JP4861571B2 - 電子放出素子およびその製造方法、ならびにこれを用いた画像表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、いわゆる冷陰極型(電界放出型)の電子放出素子およびその製造方法、ならびにこれを用いた画像表示装置に関するものであって、特に、電子放出素子から放出される電子の集束性を改善する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、薄型のフラットパネルディスプレイ装置として、微小な冷陰極型(電界放出型)電子放出素子をパネル内部にマトリックス状に配設し、各電子放出素子に選択的に駆動電圧を印加することによって、各素子から放出される電子が対向するパネルに形成された蛍光体層を励起発光し、画像を表示する画像表示装置が提案されている。
【0003】
このような画像表示装置においては、表示画像の高精細化に対応するため、電子放出素子から放出される電子の集束性の向上が求められている。通常、電子放出素子から放出される電子は、基板垂直方向に対して数十度の角度を持って拡がるため、集束性が悪くなりやすい。この電子の集束性を向上させるために、例えば、特開2000−67736号公報に記載されている従来技術がある。
【0004】
図17は、上記従来技術における電子放出素子の一部概略断面図である。
同図に示すように、電子放出素子100は、基板2100、カソード電極2300、絶縁層2400、引き出し電極2500が順に積層された構成を有する。そして、電子放出素子100には、引き出し電極2500からカソード電極2300の途中まで貫通する孔2600の底部に、電子放出層2700が被膜されている。この電子放出層2700の表面は、カソード電極11と絶縁層12の界面よりも基板側に位置するように形成されている。
【0005】
このような電子放出素子100において、上記引き出し電極2500に電圧が印加されると、例えば、図中実線で示す凹型の等電位面Aが形成される。そのため、電子放出層2700の中心点P付近に電界集中が起こり、そこから主に電子が放出されるようになる。一方、電子放出層2700の表面端部は、中心点Pに比べて電界集中が起こりにくく、電子が放出されにくい。この表面端部から放出される電子は絶縁層2400にチャージアップを起こす可能性があるが、その量は少ないと考えられる。
【0006】
したがって、電子は、主に電子放出層2700の表面における中心点P付近から放出されるので、電子ビームB1はまっすぐ進行して被照射面にスポット的に照射されると考えられ、電子の集束性は良好であると思われる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術の電子放出素子においては、まだ電子の集束性に改善の余地があると考えられる。
電子放出層2700の中心点Pから放出される電子は、電子ビームB2,B3で示すように、放出された時点で±数十度程度の角度を有して拡がって進む。そして、等電位面Aにおいてこれと垂直をなす方向に大きく偏向されて、電子ビームB2´,B3´のように広がって、被照射面における照射面積が大きくなると考えられ、集束性は十分と言えない。電子放出層2700表面の端部から放出される電子についても、集束することが困難となる場合があり、そのような場合にはチャージアップが引き起こされる。
【0008】
このように、上記従来の電子放出素子においては、放出される電子ビームの広がりが大きく、電子の集束性においてまだ多くの改善の余地が残されている。
本発明は、上記課題に鑑み、従来に比べて電子の集束性を向上することができる電子放出素子およびその製造方法ならびにこれを用いた画像表示装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る電子放出素子は、基板上に、カソード電極と絶縁層と電子引き出し電極とが順に積層され、少なくとも前記電子引き出し電極側から前記カソード電極まで到達する孔が設けられ、当該孔の底面に、前記カソード電極と接触するように電子放出層が具設された電子放出素子であって、前記電子放出層は、その表面が前記カソード電極と前記絶縁層との界面よりも前記基板側に位置するように具設されており、前記孔の底面に対する前記電子放出層の中心部が前記カソード電極と接触していないことを特徴としている。
【0010】
このような電子放出素子によれば、電子放出層の表面において、その中心部から電子が放出されにくくなる一方、その端部からは電子が放出され易くなる。この電子放出層の端部から放出される電子の集束性は高いので、電子放出素子の電子の集束性を向上することができる。
また、電子の集束性と電界強度分布の両者のバランスを考えて、前記電子放出層は、その表面から前記カソード電極と絶縁層との界面までの積層方向の距離が、その界面における前記孔の開口幅に対して0.02〜0.15倍となるように具設されていることが望ましい。
【0011】
ここで、前記電子放出層は、その表面が凹面形状であれば、電子放出層表面の端部から放出される電子を比較的初期の段階で偏向することができるので、電子の集束性が向上する。この電子放出層の底面を、凸面形状としてもよい。
さらに、前記電子放出層が、その表面に突起を有していれば、その突起に電界集中が起こり易くなるので、より電子放出性が向上する。
【0012】
この電子放出層の突起は、複数個形成され、その高さをH、隣接する突起との距離をDとする場合に、D≧H/2の関係を満たすようにすれば、電界集中が起こりにくくなることを抑制できる。
ここで、前記電子放出層が、電子を放出する放出層と、当該放出層を配向させるために表面に凹凸を有する配向層とからなり、前記放出層は、前記配向層表面の形状に応じた凹凸形状を有しているようにすれば、より突起先端に電界集中させることができ、電子放出性を向上することができる。
【0013】
また、前記電子放出層は、前記孔の底面の中心部を除く周縁部に配されているようにすれば、孔の中心部からは電子が放出されないので、電子の集束性を向上することができる。
また、前記カソード電極が、前記孔の底面における中心部を除く周縁部に突出した突出部を有するようにすれば、電子放出層の端部への電子供給量を増加させ、電子放出層表面端部からの電子放出量を増加させることができるので、電子の集束性を向上することができる。
【0014】
前記カソード電極は、前記基板との間に当該カソード電極と異なる導電性材質からなる第2のカソード電極を介して配され、当該第2のカソード電極は、前記電子放出層の前記中心部を除く周縁部に突出した突出部を有するように構成することもできる。
前記電子放出層は、電子放出材料としての繊維状のグラファイト、もしくはカーボン・ナノチューブを含むようにすれば、これらのアスペクト比は非常に高いので、電界集中を起こしやすく、電子放出素子の電子放出性を向上することができる。
【0015】
前記電子放出層は、前記電子放出材料を配向させるための多足形状をした配向部材を含むようにすれば、多足体によって形成される突起が鋭くなり、先端に電界集中が起こり易くなるので、電子放出性を向上することができる。
また、本発明に係る電子放出素子は、基板上にカソード電極と絶縁層と電子引き出し電極とが順に積層され、前記引き出し電極側からカソード電極まで到達する孔の底面に、前記カソード電極と接触する電子放出層が具設された電子放出素子であって、前記電子放出層は、その表面が前記カソード電極と絶縁層との界面よりも基板側に位置し、前記界面から電子放出層表面までの積層方向の距離が、前記界面位置における孔の開口幅に対して0.02〜0.15倍の範囲となるように具設されていることを特徴としている。
【0016】
このような範囲においては、従来に比べて電子放出性、電子集束性を向上させながら、カソード電極に印加する電圧を通常使用する範囲内に低く保つことができる。
また、本発明に係る電子放出素子は、基板上にカソード電極と絶縁層と電子引き出し電極とが順に積層され、前記引き出し電極からカソード電極まで到達する孔の底面に電子放出層が具設された電子放出素子であって、前記電子放出層は、前記孔におけるカソード電極露出面と接触するとともに、その電子放出層表面が凹面形状を有することを特徴とする。
【0017】
これによって、電子放出層表面の端部から放出される電子は、比較的早い段階で偏向されるので、従来に比べて電子の集束性が向上すると考えられる。
本発明に係る電子放出素子の製造方法は、基板上に当該基板まで貫通する孔を有するカソード電極を形成する電極形成ステップと、前記孔の底面に電子放出物質と溶剤を含むペーストを塗布することによって、電子放出層を形成する電子放出層形成ステップとを有することを特徴とする。
【0018】
これによれば、カソード電極には、基板まで貫通する孔が開けられ、孔の底面は基板となるので、基板上に形成される電子放出層の加工精度が高まる。すなわち、電子放出層の寸法精度が高まり、電子放出性および集束性を均一化することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
〔第1の実施の形態〕
<画像表示装置の全体構成>
図1は、本第1の実施の形態に係る画像表示装置1の概略構成を示す断面図である。図1を参照しながら画像表示装置1の構造について説明する。
【0020】
同図に示すように、画像表示装置1は、前面パネル10と背面パネル20とがギャップ材30を介して対向した状態に配されて構成されており、パネル間の空間31は高真空状態に保持されている。
前面パネル10は、前面ガラス基板11、アノード電極12、蛍光体層13を備え、前面ガラス基板11の対向面上に、アノード電極12が被膜されるとともに、その表面上に蛍光体層13が画素単位ごとに配設されて構成されている。
【0021】
前面ガラス基板11は、例えば、ソーダガラス材料からなる平板状の基板である。ソーダガラスは平滑性に優れる上、コスト的にも好ましい。
アノード電極12は、ITOなどの透明導電材料からなる表示電極である。
蛍光体層13は、電子線により励起発光する公知の蛍光体粒子からなり、カラー表示を行う画像表示装置の場合には、R(赤),G(緑),B(青)の色を発光する蛍光体層が画素ごとに順に配設される。
【0022】
背面パネル20は、複数本の電子ビームを放出することができる電子放出素子であり、背面ガラス基板21と、電子を放出するための電子放出部22を備えている。
背面ガラス基板21は、前面ガラス基板11と同様、ソーダガラスからなる絶縁性の平板状の基板である。この背面ガラス基板21の対向面上に、電子放出部22が形成されている。
【0023】
図2は、電子放出部22の構成を説明するための背面パネル20の概略斜視図である。
同図に示すように、電子放出部22は、カソード電極23、絶縁層24、引き出し電極25、電子放出層27(図3)を備え、背面ガラス基板21上にストライプ状に列設されたカソード電極23に対して、これと直交するように、ストライプ状に絶縁層24、引き出し電極25が列設された状態で積層されるとともに、その直交点においては、絶縁層24、引き出し電極25がカソード電極23上に積層され、引き出し電極25および絶縁層24を貫通してカソード電極23まで到達する孔26が形成されている。そして、孔26内には、電子放出層27(図3)が設けられている。
【0024】
画像表示装置1の駆動時には、カソード電極23、アノード電極12、および引き出し電極25の各端部に図示しない制御駆動手段が接続され、各制御駆動手段により選択されたカソード電極23が接地されるとともに、引き出し電極25に対しては約20〜70V、アノード電極12に対しては約8〜10kVの電圧が印加される。このとき、各電極23,25の交差点にある孔26の電子放出層27(図3)からアノード電極12に向かって電子が放出される。この電子が蛍光体層13(図1)において可視光に変換されるので、画像表示装置1における表示方向に画像を表示することができる。なお、ここでは、カソード電極23を接地するようにしたが、特にこれに制限されるものではなく、カソード電極23に電圧を印加するようにしてもよい。その場合には、引き出し電極25およびアノード電極12に印加する電圧は、上記各電圧値(20〜70Vおよび8〜10kV)に、カソード電極23に印加する電圧をそれぞれ付加した値とすればよい。
【0025】
<電子放出部22の構成>
図3は、電子放出部22の構成を説明するための背面パネル20の要部断面図である。
同図に示すように、背面パネル20は、背面ガラス基板21上に、カソード電極23、絶縁層24、引き出し電極25が積層された構成をしており、引き出し電極25からカソード電極23まで貫通し、底面が背面ガラス基板21となる孔26の底部に電子放出層27が設けられている。
【0026】
カソード電極23は、電子放出層27に対して電子を供給するために導電性の材料(アルミ、クロムなど)からなり、厚みが例えば50μm程度に形成される。その材質は、配線抵抗の少ないものであれば好ましいが、特に制限されるものではない。
絶縁層24は、カソード電極23と引き出し電極25とを絶縁する働きを有し、絶縁物質であるアルミナなどのセラミックスからなり、厚みが例えば50〜100μm程度に設けられる。この絶縁層24は、材質が絶縁物質に限られるものではなく、非常に高い抵抗値を有する半導電性のものであっても、カソード電極23と引き出し電極25との電位差を電子放出可能な程度に保持することができるものであれば使用することができる。このような半導電性のものであれば、チャージアップを防止するという観点からは好ましい場合もあるからである。
【0027】
引き出し電極25は、電子放出層27から電子を引き出す働きを有し、カソード電極23と同様の導電性を有する材質からなり、厚みが例えば50μm程度に設けられる。
電子放出層27は、カソード電極23から供給される電子を放出する機能を有し、カーボンファイバーおよびカーボン・ナノチューブなどの非常に大きなアスペクト比を有するカーボン材料からなり、その配向方向がランダムとなるように群集した層である。上記カーボン材料は、炭素材料であるため安定性に優れ、六炭素環のσ結合が一部切れたところを含むので電子放出性が優れるという特性に加え、そのアスペクト比の大きさ(例えば100以上)により、電界集中が非常に起こり易く、電子放出性にも優れるという特性も有する。
【0028】
ここで、電子放出層27は、その底面が背面ガラス基板21と直接接するように形成されており、これによって、カソード電極23は、電子放出層27の底面と接することなくその側端面だけと接するようになる。したがって、電子放出素子1が駆動された場合には、電子放出層27は、カソード電極23と接する側端面から電子が供給されるようになり、電子が主に放出される場所も、電子供給側に近い電子放出層27の表面の端部になると思われる。
【0029】
このような電子放出層27の表面端部から放出された電子は、被照射面に対して集束されやすいと考えられる。この理由について、以下に説明する。
電子放出層27の表面端部、例えば、図3に示す点Q1,Q2から放出された電子は、通常数十度の角度を有して拡がりながら進行する。しかし、点Q1,Q2から放出された電子は、等電位面Aに対して垂直方向となるように偏向されたとしても、その偏向点付近の等電位面Aは比較的平坦であるので、見かけ上略コリメートされた状態で集束点Q3に向かうように偏向される。すなわち、集束点Q3においては点Q1および点Q2から放出された電子が集まり、スポット的に照射される。
【0030】
一方、電子放出層27の中心点付近からも電子が放出されると考えられるが、電子放出層27の表面端部の点に比べるとカソード電極23から距離が離れており、供給される電子の量が少ないと考えられるため、そこから放出される電子量はほとんどないと考えられる。
すなわち、カソード電極23が、電子放出層27の底面における中心部と接触せず、電子放出層27の側面などの底面の周辺領域と接触する構成をとることによって、集束性の悪い、電子放出層27表面の中心点Pから放出される電子の量を抑制するとともに、集束性の良好な、電子放出層27の表面端部Q1,Q2から放出される電子の量を相対的に増加させることができるので、その結果、電子放出素子1の集束点Q3への集束性を従来に比べて向上することができる。
【0031】
ここで、電子放出層27の表面は、カソード電極23と絶縁層24との界面よりも背面ガラス基板21寄りに設けられており、カソード電極23と絶縁層24との界面位置における孔26の開口幅をW、カソード電極23と絶縁層24の界面から電子放出層27表面までの積層方向の距離をHとすると、距離Hは、0.02W〜0.15Wの範囲内とすることが好ましい。
【0032】
距離Hは、大きければ大きいほど電子集束性の観点からは好ましいが、その値を大きくしすぎると電子を放出させるための駆動電圧を高めなくてはならず、また電子放出層27表面上における電界強度分布が大きくなるという不具合が生じる。駆動電圧を高めるには、装置コストが高くなり、また、電界強度分布が大きくなればエミッション領域が狭まりエミッション電流が低下したり、エミッション特性が劣化したりし易い。そこで、電子ビーム集束性と電界強度分布との両者の兼ね合いを考慮し、実験およびシミュレーションの結果から上述の範囲が好ましいことを明らかにした。
【0033】
上述したように、従来の電子放出素子に比べて集束性が向上するので、これを画像表示装置に用いた場合には、画像表示装置を高精細化することできる。
<画像表示装置1の製造方法>
本発明に係る画像表示装置の製造方法は、背面パネル20の形成方法に大きな特徴を有している。そのため、主に背面パネル20の形成方法について説明をする。
【0034】
図4(a)〜(e)は、背面パネル20の各製造工程における要部断面図である。
図4(a)に示すように、まず、背面ガラス基板21を用意する。
次に、図4(b)に示すように、その背面ガラス基板21表面上に、アルミやクロムを含むペーストを塗布し、ペースト中の溶剤を乾燥後、ペーストに含まれる樹脂を焼成して焼失させる、いわゆる厚膜形成プロセスを用いて、所望の厚さ(50μm)に形成し、カソード電極23となる層を積層する。ここで、厚膜形成プロセスの代わりに、アルミやクロムなどの電極となる材料をスパッタリング法や蒸着法などの薄膜形成プロセスを用いてもよい。
【0035】
このように形成されたカソード電極23となる層の表面に対してパターンエッチングを施すことによって、図2に示すようにカソード電極23がライン状に形成されるとともに、図4(c)に示すような背面ガラス基板21まで貫通する孔260が形成される。
次に、電子放出部材(カーボン・ナノチューブやカーボンファイバーなど)と、揮発性溶媒(アセトン、エタノール、もしくは酢酸イソアミルとニトロセルロースの混合溶液であるビークル(ビヒクル)など)を混合することによって得られるペースト270(もしくは分散液)を、印刷法を用いて塗布したりインクジェットを用いて滴下したりして、孔260に充填する(図4(d))。
【0036】
このペースト270の充填量は、ペースト中の電子放出部材の混合量などに応じて、電子放出層27となったときにその表面がカソード電極23と絶縁層との界面よりも背面ガラス基板21寄りに形成されるように調整すればよい。この後、ペースト270の溶媒を蒸発させることにより、電子放出層27が形成される(図4(e))。
【0037】
また、図4(d),(e)のところで説明した電子放出層27の形成方法としては、スキージを用いた方法も使用することができる。
図5(a)、(b)は、電子放出層27をスキージを用いて形成する方法を説明するための各製造工程における背面パネル20の要部断面図である。
図5(a)に示すように、孔260(図4(c))にペースト270を溢れるように充填する。その後、図5(b)に示すように、スキージ272を用いて、カソード電極23表面と孔260内の一部のペースト271を拭い取った後、溶剤を乾燥することによりカーボンファイバーなどの繊維状電子放出部材がランダムに配向した電子放出層27(図4(e))を形成することができる。
【0038】
ここで、スキージ272の弾力性の違いによって、孔260内に充填されたペースト271を拭い取る量が異なり、スキージ272が軟らかいほど拭い取る量が多くなって形成される電子放出層27の厚みを薄くできるので、スキージ272は、形成したい電子放出層27の厚みに応じてその弾力性を変更すればよい。
次に、厚膜形成法などを用いて、孔26(図3)を形成するため、これに相当する位置に貫通穴を有するライン状の絶縁層24および引き出し電極25を形成しておく。これらの孔がカソード電極23の孔260と合うように、かつカソード電極23と直交するように積層する(図2参照)ことにより、電子放出部22を備えた背面パネル20が形成される。
【0039】
他方、前面パネル10は、まず、前面ガラス基板11表面上に、蒸着法等を用いてITOからなる膜を形成し、次にその表面上に印刷法等を用いて蛍光体層13をライン状に形成することにより得られる。
最後に、上記背面パネル20の周囲にギャップ材30を配設し、高真空下で前面パネル10と対向して張り合わせることにより、電子放出素子1が形成される。
【0040】
ここで、図17を用いて説明した従来の電子放出素子の場合、カソード電極2300と絶縁層2400との界面から電子放出層2700までの積層方向の距離(図3における距離Hに相当する)の寸法精度は、カソード電極2300および電子放出層2700の厚みの加工精度と、孔2600の底面の加工精度とに依存する。電子放出層2700の加工精度は比較的制御し易いが、孔2600の底面の加工精度は制御が難しく、得られる電子放出層2700表面の寸法精度も不十分になるため、各電子放出素子のエミッション特性を均一化することは難しいと考えられる。
【0041】
一方、本第1の実施の形態の場合、電子放出層27は、背面ガラス基板21上に直接形成されるので、図3における距離Hの寸法精度は、カソード電極23および電子放出層27の厚み2点の精度のみに依存する。したがって、孔26の底面の加工精度を考慮する必要が無い。また、カソード電極23、電子放出層27の寸法精度は比較的制御し易いため、各電子放出素子のエミッション特性を均一化することは比較的容易である。したがって、本実施の形態の電子放出素子の製造方法によれば、従来に比べて電子放出素子のエミッション特性を均一化することができる。
【0042】
(変形例)
▲1▼上記実施の形態においては、電子放出層27の底面が背面ガラス基板21の全面と接するように形成されていたが、これに限定されるものではなく、孔底面の中心において電子放出層がカソード電極と接触しない領域を有する構成であればよい。
【0043】
図6(a)は、本変形例における背面パネル200の要部断面図である。なお、本変形例においては、上記第1の実施の形態と電子放出層の構成が異なるのみであり、図3と同じ番号を付したものについては、同じ構成要素であるので詳細な説明を省略する。
同図に示すように、電子放出層274は、基本的には図3における電子放出層27と同じ構成であるが、その中心に背面ガラス基板21まで貫通する孔261が開けられ、平面視環状の構成を有する。
【0044】
これによって、孔26底面の中心部には、孔261により電子放出層が存在しない領域が形成されているため、従来技術のような集束性の悪い、電子放出層表面中心部からの電子放出が全く起こらない。したがって、第1の実施の形態に比べて電子の集束性がさらに向上すると考えられる。
▲2▼また、電子放出層が孔底面の中心部においてカソード電極と接触しない構成として、以下に示す構成を考えることができ、これによっても本発明を実施することができる。
【0045】
図7(a)は、本変形例における背面パネル201の要部断面図である。なお、本変形例においては、第1の実施の形態と電子放出層およびカソード電極の形状が異なるのみであり、図3と同じ番号を付したものについては、同じ構成要素であるので詳細な説明については省略する。
同図に示すように、カソード電極230は、孔262側に突出した突出部230aを有している。これによって、電子放出層275は、その底面において、中心部が背面ガラス基板21と接する一方、周縁部がカソード電極230と接するようになる。このため、電子放出層275の周縁部は、カソード電極230との接触面積が増加するので、電子放出層275表面における端部から放出される電子量を多くすることができる。そのため、第1の実施の形態に比べて電子の集束性を向上することができる。
【0046】
また、図7(b)の背面パネル202に示すように、カソード電極を2種類の導電層231,232から構成し、突出部232aを形成するようにしてもよい。
〔第2の実施の形態〕
本第2の実施の形態に係る画像表示装置は、第1の実施の形態で述べた画像表示装置と略同じ構成をしており、背面パネルにおける電子放出層の形状が異なるのみであるので、以下、電子放出層について主に説明する。
【0047】
上記第1の実施の形態においては、電子放出層の外表面を略平面に形成していたが、本第2の実施の形態では、その表面の形状を凹面に形成している。
図8は、第2の実施の形態に係る背面パネル203の要部断面図である。なお、図3と同じ番号を付したものについては、同じ構成であるので詳細な説明については省略する。
【0048】
同図に示すように、孔26の底面には、外表面が凹レンズのように中心部がくぼみ、周縁部が盛り上がる凹面形状(以下、凹レンズ形状という。)をした電子放出層277が形成されている。
電子放出層277の表面を凹レンズ形状に形成することにより、電子放出層277の表面の端部277aが図中破線で示す等電位面A2に近づき、この端部277aから放出された電子は、比較的初期の段階で等電位面A2に対して垂直方向となるように偏向される。この偏向点付近の等電位面A2は、比較的平坦であるので、放出された電子は見かけ上略コリメートされたように進行し、集束される。したがって、第1の実施の形態に比べて電子の集束性が高まると考えられる。
【0049】
この電子放出層277表面は、カソード電極23と絶縁層24との界面よりも背面ガラス基板21側に形成されている。ここで、電子放出層277の表面は、第1の実施の形態と同様の理由により、電子ビーム集束性と電界強度分布との両者の兼ね合いを考慮し、カソード電極23表面からの距離H2が、カソード電極23の開口幅W2の0.02〜0.15倍の範囲内に収まるようにすることが望ましい。
【0050】
このような形状を有する電子放出層277を形成する方法としては、第1の実施の形態において、図4,5を用いて説明した方法と同様の方法を用いることができる。ただし、ペースト270(図4,5)に含まれる溶媒を、カソード電極23に対して接触角が90°以下となるものを選択するようにする必要がある。このような接触角度となる溶剤を選択することによって、ペースト270を塗布した後、もしくはペーストを塗布後にスキージを用いて拭い取った後のペースト270は、カソード電極23に対して接触角が90°以下の角度をなすため、そのペースト270表面が凹レンズ形状をなす。この状態の保持しつつ、ペースト中の溶剤を乾燥することにより、電子放出層277は、凹レンズ形状に形成される。
【0051】
(変形例)
上記第2の実施の形態においては、電子放出層277と接触している背面ガラス基板21の面は平面であったが、この形状に限られるものではなく接触面を凹レンズ形状に加工してもよい。
図9は、本変形例における背面パネル204の要部断面図である。なお、本変形例においては、電子放出層、および背面ガラス基板の形状が異なるのみであり、図8と同じ番号を付したものについては、同じ構成要素であるので詳細な説明を省略する。
【0052】
同図に示すように、本変形例における背面ガラス基板210は、電子放出層278と接する面において、凹レンズ形状をした、くぼみ211が形成されている。このくぼみ211の上に第1の実施の形態と同様の電子放出部材を含むペーストを塗布することにより、くぼみ211の形状に応じた電子放出層278が形成される。
【0053】
くぼみ211の形成方法としては、背面ガラス基板21をエッチングなどの化学的に処理する方法、サンドブラストなどの機械加工的に処理する方法、および溶射や印刷などを用いて成膜する方法などの公知の手法を用いることができる。
このくぼみ211のカーブを調整することにより、電子放出層278は、そのカーブに応じた表面形状が形成されるので、電子放出層278の表面における凹レンズの形状を調整することが可能となる。
【0054】
〔第3の実施の形態〕
第3の実施の形態にかかる画像表示装置は、第1の実施の形態で述べた画像表示装置と略同じ構成をしており、背面パネルにおける電子放出層の形状が異なるのみであるので、以下、電子放出層について主に説明する。
上記第1の実施の形態においては、電子放出層の外表面を略平面形状に形成していたが、本第3の実施の形態では、その表面に凹凸を設けている。
【0055】
図10は、第3の実施の形態に係る背面パネル205の要部断面図である。なお、図3と同じ番号を付したものについては、同じ構成であるので詳細な説明については省略する。
同図に示すように、孔26の底面には、電子放出層370が形成され、その表面には複数の突起371を備える。この突起371の先端は、カソード電極23と絶縁層24との界面よりも背面ガラス基板21側に形成されている。ここで、突起371の先端からカソード電極23と絶縁層24の界面までの積層方向の距離H3は、第1の実施の形態と同様、電子ビーム集束性と電界強度分布との両者の兼ね合いを考慮し、孔26の上記界面における開口幅W3に対して0.02〜0.15倍の範囲内となるようにすることが好ましい。
【0056】
このように電子放出層370に複数の突起371を設けることによって、突起371の先端における電界集中が起こりやすくなる。また、電子放出層370は、第1の実施の形態と同様、カーボン繊維やカーボン・ナノチューブなどのアスペクト比の高いものを用いており、電界集中の起こりやすい突起371の中でさらに電界集中が起こりやすくなる構成を有する。そのため、第1の実施の形態に比べて電子放出性が向上する。
【0057】
突起371の数は、多ければ多いほど、電界集中が起こり、電子放出個所となる数が増加するため、エミッション特性の観点からは好ましいが、あまり突起数が多くなりすぎると、その密度が高まり、突起371における電界集中が起こりにくくなる。そのため、突起371の密度は、以下の関係式を満たすように形成することが好ましい。
【0058】
D≧H4/2
ここで、Dは隣接する突起371の先端同士の積層方向直交方向における距離であり、H4は、隣接する突起371間における谷の底から突起371先端までの高さである。このような関係式を満たせば、個々の突起371が、隣接する突起371の電界集中に悪影響を及ぼさないことをシミュレーションおよび実験により確認している。
【0059】
上述したように、電子放出層370表面に突起371を設けることにより、電界集中の効果がより高まり、第1の実施の形態に比べて電子放出性が向上する。
(変形例)
▲1▼上記第3の実施の形態においては、電子放出層370がカーボンファイバーやカーボン・ナノチューブなどの電子放出部材からなる単層で形成されていたが、これに限定されるものではなく、電子放出層を異なる電子放出部材からなる複数層で形成するようにしてもよい。
【0060】
図11(a)は、本変形例における背面パネル200の要部断面図である。なお、本変形例においては、第3の実施の形態と電子放出層の構成が異なるのみであり、図10と同じ番号を付したものについては同じ構成要素であるので、主に電子放出層の構成について説明する。
同図に示すように、電子放出層372は、配向層373と放出層374とからなり、孔26の底面に配向層373と放出層374が積層された構成を有する。
【0061】
配向層373は、その表面に突起を備えることにより、放出層374を凹凸状に配向させるものであり、放出層374に対して電子を供給したり、放出層374から放出された電子のチャージアップの発生を抑制したりする観点から、ZnOなどの導電性の材料から構成される。
放出層374は、第3の実施の形態と同様、カーボンファイバーやカーボン・ナノチューブなどの電子放出部材から構成されている。
【0062】
電子放出層372の形成方法は、まず孔26の底面にZnOなど導電性材料からなる層を印刷法などにより形成する。その後、エッチングなどの処理をおこなうことによってその表面に突起を形成して配向層373を形成する。次に、放出層374となるペーストを配向層373上に塗布、溶媒を乾燥することより電子放出層372を形成することができる。
【0063】
上記構成を有する電子放出層によっても、第3の実施の形態と同様の効果が得られると考えられる。
▲2▼上記変形例においては、配向層373を形成したが、配向層の代わりに配向部材を用いることもできる。
図11(b)は、本変形例における背面パネル207の要部断面図である。
【0064】
同図に示すように、電子放出層375は、配向部材376と放出層377とからなる。
配向部材376は、四面体の頂点をそれぞれ先端とする四本の足を有するZnOウイスカー(たとえば松下アムテック株式会社製の「パナテトラ」)であり、一本の足は背面ガラス基板21に対してほぼ垂直に立った状態となっている。この配向部材376は、導電性かつ多面体の頂点をそれぞれ先端とする複数の足を有する多足体であればよく、ZnOウイスカーのほかに、多足体ウイスカーを形成しやすいSi,Ti,B,Fe,Sn,Mgなどの単体、およびその酸化物、窒化物、炭化物なども使用することができる。
【0065】
放出層377は、カーボン繊維やカーボン・ナノチューブなどの電子放出部材が配向部材376の足にまとわりつくように付着して構成されている。
上記構成によって、電子放出層375は、その表面において、電界集中の起こり易くなる突起が鋭利に形成されるので、さらに電界集中が起こりやすくなる。そのため、電子放出性が、第3の実施の形態に比べて向上すると考えられる。
【0066】
この電子放出層375の形成方法としては、第1の実施の形態において図4,5を用いて説明したペーストに、配向部材376を混ぜて混合ペーストを作製し、これを塗布することにより形成する方法があげられる。また、あらかじめ配向部材を溶剤に分散させておいた分散液を孔26に塗布、溶剤を乾燥することによって配向部材を形成しておき、電子放出部材を含むペーストを塗布するようにしてもよい。このようにすれば、混合ペーストにおいて電子放出部材と配向部材との比重に違いに起因して均一に作製できない場合であっても、配向部材に電子放出材料が均一にまとわりついた状態の電子放出層375を形成することができる。
【0067】
〔第4の実施の形態〕
第4の実施の形態にかかる画像表示装置は、第1の実施の形態で述べた画像表示装置と略同じ構成をしており、背面パネルにおける電子放出層の底面がカソード電極と接するように形成されている点が異なるのみであるので、以下、背面パネルについて主に説明する。
【0068】
上記第1の実施の形態においては、電子放出層が背面ガラス基板上に直接形成されていたが、本第4の実施の形態では、従来の技術と同様、カソード電極の上に形成されている。
図12は、第4の実施の形態に係る背面パネル400の要部断面図である。なお、図3と同じ番号を付したものについては、同じ構成であるので詳細な説明については省略する。
【0069】
同図に示すように、背面パネル400は、ガラス基板21、カソード電極230、絶縁層24、引き出し電極25が順に積層されるとともに、引き出し電極25からカソード電極230の途中まで貫通する孔263が形成され、その底部に電子放出層470が設けられている。
ここで、電子放出層470の表面は、カソード電極230と絶縁層24の界面よりも背面ガラス基板21側に形成される。さらに、電子放出層470の表面は、電子ビーム集束性と電界強度分布との両者の兼ね合いを考慮し、カソード電極230と絶縁層24の界面からの積層方向の距離H4が、カソード電極230と絶縁層24との界面位置における孔263の開口幅W4の0.02〜0.15倍の範囲に収まるようにする必要がある。このように制限される理由は、第2の実施の形態と同様である。
【0070】
すなわち、距離H4は、大きければ大きいほど電子集束性の観点からは好ましいが、その値を大きくすると電子を放出させるための駆動電圧を高めなくてはならず、また電子放出層表面上における電界強度分布が大きくなるという不具合が生じる。駆動電圧を高めるには、装置に対するコストが高まり、また、電界強度分布が大きくなればエミッション領域が狭まりエミッション電流が低下したり、エミッション特性が劣化したりし易い。そこで、電子ビーム集束性と電界強度分布との両者の兼ね合いを考慮し、通常使用される引き出し電極の印加電圧(20〜70V)の範囲で、引き出し電極25の開口部を電子が100%通過する場合のカソード電極と絶縁層の界面から電子放出層表面までの距離H4とカソード電極の開口幅W4の比(0.02〜0.15)を実験により導き出した。
【0071】
なお、このときの実験条件としては、以下に示す条件で行った。
カソード電極:厚み50μm、印加電圧0V
絶縁層:厚み50〜100μm
引き出し電極:厚み50μm、印加電圧:20〜70V、開口幅0.2mm
アノード電極:印加電圧:8〜10kV
引き出し電極からアノード電極までの距離0.5〜2mm
上記実験条件において、引き出し電極の印加電圧を20〜70Vまで変化させ、その開口部から100%電子が通過する状態となる条件について検討した。
【0072】
そのときの電子放出層の距離H4を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定し、H4が4μm(20V)〜30μm(70V)となることを確認した。ここで、カソード電極の開口幅W4は200μmであったのでH4/W4=0.02〜0.15となる。
このような構成によって、電子は、従来技術と同様、電子放出層470の中心部分から放出されやすくなるが、条件が最適化されているので、従来技術のように絶縁層24にチャージアップすることなく、電子が100%放出されるようになり、従来に比べ電子の集束性が向上する。
【0073】
電子放出層470を形成する方法としては、第1および第2の実施の形態において説明した方法と同様の方法を用いることができる。ただし、カソード電極230は、電子放出層470を設ける穴を形成する際にエッチング時間を最適化するなどして背面ガラス基板21にまで貫通しないように加工する必要がある。
〔第5の実施の形態〕
第5の実施の形態にかかる画像表示装置は、第4の実施の形態で述べた画像表示装置と略同じ構成をしており、背面パネルの電子放出層の形状が異なるのみであるので、以下、電子放出層について主に説明する。
【0074】
上記第4の実施の形態においては、電子放出層の表面が平面に形成されていたが、本第5の実施の形態では、その表面が凹面形状に形成されている。
図13は、第5の実施の形態に係る背面パネルの要部断面図である。なお、図12と同じ番号を付したものについては、同じ構成であるので詳細な説明については省略する。
【0075】
同図に示すように、孔263の底面には、外表面が凹レンズ形状をした電子放出層471が形成されている。このような形状に電子放出層471を形成することにより、電子放出層471の端部が図中破線で示す等電位面A3に近づき、放出された電子は、比較的初期の段階で等電位面Aに対して垂直方向となるように偏向される。この偏向点付近の等電位面Aは比較的平坦であるので、放出された電子は見かけ上略コリメートされた様に進行し、集束される。
【0076】
したがって、従来の技術に比べて、電子放出層471の周縁部から電子が放出され易くなり、中心部よりも集束性の高い部分から放出される電子が増加するので、電子の集束性が高まると考えられる。
ここで、電子放出層471の表面は、カソード電極231表面よりも背面ガラス基板21側に形成される。ここで、電子放出層471の表面は、第2の実施の形態と同様の理由により、電子ビーム集束性と電界強度分布との両者の兼ね合いを考慮し、カソード電極23表面からの距離H5が、カソード電極23の開口幅W5の0.02〜0.15倍の範囲に収まるようにすることが望ましい。
【0077】
このように電子放出層471を形成する方法としては、第2の実施の形態において説明した方法と同様の方法を用いることができ、電子放出層471を形成するためのペーストを、カソード電極230に対して90°以下の接触角となるようなものを選択すればよい。
(変形例)
▲1▼図14に示すように、カソード電極232に凹面部233を設け、その上に電子放出層472を形成することによって、電子放出層472の底面をその中心部が盛り上がった凸レンズ状の凸面形状としても同様の効果が得られると考えられる。このように凹面部233を設ければ、電子放出層472の表面形状は凹面部233の形状に応じて形成されるので、凹面部233の形状を変更することにより電子放出層472の形状を自在に変更することができる。
【0078】
▲2▼また、図15に示すように、孔264の底面におけるカソード電極232の凹面部233の上に、第3の実施の形態で述べたような多足体からなる配向部材475を設け、それにまとわりつくように電子放出部材474を付着させてもよい。
▲3▼さらに、カソード電極を背面ガラス基板上にライン状に形成するのではなく、図16に示すように、背面パネル404において、カソード電極234を画素単位毎に設けるようにしても良い。このような構成によれば、カソード電極234自体を巨視的な突起とみなすことができるので、電子放出層476に対する電界集中が起こり易くなると考えられる。したがって、上記第5の実施の形態と比べてもエミッション特性が優れると考えられる。
【0079】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明に係る電子放出素子は、基板上にカソード電極と絶縁層と電子引き出し電極とが順に積層され、前記引き出し電極側からカソード電極まで到達する孔の底面に、前記カソード電極と接触する電子放出層が具設された電子放出素子であって、前記電子放出層は、その表面が前記カソード電極と絶縁層との界面よりも基板側に位置するように具設されており、前記電子放出層と前記カソード電極との接触領域は、前記孔の底面における中心部を除く、周辺領域に限定されていることを特徴としているので、電子放出層の表面において、その中心部から電子が放出されにくくなる一方、その端部からは電子が放出され易くなる。この電子放出層の端部から放出される電子の集束性は高いので、電子放出素子の電子の集束性を従来に比べて向上することができる。
【0080】
また、本発明に係る電子放出素子は、基板上にカソード電極と絶縁層と電子引き出し電極とが順に積層され、前記引き出し電極側からカソード電極まで到達する孔の底面に、前記カソード電極と接触する電子放出層が具設された電子放出素子であって、前記電子放出層は、その表面が前記カソード電極と絶縁層との界面よりも基板側に位置し、前記界面から電子放出層表面までの積層方向の距離が、前記界面位置における孔の開口幅に対して0.02〜0.15倍の範囲となるように具設されている。このような数値範囲においては、従来に比べて電子放出性、電子集束性を向上させながら、カソード電極に印加する電圧を通常使用範囲内に低く保つことができる。
【0081】
また、本発明に係る電子放出素子は、基板上にカソード電極と絶縁層と電子引き出し電極とが順に積層され、前記引き出し電極側からカソード電極まで到達する孔の底面に、前記カソード電極と接触する電子放出層が具設された電子放出素子であって、前記電子放出層は、その表面が凹面形状を有する。これにより、電子放出層表面の端部から放出される電子は、比較的早い段階で偏向され、電子の集束性を従来に比べて向上すると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像表示装置の概略断面図である。
【図2】図1の画像表示装置における背面パネルの概略斜視図である。
【図3】第1の実施の形態に係る電子放出素子の要部断面図である。
【図4】第1の実施の形態に係る電子放出素子の製造方法を説明するための、各製造工程における電子放出素子の要部断面図であり、(a)〜(e)の順に進行する。
【図5】図4に示す電子放出素子の製造方法と異なる製造方法を説明するための、各製造工程における電子放出素子の要部断面図であり、(a)、(b)の順に進行する。
【図6】第1の実施の形態に係る電子放出素子の変形例を説明するための電子放出素子の要部断面図である。
【図7】(a)第1の実施の形態に係る電子放出素子の変形例を説明するための電子放出素子の要部断面図である。
(b)第1の実施の形態に係る電子放出素子の変形例を説明するための電子放出素子の要部断面図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る電子放出素子の要部断面図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る電子放出素子の変形例を説明するための電子放出素子の要部断面図ある。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係る電子放出素子の要部断面図である。
【図11】(a)第3の実施の形態に係る電子放出素子の変形例を説明するための電子放出素子の要部断面図である。
(b)第3の実施の形態に係る電子放出素子の変形例を説明するための電子放出素子の要部断面図である。
【図12】本発明の第4の実施の形態に係る電子放出素子の要部断面図である。
【図13】本発明の第5の実施の形態に係る電子放出素子の要部断面図である。
【図14】第5の実施の形態に係る電子放出素子の変形例を説明するための電子放出素子の要部断面図である。
【図15】第5の実施の形態に係る電子放出素子の変形例を説明するための電子放出素子の要部断面図である。
【図16】第5の実施の形態に係る電子放出素子の変形例を説明するための電子放出素子の要部断面図である。
【図17】従来の電子放出素子における要部断面図である。
【符号の説明】
1 画像表示装置
10 前面パネル
11 前面ガラス基板
12 アノード電極
13 蛍光体
20,201,203,205,401 背面パネル
21 背面ガラス基板
22 電子放出部
23,230,231 カソード電極
24 絶縁層
25 引き出し電極
26,262,263 孔
27,275,277,370 電子放出層
30 ギャップ材
270 ペースト
371 突起
Claims (6)
- 基板上に、カソード電極と絶縁層と電子引き出し電極とが順に積層され、少なくとも前記電子引き出し電極側から前記カソード電極まで到達する孔が設けられ、当該孔の底面に、前記カソード電極と接触するように電子放出層が具設された電子放出素子であって、
前記電子放出層は、その表面が前記カソード電極と前記絶縁層との界面よりも前記基板側に位置するように具設されており、
前記孔の底面に対する前記電子放出層の中心部が前記カソード電極と接触していない
ことを特徴とする電子放出素子。 - 前記電子放出層は、その表面から前記カソード電極と絶縁層との界面までの積層方向の距離が、その界面における前記孔の開口幅に対して0.02〜0.15倍となるように具設されている
ことを特徴とする請求項1に記載の電子放出素子。 - 前記孔は、前記カソード電極から前記基板の表面まで貫通し、
前記カソード電極は前記孔に突出する突出部を有しており、
前記電子放出層は、前記孔を通じて前記中心部が前記基板の表面と接触するとともに、前記突出部を含む領域において前記カソード電極と接触している
ことを特徴とする請求項1に記載の電子放出素子。 - 前記カソード電極は、前記基板との間に当該カソード電極と異なる導電性材質からなる第2のカソード電極を介して配され、当該第2のカソード電極は、前記電子放出層の前記中心部を除く周縁部に突出した突出部を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の電子放出素子。 - 前記電子放出層は、電子放出材料として、繊維状のグラファイト、もしくはカーボン・ナノチューブを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の電子放出素子。 - 基板上に、電子ビームを出射する複数の電子放出部がマトリックス状に配列された電子放出素子を備えた第1パネルと、第2パネルとがギャップ材を介して対向配置された画像表示装置であって、
前記電子放出素子として請求項1に記載の電子放出素子を用いた
ことを特徴とする画像表示装置。
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