JP4862414B2 - 車両用操舵制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、運転者が操作する操作部と操向輪を転舵する転舵部とを機械的に断接するバックアップクラッチを備えたステアバイワイヤシステムによる車両用操舵制御装置の技術分野に属する。
従来、ハンドルと前輪の舵取り機構とが機械的に切り離された、いわゆるステアバイワイヤ(SBW)システムでは、ハンドルと舵取り機構とを機械的に連結するバックアップ手段としてバックアップクラッチを備えている。SBWシステムの一部に異常が発生した場合には、速やかにバックアップクラッチを接続してSBW制御を中止し、運転者の操舵負担を軽減するアシスト制御に切り替えている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−225733号公報
しかしながら、上記従来技術にあっては、バックアップクラッチが誤締結(意図的に締結していない)した場合、転舵側ではSBW制御を継続してしまう。さらに、操舵角に対する指令転舵角のステアリングギヤ比が機械的に結合されたときのステアリングギヤ比よりも小さくなるようなSBW制御を行っている場合(車速が高い場合や、操舵の切り始め等)に誤締結をしてしまうと、誤締結をしたときの操舵角と実転舵角の比(機械的結合により決まる比)を、SBW制御での操舵角に対する指令転舵角の比により決まる転舵角に戻すように転舵モータを駆動することになるので、バックアップクラッチが誤締結されている状態ではその角度から切り増し切り戻しに反した力が加えられる。つまり、この位置からハンドル操作し難くなるおそれがあった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、ステアバイワイヤ制御中、バックアップクラッチの誤締結を短時間にて判定することで、バックアップクラッチの誤締結が発生してもスムーズなハンドル操作を行うことができる車両用操舵制御装置を提供することにある。
上述の目的を達成するため、本発明の車両用操舵制御装置では、
運転者が操作する操作部と、
前記操作部とは機械的に切り離され、操向輪を転舵する転舵部と、
前記操作部に操舵反力を付与する操舵反力アクチュエータと、
前記転舵部に転舵力を付与する転舵アクチュエータと、
前記操作部と前記転舵部とを機械的に断接するバックアップクラッチと、
前記バックアップクラッチの開放により前記操作部と前記転舵部を切り離し、前記操作部の操作状態に応じた転舵角となるように前記転舵アクチュエータを駆動する制御指令を出力すると共に、前記転舵部の転舵状態に応じた操舵反力を付与するように前記操舵反力アクチュエータを駆動する制御指令を出力するステアバイワイヤ制御手段と、
ステアバイワイヤ制御中、前記操作部の操作方向に対して前記転舵部の駆動方向が逆方向となった場合、前記バックアップクラッチが締結状態になったと判定するクラッチ締結判定手段と、
を備えたことを特徴とする。
本発明の車両用操舵制御装置にあっては、ステアバイワイヤ制御手段において、バックアップクラッチの開放により操作部と転舵部とが切り離され、操作部の操作状態に応じた転舵角となるように転舵アクチュエータを駆動する制御指令が出力されると共に、転舵部の転舵状態に応じた操舵反力を付与するように操舵反力アクチュエータを駆動する制御指令が出力される。このステアバイワイヤ制御中、クラッチ締結判定手段において、操作部の操作方向に対して転舵部の駆動方向が逆方向となった場合、バックアップクラッチが締結状態になったと判定される。
すなわち、ステアバイワイヤ制御中、車速が高い場合や操舵の切り始め等において、操舵角に対する指令転舵角のステアリングギヤ比を機械的に結合されたときのステアリングギヤ比よりも小さくすることがあり、バックアップクラッチが開放状態であると、操作の変化方向と転舵アクチュエータの駆動方向は同じ方向になる。つまり、操作の変化方向と転舵アクチュエータの駆動方向が逆であるということは、操舵/転舵の双方が関係するバックアップクラッチに異常が発生していることになる。したがって、この関係を利用すれば、バックアップクラッチの誤締結判定を行うことができる。しかも、操作の変化方向と転舵アクチュエータの駆動方向が逆であることを利用するため、各々の変化方向が解ればよく、バックアップクラッチの状態検出等に長い時間をかけることが無く、誤締結を判定できる。
この結果、ステアバイワイヤ制御中、バックアップクラッチの誤締結を短時間にて判定することで、バックアップクラッチの誤締結が発生してもスムーズなハンドル操作を行うことができる。
以下、本発明の車両用操舵制御装置を実施するための最良の形態を、図面に示す実施例1〜実施例4に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
[全体構成]
図1は、実施例1の車両用操舵制御装置を適用したステアバイワイヤ(SBW)システムの構成図である。
実施例1のSBWシステムは、ハンドル(操作部)1と、操舵反力モータ2(操舵反力アクチュエータ)と、操舵角センサ3と、バックアップクラッチ4と、バックアップケーブル5と、転舵モータ6(転舵アクチュエータ)と、転舵角センサ7と、舵取り機構8(転舵部)と、右前輪9a(操向輪)と、左前輪9b(操向輪)と、操舵反力コントローラ10(ステアバイワイヤ制御手段)と、転舵コントローラ11(ステアバイワイヤ制御手段)と、車速センサ12と、を備えている。
実施例1のSBWシステムはハード系として、運転者が操作するハンドル1と、前記ハンドル1とは機械的に切り離され、左右前輪9a,9bを転舵する舵取り機構8と、前記ハンドル1に操舵反力を付与する操舵反力モータ2と、前記舵取り機構8に転舵力を付与する転舵モータ6と、前記ハンドル1と前記舵取り機構8とを機械的に断接するバックアップクラッチ4と、を備えている。
そして、実施例1のSBWシステムはソフト系として、前記バックアップクラッチ4の開放により前記ハンドル1と前記舵取り機構8を切り離し、前記ハンドル1の操作状態に応じた転舵角となるように前記転舵モータ6を駆動する制御指令を出力する転舵装置用コントローラ11と、前記舵取り機構8の転舵状態に応じた操舵反力を付与するように前記操舵反力モータ2を駆動する制御指令を出力する操舵反力装置用コントローラ10と、を備えている。
また、SBWシステムの一部に異常が認められた場合には、速やかにバックアップクラッチ4を接続し、バックアップケーブル5を介してハンドル1と舵取り機構8とを機械的に連結してSBW制御を中止する。このシステム異常のうち、操舵反力モータ2と転舵モータ6の少なくとも一方を駆動可能である場合には、SBW制御から、運転者の操作力にアシスト力を付加するように操舵反力モータ2と転舵モータ6の少なくとも一方を駆動するアシスト制御に変更する。
[SBW制御系の構成]
図2は、実施例1のSBW制御の制御系を示すブロック図である。
入力情報をもたらすセンサとしては、前記操舵反力モータ2のモータ軸に設けられた操舵反力モータ角検出手段としての操舵角センサ3と、車速検出手段としての車速センサ1と、前記転舵モータ6のモータ軸に設けられた転舵モータ角検出手段としての転舵角センサ7と、を備えている。
演算処理を実行するコントローラとしては、バックアップクラッチ締結判定手段とモータ制御指令値算出手段とモータ駆動手段と指令転舵角算出手段と路面μ推定手段とを有する操舵反力コントローラ10と、バックアップクラッチ締結判定手段とモータ制御指令値算出手段とモータ駆動手段と路面μ推定手段とを有する転舵コントローラ11と、を備えている。なお、操舵反力コントローラ10と、転舵コントローラ11とは、双方向通信線により接続されている。
前記転舵コントローラ11では、指令転舵角算出手段により算出された指令転舵角θtaに対し、例えば、図3の転舵角制御ブロック図に示すように、予め与えておいた所望の特性に一致させるためのモデルマッチング補償器と、モデル化誤差を含む制御阻害要因を外乱として推定しキャンセルさせるためのロバスト補償器と、で構成されたロバストモデルマッチング手法を採用し、実転舵角θtを得るように転舵モータ6を駆動する。
前記バックアップクラッチ締結判定手段は、図4に示すフローチャートにしたがって、SBW制御中、バックアップクラッチ4が締結状態であるか否かの判定を行う。
制御アクチュエータとしては、前記操舵反力コントローラ10から制御指令を受ける操舵反力アクチュエータとしての操舵反力モータ2と、前記転舵コントローラ11から制御指令を受ける転舵アクチュエータとしての転舵モータ6と、を備えている。
[クラッチ締結判定処理]
図4は、実施例1の操舵反力コントローラ10及び転舵コントローラ11にて実行されるバックアップクラッチ締結判定処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する(クラッチ締結判定手段)。
ステップS101では、車速センサ12からの車速Vと、操舵角センサ3からの実操舵角θsと、転舵角センサ7からの実転舵角θtと、転舵コントローラ11からの転舵電流It(指令/実電流のどちらでも良いが、指令電流が先に変化するため、指令電流の方が望ましい。)を読み込み、ステップS102へ移行する。
ステップS102では、ステップS101での入力情報読み込みに続き、現在のバックアップクラッチ4への指令状況を確認するために、バックアップクラッチ4への指令が締結解除指令(ハンドル1と舵取り機構8とが非連結状態になるような指令を出している。)かどうかの判定を行い、YESの場合はステップS103へ移行し、NOの場合はステップS104へ移行する。
ステップS103では、ステップS102でのバックアップクラッチ4への指令が締結解除指令であるとの判定に続き、ステップS101で読み込んだ実操舵角θsから操作の変化の方向を算出し、ステップS105へ移行する。
ここで、操作変化方向算出処理は、例えば、今回取得した実操舵角θs(n)の値から前回取得した実操舵角θs(n-1)の値を差し引いて、その値の符号により操作の変化方向を算出する。
ステップS104では、ステップS102でのバックアップクラッチ4への指令が締結指令であるとの判定に続き、誤締結判定回数Neのカウント値をクリアし、ステップS101へ戻る。
すなわち、ハンドル1と舵取り機構8とが連結状態になるような指令を出していると判定されたため、バックアップクラッチ4を意図的に締結していることになる。よって、バックアップクラッチ4は誤締結している可能性が無くなるので、誤締結判定回数Neのカウント値をクリアする。
ステップS105では、ステップS103での操作変化方向算出処理に続き、ステップS101で読み込んだ転舵電流Itから転舵モータ6の駆動の変化方向を算出し、ステップS106へ移行する。
ここで、転舵モータ6の駆動変化方向算出処理は、今回取得した転舵電流It(n)の値から前回取得した転舵電流It(n-1)の値を差し引いて、その値の符号により駆動の変化方向を算出する。
ステップS106では、ステップS105での転舵モータ6の駆動変化方向算出処理に続き、操作変化方向と転舵モータ6の駆動変化方向とが逆であるか否かの判定を行い、YESの場合はステップS107へ移行し、NOの場合はステップS108へ移行する。
ステップS107では、ステップS106での操作変化方向と転舵モータ6の駆動変化方向とが逆であるとの判定に続き、誤締結判定回数Neをカウントアップし、ステップS109へ移行する。
ステップS108では、ステップS106での操作変化方向と転舵モータ6の駆動変化方向とが同じ方向であるとの判定に続き、誤締結判定回数Neをカウントダウンし、ステップS101へ戻る。
ステップS109では、ステップS107での誤締結判定回数Neのカウントアップに続き、カウントされた誤締結判定回数Neが、所定値Nej(例えば、誤判定を防止しつつ、判定を早く行えるように10回程度とする。)以上であるか否かを判定し、YESの場合はステップS110へ移行し、NOの場合はステップS101へ戻る。
ステップS110では、ステップS109でのカウントされた誤締結判定回数Neが所定値Nej以上であるとの判定に続き、バックアップクラッチ4が誤締結していると判定し、誤締結判定回数Neのカウント値をクリアし、ステップS111へ移行する。
ステップS111では、ステップS110でのバックアップクラッチ4の誤締結判定に続き、バックアップクラッチ4に締結指令(=連結指令)を出し、指令転舵角と実転舵角との矛盾を無くし、終了へと移行する。
ここで、バックアップクラッチ4に締結指令を出した後は、操舵反力アクチュエータ3と転舵アクチュエータ5の一方を駆動するSBW制御からアシスト制御に切り替えても良いし、また、図外のワーニングランプを点灯させ、運転者にアシスト制御への切り替え等を警告してもよい。
次に、作用を説明する。
[背景技術]
従来のSBWシステムでは、システムの一部に異常が発生した場合には、速やかにバックアップクラッチを接続し、ハンドルと舵取り機構とを機械的に連結し、SBW制御を中止していた。
しかしながら、SBWシステムの一部に異常が認められてバックアップクラッチを締結するのではなく、バックアップクラッチが誤締結(意図的に締結していない)した場合、転舵側ではSBW制御を継続してしまう。
さらに、操舵角に対する指令転舵角のステアリングギヤ比が機械的に結合されたときのステアリングギヤ比よりも小さくなるようなSBW制御を行っている場合(車速が高い場合や、操舵の切り始め等)に誤締結をしてしまうと、誤締結をしたときの操舵角と実転舵角の比(機械的結合により決まる比)を、SBW制御での操舵角に対する指令転舵角の比により決まる転舵角に戻すように転舵モータを駆動することになる。
このため、バックアップクラッチが誤締結されている状態ではその角度から切り増し、または、切り戻しと、その角度に戻すように、トルクが発生することになる。つまり、この位置からハンドル操作し難い状態になってしまう。
この状態になると転舵側は、その位置を保持しようとするため、駆動力を発生し、その駆動力は、操舵する方向と逆になる。そのため、運転者がこの状態から操舵を行うための操舵力は、その角度からの切り増し量、または、切り戻し量が大きいほど大きくなり、又時間が長いほど大きくなる。
[バックアップクラッチ誤締結判定作用]
これに対し、実施例1の車両用操舵制御装置では、操舵角に対する指令転舵角のステアリングギヤ比が機械的に結合されたときのステアリングギヤ比よりも小さくなるようなSBW制御を行っている場合、クラッチ誤締結であると操作方向と転舵の駆動方向とが逆方向になる点に着目し、SBW制御中、バックアップクラッチ4の誤締結を短時間にて判定することができるようにした。
すなわち、SBW制御時には、バックアップクラッチ4の開放によりハンドル1と舵取り機構8とが切り離され、転舵コントローラ11において、ハンドル1の操作状態に応じた転舵角となるように転舵モータ6を駆動する制御指令が出力されると共に、操舵反力コントローラ10において、舵取り機構8の転舵状態に応じた操舵反力を付与するように操舵反力モータ2を駆動する制御指令が出力される。
そして、操舵角θsに対する指令転舵角θtaの比であるステアリングギヤ比Grが機械的に結合されたときのステアリングギヤ比Grよりも小さいSBW制御中であって、バックアップクラッチ4が誤締結した場合、図4のフローチャートにおいて、ステップS101→ステップS102→ステップS103→ステップS105→ステップS106→ステップS107→ステップS109へと進む。すなわち、ステップS106では、操作変化方向と転舵モータ6の駆動変化方向とが逆であると判定され、次のステップS107では、誤締結判定回数Neをカウントアップされ、次のステップS109では、カウントアップされた誤締結判定回数Neが、所定値Nej(例えば、10回程度)未満であることで、ステップS101へ戻る。
そして、瞬間的に操作変化方向と転舵モータ6の駆動変化方向とが同方向であると判定されると、ステップS106→ステップS108へと進み、誤締結判定回数Neがカウントダウンされるものの、操作変化方向と転舵モータ6の駆動変化方向とが逆であるとの判定が継続し、ステップS109における、カウントされた誤締結判定回数Neが所定値Nej(例えば、10回程度)以上という条件が成立すると、ステップS110へ進み、バックアップクラッチ4が誤締結していると判定し、誤締結判定回数Neのカウント値をクリアし、次のステップS111では、バックアップクラッチ4に締結指令が出される。
ここで、図4に示すフローチャートにて利用された、操作変化方向と転舵モータ6の駆動変化方向とが逆であるという判定ロジックにより、バックアップクラッチ4の誤締結判定をすることができる理由について以下説明する。
操舵角θsに対する指令転舵角θtaのステアリングギヤ比(=θta/θs)が機械的連結時のステアリングギヤ比よりも小さい場合において、図5に誤締結してさらに切り増した時の各舵角と転舵電流の関係を示し、図6に誤締結して切り戻した時の各舵角と転舵電流の関係を示す。
図5及び図6に示す何れの場合にも、バックアップクラッチ4が誤締結を起こすと、操作の変化方向と転舵電流の変化方向とが逆になることが言える。
すなわち、SBW制御中、車速が高い場合や操舵の切り始め等において、操舵角に対する指令転舵角のステアリングギヤ比を機械的に結合されたときのステアリングギヤ比よりも小さくすることがあり、バックアップクラッチ4が開放状態であると、操作の変化方向と転舵モータ6の駆動方向は同じ方向になる。つまり、操作の変化方向と転舵モータ6の駆動方向が逆であるということは、操舵/転舵の双方が関係するバックアップクラッチ4に異常が発生していることになる。したがって、この関係を利用すれば、バックアップクラッチ4の誤締結判定を行うことができる。
しかも、操作の変化方向と転舵モータ6の駆動方向が逆であることを利用するため、各々の変化方向が解ればよく、バックアップクラッチ4の状態検出等に長い時間をかけることが無く、誤締結を判定できる。
なお、図7に誤締結時に指令転舵角と実転舵角とに偏差がある場合、誤締結して保舵した時の各舵角と転舵電流の関係を示し、図8に誤締結時に指令転舵角と実転舵角とに偏差がない場合、誤締結して保舵した時の各舵角と転舵電流の関係を示す。
図7においては、指令転舵角と実転舵角の偏差を無くそうと転舵電流が積算され、増加してゆくが(転舵制御に積分要素がある場合)、指令転舵角と実転舵角の関係は、保舵後、一定値を保つ関係となる。また、図8においては、指令転舵角と実転舵角の偏差がない状態で保舵しているため、転舵電流はほとんど増減しないし、指令転舵角と実転舵角の関係は、保舵後、一定値を保つ関係となる。
よって、バックアップクラッチ4の誤締結が発生した後、保舵している状態では、操作の変化方向が出ないことで、バックアップクラッチ4の誤締結判定は行われないものの、誤締結状態のままでも保舵を妨げることにはならない。
次に、効果を説明する。
実施例1の車両用操舵制御装置にあっては、以下に列挙する効果が得られる。
(1) 運転者が操作するハンドル1と、前記ハンドル1とは機械的に切り離され、左右前輪9a,9bを転舵する舵取り機構8と、前記ハンドル1に操舵反力を付与する操舵反力モータ2と、前記舵取り機構8に転舵力を付与する転舵モータ6と、前記ハンドル1と舵取り機構8とを機械的に断接するバックアップクラッチ4と、前記バックアップクラッチ4の開放により前記ハンドル1と舵取り機構8を切り離し、前記ハンドル1の操作状態に応じた転舵角となるように前記転舵モータ6を駆動する制御指令を出力すると共に、前記舵取り機構8の転舵状態に応じた操舵反力を付与するように前記操舵反力モータ2を駆動する制御指令を出力する操舵反力コントローラ10及び転舵コントローラ11と、ステアバイワイヤ制御中、前記ハンドル1の操作方向に対して前記舵取り機構8の駆動方向が逆方向となった場合、前記バックアップクラッチ4が締結状態になったと判定するクラッチ締結判定手段(図4)と、を備えたため、ステアバイワイヤ制御中、バックアップクラッチの誤締結を短時間にて判定することで、バックアップクラッチ4の誤締結が発生してもスムーズなハンドル操作を行うことができる。
(2) 前記クラッチ締結判定手段(図4)は、前記バックアップクラッチ4に対し締結解除指令を出力しているステアバイワイヤ制御中(ステップS102)、前記ハンドル1の操作方向に対して前記舵取り機構8の駆動方向が逆方向と判定されると誤締結判定回数Neをカウントアップし(ステップS107)、前記ハンドル1の操作方向に対して前記舵取り機構8の駆動方向が逆方向でないと判定されると誤締結判定回数Neをカウントダウンし(ステップS108)、カウントアップされたときの誤締結判定回数Neが所定値Nej以上となった場合(ステップS109)、前記バックアップクラッチ4が締結状態になったと判定するため、誤ったバックアップクラッチ4の締結判定を防止しつつ、誤締結判定を発生から早期タイミングで行うことができる。
(3) 前記クラッチ締結判定手段(図4)は、ステアバイワイヤ制御中、前記バックアップクラッチ4が締結状態になったと判定した場合、前記バックアップクラッチ4に対し締結指令を出力するため(ステップS111)、バックアップクラッチ4の誤締結判定後、ステアバイワイヤ制御からアシスト制御等に制御を遷移することで、ステアリングロック状態になることを防止することができる。
ちなみに、実施例1の発明により、誤締結を素早く検知し、アシスト制御等に制御を遷移させることで、10N程度の小さな操作力変化だけで操舵することが可能になる。
実施例2は、転舵アクチュエータの駆動力値によりバックアップクラッチの誤締結可能性を判定し、ステアリングギヤ比を機械的結合時のステアリングギヤ比よりも小さく設定する例である。
なお、システム構成については、図1〜図3に示した実施例1の構成と同様であるため、図示並びに説明を省略する。
[ステアリングギヤ比変更処理]
図9は、実施例2の操舵反力コントローラ10及び転舵コントローラ11にて実行されるステアリングギヤ比変更処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する(ステアリングギヤ比変更手段)。
ステップS201では、車速センサ12からの車速Vと、操舵角センサ3からの実操舵角θsと、転舵角センサ7からの実転舵角θtと、転舵コントローラ11からの転舵電流It(指令/実電流のどちらでも良いが、指令電流が先に変化するため、指令電流の方が望ましい。)を読み込み、ステップS202へ移行する。
ステップS202では、ステップS201での入力情報読み込みに続き、ステップS201で読み込んだ転舵電流Itおよび既知である転舵モータ6の機械的な定数とから、転舵モータ6の駆動力Ftを算出し、ステップS203へ移行する。
ステップS203では、ステップS202での駆動力Ft算出処理に続き、転舵モータ6の駆動力Ftは所定値Ftj以上か否かを判定し、YESの場合はステップS204へ移行し、NOの場合はステップS205へ移行する。
ここで、転舵モータ6の駆動力Ftの所定値Ftjは、通常の転舵に必要な駆動力よりも大きい値に設定される。
ステップS204では、ステップS203での転舵モータ6の駆動力Ftは所定値Ftj以上であるとの判定に続き、駆動力判定回数Nfをカウントアップし、ステップS206へ移行する。
ステップS205では、ステップS203での転舵モータ6の駆動力Ftは所定値Ftj未満であるとの判定に続き、駆動力判定回数Nfをカウントダウンし、ステップS201へ戻る。
ステップS206では、ステップS204での駆動力判定回数Nfのカウントアップに続き、カウントされた駆動力判定回数Nfが、所定値Nfj(例えば、誤判定を防止しつつ、判定を早く行えるように5回程度とする。)以上であるか否かを判定し、YESの場合はステップS207へ移行し、NOの場合はステップS201へ戻る。
ステップS207では、ステップS206でのカウントされた駆動力判定回数Nfが所定値Nfj以上であるとの判定に続き、バックアップクラッチ4が誤締結している可能性が生じたと判定し、操舵角θsに対する指令転舵角θtaの比であるステアリングギヤ比Grを、ステップS201で読み込んだ車速V、実操舵角θs、実転舵角θtを基に、機械的結合時のステアリングギヤ比を1とした場合、1よりも小さな値に決定し、ステップS208へ移行する。なお、このような処理をすることで、図4にて説明した誤締結判定ロジックを有効にする。
ステップS208では、ステップS207でのステアリングギヤ比Grを1よりも小さくする処理に続き、図4で説明したバックアップクラッチ4の誤締結判定処理を実行し、ステップS209へ移行する。
ステップS209では、ステップS208でのバックアップクラッチ4の誤締結判定処理に続き、誤締結と判定されたか否かを判定し、YESの場合はステップS210へ移行し、NOの場合はステップS201へ戻る。
ステップS210では、ステップS209での誤締結との判定に続き、次回以降の判定を正確に行うための処理として、駆動力判定回数Nfのカウント値をクリアし、終了へ移行する。
次に、作用を説明する。
[ステアリングギヤ比変更作用]
SBW制御中であって、転舵モータ6の駆動力Ftが、通常の転舵に必要な駆動力よりも大きい時には、図9のフローチャートにおいて、ステップS201→ステップS202→ステップS203→ステップS204→ステップS206へと進む。すなわち、ステップS203では、転舵モータ6の駆動力Ftが所定値Ftj以上であると判定され、次のステップS204では、駆動力判定回数Nfをカウントアップされるが、次のステップS206では、カウントアップされた駆動力判定回数Nfが、所定値Nfj(例えば、5回程度)未満であることで、ステップS201へ戻る。
そして、瞬間的に駆動力Ftが所定値Ftj未満であると判定されると、ステップS203→ステップS205へと進み、駆動力判定回数Nfがカウントダウンされるものの、駆動力Ftが所定値Ftj以上であるとの判定が継続し、ステップS206における、カウントされた駆動力判定回数Nfが所定値Nfj(例えば、5回程度)以上という条件が成立すると、ステップS207へ進み、操舵角θsに対する指令転舵角θtaの比であるステアリングギヤ比Grが、1よりも小さな値に決定される。
そして、ステアリングギヤ比Grを1よりも小さな値に設定した後、図4に示すフローチャートにしたがって、バックアップクラッチ4の誤締結判定処理が実行される。
ここで、図9に示すフローチャートにて利用された、転舵モータ6の駆動力Ftが所定値Ftj以上であるという判定ロジックにより、バックアップクラッチ4の誤締結可能性が大であることを判定することができる理由について以下説明する。
SBWシステムが正常時における操向輪の転舵負荷は、操向輪である左右前輪9a,9bが路面から受ける操向のための抵抗力に相当し、この路面抵抗力に対抗できる駆動力を転舵アクチュエータに付与すれば、左右前輪9a,9bの転舵動作が確保される。
しかし、バックアップクラッチ4が誤締結している時の操向輪の転舵負荷は、操向輪である左右前輪9a,9bが路面から受ける路面抵抗力と、ハンドル1側からバックアップクラッチ4を介して入力される転舵抵抗力(運転者による操舵力またはモータによる操舵反力)と、の和に相当し、この路面抵抗力と転舵抵抗力との和に対抗できる駆動力を転舵アクチュエータに付与する必要があり、正常時における転舵に必要な駆動力よりも大きな駆動力となってしまう。この点は、図7に示すように、誤締結して保舵したときに転舵電流が上昇特性を示すことからも明かである。
よって、転舵モータ6の駆動力Ftが所定値Ftj(通常の転舵に必要な駆動力よりも大きい値)以上であるという判定ロジックにより、バックアップクラッチ4の誤締結可能性が大であることを判定することができる。
上記のように、実施例2では、転舵モータ6の駆動力Ftが所定値Ftj以上の場合には、バックアップクラッチ4が誤締結している可能性があるため、操舵角θsに対する指令転舵角θtaの比であるステアリングギヤ比Grを1よりも小さな値に設定することで、図4に示す誤締結判定ロジックを有効にすることができ、より精度の高い誤締結判定が可能になる。
また、操舵角θsに対する指令転舵角θtaの比であるステアリングギヤ比Grを1よりも大きな値に設定したまま、つまり、クイック制御を継続したときのハンドル1の取られを防止することができる。
さらに、操舵角θsに対する指令転舵角θtaの比であるステアリングギヤ比Grを1よりも小さな値に設定することで、指令転舵角θtaの変位分を小さくできるため、転舵モータ6の駆動力を抑える(負荷を小さくする)ことができ、誤締結したときの操舵力の増加を抑えることができる。
次に、効果を説明する。
実施例2の車両用操舵制御装置にあっては、実施例1の効果(1)〜(3)に加え、下記に列挙する効果が得られる。
(4) ステアバイワイヤ制御中、前記バックアップクラッチ4が誤締結をしている可能性がある場合、前記ハンドル1の操作量に対する前記舵取り機構8の転舵量の比であるステアリングギヤ比Grを、前記ハンドル1と前記舵取り機構8とが機械的に連結されたときのステアリングギヤ比Grより小さく設定するステアリングギヤ比変更手段(図9)を設け、前記クラッチ締結判定手段(図4)は、前記ステアリングギヤ比変更手段によりステアリングギヤ比Grが変更された場合、前記バックアップクラッチ4が締結状態であるか否かを判定するため、誤締結判定ロジックを有効にすることで、より精度の高いバックアップクラッチ4の誤締結判定を行うことができる。加えて、クイック制御を継続したときのハンドル1の取られを防止することができる。さらに、転舵モータ6の駆動力を小さく抑えることができる。
(5) 前記ステアリングギヤ比変更手段(図9)は、前記転舵モータ6の駆動力Ftが所定値Ftj以上のとき(ステップS203)、前記ハンドル1の操作量に対する前記舵取り機構8の転舵量の比であるステアリングギヤ比Grを、前記ハンドル1と前記舵取り機構8とが機械的に連結されたときのステアリングギヤ比Grより小さく設定するため(ステップS207)、バックアップクラッチ4の状態検出等に長い時間をかけることなく、転舵モータ6の駆動力Ftにより応答良く短時間にてバックアップクラッチ4が誤締結している可能性があることを判定し、誤締結判定ロジックを有効にするためのギヤ比変更を行うことができる。
実施例3は、推定転舵角に対する実転舵角の偏差によりバックアップクラッチの誤締結可能性を判定し、ステアリングギヤ比を機械的結合時のステアリングギヤ比よりも小さく設定する例である。
なお、システム構成については、図1〜図3に示した実施例1の構成と同様であるため、図示並びに説明を省略する。
[ステアリングギヤ比変更処理]
図10は、実施例3の操舵反力コントローラ10及び転舵コントローラ11にて実行されるステアリングギヤ比変更処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する(ステアリングギヤ比変更手段)。なお、ステップS301、ステップS307〜ステップS310は、図9に示すフローチャートのステップS201、ステップS207〜ステップS210にそれぞれ相当するステップであるため、説明を省略する。
ステップS302では、ステップS301での入力情報読み込みに続き、ステップS301で読み込んだ実操舵角θに応じた指令転舵角θtaから推定される推定転舵角θt^に対する実転舵角θtの転舵角偏差Δθtを算出し、ステップS303へ移行する。
ステップS303では、ステップS302での転舵角偏差Δθt算出処理に続き、転舵角偏差Δθtは所定値Δθtj以上か否かを判定し、YESの場合はステップS304へ移行し、NOの場合はステップS305へ移行する。
ここで、転舵角偏差Δθtの所定値Δθtjは、通常の転舵モータ6のモータ制御応答性が想定される値よりも大きい値に設定される。
ステップS304では、ステップS303での転舵角偏差Δθtは所定値Δθtj以上であるとの判定に続き、偏差判定回数Naをカウントアップし、ステップS306へ移行する。
ステップS305では、ステップS303での転舵角偏差Δθtは所定値Δθtj未満であるとの判定に続き、偏差判定回数Naをカウントダウンし、ステップS301へ戻る。
ステップS306では、ステップS304での偏差判定回数Naのカウントアップに続き、カウントされた偏差判定回数Naが、所定値Naj(例えば、誤判定を防止しつつ、判定を早く行えるように5回程度とする。)以上であるか否かを判定し、YESの場合はステップS307へ移行し、NOの場合はステップS301へ戻る。
次に、作用を説明する。
[ステアリングギヤ比変更作用]
SBW制御中であって、実操舵角θに応じた指令転舵角θtaから推定される推定転舵角θt^に対する実転舵角θtの転舵角偏差Δθtが、通常の転舵モータ6のモータ制御応答性が想定される値よりも大きい時には、図10のフローチャートにおいて、ステップS301→ステップS302→ステップS303→ステップS304→ステップS306へと進む。すなわち、ステップS303では、転舵角偏差Δθtが所定値Δθtj以上であると判定され、次のステップS304では、偏差判定回数Naをカウントアップされるが、次のステップS306では、カウントアップされた偏差判定回数Naが、所定値Naj(例えば、5回程度)未満であることで、ステップS301へ戻る。
そして、瞬間的に転舵角偏差Δθtが所定値Δθtj未満であると判定されると、ステップS303→ステップS305へと進み、偏差判定回数Naがカウントダウンされるものの、転舵角偏差Δθtが所定値Δθtj以上であるとの判定が継続し、ステップS306における、カウントされた偏差判定回数Naが所定値Naj(例えば、5回程度)以上という条件が成立すると、ステップS307へ進み、操舵角θsに対する指令転舵角θtaの比であるステアリングギヤ比Grが、1よりも小さな値に決定される。
そして、ステアリングギヤ比Grを1よりも小さな値に設定した後、図4に示すフローチャートにしたがって、バックアップクラッチ4の誤締結判定処理が実行される。
ここで、図10に示すフローチャートにて利用された、転舵角偏差Δθtが所定値Δθtj以上であるという判定ロジックにより、バックアップクラッチ4の誤締結可能性が大であることを判定することができる理由について以下説明する。
SBWシステムが正常時における転舵制御においては、実操舵角θに応じて指令転舵角θtaが計算されると、指令転舵角θtaを得る駆動指令が転舵モータ6に出力され、操向輪である左右前輪9a,9bがモータ駆動力により転舵され、実転舵角θtが発生する。このとき、指令転舵角θtaと実転舵角θtとの関係は、転舵モータ6のモータ制御応答性から想定される応答遅れ分の小さな転舵角偏差を持つことになる。
しかし、バックアップクラッチ4が誤締結している時の転舵制御においては、実操舵角θに応じて指令転舵角θtaが計算されると、指令転舵角θtaを得る駆動指令が転舵モータ6に出力されることでのモータ駆動力と、ハンドル1側からバックアップクラッチ4を介して入力される転舵方向の力と、を合わせた力により、操向輪である左右前輪9a,9bが転舵し、実転舵角θtが発生する。したがって、バックアップクラッチ4が誤締結すると、指令転舵角θtaと実転舵角θtとの関係は、モータ制御応答遅れ分により追従する関係が崩れ、転舵モータ6のモータ制御応答性から想定される応答遅れ分より大きな転舵角偏差を持つことになる。この点は、図5及び図6に示すように、誤締結してさらに切り増した時、あるいは、切り戻した時の実転舵角と指令転舵角との偏差が時間の経過にしたがって徐々に拡大する特性を示すことからも明かである。
よって、転舵角偏差Δθtが所定値Δθtj(転舵モータ6のモータ制御応答性が想定される値よりも大きい値)以上であるという判定ロジックにより、バックアップクラッチ4の誤締結可能性が大であることを判定することができる。
上記のように、実施例3では、転舵角偏差Δθtが所定値Δθtj以上の場合には、バックアップクラッチ4が誤締結している可能性があるため、操舵角θsに対する指令転舵角θtaの比であるステアリングギヤ比Grを1よりも小さな値に設定することで、図4に示す誤締結判定ロジックを有効にすることができ、より精度の高い誤締結判定が可能になる。
また、操舵角θsに対する指令転舵角θtaの比であるステアリングギヤ比Grを1よりも大きな値に設定したまま、つまり、クイック制御を継続したときのハンドル1の取られを防止することができる。
さらに、操舵角θsに対する指令転舵角θtaの比であるステアリングギヤ比Grを1よりも小さな値に設定することで、指令転舵角θtaの変位分を小さくできるため、転舵モータ6の駆動力を抑える(負荷を小さくする)ことができる。
次に、効果を説明する。
実施例3の車両用操舵制御装置にあっては、実施例1の(1),(2),(3)及び実施例2の(4)の効果に加え、下記の効果が得られる。
(6) 前記ステアリングギヤ比変更手段(図10)は、前記ハンドル1の操作量に応じた指令転舵角θtaから推定される推定転舵角θt^に対する実転舵角θtの偏差Δθtが所定角度Δθtj以上のとき(ステップS303)、前記ハンドル1の操作量に対する前記舵取り機構8の転舵量の比であるステアリングギヤ比Grを、前記ハンドル1と前記舵取り機構8とが機械的に連結されたときのステアリングギヤ比Grより小さく設定するため(ステップS307)、バックアップクラッチ4の状態検出等に長い時間をかけることなく、転舵角偏差Δθtにより応答良く短時間にてバックアップクラッチ4が誤締結している可能性があることを判定し、誤締結判定ロジックを有効にするためのギヤ比変更を行うことができる。
実施例4は、実施例1〜実施例3の誤締結判定処理において、転舵側の電流値にしきい値を設け、電流値がそのしきい値を超えた時にバックアップクラッチ4が誤締結したと判定する例である。
なお、システム構成については、図1〜図3に示した実施例1の構成と同様であるため、図示並びに説明を省略する。
[クラッチ締結判定処理]
図11は、実施例4の操舵反力コントローラ10及び転舵コントローラ11にて実行されるバックアップクラッチ締結判定処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する(クラッチ締結判定手段)。なお、ステップS401〜ステップS406は、図4のフローチャートのステップS101〜ステップS106のそれぞれのステップに対応するので、説明を省略する。
ステップS407では、ステップS406での操作変化方向と転舵モータ6の駆動変化方向とが逆であるとの判定に続き、車速センサ12からの車速Vと、操舵角センサ3からの実操舵角θsと、転舵角センサ7からの実転舵角θtと、操舵反力コントローラ10からの操舵角に対する指令転舵角の比Grと、転舵コントローラ11からの転舵電流Itと、路面μ推定手段からの路面μ値μeと、を読み込み、ステップS408へ移行する。
ステップS408では、ステップS407での入力情報読み込みに続き、読み込んだ各情報から転舵電流しきい値Ithを算出し、ステップS409へ移行する。
すなわち、転舵に必要な電流が小さいと思われる状況では、この転舵電流しきい値Ithを小さく設定することで、判定時間を短くすることが可能である。この転舵電流しきい値Ithは、車速、実転舵角等の車両状態量から車両モデルに基づいて、セルフアライニングトルクを算出し、想定される電流値から設定する。この場合、簡易的に、車速、実転舵角の組み合わせで予め設定しても良い。
例えば、以下のような状況での転舵電流しきい値Ithの決め方が挙げられる。
(a) 図12に示すように、操舵角θsに対する指令転舵角θtaの比であるステアリングギヤ比Grが大きいほど(ただし、操作部と転舵部を直結したステアリングギヤ比よりも小さな値とする。)、転舵電流しきい値Ithを小さな値に設定する。
(b) 図13に示すように、実操舵角θsから操舵角速度θsp(=dθs/dt)を算出し、操舵角速度θspが低いほど、転舵電流しきい値Ithを小さな値に設定する。
(c) 図14に示すように、路面摩擦係数μeが低いほど、転舵電流しきい値Ithを小さな値に設定する。
つまり、車両に運動を発生させる力は、タイヤと路面との摩擦力から発生するので、路面μが変わると横力も変化し、セルフアライニングトルクも変化するため、同じ車速で同じ舵角を切るのに必要な電流も変化する。
また、ハンドル切り戻し時には、転舵側において切り増し方向に偏差が出るため、切り増し方向に駆動されるので、電流が大き目になる。逆に、ハンドル切り増し時には、転舵側において切り戻し方向に偏差が出るため、切り戻し方向に駆動されるので、電流が小さ目になる。よって、転舵電流しきい値Ithを、ハンドル切り戻し時に比べ、切り増し時に小さく設定する。
ステップS409では、ステップS408での転舵電流しきい値Ithの算出処理に続き、転舵電流Itは転舵電流しきい値Ith以上であるか否かの判定を行い、YESの場合はステップS410へ移行し、NOの場合はステップS411へ移行する。
ステップS410では、ステップS409での転舵電流Itは転舵電流しきい値Ith以上であるとの判定に続き、電流判定回数Niをカウントアップし、ステップS412へ移行する。
ステップS411では、ステップS409での転舵電流Itは転舵電流しきい値Ith未満であるとの判定に続き、電流判定回数Niをカウントダウンし、ステップS401へ戻る。
ステップS412では、ステップS410での電流判定回数Niのカウントアップに続き、カウントされた電流判定回数Niが、所定値Nij(例えば、誤判定を防止しつつ、判定を早く行えるように5回程度とする。)以上であるか否かを判定し、YESの場合はステップS413へ移行し、NOの場合はステップS401へ戻る。
ステップS413では、ステップS412でのカウントされた電流判定回数Niが所定値Nij以上であるとの判定に続き、バックアップクラッチ4が誤締結していると判定し、電流判定回数Niのカウント値をクリアし、ステップS414へ移行する。
ステップS414では、ステップS413でのバックアップクラッチ4の誤締結判定に続き、バックアップクラッチ4に締結指令(=連結指令)を出し、指令転舵角と実転舵角との矛盾を無くし、終了へと移行する。
ここで、バックアップクラッチ4に締結指令を出した後は、操舵反力アクチュエータ3と転舵アクチュエータ5の一方を駆動するSBW制御からアシスト制御に切り替えても良いし、また、図外のワーニングランプを点灯させ、運転者にアシスト制御への切り替え等を警告してもよい。
次に、作用を説明する。
[バックアップクラッチ誤締結判定作用]
実施例4の車両用操舵制御装置では、操舵角θsに対する指令転舵角θtaの比であるステアリングギヤ比Grが機械的に結合されたときのステアリングギヤ比Grよりも小さいSBW制御中、あるいは、小さく設定されたSBW制御中であって、バックアップクラッチ4が誤締結した場合、図11のフローチャートにおいて、ステップS401→ステップS402→ステップS403→ステップS405→ステップS406→ステップS407→ステップS408→ステップS409→ステップS410→ステップS412へと進む。すなわち、ステップS406では、操作変化方向と転舵モータ6の駆動変化方向とが逆であると判定され、ステップS409では、転舵電流Itが転舵電流しきい値Ith以上であると判定され、ステップS410では、電流判定回数Niがカウントアップされ、ステップS412では、カウントされた電流判定回数Niが、所定値Nij(例えば、5回程度)未満であることで、ステップS401へ戻る。
そして、瞬間的に転舵電流Itが転舵電流しきい値Ith未満であると判定されると、ステップS409→ステップS411へと進み、電流判定回数Niがカウントダウンされるものの、転舵電流Itが転舵電流しきい値Ith以上であるとの判定が継続し、ステップS412における、カウントされた電流判定回数Niが所定値Nij(例えば、5回程度)以上という条件が成立すると、ステップS413へ進み、バックアップクラッチ4が誤締結していると判定し、電流判定回数Niのカウント値をクリアし、次のステップS414では、バックアップクラッチ4に締結指令が出される。
上記のように、実施例4では、操作変化方向と転舵モータ6の駆動変化方向とが逆であるとき、転舵電流Itが転舵電流しきい値Ith以上であるという判定ロジックにより、バックアップクラッチ4の誤締結判定をする。
つまり、転舵側に流れる電流により、操作方向とは逆の駆動方向が決まるので、転舵電流Itを利用することにより、より早いタイミングでバックアップクラッチ4の誤締結判定を行うことが可能となる。
加えて、転舵電流Itは、通常時のSBW制御で使用する電流値であるため、バックアップクラッチ4の誤締結判定の際、他のセンサを用いる必要もない。
次に、効果を説明する。
実施例4の車両用操舵制御装置にあっては、実施例1〜実施例3の効果に加え、下記に列挙する効果が得られる。
(7) 前記転舵アクチュエータは、転舵モータ6であり、前記クラッチ締結判定手段(図11)は、ステアバイワイヤ制御中、前記ハンドル1の操作方向に対して前記舵取り機構8の駆動方向が逆方向となった場合で(ステップS406)、且つ、前記転舵モータ6へのモータ電流値Itが転舵電流しきい値Ith以上であるとき(ステップS409)、前記バックアップクラッチ4が締結状態になったと判定するため、バックアップクラッチ4の誤締結判定の際、他のセンサを用いる必要もなく、誤締結の発生から早期タイミングでバックアップクラッチ4の誤締結判定を行うことができる。
(8) 前記クラッチ締結判定手段(図11)は、前記ハンドル1の操舵角θsに対する前記舵取り機構8の指令転舵角θtaの比であるステアリングギヤ比Grが大きいほど、前記転舵電流しきい値Ithを小さな値に設定するため(ステップS408)、ステアリングギヤ比が異なることによる電流変動分の違いに対して素早い誤締結判定を行うことができる。
(9) 前記クラッチ締結判定手段(図11)は、前記ハンドル1の操舵角速度θspが低いほど、前記転舵電流しきい値Ithを小さな値に設定するため(ステップS408)、操舵角速度θspが異なることによる電流変動分の違いに対して素早い誤締結判定を行うことができる。
(10) 前記クラッチ締結判定手段(図11)は、路面摩擦係数μeが低いほど、前記転舵電流しきい値Ithを小さな値に設定するため(ステップS408)、路面摩擦係数μeが異なることによる電流変動分の違いに対して素早い誤締結判定を行うことができる。
以上、本発明の車両用操舵制御装置を実施例1〜実施例4に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
例えば、実施例2,3では、駆動力が所定値以上のとき、あるいは、転舵角偏差が所定値以上の時、バックアップクラッチの誤締結の可能性があると判定し、ステアリングギヤ比を1以下に設定する例を示したが、ステアリングギヤ比を1以下としても車両挙動に与える影響が小さい直進走行時などにおいて、ステアリングギヤ比を1以下に設定して誤締結判定を行うようにしても良い。
実施例1〜4では、バックアップ機構としてバックアップクラッチとバックアップケーブルを備えたステアバイワイヤシステムへの適用例を示したが、例えば、バックアップクラッチのみを有するSBWシステムであっても適用することができる。要するに、バックアップクラッチの開放により操作部と転舵部を切り離し、操作部の操作状態に応じた転舵角となるように転舵アクチュエータを駆動する制御指令を出力すると共に、転舵部の転舵状態に応じた操舵反力を付与するように操舵反力アクチュエータを駆動する制御指令を出力するステアバイワイヤ制御を実行する車両用操舵制御装置であれば適用できる。
実施例1の車両用操舵制御装置を適用したステアバイワイヤ(SBW)システムの構成図である。 実施例1のSBW制御の制御系を示すブロック図である。 実施例1のステアバイワイヤ制御のうち転舵制御としてロバストモデルマッチング手法を採用した場合の制御ブロック図である。 実施例1の操舵反力コントローラ及び転舵コントローラにて実行されるバックアップクラッチ締結判定処理の流れを示すフローチャートである。 バックアップクラッチを誤締結してさらに切り増した時の各舵角と転舵電流の関係を示す特性図である。 バックアップクラッチを誤締結して切り戻した時の各舵角と転舵電流の関係を示す特性図である。 指令転舵角と実転舵角に偏差がある場合に誤締結時して保舵した時の各舵角と転舵電流の関係を示す特性図である。 指令転舵角と実転舵角に偏差がない場合に誤締結時して保舵した時の各舵角と転舵電流の関係を示す特性図である。 実施例2の操舵反力コントローラ及び転舵コントローラにて実行されるステアリングギヤ比変更処理の流れを示すフローチャートである。 実施例2の操舵反力コントローラ及び転舵コントローラにて実行されるステアリングギヤ比変更処理の流れを示すフローチャートである。 実施例4の操舵反力コントローラ及び転舵コントローラにて実行されるバックアップクラッチ締結判定処理の流れを示すフローチャートである。 操舵角に対する指令転舵角の比の転舵電流しきい値の関係を示す図である。 操舵角速度と転舵電流しきい値の関係を示す図である。 路面μと転舵電流しきい値の関係を示す図である。
符号の説明
1 ハンドル(操作部)
2 操舵反力モータ(操舵反力アクチュエータ)
3 操舵角センサ
4 バックアップクラッチ
5 バックアップケーブル
6 転舵モータ(転舵アクチュエータ)
7 転舵角センサ
8 舵取り機構(転舵部)
9a 右前輪(操向輪)
9b 左前輪(操向輪)
10 操舵反力コントローラ(ステアバイワイヤ制御手段)
11 転舵コントローラ(ステアバイワイヤ制御手段)
12 車速センサ

Claims (11)

  1. 運転者が操作する操作部と、
    前記操作部とは機械的に切り離され、操向輪を転舵する転舵部と、
    前記操作部に操舵反力を付与する操舵反力アクチュエータと、
    前記転舵部に転舵力を付与する転舵アクチュエータと、
    前記操作部と前記転舵部とを機械的に断接するバックアップクラッチと、
    前記バックアップクラッチの開放により前記操作部と前記転舵部を切り離し、前記操作部の操作状態に応じた転舵角となるように前記転舵アクチュエータを駆動する制御指令を出力すると共に、前記転舵部の転舵状態に応じた操舵反力を付与するように前記操舵反力アクチュエータを駆動する制御指令を出力するステアバイワイヤ制御手段と、
    ステアバイワイヤ制御中、前記操作部の操作方向に対して前記転舵部の駆動方向が逆方向となった場合、前記バックアップクラッチが締結状態になったと判定するクラッチ締結判定手段と、
    を備えたことを特徴とする車両用操舵制御装置。
  2. 請求項1に記載された車両用操舵制御装置において、
    前記クラッチ締結判定手段は、前記バックアップクラッチに対し締結解除指令を出力しているステアバイワイヤ制御中、前記操作部の操作方向に対して前記転舵部の駆動方向が逆方向と判定されると誤締結判定回数をカウントアップし、前記操作部の操作方向に対して前記転舵部の駆動方向が逆方向でないと判定されると誤締結判定回数をカウントダウンし、カウントアップされたときの誤締結判定回数が所定値以上となった場合、前記バックアップクラッチが締結状態になったと判定することを特徴とする車両用操舵制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載された車両用操舵制御装置において、
    前記クラッチ締結判定手段は、ステアバイワイヤ制御中、前記バックアップクラッチが締結状態になったと判定した場合、前記バックアップクラッチに対し締結指令を出力することを特徴とする車両用操舵制御装置。
  4. 請求項1乃至3の何れか1項に記載された車両用操舵制御装置において、
    ステアバイワイヤ制御中、前記バックアップクラッチが誤締結をしている可能性がある場合、前記操作部の操作量に対する前記転舵部の転舵量の比であるステアリングギヤ比を、前記操作部と前記転舵部とが機械的に連結されたときのステアリングギヤ比より小さく設定するステアリングギヤ比変更手段を設け、
    前記クラッチ締結判定手段は、前記ステアリングギヤ比変更手段によりステアリングギヤ比が変更された場合、前記バックアップクラッチが締結状態であるか否かを判定することを特徴とする車両用操舵制御装置。
  5. 請求項4に記載された車両用操舵制御装置において、
    前記ステアリングギヤ比変更手段は、前記転舵アクチュエータの駆動力値が所定値以上のとき、前記操作部の操作量に対する前記転舵部の転舵量の比であるステアリングギヤ比を、前記操作部と前記転舵部とが機械的に連結されたときのステアリングギヤ比より小さく設定することを特徴とする車両用操舵制御装置。
  6. 請求項4または請求項5に記載された車両用操舵制御装置において、
    前記ステアリングギヤ比変更手段は、前記操作部の操作量に応じた指令転舵角から推定される推定転舵角に対する実転舵角の偏差が所定角度以上のとき、前記操作部の操作量に対する前記転舵部の転舵量の比であるステアリングギヤ比を、前記操作部と前記転舵部とが機械的に連結されたときのステアリングギヤ比より小さく設定することを特徴とする車両用操舵制御装置。
  7. 請求項1乃至6の何れか1項に記載された車両用操舵制御装置において、
    前記転舵アクチュエータは、転舵モータであり、
    前記クラッチ締結判定手段は、ステアバイワイヤ制御中、前記操作部の操作方向に対して前記転舵部の駆動方向が逆方向となった場合で、且つ、前記転舵モータへのモータ電流値が転舵電流しきい値以上であるとき、前記バックアップクラッチが締結状態になったと判定することを特徴とする車両用操舵制御装置。
  8. 請求項7に記載された車両用操舵制御装置において、
    前記クラッチ締結判定手段は、前記操作部の操作量に対する前記転舵部の転舵量の比であるステアリングギヤ比が大きいほど、前記転舵電流しきい値を小さな値に設定することを特徴とする車両用操舵制御装置。
  9. 請求項7または請求項8に記載された車両用操舵制御装置において、
    前記クラッチ締結判定手段は、前記操作部の操作速度が低いほど、前記転舵電流しきい値を小さな値に設定することを特徴とする車両用操舵制御装置。
  10. 請求項7乃至9の何れか1項に記載された車両用操舵制御装置において、
    前記クラッチ締結判定手段は、路面摩擦係数が低いほど、前記転舵電流しきい値を小さな値に設定することを特徴とする車両用操舵制御装置。
  11. 運転者が操作する操作部と、
    前記操作部とは機械的に切り離され、操向輪を転舵する転舵部と、
    前記操作部に操舵反力を付与する操舵反力アクチュエータと、
    前記転舵部に転舵力を付与する転舵アクチュエータと、
    前記操作部と前記転舵部とを機械的に断接するバックアップクラッチと、を備え、
    前記バックアップクラッチの開放により前記操作部と前記転舵部を切り離し、前記操作部の操作状態に応じた転舵角となるように前記転舵アクチュエータを駆動する制御指令を出力すると共に、前記転舵部の転舵状態に応じた操舵反力を付与するように前記操舵反力アクチュエータを駆動する制御指令を出力するステアバイワイヤ制御を実行する車両用操舵制御装置において、
    前記ステアバイワイヤ制御中、前記操作部の操作方向に対して前記転舵部の駆動方向が逆方向となった場合、前記バックアップクラッチが締結状態になったと判定することを特徴とする車両用操舵制御装置。
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