JP2004191491A - 定着装置、および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】記録媒体の搬送をスムーズにするとともに、画像定着に用いる回転部材のクリーニング性を高め、画像品質を向上する。
【解決手段】加圧ローラ44と加熱ローラ45に定着ベルト43を掛け回す。
定着ベルトには、それをクリーニングするクリーニングローラ(クリーニング部材)48を押し当てる。そのクリーニングローラと、それに接続するバイアス電源49とで、定着ベルトにバイアス電圧を印加するバイアス印加手段50を構成する。そのバイアス印加手段による印加電圧を、定着ベルトの表面電位を測定する表面電位センサ(電位測定部材)52による測定結果に応じて制御する。
【選択図】 図1
【解決手段】加圧ローラ44と加熱ローラ45に定着ベルト43を掛け回す。
定着ベルトには、それをクリーニングするクリーニングローラ(クリーニング部材)48を押し当てる。そのクリーニングローラと、それに接続するバイアス電源49とで、定着ベルトにバイアス電圧を印加するバイアス印加手段50を構成する。そのバイアス印加手段による印加電圧を、定着ベルトの表面電位を測定する表面電位センサ(電位測定部材)52による測定結果に応じて制御する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ、またはそれらの複合機などの画像形成装置に関する。特にそのうち、帯電・露光・現像・転写・クリーニング等を繰り返して像担持体にトナー画像を形成し、そのトナー画像を転写して、用紙・OHPフィルム等の記録媒体に画像を記録する電子写真式の画像形成装置に関する。および、そのような画像形成装置などにおいて、未定着画像を有する記録媒体を定着ベルトで搬送して定着ニップに導き、未定着画像を記録媒体に定着する定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真式の画像形成装置では、像担持体の回転とともに、その表面を帯電手段で帯電し、その帯電した像担持体の表面に露光手段で書込みを行って静電潜像を形成し、その静電潜像に現像手段でトナーを付着してその静電潜像を可視像化し、その可視像化して形成したトナー画像を転写手段で転写して記録媒体に未定着画像を形成していた。
【0003】
そして、画像転写後の像担持体は、クリーニング手段で表面を清掃し、再度の画像形成に備えていた。一方、トナー画像転写後の記録媒体は、定着手段へと導き、定着ローラ等の定着回転部材と加圧ローラ等の加圧回転部材の定着ニップ間を通してそれらの回転部材で熱と圧力とを加え、その記録媒体に未定着画像を定着していた。
【0004】
このような画像形成装置の中には、定着装置で画像定着後の記録媒体を反転して再び転写位置へと送り込み、像担持体に別途形成したトナー画像を転写手段で転写して記録媒体の裏面にも画像を形成し、再度記録媒体を定着装置に送り込んでその画像を定着して送り出すものもある。
【0005】
このような画像形成装置では、反転を含む記録媒体の搬送経路が長く複雑となったり、定着装置を一度通過してカールを生じた記録媒体を再び転写位置へと導くから、記録媒体の搬送に信頼性を欠く問題があった。
【0006】
【特許文献1】特開平1−209470号公報
そこで、従来の画像形成装置の中には、例えば特許文献1に記載のように、はじめに第1の像担持体に第1画像を形成してその第1画像を第1転写手段で第2の像担持体に転写し、次いで第1の像担持体に第2画像を形成してその第2画像を第1の転写手段で記録媒体の一面に転写し、そののち第2の像担持体の第1画像を第2転写手段で記録媒体の他面に転写し、記録媒体の表裏両面の未定着画像を定着装置で同時に定着するものが提案されている。
【0007】
ところが、このような同時両面画像形成装置では、表裏両面に画像転写後の記録媒体を定着装置に入れるとき、その定着装置へと記録媒体を導く部材が記録媒体の画像面を擦って未定着トナー画像を乱すおそれがある。
【0008】
【特許文献2】特開平10−142869号公報
このため、例えば特許文献2に記載のように、拍車を用いて表裏両面に画像転写後の記録媒体を定着装置へと導くものがある。
【0009】
しかし、このような拍車を用いる場合にも、やはり時間の経過とともに拍車にトナーが付着して拍車を汚し、その汚れが記録媒体に付着して画像面を汚し、画像品質を低下する問題があった。また、定着ローラ等の定着回転部材や加圧ローラ等の加圧回転部材にトナーが付着し、そのトナーが記録媒体に逆転写して記録媒体を汚す問題があった。
【0010】
【特許文献3】特開平3−282579号公報
【特許文献4】特開平4−291285号公報
従来の画像形成装置の中には、例えば特許文献3や特許文献4に記載のように、定着ローラにクリーニングウェブを押し当てるとともに、バイアス電圧を印加するようにしたものがある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この種の画像形成装置にあっては、定着ローラと加圧ローラとを用いるものであるから、表裏両面に画像転写後の記録媒体を定着装置へとスムーズに導くことが難しく、またクリーニングウェブを単に線接触で押し当てるだけであるから、定着ローラのクリーニングも不十分であるという問題があった。
【0012】
そこで、この発明の第1の目的は、記録媒体の搬送をスムーズにするとともに、画像定着に用いる回転部材のクリーニング性を高め、画像品質を向上することにある。
【0013】
この発明の第2の目的は、記録媒体のずれのない安定的な走行を可能として記録媒体の搬送性を向上し、かつ画像乱れをなくして画像品質を向上することにある。
【0014】
この発明の第3の目的は、画像定着に用いる回転部材のクリーニング効果をさらに増大し、回転部材の表面電位を一定として記録媒体の搬送をスムーズにしながら、画像品質を向上することにある。
【0015】
この発明の第4の目的は、表裏両面に未定着画像を有する記録媒体であっても、画像乱れなく搬送して画像転写後の記録媒体を定着装置へとスムーズに受け渡すことにある。
【0016】
この発明の第5の目的は、上記各目的を達成した定着装置を備えた画像形成装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
そのため、請求項1に記載の発明は、上述した第1の目的を達成すべく、未定着画像を有する記録媒体を定着ベルトで搬送して定着ニップに導き、未定着画像を記録媒体に定着する定着装置において、定着ベルトをクリーニングするクリーニング部材を設け、そのクリーニング部材またはそのクリーニング部材を定着ベルトに押し当てる給電部材で、定着ベルトにバイアス電圧を印加するバイアス印加手段を備える、ことを特徴とする。
【0018】
請求項2に記載の発明は、上述した第2の目的を達成すべく、請求項1に記載の定着装置において、定着ベルトの表面電位を測定する電位測定部材を備え、その電位測定部材による測定結果に応じてバイアス印加手段による印加電圧を制御する、ことを特徴とする。
【0019】
請求項3に記載の発明は、上述した第3の目的も達成すべく、請求項1に記載の定着装置において、クリーニング部材としてクリーニングウェブを用い、そのクリーニングウェブを定着ベルトに面接触する、ことを特徴とする。
【0020】
請求項4に記載の発明は、同じく上述した第3の目的も達成すべく、請求項3に記載の定着装置において、クリーニングウェブを搬送可能とする、ことを特徴とする。
【0021】
請求項5に記載の発明は、上述した第4の目的も達成すべく、請求項1に記載の定着装置において、記録媒体の表裏両面の未定着画像を同時に記録媒体に定着する、ことを特徴とする。
【0022】
請求項6に記載の発明は、上述した第5の目的を達成すべく、画像形成装置において、請求項1ないし5のいずれか1に記載の定着装置を備える、ことを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態につき詳細に説明する。
図1には、この発明の一例である定着装置を備える同時両面画像形成プリンタの要部概略構成を示す。
【0024】
図示する同時両面画像形成プリンタは、用紙・OHPフィルム等の記録媒体Pの表裏両面にほぼ同時に画像形成を可能とするものであり、外装カバー内に、図1に示すように、第1の像担持装置A、第2の像担持装置B、媒体供給装置C、定着装置Dなどとともに、不図示の電装関係装置、温度過上昇防止用送風装置などを備えている。
【0025】
第1の像担持装置Aは、ドラム状の第1の像担持体10を回転可能に支持し、その第1の像担持体10のまわりに、帯電手段13、現像手段14、一次転写手段15、一次クリーニング手段16などを配置している。これらのいくつかを一体ユニット化してプロセスカートリッジとし、一括して交換可能としてもよい。また、その第1の像担持装置Aの横には、図示省略するが、第1の像担持体10上を露光する露光手段を設けている。
【0026】
第1の像担持体10は、アルミニウム円筒表面に、光導電性物質である有機半導体の層を設けた感光体である。この例では、ドラム状のものを用いたが、ベルト状のものを用いてもよい。
【0027】
露光手段は、公知のレーザ方式で、不図示のLD光源からの光を不図示の光学部品で第1の像担持体10の表面に向けて照射し、その表面を走査してそれに書込みを行うものである。この例では、レーザ方式を用いるが、LEDアレイと結像部品を用いる露光方式を採用してもよい。
【0028】
第2の像担持装置Bは、第1の像担持装置Aで形成した画像を担持するものであり、ベルト状の第2の像担持体20を、第1の像担持体10に接触して、第1の像担持体10と一次転写手段15との間を通して4つのローラ21・22・23・24に掛け回し、まわりに二次転写手段25、二次クリーニング手段26を配置している。二次転写手段25、二次クリーニング手段26は、通常は、第2の像担持体20上の画像を乱さないように第2の像担持体20から離れた位置にある。
【0029】
第2の像担持体20は、耐熱性で、例えば導電性ポリイミド等の樹脂フィルムまたはゴムを基体としたベルトであり、第1の像担持体10からトナーを転写可能とする抵抗値を有している。
【0030】
媒体供給装置Cは、第1の像担持装置Aと第2の像担持装置B間に向けて図中下方から上方へと記録媒体Pを供給するものであり、記録媒体Pを収納する図示しないいくつかの媒体収納容器と、その媒体収納容器から記録媒体Pを順次一枚ずつ送り出す図示しない供給ローラと、それら送り出した記録媒体Pを案内する図示しない媒体ガイドと、その媒体ガイドで案内して搬送する記録媒体Pの先端を突き当てて止めるレジストローラ28と、そのレジストローラ28で送り出した記録媒体Pを転写ニップへと案内するガイド板29などを備えている。
【0031】
定着装置Dは、この発明の一例であり、第1の像担持装置Aおよび第2の像担持装置Bから記録媒体Pに転写した転写画像を定着するものであり、詳しくは後述する。
【0032】
そして、この同時両面画像形成プリンタで、記録媒体Pの表裏両面に画像を形成するときは、不図示のホストからのプリント信号に基づき、第1の像担持体10、ローラ21・22・23・24の1つなどをタイミングを取って回転する。
【0033】
第1の像担持装置Aでは、第1の像担持体10の図中時計まわりの回転にともない、帯電手段13で表面を一様に帯電し、不図示の露光手段からの書込み光Lで書込みを行って潜像を形成し、現像手段14でトナーを付着して第1の像担持体10上にトナー画像を形成する。図示例では、このとき第1の像担持体10上のトナーの極性は、マイナスとする。
【0034】
第2の像担持装置Bでは、一次ローラ21・22・23・24の1つのローラを回転するとともに他の3つのローラを従動回転し、第2の像担持体20を第1の像担持体10に同期して図中反時計まわりに回転搬送し、その第2の像担持体20上に、一次転写手段15でプラスの電荷を与えて第1の像担持体10上の画像を転写し、第1の画像を形成する。
【0035】
画像転写後、第1の像担持装置Aの第1の像担持体10は、それぞれ残留トナーを一次クリーニング手段16で除去する。そして、再び帯電手段13で帯電して露光手段で書込みを行い、現像手段14で現像して第1の像担持体10上に第2の画像を形成する。
【0036】
一方、媒体供給装置Cでは、適宜選択的に供給ローラ41の1つを回転して、対応する媒体収納容器内の記録媒体Pを送り出し、媒体ガイドで案内して先端をレジストローラ28間に突き当てて止め、上述した第1の画像および第2の画像にタイミングを合わせてレジストローラ28を回転し、第1の像担持体10と第2の像担持体20間の転写ニップに送り込む。
【0037】
そして、まず記録媒体Pの表面に一次転写手段15でプラスの電荷を与えて、第1の像担持体10上の第1の画像を転写し、次いで記録媒体Pを若干上方へと搬送したところで裏面に二次転写手段25でプラスの電荷を与えて、第2の像担持体20上の第1の画像を転写する。その後、表裏両面に画像転写後の記録媒体Pを定着装置Dへと導き、そこで熱と圧力とを加えて両面の転写画像を定着し、不図示の排出ローラで外装カバーの外に排出し、スタック部上に表面を下にしてフェイスダウンでスタックする。
【0038】
よって、第2頁目を第1の画像として先に形成し、次いで第1頁目を第2の画像として後に形成し、続けて同様に後の頁を先に形成して記録媒体Pの裏面側に転写し、先の頁を後に形成して表面側に転写し、フェイスダウンで出力するようにすれば、スタック部50上で記録媒体Pを頁順に揃えることができる。
【0039】
このとき、公知の画像処理技術を用いて、第1の像担持体10上の第2の画像は、逆像(鏡像)とし、第2の像担持体20上の第1の画像は、第1の像担持体10上では正像とする必要がある。
【0040】
画像転写後、第1の像担持装置Aの第1の像担持体10は、残留トナーを一次クリーニング手段16で除去する。第2の像担持装置Bの第2の像担持体20は、二次クリーニング手段26を支軸を中心として回動してクリーニング位置とし、その二次クリーニング手段26で残留トナーを除去し、それぞれ次の画像担持に備える。
【0041】
二次クリーニング手段26は、クリーニング位置とすると、クリーニングローラ30を第2の像担持体20に接触してその第2の像担持体20上の残留トナーをクリーニングローラ30に移す。クリーニングローラ30上のトナーは、ブレード31で掻き取る。ブレード31で掻き取ったトナーは、トナー搬送部材32で不図示の廃トナータンクへと移送する。
【0042】
この同時両面画像形成プリンタで、記録媒体Pの片面に画像を形成するときは、第1の像担持装置Aの第1の像担持体10上に形成した画像を第2の像担持装置Bの第2の像担持体20に転写することなく、媒体供給装置Cで供給する記録媒体Pの片面に直接転写するようにする。そして、定着装置Dで転写画像を定着し、フェイスダウンで頁順に揃えて排出する。
【0043】
さて、上述した同時両面画像形成プリンタに備える定着装置Dは、中心にヒータ等の熱源40を有する定着ローラ42を備える。この定着ローラ42には、定着ベルト43を介して加圧ローラ44を押し当てる。そして、定着ローラ42と定着ベルト43との間に定着ニップを形成する。定着ベルト43は、加圧ローラ44と、第2の像担持体20に近接して設ける加熱ローラ45とに掛け回し、それに一定の張力を付与する。加熱ローラ45も、中心にヒータ等の熱源46を有する。
【0044】
熱源40・46は、ともに適当な温度に保持する。そして、熱源40は、定着ローラ42を加熱する。他方、熱源46は、加熱ローラ45を介して定着ベルト43を加熱する。
【0045】
定着ベルト43は、ベース層を導電性とし、表面を非導電性とすることが好ましく、第2の像担持体20による記録媒体搬送方向に対する角度αを60度以下の傾きとして張り渡し、またその定着ベルト43による記録媒体搬送速度を第2の像担持体20による記録媒体搬送速度と同じとする。
【0046】
そのような定着ベルト43を介して加熱ローラ45には、その定着ベルト43に従動回転するように、または定着ベルト43と相対的に移動するように接触してクリーニング部材としてクリーニングローラ48を押し当てる。クリーニングローラ48には、バイアス電源49を接続して直流、交流等のバイアスを印加する。すなわち、クリーニングローラ48を用いて定着ベルト43にバイアス電圧を印加するバイアス印加手段50を備える。
【0047】
また、定着ベルト搬送方向においてクリーニングローラ48位置より直ぐ下流であって記録媒体Pの先端が定着ベルト43に当接する位置の上流には、電位測定部材として表面電位センサ52を設け、定着ベルト43の表面電位を測定する。この表面電位センサ52には、制御系53を接続する。
【0048】
そして、表裏両面に未定着画像を有する記録媒体Pがこの定着装置Dに搬送されてきたときには、その記録媒体Pの先端を定着ベルト43に当接して記録媒体Pをその定着ベルト43に静電的に密着して定着ベルト43で搬送し、定着ニップへと導く。定着ニップでは、両側から熱と圧力とを加えて表裏両面の未定着画像を同時に記録媒体Pに定着しながら、回転する定着ローラ42と定着ベルト43とで搬送して定着装置Dから送り出す。
【0049】
定着ベルト43を用いるので、画像転写後の記録媒体Pを定着装置Dへとスムーズに受け渡すとともに、その定着ベルト43にバイアス電圧を印加するバイアス印加手段50を備えるので、記録媒体Pを静電的に定着ベルト43に吸着して記録媒体Pの搬送性を向上することができる。
【0050】
ところで、このような定着装置Dでは、記録媒体Pの表裏両面に未定着画像を有することから、記録媒体P上のトナーが定着ベルト43に付着し、その付着したトナーが再び記録媒体Pに逆転写して記録媒体Pの画像品質を低下するおそれがある。
【0051】
そこで、図示例では、クリーニングローラ48で定着ベルト43をクリーニングする。よって、クリーニングローラ48で定着ベルト43に付着したトナーや紙粉を除去し、画像品質を向上することができる。
【0052】
また、表面電位センサ52による測定結果に応じて制御系53でバイアス印加手段50による印加電圧を制御する。例えば図2に示すように、ステップ1でクリーニングローラ48に給電を開始し、ステップ2で定着ベルト43の表面電位が設定値より低いときは、ステップ3でバイアス電源49の給電量をアップし、定着ベルト43の表面電位を設定値まで高める。
【0053】
このようにすると、例えば定着ベルト43にトナーや紙粉が付着したとしても、クリーニングするとともに定着ベルト43の表面電位を一定に保持し、記録媒体Pを静電的に定着ベルト43に吸着し、記録媒体Pのずれのない安定的な走行を可能として記録媒体Pの搬送性を向上し、画像乱れをなくすとともに、記録媒体Pを定着ニップへと乱れなく挿入してしわ等の発生を防止することができる。
【0054】
図示例では、定着ベルト搬送方向においてクリーニングローラ48位置より直ぐ下流に表面電位センサ52を設けることにより、クリーニングローラ48でクリーニング後のきれいな定着ベルト43の表面電位を測定し、定着ベルト43を所定電位に正確に帯電することができる。
【0055】
図3には、この発明による定着装置Dの他例を示す。
この図3に示す定着装置Dでは、加圧ローラ44と加熱ローラ45間に掛け回す定着ベルト43に内側からテンションローラ55を押し当て、一定の張力を付与する。そして、そのテンションローラ55に、クリーニング部材であるクリーニングウェブ56を介して押圧ローラ57および給電部材58を押し当て、それらの間でクリーニングウェブ56を定着ベルト43に面接触する。
【0056】
これにより、定着ベルト43に対するクリーニング部材の接触面積を大きくしてさらにクリーニング効果を増大することができる。
【0057】
給電部材58には、バイアス電源49を接続してバイアス印加手段50を構成する。また、クリーニングウェブ56は、繰り出し軸60から繰り出し、巻き取り軸61で巻き取る。巻き取り軸61は、ウェブモータ62で回転し、クリーニングウェブ56を矢示方向に搬送して面接触部分で定着ベルト43と逆向きに搬送する。
【0058】
このように、クリーニングウェブ56を搬送可能とするので、定着ベルト43に常に新しいクリーニングウェブ56を接触してクリーニング効果を増大することができる。
【0059】
そして、表裏両面に未定着画像を有する記録媒体Pがこの定着装置Dに搬送されてきたときには、その記録媒体Pの先端を定着ベルト43に当接して記録媒体Pをその定着ベルト43に静電的に密着して定着ベルト43で搬送し、定着ニップへと導く。定着ニップでは、両側から熱と圧力とを加えて表裏両面の未定着画像を記録媒体Pに定着しながら、回転する定着ローラ42と定着ベルト43とで搬送して定着装置Dから送り出す。
【0060】
この図3に示す定着装置Dでは、図1に示す定着装置Dと同様に電位測定部材として表面電位センサ52を設置し、その表面電位センサ52による測定結果に応じて制御系53でウェブモータ62を駆動してクリーニングウェブ56を巻き取る。例えば図4に示すように、ステップ11で給電部材58に給電を開始し、ステップ12で定着ベルト43の表面電位が設定値より低いとき、ステップ13でウェブモータ62を一定時間駆動し、クリーニングウェブ56を矢示方向に巻き取る。
【0061】
このようにすると、定着ベルト43にトナーや紙粉が付着して導電性が低下し、給電部材58による給電率が落ちたとき、ウェブモータ62を駆動してクリーニングウェブ56を一定量巻き取ることにより、クリーニングウェブ56の新しい部分を定着ベルト43に接触し、クリーニング性能をアップして導電性を向上し、給電率を元に戻して定着ベルト43の表面電位を回復することができる。
【0062】
なお、上述した例では、定着ベルト43を記録媒体Pの片側に設けたが、片側に限らず、記録媒体Pの両側に設けてもよい。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したとおり、請求項1に係る発明によれば、定着ベルトを用いるので、画像転写後の記録媒体を定着装置へとスムーズに受け渡すとともに、その定着ベルトにバイアス電圧を印加するバイアス印加手段を備えるので、記録媒体を静電的に定着ベルトに吸着して記録媒体の搬送性を向上することができる。また、クリーニング部材またはそのクリーニング部材を定着ベルトに押し当てる押圧部材を用いて、定着ベルトにバイアス電圧を印加するので、クリーニングのために使用する部材の一部をバイアス印加手段としても用いることにより部品点数を少なくしてコストダウンを図ることができる。さらに、定着ベルトをクリーニングするクリーニング部材を設けるので、定着ベルトのトナーや紙粉を除去してクリーニング性を高め、画像品質を向上することができる。
【0064】
請求項2に係る発明によれば、定着ベルトの表面電位を測定する電位測定部材を備え、その電位測定部材による測定結果に応じてバイアス電圧印加手段による印加電圧を制御するので、定着ベルトの表面電位を一定に保持して記録媒体を静電的に定着ベルトに吸着し、記録媒体のずれのない安定的な走行を可能として記録媒体の搬送性を向上し、画像乱れをなくすとともに、記録媒体を定着ニップへと乱れなく挿入してしわ等の発生を防止することができる。
【0065】
請求項3に係る発明によれば、クリーニング部材としてクリーニングウェブを用い、そのクリーニングウェブを定着ベルトに面接触するので、請求項1に係る発明の効果に加えて、定着ベルトに対するクリーニング部材の接触面積を大きくしてさらにクリーニング効果を増大することができる。
【0066】
請求項4に係る発明によれば、クリーニングウェブを搬送可能とするので、請求項1に係る発明の効果に加えて、定着ベルトに常に新しいクリーニングウェブを接触してクリーニング効果を増大することができる。
【0067】
請求項5に係る発明によれば、記録媒体の表裏両面の未定着画像を同時に記録媒体に定着するので、請求項1に係る発明の効果に加えて、表裏両面に未定着画像を有する記録媒体であっても、画像乱れなく搬送して画像転写後の記録媒体を定着装置へとスムーズに受け渡すことができる。
【0068】
請求項6に係る発明によれば、請求項1ないし5のいずれか1に記載の定着装置を備えるので、上記各効果を達成した定着装置を備える画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一例である定着装置を備える同時両面画像形成プリンタの要部概略構成図である。
【図2】その同時両面画像形成プリンタに備える定着装置の給電制御のフローチャートである。
【図3】定着装置の他例の概略構成図である。
【図4】その定着装置の給電制御のフローチャートである。
【符号の説明】
D 定着装置
P 記録媒体
43 定着ベルト
48 クリーニングローラ(クリーニング部材)
50 バイアス印加手段
52 表面電位センサ(電位測定部材)
56 クリーニングウェブ(クリーニング部材)
58 給電部材
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ、またはそれらの複合機などの画像形成装置に関する。特にそのうち、帯電・露光・現像・転写・クリーニング等を繰り返して像担持体にトナー画像を形成し、そのトナー画像を転写して、用紙・OHPフィルム等の記録媒体に画像を記録する電子写真式の画像形成装置に関する。および、そのような画像形成装置などにおいて、未定着画像を有する記録媒体を定着ベルトで搬送して定着ニップに導き、未定着画像を記録媒体に定着する定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真式の画像形成装置では、像担持体の回転とともに、その表面を帯電手段で帯電し、その帯電した像担持体の表面に露光手段で書込みを行って静電潜像を形成し、その静電潜像に現像手段でトナーを付着してその静電潜像を可視像化し、その可視像化して形成したトナー画像を転写手段で転写して記録媒体に未定着画像を形成していた。
【0003】
そして、画像転写後の像担持体は、クリーニング手段で表面を清掃し、再度の画像形成に備えていた。一方、トナー画像転写後の記録媒体は、定着手段へと導き、定着ローラ等の定着回転部材と加圧ローラ等の加圧回転部材の定着ニップ間を通してそれらの回転部材で熱と圧力とを加え、その記録媒体に未定着画像を定着していた。
【0004】
このような画像形成装置の中には、定着装置で画像定着後の記録媒体を反転して再び転写位置へと送り込み、像担持体に別途形成したトナー画像を転写手段で転写して記録媒体の裏面にも画像を形成し、再度記録媒体を定着装置に送り込んでその画像を定着して送り出すものもある。
【0005】
このような画像形成装置では、反転を含む記録媒体の搬送経路が長く複雑となったり、定着装置を一度通過してカールを生じた記録媒体を再び転写位置へと導くから、記録媒体の搬送に信頼性を欠く問題があった。
【0006】
【特許文献1】特開平1−209470号公報
そこで、従来の画像形成装置の中には、例えば特許文献1に記載のように、はじめに第1の像担持体に第1画像を形成してその第1画像を第1転写手段で第2の像担持体に転写し、次いで第1の像担持体に第2画像を形成してその第2画像を第1の転写手段で記録媒体の一面に転写し、そののち第2の像担持体の第1画像を第2転写手段で記録媒体の他面に転写し、記録媒体の表裏両面の未定着画像を定着装置で同時に定着するものが提案されている。
【0007】
ところが、このような同時両面画像形成装置では、表裏両面に画像転写後の記録媒体を定着装置に入れるとき、その定着装置へと記録媒体を導く部材が記録媒体の画像面を擦って未定着トナー画像を乱すおそれがある。
【0008】
【特許文献2】特開平10−142869号公報
このため、例えば特許文献2に記載のように、拍車を用いて表裏両面に画像転写後の記録媒体を定着装置へと導くものがある。
【0009】
しかし、このような拍車を用いる場合にも、やはり時間の経過とともに拍車にトナーが付着して拍車を汚し、その汚れが記録媒体に付着して画像面を汚し、画像品質を低下する問題があった。また、定着ローラ等の定着回転部材や加圧ローラ等の加圧回転部材にトナーが付着し、そのトナーが記録媒体に逆転写して記録媒体を汚す問題があった。
【0010】
【特許文献3】特開平3−282579号公報
【特許文献4】特開平4−291285号公報
従来の画像形成装置の中には、例えば特許文献3や特許文献4に記載のように、定着ローラにクリーニングウェブを押し当てるとともに、バイアス電圧を印加するようにしたものがある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この種の画像形成装置にあっては、定着ローラと加圧ローラとを用いるものであるから、表裏両面に画像転写後の記録媒体を定着装置へとスムーズに導くことが難しく、またクリーニングウェブを単に線接触で押し当てるだけであるから、定着ローラのクリーニングも不十分であるという問題があった。
【0012】
そこで、この発明の第1の目的は、記録媒体の搬送をスムーズにするとともに、画像定着に用いる回転部材のクリーニング性を高め、画像品質を向上することにある。
【0013】
この発明の第2の目的は、記録媒体のずれのない安定的な走行を可能として記録媒体の搬送性を向上し、かつ画像乱れをなくして画像品質を向上することにある。
【0014】
この発明の第3の目的は、画像定着に用いる回転部材のクリーニング効果をさらに増大し、回転部材の表面電位を一定として記録媒体の搬送をスムーズにしながら、画像品質を向上することにある。
【0015】
この発明の第4の目的は、表裏両面に未定着画像を有する記録媒体であっても、画像乱れなく搬送して画像転写後の記録媒体を定着装置へとスムーズに受け渡すことにある。
【0016】
この発明の第5の目的は、上記各目的を達成した定着装置を備えた画像形成装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
そのため、請求項1に記載の発明は、上述した第1の目的を達成すべく、未定着画像を有する記録媒体を定着ベルトで搬送して定着ニップに導き、未定着画像を記録媒体に定着する定着装置において、定着ベルトをクリーニングするクリーニング部材を設け、そのクリーニング部材またはそのクリーニング部材を定着ベルトに押し当てる給電部材で、定着ベルトにバイアス電圧を印加するバイアス印加手段を備える、ことを特徴とする。
【0018】
請求項2に記載の発明は、上述した第2の目的を達成すべく、請求項1に記載の定着装置において、定着ベルトの表面電位を測定する電位測定部材を備え、その電位測定部材による測定結果に応じてバイアス印加手段による印加電圧を制御する、ことを特徴とする。
【0019】
請求項3に記載の発明は、上述した第3の目的も達成すべく、請求項1に記載の定着装置において、クリーニング部材としてクリーニングウェブを用い、そのクリーニングウェブを定着ベルトに面接触する、ことを特徴とする。
【0020】
請求項4に記載の発明は、同じく上述した第3の目的も達成すべく、請求項3に記載の定着装置において、クリーニングウェブを搬送可能とする、ことを特徴とする。
【0021】
請求項5に記載の発明は、上述した第4の目的も達成すべく、請求項1に記載の定着装置において、記録媒体の表裏両面の未定着画像を同時に記録媒体に定着する、ことを特徴とする。
【0022】
請求項6に記載の発明は、上述した第5の目的を達成すべく、画像形成装置において、請求項1ないし5のいずれか1に記載の定着装置を備える、ことを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態につき詳細に説明する。
図1には、この発明の一例である定着装置を備える同時両面画像形成プリンタの要部概略構成を示す。
【0024】
図示する同時両面画像形成プリンタは、用紙・OHPフィルム等の記録媒体Pの表裏両面にほぼ同時に画像形成を可能とするものであり、外装カバー内に、図1に示すように、第1の像担持装置A、第2の像担持装置B、媒体供給装置C、定着装置Dなどとともに、不図示の電装関係装置、温度過上昇防止用送風装置などを備えている。
【0025】
第1の像担持装置Aは、ドラム状の第1の像担持体10を回転可能に支持し、その第1の像担持体10のまわりに、帯電手段13、現像手段14、一次転写手段15、一次クリーニング手段16などを配置している。これらのいくつかを一体ユニット化してプロセスカートリッジとし、一括して交換可能としてもよい。また、その第1の像担持装置Aの横には、図示省略するが、第1の像担持体10上を露光する露光手段を設けている。
【0026】
第1の像担持体10は、アルミニウム円筒表面に、光導電性物質である有機半導体の層を設けた感光体である。この例では、ドラム状のものを用いたが、ベルト状のものを用いてもよい。
【0027】
露光手段は、公知のレーザ方式で、不図示のLD光源からの光を不図示の光学部品で第1の像担持体10の表面に向けて照射し、その表面を走査してそれに書込みを行うものである。この例では、レーザ方式を用いるが、LEDアレイと結像部品を用いる露光方式を採用してもよい。
【0028】
第2の像担持装置Bは、第1の像担持装置Aで形成した画像を担持するものであり、ベルト状の第2の像担持体20を、第1の像担持体10に接触して、第1の像担持体10と一次転写手段15との間を通して4つのローラ21・22・23・24に掛け回し、まわりに二次転写手段25、二次クリーニング手段26を配置している。二次転写手段25、二次クリーニング手段26は、通常は、第2の像担持体20上の画像を乱さないように第2の像担持体20から離れた位置にある。
【0029】
第2の像担持体20は、耐熱性で、例えば導電性ポリイミド等の樹脂フィルムまたはゴムを基体としたベルトであり、第1の像担持体10からトナーを転写可能とする抵抗値を有している。
【0030】
媒体供給装置Cは、第1の像担持装置Aと第2の像担持装置B間に向けて図中下方から上方へと記録媒体Pを供給するものであり、記録媒体Pを収納する図示しないいくつかの媒体収納容器と、その媒体収納容器から記録媒体Pを順次一枚ずつ送り出す図示しない供給ローラと、それら送り出した記録媒体Pを案内する図示しない媒体ガイドと、その媒体ガイドで案内して搬送する記録媒体Pの先端を突き当てて止めるレジストローラ28と、そのレジストローラ28で送り出した記録媒体Pを転写ニップへと案内するガイド板29などを備えている。
【0031】
定着装置Dは、この発明の一例であり、第1の像担持装置Aおよび第2の像担持装置Bから記録媒体Pに転写した転写画像を定着するものであり、詳しくは後述する。
【0032】
そして、この同時両面画像形成プリンタで、記録媒体Pの表裏両面に画像を形成するときは、不図示のホストからのプリント信号に基づき、第1の像担持体10、ローラ21・22・23・24の1つなどをタイミングを取って回転する。
【0033】
第1の像担持装置Aでは、第1の像担持体10の図中時計まわりの回転にともない、帯電手段13で表面を一様に帯電し、不図示の露光手段からの書込み光Lで書込みを行って潜像を形成し、現像手段14でトナーを付着して第1の像担持体10上にトナー画像を形成する。図示例では、このとき第1の像担持体10上のトナーの極性は、マイナスとする。
【0034】
第2の像担持装置Bでは、一次ローラ21・22・23・24の1つのローラを回転するとともに他の3つのローラを従動回転し、第2の像担持体20を第1の像担持体10に同期して図中反時計まわりに回転搬送し、その第2の像担持体20上に、一次転写手段15でプラスの電荷を与えて第1の像担持体10上の画像を転写し、第1の画像を形成する。
【0035】
画像転写後、第1の像担持装置Aの第1の像担持体10は、それぞれ残留トナーを一次クリーニング手段16で除去する。そして、再び帯電手段13で帯電して露光手段で書込みを行い、現像手段14で現像して第1の像担持体10上に第2の画像を形成する。
【0036】
一方、媒体供給装置Cでは、適宜選択的に供給ローラ41の1つを回転して、対応する媒体収納容器内の記録媒体Pを送り出し、媒体ガイドで案内して先端をレジストローラ28間に突き当てて止め、上述した第1の画像および第2の画像にタイミングを合わせてレジストローラ28を回転し、第1の像担持体10と第2の像担持体20間の転写ニップに送り込む。
【0037】
そして、まず記録媒体Pの表面に一次転写手段15でプラスの電荷を与えて、第1の像担持体10上の第1の画像を転写し、次いで記録媒体Pを若干上方へと搬送したところで裏面に二次転写手段25でプラスの電荷を与えて、第2の像担持体20上の第1の画像を転写する。その後、表裏両面に画像転写後の記録媒体Pを定着装置Dへと導き、そこで熱と圧力とを加えて両面の転写画像を定着し、不図示の排出ローラで外装カバーの外に排出し、スタック部上に表面を下にしてフェイスダウンでスタックする。
【0038】
よって、第2頁目を第1の画像として先に形成し、次いで第1頁目を第2の画像として後に形成し、続けて同様に後の頁を先に形成して記録媒体Pの裏面側に転写し、先の頁を後に形成して表面側に転写し、フェイスダウンで出力するようにすれば、スタック部50上で記録媒体Pを頁順に揃えることができる。
【0039】
このとき、公知の画像処理技術を用いて、第1の像担持体10上の第2の画像は、逆像(鏡像)とし、第2の像担持体20上の第1の画像は、第1の像担持体10上では正像とする必要がある。
【0040】
画像転写後、第1の像担持装置Aの第1の像担持体10は、残留トナーを一次クリーニング手段16で除去する。第2の像担持装置Bの第2の像担持体20は、二次クリーニング手段26を支軸を中心として回動してクリーニング位置とし、その二次クリーニング手段26で残留トナーを除去し、それぞれ次の画像担持に備える。
【0041】
二次クリーニング手段26は、クリーニング位置とすると、クリーニングローラ30を第2の像担持体20に接触してその第2の像担持体20上の残留トナーをクリーニングローラ30に移す。クリーニングローラ30上のトナーは、ブレード31で掻き取る。ブレード31で掻き取ったトナーは、トナー搬送部材32で不図示の廃トナータンクへと移送する。
【0042】
この同時両面画像形成プリンタで、記録媒体Pの片面に画像を形成するときは、第1の像担持装置Aの第1の像担持体10上に形成した画像を第2の像担持装置Bの第2の像担持体20に転写することなく、媒体供給装置Cで供給する記録媒体Pの片面に直接転写するようにする。そして、定着装置Dで転写画像を定着し、フェイスダウンで頁順に揃えて排出する。
【0043】
さて、上述した同時両面画像形成プリンタに備える定着装置Dは、中心にヒータ等の熱源40を有する定着ローラ42を備える。この定着ローラ42には、定着ベルト43を介して加圧ローラ44を押し当てる。そして、定着ローラ42と定着ベルト43との間に定着ニップを形成する。定着ベルト43は、加圧ローラ44と、第2の像担持体20に近接して設ける加熱ローラ45とに掛け回し、それに一定の張力を付与する。加熱ローラ45も、中心にヒータ等の熱源46を有する。
【0044】
熱源40・46は、ともに適当な温度に保持する。そして、熱源40は、定着ローラ42を加熱する。他方、熱源46は、加熱ローラ45を介して定着ベルト43を加熱する。
【0045】
定着ベルト43は、ベース層を導電性とし、表面を非導電性とすることが好ましく、第2の像担持体20による記録媒体搬送方向に対する角度αを60度以下の傾きとして張り渡し、またその定着ベルト43による記録媒体搬送速度を第2の像担持体20による記録媒体搬送速度と同じとする。
【0046】
そのような定着ベルト43を介して加熱ローラ45には、その定着ベルト43に従動回転するように、または定着ベルト43と相対的に移動するように接触してクリーニング部材としてクリーニングローラ48を押し当てる。クリーニングローラ48には、バイアス電源49を接続して直流、交流等のバイアスを印加する。すなわち、クリーニングローラ48を用いて定着ベルト43にバイアス電圧を印加するバイアス印加手段50を備える。
【0047】
また、定着ベルト搬送方向においてクリーニングローラ48位置より直ぐ下流であって記録媒体Pの先端が定着ベルト43に当接する位置の上流には、電位測定部材として表面電位センサ52を設け、定着ベルト43の表面電位を測定する。この表面電位センサ52には、制御系53を接続する。
【0048】
そして、表裏両面に未定着画像を有する記録媒体Pがこの定着装置Dに搬送されてきたときには、その記録媒体Pの先端を定着ベルト43に当接して記録媒体Pをその定着ベルト43に静電的に密着して定着ベルト43で搬送し、定着ニップへと導く。定着ニップでは、両側から熱と圧力とを加えて表裏両面の未定着画像を同時に記録媒体Pに定着しながら、回転する定着ローラ42と定着ベルト43とで搬送して定着装置Dから送り出す。
【0049】
定着ベルト43を用いるので、画像転写後の記録媒体Pを定着装置Dへとスムーズに受け渡すとともに、その定着ベルト43にバイアス電圧を印加するバイアス印加手段50を備えるので、記録媒体Pを静電的に定着ベルト43に吸着して記録媒体Pの搬送性を向上することができる。
【0050】
ところで、このような定着装置Dでは、記録媒体Pの表裏両面に未定着画像を有することから、記録媒体P上のトナーが定着ベルト43に付着し、その付着したトナーが再び記録媒体Pに逆転写して記録媒体Pの画像品質を低下するおそれがある。
【0051】
そこで、図示例では、クリーニングローラ48で定着ベルト43をクリーニングする。よって、クリーニングローラ48で定着ベルト43に付着したトナーや紙粉を除去し、画像品質を向上することができる。
【0052】
また、表面電位センサ52による測定結果に応じて制御系53でバイアス印加手段50による印加電圧を制御する。例えば図2に示すように、ステップ1でクリーニングローラ48に給電を開始し、ステップ2で定着ベルト43の表面電位が設定値より低いときは、ステップ3でバイアス電源49の給電量をアップし、定着ベルト43の表面電位を設定値まで高める。
【0053】
このようにすると、例えば定着ベルト43にトナーや紙粉が付着したとしても、クリーニングするとともに定着ベルト43の表面電位を一定に保持し、記録媒体Pを静電的に定着ベルト43に吸着し、記録媒体Pのずれのない安定的な走行を可能として記録媒体Pの搬送性を向上し、画像乱れをなくすとともに、記録媒体Pを定着ニップへと乱れなく挿入してしわ等の発生を防止することができる。
【0054】
図示例では、定着ベルト搬送方向においてクリーニングローラ48位置より直ぐ下流に表面電位センサ52を設けることにより、クリーニングローラ48でクリーニング後のきれいな定着ベルト43の表面電位を測定し、定着ベルト43を所定電位に正確に帯電することができる。
【0055】
図3には、この発明による定着装置Dの他例を示す。
この図3に示す定着装置Dでは、加圧ローラ44と加熱ローラ45間に掛け回す定着ベルト43に内側からテンションローラ55を押し当て、一定の張力を付与する。そして、そのテンションローラ55に、クリーニング部材であるクリーニングウェブ56を介して押圧ローラ57および給電部材58を押し当て、それらの間でクリーニングウェブ56を定着ベルト43に面接触する。
【0056】
これにより、定着ベルト43に対するクリーニング部材の接触面積を大きくしてさらにクリーニング効果を増大することができる。
【0057】
給電部材58には、バイアス電源49を接続してバイアス印加手段50を構成する。また、クリーニングウェブ56は、繰り出し軸60から繰り出し、巻き取り軸61で巻き取る。巻き取り軸61は、ウェブモータ62で回転し、クリーニングウェブ56を矢示方向に搬送して面接触部分で定着ベルト43と逆向きに搬送する。
【0058】
このように、クリーニングウェブ56を搬送可能とするので、定着ベルト43に常に新しいクリーニングウェブ56を接触してクリーニング効果を増大することができる。
【0059】
そして、表裏両面に未定着画像を有する記録媒体Pがこの定着装置Dに搬送されてきたときには、その記録媒体Pの先端を定着ベルト43に当接して記録媒体Pをその定着ベルト43に静電的に密着して定着ベルト43で搬送し、定着ニップへと導く。定着ニップでは、両側から熱と圧力とを加えて表裏両面の未定着画像を記録媒体Pに定着しながら、回転する定着ローラ42と定着ベルト43とで搬送して定着装置Dから送り出す。
【0060】
この図3に示す定着装置Dでは、図1に示す定着装置Dと同様に電位測定部材として表面電位センサ52を設置し、その表面電位センサ52による測定結果に応じて制御系53でウェブモータ62を駆動してクリーニングウェブ56を巻き取る。例えば図4に示すように、ステップ11で給電部材58に給電を開始し、ステップ12で定着ベルト43の表面電位が設定値より低いとき、ステップ13でウェブモータ62を一定時間駆動し、クリーニングウェブ56を矢示方向に巻き取る。
【0061】
このようにすると、定着ベルト43にトナーや紙粉が付着して導電性が低下し、給電部材58による給電率が落ちたとき、ウェブモータ62を駆動してクリーニングウェブ56を一定量巻き取ることにより、クリーニングウェブ56の新しい部分を定着ベルト43に接触し、クリーニング性能をアップして導電性を向上し、給電率を元に戻して定着ベルト43の表面電位を回復することができる。
【0062】
なお、上述した例では、定着ベルト43を記録媒体Pの片側に設けたが、片側に限らず、記録媒体Pの両側に設けてもよい。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したとおり、請求項1に係る発明によれば、定着ベルトを用いるので、画像転写後の記録媒体を定着装置へとスムーズに受け渡すとともに、その定着ベルトにバイアス電圧を印加するバイアス印加手段を備えるので、記録媒体を静電的に定着ベルトに吸着して記録媒体の搬送性を向上することができる。また、クリーニング部材またはそのクリーニング部材を定着ベルトに押し当てる押圧部材を用いて、定着ベルトにバイアス電圧を印加するので、クリーニングのために使用する部材の一部をバイアス印加手段としても用いることにより部品点数を少なくしてコストダウンを図ることができる。さらに、定着ベルトをクリーニングするクリーニング部材を設けるので、定着ベルトのトナーや紙粉を除去してクリーニング性を高め、画像品質を向上することができる。
【0064】
請求項2に係る発明によれば、定着ベルトの表面電位を測定する電位測定部材を備え、その電位測定部材による測定結果に応じてバイアス電圧印加手段による印加電圧を制御するので、定着ベルトの表面電位を一定に保持して記録媒体を静電的に定着ベルトに吸着し、記録媒体のずれのない安定的な走行を可能として記録媒体の搬送性を向上し、画像乱れをなくすとともに、記録媒体を定着ニップへと乱れなく挿入してしわ等の発生を防止することができる。
【0065】
請求項3に係る発明によれば、クリーニング部材としてクリーニングウェブを用い、そのクリーニングウェブを定着ベルトに面接触するので、請求項1に係る発明の効果に加えて、定着ベルトに対するクリーニング部材の接触面積を大きくしてさらにクリーニング効果を増大することができる。
【0066】
請求項4に係る発明によれば、クリーニングウェブを搬送可能とするので、請求項1に係る発明の効果に加えて、定着ベルトに常に新しいクリーニングウェブを接触してクリーニング効果を増大することができる。
【0067】
請求項5に係る発明によれば、記録媒体の表裏両面の未定着画像を同時に記録媒体に定着するので、請求項1に係る発明の効果に加えて、表裏両面に未定着画像を有する記録媒体であっても、画像乱れなく搬送して画像転写後の記録媒体を定着装置へとスムーズに受け渡すことができる。
【0068】
請求項6に係る発明によれば、請求項1ないし5のいずれか1に記載の定着装置を備えるので、上記各効果を達成した定着装置を備える画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一例である定着装置を備える同時両面画像形成プリンタの要部概略構成図である。
【図2】その同時両面画像形成プリンタに備える定着装置の給電制御のフローチャートである。
【図3】定着装置の他例の概略構成図である。
【図4】その定着装置の給電制御のフローチャートである。
【符号の説明】
D 定着装置
P 記録媒体
43 定着ベルト
48 クリーニングローラ(クリーニング部材)
50 バイアス印加手段
52 表面電位センサ(電位測定部材)
56 クリーニングウェブ(クリーニング部材)
58 給電部材
Claims (6)
- 未定着画像を有する記録媒体を定着ベルトで搬送して定着ニップに導き、未定着画像を記録媒体に定着する定着装置において、
前記定着ベルトをクリーニングするクリーニング部材を設け、そのクリーニング部材またはそのクリーニング部材を前記定着ベルトに押し当てる給電部材で、前記定着ベルトにバイアス電圧を印加するバイアス印加手段を備えることを特徴とする、定着装置。 - 前記定着ベルトの表面電位を測定する電位測定部材を備え、その電位測定部材による測定結果に応じて前記バイアス印加手段による印加電圧を制御することを特徴とする、請求項1に記載の定着装置。
- 前記クリーニング部材としてクリーニングウェブを用い、そのクリーニングウェブを前記定着ベルトに面接触することを特徴とする、請求項1に記載の定着装置。
- 前記クリーニングウェブを搬送可能とすることを特徴とする、請求項3に記載の定着装置。
- 記録媒体の表裏両面の未定着画像を同時に記録媒体に定着することを特徴とする、請求項1に記載の定着装置。
- 請求項1ないし5のいずれか1に記載の定着装置を備えることを特徴とする、画像形成装置。
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