JP4973010B2 - 電子ミシン及びミシンモータ制御プログラム - Google Patents

電子ミシン及びミシンモータ制御プログラム Download PDF

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Description

本発明は電子ミシン及びミシンモータ制御プログラムに関し、特に、作業者が手動で布送りしながらキルティング縫いする場合の布送りピッチを均一化させるようにしたものに関する。
従来、表布と裏布との間に、綿や羽毛、又はウレタンフォーム等を詰めた3層構造の生地に、表側から装飾的に模様を描きながら縫目を形成するキルティング縫いが要望されている。この場合、ユーザーは、針棒を上下駆動させておいて、3層構造のキルティング生地を任意の方向に自由に移動させて、直線縫目や曲線縫目を組み合わせて、キルティング縫いを楽しむようにしている。
例えば、特許文献1に記載のミシンは、ミシンのアーム部の頭部にイメージセンサを下向きに取付け、縫製中にこのイメージセンサからマイコンに入力される映像の一部を静止画像として微小時間毎に取り込み、第1割込み処理により加工布の移動距離を演算し、第2割込み処理により、予め設定されたピッチ幅と演算された移動距離に基づいて、針棒の動作速度、つまりミシンモータの回転速度が求められ、この回転速度となるようにミシンモータの回転速度を変更するようにして、手動で布送りされる縫目のピッチ幅を均一に揃えるようにしてある。
特開2002−292175号公報 (第3〜4頁、図3〜図5)
特許文献1に記載のミシンにおいては、縫製中における加工布の移動距離を、アーム部の頭部に設けたイメージセンサから出力される微小時間毎の複数の静止画像を画像処理することにより求めるようにしているが、イメージセンサによる画像情報は、加工布の色や材質、縫製時に照射される外光の色や明るさに影響を受けるだけでなく、イメージセンサから加工布までの距離により悪化する場合があり、加工布の移動距離を常に精度よく求めることができず、縫目のピッチ幅の均一化は非常に困難である。
そこで、加工布の移動距離の検出精度を向上させるために、イメージセンサを加工布に接近させた位置、つまり針落ち位置の近傍に設けることが考えられるが、作業者による縫製作業に邪魔になり、作業性に劣ること等の問題がある。
本発明の目的は、縫製作業に邪魔になることなく、加工布の移動距離を検出する検出精度を向上して、手動による布送りに際して縫目ピッチの均一化が図れるようにすることである。
請求項1の電子ミシンは、主軸の回転を介して縫針を上下駆動するミシンモータを備えた電子ミシンにおいて、加工布を手動で布送りしながら縫製する際の縫目ピッチを設定する縫目ピッチ設定手段と、縫製中の各縫製サイクルにおいて消費される上糸と下糸の少なくとも一方の糸消費量を検出する糸消費量検出手段と、糸消費量検出手段からの検出結果に基づいて、手動操作による布送り量が縫目ピッチ設定手段で設定された縫目ピッチとなるようにミシンモータの回転速度を制御する速度制御手段とを備えたものである。
縫製処理が実行される縫製中の各縫製サイクルにおいて、布送りにより消費される上糸と下糸の少なくとも一方の糸消費量が糸消費量検出手段により検出されるので、このように検出された糸消費量に基づいて、手動操作による布送り量が縫目ピッチ設定手段で設定された縫目ピッチとなるように、ミシンモータの回転速度が制御される。
その結果、実際の縫目ピッチが設定された縫目ピッチよりも大きい場合には、ミシンモータの回転速度が速くなり、実際の縫目ピッチが設定された縫目ピッチよりも小さい場合には、ミシンモータの回転速度が遅くなる。それ故、作業者により手動で布送りされる加工布の移動距離、つまり縫目ピッチが揃うようになり、見栄えのよいキルティング縫いに仕上がる。
請求項2の電子ミシンは、請求項1において、前記糸消費量検出手段は、縫針側への上糸の繰り出しにより回転可能に構成された回転皿と、この回転皿の回転量を検出する回転量検出手段とを有するものである。
請求項3の電子ミシンは、請求項1において、前記糸消費量検出手段は、上糸と下糸の少なくとも一方を撮像するCCDイメージセンサ又はCMOSイメージセンサからなる撮像手段と、この撮像手段から出力される画像データを処理する画像データ処理手段とを有するものである。
請求項4の電子ミシンは、請求項1〜3の何れかにおいて、前記糸消費量検出手段は、各縫製サイクルにおける糸消費量を、縫針が加工布に刺さるときの主軸の所定の回転位相角までに決定するものである。
請求項5の電子ミシンは、請求項1において、前記糸消費量検出手段は、主軸の回転位相角を検出する位相角検出手段と、上糸と下糸の少なくとも一方の糸消費に伴って供給される上糸と下糸の少なくとも一方の糸供給開始タイミングを検出するタイミング検出手段とを有するものである。
請求項6の電子ミシンは、請求項5において、前記タイミング検出手段は、上糸を糸掛けする為の糸掛け経路上に設けられる糸取りバネと、この糸取りバネのバネ力が上糸に作用しないバネ力不作用位置から上糸にバネ力が作用するバネ力作用位置へ切り換わる切り換わりタイミングを検出する糸取りバネタイミング検出手段とを有するものである。
請求項7のミシンモータ制御プログラムは、主軸の回転を介して縫針を上下駆動するミシンモータを備えた電子ミシンを制御する制御手段のコンピュータに実行させるに際して、加工布を手動で布送りしながら縫製する際の縫目ピッチを設定する縫目ピッチ設定ルーチンと、縫製中の各縫製サイクルにおいて消費される上糸と下糸の少なくとも一方の糸消費量を検出する糸消費量検出ルーチンと、糸消費量検出ルーチンからの検出結果に基づいて、手動操作による布送り量が前記縫目ピッチ設定ルーチンで設定された縫目ピッチとなるようにミシンモータの回転速度を制御する速度制御ルーチンとを含むものである。
このように、ミシンモータ制御プログラムは、縫目ピッチ設定ルーチンと、糸消費量検出ルーチンと、速度制御ルーチンとを含むので、前記請求項1と同様の作用を奏する。
請求項1発明によれば、主軸の回転を介して縫針を上下駆動するミシンモータを備えた電子ミシンにおいて、縫目ピッチ設定手段と、糸消費量検出手段と、速度制御手段とを備えたので、実際の縫目ピッチが設定された縫目ピッチよりも大きい場合には、ミシンモータの回転速度が速くなるように制御される一方、実際の縫目ピッチが設定された縫目ピッチよりも小さい場合には、ミシンモータの回転速度が遅くなるように制御される。
それ故、加工布の色や材質、縫製時に照射される外光の色や明るさに影響を受けることなく、作業者により手動で布送りされる加工布の移動距離、つまり縫目ピッチが予め設定された基準の縫目ピッチに揃うようになり、見栄えのよい縫い仕上がりになる。
請求項2の発明によれば、前記糸消費量検出手段は、縫針側への上糸の繰り出しにより回転可能に構成された回転皿と、この回転皿の回転量を検出する回転量検出手段とを有するので、小型且つ簡単な構成の回転量検出手段により、低コスト化が図れ、しかも糸消費量を精度良く検出することができる。その他請求項1と同様の効果を奏する。
請求項3の発明によれば、前記糸消費量検出手段は、上糸と下糸の少なくとも一方を撮像するCCDイメージセンサ又はCMOSイメージセンサからなる撮像手段と、この撮像手段から出力される画像データを処理する画像データ処理手段とを有するので、小型且つ安価な撮像手段を設けるだけで、上糸又は下糸の糸消費量を、画像処理により無接触で精度良く求めることができる。その他請求項1と同様の効果を奏する。
請求項4の発明によれば、前記糸消費量検出手段は、各縫製サイクルにおける糸消費量を、縫針が加工布に刺さるときの主軸の所定の回転位相角までに決定するので、手動による布送りが実行された布送り完了時点で布送りにより消費された糸消費量を決定することができ、次の布送りに際して、主軸の回転速度を迅速に反映することができ、縫目ピッチの均一化を図ることができる。その他請求項1〜3の何れかと同様の効果を奏する。
請求項5の発明によれば、前記糸消費量検出手段は、主軸の回転位相角を検出する位相角検出手段と、上糸と下糸の少なくとも一方の糸消費に伴って供給される上糸と下糸の少なくとも一方の糸供給開始タイミングを検出するタイミング検出手段とを有するので、布送りにより消費された上糸と下糸の少なくとも一方の糸供給が開始される糸供給開始タイミングは、糸消費量が多い場合には速くなり、糸消費量が少ない場合には遅くなることから、糸供給が開始されるときのタイミング(主軸の回転位相角)を検出することで、糸消費量を演算でき、糸消費量に応じてミシンモータの回転速度を制御することができる。
請求項6の発明によれば、前記タイミング検出手段は、上糸を糸掛けする為の糸掛け経路上に設けられる糸取りバネと、この糸取りバネのバネ力が上糸に作用しないバネ力不作用位置から上糸にバネ力が作用するバネ力作用位置へ切り換わる切り換わりタイミングを検出する糸取りバネタイミング検出手段とを有するので、布送りにより消費された上糸を布送りの最終時点において糸駒から供給するに際して、糸消費量が多い程、糸取りバネは早いタイミングでバネ力作用位置へ切り換わることから、糸取りバネの切り換わりタイミング、つまり糸消費量に応じたミシンモータの速度制御を、今回の布送りの最終時点で迅速に反映することができる。その他請求項5と同様の効果を奏する。
請求項7の発明によれば、主軸の回転を介して縫針を上下駆動するミシンモータを備えた電子ミシンを制御する制御手段のコンピュータに実行させるミシンモータ制御プログラムであって、縫目ピッチ設定ルーチンと、糸消費量検出ルーチンと、速度制御ルーチンとを含むので、請求項1と同様の効果を奏することができる。
本発明のミシン及びミシンモータ制御プログラムは、予め設定された基準の縫目ピッチに対して、実際の縫目ピッチ(布送り量)が小さい場合にはミシンモータの回転速度を遅くし、実際の縫目ピッチが大きい場合にはミシンモータの回転速度を速くするようにして、手動操作による布送りであっても、縫目ピッチが揃うようにしてある。
図1に示すように、多針ミシンMは、ミシン全体を支持する左右1対の脚部1と、その脚部1の後端部から立設された脚柱部2と、その脚柱部2の上部から前方に延びるアーム部3と、アーム部3の前端部に装着された針棒ケース4と、脚柱部2の下端部から前方に延びるシリンダベッド5と、操作パネル6等から構成されている。
脚部1の上側に左右方向向きのキャリッジ7が設けられ、このキャリッジ7の内部には、X軸駆動モータ51(図4参照)でキャリッジ7の前側に設けられた枠取付台8を左右方向に駆動する左右駆動機構(図示略)が設けられている。脚部1内には、Y軸駆動モータ52(図4参照)でキャリッジ7を前後方向に駆動する前後駆動機構(図示略)が設けられている。
刺繍縫製に供する加工布は刺繍枠9に保持され、この刺繍枠9が枠取付台8に取付けられてセットされる。枠取付台8は、左右駆動機構により左右方向へ移動駆動され、キャリッジ7は前後駆動機構により前後方向へ移動駆動される。このようにして、刺繍枠9がキャリッジ7と同期して前後方向に移動し、枠取付台8と共に左右方向に移動されて、加工布が布送りされる。
アーム部3の前端部に設けられた針棒ケース4には、6本の針棒10が上下動可能に装着され、各針棒10の下端部に縫針11が夫々装着されている。針棒ケース4には各針棒10の各々に対応して6つの天秤12が上下動可能に夫々装着されている。針棒ケース4の上端部には、少し後方上側へ傾斜する合成樹脂製の糸調子台13が固定され、この糸調子台13には、各縫針11の各々に供給される上糸の為の6つの糸調子器14が夫々設けられている。
アーム部3の上側には糸立て台15が設けられ、この糸立て台15に、6個の糸駒を取付け可能な糸立て棒16が設けられ、各糸駒から延びる上糸が対応する糸調子器14及び天秤12等に掛けられた後、針棒10の下端に取付けられた縫針11に供給される。
アーム部3の内部には、針棒変更モータ17(図4参照)で駆動される針棒選択機構(図示略)が設けられている。針棒ケース4は、針棒選択機構により糸調子台13と一体的に左右方向へ移動駆動され、6つの針棒10と天秤12のうちの1つの針棒10と天秤12とが駆動位置に択一的に選択される。
そこで、ミシンモータ18(図4参照)が駆動されると、駆動位置の針棒10及び天秤12が同期して上下駆動され、シリンダベッド5の前端部に設けられた回転釜(図示略)と協働して、シリンダベッド5の上側で刺繍枠9に保持される加工布に刺繍縫目が形成される。更に、アーム部3の右側面には、タッチパネル式の操作パネル6が折り畳み式に設けられている。
この操作パネル6には、図1に示すように、左右方向に長い大型の液晶ディスプレイ6aが設けられるとともに、液晶ディスプレイ6aの表面部には、液晶ディスプレイ6aに表示された複数種類の模様画像や機能名に対応するように、透明な複数のタッチキーを有するタッチパネル6bが設けられている。更に、この液晶ディスプレイ6aの下側に、縫製の開始と停止を指示する起動停止スイッチ6c等が設けられている。
ところで、刺繍縫いを行わない場合には、刺繍枠9の代わりに、左右1対の脚部1の直ぐ上側に作業テーブル(図示略)が水平状に装着される。この作業テーブルには、左右方向中央部において、シリンダベッド5の幅寸法と同じ幅に切り欠いたスリットが形成され、作業テーブルの上面とシリンダベッド5の前端部に設けた針板の上面とが同一高さになっている。それ故、作業性はキルティング生地を作業テーブル上に載置して、キルティング縫いを実行できる。
次に、糸調子器14と、これに設けられた回転量検出機構40について説明する。尚、6つの糸調子器14は同一構造であるので、1つの糸調子器14について説明する。
図2,図3に示すように、糸調子器14は、軸部材20と、ロータリ皿21(これが回転皿に相当する)と、調節機構22と、フランジ付き本体部材23と、永久磁石部材24と、ホール素子25等で構成されている。
軸部材20は、右端側から順次、小径部20a、小径部20b、中径部20c、小径部20dからなる段付き構造で、小径部20aと、この小径部20bを金属製の本体部材23に内装し、更に本体部材23は糸調子台13にフランジ23aを介してビス29にて固定されている。
このフランジ23aには円弧状の長穴23bが形成され、この長穴23bを用いて本体部材23をビス止めするから、本体部材23つまり糸調子器14は糸調子台13に対して位置調節可能になっている。軸部材20の小径部20aは、本体部材23の約右半部の嵌合穴23cにタイトに内嵌され、止めネジ30で本体部材23に一体的に固定されている。尚、本体部材23にアース用の止めネジ31も付設されている。
軸部材20の中径部20cの先端から中径部20cと小径部20dの略全長に亙って軸方向に延びる割り溝20eが形成され、小径部20dの外周において先端から約1/2長さに亙って雄ネジ20fが形成されている。中径部20cの基端部に、薄板部材32が外装され、更に環状のフェルト材33、ロータリ皿21、環状のフェルト材34が一体回転可能に外装されている。
調節機構22は、ロータリ皿21の回転抵抗を調節する機構であり、ロータリ皿押え35、調節ダイヤル36、圧縮コイルバネ37、環状のバネ受け部材38を有する。ロータリ皿押え35は、合成樹脂材料で左端開放の筒状に形成され、中径部20cの右半部に軸方向に移動可能に外嵌されている。このロータリ皿押え35の下端部で、ロータリ皿21に回転抵抗を付与する為のフェルト材33,34を介してロータリ皿21を比較的弱い力で押圧する。
調節ダイヤル36は、合成樹脂材料で下端開放状の略テーパ筒状に形成され、その下端部分がロータリ皿押え35に内嵌している。調節ダイヤル36内の上半部には筒部36aが一体形成され、この筒部36aの内周に雌ネジが形成されて軸部材20の小径部20dの雄ネジ20fに外嵌螺合可能になっている。
環状のバネ受け部材38は、調節ダイヤル36内において小径部20dに軸方向移動可能に外装されている。バネ受け部材38の上端部に形成されたフランジ38aとロータリ皿押え35間に圧縮コイルバネ37が介装され、この圧縮コイルバネ37の付勢力でもってバネ受け部材38のフランジ38aを調節ダイヤル36内の筒部36aに当接させると共に、ロータリ皿押え35がロータリ皿21を押圧するようになっている。従って、調節ダイヤル36を指で回してバネ受け部材38を軸方向に移動させ、圧縮コイルバネ37の付勢力を調節し、ロータリ皿押え35に作用する押圧力を調節してロータリ皿21の回転抵抗を調節する。
ここで、ロータリ皿21は、1対の薄板状の金属製円盤を背面合わせ状に係合して構成され、その外周部の断面略V形の糸案内溝39に上糸が1巻分(1周分)巻回される。糸案内溝39の底部付近部のロータリ皿21には、複数の抜き穴21aが周方向一定間隔おきに形成され、これら抜き穴21aによって糸案内溝39に巻回された上糸とロータリ皿21の間にスリップが生じないようになっている。
次に、回転量検出機構40について説明する。
回転量検出機構40は、永久磁石部材24とホール素子25等からなっている。ロータリ皿21の軸心と直交する右側面には、ロータリ皿21の約1/2の直径で厚さ約2〜3mmの環状の永久磁石部材24が取付けられている。この永久磁石部材24は、焼結金属製のものであって、複数のN極と複数のS極を、N極とS極とが交互に位置するように環状に配置した環状の永久磁石部材からなる。
永久磁石部材24の磁界はその板厚の方向(糸調子器14の軸心方向)に向けられている。ホール素子25は、本体部材のフランジ23aに固着された基板に設けられている。それ故、ロータリ皿21が回転する場合、N極とS極が交互に配設された永久磁石部材24からホール素子25に投射される磁界の方向が短時間毎に切り換わるため、ホール素子25には正弦波的な信号が発生する。そこで、この正弦波的な検出信号を波形整形回路で波形整形した後、「0」〜「1」の範囲の矩形波パルスに変換する。
縫製が開始され、上糸が縫針11の方へ移動するのに応じて、ロータリ皿21が回転する。このとき、永久磁石部材24からホール素子25へ発する磁界の変化が発生し、ホール素子25から正弦波的な検出信号が出力され、この検出信号に基づく矩形波パルスのパルス数により、上糸の糸消費量を検出することができる。
次に、多針ミシンMの制御系について説明する。
図4に示すように、制御装置45は、CPU46とROM47とRAM48等を含むマイクロコンピュータで構成されている。但し、制御装置45には、ホール素子25からの正弦波的な検出信号を波形整形する波形整形回路と、このように波形整形した検出信号を矩形波状のパルス信号に変換する為の変換器が設けられている。
制御装置45には、更に、操作パネル6と、各糸調子器14に設けられた6つのホール素子25(1つのホール素子25だけ図示)と、主軸の回転位相角を検出する位相角検出センサ50と、ミシンモータ18の為の駆動回路53と、針棒変更モータ17の為の駆動回路54と、X軸駆動モータ51の為の駆動回路55と、Y軸駆動モータ52の為の駆動回路56とが夫々接続されている。
ROM47には、多針ミシンMを制御して縫製処理する本願特有のミシンモータ制御プログラム、刺繍縫いを行う為の複数種類の模様データ等が格納されている。RAM48には、縫製する刺繍模様の模様データを格納するメモリ、設定された縫目ピッチを記憶する縫目ピッチメモリ、ホール素子25から受けるパルス数信号のカウント値を記憶するパルス数カウンタ、その他CPU46で演算された演算結果を一次的に格納する各種のバッファやカウンタやメモリ等が必要に応じて設けられている。
次に、多針ミシンMの制御装置45により実行されるフリーモーション縫製制御について、図5のフローチャートに基づいて説明する。但し、図中符号Si(i=11、12、13・・・)は各ステップである。
多針ミシンMに電源が投入されると、操作パネル6の液晶ディスプレイ6aには、多数の模様群を表示する模様群選択画面が表示され、この模様群選択画面において、通常の刺繍模様が選択されると、図示しない刺繍模様縫製処理が実行される。しかし、フリーモーションが選択されると、フリーモーションモードが設定され、この制御が開始される。
但し、このようにフリーモーションモードが設定されると、X軸駆動モータ51とY軸駆動モータ52が所定量だけ駆動されて、キャリッジ7が奥側、つまり後方に移動して待機している。それ故、作業者は作業テーブル上でキルティング縫いを行うことができる。そこで、作業者は、先ず、操作パネル6により縫目ピッチを設定する縫目ピッチ設定処理を実行する(S11)。
この縫目ピッチ設定処理においては、操作パネル6の液晶ディスプレイ6aに縫目ピッチ設定画面が表示されるので、作業者は所望の縫目ピッチ、例えば、「5mm」を設定する。その結果、制御装置45のRAM48に有する縫目ピッチメモリには、S11で設定された縫目ピッチが基準の縫目ピッチとして記憶される。
次に、作業者により起動停止スイッチ6cが操作されてミシンモータ18が起動されると(S12:Yes)、ミシンモータ18は所定の低速回転(例えば、100回転/分)で駆動される(S13)。次に、針数カウンタの針数カウント値NNが「0」に初期設定され(S14)、縫製速度制御処理(図6参照)が実行される(S15)。
この縫製速度制御処理のための縫製速度制御が開始されると、先ず、位相角検出センサ50から入力される位相角信号に基づいて、主軸の位相角が求められ、位相角が「115°」でない場合、つまり縫針11がキルティング用生地に刺さる位相角でない場合には(S21:No)、この制御を直ぐに終了する。しかし、縫針11がキルティング用生地に刺さって、位相角が「115°」に達した場合には(S21:Yes)、針数カウント値NNが1つインクリメントされる(S22)。
次に、この針数カウント値NNが「5」よりも大きくない場合、つまり縫製開始後、針数が「5針」以下の場合には(S23:No)、RAM48のパルス数メモリに記憶されているパルス信号のカウント値がクリアされ(S28)、この制御を終了する。しかし、針数カウント値NNが「5」よりも大きい場合、つまり縫製開始後、針数が「6針」に達すると(S23:Yes)、縫目の形成状態が安定することから、パルス数メモリに記憶されているパルス信号のカウント値が読み込まれる(S24)。
次に、この読み込まれたパルス信号のカウント値に基づいて上糸消費量が演算される(S25)。即ち、1つのパルス信号に対応する上糸消費量にカウント値を掛け算することで、今回の布送りにより消費された上糸消費量が縫目ピッチとして演算される。次に、このように演算された縫目ピッチに基づいて、S11で設定された基準の縫目ピッチとなるようミシンモータ18の適正縫製速度が演算される(S26)。
この適正縫製速度演算においては、S25で求められた実際の上糸消費量(実際の縫目ピッチ)に現在のミシンモータ18の縫製速度を掛け算し、S11で設定された基準の縫目ピッチで割り算することで、適正な縫製速度が求められる。そこで、この適正な縫製速度となるように、ミシンモータ18が制御される(S27)。これにより、手動で布送りされる量に従った縫製速度に制御され、縫目ピッチを揃えることができる。そして、最後に、パルス信号のカウント値がクリアされ(S28)、この制御を終了し、フリーモーション縫製制御のS16にリターンする。
そして、フリーモーション縫製制御において、パルス信号のカウント値をカウントアップする上糸消費量演算処理が実行され(S16)、ホール素子25から入力されるパルス信号によりパルス数カウンタのカウント値を順次インクリメントする。次に、起動停止スイッチ6cが操作されない場合には(S17:No)、S15〜S17が繰返して実行される。フリーモーション縫いの終了に伴って起動停止スイッチ6cが操作された場合(S17:Yes)、この制御を終了する。
ここで、フリーモーション縫製制御のS11が縫目ピッチ設定ルーチンに相当し、このS11を実行する制御装置45が縫目ピッチ設定手段に相当する。また、縫製速度制御のS24〜S25が糸消費量検出ルーチンに相当し、このS24〜S25を実行する制御装置45が糸消費量検出手段に相当する。また、縫製速度制御のS26〜S27が速度制御ルーチンに相当し、このS26〜S27を実行する制御装置45が速度制御手段に相当する。更に、ホール素子25、永久磁石部材24、パルス数カウンタ等から回転量検出手段が構成されている。
次に、多針ミシンMの作動について説明する。
作業者は、キルティング縫いに際して、先ず所望の縫目ピッチ、例えば、「5mm」を操作パネル6により設定する。そして、起動停止スイッチ6cが操作されてキルティング縫いが開始されると、縫製速度が安定するまで、最初の5針分の縫製処理においては、例えば、毎分100回転の低速で縫製される。この5針分においても、作業者はキルティング生地を任意の方向に移動させながらキルティング縫いが実行される。
5針分の低速による縫製処理が終了し、6針目以降においては、縫針11がキルティング生地に刺さり、主軸の位相角が115°に達したときに、パルス信号のカウント値に基づいて、今回の布送りにより消費された上糸消費量が演算される。この上糸消費量が「6mm」の場合には、S26において説明した演算式により、適正な縫製速度として「120回転/分」が求められるので、この「120回転/分」の回転速度となるようにミシンモータ18が制御される。
それ故、ミシンモータ18の回転速度が高速化されるので、1針あたりのキルティング生地の移動量が少なくなり、布送り量、つまり実際の縫目ピッチが基準の縫目ピッチ「5mm」に近づく。その為、作業者により手動で布送りされるキルティング生地の移動距離、つまり縫目ピッチが揃うようになり、見栄えのよいキルティング縫いに仕上がる。
このように、実際の縫目ピッチが設定された縫目ピッチよりも大きい場合には、ミシンモータ18の回転速度が速くなるように制御される一方、実際の縫目ピッチが設定された縫目ピッチよりも小さい場合には、ミシンモータ18の回転速度が遅くなるように制御されるので、加工布の色や材質、縫製時に照射される外光の色や明るさに影響を受けることなく、作業者により手動で布送りされる加工布の移動距離、つまり縫目ピッチが予め設定された基準の縫目ピッチに揃うようになり、見栄えのよい縫い仕上がりになる。
また、縫製速度制御は、縫い始めから6針目以降の各縫製サイクルで適用するようにしているので、縫い始めの5針分の縫目の形成が不安定な状態を回避して、6針目以降の安定した縫製状態で縫製速度制御を実行することができる。
また、縫針11側への上糸19の繰り出しにより回転可能に構成され、上糸19に張力を付与するロータリ皿21と、このロータリ皿21の回転量を検出する回転量検出機構40を設けたので、小型且つ簡単な構成の回転量検出機構40により、低コスト化が図れ、しかも糸消費量を精度良く検出することができる。
更に、各縫製サイクルにおける糸消費量を、縫針11がキルティング生地に刺さるときの主軸の所定の回転位相角(115°)までに決定するので、手動による布送りが実行された布送り完了時点で布送りにより消費された糸消費量を決定することができ、次の布送りに際して、主軸の回転速度を迅速に反映することができ、縫目ピッチの均一化を図ることができる。
次に、前記実施例を部分的に変更した変更形態について説明する。
1)フリーモーション縫製制御において、基準となる縫目ピッチは、作業者により設定されるのではなく、縫製開始直後の5針目の布送りによる上糸消費量により自動的に設定するようにしてもよい。即ち、図7に示すように、作業者により、基準となる縫目ピッチが設定されることなく、直ぐに、起動停止スイッチ6cの操作により(S12:Yes)、キルティング縫いが開始される。ここで、S13〜S17については前述した実施例のフリーモーション縫製制御と同様なので、その説明を省略する。
次に、部分的に変更された縫製速度制御について図8に基づいて説明する。主軸の位相角が「115°」に達すると(S31:Yes)、針数カウント値NNが1つインクリメントされ(S32)、針数カウント値NNが「5」未満の場合には(S33)、回転パルス数のカウント値がクリアされ(S41)、この制御を直ぐに終了する。しかし、針数カウント値NNが「5」になったときには(S33)、パルス信号のカウント値が読み込まれ(S34)、このカウント値に基づいて上糸消費量が演算され(S35)、この上糸消費量に基づいて、基準の縫目ピッチとして縫目ピッチメモリに記憶されて設定される(S36)。
その後、針数カウント値NNが「5」よりも大きい場合には(S33)、S37〜S41が前述したS24〜S28と同様に実行される。この場合にも、前記実施例と同様の効果を奏することができる上、作業者による基準とする縫目ピッチの設定作業を省略することができ、縫製作業能率が向上する。
2)上糸消費量を、アーム部の糸掛け経路に設けたCMOSイメージセンサ60a(これが撮像手段に相当する)で検出するようにしてもよい。即ち、図9に示すように、多針ミシンMの糸調子台13の後端近傍部の内部に、6つの上糸掛け経路の各々に対応するように、センサユニット60が夫々設けられている。
各センサユニット60には、図10に示すように、CMOSイメージセンサ60aと、このCMOSイメージセンサ60aに接続されたDSP(デジタル・シグナル・プロセサー)60bと、LED(発光ダイオード)60cが組み込まれている。そこで、糸調子台13に形成された開口穴を介して、上糸19をCMOSイメージセンサ60aで撮像可能になっている。
それ故、このセンサユニット60のDSP60bは1チップマイコンからなり、CMOSイメージセンサ60aで撮像された微小時間毎の多数の画像データ(画像情報)を逐次信号処理し、撮像開始した時点からの上糸の総移動量を演算して記憶する一方、この総移動量を制御装置45Aに出力可能になっている。
次に、多針ミシンMの制御系について説明する。
図10に示すように、制御装置45Aは、前述した実施例の制御装置45と略同様に構成されている。但し、制御装置45Aには、6つのセンサユニット60(1つのセンサユニット60だけ図示)が接続されている。
次に、センサユニット60から供給される画像情報に基づいて上糸消費量を検出してミシンモータ18の回転速度を制御するフリーモーション縫製制御について説明する。
図11に示すように、このフリーモーション縫製制御は、前述した実施例のフリーモーション縫製制御のS16を省略したものであり、詳細な説明を省略する。
次に、図12に示す縫製速度制御について説明する。先ず、この縫製速度制御のS51〜S53については前述した実施例のS21〜S23と同様である。そして、針数カウント値NNが「5」よりも大きい場合(S53:Yes)、センサユニット60から上糸移動量が読み込まれる(S54)。ここで、この読み込まれた上糸移動量は、主軸が115°に達する毎の1縫製サイクルにおける糸移動量である。
次に、前述したS26〜S27と同様にS55〜S56が実行され、適正な縫製速度となるようにミシンモータ18が制御される。その後、制御装置45Aからセンサユニット60に対してクリアコマンドを送信することで、センサユニット60の糸移動量がクリアされる(S57)。ここで、センサユニット60が画像データ処理手段に相当する。縫製速度制御のS54を実行する制御装置45Aが糸消費量検出手段に相当する。
このように、上糸をCMOSイメージセンサ60aで微小時間毎に撮像し、このCMOSイメージセンサ60aから出力される多数の画像データを処理して糸消費量を演算するセンサユニット60を設けたので、小型且つ安価な撮像手段を設けるだけで、上糸19の糸消費量を、画像処理により無接触で精度良く求めることができる。ここで、CMOSイメージセンサ60aに代えて、CCDイメージセンサを用いることも可能である。
3)上糸消費量を、糸取りバネ71がバネ力不作用位置からバネ力作用位置に切換わるときの切り換わりタイミングを主軸の位相角で検出し、この切り換わりときの主軸の位相角に応じてミシンモータ18の回転速度を制御するようにしてもよい。
そこで、糸取りバネ71が、上糸19にバネ力が作用したバネ力作用位置に切り換わるのを検出する切り換わり検出機構70について、図13,図14に基づいて説明する。
切り換わり検出機構70は、糸調子器14の近傍の糸調子台13に設けられ、糸調子器14から天秤12へ至る上糸19を引っ掛けて天秤12と略同期して揺動する糸取りバネ71と、糸取りバネ71と一体的に揺動する筒状の揺動部材72と、糸取りバネ71を揺動側へ回動付勢する捩じりバネ73と、揺動部材72に設けられたシャッター74と、シャッター74の回動位置を検出可能なフォトインタラプタからなる切り換わり検出センサ75等で構成されている。
糸取りバネ71は捩じりバネ73の先端部分に曲げ形成され、この捩じりバネ73の殆どは合成樹脂製のバネホルダー76の内部に収納され、バネホルダー76は糸調子台13に固定されている。
捩じりバネ73は径方向外側へ屈曲させたレバー部73aを有し、このレバー部73aの先端部分を屈曲させて糸取りバネ71が形成されている。また、捩じりバネ73は直線状に伸ばした連結直線部73bを有し、この連結直線部73bがバネホルダー76に挿通されて回動不能に連結されている。
揺動部材72は、バネホルダー76に回動自在に外嵌装着される筒部72aと、筒部72aの外周部側から下方へ延びるバー部72bと、バー部72bの下端部から水平方向延びる揺動部72cとを一体形成してなる合成樹脂材料で構成されている。揺動部72cの先端部にシャッター74が一体形成されている。
バネホルダー76の一端部に鍔部76aが一体形成され、揺動部材72の筒部72aは鍔部76aに当接させてバネホルダー76に外嵌装着され、揺動部材72は糸取りバネ71と一体的に揺動可能になっている。更に、糸調子台13に固着された基板77に、発光部と受光部とを対向状に有する切り換わり検出センサ75が取付けられ、これら発光部と受光部との間を、シャッター74が移動可能になっている。
それ故、糸取りバネ71が、図14に実線で示すバネ力不作用位置にあるときには、シャッター74が切り換わり検出センサ75の発光部と受光部間を遮蔽し、切り換わり検出センサ75によりシャッター74が検出された状態になる。一方、糸取りバネ71が、図14に2点鎖線で示すバネ力作用位置にあるときには、シャッター74が切り換わり検出センサ75の発光部と受光部間から離れ、切り換わり検出センサ75によりシャッター74が検出されない状態になる。
縫製中において、縫針11が加工布よりも下側に移動した状態では、縫針11の下降に同期して天秤12が下降する為、糸取りバネ71は図14に実線で示すバネ力不作用位置に切換えられている。しかし、縫針11が加工布よりも上側に移動して加工布が布送りされる場合に、この布送り量により消費された上糸消費量に必要な上糸19が糸駒から繰り出されて縫針11に供給されるため、糸取りバネ71は捩じりバネ73の回動付勢力に抗して揺動し、図14に2点鎖線で示すバネ力作用位置に切換えられる。
このように、糸取りバネ71がバネ力不作用位置に切換えられた場合には、切り換わり検出センサ75から一定時間連続的に「L」レベルの検出信号が出力される。しかし、糸取りバネ71がバネ力作用位置に切換えられた場合には、シャッター74が切り換わり検出センサ75の発光部と受光部を遮蔽しないので、切り換わり検出センサ75から一定時間連続的に「H」レベルの検出信号が出力される。
次に、多針ミシンMの制御系について説明する。
図15に示すように、制御装置45Bは、前記実施例と略同様に構成されている。但し、制御装置45Bに、6つの切り換わり検出センサ75(1つの切り換わり検出センサ75だけ図示)が電気的に接続されている。
次に、制御装置45Bで実行されるフリーモーション縫製制御について説明する。この場合、前述した実施例で説明した図5のフリーモーション縫製制御が実行されながら、図16に示す割込み処理によりミシンモータ18が制御される。この割込み処理は、糸取りバネ71がバネ力作用位置に切換えられて、切り換わり検出センサ75から「H」レベルの検出信号が入力される毎に実行される。
主軸の位相角が約70°に達して、天秤12の上昇動作による糸引き締めに際して、布送りにより消費された上糸19が糸駒から繰り出されるのに応じて、主軸の位相角が約350°〜20°の範囲において、糸取りバネ71がバネ力作用位置に切換えられ、切り換わり検出センサ75から「H」レベルの検出信号が入力されて、図16に示す割込み処理が実行される。
この割込み処理が実行されると、針数カウント値NNが「5以下」の場合には(S62:No)、この制御を直ぐに終了する。しかし、針数カウント値NNが「5よりも大きい」場合には(S62:Yes)、このときの主軸の位相角が読み込まれ(S63)、この位相角θに基づいて、縫目長さが演算される(S64)。この縫目長さ演算処理においては、例えば、−0.001θ3+0.0407θ2×2.0455θ+27.2により演算される。但し、350°は−10°とするように連続した数値で角度θを与える。
次に、この縫目長さが縫目ピッチとして、適正な縫製速度が演算される(S65)。この適正縫製速度演算は、前記実施例のS26で説明したのと同様なので、その説明を省略する。そして、このように求められた適正縫製速度となるように、ミシンモータ18が制御され(S66)、この制御を終了する。
ここで、位相角検出センサ50が位相角検出手段に相当し、割込み処理のS63を実行する制御装置45Bが糸取りバネタイミング検出手段に相当し、糸取りバネ71を有する切り換わり検出機構70と制御装置45B等がタイミング検出手段に相当し、割込み処理のS64を実行する制御装置45Bが糸消費量検出手段に相当する。但し、ROM47に、上糸消費量と主軸の位相角とを対応させた位相角テーブルデータを予め記憶させておき、S64において、読み込まれた位相角に対応する上糸消費量を位相角テーブルから求めるようにしてもよい。
このように、布送りにより消費された上糸19の糸駒からの供給に際して、糸取りバネ71は糸消費量が多い程、布送りの最終時点において、早いタイミングでバネ力作用位置へ切り換わることから、今回の布送りで消費された糸消費量に応じたミシンモータ18の制御が、今回の布送りの最終時点で直ぐに反映することができる。しかも、主軸の位相角が115°に達すると、前述した実施例の縫製速度制御により、ミシンモータ18の速度制御が続いて実行されるので、ミシンモータ18の回転速度の制御精度を格段に高めることができる。
ここで、布送りによる上糸消費に伴って糸駒から供給される上糸の供給開始タイミングを、回転量検出機構40のロータリ皿21の回転開始タイミングで検出したり、CMOSイメージセンサにより検出し、この糸供給開始タイミングに基づいてミシンモータ18の速度制御を行うようにしてもよい。
4)前述した実施例及び変更形態においては、縫製に伴う上糸19の糸消費量を求めたが、CMOSイメージセンサを回転釜の近傍に設け、下糸についても同様に糸消費量を下糸移動量により演算により求め、この下糸消費量に基づいて、ミシンモータ18の回転速度を制御して、縫目ピッチを揃えるようにしてもよい。この場合にも、前記実施例と同様の効果を奏することができる。
5)前述した実施例における糸調子器14は、ロータリ皿21によって上糸に張力を付与すると共にこのロータリ皿21の回転量を検出することにより上糸の糸消費量を検出する構成であるが、上糸に張力を付与する為の糸調子皿を有する糸調子器と、上糸の糸消費量を検出する為の回転皿を有する糸消費量検出器とを別々に設けてもよい。
6)糸取りバネ71を有する切り換わり検出機構70は、針棒ケース4の中に設けてもよい。
7)本発明は、以上説明した実施例に限定されるものではなく、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を付加して実施することができ、本発明はそれらの変更形態をも包含するものである。
多針ミシンの斜視図である。 糸調子器の要部部分縦断側面図である。 糸調子器の要部横断平面図である。 多針ミシンの制御系のブロック図である。 フリーモーション縫製制御のフローチャートである。 縫製速度制御のフローチャートである。 変更形態に係る図5相当図である。 変更形態に係る図6相当図である。 多針ミシンの糸調子台の平面図である。 変更形態に係る図4相当図である。 変更形態に係る図5相当図である。 変更形態に係る図6相当図である。 切り換わり検出機構の斜視図である。 切り換わり検出機構の平面図である。 変更形態に係る図4相当図である。 割込み処理制御のフローチャートである。
M 多針ミシン
6 操作パネル
11 縫針
21 ロータリ皿
25 ホール素子
40 回転量検出機構
45 制御装置
45A 制御装置
45B 制御装置
60 センサユニット
60a CMOSイメージセンサ
70 切り換わり検出機構
71 糸取りバネ

Claims (7)

  1. 主軸の回転を介して縫針を上下駆動するミシンモータを備えた電子ミシンにおいて、
    加工布を手動で布送りしながら縫製する際の縫目ピッチを設定する縫目ピッチ設定手段と、
    縫製中の各縫製サイクルにおいて消費される上糸と下糸の少なくとも一方の糸消費量を検出する糸消費量検出手段と
    前記糸消費量検出手段からの検出結果に基づいて、手動操作による布送り量が前記縫目ピッチ設定手段で設定された縫目ピッチとなるように前記ミシンモータの回転速度を制御する速度制御手段と、
    を備えたことを特徴とする電子ミシン。
  2. 前記糸消費量検出手段は、前記縫針側への上糸の繰り出しにより回転可能に構成された回転皿と、この回転皿の回転量を検出する回転量検出手段とを有することを特徴とする請求項1に記載の電子ミシン。
  3. 前記糸消費量検出手段は、上糸と下糸の少なくとも一方を撮像するCCDイメージセンサ又はCMOSイメージセンサからなる撮像手段と、この撮像手段から出力される画像データを処理する画像データ処理手段とを有することを特徴とする請求項1に記載の電子ミシン。
  4. 前記糸消費量検出手段は、前記各縫製サイクルにおける糸消費量を、前記縫針が加工布に刺さるときの前記主軸の所定の回転位相角までに決定することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の電子ミシン。
  5. 前記糸消費量検出手段は、前記主軸の回転位相角を検出する位相角検出手段と、前記上糸と下糸の少なくとも一方の糸消費に伴って供給される上糸と下糸の少なくとも一方の糸供給開始タイミングを検出するタイミング検出手段とを有することを特徴とする請求項1に記載の電子ミシン。
  6. 前記タイミング検出手段は、前記上糸を糸掛けする為の糸掛け経路上に設けられる糸取りバネと、この糸取りバネのバネ力が前記上糸に作用しないバネ力不作用位置から前記上糸にバネ力が作用するバネ力作用位置へ切り換わる切り換わりタイミングを検出する糸取りバネタイミング検出手段とを有することを特徴とする請求項5に記載の電子ミシン。
  7. 主軸の回転を介して縫針を上下駆動するミシンモータを備えた電子ミシンを制御する制御手段のコンピュータに実行させるミシンモータ制御プログラムであって、
    加工布を手動で布送りしながら縫製する際の縫目ピッチを設定する縫目ピッチ設定ルーチンと、
    縫製中の各縫製サイクルにおいて消費される上糸と下糸の少なくとも一方の糸消費量を検出する糸消費量検出ルーチンと
    前記糸消費量検出ルーチンからの検出結果に基づいて、手動操作による布送り量が前記縫目ピッチ設定ルーチンで設定された縫目ピッチとなるように前記ミシンモータの回転速度を制御する速度制御ルーチンと、
    を含むことを特徴とするミシンモータ制御プログラム。
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