JP4157288B2 - 板ブラシシール - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、航空機、ガスタービン等の回転軸の相対移動する二構成部品間をシールするシール板を重ねたブラシシール装置に関する。特に、二構成部品の一方部品が微少な変動をしても板ブラシシール単板が一方部品の変動に対応して変形可能にすると共に、板ブラシシール単板を重ね合わせて両部品間をシールするようにしたブラシシール装置の技術分野に係わるものである。
【0002】
【従来技術】
本発明に関する先行技術として、特開平10−196801号公報が存在する。この公報には、図13に示すブラシシール装置100が開示されている。
図13は、回転軸120が貫通するケーシング110と、この回転軸120との間に取り付けられたブラシシール装置100の斜視図である。このケーシング110は、蒸気タービンやガスタービンの部品であって、 ブラシシール装置100の重ねられた薄板がケーシング110と回転軸120との間を仕切るようにして圧力流体をシールしているものである。
【0003】
この図13には、薄板のシール板109を回転軸120の周方向に積層状に重ねて高圧側領域P1と低圧側領域P2とをシール板109の積層幅方向でシールするものである。
そして、シール板109の外周部はろう付けされて取付部104に形成されていると共に、このろう付けされた取付部104を介してケーシング110の溝部に取り付けられる。又、シール板109における低圧側領域P2の側面には背板102が配置されていると共に、高圧領域側P1の側面には保持板103が配置されている。そして、この背板102と保持板103によりシール板109の両側を支持している。
【0004】
しかし、この様に形成されたシール板109に対し、回転軸120が偏心して圧接したときに、重ねられて環状体を成すシール板109は、1体の金属体のようになり弾性変形する逃げ場を失って、弾性変形に対応するバネ定数が大きくなるので、回転軸60の偏心に対して追随することが困難になる問題を惹起している。このためにシール板109とロータ120の外周面との間隔を大きくとらなければならず、この間隔が被密封流体のシール能力に問題を惹起している。
【0005】
更に、被密封流体の圧力が作用する方向に接合して重ねられたシール板109は、その接合面間方向に作用する被密封流体の圧力により隙間が生じるから、被密封流体の漏れに対してシール能力に問題が生じてくる。
更に、環状方向に薄板を積層したシール板109は環状全体では数十万枚にも成る場合があるから、その製作が極めて困難であると共に、材料の歩留まりが極めて悪い。
更に又、シール板109の環状体の内周長さに対して外周長さは長くなるから、その外周が長くなる分、シール板109は側面から見て外周側を厚くした3角形状の厚さに形成しなければならない。このためシール板109としてロータ120の当接に対する弾性変形に問題が生じてくる。そして、シール板109がロータ120と接触したとき相対面が急速に摩耗することになる。これが原因となってシール能力に問題が生じてくる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述のごとく構成されたブラシシール装置100は、回転軸120が振動や揺動などにより、シール板109に接触すると、シール板109は、回転軸120と圧接された状態になりながら摩耗と共に、傾斜角度も増加させる。
更に、シール板109が回転軸120に圧接した位置に対し、軸心の径方向反対側におけるシール板109の自由端面105と回転軸120との隙間は、揺動に対して大きく開くことになる。そして、この間隙から被密封流体の漏れが惹起する。
これらを防止するために、シール板109は回転軸の回転方向に傾斜されているが、シール板109は何十万枚も重ねてシール間に壁を成すように配置するので、その傾斜させた効果を発揮させることが困難である。
【0007】
そして、シール板109は回転軸120の周面に沿って1枚ずつ層状に配置するので、シール板109の枚数は膨大になり、材料の歩留まりが悪化する。又、この材料の増加は可撓性を悪化させるから、シール板109の先端の摩擦により摩耗を早めることになる。
【0008】
本発明は、上述のような問題点に鑑み成されたものであって、その技術的課題は、板ブラシシール単板を積層するとき、位置決めしながら簡単に積層できるようにすることにある。そして、組立コストを低減することにある。
更に、板ブラシシール単板を環状に積層するとき、積層した内周径と外周径との寸法差に対し、スペ−サを設けることなく、取り付けられるようにすることにある。そして、板ブラシシール単板に対し、ロータが当接しても弾性変形して摩擦を低減できるようにすることにある。
【0006】
又、板ブラシシールの製作する材料の歩留まりを向上させることにある。
更に、板ブラシシールの取付部の結合を容易にすると共に、取り付け部を溶接するときでも熱変形の影響を低減できることにある。
又、板ブラシシール単板の肉厚を薄肉にしてシール能力を向上させると共に、板ブラシシールとロータとの間隙のシール効果を向上させることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述のような課題を解決するために成されたものであって、その技術的手段は、以下のように構成されている。
【0010】
請求項1に係わる本発明の板ブラシシールは、嵌合して相対移動する一方の部品に外周の固定部が取付けられて内周のシール部が他方の軸との間の被密封流体をシールする板ブラシシールであって、前記軸の周方向へ積層に配列されて外周に前記固定部を形成する板状基部を有するとともに内周に前記シール部を形成する板ブラシ部とを有する板ブラシシール単板を具備し、前記板状基部には幅方向両側に突出した側板部を有するとともに、前記側板部を互いに対向する側へ折り曲げて前記両側板部の間に形成される重ね溝部を有し、前記板状基部の前記重ね溝部を同一方向に向けて配列して隣接する前記側板部が接合されるとともに前記重ね溝部の底面と対向する背面との間に設計間隔を形成し、前記設計間隔は前記重ね溝部を形成する側板部の折曲角度により形成されているものである。
【0011】
この請求項1に係わる本発明の板ブラシシールでは、板ブラシシール単板の板状基部の両側板部が折り曲げられて重ね溝部に形成されており、この重ね溝部を同一方向に順々に重ねて環状になるように形成されている。このために、板状基部は互いに重ねられた重ね溝部によりずれないように保持されているから、互いの板ブラシシール単板の積層組立が容易であると共に、環状に組み立てるとき、板ブラシシール単板の積層された内径と外形との寸法差を設計間隔により調整することが可能になる。
【0012】
更に、板状基部は重ね溝部が積層されて横ずれしないように保持していると共に、重ね溝部の両側の弾性的な側板部により自由端部側の板ブラシ部を保持しているから、板ブラシ部を弾性変形可能に支持することができる。そして、軸が板ブラシ部に当接しても板ブラシ部は弾性変形が容易になるので、当接に対して弾性変形して摩耗を防止することが可能になる。
【0015】
請求項2に係わる本発明の板ブラシシールは、前記重ね溝部は前記側版部を折り曲げて台形状に形成されているものである。
【0016】
この請求項2に係わる本発明の板ブラシシールでは、板状基部の重ね溝部を台形状に折り曲げ形成されているので、板状基部を積層に重ねたときに結合力が安定して保持される。
【0017】
請求項3に係わる本発明の板ブラシシールは、前記板ブラシ部は前記板状基部から折り曲げられて前記板状基部に対して傾斜しているものである。
【0018】
請求項3に係わる本発明の板ブラシシールでは、板ブラシ部を軸の径方向に対して傾斜させることにより、軸の揺動に対して弾性変形して対応することが可能になる。このため、軸との接触に対する摩耗を防止することが可能になる。特に、板ブラシシール単板を周方向に積層する構成は、板ブラシ部の弾性変形が低下するので、傾斜させることにより更なる弾性変形を付与することが可能になる。
【0019】
請求項4に係わる本発明の板ブラシシールは、前記固定部の板状基部は前記側板部が溶着されて一体に結合されているものである。
【0020】
この請求項4に係わる本発明の板ブラシシールでは、従来技術では、薄板状の板状基部を溶接すると板状基部が熱変形を惹起して板ブラシ部までも不具合にしてきたが、重ね溝部の折り曲げられた側板部の溶接は、互いに重ね溝部が接合してずれないように保持されている上に、折り曲げられた側板部を溶接するので、簡単な溶接でも強固に固着することが可能になる。このために、小さな溶接の影響は、折り曲げ部を介して板ブラシ部にまで変形を与えないから、板ブラシ部のシール能力を発揮させることが可能になる。
【0021】
又、板状基部の側板部を溶接して固着する方法は、各重ね溝部の接合により一体に位置決めされて結合しているので、溶接を微少にすることが可能になる。しかも、重ね溝部の結合と溶接の固着により板状基部は強固に保持されている上に、被密封流体の作用方向に板状を成しているから、被密封流体の作用方向に強度を有して対抗力を発揮するから、背板、保持部等の取り付け板を不要にする効果が期待できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係わる板ブラシシールの好ましい実施の形態を図面に基づいて詳述する。図1は本発明の板ブラシシール2が取り付けられた状態の半断面図である。又、図2は図1の内径側から見た1部の平面図である。尚、以下の図面は、所謂、特許図面ではなく、実験に基づく設計図である。
【0023】
図1及び図2において、板ブラシシール2は、第1実施の形態を示すものである。この板ブラシシール2は、次のように構成されている。ガスタービン等の装置のケーシング12の孔には、軸60が嵌合している。この相対移動するケーシング12と軸60との間には、板ブラシシール2が取り付けられており、この板ブラシシール2によりその間をシールしている。
板ブラシシール2は板ブラシシール単板3が軸の周面に沿って積層状にされて環状体に形成されている。この板ブラシシール単板3の外周の板状基部3Bが重ねられて環状に形成されるとともに、環状における板状基部3Bを溶接して固定部4に形成する。この固定部4は、ケーシング12に取付けられている。また、内周の板ブラシ部3Aが重ねられてシール部を形成するとともに、自由端部11が軸60に遊嵌合して軸60との間をシールしている(図 1 及び図2参照)。
【0024】
この板ブラシシール2には、板状基部3Bが重ねられた側面に背板部6が設けられており、この背板部6は板ブラシシール2の各板状基部3Bを保持すると共に、被密封流体に対する板状基部3B側をシールする。また、背板部6の反対側には板ブラシシール2を介して保持部10が設けられており、この保持部10は背板部6との間で板ブラシシール2を挟持している。そして、板ブラシ部3Aは、被密封流体の作用する高圧側P1から低圧側P2方向へ設定された幅に形成されており、この板ブラシ部3Aを幅広く形成することにより被密封流体の圧力に対抗するように構成される。この板ブラシシール2と背板部6と保持部10からなる取付部は、ケーシング12の段部にケーシング12の一部である板状の取付部品を介して取り付けられる。
【0025】
図4は、図1に示す板ブラシシール単板3の1実施例である板ブラシシール単板3の平面図である。又、図5は他の実施例を示す板ブラシシール単板3の平面図である。更に、図3は、この板ブラシシール単板3を2枚に積層した板状基部3Bの積層方向を示す外周側から見た側板部13の片側の正面部である(図6を参照)。
【0026】
図4に於いて、板ブラシシール単板3の板状基部3Bには、両側に側板部13が形成されている。この側板部13は、図3に示すように、設定された折曲角度に折り曲げられている。
板ブラシシール単板3の厚さtは、ほぼ一定である。そして、側板部13を折曲角度θに折り曲げると、側板部13、13の間に重ね溝部14が形成される。重ね溝部14の底面14Aは、板ブラシ部3Aの幅とほぼ同一幅に形成されている。
又、底面14Aの反対面は背面14Bに形成されており、この背面14Bの幅は、雌金型内で雄金型との折り曲げ加工による結果として底面14Aの幅より広く形成される。
【0027】
そして、各板ブラシシール単板3の板状基部3Bの重ね溝部14を同方向に積層すると、側板部13の支持面13Aは隣接する板ブラシシール単板3の側板部13に於ける接合面13Bと重ね溝部14内で接合する。同時に、底面14Aと背面14Bとの間には設計間隔Hが形成される。
この設計間隔Hは、折曲角度θにより、その設計間隔Hの寸法が大小になるように構成される。折曲角度θを大きくすれば、設計間隔Hは大きくなるし、折曲角度θを小さくすれば設計間隔Hが小さくなるように形成される。
【0028】
図4の板ブラシシール単板3は、側板部13が小さく形成されたものである。この板ブラシシール単板3は図10に示す板ブラシシール2に用いるものである。又、図5に示す板ブラシシール単板3は、側板部13が大きく形成したものである。この板ブラシシール単板3は図8に示す板ブラシシール2に用いられるものである。
【0029】
図6は、板ブラシシール単板3を6枚積層したものであって、図3の2枚の板ブラシシール単板3の積層枚数を増加させた全体の正面図である。図6に示すOで囲んだ内部が図3に示すように拡大した図面である。
【0030】
図7は、本発明の第2実施の形態を示すもので、図5に示す板ブラシシール単板3を20枚積層した板状基部3Bの積層外周側から見た状態図である。更に、図8は、図7の斜視図である。この図8の板ブラシシール2は直線状又は大径に形成する場合の積層配列を示すものである。そして、板ブラシシール2の側板部13を溶接した溶着部16により固着して固定部4を形成する。
【0031】
図9は、軸60の周りに板ブラシシール単板3を積層して円環状に形成した1部の斜視図である。この板ブラシシール単板3は図5に示す板ブラシシール単板3であるために側板部13が大きく形成された実施例のものである。この板ブラシシール2では、各板状基部3Bの結合力が強力であるために、溶接しなくとも背板部6と保持部10とに設けられた図示省略の溝部で板状基部3Bを保持する固着方法にすれば、強固に固定することが可能になる。
【0032】
図10は、図4に示す板ブラシシール単板3を20枚積層した斜視図である。この板ブラシシール単板3は直線状態に示してあるが、板ブラシシール単板3を環状に積層することもできる。
この板ブラシシール単板3の側板部13が小さく形成しているので、側板部13の側面を2列に溶接して結合した溶着部16に形成し、溶接した全体を固定部4にした実施例である。しかも、側板部13の側面を溶接するので溶接に伴う熱により板ブラシ部3Aの各配列板における配列の変形が防止できる。
【0033】
図11は、本発明の第3実施の形態を示すものであって、図8とほぼ同一構成である。相違する点は、板ブラシ部3Aを板状基部3Bの境界部から折り曲げて傾斜させたものである。そして、側板部13の側面の両側を2カ所に溶接して溶着部16に形成し、溶接した全体を固定部4に形成したものである。この板ブラシ部3Aの自由端部11の配列は、直線状に形成されているが、図9に示すように軸の周りに環状にも形成できる。
【0034】
図12は、図11の板ブラシシール単板3を積層する状態を示す斜視図である。この図12から明らかなように側板部13を溶接しても側板部13は板ブラシシール単板3の側方に突出しているので、板ブラシ部3Aに熱的変形が作用するのを防止できる。
又、各板ブラシシール単板3の板状基部3Bの重ね溝部14は、互いに同方向に積層されてはめ込まれているから、板状基部3Bを積層した状態でも結合力は強固になる。しかも、この結合した状態で溶接できるから、溶接が簡単になると共に微少な溶接でも結合力を強固にできる効果が期待できる。
【0035】
更に、板ブラシ部3Aを板状基部3Bから傾斜するように折り曲げたものは、更に結合力が強固になると共に、板ブラシシール単板3の肉厚を薄肉に構成することが可能になる。このために、板ブラシ部3Aの傾斜と共に、板ブラシシール単板3を薄肉にできるから、軸60の当接に対してもその作用力に対応して弾性変形し、摩擦力を低減することが可能になる。その結果、当接する両者の摩耗を防止できる効果が期待できる。
【0036】
又、以上に記載した板ブラシシール単板3の材質は、鋼板、ステンレス板、ニッケル基の合金板、セラミック板等の材質が用いられる。そして、板ブラシシール単板3の製作は、薄板からエッチング処理加工、ワイヤ放電加工、電子ビーム加工、レーザ加工などの微細加工技術により簡単に形成すると共に、その切断部品をプレス加工をして重ね溝部14を形成する。
【0037】
【発明の効果】
各本発明に係わるブラシシール装置によれば、以下に記載するような優れた効果を奏する。
【0038】
請求項1に係わる本発明の板ブラシシールによれば、板ブラシシール単板の板状基部の両側板部が折り曲げられて形成する重ね溝部により、板状基部は互いにずれないように保持されているから、互いの板ブラシシール単板の積層組立が容易であると共に、環状の板ブラシシールに組み立てるとき、各板ブラシシール単板の積層された内径と外径との円周における間隙の寸法差を各環状基部の設計間隔により保持して環状に形成することが可能になる効果を奏する。
【0039】
更に、板状基部は重ね溝部が積層されて横ずれしないように保持されていると共に、重ね溝部の両側の弾性的な側板部により自由端部側の板ブラシ部を保持しているから、板ブラシ部を弾性変形可能に支持する効果を奏する。そして、軸が板ブラシ部に当接しても板ブラシ部は弾性変形が容易になるので、当接に対しても弾性変形して摩耗を防止する効果が期待できる。
【0040】
板ブラシ部の自由端部の積層間隔をシール能力に応じて設定すれば、この積層間隔をもとにして各板状基部側の設計間隔を設定できるから、板状基部を環状に積層するときに積層間隔が最適に積層できる構造に構成できる効果を奏する。
そして、板ブラシシール単板の枚数を最小にして軽量化を図ることが可能になると共に、板ブラシシール単板の構造が簡素化されているから、弾性変形に対する対応が可能で摩擦に伴う摩耗を防止できる効果を奏する。
又、シール能力に応じて板ブラシ部の自由端部の間隔を設定すれば、板ブラシシール単板を最小の組み合わせに構成することが可能になるので、小型に構成できる効果を奏する。
【0041】
請求項2に係わる本発明の板ブラシシールによれば、板状基部の重ね溝部を台形状に折り曲げ形成されているので、板状基部を積層に重ねたときに積層した結合力が強力に保持される。同時に、板状基部は重ね溝部に構成されてはめ込まれるように結合されているから、側板部を溶接するのに簡単に溶接することが可能になる効果を奏する。しかも、簡単に溶接するのみで固着できるから、溶接による熱的悪影響を防止でき、溶接による板ブラシ部の配列の変形を防止し、板ブラシ部のシール能力を向上することが可能になる効果を奏する。
【0042】
請求項3に係わる本発明の板ブラシシールによれば、板ブラシ部を軸の径方向に対して傾斜させることにより、軸の揺動に対して弾性変形して対応することが可能になる。このため、軸との接触に対する摩耗を防止する効果を奏する。特に、板ブラシシール単板を周方向に積層する構成は、板ブラシ部の弾性変形が低下するので、傾斜させることにより更なる弾性変形を付与して、板ブラシ部の摩擦や摩耗を防止する効果を奏する。
【0043】
請求項4に係わる本発明の板ブラシシールによれば、板状基部に有する重ね溝部の折り曲げられた側板部の溶接は、互いに重ね溝部が接合してずれないように保持されている上に、折り曲げられた側板部を溶接するので、簡単な溶接でも強固に固着することが可能になる効果を奏する。このために、小さな溶接の影響は、折り曲げ部を介して板ブラシ部にまで熱変形を与えないから、板ブラシ部のシール能力を発揮させる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の板ブラシシールの軸方向の半断面図である。
【図2】 図1の内径側から見た板ブラシシールの一部の平面図である。
【図3】 本発明に係わる2枚の板ブラシシール単板の重ね溝部の一部の正面図である。
【図4】 本発明に係わる1実施例の板ブラシシール単板の斜視図である。
【図5】 本発明に係わる他の実施例の板ブラシシール単板の斜視図である。
【図6】 図3と同様に積層された板状基部を積層した複数枚の平面図である。
【図7】 図5に示す板ブラシシール単板を積層した本発明に係わる第2実施の形態の板ブラシシールの正面図である。
【図8】 図7の板ブラシシールの斜視図である。
【図9】 図5の板ブラシシール単板を環状に配列した一部の斜視図である。
【図10】 図4に示す板ブラシシール単板を積層して固定部を溶接した一部の斜視図である。
【図11】 本発明に係わる第3実施の形態を示す板ブラシシールの一部斜視図である。
【図12】 図11に示す板ブラシシールの板ブラシシール単板の積層状態を示す斜視図である。
【図13】 従来のブラシシール装置の一部斜視図である。
【符号の説明】
1 ブラシシール装置
2 板ブラシシール
3 板ブラシシール単板
3A 板ブラシ部
3B 板状基部
4 固定部
6 背板部
10 保持部
11 自由端部
12 取付部品
13 側板部
13A 支持面
13B 接合面
14 重ね溝部
14A 底面
14B 背面
16 溶着部
50 ケーシング
60 軸
H 設計間隔
Claims (4)
- 嵌合して相対移動する一方の部品に外周の固定部が取付けられて内周のシール部が他方の軸との間の被密封流体をシールする板ブラシシールであって、前記軸の周方向へ積層に配列されて外周に前記固定部を形成する板状基部を有するとともに内周に前記シール部を形成する板ブラシ部とを有する板ブラシシール単板を具備し、前記板状基部には幅方向の両側に突出した側板部を有するとともに、前記側板部を互いに対向する側へ折り曲げて前記両側板部の間に形成される重ね溝部を有し、前記板状基部の前記重ね溝部を同一方向に向けて配列して隣接する前記側板部が接合されるとともに前記重ね溝部の底面と対向する背面との間に設計間隔を形成し、前記設計間隔は前記重ね溝部を形成する側板部の折曲角度により形成されていることを特徴とする板ブラシシール。
- 前記重ね溝部は前記側板部を折り曲げて、前記板状基部の積層外周側から前記軸の径方向にみて台形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の板ブラシシール。
- 前記板ブラシ部は前記板状基部から折り曲げられて前記板状基部に対して傾斜していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の板ブラシシール。
- 前記固定部の前記板状基部は前記側板部が溶着されて一体に結合されていることを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3に記載の板ブラシシール。
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