JP4894487B2 - 車体前部構造 - Google Patents

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Description

この発明は、サスタワー部に沿ってフロントサイドフレームとエプロンレインフォースメントとを結合する結合メンバが設けられたような車体前部構造に関する。
一般に、エンジンルームの左右両側において車両の前後方向に延びる左右一対のフロントサイドフレームは、そのキックアップ部を介してフロアパネル下部のフロアフレームと連続するように設けられているが、正面衝突などの衝突時に上述のフロントサイドフレームに衝撃荷重が入力した場合、そのキックアップ部が破損、座屈する問題点があった。
このような問題点を解決するために、特許文献1または特許文献2に開示された車体前部構造が既に発明されている。
特許文献1に開示された構造は、側面視で直線状に設けられる結合メンバが、フロントサイドフレームにおけるサスタワーの配設位置からカウルサイドとしてのエプロンレインフォースメントの後部とカウルの車幅方向両端部に延び、結合メンバがサスタワーの外周面に溶着され、また結合メンバの前端部が、サスタワーの配設位置の前端部(すなわちサスタワーの前壁部)の側方におけるフロントサイドフレームの上面からカウルサイドに延びるように配置されていて、フロントサイドフレームに作用する衝突荷重を、結合メンバを介してエプロンレインフォースメントに分散させ、かつ、サスタワーを上記結合メンバにて補強するものである。
特許文献2に開示された構造は、サスタワーの前部において、フロントサイドフレームとホイールアーチ部とエプロンレインフォースメントとを補強すべく前部補強部材(前部結合メンバ)を設けると共に、サスタワーの後部においてフロントサイドフレーム、サスタワー、ダッシュロアパネルの三者に跨がるように荷重伝達部材としての後部補強部材(後部結合メンバ)を設け、フロントサイドフレームに作用する衝突荷重を分散させるものである。
しかしながら、これらの各特許文献1,2の何れにおいても、結合メンバは板部材を屈曲形成した所謂板金スタンプ方式のメンバであるから、荷重分散、荷重伝達が不充分な問題点があった。
特開2003−182633号公報 特開2006−21590号公報
そこで、この発明は、フロントサイドフレームとエプロンレインフォースメントとを結合する結合メンバを、閉断面構造の中空部材を屈曲して形成すると共に、該結合メンバが、フロントサイドフレームに固定される下端部と、該下端部から屈曲して上昇し、サスタワー部に沿ってエプロンレインフォースメントまで延びる中間部と、該中間部から後方に屈曲してエプロンレインフォースメントに沿って後方に延び車体に結合される後端部とを備えることで、板金スタンプ方式で車体側の部材との間に中空断面を形成する構造と比較して、確実にフロントサイドフレームからエプロンレインフォースメントへの荷重伝達を行なうことができ、充分な荷重分散を図ることができる車体前部構造の提供を目的とする。
この発明による車体前部構造は、左右一対のフロントサイドフレームと、ヒンジピラーから前方に突出するエプロンレインフォースメントと、車内側下端部が上記フロントサイドフレームに結合され、車外側上端部を上記エプロンレインフォースメントに結合されたサスタワー部と、該サスタワー部に沿って上記フロントサイドフレームと上記エプロンレインフォースメントとを結合する結合メンバが設けられた車体前部構造であって、上記結合メンバは、閉断面構造の中空部材を屈曲して形成されると共に、上記フロントサイドフレームに固定される下端部と、該下端部から屈曲して上昇し、上記サスタワー部に沿って上記エプロンレインフォースメントまで延びる中間部と、該中間部から後方に屈曲して上記エプロンレインフォースメントに沿って後方に延び車体に結合される後端部とを備え、上記結合メンバの下端部は、上記フロントサイドフレームのキックアップ部近傍に結合され、上記結合メンバの中間部は、上下方向にわたって配設された中間縦片部と、車幅方向にわたって配設された中間横片部とを有し、上記結合メンバの後端部は、該中間横片部から前後方向にわたって配設され、上記結合メンバの中間部と後端部との間の屈曲部を補強する補強部材が設けられ、該補強部材は上記中間部と上記後端部とを橋渡しするように配設され、さらに、上記結合メンバの中間部は、上記サスタワー部の上面部と側壁部とに沿った形状を有し、該結合メンバのサスタワー部の上面部に沿う部分と、サスタワー部の側壁部に沿う部分とをそれぞれ覆う固定パネルを設け、該固定パネルは覆い部分の前後両部にフランジ部を有すると共に、該フランジ部が車体に溶接されることにより、結合メンバが車体に固定されたものである。
上記構成によれば、上述の下端部と、中間部と、後端部とを備えた結合メンバを、閉断面構造の中空部材を屈曲して形成したので、板金スタンプ方式の結合メンバを用いる構造と比較して、確実にフロントサイドフレームからエプロンレインフォースメントへの荷重伝達を行なうことができ、充分な荷重分散を図ることができる。
また、上記結合メンバの中間部と後端部との間の屈曲部を補強する補強部材が設けられ、該補強部材は上記中間部と上記後端部とを橋渡しするように配設されているので、応力が集中する屈曲部の折れを上記補強部材にて防止することができる。
すなわち、上記後端部の位置に対して車幅方向内方にオフセットされた部位(フロントサイドフレームの延長線上)に衝突荷重が入力し、上記屈曲部には衝突荷重により応力が集中する。上記補強部材がない場合には、屈曲部の折れが生ずるが、該補強部材にて屈曲部の折れを防止することができる。
さらに、上記結合メンバの中間部は、上記サスタワー部の上面部と側壁部とに沿った形状を有し、該結合メンバのサスタワー部の上面部に沿う部分と、サスタワー部の側壁部に沿う部分とをそれぞれ覆う固定パネルを設け、該固定パネルは覆い部分の前後両部にフランジ部を有すると共に、該フランジ部が車体に溶接されることにより、結合メンバが車体に固定されたものであり、このように、結合メンバを覆う固定パネルの前後のフランジ部が車体に溶接固定されているので、該結合メンバの中間部の充分な結合強度を確保することができる。
この発明の一実施態様においては、上記結合メンバはその中間部が上記サスタワー部より後部のエプロンレイン閉断面内に進入し、後方に屈曲して上記後端部を形成すると共に、該後端部が上記エプロンレインフォースメントのパネル部材に結合されたものである。
上記構成によれば、結合メンバの上記後端部をエプロンレインフォースメントのパネル部材に結合したので、エプロンレイン周りの強度、剛性を確保することができる。
この発明の一実施態様においては、上記結合メンバはその中間部が上記サスタワー部より後部のエプロンレイン閉断面内に進入し、後方に屈曲してエプロンレイン閉断面内を後方に延びると共に、上下方向に延びる上記ヒンジピラーの前面部を貫通してヒンジピラー部のサイドドアヒンジに結合されたものである。
上記構成によれば、結合メンバの後方に延びる部分を、ヒンジピラー部のサイドドアヒンジに結合したので、該サイドドアヒンジにより結合メンバの車体に対する結合強度を確保することができる。この結果、フロントサイドフレームからエプロンレインフォースメントへの荷重伝達のみならず、車体剛性部材としてのヒンジピラー部へ荷重伝達および荷重分散を行なうことができる。
この発明の一実施態様においては、上記サスタワー部より後部のエプロンレインフォースメントの車内側のパネルに、上記固定パネルに重合されるフランジ部が設けられたものである。
上記構成によれば、車両の前突時(オフセット衝突を含む)にサスタワー部全体が後退しようとするのを、エプロンレインフォースメントの車内側のパネルにおける縦壁部にて防止することができる。
つまり、サスタワー部の後退を上記縦壁部で対抗し、突っ張ることにより、斯る後退を防止することができる。
この発明の一実施態様においては、上記結合メンバの中間部は、上記サスタワー部においてサスペンションアッパアームの取付基部を補強するアーム取付部補強部材に結合されたものである。
上記構成によれば、サスタワー部において、強度が高いアーム取付部補強部材と結合メンバとを結合したので、該結合メンバのフロントサイドフレームからサスタワー部まで、並びにサスタワー部からエプロンレインフォースメントまでの結合力を高めることができ、車両の前突時の衝撃荷重をエプロンレインフォースメントに分岐伝達、荷重分散することができる。
また、サスタワー部を上記結合メンバとアーム取付部補強部材との結合構造で補強しているので、サスタワー部の内倒れを防止して、操縦安定性を確保することができる。
さらに、上記結合構造により、サスペンションの支持剛性の向上を図ることもできる。
因に、サスタワー部の上部は板厚が厚い板部材にて構成されると共に、該サスタワー部の上部は、剛性が高いエプロンレインフォースメントで支持されており、サスタワー部の下部は剛性が高いフロントサイドフレームで支持されている。仮に、結合メンバとアーム取付部補強部材との結合がない構造の場合、高速走行時に車両が段差に乗り上げると、フロントサスペンションを介してサスタワー部には該サスタワー部を下方から上方に突き上げる荷重が入力され、前輪のキャンバ角の影響もあって、サスタワー部は強度が弱いその中間部が車両内方向に変形するように倒れる。これを内倒れという。そして、このサスタワー部が内倒れすると、サスペンションのジオメトリ(geometry,配置)が変化するので、車両の直進性や操縦安定性が損なわれるが、上記構成により、該サスタワー部の内倒れを防止することができるものである。
この発明の一実施態様においては、上記結合メンバの下端部は、上記フロントサイドフレームに対するサブフレームの結合位置と対応する位置に設定されたものである。
上記構成によれば、サスタワー部に沿ってフロントサイドフレームとエプロンレインフォースメントとを結合する結合メンバを設け、この結合メンバのフロントサイドフレームとの結合部(結合メンバの下端部)が、サブフレームのフロントサイドフレームとの結合位置に対応するので、車両の前突時にフロントサイドフレームおよびサブフレームに入力された衝撃荷重を、結合メンバによって、エプロンレインフォースメントに分岐伝達して、荷重分散を図り、これにより、フロントサイドフレームのキックアップ部の折れ変形を防止することができる。
また、通常走行時においては、サブフレームからフロントサイドフレームに入力される荷重を結合メンバを介してエプロンレインフォースメントに分散することができ、このサブフレームの取付け位置の変位を規制して、操縦安定性の向上を図ることができると共に、上記結合メンバにてサスタワー部の補強も同時に行なうことができる。
この発明の一実施態様においては、上記結合メンバの中間部は、サスタワー部の上面部と側壁部とに沿った形状を有し、サスタワー部の上面部に沿う部分の車幅方向長さは、サスタワー部の車幅方向長さと近似または略等しくなるように設定されたものである。
上記構成によれば、結合メンバの中間部におけるサスタワー部上面部に沿う部分の車幅方向長さを、サスタワー部のそれと近似または略同等に設定したので、フロントサスペンションを介してサスタワー部を下方から上方に突き上げる荷重を、サスタワー部上面部の結合メンバで受け止めることができ、これにより、サスタワー部の内倒れを防止することができる。すなわち、荷重分散と内倒れ防止との両立を図ることができる。
この発明によれば、フロントサイドフレームとエプロンレインフォースメントとを結合する結合メンバを、閉断面構造の中空部材を屈曲して形成すると共に、該結合メンバが、フロントサイドフレームに固定される下端部と、該下端部から屈曲して上昇し、サスタワー部に沿ってエプロンレインフォースメントまで延びる中間部と、該中間部から後方に屈曲してエプロンレインフォースメントに沿って後方に延び車体に結合される後端部とを備えているので、板金スタンプ方式で車体側の部材との間に中空断面を形成する構造と比較して、確実にフロントサイドフレームからエプロンレインフォースメントへの荷重伝達を行なうことができ、充分な荷重分散を図ることができる効果がある。
確実にフロントサイドフレームからエプロンレインフォースメントへの荷重伝達を行うという目的を、左右一対のフロントサイドフレームと、ヒンジピラーから前方に突出するエプロンレインフォースメントと、車内側下端部が上記フロントサイドフレームに結合され、車外側上端部を上記エプロンレインフォースメントに結合されたサスタワー部と、該サスタワー部に沿って上記フロントサイドフレームと上記エプロンレインフォースメントとを結合する結合メンバが設けられた車体前部構造において、上記結合メンバは、閉断面構造の中空部材を屈曲して形成されると共に、上記フロントサイドフレームに固定される下端部と、該下端部から屈曲して上昇し、上記サスタワー部に沿って上記エプロンレインフォースメントまで延びる中間部と、該中間部から後方に屈曲して上記エプロンレインフォースメントに沿って後方に延び車体に結合される後端部とを備え、上記結合メンバの下端部は、上記フロントサイドフレームのキックアップ部近傍に結合され、上記結合メンバの中間部は、上下方向にわたって配設された中間縦片部と、車幅方向にわたって配設された中間横片部とを有し、上記結合メンバの後端部は、該中間横片部から前後方向にわたって配設され、上記結合メンバの中間部と後端部との間の屈曲部を補強する補強部材が設けられ、該補強部材は上記中間部と上記後端部とを橋渡しするように配設され、さらに、上記結合メンバの中間部は、上記サスタワー部の上面部と側壁部とに沿った形状を有し、該結合メンバのサスタワー部の上面部に沿う部分と、サスタワー部の側壁部に沿う部分とをそれぞれ覆う固定パネルを設け、該固定パネルは覆い部分の前後両部にフランジ部を有すると共に、該フランジ部が車体に溶接されることにより、結合メンバが車体に固定されるという構成にて実現した。
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は車体前部構造を示し、図1、図2において、エンジンルームの左右両側を車両の前後方向に延びる左右一対のフロントサイドフレーム1,1を設けている。このフロントサイドフレーム1は図4に示すように、フロントサイドフレームインナ2とフロントサイドフレームアウタ3とを接合固定して、車両の前後方向に延びる閉断面4を備えた車体剛性部材である。
左右一対のフロントサイドフレーム1,1の前端部には、フランジ5,6を介して左右のクラッシュカン7,7を取付けると共に、これら左右のクラッシュカン7,7相互間には車幅方向に延びるバンパビーム8を取付け、また、クラッシュカン7と対応するバンパビーム8の前部には左右一対のプリクラッシュカン9,9をそれぞれ接合固定している。
一方、上述のフロントサイドフレーム1の下方には、フロントサスペンションのロアアーム(図示せず)の取付基部を成すサブフレーム(サスペンションクロスメンバ)としてのぺリメータフレーム10(perimeter
frame)が配置されている。
このぺリメータフレーム10は、フロントサイドフレーム1,1の下方において車両の前後方向に延びる左右一対のフレームサイド部10S,10Sと、左右の各フレームサイド部10S,10Sの前部相互間を接続すべく車幅方向に延びるフレーム前部10Fと、左右の各フレームサイド部10S,10Sの後部相互間を接続すべく車幅方向に延びるフレーム後部10Rとを方形枠状に組合わせたもので、フレーム後部10Rよりも前方におけるフレームサイド部10S,10Sの上面には、上方に立上がる左右の突出部11をそれぞれ一体的に形成している。
また、上述のぺリメータフレーム10におけるフレームサイド部10S,10Sの前端には、フランジ12を介してぺリメータフレーム10側のクラッシュカン13,13を接続し、左右一対のクラッシュカン13,13相互間には車幅方向に延びる車幅方向部材14を張架している。
この車幅方向部材14の上下位置つまり高さ位置は、歩行者の膝より下方に位置し、歩行者安全を考慮して、車両と歩行者との接触時に、歩行者の足を払って、該歩行者の上体をボンネット上部に倒伏させる所謂足払い部材である。
一方、エンジンルームと車室とを前後方向に仕切るダッシュロアパネル15を設け、このダッシュロアパネル15の下部には、後方に向けて水平に延び、車室の底面を形成するフロアパネル16を連設すると共に、このフロアパネル16の車幅方向中央には、車室内方に突出して車両の前後方向に延びるトンネル部17を、一体または一体的に形成している。
また、上述のフロアパネル16の左右両サイドには、車両の前後方向に延びるサイドシルを接続している。このサイドシルは、サイドシルインナ18と、サイドシルアウタ(図示せず)とを接合して、前後方向に延びるサイドシル閉断面をもった車体剛性部材である。
さらに、上述のトンネル部17を跨いで、左右のサイドシルインナ18,18間を車幅方向に接続する前後のクロスメンバ19,20(車体剛性部材)を前後方向に離間して設け、これら各クロスメンバ19,20と、フロアパネル16との間には、車幅方向に延びる閉断面を形成している。
ところで、ヒンジピラー21から前方に突出する車体剛性部材としてのエプロンレインフォースメント22を設けている。そして、車内側下端部がフロントサイドフレーム1に結合され、車外側上端部がエプロンレインフォースメント22に結合されたサスタワー部23を設けている。このサスタワー部23にはホイールアーチ部24が一体または一体的に形成されている。
しかも、上述のサスタワー部23に沿ってフロントサイドフレーム1とエプロンレインフォースメント22とを結合する結合メンバ25を設けている。この結合メンバ25は荷重伝達を確実に行なう目的で、閉断面構造の中空部材(角パイプ部材)により構成されたものであり、この結合メンバ25により、車両の前突時にフロントサイドフレーム1およびぺリメータフレーム10に入力される荷重を、エプロンレインフォースメント22に分岐伝達して、荷重分散を図り、これにより、フロントサイドフレーム1のキックアップ部の折れ変形を防止するものである。
なお、図1において、26はダッシュロアパネル15の上部に接合されて車幅方向に延びるダッシュアッパパネル、27はダッシュアッパパネル26の上部に接合されて車幅方向に延び、かつカウル閉断面を形成するカウルパネル、28はフロントピラー、29はセンタピラーである。
図3は車体前部構造を車幅方向の内方かつ後方から見た状態で示す斜視図、図4は図2のA−A線矢視断面図であって、上述のサスタワー部23の後部近傍位置には、フロントサイドフレーム1の下方に配置されるぺリメータフレーム10が結合されるが、図2、図3に示すように、結合メンバ25の下端部25Aとフロントサイドフレーム1との結合部に対応して、該フロントサイドフレーム1には、その上面がフラットな取付け座部1aが一体形成され、この取付け座部1aと上下方向に対応して該フロントサイドフレーム1の下部には、下面がフラットな取付け面30aを有するサスマウントブラケット30が接合固定されている。
図4に示すように、上述のサスマウントブラケット30はフロントサイドフレームインナ2のエンジンルーム側の縦壁面下部と、該フロントサイドフレームインナ2の接合フランジ部2aとに跨がって接合固定されたもので、フロントサイドフレーム1の取付け座部1a上部に結合メンバ25を配設し、サスマウントブラケット30の取付け面30a下部に、ぺリメータフレーム10の突出部11に設けられたマウント部31を配設して、これら三者、すなわち、結合メンバ25、フロントサイドフレーム1、マウント部31の三者を上下方向に貫通する長尺のボルト32(いわゆる貫通ボルト)と、ナット33とを用いて、結合メンバ25とぺリメータフレーム10のマウント部31とを、フロントサイドフレーム1に対して共締め固定している。この構造により、車両の前突時に、フロントサイドフレーム1およびぺリメータフレーム10から入力される衝撃荷重を、結合メンバ25を介してエプロンレインフォースメント22に分岐伝達し、荷重分散を図るように構成している。
この場合、上述のサスマウントブラケット0の上面には、予めナット34を溶接固定し、長尺のボルト32を一旦、該ナット34に螺合し、このナット34から下方に突出した突出部に対してマウント部31を配置し、さらに該マウント部31を貫通して下方に突出したボルト32の下端部に上述のナット33を締結することで、弛み防止を図っている。なお、上述のナット33はダブルナット構造と成してもよい。
要するに、図1〜図4に示す如く、結合メンバ25のフロントサイドフレーム1との結合部が、上記ぺリメータフレーム10のフロントサイドフレーム1との結合位置に対応する位置に設定されたものである。
ここで、図2に示すように、ぺリメータフレーム10の前部は、フロントサイドフレーム1の前部下側に設けられたブラケット35に対して、マウント部36を介して取付けられており、ぺリメータフレーム10の後部は、ボルト37の位置においてボディに取付けられている。つまり、このぺリメータフレーム10は片側3点、左右合計6点でボディに取付けられたものである。
また、上述の結合メンバ25は、図5に示すように、フロントサイドフレーム1およびぺリメータフレーム10に固定される下端部25Aと、該下端部25Aから屈曲して上昇し、サスタワー部23に沿ってエプロンレインフォースメント22まで延伸する中間縦片部25Bおよび中間横片部25Cから成る中間部と、中間横片部25Cから後方に屈曲してエプロンレインフォースメント22に沿って後方に延びて、車体に結合される後端部25Dとを有するものである。
さらに、上述の結合メンバ25の中間横片部25Cと後端部25Dとの間の屈曲部25Eは、これら両者25C,25D間に斜交状に張架された角パイプ部材から成る閉断面構造のコーナガセット59(補強部材)で補強されている。
図6は図2のB−B線矢視断面図、図7は図6の構造を車外側下方から目視した状態で示す斜視図であって、図6、図7に示すように、サスタワー部23の車外側の面には、フロントサスペンションのアッパアーム38(いわゆるAアーム)が設けられる。
このサスペンションアッパアーム38の前後一対の取付基部としての車体側アームブッシュ39,39は、サスタワー部23の車外側面に溶接手段にて接合固定された取付基部補強用のアーム取付部補強部材としての平面視略U字状のブラケット40F,40Rを介して、サスタワー部23に取付けられている。
前側の車体側アームブッシュ39は、サスタワー部23の車内側の前面に予め溶接固定したナット41と、アームブッシュ39およびブラケット40Fを前後方向に貫通するボルト42とを用いてブラケット40Fに取付けられている。
後側においては、サスタワー部23の後部に、L字状の結合メンバ配設部23aを一体形成し、この配設部23aに結合メンバ25の中間縦片部25Bを位置させると共に、上述のブラケット40Rと対応する結合メンバ25の中間縦片部25B後面に予めナット43を溶接固定し、ブラケット40R、車体側アームブッシュ39、サスタワー部23、結合メンバ25を貫通するボルト44(いわゆる貫通ボルト)を設け、このボルト44と上述のナット43とを用いて、後側の車体側アームブッシュ39を上記ブラケット40Rに取付けている。
要するに、サスタワー部23にはサスペンションアッパアーム38の取付基部としての車体側アームブッシュ39を補強するブラケット40Rを結合し、結合メンバ25の中間縦片部25Bを該ブラケット40Rに結合したものであって、結合メンバ25の中間縦片部25Bとサスペンションアッパアーム38とが上述のブラケット40Rに対して、ボルト44、ナット43を用いて共締め固定されたものである。
また、上述のボルト44は、ブラケット40Rが結合された部位のサスタワー部23を車両の前後方向に貫通する所謂貫通ボルトであって、該部位におけるサスタワー部23の前側にサスペンションアッパアーム38が結合され、該部位におけるサスタワー部23の後側に結合メンバ25の中間縦片部25Bが結合されたものである。
さらに、上述のブラケット40Rに対して共締めされる結合メンバ25は、図5に示すように、フロントサイドフレーム1に対する結合点Xと、エプロンレインフォースメント22に対する結合点Yとの中間部Zに設定されており、結合メンバ25の中間部Zをサスタワー部23において剛性が高いブラケット40Rに締結することで、該結合メンバ25の充分な結合強度を確保すべく構成すると共に、サスペンションの支持剛性向上を図ったものである。
図7において、70はダンパ、71はロアシート、72は該ロアシート71と図示しないアッパシートとの間に張架されたコイルスプリングである。
図6に示すブラケット40Rの構造に代えて、図8、図9に示すブラケット40Rを用いてもよい。
すなわち、サスタワー部23において、結合メンバ25の中間縦片部25Bが締結される所定部位は、該結合メンバ25により強度が充分確保されるので、図8に示すようにアームブッシュ39の前側のみを支持する平面視L字状のブラケット40Rであってもよく、また、図9に示すようにアームブッシュ39の前側のみを支持するリブ40aを備えた平面視逆L字状のブラケット40Rであってもよい。なお、図8、図9において図6と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略している。
図10は図2の部分拡大断面図であって、サスタワー部23の後部上面23bには、断面L字状の結合メンバ配設部23cが一体形成されている。この配設部23cに結合メンバ25の中間横片部25Cが配設されるが、結合メンバ25とサスタワー部23との接合強度を考慮して、該結合メンバ25には、図3、図10に示すように、その中間横片部25Cと中間縦片部25Bとに跨がるように、予め固定パネル45が接合されており、この固定パネル45の前後のフランジ部45a,45bをサスタワー部23に接合固定している。
つまり、上述の結合メンバ25の中間部は、図3、図5に示すように、サスタワー部23の上面部と、サスタワー部23の車幅方向内側の側壁部とに沿った形状を有し、該結合メンバ25のサスタワー部23の上面部に沿う部分(中間横片部25C)と、サスタワー部23の側壁部に沿う部分(中間縦片部25B)とをそれぞれ覆う固定パネル45を設け、この固定パネル45は結合メンバ25を覆う覆い部分の前後両部にフランジ部45a,45bを有すると共に、該フランジ部45a,45bが車体としてのサスタワー部23に溶接固定されることで、上記結合メンバ25が車体(サスタワー部23参照)に固定されたものである。
しかも、結合メンバ25の中間部においてサスタワー部23の上面部に沿う部分、すなわち、中間横片部25Cの車幅方向長さは、該サスタワー部23の車幅方向長さと近似または略等しくなるように設定され、フロントサスペンションを介してサスタワー部23を下方から上方に突き上げる荷重を、結合メンバ25の中間横片部25Cで受け止めて、サスタワー部23の内倒れを防止すべく構成している。
一方、上述のエプロンレインフォースメント22は、図3、図10、図11に示すように、エプロンレインフロント46と、エプロンレインインナ47と、エプロンレインリヤ48とを備えており、エプロンレインインナ47の車幅方向内方に一体形成したフランジ部49が、図3、図10に示すように、上述の固定パネル45の車幅方向外方側の端部にその上方から重合するように構成している。
つまり、サスタワー部23より後部エプロンレインフォースメント22の車内側のパネルとしてのエプロンレインインナ47に、上記固定パネル45に重合されるフランジ部49が設けられたものであり、車両の前突時にサスタワー部23の全体が後退しようとするのを、エプロンレインインナ47の縦壁部47aにて防止すべく構成したものである。
図11は図10のC−C線矢視断面図であって、上側においてはエプロンレインインナ47とエプロンレインリヤ48とが接合固定され、下側においては、エプロンレインインナ47はダッシュアッパパネル26に接合固定され、エプロンレインリヤ48はヒンジピラー21を構成するヒンジピラーインナ50に接合固定されており、エプロンレインフォースメント22には車両の前後方向に延びるエプロンレイン閉断面22Aが形成されている。
しかも、エプロンレインフォースメント22の内部(閉断面22A内)において、上述のエプロンレインインナ47の車外側にはL字状に屈曲形成されたレインフォースメント51を接合固定している。図3、図11に示すように、上述の結合メンバ25はその中間部がサスタワー部23より後部のエプロンレイン閉断面22A内に進入し、後方に屈曲して後端部25Dを形成すると共に、この後端部25Dがエプロンレインフォースメント22のパネル部材としての上述のレインフォースメント51(エプロンレインインナ47の車外側に位置するパネル部材)のコーナ部上面に接続されている。
結合メンバ25の後端部25Dと、レインフォースメント51とを接続する場合、図11に示すように、後端部25Dのコーナ部とレインフォースメント51とをアーク溶接して、アーク溶接部W1,W2により両者を接合固定してもよく、図12に示すように、レインフォースメント51が後端部25Dと対向する部位に小孔51a,51bを形成し、この小孔51a,51bを利用して後端部25Dとレインフォースメント51とをアーク溶接して、アーク溶接部W3,W4により両者を接合固定してもよい。
ここで、上述の結合メンバ25の後端部25Dの最後端位置は、図10に示す位置に設定してもよく、あるいは、該後端部25Dの最後端位置を、図13に示す位置までさらに後方に延ばしてもよい。
図13は図2のD−D線矢視断面図であって、結合メンバ25とヒンジピラー21との連結構造を示すものである。
上述のヒンジピラー21は、ヒンジピラーインナ50、ヒンジピラーレイン52、キャブサイドアウタ53(ヒンジピラーアウタに相当)を接合固定して構成されており、上下方向に延びるピラー閉断面54を有する車体剛性部材である。
上述の結合メンバ25の後端部25Dを、キャブサイドアウタ53の前面開口部53aとヒンジピラーレイン52の前面開口部52aとを介してピラー閉断面54内に挿入し、該後端部25Dを車幅方向に貫通する一対のスペーサ55,55を、ヒンジピラーインナ50とヒンジピラーレイン52との間に横架した状態で、ドアヒンジブラケット56をボルトアップする一対のボルト57,57を、ヒンジピラーインナ50に溶接固定された一対のナット58,58に締結することにより、上記後端部25Dを車体剛性部材としてのヒンジピラー21に連結固定したものである。
要するに、結合メンバ25はその中間部がサスタワー部23より後部のエプロンレイン閉断面22A内に進入し、後方に屈曲してエプロンレイン閉断面22A内を後方に延びる後端部25Dを一体形成すると共に、この後端部25Dが、上下方向に延びるヒンジピラー21の前面部(各開口部53a,52a参照)を貫通して、ヒンジピラー部のドアヒンジブラケット56に結合されたものである。
図13に示す結合構造に代えて、図14に示す結合構造を採用してもよい。すなわち、図14に示す構造は、図13のスペーサ55を用いることなく、結合メンバ25の後端部25Dにおける車幅方向内方側の側面に予めナット62,62を溶接固定し、ドアヒンジブラケット56をボルトアップする前後一対のボルト57,57を、ドアヒンジブラケット56、キャブサイドアウタ53、ヒンジピラーレイン52、後端部25Dを貫通させて、一旦、ナット62に螺合し、このナット62から突出したボルト57先端をヒンジピラーインナ50を貫通させて、上述のナット58に締付けることで、結合メンバ25の後端部25Dをヒンジピラー21およびドアヒンジブラケット56に結合したものである。
ここで、図11(または図12)で示した構造(後端部25Dとレインフォースメント51との接続構造)を採用する場合には、図13(または図14)で示した構造(後端部25Dとドアヒンジブラケット56との結合構造)を省略することができ、逆に、図13(または図14)で示した構造を採用する場合には、図11(または図12)で示した構造を省略することができるが、これら両構造を同時に採用してもよい。
ところで、図2に側面図で示した構造に代えて、図15〜図18の構造を採用してもよい。
図15に示す構造は、前突時における衝撃荷重の伝達効率向上を図るために、フロントサイドフレーム1の上面と、結合メンバ25の下端部25A上面とが、車体前後方向に連続するように、フロントサイドフレーム1の結合メンバ25の下端部25Aとの結合部前部に、該フロントサイドフレーム1とは別体のブラケット60を用いて、突部61を形成し、この突部61の後端面と結合メンバ25の下端部25A前端面との間に、クリアランスを形成したものである。
このクリアランスを形成すると、ブラケット60等に多少の製作誤差があっても、突部61を形成するブラケット60をフロントサイドフレーム1に適切に連結固定することができる。しかも、上記突部61を形成したことにより、前突時にフロントサイドフレーム1に入力される荷重を効率よく結合メンバ25に伝達することができる。
図16は、図15に示すクリアランスを零に設定したもので、このようにクリアランスをなくすと、前突時における衝撃荷重の伝達効率をさらに向上させることができる。
図17は、フロントサイドフレーム1と別体のブラケット60を用いることなく、該フロントサイドフレーム1に上記突部61を一体形成したものである。このように構成すると、荷重伝達効率を確保しつつ、部品点数の削減を図ることができる。
図18は、フロントサイドフレーム1に一体形成された突部61の上面と、フロントサイドフレーム1の上面(この実施例ではフロントサイドフレームインナ2の上面)とを面一状かつフラットに形成したものであり、特に、この構成を車両左側に採用すると、バッテリ搭載性の向上を図ることができる。
なお、図15〜図18において前図と同一の部分には同一符号を付している。また、図中、矢印Fは車両前方を示し、矢印Rは車両後方を示し、矢印INは車両内方を示し、矢印OUTは車両外方を示し、矢印UPは車両上方を示す。
このように上記実施例の車体前部構造は、左右一対のフロントサイドフレーム1,1と、ヒンジピラー21から前方に突出するエプロンレインフォースメント22と、車内側下端部が上記フロントサイドフレーム1に結合され、車外側上端部がエプロンレインフォースメント22に結合されたサスタワー部23と、該サスタワー部23に沿ってフロントサイドフレーム1と上記エプロンレインフォースメント22とを結合する結合メンバ25が設けられた車体前部構造であって、上記結合メンバ25は、閉断面構造の中空部材を屈曲して形成されると共に、少なくとも、上記フロントサイドフレーム1に固定される下端部25Aと、該下端部25Aから屈曲して上昇し、上記サスタワー部23に沿って上記エプロンレインフォースメント22まで延びる中間部(中間縦片部25B、中間横片部25C参照)と、該中間部から後方に屈曲して上記エプロンレインフォースメント22に沿って後方に延び車体(レインフォースメント51またはヒンジピラー21参照)に結合される後端部25Dとを備えたものである(図1、図3参照)。
この構成によれば、上述の下端部25Aと、中間部25B,25Cと、後端部25Dとを備えた結合メンバ25を、閉断面構造の中空部材を屈曲して形成したので、板金スタンプ方式の結合メンバを用いる構造と比較して、確実にフロントサイドフレーム1からエプロンレインフォースメント22への荷重伝達を行なうことができ、充分な荷重分散を図ることができる。
また、上記結合メンバ25はその中間部(中間縦片部25B、中間横片部25Cのうち、特に中間横片部25C参照)が上記サスタワー部23より後部のエプロンレイン閉断面22A内に進入し、後方に屈曲して上記後端部25Dを形成すると共に、該後端部25Dが上記エプロンレインフォースメント22のパネル部材(レインフォースメント51参照)に結合されたものである(図11、図12参照)。
この構成によれば、結合メンバ25の上記後端部25Dをエプロンレインフォースメント22のパネル部材(レインフォースメント51参照)に結合したので、エプロンレイン周りの強度、剛性を確保することができる。
さらに、上記結合メンバ25はその中間部が上記サスタワー部23より後部のエプロンレイン閉断面22A内に進入し、後方に屈曲してエプロンレイン閉断面22A内を後方に延びると共に、上下方向に延びる上記ヒンジピラー21の前面部を貫通してヒンジピラー21部のサイドドアヒンジ(ドアヒンジブラケット56参照)に結合されたものである(図13、図14参照)。
この構成によれば、結合メンバ25の後方に延びる部分(後端部25D参照)を、ヒンジピラー21部のサイドドアヒンジ(ドアヒンジブラケット56)に結合したので、該サイドドアヒンジ(ドアヒンジブラケット56)により結合メンバ25の車体に対する結合強度を確保することができる。この結果、フロントサイドフレーム1からエプロンレインフォースメント22への荷重伝達のみならず、車体剛性部材としてのヒンジピラー部へ荷重伝達および荷重分散を行なうことができる。
加えて、上記結合メンバ25の中間部(中間縦片部25B、中間横片部25Cのうち、特に中間横片部25C参照)と後端部25Dとの間の屈曲部25Eを補強する補強部材(コーナガセット59参照)が設けられたものである(図5参照)。
この構成によれば、応力が集中する屈曲部25Eの折れを上記補強部材コーナガセット59にて防止することができる。
すなわち、上記後端部25Dの位置に対して車幅方向内方にオフセットされた部位(フロントサイドフレームの延長線上)に衝突荷重が入力し、上記屈曲部25Eには衝突荷重により応力が集中する。上記補強部材がない場合には、屈曲部25Eの折れが生ずるが、該補強部材としてのコーナガセット59にて屈曲部25Eの折れを防止することができる。
また、上記結合メンバ25の中間部25B,25Cは、上記サスタワー部23の上面部と側壁部とに沿った形状を有し、該結合メンバ25のサスタワー部23の上面部に沿う部分(中間横片部25C)と、サスタワー部23の側壁部に沿う部分(中間縦片部25B)とをそれぞれ覆う固定パネル45を設け、該固定パネル45は覆い部分の前後両部にフランジ部45a,45bを有すると共に、該フランジ部45a,45bが車体(サスタワー部23参照)に溶接されることにより、結合メンバ25が車体に固定されたものである(図3、図10参照)。
この構成によれば、結合メンバ25を覆う固定パネル45の前後のフランジ部45a,45bが車体(サスタワー部23参照)に溶接固定されているので、該結合メンバ25の中間部25B,25Cの充分な結合強度を確保することができる。
さらに、上記サスタワー部23より後部のエプロンレインフォースメント22の車内側のパネル(エプロンレインインナ47参照)に、上記固定パネル45に重合されるフランジ部49が設けられたものである(図3、図10参照)。
この構成によれば、車両の前突時(オフセット衝突を含む)にサスタワー部23全体が後退しようとするのを、エプロンレインフォースメント22の車内側のパネル(エプロンレインインナ47)における縦壁部47aにて防止することができる。
つまり、サスタワー部23の後退を上記縦壁部47aで対抗し、突っ張ることにより、斯る後退を防止することができる。
加えて、上記結合メンバ25の中間部(中間縦片部25B参照)は、上記サスタワー部23においてサスペンションアッパアーム38の取付基部(アームブッシュ39参照)を補強するアーム取付部補強部材(ブラケット40R参照)に結合されたものである(図6、図8、図9参照)。
この構成によれば、サスタワー部23において、強度が高いアーム取付部補強部材(ブラケット40R)と結合メンバ25とを結合したので、該結合メンバ25のフロントサイドフレーム1からサスタワー部23まで、並びにサスタワー部23からエプロンレインフォースメント22までの結合力を高めることができ、車両の前突時の衝撃荷重をエプロンレインフォースメント22に分岐伝達、荷重分散することができる。
また、サスタワー部23を上記結合メンバ25とアーム取付部補強部材(ブラケット40R)との結合構造で補強しているので、サスタワー部23の内倒れを防止して、操縦安定性を確保することができる。
さらに、上記結合構造により、サスペンションの支持剛性の向上を図ることもできる。
因に、サスタワー部23の上部は板厚が厚い板部材にて構成されると共に、該サスタワー部23の上部は、剛性が高いエプロンレインフォースメント22で支持されており、サスタワー部23の下部は剛性が高いフロントサイドフレーム1で支持されている。仮に、結合メンバ25とアーム取付部補強部材との結合がない構造の場合、高速走行時に車両が段差に乗り上げると、フロントサスペンションを介してサスタワー部23には該サスタワー部23を下方から上方に突き上げる荷重が入力され、前輪のキャンバ角の影響もあって、サスタワー部23は強度が弱いその中間部が車両内方向に変形するように倒れる。これを内倒れという。そして、このサスタワー部23が内倒れすると、サスペンションのジオメトリ(geometry,配置)が変化するので、車両の直進性や操縦安定性が損なわれるが、上記構成により、該サスタワー部23の内倒れを防止することができるものである。
さらに、上記結合メンバ25の下端部25Aは、上記フロントサイドフレーム1に対するサブフレーム(ペリメータフレーム10参照)の結合位置と対応する位置に設定されたものである(図4参照)。
この構成によれば、サスタワー部23に沿ってフロントサイドフレーム1とエプロンレインフォースメント22とを結合する結合メンバ25を設け、この結合メンバ25のフロントサイドフレーム1との結合部(結合メンバ25の下端部25A)が、サブフレーム(ペリメータフレーム10)のフロントサイドフレーム1との結合位置に対応するので、車両の前突時にフロントサイドフレーム1およびサブフレーム(ペリメータフレーム10)に入力された衝撃荷重を、結合メンバ25によって、エプロンレインフォースメント22に分岐伝達して、荷重分散を図り、これにより、フロントサイドフレーム1のキックアップ部の折れ変形を防止することができる。
また、通常走行時においては、サブフレーム(ペリメータフレーム10)からフロントサイドフレーム1に入力される荷重を結合メンバ25を介してエプロンレインフォースメント22に分散することができ、このサブフレーム(ペリメータフレーム10)の取付け位置の変位を規制して、操縦安定性の向上を図ることができると共に、上記結合メンバ25にてサスタワー部23の補強も同時に行なうことができる。
しかも、上記結合メンバ25中間部25B,25Cは、上記サスタワー部23の上面部と側壁部とに沿った形状を有し、サスタワー部23の上面部に沿う部分(中間横片部25C参照)の車幅方向長さは、サスタワー部23の車幅方向長さと近似または略等しくなるように設定されたものである。
この構成によれば、結合メンバ25の中間部25B,25Cにおけるサスタワー部23上面部に沿う部分(中間横片部25C参照)の車幅方向長さを、サスタワー部23のそれと近似または略同等に設定したので、フロントサスペンションを介してサスタワー部23を下方から上方に突き上げる荷重を、サスタワー部23上面部の結合メンバ(中間横片部25C参照)で受け止めることができ、これにより、サスタワー部23の内倒れを防止することができる。すなわち、荷重分散と内倒れ防止との両立を図ることができる。
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の結合メンバの中間部は、実施例の中間縦片部25B、中間横片部25Cに対応し、
以下同様に、
エプロンレインフォースメントのパネル部材は、レインフォースメント51に対応し、
サイドドアヒンジは、ドアヒンジブラケット56に対応し、
結合メンバの後方に延びる部分は、後端部25Dに対応し、
補強部材は、角パイプ部材から成る閉断面構造のコーナガセット59に対応し、
結合メンバのサスタワー部の上面部に沿う部分は、中間横片部25Cに対応し、
結合メンバのサスタワー部の側壁部に沿う部分は、中間縦片部25Bに対応し、
エプロンレインフォースメントの車内側のパネルは、エプロンレインインナ47に対応し、
サスペンションアッパアームの取付基部は、アームブッシュ39に対応し、
アーム取付部補強部材は、ブラケット40Rに対応し、
サブフレームは、ペリメータフレーム10に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
本発明の車体前部構造を示す斜視図 図1の要部側面図 図2の要部の斜視図 図2のA−A線矢視断面図 結合メンバの斜視図 図2のB−B線矢視断面図 図6の構成を車外側下方から目視した状態で示す斜視図 サスタワー部における結合メンバとブラケットとの連結構造の他の実施例を示す断面図 サスタワー部における結合メンバとブラケットとの連結構造のさらに他の実施例を示す断面図 図2の部分拡大断面図 図10のC−C線矢視断面図 レインフォースメントと結合メンバの他の接合構造を示す断面図 図2のD−D線矢視断面図 結合メンバとヒンジピラーの他の結合構造を示す断面図 結合メンバの下端部と対向して突部を形成した構造を示す側面図 突部の他の実施例を示す側面図 突部のさらに他の実施例を示す側面図 突部のさらに他の実施例を示す側面図
1…フロントサイドフレーム
10…ペリメータフレーム(サブフレーム)
21…ヒンジピラー
22…エプロンレインフォースメント
22A…エプロンレイン閉断面
23…サスタワー部
25…結合メンバ
25A…下端部
25B…中間縦片部(中間部)
25C…中間横片部(中間部)
25D…後端部
25E…屈曲部
38…サスペンションアッパアーム
39…アームブッシュ(取付基部)
40R…ブラケット(アーム取付部補強部材)
45…固定パネル
45a,45b…フランジ部
47…エプロンレインインナ
49…フランジ部
51…レインフォースメント(パネル部材)
56…ドアヒンジブラケット(サイドドアヒンジ)
59…コーナガセット(補強部材)

Claims (7)

  1. 左右一対のフロントサイドフレームと、
    ヒンジピラーから前方に突出するエプロンレインフォースメントと、
    車内側下端部が上記フロントサイドフレームに結合され、車外側上端部を上記エプロンレインフォースメントに結合されたサスタワー部と、
    該サスタワー部に沿って上記フロントサイドフレームと上記エプロンレインフォースメントとを結合する結合メンバが設けられた
    車体前部構造であって、
    上記結合メンバは、閉断面構造の中空部材を屈曲して形成されると共に、上記フロントサイドフレームに固定される下端部と、該下端部から屈曲して上昇し、上記サスタワー部に沿って上記エプロンレインフォースメントまで延びる中間部と、該中間部から後方に屈曲して上記エプロンレインフォースメントに沿って後方に延び車体に結合される後端部とを備え
    上記結合メンバの下端部は、上記フロントサイドフレームのキックアップ部近傍に結合され、
    上記結合メンバの中間部は、上下方向にわたって配設された中間縦片部と、車幅方向にわたって配設された中間横片部とを有し、
    上記結合メンバの後端部は、該中間横片部から前後方向にわたって配設され、
    上記結合メンバの中間部と後端部との間の屈曲部を補強する補強部材が設けられ、
    該補強部材は上記中間部と上記後端部とを橋渡しするように配設され、
    さらに、上記結合メンバの中間部は、上記サスタワー部の上面部と側壁部とに沿った形状を有し、
    該結合メンバのサスタワー部の上面部に沿う部分と、サスタワー部の側壁部に沿う部分とをそれぞれ覆う固定パネルを設け、該固定パネルは覆い部分の前後両部にフランジ部を有すると共に、該フランジ部が車体に溶接されることにより、結合メンバが車体に固定されたことを特徴とする
    車体前部構造。
  2. 上記結合メンバはその中間部が上記サスタワー部より後部のエプロンレイン閉断面内に進入し、
    後方に屈曲して上記後端部を形成すると共に、該後端部が上記エプロンレインフォースメントのパネル部材に結合されたことを特徴とする
    請求項1記載の車体前部構造。
  3. 上記結合メンバはその中間部が上記サスタワー部より後部のエプロンレイン閉断面内に進入し、
    後方に屈曲してエプロンレイン閉断面内を後方に延びると共に、上下方向に延びる上記ヒンジピラーの前面部を貫通してヒンジピラー部のサイドドアヒンジに結合されたことを特徴とする
    請求項1記載の車体前部構造。
  4. 上記サスタワー部より後部のエプロンレインフォースメントの車内側のパネルに、上記固定パネルに重合されるフランジ部が設けられたことを特徴とする
    請求項1記載の車体前部構造。
  5. 上記結合メンバの中間部は、上記サスタワー部においてサスペンションアッパアームの取付基部を補強するアーム取付部補強部材に結合されたことを特徴とする
    請求項1〜4の何れか1に記載の車体前部構造。
  6. 上記結合メンバの下端部は、上記フロントサイドフレームに対するサブフレームの結合位置と対応する位置に設定されたことを特徴とする
    請求項1〜の何れか1に記載の車体前部構造。
  7. 上記結合メンバの中間部は、上記サスタワー部の上面部と側壁部とに沿った形状を有し、
    サスタワー部の上面部に沿う部分の車幅方向長さは、サスタワー部の車幅方向長さと近似または略等しくなるように設定されたことを特徴とする
    請求項1〜6の何れか1に記載の車体前部構造。
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