JP4783793B2 - 車両の衝撃低減構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車室内の乗員を保護する衝撃低減構造に関する。更に詳しくは、車両の前方衝突のようなケースで、エンジンブロック等の重量構造部が車室側に移動することで乗員の下肢に加わる衝撃を低減可能な構造に関する。
従来の技術
車両が前方衝突した場合、乗員は、慣性により前方へ移動しようとする。乗員がシートベルトを着用しているときは、シートベルト装置の肩ベルトや腰ベルトの拘束作用によって、乗員の前方への移動がある程度抑えられる。ところが、エンジンルームにあるエンジンやトランスミッションなどのパワートレインが、前突によってトーボードを後退させ、車室内に進入することにより、乗員の下肢部に大きな衝撃を与える場合がある。
自動車の前突時に生じる乗員の下肢部傷害は、その人体骨格上複雑で事象発生後、長期治療が必要な後遺障害となる可能性が高く、完全な社会復帰の困難性から社会的問題となっている。自動車の安全車体構造の検討を行う上でも、本テーマは重要であるが、軽自動車など、寸法、レイアウトの制約が大きい車両においては、乗員の下肢部傷害の主要因であるトーボード後退量軽減及び衝撃Gの低減は難しい課題と考えられている。
国際公開WO 00/50270号公報には、図15A〜15Dに示すように、平行な2枚(二重)のトーボードパネル内部にエアバッグを配置した構造が示されている。これにより、乗員の下肢傷害を低減できるとしている。
国際公開WO 00/50270号公報
しかしながら、国際公開WO 00/50270号公報に開示の構造では、エアバッグが車室側に膨らむことによって乗員の足元への衝撃はある程度緩和されるものの、下肢傷害を十分に低減できるとは言い難い。
本発明は、上記のような状況に鑑みてなされたものであり、乗員の下肢部への衝撃を従来に比べて効率的に低減可能な構造を提供することを目的とする。
本発明に係る衝撃低減構造は、車室内の乗員を保護する構造であり、前記車室の前方外側に配置された構造体が当該車室側方向に向かう際に生じる衝撃を低減するものである。そして、当該衝撃構造は、前記車室の前方外側に設けられ、緊急時に前記構造体が前記車室側に進入するのを抑制すべく前記構造体に対して下方向に外圧を加える加圧機構部と;緊急時に前記加圧機構部を作動させる駆動部とを備えることを特徴とする。
例えば、前記加圧機構部を膨張展開可能なエアバッグとする。そして、緊急時に前記エアバッグを膨張展開させることにより、前記車室側に向かって移動する前記構造体を車両下方向に押し下げることによって当該構造体の車室内への進入を防止又は最小限に抑える。これと同時に、構造体の衝撃を当該エアバッグで吸収する。
前記エアバッグは、展開時に前記傾斜部に接する面が前記車室側に向かうに従って車両下方に傾斜するように成形することが好ましい。このような構造とすることにより、エンジンルームの車両側内壁(トーボードの外面)の傾斜が緩い場合又は直立の場合にも、構造体に対して下方向への力を加えることが可能となる。
前記加圧機構部としては、エアバッグの他に可動式のプレート又はフレームを採用することができる。そして、緊急時に前記プレート又はフレームを駆動することにより、前記車室側に向かって移動する前記構造体に対して車両下方向への圧力を加え、当該構造体の車室内への進入を防止又は最小限に抑える。ここで、プレート又はフレームとは、硬質な板状部材、硬質な枠組、硬質なバーを含む概念であり、前記構造体に対して十分な外力を加えられる程度の剛性、強度を有することが必要である。
前記プレート又はフレームの駆動に関しては、例えば、下端を支点に揺動(スイング)可能な構造とし、緊急時に前記プレート又はフレームを揺動させる構成を採用することができる。この場合の「揺動」とは、プレート又はフレームの下端付近を支点にして上端側が所定のストロークで倒れるように移動することであり、結果的に構造体に対して下方への外圧を加えることになる。エアバッグでなくプレートやフレームを用いることにより、駆動部の規模を小さくできる。ガス発生装置を例に採ると、容量の小さなマイクロガスジェネレータ(MGG)を使用することが可能となり、設置スペース及びコストの面で有利となる。
ここで、「車室」は乗員が乗車する車両内の空間(客室)を言う。また、「車室側に向かって」とは、車両の前方から後方に向かう方向である。
「エアバッグ」としては、予め箱形に成形された金属製のエアバッグを折り畳んで使用することができる。例えば、WO 2004/69586に開示された物を採用することが可能である。「エアバッグを膨張展開させる駆動部」は、エアバッグに膨張ガスを供給するインフレータ、車両の衝突を検出するセンサ等を含む概念である。
「車室の前方外側の構造体」は、エンジンルーム内のパワートレイン、バッテリー(特に、電気自動車用の大型バッテリー)などを含む概念である。要は、前方衝突などの非常事態の際にエンジンルーム側(前方)から車室側に移動し、乗員の下肢に傷害を与える可能性のある構造体と捉えることができる。
「パワートレイン」は、一般的には、エンジン、トランスミッション等を含む動力伝達機構を言うが、本発明においては、乗員の下肢に衝撃を加える可能性のある重量構造部の少なくとも一部と言える。従って、通常パワートレインの一部と考えられるドライブシャフト等は、本発明におけるパワートレインから除外することもある。また、車両の構造によっては、エンジンが車室後方に配置される場合もあるが、その場合には、エンジンは本発明の「パワートレイン」には含まれない。
エアバッグの設置位置は、構造体の後方(車室側)又は、トーボードの前方外側(構造体側)とすることができる。すなわち、トーボードの外側に設置したり、パワートレイン等の構造体の後方(車室側)に設置することができる。ここで、「トーボード」は、車室の乗員の足元に配置され、車室とエンジンルーム等の前方空間とを仕切る薄板状の構造体である。本発明において、トーボードは、エンジンルーム等の前方空間側に露出したボードであり、車室内側のカーペット等の剛性の低いシートは含まれない。
好ましくは、前記エアバッグは、前記構造体が車室側に移動したときに、実質的に最初に接触することが好ましい。ここで、「実質的に最初に接触」とは、一定の剛性を有するトーボードやフロアパン等それ自体が実質的に衝撃吸収に寄与し得る部材を介することなくダイレクトに接触する意味である。
前記エアバッグは、トーボードを部分的に二重構造にすることで成形することができる。また、前記構造体側には、車室側に向かうに従って車両下方に傾斜し、緊急時に前記エアバッグと接触する傾斜部を設けることができる。この場合、前記傾斜部は、前記構造体の外枠の一部として形成したり、前記構造体の前記車室側に固定された平滑なプレート又はフレームとしたり、前記構造体の前記車室側に固定されたブロックとすることができる。
発明の実施の形態
図1は、本発明が適用可能な車両の構造を示す概略図である。乗員100が車室内に着座している状態を示す。符号102はトーボード、104はエンジンルーム内に配置されたパワートレイン(エンジン+トランスミッション)である。
図2は、本発明の第1実施例に係る衝撃低減構造を示す断面図であり、エアバッグが展開前の状態(非作動時)を示す。図3は、実施例に係る衝撃低減構造を示す断面図であり、エアバッグが展開した状態(作動時)を示す。トーボード102は、一部が車両の前後方向に傾斜した形状となっており、当該傾斜部分にエアバッグ106がボルト等によって固定されている。エアバッグ106は、パワートレイン104側に展開するように設計、配置される。パワートレイン104の後方(車室側)には、トーボード102の傾斜部と概ね平行な状態で傾斜した傾斜面110が形成されている。
エアバッグ106が固定されたトーボード102には、当該エアバッグ106に膨張ガスを供給する穴(図示せず)が形成され、インフレータ108に連結されている。図示しないが、インフレータ108は車室内側のカーペット等によって覆われる。インフレータ108は、図示しない衝突センサ(加速度センサ)に連結されており、車両衝突時に当該センサからの信号に基づいて作動するようになっている。なお、衝突センサは、他のエアバッグ(フロント、カーテン、サイド)と共通のものを使用し、あるいは、独自のセンサを設けることもできる。
エアバッグ106としては、予め箱形に成形された金属製のエアバッグを折り畳んで使用することができる。例えば、WO 2004/69586に開示された物を採用することが可能である。トーボード102は、エアバッグ106の展開を支える最低限の強度が必要であり、例えば、厚さ約1.4mmの金属製の薄板を使用することができる。
車両の前方衝突等の非常事態が発生すると、図3に示すように、エアバッグ106が膨張展開する。このとき、パワートレイン104は車室側(後方)に移動するが、エアバッグ106と最初に接触する。これにより、車室側への衝撃がエアバッグ106によって直接吸収されるとともに、傾斜面110とエアバッグ106との接触により、パワートレイン104は、車両の底部方向に押し下げられる格好となる。その結果、パワートレイン104の車室側への進入が阻止され、あるいは、進入した場合の乗員の下肢部への衝撃が効果的に低減される。
図4は、図2及び図3に示す実施例の変形例を示す説明図であり、スライダープレート又はフレーム210を示す。スライダープレート又はフレーム210は、金属製のプレート又はフレームであり、パワートレイン204の外枠(表面)に固定される。スライダープレート又はフレーム210は、パワートレイン204の表面に凹凸がある場合などに特に有効となる。スライダープレート又はフレーム210は、エアバッグ106と接触する部分であり、表面が平滑に成形されており、エアバッグ106の圧力によってスムーズに斜め下にガイドされる。
図5は、図2及び図3に示す実施例の変形例を示す説明図であり、シュートブロック310を示す。シュートブロック310は、パワートレイン304に固定して使用されるものであり、スライダープレート又はフレーム210と同様に、非常時(前突時)にエアバッグ106と接触する部分となる。シュートブロック310は、アルミなどの金属の鋳物として成形することができる。シュートブロック310には、エアバッグ106と接触する傾斜面310aが形成されている。シュートブロック310は、パワートレイン304の後方に傾斜部が存在しない場合に有効である。
図6は、本発明の作用・効果を示すグラフであり、エアバッグ106の内圧と衝突時に発生する最大加速度(G)との関係を示す。この実験においては、厚さ1.4mmのトーボードを使用し、衝突解析の業界標準アプリケーション「PAM-CRASH(パムクラッシュ)」を使用して測定を行った。破線の円で囲んだ点は、エアバッグを備えない従来の車両による結果を示す。グラフから分かるように、エアバッグ106を使用することにより、衝突時のG値(最大加速度)が有効に低減されている。なお、展開時のエアバッグの内圧を約100kPa〜1000kPa(特に、約100kPa)程度にした時に、特に効果的な衝撃低減効果が得られた。
図7は、本発明の第2実施例に係る衝撃低減構造の要部を示す断面図である。この実施例においては、トーボード102の一部にエアバッグを形成する袋状又は箱状の容器406を折り畳んだ状態で直接固定している。容器406は、例えば、トーボード102に対して溶接することができる。これは、別の見方をすると、トーボードを部分的に二重構造にしていると言える。トーボード102の対応する位置には、ガス流入用の穴が形成され、インフレータ408と連結している。本実施例によれば、トーボード102の製造工程においてエアバッグを成形することができ、容器406は、トーボード102と同一の材質で成形することも可能である。
図8は、本発明の第3実施例に係る衝撃低減構造を示す断面図であり、エアバッグが展開した状態を実線506、展開前の状態(非作動時)506aを破線で示す。なお、図8において上述した実施例と同一又は対応する構成要素については、同一の参照符号を付し、重複した説明を省略する。トーボード102は、一部が車両の前後方向に傾斜した形状となっており、当該傾斜部分にエアバッグ506がボルト等によって固定されている。エアバッグ506は、パワートレイン104側に展開するように設計、配置される。パワートレイン104の後方(車室側)には、トーボード102の傾斜部と概ね平行な状態で傾斜した傾斜面110が形成されている。
エアバッグ506が固定されたトーボード102には、当該エアバッグ506に膨張ガスを供給する穴(図示せず)が形成され、マイクロガスジェネレータ(MGG)等のインフレータ108に連結されている。図示しないが、インフレータ108は車室内側のカーペット等によって覆われる。インフレータ108は、図示しない衝突センサ(加速度センサ)に連結されており、車両衝突時に当該センサからの信号に基づいて作動するようになっている。なお、衝突センサは、他のエアバッグ(フロント、カーテン、サイド)と共通のものを使用し、あるいは、独自のセンサを設けることもできる。
本実施例の特徴は、エアバッグ506の形状にある。エアバッグ506は展開時に側面が三角形状になるように設計されている。エアバッグ506としては、予め(車両の左右方向に延びる)三角柱状に成形された金属製のエアバッグを折り畳んで使用することができる。トーボード102は、エアバッグ106の展開を支える最低限の強度が必要であり、例えば、厚さ約1.4mmの金属製の薄板を使用することができる。
車両の前方衝突等の非常事態が発生すると、図8に示すように、エアバッグ106が膨張展開する。このとき、パワートレイン104は車室側(後方)に移動するが、エアバッグ506と最初に接触する。これにより、車室側への衝撃がエアバッグ506によって直接吸収されるとともに、傾斜面110とエアバッグ506との接触により、パワートレイン104は、車両の底部方向に押し下げられる格好となる。その結果、パワートレイン104の車室側への進入が阻止され、あるいは、進入した場合の乗員の下肢部への衝撃が効果的に低減される。
図9は、図8に示す実施例の変形例を示す説明図であり、図4に示す構造と同様に、金属製のスライダープレート又はフレーム210がパワートレイン104の外枠(表面)に固定される。スライダープレート又はフレーム210は、パワートレイン104の表面に凹凸がある場合などに特に有効となる。スライダープレート又はフレーム210は、エアバッグ506と接触する部分であり、表面が平滑に成形されており、エアバッグ506の圧力によってスムーズに斜め下にガイドされる。なお、スライダープレート又はフレームは、エアバッグ506側に固定することも可能であり、同様の効果が期待できる。また、図5に示すようなブロック310を本実施例に適用することも可能である。
図9は、本発明の第4実施例に係る衝撃低減構造を示す断面図であり、エアバッグが展開した状態を実線606、展開前の状態(非作動時)606aを破線で示す。なお、図10において上述した実施例と同一又は対応する構成要素については、同一の参照符号を付し、重複した説明を省略する。上述した他の実施例と比較し、本実施例においては直立したトーボード602が使用された車両に適用される。トーボード602には、エアバッグ606がボルト等によって固定されている。エアバッグ606は、パワートレイン104側に展開するように設計、配置される。パワートレイン104の後方(車室側)には、傾斜面が形成されている。
エアバッグ606が固定されたトーボード602には、当該エアバッグ606に膨張ガスを供給する穴(図示せず)が形成され、マイクロガスジェネレータ(MGG)等のインフレータ108に連結されている。図示しないが、インフレータ108は車室内側のカーペット等によって覆われる。インフレータ108は、図示しない衝突センサ(加速度センサ)に連結されており、車両衝突時に当該センサからの信号に基づいて作動するようになっている。なお、衝突センサは、他のエアバッグ(フロント、カーテン、サイド)と共通のものを使用し、あるいは、独自のセンサを設けることもできる。
エアバッグ606は展開時に側面が逆三角形状になるように設計されている。エアバッグ606としては、予め三角柱状に成形された金属製のエアバッグを、例えば、図11(A)に示すように、折り畳んで使用することができる。トーボード602は、エアバッグ606の展開を支える最低限の強度が必要であり、例えば、厚さ約1.4mmの金属製の薄板を使用することができる。
車両の前方衝突等の非常事態が発生すると、図10及び図11(B)に示すように、エアバッグ606が膨張展開する。このとき、パワートレイン104は車室側(後方)に移動するが、エアバッグ606と最初に接触する。これにより、車室側への衝撃がエアバッグ606によって直接吸収されるとともに、エアバッグ606との接触により、パワートレイン104は、車両の底部方向に押し下げられる格好となる。その結果、パワートレイン104の車室側への進入が阻止され、あるいは、進入した場合の乗員の下肢部への衝撃が効果的に低減される。
図12は、本発明の第5実施例に係る衝撃低減構造の要部を示す断面図であり、(A)が非作動状態、(B)が作動状態を示す。なお、図12において上述した実施例と同一又は対応する構成要素については、同一の参照符号を付し、重複した説明を省略する。本実施例は、上述した第4実施例と同様に、直立したトーボード602が使用された車両に適用される。本実施例の特徴は、エアバッグを用いることなく、パワートレイン(104)を車両下方向に押し下げる構造を採用することにある。
本実施例においては、パワートレイン(104)を車両下方向に押し下げるのに、可動式のプレート702(パッド又はフレーム)を採用している。そして、緊急時にプレート702を駆動することにより、車室側に向かって移動するパワートレイン(104)に対して車両下方向への圧力を加え、当該パワートレイン(104)の車室内への進入を防止又は最小限に抑える。プレート702は、パワートレインに対して十分な外力を加えられる程度の剛性、強度を有することが必要である。
プレート702は、下端がボルト706などによってトーボード602に固定され、上方は下端を支点として揺動(スイング)可能な構造となっている。プレート702の駆動には、ピストン704を使用することができる。ピストン704は、マイクロガスジェネレータ(MGG)108によって駆動される。エアバッグでなくプレート702を用いることにより、駆動部の規模を小さくできる。ガス発生装置を例に採ると、容量の小さなマイクロガスジェネレータ(MGG)を使用することが可能となり、設置スペース及びコストの面で有利となる。
トーボード602には、ピストン704のシリンダに膨張ガスを供給する穴(図示せず)が形成され、マイクロガスジェネレータ(MGG)等のインフレータ108に連結されている。図示しないが、インフレータ108は車室内側のカーペット等によって覆われる。インフレータ108は、図示しない衝突センサ(加速度センサ)に連結されており、車両衝突時に当該センサからの信号に基づいて作動するようになっている。なお、衝突センサは、他のエアバッグ(フロント、カーテン、サイド)と共通のものを使用し、あるいは、独自のセンサを設けることもできる。トーボード602は、プレート702の展開を支える最低限の強度が必要であり、例えば、厚さ約1.4mmの金属製の薄板を使用することができる。
車両の前方衝突等の非常事態が発生すると、図12(B)に示すように、ピストン704が車両前方に向かって突出し、プレート702の上側が揺動(スイング)して前方に押し出される。このとき、パワートレイン(104)は車室側(後方)に移動するが、プレート702と最初に接触する。これにより、プレート702との接触により、パワートレイン(104)は、車両の底部方向に押し下げられる格好となる。その結果、パワートレイン(104)の車室側への進入が阻止され、あるいは、進入した場合の乗員の下肢部への衝撃が効果的に低減される。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではなく、特許請求の範囲に示された技術的思想の範疇において変更可能なものである。
図1は、本発明が適用可能な車両の構造を示す概略図である。 図2は、本発明の第1実施例に係る衝撃低減構造を示す断面図であり、エアバッグが展開前の状態(非作動時)を示す。 図3は、第1実施例に係る衝撃低減構造を示す断面図であり、エアバッグが展開した状態(作動時)を示す。 図4は、図2及び図3に示す第1実施例の変形例を示す説明図であり、スライダープレート又はフレームを示す。 図5は、図2及び図3に示す第1実施例の変形例を示す説明図であり、シュートブロックを示す。 図6は、本発明の効果を示すグラフであり、エアバッグの内圧と衝突時に発生する最大加速度(G)との関係を示す。 図7は、本発明の第2実施例に係る衝撃低減構造の要部を示す断面図である。 図8は、本発明の第3実施例に係る衝撃低減構造の要部を示す断面図である。 図9は、第3実施例に係る衝撃低減構造の変形例を示す断面図である。 図10は、本発明の第4実施例に係る衝撃低減構造の要部を示す断面図である。 図11は、第4実施例の動作を示す説明図である。 図12は、本発明の第5実施例に係る衝撃低減構造の要部を示す断面図であり、(A)が非作動状態、(B)が作動状態を示す。
符号の説明
100 乗員
102 トーボード
104,204,304 パワートレイン
106 エアバッグ
108 インフレータ
110 傾斜面

Claims (10)

  1. 車室前席の足元領域の前壁となるトーボードの外側前方に配置された構造体が前記トーボード側に向かって移動する際に生じる衝撃を低減する衝撃低減構造において、
    前記トーボードと前記構造体との間で下方向又は斜め下方向に向かって展開可能なエアバッグを備え、
    前記エアバッグの展開により、前記構造体に対して下方向又は斜め下方向へ外圧を加えることを特徴とする衝撃低減構造。
  2. 前記トーボードは、上部が前記構造体側に向く傾斜領域を有し、
    前記エアバッグは、前記トーボードの前記傾斜領域に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の衝撃低減構造。
  3. 前記エアバッグは、前記トーボードの外前面上に設けられ、斜め下方向に向かって展開するように展開断面が三角形状となることを特徴とする請求項1又は2に記載の衝撃低減構造。
  4. 前記構造体の前記トーボード側には、前記車室側に向かうに従って車両下方に傾斜し、展開した前記エアバッグと接触する傾斜部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の衝撃低減構造。
  5. 前記傾斜部は、前記構造体の外枠の一部として形成されることを特徴とする請求項4に記載の衝撃低減構造。
  6. 前記傾斜部は、前記構造体の前記トーボード側に固定されたプレート又はフレームであることを特徴とする請求項4に記載の衝撃低減構造。
  7. 前記傾斜部は、前記構造体の前記トーボード側に固定されたブロックであることを特徴とする請求項4に記載の衝撃低減構造。
  8. 前記エアバッグは、前記傾斜部に沿うように展開することを特徴とする請求項4乃至7の何れか1項に記載の衝撃低減構造。
  9. 前記エアバッグは、前記構造体が前記トーボード側に移動したときに、最初に接触することを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の衝撃低減構造。
  10. 前記エアバッグは、前記トーボードを部分的に二重構造にすることで成形されることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の衝撃低減構造。
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