JP5039376B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤ、なかでも乗用車用の空気入りタイヤに関するものであり、トレッド踏面の周方向に直線状もしくはジグザグ状に連続して延びる周溝によって発生するのが避けられない気柱共鳴音を低減するとともに、とくにコーナリング時における操縦安定性の改善をも図ろうとするものである。
気柱共鳴音とは、トレッド踏面の周方向に連続して延びる周溝と、トレッド踏面接地域内の路面とによって囲繞される管内の空気の共鳴によって発生する騒音であり、この気柱共鳴音の周波数は、一般的な乗用車では800〜1200Hz程度に観測されることが多く、ピークの音圧レベルが高くて周波数帯域が広いことから、タイヤの発生騒音の大きな部分を占めることになる。
また、人間の聴覚は、A特性に示されるように、上記の周波数帯域においてとくに敏感であるので、フィーリング面での静粛性を向上させる上においても、気柱共鳴音の低減は有効である。
気柱共鳴音の低減は、周溝の容積を減じることが有効であり、通常はかかる手法を採用するのが一般的であったが、近年では、一端だけを周溝に開口し、他端が陸部内で終了する長い横溝を設け、その周溝内での***振を用いて気柱共鳴音を低減させることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、これとは別に、ヘルムホルツ共鳴器によって、気柱共鳴音の共鳴周波数付近のエネルギーを吸収する技術も提案されている(例えば、特許文献2〜4参照)。
国際公開04/103737号パンフレット 特開平5-338411号公報 特開2000-118207号公報 特開2001-191734号公報
しかしながら、周溝の溝容積を減少させる従来の技術では、排水性能の低下が余儀なくされ、長い横溝の配設が必須となっていた。
また、一端だけを周溝に開口し、他端を陸部内で終了させる長い横溝を設け、その周溝内での***振を用いて気柱共鳴音を低減させる手法では、トレッドパターンのデザイン上の自由度、適切な陸部剛性の確保等についての難点がある、という問題があった。
これに対し、ヘルムホルツ共鳴器によって気柱共鳴音の共鳴周波数付近のエネルギーを吸収する技術については、上記従来技術のような難点がなく、有効な手段であるといえるものの、タイヤの性能全般(例えば、共鳴気室に依存したピッチノイズや気室という大きな空洞部の周辺における偏摩耗、コーナリング時の操縦安定性等)、タイヤの量産可能性等を十分に考慮したうえで、ヘルムホルツ共鳴器の、トレッドの具体的かつ効果的な配設方法を開示しているとはいい難く、未だ実用化には至っていないのが現状であった。
本発明は、従来技術が抱えるこのような問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、排水性能の低下をもたらすことなく、タイヤのトータル性能および量産性等を十分に確保し、併せて、デザイン上の高い自由度および所期した通りの陸部剛性を実現してなお、周溝によって発生される気柱共鳴騒音を効果的に低減するとともに、操縦安定性、とくにコーナリング時における操縦安定性の改善をも合わせて図るところにある。
本発明は、タイヤの接地面にてトレッドの踏み込み端から蹴り出し端に至るまでの領域を通り抜けるとともに、タイヤの回転する向きに沿って伸延する少なくとも一本の周溝と、この周溝によって区画された複数列のリブとを備えた空気入りタイヤにおいて、
前記リブに、タイヤの接地面内にて路面との接触により閉塞空間を形成する凹部と、この凹部につながり同じ周溝の溝壁に開口する狭窄通路からなり、タイヤの接地する騒音を、該騒音と略同等の周波数により共鳴させて減音する共鳴部を設け、
前記共鳴部の凹部は、リブを、その幅方向中心を境にしてタイヤの幅方向中央側とタイヤのショルダー側とに区分した場合に、タイヤの幅方向中央側に位置する領域の容積がタイヤのショルダー側に位置する領域の容積よりも大きい配置になる、ことを特徴とする空気入りタイヤである。
上記の構成になる空気入りタイヤにおいて、タイヤの幅方向中央側の領域は、二次元の平面形状で、共鳴部の凹部の開口面積の60%以上の開口面積を有するものとするのが望ましい。
また、本発明は、タイヤの接地面にてトレッドの踏み込み端から蹴り出し端に至るまでの領域を通り抜けるとともに、タイヤの回転する向きに沿って伸延する少なくとも一本の周溝と、この周溝によって区画された複数列のリブとを備えた空気入りタイヤにおいて、
前記リブに、タイヤの接地面内にて路面との接触により閉塞空間を形成する凹部と、この凹部につながり同じ周溝の溝壁に開口する狭窄通路からなり、タイヤの接地する騒音を、該騒音と略同等の周波数により共鳴させて減音する共鳴部を設け、
前記共鳴部の凹部は、リブの幅方向中心を境にしてタイヤの幅方向中央側とタイヤのショルダー側とに区分した場合に、タイヤの幅方向中央側に位置することを特徴とする空気入りタイヤである。
上記の共鳴部については、下記式によって得られる共鳴周波数fが700〜1400Hzであるヘルムホルツタイプの共鳴器が有利に適合する。

Figure 0005039376
ここに、r :狭窄通路の半径、
l0 :狭窄通路の長さ、
S :狭窄通路の断面積、
V :凹部の容積、
C :音速
また、前記共鳴部は、凹部及び狭窄通路をそれぞれ第1管路、第2管路とみなしそれらを相互に連結した連結管路からなり、下記式にしたがって共鳴周波数fを求めることができる段付きタイプの共鳴器と考えることができる。

tan(kl)tan(kl)−(S/S)=0 、k=2πf/c
c :音速
l:第1管路の長さ
l:第2管炉の長さ
S:第1管路の断面積
S:第2管路の断面積
タイヤの陸部に共鳴部を設け、この共鳴部の共鳴周波数を、周溝の周波数の帯域に合わせることにより、周溝の一次共鳴エネルギーを、共鳴部の狭窄通路内での空気の振動によって吸収することが可能となり、周溝内の気柱共鳴音は、その周溝の溝容積を減少させることなしに有効に低減される。
また、リブを、その幅方向中心を境にしてタイヤの幅方向中央側とタイヤのショルダー側とに区分した場合において、共鳴部の凹部の、タイヤの幅方向中央側に位置する領域の容積がタイヤのショルダー側に位置する領域の容積よりも大きくなるように共鳴部の凹部を設けることにより、タイヤの横力とは逆向きのせん断力(とくに、荷重が大きくなるため大きな横方向力が発生するコーナリングアウト側のブロックが垂直圧縮時に受ける力)が抑制され、コーナーリングパワーが高まる(コーナリング時における操縦安定性が改善される)。
以下、図面を用いて本発明をより具体的に説明する。
図1は本発明に従う空気入りタイヤの実施の形態を要部について模式的に示したものである。かかるタイヤは、図2に示すような接地面を形成するものであり、ここに、接地面とは、適用リムに装着したタイヤに規定の空気圧を充填して平板に垂直に置き、そのタイヤに、規定の質量(最大負荷荷重)の80%に対応する負荷を作用させたときに平板と接触することになるトレッドゴムの表面領域をいうものとする。
図における1はトレッドの踏み込み端から蹴り出し端に到るまでの領域を通り抜けるとともに、タイヤの回転する向きに沿って伸延する、例えば直線状に連続して延び全体として円環形状をなす周溝である。
また、2は周溝1によって区画されたリブ、3はタイヤの接地転動中に生起する気柱共鳴音を減音するための共鳴部である。この共鳴部3はタイヤの接地面内にて路面との接触により閉塞空間を形成する気室として機能する凹部3aと、この凹部3aにつながり周溝1の溝壁に対してそれぞれ個別に開口する狭窄通路3bからなっており、図2に示した如くリブ2の幅方向中心Cを境にしてタイヤの幅方向中央側Aとタイヤのショルダー側Bとに区分した場合に、タイヤの幅方向中央側Aに位置する領域の容積V1がタイヤのショルダー側Bに位置する領域の容積V2よりも大きくなるように配置されている。
上記のような構成になるタイヤにおいて共鳴部3の共鳴周波数を、周溝1の周波数の帯域に合わせることにより、周溝2の一次共鳴エネルギーが、共鳴部3の狭窄通路3b内での空気の振動によって吸収され、周溝1内の気柱共鳴音は、その周溝1の溝容積を減少させることなしに有効に低減されることとなり、加えてせん断力が抑制されるため、コーナーリングパワーが高まりコーナリング時における操縦安定性が改善される。
ここに、共鳴部3の凹部3aにつき、タイヤの幅方向中央側に位置する領域の容積をタイヤのショルダー側に位置する領域の容積よりも大きくすることでコーナリング時の操縦安定性が改善される理由は以下の通りである。
すなわち、コーナリング時にタイヤには図3に示すような横力が発生する一方、タイヤのゴムは摩擦のある路面上で荷重によって図4に示すように樽型に膨らむ変形を伴うこととなり、その際、図に示すような力(せん断力)が発生する。
これら二つの力のうち、主にタイヤの外側(out)から受ける横力については、リブの、タイヤの幅方向中央側では相殺されることとなり、また、コーナリング時における車両の荷重についても外側(out)に偏ることになるが、この荷重の偏りに伴って発生する力についても、リブの、タイヤの幅方向中央側では相殺されることとなり、コーナリング時の操縦安定性の改善を図るには、このような相殺関係を解消することがとくに有効となる。
上掲図4に示したところの力(せん断力)は、トレッドゴムの圧縮剛性に関係するもので、共鳴部3の凹部3aの如き空隙を利用し図5の如くその空隙にゴム流動を向かわせることで上記の相殺関係を解消することが可能となるのであり、共鳴部の凹部を、タイヤの幅方向中央側に位置する領域の容積をタイヤのショルダー側に位置する領域の容積よりも大きくした場合には横力の発生効率を高められ、これによりコーナリング時の操縦安定性が改善される。
横力の発生効率を高めるためには、タイヤの幅方向中央側の領域を、共鳴部の凹部の開口面積の60%以上の開口面積とする場合に効果が現れ、とくにその効果は、共鳴部の凹部の全体を、タイヤの幅方向中央側に配置した場合に顕著となる。
図6はヘルムホルツ共鳴器を模式的に示したものである。本発明の共鳴部3における凹部3aの陸部開口及び狭窄通路3bはともに、路面によって閉塞された状態では、図示のような共鳴器を構成するものであって、その共鳴部3の共振周波数f0は前述した式によって求められる。
共鳴部3の狭窄通路3bの断面形状が円形ではなく上掲図1に示したようなスリットタイプとする場合には、上記の式中の半径rは、該狭窄通路3bの断面積を基にして逆算することによって求められる。
共鳴部3の共鳴周波数f0は、上記の如く、狭窄通路3bの断面積Sや凹部3aの容積V等を適宜選択することで変更され、式中の係数1.3は文献によっては異なる値が存在するが、一般的には実験式から求めることが可能で、本発明においても一つの係数として用いるものとする。
共鳴部3の凹部3aは、その深さ方向の全体にわたって、開口面積と同一の横断面積を有するものを適用することができるが、深さ方向に向けて横断面積が漸増もしくは漸減するものを適用してもよい。凹部3aの底壁は平坦面とすることができるのはもちろん、開口側に向けて凸もしくは凹状の曲面を設けることも可能である。底壁に凹凸(起伏)を設ける場合には、凸部の高さは1.6mm以上、より好ましくは3.0mm以上とする。
また、前記凹部3aの、リブ表面への開口形状は多角形、円形、楕円形その他の曲線輪郭形状を適用し得る。
狭窄通路3bは、直線部、曲線部もしくは屈曲部を少なくとも一つをもった任意の平面形状とすることができ、一つの凹部3aに対して複数設けることも可能であり、この場合、該狭窄通路3bの断面積はその合計(断面積の総和)とし、また、長さについては平均値を用いて凹部3aの設定を行なう。
例えば、狭窄通路3bを二本設ける場合には、下記式を適用することができる。
Figure 0005039376
狭窄通路1:l01,r1,S1
狭窄通路2:l02,r2,S2
狭窄通路3bが三本を越える場合には√内の(l+1.3r)、Sがその本数に応じて加算され、分子における係数はその本数分を表示した式に変更する。
共鳴部3の凹部3aは、加硫成型金型のキャスト部分(骨)によって形成することが可能であり、狭窄通路3bは、該加硫成型金型のサイプブレードによって形成することができる。
また、共鳴部3は、円環状をなす一本の周溝1に対して一個だけ設けることができるが、より好ましくは、適用リムに装着したタイヤに規定の空気圧を充填し、そのタイヤに規定の荷重の80%に対応する負荷を作用させた状態で、タイヤの接地面内に常に一つ以上を存在(凹部3aはもちろん、狭窄通路3bを含めてその全部が完全に存在させることを意味し、サイズの異なる共鳴部3(共鳴周波数の異なる共鳴部)の複数個を配置してもよい。)させる配置態様とする。
ここに、上記「適用リム」とは、タイヤのサイズに応じて下記の規格に規定されたリムを、「規定の空気圧」とは、下記の規格において、最大負荷能力に対応して規定される空気圧をいい、最大負荷能力とは、下記の規格で、タイヤに負荷することが許容される最大の質量をいう。また「規定の質量」とは、上記の最大負荷能力をいう。なお、ここでいう空気は、窒素ガス等の不活性ガスその他に置換することも可能である。
また、規格とは、タイヤが生産または使用される地域に有効な産業規格によって決められたものであり、たとえば、アメリカ合衆国では、"THE TIRE AND RIM ASSOCIATION INC.のYEAR BOOK"であり、欧州では、THE European Tyre and Rim Technical OrganisationのSTANDARDS MANUAL"であり、日本では日本自動車タイヤ協会の"JATMA YEAR BOOK"である。
凹部3aの、リブ2の表面からの平均深さh(図1参照)は、リブ2を区画する周溝1の最大深さHの20%以上、とくには40〜80%とするのがよい。
また、狭窄通路3bの、リブ2の表面からの深さd(図1参照)は、凹部3aの平均深さhの70%以下、とくには50%以下とするのがよく、その幅t(狭窄通路が円形の場合には直径)については、凹部3の幅Tの3〜50%(より好ましくは3〜20%以下)とするのがよい。
一般的な乗用車では気柱共鳴音の周波数が800〜1200Hzの範囲で観測されることが多いので、共鳴周波数f0は700〜1400Hzの範囲、または、700〜1800Hzの範囲に設定するのが好ましい。
凹部3aの開口形状は矩形状のものを例として示したが、タイヤの特性に応じて種々の形状に変更することが可能であり、開口面積については25〜300mm、より好ましくは、72〜180mmの範囲とすることができる。その理由は、凹部3aにそれ本来の機能を有効に発揮させつつ、凹部開口縁の、路面衝突騒音の増加を有効に抑制することができるからであり、開口面積が25mm未満では、凹部に所要の容積を確保すべく、凹部3aの深さを深くしても、共鳴部としての機能を十分に発揮させることが困難となる一方、300mmを超えると、開口縁の長さが長くなるために路面衝突音の顕在化が否めなくなるからである。
上述したような、ヘルムホルツ型の共鳴器を適用することができない場合(共鳴部の形状が「いびつ」でデザイン上に問題がある等)や上記の式において共振周波数が予測できない領域がある場合等には、図7、図8に示すように、凹部3a及び狭窄通路3bをそれぞれ第1管路3a′、第2管路3b′とみなしてそれらを相互に連結した連結管路からなる段付きタイプの共鳴器を適用し下記式にしたがって共鳴周波数fを求める。
段付きタイプの共鳴器につき、境界における第1管路3a′側の音響インピーダンスをZ12 、境界における第2管路3b′側の音響インピーダンスをZ21 とすると、
連続の条件から、
Z21 =(S2/S1)・Z12
第2管路3b′について、境界条件を、x=0でV2=V0ejwt、x=l2でP2/V2=Z2 とすると、第2管路3b′の音圧分布P2は、
P2=Zs・{Z21cos(k(l2−x))+jZcsin(k(l2−x))/Zccos(kl2)+ jZ21 sin(kl2 )}・V0ejwt
V2 : 第2管路3b′の粒子速度分布
V0 :入力点の粒子速度
j :虚数単位
Zc :ρc (ρ:空気の密度、c:音速)
また、第1管路3a′について、境界条件を、x=l1でV1=0、x=l2でP2/V2=Z21とすると、第1管路3a′の音圧分布P1は、
P1=Zs・〔Z21cos(k(l2−x))/cos(kl1)・{ Zccos(kl2)+jZ21 sin(kl2 )}〕・V0ejwt
ここに、共鳴の条件 x=0でP2=0より、
tan(kl1)tan(kl2)−(S2/S1)=0、k=2πf/c となり、この共鳴の条件式に基づいてk、l1、l2、S2、S1、cを決定して共鳴周波数fを求める。
段付き管タイプの共鳴器は図示の例では、直方体になる管路を組み合わせたものを示したが、上記の条件式で共鳴周波数を求めるには各管路の断面積Sと長さlを決定すればよいので、管路の形状は直方体には限定されることはなく種々の形状のものを適用し得る。
また、第2管路3b′の一端は周溝1の溝壁で開口していることが不可欠となるが、第1管路3a′、第2管路3b′は、トレッド踏面の接地面内で路面との接触により閉空間を形成するので、その上端をリブ2の表面で開口させておくことが可能であり、この点についても限定されることはない。
実施例1
凹部の周方向に沿う寸法L:18mm、幅T:6mm、深さh:7mm、狭窄通路の長さL′:6mm、深さd:2mm、幅t:1mm、 作用周波数:1061Hz)になるヘルムホルツタイプの共鳴器をタイヤの周りに60個(タイヤ一周につ60個という意味でピッチ長さは約34mm(タイヤのセンター、ショルダーで長さは変化する)であり、以下、タイヤ一周につき60個設けた場合を周上60mmピッチという)設けた図2に示すような接地面を有する、サイズが195/65R15のタイヤ(リブ幅20mm、厚さ8mm、溝幅8mm、深さ8mmのストレートの周溝を4本有する)を製作し、これを適合タイヤ1として6JJのリムに装着し、空気圧を210kPaとした状態で、室内ドラム試験機により、4kNの荷重の作用下で80km/hの速度で負荷転動させ、このときのタイヤの側方音をJASO C606に定める条件に従って測定し、1/3オクターブバンド中心周波数800Hz-1000Hz-1250Hz帯域のオーバオール値について比較タイヤとともに評価した(直線状の周溝を4本のみ設けたタイヤ対比)。
この場合、効果有りと判断するのは、実車試験によるドライバーのフィーリング評価で改善効果が見込める2dB以上の音圧低下とした。
なお、比較タイヤ1は、図9に示すような接地面を有するタイヤを用い、また、比較タイヤ2は図10に示すような接地面を有するタイヤを用い、共鳴部の共鳴周波数fは、前述したように、
Figure 0005039376
で求められる値(音速cは343.7m/sで計算)とした。
その結果、騒音レベルについては、比較タイヤ1、2、適合タイヤ1の何れも、1000Hzの周波数帯域で発生する騒音が、直線状の周溝を4本のみ設けたタイヤ対比で2.5dB程度低減されることが確認された。
また、上記適合タイヤ1、比較タイヤ1、2については、テストコースにおける実車試験でドライバーによる操縦安定性能の評価(時速100KPHのレーンチェンジを行ない、この時の車両の応答性をフィーリング評点として評価)を行なった。
なお、この評価は、比較タイヤ(直線状の周溝を4本のみを設けたタイヤ対比)の比較評点という形で表し、一般の運転者が違いを認識できる差として+3点以上の場合に効果有りと判断とした。
その結果、比較タイヤ1は比較評点が−1点、比較タイヤ2は−2点であったのに対して適合タイヤ1は+5点であり、操縦安定性に関する性能が著しく改善されることが確認された。
実施例2
実施例1と同様のサイズになるヘルムホルツタイプの共鳴器を有するタイヤにつき、該共鳴器(凹部)の配置位置を、リブの幅方向に沿って変更した場合(リブの幅方向中心よりもセンター側に入る凹部の開口面積(%)を変更)における騒音の低減効果と操縦安定性の改善効果について調査した(試験は実施例1と同じ)。その結果を表1に示す。
Figure 0005039376
表1より明らかなように、共鳴部の凹部の開口面積の60%以上がリブの幅方向中心を基準にしてタイヤのセンター側(タイヤの幅方向中央側)に存在することで操縦安定性を改善しながら騒音レベルを低減できることが判明した。
操縦安定性を改良しながら気柱共鳴音を効果的に低減できる空気入りタイヤが提供できる。
本発明に従う空気入りタイヤの要部を模式的に示した図である。 図1に示したタイヤの接地面を示した図である。 コーナリング時におけるタイヤの断面を示した図である。 荷重の負荷前、負荷後におけるトレッドゴムの断面を模式的に示した図である。 ゴム流動を説明するための図である。 ヘルムホルツ共鳴器を模式的に示した図である。 段付きタイプの共鳴器の説明図である。 段つきタイプの共鳴器を適用したタイヤの外表面を要部について示した図である。 比較タイヤ1の接地面を示した図である。 比較タイヤ2の接地面を示した図である。
符号の説明
1 周溝
2 リブ(陸部)
3 共鳴部
3a 凹部
3b 狭窄通路

Claims (4)

  1. タイヤの接地面にてトレッドの踏み込み端から蹴り出し端に至るまでの領域を通り抜けるとともに、タイヤの回転する向きに沿って伸延する少なくとも一本の周溝と、この周溝によって区画された複数列のリブとを備えた空気入りタイヤにおいて、
    前記リブに、タイヤの接地面内にて路面との接触により閉塞空間を形成する凹部と、この凹部につながり同じ周溝の溝壁に開口する狭窄通路からなり、タイヤの接地する騒音を、該騒音と略同等の周波数により共鳴させて減音する共鳴部を設け、
    前記共鳴部の凹部は、リブを、その幅方向中心を境にしてタイヤの幅方向中央側とタイヤのショルダー側とに区分した場合に、タイヤの幅方向中央側に位置する領域の容積がタイヤのショルダー側に位置する領域の容積よりも大きい配置になる、ことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. タイヤの幅方向中央側の領域は、共鳴部の凹部の開口面積の60%以上の開口面積を有する、請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. タイヤの接地面にてトレッドの踏み込み端から蹴り出し端に至るまでの領域を通り抜けるとともに、タイヤの回転する向きに沿って伸延する少なくとも一本の周溝と、この周溝によって区画された複数列のリブとを備えた空気入りタイヤにおいて、
    前記リブに、タイヤの接地面内にて路面との接触により閉塞空間を形成する凹部と、この凹部につながり同じ周溝の溝壁に開口する狭窄通路からなり、タイヤの接地する騒音を、該騒音と略同等の周波数により共鳴させて減音する共鳴部を設け、
    前記共鳴部の凹部は、リブの幅方向中心を境にしてタイヤの幅方向中央側とタイヤのショルダー側とに区分した場合に、タイヤの幅方向中央側に位置することを特徴とする空気入りタイヤ。
  4. 前記共鳴部は、下記式にしたがって共鳴周波数f0 を求めることができるヘルムホルツタイプの共鳴器である、請求項1〜3の何れかに記載の空気入りタイヤ。

    Figure 0005039376
    ここに、r :狭窄通路の半径、
    l0 :狭窄通路の長さ、
    S :狭窄通路の断面積
    V :凹部の容積、
    C :音速
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