JP4855261B2 - 抗ヒストンh1モノクローナル抗体およびこれを産生するハイブリドーマ - Google Patents

抗ヒストンh1モノクローナル抗体およびこれを産生するハイブリドーマ Download PDF

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Description

関連出願の参照
本特許出願は、先に出願された日本国における特許出願である特願2004−257528号(出願日:2004年9月3日)に基づく優先権の主張を伴うものである。これらの先の特許出願における全開示内容は、引用することにより本明細書の一部とされる。
発明の背景
発明の分野
本発明は、抗ヒストンH1モノクローナル抗体およびこれを産生するハイブリドーマならびに抗ヒストンH1抗体が特異的に認識するポリペプチドに関する。さらに詳しくは、本発明は、臓器移植における拒絶反応の抑制、予測または診断に有用な、モノクローナル抗体およびこれを産生するハイブリドーマならびにポリペプチドに関する。
背景技術
臓器移植医療においては、臓器移植後の拒絶反応を抑制するため、従前種々の免疫抑制剤が使用されている。このような免疫抑制剤としては、例えば、タクロリムス(FK506)、シクロスポリンAなどを挙げることができる(Jpn J Pharmacol,71, 89-100, 1996)。しかしながら、従前の免疫抑制剤にあっては、ガン細胞の増殖促進、骨髄機能抑制などの強い副作用、感染症、さらには永続投与の必要性などが問題となっている(Transplantation, 58, 170-178, 1994)。
また、一般的に免疫抑制剤の退薬時期を判断することは困難である。例えば、免疫抑制剤の投与を継続しなくても組織が生着することがある。このような場合に不用意に免疫抑制剤の投与を継続すれば、患者に対して単に毒性によるダメージを与えるおそれがある。一方、免疫抑制剤の投与を中断することにより、生着していた組織が拒絶に転じる可能性もある。この場合、免疫抑制剤の投与を再開しても拒絶は免れない場合が多い。
一方、臓器移植に関する種々の研究がなされている。例えば、ラット同所性肝移植(OLT:orthotopic liver taransplantation)の系において、移植片の生着率が高いドナーDAラット肝(MHC haplotype RT1a)をレシピエントPVGラット(RT1c)に移植した場合、免疫抑制剤を投与することなしに移植片が生着することが報告されている(Transplantation, 35, 304-311,1983)。
また、DAラット肝を移植したレシピエントPVGラットの血清(post-OLT serum)を、拒絶反応が生じる組み合わせの移植モデル系に1回術前投与することにより、移殖片の拒絶反応が抑制されることが報告されている(J. Surg. Res., 80, 58-61, 1998)。
また、抗ヒストンH1ポリクローナル抗体を、拒絶反応が必ず生じるDA(RT1a)およびLWISラット(RT1l)の心移植系(in vivo)に術後投与することにより、拒絶反応が抑制され、レシピエントが生存することが開示されている(Transplantation, 77, 1595-1603, 2004)。
また、本発明者らの一部は、PVGラット由来移植後初期血清を用いることにより混合リンパ球培養反応(MLR;mixed lymphocyte reaction)が抑制されること、および抗ヒストンH1抗体がMLR抑制活性を示すことを開示している(特開2004−149507号公報)。
しかしながら、臓器移植における移植拒絶を抑制することが可能な、安全性および免疫抑制活性に優れた免疫抑制剤を創出することが依然として求められている。また、臓器移植においては、患者の予後管理や免疫抑制剤の不必要な投与の防止の必要性から、移植拒絶が生じるか否かを予測または診断するための、精度に優れた薬剤を創出することも必要とされる。
発明の概要
本発明者らは、今般、顕著な免疫抑制活性を有し、移植拒絶の抑制、予測または診断に利用可能な、抗ヒストンH1モノクローナル抗体およびこの抗体を産生するハイブリドーマを見出した。さらに、本発明者らは、前記抗ヒストンH1モノクローナル抗体が特異的に認識する、特定のアミノ酸配列を見出した。本発明はかかる知見に基づくものである。
したがって、本発明は、顕著な免疫抑制活性を有し、移植拒絶の抑制、予測または診断に利用可能な、抗ヒストンH1モノクローナル抗体およびこの抗体を産生するハイブリドーマの提供を目的とする。
また、本発明は、前記抗ヒストンH1モノクローナル抗体が特異的に認識する、特定のアミノ酸配列を含んでなる、ポリペプチドの提供をその目的とする。
そして、本発明によるモノクローナル抗体は、ヒストンH1または脾細胞の細胞膜に存在するヒストンH1様抗原を認識することを特徴とするものである。
また、本発明によるハイブリドーマは、前記モノクローナル抗体を産生するものである。
また、本発明によるポリペプチドは、本発明によるモノクローナル抗体が認識する、特定のアミノ酸配列を含んでなるものである。
本発明によるモノクローナル抗体は、顕著な免疫抑制活性と安全性とを有するものであり、優れた免疫抑制剤として有利に利用することができる。さらに、本発明によるモノクローナル抗体は、移植拒絶の指標となる、哺乳動物の自己抗原タンパク質に対する優れた特異性を有するものであり、したがって、臓器移植において、哺乳動物における移植拒絶を予測または診断するために有利に利用することができる。
また、本発明によるポリペプチドは、抗原として用いた場合、生体において抗ヒストンH1抗体の産生を誘導しうることから、免疫抑制剤として有利に利用することができる。さらに、本発明によるポリペプチドは、哺乳動物において産生される抗ヒストンH1抗体量を測定するために利用することが可能であり、したがって、臓器移植において、移植拒絶の予測または診断のために有利に利用することができる。
は、抗ヒストンH1モノクローナル抗体含有培養上清を用いたMLR抑制活性評価の結果を示す。
発明の具体的説明
寄託
本発明によるハイブリドーマ 1F5、ハイブリドーマ 3F2、ハイブリドーマ 15F11、ハイブリドーマ 17C2またはハイブリドーマ 16G9は、原寄託日を2004年8月19日として、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(住所:日本国 茨城県つくば市東1−1−1 中央第6)において、受領番号ABP−10409、受領番号FERM ABP−10410、受領番号FERM ABP−10411、受領番号FERM ABP−10412または受領番号FERM ABP−10413のもと寄託されている。
モノクローナル抗体およびハイブリドーマ
本発明によるモノクローナル抗体は、ヒストンH1、または脾細胞に存在するヒストンH1様抗原を認識することを一つの特徴とするものである。そして、本発明によるモノクローナル抗体は、好ましくは配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7または配列番号8で表されるアミノ酸配列内のエピトープを認識するものである。また、本発明の別の好ましい態様によれば、抗ヒストンH1モノクローナル抗体は、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7または配列番号8で表されるアミノ酸配列を含んでなるポリペプチドを認識するものである。ここで、このポリペプチドは、好ましくは約12〜150個のアミノ酸残基からなるものとされる。また、本発明の別の好ましい態様によれば、抗ヒストンH1モノクローナル抗体は、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7または配列番号8で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドを認識するものである。また、本発明の別の好ましい態様によれば、抗ヒストンH1モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ 1F5、ハイブリドーマ 3F2、ハイブリドーマ 15F11、ハイブリドーマ 17C2およびハイブリドーマ 16G9からなる群から選択される少なくとも一つのハイブリドーマにより産生されるものである。
「ヒストンH1」は、真核細胞中に存在し、ヌクレオソームリンカーDNAと結合してヌクレオソームを形成する塩基性タンパクを意味する。このようなヒストンH1としては、例えば、ヒト由来であって配列番号1に示されるアミノ酸配列を含んでなるもの、ウシ由来であって配列番号2に示されるアミノ酸配列を含んでなるもの、またはマウス由来であって配列番号3に示されるアミノ酸配列を含んでなるものが挙げられる。
また、「ヒストンH1様抗原」とは、ハイブリドーマ 1F5、ハイブリドーマ 3F2、ハイブリドーマ 15F11、ハイブリドーマ 17C2およびハイブリドーマ 16G9により産生されるモノクローナル抗体によって、脾細胞の細胞膜において認識される抗原を意味する。そして、このヒストンH1様抗原は、好ましくはSDS−PAGEにて分子量31kDを示すタンパク質の一部を構成するものである。このようなヒストンH1様抗原としては、例えば、哺乳動物由来のヒストンH1のアミノ酸配列の一部を少なくとも有するタンパク質が挙げられる。
また、本発明によるモノクローナル抗体は、所望により、キメラ抗体、ヒト型化抗体、完全ヒト型抗体とすることができる。より具体的には、ヒト抗体にマウスモノクローナル抗体の抗原結合ドメインFvを入れ替えたキメラ抗体(Morrison,S.L., Oi, V.T., “immunoglobulin genes” Academic Press(London), 260-274(1989))、マウスモノクローナル抗体の抗原結合に直接関わるFvドメイン上の配列である相補性決定領域(CDR:complementary determining region)をヒト抗体のフレームにCDRグラフト技術によって埋め込んだヒト型化抗体(Roguska, M.L. et. Al., Humanization of murine monoclonal antibodies through variable domain resurfacing, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 91, 969-973(1994)) が挙げられ、さらに、完全ヒト型抗体としては、ヒト抗体遺伝子をマウスに移植したトランスクロモマウスによるもの (Tomizuka, K. et.al. Functional expression and germline transmission of a human chromosome fragment in chimaeric mice, Nature Genet., 16, 133-143(1997))、ヒト抗体ファージライブラリー(Winter, G. et.al., Making antibodies by phage display technology, Ann. Rev. Immunol., 12, 433-455(1994), Griffiths, A.D. et. al., Isolation of high affinity human antibodies directly from large synthetic repertoires, EMBO. J., 13, 3245-3260(1994) )によるものが挙げられる。
また、本発明の別態様によれば、ハイブリドーマ 1F5、ハイブリドーマ 3F2、ハイブリドーマ 15F11、ハイブリドーマ 17C2またはハイブリドーマ 16G9が提供される。
本発明によるモノクローナル抗体およびハイブリドーマは、例えば、次のようにして製造することができる。すなわち、まず、本発明によるハイブリドーマは、ヒストンH1またはヒストンH1様抗原あるいはこれらのエピトープを含むポリペプチドを感作抗原として使用し、この感作抗原にて免疫した哺乳動物の形質細胞(免疫細胞)を、哺乳動物のミエローマ細胞と融合させ、得られるハイブリドーマをクローニングし、そのハイブリドーマ中から選別することによりを得ることができる。そして、本発明によるモノクローナル抗体は、本発明によるハイブリドーマを培養し、これが産生する抗体を回収することにより得ることができる。
感作抗原として用いられるヒストンH1またはヒストンH1様抗原またはこれらのエピトープを含むポリペプチドは、例えば、ヒト白血病骨髄細胞、ヒト子宮頸癌HeLa細胞、ウシ胸腺、ウシ肝臓、トリ赤血球由来のものが挙げられる。そして、この感作抗原は、例えば、PBSや生理食塩水などを加えて懸濁液とし、所望によりFCA(Freund's complete adjuvant)、KLH(keyhole limpet hemocyanin)などのアジュバントと共に、哺乳動物の免疫処理に用いることができる。
哺乳動物を免疫する方法としては、当該技術分野における一般的投与法を用いることができ、具体的には、腹腔内注射、脾臓内注射、筋肉内注射、皮下注射、皮内注射、経口投与、経粘膜投与、経皮投与などを挙げることができるが、好ましくは腹腔内注射、脾臓内注射である。感作抗原の投与間隔は、感作抗原の投与量および哺乳動物の種類などに応じて適宜決定されるが、例えば、1ヶ月間に数回毎とすることができる。
免疫される哺乳動物は、特に限定されないが、細胞融合に使用するミエローマ細胞との適合性などを考慮して選択することが好ましく、例えば、マウス、ラット、ハムスターなどを挙げることができるが、好ましくはマウスである。
また、免疫細胞としては、好ましくは脾細胞を使用する。
本発明に用いるミエローマ細胞としては、例えば、P3(P3X63Ag8.653)(J.Immunol., 123,1548, 1978)、p3−U1(Current Topics in Micro-biology and Immunology, 81, 1-7,1978)、NS−1(Eur. J. Immunol., 6,511-519, 1976)、MPC−11(Cell, 8, 405-415, 1976)、Sp2/0−Ag14(Nature, 276, 269-270, 1978)、FO(J. Immunol. Meth.,35, 1-21, 1980)、S194(J. Exp. Med., 148, 313-323, 1978)、およびR210(Nature, 277, 131-133, 1979)などが挙げられるが、好ましくはP3またはp3−U1であり、より好ましくはP3である。
免疫細胞とミエローマ細胞との細胞融合は、例えば、ミルシュタインら(Milstein et. al.)の方法(Methods Enzymol., 73, 3-46, 1981)などに準じて行うことができる。具体的には、細胞融合は、例えば、融合促進剤の存在下、培地中にて免疫細胞とミエローマ細胞とを混合することにより実施することができる。そして、細胞融合において、適宜培地を添加して遠心分離する操作を繰り返してハイブリドーマを生成することができる。
細胞融合に用いる培地としては、例えば、RPMI−1640培地、MEM培地などの細胞融合において通常使用される培地が挙げられる。また、牛胎児血清(FBS)などの血清補液を適宜併用することができる。
また、細胞融合温度は、好ましくは25〜37℃であり、より好ましくは30〜37℃である。
また、ミエローマ細胞と免疫細胞との混合比率は、好ましくは1:1〜1:10程度である。
融合促進剤としては、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、センダイウイルス(HVJ)などを挙げることができるが、好ましくはPEGである。PEGの分子量は適宜選択することができ、例えば、平均分子量1,000〜6,000程度とすることができる。また、培地中のPEGの濃度は、好ましくは約30〜60%(W/V)である。
また、所望によりジメチルスルホキシドなどの補助剤を培地に適宜添加することができる。
本発明によるハイブリドーマの選択は、細胞融合により得られるハイブリドーマを、例えば、HAT培地などの通常の選択培地にて培養し、通常の限界希釈法を用い、例えば、ヒストンH1に対する抗体価など指標としてスクリーニングすることにより実施することができる。HAT培地による培養期間は、目的とするハイブリドーマ以外の細胞(未融合細胞)が死滅するのに充分な時間であり、通常、数日〜数週間とすることができる。このようにして得られる本発明によるハイブリドーマは、通常の培地で継代培養することが可能であり、また、液体窒素中で長期保存することができる。
また、本発明によるモノクローナル抗体を回収する方法としては、例えば、ハイブリドーマを常法に従って培養してその培養上清からモノクローナル抗体を得る方法、またはハイブリドーマをこれと適合性のある哺乳動物に投与して増殖させその腹水からモノクローナル抗体を得る方法などを挙げることができる。ここで、前者の方法は高純度の抗体を得るのに好ましく、一方、後者の方法は抗体を大量に生産にするのに好ましい。
さらに、本発明によるモノクローナル抗体は、塩析法、ゲル濾過法、アフィニティークロマトフラフィーなどの方法により、高純度に精製することができる。
本発明によるモノクローナル抗体は、上述の通り顕著な免疫抑制活性を有している。本発明によるモノクローナル抗体は、そのまま免疫抑制剤として用いることができるが、薬学的に許容される担体などとともに、医薬組成物、とりわけ、免疫抑制用組成物として用いることができる。したがって、本発明の一つの態様によれば、本発明によるモノクローナル抗体を有効成分とする、免疫抑制用組成物が提供される。また、本発明の別の態様によれば、免疫抑制用組成物の製造における、本発明によるモノクローナル抗体の使用が提供される。
本発明による免疫抑制用組成物は、心臓、腎臓、肝臓、骨髄、皮膚などの臓器の移植による拒絶反応の治療および予防のために、さらには自己免疫疾患などの治療および予防のために有用である。本発明による免疫抑制用組成物は、例えば、本発明によるモノクローナル抗体を、注射用生理食塩水、注射用蒸留水、注射用緩衝溶液などに溶解して調製することができる。さらに、本発明による免疫抑制用組成物には、適当な溶剤、溶解補助剤、保存剤、安定剤、乳化剤、懸濁剤、無痛化剤、等張化剤、緩衝剤、賦形剤、増粘剤、着色剤、公知のキャリア(各種リポソーム、ポリアミノ酸キャリア、合成高分子、天然高分子など)などを含有させることができる。
また、本発明による免疫抑制用組成物は、全身的または局所的に投与することができ、具体的な投与方法としては、点滴、静脈内注射、筋肉内注射、皮下注射、皮内注射、経口投与、経粘膜投与、経皮投与などが挙げられる。したがって、本発明の別の態様によれば、免疫抑制を必要とする哺乳動物の治療方法であって、哺乳動物に治療上有効量の本発明によるモノクローナル抗体を投与することを含んでなる、方法が提供される。本発明によるモノクローナル抗体の投与量は、哺乳動物の状態、年齢などにより異なるが、通常、0.05〜40mg/体重kg/日、好ましくは0.1〜1.0mg/体重kg/日を1回または数回に分けて投与することができる。また、投与は、1回のみとすることもできるが、例えば、4週間の間に反復投与することもできる。
また、本発明によるモノクローナル抗体は、臓器移植の際、移植拒絶の指標となる自己抗原タンパク質と特異的に反応することから、哺乳動物における移植拒絶を予測または診断のために用いることができる。ここで、自己抗原タンパク質とは、哺乳動物において存在し、好ましくは、ハイブリドーマ 1F5、ハイブリドーマ 3F2、ハイブリドーマ 15F11、ハイブリドーマ 17C2またはハイブリドーマ 16G9により産生されるモノクローナル抗体によって認識されるタンパク質を意味する。したがって、本発明の別の態様によれば、本発明モノクローナル抗体を有効成分とする、哺乳動物における移植拒絶の予測または診断用組成物が提供される。上記組成物には、所望により薬学上許容される担体を添加することができる。また、上記移植拒絶は、好ましくは臓器移植後に生ずるものであり、より好ましくは免疫抑制剤の投与を中止した後に生ずるものである。また、本発明の別の態様によれば、哺乳動物における移植拒絶の予測または診断薬としての、本発明によるモノクローナル抗体の使用が提供される。また、本発明の別の態様によれば、哺乳動物における移植拒絶を予測または診断する方法であって、哺乳動物由来の生物学的試料と、本発明によるモノクローナル抗体との免疫反応性レベルを測定することを含んでなる、方法が提供される。そして、上記方法においては、測定された免疫反応性レベルが、移植拒絶の発症した哺乳動物の生物学的試料と、本発明によるモノクローナル抗体との免疫反応性レベルを参照して予め設定された閾値よりも高い場合に、移植拒絶のリスクが高いと予測または診断する。この閾値は、哺乳動物およびドナーの種、性別、移植臓器の種類および測定方法などに応じて当業者によって適宜決定される。本発明による予測または診断方法によれば、不必要な免疫抑制剤の投与を回避することにより、患者の身体的および経済的負担を軽減することができる。
また、上記生物学的試料としては、好ましくは血液であり、より好ましくは血清である。
上記免疫抑制剤は、臓器移植に用いられる免疫抑制剤であれば特に限定されないが、例えば、シクロフォスファミドなどのアルキル化剤、 アザチオプリン、メソトレキサート、ミゾリビンなどの代謝拮抗剤、シクロスポリン、タクロリムスなどのT細胞活性阻害剤、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ミコフェノール酸モフェチル、アザチオプリンなどのステロイド剤、バシリキシマブ、ムロモナブなどのリンパ球表面機能阻害剤またはそれらの組み合わせなどが挙げられる。
上記哺乳動物および移植臓器のドナーとしては、ヒト、ブタ、ヒヒなどが挙げられるが、好ましくはヒトである。移植される臓器としては、例えば、肝臓、心臓、腎臓、皮膚などが挙げられる。
上記免疫反応性レベルを測定する方法の具体例としては、抗原抗体反応を利用する方法であれば特に限定されないが、例えば、蛍光抗体法、化学染色法、酵素抗体法、ELSA法,ラジオイノムアッセイ,免疫沈降法、ウェスタンブロット法、またはウェスタンブロット変法(ウェスタン法,サウスウェスタン法,ノースウェスタン法,もしくはウェストウェスタン法など)またはプロテインチップ法などを挙げることができる。したがって、本発明の別の好ましい態様によれば、前記免疫反応性レベルは、蛍光抗体法、化学染色法、酵素抗体法、ELISA、ラジオイムノアッセイ、免疫沈降法、ウェスタンブロッティング法、ウェスタンブロット変法またはプロテインチップ方により測定するものである。
また、本発明の別の態様によれば、哺乳動物における移植拒絶を予測または診断するためのキットであって、抗ヒストンH1モノクローナル抗体を少なくとも含んでなる、キットが提供される。ここで、上記移植拒絶は、好ましくは臓器移植後に生じるものであり、より好ましくは免疫抑制剤の投与を中止した後に生ずるものである。
ポリペプチド
本発明によるポリペプチドは、上述のような、本発明による抗ヒストンH1モノクローナル抗体の認識するエピトープをそのアミノ酸配列内に含んでなるものである。そして、本発明の好ましい態様によれば、ポリペプチドは、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7または配列番号8で表されるアミノ酸配列からなるものである。
また、本発明の別の好ましい態様によれば、ポリペプチドは、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7または配列番号8で表されるアミノ酸配列において、1個または数個のアミノ酸が置換、欠失もしくは付加したアミノ酸配列からなるものである。ここで、「1もしくは数個」の範囲は、好ましくは1〜3個、より好ましくは1〜2個程度を意味する。
また、本発明の別の好ましい態様によれば、ポリペプチドは、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7または配列番号8で表されるアミノ酸配列の部分配列からなるものである。そして、上記部分配列としては、好ましくは配列番号4における第6〜9番で表される部分配列、配列番号5における第5〜9番で表される部分配列、配列番号6における第2〜5番で表される部分配列、配列番号7における第2〜5番で表される部分配列および配列番号8における第7〜9番または第11〜12番で表される部分配列が挙げられる。
また、本発明の別の態様によれば、ポリペプチドは、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7または配列番号8で表されるアミノ酸配列またはその部分配列を含んでなるものである。また、このポリペプチドは、好ましくは約3〜300個、より好ましくは約12〜150個のアミノ酸残基からなるものとされる。
本発明によるポリペプチドは、本発明によるモノクローナル抗体を用いたファージディスプレイペプチドライブラリーキットによる解析に基づき、アミノ酸配列が決定されたものである。本発明によるポリペプチドは、そのアミノ酸配列に基づき、公知のペプチド合成装置などにより合成することができる。
また、本発明によるポリペプチドは、そのままで、または公知の手法により誘導体化して、生体において抗ヒストンH1抗体の産生を誘導するために用いることができる。さらに、ヒストンH1またはヒストンH1様抗原もまた、感作抗原として生体に投与して、抗ヒストンH1抗体を産生させることにより、免疫抑制作用を発揮させることができる。したがって、本発明の好ましい態様によれば、ヒストンH1、ヒストンH1様抗原または本発明によるポリペプチドを有効成分とする免疫抑制用組成物が提供される。また、本発明の別の態様によれば、免疫抑制用組成物の製造における、ヒストンH1、ヒストンH1様抗原または本発明によるポリペプチドの使用が提供される。
上記免疫抑制用組成物は、医薬上許容される担体とともに、その投与方法に応じた剤型に製造することが可能であり、例えば、その剤型が液剤の場合は、適当な溶剤、溶解補助剤、保存剤、安定剤、乳化剤、懸濁剤、無痛化剤、等張化剤および緩衝剤、賦形剤、増粘剤、着色剤、公知のキャリア(各種リポソーム、ポリアミノ酸、キャリア、合成高分子、天然高分子)、アジュバントなどを適宜含有させることができる。
上記免疫抑制用組成物の投与方法としては、当該技術分野において使用可能な方法を用いてよく、例えば、動脈内注射、点滴、静脈内注射、筋肉内注射、皮下注射、皮内注射、経口投与、経粘膜投与、経皮投与などが挙げられる。したがって、本発明の別の態様によれば、免疫抑制を必要とする哺乳動物の治療方法であって、哺乳動物に治療上有効量のヒストンH1、ヒストンH1様抗原または本発明によるポリペプチドを投与することを含んでなる、方法が提供される。また、治療上有効量は、哺乳動物の病態の重篤度、性別、年齢、体重、習慣などによって異なるが、例えば、有効成分の量として、0.005μg〜2g/体重kg/日とすることができる。また、その投薬計画は、哺乳動物における抗体産生を確認することにより、当業者であれば適切に作成することができる。
また、ヒストンH1、ヒストンH1様抗原または本発明によるポリペプチドは、哺乳動物において産生される抗ヒストンH1抗体と特異的に反応することから、哺乳動物における抗ヒストンH1抗体量の測定に利用することができる。したがって、本発明の別の態様によれば、哺乳動物由来の生物学的試料における抗ヒストンH1抗体量を測定するための、ヒストンH1、ヒストンH1様抗原または本発明によるポリペプチを有効成分とする、組成物が提供される。そして、上記抗ヒストンH1抗体は、上述の通り、移植拒絶を抑制する機能を有することから、哺乳動物における抗ヒストンH1抗体量は、移植拒絶の予測または診断の指標となる。したがって、本発明の別の好ましい態様によれば、上記組成物は、哺乳動物における移植拒絶の予測または診断に用いることができる。また、本発明の別の態様によれば、哺乳動物における移植拒絶の予測または診断薬としての、本発明によるヒストンH1、ヒストンH1様抗原または本発明によるポリペプチドの使用が提供される。上記移植拒絶は、臓器移植後に生ずるものであり、より好ましくは免疫抑制剤の投与を中止した後に生ずるものである。また、本発明の別の態様によれば、哺乳動物における移植拒絶を予測または診断する方法であって、哺乳動物における生物学的試料における抗ヒストンH1抗体と、ヒストンH1、ヒストンH1様抗原または本発明によるポリペプチドとの免疫反応性レベルを測定することを含んでなる、方法が提供される。そして、上記方法においては、測定された免疫反応性レベルが、移植拒絶の発症した哺乳動物の生物学的試料中の抗ヒストンH1抗体と、ヒストンH1、ヒストンH1様抗原または本発明によるポリペプチドとの免疫反応性レベルを参照して予め設定された閾値よりも高い場合に、移植拒絶のリスクが低いと予測または診断する。この閾値は、哺乳動物およびドナーの種、性別、移植臓器の種類および測定方法などに応じて当業者によって適宜決定される。本発明による予測または診断方法によれば、不必要な免疫抑制剤の投与を回避することにより、患者の身体的および経済的負担を軽減することができる。
上記免疫反応性レベルを測定する方法の具体例としては、抗原抗体反応を利用する方法であれば特に限定されないが、例えば、蛍光抗体法、化学染色法、酵素抗体法、ELSA法,ラジオイノムアッセイ,免疫沈降法、ウェスタンブロット法、またはウェスタンブロット変法(ウェスタン法,サウスウェスタン法,ノースウェスタン法,もしくはウェストウェスタン法など)、プロテインチップ法などを挙げることができ、好ましくは、前記免疫反応性レベルは、蛍光抗体法、化学染色法、酵素抗体法、ELISA、ラジオイムノアッセイ、免疫沈降法、ウェスタンブロッティング法、ウェスタンブロット変法またはプロテインチップ法であり、より好ましくはプロテインチップ法である。プロテインチップ法においては、本発明によるポリペプチドをプロテインチップに担持することにより、哺乳動物における移植拒絶の予測または診断を迅速かつ的確に行うことができる。
また、本発明の別の態様によれば、哺乳動物由来の生物学的試料における抗ヒストンH1抗体量を測定するためのキットであって、ヒストンH1、ヒストンH1様抗原または本発明によるポリペプチドを少なくとも含んでなる、キットが提供される。また、本発明の別の好ましい態様によれば、上記キットは、哺乳動物における移植拒絶を予測または診断するためのものである。またここで、上記移植拒絶は、好ましくは臓器移植後に生ずるものであり、より好ましくは免疫抑制剤の投与を中止した後に生ずるものである。
上述の生物学的試料、免疫抑制剤、移植臓器、哺乳動物および移植される臓器のドナー等は、上述の、本発明によるモノクローナル抗体を用いた、治療方法および移植拒絶の予測または診断方法と同様とされる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、試薬および抗体は、特記しない限り分析用のものを使用した。また、DAラットおよびPVGラット(オス、7−8週齢)は、それぞれJapan SLC社または Seac Yoshitomi社より購入した。また、BALB/cマウス(オス,5−6週齢)は日本チャールズ・リバー株式会社より購入した。
参考例1
混合リンパ球反応(MLR);ラット細胞
無処理のPVGラット由来の脾臓リンパ球(応答細胞)およびマイトマイシンC(協和発酵工業株式会社製)処理を行ったDAラット由来の脾臓リンパ球(刺激細胞)を用いた。応答細胞は10%FCS−RPMI培地にて5×10細胞/mLに調整し、刺激細胞は10%FCS−RPMI培地にて8×10細胞/mLに調整した。この応答細胞懸濁液および刺激細胞懸濁液をそれぞれ100μLを96穴丸底プレート(Nunc Brand Products社製)に播種した後、混合培養開始時に抗ヒストンH1ポリクローナルIgG(Santa Cruz Biotechonology社製:0.1、0.2、0.4、0.8、もしくは1.6μg/ウェル)またはウサギIgG(normal rabbit IgG:Santa Cruz Biotechonology社製:0.1、0.2、0.4、0.8、もしくは1.6μg/ウェル)を添加し、37℃,5%CO/95% airの条件下にて3.5日以上培養した。この際、陽性対照として、タクロリムス(FK506:藤沢薬品社製)を添加した。さらに、培養終了15時間前にブロモデオキシウリジン(BrdU)10μLを添加した。そして、BrdUラベリング&ディテクションキットIII(ロシュ・ダイアグノスティクス社製)を用いて、細胞内DNAに取り込まれたBrdU量を指標として細胞増殖度を測定した。ここで、細胞増殖能が高い程BrdU取り込み量も多くなる。
この結果、抗ヒストンH1ポリクローナルIgGを添加した場合、MLRは有意に阻害され、タクロリムスを添加した場合と同などであった。
参考例2
混合リンパ球反応(MLR);ヒト細胞
リンパ球の調製
ヒト2人(AおよびB)より末梢血10mLを採取し、その血液を遠心分離(1500rpm、30分)にて処理した後、血漿を除去した。そして、その残渣に、除去した血漿と等量(3mL)のPBSを加えて攪拌した。この混合液にフィコール−パーク溶液(Ficoll-paque液、Amersham Biosciences社製)3mLを加えて密度勾配遠心分離(1500rpm、30分)にて処理し、リンパ球を含む中間の白層を得た。この白層に滅菌したPBSを加えて総量12mLの細胞懸濁液とし、遠心分離(1500rpm、5分) にて処理した。この操作を2回行った後、得られたリンパ球を10%FCS−AIM−V培地(GIBCO)1mLに懸濁した。
MLR
B由来のリンパ球(応答細胞)およびマイトマイシンC(協和発酵工業株式会社製)処理を行ったA由来のリンパ球(刺激細胞)を用いて以下の試験を行った。応答細胞は10%FCS−AIM−V培地にて5×10細胞/mLに調整し、刺激細胞は10%FCS−RPMI培地にて8×10細胞/mLに調整した。この応答細胞懸濁液および刺激細胞懸濁液をそれぞれ100μLを96穴丸底プレート(Nunc Brand Products社製)に播種し、混合培養開始時に抗ヒストンH1ポリクローナルIgG(Santa Cruz Biotechonology社製:0.1、0.2、0.4、0.8、もしくは1.6μg/ウェル)またはウサギIgG(normal rabbit IgG:Santa Cruz Biotechonology社製:0.1、0.2、0.4、0.8、もしくは1.6μg/ウェル)を添加し、37℃,5 %CO2/95 % airの条件下にて2.5日培養した。この際、陽性対照として、タクロリムスを添加した。なお、培養中、各ウェルに終濃度10μg/mLとなるようにConAを添加し、刺激細胞が増殖能を停止していること、および反応細胞が抗原刺激により細胞増殖起こすことを確認した。そして、各ウェルを参考例1と同様に処理し、BrdUラベリング&ディテクションキットIII(ロシュ・ダイアグノスティクス社製)を用いて、細胞内DNAに取り込まれたブロモデオキシウリジン(BrdU)量を指標として細胞増殖度を測定した。
B由来の応答細胞およびマイトマイシンC処理を行ったA由来の刺激細胞の組合わせではMLRによる細胞増殖が確認された。そして、MLRは抗ヒストンポリクローナル抗体によって濃度依存的に抑制された。一方、ウサギIgG(normal rabbit IgG)ではMLRは抑制されなかった。
実施例1
ハイブリドーマの製造
免疫
PBS中に抗原(Histone H1 Histone F1 Histone KAP、Roche社製)を溶解させた溶液 0.8mL(抗原濃度:0.5mg/mL)とフロイトコンプリートアジュバンド(和光純薬株式会社製)0.8mLとを混合し、懸濁液(抗原濃度:0.25mg/mL)を得た。次に、この懸濁液0.2mLをBALB/cマウスに腹腔内投与した。さらに、この懸濁液を2週間毎に同量にてマウスに投与した。そして、投与開始から16週間後、PBS中抗原を溶解させた溶液 0.2mL(抗原濃度:600〜1000mg/mL)をマウス腹腔内へ最終投与した。なお、投与の際には、眼底静脈より採血を行ってELISAにより抗体価を測定した。最終投与の4日後、全採血を行い、得られた血液を遠心分離(2000rpm、20分)し、抗血清を得て以下の実験のコントロール抗血清として用いた。また、全採血後、ラットより脾臓を摘出し、得られた脾細胞を以下の細胞融合に用いた。
細胞融合
上記の脾細胞およびミエローマ細胞(P3X63-Ag.8.653)を脾細胞:ミエローマ細胞=10:1〜10にて混合して遠心分離(1500rpm,5分)した。遠心分離した後、アスピレーターを用いて上清を除去し、得られた細胞ペレットに37℃のポリエチレングリコール4000(50%PBS溶液)1mLを1分間かけて添加して混合液とした。この混合液を37℃にて1分間静置した後、37℃のIMDM培地(計9mL)を30秒毎に1 mLずつ加えた後、遠心分離(1500rpm、5分)した。遠心分離後、上清を吸引除去し、37℃の15%FCS(JRH BIOSCIENCES製)含有IMDM(GIBCO製)培地を適量添加した。得られた懸濁液を96ウェル培養プレートに100mLずつ分注を行い、37℃/5%COインキュベーターにて1日培養した。さらにHAT培地(HAT粉末(HAT MEDIA SUPPLEMENT(×50)、SIGMA製)を無血清IMDM培地10mLに溶かし、10%FCS含有IMDM培地にて50倍希釈したものである。)を100mL添加し、37℃/5%COインキュベーターにて培養した。HAT培地の交換は2〜3日毎に行い、10日後にはHT培地(HT粉末(HT MEDIA SUPPLEMENT、SIGMA製)を無血清IMDM培地10mLに溶かし、10%FCS含有IMDM培地にて50倍希釈したものである。)に切り替え、3日間、37℃/5%COインキュベーターにて培養を行った。以後2〜3日ごとに培地(HT培地)の交換を行った。細胞増殖を顕微鏡により確認した後、培養上清(約100 mL)を回収した。この培養上清を用いて、以下に示されるヒストンH1に対する抗体価測定によるハイブリドーマのスクリーニングを行った。
ハイブリドーマ細胞のスクリーニング
抗体価測定
ヒストンH1(5mg、calf thymus histone H1、ロシュダイアグノスティックス社製)を含む緩衝液(Baicarbonate buffer:100 mM NaHCO3-NaOH、pH9.2〜9.5、ヒストンH1濃度:1mg/mL) を1ウェル当り50μLずつ96ウェル平底プレートへ添加し、室温にて2時間静置してコーティングした。プレートを洗浄バッファー(PBST)にて3回洗浄し、ブロッキングバッファー(3%スキムミルク1%BSA、PBS)を200〜250mL/ウェルにて加え、4℃にて一昼夜反応させた後、3回洗浄した。そして、ハイブリドーマの培養上清を100mL/ウェルにて加え、37℃にて4時間または4℃にて一昼夜反応させた。プレートを3回洗浄した後、希釈バッファー(10 mM Tris-HCl ( pH 8.0 )、0.9 % ( W/V ) NaCl、0.05 % ( W/V ) Tween20)にて10000倍希釈したビオチン標識抗マウスIgG(Biotion-labeled anti-mouse IgG 、SIGMA)を50mL/ウェルにて加え、室温にて2時間反応させた。その後6回洗浄した後、希釈バッファーにて1000倍希釈したアルカリフォスファターゼ標識ストレプタリジン(streptarridin)を50mL/ウェルにて加え、室温にて1〜2時間反応させた。その後6回洗浄を行い、蛍光基質バッファー(Attophos substrate buffer、ロシュダイアグノスティックス社製)を50mL/ウェル加えてプレートを遮光し発色させた。蛍光強度はCytoFluorII(パーセプティブ社製)にて測定した。
ハイブリドーマの選別
上記抗体価測定にて陽性の結果を示したウェル(1×10細胞/mL)に15%FCS10%HCF(Hybridoma cloning factor、オリジン社製)含有IMDM培地を加えて、約200細胞/ウェル となるように96ウェル培養プレートに分注し、37℃5%COインキュベーターにて培養を行った。そして、上記と同様に抗体価測定を行い、抗体産生量の多いハイブリドーマを選択した。
さらに限界希釈を行い、選択したハイブリドーマが0.5〜1細胞/ウェルになるように15%FCS10%HCF含有IMDM培地で希釈し、37℃/5%COインキュベーターにて約3〜4日間培養した後、上記と同様に抗体価測定を行い、抗体産生量の多いハイブリドーマを選択した。さらに限界希釈を繰り返し、38個の抗H1モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを得た。このうち、コントロール抗血清より抗体価が高い10個のハイブリドーマを選択して1F5、3F2、15A11、15F11、16D1、16G9、17C2、17E2、21E3、および22A12と命名した。
試験例1:抗ヒストンH1モノクローナル抗体含有培養上清によるMLR抑制活性評価試験
抗ヒストンH1モノクローナル抗体含有培養上清の調製
各ハイブリドーマは、15%FCS10%HSF含有IMDM培地を用いて培養した(1×10細胞/mL)。この培養上清15mLをCENTRIPREP YM-10(MILLIPORE)を用いて遠心分離(2000g、2.5時間)し、抗ヒストンH1モノクローナル抗体を含有する培養上清の濃縮液を得た。
MLR
得られた培養上清の濃縮液(1000倍希釈液)を用いて、参考例1と同様の方法にしたがってMLR抑制活性評価試験を行った。対照として、免疫前ラット血清(1000倍希釈液)、ウサギIgG(Normal rabbit IgG 1.6mg、Santa Cruz Biotechonology製)1.6μg/ウェル、抗ヒストンH1ポリクローナル抗体(anti-histone H1 polyclonal IgG 200μg、Santa Cruz Biotechonology製)1.6μg/ウェル、タクロリムス 1.6μg/ウェルを用いた。なお、希釈液としてはIMDM培地を用いた。
結果は図1に示される通りであった。1F5、3F2、15A11、15F11、16D1、16G9、17C2、および17E2の8つのハイブリドーマの培養上清は、抗ヒストンH1ポリクローナル抗体およびタクロリムスと同等のMLR抑制活性を示した。なお、図1において、PVG/PVGはマイトマイシンC刺激により増殖能を消失したPVGリンパ球と反応細胞であるPVGリンパ球との混合培養を表し、DA/PVGは同様にして増殖能を失ったDAリンパ球と反応細胞であるPVGリンパ球の混合培養を表す。
試験例2:抗ヒストンH1モノクローナル抗体の認識部位の特定1
測定用サンプルの調製
PVGラットより脾細胞摘出し、ワイズマンの方法(Weissman et al., Science, 239, 1018-1021, 1988)にしたがって細胞破砕を行った。脾細胞にPBS 1mLを加えて遠心分離(1,500rpm、5分)した後、脾細胞を回収した。この細胞をシリンジを利用して懸濁し、同量の150mM NaClを加えた。得られた細胞懸濁液を遠心分離(300×g、10分)し、沈殿物および上清を得た。この沈殿物を不溶性画分(核画分含有)とし、上清を細胞膜含有可溶性画分とした。不溶性画分には5倍量(v/v)の電気泳動用サンプルバッファー(0.25 M Tris-HCl (pH 6.8) 25mL、SDS 2.0g 、超純水 9mL、 glycerol 10mL、BPB 5mg)を加えて5分間煮沸した後、遠心分離を行い、得られた上清を測定用サンプルとした。また、細胞膜含有可溶性画分にはEDTAを終濃度5mMとなるように添加した。この細胞膜含有可溶性画分のうち、100〜200μLを回収した。残りの細胞膜含有可溶性画分を超遠心(4℃、200000×g、45分)にて処理した。そして、得られた沈殿を細胞膜画分とし、得られた上清を細胞膜除去可溶性画分とした。細胞膜画分については、5倍量(v/v)の電気泳動用サンプルバッファーを加えて5分間煮沸した後、遠心分離を行った。そして、得られた上清を測定用サンプルとした。
また、試験例1にて得られた抗ヒストンH1モノクローナル抗体含有培養上清 10mLをバインディングバッファー(20mM リン酸バッファー,pH7.0)にて希釈し、50 mLの溶液を得た。この溶液を、HiTrap Protein Gカラム(HiTrap Protein G HP、Amersham Biosciences製)中に0.2〜1mL/minにて送液し、4℃にて一昼夜循環させた。その後、バインディングバッファー5 mLを1〜2mL/minにて送液し、カラムを洗浄した。そして、カラム洗浄後、上記細胞膜含有可溶性画分溶液を0.2〜1mL/minにて送液し、4℃にて一昼夜循環させた。次に、バインディングバッファー2mLを1〜2 mL/minにて送液し、素通りした画分を得た。この素通りした画分は測定用サンプルとした。
抗ヒストンH1モノクローナル抗体の精製
HiTrap NHSカラム(HiTrap NHS-activated HP、 Amersham Biosciences AB製)に1 mM HCL溶液を1〜2mL/minにて送液し、次にヒストンH1溶液(ヒストンH1(ロシュダイアグノスティクス社製)1 0.5mg、カップリング バッファー(0.2M NaHCO3,0.5 M NaCl pH 8.3))1mLを1mL/minにて送液し、送液後、直ちにカラムを密閉してカップリングを行った(15〜30分)。カップリング後、バッファーA( 0.5 M monoethanolamine,0.5 M NaCl pH 8.3)、バッファーB(0.1 M sodium acetate,0.5 M NaCl pH 4.0)および中性バッファー(1.0M Tris-HCl,pH 9.0)にてカラム内を洗浄した。次に試験例1にて得られた抗ヒストンH1モノクローナル抗体含有培養上清をカラム内へ1 mL/minにて送液し、循環させた(4℃,overnight)。次にリン酸バッファー 5mLにて洗浄した後、エリューションバッファーを0.2〜1mL/minにて5mL 送液し、溶出された画分から精製抗ヒストンH1モノクローナル抗体を得た。
SDS−PAGE
Laemmliの不連続緩衝液系における電気泳動法(Nature, 227, 680-685, 1970)にしたがって、各測定用サンプルをSDS−PAGEにて処理した。コントロールとしては、ヒストンH1(5mg、ロシュダイアグノスティクス社製)を用いた。SDS−PAGEの後、得られたゲルは以下のクーマシー染色またはウエスタンブロッティングに用いた。
クーマシー染色
SDS−PAGE後のゲルは、染色液(0.25% クーマシーブリリアントブルーR / エタノール:酢酸:蒸留水=9:2:9)に浸し約1時間振盪した後、脱色液(エタノール:酢酸:蒸留水=25:8:65)に浸し約1時間し脱色した。その後保存液(メタノール:酢酸:蒸留水=10:15:175)に浸してバックグラウンドを脱色した。
ウェスタンブロッティング
SDS−PAGE後のゲルをセミドライ式転写装置(AE-6675,ATTO製)を用いてPVDF膜に転写した。次に、転写後のPVDF膜をブロッキング溶液(5% skim milk 1% BSAの PBST溶液)に浸して振盪した(4℃にて一昼夜 、または室温にて1時間)。次に、PVDF膜に対して、一次抗体として精製抗ヒストンH1モノクローナル抗体を含む溶液(ブロッキング溶液にて500倍に希釈したものである)を加えて室温にて1時間振盪した後、PBSTにて15 min×1回,5 min×3回洗浄した。洗浄後、PVDF膜に対して、ブロッキング溶液で20000倍希釈した二次抗体(HRP-anti-mouse IgG(SIGMA製))溶液を加えて室温で1時間振盪した。振盪後、PBSTにて15分×1回,5分×3回洗浄した。さらに、ECLウェスタン ブロッティング ディテクション システム(ECL Plus Westen blotting detection system、Amersham Biosciences AB)を用いて特異抗体の結合を検出し、X線フィルムRX-U(FUJI PHOTO FILM,Tokyo,Japan)にて露光後現像した。
ウェスタンブロッティングの結果、細胞膜分画の31kDの位置に特異的なバンドが検出された。そして、このバンドはクマシー染色においてヒストンH1と同じ位置に検出された。
試験例3:抗ヒストンH1モノクローナル抗体の認識部位の特定2
PVGラットの脾細胞を4%ホルマリン含有PBS溶液に懸濁し、室温にて20分間固定化した。さらに、脾細胞を染色用バッファー(Staining buffer:1%(v/v) FCS、0.1%(w/v)Sodium azide含有PBS溶液、4℃)にて3回洗浄した後、染色用バッファー 100mL中細胞数を2×10個含む混合液を調整した。この混合液に一次抗体(ビオチン標識した抗ヒストンH1モノクローナル抗体 2mLまたはビオチン標識したノーマルマウス IgG 5mL)を加えて37℃にて1時間反応させた。この反応の後、脾細胞を染色用バッファー(4℃)にて3回洗浄し、さらに脾細胞に染色用バッファー 100mLを加え、FITC標識ストレプトアビジン(BD PharMingen製) 1mLを加えて、室温にて30時間反応させた。反応後、脾細胞を染色用バッファー(4℃)にて3回洗浄し、脾細胞にPBS 500mL中を加えて懸濁液とした。また、この懸濁液にプロピジウム イオジド(Propidum Iodide、SIGMA)を終濃度5mg/mLとなるように添加して室温にて20分反応させた。得られた細胞を50%グリセリン含有PBS溶液にて封入した後、蛍光顕微鏡にて観察した。
この結果、脾細胞の周囲(細胞膜)部分のみが特異的に蛍光染色された。
試験例4:抗ヒストンH1モノクローナル抗体の認識部位の特定3
ファージディスプレイ
ハイブリドーマ 1F5、3F2、15F11、17C2または16G9から産生される抗ヒストンH1抗体に関し、Ph.D.-12ファージディスプレイペプチドライブラリーキット(New England BioLabs, Inc.から購入)を用いて、パンニング実験を行った。精製した各モノクローナル抗体を0.1M NaHCO3 (pH 8.6)に溶解し、直接マイクロタイタープレート(Nunc, catalog #430341)にコートして4℃で一晩インキュベートした。各ウェルにブロッキングバッファー(0.1M NaHCO3, 5 mg/ml BSA, 0.02% NaN3) を加え、少なくとも1時間4℃でインキュベートした後、TBST (50mM Tris, 150mM NaCl, 0.1% Tween 20)で洗浄した。1回目のパンニングでオリジナルライブラリーの中の4 x 1010個のファージをスクリーニングに用いた。結合しなかったファージをTBTSによる洗浄を繰り返すことによって除去した。結合したファージを0.2M Glycine-HCl (pH 2.2), 1mg/ml BSAによって溶出した。溶出したファージを20mL E Coli ER2738 cultureによって増殖させた。得られたファージを、ポリエチレングリコールを用いて沈殿させて、2回目のパンニングに用いた。さらに、同様の操作手順にしたがって、3回目のパンニングを行った。3回目のパンニングにおいて得られたプラークを1:100にて希釈し、ER2738 cultureを用いて増殖させた。これらを内容物とするチューブを4.5〜5時間振とうしながら37℃にてインキュベートした。1本鎖ファージDNAをイオジド バッファー(Iodide buffer:10mM Tris-HCl, 1mM EDTA, 4M NaI)とエタノールで沈殿、精製した。DNAシークエンス解析のためにファージDNAを20μL TEバッファー(10 mM Tris-HCl pH 8.0, 1mM EDTA)に溶解させた。
DNAシークエンス解析
得られた精製ファージDNAについて、上記Ph.D.-12ファージディスプレイペプチドライブラリーキット添付のプライマーDNAおよびDYEnamicTM ET Terminator Cycle Sequencing Premix Kit(Amersham Biosciences社製)を用いて、シークエンシングPCR反応を行った(PCR反応条件:95℃(30秒)、次いで50℃(15秒)、次いで60℃(1分)30サイクル)。PCR産物をAutoSeqTM G-50(Amersham Biosciences)を用いて精製した。そして、ABI PRISMTM 310 Genetic Analyzer(PE Biosystems)を用いてファージペプチドのDNAシークエンスを決定した。決定されたDNAシークエンスに基づくアミノ酸配列は以下に示される通りであった。
ハイブリドーマ株 アミノ酸配列
1F5 :NYQTYTPRPPHS(配列番号4)
3F2 :VTNNQTSPRWEI(配列番号5)
15F11 :WKPVSLTLHTHP(配列番号6)
17C2 :HATGTHGLSLSH(配列番号7)
16G9 :SSVLYGGPPSAA(配列番号8)
競合ELISA(Competition ELISA)
上記ファージDNAから決定されたアミノ酸配列を有する、各ペプチドを常法にしたがって合成した。得られたペプチド、精製した各モノクローナル抗体およびヒストンH1抗原(Roche, catalog # 1004875)を用い、競合ELISAを行った。この際、ヒストンH1抗原のビオチニル化にはEZ-Link Sulfo-NHS-Biotinylation kit (Pierce製)を用い、発色試薬としてABTS溶液(Sigma, A3219)を用いた。発色はELISA測定器(ThermoLabsystem, Multiskan Ascent)を用いて405 nmで検出した。測定値は3回測定した吸収値の平均とした。
この結果、合成した上記ペプチドが、精製した各モノクローナル抗体とヒストンH1抗原との結合を阻害することが確認された。

Claims (1)

  1. 配列番号4、配列番号5、配列番号6、または配列番号8で表されるアミノ酸配列からなる、ポリペプチド。
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