JP2001019576A - 基板およびその製造方法 - Google Patents

基板およびその製造方法

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JP2001019576A JP18814799A JP18814799A JP2001019576A JP 2001019576 A JP2001019576 A JP 2001019576A JP 18814799 A JP18814799 A JP 18814799A JP 18814799 A JP18814799 A JP 18814799A JP 2001019576 A JP2001019576 A JP 2001019576A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高熱伝導率を有し、表面に形成される導電層
と窒化アルミニウム焼結体との密着強度が十分強く、か
つ基板全体の反りが小さい窒化アルミニウム基板を提供
する。 【解決手段】窒化アルミニウム焼結体の表面にタングス
テンなどの高融点金属よりなる導電層を有し、基板の熱
伝導率が190W/mK以上であり、かつ導電層と窒化
アルミニウム焼結体との密着強度が5.0kgf以上で
ある窒化アルミニウム基板を提供する。窒化アルミニウ
ム粉末、焼結助剤及び有機結合剤よりなる窒化アルミニ
ウム成形体表面に、平均粒径0.8〜5μmの高融点金
属粉末100重量部及び窒化アルミニウム粉末11〜2
0重量部よりなる導電ペーストの層を形成した導電ペー
スト成形体を残炭率800〜2500ppmの範囲に脱
脂した後、1200〜1700℃の温度で焼成し、次い
で1800〜1900℃の温度で焼成して得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電層を有する窒
化アルミニウム焼結体及びその製造方法に関する。特に
高い熱伝導率を有し、また導電層と窒化アルミニウム焼
結体の密着が良好で、かつ導電層の緻密性が高く、基板
の反りの小さい窒化アルミニウム焼結体及びその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】窒化アルミニウム焼結体は、高い熱伝導
率を有し、電気絶縁性が良く、集積回路を形成するシリ
コン(Si)とほぼ同じ熱膨張率を有する等の優れた性
質を持つため、半導体回路部品の基板として使用されて
いる。
【0003】窒化アルミニウム焼結体を半導体基板とし
て使用するには、その表面に導電性金属による導電層の
形成(以下、メタライズともいう)を行う必要がある。
メタライズを行う方法の1つとして同時焼成法が行われ
ている。同時焼成法は導電層の焼成と基板の焼結を一回
の焼成で同時に行う方法であり、基板焼成後にメタライ
ズを行う方法に比べ、工程数が少ないという有利な面を
持っている。しかし、従来の同時焼成法では、導電層の
焼成と基板の焼成を同時に行うことからくる制約によ
り、得られた焼結体の熱伝導率はせいぜい25℃で17
0W/mK程度であった。
【0004】一方、導電層を持たない窒化アルミニウム
焼結体を製造する方法の1つとして2段焼成法が行われ
ている(特開平5−105525号公報)。この方法で
は、得られた焼結体の熱伝導率は25℃で200W/m
K程度であり、高熱伝導性の窒化アルミニウム焼結体を
得ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが上記2段焼成
法で導電層を有する窒化アルミニウム焼結体を製造した
場合、窒化アルミニウム粉末を添加した高融点金属粉ペ
ーストによって形成される導電層表面に窒化アルミニウ
ム粉末による変色が発生し易くなるという現象が生ず
る。また、焼結助剤のしみ出しによる変色が発生すると
いう現象も生じる。そのため、該導電層の表面に半田付
けまたはロウ付けにより、Siチップまたはピン等の電
極を接合しようとする場合、次のような問題が発生す
る。即ち、高融点金属よりなる導電層と半田等との濡れ
性を改良するために導電層表面にNi等のメッキを施す
際に、上記変色部位は窒化アルミニウム粉末等が導電層
表面に析出しているため、メッキが掛かり難く、メッキ
を掛けたとしても十分な接合強度を得ることができな
い。さらに、上記2段焼成法で導電層を有する窒化アル
ミニウム焼結体を製造した場合、窒化アルミニウム焼結
体と導電層との間に十分高い密着強度を得ることが難し
く、ある程度の密着強度が得られた場合でも、密着強度
のバラツキが大きいという問題を有する。また、導電層
を有する窒化アルミニウム焼結体の基板の反りが大きい
という問題点も有する。
【0006】したがって、高い熱伝導率を有し、かつ導
電層と窒化アルミニウム焼結体との密着強度および導電
層とメッキとの接合強度が共に優れ、緻密性の高い導電
層を有する反りの小さい窒化アルミニウム基板の開発が
望まれていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく研究を重ねた結果、上記した窒化アルミニウ
ム粉末による変色の発生、及び焼結助剤のしみ出しによ
る変色の発生、基板の反りの増加が脱脂後の炭素の作用
により生じるとの知見を得、前記成形体の脱脂体の残留
炭素率を特定の範囲に制御することにより、窒化アルミ
ニウム基板表面に形成された導電層表面の変色の発生、
基板の反りの増加を抑えることができることを見出し
た。さらに、前記した脱脂体の残留炭素率、導電ペース
トへの窒化アルミニウム粉末の添加量、前記2段焼成法
の温度範囲を各々特定の範囲に抑制することにより、上
記した窒化アルミニウム焼結体と導電層との密着強度を
十分に強く、安定化させることができると共に、導電層
を有する窒化アルミニウム焼結体の熱伝導率も十分に高
められることを見出し、本発明をここに提案するに至っ
た。
【0008】即ち、本発明は、窒化アルミニウム焼結体
の表面に導電層が形成されてなる基板において、窒化ア
ルミニウム焼結体の熱伝導率が190W/mK以上であ
り、かつ窒化アルミニウム焼結体と導電層との密着強度
が5.0kgf以上であることを特徴とする基板であ
る。更に本発明は、窒化アルミニウム粉末、焼結助剤及
び有機結合剤よりなる窒化アルミニウム成形体の表面
に、平均粒径0.8〜5μmの高融点金属粉末100重
量部及び窒化アルミニウム粉末11〜20重量部よりな
る導電ペーストの層を形成し、窒化アルミニウム成形体
中の残留炭素率が800〜2500ppmの範囲になる
ように脱脂した後、1200〜1700℃の温度で焼成
し、次いで1800〜1900℃の温度で焼成すること
を特徴とする基板の製造方法をも提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において、窒化アルミニウ
ム焼結体の表面に導電層が形成されてなる基板とは、い
わゆるメタライズ基板であり、導電層の厚みは特に限定
されないが、通常2〜50μmであり、窒化アルミニウ
ム焼結体の導電層が形成された一面の面積に占める導電
層の面積の割合は特に限定されないが、通常10〜10
0%である。
【0010】また、導電層を構成する物質は高融点金属
であれば特に限定されないが、通常タングステン、モリ
ブデンなどであり、特に、高融点金属100重量部に対
して5〜15重量部の窒化アルミニウム粉末を含んでい
ることが好ましい。
【0011】本発明における窒化アルミニウム焼結体の
熱伝導率とは、表面に形成された導電層を研削等により
取り除いた窒化アルミニウム焼結体の熱伝導率を指す。
なお、スルーホールやビアが存在する場合は、その部分
を避けて熱伝導率を測定する。なお、本発明において、
上記熱伝導率は25℃で測定された熱伝導率である。
【0012】また、本発明における窒化アルミニウム焼
結体と導電層との密着強度とは、導電層表面全体に厚み
2〜15μmのNiメッキ層を形成後、幅3.0mm、
長さ33.0mm、厚み0.1mmのコバール製のリー
ドを導電層端部表面にロウ付けした後、このリードを窒
化アルミニウム基板に対して90°折曲げ、長さ2mm
だけ引っ張った際の破壊強度として測定された強度を言
う。
【0013】従来、窒化アルミニウム焼結体の高熱伝導
化と、窒化アルミニウム焼結体と導電層との密着強度の
高強度化とを両立させることは困難であった。しかし、
本発明の基板は、窒化アルミニウム焼結体の熱伝導率が
190W/mK以上であり、かつ窒化アルミニウム焼結
体と導電層との密着強度が5.0kgf以上であり、基
板の高熱伝導化と導電層の密着の高強度化を両立させた
優れた基板である。さらに、製造条件をもっと好適に選
べば、窒化アルミニウム焼結体と導電層との密着強度が
7.5kgf以上、さらには、10.0kgf以上の基
板を得ることができる。
【0014】次に、本発明の窒化アルミニウム基板の製
造方法について説明する。
【0015】本発明において窒化アルミニウム成形体を
構成する窒化アルミニウム粉末は特に限定されず、公知
のものが使用できる。特に沈降法で測定した平均粒径が
5μm以下の粉末が好適に、3μm以下の粉末がさらに
好適に、0.5〜2μmの範囲にある粉末が最も好適に
使われる。また、比表面積から算出した平均粒径D1と
沈降法で測定した平均粒径D2とが下記式 0.2μm≦D1≦1.5μm D2/D1≦2.60 を満足する窒化アルミニウム粉末は、焼成時における線
収縮率を小さくすることができ、焼結体の寸法安定性が
向上するばかりでなく導電ペースト層の線収縮率に近づ
くため、窒化アルミニウム焼結体と導電層との密着強度
を一層高めることができるために本発明において好適に
使用される。
【0016】また、上記窒化アルミニウム粉末は、酸素
含有が3.0重量%以下、かつ窒化アルミニウム組成を
AlNとするとき含有する陽イオン不純物が0.5重量
%以下、特に、酸素含有量が0.4〜1.0重量%の範
囲にあり、そして陽イオン不純物の含有量が0.2重量
%以下でありかつ陽イオン不純物のうちFe、Ca、S
i及びCの合計含有量が0.17重量%以下である窒化
アルミニウム粉末が好適である。このような窒化アルミ
ニウム粉末を用いた場合には、得られる窒化アルミニウ
ム焼結体の熱伝導率の向上が大きくなるために本発明で
好適に用いられる。
【0017】本発明において使用される焼結助剤は、公
知のものが特に制限なく使用される。具体的には、アル
カリ土類金属化合物、例えば酸化カルシウムなどの酸化
物、イットリウムまたはランタニド元素よりなる化合
物、例えば酸化イットリウムなどの酸化物等が好適に使
用される。
【0018】また、本発明において使用される有機結合
剤も公知のものが特に制限なく使用される。具体的に
は、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステ
ル等のアクリル樹脂、メチルセルロース、ヒドロキシメ
チルセルロース、ニトロセルロース、セルロースアセテ
ートブチレート等のセルロース系樹脂、ポリビニルブチ
ラール、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル等のビ
ニル基含有樹脂、ポリオレフィン等の炭化水素樹脂、ポ
リエチレンオキサイド等の含酸素樹脂などが一種または
二種以上混合して使用される。この中でアクリル樹脂
は、脱脂性が良好で、導電層の抵抗が低減できるため好
適に使用される。その他溶媒、分散剤、可塑剤等、他の
成分も公知のものが特に制限なく使用される。
【0019】本発明において、窒化アルミニウム成形体
を構成する上記各成分の割合は、公知の配合割合が特に
制限なく採用される。例えば、窒化アルミニウム粉末1
00重量部に対して焼結助剤0.01〜10重量部、有
機結合剤0.1〜30重量部が好適である。特に焼結助
剤を2〜7重量部の割合で配合することは高熱伝導化に
有利なため好適である。
【0020】また、これら各成分により構成される窒化
アルミニウム成形体の形状は、円柱状、板状、箱型、筒
状、シート状等、特に限定されるものではない。さら
に、該成形体を作製する方法は特に限定されないが、一
般的には、上記成形材料を金型に充填し、いわゆるプレ
ス体として加圧成形される。あるいは、ドクターブレー
ド方式によりグリーンシートとして成形される。このグ
リーンシートは、単独で用いても良いし、複数枚積層し
て用いても良い。
【0021】本発明において、導電ペーストを構成する
高融点金属粉末は、窒化アルミニウム成形体の焼結温度
より高い融点を有するものであれば特に制限されない。
具体的には、タングステン、モリブデン等の金属が好適
に使用される。上記高融点金属粉末の平均粒径は、フィ
ッシャー法で測定した値で0.8〜5μmである必要が
あり、0.8〜4μmであることが好適であり、1〜3
μmであることが最も好適である。平均粒径が0.8μ
mより小さい場合は、導電層の焼成時の収縮率が窒化ア
ルミニウム成形体の収縮率より大きくなりすぎるため、
導電層に亀裂が入ってしまい、窒化アルミニウム焼結体
と導電層との密着強度が低下する。また平均粒径が5μ
mより大きい場合は、高融点金属粉末の焼結性が悪くな
り、焼結後の高融点金属粒子間の隙間が大きくなるた
め、窒化アルミニウム粉末や焼結助剤が導電層表面に析
出し易くなり、前記したように該導電層とメッキ層との
密着強度が低下し、本発明の目的を達成することができ
ない。
【0022】導電ペーストに使用される窒化アルミニウ
ム粉末は、公知のものが特に制限なく使用される。特に
前記した窒化アルミニウム成形体において好適に使用さ
れる性状の窒化アルミニウム粉末は、高融点金属との焼
結性が良く、導電層の密着性を向上させるのに効果があ
る。また、導電ペースト中に窒化アルミニウム粉末が存
在することにより、窒化アルミニウム部分と導電層部分
の収縮率の差が減少し、焼結体の寸法安定性が向上す
る。
【0023】本発明において、導電ペーストは上記高融
点金属粉末100重量部に対して、11〜20重量部の
窒化アルミニウム粉末を配合した組成を有する。上記導
電ペーストの組成において、窒化アルミニウム粉末の割
合が11重量部より少ない場合は、導電層と窒化アルミ
ニウム焼結体との密着が悪くなり密着強度が低くなった
り、窒化アルミニウム部分と導電層部分の収縮率の差が
増加することにより接合界面に亀裂が生じたりという現
象が見られる。また、窒化アルミニウムが20重量部よ
り多い場合は、導電ペーストの粘度が高くなり印刷性が
悪化し、その結果発生した印刷ムラ、かすれ等により導
電層と窒化アルミニウム焼結体との密着強度が低くなっ
たり、導電層表面に焼結助剤のしみ出しによる変色や窒
化アルミニウム粉末による変色が発生し易くなる。この
ため、メッキが掛かりにくくなると共に導電層の抵抗が
増大し、また、メッキを掛けたとしてもメッキ層と導電
層間の均一かつ十分な密着強度を得ることができない。
また、窒化アルミニウムが20重量部より多い場合は、
導電ペースト自身の保存安定性が低下するため、調製後
数日経過した導電ペーストを使用した場合、導電ペース
トの粘度が高くなり印刷性が悪化し、その結果発生した
印刷ムラ、かすれ等により導電層と窒化アルミニウム焼
結体との密着強度が低くなる。該窒化アルミニウム粉末
の配合量は、12〜15重量部であることがペーストの
保存安定性の点から好ましい。
【0024】上記高融点金属粉末及び窒化アルミニウム
粉末との混合物には、有機結合剤や有機溶剤が混合さ
れ、適当な粘度、一般には80000〜120000セ
ンチポイズ(cps)の粘度のペーストに調製される。
有機結合剤としては、ポリアクリル酸エステル、ポリメ
タクリル酸エステル等のアクリル系樹脂、メチルセルロ
ース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロー
ス、ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレー
ト等のセルロース系樹脂、ポリビニルブチラール、ポリ
ビニルアルコール、ポリ塩化ビニル等のビニル基含有樹
脂、ポリオレフィン等の炭化水素樹脂、ポリエチレンオ
キサイド等を挙げることができ、有機溶剤としては、フ
タル酸−ジ−n−ブチル、ジエチレングリコールモノ−
n−ヘキシルエーテル、酢酸2−(2−ブトキシエトキ
シ)エチル、テルピネオール等を挙げることができる。
【0025】本発明においては、窒化アルミニウム成形
体の表面に上記導電ペースト層を形成する。窒化アルミ
ニウム成形体の表面に導電ペースト層を形成する方法
は、公知の方法が特に制限なく採用される。一般には、
上記導電ペーストをスクリーン印刷等によって塗布する
方法が好適に使用される。また、本発明において、導電
ペースト層の厚みは、特に限定されないが、通常5〜6
0μmである。
【0026】本発明においては、上記導電ペースト層を
有する成形体は、窒化アルミニウム成形体中の残留炭素
率が800〜2500ppm、好ましくは800〜23
00ppmの範囲となるように脱脂することが必要であ
る。即ち、残留炭素率が800ppmに満たない場合、
他の条件を満足していても窒化アルミニウム焼結体の熱
伝導率が190W/mKより低い値になり、本発明の目
的を達成することができない。また、残留炭素率が25
00ppmを越えた場合、高融点金属粉の焼結性が悪く
なることにより、窒化アルミニウム焼結体と導電層間の
均一かつ十分な密着強度を得ることができない。また、
形成される導電層表面に窒化アルミニウムや焼結助剤の
しみ出しによる変色が発生しやすくなるため、メッキ層
と導電層間の均一かつ十分な接合強度を得ることができ
ない。また、残留炭素率が2500ppmを越えた場
合、窒化アルミニウム焼結体と導電層間の均一かつ十分
な密着強度を得ることができないだけでなく、窒化アル
ミニウム焼結体の基板の反りが大きくなり、本発明の目
的を達成することができない。
【0027】上記導電層を有する窒化アルミニウム成形
体の窒化アルミニウム成形体中の残留炭素率を800〜
2500ppmの範囲に脱脂する方法は特に制限され
ず、公知の方法を採用することができる。脱脂の雰囲気
としては、高融点金属を酸化させる恐れのある大気等の
酸化性雰囲気を除けば、特に限定されない。具体的に
は、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気、
水素等の還元性ガス雰囲気、それらの混合ガス雰囲気、
それらの加湿ガス雰囲気、真空などが好適に使用され
る。
【0028】また、上記の脱脂温度は、適宜選択される
が通常500〜1200℃、好ましくは、700〜90
0℃の温度が採用される。また、かかる温度への昇温速
度は、特に限定されるものでないが、一般的に10℃/
分以下が好ましい。
【0029】さらに、脱脂時間は、脱脂後の成形体の残
留炭素率が800〜2500ppm以下となる時間を設
定すればよい。かかる時間は、成形体の肉厚、成形体密
度、導電層の占める割合、脱脂温度等により多少異なる
ため、一概に特定することはできないが、一般に1〜6
00分の範囲で決定される。
【0030】本発明において、脱脂された窒化アルミニ
ウム成形体中の残留炭素率が800〜2500ppmの
範囲内の、導電ペースト層を有する窒化アルミニウム成
形体(以下、「脱脂体」という)は、次いで非酸化性雰
囲気又は乾燥した還元性ガス雰囲気下で焼成する。上記
非酸化性雰囲気としては例えば、窒素、アルゴン、ヘリ
ウム等のガスの単独或いは混合ガスよりなる雰囲気又は
真空(又は減圧)雰囲気が使用される。また、乾燥した
還元性ガス雰囲気としては、水素や水素と不活性ガスの
混合雰囲気が使われる。また、焼成の温度条件は、1段
目は1200〜1700℃、好ましくは、1500〜1
650℃で焼成し、次いで2段目は1800〜1900
℃、好ましくは、1820〜1880℃で焼成すること
が必要である。
【0031】1段目の焼成温度が1200℃に満たない
場合、脱脂体に残留させた炭素による窒化アルミニウム
中の酸素の還元除去反応が進みにくくなり、窒化アルミ
ニウム焼結体の熱伝導率が190W/mKより低い値に
なり、本発明の目的を達成することができない。一方、
1段目の焼成温度が1700℃を越えた場合、残留炭素
による窒化アルミニウム中の酸素の還元除去反応が十分
進行する前に窒化アルミニウムの焼結が進行してしま
い、結果的に酸素が窒化アルミウム中に拡散固溶し、窒
化アルミニウム焼結体の高熱伝導化が阻害され、本発明
の目的を達成することができない。なお、1段目の焼成
温度が1500〜1650℃の場合、酸素の還元除去反
応が効果的に進むため、焼結体の熱伝導率を高めるうえ
で好ましい。
【0032】また、2段目の焼成温度が1800℃に満
たない場合、窒化アルミニウムを十分に焼結することが
できず、窒化アルミニウム焼結体の熱伝導率が190W
/mKより低い値になり本発明の目的を達成することが
できない。また、2段目の焼成温度が1900℃を越え
た場合、導電層表面に窒化アルミニウムや焼結助材のし
み出しによる変色が発生したり、導電層と基板との密着
強度が低下するだけでなく、焼結体の反りが50μmよ
り大きくなってしまい、本発明の目的を達成することが
できない。なお、2段目の焼成温度が1820℃〜18
80℃の場合、導電層と基板との密着強度、焼結体の外
観及び反りの値を損なうことなく、窒化アルミニウム焼
結体の熱伝導率が195W/mKより高い値になり、好
ましい。
【0033】かかる温度への昇温速度は、特に制限され
るものではないが、1〜40℃/分が一般的である。ま
た、上記温度の保持時間は、特に限定されないが、1段
目は30分〜10時間、2段目は1分〜20時間の範囲
に設定するのが好ましい。さらに、1段目および2段目
の焼成は、途中で降温せずに1回の焼成で行っても良い
し、1段目と2段目の間で降温し、2回の焼成に分けて
も良い。ただし、時間およびエネルギー効率を考えると
途中で降温せずに1回の焼成で行う方が好ましい。
【0034】本発明の方法によって得られた基板の導電
層表面に半田付けまたはロウ付けにより、Siチップま
たはピン等の電極を接合しようとする場合、高融点金属
の半田濡れ性を改良するために、通常、導電層にNi等
のメッキが施される。メッキ層を形成する方法は、公知
の方法が特に制限なく採用される。例えば、メッキの材
質としては、ニッケル、金等の金属が一般的であり、メ
ッキの手段としては、無電解メッキ、電解メッキ、及び
これらの組合せ等による手段を制限なく採用することが
できる。
【0035】
【発明の効果】以上の説明より理解されるように、本発
明の基板は、25℃での熱伝導率が190W/mK以上
でかつ窒化アルミニウム焼結体と導電層との密着強度が
5.0kgf以上と十分強く、また、基板の反りも50
μm以下であり、その工業的価値は極めて大である。本
発明による窒化アルミニウム基板は以上の特性を有して
いるため、一方に金属製のリード、反対側に金属製のフ
ランジをろう付け等により接合することによって、移動
体通信の中継基地等に使用される高周波帯域用デバイス
のパッケージ等の電子・半導体機器部品に好適に利用さ
れうる。
【0036】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に例示
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。
【0037】尚、実施例、比較例において、残留炭素率
は非分散型赤外吸収法炭素分析装置(EMIA−11
0、(株)堀場製作所製)により分析した値である。
【0038】比表面積から求める平均粒径D1は、下記
式により算出した。
【0039】D1(μm)=6/(S×3.26) 〔S:AlN粉末比表面積(m2/g)〕 また、沈降法による平均粒径D2は、(株)堀場製作所
製遠心式粒度分布測定装置CAPA5000で測定し
た。
【0040】窒化アルミニウム焼結体の外観検査は、目
視及び実体顕微鏡(×40)により観察することにより
行った。窒化アルミニウム焼結体の反りは、(株)ミツ
トヨ製定盤付きマイクロメーターにて測定した。
【0041】窒化アルミニウム焼結体と導電層との密着
強度は、以下のように測定した。まず、導電層表面全体
に厚み2〜15μmのNiメッキ層を形成後、コバール
製のリードを導電層端部表面に接触するように、乾燥窒
素/水素混合ガス雰囲気中、720℃で10分間ロウ付
けした。リードは、幅3.0mm、長さ33.0mm、
厚み0.1mmであり、ロウ材は、Ag72重量%、C
u28重量%の組成のものである。これを、(株)東洋
精機製作所製ストログラフM2にセットし、リードを垂
直方向に長さ2mmだけ引っ張った際の破壊強度を測定
した。引っ張り速度は、10mm/分とした。また、剥
離モードは、試験後のピンおよび焼結体の破壊面を、実
体顕微鏡(×40)、金属顕微鏡(×400)およびX
線マイクロアナライザーにより観察することにより調べ
た。
【0042】実施例1 沈降法による平均粒径が1.50μmで、比表面積が
2.50m2/g(比表面積から算出された平均粒径が
0.74μm)で、酸素含有量が0.85%で表1に示
す組成の窒化アルミニウム粉100重量部、イットリア
5重量部、界面活性剤としてヘキサグリセリンモノオレ
ート1重量部、有機結合剤としてn−ブチルメタクリレ
ート5重量部、溶媒としてトルエン100重量部を秤量
し、これらをボールミルポットに投入し、ナイロンボー
ルを使用して、混合を十分行い、白色の泥しょうを得
た。こうして得られた泥しょうをスプレードライヤー法
により造粒した。得られた顆粒を用いて、成形圧1.0
t/cm2で加圧して、直径φ10mm、厚さ1.5m
mのプレス成形体を作製した。次にフィッシャー法測定
による平均粒径2.6μmのタングステン粉末100重
量部に対して、上記窒化アルミニウム粉末13.0重量
部、有機結合剤としてエチルセルロース0.5重量部、
溶媒としてテルピネオール15.0重量部、その他可塑
剤、分散剤を自動乳鉢、続いて3本ロールミルで十分に
混練してペーストにし、印刷法により窒化アルミニウム
成形体の両面にタングステンペーストの印刷を行った。
印刷膜厚は約25μmであった。
【0043】このように作製した導電層を有する窒化ア
ルミニウム成形体を、乾燥窒素ガスを5L/分流通させ
ながら800℃で2時間加熱脱脂を行った。昇温速度は
2.5℃/分であった。同時に加熱脱脂したテストサン
プルの残留炭素率を調べたところ、2100ppmであ
った。脱脂後、前記脱脂体を窒化アルミニウム製の容器
に入れ、窒素雰囲気中1580℃で6時間加熱し(1段
目焼成)、さらに1855℃で10時間加熱した(2段
目焼成)。得られた窒化アルミニウム基板の導電層表面
は変色しておらず、均一な面であった。また、基板の反
りは、20μmであった。続いて、該基板の導電層表面
に無電解Ni−Bメッキを施した。メッキ不析出も無
く、均一な色調のメッキ表面であった。メッキ層の導電
層の密着強度を測定したところ、10.1kgfであっ
た。サンプルの剥離モードは、いずれもロウ材内破壊で
あった。
【0044】次に導電層を有する窒化アルミニウム基板
の導電層部分を平面研削盤にて取り除いたテストサンプ
ル(基板厚み0.9mm)の熱伝導率をレーザーフラッ
シュ法により測定したところ215W/mKであった。
【0045】
【表1】
【0046】実施例2〜10、比較例1〜7 実施例1において、表2に示す導電ペーストにおけるタ
ングステン粉の粒径及び、該導電ペーストへの窒化アル
ミニウム粉末の添加量を変更した以外は、実施例1と同
様にした。その結果を表2に示す。
【0047】実施例11 実施例1で作製した導電層を有する窒化アルミニウム成
形体を、乾燥窒素ガスを4.2L/分流通させながら8
00℃、2時間加熱脱脂を行った以外は、実施例1と同
様にして窒化アルミニウム基板を得た。窒化アルミニウ
ム基板の導電層表面は変色しておらず、均一な面であ
り、メッキ不析出はなく均一な色調のメッキ表面であっ
た。結果を表2に示した。
【0048】実施例12 実施例1で作製した導電層を有する窒化アルミニウム成
形体を、乾燥窒素ガスを8L/分流通させながら800
℃、2時間加熱脱脂を行った以外は、実施例1と同様に
して窒化アルミニウム基板を得た。窒化アルミニウム基
板の導電層表面は変色しておらず、均一な面であり、メ
ッキ不析出はなく均一な色調のメッキ表面であった。結
果を表2に示した。
【0049】実施例13 実施例1で作製した導電層を有する窒化アルミニウム成
形体を、乾燥窒素/水素混合ガス(水素10%)を5l
/分流通させながら800℃、2時間加熱脱脂を行った
こと以外は実施例1と同様にして窒化アルミニウム基板
を得た。窒化アルミニウム基板の導電層表面は変色して
おらず、均一な面であり、メッキ不析出はなく均一な色
調のメッキ表面であった。結果を表2に示した。
【0050】実施例14 実施例1で作製した導電層を有する窒化アルミニウム成
形体を、乾燥窒素/水素混合ガス(水素10%)を7l
/分流通させながら800℃、2時間加熱脱脂を行った
こと以外は実施例1と同様にして窒化アルミニウム基板
を得た。窒化アルミニウム基板の導電層表面は変色して
おらず、均一な面であり、メッキ不析出はなく均一な色
調のメッキ表面であった。結果を表2に示した。
【0051】比較例8 実施例1で作製した導電層を有する窒化アルミニウム成
形体を、乾燥水素ガスを5L/分流通させながら800
℃、2時間加熱脱脂を行ったこと以外は実施例1と同様
にして窒化アルミニウム基板を得た。同時に加熱脱脂し
たテストサンプルの残炭率を調べたところ、450pp
mであった。結果を表2に示した。
【0052】比較例9 実施例1で作製した導電層を有する窒化アルミニウム成
形体を、乾燥窒素ガスを3L/分流通させながら800
℃、2時間加熱脱脂を行ったこと以外は実施例1と同様
にして窒化アルミニウム基板を得た。同時に加熱脱脂し
たテストサンプルの残炭率を調べたところ、2900p
pmであった。得られた窒化アルミニウム基板の導電層
表面には変色が発生していた。続いて該焼結体の導電層
表面に無電解Niメッキを施したところ、メッキ前の導
電層表面に変色が発生していた部位の一部にメッキ不析
出が発生した。結果を表2に示した。
【0053】実施例15〜19、比較例10,11 実施例1において、表2に示す1段目の焼成温度を変更
した以外は、実施例1と同様にした。その結果を表2に
示す。
【0054】実施例20〜23、比較例12,13 実施例1において、表2に示す2段目の焼成温度を変更
した以外は、実施例1と同様にした。その結果を表2に
示す。
【0055】実施例24 実施例1で作製した導電層を有する窒化アルミニウム成
形体を脱脂後、窒化アルミニウム製の容器に入れ、窒素
雰囲気中1580℃で6時間加熱し(1段目焼成)降温
した。同時に焼成したサンプルの残留炭素率を調べたと
ころ、160ppmであった。1段目焼成後再び、窒素
雰囲気中1855℃で10時間加熱した(2段目焼
成)。窒化アルミニウム基板の導電層表面は変色してお
らず、均一な面であり、メッキ不析出はなく均一な色調
のメッキ表面であった。結果を表2に示した。
【0056】比較例14 実施例1で作製した導電層を有する窒化アルミニウム成
形体を、乾燥窒素ガス1.5L/分流通させながら80
0℃、2時間加熱脱脂を行った。昇温速度は2.5℃/
分であった。同時に加熱脱脂したテストサンプルの残炭
率を調べたところ、4100ppmであった。脱脂後、
前記脱脂体を窒化アルミニウム製の容器に入れ、窒素雰
囲気中1580℃で6時間加熱し(1段目焼成)、降温
した。同時に焼成したサンプルの残留炭素率を調べたと
ころ、770ppmであった。1段目焼成後再び、窒素
雰囲気中1855℃で10時間加熱した(2段目焼
成)。得られた窒化アルミニウム基板の導電層表面には
変色が発生していた。続いて該焼結体の導電層表面に無
電解Niメッキを施したところ、メッキ前の導電層表面
に変色が発生していた部位の一部にメッキ不析出が発生
した。結果を表2に示した。
【0057】実施例25 実施例1で使用したものと同一の窒化アルミニウム粉末
100重量部、イットリア5重量部、分散剤としてn−
ブチルメタクリレート2重量部、バインダーとしてポリ
ブチルアクリレート11重量部、可塑剤としてジオクチ
ルフタレート7重量部、トルエン、イソプロピルアルコ
ール混合溶媒50重量部を秤量し、これらをボールミル
ポットに投入し、ナイロンボールを使用して十分混合し
た。得られたスラリーを脱泡装置にかけ、粘度を200
00cpsとした後、ドクターブレード方式のシート成
形機を用いて、ポリプロピレンフィルム上にシート状に
成形し、厚さ約0.5mmの窒化アルミニウムグリーン
シートを作製した。上記グリーンシートを65×65m
mに切断した。続いて、この窒化アルミニウムグリーン
シートを3枚積層した。積層圧力は、50kgf/cm
2、積層温度80℃、積層時間は20分であった。
【0058】このように作製した窒化アルミニウム成形
体に、実施例1で作製したタングステンペーストを成形
体の両表面に印刷した。印刷膜厚は、各々約20μmで
あった。
【0059】以上のように作製した導電層を有する窒化
アルミニウム成形体を、乾燥窒素ガスを10L/分流通
させながら800℃、2時間加熱脱脂を行った。昇温速
度は2.5℃/分であった。同時に加熱脱脂したテスト
サンプルの残留炭素率を調べたところ、2200ppm
であった。脱脂後、前記脱脂体を窒化アルミニウム製の
容器に入れ、窒素雰囲気中1550℃で4時間加熱し
(1段目焼成)、さらに1870℃で8時間加熱した
(2段目焼成)。得られた基板の窒化アルミニウム焼結
体の導電層表面は変色しておらず、均一な面であった。
また、基板の反りは30μmであった。続いて、該焼結
体の導電層表面に無電解Ni−Bメッキを施した。メッ
キ不析出も無く、均一な色調のメッキ表面であった。導
電層の密着強度を測定したところ、11.2kgfであ
った。サンプルの剥離モードは、いずれもロウ材内破壊
であった。
【0060】次に同時に脱脂、焼成したテストサンプル
(基板厚み0.9mm)の熱伝導率をレーザーフラッシ
ュ法により測定したところ220W/mKであった。
【0061】実施例26〜34、比較例15〜18 実施25において、表2に示す導電ペーストにおけるタ
ングステン粉の粒径及び、該ペーストへの窒化アルミニ
ウム粉末の添加量を変更した以外は、実施例25と同様
にした。その結果を表2示す。
【0062】実施例35 実施例25で作製した導電層を有する窒化アルミニウム
成形体を、乾燥窒素ガスを7L/分流通させながら80
0℃、2時間加熱脱脂を行ったこと以外は実施例25と
同様にして窒化アルミニウム基板を得た。窒化アルミニ
ウム基板の導電層表面は変色しておらず、均一な面であ
り、メッキ不析出はなく均一な色調のメッキ表面であっ
た。結果を表2に示した。
【0063】実施例36 実施例25で作製した導電層を有する窒化アルミニウム
成形体を、乾燥窒素ガスを23L/分流通させながら8
00℃、2時間加熱脱脂を行ったこと以外は実施例25
と同様にして窒化アルミニウム基板を得た。窒化アルミ
ニウム基板の導電層表面は変色しておらず、均一な面で
あり、メッキ不析出はなく均一な色調のメッキ表面であ
った。結果を表2に示した。
【0064】実施例37 実施例25で作製した導電層を有する窒化アルミニウム
成形体を、乾燥窒素/水素混合ガス(水素20%)を5
L/分流通させながら800℃、2時間加熱脱脂を行っ
た以外は実施例25と同様にして窒化アルミニウム基板
を得た。窒化アルミニウム基板の導電層表面は変色して
おらず、均一な面であり、メッキ不析出はなく均一な色
調のメッキ表面であった。結果を表2に示した。
【0065】実施例38 実施例25で作製した導電層を有する窒化アルミニウム
成形体を、乾燥窒素/水素混合ガス(水素20%)を7
L/分流通させながら800℃、2時間加熱脱脂を行っ
たこと以外は実施例25と同様にして窒化アルミニウム
基板を得た。窒化アルミニウム基板の導電層表面は変色
しておらず、均一な面であり、メッキ不析出はなく均一
な色調のメッキ表面であった。結果を表2に示した。
【0066】比較例19 実施例25で作製した導電層を有する窒化アルミニウム
成形体を、乾燥水素ガスを10L/分流通させながら8
00℃、2時間加熱脱脂を行った。昇温速度は2.5℃
/分であったこと以外は実施例25と同様にして窒化ア
ルミニウム基板を得た。同時に加熱脱脂したテストサン
プルの残炭率を調べたところ、450ppmであった。
結果を表2に示した。
【0067】比較例20 実施例25で作製した導電層を有する窒化アルミニウム
成形体を、乾燥窒素ガスを5L/分流通させながら80
0℃、2時間加熱脱脂を行った以外は実施例25と同様
にして窒化アルミニウム基板を得た。同時に加熱脱脂し
たテストサンプルの残炭率を調べたところ、3300p
pmであった。結果を表2に示した。
【0068】実施例39〜43、比較例21,22 実施例25において、表2に示す1段目の焼成温度を変
更した以外は、実施例25と同様にした。その結果を表
2に示す。
【0069】実施例44〜47、比較例23,24 実施例25において、表2に示す2段目の焼成温度を変
更した以外は、実施例25と同様にした。その結果を表
2に示す。
【0070】実施例48 実施例25で作製した導電層を有する窒化アルミニウム
成形体を脱脂後、窒化アルミニウム製の容器に入れ、窒
素雰囲気中1550℃で4時間加熱し(1段目焼成)、
降温した。同時に焼成したサンプルの残留炭素率を調べ
たところ、320ppmであった。1段目焼成後再び、
窒素雰囲気中1870℃で8時間加熱した(2段目焼
成)。窒化アルミニウム基板の導電層表面は変色してお
らず、均一な面であり、メッキ不析出はなく均一な色調
のメッキ表面であった。結果を表2に示した。
【0071】比較例25 実施例25で作製した導電層を有する窒化アルミニウム
成形体を、乾燥窒素ガスを1.2L/分流通させながら
800℃、2時間加熱脱脂を行った以外は実施例25と
同様にして窒化アルミニウム基板を得た。同時に加熱脱
脂したテストサンプルの残炭率を調べたところ、490
0ppmであった。結果を表2に示した。
【0072】
【表2】
【0073】
【表3】
【0074】
【表4】
【0075】
【表5】
【0076】
【表6】
【0077】
【表7】
【0078】
【表8】
【0079】
【表9】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒化アルミニウム焼結体の表面に導電層
    が形成されてなる基板において、窒化アルミニウム焼結
    体の熱伝導率が190W/mK以上であり、かつ窒化ア
    ルミニウム焼結体と導電層との密着強度が5.0kgf
    以上であることを特徴とする基板。
  2. 【請求項2】 窒化アルミニウム粉末、焼結助剤及び有
    機結合剤よりなる窒化アルミニウム成形体の表面に、平
    均粒径0.8〜5μmの高融点金属粉末100重量部及
    び窒化アルミニウム粉末11〜20重量部よりなる導電
    ペーストの層を形成し、窒化アルミニウム成形体中の残
    留炭素率が800〜2500ppmの範囲になるように
    脱脂した後、1200〜1700℃の温度で焼成し、次
    いで1800〜1900℃の温度で焼成することを特徴
    とする請求項1記載の基板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2011241117A (ja) * 2010-05-18 2011-12-01 Tokuyama Corp メタライズド窒化アルミニウム基板の製造方法

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