JP2012111671A - 窒化アルミニウム焼結体加工物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】上記熱処理に供する窒化アルミニウム焼結体として、粒界相にYAG(3Y2O3・5Al2O3)結晶相とYAP(Y2O3・Al2O3)結晶相が共存し、且つ、上記YAG結晶相、YAP結晶相に対するYAM(2Y2O3・Al2O3)結晶相の存在割合が、窒化アルミニウム(100)面に対するYAG結晶相(211)面、YAP結晶相(220)面及びYAM結晶相(210)面のX線回折パターンの強度比の合計の10%以下である窒化アルミニウム焼結体を使用する。
【選択図】 なし
Description
本発明の加工物の製造方法において、使用される窒化アルミニウム焼結体は、焼結助剤として酸化イットリウムを使用して窒化アルミニウム粉末を焼成することにより得られた窒化アルミニウム焼結体であり、該窒化アルミニウム焼結体の粒界相における結晶組成を、YAG結晶相とYAP結晶相が共存し、且つ、上記YAG結晶相、YAP結晶相に対するYAM結晶相の存在割合が、窒化アルミニウム(100)面に対するYAG結晶相(211)面、YAP結晶相(220)面及びYAM結晶相(210)面のX線回折パターンの強度比の合計の10%以下である組成に制限したことが最大の特徴である。
本発明において使用される窒化アルミニウム焼結体は、基本的には、酸化イットリウムを焼結助剤として窒化アルミニウム粉末を焼成するという、従来から公知の窒化アルミニウム焼結体の製造方法により得ることができる。
上記脱脂体中の残存炭素量及びその調整方法は特に制限されないが、前記のように、還元雰囲気を低く調整するためには、例えば、脱脂体中の残存炭素量は、250ppm以上、1000ppm以下であることが好ましく、300ppm以上、500ppm以下であることがより好ましい。かかる残存炭素量は、グリーン体の脱脂時間や脱脂温度を調整する方法、グリーン体の製造に使用する有機バインダーの使用量を調整する方法、該有機バインダーの種類を選択する方法等を単独で、或いは組み合わせて採用することができる。
本発明の加工物の製造方法は、前記特定の窒化アルミニウム焼結体を使用した高温処理工程を含む方法である。
焼結体の密度はアルキメデス法を用いて測定した。
京都電子工業(株)製「LFA−502」(商品名)を使用して、レーザーフラッシュ法により、1次元法で測定した。
(3)窒化アルミニウム焼結体中に含まれる焼結助剤含有相とピーク強度比
理学電気(株)製「RINT−1400」(商品名)を用いてX線回折測定を行なった。試料の測定面は、試料厚みの約半分の厚みまで研削した面とした。
2θ走査範囲:10°〜70°
2θ走査速度:5°/分
2θ走査ステップ幅:0.02°
測定回数:1回/試料
得られた回折ピークは窒化アルミニウムに同定されるピークと焼結助剤から生成した1種あるいは数種類の粒界相に同定されるピークである。窒化アルミニウム相のXRD強度は(hkl)=(100)面のピーク強度とし、また、各粒界相のXRD強度は、各粒界相間の相対強度が比較的同程度のピークを選択した。例えば、YAG結晶相では(hkl)=(211)面のピーク強度(相対強度27)、YAP結晶相では(hkl)=(220)面のピーク強度(相対強度23)、YAM結晶相では(hkl)=(210)面のピーク強度(相対強度23)を選択した。よって、窒化アルミニウム相のXRD強度をI(窒化アルミニウム)、YAG結晶相のXRD強度をI(YAG)、YAP結晶相のXRD強度をI(YAP)、YAM結晶相のXRD強度をI(YAM)とした場合、各粒界相のXRD強度は以下で表される。
YAP結晶相:I(YAP)/I(窒化アルミニウム)
YAM結晶相:I(YAM)/I(窒化アルミニウム)
また、上記各粒界相のXRD強度の合計を、窒化アルミニウム焼結体中に残存した助剤相の量と定義した。
得られた窒化アルミニウム焼結体の、高温処理後の変形量を定量的に測る指標として、以下の試験を実施した。
上記熱変形量が50μm/mm以下の場合、ポストファイア法によるペースト層焼き付け後の窒化アルミニウム焼結体変形量が小さくなり、電子部品搭載部の平坦性が良好となる。
(窒化アルミニウム焼結体の製造)
内容積が10(リットル:l)のナイロン製ポットにビッカース硬さ1200でボール径10mmのアルミナ製ボールを見掛け充填率で40%入れ、次いで、窒化アルミニウム粉末(酸素濃度0.8質量%)100質量部に対して、酸化イットリウムを3質量部、表面活性剤としてソルビタントリオレート2質量部、溶媒としてトルエン21質量部、エタノール12.25質量部、ブタノール1.75質量部を添加して、一回目のボールミル混合を16時間行なった後、この混合物に結合剤としてポリビニルブチラール8質量部、可塑剤としてジブチルフタレート3.5部、溶媒としてトルエン27質量部、エタノール15.75質量部、ブタノール2.25質量部を入れて二回目のボールミル混合を18時間行ない、白色の泥しょう(以下スラリーという)を得た。得られたスラリーは、目開き10μmのフィルターでろ過した後、脱溶媒し、粘度を20000〜30000cpsに調整した。その後、ドクターブレード法によりシート成形を行ない、室温で1時間、60℃で2時間、100℃で1時間乾燥して幅200mm、厚さ1.5mmのグリーンシートを作製した。さらに、打ち抜きプレス加工機により、140×120mmのグリーン体に加工した。
このようにして得られたグリーン体を、空気中で530℃の温度で4時間脱脂処理し、残炭率が400ppmの脱脂体を得た。その後、上記脱脂体を窒化硼素製の焼成容器にいれて、窒素雰囲気中で1740℃、5時間焼成した。得られた焼結体の物性を表1に示す。
上記方法によって得られた窒化アルミニウム焼結体基板に対して、高温加工処理として、ポストファイア法によるペースト層焼き付けを行った。
実施例1において、酸化イットリウムの添加量を2.5質量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして焼結体を得、評価を行った。得られた焼結体の物性及び高温処理によって得られた加工物の合格率を表1に示す。
実施例1において、酸化イットリウムの添加量を3.5質量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして焼結体を得、評価を行った。得られた焼結体の物性及び高温処理によって得られた加工物の合格率を表1に示す。
実施例1において、用いた窒化アルミニウム粉末の酸素濃度を0.6質量%に変更したこと以外は実施例1と同様にして焼結体を得、評価を行った。得られた焼結体の物性及び高温処理によって得られた加工物の合格率を表1に示す。
実施例1において、用いた窒化アルミニウム粉末の酸素濃度を1.3質量%に変更したこと以外は実施例1と同様にして焼結体を得、評価を行った。得られた焼結体の物性及び高温処理によって得られた加工物の合格率を表1に示す。
実施例1において、酸化イットリウムの添加量を1質量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして焼結体を得、評価を行なった。得られた焼結体の物性及び高温処理によって得られた加工物の合格率を表1に示す。
実施例1において、酸化イットリウムの添加量を2質量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして焼結体を得、評価を行なった。得られた焼結体の物性及び高温処理によって得られた加工物の合格率を表1に示す。
実施例1において、酸化イットリウムの添加量を5質量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして焼結体を得、評価を行なった。得られた焼結体の物性及び高温処理によって得られた加工物の合格率を表1に示す。
実施例1において、酸化イットリウムの添加量を8質量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして焼結体を得、評価を行なった。得られた焼結体の物性及び高温処理によって得られた加工物の合格率を表1に示す。
Claims (2)
- 焼結助剤として酸化イットリウムを使用して窒化アルミニウム粉末を焼成することにより得られた窒化アルミニウム焼結体を、1750℃を超える温度下で処理する工程を含む該窒化アルミニウム焼結体の加工物の製造において、上記処理に供する窒化アルミニウム焼結体として、粒界相にYAG(3Y2O3・5Al2O3)結晶相とYAP(Y2O3・Al2O3)結晶相が共存し、且つ、上記YAG結晶相、YAP結晶相に対するYAM(2Y2O3・Al2O3)結晶相の存在割合が、窒化アルミニウム(100)面に対するYAG結晶相(211)面、YAP結晶相(220)面及びYAM結晶相(210)面のX線回折パターンの強度比の合計の10%以下である窒化アルミニウム焼結体を使用することを特徴とする窒化アルミニウム焼結体の加工物の製造方法。
- 前記窒化アルミニウム焼結体を1750℃を超える温度下で処理する工程が、窒化アルミニウム焼結体に導電性ペーストを積層し、焼成してメタライズパターンを形成する工程である請求項1記載の窒化アルミニウム焼結体加工物の製造方法。
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