スキーム11)Zが-C≡C-CH=CH-または-CH=CH-C≡C-の化合物
下記に示すように、化合物(S13)とビニルブロミド(S15)とのクロスカップリング反応により、MSG1とMSG2との間に−C≡C−CH=CH−(または−CH=CH−C≡C−)が導入された化合物(1L)を合成することができる。シス体の化合物(
S15)を使用すれば、シス体の化合物(1L)を合成することができる。
Figure 0005084148
(スキーム12)Zが−CF2O−または−OCF2−の化合物
下記に示すように、上記スキーム7などの方法によって得られた化合物(1G)を、ローソン試薬のような硫黄化剤で処理して化合物(S16)を得る。この化合物(S16)を、フッ化水素ピリジン錯体およびN−ブロモスクシンイミド(NBS)でフッ素化することにより、MSG1とMSG2との間に−CF2O−(または−OCF2−)を有する化合物(1M)を合成することができる。また、化合物(1M)は化合物(S16)を(ジエチルアミノ)サルファートリフルオリド(DAST)でフッ素化しても合成することができる。また、P. Kirsch et al., Angew. Chem. Int. Ed. 2001, 40, 1480.に記載の方法
によってこれらの結合基を生成させることも可能である。
Figure 0005084148
〔液晶組成物〕
本発明における組成物(1)は、上記化合物(1)を少なくとも1種含み、2種以上の化合物からなる。すなわち、組成物(1)は、2種以上の化合物(1)で構成されていてもよく、また、少なくとも1種の化合物(1)と、化合物(1)以外の少なくとも1種の化合物との組み合わせで構成されていてもよい。このような化合物(1)以外の構成要素としては、特に限定されないが、たとえば、化合物(1)以外の重合性化合物(以下「その他の重合性化合物」ともいう)、非重合性の液晶性化合物、光学活性化合物、重合開始剤、溶媒および充填材などが挙げられる。
<その他の重合性化合物>
組成物(1)は、その他の重合性化合物を構成要素としてもよい。このような重合性化合物としては、膜形成性および機械的強度を低下させない化合物が好ましい。この重合性化合物は、液晶性を有しない化合物と液晶性を有する化合物とに分類される。液晶性を有しない重合性化合物としては、ビニル誘導体、スチレン誘導体、(メタ)アクリル酸誘導体、ソルビン酸誘導体、フマル酸誘導体、イタコン酸誘導体などが挙げられる。これらの
誘導体の好ましい例を以下に示す。
好ましいビニル誘導体としては、たとえば、塩化ビニル、フッ化ビニル、酢酸ビニル、ピバリン酸ビニル、2,2−ジメチルブタン酸ビニル、2,2−ジメチルペンタン酸ビニル、2−メチル−2−ブタン酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、2−エチル−2−メチルブタン酸ビニル、N−ビニルアセトアミド、p−t−ブチル安息香酸ビニル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸ビニル、安息香酸ビニル、エチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルモノビニルエーテル、t−アミルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールメチルビニルエーテル、α、β−ビニルナフタレン、メチルビニルケトン、イソブチルビニルケトンなどが挙げられる。
好ましいスチレン誘導体としては、たとえば、スチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、o−クロロメチルスチレン、m−クロロメチルスチレン、p−クロロメチルスチレン、α−メチルスチレンなどが挙げられる。
好ましい(メタ)アクリル酸誘導体としては、たとえば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールEO付加トリアクリレート、ペンタエリストールトリアクリレート、トリスアクリロイルオキシエチルフォスフェート、ビスフェノールA EO付加ジアクリレート、ビスフェノールA グリジジルジアクリレート(商品名:大阪有機化学株式会社製「ビスコート700」)、ポリエチレングリコールジアクリレートジメチルイタコネートなどが挙げられる。
好ましいソルビン酸誘導体としては、たとえば、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸リチウム、ソルビン酸1−ナフチルメチルアンモニウム、ソルビン酸ベンジルアンモニウム、ソルビン酸ドデシルアンモニウム、ソルビン酸オクタデシルアンモニウム、ソルビン酸メチル、ソルビン酸エチル、ソルビン酸プロピル、ソルビン酸イソプロピル、ソルビン酸ブチル、ソルビン酸t−ブチル、ソルビン酸ヘキシル、ソルビン酸オクチル、ソルビン酸オクタデシル、ソルビン酸シクロペンチル、ソルビン酸シクロヘキシル、ソルビン酸ビニル、ソルビン酸アリル、ソルビン酸プロパギルなどが挙げられる。
好ましいフマル酸誘導体としては、たとえば、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジイソプロピル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジシクロペンチル、フマル酸ジシクロヘキシルなどが挙げられる。
好ましいイタコン酸誘導体としては、たとえば、ジエチルイタコネート、ジブチルイタコネート、ジイソプロピルイタコネートなどが挙げられる。
これらの他にも、ブタジエン、イソプレン、マレイミドなど、多くの重合性化合物を用いることができる。
<非重合性の液晶性化合物>
組成物(1)は、重合性基を有しない液晶性化合物を構成要素としてもよい。このような非重合性の液晶性化合物の例は、液晶性化合物のデータベースであるリクリスト(LiqCryst, LCI Publisher GmbH, Hamburg, Germany)などに記載されている。非重合性の液晶性化合物を含有する組成物(1)を重合させることによって、化合物(1)の重合体と液
晶性化合物との複合材料(composite materials)を得ることができる。このような複合
材料では、たとえば、高分子分散型液晶のような高分子網目中に非重合性の液晶性化合物が存在している。
<光学活性化合物>
組成物(1)は光学活性化合物を構成要素としてもよい。光学活性を有する化合物(1)を適当量含有した組成物、あるいは、光学活性を有しない化合物(1)に光学活性化合物を適当量添加して得られた光学活性を示す組成物を、配向処理した基板上に塗布し、重合することによって、液晶分子がらせん構造(ツイスト構造)を示すフィルムが得られる。化合物(1)の重合によって、このらせん構造は固定される。このらせんピッチ長は、光学活性化合物の種類および添加量により調整できる。添加する光学活性化合物は1種でもよいが、らせんピッチの温度依存性を相殺する目的で複数の光学活性化合物を用いてもよい。なお、光学活性を有する化合物(1)は、高いねじれ誘起力を有するので、組成物(1)のらせんピッチを調整するのに有用である。
添加する光学活性化合物は、らせん構造を誘起しベースとなる重合性液晶組成物と適切に混合できれば、いずれの光学活性化合物を用いてもよく、たとえば、下記化学式(Op−1)〜(Op−13)で表される光学活性化合物が好適である。
Figure 0005084148
上記式中、Rcは炭素数1〜10のアルキル基を示し、*が付与された炭素は不斉炭素
である。
上記光学活性化合物は、重合性化合物でも非重合性化合物のいずれでもよく、目的に応
じて適宜選択すればよい。たとえば、耐熱性および耐溶媒性を考慮した場合、重合性化合物が好ましい。また、光学活性化合物は、ねじり力(HTP:ヘリカル・ツイスティング・パワー)が大きい方が、らせんピッチを短くする上では好適である。ねじり力の大きな化合物の代表例は、DE10221751号公報に開示されている。特に好適な化合物としては、下記化学式(Op−14)〜(Op−19)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005084148
上記式(Op−14)〜(Op−16)で表される化合物は重合性化合物であり、上記式(Op−17)〜(Op−19)で表される化合物は非重合性化合物である。ここで、上記式(Op−17)〜(Op−19)で表される化合物の末端の−C37に重合性基を導入すれば、有用な重合性を有する光学活性化合物となる。
<重合開始剤>
組成物(1)は重合開始剤を構成要素としてもよい。重合開始剤は、組成物(1)の重合方法に応じて、たとえば光ラジカル重合開始剤、光カチオン重合開始剤、熱ラジカル重合用開始剤などを用いればよい。
光ラジカル重合開始剤としては、特に限定されず、公知のものを使用することができ、
たとえば、4−メトキシフェニル−2,4−ビス(トリクロロメチル)トリアジン、2−(4−ブトキシスチリル)−5−トリクロロメチル−1,3,4−オキサジアゾール、9−フェニルアクリジン、9,10−ベンズフェナジン、ベンゾフェノン/ミヒラーズケトン混合物、ヘキサアリールビイミダゾール/メルカプトベンズイミダゾール混合物、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2,4−ジエチルキサントン/p−ジメチルアミノ安息香酸メチル混合物、ベンゾフェノン/メチルトリエタノールアミン混合物などが挙げられる。市販のものとしては、たとえば、チバ・スペシャリティー(株)製「ダロキュアーシリーズ1173、4265」、「イルガキュアーシリーズ184、369、500、651、784、819、907、1300、1700、1800、1850、2959」などが挙げられる。
光カチオン重合開始剤としては、特に限定されず、公知のものを使用することができ、たとえば、UCC(株)製「サイラキューアーUVI−6990、6974」、旭電化(株)製「アデカオプトマーSP−150、152、170、172」、ローディア(株)製「Photoinitiator 2074」、チバ・スペシャリティー(株)製「イルガキュアー2
50」、みどり化学(株)製「DTS−102」などが挙げられる。
熱ラジカル重合用の好ましい開始剤としては、たとえば、過酸化ベンゾイル、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、ジ−t−ブチルパーオキシド(DTBPO)、t−ブチルパーオキシジイソブチレート、過酸化ラウロイル、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル(MAIB)、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル(ACN)などが挙げられる。
アニオン重合、配位重合およびリビング重合用の好ましい開始剤としては、たとえば、n−C49Li、t−C49Li−R3Alなどのアルカリ金属アルキル化合物、アルミ
ニウム化合物、遷移金属化合物などが挙げられる。
<硬化剤>
組成物(1)が、環状エーテル基を有する化合物を構成要素とする場合、硬化剤を構成要素として含有してもよい。好ましい硬化剤の例を以下に示す。
アミン系硬化剤として、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、o−キシレンジアミン、m−キシレンジアミン、p−キシレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、イソホロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ノルボルネンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、3,9−ジプロパンアミン−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−1,2−ジフェニルエタン、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシプロピレントリアミン、ポリシクロヘキシルポリアミン、N−アミノエチルピペラジンなどが挙げられる。
酸無水物系硬化剤として、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルナジック酸無水物、水素化メチルナジック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸二無水物、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピ
ロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、エチレングリコールビスアンヒドロトリメチレート、グリセリンビス(アンヒドロトリメリテート)モノアセテート、デデセニル無水コハク酸、クロレンド酸無水物などが挙げられる。
フェノール系硬化剤として、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,3−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、2,3,5−トリメチルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノール、o−イソプロピルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、o−sec−ブチルフェノール、p−オクチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、レゾルシノール、1−ナフトール、2−ナフトール、ビスフェノールA、フェノールノボラック、キシリレンノボラック、ビスフェノールAノボラックなどが挙げられる。
上記以外にも特開2004−256687号公報、特開2002−226550号公報などに記載されている硬化剤も使用することができる。
<充填剤>
組成物(1)は熱伝導性充填剤を構成要素としてもよい。その例として、ダイアモンド、黒鉛、炭化珪素、珪素、ベリリア、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化珪素、酸化銅、酸化チタン、酸化セリウム、酸化イットリウム、酸化錫、酸化ホルミニウム、酸化ビスマス、酸化コバルト、酸化カルシウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化珪素、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、金、銀、銅、白金、鉄、錫、鉛、ニッケル、アルミニウム、マグネシウム、タングステン、モリブデン、ステンレスなどの無機充填剤および金属充填剤が挙げられる。充填剤の形状としては、球状、無定形、繊維状、棒状、筒状などが挙げられる。充填剤の種類、形状、大きさ、添加量などは、目的に応じて適宜選択できる。得られる放熱部材が絶縁性を必要とする場合、所望の絶縁性が保たれれば導電性を有する充填剤であっても構わない。
<溶媒>
組成物(1)は溶媒を含有してもよい。組成物(1)の重合は溶媒中で行っても、無溶媒で行ってもよい。溶媒を含有する組成物(1)を基板上に、たとえばスピンコート法などにより塗布した後、溶媒を除去してから光重合させてもよい。また、光硬化後適当な温度に加温して熱硬化により後処理を行ってもよい。
好ましい溶媒としては、たとえば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、テトラヒドロフラン、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、PGMEAなどが挙げられる。上記溶媒は1種単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
なお、重合時の溶媒の使用割合を限定することにはあまり意味がなく、重合効率、溶媒コスト、エネルギーコストなどを考慮して、個々のケースごとに決定すればよい。
<その他>
上記化合物(1)および組成物(1)は高い重合性を有するので、取扱いを容易にするために、安定剤を添加してもよい。このような安定剤としては、公知のものを制限なく使用でき、たとえば、ハイドロキノン、4−エトキシフェノールおよび3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)などが挙げられる。
〔液晶重合体〕
本発明における重合体(1)は、少なくとも1種の化合物(1)を含む組成物(1)を、配向制御して重合させることによって得られる。この重合体(1)は、高い熱伝導性を
有するとともに、透水性、吸水性およびガス透過度が低く、化学的安定性、耐熱性、硬度および機械的強度などに優れている。なお、前記機械的強度とは、ヤング率、引っ張り強度、引き裂き強度、曲げ強度、曲げ弾性率、衝撃強度などである。
重合体(1)は、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂である。片末端に重合性基を有する化合物(1)を用いると、熱可塑性樹脂が得られやすく、両末端が重合性基である化合物(1)を用いると、熱硬化性樹脂が得られやすい。
熱可塑性樹脂の重量平均分子量は、好ましくは500〜1,000,000、より好ましくは1,000〜500,000、特に好ましくは5,000〜100,000の範囲である。このような重合体(1)は溶媒に可溶であるので、用途に適した形状に成形することが容易である。
熱硬化性樹脂は三次元の架橋構造を有する。このような重合体(1)は溶媒に不溶であるので、分子量を測定することができない。しかし、基板上に組成物(1)を塗布し、分子の配向を固定して重合することにより放熱部材を得る場合においては、さらに加工を施すことがないので、分子量の大小は問題とならず、使用環境において条件を満足すればよい。また、より分子量を上げるために、架橋剤を添加してもよい。これにより、耐薬品性および耐熱性に極めて優れた重合体(1)を得ることができる。このような架橋剤としては、公知のものを制限なく使用できるが、たとえば、トリス(3−メルカプトプロピオネート)などが挙げられる。
前述したように重合体(1)は、任意の方向に分子配向が固定化されているという特徴を有する。このように液晶分子のメソゲン部位を一定方向にできるだけ均一に配向させて固定化することにより、該一定方向に高い熱伝導性が付与された重合体(1)を得ることができる。この方向は重合前に液晶分子を配列させることにより任意に制御できる。
また、液晶分子の配列にらせん構造などを付与することにより、全方向に高熱伝導化をはかることができる。このようならせん構造を固定化する際、少量の光学活性化合物を添加することにより、ねじり反転の抑制や、らせんピッチの調整をすることができる。光学活性化合物の添加量は、通常0.01〜50重量%、好ましくは1〜30重量%である。
また、一定方向に配列したフィルムを各方向に積層させることよっても、全方向への高熱伝導化を達成できる。このような積層構造は「組成物の塗布→重合→組成物の塗布→重合」の過程を繰り返すことによっても形成することができる。このように積層構造を形成することは、得られる放熱部材の機械的強度の異方性を緩和させることにおいても有用である。
組成物(1)中の液晶分子のメソゲン部位を配向制御する方法としては、配向膜を用いた方法、組成物(1)に配向制御剤を添加する方法、ラビング処理法、組成物(1)自体が有する自己配向規制力により配向させる方法などが挙げられる。これらの方法は、1種単独で行っても、2種以上を組み合わせて行ってもよい。このような配向制御方法により制御する配向状態としては、たとえば、ホモジニアス、ツイスト、ホメオトロピック、ハイブリッド、ベンドおよびスプレー配向などが挙げられ、用途や配向制御方法に応じて適宜決定することができる。
組成物(1)自体が有する自己配向力によって配向を制御する方法として、組成物(1)を熱処理する方法が挙げられる。組成物(1)の熱処理は、該組成物(1)の透明点以上で行われる。熱処理方法の一例として、組成物(1)が液晶相を示す温度まで加温して、組成物(1)に配向を形成させる方法がある。また、組成物(1)が液晶相を示す温度
範囲内で、温度を変化させることによって配向を形成させてもよい。この方法は、前記液晶相を示す温度範囲の高温域まで組成物(1)を加温することによって組成物(1)の配向を概ね完成させ、次いで温度を下げることによってさらに秩序だった配向にするものである。なお、上記組成物(1)が発現する液晶相はネマチック、スメクチック、コレステリック相のいずれでもよい。
上記熱処理温度は、室温〜150℃、好ましくは室温〜100℃、より好ましくは室温〜70℃の範囲である。上記熱処理時間は、5秒〜2時間、好ましくは10秒〜60分、より好ましくは20秒〜30分の範囲である。熱処理時間が上記範囲よりも短いと、組成物(1)からなる層の温度を所定の温度まで上昇できないことがあり、上記範囲よりも長いと、生産性が低下することがある。なお、上記熱処理条件は、組成物(1)に用いられる化合物の種類および組成比、重合開始剤の有無および含有量などによって変化するため、あくまでおおよその範囲を示したものである。
組成物(1)の重合方法としては、たとえば、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合、配位重合などが挙げられるが、分子配列を固定化したり、らせん構造を固定化するには、電子線、紫外線、可視光線または赤外線(熱線)などの光線や熱を利用した熱重合や光重合が適している。熱重合はラジカル重合開始剤の存在下で行うことが好ましく、光重合は光ラジカル重合開始剤の存在下で行うのが好ましい。たとえば、光ラジカル重合開始剤の存在下、紫外線または電子線などを照射する重合法によって、液晶分子の配列が固定化された重合体が得られる。得られる重合体(1)は、単独重合体、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよく、用途などに応じて適宜選択すればよい。
上記組成物(1)の配向を光重合により固定する際には、通常、紫外線または可視光線が用いられる。光照射に用いられる光の波長は、150〜500nm、好ましくは250〜450nm、より好ましくは300〜400nmの範囲である。光照射の光源としては、たとえば、低圧水銀ランプ(殺菌ランプ、蛍光ケミカルランプ、ブラックライト)、高圧放電ランプ(高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ)およびショートアーク放電ランプ(超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、水銀キセノンランプ)などが挙げられる。これらの中では、メタルハライドランプ、キセノンランプおよび高圧水銀ランプが好ましい。
上記光源と組成物(1)との間にフィルターなどを設置して特定の波長領域のみを通すことにより、照射光源の波長領域を選択してもよい。光源から照射する光量は、2〜5000mJ/cm2、好ましくは10〜3000mJ/cm2、より好ましくは100〜2000mJ/cm2の範囲である。光照射時の温度条件は、上述した熱処理温度と同様に設
定されることが好ましい。
熱重合により組成物(1)の配向を固定化する条件としては、熱硬化温度が、室温〜350℃、好ましくは室温〜250℃、より好ましくは50℃〜200℃の範囲であり、硬化時間は、5秒〜10時間、好ましくは1分〜5時間、より好ましくは5分〜1時間の範囲である。重合後は、応力ひずみなど抑制するために徐冷することが好ましい。また、再加熱処理を行い、ひずみなどを緩和させてもよい。
上記のようにして配向制御した重合体もしくは重合過程の重合体を延伸などの機械的操作により、さらに任意の方向に配向制御してもよい。
単離した重合体(1)は、溶媒に溶かして配向処理基板上で配向させフィルムなどに加工してもよく、2つの重合体を混合して加工してもよく、複数の重合体を積層させてもよい。前記溶媒としては、たとえば、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルア
セトアミドジメチルアセタール、テトラヒドロフラン、クロロホルム、1,4−ジオキサン、ビス(メトキシエチル)エーテル、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、トリフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸エチル、ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどが好ましい。これらは、アセトン、ベンゼン、トルエン、ヘプタン、塩化メチレンなど一般的な有機溶媒と混合して用いてもよい。
〔放熱部材〕
本発明の放熱部材は、上記重合体(1)からなり、シート、フィルム、薄膜、繊維、成形体などの形状で使用する。好ましい形状はフィルムおよび薄膜である。フィルムおよび薄膜は、組成物(1)を基板に塗布した状態または基板で挟んだ状態で重合させることによって得られる。また、溶媒を含有する組成物(1)を、配向処理した基板に塗布し、溶媒を除去することによっても得られる。さらに、フィルムについては、重合体をプレス成形することによっても得られる。なお、本明細書におけるシートの膜厚は1mm以上であり、フィルムの膜厚は5μm以上、好ましくは10〜500μm、より好ましくは20〜300μmであり、薄膜の膜厚は5μm未満である。
以下、溶媒を含有する組成物(1)を用いて、放熱部材としてのフィルムを製造する方法について具体的に説明する。
まず、基板上に組成物(1)を塗布し、溶媒を乾燥除去して膜厚の均一な塗膜層を形成する。塗布方法としては、たとえば、スピンコート、ロールコート、カテンコート、フローコート、プリント、マイクログラビアコート、グラビアコート、ワイヤーバーコード、デップコート、スプレーコート、メニスカスコート法などが挙げられる。
溶媒の乾燥除去は、たとえば、室温での風乾、ホットプレートでの乾燥、乾燥炉での乾燥、温風や熱風の吹き付けなどにより行うことができる。溶媒除去の条件は特に限定されず、溶媒がおおむね除去され、塗膜層の流動性がなくなるまで乾燥すればよい。なお、組成物(1)に用いる化合物の種類と組成比によっては、塗膜層を乾燥する過程で、塗膜層中の液晶分子の分子配向が完了していることがある。このような場合、乾燥工程を経た塗膜層は、前述した熱処理工程を経由することなく、重合工程に供することができる。しかしながら、塗膜層中の液晶分子の配向をより均一化させるためには、乾燥工程を経た塗膜層を熱処理し、その後に光重合処理して配向を固定化することが好ましい。
また、組成物(1)の塗布前に基板表面を配向処理することも好ましい。配向処理方法としては、たとえば、基板上に配向膜を形成するだけでもよいし、基板上に配向膜を形成させた後、レーヨン布などでラビング処理する方法、基板を直接レーヨン布などでラビング処理する方法、さらには酸化ケイ素を斜方蒸着する方法、延伸フィルム、光配向膜またはイオンビームなどを用いるラビングフリー配向などの方法が挙げられる。また、基板表面の処理を行わなくても、所望の配向状態を形成することができる場合もある。たとえば、ホメオトロピック配向を形成する場合はラビング処理等の表面処理を行わない場合が多いが、配向欠陥等を防止する点でラビング処理を行ってもよい。
上記配向膜としては、組成物(1)の配向を制御できるものであれば特に限定されず、公知の配向膜を用いることができ、たとえば、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニールアルコール、アルキルシラン、アルキルアミンもしくはレシチン系配向膜が好適である。
上記ラビング処理には任意の方法を採用することができ、通常は、レーヨン、綿およびポリアミドなどの素材からなるラビング布を金属ロールなどに捲き付け、基板または配向膜に接した状態でロールを回転させながら移動させる方法や、ロールを固定したまま基板側を移動させる方法などが採用される。
また、より均一な配向を得るために配向制御添加剤を組成物(1)中に含有させてもよい。このような配向制御添加剤としては、たとえば、イミダゾリン、4級アンモニウム塩、アルキルアミンオキサイド、ポリアミン誘導体、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物、ポリエチレングリコールおよびそのエステル、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸アミン類、アルキル置換芳香族スルホン酸塩、アルキルリン酸塩、脂肪族もしくは芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物、ラウリルアミドプロピルベタイン、ラウリルアミノ酢酸ベタイン、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンアルキルアミン、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル基と親水性基とを有するオリゴマー、パーフルオロアルキル基と親油性基とを有するオリゴマー、パーフルオロアルキル基を有するウレタン、および、1級アミノ基を有する有機ケイ素化合物(例えば、アルコキシシラン型、直鎖状のシロキサン型、および、3次元縮合型のシルセスキオキサン型の有機ケイ素化合物)などが挙げられる。
上記のようにして配向処理を施した基板を適宜選択し、組成物をその基板で挟み込むことによりホモジニアス、ホメオトロピック、ツイスト、スプレー、ハイブリッドなどの配向を得ることができる。また、上記方法に加え電場または磁場などを印加することにより、さらに配向を任意に制御してもよい。
上記基板としては、たとえば、アルカリガラス、ホウ珪酸ガラス、フリントガラスなどのガラス基板;アルミニウム、鉄、銅などの金属基板;シリコンなどの無機基板;ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリケトンサルファイド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリアリレート、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、セルロース、トリアセチルセルロースもしくはその部分鹸化物、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ノルボルネン樹脂などのプラスティックフィルム基板などが挙げられる。
上記フィルム基板は、一軸延伸フィルムでも、二軸延伸フィルムであってもよい。上記フィルム基板は、事前に鹸化処理、コロナ処理、プラズマ処理などの表面処理を施してもよい。なお、これらのフィルム基板上には、上記組成物(1)に含まれる溶媒に侵されないような保護層を形成してもよい。保護層として用いられる材料としては、たとえばポリビニルアルコールが挙げられる。さらに、保護層と基板の密着性を高めるためにアンカーコート層を形成させてもよい。このようなアンカーコート層は保護層と基板の密着性を高めるものであれば、無機系および有機系のいずれの材料であってもよい。
本発明の放熱部材は、放熱板、放熱シート、放熱フィルム、放熱接着材、放熱成形品などに有用である。
[実施例]
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により制限されない。
なお、下記実施例において、熱伝導度(λ)は、JIS R1611に準じ、室温でレーザーフラッシュ測定法のハーフタイム法を利用して熱拡散率(α)を測定し、下記式により算出した。
算出式:λ=α・ρ・c
式中、ρは比重を示し、cは比熱を示す。
<実施例1>
ポリビニルアルコールからなる配向膜を形成し、該配向膜をラビング処理したガラス基板と、200μmのスペーサーとを用いてホモジニアス配向セルを作製した。下記組成例1からなる組成物に2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン 1wt%を混合した。この組成物を120℃でセルに注入した。同温度における組成物の液晶相はネマチック相であった。60分間同温度で保持し、30mW/cm2(中心波長365nm)の
UV光を5分間照射して重合させた。照射後徐冷し、セルから200μmのフィルムを取り出した。フィルムを偏光顕微鏡で観察した結果、均一な配向が観察され、ポーラライザーとアナライザーを回転させると、消光位が45°間隔で観察された。このことから、得られたフィルムは、均一なホモジニアス配向したフィルムであることを確認した。このホモジニアス配向フィルムの分子長軸方向に対する熱伝導度(λ)は、λ=0.63W/(K・m)であった。
Figure 0005084148
<実施例2>
実施例1において、組成例1からなる組成物の代わりに下記組成例2からなる組成物を用い、140℃で等方性液体状態でセルに注入し、90℃に冷却してネマチック相の状態で重合を行ったこと以外は実施例1と同様にしてホモジニアス配向フィルムを作製した。得られたフィルムの分子長軸方向に対する熱伝導度は、λ=0.71W/(K・m)であった。
Figure 0005084148
<実施例3>
ポリビニルアルコールからなる配向膜を形成し、該配向膜をラビング処理したガラス基板と、250μmのスペーサーとを用いて、ガラス基板のラビング方向を直交させたツイスト配向セルを作製した。下記組成例3からなる組成物にジフェニル(p-フェニルチオ
フェニル)スルホニウム ヘキサフルオロホスフェイト 0.3wt%を混合した。この組成物を90℃でセルに注入し、50℃に冷却したところ、組成物の液晶相はネマチック
相であった。30分間同温度で保持し、30mW/cm2(中心波長365nm)のUV
光を5分間照射して重合させた。照射後徐冷し、セルから250μmのフィルムを取り出した。フィルムを偏光顕微鏡で観察した結果、均一な配向が観察され、ポーラライザーとアナライザーを回転させると、いずれの角度においても消光位は観察されなかった。このことから、得られたフィルムは均一なツイスト配向したフィルムであることを確認した。このツイスト配向フィルムの分子長軸方向の熱伝導度は、λ=0.55W/(K・m)であった。
Figure 0005084148
<実施例4>
n−オクタデシルエトキシシランからなる配向膜を形成したガラス基板と、100μmのスペーサーとを用いてホメオトロピック配向セルを作製した。下記組成例4からなる組成物に2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン 1wt%を混合した。この組成物を70℃でセルに注入し、室温に冷却したところ、組成物の液晶相はネマチック相であった。50分間同温度で保持し、30mW/cm2(中心波長365nm)のUV光を
5分間照射して重合させた。照射後徐冷し、セルから100μmのフィルムを取り出した。フィルムを偏光顕微鏡で観察したところ、ポーラライザーとアナライザーを回転させても透過光は観察されず、コノスコープ観察によって黒十字線が観察された。このことから、得られたフィルムは、均一なホメオトロピック配向したフィルムであることを確認した。このホメオトロピック配向フィルムの分子長軸方向の熱伝導度は、λ=0.68W/(K・m)であった。
Figure 0005084148
以下に、上記組成例1〜4と同様に、本発明の放熱部材を形成することができる組成例5〜23を示す。
Figure 0005084148
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<比較例1>
ポリビニルアルコールからなる配向膜を形成し、該配向膜のラビング処理をしていないガラス基板と、200μmのスペーサーとを用いてセルを作製した。上記組成例1からなる組成物に2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン 1wt%を混合した。この組成物を180℃でセルに注入した。同温度における組成物は等方相であった。3分間同温度で保持し、30mW/cm2(中心波長365nm)のUV光を5分間照射して重
合させた。照射後徐冷し、セルから200μmのフィルムを取り出した。フィルムを偏光
顕微鏡で観察した結果、ポーラライザーとアナライザーを回転させても組織は観察されず、常に暗状態であった。このことから、得られたフィルムは等方配向したフィルムであることを確認した。この等方配向フィルムの熱伝導度(λ)は、λ=0.18W/(K・m)であった。

Claims (33)

  1. 末端に重合性基を有する、下記式(1−1)で表される重合性液晶化合物を含む液晶組成物を、配向膜、配向制御添加剤、ラビング処理または該組成物の自己配向規制力により、該液晶化合物のメソゲン部位を配向制御して重合することにより得られる液晶重合体からなり、
    前記液晶組成物が、
    (i)2種以上の前記重合性液晶化合物を含む、または、
    (ii)少なくとも1種の前記重合性液晶化合物と、前記重合性液晶化合物以外の重合性化合物、非重合性の液晶化合物および光学活性化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物とを含む
    ことを特徴とする放熱部材。
    a1−Z−(A−Z)m1−Ra1 ・・・(1−1)
    [式(1−1)中、
    a1は、独立に下記式(2−1)〜(2−6)で表される重合性基、水素、ハロゲン、シアノ、−CF3、−CF2H、−CFH2、−OCF3、−OCF2H、任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよい炭素数1〜20のアルキル、または、該アルキルにおいて、任意の−CH2−が、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−もしくは−C≡C−で置き換えられた基であり、
    a1の少なくとも1つは、式(2−1)〜(2−6)で表される重合性基であり;
    Aは、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイルまたは下記式(3−1)〜(3−10)で表される2価の基であり、
    これらの環において、任意の−CH2−は−O−で置き換えられてもよく、任意の−CH=は−N=で置き換えられてもよく、任意の水素は、ハロゲン、炭素数1〜10のアルキル、炭素数1〜10のハロゲン化アルキル、または、該アルキルもしくは該ハロゲン化アルキルにおいて、任意の−CH2−が、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−もしくは−C≡C−で置き換えられた基で置き換えられてもよく;
    Zは、独立に単結合、任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよい炭素数1〜20のアルキレン、または、該アルキレンにおいて、任意の−CH2−が、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−N(O)=N−もしくは−C≡C−で置き換えられた基であり、
    前記液晶組成物の構成が前記(i)の場合、少なくとも1種の前記重合性液晶化合物におけるZは、−CH=N−または−N=CH−を含まず、
    前記液晶組成物の構成が前記(ii)の場合、かつ、前記重合性液晶化合物以外の重合性化合物を含み、非重合性の液晶化合物または光学活性化合物を含まない場合、Zは−CH=N−または−N=CH−を含まず;
    m1は1〜6の整数である。]
    Figure 0005084148
    [式(2−1)〜(2−6)中、Rbは、独立に水素、ハロゲン、−CF3または炭素数1〜5のアルキルであり、qは0または1である。]
    Figure 0005084148
  2. 前記式(1−1)中、Ra1の少なくとも一つが、前記式(2−1)、(2−5)または(2−6)で表される重合性基であることを特徴とする請求項1に記載の放熱部材。
  3. 前記式(1−1)中、
    a1の少なくとも一つが、前記式(2−1)、(2−5)または(2−6)で表される重合性基であり;
    Aが、1,4−シクロヘキシレン、任意の水素がハロゲンで置き換えられた1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、任意の水素がハロゲンもしくはメチルで置き換えられた1,4−フェニレン、フルオレン−2,7−ジイルまたは任意の水素がハロゲンもしくはメチルで置き換えられたフルオレン−2,7−ジイルであることを特徴とする請求項1に記載の放熱部材。
  4. 前記式(1−1)中、
    a1の少なくとも一つが、前記式(2−1)、(2−5)または(2−6)で表される重合性基であり;
    Aが、1,4−シクロヘキシレン、任意の水素がハロゲンで置き換えられた1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、任意の水素がハロゲンもしくはメチルで置き換えられた1,4−フェニレン、フルオレン−2,7−ジイルまたは任意の水素がハロゲンもしくはメチルで置き換えられたフルオレン−2,7−ジイルであり;
    Zが、単結合、−(CH2a−、−O(CH2a−、−(CH2aO−、−O(CH2aO−、−CH=CH−、−C≡C−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−、−CH2CH2−COO−、−OCO−CH2CH2−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−OCF2−または−CF2O−であり、該aが1〜20の整数であることを特徴とする請求項1に記載の放熱部材。
  5. 前記式(1−1)中、Ra1の少なくとも一つが、前記式(2−2)、(2−3)または(2−4)で表される重合性基であることを特徴とする請求項1に記載の放熱部材。
  6. 前記式(1−1)中、
    a1の少なくとも一つが、前記式(2−2)、(2−3)または(2−4)で表される重合性基であり;
    Aが、1,4−シクロヘキシレン、任意の水素がハロゲンで置き換えられた1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、任意の水素がハロゲンもしくはメチルで置き換えられた1,4−フェニレン、フルオレン−2,7−ジイルまたは任意の水素がハロゲンもしくはメチルで置き換えられたフルオレン−2,7−ジイルであることを特徴とする請求項1に記載の放熱部材。
  7. 前記式(1−1)中、
    a1の少なくとも一つが、前記式(2−2)、(2−3)または(2−4)で表される重合性基であり;
    Aが、1,4−シクロヘキシレン、任意の水素がハロゲンで置き換えられた1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、任意の水素がハロゲンもしくはメチルで置き換えられた1,4−フェニレン、フルオレン−2,7−ジイルまたは任意の水素がハロゲンもしくはメチルで置き換えられたフルオレン−2,7−ジイルであり;
    Zが、単結合、−(CH2a−、−O(CH2a−、−(CH2aO−、−O(CH2aO−、−CH=CH−、−C≡C−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−、−CH2CH2−COO−、−OCO−CH2CH2−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−OCF2−または−CF2O−であり、該aが1〜20の整数であることを特徴とする請求項1に記載の放熱部材。
  8. 前記式(1−1)中、
    a1の少なくとも一つが、前記式(2−1)、(2−5)または(2−6)で表される重合性基であり;
    Aが、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、任意の水素がハロゲンもしくはメチルで置き換えられた1,4−フェニレン、フルオレン−2,7−ジイルまたは任意の水素がハロゲンもしくはメチルで置き換えられたフルオレン−2,7−ジイルであり;
    Zが、単結合、−COO−、−OCO−、−(CH2a−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−、−CH2CH2−COO−、−OCO−CH2CH2−、−O(CH2a−、−(CH2aO−または−O(CH2aO−であり、該aが1〜20の整数であることを特徴とする請求項1に記載の放熱部材。
  9. 前記式(1−1)中、
    a1の少なくとも一つが、前記式(2−1)、(2−5)または(2−6)で表される重合性基であり;
    Aが、1,4−フェニレン、任意の水素がCl、Fもしくはメチルで置き換えられた1,4−フェニレン、フルオレン−2,7−ジイルまたは任意の水素がFもしくはメチルで置き換えられたフルオレン−2,7−ジイルであり;
    Zが、−COO−、−OCO−、−(CH2a−、−O(CH2a−、−(CH2aO−または−O(CH2aO−であり、該aが1〜20の整数であることを特徴とする請求項1に記載の放熱部材。
  10. 前記式(1−1)中、
    a1の少なくとも一つが、前記式(2−2)、(2−3)または(2−4)で表される重合性基であり;
    Aが、1,4−シクロヘキシレン、任意の水素がハロゲンで置き換えられた1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、任意の水素がハロゲンもしくはメチルで置き換えられた1,4−フェニレン、フルオレン−2,7−ジイルまたは任意の水素がハロゲンもしくはメチルで置き換えられたフルオレン−2,7−ジイルであり;
    Zが、単結合、−COO−、−OCO−、−(CH2a−、−O(CH2a−、−(CH2aO−または−O(CH2aO−であり、該aが1〜20の整数であることを特徴とする請求項1に記載の放熱部材。
  11. 前記式(1−1)中、
    a1の少なくとも一つが、前記式(2−2)、(2−3)または(2−4)で表される重合性基であり;
    Aが、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、任意の水素がハロゲンもしくはメチルで置き換えられた1,4−フェニレン、フルオレン−2,7−ジイルまたは任意の水素がハロゲンもしくはメチルで置き換えられたフルオレン−2,7−ジイルであり;
    Zが、−COO−、−OCO−、−(CH2a−、−O(CH2a−、−(CH2aO−または−O(CH2aO−であり、該aが1〜20の整数であることを特徴とする請求項1に記載の放熱部材。
  12. 前記式(1−1)中、
    a1の少なくとも一つが、前記式(2−2)、(2−3)または(2−4)で表される重合性基であり;
    Aが、1,4−フェニレン、任意の水素がCl、Fもしくはメチルで置き換えられた1,4−フェニレン、フルオレン−2,7−ジイルまたは任意の水素がFもしくはメチルで置き換えられたフルオレン−2,7−ジイルであり;
    Zが、−COO−、−OCO−、−(CH2a−、−O(CH2a−、−(CH2aO−または−O(CH2aO−であり、該aが1〜20の整数であることを特徴とする請求項1に記載の放熱部材。
  13. 末端に重合性基を有する重合性液晶化合物を含む液晶組成物を、配向膜、配向制御添加剤、ラビング処理または該組成物の自己配向規制力により、該液晶化合物のメソゲン部位を配向制御して重合することにより得られる液晶重合体からなり、前記重合性液晶化合物が下記式(1−2)で表される少なくとも1種の化合物であることを特徴とする放熱部材。
    Figure 0005084148
    [式(1−2)中、
    a2は、独立に水素、ハロゲン、シアノ、−CF3、−CF2H、−CFH2、−OCF3、−OCF2H、任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよい炭素数1〜20のアルキル、または、該アルキルにおいて、任意の−CH2−が−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−もしくは−C≡C−で置き換えられた基であり;
    a3は、請求項1に記載の式(2−1)〜(2−6)のいずれかで表される重合性基であり;
    Aは、独立に1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイルまたは請求項1に記載の式(3−1)〜(3−10)で表される2価の基であり、
    これらの環において、任意の−CH2−は−O−で置き換えられてもよく、任意の−CH=は−N=で置き換えられてもよく、任意の水素はハロゲン、炭素数1〜10のアルキル、炭素数1〜10のハロゲン化アルキル、または、該アルキルもしくは該ハロゲン化アルキルにおいて、任意の−CH2−が、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−もしくは−C≡C−で置き換えられた基で置き換えられてもよく;
    Zは、独立に単結合、任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよい炭素数1〜20のアルキレン、または、該アルキレンにおいて、任意の−CH2−が−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−N(O)=N−もしくは−C≡C−で置き換えられた基であり;
    Yは単結合、任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよい炭素数1〜20のアルキレン、または、該アルキレンにおいて、任意の−CH2−が−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−もしくは−CH=CH−で置き換えられた基であり;
    m2およびn2は、それぞれ0〜5の整数である。]
  14. 前記式(1−2)中、Ra3が請求項1に記載の式(2−1)、(2−5)または(2−6)で表される重合性基である請求項13に記載の放熱部材。
  15. 前記式(1−2)中、m2+n2が1〜3の整数である請求項13に記載の放熱部材。
  16. 前記式(1−2)中、m2+n2が2である請求項13に記載の放熱部材。
  17. 前記式(1−2)中、
    a2が、独立に炭素数1〜10のアルキル、炭素数1〜10のアルコキシまたは炭素数2〜10のアルケニルであり、これらの任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;
    a3が、請求項1に記載の式(2−1)、(2−5)または(2−6)で表される重合性基であり;
    Aが、独立に1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリダジン−3,6−ジイルまたはピリミジン−2,5−ジイルであり、これらの任意の水素は、塩素、フッ素、炭素数1〜3のアルキルまたは炭素数1〜3のフルオロアルキルで置き換えられてもよく;
    Zが、独立に単結合、−CH2O−、−OCH2−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−(CH22COO−、−OCO(CH22−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−または−C≡C−であり;
    Yが単結合、炭素数1〜10のアルキレン、または、該アルキレンにおいて任意の−CH2−が−O−、−COO−もしくは−OCO−で置き換えられた基である請求項13に記載の放熱部材。
  18. 前記式(1−2)中、
    a2が、独立に炭素数1〜10のアルキルまたは炭素数1〜10のアルコキシであり;
    a3が、請求項1に記載の式(2−1)、(2−5)または(2−6)で表される重合性基であり;
    Aが、独立に1,4−シクロヘキシレンまたは1,4−フェニレンであり;
    Zが、独立に単結合、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−(CH22COO−、−OCO(CH22−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−または−C≡C−であり;
    Yが単結合、炭素数1〜10のアルキレン、または、該アルキレンにおいて環に隣接する−CH2−が−O−、−COO−もしくは−OCO−で置き換えられた基である請求項13に記載の放熱部材。
  19. 前記液晶組成物が、非重合性の液晶性化合物を含有することを特徴とする請求項1〜18のいずれかに記載の放熱部材。
  20. 前記液晶組成物が光学活性であることを特徴とする請求項1〜19のいずれかに記載の放熱部材。
  21. 前記液晶組成物が、請求項1に記載の式(1−1)または請求項13に記載の式(1−2)で表わされる液晶化合物以外の重合性光学活性化合物を含有することを特徴とする請求項1〜20のいずれかに記載の放熱部材。
  22. 前記液晶組成物が、請求項1に記載の式(1−1)または請求項13に記載の式(1−2)で表わされる液晶化合物以外の非重合性光学活性化合物を含有することを特徴とする請求項1〜21のいずれかに記載の放熱部材。
  23. 前記液晶組成物が無機充填剤を含有することを特徴とする請求項1〜22のいずれかに記載の放熱部材。
  24. 前記液晶組成物が金属充填剤を含有することを特徴とする請求項1〜22のいずれかに記載の放熱部材。
  25. 前記液晶重合体が、前記液晶組成物を、ホモジニアス、ツイスト、ホメオトロピック、ハイブリッド、ベンドまたはスプレー配向させて重合することにより得られたことを特徴とする請求項1〜24のいずれかに記載の放熱部材。
  26. 前記液晶重合体が、前記液晶組成物を、配向制御添加剤によりホモジニアス、ツイスト、ホメオトロピック、ハイブリッドまたはスプレー配向させて重合することにより得られたことを特徴とする請求項1〜24のいずれかに記載の放熱部材。
  27. 前記液晶重合体が、前記液晶組成物を、ラビング処理によりホモジニアス、ツイスト、ハイブリッドまたはスプレー配向させて重合することにより得られたことを特徴とする請求項1〜24のいずれかに記載の放熱部材。
  28. 高分子成形体であることを特徴とする請求項1〜27のいずれかに記載の放熱部材。
  29. シートであることを特徴とする請求項1〜27のいずれかに記載の放熱部材。
  30. フィルムであることを特徴とする請求項1〜27のいずれかに記載の放熱部材。
  31. 薄膜であることを特徴とする請求項1〜27のいずれかに記載の放熱部材。
  32. 熱伝導度が0.3W/(K・m)以上であることを特徴とする請求項1〜31のいずれかに記載の放熱部材。
  33. 末端に重合性基を有する重合性液晶化合物を含む、請求項1または請求項13に記載の液晶組成物を、配向膜、配向制御添加剤、ラビング処理または該組成物の自己配向規制力により、該液晶化合物のメソゲン部位を配向制御して重合することを特徴とする放熱部材の製造方法。
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