JP5534888B2 - エンジン始動制御装置 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献2には、クランク角速度増加率が所定値以上の場合に初爆と判定して、予め記憶された振動波形を打ち消すような電流波形を出力して、能動型防振支持装置のアクチュエータを駆動する技術が開示されている。
また、アクチュエータの伸縮駆動開始タイミングと初爆によるエンジンのロール振動の開始のタイミングのずれが、逆に車体へ伝わる振動を増大させるおそれもある。
図1は、本発明の実施形態に係るエンジン始動制御装置を適用したハイブリッド車両の概略構成を示す図である。このハイブリッド車両(車両、パラレルハイブリッド車両)500は、例えば、内燃機関(エンジン)E、モータジェネレータ(電動機)GM1(以下、「モータGM1」と略す)、トランスミッションTを直列に直結した構造のものである。内燃機関E及びモータGM1の両方の駆動力は、例えば、オートマティック・トランスミッション(AT)あるいはマニュアルトランスミッション(MT)等のトランスミッションTから左右の駆動輪(前輪または後輪)DW、駆動輪DW間で駆動力を配分するディファレンシャルDEFを介してハイブリッド車両500の駆動輪DW,DWに伝達される。また、ハイブリッド車両500の減速時に駆動輪DW,DW側からモータGM1側に駆動力が伝達されると、モータGM1は発電機として機能して、いわゆる回生制動力を発生し、車体の運動エネルギを電気エネルギとしてバッテリ3に回収する。
ハイブリッド車両500は、いわゆる内燃機関Eによる駆動時にモータGM1で駆動力をアシスト可能なパラレル型のハイブリッド車両であり、後記するように、内燃機関Eを全筒休止運転とした状態でモータGM1のみの駆動力で走行するEV(Electric Vehicle)走行モードも可能である。
なお、油圧によりこの全気筒休止運転との全筒運転の切り換えを行う場合は、例えば、スプールバルブ12のソレノイド12aを通電または非通電状態にして切り換えることができる。
ACM19F,19Rは、内燃機関Eの運転状態、即ち、全筒休止運転からのエンジン始動に伴う車体振動の発生や、全筒運転時のアイドリング状態等の車体振動を抑制するように後記するACM_ECU32に制御されるようになっている。また、内燃機関Eには、図示しないスロットルバルブを電子制御する電子制御スロットル・システム(ETCS:Electronic Throttle Control System)20が備えられている。以下、電子制御スロットル・システム20を、「ETCS20」と称する。
また、各ECU31,・・,36は各種の状態量を表示する計測器類からなるメータ37に接続されている。
各ECU31,・・,36は、CPU,ROM,RAMを有するマイクロコンピュータを含んでおり、ROMに格納されたプログラムやデータをCPUが読み出して実行することにより、各ECU31,・・,36の後記する各機能部の機能を実現する。
ちなみに、FI/MG/AT_ECU36には、内燃機関Eの回転が停止した場合のクランク角を記憶するための不揮発メモリを有している。
ここで、ACM_ECU32は、特許請求の範囲に記載の「防振制御手段」を構成し、FI/MG/AT_ECU36は、特許請求の範囲に記載の「エンジン始動制御装置」を構成する。
FI/MG制御部60は、内燃機関Eの制御とモータGM1の制御を行う機能部であり、内燃機関Eへの燃料供給制御するA/F(空燃比)制御部50(以下、「A/F制御部50」と称する)、内燃機関Eの各気筒のクランク角を演算するクランク角演算部51、点火タイミングを制御するイグニッション制御部52(以下、「IG制御部52」と称する)、内燃機関EやモータGM1の出力トルクを制御するトルクマネージメント部54を有する。FI/MG/AT_ECU36は、その他にパワーマネージメント部56、エネルギ・マネージメント部58と、を含んでいる。
AT制御部62は、トランスミッションTの変速動作及びロックアップクラッチ21の作動状態等を制御する。
以下、各機能部の詳細な構成について説明する。
そして、内燃機関E及びモータGM1の回転開始の際は、前記した不揮発メモリに記憶された各気筒のクランク角を読み出して、CRKセンサS15からのパルス信号及びTDCセンサS16からのパルス信号にもとづいて現在の各気筒のクランク角を演算する。
さらに、クランク角演算部51は、クランク角から各気筒のクランク角速度を演算し、IG制御部52や通信回線を介してACM_ECU32に出力する。
ちなみに、アイドル制御部84からアイドリング制御信号を受けている場合は、アイドル運転状態用の燃料噴射量を設定する前記したマップデータとは別個のマップデータを用いるようにしても良い。
ここで、始動時点火制御部52aは、内燃機関Eの始動の際に、ACM19F、19Rによるエンジン始動時の振動を車体に伝達するのを抑制する制御(以下、「防振制御」と称する)を開始するに必要な時間的余裕をみて初発インジェクション気筒を決定し、A/F制御部50に通知するとともに、通信回線を介してACM_ECU32にも初発インジェクション気筒を示す信号を通知する。
この初発インジェクション気筒の決定を行うのは、排気ガス制御の観点から、エンジン始動時に燃焼しなかった生ガスを排気することの無いように、FI/MG/AT#ECU36の始動時点火制御部52aは、クランクパルス信号とTDC信号、及びエンジン回転速度NEにもとづいて、初爆をどの気筒で行わせるかを決め、A/F制御部50に指令して燃料噴射を制御させて、その決められた気筒から始めてその次の爆発させる気筒へと順に燃料をインジェクションさせていく。
トルクマネージメント部54の前記した各構成の機能は、特開2007−118780号公報に開示された公知のものであり、説明を省略する。
次に、図3、図4を参照し、適宜、図1、図2を参照しながらACM19F,19R及びACM_ECU32の構成を説明する。図3は、図1中のACM_ECUの概略構成図であり、図4は、図1中のACMの構造を示す縦断面図である。
る。
前記したようにCRKセンサS15は、内燃機関Eの図示しないクランクシャフトが発生するクランクパルスを検出するセンサである。4気筒直列エンジンの場合、クランクパルスは、内燃機関Eにおけるクランク角が、例えば、6°毎に発生し、CRKセンサS15はこのクランクパルスを検出してFI/MG/AT#ECU36に入力する。TDCセンサS16は、各気筒の上死点毎に1回、TDC信号を出力するセンサであり、クランクシャフトの1回転につき2回、TDC信号を出力する。
そして、前記したようにクランク角演算部51(図2参照)は、クランクパルスの歯欠け形状とTDCパルの波形の組み合わせから、代表気筒の特定のクランク角を検出するようになっている。
FI/MG/AT#ECU36は、ハイブリッド車両500(図1参照)に配線されている通信回線を介して、前記した初発インジェクション気筒を特定する信号をACM_ECU32に出力する。
信号入出力部321aは、FI/MG/AT#ECU36から入力されるエンジン回転速度NEやクランクパルス信号、TDC信号、初発インジェクション気筒を特定する信号等の信号を受信して、CPU321bに入力したり、CPU321bから出力されるACM19F,19Rのアクチュエータ19b,19b(図4参照)への通電制御の信号を駆動回路322A,322Bへ出力したりする。
ちなみに、駆動回路322Aは、ACM19Fが備える符号省略のコイルに電流を通電する図示しないスイッチング回路とコイルに実際に流れる電流値を検出する電流センサ322aを含んでいる。駆動回路322Aの前記スイッチング回路はCPU321bに制御され、駆動回路322Aがバッテリから供給される直流電源を、コイルに供給可能となっている。駆動回路322Bも同様な構成である。コイルが励磁されると加振板19a(図4参照)を下方に変位させ、コイルが無励磁になると加振板19aが上方に変位する。
そして、CPU321bは、例えば、ROM321cに格納されたプログラムによって動作する。また、記憶部321eには、ACM19F,19Rを制御するために必要なデータ等が記憶されている。
ただし、特許文献3では、V型6気筒エンジンンの場合の例で説明されている。
ところで、内燃機関Eは、燃焼室における混合気の爆発がピストンを押し下げる力を、コネクティングロッドを介してクランクシャフトの回転運動に変換するもので、内燃機関E本体にはクランクシャフトの回転の反作用としてのクランクシャフト回りのロールモーメントが作用する事になる。
内燃機関Eが全筒休止運転状態でモータGM1によるEV走行モードで運転していて、全筒運転状態に切り換わる際には、初発インジェクション気筒での爆発行程と、それに続く気筒での爆発行程にともない、エンジン始動時の振動(以下、「始動振動」と称する)が短期間発生する。
以下に、図5から図8を参照し、適宜、図1から図4を参照しながら本実施形態における、FI/MG/AT_ECU36のIG制御部52の始動時点火制御部52aが、ACM_ECU32と協調して、初爆タイミングを制御して、始動振動の防振制御をする方法について説明する。
運転者が停止状態のハイブリッド車両500(図1参照)を走行状態に入れるためにイグニッション・スイッチIG−SW(図2参照)をスタート位置に回すとVSA_ECU31、ACM_ECU32、MOT_ECU33、HV_ECU35、FI/MG/AT_ECU36(図1参照)等の各ECUが起動する。そして、運転者がアクセルペダルを踏み込むと、FI/MG/AT_ECU36の気筒休止制御部76(図2参照)においてパワーマネージメント部56(図2参照)から入力されるMOT制限トルクと、第1加算部72(図2参照)から入力されるP/Pトルクとを比較する。ハイブリッド車両500のバッテリ3(図1参照)の充電量が十分である場合は、P/PトルクがMOT制限トルクに対して予め設定された所定量以上の余裕をもって上回るので、気筒休止制御部76は、モータGM1(図1参照)のみによる走行可能として全筒休筒運転、つまり、EV走行モードが可能として、トルク配分算出部74(図2参照)に全筒休筒運転の指令を出力する。そして、トルク配分算出部74は、モータGM1に対して入力されたP/Pトルクをそのまま出力するようにMOT_ECU33に通信線を介して指令する。
ステップS002の後、始動時点火制御部52aにおける点火時期の制御は、結合子(A)に従って、図6のステップS021へ進む。
ここで、「初発インジェクション気筒を示す信号を受信」がACM_ECU32における「始動振動に対する防振制御の開始の条件」となる。また、この初発インジェクション気筒を示す信号を受信したときを、時間t=0として計時を開始する。
ここで、ACM19F,19Rに印加されるDC電流は図7の(c)及び図8の(c)に示すように異なった電流値IiF,IiRで(IiF<IiR)ある。ACM19Fは、図7の(a)に示すように押し側動作をさせるため、加振板19a(図4参照)を無通電の場合の位置PiVより低い初期位置PiFまで移動させて保持する(図7の(b)参照)。ACM19Rは、図8の(a)に示すように引き側動作をさせるため加振板19aを無通電の場合の位置PiVより低い位置PiRまで移動させて保持している(図8の(b)参照)。
そして、ここでは、ステップS007で設定される始動振動の抑制ゲインは、最初の振動周期の抑制ゲインに対してそれに続く振動周期の抑制ゲインは、所定の比率だけ減衰させたものとしている。
ステップS009では、CPU321bは、仮想電流波形の設定を行う。この仮想電流波形は交流電流波形であり、ステップS006で設定された始動振動の抑制期間、ステップS007で決められた始動振動の抑制ゲイン、ステップS008により決められた始動振動数にもとづいて仮想電流波形が設定される。
ステップS009の後、CPU321bにおける防振制御は、結合子(B)に従って、図6のステップS010へ進む。
ステップS010を具体的に説明すると、CPU321bは、初発インジェクション気筒の現在のクランク角とクランク角速度及び初発インジェクション気筒の点火タイミングとして予め設定されているクランク角を参照して、マップデータにもとづき初発インジェクション気筒に点火されて燃焼を開始し、初爆による振動のピークとなるタイミングtexp(以下、「初爆による振動のピーク位置予測タイミングtexp」と称する)を算出する。
この電流波形切り換えタイミングが、特許請求の範囲に記載の「アクチュエータの伸縮駆動開始タイミング」に対応する。
さらに、CPU321bは、ACM19Rに対する交流の仮想電流波形の最初のボトムBR1が、図8の(c)に示すように初爆による振動のピーク位置予測タイミングtexpに位置するように設定し、所定のDC電流値IiRと時刻tSRから始まる最初の仮想電流波形とが交わる点、時間tCRをACM19Rに対する電流切り換えタイミングとして設定する。
同様に、電流波形切り換えタイミングの設定に係る時間tCF,tCRを算出するために、ステップS003における初発インジェクション気筒を示す信号を受けたとき(時刻t=0)に、そのときのクランク角と、初発インジェクション気筒と、ステップS010を演算時のクランク角及びクランク角速度と、初発インジェクション気筒の点火タイミングとして予め設定されているクランク角と、始動振動数と、をパラメータとして電流波形切り換えタイミングである時間tCF,tCRを対応させたマップデータが、予めROM321cまたは記憶部321eに格納されている。
ステップS012では、CPU321bは、電流波形切り換えタイミングtCF,tCRに合わせて、ACM19F,19Rそれぞれの駆動電流を、DC電流から仮想電流波形に切り換えて出力する(「電流波形切り換えタイミングに合わせて、仮想電流波形を出力」)。
ちなみに電流波形切り換えタイミングtCF,tCRは、図7の(c)及び図8の(c)に示すようにACM19F,19R間でタイミングが異なる。
そして、ACM19F,19Rそれぞれに対する仮想電流波形に応じてACM19F,19Rのアクチュエータ19bは、防振動作する。
なお、ACM19Fのエンジン取付部(作用点)の押し側の変位量を最大限に確保するためには、谷BFにおける電流値を0Aとする。
なお、ACM19Rのエンジン取付部(作用点)の引き側の変位量を最大限に確保するためには、谷BR1における電流値を0Aとする。
ACM19F,19Rの防振制御が終了すると、加振板19aは無通電時の位置PiVに復帰し、エンジン取付部(作用点)も無通電時の初期位置PiMに復帰する。
始動振動の抑制期間を経過していない場合(No)は、仮想電流波形の出力を続け、ACM19F,19Rのアクチュエータ19bは、始動時振動の防振動作を制御する。
点火時期から燃焼開始までの燃焼遅れ時間は、具体的には、初発インジェクション気筒の点火時期tFfire(図9参照)から燃焼開始するまでの燃焼遅れ時間ΔtSfire(図示せず)と、点火時期tFfireから爆発によるエンジントルク変動のピークとして現れるまでの燃焼遅れ時間ΔtPfire(図示せず)の値の2つの燃焼遅れ時間データから構成されていることが好ましい。
具体的には、これらの燃焼遅れ時間ΔtSfire,ΔtPfireは、空燃比、エンジン冷却水温度を参照して燃焼遅れ時間データにもとづいて算出される。
初発インジェクション気筒に対する点火時期tFfireは、所定のクランク角に設定されている。しかし、EV走行中に、例えば、運転者がアクセルペダルを踏み込み、要求されるP/Pトルクが増加した場合と、イグニッション・スイッチIG−SWをスタート位置に回したときに、バッテリ3の充電量不足によりモータGM1をスタータとして用いて内燃機関Eを始動する場合とでは、A/F制御部50が設定する空燃比が異なる。その結果、これらの燃焼遅れ時間ΔtSfire,ΔtPfireは、内燃機関Eの始動が要求される状態で変動する。また、これらの燃焼遅れ時間ΔtSfire,ΔtPfireは、内燃機関Eの温度、つまり、冷却水温度の影響も受ける。そこで、エンジン始動時燃焼遅れ時間データ部52bに一時保持される燃焼遅れ時間データは、例えば、空燃比、エンジン冷却水温度をパラメータとしたマップデータとする。
ちなみに、初発インジェクション気筒に対する空燃比は、A/F制御部50から出力されるものを用い、エンジン冷却水温度は、エンジン冷却水温度センサS13からの信号により得られる。
この初爆タイミングの設定は、例えば、以下のように行う。ステップS021で取得された初爆による振動のピーク位置予測タイミングtexpと電流波形切り換えタイミングtCFとの第1の差分であるΔtFを算出し、ステップS022で算出された燃焼遅れ時間ΔtSfireと、燃焼遅れ時間ΔtPfireとの第2の差分ΔtDC(=ΔtPfire−ΔtSfire)を算出する。
そして、第1の差分ΔtFと第2の差分ΔtDCを比較し、第1の差分ΔtFが第2の差分ΔtDC以上の値の場合は、振動のピーク位置予測タイミングtexpからΔtPfireを減算して得られた時期を点火時期tFfire(=texp−ΔtPfire)として設定する。
tFfire=texp−ΔtPfire+(ΔtDC−ΔtF)/2 ・・・・(1)
このように、点火時期を初発インジェクション気筒に対して予め所定のクランク角に設定したものから再設定する。
ちなみに、第1の差分ΔtFが第2の差分ΔtDC未満の値の場合は、式(1)のように点火時期tFfireを設定するのは、図7の(a)において時間tCF〜texpの間に初爆によるエンジン振動のACM19Fへ入力される荷重の最初のピークまでの位相と、ACM19FにおけるΔtF(図7の(c)参照)の引き動作(作用点のPiMから仮想0点への変位)の位相とが対応し、両者の位相のズレを最小にするためのものである。
第1の差分ΔtFが第2の差分ΔtDC以上の値の場合は、単に、振動のピーク位置予測タイミングtexpに、初爆のエンジン振動のピークが位置するように点火時期tFfireを設定すれば、両者の位相のズレを最小にできる。
(1)ACM19Fの動作可能な力の範囲については、加振板19aの初期位置PiFを、予めACM19Rにおける初期位置PiRよりも高く設定しないと、開放時(駆動電流低減時)の弾性力の範囲を大きく確保できない。
(2)反対に、ACM19Rの動作可能な力の範囲については、加振板19aの初期位置PiRを予めACM19Fにおける初期位置PiFよりも低く設定しないと、吸引時(駆動電流増加時)の吸引力の範囲を大きく確保できない。
図9は、エンジン始動時の従来技術と本実施形態とのエンジン振動の差異を説明する図であり、(a)は、従来におけるエンジン回転速度NEの推移を示す説明図、(b)は、従来技術における初爆タイミングのずれによるエンジン振動の差異を示す説明図、(c)は、前側のACMの駆動電流の時間推移を示す説明図、(d)は、本実施形態におけるエンジン回転速度NEの推移を示す説明図、(e)は、本実施形態におけるACMへ入力されるエンジン振動と、車体への入力振動を示す説明図である。
従来技術では、図9の(a)に示すようにACM_ECU32においてACM19F,19Rに対して駆動電流を設定した初爆による振動の開始タイミング、つまり、図9の(c)に矢印でタイミングを示した期待された点火時期tFfireと、実際の点火時期t’Ffireとがずれることがある。その場合、例えば、図9の(c)に示すように、ACM19Fに対して駆動電流が設定されてそのまま出力されてしまい、アクチュエータ19b(図4参照)の駆動が制御される。そうすると、図9の(b)に実線で示す点火時期tFfireで始まると予想していたエンジン振動が、破線で示したエンジン振動になる。ACM19F,19Rの駆動の位相がずれたことにより破線のように逆に始動振動を増大させる可能性もある。
なお、図9の(c)に矢印で示したタイミングtFinjは、初爆のための燃料噴射タイミングを示している。
その結果、図9の(d)に示すように初爆タイミングのずれが防止でき、図9の(e)に破線で示すようなACM19F,19Rに入力されるエンジン振動に対して、図9の(e)に実線でしめすような車体入力振動に減衰され、目標振動値(目標振幅)の範囲に始動振動を減衰できる。
次に図5、図10を参照して、適宜、図2、図3を参照しながら本実施形態の変形例について説明する。
図5、図10は、変形例におけるFI/MG/AT_ECU36とACM_ECU32におけるエンジン始動の際の始動振動を抑制する制御の流れを示すフローチャートである。
実施形態では、ACM_ECU32側で決めた初爆による振動のピーク位置予測タイミングtexpと電流波形切り換えタイミングtCFに適合するように、所定のクランク角で設定された点火時期を燃焼遅れ時間分を考慮して、FI/MG/AT_ECU36側において、特に、IG制御部52において点火時期tFfireを再設定して調整するものとしたが、それに限定されるものではない。本変形例では、ACM_ECU32側で点火時期tFfireを再設定してFI/MG/AT_ECU36に点火時期tFfireを通知し、FI/MG/AT_ECU36側はそれに合わせてエンジン始動の点火制御をする。
実施形態における図5、図6のフローチャートと同じステップについては、重複する説明を省略する。
また、図5のステップS009の後、結合子(B)に従って図10のステップS010へ進む。そして、ステップS010Aへ進み、CPU321b(図3参照)は、ROM(燃焼遅れデータ記憶手段)321cまたは記憶部(燃焼遅れデータ記憶手段)321eに記憶された燃焼遅れ時間データにもとづいて、点火時期から燃焼開始までの燃焼遅れ時間を算出する。
点火時期から燃焼開始までの燃焼遅れ時間は、具体的には、前記した燃焼遅れ時間ΔtSfireと燃焼遅れ時間ΔtPfireの値の2つの燃焼遅れ時間データから構成されている。
ここで、燃焼遅れ時間データは、例えば、空燃比、エンジン冷却水温度をパラメータとしたマップデータとする。ちなみに、初発インジェクション気筒に対する空燃比、エンジン冷却水温度は、通信回線によりFI/MG/AT_ECU36からACM_ECU32に通信される。
ステップS010Bでは、CPU321bは、初爆による振動のピーク位置予測タイミングtexpと、電流波形切り換えタイミングtCFに対応させて、燃焼遅れ時間の補正を行って初発インジェクション気筒の点火時期tFfireを設定する(初爆タイミングの設定)。この設定の方法は、前記した実施形態において説明したものと同じ方法である。
ステップS010Cでは、CPU321bは、ステップS10Bで設定した点火時期tFfireを、通信回線を介してFI/MG/AT_ECU36に通知する。その後、ステップS012へ進む。
図5のステップS002の後、結合子(A)に従って図10のステップS021Aへ進むと、IG制御部52の始動時点火制御部52aが、初爆の点火時期tFfireをACM_ECU32から受信したか否かをチェックする。初爆の点火時期tFfireを受信した場合(Yes)は、ステップS024へ進み、そうでない場合(No)は、ステップS021Aを繰り返す。そして、ステップS024では、始動時点火制御部52aは、ステップS010Bにおいて設定された初発インジェクション気筒の点火時期tFfireに従って、初発インジェクション気筒の点火を制御する。ステップS025では、始動時点火制御部52aは、次気筒以降に対して通常の点火制御を行う。これで、一連のエンジン始動時の始動振動に対するACM19F,19Rの防振制御と、防振制御に協調した内燃機関Eの点火時期制御を終了する。
さらに、本実施形態及びその変形例は、パラレルモード型のパラレルハイブリッド車両に対して適用した例で説明したが、それに限定されるものではなく、特許第4377898号公報に記載のような、パラレルモードとシリーズモードのいずれにも切り換え可能なハイブリッド車両にもできる。
さらに、通常のスタータモータにより内燃機関Eを始動させるような駆動源として内燃機関Eのみを備えるハイブリッド車両ではない通常の車両にも適用可能である。
19a 加振板
19b アクチュエータ
32 ACM_ECU(防振制御手段)
36 FI/MG/AT_ECU(エンジン始動制御装置)
52 IG制御部
52a 始動時点火制御部(エンジン始動指令発生手段)
52b エンジン始動時燃焼遅れ時間データ部(燃焼遅れデータ記憶手段)
76 気筒休止制御部(エンジン始動要求判定手段)
321b CPU
321c ROM(燃焼遅れデータ記憶手段)
321e 記憶部(燃焼遅れデータ記憶手段)
E 内燃機関(エンジン)
GM1 モータ(電動機)
Claims (5)
- エンジンの振動状態に応じて防振制御手段がアクチュエータを伸縮駆動し、前記エンジンの振動の車体への伝達を抑制する能動型防振支持装置により支持された前記エンジンを搭載した車両における前記エンジンの始動を制御するエンジン始動制御装置であって、
前記エンジンの始動の際に、前記アクチュエータの伸縮駆動開始タイミングに基づいて前記エンジンの初爆タイミングが設定され、当該設定された初爆タイミングに応じて前記エンジンの点火制御が行われることを特徴とするエンジン始動制御装置。 - 前記エンジンの始動要求指令を受けて初発インジェクション気筒を示す信号を前記防振制御手段に送信するエンジン始動指令発生手段を備え、
前記防振制御手段は、
前記初発インジェクション気筒を示す信号を取得し、
当該取得した初発インジェクション気筒を示す信号、及び、クランク角とクランク角速度に基づいて、初爆による前記エンジンのロール振動を抑制するために前記アクチュエータの伸縮駆動開始タイミングを設定すると共に、当該設定された伸縮駆動開始タイミングを出力し、
前記エンジン始動指令発生手段は、
前記設定された伸縮駆動開始タイミングに基づいて前記エンジンの初爆タイミングを設定することを特徴とする請求項1に記載のエンジン始動制御装置。 - 前記エンジンの点火時期から燃焼開始までの燃焼遅れ時間のデータを予め記憶した燃焼遅れデータ記憶手段を備え、
前記防振制御手段は、前記燃焼遅れデータ記憶手段に記憶された前記燃焼遅れ時間のデータに基づいて初爆の燃焼遅れ時間を算出し、当該算出された初爆の燃焼遅れ時間を参照して、前記初爆タイミングの補正設定を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエンジン始動制御装置。 - エンジンの振動状態に応じて防振制御手段がアクチュエータを伸縮駆動し、前記エンジンの振動の車体への伝達を抑制する能動型防振支持装置により支持された前記エンジンを搭載した車両における前記エンジンの始動を制御するエンジン始動制御装置であって、
前記エンジンの始動要求指令を受けて初発インジェクション気筒を示す信号を前記防振制御手段に送信するエンジン始動指令発生手段を備え、
前記防振制御手段は、前記エンジンの点火時期から燃焼開始までの燃焼遅れ時間のデータを予め記憶した燃焼遅れデータ記憶手段を有し、
前記防振制御手段は、
前記初発インジェクション気筒を示す信号を取得し、
前記取得した初発インジェクション気筒を示す信号、及び、クランク角とクランク角速度に基づいて、初爆による前記エンジンのロール振動を抑制するために前記アクチュエータの伸縮駆動開始タイミングを設定すると共に、
前記燃焼遅れデータ記憶手段に記憶された前記燃焼遅れ時間のデータに基づいて初爆の燃焼遅れ時間を算出し、当該算出した初爆の燃焼遅れ時間を参照して、前記初爆タイミングの補正設定を行い、
当該補正設定された初爆タイミングを出力し、
前記エンジン始動指令発生手段は、
前記補正設定された初爆タイミングの出力を受けて、前記エンジンの初爆タイミングを設定し、
当該設定された初爆タイミングに応じて前記エンジンの点火制御を行うことを特徴とするエンジン始動制御装置。 - 前記車両は、駆動源として電動機を搭載したパラレルハイブリッド車両またはシリーズハイブリッド車両であり、
前記電動機のみを駆動源として走行中に、運転者のアクセルペダル操作に基づいて前記エンジンの始動の要否を判定し、必要に応じて前記エンジン始動要求指令を出力するエンジン始動要求判定手段を備え、
前記エンジン始動要求判定手段から、前記エンジン始動要求指令を取得したとき、前記エンジンの始動制御が行われることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のエンジン始動制御装置。
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