JP4939979B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、周溝の気柱共鳴を抑制するヘルムホルツ型の共鳴器を有する空気入りタイヤに関し、特に、摩耗特性を犠牲にすることのないものに関する。
気柱共鳴音とは、トレッド踏面の周方向に連続して延びる周溝と、トレッド踏面接地域内の路面とによって囲繞される管内の空気の共鳴によって発生される騒音であり、この気柱共鳴音の周波数は、一般的な乗用車では800〜1200Hz程度に観測されることが多く、ピークの音圧レベルが高く、周波数帯域が広いことから、タイヤの発生騒音の大きな部分を占めることになる。
また、人間の聴覚は、上記の周波数帯域でとくに敏感であるので、フィーリング面での静粛性を向上させる上においても、気柱共鳴音の低減は有効である。
そこで、気柱共鳴音の低減する方法の一つとして、前記周溝に開口して陸部内で終了する共鳴器を設け、この共鳴器を、陸部表面に開口する気室と、気室と周溝との連通をもたらす狭窄ネックとで構成した、いわゆる、ヘルムホルツ共鳴器によって、気柱共鳴音の共鳴周波数付近のエネルギーを吸収する技術が提案されている。
特開平5−338411号公報
このような共鳴器は、タイヤ踏面内に常時一つ以上あることが好ましく、この数をさらに増やして、タイヤ幅方向中央部分だけではなくショルダ部にも共鳴器を配置すれば気柱共鳴の抑制効果を高めることができるが、これをショルダ部にも増やすと、以下のような問題が生じる。すなわち、タイヤの回転半径は、タイヤの幅方向中央でもっとも大きく、ショルダ部に近づくほど小さいが、ここの半径差によって、タイヤの周速度は、タイヤの幅方向中央でもっとも早く、ショルダ部に近づくほど遅くなる。タイヤ幅方向中央部における周速度で回転しようとするタイヤに対して、タイヤ幅方向中央部から外れた領域では、周速度の差に起因してブレーキング力が作用するが、この力は、周速度の最も遅いショルダ部で最も大きくなる。
一方、通常のタイヤでは、リブ内にタイヤ幅方向に延在する溝が少ないものほど、ドライビング方向(タイヤ進行方向)の力を受ける傾向がある。この理由は、タイヤ幅方向の溝がない場合には、ゴムの非圧縮流動によりリブのタイヤ踏み込み側にてドライビング方向の変形が生じるのに対して、タイヤ幅方向の溝が存在すると、この溝の空隙が上記変形を吸収してしまうのリブ全体としてドライビング方向の変形が余り起こらず、結果として前記半径差に起因するブレーキング方向(タイヤ進行方向と反対向き)の力だけが大きく現れ大きな摩耗が発生してしまう。
本発明は、このような問題を鑑みてなされたものであり、摩耗を犠牲にすることなく、ショルダ部にもヘルムホルツ共鳴器を配設して、周溝の気柱共鳴に対する抑制効果を高めることのできる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
<1>は、トレッド踏面に、周方向に連続して延びる周溝を設けるとともに、周溝から離れた位置で陸部表面に開口する気室と、この気室を前記周溝に連通させる狭窄ネックとよりなる共鳴器を少なくともショルダ部に配設したタイヤにおいて、
共鳴器の気室のタイヤ周方向延在長さをL1とし、そのタイヤ幅方向延在長さをL2としたとき、少なくともショルダ部に位置する共鳴器において、L2はL1以下であることを特徴とする空気入りタイヤである。
<2>は、<1>において、トレッド踏面に配置されたすべての共鳴器において、L2はL1以下であることを特徴とする空気入りタイヤである。
<3>は、<1>もしくは<2>において、L2がL1以下である共鳴器において、タイヤ幅方向延在長さL2は、タイヤ周方向延在長さL1の0.75倍以下であることを特徴とする空気入りタイヤである。
<4>は、<1>〜<3>のいずれかにおいて、L2がL1以下である共鳴器において、気室幅方向中心線を、前記気室の、各周方向位置における幅方向中点を繋いだ線と定義したとき、前記気室幅方向中心線の平均勾配は、タイヤ幅方向に対して45〜90°の範囲であることを特徴とする空気入りタイヤである。
<1>によれば、気室のタイヤ周方向延在長さL1を、タイヤ幅方向延在長さL2と同等、もしくは、L2より長くしたので、L1がL2よりも短い場合に比べて、共鳴音抑制効果は変わらないものの、タイヤ幅方向に延在するエッジ成分を小さくし走行時のブレーキング力を抑え摩耗量を減らすことができる。
<2>によれば、トレッド踏面に配置されたすべての共鳴器において、気室のタイヤ周方向延在長さL1を、タイヤ幅方向延在長さL2以上としたので、中央に隣接する陸部に配置された共鳴器に作用するブレーキング力に起因して発生するそこでの摩耗も抑制することができる。
<3>によれば、L2は、L1の0.75倍以下としたので、摩耗量を一層効果的に抑制することができる。
<4>によれば、気室幅方向中心線を、周方向に近い方向に傾斜させたので、摩耗量抑制効果をさらに高めることができる。
図1は、この発明の実施の形態を模式的に示す図であり、図中、1はトレッド踏面、なかでも、適用リムに装着したタイヤに規定の空気圧を充填し、そのタイヤに、規定の質量の80%に対応する負荷を作用させた標準状態で路面に接地する接地面2を示し、3は、その接地面2上を、周方向へ、たとえば直線状に連続して延びて、全体として円環形状をなす周溝を示す。
この場合、「適用リム」とは、タイヤのサイズに応じて下記の規格に規定されたリムを、「規定の空気圧」とは、下記の規格において、最大負荷能力に対応して規定される空気圧をいい、最大負荷能力とは、下記の規格で、タイヤに負荷することが許容される最大の質量をいう。また「規定の質量」とは、上記の最大負荷能力をいう。なお、ここでいう空気は、窒素ガス等の不活性ガスその他に置換することも可能である。
そして規格とは、タイヤが生産または使用される地域に有効な産業規格によって決められたものであり、たとえば、アメリカ合衆国では、"THE TIRE AND RIM ASSOCIATION INC.のYEAR BOOK"であり、欧州では、THE European Tyre and Rim Technical OrganizationのSTANDARDS MANUAL"であり、日本では日本自動車タイヤ協会の"JATMA YEAR BOOK"である。
周方向に連続して延びる周溝3によって区切られる陸部4には、これらの周溝から離れた位置で陸部4表面に開口する気室6と、この気室6を周溝3に連通させる狭窄ネック7とよりなる共鳴器5が配設されており、トレッド踏面最外側に位置するショルダ部の陸部4Cにも共鳴器5が配置される。
ここで、本明細書における「ショルダ部」とは、前記に定義した標準状態に対するトレッド踏面における、タイヤ幅方向最外側の周溝のさらに外側に位置する陸部部分をいうものとし、この陸部4Cを、「ショルダリブ」と称することとする。また、図1に示すように、タイヤ幅方向中央に位置する陸部4Aを「センターリブ」、そして、センターリブ4Aに周溝3を挟んで隣接する陸部4Bを「セカンドリブ」というものとする。
共鳴器5の気室のタイヤ周方向延在長さをL1とし、そのタイヤ幅方向延在長さをL2としたとき、本発明は、少なくともショルダ部に位置する共鳴器5において、気室のタイヤ周方向延在長さL1を、タイヤ幅方向延在長さL2と同等、もしくは、L2より長くすることを特徴とする。
もし、ショルダリブ4Cに配置された気室6の縁のタイヤ幅方向に延在する方向のエッジ成分が長ければタイヤ周方向に作用するブレーキング力が増大しショルダリブの摩耗が大きくなるが、L2をL1より小さくしたことによって、同じ気室6の大きさに対して縁のタイヤ幅方向に延在する方向のエッジ成分を短くすることができ、ブレーキング力の発生を抑え、摩耗量を減じることができる。
ショルダリブ4Cに配置された気室6のタイヤ幅方向延在長さをL 2は、中でも、タイヤ周方向延在長さL 1の0.75倍以下とするのが好ましく、摩耗の進行を一層効果的に抑えることができる。
ここで、本明細書において、気室6の断面形状がその深さ方向に沿って変化する場合の、タイヤ周方向延在長さL1、および、タイヤ幅方向延在長さL 2は、気室6のタイヤ表面への開口部における長さとする。
図1に例示した共鳴器5においては、気室6の、タイヤ表面への開口部は、図2(a)に示すように、タイヤ周方向に平行な、長さL1の辺と、タイヤ幅方向に平行な、長さL 2の辺とよりなる長方形をなすものとしたが、この開口部の形状は、長方形に限定されるものではなく、楕円形その他の曲線輪郭形状とすることもでき、また、四角形その他の多角形状とすることもでき、これを、図2(b)に示すような一般的な形状として表した場合、気室6(の開口部)のタイヤ周方向延在長さL1は、開口部をタイヤ周方向Cに平行な線へ投影したときの投影長さ、そして、気室6のタイヤ幅方向延在長さL2は、タイヤ幅方向Dに平行な線へ投影したときの投影長さとして定義することができる。
一般的に、図3に模式的に示すような、1個の気室6に対して1本の狭窄ネック7が設けられたヘルムホルツタイプの共鳴器の場合、気室6の陸部開口および狭窄ネック7がともに、路面によって密閉された状態の下では、共鳴周波数f0は、狭窄ネック7の半径をr、長さをl0、ネック断面積をSとし、気室容積をV、音速をcとしたとき、式(1)で表すことができる。
Figure 0004939979
従って、共鳴器5の共鳴周波数(f0)は、ネック断面積(S)、気室容積(V)等を選択することで、所要に応じて変化させることができるが、タイヤの周溝から発生する一般的な周波数帯域の気柱共鳴を抑制する目的のためには、共鳴器5の具えるべき共鳴周波数として、f0を700〜1800Hzとするのが好ましく、さらには、これを、700〜1400Hzとするのがより好ましく、これらの範囲の周波数を得るべく共鳴器の諸寸法を設定するのがよい。
なお、(1)の式において、rにかかる係数1.3は、文献により異なり、一般的に実験式から求められることが多く、本明細書においては、この係数を1.3とした。
また、狭窄ネックおよび気室がともに、それぞれ、その長さ方向に一定の断面積S1、S2を有する場合には、式(2)を用いても表すことができ、式(1)が、共鳴周波数における波長に対して共鳴器の長さ寸法が十分に小さくない場合には、式の精度が低下するのに対して、式(2)を用いた場合には、共鳴器の長さ寸法に関わりなく十分な精度をもって共鳴周波数を算出することができる。
Figure 0004939979
ここで、気室6の、タイヤへの無負荷状態の下での、陸部表面への開口面積を50〜600mm2、より好ましくは100〜360mm2とする。
ところで、このタイヤでは、共鳴器5の気室6を、陸部4表面に開口させて形成しているので、生タイヤに対する加硫成形を、金型部分の、その気室相当部分への入り込みをもって行う場合でも、製品タイヤの気室6からのその金型部分の抜き出しを、気室6の横断面積が、それの深さ方向で幾分変化すると否とにかかわらず、常に円滑かつ確実なものとすることができ、この結果として、タイヤの製造を、共鳴器を有しない従来の一般的なタイヤと同様にして行うことができる。
なお、陸部4表面に開口するこのような気室6も、トレッド踏面1の接地面2内では、路面による開口の閉止下で、密閉空間を画成することになるので、その気室6に、共鳴室としての機能を十分に発揮させることができる。
また、気室6の、陸部表面と平行な断面内での横断面積および輪郭形状は、その気室6の底壁側に向けて、陸部開口のそれらと同一にできることはもちろん、加硫成形を終えたタイヤの気室6からの、金型部分の抜き出しが拘束されることのない程度に漸増させることもでき、逆に、漸次減少させることもできる。
このような共鳴器5において、狭窄ネック7は、図4(a)に要部斜視図で例示するように、陸部4内に埋め込み配置したトンネル状のものとすることができる他、図4(b)に示すように、ブロック4a表面に開口したものとすることもできる。ここで、後者のような開口ネック7を、たとえば、加硫金型のブレードその他の押し込み等によって形成するときは、気室6に加えて、狭窄ネック7をもまた簡易に形成することができる。
そしてこの場合は、狭窄ネック7をサイプによっても形成することができる。このとき、サイプの形状を、図4(c)に例示するように、底部に拡大空間部を有する、いわゆるフラスコ状とし、たとえば、拡大空間部以外の部分は、接地面内でサイプ壁が相互に接触する程度の狭幅部とすることにより、狭窄ネック7Aの各種の寸法を、図4(a)に示す場合と同様に常に一定のものとすることができる。
このような共鳴器5においてより好ましくは、気室6の、陸部表面からの最大深さhを、陸部4を区画する溝、たとえば周溝3の最大深さHの20%以上、とくには40〜80%とし、また好ましくは、狭窄ネック7の、深さ方向最大寸法dを、気室6の最大深さhの70%以下、とくには50%以下とする。
以上に述べたところにおいて、気室6の底壁は、平坦面とすることの他、それの開口側に向けて凸もしくは凹となる曲面とすることもできるが、より好ましくは、図5に、図4(a)のY−Y線に沿う断面図を拡大して示すように、気室6への石噛みを抑制することを目的として、その底壁に、上方に向けて凸となる突部6aを一個以上設け、この結果として生じる凹凸差δを1.6mm以上、一層好ましくは3.0mm以上とする。ただし、凹凸差δの上限は、気室6を分断せずに共鳴させる必要があることより、気室最大深さよりも小さく、より好ましくは、(気室最大深さ−2mm)より小さいのがよい。
なおこの場合の突部6aは、気室側壁に突出形成されて、底壁からは独立するもの、いいかえれば、底壁からは分離されたものとすることもできる。
このような構成を有する共鳴器5の、周溝3に対する配置態様は、1本および複数本の周溝を形成した場合において、図1について述べた条件の下での接地面2内に、少なくともいずれか一本の周溝3に設けた共鳴器5の一個以上が常に完全に含まれる態様とすることが好ましく、より好ましくは、複数本の周溝3の各々につき、共鳴器5の一個以上が接地面2内に常に完全に含まれる態様とする。
そしてさらに好ましくは、複数個の共鳴器の配置態様を、前述したのと同一の条件の下で接地する接地面2内の各周溝3に、互いに共鳴周波数の異なる複数個の共鳴器5のそれぞれが常に開口する態様とする。
図6は、本発明の実施形態の変形例のタイヤについて、図1について説明したのと同様の状態における接地面を示す概念図であり、このタイヤは、ショルダリブ4Cに、気室6のタイヤ周方向延在長さL1がタイヤ幅方向延在長さL2より長い共鳴器5を配置する点については先に示した実施形態のものと同じであるが、他の陸部、例えば、セカンドリブ4Bに、タイヤ幅方向延在長さL2がタイヤ周方向延在長さL1より長い気室16を有する共鳴器15を配置するものである。
また、図7は、本発明の実施形態の他の変形例のタイヤについて、図1について説明したのと同様の状態における接地面を示す概念図であり、図1に示した実施形態の共鳴器5は、すべて、気室幅方向中心線CLのタイヤ幅方向に対する傾斜角度θは90°であるが、これを、陸部4に配置される共鳴器25の気室26の傾斜角度θを90°以外の角度とするものであり、この傾斜角度θは、45〜90°の範囲内の角度とするのが好ましい。
ここで、気室6が平行四辺形をなす場合は、気室幅方向中心線CLの、タイヤ幅方向Dに対する平均勾配θは、図8(b)に示すように、平行四辺形の2辺のなす角度と同じであるが、気室6の形状は平行四辺形に限定されないことは先述したとおりであり、その場合、本明細書では、任意の気室開口部の形状に対する気室幅方向中心線CLを、図8(a)に示すように、気室6の開口部を横切る、タイヤ幅方向Dに平行な無数の線分W(図8(a)においては、3本のみ表示)の中点Mを連続的に結んだ線とする。
互いに共鳴器の配置や仕様が異なる、本発明に係る実施例のタイヤ、および、比較例のタイヤをそれぞれ複数本、試作し、以下の実験1、2によって、それらのタイヤの騒音および摩耗重量を測定し比較評価した。
実験に用いたタイヤはいずれも、サイズが195/65R15であり、これらのタイヤを6JJのリムに装着し、空気圧を210kPaとした状態で、実験を行った。
騒音の測定方法としては、タイヤを、室内ドラム試験機により、4.47kNの荷重の作用下で80km/hの速度で負荷転動させ、このときのタイヤの側方音をJASO C606に定める条件に従って測定し、1/3オクターブバンドで、中心周波数800−1000Hz−1250Hzの帯域のオーバオール値を求めた。そして、共鳴器のない点だけが以下に説明する実施例1のタイヤと異なる従来例のタイヤに対するデシベルの差(dB)で表した。
また、摩耗重量の測定方法としては、タイヤを、室内ドラム試験機(Safety-walk表面付)により、4.47kNの荷重の作用下で80km/hの速度で、10分間のフリーローリング(タイヤ周方向の負荷をかけない走行)と、10分間の制動方向に0.1G(Gは重力加速度)をかけた走行とを交互に繰り返し、1200km走行後のゴム摩耗重量を測定した。測定結果は、共鳴器のない点だけが以下に説明する実施例1のタイヤと異なる従来例のタイヤのゴム摩耗重量を100とする指数で表した。この指数の大きい方が、摩耗重量が大きく耐摩耗性能が劣っている。
ゴム摩耗重量の良否の判定は、前記指数が110以内であるならば、従来例よりやや劣るものの問題なしとして合格と判定し、特に、105以内であるならば、従来例と同等であるとした。逆に、これが、110を超えた場合には、明らかに耐摩耗性能が低下したとして、不合格と判定した。
[実験1]
図1に示した形状および配置で構成された共鳴器5を有するタイヤを実施例1とし、図9に示すように、すべての共鳴器15において、気室16は、その開口寸法が、実施例1の気室6と同じあるが、その向きが実施例1とは90°異なるタイヤを比較例1とし、ショルダリブ4Cにおける共鳴器5は実施例1と同じであり、セカンドリブ4Bにおける共鳴器15は、比較例1と同じタイヤを実施例2とし、そして、図10に示すように、ショルダリブ4Cにおける共鳴器15は比較例1と同じであり、セカンドリブ4Bにおける共鳴器5は、実施例1と同じタイヤを比較例2とし、これら4種類のタイヤについて、上記に説明した方法で騒音測定と摩耗重量の測定とを行った。
なお、実施例1のタイヤにおいて、各周溝3に開口する共鳴器5は、図1に示すように、トレッド踏面1上の各リブに常時3個存在するよう配置され、共鳴器5を構成する気室6は、タイヤ周方向延在長さL 1が18mm、タイヤ幅方向延在長さL 2が6mm、深さが7mmの直方体形状をなし、したがってその容積Vは756mm3であり、狭窄ネック7は、その長さl0を6mm、幅wを1mm、深さhを2mmとするものとした。そして、これらの寸法に対する式(1)を用いて求められるヘルムホルツ共鳴器における共鳴周波数f0は1061Hzである。なお、計算に際して、音速cは343.7m/sとした。
Figure 0004939979
表1から明らかなように、いずれのタイヤも、ほぼ同じ共鳴音抑制効果を有するものの、ショルダリブに配置された気室6のタイヤ周方向延在長さL1、がタイヤ幅方向延在長さL2より大きい場合にのみ、摩耗重量の点で合格レベルとなっていることがわかる。
[実験2]
実施例1および比較例1のタイヤに加えて、気室6のタイヤ周方向延在長さL1、および、タイヤ幅方向延在長さL2だけが実施例1と異なる実施例3、4、および比較例3のタイヤを試作し、これらについても上記に説明した方法で騒音測定と摩耗重量の測定とを行った。実施例1、3,4、および比較例1、3についての測定結果および、気室6の開口部寸法を表2に示す。
なお、表2に示した各例のタイヤ周方向延在長さL1、および、タイヤ幅方向延在長さL2は、これらの積、すなわち、気室開口部面積が同じで従って気室容積が全て同じとなるよう設定されており、その結果、気室の深さはいずれも7mmであるので、これらの共鳴周波数f0は全て1061Hzであることを注記する。
Figure 0004939979
表2から明らかなように、L 2/L1を1以下とすれば、摩耗重量を合格範囲に保つことができ、特に、L 2/L1を0.75以下とすれば、摩耗重量をより好ましいものとすることができる。
本発明に係る実施形態のタイヤのトレッド踏面を模式的に示す図である。 気室の開口部を示す平面図である。 ヘルムホルツタイプの共鳴器を模式的に示す図である。 共鳴器の形成態様を例示する要部斜視図である。 図4(a)のY−Y線に沿う気室底壁の拡大断面図である。 実施形態の変形例のタイヤのトレッド踏面を模式的に示す図である。 実施形態の他の変形例のタイヤのトレッド踏面を模式的に示す図である。 気室の開口部を示す平面図である。 比較例のタイヤのトレッド踏面を模式的に示す図である。 他の比較例のタイヤのトレッド踏面を模式的に示す図である。
符号の説明
1 トレッド踏面
2 接地面
3 周溝
4 陸部
4A センターリブ
4A セカンドリブ
4A ショルダリブ
5 共鳴器
6 気室
6a 突部
7 狭窄ネック
15 共鳴器
16 気室
17 狭窄ネック

Claims (4)

  1. トレッド踏面に、周方向に連続して延びる周溝を設けるとともに、周溝から離れた位置で陸部表面に開口する気室と、この気室を前記周溝に連通させる狭窄ネックとよりなる共鳴器を少なくともショルダ部に配設したタイヤにおいて、
    共鳴器の気室のタイヤ周方向延在長さをL1とし、そのタイヤ幅方向延在長さをL2としたとき、少なくともショルダ部に位置する共鳴器において、L2はL1以下であることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. トレッド踏面に配置されたすべての共鳴器において、L2はL1以下であることを特徴とする空気入りタイヤ。
  3. L2がL1以下である共鳴器において、タイヤ幅方向延在長さL2は、タイヤ周方向延在長さL1の0.75倍以下であることを特徴とする請求項1もしくは2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 気室幅方向中心線を、前記気室の、各周方向位置における幅方向中点を繋いだ線と定義したとき、L2がL1以下である共鳴器において、前記気室幅方向中心線の平均勾配は、タイヤ幅方向に対して45〜90°の範囲であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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