JP4839497B2 - 半導体発光装置及び半導体発光装置の製造方法 - Google Patents

半導体発光装置及び半導体発光装置の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体発光装置及びその製造方法に関し、特には結晶面に対して傾斜させた表面を有するガリウム砒素等の化合物半導体基板を用いた半導体発光装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile disk)などの光学記録媒体に対する書き込み(記録)や読み取り(再生)に用いられる光学ピックアップ装置には、半導体発光装置(いわゆる半導体レーザ)が搭載されている。
【0003】
図10には、この半導体発光装置の一構成例を示す。この図に示す半導体発光装置は、例えばn型のGaAs(ガリウム−砒素)からなる基板101上に、ここでの図示を省略したバッファ層を介して、AlGaAs(アルミニウム−ガリウム−砒素)からなるn型の下部クラッド層102、AlGaAsからなる量子井戸構造の活性層103、AlGaAsからなるp型の上部クラッド層104を順次積層してなる多層膜パターンが設けられている。また、上部クラッド層104上には、p型のGaAsからなる一条の電流注入層105が、例えば絶縁領域106に挟まれるようにして図面の奥行き方向に延設され、これによって活性層103内に電流狭窄層(いわゆるストライプ)103aを形成している。また、電流注入層105の延設方向両端側における多層膜パターンの端面を劈開面とすることで、活性層103を共振器構造とし、ここで発生させたレーザ光が共振されて劈開面から取り出されるようになっている。
【0004】
このような構成の半導体発光装置においては、活性層103の劈開面付近における界面準位、熱ハケの悪さ、光密度の高さなどにより、この劈開面付近のバンドギャップが中央領域のバンドギャップよりも小さくなると言った問題がある。このため、ストライプ103aの中央付近で発生した発光光が劈開面付近で吸収され易く、多量の発熱や、最高発振出力の制限、さらには端面破壊を引き起こす要因になっていた。
【0005】
そこで、活性層103の劈開面付近のバンドギャップを上昇させる、いわゆる窓構造が提案されている。この窓構造を有する半導体発光装置は、バンドギャップの高い材料で多層膜パターンの劈開面側を埋め込んだ構成のものや、多層膜パターンの劈開面側端部に不純物を拡散させ、活性層103の超格子構造を壊してバンドギャップを上げた構成のものに二分される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような構成の窓構造を形成するには、工程が複雑になると共に、高精度のプロセス技術が必要とされるため、半導体発光装置の製造コストの増加や歩留まりの低下を招く要因になっている。
【0007】
例えば、赤色レーザ光を発振する半導体発光装置を形成する場合、劈開面付近の活性層に不純物としてZn(亜鉛)を拡散させる。ところが、Znは活性層内で非発光センサを作りやすく、発光領域に存在すると劣化の原因になり信頼性を損なう要因になる。このため、拡散させるZnの量は、劈開面付近ではバンドギャップを高めるために多めに設定されるものの、発光領域である活性層の中央領域にはほとんど拡散させてはならない。したがって、Znの拡散領域と拡散距離とを精密に制御するための高度なプロセス技術が必要とされるのである。
【0008】
そこで、本発明は、高度なプロセス技術を必要とすることなく簡便に窓構造を設けることが可能な半導体発光装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
このような目的を達成するための本発明の半導体発光装置は、結晶面に対して結晶方位[011]または[011 - ]方向に3度から15度程度傾斜させた表面を有する化合物半導体からなる基板の当該表面上に、AlGaInPまたはAlGaAsからなる下部クラッド層、AlGaInP,InGaPまたはAlGaAsからなる活性層及びAlGaInPまたはAlGaAsからなる上部クラッド層等が順次積層された多層膜パターンを設け、この上部に一条の電流注入層を設けたもので、基板の表面が、この基板上に成長させたエピタキシャル層をウェットエッチングによりエッチング除去してなる加工領域と、この加工領域の両側に位置する初期表面領域とを備えていることを特徴としている。そして、多層膜パターンは、電流注入層の延設方向の両端部が初期表面領域上に設けられ、中央部が加工領域上に設けられると共に、当該多層膜パターンにおける活性層での発光波長は、初期表面領域上よりも加工領域上の方が長い
【0010】
また、本発明の半導体発光装置の製造方法は、このような構成の半導体装置を製造する方法であり、次のように行うことを特徴としている。先ず、基板の表面上にマスクパターンを形成し、このマスクパターンで挟まれた当該基板の露出表面上にエピタキシャル層を成長させる。次に、エピタキシャル層をウェットエッチングによりエッチング除去することによって基板の表面に加工領域を形成し、マスクパターンを除去することによって加工領域の両側に基板の初期表面領域を露出させる。その後、この基板上に多層膜を形成し、この上部に加工領域上を横切って両脇の初期表面領域上にまで延設された電流注入層を形成する。
【0011】
このような構成の半導体発光装置では、電流注入層に沿って形成される活性層内のストライプの中央部が、加工領域上に形成された多層膜パターンの活性層部分によって構成され、同ストライプの両端部が初期表面領域上に形成された多層膜パターンの活性層部分によって構成されることになる。ここで、図5のグラフに示すように、初期表面領域上に形成された多層膜における活性層での発光波長λbと比較して、加工領域上に形成された多層膜における活性層での発光波長λaが長くなることが実験的にわかった。このことから、この半導体発光装置のストライプにおいては、加工領域上に形成された中央部分での発光波長が長く(つまりバンドギャップが小さく)、初期表面領域1b上に形成された両端部分での発光波長が短い(つまりバンドギャップが大きい)ことになる。したがって、この半導体発光装置は、窓構造を備えたものとなる。
【0012】
そして、本発明の製造方法では、加工領域上を横切って両脇の初期表面領域上に延設される状態で電流注入層が多層膜上に形成されるため、初期表面領域上において電流注入層の延設方向と交わるように当該電流注入層及び多層膜をパターニング(劈開)することで、初期表面領域上に電流注入層の延設方向端部が設けられた半導体発光装置が得られる。したがって、マスクパターンの形成、エピタキシャル層の形成、及びこれらのエッチング除去と言った簡便な工程を追加することのみによって、上記構成の窓構造を備えた半導体発光装置が得られることになる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の半導体発光装置及びその製造方法の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0014】
(第1実施形態)
図1乃至図4は、本発明の第1実施形態を説明するための図であり、以下にこれらの図を用いてその製造方法から順に説明を行う。
【0015】
先ず、図1(1)に示すように、例えばGaAsのような化合物半導体からなるn型の基板1を用意する。この基板1は、GaAsの結晶面に対して傾斜角(OFF角)を持たせた表面を有するいわゆるOFF基板であることとする。ここでは、GaAsの(001)面を結晶方位[011]または[011-]{ただし(−)は反転を意味する論理否定記号であることとする}方向に3度から15度程度、好ましくは10度のOFF角を持たせた表面を有するOFF基板を用いることとする。
【0016】
そして、この基板1の表面上に、酸化シリコン系材料や窒化シリコン系材料からなるマスクパターン2を形成する。このマスクパターン2は、ここで形成される半導体発光装置のストライプと垂直に交わる方向に延設されるように設けられ、基板1上に成膜させた酸化シリコン系膜または窒化シリコン系膜をパターニングすることによって形成されることとする。尚、ここで、半導体発光装置のストライプは、基板1の結晶方位の傾斜方向に対して垂直を成す方向に延設されることとする。したがって、マスクパターン2は、基板1の結晶方位の傾斜方向に延設されることになる。
【0017】
次に、図1(2)に示すように、例えば有機金属気相エピタキシャル成長法(MOVPE:Metal Organic Vapor Phase Epitaxial growth)などのエピタキシャル成長法によって、基板1の露出表面上に選択的に、数μmの膜厚のエピタキシャル層3を成長させる。このエピタキシャル層3は、GaAs、AlGaAsまたはAlGaInP(アルミニウム−ガリウム−インジウム−リン)など、基板1上にエピタキシャル成長可能な材料層であれば良い。
【0018】
その後、図1(3)に示すように、前の工程で形成したエピタキシャル層(3)をエッチング除去することで基板1表面を露出させ、これによって基板1表面にエピタキシャル層をエッチング除去してなる加工領域1aを形成する。この際、エピタキシャル層(3)がAlGaAsまたはAlGaInPからなる場合には、例えば硫酸系のエッチング液またはフッ酸系のエッチング液を用いた選択エッチングを行う。また、エピタキシャル層(3)がp型のGaAsからなる場合には、フェリシアン化カリウム/水酸化カリウム溶液をエッチング液として用いた選択エッチングを行う。さらに、エピタキシャル層(3)がn型のGaAsからなる場合には、アンモニア系のエッチング液を用いてエッチング時間を制御したエッチングを行うこととする。
【0019】
次いで、図1(4)に示すように、基板1表面からマスクパターン(2)をエッチング除去し、基板1表面に初期表面領域1bを露出させる。尚、マスクパターンが酸化シリコンからなり、かつエピタキシャル層のエッチング除去においてフッ酸系のエッチング液を用いた場合には、エピタキシャル層のエッチング除去工程においてマスクパターンも同時にエッチング除去されることになる。
【0020】
以上によって、図2の平面図に示すように、基板1の表面には、エピタキシャル層(3)のエッチング除去によって得られた加工領域1aと、マスクパターン(2)によって保護されていた初期表面領域1bとが、交互に配置された状態になる。尚、図2のA−A’断面が、図1(4)に相当する。
【0021】
ここで、図2中の二点鎖線aに示す領域が、引き続き行われる以下の工程で形成される導体発光装置1個分の領域になる。そして、加工領域1aと初期表面領域1bとの延設方向に交わる方向に、半導体発光装置のストライプ予定部bが配置される。また、図中矢印cの延長線、すなわち初期表面領域1bの中央付近が、将来的に半導体発光装置の端面、すなわち劈開予定面となる。
【0022】
以上の後、加工領域1aと初期表面領域1bとを有する基板1上に、例えばここでは図示を省略したn型GaAsとn型InGaP(インジウム−ガリウム−リン)を順次積層させてなるバッファ層を形成する。そして、図3(図2のA−A’断面に相当する)及び図4(図2のB−B’断面に相当する)に示すように、上述のバッファ層(図示省略)を介して、基板1上に、例えばAlGaInPからなるn型の下部クラッド層5、単層または多層のAlGaInP(またはInGaP)からなる量子井戸構造(発光波長領域650nm帯域)の活性層6、AlGaInPからなるp型の上部クラッド層7、及びGaAsからなるp型のキャップ層8を順次積層させた多層膜を形成する。また、必要に応じて、下部クラッド層5と活性層6との間にはこれらの中間組成のガイド層を設け、活性層6と上部クラッド層7との間にはこれらの中間組成のガイド層を設けることとする。また、これらの各層の成膜は、例えばMOVPEなどのエピタキシャル成長法によって行われることとする。
【0023】
次に、レジストパターンによってキャップ層8の電流注入層8aとなる部分を保護した状態で、キャップ層8の表面からp型のクラッド層7の途中の深さまでイオン注入によって不純物を導入する。これによって、不純物の導入部に絶縁領域9を形成し、キャップ層8をパターニングしてなる電流注入層8aを形成する。この電流注入層8aは、図2に示したストライプ予定部bに沿って複数条設けられ、これによって、各半導体発光装置領域a(図2参照)の活性層6内に一条のストライプ6aが形成される。このストライプ6aは、基板1表面の加工領域1aと初期表面領域1bとの延設方向に交わる方向に延設されることになる。
【0024】
以上の後、ここでの図示は省略したが、電流注入層8aに接続させる状態でTi(チタン)/Pt(プラチナ)/Au(金)のようなp型の電極を形成し、さらにn型の基板1に接続させる状態でAuGe(金−ゲルマニウム)/Ni(ニッケル)/Au(金)のようなn型の電極を形成する。また、基板1上に形成された複数条の電流注入層8aを1条ずつに分割する状態で、上記電極及び各層5〜7をパターニングすると共に基板1を分離分割する。
【0025】
次に、初期表面領域1b中央の各劈開線cにおいて、電流注入層(8a)及びストライプ(6a)の延設方向と交わる方向に基板1及びその上部の劈開させ、各層5〜7をパターニングしてなる多層膜パターンPを形成し、これによってAlGaInP系の4元系材料からなる各半導体発光装置を完成させる。
【0026】
このようにして得られた半導体発光装置は、ストライプ6aの両端側となる劈開面付近が初期表面領域1b上に形成され、中央付近が加工領域1a上に形成されたものになる。
【0027】
ここで、図5には、上記第1実施形態と同様のAlGaInP系の各半導体発光装置の多層膜(5〜7)における活性層6でのフォトルミネッセンスの発光波長の測定結果を示す。この図において、A部は、加工領域上に直接形成された多層膜における活性層の各部の発光波長を示す。また、B部は、加工領域に隣接させて残したエピタキシャル層上の多層膜における活性層の各部の発光波長を示す。
【0028】
この図に示すように、加工領域上に形成された多層膜(A部)における活性層の発光波長λaは、666nm程度になる。これは、基板の初期表面領域上に形成された多層膜における発光波長λb=656nmと比較して、10nm程度大きな値になっていることがわかる。つまり、加工領域上には、初期表面領域上よりも発光波長が長くバンドギャップが小さい多層膜が形成されることになる。
【0029】
このことから、第1実施形態の半導体発光装置のストライプ6aにおいては、加工領域1a上に形成された中央部の発光波長が長く(つまりバンドギャップが小さく)、初期表面領域1b上に形成された両端部の発光波長が短い(つまりバンドギャップが大きい)ことになる。したがって、この半導体発光装置は、窓構造を備えたものとなる。
【0030】
すなわち、第1実施形態によれば、高精度のプロセスを追加することなく、ラフな位置合わせによるマスクパターンの形成、エピタキシャル層の形成、さらにはこれらのエッチング除去と言った簡便な工程の追加のみによって窓構造を有する半導体発光装置を得ることが可能になる。
【0031】
尚、第1実施形態においては、図1(2)で形成したエピタキシャル層3を全てエッチング除去したが、このエピタキシャル層3は部分的に残してエッチングしても良い。例えば、図6に示すように、ストライプ予定部bの両脇となる基板1上部分にエピタキシャル層3を残しても良い。このようにした場合、劈開予定線c付近上のエピタキシャル層3部分を除去することで、後の劈開工程において、劈開個所を認識し易くなる。
【0032】
(第2実施形態)
図7乃至図8は、本発明の第2実施形態を説明するための図である。ここでは、異なる波長の半導体レーザ(第1レーザ及び第2レーザ)を1チップ上に搭載してなる半導体発光装置に本発明を適用した実施形態を、その製造方法から順に説明する。尚、各図における断面図は、平面図におけるA−A’断面になる。また、第1実施形態と同様の部分には同一の符号を付して説明を行うこととする。
【0033】
先ず、図7(1)に示すように、第1実施形態と同様のn型のGaAsからなるOFF基板(基板)1を用意し、この基板1の表面上に、酸化シリコン系材料または窒化シリコン系材料からなるマスクパターン2’(平面図のみに図示)を形成する。ここで、図中の二点鎖線aに示す領域を、引き続き行われる以下の工程で形成される半導体発光装置1個分の領域とした場合、この半導体発光装置領域a内に、半導体発光装置の2条のストライプ予定部bと一対のマスクパターン2’を配置することとする。これらのマスクパターン2’は、2条のストライプ予定部bのうちの一方が配置される部分上において、互いに所定間隔を隔てた状態で半導体発光装置領域aの両端に設けられることとする。尚、このマスクパターン2’は、基板1上に成膜させた酸化シリコン系膜または窒化シリコン系膜をパターニングすることによって形成される。
【0034】
次に、基板1の露出表面上に、例えばMOVPEなどのエピタキシャル成長法によって、選択的にn型のAlGaAsからなるエピタキシャル層3’を成長させる。このエピタキシャル層3’は、第1下部クラッド層を兼ねるものであり、必要に応じて、n型のAlGaAsの下地に、n型のAlGaAsからなるバッファ層をエピタキシャル成長させた積層構造にしても良い。
【0035】
その後、図7(2)に示すように、マスクパターン2’(平面図のみに図示)及びエピタキシャル層3’を覆う状態で、基板1上に、例えばMOVPEなどのエピタキシャル成長法によって、単層または多層のAlGaAsからなる量子井戸構造(発振波長780nm帯域)の第1活性層16、AlGaAsからなるp型の第1上部クラッド層17、及びGaAsからなるp型の第1キャップ層18を順次積層させる。また、必要に応じて、エピタキシャル層3’と第1活性層16との間にはこれらの中間組成のガイド層を設け、第1活性層16と第1上部クラッド層17との間にはこれらの中間組成のガイド層を設けることとする。
【0036】
次に、7(3)に示すように、第1レーザとして残す領域上にレジストパターン(図示省略)を形成し、これをマスクに用いた硫酸系の無選択エッチング、及びフッ酸系のAlGaAs選択エッチングなどのウェットエッチングにより、第1レーザ領域以外の領域において第1キャップ層18〜エピタキシャル層3’までの各層及びマスクパターン(2’)をエッチング除去する。これによって、AlGaAsのような3元系材料を用いた第1多層膜パターンP1を形成する。
【0037】
この第1多層膜パターンP1は、半導体発光装置領域に配置される2条のストライプ予定部bのうちのマスクパターン(2’)上に配置された1条を露出させる状態で設けられる。
【0038】
これによって、第2レーザを形成する領域の基板1表面を露出させる。この際、基板1の露出表面には、エピタキシャル層(3’)のエッチング除去によって得られた加工領域1aと、マスクパターン(2’)によって保護されていた初期表面領域1b(平面図のみに図示)とが、ストライプ予定部bの延設方向に沿って交互に配置されることになる。
【0039】
次に、第1多層膜パターンP1を覆う状態で、GaAs上にInGaPを積層させてなるn型のバッファ層(図示省略)を形成する。次いで、図8(1)に示すように、このバッファ層を介して、基板1上に、例えばAlGaInPからなるn型の第2下部クラッド層25、単層または多層のAlGaInP(またはInGaP)からなる量子井戸構造(発振波長650nm帯域)の第2活性層26、AlGaInPからなるp型の第2上部クラッド層27、及びGaAsからなるp型の第2キャップ層28を順次積層させ、4元系材料を用いた第2多層膜(以上、断面図のみに図示)を形成する。また、必要に応じて、第2下部クラッド層25と第2活性層26との間にはこれらの中間組成のガイド層を設け、第2活性層26と第2上部クラッド層27との間にはこれらの中間組成のガイド層を設けることとする。これらの各層の形成は、例えばMOVPE法のようなエピタキシャル成長法によって行う。
【0040】
しかる後、第2多層膜の第2レーザとして残す領域上にレジストパターン(図示省略)を形成し、これをマスクに用いた硫酸系のキャップエッチング、リン酸塩酸系の4元選択エッチング、塩酸系の分離エッチング等のウェットエッチングにより、第2レーザ領域以外の領域の第2多層膜部分をエッチング除去する。これによって、第1多層膜パターンP1間に、これら第1多層膜パターンP1に対して分離させた第2多層膜パターンP2を形成する。
【0041】
次に、図8(2)に示すように、レジストパターン(図示省略)によって第1多層膜パターンP1及び第2多層パターンP2の電流注入領域となる部分を保護した状態で、第1キャップ層18及び第2キャップ層28の表面から第1上部クラッド層17、及び第2上部クラッド層27の途中の深さまでイオン注入によって不純物を導入する。これによって、不純物の導入部に絶縁領域19,29を形成し、第1キャップ層18をパターニングしてなる第1電流注入層18a、及び第2キャップ層28をパターニングしてなる第2電流注入層28aを形成する。これらの電流注入層18a,28aは、図7(1)に示したストライプ予定部b上に沿って設けられ、これによって、第1活性層16内に一条のストライプ16aが形成され、第2活性層26内に一条のストライプ26aが形成される。これらのストライプ16a,26aは、基板1表面の加工領域1aと初期表面領域(1b)とを交互に横切る方向に延設されることになる。特に、第2活性層26内のストライプ26aは、加工領域1a上と初期表面領域(1b)上とを交互に横切るように延設される。
【0042】
以上の後、ここでの図示は省略したが、第1実施形態と同様に、電流注入層8a,18aに接続させる状態でTi/Pt/Auのようなp型の電極を形成し、さらにn型の基板1に接続させる状態でAuGe/Ni/Auのようなn型の電極を形成する。
【0043】
次に、隣り合わせて設けられた第1多層パターンP1と第2多層パターンP2とを一組にして、基板1を分割する。
【0044】
その後、図8(2)のB−B’断面に相当する図9に示すように、電流注入層18a,28aの延設方向と交差し、かつ初期表面領域1b(図2参照)の中央を通る劈開線cにおいて、基板1、第2多層膜パターンP2及びここでの図示を省略した第1多層膜パターン(P1)を劈開して各半導体発光装置を完成させる。
【0045】
このようにして得られた半導体発光装置は、図8(2)の断面図及び図9に示すように、第1活性層16を備えた第1レーザと、この第1活性層16とは組成の異なる第2活性層26を備えた第2レーザとを有する2波長レーザになる。
【0046】
ここで特に、第2レーザは、第2活性層26内のストライプ26aの両端側となる劈開面付近が初期表面領域1b上に形成され、中央付近が加工領域1a上に形成されたものになる。このため、この第2レーザは、第1実施形態の半導体発光装置と同様に、窓構造を有するものとなる。
【0047】
したがって、この第2実施形態によれば、高精度のプロセスを追加することなく、ラフな位置合わせによるマスクパターンの形成、エピタキシャル層の形成、さらにはこれらのエッチング除去と言った簡便な工程の追加のみによって第2レーザに窓構造を設けてなる、2波長の半導体発光装置を得ることができる。また、特に安定した発光光を取り出しにくい4元系(AlGaInP)の第2レーザに窓構造を設けたことで、この第2レーザからも安定した発光光を得ることが可能になる。
【0048】
尚、第2実施形態においては、第1レーザを構成する第1多層膜パターンP1と、第2レーザを構成する第2多層膜パターンP2とを、一定幅を有する直線条のラインパターンとして示した。しかし、これらのパターンP1、P2の形状は、直線条のラインパターンに限定されることはなく、必要に応じて幅の狭いくびれ部などを形成しても良い。
【0049】
また、第2実施形態においては、本発明を2波長の半導体発光装置に適用した場合を説明したが、本発明は、同一波長の半導体レーザが複数搭載された半導体装置や、アレイレーザ等の他の複合レーザにも適用可能であり、同様の効果を得ることができる。
【0050】
さらに、上記各実施形態においては、GaAsからなるOFF基板を用いた場合を例示したが、本発明はこれに限定されることはなく、他の化合物半導体、例えばガリウムナイトライド(GaN)からなるOFF基板を用いた場合にも適用可能であり、同様の効果を得ることができる。ただし、この場合、クラッド層や活性層などの材質及びこれらのパターニングの際に用いられるエッチング液等は、適宜選択されたものを用いることとする。
【0051】
【発明の効果】
以上本発明の半導体発光装置及びその製造方法によれば、OFF基板の表面にエピタキシャル層をエッチング除去してなる加工領域を設けてその両側に初期表面領域を配置し、加工領域の上部にストライプの中央付近が配置される構成を採用することによって、高精度のプロセスを追加することなく、ラフな位置合わせによるマスクパターンの形成、エピタキシャル層の形成、さらにはこれらのエッチング除去と言った簡便な工程の追加のみによって窓構造を有する半導体発光装置を得ることが可能になる。この結果、窓構造を有する半導体発光装置の歩留まりの向上及び製造コストの削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態を説明するための断面工程図である。
【図2】第1実施形態を説明するための平面図である。
【図3】第1実施形態を説明するための断面図(その1)である。
【図4】第1実施形態を説明するための断面図(その2)である。
【図5】本発明の効果を説明する図である。
【図6】第1実施形態の変形例を示す平面図である。
【図7】第2実施形態を説明するための工程図(その1)である。
【図8】第2実施形態を説明するための工程図(その2)である。
【図9】第2実施形態を説明するための断面図である。
【図10】従来の半導体発光装置の一例を説明する断面図である。
【符号の説明】
1…基板、1a…加工領域、1b…初期表面領域、2,2’…マスクパターン、3,3’…エピタキシャル層、5…下部クラッド層、6…活性層、7…上部クラッド層、8a…電流注入層、16…第1活性層、17…第1上部クラッド層、18a…第1電流注入層、25…第2下部クラッド層、26…第2活性層、27…第2上部クラッド層、28a…第2電流注入層、P…多層膜パターン、P1…第1多層膜パターン、P2…第2多層膜パターン

Claims (6)

  1. 結晶面に対して結晶方位[011]または[011 - ]方向に3度から15度程度傾斜させた表面を有する化合物半導体からなる基板と、
    AlGaInPまたはAlGaAsからなる下部クラッド層、AlGaInP,InGaPまたはAlGaAsからなる活性層及びAlGaInPまたはAlGaAsからなり、前記下部クラッド層と異なる導電型の上部クラッド層が前記基板上に順次積層された多層膜パターンと、
    前記多層膜パターン上に設けられた一条の電流注入層とを備えてなる半導体発光装置において、
    前記基板の表面は、前記基板上に成長させたエピタキシャル層をウェットエッチングによりエッチング除去してなる加工領域と、前記加工領域の両側に位置する初期表面領域とを備え、
    前記多層膜パターンは、前記電流注入層の延設方向の両端部が前記初期表面領域上に設けられ、中央部が前記加工領域上に設けられると共に、前記多層膜パターンにおける前記活性層での発光波長は、前記初期表面領域上よりも前記加工領域上の方が長い
    半導体発光装置。
  2. 記電流注入層の両脇における前記基板上に、前記エピタキシャル層が残されてい
    求項1記載の半導体発光装置。
  3. 記エピタキシャル層を第2の下部クラッド層とし、この上部に前記活性層とは異なる組成の第2の活性層、前記エピタキシャル層と異なる導電型の第2の上部クラッド層が順次積層された第2の多層膜パターンと、
    前記電流注入層と平行に前記第2の多層膜パターン上に設けられた第2の電流注入層とを備え
    求項2記載の半導体発光装置。
  4. 結晶面に対して結晶方位[011]または[011 - ]方向に3度から15度程度傾斜させた表面を有する化合物半導体からなる基板の当該表面上にマスクパターンを形成し、前記マスクパターンで挟まれた前記基板の露出表面上にエピタキシャル層を成長させる工程と、
    前記エピタキシャル層をウェットエッチングによりエッチング除去することによって、前記基板の表面に前記エピタキシャル層をエッチング除去してなる加工領域を形成する工程と、
    前記マスクパターンを除去することによって前記加工領域の両側に前記基板の初期表面領域を露出させる工程と、
    前記基板上にAlGaInPまたはAlGaAsからなる下部クラッド層、AlGaInP,InGaPまたはAlGaAsからなる活性層、AlGaInPまたはAlGaAsからなり、前記下部クラッド層と異なる導電型の上部クラッド層が順次積層された多層膜を形成する工程と、
    前記多層膜上に、前記加工領域上を横切る状態で前記加工領域の両脇の前記初期表面領域上にまで延設された電流注入層を形成する工程と、を行
    導体発光装置の製造方法。
  5. 記エピタキシャル層をエッチング除去する工程では、前記電流注入層の両脇になる部分に当該エピタキシャル層を残
    求項4記載の半導体発光装置の製造方法。
  6. 結晶面に対して結晶方位[011]または[011 - ]方向に3度から15度程度傾斜させた表面を有する化合物半導体からなる基板の当該表面上に一対のマスクパターンを形成する工程と、
    前記マスクパターンが形成された前記基板上に、AlGaInPまたはAlGaAsからなり、第1下部クラッド層となるエピタキシャル層、AlGaInP,InGaPまたはAlGaAsからなる第1活性層、AlGaInPまたはAlGaAsからなり、前記エピタキシャル層と異なる導電型の第1上部クラッド層が順次積層された第1多層膜を形成する工程と、
    前記マスクパターン上及び前記マスクパターン間の前記第1多層膜をウェットエッチングによりエッチング除去することによって、第1多層膜パターンを形成すると共に前記マスクパターン間における前記基板の表面に前記エピタキシャル層をエッチング除去してなる加工領域を形成する工程と、
    前記マスクパターンを除去することによって前記加工領域の両側に前記基板の初期表面領域を露出させる工程と、
    前記基板上にAlGaInPまたはAlGaAsからなる第2下部クラッド層、AlGaInP,InGaPまたはAlGaAsからなり、かつ前記第1活性層と異なる組成の第2活性層及びAlGaInPまたはAlGaAsからなり、前記第2下部クラッド層と異なる導電型の第2上部クラッド層が積層された第2多層膜を形成する工程と、
    前記初期表面領域上及び前記加工領域上に前記第2多層膜を残し前記第1多層膜パターン上の前記第2多層膜をエッチング除去することによって第2多層膜パターンを形成する工程と、
    前記第1多層パターン上及び第2多層膜パターン上に、前記加工領域を横切る状態で当該加工領域の両脇の前記初期表面領域上にまで延設された電流注入層を形成する工程とを行う
    半導体発光装置の製造方法。
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