JP6860394B2 - 乗員保護装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車においてシートに着座した乗員を保護する装置に関する。
自動車においてシートに着座した乗員を保護する装置には、シートベルトやフロントエアバッグを用いるものがある(特許文献1)。
シートベルトは、一般的に三点式であり、シートに着座した乗員の腰周りのラップ部、および上体前にたすき掛けされるショルダ部を有する。そして、衝突前にリトラクタでシートベルトを巻き取って弛みを減らし、衝突時にシートベルトの送り出しを規制する。これにより、衝突時にシートから前へ移動しようとする乗員の身体をシートに着座した状態に保持するように作動できる。
フロントエアバッグは、乗員室においてシートの前に設けられるハンドルまたはダッシュボードに設けられ、シートへ向かって後向きに展開する。そして、衝突時に前へ倒れ込む乗員の上体を、展開したフロントエアバッグで支えて衝撃を吸収する。
特開2010−235009号公報
しかしながら、このような乗員保護装置を用いても、すべての衝突形態において適切に保護できる訳ではない。
たとえば前面衝突においても、衝突の衝撃によりシートに着座した乗員が前へ移動する可能性がある。そして、乗員の腰部がシートの着座位置から前へ滑って移動してしまうと、腰部を軸としてその周りで前へ倒れ込もうとする上体は、フロントエアバッグに近づいた状態から前へ倒れ込むことになる。この場合、フロントエアバッグと上体との接触状態は、腰部がシートの着座位置にある場合に想定していたものとは異なる。
そこで、乗員の腰部がシートの着座位置から前へ滑って移動してしまわないように、乗員の腰部を前から押さえることが考えられる。
しかしながら、たとえば腰部を前から押さえようとすると、腹部を前から押さえることになる。そして、人体において腹部には骨格が無い。仮にたとえば腹部の中央部分を前から押さえた場合、腹部の中央部分には部分的で局所的な圧力が作用してしまう。しかも、前から押さえたとしても乗員の腰部はシートの着座位置から前へ滑って移動し易い。
また、シートに着座した乗員の腰部の位置や範囲は、車体におけるシートの前後の調整位置、シートに着座している乗員の体形、乗員の着座姿勢などに応じて異なる。このため、腹部を適切な圧力で押さえることができるようにすることは容易でない。
このように、乗員保護装置では、乗員保護性能についての更なる改善が求められている。
本発明に係る乗員保護装置は、車両のシートに着座した乗員の腰部の前に展開する腰前エアバッグと、前記腰前エアバッグの上側または前側に接触または接触可能に展開して、前記シートに着座した乗員についての倒れる上体の荷重が作用する上側エアバッグと、を有し、前記腰前エアバッグは、前記上側エアバッグより硬い状態に展開して、倒れる上体の荷重が作用することにより変形する前記上側エアバッグにより腰部へ向けて押し込まれ、前記シートに着座した乗員の腰部についての左右両側部分に当たるように湾曲して展開する。
好適には、前記腰前エアバッグは、前記シートに着座した乗員の腰部についての左右両側から展開する右腰前エアバッグおよび左腰前エアバッグで構成され、前記右腰前エアバッグおよび前記左腰前エアバッグは、乗員の腰部についての左右両側部分に当たるように展開する、とよい。
本発明では、腰前エアバッグが車両のシートに着座した乗員の腰部の前に展開し、上側エアバッグが腰前エアバッグの上側または前側に接触または接触可能に展開する。これにより、シートに着座した乗員の腰部が前などへ移動しようとした場合、腰部が腰前エアバッグに当たり移動し難くなる。シートに着座した乗員の腰部は、車体におけるシートの前後の調整位置、展開前におけるシート上の着座位置および姿勢、乗員の体形にかかわらず、シートの着座位置から前へ滑って移動し難くなる。その結果、衝突の際に乗員の腰部は腰前エアバッグと接触した位置に保持され易くなる。
しかも、衝突の際にシートに着座した乗員の上体が前などへ倒れようとすると、上体は上側エアバッグに倒れ込む。上側エアバッグは、倒れる上体の荷重が作用することにより変形し、腰前エアバッグを腰部へ向けて押し込む。
これらの作用により、衝突の際に乗員の上体、特に腰部は前などへ移動し難くなる。乗員の上体はたとえば前面衝突の際に着座位置に安定した腰部の周りで前側へ倒れるようになり、上体の挙動は所望のものに近づく。そして、着座位置にある腰部の周りで前などへ倒れる上体を、上側エアバッグなどにより支えて、衝撃を吸収することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る乗員保護装置が適用可能な自動車の説明図である。 図2は、フルラップ正面衝突における乗員の挙動の一例の説明図である。 図3は、乗員の腰部がシートの着座位置にあるままで上体が倒れ込んだ状態の一例の説明図である。 図4は、第1実施形態に係る乗員保護装置の説明図である。 図5は、図4の腰前エアバッグおよび上側エアバッグの展開状態の説明図である。 図6は、図4の腰前エアバッグおよび上側エアバッグの展開制御の説明図である。 図7は、第2実施形態に係る腰前エアバッグおよび上側エアバッグの展開状態の説明図である。 図8は、第3実施形態に係る右腰前エアバッグ、左腰前エアバッグおよび上側エアバッグの展開状態の説明図である。
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の実施形態に係る乗員保護装置10が適用可能な自動車1の説明図である。
自動車1は、車両の一例である。自動車1は、乗員室2が形成された車体3を有する。乗員室2には、乗員室2において前向きに設けられて乗員が着座する2つのフロントシート4、リアシート4が設けられる。乗員室2についての左右両側には、乗員が乗降するために開閉されるドア5が設けられる。フロントシート4の前には、乗員室2の左右幅に対応する長さのダッシュボード6が設けられる。2つのフロントシート4の間には、センターコンソール7が設けられる。
ところで、このような自動車1では、他の自動車などと衝突した際に、シート4に着座した乗員を保護する装置が設けられる。
図1には、シートベルト19、フロントエアバッグ16が図示されている。
シートベルト19は、一般的に三点式である。三点式のシートベルト19は、シート4に着座した乗員の腰周りのラップ部、および上体前にたすき掛けされるショルダ部を有する。そして、衝突前に図示外のリトラクタでシートベルト19を巻き取ってたるみを減らし、さらに衝突時にシートベルト19の送り出しを規制する。これにより、衝突時にシート4から前へ移動しようとする乗員の身体をシート4に着座した状態に保持するように作動できる。
フロントエアバッグ16は、乗員室2においてシート4の前に設けられるハンドルまたはダッシュボード6に設けられ、シート4へ向かって後向きに展開する。そして、衝突時に前へ倒れ込む乗員の上体を、展開したフロントエアバッグ16で支えて衝撃を吸収できる。
しかしながら、このような乗員保護装置10を用いても、すべての衝突形態において乗員を適切に保護できる訳ではない。
たとえば図2は、前面衝突における乗員の挙動の一例の説明図である。
乗員がシート4に着座した状態で前面衝突が起きると、図2(A)に示すように、衝突の衝撃によりシート4に着座した乗員には相対的に前へ移動しようとする力が作用する。
この際に乗員がシートベルト19により押さえられていないとすると、図2(B)に示すように、乗員の腰部はシート4の着座位置から前へ滑って移動する。
そして、乗員の腰部はたとえば膝頭がダッシュボード6に当たった状態で止まり、乗員の上体は、図2(C)に示すように、その位置の腰部を軸としてその周りで前へ倒れ込むことになる。
これに対し、図3は、乗員の腰部がシート4の着座位置にあるままで乗員の上体が倒れ込んだ状態の一例の説明図である。
図2(C)でのフロントエアバッグ16に対する上体の接触状態は、図3と比較すれば明らかなように腰部が着座位置にある場合において想定したものとは異なる。乗員の上体は、フロントエアバッグ16に近づいた位置において前へ倒れ込む。展開したフロントエアバッグ16と上体との接触状態は、腰部がシート4の着座位置にあると想定した場合のものとは異なる。この場合、展開したフロントエアバッグ16により、適切に倒れ込んだ上体を支持して衝撃を吸収することができない可能性がある。
また、上体は腰部の移動が止まった後に短時間で急に前へ倒れることになる。
そこで、乗員の腰部がシート4の着座位置から前へ滑って移動してしまわないように、乗員の腰部を前から押さえることが考えられる。
しかしながら、たとえば腰部を前から押さえようとすると、腹部を前から押さえることになる。そして、人体において腹部には骨格が無い。仮にたとえば腹部の中央部分を前から押さえた場合、腹部の中央部分には部分的で局所的な圧力が作用してしまう。しかも、前から押さえたとしても乗員の腰部はシート4の着座位置から前へ滑って移動し易い。
また、シート4に着座した乗員の腰部の位置や範囲は、車体におけるシート4の前後の調整位置、シート4に着座している乗員の体形、乗員の着座姿勢などに応じて異なる。このため、腹部を適切な圧力で押さえることができるようにすることは容易でない。
このように、乗員保護装置10では、乗員保護性能を更に改善することが求められている。
図4は、第1実施形態に係る乗員保護装置10の説明図である。
図4には、乗員保護装置10とともに、自動運転制御装置40が図示されている。自動運転制御装置40は、車外撮像センサ41、自動運転制御部42、操舵アクチュエータ43、ブレーキアクチュエータ44、動力源45、を有する。
車外撮像センサ41は、たとえば車体3の前方を撮像する。これにより、たとえば走行中の車体3に対して前から近づく他の車体を画像として撮像することができる。
操舵アクチュエータ43は、ハンドルの替わりに、自動車1の操舵装置を駆動する。
ブレーキアクチュエータ44は、ブレーキペダルの替わりに、自動車1の制動装置を駆動する。
動力源45は、たとえばガソリンエンジン、電気モータである。
自動運転制御部42は、自動車1の走行を自動制御する。自動運転制御部42は、たとえば目的地までの走行経路情報にしたがって、操舵アクチュエータ43、ブレーキアクチュエータ44、および動力源45を制御する。また、自動運転制御部42は、車外撮像センサ41の画像に基づいて接近物を特定し、接近物との衝突を予想する。そして、接近物との衝突を予想した場合には、自動運転制御部42は、その衝突を回避するように操舵アクチュエータ43、ブレーキアクチュエータ44、および動力源45を制御する。
図4の乗員保護装置10は、乗員位置センサ11、Gセンサ12、タイマ13、乗員保護制御部14、フロントエアバッグ装置15、三点式シートベルト装置18、腰前エアバッグ装置20、上側エアバッグ装置30、を有する。
乗員保護制御部14には、車外撮像センサ41、自動運転制御部42、乗員位置センサ11、Gセンサ12、タイマ13、フロントエアバッグ装置15、三点式シートベルト装置18、腰前エアバッグ装置20、上側エアバッグ装置30、が接続される。
乗員位置センサ11は、シート4に着座した乗員の頭部の位置または上体の位置を検出する。たとえば乗員位置センサ11は、シート4に背を付けた着座位置を基準として、前方への移動量または左右方向への移動量を検出する。
Gセンサ12は、自動車1に作用する加速度を検出する。検出する加速度の方向は、前後方向、左右方向、上下方向でよい。
タイマ13は、時刻または時間を計測する。
フロントエアバッグ装置15は、シート4に着座した乗員の前に設けられる。フロントエアバッグ装置15は、たとえばダッシュボード6、ハンドルに設けられる。フロントエアバッグ装置15は、フロントエアバッグ16、インフレータ17、を有する。点火信号が入力されることにより、インフレータ17は、フロントエアバッグ16内へガスを放出する。これにより、フロントエアバッグ16は、シート4に着座した乗員へ向けて後方へ展開する。乗員の上体の前にフロントエアバッグ16が展開される。
三点式シートベルト装置18は、シートベルト19を有する。シートベルト19は、図示外のタングがバックルと係合することにより、シート4に着座した乗員についての腰部の周りに対して設けられるラップ部と、上体についての一方の肩部から腰部の内側部分にかけてたすき掛けされるショルダ部と、を形成する。そして、プリテンション信号や支持信号が入力されることにより、図示外のリトラクタは、シートベルト19を巻き取る。たとえば、衝突前にシートベルト19を巻き取って弛みを減らし、衝突時にシートベルト19の送り出しを規制する。これにより、衝突時にシート4から前へ移動しようとする乗員の身体をシート4に着座した状態に保持することができる。
図5は、図4の腰前エアバッグ21および上側エアバッグ31の展開状態の説明図である。図5(A)は側面図、図5(B)は正面図である。
腰前エアバッグ装置20は、腰前エアバッグ21、腰前インフレータ22、を有する。腰前エアバッグ装置20は、シート4の内側にあるセンターコンソール7に設けられる。
点火信号が入力されて腰前インフレータ22がガスを腰前エアバッグ21内へ放出することにより、腰前エアバッグ21は、シート4の座面から上へ離間した高さで外方向へ向かって展開する。
展開した腰前エアバッグ21は、シート4に着座した乗員の腰部の前において、左右方向に長い略円柱形状に展開する。腰前エアバッグ21は、シート4の左右幅に対応する長さで展開する。これにより、腰前エアバッグ21は、シート4に着座した乗員の腰部の内側から外側にかけて展開する。
上側エアバッグ装置30は、上側エアバッグ31、上側インフレータ32、を有する。上側エアバッグ装置30は、シート4の外側にあるドア5に設けられる。
点火信号が入力されて上側インフレータ32がガスを上側エアバッグ31内へ放出することにより、上側エアバッグ31は、シート4の座面から上へ離間した高さで内方向へ向かって展開する。
展開した上側エアバッグ31は、シート4に着座した乗員の腰部の前であって且つ腰前エアバッグ21の前上側において展開する。上側エアバッグ31は、腰前エアバッグ21より前寄りに展開する。
また、上側エアバッグ31は、腰前エアバッグ21より大きな略円柱形状で、腰前エアバッグ21より広い左右幅に展開する。
このように上側エアバッグ31は、腰前エアバッグ21の前上側に接触するように展開する。上側エアバッグ31は、腰前エアバッグ21の前側または上側に接触または接触可能に展開してもよい。これにより、上側エアバッグ31に対してシート4に着座した乗員の上体が倒れかかりその荷重が作用する場合、上側エアバッグ31は、腰前エアバッグ21の前側においてシート4に着座した乗員の両腿部の上に当たる。そして、乗員の上体と両腿部との間で上下に潰される。その結果、上側エアバッグ31が前後方向へ伸展し、腰前エアバッグ21には上側エアバッグ31により前から後へ向かう方向に沿った力が作用することになる。
また、腰前エアバッグ21は、上側エアバッグ31より硬い状態に展開する。上側エアバッグ31へ注入するガス量やガス圧を増やすことにより、エアバッグを硬く展開させることができる。エアバッグの大きさや容量が異なる場合には、単位容量当たりのガス量を増やすことにより、エアバッグを硬く展開させることができる。また、上側エアバッグ31より強い繊維や布を用いることにより、基本的な硬さを硬くすることができる。
乗員保護制御部14は、自動車1の走行状態に応じて乗員保護装置10の動作を制御する。具体的には、フロントエアバッグ装置15の展開、三点式シートベルト装置18の作動、腰前エアバッグ21の展開、および上側エアバッグ31の展開、を制御する。
図6は、図4の腰前エアバッグ21および上側エアバッグ31の展開制御の説明図である。
図6(A)のようにシート4の着座位置に乗員が座っている状態で、乗員保護制御部14は、たとえば車外撮像センサ41による車体3の前方の撮像画像、自動運転制御部42からの走行状態情報に基づいて、衝突の可能性を予想する。走行状態情報には、操舵アクチュエータ43の操舵量、ブレーキアクチュエータ44および動力源45による加減速量などがある。乗員保護制御部14は、これらの情報に基づいて車体3の進行経路を判断する。また、車体3の前方の撮像画像に基づいて進行経路上または近傍の対象物を特定する。乗員保護制御部14は、これらの情報に基づいて、対象物との正面衝突の可能性を判断する。なお、これらの判断を自動運転制御部42で実行し、乗員保護制御部14はその判断結果を自動運転制御部42から取得してもよい。
そして、正面衝突の可能性がある場合、乗員保護制御部14は、乗員保護制御を開始する。乗員保護制御において、乗員保護制御部14は、腰前エアバッグ装置20の腰前インフレータ22へ点火信号を出力する。また、腰前エアバッグ21がある程度展開した後に、上側エアバッグ装置30の上側インフレータ32へ点火信号を出力する。これにより、図6(B)に示すように、シート4に着座した乗員の腰前に腰前エアバッグ21を展開させ、さらに腰前エアバッグ21の前上側に上側エアバッグ31を展開させることができる。
なお、乗員保護制御部14は、たとえば腰前エアバッグ21と上側エアバッグ31とを同じ方向へ展開する場合などにおいては、腰前インフレータ22および上側インフレータ32へ同時に点火信号を出力してもよい。
その後、正面衝突の衝撃入力により、乗員の上体は、前へ倒れる。乗員の上体は、図6(C)に示すように上側エアバッグ31の上へ倒れ込む。これにより、腰前エアバッグ21より大きく且つ前寄りに展開した上側エアバッグ31は、腰前エアバッグ21の前側へ回り込み、腰前エアバッグ21の前側においてシート4に着座した乗員の両腿部の上に当たって上下に潰される。その結果、上下に潰された上側エアバッグ31は、前後方向へ伸展し、腰前エアバッグ21を後方向へ押す。
これにより、上側エアバッグ31より硬い状態に展開して変形し難い腰前エアバッグ21は、その原形を維持しようとしながら、シート4に着座した乗員の腰部を前から押すように腰部へ向けて押し込まれる。腰前エアバッグ21は、乗員の腰部を左右幅全体において前から押さえる。腰部の左右両側には腰骨がある。
乗員の腰部は、シート4に着座した位置に留まるように前から押さえられ、着座位置からずれて移動し難くなる。
なお、上述した乗員保護制御は、正面衝突の可能性を判断したタイミングからではなく、正面衝突を実際に検出したタイミングから腰前エアバッグ21および上側エアバッグ31の展開を開始してもよい。
以上のように、本実施形態では、腰前エアバッグ21が自動車1のシート4に着座した乗員の腰部の前に展開し、上側エアバッグ31が腰前エアバッグ21の上側または前側に接触または接触可能に展開する。これにより、シート4に着座した乗員の腰部が前などへ移動しようとした場合、腰部が腰前エアバッグ21に当たり移動し難くなる。シート4に着座した乗員の腰部は、車体におけるシート4の前後の調整位置、展開前におけるシート4上の着座位置および姿勢、乗員の体形にかかわらず、シート4の着座位置から前へ滑って移動し難くなる。その結果、衝突の際に乗員の腰部は腰前エアバッグ21と接触した位置に保持され易くなる。
しかも、衝突の際にシート4に着座した乗員の上体が前などへ倒れようとすると、上体は上側エアバッグ31に倒れ込む。上側エアバッグ31は、倒れる上体の荷重が作用することにより変形し、腰前エアバッグ21を腰部へ向けて押し込む。
これらの作用により、衝突の際に乗員の上体、特に腰部は前などへ移動し難くなる。乗員の上体はたとえば前面衝突の際に着座位置に安定した腰部の周りで前側へ倒れるようになり、上体の挙動は所望のものに近づく。そして、着座位置にある腰部の周りで前などへ倒れる上体を、上側エアバッグ31などにより支えて、衝撃を吸収することができる。
本実施形態では、上側エアバッグ31は、腰前エアバッグ21より大きく展開する。そして、倒れる上体の荷重が作用することにより、大きく展開した上側エアバッグ31が腰前エアバッグ21の前側へ回り込む。上側エアバッグ31は、腰前エアバッグ21の前側において、倒れ込む乗員の上体と両腿部との間で押し潰されて前後方向へ伸展する。その結果、上側エアバッグ31の後側に位置する腰前エアバッグ21は、上側エアバッグ31が後方向へ伸展することにより後方へ向けて押され、腰部に当たり、腰部を後方へ向けて押す。乗員の上体はたとえば前面衝突の際に、着座位置に安定するように押されている腰部の周りで、所望の状態で前側へ倒れ易くなる。
本実施形態では、上側エアバッグ31は、腰前エアバッグ21より前寄りに展開する。よって、倒れる上体の荷重が作用することにより、前寄りに展開した上側エアバッグ31は、倒れ込む乗員の上体と両腿部との間で押し潰されて前後方向へ伸展する。その結果、上側エアバッグ31の後寄り位置する腰前エアバッグ21は、上側エアバッグ31が後方向へ伸展することにより後方へ向けて押され、腰部に当たり、腰部を後方へ向けて押す。乗員の上体はたとえば前面衝突の際に、着座位置に安定するように押される腰部の周りで、所望の状態で前側へ倒れ易くなる。
本実施形態では、腰前エアバッグ21がシート4に着座した乗員の腰部に相当する左右幅、たとえばシート4の左右幅で展開し、上側エアバッグ31が腰前エアバッグ21より広い左右幅で展開する。よって、腰前エアバッグ21が上側エアバッグ31により押されることにより、左右方向へずれたり逃げたりし難くなる。上体の倒れる方向が左右へ傾いたとしても、その荷重を上側エアバッグ31により腰前エアバッグ21へ確実に伝え、腰前エアバッグ21を腰部へ向けて前から押し込むことができる。
しかも、腰前エアバッグ21がシート4に着座した乗員の腰部に相当する左右幅、たとえばシート4の左右幅で展開するので、腰部を押す力を腰部の全体へ分散して作用させることができる。腰部の両側の骨格に対して押す力を作用させることができる。
これに対して、仮にたとえば腹部の中央部分を前から押さえた場合、腹部の中央部分には部分的で局所的な圧力が作用してしまう。しかも、前から押さえたとしても乗員の腰部はシート4の着座位置から前へ滑って移動し易い。本実施形態では、このような課題が生じ難い。
なお、本実施形態と異なり仮にたとえば上側エアバッグ31を腰前エアバッグ21と同程度の硬さに展開したり、上側エアバッグ31と腰前エアバッグ21とを同等のサイズに展開させて上下に重ねたりした場合、倒れる上体の荷重が上側エアバッグ31に作用した際に腰前エアバッグ21が上側エアバッグ31と同様に一体的に変形してしまうため、腰前エアバッグ21に対して腰部へ向かう後方向への力を作用させ難くなる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る乗員保護装置10について説明する。以下の説明では、主に第1実施形態との相違点について説明し、第1実施形態と重複する説明は省略する。
図7は、第2実施形態に係る腰前エアバッグ21および上側エアバッグ31の展開状態の説明図である。
腰前エアバッグ21は、直線状の円柱形状ではなく、湾曲した棒形状に展開する。そして、腰前エアバッグ21は、シート4に着座した乗員の腰部に対して、その中央部分より左右両側部分に対してより深く当たるように湾曲して展開する。
これにより、上側エアバッグ31の変形により腰前エアバッグ21が腰部へ向かって後向きに押し込まれた場合、腰前エアバッグ21は、乗員の腰部に対してその中央部分より左右両側部分に対してより強く当たる。乗員の腹部中央に対する圧力を減らしつつ、腰部の両側の腰骨に対する圧力を増やすことができる。腰部を押す力を、腰部の中央よりも左右両側部分へ優先的に作用させることができる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係る乗員保護装置10について説明する。以下の説明では、主に第1実施形態との相違点について説明し、第1実施形態と重複する説明は省略する。
図8は、第3実施形態に係る右腰前エアバッグ51、左腰前エアバッグ61および上側エアバッグ31の展開状態の説明図である。
右腰前エアバッグ51は、シート4の右側に配置された右腰前エアバッグ装置50から、直線状の円柱形状に展開する。
左腰前エアバッグ61は、シート4の左側に配置された左腰前エアバッグ装置60から、直線状の円柱形状に展開する。
そして、右腰前エアバッグ51および左腰前エアバッグ61は、シート4に着座した乗員の腰部についての左右両側部分の二カ所のみに前から当たるように展開する。
また、上側エアバッグ31は、右腰前エアバッグ51および左腰前エアバッグ61の前上側においてこれらに当たるように展開する。
これにより、上側エアバッグ31により、右腰前エアバッグ51および左腰前エアバッグ61は腰部へ向かって後向きに押し込まれる。腰部の両サイドの前の二カ所のみに強く当たる。乗員の腹部中央に対する圧力を減らしつつ、腰部の両側の腰骨に対する圧力を増やすことができる。腰部を押す力を、腰部の中央よりも左右両側部分へ優先的に作用させることができる。
以上の実施形態は、本発明の好適な実施形態の例であるが、本発明は、これに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形または変更が可能である。
上記実施形態では、腰前エアバッグ21と上側エアバッグ31とは別体に形成されている。
この他にもたとえば、腰前エアバッグ21と上側エアバッグ31とを一体的に形成してもよい。この場合でも、腰前エアバッグ21が上側エアバッグ31より硬く展開することにより、上側エアバッグ31が優先的に変形して上側エアバッグ31により腰前エアバッグ21を後方向へ押し込むように機能させることが可能である。
1…自動車(車両)、2…乗員室、3…車体、4…シート、5…ドア、6…ダッシュボード、7…センターコンソール、10…乗員保護装置、11…乗員位置センサ、12…Gセンサ、13…タイマ、14…乗員保護制御部、15…フロントエアバッグ装置、16…フロントエアバッグ、17…インフレータ、18…シートベルト装置、19…シートベルト、20…腰前エアバッグ装置、21…腰前エアバッグ、22…腰前インフレータ、30…上側エアバッグ装置、31…上側エアバッグ、32…上側インフレータ、40…自動運転制御装置、41…車外撮像センサ、42…自動運転制御部、43…操舵アクチュエータ、44…ブレーキアクチュエータ、45…動力源、50…右腰前エアバッグ装置、51…右腰前エアバッグ、60…左腰前エアバッグ装置、61…左腰前エアバッグ。

Claims (2)

  1. 車両のシートに着座した乗員の腰部の前に展開する腰前エアバッグと、
    前記腰前エアバッグの上側または前側に接触または接触可能に展開して、前記シートに着座した乗員についての倒れる上体の荷重が作用する上側エアバッグと、
    を有し、
    前記腰前エアバッグは、前記上側エアバッグより硬い状態に展開して、倒れる上体の荷重が作用することにより変形する前記上側エアバッグにより腰部へ向けて押し込まれ、前記シートに着座した乗員の腰部についての左右両側部分に当たるように湾曲して展開する、
    員保護装置。
  2. 前記腰前エアバッグは、前記シートに着座した乗員の腰部についての左右両側から展開する右腰前エアバッグおよび左腰前エアバッグで構成され、
    前記右腰前エアバッグおよび前記左腰前エアバッグは、乗員の腰部についての左右両側部分に当たるように展開する、
    請求項記載の乗員保護装置。
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