JP4834378B2 - 定着方法、画像形成方法、定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

定着方法、画像形成方法、定着装置及び画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4834378B2
JP4834378B2 JP2005316041A JP2005316041A JP4834378B2 JP 4834378 B2 JP4834378 B2 JP 4834378B2 JP 2005316041 A JP2005316041 A JP 2005316041A JP 2005316041 A JP2005316041 A JP 2005316041A JP 4834378 B2 JP4834378 B2 JP 4834378B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fixing
roller
belt
oil
toner image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005316041A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007121823A (ja
Inventor
啓介 窪田
輝章 三矢
貴志 鈴木
芳博 園原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2005316041A priority Critical patent/JP4834378B2/ja
Priority to US11/554,343 priority patent/US20080170896A1/en
Publication of JP2007121823A publication Critical patent/JP2007121823A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4834378B2 publication Critical patent/JP4834378B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G11/00Selection of substances for use as fixing agents
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/20Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat
    • G03G15/2003Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat
    • G03G15/2014Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat using contact heat
    • G03G15/2017Structural details of the fixing unit in general, e.g. cooling means, heat shielding means
    • G03G15/2025Structural details of the fixing unit in general, e.g. cooling means, heat shielding means with special means for lubricating and/or cleaning the fixing unit, e.g. applying offset preventing fluid
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G2215/00Apparatus for electrophotographic processes
    • G03G2215/20Details of the fixing device or porcess
    • G03G2215/2093Release agent handling devices

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Fixing For Electrophotography (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は、表面にトナー像が記録された記録部材に定着ベルト等の加熱部材を圧接せしめてトナー像を記録部材に定着せしめる定着方法や、これを用いる画像形成方法に関するものである。また、かかる定着方法を用いる定着装置や画像形成装置に関するものである。
従来、トナー像を形成する複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置においては、定着装置により、トナー像を記録紙等の記録部材に定着せしめることが一般に行われる。かかる定着装置としては、特許文献1に記載のものが知られている。この定着装置は、おもて面にフッ素樹脂からなる表面層が形成された定着ベルトを、定着ローラと加熱ローラとによって張架するとともに、ベルトおもて面に接触させた加熱ローラを定着ベルトに向けて押圧して定着ニップを形成している。また、定着ベルトを定着ローラの回転駆動に伴って無端移動せしめながら加熱ローラによって加熱する。そして、定着ニップ内に送り込まれた記録紙等の記録部材を加圧しながら定着ベルトによって加圧して、記録部材の表面にトナー像を定着せしめる。定着ニップを通過した記録部材は、定着ベルトや加圧ローラから分離されて次工程に送られるが、分離の際に、表面のトナー像を定着ベルトに転位させてしまうオフセットという現象を引き起こすことがある。そこで、塗布ローラにより、離型促進液たるシリコーンオイルを定着ベルトのおもて面に塗布することで、定着ベルトからのトナーの離型性を高めて、トナー像のオフセットを抑えている。
かかる構成の定着装置において、ベルト部材に塗布するシリコーンオイルとしては、次の(3)の化学式で表される安価なジメチルシリコーンオイルを用いるのが一般的である。
Figure 0004834378
しかしながら、このジメチルシリコーンオイルは、定着ベルトのフッ素樹脂からなる表面層との親和性が悪く、表面層上で良好に濡れ広がらないために、局所的なオフセットを発生させてしまうことがある。よって、オフセットを良好に抑えることができなかった。
一方、ベルト部材に塗布するシリコーンオイルとしては、次の(4)の化学式で表されるアミノ基含有オルガノポリシロキサンと、次の(5)の化学式で示されるアミノ基含有オルガノポリシロキサンとを主成分とするアミノ変性シリコーンオイルが知られている。
Figure 0004834378
このアミノ変性シリコーンオイルは、定着ベルトのフッ素樹脂からなる表面層上で良好に濡れ広がって、オフセットを良好に抑えることができる。
特開2002−162859号公報
ところが、このアミノ変性シリコーンオイルは、ジメチルシリコーンオイルに比べて高価であるため、コスト高になるという欠点があった。
本発明は、以上の背景に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、次のような定着方法や画像形成方法を提供することである。即ち、記録部材を加熱する定着ベルト等の加熱部材へのトナー像のオフセットを安価且つ良好に抑えることができる定着方法等である。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、無端状のベルト部材を複数の張架部材によって張架しながら無端移動せしめる工程と、無端移動する該ベルト部材を加圧する工程と、該ベルト部材からのトナーの離型性を促進するために、無端移動する該ベルト部材のおもて面に離型促進液を塗布する工程と、表面にトナー像が記録された記録部材に加熱後且つ離型促進液塗布後の加熱部材たる該ベルト部材を圧接せしめる工程と、該おもて面から該記録部材を剥離する工程とを実施して、該記録部材に該トナー像を定着せしめる定着方法において、上記ベルト部材として、ポリイミドからなるベルト基体のおもて面側に、弾性材料からなる弾性層と、フッ素樹脂からなる表面層とを設けたものを用いるとともに、上記離型促進液として、
Figure 0004834378
上記(1)の化学式で表されるジメチルポリシロキサンと、上記(2)の化学式で表されるアミノ基含有ジメチルポリシロキサンとが混合されたものを用いることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の定着方法であって、上記離型促進液が、上記ジメチルポリシロキサンと、上記アミノ基含有ジメチルポリシロキサンとの混合物の100重量部あたりに、0.5〜10重量部の該アミノ基含有ジメチルポリシロキサンを含有することを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の定着方法であって、上記離型促進液の25[℃]における粘度が1×10−5〜1×10−2[m/sec]であることを特徴とするものである
た、請求項の発明は、請求項1乃至3の何れかの定着方法において、上記ベルト部材のおもて面に上記離型促進液を0.0016[mg/cm]以上、0.0192[mg/cm]未満の塗布量で塗布することを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項1乃至4の何れかの定着方法において、上記ベルト部材の裏面に裏面側ローラを当接させながら、該裏面側ローラよりも高硬度の加圧ローラを該ベルト部材のおもて面に当接させて該裏面側ローラに向けて押圧して、該ベルト部材と該加圧ローラとが当接し且つその当接面の断面が該裏面側ローラに向けて窪む形状となる定着ニップを形成し、該定着ニップに上記記録部材を挟み込むことで、該記録部材の表面に該ベルト部材を圧接せしめることを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項の定着方法において、上記加圧ローラとして、フッ素ゴムからなる表面層が被覆されたものを用いることを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、記録部材にトナー像を記録する記録工程と、該記録部材に該トナー像を定着せしめる定着工程とを実施する画像形成方法において、上記定着工程にて、請求項1乃至6の何れかの定着方法によって記録部材にトナー像を定着させることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、トナー像を担持している記録部材に対して該トナー像を定着せしめる定着装置において、 請求項1乃至6の何れかの定着方法によって記録部材にトナー像を定着せしめることを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、記録部材にトナー像を形成するトナー像形成手段と、該記録部材に該トナー像を定着せしめる定着装置とを備える画像形成装置において、上記定着装置として、請求項8の定着装置を用いたことを特徴とするものである。
本発明者らは、実験により、従来から一般的に用いられている安価なジメチルポリシロキサン(上記(1)の化学式)に、上記(2)の化学式で表されるアミノ基含有ジメチルポリシロキサンを少量混合した離型促進液を加熱部材に塗布することで、上述した高価なアミノ変性シリコーンオイル(上記(4)+上記(5))と同様に、加熱部材へのトナー像のオフセットを良好に抑え得ることを見出した。この離型促進液は、安価なジメチルポリシロキサンに高価なアミノ基含有ジメチルポリシロキサンを少量混合したものであり、成分中の殆どが高価なアミノ基含有オルガノポリシロキサンからなる上述のアミノ変性シリコーンオイル(上記(4)+上記(5))に比べて、安価である。よって、本発明においては、記録部材を加熱する定着ベルト等の加熱部材へのトナー像のオフセットを安価に且つ安定して抑えることができる。
以下、本発明を、電子写真方式の複写機(以下、単に複写機という)を用いて画像を形成する画像形成方法に適用した一実施形態について説明する。
まず、本実施形態に係る画像形成方法に用いる複写機の基本的な構成について説明する。図1は、同複写機を示す概略構成図である。この複写機は、プリンタ部1と、白紙供給装置40と、原稿搬送読取ユニット100とを備えている。原稿搬送読取ユニット100は、プリンタ部1の上に固定された原稿読取装置たるスキャナ110と、これに支持される原稿搬送装置たるADF120とを有している。
白紙供給装置40は、ペーパーバンク41内に多段に配設された2つの給紙カセット42、給紙カセットから転写紙を送り出す送出ローラ43、送り出された転写紙を分離して給紙路44に供給する分離ローラ対45等を有している。また、プリンタ部1の給紙路37に転写紙を搬送する複数の搬送ローラ対47等も有している。そして、給紙カセット内の転写紙をプリンタ部1内の給紙路37内に給紙する。
図2は、プリンタ部1の内部構成の一部を拡大して示す部分拡大構成図である。プリンタ部1は、光書込装置2や、K,Y,M,C色のトナー像を形成する4つのプロセスユニット3K,Y,M,C、転写ユニット24、紙搬送ユニット28、レジストローラ対33、定着装置50、スイッチバック装置36、給紙路37等を備えている。そして、光書込装置2内に配設された図示しないレーザーダイオードやLED等の光源を駆動して、ドラム状の4つの感光体4K,Y,M,Cに向けてレーザー光Lを照射する。この照射により、感光体4K,Y,M,Cの表面には静電潜像が形成され、この潜像は所定の現像プロセスを経由してトナー像に現像される。なお、符号の後に付されたK,Y,M,Cという添字は、ブラック,イエロー,マゼンタ,シアン用の仕様であることを示している。
プロセスユニット3K,Y,M,Cは、それぞれ、感光体とその周囲に配設された各種装置とを1つのユニットとして共通の支持体に支持するものであり、プリンタ部1本体に対して着脱可能になっている。ブラック用のプロセスユニット3Kを例にすると、これは、感光体4Kの他、これの表面に形成された静電潜像をブラックトナー像に現像するための現像装置6Kを有している。また、後述するK用の1次転写ニップを通過した後の感光体4K表面に付着している転写残トナーをクリーニングするドラムクリーニング装置15なども有している。上記複写機は、図示のように、4つのプロセスユニット3K,Y,M,Cを、後述する中間転写ベルト25に対してその無端移動方向に沿って並べるように対向配設したいわゆるタンデム型の構成になっている。
図3は、4つのプロセスユニット3K,Y,M,Cからなるタンデム部の一部を示す部分拡大図である。なお、4つのプロセスユニット3K,Y,M,Cは、それぞれ使用するトナーの色が異なる他はほぼ同様の構成になっているので、同図においては各符号に付すK,Y,M,Cという添字を省略している。同図に示すように、プロセスユニット3は、感光体4の周りに、帯電装置23、現像装置6、ドラムクリーニング装置15、除電ランプ22等を有している。
感光体4としては、アルミニウム等の素管に、感光性を有する有機感光材の塗布による感光層を形成したドラム状のものを用いている。但し、無端ベルト状のものを用いても良い。
現像装置6は、図示しない磁性キャリアと非磁性トナーとを含有する二成分現像剤を用いて潜像を現像するようになっている。内部に収容している二成分現像剤を攪拌しながら搬送して現像スリーブ12に供給する攪拌部7と、現像スリーブ12に担持された二成分現像剤中のトナーを感光体4に転移させるための現像部11とを有している。
攪拌部7は、現像部11よりも低い位置に設けられており、互いに平行配設された2本の搬送スクリュウ8、これらスクリュウ間に設けられた仕切り板、現像ケース9の底面に設けられたトナー濃度センサ10などを有している。
現像部11は、現像ケース9の開口を通して感光体4に対向する現像スリーブ12、これの内部に回転不能に設けられたマグネットローラ13、現像スリーブ12に先端を接近させるドクターブレード14などを有している。現像スリーブ12は、非磁性の回転可能な筒状になっている。マグネットローラ12は、ドクターブレード14との対向位置からスリーブの回転方向に向けて順次並ぶ複数の磁極を有している。これら磁極は、それぞれスリーブ上の二成分現像剤に対して回転方向の所定位置で磁力を作用させる。これにより、攪拌部7から送られてくる二成分現像剤を現像スリーブ13表面に引き寄せて担持させるとともに、スリーブ表面上で磁力線に沿った磁気ブラシを形成する。
磁気ブラシは、現像剤担持体たる現像スリーブ12の回転に伴ってドクターブレード14との対向位置を通過する際に適正な層厚に規制されてから、感光体4に対向する現像領域に搬送される。そして、現像スリーブ12に印加される現像バイアスと、感光体4の静電潜像との電位差によってトナーを静電潜像上に転移させて現像に寄与する。更に、現像スリーブ12の回転に伴って再び現像部11内に戻り、マグネットローラ13の磁極間に形成される反発磁界の影響によってスリーブ表面から離脱した後、攪拌部7内に戻される。攪拌部7内には、トナー濃度センサ10による検知結果に基づいて、二成分現像剤に適量のトナーが補給される。なお、現像装置6として、二成分現像剤を用いるものの代わりに、磁性キャリアを含まない一成分現像剤を用いるものを採用してもよい。
ドラムクリーニング装置15としては、ポリウレタンゴム製のクリーニングブレード16を感光体4に押し当てる方式のものを用いているが、他の方式のものを用いてもよい。クリーニング性を高める目的で、本例では、外周面を感光体4に接触させる接触導電性のファーブラシ17を、図中矢印方向に回転自在に有する方式のものを採用している。このファーブラシ17は、図示しない固形潤滑剤から潤滑剤を掻き取って微粉末にしながら感光体4表面に塗布する役割も兼ねている。ファーブラシ17にバイアスを印加する金属製の電界ローラ18を図中矢示方向に回転自在に設け、これにスクレーパ19の先端を押し当てている。ファーブラシ17に付着したトナーは、ファーブラシ17に対してカウンタ方向に接触して回転しながらバイアスが印加される電界ローラ18に転位する。そして、スクレーパ19によって電界ローラ18から掻き取られた後、回収スクリュウ20上に落下する。回収スクリュウ20は、回収トナーをドラムクリーニング装置15における図紙面と直交する方向の端部に向けて搬送して、外部のリサイクル搬送装置21に受け渡す。リサイクル搬送装置21は、受け渡されたトナーを現像装置15に送ってリサイクルする。
除電ランプ22は、光照射によって感光体4を除電する。除電された感光体4の表面は、帯電装置23によって一様に帯電せしめられた後、光書込装置2による光書込処理がなされる。なお、帯電装置23としては、帯電バイアスが印加される帯電ローラを感光体4に当接させながら回転させるものを用いている。感光体4に対して非接触で帯電処理を行うスコロトロンチャージャ等を用いてもよい。
先に示した図2において、4つのプロセスユニット3K,Y,M,Cの感光体4K,Y,M,Cには、これまで説明してきたプロセスによってK,Y,M,Cトナー像が形成される。
4つのプロセスユニット3K,Y,M,Cの下方には、転写ユニット24が配設されている。この転写ユニット24は、複数のローラによって張架した中間転写ベルト25を、感光体4K,Y,M,Cに当接させながら図中時計回り方向に無端移動させる。これにより、感光体4K,Y,M,Cと中間転写ベルト25とが当接するK,Y,M,C用の1次転写ニップが形成されている。K,Y,M,C用の1次転写ニップの近傍では、ベルトループ内側に配設された1次転写ローラ26K,Y,M,Cによって中間転写ベルト25を感光体4K,Y,M,Cに向けて押圧している。これら1次転写ローラ26K,Y,M,Cには、それぞれ図示しない電源によって1次転写バイアスが印加されている。これにより、K,Y,M,C用の1次転写ニップには、感光体4K,Y,M,C上のトナー像を中間転写ベルト25に向けて静電移動させる1次転写電界が形成されている。図中時計回り方向の無端移動に伴ってK,Y,M,C用の1次転写ニップを順次通過していく中間転写ベルト25のおもて面には、各1次転写ニップでトナー像が順次重ね合わせて1次転写される。この重ね合わせの1次転写により、中間転写ベルト25のおもて面には4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
転写ユニット24の図中下方には、駆動ローラ30と2次転写ローラ31との間に、無端状の紙搬送ベルト29を掛け渡して無端移動させる紙搬送ユニット28が設けられている。そして、自らの2次転写ローラ31と、転写ユニット24の下部張架ローラ27との間に、中間転写ベルト25及び紙搬送ベルト29を挟み込んでいる。これにより、中間転写ベルト25のおもて面と、紙搬送ベルト29のおもて面とが当接する2次転写ニップが形成されている。2次転写ローラ31には図示しない電源によって2次転写バイアスが印加されている。一方、転写ユニット24の下部張架ローラ27は接地されている。これにより、2次転写ニップに2次転写電界が形成されている。
この2次転写ニップの図中右側方には、レジストローラ対33が配設されており、ローラ間に挟み込んだ転写紙を中間転写ベルト25上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで2次転写ニップに送り出す。2次転写ニップ内では、中間転写ベルト25上の4色トナー像が2次転写電界やニップ圧の影響によって転写紙に一括2次転写され、転写紙の白色と相まってフルカラー画像となる。2次転写ニップを通過した転写紙は、中間転写ベルト25から離間して、紙搬送ベルト29のおもて面に保持されながら、その無端移動に伴って定着装置50へと搬送される。なお、1次転写や2次転写を行うための手段として、ローラに転写バイアスを印加する方式に代えて、スコロトロンによるチャージャー方式を採用してもよい。
2次転写ニップを通過した中間転写ベルト25の表面には、2次転写ニップで転写紙に転写されなかった転写残トナーが付着している。この転写残トナーは、中間転写ベルト25に当接するベルトクリーニング装置によって掻き取り除去される。
定着装置50に搬送された転写紙は、定着装置50内における加圧や加熱によってフルカラー画像が定着させしめられた後、定着装置50から排紙ローラ対35に送られた後、機外へと排出される。
先に示した図1において、紙搬送ユニット22および定着装置50の下には、スイッチバック装置36が配設されている。これにより、片面に対する画像定着処理を終えた転写紙が、切換爪で転写紙の進路を転写紙反転装置側に切り換えられ、そこで反転されて再び2次転写転写ニップに進入する。そして、もう片面にも画像の2次転写処理と定着処理とが施された後、排紙トレイ上に排紙される。
プリンタ部1の上に固定されたスキャナ110は、原稿MSの画像を読み取るための読取手段として、固定読取部111と、移動読取部112とを有している。光源、反射ミラー、CCD等の画像読取センサなどを有する固定読取部111は、原稿MSに接触するようにスキャナ110のケーシング上壁に固定された図示しない第1コンタクトガラスの直下に配設されている。そして、後述するADF120によって搬送される原稿MSが第1コンタクトガラス上を通過する際に、光源から発した光を原稿面で順次反射させながら、複数の反射ミラーを経由させて画像読取センサで受光する。これにより、光源や反射ミラー等からなる光学系を移動させることなく、原稿MSを走査する。
一方、移動読取部152は、原稿MSに接触するようにスキャナ110のケーシング上壁に固定された図示しない第2コンタクトガラスの直下であって、固定読取部111の図中右側方に配設されており、光源や、反射ミラーなどからなる光学系を図中左右方向に移動させることができる。そして、光学系を図中左側から右側に移動させていく過程で、光源から発した光を第2コンタクトガラス上に載置された図示しない原稿で反射させた後、複数の反射ミラーを経由させて、スキャナ本体に固定された画像読取センサ113で受光する。これにより、光学系を移動させながら、原稿を走査する。
スキャナ110の上に配設されたADF120は、本体カバー121に、読取前の原稿MSを載置するための原稿載置台122、原稿MSを搬送するための搬送ユニット123、読取後の原稿MSをスタックするための原稿スタック台124などを保持している。スキャナ110に固定された図示しない蝶番によって上下方向に揺動可能に支持されている。そして、その揺動によって開閉扉のような動きをとり、開かれた状態でスキャナ110の上面のコンタクトガラスを露出させる。原稿束の片隅を綴じた本などの片綴じ原稿の場合には、原稿を1枚ずつ分離することができないため、ADF120による搬送を行うことができない。そこで、片綴じ原稿の場合には、ADF120をスキャナ110に対して開いた後、読み取らせたいページが見開かれた片綴じ原稿を下向きにしてコンタクトガラス上に載せた後、ADF120を閉じる。そして、スキャナ110の移動読取部112によってそのページの画像を読み取らせる。
一方、互いに独立した複数の原稿MSを単に積み重ねた原稿束の場合には、その原稿MSをADF120によって1枚ずつ自動搬送しながら、スキャナ110の固定読取部111に順次読み取らせていくことができる。この場合、原稿束を原稿載置台122上にセットした後、図示しないコピースタートボタンを押す。すると、ADF120が、原稿載置台122上に載置された原稿束の原稿MSを上から順に搬送ユニット123内に送り、それを反転させながら原稿スタック台124に向けて搬送する。この搬送の過程で、原稿MSを反転させた直後にスキャナ110の固定読取部111の真上に通す。このとき、原稿MSの画像がスキャナ110の固定読取部111によって読み取られる。
図4は、定着装置50を示す拡大構成図である。同図において、定着装置50は、張架部材たる定着ローラ51及び加熱ローラ52により、ベルト部材たる無端状の定着ベルト53をループ裏面側から支えながら張架している。定着ローラ51、加熱ローラ52の何れか一方は、図示しない駆動手段によって図中時計回り方向に回転駆動される。この回転駆動に伴い、定着ベルト53は、図中時計回り方向に450[mm/sec]の線速で無端移動せしめられる。定着ローラ51の下方には、加圧ローラ54が配設されている。この加圧ローラ54は、定着ベルト53のループおもて面に当接しながら、裏面に当接する裏面側ローラとしての定着ローラ51に向けて押圧されている。これにより、定着ベルト53と加圧ローラ54とが表面移動方向に18[mm]の長さで当接する定着ニップが形成されている。
加熱ローラ52は、熱伝導率の高いアルミニウムパイプからなる中空のローラ部内にハロゲンヒータ等の発熱源52aを内包しており、これによる発熱で定着ベルト53を裏面側から加熱する。加熱ローラ52の図中下方には、周知の技術によって被検対象の表面温度を非接触で検知する温度センサ55が配設されている。この温度センサ55は、定着ベルト53における加熱ローラ52に対する巻き付け箇所の表面温度を非接触で検知して、その信号を図示しない温度制御回路に送る。温度制御回路は、温度センサ55から送られてくる信号に基づいて、定着ベルト53のおもて面の温度を175[℃]に維持するように、加熱ローラ52の発熱源52aに対する電源供給をON/OFF制御する。このようにして加熱された定着ベルト53は、その無端移動に伴って、加圧ローラ54に当接する上述の定着ニップに進入する。なお、図示の定着装置50では、加熱手段たる加熱ローラ52に対する定着ベルト53を十分に長くとることで、定着ベルト53を十分に蓄熱させるようにしている。
定着ベルト53は、図5に示すように、ベルト基体53aと、弾性層53bと、表面層53cとを有する三層構造になっている。ベルト基体53aは、耐熱性に優れたポリイミド樹脂が90[μm]の厚みで無端状に成形されたものである。弾性層53bは、弾性材料たるシリコーンゴムがベルト基体53aのおもて面に200[μm]の厚みで積層されたものである。また、表面層53cは、耐熱性且つトナー離型性に優れたフッ素ゴムが弾性層53bの表面に50[μm]の厚みで積層されたものである。なお、同図では便宜上、図示を省略しているが、定着ベルト6の裏面における幅方向の両端部には、それぞれ、ベルト全周に渡る突起である寄り止めリブを設けている。これらの寄り止めリブを、図4における定着ローラ51や加熱ローラ52のローラ端面に突き当てることで、ローラからの定着ベルト53の脱輪を回避している。
定着ベルト53における加熱ローラ52と定着ローラ51との間の展張箇所には、バネ等の付勢手段によって定着ベルト53に向けて付勢されるテンションローラ56をおもて面側から圧接せしめている。この圧接により、定着ベルト53にはテンションが付与されている。
定着ローラ51は、金属パイプからなるローラ部の表面に、厚み15[mm]程度のシリコーンゴム等からなる弾性層を有している。
加熱ローラ54は、金属パイプからなるローラ部の表面に順次積層された、シリコーンゴム等からなる厚み2[mm]程度の弾性層と、フッ素ゴムからなる厚み70[μm]程度の表面層とを有している。また、中空のローラ部内には、ハロゲンヒータ等からなる発熱源54aと、図示しない温度検知センサとを有している。この温度検知センサは、ローラ部内の温度を検知して、その信号を上述の温度制御回路に送る。温度制御回路は、温度検知センサから送られてくる信号に基づいて、加圧ローラ54の温度を150[℃]に維持するように、加圧ローラ54の発熱源55aに対する電源供給をON/OFF制御する。
上述の転写ユニット(24)によってフルカラー画像が転写された転写紙Pは、定着装置50における定着ニップ内に送られる。そして、定着ニップ内で定着ベルト53と加圧ローラ54との間に挟み込まれて両面側から加熱される。
電子写真方式の画像形成装置に用いる定着装置としては、図4に示したベルト定着方式のものの他、図14に示すようなローラ定着方式のものもある。同図において、定着装置90は、定着ローラ91と、これに当接する加圧ローラ92とによって定着ニップを形成している。定着ローラ91はハロゲンランプ等の発熱源91aを内包しており、これによる発熱で、定着ニップに挟み込んだ転写紙Pを加熱する。本複写機のようにフルカラー画像を形成する画像形成装置では、画像に適度な光沢度をもたせるために、定着ローラ91の表面にシリコーンゴムやフッ素ゴム等からなる表面層を設けるのが一般的である。なお、図示の定着装置90では、定着ローラ91の表面に離型促進オイルを塗布する塗布手段93を設けている。定着ローラ91の表面に離型促進オイルを塗布することで、定着ローラ91からのトナー離型性を向上させて、定着ローラ91に対するトナーのオフセットを抑えることができる。
かかるローラ定着方式の定着装置90は、定着ニップの長さを大きくとることが困難であるため、厚紙に対する定着能力が悪かったり、高速プリントアウトで十分な定着能力を発揮できなかったりするという欠点がある。これに対し、図4に示した定着装置50のようなベルト定着方式の場合、定着ニップの長さを大きくとることが容易であるため、厚紙や、高速プリントアウトにおいても、良好な定着能力を発揮することができる。このため、本実施形態に係る画像形成方法では、図4に示したベルト定着方式の定着装置50を備える複写機を用いて画像を形成する。
ベルト定着方式では、図4に示した定着装置50のように、定着ベルト53を加熱する加熱手段(図示の例では加熱ローラ52)を定着ニップとは別の場所に設けることが可能である。かかる構成では、加熱手段によって加熱した定着ベルト53を、大気中で放熱させながら定着ニップに進入させるため、ローラ定着方式に比べて、加熱部材の温度分布が大きくなる傾向にある。すると、定着ニップ内におけるトナー加熱温度にバラツキが発生し易くなる。そして、定着温度不足によってトナー像を転写紙から定着ベルト53に転位させてしまうコールドオフセットを発生させたり、定着温度過多によってトナー像を転写紙から定着ベルト53に転位させてしまうホットオフセットを発生させたりし易くなる。
そこで、本実施形態に係る画像形成方法では、定着装置50として、定着ベルト53に離型促進オイルを塗布する塗布手段たる塗布装置57を設けたものを用いる。図6は、この塗布装置57を、加熱ローラ52や定着ベルト53の一部とともに示す拡大構成図である。同図において、塗布装置57は、オイル吐出パイプ58、フェルト59、供給ローラ60、規制ブレード61、塗布ローラ62、オイル受皿63などを有している。また、図示しないオイル貯留タンクやオイル供給ポンプなども有している。供給ローラ60は、アルミ製の芯金と、これの表面に被覆されたシリコーンゴムからなる表面層とを有している。また、塗布ローラ62も、アルミ製の芯金と、これの表面に被覆されたシリコーンゴムからなる表面層とを有している。
図示しないオイル貯留タンク内には、離型促進オイルが貯留されており、これはオイル供給ポンプの駆動によってオイル吐出パイプ58内に送られて、オイル吐出パイプ58に設けられた図示しない複数の微細孔から吐出される。そして、オイル吐出パイプ58に接しているフェルト59に含浸される。供給ローラ60は、フェルト59と規制ブレード61と塗布ローラ62とに当接しながら、図示しない駆動手段によって図中時計回り方向に回転駆動される。
フェルト59に含浸された離型促進オイルは、フェルト59内をパイプ長手方向に拡散しながら、図中矢印Aで示すように、フェルト59内を重力方向に移動して、供給ローラ60の表面上に転位する。そして、供給ローラ60と規制ブレード61との当接位置でローラ状の液膜厚が規制された後、供給ローラ60と塗布ローラ62との当接位置で塗布ローラ62の表面上に供給される。このようにして塗布ローラ62の表面上に供給された離型促進オイルは、定着ベルト53に当接しながら図中反時計回り方向に従動回転する塗布ローラ62の回転に伴って、塗布ローラ62と定着ベルト53とが当接する塗布ニップに進入する。そして、この塗布ニップにおいて、定着ベルト53のおもて面に塗布される。なお、規制ブレード61の先端部の供給ローラ60に対する組み込み量を調整することで、定着ベルト53に対するオイル塗布量を調整することが可能である。
規制ブレード61によって規制された余剰オイルは、オイル受皿63に受け止められた後、受皿の底部に設けられたドレンを通って図示しないオイル貯留タンク内に自重で戻される。
かかる構成の塗布装置57に用いられる離型促進オイルとしては、上記(3)の化学式で表される安価なジメチルシリコーンオイルを用いるのが一般的である。しかしながら、ジメチルシリコーンオイルは、シリコーンゴム中で膨潤するため、シリコーンゴム製の表面層を有する部材に塗布されると、その表面層を劣化させ易くなる。例えば、シリコーンゴム製の表面層を設けた定着ベルトでは、その寿命を10〜60[kp]程度にしてしまう。但し、フッ素ゴム中では膨潤しないため、定着ベルトとして、フッ素ゴム製の表面層を設けたものを用いれば、ジメチルシリコーンオイルの塗布によるベルトの低寿命化を抑えることができる。例えば、フッ素ゴム製の表面層を設けた定着ベルトにジメチルシリコーンオイルを塗布した場合のベルト寿命は、300〜400[kp]程度である。なお、1[kp]とは、1000枚の記録紙にプリントアウトを行うことを示している。
しかし、フッ素ゴムとジメチルシリコーンオイルとは親和性が悪いので、ジメチルシリコーンオイルをローラ表面に均一に濡れ広がらせることができない。このため、フッ素ゴムからなる表面層と、ジメチルシリコーンオイルとの組合せでは、トナー像のオフセットを十分に抑えることが困難であるという問題があった。
一方、定着ベルト等の加熱部材に塗布する離型促進オイルとしては、上記(4)の化学式で表されるアミノ基含有オルガノポリシロキサンと、上記5)の化学式で示されるアミノ基含有オルガノポリシロキサンとを主成分とするアミノ変性シリコーンオイルが知られている。このアミノ変性シリコーンオイルは離型性に優れるとともに、フッ素ゴムとの親和性が良いので、フッ素ゴム製の表面層上で良好に濡れ広がることができる。しかし、このアミノ変性シリコーンオイルは、オイル自体の材料費がジメチルシリコーンオイルと比較して高価であるため、コスト高になるという欠点がある。
次に、本実施形態に係る画像形成方法における特徴的な事項について説明する。
本発明者らは、図1〜図3に示した複写機と同様の構成の試験機を用意した。この試験機には、先に図14に示したローラ定着方式の定着装置90を搭載するとともに、定着ローラ91に塗布する離型促進オイルとして、上記(3)の化学式で表されるジメチルシリコーンオイルをセットした。そして、定着温度を130〜210[℃]まで変化させながら、それぞれの定着温度でテスト画像をプリントアウトして、その画質や定着ローラ91に対するトナー像の有無などを評価した。なお、定着ローラ91としては、フッ素ゴム製の表面を被覆した直径100[mm]のローラを使用した。また、加圧ローラ92としては、直径100[mm]のローラを使用し、ニップ幅(ローラ表面移動方向における定着ニップの長さ)を13[mm]に設定した。また、転写紙としては、複写機等で一般的に使用される普通紙(55kg紙)と、厚紙(300g/m)とを用いた。また、テスト画像としては、図7に示すように、A4サイズの転写紙Pの通紙方向Bにおける先端部に長さL1=5[mm]の余白に続いてベタ画像が出力されるものを採用した。
次に、試験機に搭載する定着装置を、図14に示したローラ定着方式の定着装置90から、図4に示したベルト定着方式の定着装置50に変更した。そして、定着ベルト53の表面温度(定着温度)を130〜210[℃]まで変化させながら、それぞれの定着温度でテスト画像をプリントアウトして、その画質や定着ベルト53に対するトナー像の有無などを評価した。なお、離型促進オイルとしては、ローラ定着方式のときと同様に、ジメチルシリコーンオイルを用いた。
これらの実験の結果を次の表1に示す。
Figure 0004834378
表1に示すように、ベルト定着方式では、ローラ定着方式に比べて、オフセットを引き起こすことなく良好な定着を行い得る定着温度領域を大きくし得ることがわかる。ベルト定着方式では、ニップ幅が広く、転写紙の定着ニップ通過時間をより長くすることができるからである。どちらの方式でも、高温側で光沢ムラが発生する場合がある。この光沢ムラは普通紙を高い定着温度で定着した場合に発生し、オイル種類、オイル塗布の均一性、用紙の剥離性などによって発生定着温度が大きく変化する。なお、この光沢ムラとは、画像内に局所的に光沢度を低下させる箇所が発生する現象であり、画質を著しく劣化させてしまう。ローラ定着方式では、普通紙における光沢ムラの発生の防止と、厚紙を使用した場合におけるオフセットの防止とを両立し得る定着温度域がない。これに対し、ベルト定着方式では、これらを両立し得る定着温度域を具備(160℃)し得ることがわかる。
次に、本発明者らは、図4に示したベルト定着方式の定着装置50を搭載した試験機に、3種類の離型促進オイルをそれぞれ別々にセットして、それぞれにおける画質やオフセットの有無について評価した。3種類の離型促進オイルのうちの1つは、上記(3)の化学式で表される安価なジメチルシリコーンオイルである。以下、このオイルを「安価な従来オイル」という。また、3種類の離型促進オイルのうちのもう1つは、上記(4)及び(5)の化学式で表される高価なアミノ変性シリコーンオイルである。以下、このオイルを「高価な従来オイル」という。また、最後の1つは、上記(1)の化学式で表されるジメチルポリシロキサンと、上記(2)の化学式で表されるアミノ基含有ジメチルポリシロキサンとが混合されたオイルである。以下、このオイルを「実施例オイル」という。
この実験の結果を次の表2に示す。
Figure 0004834378
表2に示すように、実施例オイルや高価な従来オイルは、安価な従来オイルに比べて、普通紙を用いた場合において、オフセットを引き起こすことなく良好な定着を行い得る定着温度領域を大きくし得ることがわかる。安価な従来オイルを用いつつ普通紙にテスト画像を出力した場合、定着温度が170[℃]以上となると、光沢ムラが発生してしまう。また、定着温度が180[℃]以上となると、ホットオフセットが発生した。これに対し、実施例オイルや高価な従来オイルでは、普通紙を用いた場合に定着温度を190[℃]にしても、光沢ムラを発生させないことがわかる。ホットオフセットは、定着温度を高くし過ぎて、トナーと定着ベルト53との離型性を悪化させることによって発生するが、実施例オイルや高価な従来オイルでは、トナーと定着ベルト53との離型性を良好に向上させることで、190[℃]におけるホットオフセットを良好に防いでいる。高価な従来オイルがこのように離型性を良好に高め得ることは既に知られていたが、本発明者らが新たに開発した実施例オイルでも、同様の結果が得られることがわかる。参考までに、定着ベルト53の表面上における実施例オイルの濡れ広がりの状態を目視したところ、安価な従来オイルに比べて良好に濡れ広がっていることが確認できた。
実施例オイルは、先に化1で示したように、従来から一般的に用いられてきたジメチルシリコーンオイル(化学式(1))に、化学式(2)で表されるアミノ基含有ジメチルポリシロキサンが混合されたものである。そして、アミノ基含有ジメチルポリシロキサンにより、定着ベルト53からのトナーの離型性を高めている。よって、アミノ基含有ジメチルポリシロキサンの混合比が低すぎると、離型性を高める効果が得られなくなる。また、このアミノ基含有ジメチルポリシロキサンの混合比によっては、実施例オイルの価格を高価な従来オイルと同等から、あるいはそれよりも高くしてしまうおそれがある。
そこで、本発明者らは、互いにジメチルシリコーンオイルとアミノ基含有ジメチルポリシロキサンとの混合比が異なる複数種類の実施例オイルを用意し、それぞれの実施例オイルにおいて、画質やオフセットの有無を評価した。すると、ジメチルポリシロキサンと、アミノ基含有ジメチルポリシロキサンとの混合物の100重量部あたりに、アミノ基含有ジメチルポリシロキサンを僅かに0.5重量部(0.5%)混ぜるだけで(重量比で99.5:0.5)、表2と同様の良好な離型性が得られることがわかった。また、アミノ基含有ジメチルポリシロキサンの含有量を10重量部よりも大きくしても(重量比で90:10)、実施例オイルの価格を高価な従来オイルよりも安価に留めることができるが、25[℃]におけるオイルの粘度が1×10−2[m/s](10000cst)よりも高くなってしまうことがわかった。そして、粘度が1×10−3[m/s]よりも高くなると、ベルト表面上での濡れ広がり性が急激に悪化して、初期離型性を低下させてしまうことがわかった。なお、実施例オイルの25℃における粘度を1×10−5[m/s](10cst)よりも低くしてしまうと、高温環境下での揮発性を急激に高めてしまうため、定着装置50を密閉しないとオイルの性状を維持することができなかった。よって、実施例オイルとしては、25℃における粘度を1×10−5〜1×10−2[m/s](10〜10000cst)に調整したものを用いることが望ましい。そこで、混合比(ジメチルポリシロキサン:アミノ基含有ジメチルポリシロキサン)を、90:10〜99.5:0.5にし、且つ25[℃]における粘度を1×10−5〜1×10−2[m/s]に調整したものを、本実施形態に係る画像形成方法に用いる実施例オイルとする。
なお、実験では、粘度を[cst]というで求めたが、「1cst=1×10−6/s」という公式により、[cst]を[m/s]に変換した。このとき、小数点以下第6位で四捨五入を行った。また、上記化1の化学式(1)におけるジメチルポリシロキサンの粘度は、10〜5000[cst]=1×10−5〜5×10−3[m/s]である。
参考までに、定着ベルト53の表面温度(定着温度)と、テスト画像の光沢度との関係を図8にグラフとして示す。図示のように、実施例オイルは、高価な従来オイルと同様に、画像に対して良好な光沢度を付与し得ることがわかる。
安価な従来オイルの価格を「1」とした場合における各種オイルの価格倍率を次の表3に示す。
Figure 0004834378
この表3において、実施例オイルについては、その価格を最も高くする混合比(ジメチルポリシロキサン:アミノ基含有ジメチルポリシロキサン=90:10)のものにおける価格倍率を示している。表3に示しように、実施例オイルは、その価格を最も高くする混合比でも、その価格倍率は1.09であり、安価な従来オイルと殆ど同じ価格であることがわかる。これに対し、高価な従来オイルは、安価な従来オイルの2.27倍もの価格である。
本発明者らは、図4に示した定着装置50として、2種類のものを用意した。これらのうちの1つは、図9に示すように、加圧ローラ54のローラ部に被覆するゴムからなる弾性層を、定着ローラ51のローラ部に被覆するゴムからなる弾性層よりも厚く且つ低硬度にしたものである。かかる構成では、図示のように、定着ローラ51が定着ベルト53を介して、より低硬度の加圧ローラ54に食い込む。これにより、定着凸型の定着ニップが形成される。そして、定着ニップを通過した転写紙Pが、加圧ローラ54から速やかに分離してから、定着ローラ51の曲率に沿った定着ベルト53に少し巻き付くように移動した後、定着ベルト53から分離する。
2種類の定着装置50のうちのもう1つは、図10に示すように、定着ローラ51のローラ部に被覆するゴムからなる弾性層を、加圧ローラのローラ部に被覆するゴムからなる弾性層よりも厚く且つ低硬度にしたものである。かかる構成では、図示のように、加圧ローラ54が定着ベルト53を介して、より低硬度の定着ローラ51に食い込む。これにより、加圧凸型の定着ニップが形成される。そして、定着ニップを通過した転写紙Pが、定着ベルト53から速やかに分離してから、加圧ローラ54に少し巻き付くように移動した後、加圧ローラ54から分離する。
本発明者らは、これら2種類の定着装置50について、それぞれ図7に示したテスト画像を出力して、テスト画像の光沢度を調べる実験を行った。この結果を次の表4に示す。なお、光沢度については、日本電色社製のグロスメータ(VG2000)を用い、1インチ×1インチ以上の100[%]印字率のベタパターンに光を当てて測定した。光の入射角度や反射角度については、ともに60[°]に設定した。
Figure 0004834378
表4に示すように、定着凸型の定着ニップ(図9)の場合には、テスト画像の先端部における光沢度が中央部よりも劣ってしまい、光沢ムラが発生してしまうことがわかる。これに対し、加圧凸型の定着ニップ(図10)の場合には、先端部、中央部ともに良好な光沢度になって、光沢ムラが発生していないことがわかる。これらのことから、加圧凸型の定着ニップを形成した方が、定着凸型の定着ニップを形成するよりも高画質化を図り得ることがわかる。
但し、加圧凸型の定着ニップでは、図10に示したように、定着ローラ51のゴム層を比較的厚くするので、定着ベルト53を加圧するための発熱源を定着ローラ51内に設けてしまうと、定着ローラ51の蓄熱量を大きくしてしまう。また、発熱源への電源供給を開始してから、定着ベルト53の表面温度を所望の定着温度まで昇温せしめるためのウォームアップ時間が長くなる。更には、定着ニップに複数の転写紙Pを連続的に通紙する必要のある連続プリントアウトにおいて、発熱源への電源のON/OFFによるベルト表面温度の追従性を悪くしてしまう。
そこで、図10に示した定着装置50では、弾性層を肉厚にする必要のある定着ローラ51ではなく、図4に示したように、弾性層を肉厚にする必要のない加熱ローラ52内に熱源を設けている。そして、この加熱ローラ52に対する巻き付け箇所において定着ベルト53を加熱した後、定着ニップ内に進入させている。なお、かかる構成では、ある程度の蓄熱量を確保する目的で、図5に示したように、定着ベルト53のベルト基体53aと表面層53cとの間に弾性層53bを設けるのが一般的であるが、弾性層53bの厚み偏差などにより、どうしても温度ムラを引き起こしてしまう。このため、かかる温度ムラが発生しても、ホットオフセットを発生させないように、ある程度の非オフセット定着温度領域を確保する必要があり、そのためには、実施例オイルや高価な従来オイルを用いる必要がある。
これらの事情を踏まえて、本画像形成方法では、図10に示した加圧凸型の定着ニップを形成する定着装置50を用い、定着ベルト53を加熱ローラ52によって加熱し、且つ、実施例オイルを用いるようにしている。定着ローラ51としては、厚み15[mm]のシリコーンゴムからなるJIS−Aゴム硬度が30[Hs]である弾性層をアルミ芯金に被覆したものを用いている。また、加圧ローラ54としては、厚み2[mm]のシリコーンゴムからなるJIS−Aゴム硬度が32[Hs]である弾性層をアルミ芯金に被覆したものを用いている。なお、加圧ローラ54については、総荷重130[kgf]の圧力によって定着ローラ51に向けて押圧している。これにより、加圧凸型の定着ニップを形成することができる。
本発明者らは、次に、かかる構成の定着装置50として、加圧ローラ54の表面層の材質が互いに異なる2種類のものを用意した。1つは、加圧ローラ54の弾性層の上に、PFA(テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテルポリマー)からなる表面層を被覆したものものである。もう1つは、加圧ローラ54の弾性層の上に、フッ素ゴムからなる表面層を70[μm]の厚みで被覆したものである。
本発明者らは、まず、加圧ローラ54にPFAからなる表面層を被覆した定着装置50を上述の試験機に搭載した。そして、上述した3種類の離型促進オイルのそれぞれについて、テスト画像を出力した場合の転写紙Pの挙動や、テスト画像の光沢度を調べた。転写紙Pとしては、普通紙(55kg紙)を用いた。また、テスト画像としては、図11に示すように、転写紙Pの通紙方向Bにおける先端から長さL2=20mmの余白に続いてベタ画像が出力されるものを用いた。後述するベタ中央部は、このベタ画像の中心における20×20[mm]の大きさのベタ箇所である。かかるテスト画像を転写紙Pの一方の面に形成して定着装置50を経由させた後、図1に示したスイッチバック装置36によって転写ユニット24に向けてスイッチバックさせた。そして、転写紙Pのもう一方の面にも同様のテスト画像を形成した後、定着装置50に再び通した。転写紙Pの挙動については、定着ニップを再通過した後の転写紙Pの様子を高速度カメラで撮影して評価した。この実験における転写紙Pの定着ニップからの排出量(X座標)と、転写紙Pの鉛直方向における位置(Y座標)と、オイル種類との関係を図12にグラフとして示す。また、オイル種類と、転写紙Pの各面におけるテスト画像の光沢度との関係を次の表5に示す。なお、表5において、S面とは、転写紙Pの両面のうち、テスト画像を先に転写した方の面である。また、D面とは、転写紙Pにおけるもう一方の面である。
Figure 0004834378
本発明者らは次に、試験機にセットする定着装置50を、加圧ローラ54にフッ素ゴム(フッ素ゴムラテックス:日東工業社製)からなる表面層を被覆したものに交換した。そして、加圧ローラ54にPFAからなる表面層を被覆した定着装置の場合と同様にして、テスト画像を出力した。この実験における転写紙Pの定着ニップからの排出量(X座標)と、転写紙Pの鉛直方向における位置(Y座標)と、オイル種類との関係を図13にグラフとして示す。また、オイル種類と、転写紙Pの各面におけるテスト画像の光沢度との関係を次の表6に示す。
Figure 0004834378
加圧ローラ54として、PFAからなる表面層を被覆したものを用いた場合には、図12に示したように、安価な従来オイルを用いると、定着ニップから排出された転写紙Pが次のような挙動を示す。即ち、定着ローラ51の曲率に沿って移動する定着ベルト53に転写紙Pが巻き付きながら移動した後、ベルト表面から分離される。また、高価な従来オイルを用いると、定着ニップから排出された転写紙Pが、加圧ローラ54に巻き付きながら移動した後、ローラ表面から分離される。これらに対し、実施例オイルでは、定着ニップから排出された転写紙Pが、ほんの一瞬だけ加圧ローラ54表面に追従して移動した後、定着ベルト53、加圧ローラ54の両方から速やかに分離されている。また、安価な従来オイルでは、表5に示したように、S面、D面ともにテスト画像の先端部における光沢度が中央部よりも劣って光沢ムラが現れてしまった。これに対し、実施例オイルや高価な従来オイルでは、S面、D面ともにテスト画像内での光沢ムラは現れなかったが、S面におけるテスト画像の光沢度がD面におけるテスト画像よりも劣るという両面間での光沢ムラが現れてしまった。
一方、加圧ローラ54として、フッ素ゴムからなる表面層を被覆したものを用いた場合にも、安価な従来オイルを用いると、図13に示したように、定着ニップから排出された転写紙Pが次のような挙動を示す。即ち、定着ローラ51の曲率に沿って移動する定着ベルト53に転写紙Pが巻き付きながら移動した後、ベルト表面から分離される。この挙動は、図12との比較からわかるように、PFAからなる表面層が被覆された加圧ローラ54を用いた場合とほぼ同じである。また、高価な従来オイルを用いると、図13に示すように、定着ニップから排出された転写紙Pが、加圧ローラ54に巻き付きながら移動した後、ローラ表面から分離される。この挙動も、図12との比較からわかるように、PFAからなる表面層が被覆された加圧ローラ54を用いた場合とほぼ同じである。また、実施例オイルでは、定着ニップから排出された転写紙Pが、加圧ローラ54にも定着ベルト53にも巻き付くことなく、ほぼ真っ直ぐな状態で進む。この挙動は、図12との比較からわかるように、PFAからなる表面層が被覆された加圧ローラ54を用いた場合よりも、加圧ローラ54からの分離性が高まっていることを示す。そして、表6に示したように、S面、D面ともにテスト画像内の光沢ムラがないことに加えて、S面〜D面間におけるテスト画像の光沢ムラも発生させない良好な結果となった。これに対し、安価な従来オイルでは、テスト画像内における光沢ムラが発生し、高価な従来オイルでは、テスト画像内における光沢ムラと、S面〜D面間におけるテスト画像の光沢ムラとの両方が発生した。高価な従来オイルの場合、定着ニップから排出された転写紙Pが加圧ローラ54に少し巻き付き気味に移動することから、S面の先端部における加熱が過剰となり、その結果、先端部の光沢度が低下したためと考えられる。
これらの実験結果を踏まえて、本画像形成方法では、加圧ローラ54として、厚み2[mm]のシリコーンゴムからなるJIS−Aゴム硬度が32[Hs]である弾性層の上に、フッ素ゴムからなる表面層を被覆したものを用いる。
本発明者らは、次に、かかる構成の定着装置50における塗布ローラ62から定着ベルト53へのオイル塗布量を、規制ブレード61の供給ローラ60に対する食い込み量の調整によって様々な値に変化させた。そして、それぞれのオイル塗布量において、テスト画像における光沢ムラの有無やオフセットの有無を調べる実験を行った。オイル塗布量については、予め重量を測定しておいたOHPシートを定着装置50内に通紙し、その後のOHPシートの重量を精密天秤にて測定して、通紙前後の重量差を算出した。OHPシートはA4サイズであるため、この重量差をA4面積(21cm×29.7cm)で除算したものを、単位面積当りのオイル塗布量とした。この結果を次の表7に示す。
Figure 0004834378
表7に示すように、定着ベルト53に対するオイル塗布量が増えるほど、定着ベルト53とトナーとの離型性は良くなり、ホットオフセット発生定着温度が高温側に広がる。但し、オイル塗布量が0.0016[mg/cm]以上では、塗布量が増加してもホットオフセット発生定着温度が高温側に広がらなくなる。よって、オイル塗布量を0.0016[mg/cm]以上にすることで、定着ベルト53とトナーとの離型性を良好に発揮させ得ることがわかった。
本発明者らは、次に、それぞれのオイル塗布量でテスト画像が出力された転写紙Pに対して、ボールペンによって加筆して、その加筆性の善し悪しを調べる実験を行った。この結果を次の表8に示す。
Figure 0004834378
オイル塗布量が多すぎると、転写紙P上に付着したオイルにより、ボールペン等での加筆性が悪くなる傾向がある。表8に示したように、オイル塗布量が0.0192[mg/cm]以上となると、ボールペンで加筆した際に、文字かすれが発生してしまった。
これらの実験結果を踏まえて、本画像形成方法では、定着装置50として、規制ブレード51の食い込み量や、供給ローラ60の回転数により、オイル塗布量を0.0016〜0.0192[mg/cm]に調整したものを用いる。
本発明者らは、次に、かかる構成の定着装置50に搭載する定着ベルト53として、図5に示した3層構造のものに代えて、次のようなものを用いた場合における画質について評価した。即ち、ベルト基体50aの上に厚み100[μm]のフッ素ゴムからなる表面層50cだけを設けた定着ベルト53である。すると、テスト画像のベタ部中に格子模様の光沢ムラが発生してしまった。
本発明者らは、次に、ベルト基体50aの上に厚み100[μm]のフッ素ゴムからなる表面層50cだけを設けた定着ベルト53を用いて、同様の実験を行った。すると、オフセット発生温度が低温側に縮小してしまった。これは、離型性がより悪くなったことを示している。フッ素ゴムとしては、日東工業社製のフッ素ゴムラテックスを用いた。
以上、実施形態に係る画像形成方法では、離型促進オイルとして、上記(1)の化学式で表されるジメチルポリシロキサンと、上記(2)の化学式で表されるアミノ基含有ジメチルポリシロキサンとの混合物の100重量部あたりに、0.5〜10重量部のアミノ基含有ジメチルポリシロキサンを含有させたものを用いる。かかる離型促進オイルでは、上述したように、高価な従来オイルと同様に定着ベルト53に対して良好なトナー離型性を発揮させてホットオフセットや光沢ムラを良好に抑えるとともに、高価な従来オイルよりもコスト安を実現することができる。
また、離型促進オイルとして、25[℃]における粘度が1×10−5〜1×10−2[m/sec]であるものを用いる。かかる離型促進オイルは、上述したように、定着ベルト53表面上での濡れ広がり性の悪化による初期離型性の低下を回避しつつ、オイル揮発を防止する目的で定着装置50を密閉するといった対策を不要にすることができる。
また、ベルト部材たる定着ベルト53として、ポリイミドからなるベルト基体53aのおもて面側に、弾性材料たるシリコーンゴムからなる弾性層53bと、フッ素樹脂たるフッ素ゴムからなる表面層53cとを設けたものを用いる。これにより、弾性層を設けない定着ベルト53を用いる場合よりも、ベルトからのトナー離型性を高めることができる。
また、定着ベルト53のおもて面に離型促進液たる実施例オイルを0.0016[mg/cm]以上、0.0192[mg/cm]未満の塗布量で塗布する。これにより、上述したように、定着ベルト53からのトナー離型性を良好に発揮させつつ、プリントアウト紙に対して良好な加筆性を発揮させることができる。
また、定着ベルト53の裏面に裏面側ローラである定着ローラ51を当接させながら、定着ローラ51よりも高硬度の加圧ローラ54を定着ベルト53のおもて面に当接させて定着ローラ51に向けて押圧して、定着ベルト53と加圧ローラ54とが当接し且つその当接面の断面が定着ローラ51に向けて窪む加圧凸型の定着ニップを形成し、この定着ニップに記録部材たる転写紙Pを挟み込むことで、転写紙Pの表面に定着ベルト53を圧接せしめる。このようにすることで、上述したように、定着凸型の定着ニップを形成する場合に比べて、1つの画像内での光沢ムラを抑えることができる。
また、加圧ローラとして、フッ素ゴムからなる表面層が被覆されたものを用いる。これにより、上述したように、PFAからなる表面層が被覆されたものを用いる場合に比べて、1つの画像内での光沢ムラや、転写紙Pにおける両面間での画像の光沢ムラを抑えることができる。
実施形態に係る画像形成方法を採用した複写機を示す概略構成図。 同複写機におけるプリンタ部の内部構成の一部を拡大して示す部分拡大構成図。 同プリンタ部におけるタンデム部の一部を示す部分拡大図。 同プリンタ部の定着装置を示す拡大構成図。 同定着装置の定着ベルトを示す拡大断面図。 同定着装置の塗布装置を、加熱ローラや定着ベルトの一部とともに示す拡大構成図。 テスト画像を示す模式図。 同定着ベルトの表面温度と、テスト画像の光沢度との関係を示すグラフ。 定着凸型の定着ニップを採用した定着装置における定着ローラ及び加圧ローラを示す拡大断面図。 同複写機の定着装置における定着ローラ及び加圧ローラを示す拡大断面図。 両面プリントアウトの実験に採用したテスト画像を示す模式図。 加圧ローラとして、PFAからなる表面層を被覆したものを用いた場合における転写紙の定着ニップからの排出量(X座標)と、転写紙の鉛直方向における位置(Y座標)と、オイル種類との関係を示すグラフ。 同複写機の定着装置における転写紙の定着ニップからの排出量(X座標)と、転写紙の鉛直方向における位置(Y座標)と、オイル種類との関係を示すグラフ。 ローラ定着方式の定着装置の一例を示す拡大構成図。
符号の説明
P:転写紙(記録部材)
50:定着装置
51:定着ローラ(張架部材、裏面側ローラ)
52:加熱ローラ(張架部材、加熱手段)
53:定着ベルト(ベルト部材、加熱部材)
53a:ベルト基体
53b:弾性層
53c:表面層
54:加圧ローラ
57:塗布装置(塗布手段)

Claims (9)

  1. 無端状のベルト部材を複数の張架部材によって張架しながら無端移動せしめる工程と、無端移動する該ベルト部材を加圧する工程と、該ベルト部材からのトナーの離型性を促進するために、無端移動する該ベルト部材のおもて面に離型促進液を塗布する工程と、表面にトナー像が記録された記録部材に加熱後且つ離型促進液塗布後の加熱部材たる該ベルト部材を圧接せしめる工程と、該おもて面から該記録部材を剥離する工程とを実施して、該記録部材に該トナー像を定着せしめる定着方法において、
    上記ベルト部材として、ポリイミドからなるベルト基体のおもて面側に、弾性材料からなる弾性層と、フッ素樹脂からなる表面層とを設けたものを用いるとともに、
    上記離型促進液として、
    Figure 0004834378
    上記(1)の化学式で表されるジメチルポリシロキサンと、上記(2)の化学式で表されるアミノ基含有ジメチルポリシロキサンとが混合されたものを用いることを特徴とする定着方法
  2. 請求項1の定着方法であって、
    上記離型促進液が、上記ジメチルポリシロキサンと、上記アミノ基含有ジメチルポリシロキサンとの混合物の100重量部あたりに、0.5〜10重量部の該アミノ基含有ジメチルポリシロキサンを含有することを特徴とする定着方法
  3. 請求項1又は2の定着方法であって、
    上記離型促進液の25[℃]における粘度が1×10−5〜1×10−2[m/sec]であることを特徴とする定着方法。
  4. 請求項1乃至3の何れかの定着方法において、
    上記ベルト部材のおもて面に上記離型促進液を0.0016[mg/cm]以上、0.0192[mg/cm]未満の塗布量で塗布することを特徴とする定着方法。
  5. 請求項1乃至4の何れかの定着方法において、
    上記ベルト部材の裏面に裏面側ローラを当接させながら、該裏面側ローラよりも高硬度の加圧ローラを該ベルト部材のおもて面に当接させて該裏面側ローラに向けて押圧して、該ベルト部材と該加圧ローラとが当接し且つその当接面の断面が該裏面側ローラに向けて窪む形状となる定着ニップを形成し、該定着ニップに上記記録部材を挟み込むことで、該記録部材の表面に該ベルト部材を圧接せしめることを特徴とする定着方法。
  6. 請求項の定着方法において、
    上記加圧ローラとして、フッ素ゴムからなる表面層が被覆されたものを用いることを特徴とする定着方法。
  7. 記録部材にトナー像を記録する記録工程と、該記録部材に該トナー像を定着せしめる定着工程とを実施する画像形成方法において、
    上記定着工程にて、請求項1乃至6の何れかの定着方法によって記録部材にトナー像を定着させることを特徴とする画像形成方法
  8. トナー像を担持している記録部材に対して該トナー像を定着せしめる定着装置において、
    請求項1乃至6の何れかの定着方法によって記録部材にトナー像を定着せしめることを特徴とする定着装置。
  9. 記録部材にトナー像を形成するトナー像形成手段と、該記録部材に該トナー像を定着せしめる定着装置とを備える画像形成装置において、
    上記定着装置として、請求項8の定着装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
JP2005316041A 2005-10-31 2005-10-31 定着方法、画像形成方法、定着装置及び画像形成装置 Expired - Fee Related JP4834378B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005316041A JP4834378B2 (ja) 2005-10-31 2005-10-31 定着方法、画像形成方法、定着装置及び画像形成装置
US11/554,343 US20080170896A1 (en) 2005-10-31 2006-10-30 Release-promoting agent, fixing device, and image forming apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005316041A JP4834378B2 (ja) 2005-10-31 2005-10-31 定着方法、画像形成方法、定着装置及び画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007121823A JP2007121823A (ja) 2007-05-17
JP4834378B2 true JP4834378B2 (ja) 2011-12-14

Family

ID=38145719

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005316041A Expired - Fee Related JP4834378B2 (ja) 2005-10-31 2005-10-31 定着方法、画像形成方法、定着装置及び画像形成装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US20080170896A1 (ja)
JP (1) JP4834378B2 (ja)

Families Citing this family (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8109684B2 (en) * 2007-06-11 2012-02-07 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Tape printing system with auxiliary cassette containing auxiliary medium for contacting printed tape
JP5063468B2 (ja) * 2008-05-01 2012-10-31 株式会社リコー 定着装置及び画像形成装置
JP5117921B2 (ja) 2008-05-02 2013-01-16 株式会社リコー 定着装置及び画像形成装置
JP2009271246A (ja) 2008-05-02 2009-11-19 Ricoh Co Ltd 定着装置及び画像形成装置
JP5315777B2 (ja) 2008-05-02 2013-10-16 株式会社リコー 定着装置及び画像形成装置
JP5167933B2 (ja) 2008-05-02 2013-03-21 株式会社リコー 画像形成装置
JP2009271245A (ja) * 2008-05-02 2009-11-19 Ricoh Co Ltd 定着装置及び画像形成装置
JP4988880B2 (ja) * 2010-02-04 2012-08-01 シャープ株式会社 定着装置と、これを用いる画像形成装置と定着装置の制御方法
US8666270B2 (en) 2010-06-21 2014-03-04 Ricoh Company, Ltd. Image forming apparatus
TWM393942U (en) * 2010-07-07 2010-12-01 Avision Inc Image-processing apparatus with oblique plane for supporting originals
CN102340610B (zh) * 2010-07-16 2014-02-19 虹光精密工业(苏州)有限公司 具有原稿承载斜面的影像处理设备
JP5540987B2 (ja) * 2010-08-18 2014-07-02 株式会社リコー 画像形成装置
JP5598238B2 (ja) 2010-10-08 2014-10-01 株式会社リコー 画像形成装置
JP5696529B2 (ja) 2011-02-28 2015-04-08 株式会社リコー 定着装置及び画像形成装置
JP6148817B2 (ja) 2011-08-15 2017-06-14 株式会社リコー 定着装置および画像形成装置
US9046799B2 (en) * 2013-04-17 2015-06-02 Xerox Corporation Clear toner composition
JP2022085555A (ja) * 2020-11-27 2022-06-08 セイコーエプソン株式会社 粉体供給装置

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04348377A (ja) * 1991-06-21 1992-12-03 Fuji Xerox Co Ltd 定着方法及びその装置
US5824416A (en) * 1996-03-08 1998-10-20 Eastman Kodak Company Fuser member having fluoroelastomer layer
US6090491A (en) * 1998-02-27 2000-07-18 Eastman Kodak Company Fuser member with styrl-treated Al2 O3 filler and functionalized release fluids
JP2000250347A (ja) * 1999-02-26 2000-09-14 Hitachi Koki Co Ltd 定着装置
JP2001159860A (ja) * 1999-12-03 2001-06-12 Hitachi Koki Co Ltd トナー像定着装置
JP2002162859A (ja) * 2000-11-24 2002-06-07 Ricoh Co Ltd 離型剤塗布部材及び定着装置及びこれらを有する画像形成装置及び離型剤塗布部材の製造方法
US6894137B2 (en) * 2002-06-05 2005-05-17 Easman Kodak Company Block polyorganosiloxane block organomer polymers and release agents
JP4026125B2 (ja) * 2002-06-06 2007-12-26 リコープリンティングシステムズ株式会社 記録装置の記録媒体冷却装置
JP4032233B2 (ja) * 2002-09-20 2008-01-16 信越化学工業株式会社 定着用離型剤組成物及び定着方法
JP2004184925A (ja) * 2002-12-06 2004-07-02 Hitachi Printing Solutions Ltd 電子写真式印刷装置の定着装置
US7291399B2 (en) * 2003-08-30 2007-11-06 Xerox Corporation Fuser fluid compositions

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007121823A (ja) 2007-05-17
US20080170896A1 (en) 2008-07-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4834378B2 (ja) 定着方法、画像形成方法、定着装置及び画像形成装置
JP4558307B2 (ja) 定着装置、及び画像形成装置
JP2008233357A (ja) 転写ニップローラ、転写装置及び画像形成装置
US20060210331A1 (en) Fixing device and image forming apparatus
JP2006078965A (ja) 定着装置、および画像形成装置
US20050031364A1 (en) Image forming apparatus using plural fixing means
JP5239404B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP5045092B2 (ja) 画像形成装置
JP2005227653A (ja) クリーニング装置及び画像形成装置
JP4725222B2 (ja) 画像形成装置
JP2005084484A (ja) 定着装置および画像形成装置
JP2008040321A (ja) 弾性部材、定着装置及び画像形成装置
US8320809B2 (en) Cleaning apparatus using web sheet
US20020019479A1 (en) Roll member and fusing device using the same
JP2006232415A (ja) 記録材冷却装置および画像形成装置
JP2017116671A (ja) 画像形成装置
JP2006030744A (ja) 画像形成装置
JP2005284048A (ja) 画像形成方法及びその装置並びに定着装置
JP2006126536A (ja) 定着装置および画像形成装置
JP3940654B2 (ja) 定着装置と画像形成装置
JP5867434B2 (ja) 定着装置および画像形成装置
JP2004191491A (ja) 定着装置、および画像形成装置
JP4933228B2 (ja) 定着装置および画像形成装置
JP2008197586A (ja) 搬送装置及び画像形成装置
US20130051829A1 (en) Printer producing selected-finish print on receiver

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080711

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110513

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110711

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110822

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110909

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110926

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140930

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees