JP2830795B2 - 燃料電池の固体電解質膜用セラミックスシート - Google Patents

燃料電池の固体電解質膜用セラミックスシート

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JP2830795B2
JP2830795B2 JP7240292A JP24029295A JP2830795B2 JP 2830795 B2 JP2830795 B2 JP 2830795B2 JP 7240292 A JP7240292 A JP 7240292A JP 24029295 A JP24029295 A JP 24029295A JP 2830795 B2 JP2830795 B2 JP 2830795B2
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electrolyte membrane
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ceramic sheet
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規一 相川
秀樹 今井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は燃料電池の固体電解
質膜用セラミックスシートに関し、特に薄肉でうねり及
び反りが小さく、耐荷重強度及び曲げ強度に優れた固体
電解質膜用セラミックスシートに関するものであり、こ
のセラミックスシートは断熱性や電気絶縁性等に優れた
ものであり、燃料電池用の固体電解質膜として有効に活
用できる。
【0002】中でもジルコニアを主体とするセラミック
スシートは、その優れた酸素イオン伝導性、機械的強
度、靭性、耐摩耗性、耐薬品性、耐食性等を活用して、
燃料電池用の固体電解質膜として有効に活用できる。
【0003】
【従来の技術】セラミックスは、耐熱性や耐摩耗性等の
機械的性質に加えて電気的、磁気的特性、更には生体適
合性等にも優れたものであることから、多くの分野で広
く活用されている。中でもジルコニアを主体とするセラ
ミックスシートは、優れた酸素イオン伝導性や耐熱・耐
食性を有しているので、燃料電池用の固体電解質膜とし
て有効に活用することができる。これら用途に供するに
は緻密質セラミックスシートであることが好ましく、そ
のため通常は原料粉体として易焼結性のいわゆるサブミ
クロンの微粉末を用いている。しかし、微粉末を用いる
とバインダー成分の分解除去が難しく、また焼結に伴う
収縮が大きいため、特に肉薄のシート状成形体ではうね
りや反りが生じ易い。そして、これらのうねりや反りが
あると、外部から力が加わったときに応力集中を起こし
て割れを誘発するので、実際に固体電解質膜として使用
するときに大きな問題となる。
【0004】ところで、シート状セラミックスシートの
製法として一般的に実施されているのは、ジルコニア等
のセラミックス原料粉末と有機質バインダーおよび分散
媒とからなるスラリーを、ドクターブレード法、カレン
ダー法、あるいは押出し法等によってシート状に成形
し、これを乾燥して分散媒を揮発させてグリーンシート
を得、これを切断、パンチング等により適当なサイズに
揃えてからセッターに載せて焼成し、有機質バインダー
を分解除去後セラミックス粉末を焼結させる方法であ
る。
【0005】一般にグリーンシートを熱処理してセラミ
ックスシートを作製する場合、全面で均一な熱雰囲気的
条件(温度分布、雰囲気ガスの種類や濃度、雰囲気ガス
の流れなど)を確保することは極めて困難であるため、
一枚のシートの各部で不均一を生じて反りやうねりが発
生しやすい。たとえば、グリーンシート各部の脱脂条件
等にわずかな違いがあると、バインダーが均一に除去さ
れないでうねりを生じる。またグリーンシートは焼成時
に焼結に伴って収縮するが、シート各部にわずかでも熱
雰囲気的違いを生じると、収縮が不均一となってうねり
を生じたり割れたりする。特に厚さが1mm以下の薄い
セラミックスシートでは、自重が小さいので従来の厚い
シートに比べてシート自身が浮き易く、うねりも一層生
じ易くなる。
【0006】更に、収縮に伴ってシート各部が端部から
中央部へと移動する際に、セッターに僅かな凹凸があっ
たり摩擦が生じたりすると収縮が阻害され、うねりや割
れを生じ易くなる。
【0007】また、焼結後のサイズが400cm2 程度
までのシートの焼成では、高密度・高強度で比較的薄い
セッターを用いることができるが、それ以上の大きさで
は、高温でもたわまない様に多孔質で厚いセッターを用
いる必要があり、セッターが断熱性で且つ熱容量の極め
て大きなものとなるため、昇・降温時にセッターの端部
と中央で大きな温度の遅れが生じて熱的不均一を起こ
す。さらに、側面や天井部あるいは炉床部からヒーター
で加熱する方式の電気炉でグリーンシートを焼成する場
合には、炉に対してシートが大きいため、1枚のシート
でもヒーターに近い部分と遠い部分ができてシート各部
で熱的不均一が生じてくる。あるいは大型ガス炉の場合
は、空炉での均熱域の大きさには余裕があるが、大きい
セッターを用いるためにガス(炎)の通り道を十分に確
保できなくなり、やはり熱的不均一を生じやすい。これ
ら熱的不均一や収縮阻害は、焼結後のサイズが400c
2以上のシートに顕著に現れ、うねりやそりの原因と
なっていた。
【0008】この様にして得られるセラミックスシート
は、たとえ1段のセッターに1枚のグリーンシートを載
せて焼成したとしても少なからず反りやうねりを生じ、
生産性を上げる目的で1段のセッターに複数のグリーン
シートを重ねて載せて焼成するならば反りやうねりは更
に大きくなる。特にサブミクロンのセラミックス粉末原
料を用いて製造されるグリーンシートの焼成においては
その傾向が著しい。そして焼成後のセラミックスシート
に生じた反りやうねりは、該シートに荷重や曲げ力等が
かかったときに局部的な応力集中を引き起こして割れや
ヒビを生じる原因になる。こうした反りやうねりは、シ
ートに荷重をかけた状態で再焼成する方法などによって
矯正することも可能であるが、この矯正工程でシートに
割れやヒビを生じることも多く、歩留低下の大きな原因
になっているばかりでなく、焼成を2回以上行なうこと
はエネルギーの観点からしても好ましいことではない。
【0009】そこで、こうした難点を改善するための技
術として、たとえば特開平6−9268号公報に開示さ
れた様な方法が提案されている。この方法は、セラミッ
クスグリーンシートに荷重をかけた状態で焼成を行なう
ものであり、こうした方法を採用すると、焼成段階での
反りやうねりが可及的に抑制され、表面平坦度の比較的
良好なセラミックスシートを得ることができる。ところ
が上記の特徴が有効に発揮されるのは、400cm2
満の比較的小さなグリーンシートを一段のセッター上に
1枚ずつ載せて焼成する場合であって、たとえば225
cm2 を超える薄肉のグリーンシートを焼成する場合に
は、荷重をかける板をグリーンシート上に複数枚並べて
載せるので、板の継ぎ目のところでグリーンシートに跡
形がつき易いため、うねりや反りを十分に抑えることは
難しい。
【0010】他方、前述の様な用途に用いられるセラミ
ックスシートは、上記の様な理由もあって400cm2
程度未満の小版シートとして提供されてきたが、その用
途が多岐化してくるにつれて500cm2 以上、更には
600cm2 程度で且つ1mm以下といった薄肉大版セ
ラミックスシートの需要も増大してきている。しかしな
がら、この様な薄肉大版のセラミックスシートでは上記
の様に焼成時に生じる反りやうねりを少なく抑えること
が非常に難しく、表面平坦度が高く耐荷重強度、曲げ特
性等において需要者の要求をみたす様なものは得られて
いないのが実情である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述した様な
問題点に着目してなされたものであって、その目的は、
400cm2 以上で且つ0.4mm以下といった薄肉大
版セラミックスシートを対象とし、反りおよびうねりが
少なく表面平坦度が高く耐荷重強度やたわみ強度に優れ
た燃料電池の固体電解質膜用(以下、単に固体電解質膜
用ということがある)セラミックスシートを提供しよう
とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明に係る固体電解質膜用セラミックスシー
トは、面積が400cm2 以上で且つ厚さが0.4mm
以下、最大うねり高さが100μm以下、反り量が0.
1%以下であり、且つ下記の荷重負荷試験とたわみ負荷
試験を順に行なったときにおける割れ・ひびの発生頻度
が枚数基準で10%以下であるところに存在する。 (荷重負荷試験) セラミックスシートを、平滑面を有する緻密質アルミナ
板に挟み込み、該セラミックスシートの全面に対して
0.1kgf/cm2 の荷重を加える (たわみ負荷試験) セラミックスシートの相対する2辺に、セラミックスシ
ートの表面と平行でかつ互いに押し合う方向に力を加
え、セラミックスシートをたわませる試験であり、たわ
み高さをh[mm]、相対する2辺の距離をd[m
m]、セラミックスシートの厚さをt[mm]としたと
き、 h=0.002×d/t2 (但し、h≦0.1×d) たわませる操作を、1回/秒で且つ表裏方向に交互に6
回繰り返す。
【0013】本発明に係る上記セラミックスシートは、
ジルコニアを主成分とするものが好ましく、またこれら
の中には、他の成分として、Y,Ce,Ca,Mg,T
i,Si,Alよりなる群から選択される少なくとも1
種の金属の酸化物を含むものも好ましいものとして挙げ
られ、とりわけ好ましいのは立方晶ジルコニアを主成分
とするものであり、これらのセラミックスシートは、燃
料電池の固体電解質膜として有効に活用することができ
る。
【0014】そして、上記セラミックスシートの原料と
なる粉体としては、平均粒子径が0.1〜0.5μmで
あり、且つ該粉体の90体積%以上が1μm以下の粒子
径を有するものを使用することによって、緻密で一段と
表面精度の高い固体電解質膜用セラミックスシートとな
る。該セラミックスシートの好ましい密度は、理論密度
に対して90%以上の密度を有するものであり、該シー
トの形状は用途によって変わってくるので、一概に決め
ることはできないが、燃料電池などの固体電解質膜用と
して最も一般的なのは正方形もしくは長方形のものであ
る。
【0015】尚、該セラミックスシートの製造は、一般
的な方法によっても可能であるが、前述の如き平坦度を
効率よく得るため、セラミックスグリーンシートを焼成
してセラミックスシートを製造する際に、理論密度に対
して30〜85%の嵩密度を有すると共に、上記グリー
ンシートの焼成温度に至るまでの加熱による収縮率が5
%以下である多孔質シートを、前記グリーンシートの周
縁がはみ出さない様に載せて、または該多孔質シートの
間に前記グリーンシートをその周縁がはみ出さない様に
挟み込んで焼成する方法を採用することが望ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】上記の様に本発明の固体電解質膜
用セラミックスシートは、面積が400cm2 以上で且
つ厚さが0.4mm以下、最大うねり高さが100μm
以下、反り量が0.1%以下であり、且つ前述の荷重負
荷試験とたわみ負荷試験を順に行なったときの、割れや
ひびの発生頻度が枚数基準で10%以下であるセラミッ
クスシートであり、この様な性状と強度特性を備えた固
体電解質膜用セラミックスシートは、後述する如くセラ
ミックスグリーンシートを焼成してセラミックスシート
を製造する際に、理論密度に対して30〜85%の嵩密
度を有すると共に、上記グリーンシート以上の焼成温度
に至るまでの加熱による収縮率が5%以下である多孔質
シートの間に、上記グリーンシートを、その周縁がはみ
出さない様に挟み込んで焼成し、あるいは上記と同様の
多孔質シートを、上記グリーンシートの周縁がはみ出さ
ない様に載せて焼成することによって得ることができ
る。
【0017】即ちこの様な方法を採用すると、焼成時に
おけるシートの変形が可及的に防止され、最大うねり高
さが100μm以下、反り量が0.1%以下で非常に優
れた平坦性を有しており、しかも前述の荷重負荷試験と
たわみ負荷試験によっても割れやひび等を生じることの
少ない優れた特性のセラミックスシートとなる。そして
これらの特性は、従来から知られた燃料電池の固体電解
質膜用セラミックスシートには見られない特性であり、
該セラミックスシート自体、前述の形状特性(平坦度)
と強度特性(耐荷重強度および耐たわみ強度)におい
て、燃料電池用として使用される公知の固体電解質膜用
セラミックスシートとは明確に区別できるものである。
【0018】ここで面積を400cm2 以上と定めたの
は、これ未満の小サイズのセラミックスシートでは、燃
料電池の固体電解質膜用セラミックスシートの大サイズ
化を意図する本発明の目的にそぐわなくなるばかりでな
く、公知の固体電解質膜用セラミックスシートに対する
優位性を発揮することができず、且つその様な小サイズ
の固体電解質膜用セラミックスシートであれば、上記の
様な特異な方法を採用するまでもなく平坦度が良好で且
つ耐荷重強度や耐たわみ強度においても優れた性能を有
するものが得られ易いからである。また厚さを0.4m
m以下と定めたのは、これよりも厚肉の固体電解質膜用
セラミックスシートでは焼成時に生じる反りやうねりの
程度が比較的少なく、上記平坦度の要求を満足するもの
が容易に得られるからである。
【0019】また本発明で定める最大うねり高さとは、
固体電解質膜用セラミックスシートに生じたうねりのう
ち最も大きいものの高さをいい、この値を100μm以
下と定めたのは、この値が100μmを超えるものでは
平坦度向上による本発明の特徴(特に耐荷重強度の向上
等)が有効に発揮されないからである。本発明の特徴を
より効果的に発揮させる上で特に好ましい最大うねり高
さは50μm以下であり、更に好ましくは、加えて最大
高さ(Rmax )が1μm以下のものである。
【0020】また本発明で定める反り量とは、反り高さ
をシートの長さで割った値の百分率を意味し、この値を
0.1%以下と定めたのは、この値を超える反り量のシ
ートでは、シート面に平行な外力が作用したとき該反っ
た部分に曲げ応力が作用して割れを生じる原因になるか
らである。本発明の特徴を一層効果的に発揮させる上で
より好ましい反り量は0.06%以下である。
【0021】更に本発明の固体電解質膜用セラミックス
シートは、前記荷重負荷試験とたわみ負荷試験による割
れやひびの発生頻度が10%以下である点にも大きな特
徴を有しており、こうした特性は、該固体電解質膜用セ
ラミックスシートを多数重ね合わせて燃料電池用の固形
電解質膜として使用する場合、該シートにかかる荷重や
曲げ方向にかかる外力によって割れやヒビを生じてその
特性が損なわれるのを防止する上で極めて重要な特性と
なる。尚、前述のたわみ負荷試験を行なうと、固体電解
質膜用セラミックスシートに僅かでもひびがあると割れ
てしまう。従って、もし荷重負荷試験において目視では
認められない様な微細なひびが生じていたら、たわみ負
荷試験で割れることになる。そのため、本発明に係る固
体電解質膜用セラミックスシートの性能評価試験におい
ては、荷重負荷試験の後にたわみ負荷試験を実施するこ
とが必要となる。
【0022】ちなみに、面積が400cm2 以上で且つ
厚さが1mm以下である従来のセラミックスシートは、
前述の様な理由から少なからずうねりや反りを有してお
り、その結果、前述の様な荷重負荷試験とたわみ負荷試
験を行なうと割れやひびを起こし、実用価値を著しく損
なったり極端な場合は実用性を喪失する。しかしながら
本発明の固体電解質膜用セラミックスシートは、上記の
様に最大うねり高さや反り量が非常に小さく、前述の様
な荷重負荷試験やたわみ負荷試験を行なっても割れやひ
びを起こすことが少なく、こうした特性においても、燃
料電池用として用いられる従来の固体電解質膜用セラミ
ックスシートと明確に区別し得るものである。
【0023】本発明に係る固体電解質膜用セラミックス
シートの形状は、正方形、長方形、円形は勿論のこと、
必要に応じて三角形、五角形等の多角形や楕円形などと
することもでき、更には上記形状内に穴や切欠き等のあ
るものなどであってもかまわないが、燃料電池用の固体
電解質膜などとして実用化するときの最も一般的なの
は、正方形状または長方形状のものである。
【0024】本発明に係る固体電解質膜用セラミックス
シートの構成素材は、用途や使用目的等に応じて例えば
アルミナ、ジルコニア、セリア、チタニア、シリカ、ム
ライト、コージェライト、スピネル、フォルステライ
ト、アノーサイト、セルシアン、エンスタタイト、窒化
アルミニウム、窒化珪素など種々のものを選択すること
ができるが、特に好ましいのは、ジルコニアを主成分と
するもの(好ましくは60重量%以上、より好ましくは
80重量%以上)、あるいはこれに、他の成分として、
Y,Ce,Ca,Mg,Ti,Si,Alよりなる群か
ら選択される少なくとも1種の金属の酸化物を含む(好
ましくは40重量%程度以下、より好ましくは20重量
%以下)ものである。最も好ましいのは、立方晶のジル
コニアを主成分とするものである。
【0025】そして、これら素材からなる固体電解質膜
用セラミックスシートの好ましい密度は、理論密度に対
して90%以上(好ましくは95%以上)のものであ
り、たとえば前述の形状特性、即ち最大うねり高さと反
り量を満足する広さ20cm角×0.2mm厚のイット
リア完全安定化ジルコニア(立方晶ジルコニア)主体の
セラミックスシートは、耐荷重強度で0.1kgf/c
2 以上で、且つ前述のたわみ負荷試験に耐え、しかも
平均三点曲げ強度で35kgf/mm2 以上の高い値を
示すものであり、燃料電池の固体電解質膜用として非常
に優れた熱的、機械的、物理的、電気的、化学的特性を
示すものが得られる。
【0026】本発明の固体電解質膜用セラミックスシー
トは、前述の様な形状特性と強度特性を有するところに
特徴を有するものであって、その製法は特に制限されな
いが、次に示す様な方法を採用すれば、上記特性を備え
た燃料電池の固体電解質膜用セラミックスシートを容易
に得ることができる。
【0027】即ち、前述の様なセラミックス素材を適当
なバインダーと混練しシート状に形成して得られるセラ
ミックスグリーンシートを焼成してセラミックスシート
を製造するに当たり、該グリーンシートの焼成温度に至
るまでの加熱による収縮率が5%以下であり、且つ理論
密度に対して30〜85%の嵩密度を有する多孔質シー
トの間に、前記グリーンシートを、その周縁がはみ出さ
ない様に挟み込んで焼成し、あるいは上記と同様の多孔
質シートを、前記グリーンシートの周縁がはみ出さない
様に載せて焼成する方法である。
【0028】即ち、前述の様なセラミックス原料粉末と
有機質もしくは無機質バインダーおよび溶媒の混合物か
らなるスラリーを、ドクターブレード法、カレンダー
法、押出し法などによって平滑な基材上に所定の厚みで
塗布し、乾燥して溶媒を揮発除去することによりグリー
ンシートを得、これを上記の条件で焼成する。該グリー
ンシート製造に使用されるセラミックス原料粉末の素材
は前記した通りであるが、該グリーンシートの製造に当
たっては、平均粒子径が0.1〜0.5μmであり、且
つ粒子径が揃っており、具体的には、該粉体の90体積
%以上の粒子が1μm以下の粒子径の粉体を用いること
が好ましい。より好ましくは、平均粒子径が0.2〜
0.3μmであり、90体積%以上の粒子が0.7μm
以下である。更に好ましくは、90体積%以上の粒子が
0.07μm以上である様な、粒子径の揃った粉体であ
る。ここで粒子径分布は、(株)島津製作所製レーザー
回折式粒度分布測定装置SALD−1100を用い、
0.2重量%メタリン酸ナトリウム水溶液を分散媒とし
て測定した値である。
【0029】しかして、セラミックス原料粉末の平均粒
子径が小さ過ぎる場合は、それ自身の焼結性が良好で緻
密な固体電解質膜用セラミックスシートが得られ易いと
いう利点の反面、焼成時におけるバインダー成分の分解
放出が均一に起こりにくくなる傾向が生じ、結果として
固体電解質膜用セラミックスシート全体としての均質性
に悪影響が現われ、逆に平均粒子径が大き過ぎる場合
は、焼成時のバインダー成分の分解放出は万偏なく均一
に進行するものの、焼結不良となって密度を十分に高め
ることができなくなり、本発明で意図する「理論密度に
対して90%以上」といった密度を有する固体電解質膜
用セラミックスシートが得られにくくなるからである。
また、原料粉体の粒度分布が広く、特に粒子径の大きい
粒子が存在すると、バインダー成分の分解放出が不均一
となり、更には焼結過程で不均一な収縮を起こしてうね
りを生じ易い。これらの効果は、ジルコニアを主成分と
する固体電解質膜用セラミックスシートにおいて顕著に
現れる。
【0030】本発明で用いられるバインダーの種類にも
格別の制限はなく、従来から知られた有機質もしくは無
機質のバインダーを適宜選択して使用することができ
る。有機質バインダーとしては、例えばエチレン系共重
合体、スチレン系共重合体、アクリレート系及びメタク
リレート系共重合体、酢酸ビニル系共重合体、マレイン
酸系共重合体、ビニルブチラール系樹脂、ビニルアセタ
ール系樹脂、ビニルホルマール系樹脂、ビニルアルコー
ル系樹脂、ワックス類、エチルセルロース等のセルロー
ス類等が例示される。
【0031】これらの中でもグリーンシートの成形性や
強度、焼成時の熱分解性等の点から、メチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチ
ルアクリレート、イソブチルアクリレート、シクロヘキ
シルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等
の炭素数10以下のアルキル基を有するアルキルアクリ
レート類、およびメチルメタクリレート、エチルメタク
リレート、ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリ
レート、オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシル
メタクリレート、デシルメタクリレート、ドデシルメタ
クリレート、ラウリルメタクリレート、シクロヘキシル
メタクリレート等の炭素数20以下のアルキル基を有す
るアルキルメタクリレート類、ヒドロキシエチルアクリ
レート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシ
エチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレ
ート等のヒドロキシアルキル基を有するヒドロキシアル
キルアクリレートまたはヒドロキシアルキルメタクリレ
ート類、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチル
アミノエチルメタクリレート等のアミノアルキルアクリ
レートまたはアミノアルキルメタクリレート類、(メ
タ)アクリル酸、マレイン酸、モノイソプロピルマレー
ト等のマレイン酸半エステル等のカルボキシル基含有モ
ノマーの少なくとも1種を重合または共重合させること
によって得られる、数平均分子量が20,000〜20
0,000、より好ましくは50,000〜100,0
00の(メタ)アクリレート系共重合体が好ましいもの
として推奨される。これらの有機質バインダーは、単独
で使用し得る他、必要により2種以上を適宜組み合わせ
て使用することができる。特に好ましいのはイソブチル
メタクリレートおよび/または2−エチルヘキシルメタ
クリレートを60重量%以上含むモノマーの重合体であ
る。
【0032】また無機質バインダーとしては、ジルコニ
アゾル、シリカゾル、アルミナゾル、チタニアゾル等が
単独で若しくは2種以上を混合して使用することができ
る。
【0033】セラミックス原料粉末とバインダーの使用
比率は、前者100重量部に対して後者5〜30重量
部、より好ましくは10〜20重量部の範囲が好適であ
り、バインダーの使用量が不足する場合は、グリーンシ
ートの強度や柔軟性が不十分となり、逆に多過ぎる場合
はスラリーの粘度調節が困難になるばかりでなく、焼成
時のバインダー成分の分解放出が多く且つ激しくなって
均質なシートが得られにくくなる。
【0034】またグリーンシートの製造に使用される溶
媒としては、水、メタノール、エタノール、2−プロパ
ノール、1−ブタノール、1−ヘキサノール等のアルコ
ール類、アセトン、2−ブタノン等のケトン類、ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭
化水素類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢
酸エステル類等が適宜選択して使用される。これらの溶
媒も単独で使用し得る他、2種以上を適宜混合して使用
することができる。これら溶媒の使用量は、グリーンシ
ート成形時におけるスラリーの粘度を加味して適当に調
節するのがよく、好ましくはスラリー粘度が10〜20
0ポイズ、より好ましくは10〜50ポイズの範囲とな
る様に調整するのがよい。
【0035】上記スラリーの調製に当たっては、セラミ
ックス原料粉末の解膠や分散を促進するため、ポリアク
リル酸、ポリアクリル酸アンモニウム等の高分子電解
質、クエン酸、酒石酸等の有機酸、イソブチレンまたは
スチレンと無水マレイン酸との共重合体およびそのアン
モニウム塩あるいはアミン塩、ブタジエンと無水マレイ
ン酸との共重合体およびそのアンモニウム塩等からなる
分散剤、グリーンシートに柔軟性を付与するためのフタ
ル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル等のフタル酸エステ
ル類、プロピレングリコール等のグリコール類やグリコ
ールエーテル類からなる可塑剤など、更には界面活性剤
や消泡剤などを必要に応じて添加することができる。
【0036】上記の原料配合からなるスラリーを前述の
様な方法でシート状に成形し、乾燥してセラミックスグ
リーンシートを得た後、これを加熱焼成することによっ
て本発明の固体電解質膜用セラミックスシートを製造す
る。この焼成工程で、本発明では反りやうねりを生じる
ことなく平坦性の高い固体電解質膜用セラミックスシー
トを得るための手段として、該グリーンシート以上の面
積を有し、且つ該グリーンシートの焼成温度に至るまで
の加熱による収縮率が5%以下であり、しかも理論密度
に対して30〜85%の嵩密度を有する多孔質シートの
間に、前記グリーンシートを、その周縁がはみ出さない
様に挟み込んで焼成し、あるいは上記多孔質シートを前
記グリーンシートの周縁がはみ出さない様に載せてから
焼成を行なうことが望ましい。
【0037】ここで使用される多孔質シートは、本発明
に係る平坦度の高い固体電解質膜用セラミックスシート
を得る上で最も重要なポイントとなる。即ち、先に説明
した様に400cm2 程度未満の小サイズの固体電解質膜
用セラミックスシートを製造する場合は、平坦なシート
状の重しをかけた状態で焼成することによって、平坦度
の比較的高い固体電解質膜用セラミックスシートがまれ
に得られることもあるが、400cm2 以上の面積を有
し且つ厚みが1mm以下の薄肉の固体電解質膜用セラミ
ックスシートになると、セラミックスグリーンシートの
焼成に伴うバインダーの分解放出や体積収縮の進行が不
均一となり、特にシートの中央部付近でバインダー分解
ガスの放出不足による焼結不良によって密度が十分に上
がらなくなったり反りが生じ、また周辺側では体積収縮
の不均一によってうねりを生じ易く、本発明で意図する
様な平坦度と強度特性の固体電解質膜用薄肉セラミック
スシートが得られにくくなる。特に自重の小さい厚みが
0.4mm以下の薄いシートでは、不均一な部分が容易
に持ち上がるため、周辺側のうねりが生じ易い。
【0038】ところが、上記の様にグリーンシート以上
の面積を有し、且つ少なくとも該グリーンシートの焼成
温度に至るまでの加熱による収縮率が5%以下であり、
しかも理論密度に対して30〜85%の嵩密度を有する
多孔質シートを焼成時の支持矯正用として使用し、該多
孔質シートの間に前記グリーンシートをその周縁がはみ
出さない様に挟み込んで焼成し、あるいは上記多孔質シ
ートを前記グリーンシートの周縁がはみ出さない様に載
せてから焼成を行なえば、上記の様なバインダー分解ガ
スの放出不良による焼結不足やうねり、更には反り等が
著しく抑えられ、平坦度や強度特性の非常に優れた薄肉
の固体電解質膜用セラミックスシートが得られるのであ
る。
【0039】ちなみに、多孔質シートのサイズが被焼結
物であるグリーンシートよりも小さくて、焼結時にグリ
ーンシートの周辺が多孔質シートからはみ出す時は、該
はみ出し部においてグリーンシートの変形が起こって平
坦度の高い固体電解質膜用セラミックスシートを得るこ
とができず、複数枚の小さい多孔質シートを並べて使用
した場合、その継ぎ目のところでセラミックスシートに
跡形が残ることがある。また、該グリーンシート焼成温
度に至るまでの加熱による多孔質シートの収縮率が5%
を超える時は、該多孔質シートを安定して複数回使用す
ることができないばかりでなく、グリーンシート焼成時
に生じる多孔質シートの収縮によって平坦度矯正効果が
有効に発揮されなくなり、やはり平坦度の高い固体電解
質膜用セラミックスシートを得ることができない。
【0040】グリーンシートの焼成に当たっては、全面
で均一な熱雰囲気的条件を確保することが極めて困難で
あるため、先に述べた様な不均一を生じて反りやうねり
が発生し易いが、上記の方法では、グリーンシートの全
面を前述の様な多孔質シートで覆うことにより、これら
の熱雰囲気的な不均一を大いに緩和することができ、加
えて重しの効果により反りやうねりを抑えることができ
るため、焼成は電気炉、ガス炉あるいはバッチ式炉、連
続式炉など種々の炉での焼成が可能である。また、炉の
雰囲気によっては、断熱材やヒーターあるいは他の被焼
成物に由来するFe,Si,Al,Moの酸化物などの
粒子が飛来し、シート表面に付着する場合もあるが、本
方法ではシート表面を多孔質シートで保護するため、こ
れらの付着をも防ぐことができる。
【0041】上記方法で用いられる多孔質シートの嵩密
度を規定したのは、表面をより緻密にしてグリーンシー
ト焼成時における表面矯正効果を有効に発揮させると共
に、焼成時にバインダーの熱分解によって生成するガス
成分を速やかに外部へ放出させて脱脂を促進させるため
であり、該嵩密度が理論密度に対して30%未満である
ものでは、分解ガスの放出は問題なく効率よく進行する
が、強度不足によってハンドリング性が悪化し、複数回
の繰り返し使用が困難になる他、表面の平滑性が悪くな
って矯正効果も不十分となり、満足のいく表面精度の固
体電解質膜用セラミックスシートが得られにくくなる。
一方85%を超える嵩密度の多孔質シートを使用する
と、通気性の低下によって脱脂効果および分解ガスの放
出が不十分となり、割れ、反り、しわ等を生じる原因に
なる。ここで嵩密度の簡便な測定には、多孔質シートの
重さを、面積と厚さの積から算出した体積で除して求め
る。
【0042】しかしながら、上記の様にグリーンシート
以上の面積(好ましくは1.0〜1.5倍、より好まし
くは1.0〜1.2倍)を有し、且つ少なくとも該グリ
ーンシートの焼成温度に至るまでの加熱による収縮率が
5%以下(より好ましくは0.1%以下)であり、しか
も理論密度に対して30〜85%(より好ましくは45
〜65%)の嵩密度を有する多孔質シートを焼成時の支
持矯正用として使用し、該多孔質シートの間に前記グリ
ーンシートの周縁がはみ出さない様に挟み込んで焼成
し、あるいは上記多孔質シートを前記グリーンシートの
周縁がはみ出さない様に載せてから焼成を行なえば、該
多孔質シートの優れた表面矯正効果が有効に発揮される
と共に脱脂効果や分解ガスの放出もスムーズに行なわ
れ、得られる薄肉セラミックスシートは非常に均質で且
つ平坦度が高く、本発明で規定する、最大うねり高さが
100μm以下、反り量が0.1%以下で、且つ前記荷
負荷重試験とたわみ負荷試験での割れやひびの発生頻度
が10%以下、という特性を満足する高品質のものとな
る。
【0043】特にうねり量について詳述すると、固体電
解質膜用セラミックスシートの面積が大きく、厚みが薄
くなる程うねりは大きくなる傾向があるが、上記の方法
を採用すると[うねり量(μm)×厚み(mm)/最大
長さ(mm)]の値が0.45以下、好ましくは0.1
以下、より好ましくは0.06以下、さらに好ましくは
0.03以下とすることができ、強度特性においても非
常に優れた固体電解質膜用の薄肉セラミックスシートを
得ることが可能となる。ここで最大長さとは、長方形や
正方形ならば対角線、円盤ならば直径に相当する長さで
ある。
【0044】上記方法の中でも、前記した平坦度と強度
特性を満たす固体電解質膜用セラミックスシートが最も
得られ易いのは、多孔質シートの間にグリーンシートを
挟み込んで焼成する方法である。上記で述べた様に、該
多孔質シートの代わりに上記要件を満たさないシートを
用いると、たとえ1段のセッターに1枚のグリーンシー
トを載せて焼成したとしても少なからず反りやうねりを
生じ、生産性を上げる目的で1段のセッターに複数枚の
グリーンシートを重ねて載せて焼成するならば更に大き
な反りやうねりを生じる。ところが、上記方法ではこの
様な問題が生じないため、一度に多くの固体電解質膜用
セラミックスシートを歩留まりよく生産することがで
き、焼成効率も著しく高められるので好ましい。
【0045】上記の様な嵩密度を有する多孔質シートの
素材や製法などは特に制限されず、セラミックスグリー
ンシートの製造原料として例示したのと同様の無機質粉
末と有機質もしくは無機質のバインダーおよび溶媒を含
むスラリーを用いてグリーンシートを得、これを前記好
適嵩密度範囲となる様に焼成条件を調節して焼成するこ
とにより得ることができる。このとき無機質粉末として
平均粒子径が2〜100μm、より好ましくは30〜8
0μmの粉末を使用すれば、前記好適嵩密度範囲の多孔
質シートが得られ易い。該多孔質シートの嵩密度は、焼
成条件によってコントロールできる他、用いる無機質粉
末の平均粒子径やバインダーの種類を変えたり、更には
焼結助剤の添加量を変えることによっても調整すること
が可能である。平均粒子径がこの範囲より小さい粉末を
使用すると、嵩密度の制御が困難となり、大きい粉末を
使用すると多孔質シートの表面の平滑性が失われ、セラ
ミックスシートに凹凸をうつしてしまう。
【0046】いずれにしても、該多孔質シート製造時の
焼成条件は、該多孔質シートを用いてセラミックスグリ
ーンシートの焼成を行なう時の条件も加味して、該グリ
ーンシートの焼成温度に至るまでの加熱による収縮率が
5%以下となる様に原料および焼成条件を設定すること
が望まれる。従って、多孔質シートを得るときの焼成温
度は、セラミックスグリーンシートの焼成温度以上に設
定することが望ましい。例えば、ジルコニア主体の固体
電解質膜用セラミックスシートを製造するときに使用さ
れる多孔質シートの構成素材としては、ジルコニアもし
くはジルコニアよりも焼結温度の高いセラミックス粉末
原料、例えばアルミナ、チタニア、セリアなどを選択す
るのがよい。
【0047】尚ここで使用される多孔質シートは、上記
の様に脱脂促進および分解ガスの放出促進と表面矯正作
用を発揮するものであり、その好ましい厚みは0.1〜
2mm、より好ましくは0.1〜1mm、好ましい重さ
(単位面積当たりの重さ、以下同じ)は0.01〜1g
/cm2 、より好ましい重さは使用形態によって異な
り、詳細は後で述べる。多孔質シートは薄過ぎるもので
は強度不足によってハンドリング性が低下すると共に表
面矯正効果も有効に発揮されにくくなり、また軽量に過
ぎるものでは、重しとしての機能が有効に発揮されにく
くなって反りやうねり防止効果が不十分となる。逆に厚
過ぎて重くなったりそれ自身重過ぎるものを使用する
と、グリーンシート焼成時にグリーンシートと多孔質シ
ートとの間の摩擦が大きくなってシート表面に傷が入り
易く、さらにグリーンシートの収縮が均一に進行しにく
くなり、歪みを生じたり亀裂を生じる恐れがでてくる。
【0048】上記の様な多孔質シートを用いてセラミッ
クスグリーンシートの焼成を行なうに当たっては、例え
ば図1に示す様に下面側の整形を兼ねたセッター1上に
セラミックスグリーンシート2を重ね合わせ、この上に
重しを兼ねた多孔質シート3aを載せて焼成を行なう方
法、あるいは図2に示す様に、断熱性セッター1上に多
孔質シート3、セラミックスグリーンシート2、重しを
兼ねた多孔質シート3aを重ね合わせて焼成を行なう方
法、の様に、セラミックスグリーンシートを1枚づつ焼
成することも勿論可能であるが、生産性を高める上で
は、例えば図3に示す様に複数枚のセラミックスグリー
ンシート2,2,……を夫々多孔質シート3に挟んで重
ね合わせ、一番上に重しを兼ねた厚めの多孔質シート3
aを載せて焼成を行なう方法であり、この様な方法を採
用すれば、一度の焼成で複数枚の固体電解質膜用セラミ
ックスシートを得ることができるので好ましい。焼成の
最上段の多孔質シート3aは、多孔質シート3と同じ形
状のものでも良いが、重しの効果を得るため、多孔質シ
ート3よりも重くすることが好ましい。より好ましい重
さは、多孔質シート3が0.01〜0.25g/cm
2 、多孔質シート3aが0.2〜1g/cm2 である。
【0049】上記方法を採用する際に用いられる多孔質
シートは、前述の如く理論密度に対する嵩密度が30〜
85%であって且つ該グリーンシート焼成条件下では殆
ど焼結が進まず、優れた通気性が確保されているので、
上記の様に複数枚重ね合わせた状態で焼結を行なって
も、グリーンシートの焼成時に発生するバインダー分解
ガスの放出はスムーズに進行し、均質な固体電解質膜用
セラミックスシートを容易に得ることができるのであ
る。
【0050】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明の構成および作
用効果をより詳細に説明するが、本発明はもとより下記
実施例によって制限を受けるものではなく、前後記の趣
旨に適合し得る範囲で適当に変更して実施することも可
能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含ま
れる。
【0051】実施例1 [ジルコニアグリーンシートの作製]14.8モル%の
塩化イットリウムを含むオキシ塩化ジルコニウムの水溶
液をアンモニア水に滴下して得られた沈殿を洗浄、乾燥
後、1000℃で焼成してジルコニア粉末を得た。この
粉末の平均粒子径は、1.5μmであり、90体積%の
粒子が3μm以下であった。
【0052】この粉末に純水を加えて20重量%とし、
ビーズミルを用いて2時間粉砕した後、500℃で乾燥
することにより、平均粒子径0.22μm、0.7μm
以下の粒子が92体積%、また0.1μm以上の粒子が
90体積%であるジルコニア粉体を得た。この粉体10
0重量部を原料とし、イソブチルメタクリレート単位を
60重量%と2−エチルヘキシルメタクリレート単位を
20重量%を含むアクリル系バインダー15重量部、溶
剤として酢酸エチル40重量部、可塑剤としてジブチル
フタレート2重量部を加え、ボールミルにより混合して
から、粘度を調整し、ドクターブレード法により0.2
5mm厚のジルコニアグリーンシートとした。
【0053】[多孔質シートの作製]平均粒子径55μ
mの低ソーダアルミナ粉末を、アクリル系バインダーを
用いてドクターブレード法により0.2mm厚の多孔質
シート用グリーンシートとした。このグリーンシートを
切断し、500℃で脱脂後1500℃で焼成し、多孔質
シートを得た。この多孔質シートの嵩密度は、理論密度
に対して50%であり、重さは0.03g/cm2 であ
った。
【0054】[重し用多孔質シートの作製]上記多孔質
シートと同様にして0.6mm厚の多孔質シート用グリ
ーンシートを得、このグリーンシート2枚を張り合せて
から焼成した。この重し用多孔質シートの嵩密度は、理
論密度の64%であり、重さは0.24g/cm2 であ
った。
【0055】 [燃料電池の固体電解質膜用ジルコニアシートの作製] 60cm角のセッターの中央に、約42cm角の多孔質
シートを載せ、その上に約40cmに切断したジルコニ
アグリーンシートと多孔質シートを1枚づつ交互に合計
6枚重ねて置いた。さらに、その上に重し用多孔質シー
トを載せた。500℃で脱脂後、1400℃で焼成し、
30cm角、0.2mm厚の固体電解質膜用ジルコニア
シートを得た。このシートは平坦で、最大高さ(R
max )は0.8μmであり、全面に140kgの荷重を
かけてもクラック等の発生は認められなかった。また、
ダイヤモンドカッターにより切り出した5×50mmの
試料の3点曲げ強度は、平均42kg/mm2 であっ
た。尚、多孔質シートの寸法を、固体電解質膜用ジルコ
ニアシート焼成に使用する前と後に定規で測定したが、
収縮は認められなかった。
【0056】実施例2 上記実施例1において、固体電解質膜用ジルコニアシー
ト作製時に32cm角のセッターを使用し、28cm角
の多孔質シートと約26cm角のジルコニアグリーンシ
ートを交互に8枚重ね、更にその上に重し用多孔質シー
トを載せて焼成した以外は全く同様にして、20cm
角、0.2mm厚の固体電解質膜用ジルコニアシートを
得た。得られた燃料電池の固体電解質膜用ジルコニアシ
ートのうち、最大の反りおよび最大うねり高さを表1に
示した。
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】比較例1 実施例1と同様にして作製したジルコニアグリーンシー
トを、セッターの中央に1枚だけ置いた。500℃で脱
脂後、ガス炉において1400℃で焼成し、20cm
角、0.2mm厚のジルコニアシートを得た。このシー
トは、うねりがやや大きかった。また、表面にはシリカ
・アルミナ質の微小な粒子が数個付着していた。尚、実
施例1ではこの様な付着はなかった。
【0062】比較例2 アルミナ粉末とアクリル系バインダーを用いて、ドクタ
ーブレード法により0.08mm厚のアルミナグリーン
シートとした。32cm角のセッターの中央に、このア
ルミナグリーンシートを載せ、さらに28cm角に切断
した実施例1のジルコニアグリーンシートとアルミナグ
リーンシートを1枚づつ交互に合計7枚重ねて置いた。
500℃で脱脂後、1400℃で焼成したところ、極め
てうねりの大きいシートとなった。なお、全面でうねり
が大きいため、反りの測定はできなかった。うねり矯正
のため荷重をかけて再び1400℃で熱処理したが、割
れてしまった。上記実施例および比較例で得られたシー
トの最大うねり高さ、反り量、荷重負荷試験とたわみ負
荷試験による割れ、ひびの発生頻度は表1に示す通りで
あった。
【0063】
【表1】
【0064】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、4
00cm2 以上の面積を有する大版でありながら、最大
うねりと反りが非常に小さく、且つ荷重強度とたわみ強
度に優れた、従来材に比べて大版で形状特性と強度特性
に優れた燃料電池の固体電解質膜用セラミックスシート
を提供し得ることになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る燃料電池の固体電解質膜用セラ
ミックスシートの製法を例示する説明図である。
【図2】 本発明に係る燃料電池の固体電解質膜用セラ
ミックスシートの他の製法を例示する説明図である。
【図3】 本発明に係る燃料電池の固体電解質膜用セラ
ミックスシートの更に他の製法を例示する説明図であ
る。
【符号の説明】
1 断熱性セッター 2 セラミックスグリーンシート 3,3a 多孔質シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C04B 35/64 J (72)発明者 八坂 哲也 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地 の1 株式会社日本触媒内 (56)参考文献 特開 平6−132664(JP,A) 特開 平5−4868(JP,A) 特開 平4−325465(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C04B 35/00 - 35/22 C04B 35/48 - 35/493 C04B 35/622 - 35/65

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料電池用の固体電解質膜として使用さ
    れるセラミックスシートであって、面積が400cm2
    以上で且つ厚さが0.4mm以下、最大うねり高さが1
    00μm以下、反り量が0.1%以下であり、且つ下記
    の荷重負荷試験とたわみ負荷試験を順に行なったときに
    おける割れ・ひびの発生頻度が10%以下であることを
    特徴とする燃料電池の固体電解質膜用セラミックスシー
    ト。 (荷重負荷試験) セラミックスシートを、平滑面を有する緻密質アルミナ
    板に挟み込み、 該セラミックスシートの全面に対して0.1kgf/c
    2 の荷重を加える。 (たわみ負荷試験) セラミックスシートの相対する2辺に、セラミックスシ
    ートの表面と平行でかつ互いに押し合う方向に力を加
    え、セラミックスシートをたわませる試験であり、たわ
    み高さをh[mm]、相対する2辺の距離をd[m
    m]、セラミックスシートの厚さをt[mm]としたと
    き、 h=0.002×d/t2 (但し、h≦0.1×d) たわませる操作を、1回/秒で且つ表裏方向に交互に6
    回繰り返す。
  2. 【請求項2】 主成分がジルコニアである請求項1に記
    載の固体電解質膜用セラミックスシート。
  3. 【請求項3】 他の成分として、Y,Ce,Ca,M
    g,Ti,Si,Alよりなる群から選択される少なく
    とも1種の金属の酸化物を含むものである請求項2に記
    載の固体電解質膜用セラミックスシート。
  4. 【請求項4】 主成分が立方晶のジルコニアである請求
    項2または3に記載の固体電解質膜用セラミックスシー
    ト。
  5. 【請求項5】 原料粉体の平均粒子径が0.1〜0.5
    μmであり、且つ該粉体の90体積%以上が1μm以下
    の粒子径を有するものである請求項1〜4のいずれかに
    記載の固体電解質膜用セラミックスシート。
  6. 【請求項6】 正方形状または長方形状である請求項1
    〜5のいずれかに記載の固体電解質膜用セラミックスシ
    ート。
  7. 【請求項7】 密度が、理論密度に対して90%以上で
    ある請求項1〜6のいずれかに記載の固体電解質膜用
    ラミックスシート。
  8. 【請求項8】 セラミックスグリーンシートを焼成する
    ことによって得られる固体電解質膜用セラミックスシー
    トであって、その焼成に当たっては、理論密度に対して
    30〜85%の嵩密度を有すると共に、上記グリーンシ
    ートの焼成温度に至るまでの加熱による収縮率が5%以
    下である多孔質シートを、上記グリーンシートの周縁が
    はみ出さない様に載せて、または該多孔質シートの間に
    上記グリーンシートをその周縁がはみ出さない様に挟み
    込んで焼成する方法により製造したものである請求項1
    〜7のいずれかに記載の固体電解質膜用セラミックスシ
    ート。
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