JP4994018B2 - 建物 - Google Patents

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Description

この発明は、特定の部屋内の換気を行えるとともに、特定の部屋内で発生した音の部屋外への透過量を少なくすることの可能な建物に関する。
トイレ室の出入口のドアの下部に換気のための空気流通口(アンダーカット)が設けられた構成の建物が知られている。
特開2000−145180号公報
しかしながら、上述した建物では、トイレ室内で発生した音が空気流通口を経由して部屋外へ伝播してしまうという課題があった。
本発明による建物は、複数戸からなる集合住宅を構成し、床が床スラブの上に設置された複数の床支持具と床支持具に敷設された複数の床材とを備えた二重床により形成された建物であって、トイレ室と、トイレ室内の空気をトイレ室外に排出するための排気手段と、トイレ室への出入口を経由して隣り合うトイレ室トイレ室以外の建物内部との間の空気の流通を遮断する遮断手段と、トイレ室の床板の端面と一戸を区画する壁との縁を切る隙間により形成されて床下空間とトイレ室内とに通じる空気供給孔と、トイレ室内に設置された遮音ダクトとを備え、遮音ダクトは、一端側開放口と空気供給孔とが互いに繋がれ、他端側開放口がトイレ室内に開放されたことによって、トイレ室内と空気供給孔とを繋ぐ遮音経路を形成した。
トイレ室以外の複数の部屋の床板の端面と一戸を区画する壁との縁を切る隙間により形成されてトイレ室以外の部屋と床下空間とに通じる空気取込孔を備え、トイレ室への出入口を経由するトイレ室とトイレ室以外の建物内部との間の空気の流通が遮断手段により遮断され、かつ、排気手段の駆動によりトイレ室内が負圧になった場合に、トイレ室以外の複数の部屋からの空気が空気取込孔、床下空間、空気供給孔を経由してトイレ室内に供給されるように構成されたことも特徴とする。
遮音経路が、トイレ室の床と天井との間を往復する往復路により形成されたことも特徴とする。
遮音経路が、トイレ室の床と天井との間の蛇行路により形成されたことも特徴とする。
遮音ダクトは遮音構成部を備え、遮音構成部は、外筒体と、外筒体の内側に設けられた内筒体と、外筒体及び内筒体の筒の中心軸の延長する筒の前後の端部において外筒体の端部と内筒体の端部とを互いに繋いで外筒体の端部と内筒体の端部との間を密閉状態に塞ぐ塞体と、外筒体と内筒体と塞体とで囲まれた空気層とを備えたことも特徴とする
本発明の建物によれば、トイレ室内の空気をトイレ室外に排出するための排気手段と、トイレ室への出入口を経由して隣り合うトイレ室とトイレ室以外の建物内部との間の空気の流通を遮断する遮断手段と、トイレ室の床板の端面と一戸を区画する壁との縁を切る隙間により形成されて床下空間とトイレ室内とに通じる空気供給孔と、トイレ室内に設置された遮音ダクトとを備え、遮音ダクトは、一端側開放口と空気供給孔とが互いに繋がれ、他端側開放口がトイレ室内に開放されたことによって、トイレ室内と空気供給孔とを繋ぐ遮音経路を形成したので、トイレ室内で発生した音のトイレ室以外への透過量を少なくできるとともに、トイレ室内の換気を効率的に行えるという効果が得られる。
トイレ室以外の複数の部屋の床板の端面と一戸を区画する壁との縁を切る隙間により形成されてトイレ室以外の部屋と床下空間とに通じる空気取込孔を備え、トイレ室への出入口を経由するトイレ室とトイレ室以外の建物内部との間の空気の流通が遮断手段により遮断され、かつ、排気手段の駆動によりトイレ室内が負圧になった場合に、トイレ室以外の複数の部屋からの空気が空気取込孔、床下空間、空気供給孔を経由してトイレ室内に供給されるように構成されたので、トイレ室の換気効率が良くなる。
遮音経路が、床と天井との間を往復する往復路により形成されたので、遮音経路の長さを長くでき、音の減衰効果を向上できる。
遮音経路が、床と天井との間の蛇行路により形成されたので、遮音経路の長さを長くでき、音の減衰効果を向上できる
最良の形態1
図1乃至図3は本発明による建物の最良の形態1を示し、図1は建物としてのマンション(集合住宅)における一戸内のトイレ室とトイレ室の天井及び床の部分を断面(図3のB−B断面に相当)で示し、図2はマンションの一戸を断面(図3のA−A断面に相当)で示し、図3は一戸の平面図(間取り)を示す。
図2において、1は床、2は戸境壁、4は天井、5はトイレ室、6は廊下、7は居室(洋室)である。
図3において、aは玄関、bは納戸、cは浴室、dは居室(和室)、eはリビングダイニング、fはベランダ、2Aは戸前廊下側の区画壁、2Bはベランダ側の区画壁、21乃至26は間仕切り壁である。
床1は二重床に形成される。二重床は、床スラブ11と、床スラブ11上に固定されて配置された複数の床支持具12と、複数の床支持具12に固定されて敷設された複数の床板13とで形成される。床板13は、床下地材と床仕上材とからなる。尚、図3に示すように、床1の床板13の端面と一戸の室内を区画する戸境壁2や区画壁2Aや区画壁2Bの内面との間に、隙間S分の幅で室内と床下空間とに貫通する空間(図3においてハッチングで示した部分)が設けられた構成を備えたので、床板13の端面と壁とが縁の切れた状態とでき、床板13の端面と壁とが接触することによるこすれ音の発生をなくすことができる。隙間Sの幅は例えば3mm程度である。
床支持具12は、例えば上部に床板13を取付けるための台座12aを有する支柱12bを有し、かつこの支柱12の下部を支持する支承部を有して床スラブ11面に設置されるクッション部材から成る座部12cを有するものである。
天井4は、天井スラブ15と、天井仕上げボード16と、天井仕上げボード16を天井スラブ15より吊下げるように取付ける取付具17とで形成される。取付具17は、例えば、天井スラブ15に吊下げられた吊りボルト、吊りボルトに取り付けられたハンガー、ハンガーに支持された野縁受け、野縁受けに取り付けられた野縁とにより構成される。
廊下6と特定の部屋としてのトイレ室5とが間仕切り壁21により仕切られ、廊下6と特定の部屋以外の部屋としての居室7とが間仕切り壁22により仕切られる。
トイレ室5は、便器5a、水溜タンク5bの他に、排気手段31と空気供給孔32と遮音ダクト200(給気側の遮音ダクト)とを備える。
排気手段31は、例えば換気扇のような排気装置31Aにより形成される。排気装置31Aによってトイレ室5より排出された空気は、建物の居住外空間である天井裏空間33を経由して戸外に通じる図外の排気孔より戸外に排出される。
空気供給孔32は、トイレ室5の室内と建物の居住外空間である床下空間35とに跨って貫通する。空気供給孔32は、例えばトイレ室5の床板13の端面13Aが戸境壁2の内面2Aより離れて設置されたことによって床板13の端面13Aと戸境壁2の内面2Aとの間に設けられた隙間Sにより形成される。よって、隙間Sが空気供給孔32として機能するとともに、隙間Sにより、床板13の端面13Aと戸境壁2の内面2Aとが縁の切れた状態となるので、床板13の端面13Aと戸境壁2の内面2Aとが接触することによるこすれ音の発生をなくすことができる。また、床板13にドリルなどで孔を形成することなく空気供給孔32を形成できるので、空気供給孔32の形成作業が容易となり、かつ、床1の見栄えをよくできる。
図1を参照し、遮音ダクト200の構造を説明する。遮音ダクト200は、トイレ室5の室内に2つ設置される。2つの遮音ダクト200がトイレ室5に設けられた水溜タンクの両側にそれぞれ個別に位置するようにトイレ室5内に設置したので、トイレ室5のスペースを有効活用でき、統一感のあるトイレ室5の室内を提供できる(図3参照)。遮音ダクト200は、遮音ダクト200を形成する筐体201の内壁202と内部仕切板203とによって区画形成された遮音経路204を備える。遮音経路204は、床1側から天井4側まで延長した後に床1側に戻る方向に延長する往復路208により形成される。遮音経路204の一端側には一端側開放口205を備え、遮音経路104の他端側には他端側開放口206を備える。遮音経路204の一端側開放口205と空気供給孔32とが繋がれる。遮音経路204の他端側開放口206はトイレ室5の室内に開放される。つまり、遮音経路204が空気供給孔32とトイレ室5の室内とに繋がっており、空気が床下空間35とトイレ室5の室内との間で遮音経路204を経由して移動可能である(即ち、給気が可能である)。内壁202の表面と内部仕切板203の表面とには、グラスウールやロックウールのような吸音材207が設けられる。よって、遮音経路204を経由する音は吸音材207により減衰する。
図2に戻って、トイレ室5への人の出入口41は、開口部42と建具枠と建具と遮断手段45とにより構成される。例えば、間仕切り壁21に形成された開口部42と、開口部42の周縁に設けられた建具枠としてのドア枠43と、ドア枠43に開閉可能に設けられた建具としてのドア44と、ドア44が閉じられた場合に開口部42を経由するトイレ室5の室内と廊下6との間の空気の流通を遮断する遮断手段45とを備える。遮断手段45は、例えば、閉じられたドア44のトイレ室5側の面の周縁と、この周縁と気密状態を維持して接触するようにドア枠43の周縁に設けられたゴム46とにより構成される。よって、ドア44が閉じられた場合に、遮断手段45によって開口部42を経由するトイレ室5の室内と廊下6との間の空気の流通が遮断される。
トイレ室5以外の部屋、即ち、特定の部屋以外の部屋(特定の部屋以外の建物内部)としての居室7、納戸b、居室(和室)d、リビングダイニングe、廊下6等のいずれか又は全ては、空気取込孔51を備える。空気取込孔51は、特定の部屋以外の建物の居住空間と居住外空間である床下空間35とに跨って貫通する。空気取込孔51は、例えば特定の部屋以外の部屋の床板13の端面13Aが壁2や2Aや2Bの内面2Aより離れて設置されたことによって床板13の端面13Aと壁の内面2Aとの間に設けられた隙間Sにより形成される。よって、隙間Sが空気取込孔51として機能するとともに、隙間Sにより、床板13の端面13Aと壁の内面2Aとが縁の切れた状態となるので、床板13の端面13Aと壁の内面2Aとが接触することによるこすれ音の発生をなくすことができる。また、床板13にドリルなどで孔を形成することなく空気取込孔51を形成できるので、空気取込孔51の形成作業が容易となり、かつ、床1の見栄えをよくできる。
最良の形態1によれば、遮断手段45が、開口部42を経由するトイレ室5の室内と廊下6との間の空気の流通経路を遮断することにより、アンダーカットのような物理的な開口部がなくなって、遮音性能が向上するので、トイレ室5の室内で発生した音の廊下6への透過量を少なくできるとともに、開口部42を経由するトイレ室5の室内と廊下6との間の空気の流通経路が遮断手段45により遮断された場合でも、排気装置31Aの駆動によりトイレ室5の室内が負圧になると、特定の部屋以外の部屋としての居室7、納戸b、居室(和室)d、リビングダイニングe、廊下6等の室内から空気が、空気取込孔51と空気供給孔32とを繋ぐ空気流通経路60を経由してトイレ室5の室内に供給されるため、トイレ室5の換気を効率的に行える。
つまり、従来は、トイレ室5の出入口のドアの下部に換気のための空気流通口(アンダーカット)を設けていたので、ドアが閉められた場合でも、当該空気流通口を経由してトイレ室5の室内で発生した音が空気流通口を経由して廊下に伝播してしまったが、最良の形態1によれば、遮断手段45を備えたので、トイレ室5の室内で発生した音のドアを経由した廊下6への透過量を少なくできるとともに、排気装置31Aと空気流通経路60とを備えたので、トイレ室5の室内の換気を効率的に行えるという効果が得られる。
そして、遮音ダクト200がトイレ室5の室内に設置されたので、トイレ室5の室内で発生した音が遮音経路204の吸音材207により減衰するため、トイレ室5の室内で発生した音の廊下6への透過量をさらに少なくできる。
また、遮音ダクト200の遮音経路204は、床1側と天井4側との間を往復する往復路208により形成されたので、遮音経路204の長さ寸法を筐体201の高さ寸法より長く形成でき、遮音経路204の長さを長くできるので、音の減衰効果を向上できる。
空気取込孔51は、特定の部屋以外の建物内部の1つ以上の区画領域から床下空間35に通じるように設ければよい。例えば、床下空間35と特定の部屋以外の建物内部の居住空間としての廊下6とに跨って貫通する空気取込孔51のみを設けるようにしてもよい。
尚、図1、及び、後述の図4、図5、図6に示す矢印は、空気の流れを示す。
最良の形態2
図4に示す遮音ダクト200(給気側の遮音ダクト)を用いてもよい。この遮音ダクト200は、遮音ダクト200を形成する筐体201の内壁202と内部仕切板203とによって形成された遮音経路204を備える。遮音経路204は、上下方向に沿った床1側と天井4側との間において上下の延長する蛇行路209により形成される。遮音経路204の一端側には一端側開放口205を備え、遮音経路204の他端側には他端側開放口206を備える。遮音経路204の一端側開放口205と空気供給孔32とが繋がれる。遮音経路204の他端側開放口206はトイレ室5の室内に開放される。つまり、遮音経路204が床下空間35とトイレ室5の室内とに繋がっており、空気が床下空間35とトイレ室5の室内との間で遮音経路204を経由して移動可能(給気可能)である。内壁202の表面と内部仕切板203の表面とには、グラスウールやロックウールのような吸音材207が設けられる。よって、遮音経路204を経由する音は吸音材107により減衰する。
最良の形態2では、最良の形態1と同様の効果が得られる。尚、最良の形態2では、遮音経路204が床1側と天井4側との間において上下方向に延長する蛇行路209により形成されたので、遮音経路204の長さ寸法を筐体201の高さ寸法より長く形成でき、遮音経路204の長さを長くできるので、音の減衰効果を向上できる。
最良の形態3
図5に示すように、最良の形態1の遮音ダクト200の1つを排気路として用いてもよい。即ち、最良の形態1の遮音ダクト200の1つを上下逆にして設置することによって排気側の遮音ダクト200Aを形成し、残りの1つはそのまま給気側の遮音ダクト200として使用する。天井仕上げボード16には排気孔211を形成して排気孔211と排気側の遮音ダクト200Aの遮音経路204の一端側開放口205とを繋ぐ。排気装置31Aは、排気側の遮音ダクト200Aの遮音経路204又は排気孔211に設けられる。排気装置31Aは、トイレ室5の室内の空気を遮音経路204、排気孔211経由でトイレ室5の外に排出する。排気装置31Aによってトイレ室5より排出された空気は、天井裏空間33を経由して戸外に通じる図外の排気孔より戸外に排出される。
最良の形態3によれば、最良の形態1と同様の効果が得られる。尚、最良の形態3では、トイレ室5の室内で発生した音が天井裏空間33を通してトイレ室5以外の戸内や図外の排気孔から戸外に伝わるが、排気側の遮音ダクト200A内の遮音経路204内に入った音が遮音経路204内の吸音材207で吸音されるので、トイレ室5以外の戸内や戸外に音が伝わりにくくなるという効果が得られる。
最良の形態4
図6に示すように、最良の形態2の遮音ダクト200の1つを排気路として用いてもよい。即ち、最良の形態2の遮音ダクト200の1つを上下逆にして設置することによって排気側遮音ダクト200Aを形成し、残りの1つはそのまま給気側の遮音ダクト200として使用する。天井仕上げボード16には排気孔211を形成して排気孔211と排気側の遮音ダクト200Aの遮音経路204の一端側開放口205とを繋ぐ。排気装置31Aは、排気側の遮音ダクト200Aの遮音経路204又は排気孔211に設けられる。排気装置31Aは、トイレ室5の室内の空気を遮音経路204、排気孔211経由でトイレ室5の外に排出する。排気装置31Aによってトイレ室5より排出された空気は、天井裏空間33を経由して戸外に通じる図外の排気孔より戸外に排出される。
最良の形態4によれば、最良の形態3と同様の効果が得られる。
最良の形態5
床板13にドリルで貫通孔をあけることにより空気取込孔51や空気供給孔32を形成してもよい。この場合、床1を施工した後において床板13にドリルで孔をあけることにより空気取込孔51や空気供給孔32を容易に形成できるので、施工が容易となる。また、空気取込孔51や空気供給孔32の形成場所を自由に決めることができる。
最良の形態6
間仕切り壁を施工した後に床を施工する場合には、図7に示すように、床下空間13に位置する間仕切り壁22の下部に貫通孔61を形成することによって、空気取込孔51と空気供給孔32とを繋ぐ空気流通経路60を形成すればよい。この場合、床板13の端面13Aと間仕切り壁22との間を離した隙間Sにより、間仕切り壁22側にも間仕切り壁22に沿った空気取込孔51及び空気供給孔32を形成する。
最良の形態7
図8に示すように、壁際の床板13を支持する際根太62と呼ばれる根太を用いた場合には、空気取込孔51及び空気供給孔32は、際根太62の位置する部分を避けて床板13に形成した貫通孔により形成すればよい。そして、遮音ダクト200の遮音経路204の一端側開放口205と空気供給孔32とを繋げばよい。
最良の形態8
図9及び図10に示すような遮音構成部100を備えた遮音ダクト200や200Aを設置してもよい。即ち、遮音構成部100の一端開放口95と空気供給孔32、あるいは、遮音構成部100の一端側開放口95と排気211とを互いに繋ぎ、遮音構成部100の他端側開放口96をトイレ室5の室内に開放することによって、トイレ室5の室内と空気供給孔32、あるいは、トイレ室5の室内と排気孔211とを繋ぐ遮音経路を形成する。尚、遮音ダクト200や200Aは、例えば図外の取付具によりトイレ室5の床板13あるいは天井板16に取り付けられる。
遮音構成部100は、内筒体102、外筒体103、塞体104を備える。内筒体102、外筒体103、塞体104は、板厚0.5mm〜1.6mm程度の金属板により形成される。
内筒体102は、筒の中心軸に沿った方向の一端としての前端と筒の中心軸に沿った方向の他端としての後端、すなわち、筒の前後の両端が開放された断面真円形状の円筒により形成される。
外筒体103は、筒の前後の両端が開放され、筒の中心軸に沿った方向と直交する第1直交方向としての左右の方向に扁平な断面横長扁平形状の筒により形成される。即ち、外筒体103は、上下の平壁部106;107と左右の側壁部108;109とにより形成される。上下の平壁部106;107は、筒の前後の方向と左右の方向とに沿って延長し、かつ、筒の中心軸及び第1直交方向と直交する第2直交方向としての筒の上下の方向で互いに平行に相対峙する平板により形成される。左右の側壁部108;109は、断面真円形状の円筒を円筒の中心軸に沿って切断した断面半円弧形状の前後に長い長尺板により形成される。上下の平壁部106;107の左端部同士が左の側壁部108によって互いに繋がれ、上下の平壁部106;107の右端部同士が右の側壁部109によって互いに繋がれたことによって、外筒体103が形成される。
外筒体103は、筒の左右の方向の長さ(以下、左右の長さという)Wが筒の上下の方向の長さ(以下、上下の長さという)Hより長く形成される。左右の長さWは外筒体103の左右の端部外面間の長さ、上下の長さHは外筒体103の上下の端部外面間の最短部分の長さである。即ち、外筒体103は、筒の中心軸と直交する第1直交方向の長さが筒の中心軸及び第1直交方向と直交する第2直交方向の長さより長く形成される。内筒体102の前後の長さは外筒体103の前後の長さより長く、内筒体102の前後の両端部が外筒体103の前後の両端より前後に突出する。内筒体102が外筒体103の内側に設けられて、内筒体102と外筒体103とが互いに同軸に配置され、内筒体102の前後の端部を外筒体103の前後の端部より前後に同じ長さだけ突出させた状態において、内筒体102の筒の外周面の上端と外筒体103の上の平壁部106の内面における左右間の中央とが筒の前端から後端にかけて互いに接続され、内筒体102の筒の外周面の下端と外筒体103の下の平壁部107の内面における左右間の中央とが筒の前端から後端に渡って互いに接続される。内筒体102と外筒体103とを接続する上下の接続部110;110は、内筒体102の外周面において互いに180度隔てた位置に形成される。この上下の接続部110;110を境として内筒体102の左右両側に、接続部110;110によって区切られた空気層111;111が形成される。
即ち、外筒体103と内筒体102とが同軸に配置され、内筒体102の筒外面と外筒体103の筒内面とが筒の前後に渡って互いに接続され、この接続部110を境として内筒体102の筒の左右の両側に接続部110によって区切られた空気層111が形成されたことによって、内筒体102の外面と外筒体103の内面との間の左右の方向の長さを長くでき、空気層111の容積を大きくでき、空気層111と接する外筒体103の内面の面積を大きくできるので、音が内筒体102の内部から後述する孔118を経由して空気層111へと通過する際に音の通過する通路の断面積が急変することから音エネルギーが熱エネルギーに変換されることによって音圧が低下するとともに、さらに、音の低周波成分が外筒体103の内面と衝突することによって減衰する量が多くなるので、音の低周波成分の減衰効果が向上する。さらに、筒の左右の方向に沿って延長して上下で互いに平行に相対峙する一対の平板により形成された平壁部106;107を備えて、左右の方向に扁平な形状で上下の長さの短い外筒体103を備えたので、トイレ室5に設置してもトイレ室5外に突出することなく、設置しやすい遮音構成部100を得ることができる。尚、上述の接続とは、内筒体102の筒外面と外筒体103の筒内面とが互いに接触しているが結合されていない状態、あるいは、内筒体102の筒外面と外筒体103の筒内面とが接着剤や係合などによって互いに結合された状態をいう。
蓋体104は前蓋112と後蓋113とを有する。前蓋112は内筒体102の前端と外筒体103の前端とを繋いで外筒体103の前端と内筒体102の前端との間を密閉状態に塞ぐ。後蓋113は内筒体102の後端と外筒体103の後端とを繋いで外筒体103の後端と内筒体102の後端との間を密閉状態に塞ぐ。この蓋体104と外筒体103と内筒体102とで囲まれた空間により空気層111が形成される。
図10に示すように、内筒体102は、筒の前端部に前側有孔筒部115を備え、筒の後端部に後側有孔筒部116を備え、前側有孔筒部115と後側有孔筒部116との間の筒部が無孔筒部117に形成される。内筒体102の後側有孔筒部116の外周側には吸音材部120を備える。
前側有孔筒部115および後側有孔筒部116は、内筒体102の筒壁に内筒体102の内部と空気層111とに跨って貫通する複数の孔118が形成された構成である。例えば、内筒体102の前側有孔筒部115と後側有孔筒部116とがパンチング鉄板により形成される。
吸音材部120は、吸音材収納部121と吸音材収納部121に収納された吸音材122とにより構成される。吸音材収納部121は、内筒体102と外筒体103と左右の外囲板123;124と左右の前閉塞板125;126と後蓋113とによって密閉されることによって、空気層111と遮断された空間により形成される。左右の外囲板123;124は、内筒体102の径より大径の筒の一部をなす断面弧状の前後に長い長尺板により形成される。左右の外囲板123;124は、内筒体102の左右の半円弧状の筒壁部の左右の外側に内筒体102と同軸状に配置され、その上端と外筒体103の上の平壁部106とが互いに接続され、その下端と外筒体103の下の平壁部107とが互いに接続される。左の前閉塞板125が、左の外囲板123の前端と内筒体102の外周面と外筒体103の内周面との間を密閉状態に塞ぐ。右の前閉塞板126が、右の外囲板124の前端と内筒体102の外周面と外筒体103の内周面との間を密閉状態に塞ぐ。左の外囲板123の後端及び右の外囲板124の前端と後蓋113とが密閉状態に互いに接続される。吸音材収納部121内には、連続気泡を備えたグラスウールやガラス繊維フェルトや不織布などのような吸音材122が収納される。
音は、前側有孔筒部115を経由して内筒体102の内側と空気層111の内側とに行き来するとともに後側有孔筒部116を経由して内筒体102の内側と吸音材部120の内側とに行き来する。上記前側有孔筒部115の複数の孔118を経由して空間層111に入り込んだ音の低周波成分が空間層111により減衰し、後側有孔筒部116の複数の孔118を経由して吸音材部120内に入り込んだ音の高周波成分が吸音材122により吸収されることによって減衰する。
尚、遮音構成部100は、例えば、外筒体103の前後の長さが500mm、内筒体102の前後の長さが620mm、内筒体102外径が150mm、外筒体103の上下の平壁部106:107の内面間の長さ(最短距離寸法)が150mm、外筒体103の左右の長さWが360mmあるいは500mm、前側有孔筒部115の前後の長さが100mm、吸音材部120及び後側有孔筒部116の前後長さが200mm、吸音材部120の左端部と右端部との間の長さが250mm、無孔筒部117の前後の長さが200mmである。前側有孔筒部115、後側有孔筒部116は、例えば、パンチング鉄板により形成し、複数の孔18の開口率は58%とした。
最良の形態8によれば、遮音ダクト200を空気供給孔32や排気孔211に繋ぐことで、トイレ室5の室内で発生した音が遮音ダクト200や200Aに入って遮音構成部100で減衰するため、トイレ室5の室内で発生した音の廊下6への透過量をさらに少なくできる。
遮音構成部100の作用をさらに詳細に説明する。トイレ室5の室内で発生した音が遮音構成部100に進入すると、音が、前側有孔筒部115の貫通孔118を経由して空気層111に入ったり、後側有孔筒部116の貫通孔118を経由して吸音材収納部121に入る。音が内筒体102の内部から孔118を経由して空気層111へと通過する際に音の通過する通路の断面積が急変することから音エネルギーが熱エネルギーに変換されることによって音圧が低下するとともに、空気層111に入った音の低周波成分は、外筒体103の内面と内筒体102の外面とに衝突して減衰する。最良の形態8の遮音構成部100では、外筒体103の左右の長さWを長くすることによって、内筒体102の外面と外筒体103の内面との間の左右の方向の長さを長くでき、空気層111の容積を大きくできたので、音の通過する通路の断面積の変化がさらに大きくなることから音の低周波成分の減衰量を多くでき、さらに、空気層111と接する外筒体103の内面の面積を大きくできたので、外筒体3の内面と衝突する音の低周波成分が多くなり、音の低周波成分の減衰効果が向上する。また、吸音材収納部121内に入った音の高周波成分は吸音材122に吸音されることによって減衰する。
従って、最良の形態8では、遮音構成部100を備えたので、音の低周波成分が空気層111内で減衰するとともに音の高周波成分が吸音材収納部121内の吸音材122によって吸収されることによって減衰するので、トイレ室5の室内で発生した音を効果的に減衰でき、廊下6への透過量を少なくできる。
また、外筒体3の左右の長さWを上下の長さHより長くしたので、上述したように内筒体2の外面と外筒体3の内面との間の左右の方向の長さを長くでき、空気層111の容積を大きくでき、空気層111と接する外筒体3の内面の面積を大きくできるという、3つの要素を得ることができるので、遮音効果を向上できる。
最良の形態9
最良の形態8の遮音構成部100に代えて、図11に示すような遮音構成部100を備えた遮音ダクト10を用いてもよい。即ち、最良の形態1の遮音構成部100の外筒体103の左右の側壁部108:109の内面に、吸音材としてのロックフェルト150を設けた構成の遮音構成部100を用いる。
最良の形態9によれば、トイレ室5の室内から遮音ダクト10の遮音構成部100の空気層111内に入った音の高周波成分がロックフェルト150に吸音されて減衰するので、音の高周波成分をさらに効果的に減衰させることができる。
最良の形態10
図12;13に示すように、最良の形態9で説明した遮音構成部100の内筒体102の代わりに、複数の孔118が円筒の筒壁の全域に渡って均等に形成された有孔筒体によって形成された内筒体102を備えた構成とした。
最良の形態10によれば、トイレ室5の室内から内筒体102を形成する有孔筒体の孔118を経由して内筒体102の内側から空間層111に入り込んだ音の低周波成分が空間層111で減衰するとともに、空気層111内に入った音の高周波成分がロックフェルト150に吸音されることによって減衰するので、音の低周波成分及び高周波成分を効果的に減衰させることができる。
最良の形態11
図14;15に示すように、最良の形態9で説明した内筒体102の代わりに、複合内筒体102Bを備えた構成とした。複合内筒体102Bは、前部内筒体155と後部内筒体156とにより形成される。前部内筒体155は、前後両端が開口し、前後の長さが外筒体103の前後の長さより短い断面真円形状の円筒により形成され、複数の孔118が円筒の筒壁の全域に渡って均等に形成された有孔筒体によって形成される。後部内筒体156は、前後両端が開放する筒体であり、前端開口縁157の左右方向の長さが前部内筒体155の後端開口縁158の左右の長さより長い扁平円形状に形成される。前部内筒体155と後部内筒体156とが軸中心を一致させた状態に配置され、前部内筒体155の後端開口縁158の上部と後部内筒体156の前端開口縁157の上部とが互いに接続され、前部内筒体155の後端開口縁158の下部と後部内筒体156の前端開口縁157の下部とが互いに接続されて複合内筒体102Bが形成される。複合内筒体102Bの上端と外筒体103の上の筒壁部106の内面における左右間の中央とが互いに接続され、複合内筒体102Bの下端と外筒体103の下の筒壁部107の内面における左右間の中央とが互いに接続される。以上によって、前部内筒体155の後端開口縁158と後部内筒体156の前端開口縁157との間には、後部内筒体156の内部と空気層111とに開通する空気流通部159が形成される。
最良の形態11の遮音構成部100では、トイレ室5から遮音構成部100に入り込んだ音は複数の孔116を経由して空気層111に入り込み、また、床下空間35から遮音構成部100の内部に入り込んだ音は前部内筒体155の複数の孔116を経由して空気層111に入り込む。空気層111に入り込んだ音の低周波成分が空気層111により減衰されるとともに空気層111内に入った音の高周波成分がロックフェルト150に吸音されることによって減衰するので、音の低周波成分及び高周波成分を効果的に減衰させることができる。
最良の形態12
図12;13で示した最良の形態10の遮音構成部100における内筒体102の外周面に図外の連続気泡シートを巻き付け、外筒体103の左右の筒壁部108;109の内面に吸音材としてのロックフェルト150を設けない構成とした。連続気泡シートは、連続気泡を備えた金属製の繊維積層板により形成される。金属製の繊維積層板は、アルミのくず、ステンレスのくずのような金属くずをプレスして板状に形成したものである。この繊維積層板では、狭い空間が板の厚さ方向に階段状に連続するような連続気泡が形成される。
このような連続気泡を備えた繊維積層板を内筒体102の外周面に巻き付けて構成した最良の形態12の遮音構成部100によれば、音の高周波成分が連続気泡を通過する場合に繊維積層板の基材(連続気泡シートのシート基材)に衝突することによって衝突部分が振動して音の高周波成分が減衰し、また、音圧によって繊維積層板及び内筒体102が板振動するので、音の低周波成分がこの板振動によって減衰する。さらに、音の低周波成分が、小さな空間である連続気泡から大きな空間である空気層111に入るので、効率的に減衰する。
最良の形態13
最良の形態12の遮音構成部100において外筒体103の左右の筒壁部108:109の内面に吸音材としてのロックフェルト150を設けた構成の遮音構成部100とした。最良の形態6の遮音構成部1によれば、空気層111に入った音の高周波成分がロックフェルト50により吸音されて減衰するので、最良の形態5の遮音構成部100より高周波成分の減衰効果を高くできる。
例えば、ロックフェルト150は、外筒体103の前後端に渡って前後に延長して設け、厚さが20mmである。例えば、前部内筒体155の前後の長さが350mm、後部内筒体156の前後の長さが200mmである。例えば、前側有孔筒部115、後側有孔筒部116、内筒体102A、前部内筒体155は、パンチング鉄板により形成し、複数の孔118の開口率は58%とした。また、後述する実験に用いた最良の形態5;6の遮音構成部は、連続気泡シートとしてアルミ箔繊維積層板を内筒体102の外周面全体に巻き付けて形成した。
最良の形態8乃至最良の形態13による遮音構成部100として、それぞれ、外筒体3の左右の長さWが360mmのものと500mmのものとを用意し、これら各遮音構成部1を用いた場合の音圧レベル減衰量(dB)を測定する実験を行った。
実験は、図16に示す実験装置で実施した。即ち、試験体である遮音構成部100の内筒体102の一端側開放口95と内径150mmの前円筒管161の後端開放口とが互いに繋がれ、遮音構成部100の他端側開放口96と内径150mmの後円筒管162の前端開放口とが互いに繋がれ、前円筒管161の前部に音を取り込む音管163の一端が接続され、音管163の他端に音源スピーカ164が配置され、音源スピーカ164には雑音発生器165の発生する雑音が増幅器166で増幅されて入力される。前円筒管161の前端部には無反射端166が形成され、後円筒管162の後端部には無反射端167が形成される。無反射端166は、前円筒管161の内側において筒の前端から遮音構成部100の位置する側に向けて、図外の密度96kg/mで厚さ50mmのグラスウールを2枚、密度48kg/mで厚さ50mmのグラスウールを2枚、密度24kg/mで厚さ50mmのグラスウールを2枚、当該順番で積層して形成した。無反射端167も同様に形成した。音圧レベル減衰量(dB)の測定は、遮音構成部1の一端から前方に所定距離aだけ離れた前円筒管161の内側にマイク68を設置するとともに、遮音構成部1の後端から後方に所定距離bだけ離れた後円筒管162の内側にマイク169を設置し、マイク168;169で集めた音の音圧レベルをそれぞれ個別にサウンドレベルメータ(周波数分析機能付)170;171で測定し、遮音構成部100の前側での音圧レベルと遮音構成部100の後側での音圧レベルとの差、即ち、音圧レベル減衰量を求めた。所定距離aと所定距離bとを同じ距離とし、所定距離a:bを遮音構成部100から無反射端166;167に向けて0mmの地点xから1000mmの地点yまでの間において100mm間隔毎の地点であるそれぞれ11箇所に設定し、遮音構成部100の前後で遮音構成部100から同じ距離にある対応する対の11箇所でそれぞれ音圧レベル減衰量を測定し、その11箇所での減衰量の平均値を測定結果とした。図16の符号以外の数字は寸法を示し、単位はmmである。
尚、比較例Pとして、図16の遮音構成部100の部分に、管の内周面に厚さ20mmの吸音材を備えた長さ1000mmの円筒管を繋げた場合についても同様に測定した。当該円筒管は、管の径寸法が前円筒管161及び後円筒管162と同じ寸法に形成されるとともに、前後端部が前円筒管161及び後円筒管162に嵌り合う寸法に形成されたことによって、前後端部を前円筒管161及び後円筒管162に嵌め合わせて繋げた。
最良の形態8乃至最良の形態13による遮音構成部100及び比較例Pでの測定結果を図17に示す。
最良の形態8乃至13による遮音構成部1の遮音効果について図17乃至図19を参照し、説明する。尚、図17の遮音構成部100の形態の欄に示す左側の数値は最良の形態の番号、右側の()内の数字は外筒体103の左右の長さWを示す。図18では、外筒体103の左右の長さW=360mmとした場合の最良の形態8乃至13による遮音構成部100の結果をまとめてグラフに示した。図19では、外筒体103の左右の長さW=500mmとした場合の最良の形態8乃至13による遮音構成部100の結果をまとめてグラフに示した。
W=360mmの場合、最良の形態8:9で使用した遮音構成部100の遮音効果が優れている。最良の形態1で使用した遮音構成部100では、吸音材部120と空気層111とを備えているので、500Hz帯域以上の高周波成分の音に対する音圧レベル減衰量及び500Hz帯域以下の低周波成分の音に対する音圧レベル減衰量が優れている。最良の形態9で使用した遮音構成部100では、さらにロックフェルト150を備えているために、500Hz帯域以上の高周波成分の音に対する音圧レベル減衰量が優れている。
W=500mmの場合、空気層111と接する外筒体103の内面の面積がW=360mmの場合と比べて大きいので、空気層111に入る音の低周波成分の減衰効果が向上している。
尚、W=360mmの場合において最良の形態13の遮音構成部100での125Hz帯域の減衰量は3.7dB、W=500mmの場合において最良の形態8の遮音構成部100での125Hz帯域の減衰量は3.5dBであり、比較例Pより若干悪いが、計測上の誤差であり、工学的には性能は比較例Pとほぼ同じである。その他は、いずれも比較例Pよりも遮音効果が優れている。
最良の形態14
図20乃至図22に示したような遮音構成部100を備えた遮音ダクト10を用いてもよい。図20は内筒体102の左右の両側の空気層111の大きさを違わせた構成の遮音構成部100である。図21は内筒体102の左右のいずれか一方のみに空気層111を形成した構成の遮音構成部100である。図22は外筒体103の上下の長さHを内筒体102の外径寸法より大きくして内筒体2の上下左右に連続する空気層111を形成した構成の遮音構成部100である。以上のような構成の遮音構成部100であっても、外筒体103の左右の長さWを外筒体103の上下の長さHより長くしたので、内筒体102の外面と外筒体103の内面との間の左右の方向の長さを長くでき、空気層111の容積を大きくでき、空気層111と接する外筒体103の内面の面積を大きくできるので、音の低周波成分の遮音効果を向上できるからである。
尚、最良の形態1乃至14において、開口部42を経由するトイレ室5の室内と廊下6との間の空気の流通経路が遮断手段45により遮断された場合、トイレ室5に対する空気の流通は、空気供給孔32と排気装置31Aの取付孔とを介して、あるいは、空気供給孔32と排気孔111とを介してのみ可能である。
本発明は、一般的な木造住宅にも適用できる。
建物の外壁に形成されて建物外部と建物内部の居住外空間である床下空間又は天井裏空間とに跨って貫通する空気取込孔51を設けるとともに、この空気取込孔51と空気供給孔32とを繋ぐ空気流通経路60を構成してもよい。この場合でも、建物外部から空気流通経路60を経由して特定の部屋に空気が供給されて特定の部屋の換気を行えるとともに、特定の部屋の室内で発生した音の部屋外への透過量を少なくできるという効果が得られる。
特定の部屋と天井裏空間33とに跨って貫通する空気供給孔32と、特定の部屋以外の建物内の居住空間と天井裏空間33とに跨って貫通する空気取込孔51とを形成することによって、これら空気取込孔51と空気供給孔32とを繋ぐ空気流通経路60を構成してもよい。この場合、天井板16の端面と壁の内面とが接触することによるこすれ音の発生をなくすことができる。
少なくとも、排気側の遮音ダクト100及び給気側の遮音ダクト100Bのうち1つ設ければよい。この場合でも、空気流通経路60を経由して特定の部屋に空気が供給されて特定の部屋の換気を行えるとともに、遮断手段45及び1つの遮音ダクトにより特定の部屋の室内で発生した音の部屋外への透過量を少なくできるという効果が得られる。
空気供給孔32は、床下空間35から床板13及び特定の部屋の間仕切り壁を経由して特定の部屋の室内に通じる孔、あるいは、天井裏空間33から天井板16及び特定の部屋の間仕切り壁を経由して特定の部屋の室内に通じる孔により形成してもよい。
尚、特定の部屋は、トイレ室5以外の、例えば、居間、洗濯室、子供部屋などの部屋でもよい。
マンションの一戸のトイレ室を示す断面図(最良の形態1)。 マンションの一戸を示す断面図(最良の形態1)。 マンションの一戸を示す平面図(最良の形態1)。 マンションの一戸のトイレ室を示す断面図(最良の形態2)。 マンションの一戸のトイレ室を示す断面図(最良の形態3)。 マンションの一戸のトイレ室を示す断面図(最良の形態4)。 マンションの一戸を示す断面図(最良の形態6)。 マンションの一戸を示す断面図(最良の形態7)。 (a)は遮音構成部の斜視図、(b)は遮音構成部を前側から見た図(最良の形態8)。 遮音構成部の断面図(最良の形態8)。 遮音構成部の斜視図(最良の形態9)。 遮音構成部の斜視図(最良の形態10)。 遮音構成部の断面図(最良の形態10)。 遮音構成部の斜視図(最良の形態11)。 遮音構成部の断面図(最良の形態11)。 遮音構成部の音圧レベル減衰量を測定した実験装置を示す図(最良の形態8乃至13及び比較例)。 実験結果を示す表(最良の形態8乃至13及び比較例)。 実験結果を示すグラフ(最良の形態8乃至13及び比較例)。 実験結果を示すグラフ(最良の形態1乃至13及び比較例)。 遮音構成部を示す図(最良の形態14)。 遮音構成部を示す図(最良の形態14)。 遮音構成部の他例を示す図(最良の形態14)。
符号の説明
5 トイレ室(特定の部屋)、13 床板、13A 床板の端面、
31 排気手段、31A 排気装置(排気手段)、32 空気供給孔、
35 床下空間、41 出入口、45 遮断手段、51 空気取込孔、
60 空気流通経路、95 一端側開放口、96 他端側開放口、
100 遮音構成部、102 内筒体、103 外筒体、104 蓋体、
111 空気層、115 前側有孔筒部、116 後側有孔筒部、118 孔、
120 吸音材部、121 吸音材収納部、122 吸音材、
200 遮音ダクト(給気側の遮音ダクト)、200A 排気側の遮音ダクト、
204 遮音経路、205 一端側開放口、206 他端側開放口、
208 往復路、209 蛇行路、211 排気孔、S 隙間。

Claims (5)

  1. 複数戸からなる集合住宅を構成し、床が床スラブの上に設置された複数の床支持具と床支持具に敷設された複数の床材とを備えた二重床により形成された建物であって、
    トイレ室と、トイレ室内の空気をトイレ室外に排出するための排気手段と、トイレ室への出入口を経由して隣り合うトイレ室トイレ室以外の建物内部との間の空気の流通を遮断する遮断手段と、トイレ室の床板の端面と一戸を区画する壁との縁を切る隙間により形成されて床下空間とトイレ室内とに通じる空気供給孔と、トイレ室内に設置された遮音ダクトとを備え、
    遮音ダクトは、一端側開放口と空気供給孔とが互いに繋がれ、他端側開放口がトイレ室内に開放されたことによって、トイレ室内と空気供給孔とを繋ぐ遮音経路を形成したことを特徴とする建物。
  2. トイレ室以外の複数の部屋の床板の端面と一戸を区画する壁との縁を切る隙間により形成されてトイレ室以外の部屋と床下空間とに通じる空気取込孔を備え、
    トイレ室への出入口を経由するトイレ室とトイレ室以外の建物内部との間の空気の流通が遮断手段により遮断され、かつ、排気手段の駆動によりトイレ室内が負圧になった場合に、トイレ室以外の複数の部屋からの空気が空気取込孔、床下空間、空気供給孔を経由してトイレ室内に供給されるように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の建物。
  3. 遮音経路が、トイレ室の床と天井との間を往復する往復路により形成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の建物。
  4. 遮音経路が、トイレ室の床と天井との間の蛇行路により形成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の建物。
  5. 遮音ダクトは遮音構成部を備え、遮音構成部は、外筒体と、外筒体の内側に設けられた内筒体と、外筒体及び内筒体の筒の中心軸の延長する筒の前後の端部において外筒体の端部と内筒体の端部とを互いに繋いで外筒体の端部と内筒体の端部との間を密閉状態に塞ぐ塞体と、外筒体と内筒体と塞体とで囲まれた空気層とを備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の建物
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