JP4843454B2 - 重荷重用タイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、ビードワインド構造において、ビード部をスリム化し軽量化を図りながらビード耐久性を確保した重荷重用タイヤに関する。
近年、図5に示すように、タイヤの骨格をなすカーカスプライaのプライ折返し部a1を、ビードコアbの周りで略一周巻した所謂ビードワインド構造のタイヤが提案されている(例えば特許文献1参照)。
この構造は、前記プライ折返し部a1がビードコアbの近傍で途切れるため、その先端a1eにビード変形時の応力がほとんど作用せず、該先端a1eを起点とした損傷を効果的に抑制できる。しかもプライ折返し部a1の長さが小であるため、タイヤの軽量化にも貢献しうるという利点がある。そして、このビードワインド構造のタイヤにおいても、ビード部のゴムボリュームを減じてスリム化し、さらなる軽量化を図ることが強く望まれる。
特開2005−170145号公報
しかしこのビードワインド構造では、従来的な非ビードワインド構造のものに比して、接地時のビード変形が比較的大である。そのため、ビード部をU字状に折り返して補強するビード補強層cの外片c1の外端部c1eにおいて、剪断力が大きく作用し、この外端部c1eで損傷を招きやすいという問題がある。この剪断力は、前記外端部c1eにおけるビード部のゴムボリュームを増し歪みを減じることで低減できるが、斯かる場合には重量増加を招くなど、耐久性と軽量化との両立を困難なものとしていた。
このような状況に鑑み、本発明者は、ビードワインド構造のタイヤについてさらに研究を行った。その結果、前記外片c1の外端部c1eにおける、カーカスプライ本体部a2と外片c1との間の内側ゴムgi、及び外片c1とタイヤ外側面との間の外側ゴムgoに低弾性のゴムを用いて柔軟にすることで、前記内側ゴムgiの厚さを減じてスリム化した場合にも、前記外端部c1eを起点とした損傷を抑制でき、ビード耐久性を確保しうることを究明し得た。
そこで本発明は、前記ビードワインド構造において、ビード部をスリム化して軽量化を図りながらもビード耐久性を確保しうる重荷重用タイヤを提供することを目的としている。
本願請求項1の発明は、トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至るプライ本体部と、該プライ本体部に連なりかつ前記ビードコアの廻りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返されたプライ折返し部とを有する1枚のカーカスプライからなるカーカスを具えた重荷重用タイヤであって、
前記プライ折返し部は、ビードコアのタイヤ軸方向内側の内の側面とタイヤ半径方向内側の内面とタイヤ軸方向外側の外の側面とに沿って湾曲する主部、及び該主部に連なり前記ビードコアのタイヤ半径方向外側の外面の近傍を前記プライ本体部に向かって傾斜してのびる副部からなり、
かつ前記ビード部に、前記プライ折返し部の主部に沿いその半径方向内方を通る曲線状部と、この曲線状部のタイヤ軸方向外側で前記主部と離れて半径方向外方に向かってタイヤ軸方向外側に傾斜する外片と、前記曲線状部のタイヤ軸方向内側で前記プライ本体部のタイヤ軸方向内側面に沿ってのびる内片とからなるビード補強層を設け、
しかも前記外片の半径方向外端から、ビードベースラインまでの半径方向高さを25〜40mm、かつ前記ビードコアの外面から5mmの距離を隔たるプライ本体部上の点Pjから、前記外片までの距離を14〜20mmとするとともに、
前記外片の半径方向外端において、前記プライ本体部と外片との間に介在する内側ゴムは、複素弾性率E* 1が3.0〜6.0MPaの低弾性ゴムからなりかつ前記外片に隣接する低弾性ゴム部を含み、しかも前記外片の半径方向外端を通りプライ本体部に直交する第1の基準線における前記内側ゴムの厚さTiを7.0〜13.0mm、かつ該第1の基準線における前記低弾性ゴム部の厚さtiとの比ti/Tiを0.9以上とする一方、
前記外片の半径方向外端において、前記外片とタイヤ外側面と間に介在する外側ゴムは、複素弾性率E* 2が3.0〜6.0MPaの低弾性ゴムからなりかつ前記外片に隣接する低弾性ゴム部を含み、しかも前記外片の半径方向外端を通りタイヤ外側面に直交する第2の基準線における前記外側ゴムの厚さToを5.0〜11.0mm、かつ該第2の基準線における前記低弾性ゴム部の厚さtoとの比to/Toを0.4以上としたことを特徴としている。
又請求項2の発明では、前記内側ゴムは、前記プライ本体部と前記外片との間を通って前記副部から半径方向外側にのびる断面三角形状のビードエーペックスゴムからなり、かつ前記外側ゴムは、少なくともビードベースラインから前記外片のタイヤ軸方向外側を通って半径方向外側にのびるリムずれ防止用のクリンチゴムからなることを特徴としている。
又請求項3の発明では、前記内側ゴムの低弾性ゴム部の複素弾性率E* 1と、前記外側ゴムの低弾性ゴム部の複素弾性率E* 2との差|E* 1−E* 2|は、3.0MPa以下であることを特徴としている。
又請求項4の発明では、前記ビードエーペックスゴムは、前記低弾性ゴム部のみからなることを特徴としている。
又請求項5の発明では、前記内側ゴムの厚さTiと外側ゴムの厚さToとの比To/Tiは0.6〜0.9であることを特徴としている。
本明細書では、特に断りがない限り、タイヤの各部の寸法等は、タイヤを正規リムにリム組しかつ50kPaの内圧を充填した無負荷の50kPa充填状態において特定される値とする。なお前記「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design Rim" 、或いはETRTOであれば "Measuring Rim"を意味する。
又複素弾性率は、粘弾性スペクトロメーターを用い、温度70℃、周波数10Hz、初期歪10%、動歪±1%として測定した値としている。
本発明は叙上の如く構成しているため、後述する理由によって、ビードワインド構造において、ビード部をスリム化して軽量化を図りながらも優れたビード耐久性を確保することが可能となる。
以下、本発明の実施の一形態を、図示例とともに説明する。図1は、本願発明の重荷重用タイヤの50kPa充填状態を示す断面図である。
図1において、重荷重用タイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、このカーカス6の半径方向外側かつトレッド部2の内方に配されるベルト層7とを具える。
前記ベルト層7は、スチール製のベルトコードを用いた複数枚(重荷重用タイヤの場合は通常3枚以上)のベルトプライから形成される。本例では、前記ベルトコードをタイヤ周方向に対して例えば60±15°の角度で配列した半径方向最内側の第1のベルトプライ7Aと、タイヤ周方向に対して例えば10〜35°の小角度で配列した第2〜4のベルトプライ7B〜7Dとの4枚構造をなすものを例示している。このベルトプライ7A〜7Dは、ベルトコードがプライ間で互いに交差する箇所を1箇所以上設けて重置されることにより、ベルト剛性を高めトレッド部2をタガ効果を有して補強している。
前記カーカス6は、スチール製のカーカスコードをタイヤ周方向に対して75〜90°の角度で配列した一枚のカーカスプライ6Aから形成される。このカーカスプライ6Aは、前記ビードコア5、5間を跨るプライ本体部6aの両側に、前記ビードコア5の廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返されるプライ折返し部6bを一連に具える。
又前記ビードコア5は、図2に拡大して示すように、例えばスチール製のビードワイヤ5wを多段多列に巻回してなるリング状体であって、本例では、断面横長の偏平六角形状のものを例示する。ビードコア5の断面形状としては、必要に応じて、偏平矩形状も採用できる。断面が六角形状のビードコア5については、その横断面において、タイヤ半径方向内側の長片を形成する面をビードコア5の内面SLとし、タイヤ半径方向外側の長辺を形成する面をビードコア5の外面SUとする。またビードコア5の前記内面SLと前記外面SUとの間をタイヤ軸方向内側で継ぐ折れ線状の屈曲辺を形成する面をビードコア5の内の側面Siとし、反対側の屈曲辺を形成する面を外の側面Soとする。前記内面SLは、正規リムJ(図3に示す)のリムシートJ1のシート面と略平行にのび、これによりリムとの嵌合力を広範囲に亘って高める。又前記正規リムJは、チューブレス用の15°テーパーリムであり、従って、ビードコア5の前記内外面SL、SUは、タイヤ軸方向線に対して略15°の角度で傾斜する。なお「略15°」とは、製造時の誤差を許容するものであり、15°±2゜の範囲を意味する。
次に、本実施形態のタイヤ1は、カーカス6の前記プライ折返し部6bが、ビードコア5の周面に巻き付けられたビードワインド構造を具える。
詳しくは、前記プライ折返し部6bは、図2に示すように、ビードコア5の前記内の側面Si、内面SL、及び外の側面Soに沿って湾曲する主部10と、該主部10に連なりビードコアの前記外面SUの近傍を前記プライ本体部6aに向かって傾斜してのびる副部11とから構成される。
前記副部11は、ビードコア5の前記外面SU(又はその延長線)よりも半径方向外側の部位を意味し、前記外面SUとの距離が先端11aに向かって増加する向きに傾斜している。そして、前記副部11と前記外面SUとの間には、断面略三角状の充填ゴム13を配設している。ここで前記副部11の前記外面SUに対する角度θは、10°以上さらには15°以上が好ましく、これによりカーカスコードの曲がりの度合いを適度に緩和し、該コードのスプリングバックに起因する空気残りなどの成形不良を抑制する。なお前記角度θが大きすぎると、プライ折返し部6bの係止力が弱まり、所謂吹き抜け現象が生じる恐れを招く。そのために、前記角度θの上限は60°以下、さらには45°以下とするのが好ましい。
このとき、前記副部11の先端11aの前記外面SUからの距離Laは3〜10mmの範囲であるのが好ましい。前記距離Laが3mm未満では、カーカスコードの曲がりの度合いを充分緩和できない。しかも接地の際に前記副部11の先端11aに受ける衝撃が大きくなるため、該先端11aに損傷が発生しやすくなる。逆に、距離Laが10mmを超えても、前記先端11aにタイヤ変形時の応力が強く作用する傾向となるため、該先端11aに損傷が生じやすくなる。又前記先端11aのプライ本体部6aからの距離Lbは、前記先端11aがプライ本体部6aと接触してフレッティングを生じないよう1.0mm以上確保するのが好ましい。
又前記角度θは、前記プライ折返し部6bがビードコア5の前記外面SU(又はその延長線)に交わる副部11の下端11bと前記先端11aとを結ぶ直線の前記外面SUに対する角度として定義する。又ビードコア5では、ビードワイヤ5wが一直線状に整一せずに上下にバラツキながら配列するなど、その外面SUが非平面をなす場合がある。係る場合には、前記外面SUに現れるビードワイヤ列のうち最もタイヤ軸方向外側に位置するビードワイヤ5woと最もタイヤ軸方向内側に位置するビードワイヤ5wiとに接する接線Kで近似する。なお前記内面SL、側面Si、側面Soも同様、各面に現れるビードワイヤ列のうちで両側に位置するビードワイヤ、即ち多角形形状の各角部に位置するビードワイヤに接する接線で近似する。
又前記充填ゴム13は、衝撃ないし応力緩和効果に優れた低弾性のゴム組成物により構成される。これにより前記副部11の先端11aでの歪みを吸収し、損傷を防ぐのに役立つ。具体的には、複素弾性率E* 3が5〜15MPaのゴム組成物が好適である。前記複素弾性率E* 3が5MPa未満の場合、該ゴムが過度に柔らかくなって前記先端11aの歪が大きくなる傾向があり、逆に15MPaを超えると、充填ゴム13の柔軟性に欠け、歪みの緩和吸収能力が低下する。このような観点より、前記複素弾性率E* 3の下限値を6MPa以上、さらには7MPa以上とするのが好ましく、又上限値を13MPa以下、されには11MPa以下とするのが好ましい。
又ビードワインド構造では、非ビードワインド構造の従来的なタイヤに比してビード剛性が小であるため、コーナリングパワーに劣る傾向がある。そこでビード部4に、ビード補強層15を設けビード剛性を向上している。このビード補強層15は、スチールコードをタイヤ周方向線に対して例えば15〜60゜の角度で配列したコードプライからなり、図3に示すように、前記プライ折返し部6bの主部10に沿いその半径方向内方を通る曲線状部15Aと、この曲線状部15Aのタイヤ軸方向外側で前記主部10と離れて半径方向外方に向かってタイヤ軸方向外側に傾斜する外片15oと、前記曲線状部15Aのタイヤ軸方向内側で前記プライ本体部6aのタイヤ軸方向内側面に沿ってのびる内片15iとからなる断面U字状をなす。
ここで前記外片15oの半径方向外端PeのビードベースラインBLからの半径方向高さHoは、25〜40mmの範囲であって、25mm未満では必要な補強効果を得ることができない。しかし40mmを超えると、前記外端Peが、変形が大なサイドウォール部3側に近づきすぎとなるため、この外端Peに過度の剪断応力が集中するなどこの外端Peを起点とした損傷が発生する。なお前記内片15iでは、プライ本体部6aに隣接して保護されるため、前記外片15oに比して損傷の恐れが少なく、従って該内片15iの半径方向高さHiを前記高さHo以上に設定することができる。しかし、乗り心地性や軽量化の観点から前記高さHoよりも小に設定するのが好ましい。
そして本発明では、前記外片15oの外端Peにおいて、
(1) 前記プライ本体部6aと外片15oとの間に介在する内側ゴム20は、複素弾性率E* 1が3.0〜6.0MPaの低弾性ゴムからなる低弾性ゴム部21を含み、しかも前記外端Peを通りプライ本体部6aに直交する第1の基準線X1における前記内側ゴムの厚さTiを7.0〜13.0mmに減じるとともに、該第1の基準線X1における前記低弾性ゴム部21の厚さtiと前記厚さTiとの比ti/Tiを0.9以上とし、
(2) 前記外片15oとタイヤ外側面TSとの間に介在する外側ゴム30は、複素弾性率E* 2が3.0〜6.0MPaの低弾性ゴムからなる低弾性ゴム部31を含み、しかも前記外端Peを通りタイヤ外側面TSに直交する第2の基準線X2における前記外側ゴムの厚さToを5.0〜11.0mm、かつ該第2の基準線X2における前記低弾性ゴム部31の厚さtoと前記厚さToとの比to/Toを0.4以上としている。
このとき、前記低弾性ゴム部21、31は、何れも前記外片15oに隣接して半径方向にのび、かつこの外片15oの外端Peを被覆保護している。
本例では、前記内側ゴム20は、ビードエーペックスゴム8からなるとともに、外側ゴム30は、リムずれ防止用のクリンチゴム9から構成されている。
前記ビードエーペックスゴム8は、前記プライ本体部6aと前記外片15oとの間を通って前記副部11から半径方向外側に延在する断面三角形状のゴム材であり、その外端8eのビードベースラインBLからの高さHbは、前記高さHoより大に設定される。なお該高さHbは、タイヤ断面高さH(図1に示す)の40%以下とするのが、乗り心地性の観点から好ましい。又ビードエーペックスゴム8は、本例では、前記副部11の内端付近からプライ本体部6aに向かってのびる境界線jによって区分されるタイヤ軸方向内側のエーペックス部8Lと、外側のエーペックス部8Uとから形成される。そして前記外側のエーペックス部8Uを、複素弾性率E* 1が3.0〜6.0MPaの前記低弾性ゴム部21としている。なお内側のエーペックス部8Lは、本例では、複素弾性率E* 4が30〜70MPa以上の高弾性性ゴムで形成され、ビード剛性が高められる。
又前記クリンチゴム9は、ビード部4の外皮をなすリムずれ防止用のゴム部材であり、少なくともビードベースラインBLの高さ位置から、前記外片15oのタイヤ軸方向外側を通って半径方向外側に延在する。本例では、クリンチゴム9が、ビード底面をなすベース部9Lと、このベース部9Lに連なりかつタイヤ外側面TSをなすクリンチ主部9Uとからなる場合を例示する。なおクリンチ主部9Uは、前記外片15oを超えた後は、前記外側のエーペックス部8Uの外側面に隣接して半径方向外側にのび、その外端部は、サイドウォール部3の外皮をなすサイドウォールゴム3Gと接合している。なおサイドウォールゴム3Gとの接合面Sは、タイヤ外側面TSから外側のエーペックス部8Uの外側面まで、タイヤ半径方向外側に向かってのびる。
又前記クリンチ主部9Uは、前記外片15oに隣接し又その外端Peを超えた後は外側のエーペックス部8Uに隣接するタイヤ軸方向内側の内側層9iと、タイヤ外側面TSをなす外側層9oとから形成される。そして、前記内側層9iを、複素弾性率E* 2が3.0〜6.0MPaの前記低弾性ゴム部31としている。なお前記内側層9iの外端のビードベースラインBLからの半径方向高さHcは、前記外片15oの高さHoの1.2〜2.0倍であるのが好ましい。又前記外側層9o及びベース部9Lは、本例では、複素弾性率E* 5が9.0〜15.0MPaの耐摩耗性に優れるゴムで形成される。
このように本発明では、前記内側ゴム20の第1の基準線X1上における厚さTiを、7.0〜13.0mmの範囲とし、従来よりも減じてビード部4をスリム化することにより軽量化を図っている。このとき、前記内側ゴム20及び外側ゴム30には低弾性ゴム部21、31が設けられ、かつこの低弾性ゴム部21、31が、前記外片15o及びその外端Peを、タイヤ軸方向の内外から被覆保護する。しかも前記低弾性ゴム部21の第1の基準線X1における厚さtiを、前記内側ゴム20の全厚さTiの0.9倍以上、かつ前記低弾性ゴム部31の第2の基準線X2における厚さtoを、前記外側ゴム30の全厚さToの0.4倍以上に高めている。
その結果、前記低弾性ゴム部21、31を設けたことに起因するビード変形の増大による弊害よりも、この低弾性ゴム部21、31が前記外片15o及びその外端Peを被覆保護して、前記外端Peに作用する剪断力を緩和分散させる効果の方が勝ることとなる。そのため、前記内側ゴム20の厚さTiを7.0〜13.0mmの範囲に減じてビード部4をスリム化した場合にも、前記外端Peを起点とするコードルース等の損傷を抑制することができ、ビード耐久性を高めることが可能となる。
なお前記複素弾性率E* 1,E* 2が、3.0MPa未満では、ビード変形が大となって剪断力の増大を招き、又6.0MPaを超えても剪断力の緩和分散効果に劣るなど、何れの場合もビード耐久性の向上効果が発揮されなくなる。なお前記複素弾性率E* 1、E* 2の差|E* 1−E* 2|は、3.0MPa以下であるのが、剪断力の緩和分散効果のために好ましく、さらには複素弾性率E* 1、E* 2を等しくするのがより好ましい。
又内側ゴム20の前記厚さTiが7.0mm未満、及び外側ゴム30の前記厚さToが5.0mm未満では、ビード変形が過大となって、低弾性ゴム部21、31を用いた場合にもビード耐久性の向上が見込めず、又操縦安定性にも不利となる。又前記厚さTiが13.0mmより大、及び前記厚さToが11.0mmより大では、軽量化が達成されない。このような観点から前記厚さTiでは、その下限値を9.0mm以上、上限値を15.0mm以下とするのがより好ましく、又前記厚さToでは、その下限値を10.0mm以上、上限値を13.0mm以下とするのがより好ましい。
又前記厚さの比ti/Tiが0.9未満、及び比to/Toが0.4未満では、剪断力の緩和分散効果が不充分となってビード耐久性の向上が達成できなくなる。前記比ti/Tiの上限値は1.0であり、例えば、内側のエーペックス部8Lを前記第1の基準線X1よりも半径方向内側に控えて形成することにより、前記比ti/Tiを1.0とすることもでき、又外側のエーペックス部8Uのみでビードエーペックスゴム8を形成することにより、前記比ti/Tiを1.0とすることもできる。
又前記厚さの比to/Toの上限値は、0.9以下が好ましい。
又前記内側ゴムの厚さTiと外側ゴムの厚さToとの比To/Tiを0.6〜0.9の範囲とするのが好ましく、これにより、外片15oの外端Peが曲げ変形時の応力の中立線に近づくため、外端Peに作用する応力を軽減するのに役立つ。
又本実施形態のタイヤ1では、前記ビードコア5の外面SUから5mmの距離を隔たるプライ本体部6a上の点Pjから、前記外片15oまでの距離Wが14〜20mmの範囲である。この距離Wが14mm未満では、ビード剛性が過小となって操縦安定性が不充分となり、逆に20mmを超えとビード部4が不必要に大型化して無駄な重量増加を招く。なおこの距離Wと、前記内側ゴム20の厚さTiとの比Ti/Wを0.5〜0.8の範囲とするのが、ビード剛性とスリム化とのバランスの観点から好ましい。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図1の構造をなしかつ表1の仕様を有する重荷重用タイヤ(11R22.5)を試作するとともに、各試供タイヤのビード耐久性をテストし評価した。なおビードワインド構造では、副部11の角度θは15°、距離Laは4.0mm、距離Lbは2.0mm、充填ゴム13の複素弾性率E* 3は6.0MPaで全て同仕様としている。又従来例は、図4に示す如く、カーカスのプライ折返し部をビードエーペックスゴムの外側面に沿ってU字に巻き上げた非ビードワインド構造とし、ビードエーペックスゴムのビードベースラインBLからの高さh2を65mm、プライ折返し部の高さを35mmとしている。

又各試供タイヤを形成する際のビードエーペックスゴムのゴム重量を、従来例を100とした指数で比較した。値が小なほど軽量である。
(1)ビード耐久性;
ドラム試験機を用い、タイヤをリム(7.50×22.5)、内圧(700kPa)、縦荷重(26.72kN×3)の条件下にて、速度30km/hで走行させ、ビード部に損傷が発生するまでの走行時間を、従来例を100とした指数で示した。値が大なほど耐久性に優れている。
Figure 0004843454
表の如く、実施例のタイヤは、ビード部をスリム化して軽量化を図りながら、ビード耐久性を高く確保しうるのが確認できる。
本発明の重荷重用タイヤの一実施例を示す断面図である。 ・ビード部のビードワインド構造を説明する拡大断面図である。 ビード部をビード補強層とともに説明する拡大断面図である。 表1の従来例のビード構造を示す断面図である。 ビードワインド構造の従来技術を説明する断面図である。
符号の説明
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6 カーカス
6A カーカスプライ
6a プライ本体部
6b プライ折返し部
8 ビードエーペックスゴム
9 クリンチゴム
10 主部
11 副部
15 ビード補強層
15A 曲線状部
15o 外片
15i 内片
20 内側ゴム
21 低弾性ゴム部
30 外側ゴム
31 低弾性ゴム部
X1 第1の基準線
X2 第2の基準線

Claims (5)

  1. トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至るプライ本体部と、該プライ本体部に連なりかつ前記ビードコアの廻りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返されたプライ折返し部とを有する1枚のカーカスプライからなるカーカスを具えた重荷重用タイヤであって、
    前記プライ折返し部は、ビードコアのタイヤ軸方向内側の内の側面とタイヤ半径方向内側の内面とタイヤ軸方向外側の外の側面とに沿って湾曲する主部、及び該主部に連なり前記ビードコアのタイヤ半径方向外側の外面の近傍を前記プライ本体部に向かって傾斜してのびる副部からなり、
    かつ前記ビード部に、前記プライ折返し部の主部に沿いその半径方向内方を通る曲線状部と、この曲線状部のタイヤ軸方向外側で前記主部と離れて半径方向外方に向かってタイヤ軸方向外側に傾斜する外片と、前記曲線状部のタイヤ軸方向内側で前記プライ本体部のタイヤ軸方向内側面に沿ってのびる内片とからなるビード補強層を設け、
    しかも前記外片の半径方向外端から、ビードベースラインまでの半径方向高さを25〜40mm、かつ前記ビードコアの外面から5mmの距離を隔たるプライ本体部上の点Pjから、前記外片までの距離を14〜20mmとするとともに、
    前記外片の半径方向外端において、前記プライ本体部と外片との間に介在する内側ゴムは、複素弾性率E* 1が3.0〜6.0MPaの低弾性ゴムからなりかつ前記外片に隣接する低弾性ゴム部を含み、しかも前記外片の半径方向外端を通りプライ本体部に直交する第1の基準線における前記内側ゴムの厚さTiを7.0〜13.0mm、かつ該第1の基準線における前記低弾性ゴム部の厚さtiとの比ti/Tiを0.9以上とする一方、
    前記外片の半径方向外端において、前記外片とタイヤ外側面と間に介在する外側ゴムは、複素弾性率E*2が3.0〜6.0MPaの低弾性ゴムからなりかつ前記外片に隣接する低弾性ゴム部を含み、しかも前記外片の半径方向外端を通りタイヤ外側面に直交する第2の基準線における前記外側ゴムの厚さToを5.0〜11.0mm、かつ該第2の基準線における前記低弾性ゴム部の厚さtoとの比to/Toを0.4以上としたことを特徴とする重荷重用タイヤ。
  2. 前記内側ゴムは、前記プライ本体部と前記外片との間を通って前記副部から半径方向外側にのびる断面三角形状のビードエーペックスゴムからなり、かつ前記外側ゴムは、少なくともビードベースラインから前記外片のタイヤ軸方向外側を通って半径方向外側にのびるリムずれ防止用のクリンチゴムからなることを特徴とする請求項1記載の重荷重用タイヤ。
  3. 前記内側ゴムの低弾性ゴム部の複素弾性率E* 1と、前記外側ゴムの低弾性ゴム部の複素弾性率E* 2との差|E* 1−E* 2|は、3.0MPa以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の重荷重用タイヤ。
  4. 前記ビードエーペックスゴムは、前記低弾性ゴム部のみからなることを特徴とする請求項2記載の重荷重用タイヤ。
  5. 前記内側ゴムの厚さTiと外側ゴムの厚さToとの比To/Tiは0.6〜0.9であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の重荷重用タイヤ。
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