JP5038565B2 - セラミックス回路基板およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はセラミックス回路基板およびその製造方法に係り、特に耐熱サイクル特性、曲げ強度特性および放熱性を改良したセラミックス回路基板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、所定の配線パターン形状に形成した金属回路板をセラミックス基板上に、直接接合したり、活性金属を含有するろう材層を介してセラミックス基板上に一体に接合したセラミックス回路基板またはセラミックス基板表面に一体に接合した金属板をエッチングによりパターニングして形成したセラミックス回路基板が各種電子機器や半導体装置に広く使用されている。
【0003】
特に発熱量が大きい高出力半導体素子を搭載するパワートランジスタに用いられるセラミックス回路基板においては、回路基板全体の放熱性を良好にするため、セラミックス基板としては、高い熱伝導率を有する窒化アルミニウム(AlN)基板を用いる一方、金属回路板としては同じく高熱伝導率を有する銅(Cu)などの金属板が使用されている。
【0004】
上記セラミックス回路基板は、例えばAlやAlNなどのセラミックス焼結体基板表面に銅などの金属から成る回路板等を直接配置した状態で加熱し、加熱によって発生する金属成分と酸素との共晶化合物を接合材としてセラミックス基板表面に銅などの金属板を直接強固に接合するDBC(ダイレクトボンディングカッパー法)やAg−Cu−Ti系ペーストなど活性金属を含有した接合用ろう材を介してセラミックス基板と回路板とを一体に接合する活性金属法などによって製造されていた。
【0005】
上記のように熱伝導性および電気伝導性に優れた銅により回路板を形成しているため、回路動作の遅延が減少するとともに回路配線の寿命も向上する。また半田等の接合材料に対する濡れ性が向上し、セラミックス焼結体表面に半導体素子(ICチップ)や電極板を高い接合強度で接合することができ、その結果、半導体素子からの発熱の放散性や素子の動作信頼性を良好に保つことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記セラミックス回路基板のうち、Al基板またはSi基板を使用した回路基板においては、基板の熱伝導率が低いために良好な放熱性が得られず、半導体素子の高密度集積化および高出力化に伴う放熱対策に充分対応できない問題点があった。
【0007】
また、セラミックス基板として熱伝導率が低い窒化けい素(Si)基板を用いる場合には、その熱抵抗を低減するために薄くする必要があり、従来からSi原料粉末をプレス成形して得た成形体を焼結後、長時間の研磨処理を施して所定の薄い厚さまで加工していた。そのため、Si基板に研磨痕が発生したり、研磨作業によって付加された衝撃力によって基板表面部が部分的に脱落し、多数の脱粒痕を生じる場合があり、これらの研磨痕や脱粒痕が回路基板の抗折強度、耐熱サイクル特性や耐電圧特性に悪影響を及ぼす問題点もあった。
【0008】
上記のような窒化けい素基板をセラミックス基板として用いた従来の回路基板においては、金属回路板の高い接合強度および耐熱サイクル特性は得られている反面、セラミックス基板の研磨痕のために曲げ強度が低くなる上に、基板の表裏間における耐電圧特性が十分に技術的要求を満足するまでには至っていない。また、高い抗折荷重を実現するために窒化けい素基板の厚さを増大させると、回路基板全体の放熱性が低下してしまうという問題点があった。
【0009】
さらにAlN基板を使用した場合には、熱伝導率が高く充分な放熱性が得られるが、AlN基板自体の強度が低いため、繰り返して作用する熱負荷によってクラックが生じ易く、いわゆる耐熱サイクル性が悪いという問題点があった。その結果、使用中に繰り返し作用する熱負荷によって金属回路板が剥離して放熱性が急減し、電子機器の動作信頼性が低下する問題点があった。
【0010】
また従来のセラミックス基板を使用した回路基板においては、その構造強度をある程度確保するためにセラミックス基板の厚さを大きく設定する必要があり、電子機器の高密度実装化に対する障害となっていた。
【0011】
また厚さが大きいセラミックス基板を使用した回路基板は靭性に乏しく撓みにくいため、例えばこの回路基板にICチップを接合しパッケージに収容してモジュール化した後に、電子機器の実装用ボードにねじ止めする場合、ねじ込み時にセラミックス基板に作用する曲げ応力によってセラミックス回路基板に割れ等の不良が発生し易く、電子機器の製造歩留りが低下し、回路基板の信頼性や耐久性が低下してしまうという問題点もあった。
【0012】
このようにセラミックス回路基板には、従来から金属回路板の高い接合強度や回路基板全体としての高い放熱性を有することが技術上の要求となっていたが、近年の半導体素子の高密度集積化および高出力化がさらに進展するに及んで、さらなる過酷な熱サイクルや大きな曲げ荷重が負荷された場合にも、セラミックス基板が破壊されずに大きく撓むような高い曲げ強度(抗折強度)特性も希求されている。
【0013】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、特に放熱性を損なうことなく、耐熱サイクル特性および曲げ強度特性が良好であり、信頼性が高いセラミックス回路基板を提供し、さらにそのような回路基板を低コストで量産できる製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記目的を達成するため、セラミックス回路基板およびヒーター基板のアセンブリー時や使用時に割れや欠けが発生する原因について調査し、その対応策を検討した。その結果、回路基板を構成するセラミックス基板の表面粗さの異方性がその抗折強度に大きな影響を及ぼすことが判明し、さらにセラミックス基板の表面粗さの異方性を所定値以下に低減することにより、セラミックス基板の抗折強度を向上させることができ、そのセラミックス基板を使用することにより割れの発生が少なく、絶縁耐圧性および信頼性が高い回路基板が初めて実現するという知見を得た。本発明は、これらの知見に基づいて完成されたものである。
【0015】
すなわち本発明に係るセラミックス回路基板は、厚さが0.7mm以下であるセラミックス基板と、このセラミックス基板の少なくとも一方の主面に接合された金属回路部とを具備するセラミックス回路基板において、上記セラミックス基板の任意の一方向の表面粗さを算術平均粗さ基準でRa1とする一方、その方向と直交する方向の表面粗さをRa2としたときに、Ra1/Ra2またはRa2/Ra1の比の値が1.5以下であると共に、上記セラミックス基板の両面にそれぞれ電極を配置し、この電極間に毎分10KVの電圧上昇速度で交流電圧を印加したとき、10pC(ピコクーロン)の部分放電開始電圧である絶縁耐圧が20kV/mm以上であり、上記セラミックス基板表面に、直径1μm以上の脱粒痕が存在しないと共に、上記金属回路部が金属板から成り、この金属板の接合強度が12kN/m以上であることを特徴とする。
【0016】
また、前記セラミックス基板が60W/m・K以上の熱伝導率を有する窒化けい素焼結体で構成することが好ましい。
【0017】
さらに、上記セラミックス回路基板において、前記金属回路部は、Ti,Zr,Hf,AlおよびNbから選択される少なくとも1種の活性金属を含有するろう材層を介して前記セラミックス基板に接合されていることが好ましい。
【0018】
また、前記金属回路部が金属板から成り、この金属板の接合強度が12kN/m以上であることが好ましい。
【0019】
さらに、前記セラミックス基板の厚さが0.7mm以下であることが好ましい。また、前記セラミックス基板の厚さが0.4mm以下であることが好ましい。さらに、前記セラミックス基板の表面粗さ(Ra1,Ra2)が0.6μm以下であることが好ましい。前記セラミックス基板表面に、直径1μm以上の脱粒痕が存在しないことが望ましい。
【0020】
一方、本発明に係るセラミックス回路基板の製造方法は、厚さが0.7mm以下であるセラミックス基板と、このセラミックス基板の少なくとも一方の主面に接合された金属回路部とを具備するセラミックス回路基板であり、上記セラミックス基板の任意の一方向の表面粗さを算術平均粗さ基準でRa1とする一方、その方向と直交する方向の表面粗さをRa2としたときに、Ra1/Ra2またはRa2/Ra1の比の値が1.5以下であると共に、上記セラミックス基板の両面にそれぞれ電極を配置し、この電極間に毎分10KVの電圧上昇速度で交流電圧を印加したとき、10pC(ピコクーロン)の部分放電開始電圧である絶縁耐圧が20kV/mm以上であり、上記セラミックス基板表面に、直径1μm以上の脱粒痕が存在しないと共に、上記金属回路部が金属板から成り、この金属板の接合強度が12kN/m以上であるセラミックス回路基板の製造方法において、
上記セラミックス基板にホーニング圧力0.05〜0.5MPaの範囲で砥粒を吹きつけることにより焼結面をホーニング処理する工程と、ホーニング処理により付着した砥粒片を除去する工程と、ホーニング処理面に金属回路部を形成する工程と、を備えることを特徴とする。
【0021】
また上記製造方法において、前記ホーニング処理により付着した砥粒片を除去する工程が超音波洗浄であることが好ましい。また、前記セラミックス基板には研磨加工を施さないことを特徴とする。
【0022】
本発明の回路基板のセラミックス基板を構成する材料は、特に限定されるものではなく、酸化アルミニウム(アルミナ:Al)等の酸化物系セラミックス焼結体、窒化けい素(Si),窒化アルミニウム(AlN)などの窒化物系セラミックス焼結体、などが使用できる。特に窒化けい素(Si)は他のセラミックス焼結体と比較して本来的に高い曲げ強度を有し、また熱抵抗を減少させるために薄く形成することが可能であるため、本発明のセラミックス回路基板の構成材料として好適である。
【0023】
具体的には、本出願人に係る先行出願である特開2000−34172号公報に記載されているような、60W/m・K以上の高熱伝導性を有し、粒界相の少なくとも一部を結晶化させた高熱伝導性窒化けい素焼結体から成る窒化けい素基板を使用することが好適である。
【0024】
上記高熱伝導性窒化けい素焼結体は、希土類元素を酸化物に換算して2.0〜17.5質量%,Mgを酸化物に換算して0.3〜3.0質量%,不純物陽イオン元素としてのAl,Li,Na,K,Fe,Ba,Mn,Bを合計で0.3質量%以下含有し、窒化けい素結晶および粒界相から成るとともに粒界相中における結晶化合物相の粒界相全体に対する割合が20%以上であることを特徴とする。
【0025】
さらに上記高熱伝導性窒化けい素焼結体の製造方法は、酸素を1.7質量%以下、不純物陽イオン元素としてのAl,Li,Na,K,Fe,Ba,Mn,Bを合計で0.3質量%以下、α相型窒化けい素を90質量%以上含有し、平均粒径1.0μm以下の窒化けい素粉末に、希土類元素を酸化物に換算して2.0〜17.5質量%,Mgを酸化物に換算して0.3〜3.0質量%と、必要に応じてCaおよびSrの少なくとも一方を酸化物に換算して1.5質量%以下添加した原料混合体を成形して成形体を調製し、得られた成形体を脱脂後、温度1700〜1900℃で常圧焼結または雰囲気加圧焼結し、上記焼結温度から、上記希土類元素により焼結時に形成された液相が凝固する温度までに至る焼結体の冷却速度を毎時100℃以下にして徐冷することを特徴とする。
【0026】
上記製造方法において使用され、焼結体の主成分となる窒化けい素粉末としては、焼結性、強度および熱伝導率を考慮して、酸素含有量が1.7質量%以下、好ましくは0.5〜1.5質量%、Al,Li,Na,K,Fe,Ba,Mn,Bなどの不純物陽イオン元素含有量が合計で0.3質量%以下、好ましくは0.2質量%以下に抑制されたα相型窒化けい素を90質量%以上、好ましくは93質量%以上含有し、平均粒径が1.0μm以下、好ましくは0.4〜0.8μm程度の微細な窒化けい素粉末を使用することができる。
【0027】
平均粒径が1.0μm以下の微細な原料粉末を使用することにより、少量の焼結助剤であっても気孔率が2.5%以下の緻密な焼結体を形成することが可能であり、また焼結助剤が熱伝導特性を阻害するおそれも減少する。
【0028】
またAl,Li,Na,K,Fe,Ba,Mn,Bの不純物陽イオン元素も熱伝導性を阻害する物質となるため、70W/m・K以上の熱伝導率を確保するためには、上記不純物陽イオン元素の含有量は合計で0.3質量%以下とすることにより達成可能である。特に同様の理由により、上記不純物陽イオン元素の含有量は合計で0.2質量%以下とすることが、さらに好ましい。ここで通常の窒化けい素焼結体を得るために使用される窒化けい素粉末には、特にFe,Alが比較的に多く含有されているため、Fe,Alの合計量が上記不純物陽イオン元素の合計含有量の目安となる。
【0029】
さらに、β相型と比較して焼結性に優れたα相型窒化けい素を90質量%以上含有する窒化けい素原料粉末を使用することにより、高密度の焼結体を製造することができる。
【0030】
また窒化けい素原料粉末に焼結助剤として添加する希土類元素としては、Y,Ho,Er,Yb,La,Sc,Pr,Ce,Nd,Dy,Sm,Gdなどの酸化物もしくは焼結操作により、これらの酸化物となる物質が単独で、または2種以上の酸化物を組み合せたものを含んでもよい。これらの焼結助剤は、窒化けい素原料粉末と反応して液相を生成し、焼結促進剤として機能する。
【0031】
上記焼結助剤の添加量は、酸化物換算で原料粉末に対して2.0〜17.5質量%の範囲とする。この添加量が2.0質量%以下の場合は、焼結体の緻密化あるいは高熱伝導化が不十分であり、特に希土類元素がランタノイド系元素のように原子量が大きい元素の場合には、比較的低強度で比較的に低熱伝導率の焼結体が形成される。一方、添加量が17.5質量%を超える過量となると、過量の粒界相が生成し、熱伝導率の低下や強度が低下し始めるので上記範囲とする。特に同様の理由により3〜15質量%とすることが望ましい。
【0032】
また上記焼結体において、添加成分として使用するマグネシウム(Mg)の酸化物(MgO)は、上記希土類元素の焼結促進剤としての機能を促進し低温での緻密化を可能にすると共に、結晶組織において粒成長を制御する機能を果し、Si焼結体の機械的強度を向上させるものである。また、焼結時にα−Si原料からβ−Siへ変化する転移温度を低下させ、焼結上がり面の表面粗さを小さくし、さらに焼結体表面に存在する気孔サイズも低減させ、また焼結上がり面の強度も増加させる効果を発揮するものである。このMgの添加量が酸化物換算で0.3質量%未満の場合においては添加効果が不充分である一方、3.0質量%を超える過量となる場合には熱伝導率の低下が起こるため、添加量は0.3〜3.0質量%の範囲とする。特に0.5〜2質量%とすることが望ましい。
【0033】
また上記Si焼結体において、選択的な添加成分として、Hfを所定量添加してもよい。このHfは酸化物,炭化物、窒化物、けい化物、硼化物として添加され、これらの化合物は、上記希土類元素の焼結促進剤としての機能を促進すると共に、粒界相の結晶化も促進する機能を果しSi焼結体の熱伝導率と機械的強度とを向上させるものである。このHfの添加量が酸化物換算で0.3質量%未満の場合においては添加効果が不充分である一方、3.0質量%を超える過量となる場合には熱伝導率および機械的強度や電気絶縁破壊強度の低下が起こるため、添加量は0.3〜3.0質量%の範囲とする。
【0034】
さらに上記焼結体において、他の添加成分としてのCa,Srの酸化物(CaO,SrO)を所定量添加してもよい。これらの酸化物は、上記希土類元素の焼結促進剤としての機能を助長する役目を果すものであり、特に常圧焼結を行なう場合に著しい効果を発揮するものである。このCaO,SrOの合計添加量が0.1質量%未満の場合においては、より高温度での焼結が必要になる一方、1.5質量%を超える過量となる場合には過量の粒界相を生成し熱伝導の低下が起こるため、添加量は1.5質量%以下、好ましくは0.1〜1.0質量%の範囲とする。特に強度、熱伝導率共に良好な性能を確保するためには添加量を0.1〜0.75質量%の範囲とすることが望ましい。
【0035】
また上記焼結体において、他の添加成分として、Ti,Zr,V,Nb,Ta,Cr,Mo,Wを所定量添加してもよい。これらの元素は、酸化物,炭化物、窒化物、けい化物、硼化物として添加され、これらの化合物は、上記希土類元素の焼結促進剤としての機能を促進すると共に、結晶組織において分散強化の機能を果しSi焼結体の機械的強度を向上させるものであり、特に、Ti,Moの化合物が好ましい。これらの化合物の添加量が酸化物換算で0.1質量%未満の場合においては添加効果が不充分である一方、1.5質量%を超える過量となる場合には熱伝導率および機械的強度や電気絶縁破壊強度の低下が起こるため、添加量は0.1〜1.5質量%の範囲とする。特に0.2〜1.0質量%とすることが望ましい。
【0036】
また上記Ti,Mo等の化合物は窒化けい素焼結体を黒色系に着色し不透明性を付与する遮光剤としても機能する。そのため、特に光によって誤動作を生じ易い集積回路等を搭載する回路基板を上記焼結体から製造する場合には、上記Ti等の化合物を適正に添加し、遮光性に優れた窒化けい素基板とすることが望ましい。
【0037】
また焼結体の気孔率は熱伝導率および強度に大きく影響するため2.5%以下となるように製造する。気孔率が2.5%を超えると熱伝導の妨げとなり、焼結体の熱伝導率が低下するとともに、焼結体の強度低下が起こる。
【0038】
また、窒化けい素焼結体は組織的に窒化けい素結晶と粒界相とから構成されるが、粒界相中の結晶化合物相の割合は焼結体の熱伝導率に大きく影響し、本発明で使用する窒化けい素焼結体においては粒界相の20%以上とすることが必要であり、より好ましくは50%以上が結晶相で占めることが望ましい。結晶相が20%未満では熱伝導率が70W/m・K以上となるような放熱特性に優れ、かつ機械的強度に優れた焼結体が得られないからである。
【0039】
さらに上記のように窒化けい素焼結体の気孔率を2.5%以下にし、また窒化けい素結晶組織に形成される粒界相の20%以上が結晶相で占めるようにするためには、窒化けい素成形体を温度1700〜1900℃で2〜10時間程度、常圧焼結または加圧焼結し、かつ焼結操作完了直後における焼結体の冷却速度を毎時100℃以下にして徐冷することが重要である。
【0040】
焼結温度を1700℃未満とした場合には、焼結体の緻密化が不充分で気孔率が2.5vol%以上になり機械的強度および熱伝導性が共に低下してしまう。一方焼結温度が1900℃を超えると窒化けい素成分自体が蒸発分解し易くなる。特に加圧焼結ではなく、常圧焼結を実施した場合には、1800℃付近より窒化けい素の分解蒸発が始まる。
【0041】
上記焼結操作完了直後における焼結体の冷却速度は粒界相を結晶化させるために重要な制御因子であり、冷却速度が毎時100℃を超えるような急速冷却を実施した場合には、焼結体組織の粒界相が非結晶質(ガラス相)となり、焼結体に生成した液相が結晶相として粒界相に占める割合が20%未満となり、強度および熱伝導性が共に低下してしまう。
【0042】
上記冷却速度を厳密に調整すべき温度範囲は、所定の焼結温度(1700〜1900℃)から、前記の焼結助剤の反応によって生成する液相が凝固するまでの温度範囲で充分である。ちなみに前記のような焼結助剤を使用した場合の液相凝固点は概略1600〜1500℃程度である。そして少なくとも焼結温度から上記液相凝固温度に至るまでの焼結体の冷却速度を毎時100℃以下、好ましくは50℃以下、さらに好ましくは25℃以下に制御することにより、粒界相の20%以上、特に好ましくは50%以上が結晶相になり、熱伝導率および機械的強度が共に優れた焼結体が得られる。
【0043】
なお、上記冷却速度があまりに遅いと製造時間が必要以上に長くなることから、冷却速度は毎時10〜100℃の範囲が好ましい。このような冷却速度においては粒界相中の結晶相の割合を20%以上、さらには20〜95%にすることが可能である。
【0044】
上記製法によって製造された窒化けい素焼結体は気孔率が2.5%以下、70W/m・K(25℃)以上さらには80W/m・K以上の熱伝導率を有し、また抗折強度が常温で600MPa以上と機械的特性にも優れている。
【0045】
特に上記焼結体においては、希土類元素に加えて所定量のMgやHfを添加しているため、焼結体の高強度化がさらに進行し、焼結上がり面の表面粗さが小さくなり、また表面に存在する気孔のサイズも減少し、焼結上がり面の強度が向上する。そのため、窒化けい素焼結体にダイヤモンド砥石を固定した回転砥石を用いた研磨加工を施さなくても、表面粗さの異方性が少ない窒化けい素焼結体が効率的に得られる。
【0046】
従来、上記のような窒化けい素焼結体等から成るセラミックス基板表面の表面粗さについては、基板に接合する金属回路板や発熱抵抗体の接合強度の観点から研究されていた経緯はあるが、その表面粗さの異方性の影響については検討されていなかった。
【0047】
これに対して本願発明では、セラミックス基板の表面粗さの異方性を所定値以下に低減することにより、顕著な効果を得ている。具体的には、セラミックス基板の任意の一方向の表面粗さを算術平均粗さ(Ra)基準でRa1とし、その方向と角度が90度異なる直交する方向の表面粗さをRa2とした場合にRa1/Ra2またはRa2/Ra1の比の値を1.5以下にすることにより、表面粗さの異方性に起因する影響を解消でき、どの方向から回路基板に曲げモーメントが作用した場合においても割れが発生することがなく、セラミックス基板の抗折強度を向上させる効果を得ている。
【0048】
本発明で規定する表面粗さ(Ra)は、日本工業規格(JIS)のB0601に準拠する算術平均粗さである。上記セラミックス基板の表面粗さの異方性を測定する場合は、図4に示すようにセラミックス基板12の任意の測定点Aにおいて、一方向の表面粗さRa1を測定するとともに、それと直交する方向の表面Ra2を測定する操作を、セラミックス基板2の表面全域に亘って5点以上の測定点について繰り返し、その平均値を求める。
【0049】
上記直交する二方向の表面粗さ(Ra)の比Ra1/Ra2またはRa2/Ra1の値が1.5を超える場合には、セラミックス基板に作用する応力の方向によっては脆弱な部位が形成されてしまうため、セラミックス基板の抗折強度の改善効果が不十分であり、割れ等の不良が発生し易くなる。したがって、上記表面粗さの比率は1.5以下とされるが1.2以下が好ましく、さらに1.1以下がより好ましい。
【0050】
また、セラミックス基板の表面粗さ(Ra)が過度に大きい場合には、その粗面部を起点にしてファインクラックを発生し易くなり、また粗面部の谷部分が、いわゆる切欠きとして作用して割れを発生し易くなる。そのため、セラミックス基板の表面粗さは、裏面および表面ともに0.6μm以下とすることが好ましい。
【0051】
さらに本発明において用いられるセラミックス基板の厚さが0.7mm以下であることが望ましい。また、セラミックス基板が60W/m・K以上の熱伝導率を有する窒化けい素焼結体で構成することが好ましい。
【0052】
本発明者が実施した実験および熱抵抗シミュレーションによって次のような知見が得られている。すなわち、厚さが0.3mmの銅板から成る金属回路板をセラミックス基板に接合してパワーモジュール用セラミックス回路基板を調製した場合に、従来から用いられている熱伝導率が170W/m・KであるAlN基板の厚さを0.8mmに設定したときの熱抵抗値と、熱伝導率が90W/m・KであるSi基板の厚さを0.4mmと薄くした場合の熱抵抗値とがほぼ同等であることが確認されている。
【0053】
したがって、特にセラミックス基板としてSi基板を用いる場合には、その厚さを0.4mm以下にすることが、熱抵抗値を低減する観点から好ましい。
【0054】
本発明で使用するセラミックス基板は、セラミックス原料粉末と焼結助剤との混合体を、ドクターブレード法などのシート成形法や押出し成形法などを利用して所望の薄い厚さとなるようにシート成形体とし、しかる後に脱脂、焼結するだけで厚さを制御する製造方法で調製される。
【0055】
特に、ドクターブレード法を利用すれば焼結後に研磨加工を施さなくともセラミックス基板の表面粗さ(Ra)を0.6μm以下に制御することが容易である。なお、本発明においては実質的に研磨加工を施さないセラミックス基板を使用することを特徴としているが、焼結時に基板に付着した敷粉等を除去するためにホーニング加工などの衝撃力が少ない表面処理を実施する。したがって、本発明に係る回路基板の説明において使用する「研磨加工」にはホーニング加工は含まれないものとする。
【0056】
ホーニング処理は微細な砥粒を空気などの加圧流体で対象物表面に吹き付けて表面を仕上げる操作である。上記ホーニング処理をセラミックス基板について実施することにより、焼結時にセラミックス基板表面に付着していたBN等の敷粉や焼結カスを効果的に除去することができる。
【0057】
上記ホーニング処理で使用する砥粒としては、アルミナ(Al),ジルコニア(ZrO),炭化けい素(SiC),窒化ほう素(BN)などの焼結体粒子やガラスビーズが使用される。また砥粒の粒径(番手)は#100以上,好ましくは#200〜#400のものが好ましい。
【0058】
また砥粒の吹出し圧力(ホーニング圧力)は0.05〜0.5MPaの範囲が好ましい。ホーニング圧力が0.05MPa未満の場合には、セラミックス基板に付着した焼結カス等が十分に除去できず、もしくは、完全に除去するために長時間を要する。一方、ホーニング圧力が0.5MPaを超えると衝撃力が大きくなるため、セラミックス基板に反りが生じてしまう。特にセラミックス基板の厚さが0.4mm以下となるように薄い場合には、ホーニング圧力を0.05〜0.5MPaの範囲に設定することにより、上記反りの発生が効果的に防止でき、好ましい。
【0059】
上記ホーニング処理後のセラミックス基板表面には、砥粒片や砥粒残渣が付着しているため、それらを洗浄して除去する工程が必要である。この洗浄除去法としては、樹脂製ブラシによって基板表面を払拭して砥粒片等を除去する方法でもよいが、次のような超音波洗浄によれば、微細な砥粒片まで効率的に除去できる。具体的には、水,アルコール,有機溶媒中にセラミックス基板を浸漬した状態で、0.5MHz以上,好ましくは0.8〜1.2MHzの超音波による微振動を作用させることにより、微細な砥粒片等を迅速かつ容易に除去することができる。なお、ブラシにより砥粒片等を除去する場合、金属繊維製ブラシを使用してもよい。しかしながら、この場合、セラミックス基板表面への攻撃性が高くなるおそれがあるため、前述のように樹脂製ブラシの方がより好ましい。
【0060】
なお、前記ホーニング処理で用いたアルミナ,ジルコニア,SiC,ガラスビーズなどの砥粒や焼結後のSi基板は、いずれも水と反応しないため、水を洗浄液とする超音波洗浄が好適である。
【0061】
前記ホーニング処理および超音波洗浄処理等では、いずれもセラミックス基板に作用する衝撃力が小さいため、基板に損傷を与えることが少なく好ましい。特に従来の回転砥石を使用した平面研削盤などを使用した研磨加工では、多数の脱粒痕が発生していたが、本発明方法によれば、脱粒痕は殆ど発生せず、セラミックス基板の絶縁耐圧を20kV/mm以上にすることが可能である。
【0062】
従来、厚さが薄いセラミックス基板を調製する場合には、原料混合体をプレス成形して得た成形体を焼結し、得られた焼結体を所定厚さまで研磨加工して製造しているため、セラミックス基板表面には、研磨痕や研磨時に作用する衝撃力によって多数の脱粒痕が不可避的に形成されていた。
【0063】
特に金型を用いるプレス成形においては、この金型の表面粗さが成形体にそのまま転写されてしまうため、表面粗さを高度に制御管理した金型を使用しない限り、研磨加工を施こさずに基板の表面粗さ(Ra)を0.6μm以下にすることは困難であった。
【0064】
そして、このセラミックス基板を使用して回路基板を製造した場合、基板表面の研磨痕が形成されている方向と直交する方向に曲げモーメントが作用したときには、他の方向に曲げモーメントが作用した場合と比較して回路基板の抗折強度が低下してしまう。
【0065】
さらに研磨加工によって生じたマイクロクラックなどの損傷部位や脱粒痕も、回路基板の抗折強度、耐熱サイクル特性に悪影響を及ぼし、さらにはセラミックス基板の表裏間の耐電圧特性を低下させる問題点も提起されている。
【0066】
しかるに、本発明では、シート成形体を形成する段階で所定厚さに調整しており、研磨加工によってセラミックス基板の厚さを調整していないため、研磨痕や脱粒痕は殆ど形成されず、セラミックス基板表面のどの方向の表面粗さもほぼ一定となり、直交する方向の表面粗さの比の値が1.5以下となる。したがって、表面粗さの異方性による脆弱部が形成されることが少なく、いかなる方向から回路基板に曲げ応力等が作用した場合においても、抗折強度が低下せず、高い強度特性および耐久性が得られる。
【0067】
そして、前記のようにホーニング処理や超音波洗浄処理などの表面処理を実施したセラミックス基板の表面に金属回路部を一体に形成することにより、本発明に係るセラミックス回路基板が得られる。
【0068】
ここで上記金属回路部としては、銅(Cu)やアルミニウム(Al)などの導電性金属回路板で形成してもよいが、タングステン(W)やモリブデン(Mo)等の高融点金属または銀(Ag)から成るメタライズ層で形成することもできる。上記メタライズ層は、焼結後のセラミックス基板表面に、W,Mo,Agを含有する金属ペーストを所定パターンで塗布した後に焼成して固化するポストファイア法に従って形成される。
【0069】
上記金属回路部がCu板,Al板などの金属回路板で形成される場合において、セラミックス基板と金属回路板との接合法については、特に限定されるものではなく、従来から汎用の銅直接接合法(DBC法)や活性金属ろう材法が好適に使用できる。
【0070】
なお、セラミックス基板としてSi基板やAlN基板などの非酸化物系セラミックス基板を使用し、直接接合法で回路基板を調製する場合には、上記非酸化物系セラミックス基板を予め酸化処理して厚さ0.5〜4μm程度の酸化物層を形成しておくことにより、セラミックス基板と金属回路板との接合強度を、より高めることができる。
【0071】
また、活性金属法により金属回路板をセラミックス基板表面に接合する場合に使用するろう材としては、Ti,Zr,Hf,AlおよびNbから選択される少なくとも1種の活性金属を0.5〜5質量%含有し、さらにAgを55〜75質量%とCuを15〜40質量%とを含有するAg−Cu系共晶組成ろう材が好適に使用される。
【0072】
また、上記ろう材中にInおよびSnをそれぞれ2〜7質量%(合計で14質量%以下)添加することにより、金属回路板の接合温度を800℃以下に低下させることが可能であり、基板に対する熱影響を低減することができる。ここで、基板に対する熱影響は、一般にセラミックス基板と金属回路板の熱膨張差により生じるものである。そのため、接合温度が高ければ高いほど、この影響は大きくなることから接合温度を低くすることは熱影響の低減に効果的である。
【0073】
Ag−Cu系ろう材を使用する場合の接合温度は、750〜900℃の範囲である。一方、Al−Si系ろう材を使用する場合の接合温度は650℃程度である。接合時の熱処理時間は、1〜30分間である。また、接合操作を空気中で実施すると構成材が酸化して劣化するため、接合操作は1.33×10−2Pa以下の真空中で実施することが好ましい。
【0074】
上記金属回路部としての金属回路板を、上記のような活性金属法または直接接合法によってセラミックス基板に一体に接合した場合における金属回路板の接合強度(ピール強度)は12kN/m以上となり、優れた耐久性(熱サイクル特性)を有するセラミックス回路基板が得られる。
【0075】
一方、金属回路部が、ポストファイア法によって形成されたメタライズ層である場合には、上記活性金属法等と比較してメタライズ層の接合強度は相対的に低下する。
【0076】
上記構成に係るセラミックス回路基板およびその製造方法によれば、セラミックス基板表面の一方向の表面粗さに対する直交方向の表面粗さの比の値を1.5以下として表面粗さの異方性を低減しているため、回路基板の組立時および使用時に、どの方向から曲げ応力等が作用した場合においても、脆弱部が形成されることが少なく、セラミックス回路基板の抗折強度が向上し、アセンブリング時に割れが発生することが少なく、信頼性が高い回路基板を高い製造歩留りで安価に製造することができる。
【0077】
また、セラミックス基板として薄い窒化けい素基板を用いることにより熱抵抗が低減され、放熱性、曲げ強度が高く、かつ耐電圧特性も十分な信頼性が高いモジュール用回路基板が得られる。特に、衝撃力が大きな研磨加工を実施しないで、表面粗さの異方性を解消しているため、セラミックス基板に脱粒痕などの発生が少なく、セラミックス基板を薄く形成した場合においても、優れた絶縁耐圧性が得られる。さらに窒化けい素基板自体の材料強度および破壊靱性値も高いため、回路基板の耐熱サイクル特性の向上を図ることも可能となる。
【0078】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施形態について添付図面を参照し、以下の実施例に基づいて、より具体的に説明する。
【0079】
実施例1〜6
酸素を1.3質量%、陽イオン不純物を0.15質量%以下含有し、α相型窒化けい素97%を含む平均粒径0.55μmの窒化けい素原料粉末に対して、焼結助剤として平均粒径0.7μmのY(酸化イットリウム)粉末5質量%、平均粒径0.5μmのAl(アルミナ)粉末1.5質量%を添加し、エチルアルコール中で24時間湿式混合した後に乾燥して原料粉末混合体を調製した。次に得られた原料粉末混合体に有機バインダおよび溶剤を所定量添加して均一に混合して原料スラリーを調製した。
【0080】
次にドクターブレード法を用い、ブレードの開口幅および原料スラリーのブレードからの押出し速度を調整しながら上記原料スラリーをシート成形し、多数のシート状成形体を製作した。次に得られた成形体を700℃のN雰囲気ガス中において2時間脱脂した後に、この脱脂体を窒素ガス雰囲気中で常圧〜7気圧にて1800〜1900℃で3〜6時間保持し、緻密化焼結を実施した後に、焼結炉に付設した加熱装置への通電量を制御して焼結炉内温度が1500℃まで降下するまでの間における焼結体の冷却速度が100℃/hr(実施例1〜3,5),50℃/hr(実施例4)および600℃/hr(自然冷却)(実施例6)となるように調整して焼結体を冷却し、長辺長さ60mm×短辺長さ40mmであり、表1に示す厚さを有する各実施例用の窒化けい素基板を多数調製した。
【0081】
次に得られた各窒化けい素基板の両面について、ホーニング処理を実施した後に、砥粒片除去処理を実施した。ホーニング加工における砥粒の材質,番手,ホーニング圧力および砥粒片除去工程としての超音波洗浄(実施例1〜4,6)における溶媒,超音波周波数および樹脂ブラシ洗浄(実施例5)における溶媒等の条件は表1に示す通りである。上記ホーニング処理および砥粒片除去工程を実施することにより、各実施例用の窒化けい素基板を調製した。
【0082】
比較例1〜3
実施例で調製した原料粉末混合体を100MPaの成形圧力でプレス成形した点、焼結後の冷却速度を100℃/hr(比較例1,2)および50℃/hr(比較例3)とした点以外は、実施例と同一条件で焼結処理を実施することにより、各比較例用の窒化けい素基板を調製した。
【0083】
さらに、表1に示すように、粗大なアルミナ砥粒を用いたホーニング処理を実施することにより比較例1に係る窒化けい素基板を調製した。
【0084】
一方、焼結体として得られた窒化けい素基板にホーニング処理および砥粒片除去処理を実施せずに、そのまま比較例2用の窒化けい素基板とした。
【0085】
一方、焼結体として得られた窒化けい素基板の両面について平面研削盤の回転砥石を用いて表1に示す厚さとなるまで短辺方向に研磨することにより比較例3用の窒化けい素基板を調製した。
【0086】
上記のように調製した実施例1〜5および比較例1〜3に係る窒化けい素基板では、粒界相が体積率で20〜95%の範囲で結晶化していた。一方、焼結後、自然冷却(炉冷)した実施例6の窒化けい素基板では粒界相の結晶化率は約10%であった。
【0087】
次に、上記のように調製した各窒化けい素基板表面の直交する二方向における表面粗さRa1およびRa2の平均値を、図4に示すように測定した。なお、便宜上、二方向における表面粗さRa1,Ra2のうち、より大きい方をRa1とした。
【0088】
上記のように調製した各実施例用および比較例用の窒化けい素基板の表面について、直径が1μm以上の脱粒痕の発生割合を顕微鏡探傷により観察計測するとともに、抗折強度を測定した。すなわち、各基板表面に縦30μm×横30μmの単位面積領域を任意に3箇所設定し、各領域における脱粒痕の発生数の平均値を単位面積当りの個数で示している。
【0089】
また、上記のように調製した各実施例および比較例用の窒化けい素基板について、強度特性を評価するために、三点曲げ強度試験を実施して抗折強度を測定した。すなわち各窒化けい素基板の長辺方向を一対の抗折試験用治具によって支持スパンが50mmとなるように支持した状態で表面中央上部に配置した押圧治具によって基板に押圧力を作用させ、各基板に破断を生じた時点での最大押圧力から抗折強度を算出した。各測定結果を下記表1に示す。
【0090】
【表1】
Figure 0005038565
【0091】
上記表1に示す結果から明らかなように、セラミックス基板の両面に研磨加工を施した比較例3に係る窒化けい素基板では、脱粒痕の発生割合が多くなっている。
【0092】
次に上記のように調製した各窒化けい素基板に種々の金属回路部を各種接合ろう材を介して接合した各実施例および比較例に係るセラミック回路基板について説明する。
【0093】
すなわち、表2に示す組成を有する各種活性金属含有ろう材ペーストを用意し、各セラミックス基板としての窒化けい素基板の両面にスクリーン印刷した。なお、ろう材層の塗布厚さは15〜35μmの範囲とした。印刷したろう材層を乾燥した後に、窒化けい素基板の表側に表2に示す厚さの金属板を配置する一方、裏側には厚さ0.25mmの金属板を配置して各積層体を調製した。
【0094】
次に、各積層体を1.33×10−2Pa以下の高真空中で表2に示す熱処理温度で10〜20分間加熱することにより、各ろう材層を介して各金属板を窒化けい素基板に一体に接合した。なお、実施例1−2のみは、Wペーストを実施例1のSi基板の両面に塗布した後に、温度1800℃で焼成して厚さ30μmのW層を形成した。しかる後に、エッチング処理することにより、各金属板をパターニングして所定の金属回路部とすることにより、各実施例および比較例に係る窒化けい素回路基板を調製した。
【0095】
図1〜3はそれぞれ上記のように調製したセラミックス回路基板11としての窒化けい素回路基板の構成の一例を示す平面図、断面図および底面図である。すなわち上記実施例および比較例に係る窒化けい素回路基板11は、セラミックス基板12としての窒化けい素基板の表面にろう材層15を介して所定厚さの金属回路部13としての銅回路板またはAl回路板が一体に接合されている一方、窒化けい素基板12の裏面にろう材層15を介して厚さ0.25mmの裏金属板14としての裏銅板または裏Al板が一体に接合されて構成される。
【0096】
上記のように調製した各窒化けい素回路基板の耐熱サイクル特性を評価するために、下記のような熱サイクル試験(TCT)を実施した。すなわち、各窒化けい素回路基板について、温度−40℃で30分間保持した後に昇温して室温(RT)で10分間保持し、次に加熱して温度125℃で3分間保持した後に冷却し、室温(RT)で10分間保持するという昇温−冷却操作を1サイクルとする熱サイクル試験を2000回繰り返した後におけるクラックの発生割合を健全率ηとして測定した。
【0097】
【外1】
Figure 0005038565
【0098】
【数1】
Figure 0005038565
【0099】
すなわち健全率ηが100%であるときは、クラックの発生が皆無であることを示す一方、健全率ηが0%であるときは、基板の全面にクラックが発生したことを示すものである。健全率の測定結果を表1に示す。
【0100】
さらに上記のように調製した各実施例および比較例に係る各セラミックス回路基板について、その電気絶縁性の良否を比較するために、下記のような部分放電試験を実施した。すなわち。各セラミックス回路基板を絶縁油(商品名:フロリナート)中に浸漬し、セラミックス基板両面に接合した金属回路板またはW層にそれぞれ電極を配置し、この電極間に毎分10KVの電圧上昇速度で交流電圧を印加した。そして、10pC(ピコクーロン)の電荷量を放電する際の印加電圧を部分放電開始電圧としてそれぞれ測定し、基板の単位厚さ当りの耐電圧を算出した。また、各金属回路板の接合強度を測定した。上記測定・算出結果を下記表2に示す。
【0101】
【表2】
Figure 0005038565
【0102】
上記表1および2に示す結果から明らかなように、窒化けい素基板表面の直交する二方向の表面粗さの比を1.5以下とした各実施例に係るセラミックス回路基板においては、上記比の値が1.6以上とした比較例1,3に係るセラミックス回路基板と比較して耐熱サイクル特性、曲げ強度特性および耐電圧特性が、より改善されており、優れた技術上の効果が得られることが判明した。
【0103】
なお、実施例6に係る回路基板においては、窒化けい素基板の熱伝導率が低いため、熱影響を受け易く、クラックの発生率が相対的に上昇した。また、参考例(1−2)に係る回路基板では、金属回路部がメタライズ層(W層)であるため、接合強度は低下した。
【0104】
また、絶縁耐圧は窒化けい素基板の特性によって主に決定されるため、金属回路部の接合形態による差異は少ないことが判明した。
【0105】
これに対し、比較例1および比較例2のようにプレス成形を経て形成した基板においては表面研磨を実施しないと表面粗さRaを0.6μm以下、かつRa1/Ra2を1.5以下にできないことが判明した。特に比較例2においては、セラミックス基板の表面処理を実施しておらず、焼結上がり面のままであったため、銅板を接合することが不可能であった。また、比較例3のように研磨加工を実施した基板についても、研磨加工の精度に異方性が表われてしまうことからRa1/Ra2を1.5以下にすることが困難であることが判明した。さらに研磨加工を実施すると研削痕ができてしまい特性に悪影響があることが判明した。
【0106】
次に、ホーニング条件および超音波洗浄条件を変えた場合の実施例について説明する。
【0107】
実施例7〜12
熱伝導率が90W/m・Kであり、縦40mm×横60mm×厚さ0.32mmの窒化けい素焼結体に対して、表3に示す条件で表面処理としてのホーニング処理と超音波洗浄処理とを実施して各実施例用のSi基板を調製した。
なお、研磨加工は実施していない。
【0108】
次に各基板表面の直交する二方向における表面粗さ(Ra)の比Ra1/Ra2の平均値を測定するとともに、基板表面の単位面積当りに発生した脱粒痕の割合を計測した。
【0109】
一方、質量%で70Ag−27Cu−3Tiなる組成を有するろう材を用意し、さらに上記各Si基板の表面側に厚さ0.3mmの銅回路板を上記ろう材を介して接合する一方、裏面側に厚さ0.25mmの裏銅板を同様にろう材を介して接合することにより各実施例に係るSi回路基板を調製した。
【0110】
そして各回路基板について、実施例1−1と同様にして、銅回路板の接合強度および絶縁耐圧を測定して、下記表3に示す結果を得た。
【0111】
【表3】
Figure 0005038565
【0112】
上記表3に示す結果から明らかなように、適正な粒径の砥粒を使用し、適正なホーニング圧力でホーニング処理した窒化けい素基板を使用した実施例7〜10に係る回路基板においては、絶縁耐圧が25〜38kV/mmと優れているとともに、窒化けい素基板の反り量は、いずれも0.5mm以下であった。
【0113】
なお、本実施例で規定する反り量は、反りを生じた基板を平面定盤等に載置した場合に基板の長手方向(本実施例では横60mm)に延びて形成された基板と定盤との隙間の最大高さを測定したものである。
【0114】
また実施例9においては、ホーニング圧力が小さいため、窒化けい素基板表面に与えるダメージが少なく、絶縁耐圧を大幅に改善することが可能であった。
【0115】
一方、実施例11のように粗大な粒径を有する砥粒を用いてホーニング処理を実施したり、実施例12のように超微細な砥粒を用いてもホーニング圧力が必要以上に大きい場合には、基板表面の損傷が大きくなるため、絶縁耐圧が相対的に低下した。特に、実施例11〜12のように、ホーニング圧力が0.5MPaを超えるように過大に設定した場合には、窒化けい素基板に3mm程度の反りが発生し、特性が低下してしまうことが確認できた。
【0116】
【発明の効果】
以上説明の通り、本発明に係るセラミックス回路基板およびその製造方法によれば、セラミックス基板表面の一方向の表面粗さに対する直交方向の表面粗さの比の値を1.5以下として表面粗さの異方性を低減しているため、回路基板の組立時および使用時に、どの方向から曲げ応力等が作用した場合においても、脆弱部が形成されることが少なく、セラミックス回路基板の抗折強度が向上し、アセンブリング時に割れが発生することが少なく、信頼性が高い回路基板を高い製造歩留りで安価に製造することができる。
【0117】
また、セラミックス基板として薄い窒化けい素基板を用いることにより熱抵抗が低減され、放熱性、曲げ強度が高く、かつ耐電圧特性も十分な信頼性が高いモジュール用回路基板が得られる。特に、衝撃力が大きな研磨加工を実施しないで、表面粗さの異方性を解消しているため、セラミックス基板に脱粒痕などの発生が少なく、セラミックス基板を薄く形成した場合においても、優れた絶縁耐圧性が得られる。さらに窒化けい素基板自体の材料強度および破壊靱性値も高いため、回路基板の耐熱サイクル特性の向上を図ることも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るセラミックス回路基板の一実施例の平面図。
【図2】図1に示すセラミックス回路基板の断面図。
【図3】図1に示すセラミックス回路基板の底面図。
【図4】セラミックス基板の表面および裏面における表面粗さの測定方向を示す平面図。
【符号の説明】
11 セラミックス回路基板(窒化けい素回路基板)
12 セラミックス基板(窒化けい素基板)
13 金属回路部(銅回路板,W層,Al回路板)
14 裏金属板(裏銅板)
15 ろう材層(接合層)

Claims (8)

  1. 厚さが0.7mm以下であるセラミックス基板と、このセラミックス基板の少なくとも一方の主面に接合された金属回路部とを具備するセラミックス回路基板において、上記セラミックス基板の任意の一方向の表面粗さを算術平均粗さ基準でRa1とする一方、その方向と直交する方向の表面粗さをRa2としたときに、Ra1/Ra2またはRa2/Ra1の比の値が1.5以下であると共に、上記セラミックス基板の両面にそれぞれ電極を配置し、この電極間に毎分10KVの電圧上昇速度で交流電圧を印加したとき、10pC(ピコクーロン)の部分放電開始電圧である絶縁耐圧が20kV/mm以上であり、上記セラミックス基板表面に、直径1μm以上の脱粒痕が存在しないと共に、上記金属回路部が金属板から成り、この金属板の接合強度が12kN/m以上であることを特徴とするセラミックス回路基板。
  2. 前記セラミックス基板が60W/m・K以上の熱伝導率を有する窒化けい素焼結体から成ることを特徴とする請求項1記載のセラミックス回路基板。
  3. 前記金属回路部は、Ti,Zr,Hf,AlおよびNbから選択される少なくとも1種の活性金属を含有するろう材層を介して前記セラミックス基板に接合されていることを特徴とする請求項1記載のセラミックス回路基板。
  4. 前記セラミックス基板の厚さが0.4mm以下であることを特徴とする請求項1記載のセラミックス回路基板。
  5. 前記セラミックス基板の表面粗さ(Ra1,Ra2)が0.6μm以下であることを特徴とする請求項1記載のセラミックス回路基板。
  6. 厚さが0.7mm以下であるセラミックス基板と、このセラミックス基板の少なくとも一方の主面に接合された金属回路部とを具備するセラミックス回路基板であり、上記セラミックス基板の任意の一方向の表面粗さを算術平均粗さ基準でRa1とする一方、その方向と直交する方向の表面粗さをRa2としたときに、Ra1/Ra2またはRa2/Ra1の比の値が1.5以下であると共に、上記セラミックス基板の両面にそれぞれ電極を配置し、この電極間に毎分10KVの電圧上昇速度で交流電圧を印加したとき、10pC(ピコクーロン)の部分放電開始電圧である絶縁耐圧が20kV/mm以上であり、上記セラミックス基板表面に、直径1μm以上の脱粒痕が存在しないと共に、上記金属回路部が金属板から成り、この金属板の接合強度が12kN/m以上であるセラミックス回路基板の製造方法において、
    上記セラミックス基板にホーニング圧力0.05〜0.5MPaの範囲で砥粒を吹きつけることにより焼結面をホーニング処理する工程と、
    ホーニング処理により付着した砥粒片を除去する工程と、
    ホーニング処理面に金属回路部を形成する工程と、を備えることを特徴とするセラミックス回路基板の製造方法。
  7. 前記ホーニング処理により付着した砥粒片を除去する工程が超音波洗浄であることを特徴とする請求項記載のセラミックス回路基板の製造方法。
  8. 前記セラミックス基板にはホーニング加工以外の研磨加工を施さないことを特徴とする請求項記載のセラミックス回路基板の製造方法。
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