本発明は、光重合性液晶組成物、この組成物から得られる重合体または重合体組成物、これら重合体または重合体組成物から得られるフィルム、及びこのフィルムを用いた光学補償素子に関する。
近年、光重合性の液晶を用いた偏光板や位相差板等の光学素子への応用が提案されている。
これらの光学素子は、光学異方性を有する重合性の液晶を液晶状態で重合し固定化することによって得られる。したがって、液晶状態において適切な配向制御を行った後、重合させることによって、ホモジニアス配向、チルト配向、ハイブリッド配向、ホメオトロピック配向およびツイスト配向等の種々の光学異方性を有する重合体を得ることができる。
ホモジニアス配向を有する重合体は、例えば、1/2波長板、1/4波長板、または、他の光学機能を有するフィルムと組み合わせた応用がある。ハイブリッド配向を有する重合体は、例えば、TN(Twisted Nematic)モードにおける視野角補償板としての応用がある。ホメオトロピック配向を有する重合体は、例えば、他の光学機能を有するフィルムと組み合わせて、偏光板の視野角特性改善の応用がある。
また、ねじれ配向を有する重合体、つまり、正の複屈折を有する重合性の液晶分子を主体としたコレステリック液晶の重合体は、螺旋のピッチ(P)によって種々の光学素子としての応用がある。可視光を対象とした場合、Pが波長より十分に大きい場合は、例えば、旋光子の機能を用いてヘッドアップディスプレイやプロジェクターへの応用または複屈折の機能を用いてSTN(Super Twisted Nematic)モードにおける光学補償(特許文献1参照)への応用がある。
Pが波長と同程度の場合、主に、(A)350/nave (nm)< P 800/nave(nm)、(B)P350/nave(nm)の2つの応用に分けられる。ここで、naveは平均屈折率である。(A)の場合、例えば、選択反射を利用した装飾部材などの意匠用途、偽造防止用途および液晶表示素子に用いるカラーフィルターへの応用あるいは輝度上昇フィルムへの応用(非特許文献1参照)がある。
また、(B)の場合、螺旋軸に垂直な面についての可視光域の屈折率は((ne2+no2)/2)0.5で表され、螺旋軸方向についての可視光域の屈折率はnoに等しい(非特許文献2参照)。このような光学的特性を有する光学フィルムは、ネガティブC−プレートと呼ばれる。ネガティブC−プレートは、液晶セルに対して垂直に配向した正の複屈折を有する液晶領域のレタデーションを補償できるので、液晶表示素子のうちVA(Vertically Aligned)、TN(Twisted Nematic)、OCB(Optically Compensated Birefringence)、HAN(Hybrid Aligned Nematic)などの表示素子における視野角特性改善に適した光学補償板となる。現在、延伸したポリマーフィルムあるいはプラーナー配向した負の複屈折を有するディスコチック液晶を利用したフィルム(特許文献2参照)が用いられている。正の複屈折を有する液晶分子からなるコレステリック液晶の重合体を利用することによって、屈折率異方性値およびその波長分散の設計の自由度が広がる。また、ネガティブC−プレートは、種々の光学補償層と組み合わせて用いることができる。
上記いずれの用途に対しても、光学異方性膜をセルの内部に設けることもできるし、セルの外部に設けることもできる。セルの内部に設ける方式として、例えば、特許文献3に記載されている方式がある。また、セルの外部に設ける方式として、例えば、特許文献4に記載されている方式がある。セルの外部に設ける場合、重合性液晶材料は、その支持体として、例えば、TAC(トリアセチルセルロース)、ノルボルネン樹脂等のフィルム上に積層される場合がある。
上記構成に対して重合性液晶の重合体を利用する際に、セルの内部に設ける場合は、他の部材を成形する条件から、十分な耐熱性が要求され、セルの外部に設ける場合は、その支持体との良好な密着性および十分な耐熱・耐湿性が求められる。また、両方の場合に共通して、光重合性の液晶に対して硬化前の特性として、室温でネマチック相を有し、広いネマチック相を有し、良好な配向性を示し、大気中下でのUV照射による速硬性を有し、硬化後の特性として、光学設計に応じた適切なΔnを有し、透明性を有し、耐熱性および耐湿性に優れた光重合性液晶組成物の開発が望まれている。
特開平8−87008号公報
特開2002−6138号公報
特開2001−222009号公報
特開2002−372623号公報
Y. Hisatake et al, Asia Display/IDW '01 LCT8-2
W. H. de Jeu, Physical Properties of Liquid Crystalline Materials, Gordon and Breach, New York(1980)
本発明の目的は、光重合性の液晶に対して硬化前の特性として、室温でネマチック相を有し、広いネマチック相を有し、良好な配向性を示し、大気中下でUV照射による速硬性を有し、硬化後の特性として、支持体との良好な密着性、十分な耐熱性および耐湿性を有し、適切なΔnを有し、透明性を有する光重合性液晶組成物、および、それを用いた光学補償素子を提供することである。
本発明は下記の[1]から[31]項を包含する。
[1] 第一成分として、オキシラニルを有する化合物、第二成分として、オキセタニルを有する化合物を含有する液晶組成物。
[2] 第一成分として、オキシラニルを有する化合物が、式(1−1)、(1−2)または(1−3)で示される化合物の何れかである項1に記載の液晶組成物。
ここで、R1はハロゲン、−CN、−NCS、−OCF3、−OCF2H、炭素数2〜30のアルケニルまたは炭素数1〜30のアルキルであり、このアルキルまたはアルケニル中の任意の−CH2−は、−O−または−S−で置き換えられてもよく;R2は独立して、水素、ハロゲンまたは炭素数1〜5のアルキルであり、このアルキル中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;Z1は独立して、単結合、−O−、−S−、−COO−、−OCO−または−OCOO−であり;Z2は独立して、単結合または炭素数1〜30のアルキレンであり、このアルキレン中の任意の−CH2−は、−O−または−S−で置き換えられてもよく;Z3は独立して、単結合、−CH2CH2−、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−C≡C−、−CH=CH−、−CH2O−、−OCH2−、−N=N−、−N=N(O)−、−CH2S−、−SCH2−、−N=CH−、−CH=N−、−CO−NH−、−NH−CO−、−OCO−CH=CH−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−CO−NH−、−NH−CO−CH=CH−、−(CH2) q−COO−または−OCO−(CH2) q−であり;Z4は独立して、単結合、−CH2CH2−、−O−、−COO−、−OCO−または−C≡C−であり;A1は独立して、芳香環、脂肪族環、複素環または縮合環であり、これらの環の任意の水素は、ハロゲンまたは炭素数1〜10のアルキルで置き換えられてもよく、このアルキル中の水素は、ハロゲンで置き換えられてもよく;A2は独立して、1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレンまたは少なくとも1つの水素がハロゲン若しくは炭素数1〜10のアルキルで置き換えられた1,4−フェニレンであり、このアルキル中の任意の水素は、ハロゲンで置き換えられてもよく;X1は独立して、水素、ハロゲンまたは炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく:pは1〜3の整数であり;qは1〜20の整数である。
[3] 第二成分として、オキセタニルを有する化合物が、式(2−1)、(2−2)または(2−3)で示される化合物の何れかである項1に記載の液晶組成物。
ここで、R1はハロゲン、−CN、−NCS、−OCF3、−OCF2H、炭素数2〜30のアルケニルまたは炭素数1〜30のアルキルであり、このアルケニルまたはアルキル中の任意の−CH2−は、−O−または−S−で置き換えられてもよく;R3は独立して、ハロゲン、炭素数1〜5のアルキルであり、このアルキル中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;Z1は独立して、単結合、−O−、−S−、−COO−、−OCO−または−OCOO−であり;Z2は独立して、単結合または炭素数1〜30のアルキレンであり、このアルキレン中の任意の−CH2−は、−O−または−S−で置き換えられてもよく;Z3は独立して、単結合、−CH2CH2−、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−C≡C−、−CH=CH−、−CH2O−、−OCH2−、−N=N−、−N=N(O)−、−CH2S−、−SCH2−、−N=CH−、−CH=N−、−CO−NH−、−NH−CO−、−OCO−CH=CH−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−CO−NH−、−NH−CO−CH=CH−、−(CH2) q−COO−または−OCO−(CH2) q−であり;Z4は独立して、単結合、−CH2CH2−、−O−、−COO−、−OCO−または−C≡C−であり;A1は独立して、芳香環、脂肪族環、複素環または縮合環であり、これらの環の任意の水素は、ハロゲンまたは炭素数1〜10のアルキルで置き換えられてもよく、このアルキル中の任意の水素は、ハロゲンで置き換えられてもよく;A2は独立して、1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレンまたは少なくとも1つの水素がハロゲン若しくは炭素数1〜10のアルキルで置き換えられた1,4−フェニレンであり、このアルキル中の任意の水素は、ハロゲンで置き換えられてもよく;X1は独立して、水素、ハロゲンまたは炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく:pは1〜3の整数であり;qは1〜20の整数である。
[4] オキシラニルを有する化合物からなる第一成分として、式(1−1)、(1−2)及び(1−3)で表される化合物の群から選択される少なくとも一つの化合物、オキセタニルを有する化合物からなる第二成分として、式(2−1)、(2−2)及び(2−3)で表される化合物の群から選択される少なくとも一つの化合物を含有する項1に記載の液晶組成物。
ここで、R1は独立して、ハロゲン、−CN、−NCS、−OCF3、−OCF2H、炭素数2〜30のアルケニルまたは炭素数1〜30のアルキルであり、このアルケニルまたはアルキル中の任意の−CH2−は、−O−または−S−で置き換えられてもよく;R2は独立して、水素、ハロゲンまたは炭素数1〜5のアルキルであり、このアルキル中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;R3は独立して、ハロゲンまたは炭素数1〜5のアルキルであり、このアルキル中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;Z1は独立して、単結合、−O−、−S−、−COO−、−OCO−または−OCOO−であり;Z2は独立して、単結合または炭素数1〜30のアルキレンであり、このアルキレン中の任意の−CH2−は、−O−または−S−で置き換えられてもよく;Z3は独立して、単結合、−CH2CH2−、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−C≡C−、−CH=CH−、−CH2O−、−OCH2−、−N=N−、−N=N(O)−、−CH2S−、−SCH2−、−N=CH−、−CH=N−、−CO−NH−、−NH−CO−、−OCO−CH=CH−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−CO−NH−、−NH−CO−CH=CH−、−(CH2) q−COO−または−OCO−(CH2) q−であり;Z4は独立して、単結合、−CH2CH2−、−O−、−COO−、−OCO−または−C≡C−であり;A1は独立して、芳香環、脂肪族環、複素環または縮合環であり、これらの環の任意の水素は、ハロゲンまたは炭素数1〜10のアルキルで置き換えられてもよく、このアルキル中の水素は、ハロゲンで置き換えられてもよく;A2は独立して、1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレンまたは少なくとも1つの水素がハロゲン若しくは炭素数1〜10のアルキルで置き換えられた1,4−フェニレンであり、このアルキル中の任意の水素は、ハロゲンで置き換えられてもよく;X1は独立して、水素、ハロゲンまたは炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく:pは1〜3の整数であり;qは1〜20の整数である。
[5] 式(1−1)、(1−2)、(1−3)、(2−1)、(2−2)および(2−3)において、R2は水素であり;R3はメチルまたはエチルであり;Z3は独立して、単結合、−CH2CH2−、−O−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−C≡C−、−CH=CH−、−CH2O−、−OCH2−、−OCO−CH=CH−、−CH=CH−COO−、−(CH2) q−COO−、−OCO−(CH2) q−、−N=N−、−N=CH−または−CH=N−であり:A1は下記式(B1)〜(B15)で表される群から選択される環であり;qは1〜20の整数である、項4に記載の液晶組成物。
ここで、X1は独立して、水素、ハロゲンまたは炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよい。
[6] オキシラニルを有する化合物からなる第一成分として、式(1−1)及び(1−2)で表される化合物の群から選択される少なくとも一つの化合物、オキセタニルを有する化合物からなる第二成分として、式(2−1)及び(2−2)で表される化合物の群から選択される少なくとも一つの化合物を含有する項5に記載の液晶組成物。
[7] オキシラニルを有する化合物からなる第一成分として、式(1−1)及び(1−2)で表される化合物の群から選択される少なくとも一つの化合物、オキセタニルを有する化合物からなる第二成分として、式(2−3)で表される化合物の群から選択される少なくとも一つの化合物を含有する項5に記載の液晶組成物。
[8] オキシラニルを有する化合物からなる第一成分として、式(1−3)で表される化合物の群から選択される少なくとも一つの化合物、オキセタニルを有する化合物からなる第二成分として、式(2−1)及び(2−2)で表される化合物の群から選択される少なくとも一つの化合物を含有する項5に記載の液晶組成物。
[9] オキシラニルを有する化合物からなる第一成分として、式(1−3)で表される化合物の群から選択される少なくとも一つの化合物、オキセタニルを有する化合物からなる第二成分として、式(2−3)で表される化合物の群から選択される少なくとも一つの化合物を含有する項5に記載の液晶組成物。
[10] 式(1−1)、(1−2)、(2−1)及び(2−2)において、p=1または2である項6に記載の液晶組成物。
[11] 式(1−1)及び(1−2)においてp=1または2である項7に記載の液晶組成物。
[12] 式(1−3)においてZ4が独立して、−COO−または−OCO−であり、かつ、式(2−1)及び(2−2)においてp=1または2である項8に記載の液晶組成物。
[13] 式(1−3)においてZ4が独立して、−COO−または−OCO−であり、かつ式(2−3)においてZ4が独立して、−COO−または−OCO−である項9に記載の液晶組成物。
[14] 式(1−1)、(1−2)、(1−3)、(2−1)、(2−2)及び(2−3)において、R1は−CN、F、エチルまたはプロピルであり;R2は水素であり;R3はメチルまたはエチルであり;Z1は単結合または−O−であり;Z2は単結合、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレンまたはヘキサメチレンであり;Z3は単結合、−C≡C−、−COO−、−OCO−、−(CH2)q−COO−または−OCO−(CH2)q−であり;Z4は−COO−または−OCO−であり;A1は1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、3−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2−トリフルオロメチル−1,4−フェニレン、3−トリフルオロメチル−1,4−フェニレン、2,3−ジトリフルオロメチル−1,4−フェニレン、2−メチル−1,4−フェニレン、3−メチル−1,4−フェニレン、2,3−ジメチル−1,4−フェニレンまたは1,4−シクロヘキシレンであり;A2は1,4−フェニレンまたは1,4−シクロヘキシレンであり;X1は水素またはメチルであり;pは1または2であり;qは2である項4に記載の液晶組成物。
[15] 液晶組成物の全重量に対して、第一成分が5〜95重量%であり、第二成分が5〜95重量%である項1〜14の何れか1項に記載の液晶組成物。
[16] 第三成分として、光学活性を有する化合物を更に含有する項1〜14の何れか1項に記載の液晶組成物。
[17] 光学活性を有する化合物が式(3−1)または(3−2)で表される化合物の何れかである項16に記載の液晶組成物。
ここで、P1は、独立して、水素、ハロゲンまたは(C)であり、ただし、P1の中で少なくとも2つは(C)であり;P2は(C)であり;R4は、独立してハロゲン、−CN、炭素数2〜30のアルケニルまたは炭素数1〜30のアルキルであり、このアルケニルまたはアルキル中の任意の−CH2−は、−O−または−S−で置き換えられてもよく、このアルケニルまたはアルキル中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく、このアルケニルまたはアルキル中の1つの水素はオキシラニル、オキセタニルで置き換えられてもよく;Z5は独立して、単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−OCF2−または−(CH2)r−であり、この−(CH2)r−の1つの−CH2−は、−O−で置き換えられてもよく;X2は独立して、水素、ハロゲンまたは炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;A3は独立して、1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレンまたは少なくとも1つの水素がハロゲンで置き換えられた1,4−フェニレンであり;rは1〜20の整数であり;sは0または1であり;tは1〜3の整数である。
[18] 式(3−1)及び(C)において、P1は独立して、水素または式(C)で表される基であり;Z5は単結合、−OCO−または−O−(CH2)r−O−であり;A3は1,4−フェニレンまたは1,4−シクロヘキシレンであり;R4はペンチルまたは式(5)で表される基であり;rは1〜20の整数である、項17に記載の液晶組成物。
[19] 液晶組成物の全重量に対して、第一成分が5〜95重量%であり、第二成分が5〜95重量%であり、第三成分が0〜30重量%である項16〜18の何れか1項に記載の液晶組成物。
[20] 非重合性の液晶性化合物を含有する項1〜14及び16〜19の何れか1項に記載の液晶組成物。
[21] 重合性化合物のみからなる項1〜15及び19の何れか1項に記載の液晶組成物。
[22] 非重合性の液晶性化合物を含有する項20に記載の液晶組成物から得られる重合体組成物。
[23] 重合性化合物のみからなる項21に記載の液晶組成物から得られる重合体。
[24] 1μm以上200μm未満のピッチを有する項22に記載の重合体組成物。
[25] 1μm以上200μm未満のピッチを有する項23に記載の重合体。
[26] 選択反射の波長域が350nm以上800nm未満である項22に記載の重合体組成物。
[27] 選択反射の波長域が350nm以上800nm未満である項23に記載の重合体。
[28] 選択反射の波長域が350nm未満である項22に記載の重合体組成物。
[29] 選択反射の波長域が350nm未満である項23に記載の重合体。
[30] 項22、24、26若しくは28の何れか1項に記載の重合体組成物または項23、25、27若しくは29の何れか1項に記載の重合体からなるフィルム。
[31] 項30に記載のフィルムを用いた光学補償素子。
本発明の光重合性液晶組成物は、硬化前の特性として、室温でネマチック相を有し、広いネマチック相を有し、良好な配向性を示し、大気中下でUV照射による速硬性を有し、硬化後の特性として、支持体との良好な密着性、十分な耐熱性および耐湿性を有し、適切なΔnを有し、透明性に優れ、光学素子、特に液晶表示素子の光学補償素子として有用である。
本発明で用いる用語について説明する。配向ベクトルが基板平面と成す角度を「チルト角」とする。チルト角が一方の界面から他方の界面にかけて一様にゼロに近く、特に0〜5°である配向状態を「ホモジニアス配向」と称する。ここで、界面は、配向層を備えた基板界面または自由界面である。チルト角が一方の界面から他方の界面にかけて一様に一定であり、特に5〜85°である配向状態を「チルト配向」と称する。チルト角が一方の界面から他方の界面にかけて大きくなり、他方の界面において45〜90°である配向状態を「ハイブリッド配向」と称する。チルト角が一方の界面から他方の界面にかけて一様に85〜90°である配向状態を「ホメオトロピック配向」と称する。また、配向ベクトルがねじれ構造を有し、かつその螺旋軸が界面に対してほぼ垂直である配向状態を「ツイスト配向」と称する。
この明細書における用語の使い方は次のとおりである。液晶組成物の主成分は光重合性の液晶性化合物である。この液晶性化合物は、ネマチック相、スメクチック相などの液晶相を有する化合物および液晶相を有さないが組成物の成分として有用な化合物の総称である。「化合物(1−1)」は、式(1−1)で表わされる化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を意味する。他の式に関する化合物も同様に略すことがある。ネマチック相の上限温度を「上限温度」と略すことがある。ネマチック相の下限温度を「下限温度」と略すことがある。光学異方性などの特性を説明するときは、実施例に記載した方法で測定した値を用いる。組成物における成分の割合(百分率)は、組成物の全重量に基づいた重量百分率(重量%)である。
化合物(1−1)〜(1−3)において、R2の記号を複数の化合物に用いた。これらの化合物において、R2の意味は同一であってもよいし、または異なってもよい。このルールは、R1、R3、R4、P1、P2、A1、A2、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5、X1、X2、p、q、r、s、tについても適用する。
本発明の組成物は、組成物の一般的特性、ネマチック相の広い温度範囲、塗膜に利用する場合の溶剤に対する相溶性、配向性および大気中下での光照射による速硬性、を有する。また、重合後の特性として、適切な光学異方性およびその波長分散、透明性、耐熱性、耐湿性および種々の基材との良好な密着性を有する。
本発明の組成物を次の順で説明する。第一に、成分である化合物の主要な特性、および化合物が組成物に及ぼす主要な効果を説明する。第二に、成分である化合物の好ましい割合およびその理由を説明する。第三に、成分である化合物の好ましい形態を説明する。第四に、成分である化合物の具体的な例を示す。第五に、成分である化合物の合成法を説明する。
第一に、成分である化合物の主要な特性を説明する。
第一成分である化合物(1−1)〜(1−3)は、重合前の特性として、広いネマチック相範囲、良好な配向性、他の液晶性化合物との高い相溶性を有し、目的に応じたΔnの調整、下限温度と上限温度の調整が可能であり、重合後の特性として、透明性、耐熱性、耐湿性および種々の基材に対する密着性に優れており、また、塗膜する際に溶媒を用いる場合に、溶媒に対する溶解性に優れている。
第二成分である化合物(2−1)〜(2−3)は、重合前の特性として、広いネマチック相範囲、良好な配向性、他の液晶性化合物との高い相溶性を有し、目的に応じたΔnの調整、下限温度と上限温度の調整が可能であり、重合後の特性として、透明性、耐熱性、耐湿性および種々の基材に対する密着性に優れており、また、塗膜する際に溶媒を用いる場合に、溶媒に対する溶解性に優れている。
第三成分である化合物(3−1)および(3−2)は、光学活性を有する化合物であり、著しく大きいHTP(ヘリカルツイストパワー)と液晶組成物および溶媒に対する良好な相溶性を有し、目的に応じた螺旋ピッチを発現させることができる。
第二に、成分である化合物の好ましい割合およびその理由を説明する。
第一成分として、化合物(1−1)〜(1−3)、第二成分として、化合物(2−1)〜(2−3)、を含有する組成物の場合の好ましい割合は次のとおりである。
第一成分の好ましい割合は、広いネマチック相範囲、良好な配向性、大気中下でのUV照射による速硬性、耐熱性、耐湿性および基材に対する良好な密着性を有するために、5〜95重量%である。更に、好ましい割合は、10〜90重量%である。第二成分の好ましい割合は、広いネマチック相範囲、良好な配向性、大気中下でのUV照射による速硬性、耐熱性、耐湿性および基材に対する良好な密着性を有するために、5〜95重量%である。更に、好ましい割合は、10〜90重量%である。第一成分および第二成分の割合が、この範囲からはずれると大気中下での光照射による速硬性が劣ることに加えて、耐熱性および耐湿性が悪くなるため好ましくない。
第一成分と第二成分に加えて更に第三成分を添加して、光学軸においてねじれ構造を有する光学異方性膜を得る場合、第三成分の好ましい割合は、目的に応じたピッチを調整するために、0.01〜30%が好ましい。更に好ましい割合は、0.01〜20%である。0.01%未満の場合は、所定のピッチを発現することができないため好ましくない。20%以上の場合、他の液晶成分に対する相溶性が悪くなるため好ましくない。
第三に、成分である化合物の好ましい形態を説明する。
好ましいR1は、ハロゲン、−CN、−NCS、−OCF3、−OCF2H、炭素数2〜10のアルケニル、炭素数1〜10のアルキル、アルキルまたはアルケニル中の−CH2−は、−O−で置き換えられてもよい。好ましいR2は、水素であり、好ましいR3は、メチルまたはエチルであり、好ましいR4は、ハロゲン、−CN、炭素数2〜10のアルケニル、炭素数1〜10のアルキルであり、アルケニルまたはアルキル中の任意の−CH2−は、−O−、で置き換えられてもよく、アルケニルまたはアルキル中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく、アルケニルまたはアルキル中の1つの水素はオキシラニル、オキセタニルで置き換えられてもよい。好ましいP1は、水素、ハロゲンまたは(C)である。ただし、P1の中で少なくとも2つは(C)である。
好ましいアルキルは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、またはオクチルである。さらに好ましいアルキルは、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、またはヘプチルである。
好ましいアルケニルは、ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、または5−ヘキセニルである。さらに好ましいアルケニルは、ビニル、1−プロペニル、3−ブテニル、または3−ペンテニルである。これらのアルケニルにおける−CH=CH−の好ましい立体配置は、二重結合の位置に依存する。1−プロペニル、1−ブテニル、1−ペンテニル、1−ヘキセニル、3−ペンテニル、3−ヘキセニルのようなアルケニルにおいてはトランスが好ましい。2−ブテニル、2−ペンテニル、2−ヘキセニルのようなアルケニルにおいてはシスが好ましい。
好ましいA1は、(B1)〜(B15)で表される群から選択される環である。
好ましいA2は、1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、少なくとも1つの水素がハロゲンまたは炭素数1〜10のアルキルで置き換えられた1,4−フェニレンであり、このアルキル中の任意の水素は、ハロゲンで置き換えられてもよい。
A2に関する「少なくとも1つの水素がハロゲンまたは炭素数1〜10のアルキルで置き換えられた1,4−フェニレン」は、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2−メチル−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,3,5−トリフルオロ−1,4−フェニレン、または2,3,5,6−テトラフルオロ−1,4−フェニレンであり、少なくとも1つの水素が−CF3、−CF2Hで置き換えられた1,4−フェニレンは、2−トリフルオロメチル−1,4−フェニレン、2−ジフルオロメチル−1,4−フェニレンまたは2,3−ビストリフルオロメチル−1,4−フェニレンである。
これらの中で好ましい基は1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2−メチル−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2−トリフルオロメチル−1,4−フェニレン、2−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ビストリフルオロメチル−1,4−フェニレンまたは2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレンである。また、1,4−シクロヘキシレンに関する立体配置は、シスよりもトランスが好ましい。
好ましいX1は、水素、ハロゲン、炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよい。好ましいX2は、水素、ハロゲン、炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキル中の任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよい。
好ましいZ1は、単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−OCOO−であり、好ましいZ2は、炭素数1〜10のアルキレンであり、このアルキレン中の任意の−CH2−は、−O−、で置き換えられてもよい。
好ましいZ3は、単結合、−CH2CH2−、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−C≡C−、−CH=CH−、−CH2O−、−OCH2−、−N=N−、−N=N(O)−、−N=CH−、−CH=N−、−CO−NH−、−NH−CO−、−OCO−CH=CH−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−CO−NH−、−NH−CO−CH=CH−、−(CH2) q−COO−、−OCO−(CH2) q−であり、好ましいZ4は、単結合、−CH2CH2−、−O−、−COO−、−OCO−であり、好ましいZ5は、単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−OCF2−または−(CH2)r−であり、−(CH2)r−の1つの−CH2−は、−O−で置き換えられてもよい。
好ましいpは1〜3の整数であり、好ましいqは1〜10の整数であり、好ましいrは1〜10の整数であり、sは0または1であり、好ましいtは1〜3の整数である。
第四に、成分である化合物の具体的な例を示す。
好ましい化合物(1−1)は、化合物(1−1−1)〜(1−1−441)である。好ましい化合物(1−2)は、化合物(1−2−1)〜(1−2−229)である。好ましい化合物(1−3)は、化合物(1−3−1)〜(1−3−50)である。
好ましい化合物(2−1)は、化合物(2−1−1)〜(2−1−441)である。好ましい化合物(2−2)は、化合物(2−2−1)〜(2−2−229)である。好ましい化合物(2−3)は、化合物(2−3−1)〜(2−3−50)である。
好ましい化合物(3−1)は、化合物(3−1−1)〜(3−1−14)であり、好ましい化合物(3−2)は、化合物(3−2−1)〜(3−2−4)である。
下記の式中、mおよびnは、1〜20の整数である。Rは、炭素数2〜10のアルキルまたは炭素数2〜20のアルケニルである。R3はメチルまたはエチルである。Yは独立して、ハロゲン、−CN、オキシラニルおよびオキセタニルを含んでもよい炭素数2〜10のアルケニル、炭素数1〜10のアルキルであり、これらの基中の任意の−CH2−は、−O−で置き換えられてもよい。vは1〜20の整数である。
用途が、例えば、旋光子または複屈折を利用した光学補償への応用である場合、著しく大きいHTPは必要とされないので、光学活性を有する化合物からなる第三成分として、上記で列挙した以外に、例えば、下記に示す一般的なカイラルを添加することができる。下記の式中、Yは独立して、ハロゲン、−CN、オキシラニルおよびオキセタニルを含んでもよい炭素数2〜10のアルケニル、炭素数1〜10のアルキルであり、これらの基中の任意の−CH2−は、−O−で置き換えられてもよい。vは1〜20の整数である。
即ち、化合物(4−1)〜(4−4)に代表される2−メチルブチル類、化合物(4−5)および化合物(4−6)に代表されるシトロネロール誘導体、化合物(4−7)に代表されるコレステリルエステル類、化合物(4−8)に代表されるアルキン−3−オール誘導体、化合物(4−9)に代表される1−メチルアルキル類、化合物(4−10)に代表される1,2−ジフェニルエタン−1,2−ジオール誘導体、化合物(4−11)に代表されるイソソルバイト誘導体、化合物(4−12)および(4−13)に代表される1−フェニルエタン−1,2−ジオール誘導体、化合物(4−14)に代表されるクマリン誘導体、化合物(4−15)に代表されるメントール誘導体、および化合物(4−16)に代表される酒石酸誘導体である。化合物(4−17)および(4−18)に代表される2−置換プロピオン酸誘導体。2−メチルブチル類のうちシアノビフェニル類は、C15およびCB15として市販されている。また、1−メチルアルキル類の代表的化合物はCM21およびCM33として公知である。しかし、いずれの類縁化合物を用いても良い。
化合物(4−5)、(4−6)、(4−7)、(4−8)、(4−10)、(4−11)、(4−12)、(4−13)、(4−14)、(4−15)および(4−16)はその具体例が、特開平11−302229号公報、WO02/100979明細書、DE10221751明細書、EP1273585明細書、US6511719B明細書、US6495217B明細書等およびそれらの参考文献に記載されている。
式(4−17)または式(4−18)で示される2−置換プロピオン酸誘導体は、例えば、Mol.Cryst.Liq.Cryst.,2000,Vol.346,pp.35−40に記載された方法によって合成できる。光学活性アルキレン部位はキラル源、例えばシトロネロールから公知の方法で誘導できるいずれの化合物でも本発明に好適に使用できる。これらの化合物の末端は、オキシラニルやオキセタニル等の重合性基で置換されてもよい。
重合性化合物だけからなる液晶組成物から得られる重合体(光学異方性膜)の光学特性は、実用的な使用温度範囲において、一般的に温度依存性が小さい。一方、液晶表示素子に充填された液晶組成物の光学特性に温度依存性がある為、液晶表示素子の光学特性には温度依存性が生じる。そのため上記重合体を液晶表示素子の光学補償として用いる時に、用途によって(例えばSTN方式の液晶表示素子など)は、光学特性に温度依存性を付与した重合体が必要とされる場合がある。本発明の重合体は高分子量であり、大抵の場合、三次元構造を有し有機溶媒に不溶である。従って、分子量を測定することができない。
また、付加成分として、非重合性の液晶性化合物を添加することもできる。この非重合性の液晶性化合物を含有する重合性液晶組成物を重合して得られた硬化物を重合体組成物と呼ぶ。得られた重合体組成物(光学異方性膜)の光学特性には温度依存性が生じる。例えばその結果、重合体組成物の光学特性の温度依存性は広い温度範囲で光学補償の条件を満たす為、広い温度範囲で液晶表示素子の表示特性を向上させることが出来る。非重合性の液晶性化合物の具体例は、液晶化合物データベースLiqCryst(商品名、LCI Publisher GmbH (Hamburg, Germany))に記載されている。また、重合性化合物だけからなる液晶組成物を重合しても一部未反応の重合性化合物が系内に残存した場合も重合体組成物とする。
第五に、成分である化合物の合成法を例示する。
化合物(1−2−116)は、ハイドロキノン誘導体と置換安息香酸誘導体とのエステル化反応により合成できる。より具体的には、例えば特願2003−567に記載の方法により合成できる。化合物(1−3)および(2−3)は、有機合成化学の手法を組み合わせることにより合成できる。具体的な方法は、ホーベン−ワイル(Houben-Wyle, Methods of Organic Chemistry, Georg Thieme Verlag, Stuttgart)、オーガニック シンセシーズ(Organic Syntheses, John Wily & Sons, Inc.)、オーガニック リアクションズ(Organic Reactions, John Wily & Sons Inc.)、コンプリヘンシブ オーガニック シンセシス(Comprehensive Organic Synthesis, Pergamon Press)、新実験化学講座(丸善)などに記載されている。より具体的には、特願2001−317433に記載の方法を適用できる。式(3−1)および式(3−2)で示されるビナフトール誘導体は、例えば、Mol.Cryst.and Liq.Cryst.,2001.,Vol.364,pp825〜834、EP0217239明細書、およびWO02/06195明細書に記載された方法によって合成できる。
次に、上記の重合性液晶組成物を用いて、光学異方性膜を形成する方法を記す。(1)重合開始剤について、(2)重合開始剤以外の添加剤について、(3)支持体および配向処理について、(4)塗膜方法について、(5)UV照射による重合、の順で説明する。
(1)上記の液晶組成物に重合開始剤を添加し、大気中下で光照射により重合させる。
本発明の組成物は通常の光カチオン重合開始剤を添加して使用する。光カチオン重合開始剤には、ジアリールヨードニウム塩(以下DASと略す)、トリアリールスルホニウム塩(以下TASと略す)などがあげられる。
DASとしては、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、ジフェニルヨードニウム−p−トルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウム−p−トルエンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムジフェニルヨードニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロアセテート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムp−トルエンスルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムジフェニルヨードニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートがあげられる。
DASには、チオキサントン、フェノチアジン、クロロチオキサントン、キサントン、アントラセン、ジフェニルアントラセン、ルブレンなどの光増感剤を添加することで高感度化することもできる。
TASとしては、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、トリフェニルスルホニウム−p−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウム−p−トルエンスルホネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフェニルスルホニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウム−p−トルエンスルホネート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートがあげられる。
光カチオン重合開始剤の具体的な商品名の例はUCCの製品のうちからサイラキューアーUVI−6990、サイラキュアーUVI−6974、サイラキュアーUVI−6992、旭電化(株)の製品からアデカオプトマーSP−150、SP−152、SP−170、SP−172、ローディアの製品からPHOTOINITIATOR2074、チバスペシャリティーの製品からイルガキュアー250、GEシリコンズの製品からUV−9380C、みどり化学の製品からDTS−102などである。
本発明の組成物は光カチオン重合開始剤と併用して通常の光ラジカル重合開始剤を添加してハイブリッド硬化することもできる。光ラジカル重合開始剤の例は、チバ・スペシャリティー・ケミカル(株)の製品のうちから、ダロキュアー1173(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン)、イルガキュアー184(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)、イルガキュアー651(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン)、イルガキュアー500、イルガキュアー2959、イルガキュアー907、イルガキュアー369、イルガキュアー1300、イルガキュアー819、イルガキュアー1700、イルガキュアー1800、イルガキュアー1850、ダロキュアー4265、イルガキュアー784などである。
光ラジカル重合開始剤のその他の例は、p−メトキシフェニル−2,4−ビス(トリクロロメチル)トリアジン、2−(p−ブトキシスチリル)−5−トリクロロメチル−1,3,4−オキサジアゾール、9−フェニルアクリジン、9,10−ベンズフェナジン、ベンゾフェノン/ミヒラーズケトン混合物、ヘキサアリールビイミダゾール/メルカプトベンズイミダゾール混合物、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2,4−ジエチルキサントン/p−ジメチルアミノ安息香酸メチル混合物、ベンゾフェノン/メチルトリエタノールアミン混合物などである。
本発明の組成物の硬化には光による塩基増殖反応を利用して硬化することもできる(K.Arimitsu, M.Miyamoto, K.Ichimura, Angew. Chem. Int. Ed, 2000, 39, 3425)。
光重合開始剤の好ましい添加量は、液晶組成物に対して、0.01〜10重量%である。より好ましくは、0.01〜5重量%である。
(2)光重合性組成物には、保存時の重合を防止するために重合防止剤を添加することができる。公知の重合防止剤を使用できるが、その好ましい例は、2,5−ジ(t−ブチル)ヒドロキシトルエン(BHT)、ハイドロキノン、メチルブルー、ジフェニルピクリン酸ヒドラジド(DPPH)、ベンゾチアジン、4−ニトロソジメチルアニリン(NIDI)、o−ヒドロキシベンゾフェノンなどである。光重合性組成物の保存性を向上させるために、酸素阻害剤を添加することもできる。組成物内で発生するラジカルが酸素と反応しパーオキサイドラジカルを与え、重合性化合物との好ましくない反応が促進される。これを防ぐ目的で酸素阻害剤を添加することが好ましい。酸素阻害剤の例はリン酸エステル類である。
また、塗布を容易にするため、あるいは液晶相の配向を制御するため、本発明の効果を損なわない範囲で界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、例えば、イミダゾリン、4級アンモニウム塩、アルキルアミンオキサイド、ポリアミン誘導体、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物、ポリエチレングリコールおよびそのエステル、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸アミン類、アルキル置換芳香族スルホン酸塩、アルキルリン酸塩、脂肪族あるいは芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物、ウラリルアミドプロピルベタイン、ラウリルアミノ酢酸ベタイン、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンアルキルアミン、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキルおよび親水性基含有オリゴマー、パーフルオロアルキルおよび親油性基含有オリゴマー、パーフルオロアルキル含有ウレタンがあげられる。
上記界面活性剤の添加量は界面活性剤の種類、光重合性液晶組成物の組成比などにより異なるが、光重合性液晶組成物の重量に対して、20ppmから5%、さらに好ましくは100ppmから1%の範囲である。
(3)本発明の液晶フィルムは、本発明の光重合性組成物を支持体上に塗布して塗膜を形成させ、その塗膜中の組成物が液晶状態で形成するネマチック配向を光の照射により固定化する方法により製造することができる。
支持基板には、その表面に液晶組成物の塗膜が形成できるもので、例えば、トリアセチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリエステル、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートを用いることができる。その他の具体的な商品名ではJSR(株)製の「アートン」、日本ゼオン(株)製の「ゼオネックス」および「ゼオノア」、三井化学(株)製の「アペル」などのノルボルネン系樹脂を用いる。これらの支持体は一軸延伸フィルム、二軸延伸フィルムであってもよい。
基板の表面を配向処理する好ましい方法は、レーヨン布などでラビング処理する方法、酸化ケイ素を斜方蒸着する方法、延伸フィルム使用する方法、または偏光紫外線若しくはイオンビームなどを用いたラビングフリー配向法である。ラビング処理する方法の場合、例えば一般に用いられるポリイミドやポリビニルアルコールなどからなる薄膜層を形成し、それをラビング処理し、その上に重合性液晶組成物からなる光学異方性膜を塗膜してもよい。
(4)液晶フィルムを製造する際には、光重合性組成物をそのまま用いてもよいが、これに適当な溶媒を加えてから塗布したり成形したりした後に、溶媒を除去して薄膜を製造する方法が一般的である。重合性液晶組成物における化合物の組成比、重合性液晶組成物の有するΔn、膜厚および配向層を鋭意検討することにより種々の用途に応じて、ホモジニアス配向、チルト配向、ハイブリッド配向、ホメオトロピック配向、ツイスト配向等の配向形態およびレタデーション等の光学的物性値を適宜調整できる。
溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、n−ブチルベンゼン、ジエチルベンゼン、テトラリン、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、トリフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、t−ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、エタノール、イソプロパノール、グリセリン、モノアセチン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、THFなどを単独溶媒あるいは複数の混合溶媒として用いることができる。
塗布方法は、スピンコート、ロールコート、カテンコート、フローコート、プリント、マイクログラビアコート、グラビアコート、ワイヤーバーコード、デップコート、スプレーコート、メニスカスコートや流延成膜法などの方法で薄膜展開し、それを乾燥処理して溶媒を除去する方法などにより行うことができる。
(5)光源から照射する光量は、光重合性組成物に用いる化合物および重合開始剤の種類と組成比等によって、好ましい範囲が異なる。従って、以下に説明する塗膜の熱処理の温度および時間、光照射に用いられる光の波長、および光源から照射する光の量についての条件は、およその範囲を示すものである。
支持体上に形成された光重合性組成物のネマチック配向状態は、光照射により塗膜を重合させることによって固定化される。光照射に用いられる光の波長は特に限定されない。電子線、紫外線、可視光線、赤外線(熱線)などを利用することができる。通常は、紫外線または可視光線を用いればよい。波長の範囲は150〜500nmである。好ましい範囲は250〜450nmであり、より好ましい範囲は300〜400nmである。光源の例は、低圧水銀ランプ(殺菌ランプ、蛍光ケミカルランプ、ブラックライト)、高圧放電ランプ(高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ)、ショートアーク放電ランプ(超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、水銀キセノンランプ)などである。光源の好ましい例は、メタルハライドランプやキセノンランプ、および高圧水銀ランプである。
光源と光重合性組成物の塗膜層との間にフィルターなどを設置して特定の波長領域のみを通すことにより、照射光源の波長領域を選択してもよい。光源から照射する光量は、2〜5000mJ/cm2である。光量の好ましい範囲は10〜3000mJ/cm2であり、より好ましい範囲は100〜2000mJ/cm2である。光照射時の温度条件は、上記の熱処理温度と同様に設定されることが好ましい。
実施例により本発明をさらに詳しく説明する。本発明はこれらの実施例によって制限されない。%は組成物全量を基準とする重量%を示す。実施例および比較例における化合物は、下記の表1の定義に基づいて記号により表した。表1において、1,4−シクロヘキシレンに関する立体配置はトランスである。
本実施例における硬化(重合)条件は、「大気中下または窒素パージ下において、室温で250Wの超高圧水銀灯を用いて30mW/cm2(365nm)の強度の光を20秒間照射」とした。主な評価項目は、(A)速硬性、(B)耐熱性、(C)密着性、とした。(A)に対しては、上記硬化条件下で、表面のタック性(べたつき)によって表面硬化性を、爪によるスクラッチ試験によって内部の硬化性を判定した。(B)に対しては、硬化後、200℃で1時間放置し、25℃でのレタデーションの初期値に対する変化量から見出した。この変化量が小さいほど耐熱性良好とした。測定波長は550nmである。なお、評価サンプルは、ラビング処理を施したポリイミド(210℃で30分焼成品)付きガラス基板に塗膜・配向させ、上記硬化条件下で重合させることによって得た。(C)に対しては、硬化後、セロテープ(登録商標)剥離試験によって検討した。セロテープ(登録商標)剥離試験はJIS規格「JIS−5400」の試験法、すなわち100升中の残存した升目により評価した。支持体にはアセチル化度2.9のTACフィルムを用いた。評価サンプルは、ラビング処理を施したTACフィルムに塗膜・配向させ、上記硬化条件下で重合させることによって得た。
本発明の組成物Iを、以下の2つの方法により、まず基板に塗布した。(1)シクロペンタノンに30%の濃度で溶解し、スピンコート法によってラビング処理を施したポリイミド付きガラス基板に塗布し、(2)トルエンとシクロペンタノンの混合溶媒(混合比(重量比)は2:1)に30%の濃度で溶解し、バーコーターを用いて、ラビング処理を施したTACフィルムに塗布した。次に、いずれの場合も、70℃、3分間の条件にて溶媒を除去し、重合することによってホモジニアス配向を有する光学薄膜を得た。
(組成物I)
E−2OBEBO2−E 49%
X(1)−1O6OBEFL(1)ErBO6O1−X(1) 48%
DTS−102(下記の化合物) 3%
(DTS−102)
比較例
下記のアクリレート系の組成物IIを、以下の2つの方法により、まず基板に塗布した。(1)シクロペンタノンに30%の濃度で溶解し、スピンコート法によってラビング処理を施したポリイミド付きガラス基板に塗布し、(2)トルエンとシクロペンタノンの混合溶媒(混合比(重量比)は2:1)に30%の濃度で溶解し、バーコーターを用いて、ラビング処理を施したTACフィルムに塗布した。次に、いずれの場合も、70℃、3分間の条件にて溶媒を除去し、重合することによってホモジニアス配向を有する光学薄膜を得た。
(組成物II)
A−6OBBC 30%
A−6OBEB(CF3)ErBO6−A 27%
A−6OBEFL(1)ErBO6−A 40%
IRG907 3%
下記のエポキシ系の組成物IIIを、以下の2つの方法により、まず基板に塗布した。(1)シクロペンタノンに30%の濃度で溶解し、スピンコート法によってラビング処理を施したポリイミド付きガラス基板に塗布し、(2)トルエンとシクロペンタノンの混合溶媒(混合比(重量比)は2:1)に30%の濃度で溶解し、バーコーターを用いて、ラビング処理を施したTACフィルムに塗布した。次に、いずれの場合も、70℃、3分間の条件にて溶媒を除去し、重合することによってホモジニアス配向を有する光学薄膜を得た。
(組成物III)
E−2OBEBO2−E 49%
E−1O6OBEFL(1)ErBO6O1−E 48%
DTS−102 3%
下記のオキセタン系の組成物IVを、以下の2つの方法により、まず基板に塗布した。(1)シクロペンタノンに30%の濃度で溶解し、スピンコート法によってラビング処理を施したポリイミド付きガラス基板に塗布し、(2)トルエンとシクロペンタノンの混合溶媒(混合比(重量比)は2:1)に30%の濃度で溶解し、バーコーターを用いて、ラビング処理を施したTACフィルムに塗布した。次に、いずれの場合も、70℃、3分間の条件にて溶媒を除去し、重合することによってホモジニアス配向を有する光学薄膜を得た。
(組成物IV)
X(1)−4OBEB(1)ErBO4−X(1) 20%
X(1)−6OBEB(1)ErBO6−X(1) 37%
X(1)−1O6OBEFL(1)ErO6O1−X(1) 40%
DTS−102 3%
上記の組成物I〜IVの(A)速硬性、およびこれらの組成物を重合することによって得られる重合体の(B)耐熱性、(C)密着性、の結果を下表に要約する。なお、(B)耐熱性の評価に対して、200℃1時間放置後、レタデーションの変化率が3%未満の場合は○、3%以上10%未満の場合は△、10%以上の場合は×とした。また、(C)密着性の評価に対して、100升中の残存した升目の数が100の場合は○、0の場合は×とした。
以上の結果より、本発明の組成物Iは、大気中における速硬性、耐熱性および密着性に優れており、所期の目的を達成していることがわかる。
E−1O4OBBC 49%
X(1)−1O6OBEFL(1)ErBO6O1−X(1) 48%
DTS−102 3%
上記組成物を、トルエンとシクロペンタノンの混合溶媒(混合比(重量比)は2:1)に、20%の濃度で溶解し、(1)スピンコート法によってラビング処理を施したポリイミド付きガラス基板に塗布し、(2)バーコーターを用いて、ラビング処理を施したTACフィルムに塗布し、いずれの場合も、70℃、3分間の条件にて溶媒を除去し、大気中下で重合させることによって良好な配向性を有する光学異方性膜を得た。ガラス基板に形成した光学異方性膜は、正面のレタデーションが221nmでありハイブリッド配向であった。測定温度および測定波長は、25℃および550nmである。得られた異方性膜は、耐熱性試験において、レタデーション変化率が3%未満であり耐熱性に優れていた。また、密着性試験においても、残存した升目の数が100であり良好な結果となった。
E−2OBEBO2−E 20%
E−6OBEB(DCF3)ErBO6−E 30%
X(1)−1O6OBEFL(1)ErBO6O1−X(1) 30%
X(1)−1O6OBEFL(2)ErBO6O1−X(1) 17%
DTS−102 3%
上記組成物を、シクロペンタノンに、30%の濃度で溶解し、スピンコート法によってラビング処理を施したポリイミド付きガラス基板に塗布し、70℃、3分の条件にて溶媒除去後、大気中下において重合させ、正面のレタデーションが260.2nmの配向性良好なホモジニアス配向を有する光学異方性膜を得た。測定温度および測定波長は、25℃および550nmである。得られた異方性膜は、耐熱性試験において、レタデーション変化率が3%未満であり耐熱性に優れていた。また、上記組成物をトルエンとシクロペンタノンの混合溶媒(混合比(重量比)は2:1)に、30%の濃度で溶解し、バーコーターを用いて、ラビング処理を施したTACフィルムに塗布し、70℃、3分の条件にて溶媒除去後、大気中下において重合させ配向性の良好な光学異方性膜を得た。密着性試験をしたところ、残存した升目の数が100であり良好な結果となった。
E−1OBTB3 30%
E−2OBEBO2−E 20%
X(2)−1O4OBEFL(1)ErBO4O1−X(2) 15%
X(1)−1O6OBEFL(2)ErBO6O1−X(1) 32%
DTS−102 3%
上記組成物を、シクロペンタノンに、30%の濃度で溶解し、スピンコート法によってラビング処理を施したポリイミド付きガラス基板に塗布し、70℃、3分の条件にて溶媒除去後、大気中下において重合させ、正面のレタデーションが323nmの配向性良好なホモジニアス配向を有する光学異方性膜を得た。測定温度および測定波長は、25℃および550nmである。得られた異方性膜は、耐熱性試験において、レタデーション変化率が3%未満であり耐熱性に優れていた。また、上記組成物をトルエンとシクロペンタノンの混合溶媒(混合比(重量比)は2:1)に、30%の濃度で溶解し、バーコーターを用いて、ラビング処理を施したTACフィルムに塗布し、70℃、3分の条件にて溶媒除去後、大気中下において重合させ配向性の良好な光学異方性膜を得た。密着性試験をしたところ、残存した升目の数が100であり良好な結果となった。
E−2OBEBO2−E 30%
E−3HHB(F)F 37%
X(1)−1O6OHEFL(1)ErHO6O1−X(1) 30%
DTS−102 3%
上記組成物を、シクロペンタノンに、20%の濃度で溶解し、スピンコート法によってラビング処理を施したポリイミド付きガラス基板に塗布し、70℃、3分の条件にて溶媒除去後、大気中下において重合させ、正面のレタデーションが141.2nmの配向性良好なハイブリッド配向を有する光学異方性膜を得た。測定温度および測定波長は、25℃および550nmである。得られた異方性膜は、耐熱性試験において、レタデーション変化率が3%未満であり耐熱性に優れていた。また、上記組成物をトルエンとシクロペンタノンの混合溶媒(混合比(重量比)は2:1)に、30%の濃度で溶解し、バーコーターを用いて、ラビング処理を施したTACフィルムに塗布し、70℃、3分の条件にて溶媒除去後、大気中下において重合させ配向性の良好な光学異方性膜を得た。密着性試験をしたところ、残存した升目の数が100であり良好な結果となった。
E−1OBBC 5%
E−4OBBC 40%
X(1)−6OBEB(1)ErBO6−X(1) 52%
DTS−102 3%
上記組成物を、シクロペンタノンに、20%の濃度で溶解し、スピンコート法によってラビング処理を施したポリイミド付きガラス基板に塗布し、70℃、3分の条件にて溶媒除去後、大気中下において重合させ、正面のレタデーションが285.5nmの配向性良好なハイブリッド配向を有する光学異方性膜を得た。測定温度および測定波長は、25℃および550nmである。得られた異方性膜は、耐熱性試験において、レタデーション変化率が3%未満であり耐熱性に優れていた。また、上記組成物をトルエンとシクロペンタノンの混合溶媒(混合比(重量比)は2:1)に、30%の濃度で溶解し、バーコーターを用いて、ラビング処理を施したTACフィルムに塗布し、70℃、3分の条件にて溶媒除去後、大気中下において重合させ配向性の良好な光学異方性膜を得た。密着性試験をしたところ、残存した升目の数が100であり良好な結果となった。
E−2OBEBO2−E 10%
E−3HHB(F)F 30%
E−6OBEB(1)ErBO6−E 27%
X(1)−3HHB(F)F 30%
DTS−102 3%
上記組成物を、シクロペンタノンに、20%の濃度で溶解し、スピンコート法によってラビング処理を施したポリイミド付きガラス基板に塗布し、70℃、3分の条件にて溶媒除去後、大気中下において重合させ、正面のレタデーションが139.6nmの配向性良好なハイブリッド配向を有する光学異方性膜を得た。測定温度および測定波長は、25℃および550nmである。得られた異方性膜は、耐熱性試験において、レタデーション変化率が3%未満であり耐熱性に優れていた。また、上記組成物をトルエンとシクロペンタノンの混合溶媒(混合比(重量比)は2:1)に、30%の濃度で溶解し、バーコーターを用いて、ラビング処理を施したTACフィルムに塗布し、70℃、3分の条件にて溶媒除去後、大気中下において重合させ配向性の良好な光学異方性膜を得た。密着性試験をしたところ、残存した升目の数が100であり良好な結果となった。
E−2OBEBO2−E 20%
E−6OBEB(1)ErBO6−E 28%
X(1)−1O4OBBC 20%
X(1)−6OBEB(1)ErBO6−X(1) 29%
DTS−102 3%
上記組成物を、シクロペンタノンに、30%の濃度で溶解し、スピンコート法によってラビング処理を施したポリイミド付きガラス基板に塗布し、70℃、3分の条件にて溶媒除去後、大気中下において重合させ、正面のレタデーションが259.5nmの配向性良好なホモジニアス配向を有する光学異方性膜を得た。測定温度および測定波長は、25℃および550nmである。得られた異方性膜は、耐熱性試験において、レタデーション変化率が3%未満であり耐熱性に優れていた。また、上記組成物をトルエンとシクロペンタノンの混合溶媒(混合比(重量比)は2:1)に、30%の濃度で溶解し、バーコーターを用いて、ラビング処理を施したTACフィルムに塗布し、70℃、3分の条件にて溶媒除去後、大気中下において重合させ配向性の良好な光学異方性膜を得た。密着性試験をしたところ、残存した升目の数が100であり良好な結果となった。
E−6OBEB(1)ErBO6−E 48%
X(1)−6OBEB(1)ErBO6−X(1) 49%
DTS−102 3%
上記組成物を、シクロペンタノンに、30%の濃度で溶解し、スピンコート法によってラビング処理を施したポリイミド付きガラス基板に塗布し、70℃、3分の条件にて溶媒除去後、大気中下において重合させ、正面のレタデーションが263.1の配向性良好なホモジニアス配向を有する光学異方性膜を得た。測定温度および測定波長は、25℃および550nmである。得られた異方性膜は、耐熱性試験において、レタデーション変化率が3%未満であり耐熱性に優れていた。また、上記組成物をトルエンとシクロペンタノンの混合溶媒(混合比(重量比)は2:1)に、30%の濃度で溶解し、バーコーターを用いて、ラビング処理を施したTACフィルムに塗布し、70℃、3分の条件にて溶媒除去後、大気中下において重合させ配向性の良好な光学異方性膜を得た。密着性試験をしたところ、残存した升目の数が100であり良好な結果となった。
E−1O4OBEFL(1)ErBO4O1−E 48%
X(2)−1O4OBBC 49%
DTS−102 3%
上記組成物を、トルエンとシクロペンタノンの混合溶媒(混合比(重量比)は2:1)に、30%の濃度で溶解し、(1)スピンコート法によってラビング処理を施したポリイミド付きガラス基板に塗布し、(2)バーコーターを用いて、ラビング処理を施したTACフィルムに塗布し、いずれの場合も、70℃、3分間の条件にて溶媒を除去し、大気中下で重合させることによって良好な配向性を有する光学異方性膜を得た。ガラス基板に形成した光学異方性膜は、正面のレタデーションが367.2nmでありホモジニアス配向であった。測定温度および測定波長は、25℃および550nmである。得られた異方性膜は、耐熱性試験において、レタデーション変化率が3%未満であり耐熱性に優れていた。また、密着性試験においても、残存した升目の数が100であり良好な結果となった。
E−1O6OBEFL(1)ErBO6O1−E 40%
X(2)−1O4OBBC 27%
X(1)−3HHB(F)F 30%
DTS−102 3%
上記組成物を、シクロペンタノンに、30%の濃度で溶解し、スピンコート法によってラビング処理を施したポリイミド付きガラス基板に塗布し、70℃、3分の条件にて溶媒除去後、大気中下において重合させ、正面のレタデーションが327.8nmの配向性良好なホモジニアス配向を有する光学異方性膜を得た。測定温度および測定波長は、25℃および550nmである。得られた異方性膜は、耐熱性試験において、レタデーション変化率が3%未満であり耐熱性に優れていた。また、上記組成物をトルエンとシクロペンタノンの混合溶媒(混合比(重量比)は2:1)に、30%の濃度で溶解し、バーコーターを用いて、ラビング処理を施したTACフィルムに塗布し、70℃、3分の条件にて溶媒除去後、大気中下において重合させ配向性の良好な光学異方性膜を得た。密着性試験をしたところ、残存した升目の数が100であり良好な結果となった。
E−1OBTB3 17%
E−2OBEBO2−E 20%
E−1O6OBEFL(1)ErBO6O1−E 30%
X(1)−1O6OBEFL(1)ErBO6O1−X(1) 30%
DTS−102 3%
上記組成物を、シクロペンタノンに、30%の濃度で溶解し、スピンコート法によってラビング処理を施したポリイミド付きガラス基板に塗布し、70℃、3分の条件にて溶媒除去後、大気中下において重合させ、正面のレタデーションが314.2nmの配向性良好なホモジニアス配向を有する光学異方性膜を得た。測定温度および測定波長は、25℃および550nmである。得られた異方性膜は、耐熱性試験において、レタデーション変化率が3%未満であり耐熱性に優れていた。また、上記組成物をトルエンとシクロペンタノンの混合溶媒(混合比(重量比)は2:1)に、30%の濃度で溶解し、バーコーターを用いて、ラビング処理を施したTACフィルムに塗布し、70℃、3分の条件にて溶媒除去後、大気中下において重合させ配向性の良好な光学異方性膜を得た。密着性試験をしたところ、残存した升目の数が100であり良好な結果となった。
E−2OBEBO2−E 43%
X(1)−1O6OBEFL(1)ErBO6O1−X(1) 44%
Yが炭素数5のアルキルである化合物(3−1−6) 10%
DTS−102 3%
上記組成物を、シクロペンタノンに、30%の濃度で溶解し、スピンコート法によってラビング処理を施したポリイミド付きガラス基板に塗布し、70℃、3分の条件にて溶媒除去後、大気中下において重合させ無色透明の光学薄膜を得た。透過光のスペクトルを測定すると350nm以上に選択反射はなかった。また、550nmにおける有効レタデーションを測定すると、垂直入射の場合で0、層面の法線から角度40°傾斜させた場合で−34.6nmとなり、ネガティブc−プレートとなっていることを確認した。また、得られた異方性膜は、耐熱性試験において、レタデーション変化率が3%未満であり耐熱性に優れていた。また、上記組成物をトルエンとシクロペンタノンの混合溶媒(混合比(重量比)は2:1)に、30%の濃度で溶解し、バーコーターを用いて、ラビング処理を施したTACフィルムに塗布し、70℃、3分の条件にて溶媒除去後、大気中下において重合させ配向性の良好な光学異方性膜を得た。密着性試験をしたところ、残存した升目の数が100であり良好な結果となった。
E−2OBEBO2−E 47%
X(1)−1O6OBEFL(1)ErBO6O1−X(1) 46%
Yが炭素数5のアルキルである化合物(3−1−6) 4%
DTS−102 3%
上記組成物を、シクロペンタノンに、30%の濃度で溶解し、スピンコート法によってラビング処理を施したポリイミド付きガラス基板に塗布し、70℃、3分の条件にて溶媒除去後、大気中下において重合させ着色した光学薄膜を得た。透過光のスペクトルを測定すると、波長幅Δλ=68nm、波長中心λc=610nmの選択反射であることがわかった。また、上記組成物をトルエンとシクロペンタノンの混合溶媒(混合比(重量比)は2:1)に、30%の濃度で溶解し、バーコーターを用いて、ラビング処理を施したTACフィルムに塗布し、70℃、3分の条件にて溶媒除去後、大気中下において重合させ配向性の良好な光学異方性膜を得た。密着性試験をしたところ、残存した升目の数が100であり良好な結果となった。
E−2OBEBO2−E 33%
E−6OBEB(DCF3)ErBO6−E 10%
X(2)−1O4OBEFL(1)ErBO4O1−X(2) 10%
X(1)−1O6OBEFL(1)ErBO6O1−X(1) 34%
Yが炭素数5のアルキルであり、v=5である化合物(3−1−10 10%
DTS−102 3%
上記組成物を、シクロペンタノンに、30%の濃度で溶解し、スピンコート法によってラビング処理を施したポリイミド付きガラス基板に塗布し、70℃、3分の条件にて溶媒除去後、大気中下において重合させ無色透明の光学薄膜を得た。透過光のスペクトルを測定すると350nm以上に選択反射はなかった。また、550nmにおける有効レタデーションを測定すると、垂直入射の場合で0、層面の法線から角度40°傾斜させた場合で−33.1nmとなり、ネガティブc−プレートとなっていることを確認した。また、得られた異方性膜は、耐熱性試験において、レタデーション変化率が3%未満であり耐熱性に優れていた。また、上記組成物をトルエンとシクロペンタノンの混合溶媒(混合比(重量比)は2:1)に、30%の濃度で溶解し、バーコーターを用いて、ラビング処理を施したTACフィルムに塗布し、70℃、3分の条件にて溶媒除去後、大気中下において重合させ配向性の良好な光学異方性膜を得た。密着性試験をしたところ、残存した升目の数が100であり良好な結果となった。
E−1O6OBEFL(1)ErBO6O1−E 44%
X(1)−1O4OBBC 43%
Yが炭素数5のアルキルである化合物(3−1−6) 10%
DTS−102 3%
上記組成物を、シクロペンタノンに、30%の濃度で溶解し、スピンコート法によってラビング処理を施したポリイミド付きガラス基板に塗布し、70℃、3分の条件にて溶媒除去後、大気中下において重合させ無色透明の光学薄膜を得た。透過光のスペクトルを測定すると350nm以上に選択反射はなかった。また、550nmにおける有効レタデーションを測定すると、垂直入射の場合で0、層面の法線から角度40°傾斜させた場合で−41.9nmとなり、ネガティブc−プレートとなっていることを確認した。また、得られた異方性膜は、耐熱性試験において、レタデーション変化率が3%未満であり耐熱性に優れていた。また、上記組成物をトルエンとシクロペンタノンの混合溶媒(混合比(重量比)は2:1)に、30%の濃度で溶解し、バーコーターを用いて、ラビング処理を施したTACフィルムに塗布し、70℃、3分の条件にて溶媒除去後、大気中下において重合させ配向性の良好な光学異方性膜を得た。密着性試験をしたところ、残存した升目の数が100であり良好な結果となった。
E−2OBEBO2−E 15%
E−6OBEB(1)ErBO6−E 30%
X(1)−6OBEB(1)ErBO6−X(1) 42%
Yが炭素数5のアルキルである化合物(3−1−6) 10%
DTS−102 3%
上記組成物を、シクロペンタノンに、30%の濃度で溶解し、スピンコート法によってラビング処理を施したポリイミド付きガラス基板に塗布し、70℃、3分の条件にて溶媒除去後、大気中下において重合させ無色透明の光学薄膜を得た。透過光のスペクトルを測定すると350nm以上に選択反射はなかった。また、550nmにおける有効レタデーションを測定すると、垂直入射の場合で0、層面の法線から角度40°傾斜させた場合で−34.2nmとなり、ネガティブc−プレートとなっていることを確認した。また、得られた異方性膜は、耐熱性試験において、レタデーション変化率が3%未満であり耐熱性に優れていた。また、上記組成物をトルエンとシクロペンタノンの混合溶媒(混合比(重量比)は2:1)に、30%の濃度で溶解し、バーコーターを用いて、ラビング処理を施したTACフィルムに塗布し、70℃、3分の条件にて溶媒除去後、大気中下において重合させ配向性の良好な光学異方性膜を得た。密着性試験をしたところ、残存した升目の数が100であり良好な結果となった。
E−1O4OBBC 10%
E−2OBEBO2−E 20%
E−6OBEB(1)ErBO6−E 30%
X(1)−6OBEB(1)ErBO6−X(1) 31%
Yが炭素数3のアルキルである化合物(3−2−2) 6%
DTS−102 3%
上記組成物を、シクロペンタノンに、30%の濃度で溶解し、スピンコート法によってラビング処理を施したポリイミド付きガラス基板に塗布し、70℃、3分の条件にて溶媒除去後、大気中下において重合させ着色した光学薄膜を得た。透過光のスペクトルを測定すると、波長幅Δλ=41.8nm、波長中心λc=421nmの選択反射であることがわかった。また、上記組成物をトルエンとシクロペンタノンの混合溶媒(混合比(重量比)は2:1)に、30%の濃度で溶解し、バーコーターを用いて、ラビング処理を施したTACフィルムに塗布し、70℃、3分の条件にて溶媒除去後、大気中下において重合させ配向性の良好な光学異方性膜を得た。密着性試験をしたところ、残存した升目の数が100であり良好な結果となった
E−1OBBC 20%
E−2OBEBO2−E 15%
E−6OBEB(1)ErBO6−E 20%
X(1)−3HHB(F)F 29%
Yが炭素数3のアルキルである化合物(3−2−2) 13%
DTS−102 3%
上記組成物を、シクロペンタノンに、30%の濃度で溶解し、スピンコート法によってラビング処理を施したポリイミド付きガラス基板に塗布し、70℃、3分の条件にて溶媒除去後、大気中下において重合させ無色透明の光学薄膜を得た。透過光のスペクトルを測定すると350nm以上に選択反射はなかった。また、550nmにおける有効レタデーションを測定すると、垂直入射の場合で0、層面の法線から角度40°傾斜させた場合で−26.3nmとなり、ネガティブc−プレートとなっていることを確認した。また、得られた異方性膜は、耐熱性試験において、レタデーション変化率が3%未満であり耐熱性に優れていた。また、上記組成物をトルエンとシクロペンタノンの混合溶媒(混合比(重量比)は2:1)に、30%の濃度で溶解し、バーコーターを用いて、ラビング処理を施したTACフィルムに塗布し、70℃、3分の条件にて溶媒除去後、大気中下において重合させ配向性の良好な光学異方性膜を得た。密着性試験をしたところ、残存した升目の数が100であり良好な結果となった。
E−2OBEBO2−E 10%
X(1)−1O4OB(F)EB(DCF3)ErBr(F)O4O1−X(1)10%
X(1)−1O4OBEFL(1)ErBO4O1−X(1) 38%
X(1)−1O6OBEFL(1)ErBO6O1−X(1) 39%
DTS−102 3%
上記組成物を、トルエンとシクロペンタノンの混合溶媒(混合比(重量比)は2:1)に、20%の濃度で溶解し、(1)スピンコート法によってラビング処理を施したポリイミド付きガラス基板に塗布し、(2)バーコーターを用いて、ラビング処理を施したTACフィルムに塗布し、いずれの場合も、70℃、3分間の条件にて溶媒を除去し、大気中下で重合させることによって良好な配向性を有する光学異方性膜を得た。ガラス基板に形成した光学異方性膜は、正面のレタデーションが273nmでありホモジニアス配向であった。測定温度および測定波長は、25℃および550nmである。得られた異方性膜は、耐熱性試験において、レタデーション変化率が3%未満であり耐熱性に優れていた。また、密着性試験においても、残存した升目の数が100であり良好な結果となった。
X(1)−1O4OBBC 24%
E−1O4OBBC 20%
X(1)−1O4OBEFL(1)ErBO4O1−X(1) 26%
X(1)−1O6OBEFL(1)ErBO6O1−X(1) 27%
DTS−102 3%
上記組成物を、トルエンとシクロペンタノンの混合溶媒(混合比(重量比)は2:1)に、20%の濃度で溶解し、(1)スピンコート法によってラビング処理を施したポリイミド付きガラス基板に塗布し、(2)バーコーターを用いて、ラビング処理を施したTACフィルムに塗布し、いずれの場合も、70℃、3分間の条件にて溶媒を除去し、大気中下で重合させることによって良好な配向性を有する光学異方性膜を得た。ガラス基板に形成した光学異方性膜は、正面のレタデーションが167nmでありハイブリッド配向であった。測定温度および測定波長は、25℃および550nmである。得られた異方性膜は、耐熱性試験において、レタデーション変化率が3%未満であり耐熱性に優れていた。また、密着性試験においても、残存した升目の数が100であり良好な結果となった。
E−2OBEBO2−E 10%
X(1)−1O6OBEFL(1)ErBO6O1−X(1) 8%
E−1O4OBEFL(1)ErBO4O1−E 39%
E−1O6OBEFL(1)ErBO6O1−E 40%
DTS−102 3%
上記組成物を、トルエンとシクロペンタノンの混合溶媒(混合比(重量比)は2:1)に、20%の濃度で溶解し、(1)スピンコート法によってラビング処理を施したポリイミド付きガラス基板に塗布し、(2)バーコーターを用いて、ラビング処理を施したTACフィルムに塗布し、いずれの場合も、70℃、3分間の条件にて溶媒を除去し、大気中下で重合させることによって良好な配向性を有する光学異方性膜を得た。ガラス基板に形成した光学異方性膜は、正面のレタデーションが171nmでありハイブリッド配向であった。測定温度および測定波長は、25℃および550nmである。得られた異方性膜は、耐熱性試験において、レタデーション変化率が3%未満であり耐熱性に優れていた。また、密着性試験においても、残存した升目の数が100であり良好な結果となった。
E−2OBEBO2−E 20%
E−1O6OBBr(F)BO6O1−E 34%
E−1O6OBTBTBO6O1−E 33%
X(1)−1O6OBEFL(1)ErBO6O1−X(1) 10%
DTS−102 3%
上記組成物を、トルエンとシクロペンタノンの混合溶媒(混合比(重量比)は2:1)に、20%の濃度で溶解し、(1)スピンコート法によってラビング処理を施したポリイミド付きガラス基板に塗布し、(2)バーコーターを用いて、ラビング処理を施したTACフィルムに塗布し、いずれの場合も、70℃、3分間の条件にて溶媒を除去し、大気中下で重合させることによって良好な配向性を有する光学異方性膜を得た。ガラス基板に形成した光学異方性膜は、正面のレタデーションが235nmでありホモジニアス配向であった。測定温度および測定波長は、25℃および550nmである。得られた異方性膜は、耐熱性試験において、レタデーション変化率が3%未満であり耐熱性に優れていた。また、密着性試験においても、残存した升目の数が100であり良好な結果となった。
X(1)−1O4OBB(DF)O2 30%
E−1O4OBEFL(1)ErBO4O1−E 34%
E−1O6OBEFL(1)ErBO6O1−E 33%
DTS−102 3%
上記組成物を、トルエンとシクロペンタノンの混合溶媒(混合比(重量比)は2:1)に、20%の濃度で溶解し、(1)スピンコート法によってラビング処理を施したポリイミド付きガラス基板に塗布し、(2)バーコーターを用いて、ラビング処理を施したTACフィルムに塗布し、いずれの場合も、70℃、3分間の条件にて溶媒を除去し、大気中下で重合させることによって良好な配向性を有する光学異方性膜を得た。ガラス基板に形成した光学異方性膜は、正面のレタデーションが166nmでありホモジニアス配向であった。測定温度および測定波長は、25℃および550nmである。得られた異方性膜は、耐熱性試験において、レタデーション変化率が3%未満であり耐熱性に優れていた。また、密着性試験においても、残存した升目の数が100であり良好な結果となった。
E−2OBEBO2−E 33%
X(2)−1O6OBEFL(1)ErBO6O1−X(2) 33%
X(2)−1O6OBBC 31%
DTS−102 3%
上記組成物を、トルエンとシクロペンタノンの混合溶媒(混合比(重量比)は2:1)に、20%の濃度で溶解し、(1)スピンコート法によってラビング処理を施したポリイミド付きガラス基板に塗布し、(2)バーコーターを用いて、ラビング処理を施したTACフィルムに塗布し、いずれの場合も、70℃、3分間の条件にて溶媒を除去し、大気中下で重合させることによって良好な配向性を有する光学異方性膜を得た。ガラス基板に形成した光学異方性膜は、正面のレタデーションが172nmでありホモジニアス配向であった。測定温度および測定波長は、25℃および550nmである。得られた異方性膜は、耐熱性試験において、レタデーション変化率が3%未満であり耐熱性に優れていた。また、密着性試験においても、残存した升目の数が100であり良好な結果となった。
E−2OBEBO2−E 30%
E−1O4OBEFL(1)ErBO4O1−E 30%
X(2)−1O6OBEFL(1)ErBO6O1−X(2) 30%
Yが炭素数5のアルキルである化合物(3−1−7) 9%
DTS−102 1%
上記組成物を、シクロペンタノンに、30%の濃度で溶解し、スピンコート法によってラビング処理を施したポリイミド付きガラス基板に塗布し、70℃、3分の条件にて溶媒除去後、大気中下において重合させ無色透明の光学薄膜を得た。透過光のスペクトルを測定すると350nm以上に選択反射はなかった。また、550nmにおける有効レタデーションを測定すると、垂直入射の場合で0、層面の法線から角度40°傾斜させた場合で−36.5nmとなり、ネガティブc−プレートとなっていることを確認した。また、得られた異方性膜は、耐熱性試験において、レタデーション変化率が3%未満であり耐熱性に優れていた。また、上記組成物をトルエンとシクロペンタノンの混合溶媒(混合比(重量比)は2:1)に、30%の濃度で溶解し、バーコーターを用いて、ラビング処理を施したTACフィルムに塗布し、70℃、3分の条件にて溶媒除去後、大気中下において重合させ配向性の良好な光学異方性膜を得た。密着性試験をしたところ、残存した升目の数が100であり良好な結果となった。
E−2OBEBO2−E 22%
E−1O4OBEFL(1)ErBO4O1−E 23%
X(2)−1O4OB(F)EB(DCF3)ErBr(F)O4O1−X(2)23%
X(2)−1O6OBEFL(1)ErBO6O1−X(2) 22%
Yが炭素数5のアルキルである化合物(3−1−7) 9%
DTS−102 1%
上記組成物を、シクロペンタノンに、30%の濃度で溶解し、スピンコート法によってラビング処理を施したポリイミド付きガラス基板に塗布し、70℃、3分の条件にて溶媒除去後、大気中下において重合させ無色透明の光学薄膜を得た。透過光のスペクトルを測定すると350nm以上に選択反射はなかった。また、550nmにおける有効レタデーションを測定すると、垂直入射の場合で0、層面の法線から角度40°傾斜させた場合で−34.5nmとなり、ネガティブc−プレートとなっていることを確認した。また、得られた異方性膜は、耐熱性試験において、レタデーション変化率が3%未満であり耐熱性に優れていた。また、上記組成物をトルエンとシクロペンタノンの混合溶媒(混合比(重量比)は2:1)に、30%の濃度で溶解し、バーコーターを用いて、ラビング処理を施したTACフィルムに塗布し、70℃、3分の条件にて溶媒除去後、大気中下において重合させ配向性の良好な光学異方性膜を得た。密着性試験をしたところ、残存した升目の数が100であり良好な結果となった。
E−2OBEBO2−E 22%
E−1O4OBEFL(1)ErBO4O1−E 23%
X(2)−1O6OB(F)2EB(DCF3)Er2Br(F)O6O1−X(2)
化合物(2−2−236)
23%
X(2)−1O6OBEFL(1)ErBO6O1−X(2) 22%
Yが炭素数5のアルキルである化合物(3−1−7) 9%
DTS−102 1%
上記組成物を、シクロペンタノンに、30%の濃度で溶解し、スピンコート法によってラビング処理を施したポリイミド付きガラス基板に塗布し、70℃、3分の条件にて溶媒除去後、大気中下において重合させ無色透明の光学薄膜を得た。透過光のスペクトルを測定すると350nm以上に選択反射はなかった。また、550nmにおける有効レタデーションを測定すると、垂直入射の場合で0、層面の法線から角度40°傾斜させた場合で−32.5nmとなり、ネガティブc−プレートとなっていることを確認した。また、得られた異方性膜は、耐熱性試験において、レタデーション変化率が3%未満であり耐熱性に優れていた。また、上記組成物をトルエンとシクロペンタノンの混合溶媒(混合比(重量比)は2:1)に、30%の濃度で溶解し、バーコーターを用いて、ラビング処理を施したTACフィルムに塗布し、70℃、3分の条件にて溶媒除去後、大気中下において重合させ配向性の良好な光学異方性膜を得た。密着性試験をしたところ、残存した升目の数が100であり良好な結果となった。
E−2OBEBO2−E 45%
X(2)−1O6OBEFL(1)ErBO6O1−X(2) 45%
下記化合物 9%
DTS−102 1%
上記組成物を、シクロペンタノンに、30%の濃度で溶解し、スピンコート法によってラビング処理を施したポリイミド付きガラス基板に塗布し、70℃、3分の条件にて溶媒除去後、大気中下において重合させ無色透明の光学薄膜を得た。透過光のスペクトルを測定すると350nm以上に選択反射はなかった。また、550nmにおける有効レタデーションを測定すると、垂直入射の場合で0、層面の法線から角度40°傾斜させた場合で−34.0nmとなり、ネガティブc−プレートとなっていることを確認した。また、得られた異方性膜は、耐熱性試験において、レタデーション変化率が3%未満であり耐熱性に優れていた。また、上記組成物をトルエンとシクロペンタノンの混合溶媒(混合比(重量比)は2:1)に、30%の濃度で溶解し、バーコーターを用いて、ラビング処理を施したTACフィルムに塗布し、70℃、3分の条件にて溶媒除去後、大気中下において重合させ配向性の良好な光学異方性膜を得た。密着性試験をしたところ、残存した升目の数が100であり良好な結果となった。