JP2017116671A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2017116671A
JP2017116671A JP2015250397A JP2015250397A JP2017116671A JP 2017116671 A JP2017116671 A JP 2017116671A JP 2015250397 A JP2015250397 A JP 2015250397A JP 2015250397 A JP2015250397 A JP 2015250397A JP 2017116671 A JP2017116671 A JP 2017116671A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
secondary transfer
image
forming apparatus
resistance value
nip
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015250397A
Other languages
English (en)
Inventor
真也 田中
Shinya Tanaka
真也 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2015250397A priority Critical patent/JP2017116671A/ja
Publication of JP2017116671A publication Critical patent/JP2017116671A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Control Or Security For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】交流転写バイアスを印加して記録材へトナー像を転写する場合の画像の品質を向上させることを課題とする。【解決手段】像担持体21の表面に当接して転写ニップNを形成するニップ形成部材30と、前記転写ニップ内に挟み込んだ記録材に対して前記像担持体上のトナー像を転写するための転写バイアスとして、交流転写バイアスを該転写ニップに印加する転写バイアス印加手段81とを有する画像形成装置において、前記転写ニップを流れる転写電流のルート上の電気抵抗値を調整する調整手段87と、前記交流転写バイアスが前記転写ニップに印加される際の電気抵抗値を所定の選択条件に従って調整するように、前記調整手段を制御する制御部60等の制御手段とを有する。【選択図】図2

Description

本発明は、画像形成装置に関するものである。
従来、像担持体上のトナー像を記録材に転写するための転写ニップに、直流成分と交流成分とを含む交流転写バイアスを印加して、凹凸紙等の記録材へのトナー像の転写性を向上させる画像形成装置が知られている。
例えば、特許文献1には、二次転写対向ローラに巻き付いた中間転写ベルト部分に対して二次転写ローラを当接して二次転写ニップを形成し、直流成分と交流成分とが重畳された重畳バイアス(交流転写バイアス)を二次転写ニップに印加して二次転写を行う画像形成装置が開示されている。この画像形成装置では、凹凸紙への画像形成時には、重畳バイアスを印加して二次転写を行うACモードを実行し、凹凸紙以外の普通紙等への画像形成時には、直流成分のみからなる直流バイアスを印加して二次転写を行うDCモードを実行する。
また、特許文献1に開示の画像形成装置では、二次転写対向ローラを加熱するヒータ(加熱手段)が設けられている。このヒータは、二次転写対向ローラを加熱することで二次転写対向ローラの電気抵抗値を低くするものである。この画像形成装置では、ACモードを実行する際にはヒータをONにして二次転写対向ローラの電気抵抗値を低くした状態で二次転写を行い、DCモードを実行する際にはヒータをOFFにして二次転写対向ローラの電気抵抗値を低くしない状態で二次転写を行う。特許文献1によれば、ACモード実行中に二次転写ニップの入口側で発生しやすい放電を生じにくくし、その放電発生によるチリや白抜けを抑制できるとしている。
ところが、直流成分と交流成分とを含む交流転写バイアスを印加して記録材へトナー像を転写する従来の画像形成装置においては、交流転写バイアスを印加して形成した画像の品質が不十分であるという課題があった。
上述した課題を解決するために、本発明は、トナー像を表面に担持する像担持体と、前記像担持体の表面に当接して転写ニップを形成するニップ形成部材と、前記転写ニップ内に挟み込んだ記録材に対して前記像担持体上のトナー像を転写するための転写バイアスとして、直流成分と交流成分とを含む交流転写バイアスを該転写ニップに印加する転写バイアス印加手段とを有する画像形成装置において、前記転写ニップを流れる転写電流のルート上の電気抵抗値を調整する調整手段と、前記交流転写バイアスが前記転写ニップに印加される際の電気抵抗値を所定の選択条件に従って調整するように、前記調整手段を制御する制御手段とを有することを特徴とする。
本発明によれば、交流転写バイアスを印加して記録材へトナー像を転写する場合の画像の品質を向上させることができるという優れた効果が奏される。
実施形態の画像形成装置の概略構成を示す説明図である。 同画像形成装置における二次転写部の周辺構成を示す説明図である。 二次転写部の周辺に配置されるヒータの構成を示す斜視図である。 記録材挟持領域N1と非記録材挟持領域N2とを示す二次転写ニップNの断面図である。 同画像形成装置の制御系の一部を示すブロック図である。 制御例1におけるACモード時の制御の流れを示すフローチャートである。 制御例2におけるACモード時の制御の流れを示すフローチャートである。 (a)は、凹凸紙Aの表面状態を模式的に示す説明図であり、(b)は、凹凸紙Bの表面状態を模式的に示す説明図である。 制御例3におけるACモード時の制御の流れを示すフローチャートである。 制御例4におけるACモード時の制御の流れを示すフローチャートである。 変形例1における二次転写部の周辺構成を示す説明図である。 変形例2における二次転写部の周辺構成を示す説明図である。 変形例2における二次転写部の他の周辺構成を示す説明図である。 変形例3における二次転写部の周辺構成を示す説明図である。 変形例4において、低押圧力時における二次転写部Pの周辺構成を示す説明図である。 変形例4において、高押圧力時における二次転写部Pの周辺構成を示す説明図である。 変形例5において、高硬度の二次転写ローラによる二次転写ニップ形成時における二次転写部Pの周辺構成を示す説明図である。 変形例5において、低硬度の二次転写ローラによる二次転写ニップ形成時における二次転写部Pの周辺構成を示す説明図である。 交流転写バイアスの波形を示す説明図である。
以下、本発明を電子写真方式の画像形成装置に適用した一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態の画像形成装置の概略構成を示す説明図である。
本実施形態の画像形成装置は、中間転写方式のタンデム型画像形成装置である。この画像形成装置1は、トナー像を形成するプリンタ部100と、プリンタ部100を載置する給紙テーブル200と、プリンタ部100上に搭載されたスキャナ部300と、スキャナ部300上に搭載された原稿自動搬送装置であるADF400とを有している。
プリンタ部100は、像担持体としての中間転写体である無端ベルト状の中間転写ベルト21を備えている。中間転写ベルト21は、側方から見て図1に示すように逆三角の形状になる姿勢で、駆動ローラ22、従動ローラ23及び二次転写対向ローラ(バックアップローラ)24に張架されている。中間転写ベルト21は、駆動ローラ22の回転駆動によって、図1において時計回り方向(図1中矢印Xの方向)に表面移動する。
中間転写ベルト21の上方には、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(黒)のトナー像を形成するための4つの作像ユニット(画像形成ユニット)1C,1M,1Y,1Kが、中間転写ベルト21の移動方向Xに沿って並んで配置される。作像ユニット1C,1M,1Y,1Kは、トナー像を形成する画像形成部10を構成している。
各作像ユニット1C,1M,1Y,1Kはそれぞれ、像担持体としての感光体ドラム2C,2M,2Y,2Kと、現像ユニット3C,3M,3Y,3Kと、感光体クリーニング装置4C,4M,4Y,4Kを有している。感光体ドラム2C,2M,2Y,2Kは、それぞれ一次転写ローラ25C,25M,25Y,25Kと対向する位置で、中間転写ベルト21に当接してC、M、Y、K用の一次転写ニップを形成する。感光体ドラム2C,2M,2Y,2Kは、駆動手段によって図1で反時計回り方向(図1中の矢印で示す方向)に回転駆動される。
現像ユニット3C,3M,3Y,3Kは、感光体ドラム2C,2M,2Y,2Kに形成された静電潜像をC、M、Y、Kの各色トナーによって現像する。感光体クリーニング装置4C,4M,4Y,4Kは、一次転写ニップを通過した後の感光体ドラム2C,2M,2Y,2Kに付着している転写残トナーをクリーニングする。
プリンタ部100内における画像形成部10の上方には、潜像形成手段としての光書込ユニット15が配設されている。光書込ユニット15は、回転駆動される感光体ドラム2C,2M,2Y,2Kの表面に対して、レーザ光の走査による光書込処理を施して静電潜像を形成する。感光体ドラム2C,2M,2Y,2Kの表面は、その光書込処理に先立って、それぞれ各帯電チャージャによって一様に帯電される。
画像形成部10の下方に中間転写ベルト21を有する転写ユニット20が配備される。中間転写ベルト21のループ内側に、一次転写ローラ25C,25M,25Y,25Kが設けられている。各一次転写ローラ25C,25M,25Y,25Kは、C、M、Y、Kの各色用の一次転写ニップの裏側で、中間転写ベルト21を感光体ドラム2C,2M,2Y,2Kに向けて押圧している。
二次転写対向ローラ24は中間転写ベルト21の内側の下部に位置しており、この二次転写対向ローラ24に中間転写ベルト21の下部が巻き付いている。二次転写対向ローラ24に巻き付いた部位の中間転写ベルト21の外周面側には、ニップ形成部材としての二次転写ローラ30が押し付けられている。二次転写ローラ30は、対向する二次転写対向ローラ24との間で中間転写ベルト21に挟持することによって、二次転写部Pの二次転写ニップNを形成している。
中間転写ベルト21の内周面側には、二次転写ニップNよりも中間転写ベルト移動方向上流側に、押し下げローラ58が当接している。この押し下げローラ58は、中間転写ベルト21を二次転写ローラ30側に向けて押し下げて二次転写ローラ30に強制的に巻き付け、二次転写ニップNのニップ幅(二次転写ニップNの中間転写ベルト移動方向長さ)を長くしている。これにより、二次転写ニップNの入口が二次転写対向ローラ24と二次転写ローラ30との軸間位置から遠ざかり、二次転写時に二次転写ニップNの入口側で放電が発生するのを抑制している。
また、二次転写ニップNよりも中間転写ベルト移動方向上流側には、記録材である記録シートを二次転写ニップNの入口へ向けて案内するガイド板51が配設されている。レジストローラ対95により二次転写ニップNに向けて送り出された記録シートは、ガイド板51に接触することで、二次転写ニップNよりも中間転写ベルト移動方向上流側の中間転写ベルト21の表面に向けて案内される。そのため、記録シートは二次転写ニップNに進入させるのに先立って中間転写ベルト21の表面に当接し、記録シートのめくれやジャムの発生が抑えられる。
二次転写ローラ30には、付着したトナーを機械的に掻き取るクリーニングブレード52と、潤滑剤塗布手段としての回転ブラシ53とが当接している。回転ブラシ53による潤滑剤の塗布で、二次転写ローラ30のトナー離型性を向上させている。回転ブラシ53は、ステアリン酸亜鉛塊などの固形潤滑剤531と二次転写ローラ30との両方に接触して回転駆動することで、固形潤滑剤531から掻き取って得た潤滑剤粉末を二次転写ローラ30の表面に塗布する。また、クリーニングブレード52の二次転写ローラ回転方向上流側には、紙粉を取り除くための紙粉除去ブラシ54が二次転写ローラ30の表面に当接している。
二次転写ニップNには、記録シートがレジストローラ対95によって所定のタイミングで送り込まれ、中間転写ベルト21上の4色重ね合わせられたトナー像がこの二次転写ニップNで記録シート上に一括転写される。
スキャナ部300は、コンタクトガラス301上に載置された原稿の画像情報を読取センサ302で読み取り、読み取った画像情報を制御部60に送る。画像形成制御機能を有する制御部60は、スキャナ部300から受け取った画像情報に基づき、光書込ユニット15におけるレーザダイオード等の光源を制御するよう機能する。この光書込ユニット15がC、M、Y、K用のレーザ書込光を出射して、感光体ドラム2C,2M,2Y,2Kを光走査する。この光走査により、感光体ドラム2C,2M,2Y,2Kの表面に静電潜像が形成され、静電潜像は所定の現像プロセスを経てC,M,Y,Kの各色のトナー像を形成する。
給紙テーブル200は、ペーパバンク201内に多段に配置された給紙カセット202を備えている。給紙カセット202より延びる給紙路204、上給紙路99には、記録シートを送り出す給紙ローラ203、送り出された記録シートを分離して送り出す分離ローラ205、プリンタ部100に記録シートを搬送する搬送ローラ対206等が備えられている。
給紙については、給紙テーブル200以外に、手差し給紙も可能となっており、手差しのための手差しトレイ98、手差しトレイ98上の記録シートを手差し給紙路97に向けて一枚ずつ分離する手差し側分離ローラ96等も設けられている。プリンタ部100内において、手差し給紙路97は上給紙路99に合流している。
転写ユニット20の下方近傍には、上給紙路99の上下を挟むようにレジストローラ対95が設けられる。レジストローラ対95は、給紙カセット202又は手差しトレイ98から送り出された記録シートを挟み込むとすぐに回転を停止する。レジストローラ対95は挟み込んだ記録シートを二次転写ニップN内で中間転写ベルト21上の4色重ね合わせトナー像に同期させて給紙するタイミングで回転駆動を再開し、記録シートを二次転写ニップNに向けて送り出す。このようにレジストローラ対95は、上給紙路99内又は手差し給紙路97内を搬送されてくる記録シートを挟み込んだ後、所定のタイミングで二次転写ニップNに向けて送り込む。
画像形成装置1によってカラー画像のコピーをとるときには、ADF400の原稿台401上に原稿をセットするか、或いはADF400を開いてスキャナ部300のコンタクトガラス301上に原稿をセットする。コンタクトガラス301上にセットされた原稿はADF400を閉じることによってコンタクトガラス301上におさえられる。
図5に示すオペレーションパネル69に備えられているスタートボタンが押されると、原稿がADF400にセットされている場合には、コンタクトガラス301上に搬送される。その後、スキャナ部300が駆動を開始し、第1走行体303及び第2走行体304が原稿面に沿って走行を開始する。第1走行体303の光源から発した光が原稿面で反射され、その反射光は、第2走行体304のミラーで折り返された後、結像レンズ305を通して読取センサ302に入射される。読取センサ302及び同センサの信号処理機能を有する信号処理回路(付設される)によって原稿内容が読み取られ、画像情報として一旦記憶された後、順次、プリンタ部100へ送られる。
給紙テーブル200は、スキャナ部300から画像情報を受け取ると、画像情報に応じたサイズの記録シートを上給紙路99に給紙する。これに伴って、プリンタ部100では、駆動ローラ22を回転駆動して中間転写ベルト21を移動させる。同時に、プリンタ部100では、感光体ドラム2C,2M,2Y,2Kをそれぞれ矢示方向に回転させ、その各表面を一様帯電させる。その後、スキャナ部300から受け取った画像情報に基づいて、光書込ユニット15による光書込処理がなされ、感光体ドラム2C,2M,2Y,2Kの表面にそれぞれ静電潜像が形成される。静電潜像は、現像ユニット3C,3M,3Y,3Kによって各色のトナーによって現像処理される。現像処理によって感光体ドラム2C,2M,2Y,2Kの表面上に形成されたC、M、Y、Kの各色のトナー像が、C、M、Y、K用の一次転写ニップで順次重ね合わせて中間転写ベルト21上に一次転写されて、4色重ね合わせたフルカラーのトナー像になる。
給紙テーブル200では、給紙ローラ203の1つが原稿サイズに応じたサイズの記録シートを給紙するように選択的に回転され、3つの給紙カセット202のうちの1つから記録シートが送り出される。送り出された記録シートは、分離ローラ205で1枚ずつ分離されて給紙路204に導入された後、搬送ローラ対206で搬送されてプリンタ部100内の上給紙路99に送られる。手差しトレイ98を用いる場合には、手差しトレイ98の手差し側給紙ローラ94が回転して手差しトレイ98上の記録シートが送り出され、手差し側分離ローラ96で分離されて手差し給紙路97に送り込まれ、上給紙路99の末端付近に至る。上給紙路99の末端付近では、記録シートが先端をレジストローラ対95に突き当てて止まる。
中間転写ベルト21上のフルカラーのトナー像に同期し得るタイミングで、レジストローラ対95が回転すると、記録シートが二次転写ニップN内に送り込まれて、中間転写ベルト21上のフルカラーのトナー像に密着する。トナー像は、転写ニップの圧力と二次転写バイアスによる電界の作用によって、記録シート上に一括転写される。二次転写ニップNは、二次転写ローラ30と二次転写対向ローラ24に巻き付いた中間転写ベルト21の部分とによって形成される。
二次転写ニップNでフルカラーのトナー像が二次転写された記録シートは、二次転写ニップNを通過すると、二次転写ローラ30や中間転写ベルト21から曲率分離し、用紙搬送ベルト70によって定着装置71内に送り込まれる。定着装置71内に送り込まれた記録シートは、定着装置71で加圧ローラ72と定着ベルト73との間の定着ニップに挟み込まれ、熱と圧力によってトナー像が表面に定着される。
カラー画像が形成された記録シートは、排出ローラ対74によって送出され、機外の排紙トレイ75上にスタックされる。なお、記録シートのもう一方の面にも画像が形成される場合には、記録シートは定着装置71から排出された後、切替爪76による進路切り換えによってシート反転装置77に送られる。シート反転装置77に送られた記録シートは上下反転された後、再びレジストローラ対95に戻される。更に、二次転写ニップNへ送り込まれて他方の面にフルカラーのトナー像が二次転写され、再び定着装置71を経由してトナー像を定着され、排紙トレイ75上にスタックされる。
二次転写ニップNを通過した後、4色のうちで一次転写工程が最も上流となるシアン用の一次転写ニップに進入する前の中間転写ベルト21の表面に、ベルトクリーニング装置26が接触している。ベルトクリーニング装置26は、中間転写ベルト21の表面に付着している転写残トナーをクリーニングする。
図2は、画像形成装置1における二次転写部Pの周辺構成を示す説明図である。
本実施形態の画像形成装置1は、二次転写バイアスを二次転写ニップNに印加するための転写バイアス印加手段である二次転写電源81と、二次転写ニップNを流れる転写電流のルート上の電気抵抗値を調整する調整手段としての加熱手段であるヒータ87と、直流成分に交流成分とを含む二次転写バイアスが二次転写ニップNに印加される際の電気抵抗値を所定の選択条件に従って調整するように、ヒータ87の駆動制御を行う制御手段としてのヒータ駆動手段600bと、二次転写電源81を制御する制御手段としてのバイアス制御手段600aとを備えている。調整手段としてのヒータ87は、すなわち、二次転写ニップNを流れる転写電流のルート上の電気抵抗値を変更する電気抵抗値変更手段である。
二次転写対向ローラ24は、図2に示すように、芯金241と、これの表面に被覆された導電性のNBR系ゴム層242とを具備するものである。二次転写ローラ30も、芯金311と、これの表面に被覆された導電性のNBR系ゴム層312とを具備するものである。二次転写電源81は、直流電源811と交流電源812とが直列に接続された交流電源回路部と、単一の直流電源813からなる直流電源回路部とが並列に配置され、これらを切り換えスイッチ88によって、選択的に二次転写対向ローラ24に接続されるように構成されている。
二次転写電源81は、直流電圧に交流電圧を重畳させた重畳電圧を芯金241に出力可能である。一方、二次転写ローラ30の芯金311は接地されている。本実施形態では、二次転写電源81から重畳電圧を二次転写対向ローラ24の芯金241に出力することにより、直流成分に交流成分とを含む二次転写バイアスが二次転写ニップNに印加される。その結果、マイナス極性のトナーを、二次転写対向ローラ24側(中間転写ベルト21側)から二次転写ローラ30側(記録シート側)に向けて静電的に移動させる二次転写電界が二次転写ニップN及びその近傍に形成される。なお、二次転写対向ローラ24と二次転写ローラ30とでは、二次転写対向ローラ24の方が、抵抗値が高くなっている。
なお、二次転写電源81として、単一の直流電源813を備えず、直流電源811と交流電源812のみからなるものを用いてもよい。この場合、二次転写電源81は、交流電源812の出力をオフにしたうえで直流電源811のみから直流電圧を出力することで、直流電圧のみからなる電圧を芯金241に出力可能である。また、二次転写電源81は、直流電源811から直流電圧を出力するとともに交流電源812から交流電圧を出力することで、直流電圧に交流電圧を重畳させた重畳電圧を芯金241に出力可能である。
ヒータ87は、二次転写対向ローラ24に対向配置されており、二次転写対向ローラ24を加熱する熱を発生させる。ヒータ87は、中間転写ベルト21の内周面側に設けられ、二次転写対向ローラ24の近傍に配置されている。ヒータ87は、ヒータ駆動用の電源である交流のヒータ電源84にリレー861を介して接続されている。
図3は、ヒータ87の構成を示す斜視図である。
本実施形態のヒータ87は、絶縁板870及び支持板871を介してプリンタ部100の基板側に支持されているニクロム線ヒータで構成されている。このヒータ87は、定格電圧200V、ワット数9Wのものであるが、これに限定されない。本実施形態のヒータ87は、フレキシブルな面状発熱体であり、厚さ0.05mmのアルミニウム箔を用い、発熱体872であるシリコンゴム絶縁発熱体を両面から覆うようにして一体的に形成されている。ヒータ87の表面温度の上昇値は、80℃±20℃である。なお、図中符号873は、差し込みスイッチを示す。
ヒータ87は、ヒータ電源84から電力が供給されることにより熱を発生させる。リレー861は、制御部60のヒータ駆動手段600bによって駆動制御される。ヒータ駆動手段600bは、ヒータ電源84を制御することにより、ヒータ87の出力電力(W)を制御する。リレー861を介してヒータ87の駆動回路がヒータ駆動手段600bによって容易かつ応答性よく切り換えられる。
ヒータ87は、中間転写ベルト21とともに像担持体を構成する二次転写対向ローラ24を加熱することにより、二次転写対向ローラ24の温度を変化させて、二次転写対向ローラ24の電気抵抗値を変更することができる。これにより、二次転写電流が流れるルート上の電気抵抗値が変更される。特に、本実施形態において、ヒータ87は、二次転写対向ローラ24のみならず、二次転写ニップNを形成する中間転写ベルト21や二次転写ローラ30にも効率よく熱を付与できるように配置されている。そのため、ヒータ87により、二次転写ニップNを流れる転写電流のルート上の電気抵抗値を大きく変化させることが可能である。
本実施形態の画像形成装置は、直流成分のみからなる直流転写バイアスを二次転写バイアスとして用いるDCモードと、直流成分と交流成分を含む交流転写バイアスを二次転写バイアスとして用いるACモードとを選択的に実行して、画像形成を行う。ACモードは、主に、和紙のような表面凹凸に富んだ記録シート(以下「凹凸紙」という。)へ画像を形成する際に実行され、DCモードは、主に、凹凸紙以外の記録シート(表面が平滑な記録シート等)へ画像を形成する際に実行される。凹凸紙の種類としては、例えば、特殊製紙株式会社製のレザック66(商品名)260KG紙(四六版連量)、株式会社NBSリコー社製のFC和紙タイプさざ波(商品名)、エンボス紙、リネン紙などがある。凹凸紙以外の記録シートの種類としては、例えば、株式会社NBSリコー社製のマイペーパー(商品名)などの普通紙、コート紙などがある。
ここで、ACモードの場合、DCモードに比べて、二次転写ニップNの入口側で放電が生じやすい。この放電が発生すると、中間転写ベルト21上のトナー像が放電の衝撃で乱されてチリが生じ得る。また、中間転写ベルト21上のトナー像を構成する一部のトナーが放電によって逆極性(本実施形態ではプラス極性)に帯電してしまい、二次転写ニップNにおいて記録シート側へ転写されず、画像の白抜けが生じることもある。
このような放電がACモード時に発生しやすい理由は次のように考えられる。
交流転写バイアスは、図19に示すように、一般に、直流転写バイアスと同程度の直流成分Voff(平均値Vaveと同値)に対してピーク間電圧Vppの交流成分が重畳されたものである。図19中の符号Vtは、二次転写ニップNでトナーを中間転写ベルト21側から二次転写ローラ30側へ移動させる方(転写方向側)のピーク値を示す。また、図19中の符号Vrは、トナーを二次転写ローラ30側から中間転写ベルト21側に戻す方(戻し方向側)のピーク値を示す。
一般に、二次転写における転写性(トナー像全体の転写率)は、主に、二次転写ニップN内における単位面積当たりのトナー像を流れる転写電流の量によって決まる。そのため、本実施形態では、直流電源811は、目標の転写電流が二次転写ニップNを流れるように定電流制御されており、各種条件(凹凸紙の種類、画像の種類など)に応じて、交流転写バイアスの平均値Vaveすなわち直流成分Voffの値は変動することになる。一方、凹凸紙の画質に大きな影響を与える凹部へのトナー付着量(凹部転写性)は、主に、戻し方向ピーク値Vrによって決まる。そのため、交流電源812は、変動する直流成分Voffに応じ、目標の戻し方向ピーク値Vrが得られる交流成分のピーク間電圧Vppとなるように定電圧制御されている。
ここで、転写方向ピーク値Vtは、接地されている二次転写ローラ30と、二次転写電圧が印加される二次転写対向ローラ24との間でとり得る最大の電位差である。転写方向ピーク値Vtの絶対値は、平均値Vave(Voff)の絶対値と、ピーク間電圧Vppの2分の1との和である。その値が大きくなるとローラ間の放電が発生し易くなる結果、二次転写対向ローラ24に巻き付いている中間転写ベルト21の部分と、二次転写ローラ30に裏面を支持されている記録シートの表面との間で微小な空隙が形成されることになる二次転写ニップNの入口側において、放電が発生しやすくなる。
このように、ACモードの場合には、DCモードよりも二次転写ニップNの入口側で放電が生じやすく、チリや白抜け等の画質劣化が生じやすいので、この放電が発生しない範囲で交流転写バイアスの直流成分Voffを設定する必要がある。そのため、ACモードの場合、交流転写バイアスの直流成分Voffを大きくすることに制約があり、直流電源811は、各種条件が変化して直流成分Voffの値が変動しても放電が発生しない範囲で、目標の転写電流値を設定する必要がある。そのため、記録材の種類、形成する画像の種類、プロセス線速等の作像条件などの条件によっては、放電を発生させない範囲内で十分な量の転写電流を二次転写ニップNに流すことができず、十分な画像濃度を確保できないケースが出てきてしまう。
ここで、二次転写ニップNを流れる転写電流のルート上の電気抵抗値が低ければ、転写ニップを転写電流が流れやすくなるため、必要な転写電流を得るために必要となる交流転写バイアスの直流成分Voffを小さくすることができ、放電を発生させない範囲内で十分な量の転写電流を二次転写ニップNに流すことができないケースを少なくすることが可能である。しかしながら、転写電流のルート上の電気抵抗値を低くするために、二次転写ニップNを形成する二次転写対向ローラ24、中間転写ベルト21、二次転写ローラ30等の電気抵抗値(以下「二次転写ニップNの電気抵抗値」という。また、以下で「二次転写ニップNの電気抵抗値」という場合には、記録シートの電気抵抗値を含まないものとする。)を低くすると、凹凸紙の種類や画像の種類(画像面積率の違いや、記録シート上におけるトナー像付着部分の分布の違いなど)によっては、交流転写バイアスの直流成分や交流成分をいくら調整しても、十分な画像濃度を確保できないケースが出てくる。
図4を用いて詳しく説明すると、二次転写ニップNの電気抵抗値が低い場合、その二次転写ニップN中の記録シートが挟持されていない非記録材挟持領域(本実施形態では、記録シートと接しない二次転写ローラ30の軸方向両端領域)N2で電流が流れやすくなる。そのため、二次転写ニップN中の記録シートが挟持されている記録材挟持領域(本実施形態では、記録シートと接する二次転写ローラ30の軸方向中央領域)N1を流れる電流量が少なくなる。記録材挟持領域N1の電気抵抗値は、二次転写ニップNに挟持される記録シートS(凹凸紙等)の種類や二次転写ニップN内に存在するトナー像(画像)の種類(トナー付着量など)によって変わってくる。そのため、記録シートS(凹凸紙等)の種類や画像の種類によっては、記録材挟持領域N1の電気抵抗値が相対的に高くなりすぎて、転写電流の全体量が十分であっても、その多くが非記録材挟持領域N2へ流れてしまい、記録材挟持領域N1には必要な量の電流を流れず、十分な画像濃度を確保できない場合がある。
以上のように、二次転写ニップNの電気抵抗値が高い場合には、二次転写ニップNの入口側で放電を発生させない範囲内で十分な量の転写電流を二次転写ニップNに流すことができずに十分な画像濃度を確保できないケースが出てくる。一方、二次転写ニップNの電気抵抗値が低い場合には、転写電流の全体量が十分であっても、記録材挟持領域N1に必要な量の電流を流すことができずに十分な画像濃度を確保できないケースが出てくる。したがって、二次転写ニップNの電気抵抗値が変更できない構成では、十分な画像濃度を確保できないケースが出てきてしまう。
そこで、本実施形態においては、記録シートの種類や画像の種類などの各種条件に応じて、ヒータ駆動手段600bによりヒータ87を制御して二次転写ニップNの電気抵抗値を変化させることにより、幅広い条件にわたって、チリや白抜けが生じずかつ十分な画像濃度が確保された高品質な画像を形成することを可能にしている。
図5は、図1に示した画像形成装置1の制御系の一部を示すブロック図である。
制御部60は、演算手段たるCPU60a、不揮発性メモリたるRAM60c、一時記憶手段たるROM60b、フラッシュメモリ60d等を有している。画像形成装置1の全体の制御を司る制御部60には、様々な構成機器やセンサ類が通信可能に電気的に接続されているが、図5においては、画像形成装置1の一部の構成を示している。
なお、符号68は、温湿度を検知する温湿度検知手段であり、制御部60は、温湿度検知手段68の検知結果に基づいてヒータ駆動手段600bによりヒータ87を駆動制御してもよい。具体的には、転写チリが発生し易い低温時にはヒータ87の出力を高くし又はオンにして二次転写対向ローラ24の電気抵抗値を低減させ、高温時にはヒータ87の出力を低下させ又はオフにしてヒータ87の無駄な作動を防止する。
オペレーションパネル69は、タッチパネルや複数のキーボタンなどから構成されており、ユーザー操作を受け付ける操作受付手段として機能する。タッチパネルの画面は画像を表示可能である。タッチパネルの画面は、印刷対象の記録シートすなわち用紙の種類(紙種)を選択するための画面を表示可能である。オペレーションパネル69は、タッチパネルやキーボタンによってユーザーの操作を受け付け、入力情報を制御部60に送信する。ユーザーが、タッチパネルの画面に表示された紙種から、印刷に用いる紙種を選択すると、オペレーションパネル69はユーザーにより選択された紙種情報を制御部60へ送信する。オペレーションパネル69は、制御部60から送られてくる制御信号に基づいて、タッチパネルに画像を表示することもできる。
次に、本発明者が行った画質評価実験について説明する。
本実験では、リコー社製Ricoh Pro C5110の二次転写部Pを改造して外部から二次転写電圧を二次転写対向ローラ24に印加できるようにし、3種類の凹凸紙に対してテスト画像を形成して画質評価を行った。使用した3種類の凹凸紙は、Conqueor High White Laid 300gsm(以下「凹凸紙A」という。)、特殊製紙社製レザック302gsm(以下「凹凸紙B」という。)、特殊製紙社製レザック115gsm(以下「凹凸紙C」という。)である。本実験において、二次転写電源81として、Trek COR−A−TROL Model610Dを用い、定電流制御された−70μAの転写電流が二次転写ニップNへ流れるように設定した。二次転写ニップNの電気抵抗値については、二次転写バイアスを印加した二次転写ニップN内に記録シートが存在しない状態において、二次転写電源81から転写電流を入力して、その時の出力電圧値を測定し、その出力電圧値を転写電流値で割った値を、二次転写ニップNの電気抵抗値として測定した。
また、画質評価については、各種凹凸紙A〜Cの凹部転写性(凹部内のトナー付着量)と、各種凹凸紙A〜Cの凸部転写性(凸部上のトナー付着量、チリや白抜けの発生等)と、各種凹凸紙A〜Cのハーフトーン再現性の3種類の画質評価を行った。具体的には、凹部転写性及び凸部転写性については、各種凹凸紙A〜Cに対してベタ画像を形成し、形成されたベタ画像中における凹部の画像濃度を目視で確認して凹部転写性を評価するとともに、形成されたベタ画像中における凸部の画像濃度やチリあるいは白抜けの発生を目視で確認して凸部転写性を評価する。また、ハーフトーン再現性については、各種凹凸紙A〜Cに対してハーフトーン画像を形成し、形成されたハーフトーン画像における画像濃度やチリあるいは白抜けの発生を目視で確認してハーフトーン再現性を評価する。
本実験では、ヒータ87を制御して二次転写ニップNの電気抵抗値を変化させたときの画質評価を行った。凹凸紙Aの画質評価結果を表1に示し、凹凸紙Bの画質評価結果を表2に示し、凹凸紙Cの画質評価結果を表3に示す。なお、画質評価結果は、良好である場合(許容範囲)を「○」とし、良好でないが画像の種類やユーザーの好み(要望)等の条件によっては許容できることがある場合を「△」とし、許容できない場合を「×」とした。
Figure 2017116671
Figure 2017116671
Figure 2017116671
まず、上述した表1〜表3に示すように、本実験では、すべての凹凸紙A〜Cにおいて、すべての評価項目について良好(○)の結果が得られる二次転写ニップNの電気抵抗値は存在しなかった。
また、凹部転写性については、いずれの凹凸紙A〜Cでも、二次転写ニップNの電気抵抗値が10.9logΩと最も高い時に不良(×)であり、二次転写ニップNの電気抵抗値が低くなるほど改善されていく傾向が見られる。したがって、凹凸紙A〜Cの種類の違いによって凹部転写性に差はほとんど見られない。
一方、凸部転写性及びハーフトーン再現性については、紙厚が異なる凹凸紙Bと凹凸紙Cとの間で差が生じている。具体的には、二次転写ニップNの電気抵抗値が高い時、紙厚が厚い凹凸紙Bでは、良好(○)あるいは可(△)であるが、紙厚が薄い凹凸紙Cでは、不良(×)である。これは、二次転写ニップNの電気抵抗値が高いと、目標の転写電流を流すために必要な二次転写バイアスが大きくなるため、紙厚が薄い凹凸紙Cでは、耐圧がもたずに放電が発生してしまったためだと考えられる。このことから、ACモード時には、紙厚の薄い凹凸紙へ画像形成する場合には、紙厚の厚い凹凸紙へ画像形成する場合よりも、二次転写ニップNの電気抵抗値が低くなるようにヒータ87を制御するのが好ましい。
また、凸部転写性については、紙厚が異なる凹凸紙Bと凹凸紙Cとを比較すると、二次転写ニップNの電気抵抗値が低い時、紙厚が薄い凹凸紙Cでは、良好(○)あるいは可(△)であるのに対して、紙厚が厚い凹凸紙Bでは、可(△)あるいは不良(×)である。紙厚が厚い凹凸紙Cの場合、二次転写ニップNの記録材挟持領域N1における電気抵抗値が高まるため、二次転写ニップNの電気抵抗値が低いと、記録材挟持領域N1の電気抵抗値と非記録材挟持領域N2の電気抵抗値との差が大きくなる。そのため、非記録材挟持領域N2へ優先的に電流が流れ、記録材挟持領域N1へ流れる電流量が少なくなり、記録材挟持領域N1におけるトナー像の転写性が悪化して、画像濃度不足が生じたものと考えられる。このことから、ACモード時には、紙厚の厚い凹凸紙へ画像形成する場合には、紙厚の薄い凹凸紙へ画像形成する場合よりも、二次転写ニップNの電気抵抗値が高くなるようにヒータ87を制御するのが好ましい。
以上より、具体的な制御としては、紙厚の厚い凹凸紙Bについては、二次転写ニップNの電気抵抗値が10.5logΩ以上10.7logΩ以下の範囲内となるようにヒータ87を制御するのがよい。また、紙厚の薄い凹凸紙Cについては、二次転写ニップNの電気抵抗値が9.9logΩ以上10.2logΩ以下の範囲内となるようにヒータ87を制御するのがよい。
〔制御例1〕
図6は、ACモード時における制御の一例(以下、「制御例1」という。)を示すフローチャートである。
制御部60に印刷ジョブが入力されたら、制御部60は印刷ジョブを開始し(S1)、まず、オペレーションパネル69から紙種情報を取得し(S2)、その紙種情報に基づいてACモードで制御するかDCモードで制御するかを選択する(S3)。すなわち、本制御例1では、ユーザーがオペレーションパネル69を操作して選択した印刷に用いる紙種の選択結果を示す紙種情報に基づき、その紙種情報がACモードに対応する凹凸紙を示すものである場合にはACモードを選択し、それ以外であればDCモードを選択する。
DCモードが選択された場合(S3のNo)、制御部60は、二次転写バイアスとして直流転写バイアスを設定した上で(S11)、ヒータ87はOFFにしたまま、画像形成動作を開始する(S10)。二次転写バイアスが直流転写バイアスの場合には、二次転写ニップNの電気抵抗値が高くても、二次転写ニップNの入口側の放電が起こりにくく、放電によるチリや白抜けを抑制しつつ、画像濃度を確保できる。むしろ、二次転写ニップNの電気抵抗値を低くすると、非記録材挟持領域N2へ優先的に電流が流れやすくなって画像濃度を確保できないおそれがある。本制御例1によれば、DCモードの場合、ヒータ87はOFFにしたままにして二次転写ニップNの電気抵抗値を高く維持するため、放電によるチリや白抜けを抑制しつつ高い画像濃度が確保された高品質な画像を形成することができる。
ACモードが選択された場合(S3のYes)、制御部60は、二次転写バイアスとして交流転写バイアスを設定する(S4)。そして、紙種情報に基づき、印刷に使用する凹凸紙が厚紙か薄紙かという記録シートの種類(選択条件)を判定する(S5)。その凹凸紙が厚紙であると判定された場合(S5のYes)、上述したように、薄い凹凸紙である場合よりも二次転写ニップNの電気抵抗値が高い方が好ましい。したがって、制御部60は、ヒータ87の出力時間を相対的に短い時間に設定する(S6)。具体的には、上述した画質評価実験の結果から、二次転写ニップNの電気抵抗値が10.5logΩ以上10.7logΩ以下の範囲内となるようにヒータ87の出力時間を設定する。これにより、二次転写対向ローラ24の温度が相対的に低めになり、二次転写ニップNの電気抵抗値が相対的に高いものとなる。
逆に、その凹凸紙が薄紙であると判定された場合(S5のNo)、制御部60は、ヒータ87の出力時間を相対的に長い時間に設定する(S7)。具体的には、上述した画質評価実験の結果から、二次転写ニップNの電気抵抗値が9.9logΩ以上10.2logΩ以下の範囲内となるようにヒータ87の出力時間を設定する。これにより、二次転写対向ローラ24の温度が相対的に高めになり、二次転写ニップNの電気抵抗値が相対的に低いものとなる。
このようにしてヒータ出力時間を設定した後、制御部60は、ヒータ駆動手段によりヒータ87をONにし(S8)、ヒータ出力時間が設定時間を経過したら(S9のYes)、画像形成動作を開始する(S10)。二次転写バイアスが交流転写バイアスであるACモードでは、二次転写ニップNの電気抵抗値が高いと二次転写ニップNの入口側の放電が起こりやすいが、本制御例1では、ACモード時にヒータ87をONにして二次転写ニップNの電気抵抗値を低下させるため、放電によるチリや白抜けを抑制できる。
更に、本制御例1では、ACモード時に使用する記録シート(凹凸紙)の種類が厚紙であるか否かによって、ヒータの出力時間を変更して、二次転写ニップNの電気抵抗値を調整する。これにより、厚紙に比べて放電によるチリや白抜けが発生しやすい薄紙の場合には、二次転写ニップNの電気抵抗値をより大きく低下させ、これにより放電によるチリや白抜けを安定して抑制できる。一方、薄紙に比べて放電によるチリや白抜けが発生しにくい厚紙の場合には、二次転写ニップNの電気抵抗値の低下幅を小さくし、これにより画像濃度を確保しやすいようにしている。
下記の表4は、本実施形態の画像形成装置1におけるヒータ87の出力電力と二次転写ニップNの電気抵抗値との関係を示すものである。なお、この表4は、上述した品質評価実験で使用した画像形成装置を用いたものであり、温度が10℃で相対湿度が15%である使用環境において計測したものである。このように、ヒータ出力時間によって二次転写ニップNの電気抵抗値を調整することができる。そのほか、例えば、ヒータ87によって加熱される二次転写対向ローラ24の温度を検知する温度センサを設け、その温度を制御して二次転写ニップNの電気抵抗値を調整するようにしてもよい。
Figure 2017116671
以上のような紙厚の違う凹凸紙Bと凹凸紙Cとの関係は、二次転写ニップN内における凹凸紙Bと凹凸紙Cとの間の電気抵抗値の違いによるものである。したがって、この関係は、二次転写ニップN内で凹凸紙へ転写される画像の種類、具体的には画像面積率(単位面積辺りのトナー付着量)の違いによっても同様に考えることができる。
すなわち、トナーが少ない場合には、耐圧がもたずに放電が発生しやしいため、二次転写ニップNの電気抵抗値が高い場合にはチリや白抜けなどの画質劣化が生じやすく、凸部転写性やハーフトーン再現性が悪化しやすい。したがって、ACモード時には、画像面積率が低い画像を形成する場合、画像面積率が高い画像を形成する場合よりも、二次転写ニップNの電気抵抗値が低くなるようにヒータ87を制御するのが好ましい。
同様に、トナーが多い場合には、二次転写ニップNの記録材挟持領域N1における電気抵抗値が高まるため、二次転写ニップNの電気抵抗値が低いと、記録材挟持領域N1の電気抵抗値と非記録材挟持領域N2の電気抵抗値との差が大きくなり、画像濃度不足が生じ得る。このことから、ACモード時には、画像面積率が高い画像を形成する場合、画像面積率が低い画像を形成する場合よりも、二次転写ニップNの電気抵抗値が高くなるようにヒータ87を制御するのが好ましい。
〔制御例2〕
図7は、ACモード時における制御の他の例(以下、「制御例2」という。)を示すフローチャートである。なお、以下の説明では、上述した制御例1と異なる点を中心に説明する。
本制御例2において、制御部60は、ACモードが選択された場合(S3のYes)、印刷ジョブに係る画像情報に基づいて、印刷に使用する凹凸紙に形成される画像の種類(選択条件)を判定する。具体的には、印刷に使用する凹凸紙に形成される画像の画像面積率が規定値以上であるか否かを判定する(S12)。
画像面積率が規定値以上であると判定された場合(S12のYes)、上述したように、画像面積率が規定値未満であるトナー量の少ない画像である場合よりも、二次転写ニップNの電気抵抗値が高い方が好ましい。したがって、制御部60は、ヒータ87の出力時間を相対的に短い時間に設定する(S6)。逆に、画像面積率が規定値未満であると判定された場合(S12ののNo)、制御部60は、ヒータ87の出力時間を相対的に長い時間に設定する(S7)。
本制御例2では、ACモード時に形成する画像の種類が画像面積率の高い画像であるか否かによって、ヒータの出力時間を変更して、二次転写ニップNの電気抵抗値を調整する。これにより、トナー量の多い高画像面積率の画像に比べて放電によるチリや白抜けが発生しやすいトナー量の少ない低画像面積率の画像の場合には、二次転写ニップNの電気抵抗値をより大きく低下させ、これにより放電によるチリや白抜けを安定して抑制できる。一方、トナー量の少ない低画像面積率の画像に比べて放電によるチリや白抜けが発生しにくいトナー量の多い高画像面積率の画像の場合には、二次転写ニップNの電気抵抗値の低下幅を小さくし、これにより画像濃度を確保しやすいようにしている。
また、上述した画質評価実験において、凹凸紙Aと凹凸紙Bとを比較すると、その坪量がほぼ同じであるが、凸部転写性の画質評価結果がわすかに異なっている。これは、次のように考えることができる。図8に示すように、凹凸紙Aは、表面凹凸の周期が短く、個々の凸部の面積が狭いものとなっている。そのため、中間転写ベルト21の表面と凹凸紙Aとが接触する面積が小さいため、二次転写ニップNを転写電流が流れにくい。そのため、二次転写ニップNの電気抵抗値が低いと、非記録材挟持領域N2へ優先的に電流が流れてしまい、画像濃度不足が生じてしまう。したがって、凹凸紙の厚みが同じ場合でも、その表面凹凸の違い(凸部面積率の違い)によって、二次転写ニップNの電気抵抗値を変更することが好ましい。具体的には、ACモード時には、凸部面積率が低い凹凸紙に画像を形成する場合、凸部面積率が高い凹凸紙に画像を形成する場合よりも、二次転写ニップNの電気抵抗値が高くなるようにヒータ87を制御するのが好ましい。このことは、凹凸紙の材質の違いによって凹凸紙の電気抵抗値が異なる場合にも同様の考えが当てはまる。
〔制御例3〕
図9は、ACモード時における制御の更に他の例(以下、「制御例3」という。)を示すフローチャートである。なお、以下の説明では、上述した制御例1と異なる点を中心に説明する。
本制御例3において、制御部60は、ACモードが選択された場合(S3のYes)、オペレーションパネル69からの紙種情報に基づいて、印刷に使用する凹凸紙が凸部面積の多いものか少ないものかという記録シートの種類(選択条件)を判定する(S13)。凸部面積が少ない凹凸紙であると判定された場合(S13のYes)、上述したように、凸部面積が少ない凹凸紙である場合よりも、二次転写ニップNの電気抵抗値が高い方が好ましい。したがって、制御部60は、ヒータ87の出力時間を相対的に短い時間に設定する(S6)。逆に、凸部面積が多い凹凸紙であると判定された場合(S13ののNo)、制御部60は、ヒータ87の出力時間を相対的に長い時間に設定する(S7)。
本制御例3では、ACモード時に形成する凹凸紙の種類が凸部面積の少ない紙であるか否かによって、ヒータの出力時間を変更して、二次転写ニップNの電気抵抗値を調整する。これにより、凸部面積が少ない凹凸紙に比べて放電によるチリや白抜けが発生しやすい凸部面積が多い凹凸紙の場合には、二次転写ニップNの電気抵抗値をより大きく低下させ、これにより放電によるチリや白抜けを安定して抑制できる。一方、凸部面積が多い凹凸紙に比べて放電によるチリや白抜けが発生しにくい凸部面積が少ない凹凸紙の場合には、二次転写ニップNの電気抵抗値の低下幅を小さくし、これにより画像濃度を確保しやすいようにしている。
また、凹凸紙の種類、画像の種類(写真画像か、文字画像か)、ユーザーの要望(印刷物の用途、ユーザーの好み等)によっては、上述した画質評価結果における3つの評価項目(凹部転写性、凸部転写性、ハーフトーン再現性)の優先順位(重要度)が変わることがある。すなわち、例えば、凹部転写性が多少悪くても凸部転写性が良好であれば、画像全体の画質としては良好とされるケースもあれば、凹部転写性や凸部転写性が多少悪くてもハーフトーン再現性が良好であれば、画像全体の画質としては良好とされるケースもある。したがって、例えば、凹凸紙Aの場合であっても、例えば、凹部転写性を優先して良好にするケースでは、二次転写ニップの電気抵抗値を9.9logΩとなるようにヒータ87を制御するのが好ましいときもあれば、凸部転写性を優先して良好にするケースでは、二次転写ニップの電気抵抗値を10.7logΩとなるようにヒータ87を制御するのが好ましいときもある。また、例えば、凹凸紙Cの場合、凹部転写性と凸部転写性を優先して良好にするケースでは、二次転写ニップの電気抵抗値を10.2logΩとなるようにヒータ87を制御するのが好ましいときもあれば、ハーフトーン再現性を優先して良好にするケースでは、二次転写ニップの電気抵抗値を9.9logΩとなるようにヒータ87を制御するのが好ましいときもある。
〔制御例4〕
図10は、ACモード時における制御の更に他の例(以下、「制御例4」という。)を示すフローチャートである。なお、以下の説明では、上述した制御例1と異なる点を中心に説明する。
本制御例4において、制御部60は、紙種情報だけでなく、「ベタ優先モード」及び「ハーフトーン優先モード」のうちからユーザーがオペレーションパネル69を操作して選択した優先モードを示す優先情報も、オペレーションパネル69から取得する(S14)。そして、ACモードが選択された場合(S3のYes)、制御部60は、オペレーションパネル69からの優先情報に基づいて、ユーザーが、ベタ画像部分の画質を優先する「ベタ優先モード」を選択したか、ハーフトーン画像部分の画質を優先する「ハーフトーン優先モード」を選択したかというユーザー操作の内容(選択条件)を判定する(S15)。
そして、制御部60は、「ベタ優先モード」が選択された場合(S15のYes)、ヒータ87の出力時間を相対的に短い時間に設定して(S6)、二次転写ニップNの電気抵抗値が相対的に高くなるように設定する。一方、「ハーフトーン優先モード」が選択された場合(S15のNo)、ヒータ87の出力時間を相対的に長く時間に設定して(S7)、二次転写ニップNの電気抵抗値が相対的に低くなるように設定する。
本制御例4では、ユーザー操作の内容に応じて、ヒータの出力時間を変更して二次転写ニップNの電気抵抗値を調整する。これにより、ユーザーの要望に沿った画質の画像を形成することができる。
以上のように、本実施形態におけるACモードには、二次転写ニップNの電気抵抗値が互いに異なる設定で交流転写バイアスを印加させる複数の制御モードが予め用意されている。すなわち、制御部60は、入力された選択条件に従って、対応する制御モードを選択して実行することにより、二次転写ニップNの電気抵抗値が当該選択条件に応じた値となるようにヒータ駆動手段600bによりヒータ87を制御し、その二次転写ニップNに交流転写バイアスを印加して画像形成動作を実行する。
選択条件は、上述した制御例1や制御例3のように、二次転写ニップN内に介在したときの二次転写ニップの電気抵抗値が異なるような凹凸紙の種類(凹凸紙の厚み、凸部面積率、材質等)に応じた制御モードを選択するという条件でもよい。この場合、凹凸紙の種類は、ユーザーがオペレーションパネル69を操作して凹凸紙の種類を選択した入力情報に基づいて制御モードを選択するようにしてもよい。あるいは、画像形成装置1内の用紙搬送路や給紙カセット202内に凹凸紙の種類を判別する記録材種類検知手段を設け、その検知結果に基づいて制御モードを選択するようにしてもよい。
また、選択条件は、上述した制御例2のように、二次転写ニップN内に介在したときの二次転写ニップの電気抵抗値が異なるような画像の種類(画像面積率、記録材上におけるトナー像付着部分の分布など)に応じた制御モードを選択するという条件でもよい。この場合、画像の種類は、ユーザーがオペレーションパネル69を操作して画像の種類を選択した入力情報に基づいて制御モードを選択するようにしてもよい。あるいは、制御部60が画像情報に基づいて画像の種類を判別し、その判別結果に基づいて制御モードを選択するようにしてもよい。
また、選択条件は、上述した制御例4のように、ユーザーの要望(印刷物の用途、ユーザーの好み等)に応じた制御モードを選択するという条件でもよい。この場合、ユーザーの要望は、ユーザーがオペレーションパネル69を操作した入力情報に基づいて制御モードを選択するようにしてもよい。例えば、ユーザーがオペレーションパネル69のメニューから「ベタ優先モード」または「ハーフトーン優先モード」のいずれかを選択できるように構成し、ユーザーが選択した内容に応じた制御モードを選択する。具体的には、凹凸紙Cを用いる場合に、「ハーフトーン優先モード」が選択されたときは、二次転写ニップの電気抵抗値が9.5logΩとなるようにヒータ87を制御する制御モードを選択して実行し、「ベタ優先モード」が選択されたときは、二次転写ニップの電気抵抗値が10.2logΩとなるようにヒータ87を制御する制御モードを選択して実行する。
〔変形例1〕
次に、本実施形態における画像形成装置の一変形例(以下、本変形例を「変形例1」という。)について説明する。
図11は、本変形例1における二次転写部Pの周辺構成を示す説明図である。
本変形例1においては、二次転写ローラ30に二次転写電源81を接続し、二次転写対向ローラ24を接地した構成である。本変形例1では、ヒータ87を二次転写ローラ30に対向して配置されている。本変形例1でも、上述した実施形態と同様の作用効果が得られる。なお、図11では、単一の直流電源813からなる直流電源回路部が省略されているが、本変形例1において、直流電源回路部は、二次転写ローラ30に接続してもよいし、二次転写対向ローラ24に接続してもよい。
〔変形例2〕
次に、本実施形態における画像形成装置の他の変形例(以下、本変形例を「変形例2」という。)について説明する。
図12は、本変形例2における二次転写部Pの周辺構成を示す説明図である。
本変形例2においては、交流電源812を二次転写対向ローラ24に接続し、直流電源811を二次転写ローラ30に接続した構成である。接地は、二次転写ローラ30側とされている。本変形例2でも、上述した実施形態と同様の作用効果が得られる。なお、図12では、単一の直流電源813からなる直流電源回路部が省略されているが、本変形例2において、直流電源回路部は、二次転写ローラ30に接続してもよいし、二次転写対向ローラ24に接続してもよい。
ヒータ87は、図12中の実線で示すように、二次転写対向ローラ24に対向して配置してもよいし、二点鎖線で示すように、二次転写ローラ30に対向して配置してもよい。
また、二次転写電源81における直流電源811と交流電源812との接続の態様や接地の態様は、図13に示すように逆であってもよい。
〔変形例3〕
次に、本実施形態における画像形成装置の更に他の変形例(以下、本変形例を「変形例3」という。)について説明する。
図14は、本変形例3における二次転写部Pの周辺構成を示す説明図である。
本変形例3においては、二次転写ニップNの電気抵抗値を調整する調整手段として、ヒータ87による加熱手段に代えて、二次転写ニップNのニップ幅(二次転写ニップNの中間転写ベルト移動方向長さ)を変更するニップ幅変更手段を用いる。調整手段としてのニップ幅変更手段は、すなわち、二次転写ニップNを流れる転写電流のルート上の電気抵抗値を変更する電気抵抗値変更手段である。なお、加熱手段とニップ幅変更手段を併用してもよい。
本変形例3のニップ幅変更手段は、二次転写ニップNよりも中間転写ベルト移動方向上流側で中間転写ベルト21の内周面に当接する押し下げローラ58を、中間転写ベルト21の内周面に対する接離方向へ移動させることにより、二次転写ニップNのニップ幅を変更するものである。詳しくは、押し下げローラ58の回転軸には、偏心カム581が当接するように配置されている。偏心カム581の回転軸は、付勢手段としてのバネ582によって、押し下げローラ58の回転軸を中間転写ベルト21の内周面に近づく向きに付勢されている。これにより、押し下げローラ58は、偏心カム581を介してバネ582の付勢力により、中間転写ベルト21を二次転写ローラ30側に向けて押し下げている。
偏心カム581の回転軸には、偏心カム581を回転駆動させるカム駆動モータ583が接続されており、このカム駆動モータ583は制御部60により制御される。本変形例3において、偏心カム581を図14中実線で示す状態から半回転させて図14中破線で示す状態にすると、偏心カム581の外周面に押されて押し下げローラ58の回転軸が、図14中破線で示すように、中間転写ベルト21の内周面側へ変位する。これにより、二次転写ニップNの中間転写ベルト移動方向上流側における中間転写ベルト21の表面が二次転写ローラ30に近づく方向へ変位する。その結果、中間転写ベルト21が二次転写ローラ30に巻き付く量が増え、二次転写ニップNのニップ幅が長くなる。
中間転写ベルト21が二次転写ローラ30に巻き付く量が増えると、中間転写ベルト21のうち新たに二次転写ローラ30へ巻き付いた部分へも転写電流が流れるようになる。転写電流が流れる面積が増えると、二次転写ニップNの電気抵抗値が低くなるため、上述した実施形態においてヒータ87で加熱して二次転写ニップNの電気抵抗値を低くする制御と同じ制御を、偏心カム581の回転制御により実現できる。
〔変形例4〕
次に、本実施形態における画像形成装置の更に他の変形例(以下、本変形例を「変形例4」という。)について説明する。
図15及び図16は、本変形例4における二次転写部Pの周辺構成を示す説明図である。
本変形例4においては、二次転写ニップNの電気抵抗値を調整する調整手段として、ヒータ87による加熱手段に代えて、二次転写ニップNに加わる圧力を変更するニップ圧変更手段を用いる。調整手段としてのニップ圧変更手段は、すなわち、二次転写ニップNを流れる転写電流のルート上の電気抵抗値を変更する電気抵抗値変更手段である。なお、加熱手段やニップ幅変更手段とニップ圧変更手段とを併用してもよい。
本変形例4のニップ圧変更手段は、二次転写対向ローラ24に巻き付いた中間転写ベルト21へ二次転写ローラ30を押圧する押圧力を変更することにより、二次転写ニップNに加わる圧力を変更するものである。詳しくは、二次転写ローラ30の軸311は、ローラユニット保持体31によって回転自在に支持されている。ローラユニット保持体31は、記録シート搬送方向下流側の端部が支持軸32によって装置本体に対して回動自在に支持されている。一方、ローラユニット保持体31の記録シート搬送方向上流側の端部は、装置本体に固定された引っ張りバネ33により、図中下方へ付勢されている。したがって、ローラユニット保持体31は、この引っ張りバネ33の復元力により、支持軸32の回りに図中時計回り方向へ回動する付勢力が付与されている。
また、このような付勢力が付与されているローラユニット保持体31の図中時計回りの方向への回動を受ける位置には偏心カム34が配置されている。この偏心カム34がローラユニット保持体31に当接しているため、引っ張りバネ33の付勢力が付与されているローラユニット保持体31は、所定の回動位置(回動角度)で停止する。そして、偏心カム34がカム駆動モータ35によって回転すると、その回転角度に応じてローラユニット保持体31の回動位置が変化する。ローラユニット保持体31は、その回動位置の変化に応じて二次転写ローラ30が中間転写ベルト21に対して接離する方向へ変位するように、二次転写ローラ30を支持している。したがって、制御部60によりカム駆動モータ35を制御して偏心カム34の回転角度を変化させることにより、二次転写ローラ30を変位させて、二次転写ニップNに加わる圧力を変更することができる。
偏心カム34を、図15に示す回転角度から図16に示すように回転角度を変化させると、二次転写ローラ30の中間転写ベルト21に対する押圧力が増大し、二次転写ローラ30のゴム層312がより大きく変形する。これにより、二次転写対向ローラ24に巻き付いている中間転写ベルト21の表面と二次転写ローラ30の表面との接触幅が増大する。二次転写ニップNの電気抵抗値は転写電流が流れるルートの断面積が増えるほど低くなるため、当該接触幅が増大するほど二次転写ニップNの電気抵抗値は低くなる。したがって、上述した実施形態においてヒータ87で加熱して二次転写ニップNの電気抵抗値を低くする制御と同じ制御を、偏心カム34の回転制御により実現できる。
〔変形例5〕
次に、本実施形態における画像形成装置の更に他の変形例(以下、本変形例を「変形例5」という。)について説明する。
図17及び図18は、本変形例5における二次転写部Pの周辺構成を示す説明図である。
本変形例5においては、二次転写ニップNの電気抵抗値を調整する調整手段として、ヒータ87による加熱手段に代えて、硬度の異なる2つの二次転写ローラ30,30’を切り替えるローラ切り替え手段を用いる。調整手段としてのローラ切り替え手段は、すなわち、二次転写ニップNを流れる転写電流のルート上の電気抵抗値を変更する電気抵抗値変更手段である。なお、加熱手段やニップ幅変更手段やニップ圧変更手段とローラ切り替え手段とを併用してもよい。
本変形例5のローラ切り替え手段では、硬度の異なる2つの二次転写ローラ30,30’の各軸311,311’が、ローラユニット保持体36によって回転自在に支持されている。ローラユニット保持体36は、駆動モータ38の駆動力により回動軸37の回りで揺動可能に構成されている。なお、ローラユニット保持体36の揺動範囲は、ストッパ39A,39Bによって規制されている。
制御部60の制御の下、駆動モータ38の駆動力によりローラユニット保持体36が図中反時計回りに揺動して図17に示す状態になると、相対的に硬度が高い第1の二次転写ローラ30が、二次転写対向ローラ24に巻き付いている中間転写ベルト21に当接して二次転写ニップNを形成する。一方、制御部60の制御の下、駆動モータ38の駆動力によりローラユニット保持体36が図中時計回りに揺動して図18に示す状態になると、相対的に硬度が低い第2の二次転写ローラ30’が、二次転写対向ローラ24に巻き付いている中間転写ベルト21に当接して二次転写ニップNを形成する。
ローラユニット保持体36を揺動させて、図17に示すように相対的に硬度が高い第1の二次転写ローラ30により二次転写ニップNが形成されると、二次転写ローラ30のゴム層312の変形量は相対的に小さいものとなる。この状態から、ローラユニット保持体36を揺動させて、図18に示すように相対的に硬度が低い第2の二次転写ローラ30’により二次転写ニップNが形成されると、二次転写ローラ30’のゴム層312’の変形量は相対的に大きいものとなる。これにより、二次転写対向ローラ24に巻き付いている中間転写ベルト21の表面と二次転写ローラの表面との接触幅が増大する。二次転写ニップNの電気抵抗値は転写電流が流れるルートの断面積が増えるほど低くなるため、当該接触幅が増大するほど二次転写ニップNの電気抵抗値は低くなる。したがって、上述した実施形態においてヒータ87で加熱して二次転写ニップNの電気抵抗値を低くする制御と同じ制御を、ローラ切り替え手段の制御により実現できる。
〔変形例6〕
次に、本実施形態における画像形成装置の更に他の変形例(以下、本変形例を「変形例6」という。)について説明する。
本変形例6では、上述した変形例5における第2の二次転写ローラ30’に代えて、第1の二次転写ローラ30よりも電気抵抗値の低い二次転写ローラ30’’を用いる。本変形例6においては、図17に示す状態から図18に示す状態へローラ切り替え手段を制御すると、二次転写ニップNを形成する二次転写ローラの電気抵抗値が低くなる。これにより、二次転写ニップを流れる転写電流のルート上の電気抵抗値は低くなる。したがって、本変形例6においても、上述した実施形態においてヒータ87で加熱して二次転写ニップNの電気抵抗値を低くする制御と同じ制御を、ローラ切り替え手段の制御により実現できる。
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
トナー像を表面に担持する中間転写ベルト21及び二次転写対向ローラ24等の像担持体と、前記像担持体の表面に当接して二次転写ニップN等の転写ニップを形成する二次転写ローラ30等のニップ形成部材と、前記転写ニップ内に挟み込んだ凹凸紙を含む記録シート等の記録材に対して前記像担持体上のトナー像を転写するための二次転写バイアス等の転写バイアスとして、直流成分と交流成分とを含む交流転写バイアスを該転写ニップに印加する二次転写電源81等の転写バイアス印加手段とを有する画像形成装置1において、前記転写ニップを流れる転写電流のルート上の電気抵抗値を調整するヒータ87及びヒータ電源84あるいは偏心カム581及びカム駆動モータ583等の調整手段と、前記交流転写バイアスが前記転写ニップに印加される際の電気抵抗値を所定の選択条件に従って調整するように、前記調整手段を制御する制御部60等の制御手段とを有することを特徴とする。
交流転写バイアスを印加して記録材へトナー像を転写する場合、直流成分のみからなる直流転写バイアスを印加して記録材へトナー像を転写する場合よりも、転写ニップの入口側で放電が生じやすく、その放電発生によるチリや白抜け等の画質劣化が生じやすい。これは、次のように考えられる。すなわち、交流転写バイアスは、直流転写バイアスと同程度の直流成分に対して交流成分が重畳されているので、交流成分のピーク値(直流成分よりも絶対値が大きくなるピーク値)が印加される時期に、直流転写バイアスよりも記録材に対する電位差が大きくなる。そのため、この時期には、像担持体と記録材との間に微小空間が形成される転写ニップの入口側で、放電開始電圧以上の電位差が生じやすくなる。この放電が発生すると、像担持体上のトナー像が放電の衝撃で乱されてチリが発生したり、像担持体上のトナー像を構成する一部のトナーが放電によって逆極性に帯電してしまって転写ニップで転写されず、画像の白抜けを生じさせたりする。したがって、交流転写バイアスを印加する場合には、交流成分のピーク値が印加される時期に放電が発生しないように、交流転写バイアスの直流成分の大きさや交流成分の振幅を設定することが必要となる。
一方、交流転写バイアスを印加する場合、十分な画像濃度を確保するためには、十分な転写電流を転写ニップに流す必要があり、そのために交流転写バイアスの直流成分を大きくすることが求められる場合がある。しかしながら、上述したとおり、交流転写バイアスの直流成分を大きくすることには放電発生との関係で制約があるため、記録材の種類、形成する画像の種類、プロセス線速等の作像条件などの条件によっては、その制約の範囲内で十分な転写電流を流すことができず、十分な画像濃度を確保できないおそれがある。
他方、交流転写バイアスを印加する場合、転写ニップの抵抗値が低いほど、転写電流が転写ニップを流れやすくなり、必要な転写電流を得るために必要となる交流転写バイアスの直流成分を小さくすることができる。ただし、転写ニップの抵抗値が低い場合、記録材の種類や画像の種類(画像面積率の違いや、記録材上におけるトナー像付着部分の分布の違いなど)によっては、交流転写バイアスを調整しても、十分な画像濃度を確保できないことがある。詳しくは、転写ニップの抵抗値が低い場合、その転写ニップ中の記録材が挟持されていない領域(非記録材挟持領域N2)で電流が流れやすくなり、転写ニップ中の記録材が挟持されている領域(記録材挟持領域N1)を流れる電流量が相対的に少なくなる。そして、記録材挟持領域N1の電気抵抗値は、その記録材の種類やその記録材に転写される画像の種類によって変わってくる。そのため、記録材の種類や画像の種類によっては、記録材挟持領域N1の電気抵抗値が高くなりすぎて、交流転写バイアスの直流成分を大きく転写電流の全体量が十分であっても、その多くが非記録材挟持領域N2へ流れてしまい、記録材挟持領域N1に必要な量の電流を流すことができなくなることがある。
本態様においては、転写ニップを流れる転写電流のルート上の電気抵抗値を電気抵抗値変更手段により変更する等により当該電気抵抗値を調整する調整手段によって転写ニップの電気抵抗値を調整させることができる。これにより、転写ニップの電気抵抗値が異なる状態で交流転写バイアスを印加させる複数の制御モードを選択的に実行するなどして、交流転写バイアスが転写ニップに印加される際の電気抵抗値を調整することができる。
これにより、転写ニップの電気抵抗値が低すぎて、放電を発生させない範囲で交流転写バイアスを調整しても、記録材挟持領域N1に十分な量の電流を流せず、画像濃度を確保できないような記録材の種類あるいは画像の種類である場合には、転写ニップの電気抵抗値を高くして交流転写バイアスを印加することができる。その結果、このような記録材の種類あるいは画像の種類についても、チリや白抜けを発生させず、かつ、十分な画像濃度が得られる交流転写バイアスを設定することが可能となり、高品質な画像を形成することができる。
また、転写ニップの電気抵抗値が高すぎて、放電を発生させない範囲で交流転写バイアスを調整しても転写ニップを流れる転写電流不足により画像濃度を確保できないような記録材の種類、画像の種類、作像条件である場合には、転写ニップの電気抵抗値を低くして交流転写バイアスを印加することができる。その結果、このような条件であっても、チリや白抜けを発生させず、かつ、十分な画像濃度が得られる交流転写バイアスを設定することが可能となり、高品質な画像を形成することができる。
(態様B)
前記態様Aにおいて、前記所定の選択条件は、使用する紙種等の記録材の種類を含むことを特徴とする。
これによれば、記録材の種類に応じた高品質の画像を形成することができる。
(態様C)
前記態様Bにおいて、前記制御手段は、使用する記録材の厚みが厚いほど、前記電気抵抗値を高い電気抵抗値へ調整するように、前記調整手段を制御することを特徴とする。
これによれば、記録材の厚みの違いに応じた高品質の画像を形成することができる。
(態様D)
前記態様A〜Cのいずれかの態様において、前記所定の選択条件は、記録材へ転写する画像の種類を含むことを特徴とする。
これによれば、画像の種類に応じた高品質の画像を形成することができる。
(態様E)
前記態様Dにおいて、前記制御手段は、記録材へ転写する画像の画像面積率が小さいほど、前記電気抵抗値を低い電気抵抗値へ調整するように、前記調整手段を制御することを特徴とする。
これによれば、画像面積率の違いに応じた高品質の画像を形成することができる。
(態様F)
前記態様A〜Eのいずれかの態様において、前記制御手段は、前記電気抵抗値を前記調整手段により互いに異なる電気抵抗値へ調整した状態で前記転写バイアス印加手段により前記転写ニップに前記交流転写バイアスを印加させる複数の制御モードの中から、前記所定の選択条件に従って選択される制御モードを実行して、前記調整手段を制御するものであり、前記制御手段に実行させる制御モードを選択するユーザー操作を受け付けるオペレーションパネル69等の操作受付手段を有し、前記所定の選択条件は、前記操作受付手段が受け付けたユーザー操作の内容を含むことを特徴とする。
これによれば、ユーザーの要望に応じた品質の画像を形成することができる。
(態様G)
前記態様Fにおいて、ユーザーが選択可能な「ベタ優先モード」及び「ハーフトーン優先モード」等の複数の画像品質を報知するオペレーションパネル69等の報知手段を有し、前記操作受付手段は、画像品質を選択するユーザー操作を受け付けることを特徴とする。
これによれば、ユーザーの要望に応じた品質の画像を形成することができる。
(態様H)
前記態様A〜Gのいずれかの態様において、前記調整手段は、前記転写ニップのニップ幅を変更する偏心カム581等のニップ幅変更手段を制御することにより前記転写ニップの電気抵抗値を調整するものを含むことを特徴とする。
これによれば、ニップ幅変更手段の制御により、転写ニップを流れる転写電流のルート上の電気抵抗値を調整することができる。
(態様I)
前記態様Hにおいて、前記調整手段は、前記転写ニップの電気抵抗値を低くするときに、前記ニップ幅が拡がるように前記ニップ幅変更手段を制御することを特徴とする。
これによれば、ニップ幅変更手段の制御により、転写ニップを流れる転写電流のルート上の電気抵抗値を調整することができる。
(態様J)
前記態様A〜Iのいずれかの態様において、前記調整手段は、前記像担持体及び前記ニップ形成部材の少なくとも一方に熱を付与するヒータ87等の加熱手段を制御することにより前記電気抵抗値を調整するものを含むことを特徴とする。
これによれば、加熱手段の制御により、転写ニップを流れる転写電流のルート上の電気抵抗値を調整することができる。
(態様K)
前記態様Jにおいて、前記調整手段は、前記転写ニップの電気抵抗値を低くするときに、前記加熱手段により付与される熱量が増加するように該加熱手段を制御することを特徴とする。
これによれば、加熱手段により加熱される像担持体やニップ形成部材の材料として一般的な材料を用いることができる。
1 画像形成装置
10 画像形成部
20 転写ユニット
21 中間転写ベルト
24 二次転写対向ローラ
25C,25M,25Y,25K 一次転写ローラ
30,30’ 二次転写ローラ
31,36 ローラユニット保持体
32 支持軸
33 引っ張りバネ
34 偏心カム
35 カム駆動モータ
37 回動軸
38 駆動モータ
39A,39B ストッパ
58 押し下げローラ
60 制御部
69 オペレーションパネル
81 二次転写電源
84 ヒータ電源
87 ヒータ
100 プリンタ部
200 給紙テーブル
300 スキャナ部
581 偏心カム
582 バネ
583 カム駆動モータ
600a バイアス制御手段
600b ヒータ駆動手段
811 直流電源
812 交流電源
813 直流電源
特開2015−187723号公報

Claims (11)

  1. トナー像を表面に担持する像担持体と、
    前記像担持体の表面に当接して転写ニップを形成するニップ形成部材と、
    前記転写ニップ内に挟み込んだ記録材に対して前記像担持体上のトナー像を転写するための転写バイアスとして、直流成分と交流成分とを含む交流転写バイアスを該転写ニップに印加する転写バイアス印加手段とを有する画像形成装置において、
    前記転写ニップを流れる転写電流のルート上の電気抵抗値を調整する調整手段と、
    前記交流転写バイアスが前記転写ニップに印加される際の電気抵抗値を所定の選択条件に従って調整するように、前記調整手段を制御する制御手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置において、
    前記所定の選択条件は、使用する記録材の種類を含むことを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項2に記載の画像形成装置において、
    前記制御手段は、使用する記録材の厚みが厚いほど、前記電気抵抗値を高い電気抵抗値へ調整するように、前記調整手段を制御することを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    前記所定の選択条件は、記録材へ転写する画像の種類を含むことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項4に記載の画像形成装置において、
    前記制御手段は、記録材へ転写する画像の画像面積率が小さいほど、前記電気抵抗値を低い電気抵抗値へ調整するように、前記調整手段を制御することを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    前記制御手段は、前記電気抵抗値を前記調整手段により互いに異なる電気抵抗値へ調整した状態で前記転写バイアス印加手段により前記転写ニップに前記交流転写バイアスを印加させる複数の制御モードの中から、前記所定の選択条件に従って選択される制御モードを実行して、前記調整手段を制御するものであり、
    前記制御手段に実行させる制御モードを選択するユーザー操作を受け付ける操作受付手段を有し、
    前記所定の選択条件は、前記操作受付手段が受け付けたユーザー操作の内容を含むことを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項6に記載の画像形成装置において、
    ユーザーが選択可能な複数の画像品質を報知する報知手段を有し、
    前記操作受付手段は、画像品質を選択するユーザー操作を受け付けることを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    前記調整手段は、前記転写ニップのニップ幅を変更するニップ幅変更手段を制御することにより前記転写ニップの電気抵抗値を調整するものを含むことを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項8に記載の画像形成装置において、
    前記調整手段は、前記転写ニップの電気抵抗値を低くするときに、前記ニップ幅が拡がるように前記ニップ幅変更手段を制御することを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    前記調整手段は、前記像担持体及び前記ニップ形成部材の少なくとも一方に熱を付与する加熱手段を制御することにより前記電気抵抗値を調整するものを含むことを特徴とする画像形成装置。
  11. 請求項10に記載の画像形成装置において、
    前記調整手段は、前記転写ニップの電気抵抗値を低くするときに、前記加熱手段により付与される熱量が増加するように該加熱手段を制御することを特徴とする画像形成装置。
JP2015250397A 2015-12-22 2015-12-22 画像形成装置 Pending JP2017116671A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015250397A JP2017116671A (ja) 2015-12-22 2015-12-22 画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015250397A JP2017116671A (ja) 2015-12-22 2015-12-22 画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017116671A true JP2017116671A (ja) 2017-06-29

Family

ID=59234486

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015250397A Pending JP2017116671A (ja) 2015-12-22 2015-12-22 画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017116671A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7414549B2 (ja) 2020-01-22 2024-01-16 キヤノン株式会社 画像形成装置
JP7472673B2 (ja) 2020-06-19 2024-04-23 コニカミノルタ株式会社 画像形成装置及びプログラム

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002372877A (ja) * 2002-06-10 2002-12-26 Seiko Epson Corp カラー画像形成装置
JP2003076166A (ja) * 2001-09-04 2003-03-14 Sharp Corp 画像形成装置
JP2007193320A (ja) * 2005-12-22 2007-08-02 Canon Inc 画像形成装置
JP2010060734A (ja) * 2008-09-02 2010-03-18 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置
JP2011107223A (ja) * 2009-11-12 2011-06-02 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
US20120107023A1 (en) * 2010-10-29 2012-05-03 Samsung Electronics Co., Ltd. Image forming apparatus
JP2015187723A (ja) * 2014-03-14 2015-10-29 株式会社リコー 画像形成装置

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003076166A (ja) * 2001-09-04 2003-03-14 Sharp Corp 画像形成装置
JP2002372877A (ja) * 2002-06-10 2002-12-26 Seiko Epson Corp カラー画像形成装置
JP2007193320A (ja) * 2005-12-22 2007-08-02 Canon Inc 画像形成装置
JP2010060734A (ja) * 2008-09-02 2010-03-18 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置
JP2011107223A (ja) * 2009-11-12 2011-06-02 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
US20120107023A1 (en) * 2010-10-29 2012-05-03 Samsung Electronics Co., Ltd. Image forming apparatus
JP2015187723A (ja) * 2014-03-14 2015-10-29 株式会社リコー 画像形成装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7414549B2 (ja) 2020-01-22 2024-01-16 キヤノン株式会社 画像形成装置
JP7472673B2 (ja) 2020-06-19 2024-04-23 コニカミノルタ株式会社 画像形成装置及びプログラム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7596334B2 (en) Image forming apparatus
US8891988B2 (en) Image forming apparatus and image forming method including an alarm that, under a predetermined condition, indicates that a front side and a back side of the recording paper are inverted
JP2009192917A (ja) 現像装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置
US10197951B2 (en) Image forming apparatus, image forming system and recording medium
JP5929893B2 (ja) 画像形成装置および定着装置
JP6515599B2 (ja) 画像形成装置
JP2017116671A (ja) 画像形成装置
JP2018120183A (ja) 画像形成装置
JP5382492B2 (ja) 画像形成装置
JP4801978B2 (ja) 定着装置および画像形成装置
JP6684466B2 (ja) 画像形成装置
JP4820686B2 (ja) カラー画像形成装置
JP5793898B2 (ja) 画像形成装置
JP2012194444A (ja) 定着装置及びその定着装置を備えた画像形成装置
JP6237184B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP6052255B2 (ja) 画像形成装置
JP5935467B2 (ja) 画像形成装置
JP2017223793A (ja) 定着装置、画像形成装置、画像形成システム、および、進入位置移動方法
JP6107055B2 (ja) 画像形成装置、及び2次転写離間タイミング制御方法
JP6750521B2 (ja) 汚れ防止装置および画像形成装置
JP6690394B2 (ja) 画像形成装置
JP6903995B2 (ja) 画像形成装置
JP2014160114A (ja) 画像形成装置
JP4426410B2 (ja) 接触帯電ローラ装置
JP6443134B2 (ja) 用紙姿勢調整装置、定着装置及び画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181108

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190920

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190927

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191125

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20191220