JP5061584B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents

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本発明は、冷暖房空調装置や冷蔵庫等の冷却装置、あるいはヒートポンプ式の給湯装置等に用いられるスクロール圧縮機に関するものである。
従来、冷凍空調機や冷凍機に用いられるスクロール圧縮機は、一般に、鏡板から渦巻きラップが立ち上がる固定スクロールおよび旋回スクロールを噛み合わせて双方間に圧縮室を形成し、旋回スクロールを自転拘束機構による自転の拘束のもとに円軌道に沿って旋回させたとき圧縮室が容積を変えながら移動することで吸入、圧縮、吐出を行う。旋回スクロールの背面には環状のシール部材を配置し、そのシール部材によって、内側の高圧領域と、外側の背圧室とに仕切っている。背圧室には潤滑用のオイルを供給し、所定の背圧を印加している。これにより旋回スクロールが固定スクロールから離れるといった、いわゆる転覆現象を防止する。この潤滑用のオイルは、下シェルのオイル溜りからオイルポンプにより吸い上げられ、シャフト内部を通り旋回スクロールのボス部内側に至る。その後、旋回スクロールの軸受部を潤滑し、旋回スクロールに設けられた給油経路を経て、背圧室へと供給される。背圧室に供給されたオイルは固定スクロールに設けられた背圧調整機構を経て吸入室へと送り込まれ、この機構により背圧室は所定の設定圧力に保持される。背圧室へのオイル供給量が多すぎると、吸入室へと送り込まれるオイル量も多くなり、吸入加熱やオイル圧縮、また粘性損失の増大を引き起こし、結果として性能低下となってしまう。一方、背圧室へのオイル供給量が少なすぎると、所定の背圧が印加できなくなるだけでなく、自転拘束機構の潤滑不良や圧縮室のシール不足を引き起こしてしまう。そこで適度なオイル供給量を実現するため、特許文献1に示すような方式がある。
図8は特許文献1に記載された従来のスクロール圧縮機の圧縮機構部断面図である。図8に示すように、シャフト101の内部を通って旋回スクロール102のボス部内側にまで到達したオイルは、旋回スクロールの軸受部103を潤滑し、旋回スクロール102に設けられた給油経路104を経て、背圧室105へと供給される。給油経路の入口部104aは、旋回スクロール102の背面に配置された環状のシール部材106を往復し、間欠的に高圧領域107に開口する。これにより適度なオイル量を背圧室105へと供給することが可能となる。
特開2004−19499号公報
前記従来の構成では、入口部104aが高圧領域107に開口しているときのみ、差圧によりオイルが流れ、背圧室105へと給油される。またシール部材106は環状の取り付け溝の中で、差圧により外壁へと貼り付いている。そのため入口部104aが高圧領域107に開口している時間、すなわち背圧室105への給油時間は、シール部材106の内径寸法に依存することになる。シール部材106は樹脂成形品であり、仕上がり精度には限界がある。すなわち個々の圧縮機において、シール部材106の内径寸法が異なるため背圧室105への給油量も異なり、その結果性能のばらつきが大きくなるという課題を有していた。
また間欠給油の別案として、給油経路104の出口部104bがシール部材106をまたぐ場合には、出口部104bが背圧室105に開口しているときのみ、差圧によりオイルが流れる。出口部104bから出たオイルは、旋回スクロール102の背面と主軸受部材108との隙間を抜けて背圧室105へと給油される。この給油方式では、背圧室10
5への給油量は、出口部104bが背圧室105に開口している時間に加え、旋回スクロール102の背面と主軸受部材108との隙間にも依存することになる。すなわち個々の圧縮機において、組立隙間が異なるため給油量も異なり、その結果、上記同様性能のばらつきが大きくなるという課題を有していた。
本発明は前記従来の課題を解決するもので、給油経路の出口部を固定スクロール側に形成することで、シール部材の仕上がり精度、もしくは旋回スクロールと主軸受部材の組立寸法に関わらず、性能の個体差を極力抑えることが可能となるため、性能ばらつきの少ないスクロール圧縮機を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明のスクロール圧縮機は、鏡板から渦巻き状のラップが立ち上がる固定スクロール及び旋回スクロールを噛み合わせて双方間に圧縮室を形成し、旋回スクロール背面に環状のシール部材を配置し、シール部材によって内側の高圧領域と外側の背圧室とに仕切り、背圧室に一定中間圧を印加することで旋回スクロールを固定スクロールに接触させ、かつ旋回スクロール背面に自転拘束機構を備えることで、旋回スクロールが円軌道に沿って旋回し、これにより圧縮室が容積を変えながら中心に向かって移動し、吸入、圧縮、吐出の一連の動作を行うスクロール圧縮機において、旋回スクロール背面の高圧領域から旋回スクロール鏡板のラップ面に連通する給油経路を設け、また固定スクロールのラップ面に開口出口用凹部を形成し、給油経路の開口出口部と前記開口出口用凹部が連通したものである。
かかる構成によれば、シール部材の仕上がり精度、もしくは旋回スクロールと主軸受部材の組立寸法に関わらず、性能の個体差を極力抑えることが可能となるため、性能ばらつきの少ないスクロール圧縮機を提供することができる。
本発明のスクロール圧縮機は、シール部材の仕上がり精度、もしくは旋回スクロールと主軸受部材の組立寸法に関わらず、性能の個体差を極力抑えることが可能となるため、性能ばらつきの少ないスクロール圧縮機を提供することができる。
請求項1に記載の本発明では、鏡板から渦巻き状のラップが立ち上がる固定スクロール及び旋回スクロールを噛み合わせて双方間に圧縮室を形成し、旋回スクロール背面に環状のシール部材を配置し、シール部材によって内側の高圧領域と外側の背圧室とに仕切り、背圧室に一定中間圧を印加することで旋回スクロールを固定スクロールに接触させ、かつ旋回スクロール背面に自転拘束機構を備えることで、旋回スクロールが円軌道に沿って旋回し、これにより圧縮室が容積を変えながら中心に向かって移動し、吸入、圧縮、吐出の一連の動作を行うスクロール圧縮機において、旋回スクロール背面の高圧領域から旋回スクロール鏡板のラップ面に連通する給油経路を設け、また固定スクロールのラップ面に開口出口用凹部を形成し、給油経路の開口出口部と開口出口用凹部が連通したものである。そしてこの構成によれば、給油経路の出口部を固定スクロール側に形成するため、シール部材の仕上がり精度、もしくは旋回スクロールと主軸受部材の組立寸法に関わらず、性能の個体差を極力抑えることが可能となるため、性能ばらつきの少ないスクロール圧縮機を提供することができる。
請求項2に記載の本発明では、特に請求項1に記載の給油経路の開口出口部と開口出口用凹部が間欠的に連通したものである。そしてこの構成によれば、背圧室へのオイル供給量を適度に調整することができるため、結果として吸入室へと送り込まれるオイル量も調整できることになり、冷媒の吸入加熱やオイル圧縮を抑制しつつ、背圧の安定化や摺動部
の潤滑には十分な最適オイル量を供給することができる。
請求項3に記載の本発明では、特に請求項1または2に記載の給油経路が、旋回スクロール背面のボス部内側から、旋回スクロール鏡板内部を経て、ラップ面に至ったものである。そしてこの構成によれば、加工が容易で、かつ確実に高圧領域と背圧室を連通させることができる。
請求項4に記載の本発明では、特に請求項1から3のいずれか1つに記載の給油経路の一部に絞り部を設けたものである。そしてこの構成によれば、間欠的に給油するということに加え、さらに背圧室へのオイル供給量を適度に調整することができるため、結果として吸入室へと送り込まれるオイル量も調整できることになり、冷媒の吸入加熱やオイル圧縮を抑制しつつ、背圧の安定化や摺動部の潤滑には十分な最適オイル量を供給することができる。
請求項5に記載の本発明では、特に請求項1から4のいずれか1つに記載の開口出口用凹部を、旋回スクロール鏡板の旋回軌跡より外側まで形成したものである。そしてこの構成によれば、固定スクロールに形成された開口出口用凹部と背圧室が連通し、旋回スクロールの給油経路から供給されたオイルが確実に背圧室へと供給される。すなわち自転拘束機構の潤滑や安定した背圧の維持が可能となる。
請求項6に記載の本発明では、特に請求項1から4のいずれか1つに記載のスクロール圧縮機において、固定スクロールのラップ面に外周凹部を形成し、開口出口用凹部と連通したものである。そしてこの構成によれば、給油経路の開口出口部が旋回スクロールの全周にわたり背圧室と連通することになるため、背圧室への給油が迅速に行われ、起動時などに発生する給油遅れといった問題が解消できる。
請求項7に記載の本発明では、特に請求項6に記載のスクロール圧縮機において、背圧室を一定中間圧に維持する背圧調整機構として、背圧室とラップ溝をつなぐ連通孔を固定スクロール内部に設け、連通孔が外周凹部に臨むように形成したものである。そしてこの構成によれば、連通孔が常時背圧室と臨んでいるため、設定圧力に対する変動を抑制することができる。
請求項8に記載の本発明では、特に請求項7に記載の外周凹部において、開口出口用凹部から連通孔に至るまで、旋回スクロールの反旋回方向の区間のみ繋ぐように、外周凹部を形成したものである。そしてこの構成によれば、開口出口用凹部から供給されたオイルが旋回スクロールの旋回運動に伴い、直接背圧調整機構へと導かれるのを防止することができる。すなわちオイルが背圧室全体に行き渡り、自転拘束機構の潤滑も十分に行うことができる。
請求項9に記載の本発明では、特に請求項1から8のいずれか1つに記載のスクロール圧縮機において、作動流体を、高圧冷媒、例えば二酸化炭素としたものである。そしてこの場合、特に高低圧の差が大きくなり、旋回スクロールの反ラップ面に加わる荷重も増大するので、本発明の効果が顕著に現れ、高効率化及び高信頼性化を両立したスクロール圧縮機を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係わるスクロール圧縮機の縦断面図、図2は図1
の圧縮機構部の要部拡大断面図である。図のように構成されたスクロール圧縮機について、以下その構成、動作、作用を説明する。
図1に示すように、本発明のスクロール圧縮機は、密閉容器1内に溶接や焼き嵌めなどして固定したクランク軸4の主軸受部材11と、この主軸受部材11上にボルト止めした固定スクロール12との間に、固定スクロール12と噛み合う旋回スクロール13を挟み込んでスクロール式の圧縮機構2を構成し、旋回スクロール13と主軸受部材11との間に旋回スクロール13の自転を防止して円軌道運動するように案内するオルダムリングなどによる自転拘束機構14を設けて、クランク軸4の上端にある偏心軸部4aにて旋回スクロール13を偏心駆動することにより旋回スクロール13を円軌道運動させ、これにより固定スクロール12と旋回スクロール13との間に形成している圧縮室15が外周側から中央部に移動しながら小さくなるのを利用して、密閉容器1外に通じた吸入パイプ16および固定スクロール12の外周部の吸入口17から冷媒ガスを吸入して圧縮していき、所定圧以上になった冷媒ガスは固定スクロール12の中央部の吐出口18からリード弁19を押し開いて密閉容器1内に吐出させることを繰り返す。
旋回スクロール13の背面13eには、主軸受部材11に配置されている環状のシール部材78があり、旋回運動を行いながらシール部材78により、シール部材78の内側領域である高圧領域30と、外側領域である高圧と低圧の中間圧に設定された背圧室29とに仕切られている。この背面13eの圧力付加により旋回スクロール13は固定スクロール12に安定的に押しつけられ、漏れを低減するとともに安定して円軌道運動を行うことができる。
さらに、固定スクロール12には、旋回スクロール13の背面13eの背圧室29が、常に一定の圧力となるように制御する背圧調整機構9を備えている。
圧縮機運転中は、クランク軸4の下向きの他端にはポンプ25が設けられ、スクロール圧縮機と同時に駆動される。これによりポンプ25は密閉容器1の底部に設けられたオイル溜め20にあるオイル6を吸い上げてクランク軸4内を通縦しているオイル供給穴26を通じて圧縮機構2に供給する。このときの供給圧は、スクロール圧縮機の吐出圧力とほぼ同等であり、旋回スクロール13に対する背圧源ともなる。これにより、旋回スクロール13は固定スクロール12から離れたり片当たりしたりするようなことはなく、所定の圧縮機能を安定して発揮する。
このように供給されたオイル6の一部は、供給圧や自重によって、逃げ場を求めるようにして偏心軸部4aと旋回スクロール13との嵌合部、クランク軸4と主軸受部材11との間の軸受部66に進入してそれぞれの部分を潤滑した後落下し、オイル溜め20へ戻る。高圧領域30に供給されたオイル6の別の一部は、高圧領域30に開口を有する給油経路54を通って、旋回スクロール13の外周部まわりにあって自転拘束機構14が位置している背圧室29に進入し、スラスト摺動部および自転拘束機構14の摺動部を潤滑するのに併せ、背圧室29にて旋回スクロール13の背圧を印加する。
背圧室29は高圧領域30の高圧側との間が環状のシール部材78によってシールされていて、進入してくるオイルが充満するにつれて圧力を増し、所定の圧力を超えると、背圧調整機構9が作用して、圧縮室15の吸入部分に戻され進入する。
このオイル6の進入は所定の周期で繰り返され、この繰り返しのタイミングは吸入、圧縮、吐出の繰り返しサイクルと、背圧調整機構9での圧力設定との関係の組み合わせによって決まり、固定スクロール12と旋回スクロール13との摺動部への意図的な潤滑となる。この意図的な潤滑は前記したように背圧調整機構9による連絡路10の凹部10aへ
の開口によって常時保証される。吸入口17へと供給されたオイル6は旋回スクロール13の旋回運動とともに圧縮室15へと移動し、圧縮室15間の漏れ防止に役立っている。
本実施の形態のスクロール圧縮機では、旋回スクロール13の背面13eの高圧領域30から旋回スクロール13の鏡板13aのラップ面13bに連通する給油経路54を設け、また固定スクロール12のラップ面12bに開口出口用凹部12hを形成し、給油経路54の開口出口部54bと開口出口用凹部12hを連通させる。給油経路54の出口部を旋回スクロール13の背面13eではなく、固定スクロール12に形成することにより、シール部材78の仕上がり精度、もしくは旋回スクロール13と主軸受部材11の組立寸法に関わらず、性能の個体差を極力抑えることが可能となるため、性能ばらつきの少ないスクロール圧縮機を提供することができる。
また給油経路54は、旋回スクロール13のボス部内側から、旋回スクロール13の鏡板13aの内部を経て、ラップ面13bに導いたものが望ましい。この場合、給油経路54の加工が容易で、かつ確実に高圧領域30と背圧室29を連通させることができる。
(実施の形態2)
図3は本発明の第2の実施の形態における固定スクロール12の平面図である。固定スクロール12のラップ面12bに開口出口用凹部12hを形成し、給油経路54の開口出口部54bと開口出口用凹部12hを連通させて背圧室29へとオイルを供給するが、給油経路54の開口出口部54bと開口出口用凹部12hが間欠的に連通するように形成する。具体的には旋回スクロール13の旋回運動を利用して、1回転のうち、ある区間だけ連通させるものである。これにより、背圧室29へのオイル供給量を適度に調整することができるため、結果として吸入室29へと送り込まれるオイル量も調整できることになり、冷媒の吸入加熱やオイル圧縮を抑制しつつ、背圧の安定化や摺動部の潤滑には十分な最適オイル量を供給することができる。
(実施の形態3)
図4は本発明の第3の実施の形態における旋回スクロール13の断面図である。給油経路54の一部に絞り部57を設けることにより、間欠的に給油するということに加え、さらに背圧室29へのオイル供給量を適度に調整することができるため、結果として吸入室29へと送り込まれるオイル量も調整できることになり、冷媒の吸入加熱やオイル圧縮を抑制しつつ、背圧の安定化や摺動部の潤滑には十分な最適オイル量を供給することができる。
(実施の形態4)
図5は本発明の第4の実施の形態における固定スクロール12の平面図である。図5において図3と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。固定スクロール12の開口出口用凹部12hを、旋回スクロール13の鏡板13aの旋回軌跡13lより外側まで形成する。これにより、固定スクロール12に形成された開口出口用凹部12hと背圧室29が常時連通し、旋回スクロール13の給油経路54から供給されたオイルが確実に背圧室29へと供給される。すなわち自転拘束機構14の潤滑や安定した背圧の維持が可能となる。
(実施の形態5)
図6は本発明の第5の実施の形態における固定スクロール12の平面図である。図6において図3と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。固定スクロール12のラップ面12bに外周凹部12iを形成し、開口出口用凹部12hと連通させる。これにより、給油経路54の開口出口部54bが旋回スクロール13の全周にわたり背圧室29と連通することになるため、背圧室29への給油が迅速に行われ、起動時などに発
生する給油遅れといった問題が解消できる。
また背圧室29を一定中間圧に維持する背圧調整機構9の凹部10aが外周凹部12iに臨むように形成する。これにより、背圧調整機構9の連通路10が常時背圧室29と臨むことになるため、設定圧力に対する変動を抑制することができる。
(実施の形態6)
図7は本発明の第6の実施の形態における固定スクロール12の平面図である。図7において図3及び図6と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。固定スクロール12の外周凹部12iにおいて、開口出口用凹部12hから背圧調整機構9の連通孔10に至るまで、旋回スクロール13の反旋回方向の区間のみ繋ぐように、外周凹部12iを形成する。これにより、開口出口用凹部12iから供給されたオイルが旋回スクロール13の旋回運動に伴い、直接背圧調整機構9の連通路10へと導かれるのを防止することができる。すなわちオイルが背圧室29の全体に行き渡り、自転拘束機構9の潤滑も十分に行うことができる。
最後に作動流体を、高圧冷媒、例えば二酸化炭素とした場合、特に高低圧の差が大きくなり、オイル供給量が条件により大きく変動する。従来の構成ではシール部材78の破損やクリープにより、オイル供給量が大幅に変化し、性能及び信頼性に大きく影響を及ぼしていた。しかし本発明においては、上述したように固定スクロール12のラップ面12bに形成された開口出口用凹部12hにオイルを供給するため、シール部材78の破損を防止することができる。またクリープが発生した場合において、安定したオイル量を供給できるので、性能の安定化、及び高信頼性を両立したスクロール圧縮機を実現することができる。
以上のように、本発明にかかるスクロール圧縮機は、シール部材の仕上がり精度、もしくは旋回スクロールと主軸受部材の組立寸法に関わらず、性能の個体差を極力抑えることが可能となるため、作動流体を冷媒と限ることなく、空気スクロール圧縮機、真空ポンプ、スクロール型膨張機等のスクロール流体機械の用途にも適用できる。
本発明の実施の形態1におけるスクロール圧縮機の断面図 本発明の実施の形態1におけるスクロール圧縮機の圧縮機構部の要部拡大断面図 本発明の実施の形態2におけるスクロール圧縮機の固定スクロールの平面図 本発明の実施の形態3におけるスクロール圧縮機の旋回スクロールの断面図 本発明の実施の形態4におけるスクロール圧縮機の固定スクロールの平面図 本発明の実施の形態5におけるスクロール圧縮機の固定スクロールの平面図 本発明の実施の形態6におけるスクロール圧縮機の固定スクロールの平面図 従来のスクロール圧縮機の圧縮機構部の断面図
符号の説明
9 背圧調整機構
10 連通路
12 固定スクロール
12a 鏡板
12b ラップ面
12h 開口出口用凹部
12i 外周凹部
13 旋回スクロール
13a 鏡板
13b ラップ面
13e 背面
13l 鏡板の旋回軌跡
14 自転拘束機構
15 圧縮室
29 背圧室
30 高圧領域
54 給油経路
54 開口出口部
57 絞り
78 シール部材

Claims (3)

  1. 鏡板から渦巻き状のラップが立ち上がる固定スクロール及び旋回スクロールを噛み合わせて双方間に圧縮室を形成し、前記旋回スクロール背面に環状のシール部材を配置し、前記シール部材によって内側の高圧領域と外側の背圧室とに仕切り、前記背圧室に一定中間圧を印加することで前記旋回スクロールを前記固定スクロールに接触させ、かつ前記旋回スクロール背面に自転拘束機構を備えることで、前記旋回スクロールが円軌道に沿って旋回し、これにより前記圧縮室が容積を変えながら中心に向かって移動し、吸入、圧縮、吐出の一連の動作を行い、
    前記旋回スクロール背面の高圧領域から前記旋回スクロール鏡板のラップ面に連通する給油経路を設け、また前記固定スクロールのラップ面に開口出口用凹部を形成し、前記給油経路の開口出口部と前記開口出口用凹部が間欠的に連通してなり、
    前記給油経路が、前記旋回スクロール背面のボス部内側から、前記旋回スクロール鏡板内部を経て、前記ラップ面に至り、
    前記固定スクロールのラップ面に外周凹部を形成し、前記開口出口用凹部と連通してなるスクロール圧縮機であって、
    前記背圧室を一定中間圧に維持する背圧調整機構として、前記背圧室とラップ溝をつなぐ連通孔を前記固定スクロール内部に設け、前記連通孔が前記外周凹部に臨むように形成してなるスクロール圧縮機。
  2. 前記開口出口用凹部から前記連通孔に至るまで、前記スクロールの反旋回方向の区間のみ繋ぐように、前記外周凹部を形成してなる請求項に記載のスクロール圧縮機。
  3. 作動流体を、高圧冷媒、例えば二酸化炭素としてなる請求項1または2に記載のスクロール圧縮機。
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