JP4806479B2 - 能動型防振支持装置の制御装置 - Google Patents

能動型防振支持装置の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4806479B2
JP4806479B2 JP2007211731A JP2007211731A JP4806479B2 JP 4806479 B2 JP4806479 B2 JP 4806479B2 JP 2007211731 A JP2007211731 A JP 2007211731A JP 2007211731 A JP2007211731 A JP 2007211731A JP 4806479 B2 JP4806479 B2 JP 4806479B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
engine
vibration
support device
crankshaft
active
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007211731A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009047201A (ja
Inventor
俊吾 笛木
哲矢 石黒
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP2007211731A priority Critical patent/JP4806479B2/ja
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to EP08014242A priority patent/EP2023008B1/en
Priority to EP11151885.8A priority patent/EP2351660B1/en
Priority to US12/228,161 priority patent/US8763996B2/en
Priority to DE602008005371T priority patent/DE602008005371D1/de
Priority to EP11151886A priority patent/EP2353911B1/en
Publication of JP2009047201A publication Critical patent/JP2009047201A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4806479B2 publication Critical patent/JP4806479B2/ja
Priority to US14/277,413 priority patent/US9592726B2/en
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Arrangement Or Mounting Of Propulsion Units For Vehicles (AREA)
  • Combined Devices Of Dampers And Springs (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)

Description

本発明は、ピストンの往復運動をクランクシャフトの回転運動に変換するエンジンを能動型防振支持装置を介して車体に支持し、制御手段が前記エンジンの振動状態に応じた電流で前記能動型防振支持装置を周期的に伸縮させることで、前記エンジンの振動が前記車体に伝達されるのを抑制する能動型防振支持装置の制御装置に関する。
クランクシャフトの所定回転角毎に出力されるクランクパルスの時間間隔からクランク角速度を算出し、クランク角速度を時間微分したクランク角加速度からクランクシャフトのトルクを算出し、トルクの変動量としてエンジンの振動状態を推定し、エンジンの振動状態に応じてアクチュエータのコイルへの通電を制御して防振機能を発揮させる能動型防振支持装置が,下記特許文献1により公知である。
特開2005−3156号公報
ところで、エンジンの通常運転時における振動状態は上述したクランクパルス信号を用いる手法で検出することが可能であるが、エンジンをクランキングして始動する際の初爆(燃焼室における最初の混合気の爆発)によるエンジンのロール振動は非定常な一過性のものであるため、このロール振動を能動型防振支持装置により抑制することは行われていなかった。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、エンジンの始動時の初爆によるロール振動を能動型防振支持装置により抑制することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、ピストンの往復運動をクランクシャフトの回転運動に変換するエンジンを能動型防振支持装置を介して車体に支持し、制御手段が前記エンジンの振動状態に応じた電流で前記能動型防振支持装置を周期的に伸縮させることで、前記エンジンの振動が前記車体に伝達されるのを抑制する能動型防振支持装置の制御装置において、前記能動型防振支持装置はクランクシャフトを挟んで両側に配置され、前記制御手段は、前記エンジンの始動時の初爆を判定したときに、前記クランクシャフトの回転方向と逆方向の前記エンジンのロール振動を抑制するように、前記初爆に伴う前記ロール振動により圧縮される側の能動型防振支持装置を収縮駆動することを特徴とする能動型防振支持装置の制御装置が提案される
また請求項に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記制御手段は、前記クランクシャフトの角速度の増加率が所定値以上になったときに前記エンジンの始動時の初爆を判定することを特徴とする能動型防振支持装置の制御装置が提案される。
尚、実施の形態の電子制御ユニットUは本発明の制御手段に対応する。
請求項1の構成によれば、ピストンの往復運動をクランクシャフトの回転運動に変換するエンジンの振動を抑制すべく能動型防振支持装置の作動を制御する制御手段が、エンジンの始動時の初爆を判定したときにクランクシャフトの回転方向と逆方向のエンジンのロール振動を抑制するように能動型防振支持装置の作動を制御するので、エンジンの始動時に発生するロール振動を能動型防振支持装置によって抑制することができる。特にクランクシャフトを挟んで両側に配置された能動型防振支持装置のうち、エンジンの初爆の伴うロール振動により圧縮される側の能動型防振支持装置を収縮駆動するので、エンジンの始動時のロール振動を能動型防振支持装置によって効果的に抑制することができる。
また請求項の構成によれば、クランクシャフトの角速度の増加率が所定値以上になったときにエンジンの初爆を判定するので、特別のセンサを必要とせずに初爆を精度良く判定することができる。
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1〜図6は本発明の実施の形態を示すもので、図1は能動型防振支持装置の縦断面図、図2は図1の2部拡大図、図3は能動型防振支持装置によるエンジンの支持形態を示す図、図4はエンジンの縦断面図、図5は通常運転時におけるアクチュエータの制御手法を示すフローチャート、図6は図5のフローチャートのステップS5の説明図である。
図1および図2に示すように、自動車のエンジンを車体フレームに弾性的に支持するために用いられる能動型防振支持装置M(アクティブ・コントロール・マウント)は、軸線Lに関して実質的に軸対称な構造を有するもので、概略円筒状の上部ハウジング11の下端のフランジ部11aと、概略円筒状の下部ハウジング12の上端のフランジ部12aとの間に、上面が開放した概略カップ状のアクチュエータケース13の外周のフランジ部13aと、環状の第1弾性体支持リング14の外周部と、環状の第2弾性体支持リング15の外周部とが重ね合わされてカシメにより結合される。このとき、下部ハウジング12のフランジ部12aとアクチュエータケース13のフランジ部13aとの間に環状の第1フローティングラバー16を介在させ、かつアクチュエータケース13の上部と第2弾性体支持リング15の内面との間に環状の第2フローティングラバー17を介在させることで、アクチュエータケース13は上部ハウジング11および下部ハウジング12に対して相対移動可能にフローティング支持される。
第1弾性体支持リング14と、軸線L上に配置された第1弾性体支持ボス18とに、厚肉のラバーで形成した第1弾性体19の下端および上端がそれぞれが加硫接着により接合される。第1弾性体支持ボス18の上面にダイヤフラム支持ボス20がボルト21で固定されており、ダイヤフラム支持ボス20に内周部を加硫接着により接合されたダイヤフラム22の外周部が上部ハウジング11に加硫接着により接合される。ダイヤフラム支持ボス20の上面に一体に形成されたエンジン取付部20aが図示せぬエンジンに固定される。また下部ハウジング12の下端の車体取付部12bが図示せぬ車体フレームに固定される。
上部ハウジング11の上端のフランジ部11bにストッパ部材23の下端のフランジ部23aがボルト24…およびナット25…で結合されており、ストッパ部材23の上部内面に取り付けたストッパラバー26にダイヤフラム支持ボス20の上面に突設したエンジン取付部20aが当接可能に対向する。能動型防振支持装置Mに大荷重が入力したとき、エンジン取付部20aがストッパラバー26に当接することで、エンジンの過大な変位が抑制される。
第2弾性体支持リング15に膜状のラバーで形成した第2弾性体27の外周部が加硫接着により接合されており、第2弾性体27の中央部に埋め込むように可動部材28が加硫接着により接合される。第2弾性体27の外周部は 第2弾性体支持リング15と後述するヨーク44との間に挟持され、その先端の環状の肉厚部がシール機能を発揮する。第2弾性体支持リング15の上面と第1弾性体19の外周部との間に円板状の隔壁部材29が固定されており、隔壁部材29および第1弾性体19により区画された第1液室30と、隔壁部材29および第2弾性体27により区画された第2液室31とが、隔壁部材29の中央に形成した連通孔29aを介して相互に連通する。
第1弾性体支持リング14と上部ハウジング11との間に環状の連通路32が形成されており、連通路32の一端は連通孔33を介して第1液室30に連通し、連通路32の他端は連通孔34を介して、第1弾性体19およびダイヤフラム22により区画された第3液室35に連通する。
次に、前記可動部材28を駆動するアクチュエータ41の構造を説明する。
アクチュエータケース13の内部に固定コア42、コイル組立体43およびヨーク44が下から上に順次取り付けられる。コイル組立体43は、固定コア42およびヨーク44間に配置されたコイル46と、コイル46の外周を覆うコイルカバー47とで構成される。コイルカバー47には、アクチュエータケース13および下部ハウジング12に形成した開口13b,12cを貫通して外部に延出するコネクタ48が一体に形成される。
コイルカバー47の上面とヨーク44の下面との間にシール部材49が配置され、コイル46の下面と固定コア42の上面との間にシール部材50が配置される。これらのシール部材49,50によって、アクチュエータケース13および下部ハウジング12に形成した開口13b,12cからアクチュエータ41の内部空間に水や塵が入り込むのを阻止することができる。
ヨーク44の円筒部44aの内周面に薄肉円筒状の軸受け部材51が上下摺動自在に嵌合しており、この軸受け部材51の上端には径方向内向きに折り曲げられた上部フランジ51aが形成されるとともに、下端には径方向外向きに折り曲げられた下部フランジ51bが形成される。下部フランジ51bとヨーク44の円筒部44aの下端との間にセットばね52が圧縮状態で配置されており、このセットばね52の弾発力で下部フランジ51bを弾性体53を介して固定コア42の上面に押し付けることで、軸受け部材51がヨーク44に支持される。
軸受け部材51の内周面に概略円筒状の可動コア54が上下摺動自在に嵌合する。前記可動部材28の中心から下向きに延びるロッド55が可動コア54の中心を緩く貫通し、その下端にナット56が締結される。可動コア54の上面に設けたばね座57と可動部材28の下面との間に圧縮状態のセットばね58が配置されており、このセットばね58の弾発力で可動コア54はナット56に押し付けられて固定される。この状態で、可動コア54の下面と固定コア42の上面とが、円錐状のエアギャップgを介して対向する。ロッド55に対し、ナット56は固定コア42の中心に形成された開口42a内で上下位置を調整されて締結されており、この開口42aはゴム製のキャップ60で閉塞される。
このように構成された能動型防振支持装置Mは、エンジンの振動状態に応じて電子制御ユニットUにより制御される。
電子制御ユニットUは、エンジンのクランクシャフトの回転に伴って、クランクシャフトの1回転につき24回、つまりクランクアングルの15°毎に1回出力されるクランクパルスを検出するクランクパルスセンサSaと、クランクシャフトの1回転につき3回、つまり各気筒の上死点毎とに1回出力されるカム角センサSbに接続されている。電子制御ユニットUはクランクパルスセンサSaおよびカム角センサSbの出力に基いてエンジンの振動状態を推定し、能動型防振支持装置Mのアクチュエータ41に対する通電を制御する。
アクチュエータ41のコイル46は、電子制御ユニットUからの通電制御により励磁され、可動コア54を吸引して可動部材28を下側に移動させる。この可動部材28の移動に伴い、第2液室31を区画する第2弾性体27が下方に変形して該第2液室27の容積が増加する。逆にコイル46を消磁すると、第2弾性体27が自己の弾性により上方に変形し、可動部材28および可動コア54が上昇し、第2液室31の容積が減少する。
しかして、自動車の走行中に低周波数のエンジンシェイク振動が発生したとき、エンジンから入力される荷重で第1弾性体19が変形して第1液室30の容積が変化すると、連通路32を介して接続された第1液室30および第3液室35間で液体が行き来する。第1液室30の容積が拡大・縮小すると、それに応じて第3液室25の容積が縮小・拡大するが、この第3液室35の容積変化はダイヤフラム22の弾性変形により吸収される。このとき、連通路32の形状および寸法、並びに第1弾性体19のばね定数は前記エンジンシェイク振動の周波数領域で低ばね定数および高減衰力を示すように設定されているため、エンジンから車体フレームに伝達される振動を効果的に低減することができる。
尚、上記エンジンシェイク振動の周波数領域では、アクチュエータ41は非作動状態に保たれる。
前記エンジンシェイク振動よりも周波数の高い振動、即ちエンジンのクランクシャフトの回転に起因するアイドル時の振動や、エンジンの気筒の一部を休止してエンジンを駆動する気筒休止運転時の振動が発生した場合、第1液室30および第3液室35を接続する連通路32内の液体はスティック状態になって防振機能を発揮できなくなるため、アクチュエータ41を駆動して防振機能を発揮させる。
能動型防振支持装置Mのアクチュエータ41を作動させて防振機能を発揮させるべく、電子制御ユニットUはクランクパルスセンサSa、カム角センサSb、エンジン回転数センサScおよびエンジンECU10からの信号に基づいてコイル46に対する通電を制御する。
図3に示すように、V型のエンジンEはフロントバンクBfおよびリヤバンクBrを備えており、そのフロント側およびリヤ側がそれぞれ前記能動型防振支持装置M,Mによって支持される。そして、フロント側およびリヤ側の能動型防振支持装置M,Mのアクチュエータ41,41を作動させて防振機能を発揮させるべく、電子制御ユニットUはクランクパルスセンサSaからの信号に基づいてアクチュエータ41,41に対する通電を制御する。
図4に示すように、エンジンEはシリンダ61に摺動自在に嵌合するピストン62を、コネクティングロッド63を介してクランクシャフト64に連結しており、燃焼室65において発生した混合気の爆発の圧力fは、コネクティングロッド63方向の成分f1とシリンダ61側壁に直交する方向の成分f2(シリンダ側圧)とに分解される。図示した例ではクランクシャフト64は時計方向に回転し、シリンダ側圧f2によりクランクシャフト64まわりに発生するロールモーメント(ロール振動)は、前記クランクシャフト64の回転方向と逆方向の反時計方向となる。エンジンEが多気筒であり、その何れの気筒で初爆が発生しても、初爆によるロール振動の方向は常にクランクシャフト64の回転方向と逆方向になる。
次に、上記構成を備えた能動型防振支持装置Mの制御について説明する。エンジンEはフロントバンクBf側およびリヤバンクBr側がそれぞれ能動型防振支持装置M,Mによって支持されており、両能動型防振支持装置M,Mは独立して制御される。
先ず、図5のフローチャートに基づいて、エンジンEの始動時を除く通常の運転状態での制御を説明する。
予め、エンジンECU10からの情報に基づきエンジンの気筒のうち、一部を休止している気筒休止運転状態か、エンジンの全ての気筒が運転する全筒運転状態かを判定する。本実施の形態では4サイクルV型6気筒のエンジンとして説明する。全筒運転時にはクランクシャフトが2回転する間に6回の爆発が起きるため、その振動周期のクランクアングルは120°となる。この振動周期において、クランクアングルの15°毎に8個のクランクパルスが出力される。また片方のバンクの気筒の運転を休止する気筒休止運転時には、クランクシャフトが2回転する間に3回の爆発が起きるため、その振動周期のクランクアングルは240°となり、その間に16個のクランクパルスが出力される。
例えば、エンジンが全筒運転状態であると判断された場合には、先ずステップS1でエンジンの振動周期Tに対するクランクアングル(この場合は120°)を決定する。続くステップS2で振動周期Tにおける8個のクランクパルスを読み込み、クランクパルスの時間間隔を演算する。図6に示すように、振動周期Tの間に8個のクランクパルスが出力され、それらの時間間隔tn(t1,t2,t3,…,t8)はクランクシャフトの角速度の変動に応じて変動する。
即ち、エンジンの爆発行程ではクランク角速度ωが増加して時間間隔tnが短くなり、エンジンの圧縮行程ではクランク角速度ωが減少して時間間隔tnが長くなるが、それ以外にエンジン回転数Neが増加する過程ではクランク角速度ωの増加により時間間隔tnが短くなり、エンジン回転数Neが減少する過程ではクランク角速度ωの減少により時間間隔tnが長くなる。従って、図6に示すクランクパルスの時間間隔tnは、エンジンの各振動周期T内の振動に伴うクランク角速度ωの変動に起因する要素と、エンジン回転数Neの増減に伴うクランク角速度ωの変動に起因する要素とを含むものとなる。
上記二つの要素のうち、能動型防振支持装置Mの制御に影響を与えるのは前者の要素(振動に伴うクランク角速度ωの変動)であり、能動型防振支持装置Mの制御に影響を与えない後者(エンジン回転数Neの増減に伴うクランク角速度ωの変動)の要素を排除する必要がある。
続くステップS3でクランクパルスの8個の時間間隔tnの累積時間Σtn=t1+t2+t3+…+t8を算出する。この累積時間Σtnは振動周期Tに相当する。
続くステップS4で8個の時間間隔tnの平均累積時間を算出する。図6から明らかなように累積時間のラインはS字状にカーブしているが、平均累積時間のラインは、累積時間のラインの始点と終点とを結ぶ直線となる。つまり、平均累積時間は、クランク角速度ωが一定である場合の累積時間に相当し、その値はクランクアングルが15°増加する毎にT/8ずつ増加する。
続くステップS5でクランクアングルの15°おきの各位置において、累積時間から平均累積時間を減算することにより、8個の偏差Δt1,Δt2,Δt3,…,Δt8を算出する。図6の下側のS字状にカーブするラインは偏差Δtnを表すもので、このラインはエンジン回転数Neの変動の影響を取り除いたクランクパルスの時間間隔tnの変動波形、つまりクランク角速度ωが一定である場合のクランクパルスの時間間隔tnに対するずれに相当する。
エンジン振動が存在しないと仮定した場合、エンジン回転数Neが一定であれば、時間間隔tnの累積時間は平均累積時間と同じように直線状に増加するが、エンジン回転数Neが増減する場合には、時間間隔tnの累積時間は直線状の平均累積時間から外れることになる。しかしながら本実施の形態では、実際には変動するエンジン回転数Neを平均化した直線状の平均累積時間を基準とし、その平均累積時間からの偏差Δtnを算出することで、エンジン回転数Neの変動の影響を排除してエンジンの振動だけに起因する偏差Δtnを得ることができる。このことは、クランクシャフトの平均角速度に対する実角速度の偏差を求めることに外ならない。
続くステップS6で偏差Δtnの最大値と最小値とを判定し、その最大値と最小値との偏差に基づいてクランク速度の変動量VAPPを算出し、ステップS7でカム角センサSbの出力タイミングと最小値までの時間nに基づき振動の位相を推定する。そしてステップS8で電子制御ユニットUに予め保存された変動量VAPPとエンジン回転数とのマップに基づき振動の振幅を算出してアクチュエータ41に印加する電流波形を決定するとともに、位相とエンジン回転数とのマップに基づきアクチュエータ41に印加する電流波形の出力タイミングを決定する。
尚、エンジンが気筒休止運転状態であると判断された場合には、前記振動周期Tにおける16個のクランクパルスを読み込み、全筒運転状態と同じ手順でアクチュエータ41に印加する電流波形とその出力タイミングとを決定する。
以上のように、エンジンが振動すると、その振動の振幅および位相に応じて、エンジンの上下動に追従するように能動型防振支持装置Mを伸縮させることで、エンジンの振動が車体フレームに伝達されるのを抑制して防振機能を発揮させることができる。
以上のように、エンジンEが振動すると、その振動の振幅および位相に応じて、エンジンEの上下動に追従するように能動型防振支持装置Mを伸縮させることで、エンジンEの振動が車体フレームに伝達されるのを抑制して防振機能を発揮させることができる。
さて、エンジンEの通常運転時には上述した手法でエンジンEの振動を抑制することが可能であるが、エンジンEの始動時における初爆によるエンジンのロール振動は非定常な一過性のものであるため、この初爆によるロール振動を上述した手法で抑制することはできない。
図4で説明したように、初爆によるエンジンEのロール振動の方向は常にクランクシャフト64の回転方向と逆方向になるため、前記ロール振動によりフロント側の能動型防振支持装置Mが圧縮され、リヤ側の能動型防振支持装置Mが収縮されることになる。能動型防振支持装置Mはアクチュエータ41への通電により収縮する構造であるため、エンジンEの初爆にタイミングを合わせて、圧縮力が作用するフロント側の能動型防振支持装置Mのアクチュエータ41に通電し、その能動型防振支持装置Mを収縮駆動することで、前記ロール振動が車体フレームに伝達されるのを抑制することができる。
エンジンEの初爆は、次のようにして判定される。エンジンEのクランキング中のクランク角速度は比較的に小さい値に維持されるが、エンジンEの初爆に伴ってクランク角速度は急激に増加する。このクランク角速度の急激な増加をクランクパルスセンサSaが出力するクランクパルスの時間間隔から検出することで、つまりクランクシャフト64の角速度の増加率が所定値以上になったのを検出することで、エンジンEの初爆を判定することができる。このときの能動型防振支持装置Mのアクチュエータ41への通電電流の電流波形は、初爆によるロール振動の振動波形を予め実験的に求めておき、この振動波形を打ち消すような電流波形として電子制御ユニットUに予め記憶されている。
以上のように、電子制御ユニットUがエンジンEの始動時の初爆を判定したときに、クランクシャフト64の回転方向と逆方向のエンジンEのロール振動を抑制するように能動型防振支持装置Mの作動を制御するので、エンジンEの始動時に発生する一過性のロール振動を能動型防振支持装置Mによって抑制することができる。
またエンジンEの初爆の判定に既存のクランクパルスセンサSaを利用するので、特別のセンサを必要とせずに初爆を精度良く判定することができる。
以上、本発明の実施の形態を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、能動型防振支持装置Mは液体を封入したものに限定されず、ピエゾ素子を用いたものであっても良い
能動型防振支持装置の縦断面図 図1の2部拡大図 能動型防振支持装置によるエンジンの支持形態を示す図 エンジンの縦断面図 通常運転時におけるアクチュエータの制御手法を示すフローチャート 図5のフローチャートのステップS5の説明図
E エンジン
M 能動型防振支持装置
U 電子制御ユニット(制御手段)
41 アクチュエータ
62 ピストン
64 クランクシャフト

Claims (2)

  1. ピストン(62)の往復運動をクランクシャフト(64)の回転運動に変換するエンジン(E)を能動型防振支持装置(M)を介して車体に支持し、制御手段(U)が前記エンジン(E)の振動状態に応じた電流で前記能動型防振支持装置(M)を周期的に伸縮させることで、前記エンジン(E)の振動が前記車体に伝達されるのを抑制する能動型防振支持装置の制御装置において、
    前記能動型防振支持装置(M)はクランクシャフト(64)を挟んで両側に配置され、前記制御手段(U)は、前記エンジン(E)の始動時の初爆を判定したときに、前記クランクシャフト(64)の回転方向と逆方向の前記エンジン(E)のロール振動を抑制するように、前記初爆に伴う前記ロール振動により圧縮される側の能動型防振支持装置(M)を収縮駆動することを特徴とする能動型防振支持装置の制御装置
  2. 記制御手段(U)は、前記クランクシャフト(64)の角速度の増加率が所定値以上になったときに前記エンジン(E)の始動時の初爆を判定することを特徴とする、請求項1に記載の能動型防振支持装置の制御装置。
JP2007211731A 2007-08-10 2007-08-15 能動型防振支持装置の制御装置 Expired - Fee Related JP4806479B2 (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007211731A JP4806479B2 (ja) 2007-08-15 2007-08-15 能動型防振支持装置の制御装置
EP11151885.8A EP2351660B1 (en) 2007-08-10 2008-08-08 Active vibration isolating support apparatus
US12/228,161 US8763996B2 (en) 2007-08-10 2008-08-08 Active vibration isolating support apparatus and method for controlling the same
DE602008005371T DE602008005371D1 (de) 2007-08-10 2008-08-08 Vorrichtung zur aktiven Vibrationsisolierung und Steuerungsverfahren dafür
EP08014242A EP2023008B1 (en) 2007-08-10 2008-08-08 Active vibration isolating support apparatus and method for controlling the same
EP11151886A EP2353911B1 (en) 2007-08-10 2008-08-08 Active vibration isolating support apparatus
US14/277,413 US9592726B2 (en) 2007-08-10 2014-05-14 Active vibration isolating support apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007211731A JP4806479B2 (ja) 2007-08-15 2007-08-15 能動型防振支持装置の制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009047201A JP2009047201A (ja) 2009-03-05
JP4806479B2 true JP4806479B2 (ja) 2011-11-02

Family

ID=40499604

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007211731A Expired - Fee Related JP4806479B2 (ja) 2007-08-10 2007-08-15 能動型防振支持装置の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4806479B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4700742B2 (ja) * 2009-03-26 2011-06-15 本田技研工業株式会社 能動型防振支持装置
JP5426928B2 (ja) * 2009-05-25 2014-02-26 本田技研工業株式会社 能動型防振支持装置
DE112010004747B4 (de) 2009-12-09 2018-09-06 Honda Motor Co., Ltd. Elektromagnetischer Betätiger und denselben verwendende fluidgefüllte aktive Schwingungsdämpfungsvorrichtung
JP5534888B2 (ja) * 2010-03-24 2014-07-02 本田技研工業株式会社 エンジン始動制御装置
JP5389736B2 (ja) * 2010-06-03 2014-01-15 本田技研工業株式会社 能動型防振支持装置

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11200907A (ja) * 1998-01-13 1999-07-27 Nippon Soken Inc ガソリンエンジンの制御方法
JP2001277865A (ja) * 2000-03-30 2001-10-10 Isuzu Motors Ltd エンジン支持装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009047201A (ja) 2009-03-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4657056B2 (ja) 能動型防振支持装置の制御装置
JP4890384B2 (ja) エンジンの固有振動数検出方法および能動型防振支持装置の制御方法
JP3811469B2 (ja) 能動型防振支持装置のアクチュエータ駆動制御装置
JP4176662B2 (ja) ハイブリッド車両の制振方法
JP2007107579A (ja) 能動型防振支持装置の制御装置
JP4806479B2 (ja) 能動型防振支持装置の制御装置
JP4657037B2 (ja) 能動型防振支持装置の制御装置
US7192014B2 (en) Active vibration isolation support system
JP4405448B2 (ja) 能動型防振支持装置
JP4490880B2 (ja) 多気筒エンジンの防振装置
JP2003113892A (ja) 能動型防振支持装置のアクチュエータ駆動制御方法
JP4711912B2 (ja) 能動型防振支持装置の制御装置
JP3914177B2 (ja) 能動型防振支持装置のアクチュエータ駆動制御装置
JP3914176B2 (ja) 能動型防振支持装置のアクチュエータ駆動制御装置
JP2006057753A (ja) 能動型防振支持装置
JP2006207633A (ja) 能動型防振支持装置
JP4837635B2 (ja) 能動型防振支持装置およびエンジンの振動周波数検出方法
JP4839286B2 (ja) 能動型防振支持装置
JP4395083B2 (ja) 能動型防振支持装置
JP5389636B2 (ja) 能動型防振支持装置
JP4036448B2 (ja) 能動型防振支持装置のアクチュエータ駆動制御装置
JP2006232108A (ja) エンジンの防振支持方法
JP4405408B2 (ja) 能動型防振支持装置
JP2004036435A (ja) 気筒休止エンジンの振動防止制御方法
JP2006057752A (ja) 能動型防振支持装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091127

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110131

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110202

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110404

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110720

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110814

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4806479

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140819

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees