JP4824207B2 - 板ブラシシール装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、航空機、ガスタービン等の回転軸と相対移動する相手部品との間をシールする薄板をブラシ状に加工した板ブラシシール装置に関する。特に、相対移動する二部品間で一方部品が微少な変動をしても板ブラシシールが一方部品の変動に追随して変形すると共に、両部品間を効果的にシールするようにした板ブラシシール装置の技術分野に係わるものである。
【0002】
【従来技術】
本発明に関する先行技術には、図8に示すブラシシール装置100が存在する。
図8は、回転軸120が貫通するケーシング110との間に取り付けられたブラシシール装置100の断面図である。そして、このケーシング110は、蒸気タービンやガスタービンの部品であって、 ブラシシール装置100がケーシング110と回転軸120との間を仕切るようにして被密封流体をシールしているものである。
【0003】
図8において、ブラシシール装置100は、リング状に形成されて、ケーシング110の溝部112に取り付けられている。このブラシシール装置100の主要な構成は、ブラシシール109と背板102と支持板103である。このブラシシール109は、剛毛101が円周に沿って壁状に配列され、一端部が結合されて取付部104を形成している。そして、ブラシシール109の自由端面105は回転軸120に対向する。この剛毛101の線形は、一般に、0.02mmから0.5mmのものが用いられている。そして、その本数は何万、何十万本と用いられている。
【0004】
このブラシシール109の側面には、環状をした背板102が側面108をブラシシール109と接触状態にして配置され、被密封流体の圧力の作用に対して剛毛101を支持している。
又、ブラシシール109の他方の面には、保持板103がリング板に形成されて背板102との間でブラシシール109の取付部104側を狭持するごとく一体に配置されている。この保持板103は、被密封流体がブラシシール109の側面に作用できるように径方向の幅が狭くされてブラシシール109を露出させている。
そして、背板102とブラシシール109の取付部104と保持板103とは、一端が溶接されて結合部106に形成されている。
【0005】
図9は、ブラシシール109の正面図である。この図10のブラシシール装置100は、ブラシシール109と回転軸120とが揺動しない正常に嵌合した状態であって、剛毛101は、直線状を成して回転軸120の径方向に対して回転する方向へ傾斜している。このブラシシール109の正常状態は、図8の実線で示すように回転軸120が自由端面105に接触又は近接しているものである。このために自由端面105は、ブラシシール109に完成後回転軸に嵌合するように精密仕上げ加工されている。この加工も困難な加工の1つである。
【0006】
更に、他の従来技術として特開平10−196801号公報には図11に示すブラシシール装置が開示されている。この図11には、板ブラシシール209として薄板を回転軸120の周方向に重ねて高圧側領域P1と低圧側領域P2をシールするものである。
そして、板ブラシシール209の外周部はろう付けされて取付部104に形成されていると共に、このろう付けされた取付部104を介してケーシング110の溝部に取り付けられる。又、板ブラシシール209の低圧側領域P2の側面には背板102が配置されていると共に、高圧領域側P1の側面には保持板103が配置され、この両板102,103により板ブラシシール209の両側を支持している。
【0007】
しかし、この様に形成された板ブラシシール209に対し、回転軸120が偏心して圧接したときに、重ねられて環状体を成す板ブラシシール209は、弾性変形する逃げ場を失って、弾性変形に対応するバネ常数が大きくなるので、回転軸60の偏心に対して追随することが困難になる問題を生じている。
更に、被密封流体の圧力が作用する方向に接合して重ねられた板ブラシシール209は、その接合面間に隙間が生じるから、被密封流体の漏れに対してシール能力に問題が生じてくる。
更に、環状方向に薄板を積層した板ブラシシール209は環状全体では数十万枚にも成る場合があるから、その製作が極めて困難である。更に又、板ブラシシール209の環状の内周長さと外周長さとは、その周長さが異なり、外周長さが長くなるから、その分、外周側にスペーサを設けなければ成らず、接合面間に間隙が生じることになる。この点からもシール能力の問題が存する。更に又、可撓性が阻害される構成の積層状態は、板ブラシシール209の自由端面105を早期に摩耗させる結果となっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述のごとく構成されたブラシシール装置1は、回転軸120が振動や揺動などにより、ブラシシール109に接触すると、ブラシシール109は、図9(b)に示すように回転軸120と圧接された状態になりながら傾斜角度も増加させる。
【0009】
この状態で、被密封流体の圧力が高圧P1の場合には、図8に示すように、低圧P2との差圧(P1−P2)が大きくなるから、ブラシシール109の直線状の剛毛101は、全体が板の様な状態で撓みにくくなり、回転軸120に対して追随性を悪化させる。
図10(a)と図10(b)は、ブラシシール109の内径側から見た一部の正面図である。
この図10(a)と図10(b)に於いて、直線状の剛毛101間に被密封流体が侵入すると内周面側から見て図10(a)の様に配列されている各剛毛101は、図10(b)に示すように剛毛101間が開くように押し分けられるので、この分けられた間隙から被密封流体が漏洩することになる。この作用は更に、傾斜した状態の剛毛101が圧力により分けられると、分けられた一方側が、傾斜角度を小さくするように変位しようとするので、径方向の長さが長い状態になり、回転軸120との圧接状態を更に増加させて摩耗することになる。
【0010】
この様な状態と共に、ブラシシール101の回転軸120に圧接した位置に対し、軸心の径方向反対側は剛毛101の自由端面105と回転軸120との隙間C(図8の仮想線の回転軸を参照)が大きくなると共に、この間隙Cから被密封流体の漏れが惹起する。
【0011】
又、板ブラシシール209に於いても、被密封流体が作用する方向に薄板が接合しているので、被密封流体が作用すると、図10(b)と同様に薄板の接合面間が分けられるので、被密封流体が漏洩することになる。更に、板ブラシシール209の自由端部105は可撓性が阻害されるから、摩耗を早めることになる。
【0012】
本発明は、上述のような問題点に鑑み成されたものであって、その技術的課題は、ブラシシールの加工、設計を容易にして製作、組立を容易にし、製品コストを低減することにある。
更に、回転軸からの押圧力に対するブラシシールの弾性変形を向上させ、ブラシシールが回転軸により摩耗させられるのを低減することにある。
又、ブラシシールの回転軸の外周面との変動に対応する追随性を良好にしてシール能力を向上させることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述のような課題を解決するために成されたものであって、その課題を解決するための技術的手段は以下のように構成されている。
【0014】
請求項1に係わる本発明の板ブラシシールは、間隙を有して相対回動するケーシング(50)とロータ(60)の前記ケーシング(50)に取付けられて前記ロータ(60)との間をシールする板ブラシシール装置であって、
環状の薄板の内周側に前記ロータ(60)の回転方向に傾斜しているスリット(9)を有して短冊状に形成された板ブラシ部(2a)を有すると共に、前記板ブラシ部(2a)と反対側の外周側に前記ケーシング(50)に固着される基部(2b)から成る取付部(3)を有する板ブラシシール単板を備えた板ブラシシール(2)と、
前記板ブラシシール(2)の前記ロータ(60)の軸方向の被密封流体側の反対側に設けられ、前記板ブラシシール(2)の取付部(3)と結合し前記板ブラシシール(2)の側面を支持する支持面(7)を有する背板部(6)と、
前記板ブラシシール(2)の前記ロータ(60)の軸方向の被密封流体側に設けられ、前記板ブラシシール(2)の前記取付部(3)を前記背板部(6)との間で保持する、前記背板部(6)より径方向幅が小さい保持部(10)とを具備し、
前記板ブラシシール(2)は前記ロータの軸方向へ板ブラシシール単板を積層に重ねられているものである。
【0015】
請求項1に係わる本発明の板ブラシシールでは、薄板の一方側が短冊状に加工されてその自由端部がロータの相対面と対向する形の板ブラシシール単板を前記ロータの軸方向へ積層に重ねられているので、被密封流体の圧力に応じて複数枚積層にすればよいから、従来のように数十万本の剛毛の取付部を一体化してブラシシールを製作するものに比較すると、極めて容易に製作することが可能になる。
【0016】
しかも。従来の剛毛より成るブラシシールは、数十万本から成るために内周面をワイヤー放電加工等で円形に加工しなければならなかったが、薄板から数枚で構成される板ブラシシールは内径面を加工することなく内径の精度を向上させることが可能になる。
更に、板ブラシシールは取付部側が短冊状に加工されてない薄板の基部で一体化されており、板ブラシシールを重ねるのみで形成されるから、剛毛を何十万本と無く溶接して取付部に形成するものに比べて取付部を形成するのが極めて容易である。
【0017】
また、請求項1に係わる本発明の板ブラシシールは、前記板ブラシ部(2a)を短冊に形成するスリット(9)方向が前記ロータ(60)の移動方向に傾斜しているものである。
【0018】
そのような構成の請求項1に係わる本発明の板ブラシシールでは、板ブラシ部を短冊に形成するスリットがどの方向にでも簡単に加工できるから、従来のように数十万本の剛毛を傾斜させて整列させるために治具により傾斜させた取付部を長時間かけて一体化する必要もなく、取付部や自由端部の製作精度を向上させ、且つ取付部や自由端部の取付精度によるシール能力を向上させることが可能になる。
【0019】
請求項2に係わる本発明の板ブラシシールは、前記板ブラシ部(2a)を短冊状に形成するスリットの間隔が前記取付部側が広く、自由端部側が狭く形成されているものである。
【0020】
請求項2に係わる本発明の板ブラシシールでは、用途に応じて、円錐状をした板ブラシシールや円弧状の板ブラシシールを形成するとき、スリットの間隔を取付部側が広く成るように形成すると、短冊の自由端部の間隙を互いに接合又は近接するまで板ブラシシールの取付部側を曲げることが可能になる。
【0021】
請求項3に係わる本発明の板ブラシシールは、板ブラシシールが円弧状を成す板ブラシシール分割片に形成されて周方向に組み合わせて環状に形成されているものである。
【0022】
請求項3に係わる本発明の板ブラシシールでは、板ブラシシールが大径の場合に、又は、環状を成す薄板を短冊状にスリット加工ができない場合に、円弧状の板ブラシシール分割片を、又は矩形状の板ブラシシールを円弧状にプレス加工して形成し、この円弧状の板ブラシシール分割片における分割面を互いに組み合わせれば、環状の板ブラシシールを容易に形成することが可能になる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係わる実施の形態についての板ブラシシール装置を図面に基づいて詳述する。尚、以下の図面は不正確な概念図ではなく、形状が正確な寸法の設計図である。
【0024】
図1は、ガスタービンのケーシング50とロータ60との間隙を高圧P1側と低圧P2側とに仕切る板ブラシシール装置1の断面図である。又、図2は、軸に嵌合した状態の図1に示す板ブラシシールの平面図である。更に、図3は、板ブラシシール単板2Pの平面図である。
【0025】
図1において、1は板ブラシシール装置である。この板ブラシシール装置1の外周側の固定部20は、構成部品の一方の部品であるケーシング50の内周面に設けられた段部51にスナップリング12を介して取り付けられている。尚、固定部は組み合わせた溝部51に取り付けることできる。又、板ブラシシール装置1の内周側の自由端部5は他方の部品であるロータ60の外周面と対向して接面又は近接した状態に配置されている。そして、板ブラシシール装置1により高圧P1側の被密封流体をシールする。
【0026】
板ブラシシール装置1は、板ブラシシール2、背板部6及び保持部10が主要な構成である。
このうちの板ブラシシール2は、図2に示すように、環状を成す薄板の内周側がロータ60の回転方向へ傾斜したスリット9に加工されて短冊状に形成されており、このスリット9により内周板が板ブラシ部2aに構成されていると共に、外周板の基部2bが取付部3を構成する。
この板ブラシ部2aは、環状の薄板の内径側が細かい短冊状に形成されて断面が矩形状のブラシ部分8に形成されているものである。そして、ロータ(回転軸)60の軸方向へ板ブラシシール単板2Pが複数枚を積層状態に配置して壁に形成している。又外周端部が溶接により一体化されて取付部3を形成している。
【0027】
この板ブラシシール2は、一実施例として、リング状を成す薄板の内周側に3角形状の間隙を成すスリット9を設けてブラシの断面が角形状(矩形又は正方形)に形成されていると共に、その断面寸法の1辺は、0.2〜0.005×0.3〜0.008mm、好ましくは0.15〜0.008×0.2〜0.01mmである。又、長さは5〜50mmの範囲である。更に、壁の厚さは0.5〜5mmの範囲にしたが、この厚さは、被密封流体の圧力により決められるものである。
更に、板ブラシシール2の材質は、鋼、ステンレス、ニッケル基の合金、セラミック材等が用いられる。
【0028】
図3に示す板ブラシシール単板2Pは、本発明に係わる第2の実施の形態である。この板ブラシシール単板2Pは、被密封流体の圧力の大きさに応じて複数の板ブラシシール単板2Pを積層に重ね合わせて板ブラシシール2に構成する。そして、板ブラシシール単板2Pは、環状を成す薄板の内周側をイッチング処理加工、プレス加工、放電加工等の方法によりスリット9に加工して短冊状に形成した板ブラシ部2aを設けている。又、外周側はスリットのない薄板の基部2bに形成されて板ブラシ部2aがばらつかないように一体化している。
又、各スリット9は、内径側が小さくなる寸法の三角形状をした間隙に形成されている。このスリット9の形状は必要に応じて平行な間隙に形成しても良い。更に、このスリット9により、ロータ60の回転する方向に傾斜したブラシ部分8を形成しているが、このブラシ部分8の傾斜角度はロータ60の回転数などから決定される。又、正逆両用回転としてブラシ部分8を径方向に形成することも可能である。
【0029】
背板部6は、板ブラシシール2の取付部3を保持する固着部6Aと板ブラシシール2に被密封流体の圧力が作用して極端に曲げられないように支持する支持面7とを設けている。そして、板ブラシシール2と支持面7との間は、図1のように接合させても良いし、離間する形に形成しても良い。
【0030】
板ブラシシール2は、回転軸60が大きく振れると自由端部5が回転軸60と接触するが、板ブラシ部2aは微細な角状板の各ブラシ部分8により形成されているから、ばね常数が小さく、ロータ60の揺動による当接に対して弾性的に追随して摩耗するのが防止される。このために、板ブラシシール2は、ロータ60に当接してもロータ60の変動に応じて弾性的に変形することができる。つまり、ロータ60に振れが生じても板ブラシシール2に設定されたばね常数に応じて当接が弾性的に和らげられる。更に、ロータ60がそれより少し触れ回りが大きく揺動しても、角状板の板ブラシシール2に有するブラシ部分8は、接触圧力を更に減少させるから摩耗するのが更に防止される。
【0031】
板ブラシシール2は、背板部6と保持板部10とにより取付部3が電子ビーム等の溶接により一体に結合され、この三部品の溶接部は固定部20を形成する。そして、保持部10は、リング状に形成されて、背板部6より径方向幅が小さい寸法に形成されている。尚、図1では、保持部10が固定部20を形成する長さであるが、背板部6に近い径方向の長さに形成することも可能である。そして、この長さの長い保持部10の場合には、板ブラシシール2と保持板部10の側面との間に被密封流体が流入できる空間部に形成される。
【0032】
背板部6と保持部10は、ケーシング50の線膨張係数に合わせて材質を選定することが好ましい。例えば、ニッケル基の合金、鉄、鋼、ステンレスその他非鉄金属で製作される。更には、被密封流体の種類、温度、又は、その他の適用分野の条件によって種々の材質が選定されている。
【0033】
図4(a)は、図1の板ブラシシール装置1の内径側から見た1部の平面図である。又、図4(b)は図4(a)のC部の拡大図である。この図4は、本発明に係わる第3の実施の形態を示す板ブラシシール装置1である。
図(a)において、板ブラシシール2は、板ブラシシール単板2が8層に積層されている。そして、図(b)に拡大して示すように、ブラシ部分8は断面が正方形状に形成されているとともに、スリット9が被密封流体の圧力が作用する方向に1列にならないように互いにづらして配置されている。この様に配列することにより被密封流体の漏れは防止されるから、シール能力が向上する。
【0034】
図5(a)は、図1の板ブラシシール装置1の内径側から見た1部の正面図である。又、図5(b)は、図5(a)のD部の拡大図である。この図5は、本発明に係わる第4の実施の形態を示す板ブラシシール装置1である。
図5(a)において、板ブラシシール2は、板ブラシシール単板2Pが4層に積層されている。そして、図(b)に拡大して示すように、ブラシ部分8は断面が被密封流体の圧力が作用する方向に長手の矩形状に形成されているとともに、スリット9が被密封流体の圧力が作用する方向に1列にならないように互いにずらして配置されている。この様なブラシ部分8の断面形状の配列によりシール能力が向上すると共に、ブラシ部分8の弾性変形能力を向上させることが可能になる。
【0035】
図6(a)は薄板の1方側にスリット9を設けてブラシシール単板2Pに形成したものである。この図6は、本発明に係わる第5の実施の形態を示す板ブラシシール装置1である。尚、図6(b)は、図6(a)のA部の拡大図である。この板ブラシ部2aはスリット9の幅Tがほぼ平行な間隔に形成したものである。このブラシシール単板2Pを図6(c)に示すように円弧状にプレス加工して板ブラシシール分割片4を形成する。又は、円錐状の板ブラシシール装置1を形成するときにはこの様にして形成しすることが出来る。
【0036】
図7は、本発明に係わる第6の実施の形態の板ブラシシール装置1の平面図である。この板ブラシシール単板2Pは円弧状に形成された板ブラシシール分割片4の分割面11を互いに組み合わせて全体を環状に形成するものである。この板ブラシシール分割片4は、図6(c)のようにして形成することができる。又、円弧状を成す薄板の内周面にスリット9を加工して板ブラシシール分割片4を形成することもできる。
又、この板ブラシシール分割片4は積層に配列するとき分割面11をずらして配列することにより分割面11から被密封流体が漏洩するのを防止することが可能になる。
この様な板ブラシシール分割片4の組合せによるブラシシール装置1の構成は、大径の板ブラシシール装置1を製作するのにコストの面からも、組立の面からも効果的である。
【0037】
【発明の効果】
請求項1に係わる本発明の板ブラシシール装置によれば、薄板の一方側が短冊状に加工されて自由端部が他方の部品の相対面と対向するに板ブラシシール単板を被密封流体の圧力に応じて被密封流体の圧力作用方向へ積層に重ねられているので、被密封流体の圧力が大きい場合には、この圧力に応じて複数枚積層にすればよいから、従来のように数十万本の剛毛の取付部を一体化してブラシシールを製作するものに比較すると、製作コストも飛躍的に低減できる効果を奏する。又、短冊状の板ブラシシールにより被密封流体をシールするシール能力を向上させる効果が期待できる。
【0038】
しかも。従来の剛毛より成るブラシシールは数十万本から成るために内周面をワイヤー放電加工等で円形に加工しなければならなかったが、薄板から構成された板ブラシシールは、薄板基部と板ブラシ部とは一体であるから、内径面を加工することなく内径の精度を向上させることが可能になる。又、この一体による精度向上は、板ブラシシール装置の自由端部をロータに近接できるから、ロータとの間隙のシール能力を向上させることが可能になる。
更に、板ブラシシールは取付部側が短冊状に加工されてない薄板の基部で一体化されており、板ブラシシールを重ねるのみで取付部が形成されるから、取付部を取り付ける精度が極めて向上する。
【0039】
請求項2に係わる本発明の板ブラシシールによれば、板ブラシ部を短冊に形成するスリットがどの方向にでも簡単に加工できるから、又、スリットの間隔も任意に設定できるから、従来のように数十万本の剛毛を整列させるために治具により傾斜させて取付部を一体化する必要もなく、製作コストと共に、加工精度を向上させてシール能力を向上させる効果が期待できる。
【0040】
請求項3に係わる本発明の板ブラシシールによれば、用途に応じて、円錐状をした板ブラシシールや円弧状の板ブラシシールを形成するとき、スリットの間隔を取付部側が広く成るように形成すると、短冊の自由端部の間隙を互いに接合又は近接するまで板ブラシシールの取付部側を円弧状に曲げることが可能になる。
その結果、任意の円弧状の板ブラシシールを製作できるから、他方の部品の外周面に合わせた板ブラシシール装置の製作を可能として、自由端部と他方の部品との間隙をシールする効果が期待できる。
【0041】
請求項4に係わる本発明の板ブラシシールによれば、板ブラシシールが大径の場合に、又は、環状を成す薄板を短冊状にスリット加工ができない場合に、円弧状の板ブラシシール分割片を、又は矩形状の板ブラシシールを円弧状にプレス加工して形成し、この円弧状の板ブラシシール分割片を周方向に組み合わせれば、板ブラシシールを容易に形成することができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる第1実施の形態を示す板ブラシシール装置の半断面図である。
【図2】図1の軸方向の正面図である。
【図3】本発明に係わる第2の実施の形態の板ブラシシール単板の平面図である。
【図4】(a)は本発明に係わる第3実施の形態を示す板ブラシシール装置の内径から見た1部平面図、(b)は図4(a)のC部の拡大図である。
【図5】(a)は本発明に係わる第4の実施の形態を示す板ブラシシール装置の内径から見た1部平面図、(b)は図5(a)のD部の拡大図である。
【図6】(a)は本発明に係わる第5の実施の形態を示す板ブラシシール装置の板ブラシシールの斜視図、(b)は図6(a)のA部の拡大図、(c)は図6(a)の板ブラシシールを板ブラシシール分割片に曲げ加工した斜視図である。
【図7】本発明に係わる第6に実施の形態を示す板ブラシシールの平面図である。
【図8】従来例のブラシシール装置の半断面図である。
【図9】(a)は図8の1部平面図、(b)は図8の状態に於いてロータが偏心した状態のブラシシール装置の平面図である。
【図10】(a)は図8のブラシシール装置を内径側から見た平面図、(b)は図8のブラシシール装置に被密封流体が作用して剛毛間が開いた状態の内径側から見た平面図である。
【図11】従来例の他のブラシシール装置の斜視図である。
【符号の説明】
1 板ブラシシール装置
2 板ブラシシール
2a 板ブラシ部
2b 基部
2P 板ブラシシール単板
3 取付部
4 板ブラシシール分割片
5 自由端部
6 背板部
6A 固着部
7 支持面
8 ブラシ部分
9 スリット
10 保持部
11 分割面
12 スナップリング
20 固定部
50 一方の部品(ケーシング)
51 溝部
60 他方の部品(ロータ)

Claims (3)

  1. 間隙を有して相対回動するケーシングとロータの前記ケーシングに取付けられて前記ロータとの間をシールする板ブラシシール装置であって、
    環状の薄板の内周側前記ロータの回転方向に傾斜しているスリットを有して短冊状に形成された板ブラシ部を有すると共に、前記板ブラシ部と反対側の外周側に前記ケーシングに固着される基部から成る取付部を有する板ブラシシール単板を備えた板ブラシシールと、
    前記板ブラシシールの前記ロータの軸方向の被密封流体側の反対側に設けられ、前記板ブラシシールの取付部と結合し前記板ブラシシールの側面を支持する支持面を有する背板部と、
    前記板ブラシシールの前記ロータの軸方向の被密封流体側に設けられ、前記板ブラシシールの前記取付部を前記背板部との間で保持する、前記背板部より径方向幅が小さい保持部とを具備し、
    前記板ブラシシールは前記ロータの軸方向へ板ブラシシール単板を積層に重ねたことを特徴とする板ブラシシール装置。
  2. 前記板ブラシシールの前記スリットの間隔が前記取付部側である前記外周側を広く形成されていると共に自由端部側である前記内周側を狭く形成されていることを特徴とする請求項1に記載の板ブラシシール装置。
  3. 前記板ブラシシールは板ブラシシール分割片を周方向組み合わされて環状に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の板ブラシシール装置。
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