JPH08104254A - 自動車のパワーユニット車室内侵入防止構造 - Google Patents

自動車のパワーユニット車室内侵入防止構造

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JPH08104254A
JPH08104254A JP24275394A JP24275394A JPH08104254A JP H08104254 A JPH08104254 A JP H08104254A JP 24275394 A JP24275394 A JP 24275394A JP 24275394 A JP24275394 A JP 24275394A JP H08104254 A JPH08104254 A JP H08104254A
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Toshio Masuda
年男 増田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 衝突時にパワーユニットを積極的に回転せし
めてパワープラントによるトーボードの変形乃至車室内
への侵入を確実に回避して乗員の安全を確保し得る自動
車のパワーユニット車室内侵入防止構造を提供する。 【構成】 フロントサイドフレーム3の上側フレーム4
と下側フレーム5との分岐位置より後方位置に設けられ
たセンタマウント15によってパワーユニット11の略
重心位置Gを下方から支持し、かつ下側フレーム5の前
記分岐位置近傍に設けられたフロントマウント17によ
ってパワーユニット11の前部を支持し、衝突時下側フ
レーム5に設けたフロントマウント17によってパワー
ユニット11の前部を押し上げる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、衝突時のパワーユニッ
ト車室内侵入を防止する自動車のパワーユニット車室内
侵入防止構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車が正面バリヤー等に衝突し
た場合、エンジン、トランスミッション等の駆動装置か
らなるパワーユニットは、後方へ直線的に移動して、ト
ーボードを変形或いは車室が大きく変形する等の不具合
があった。
【0003】この対策として、例えば実公昭51−51
40号公報に開示され、かつ図6に示すように、エンジ
ン22の前面上部22aを突出せしめ、自動車が正面バ
リヤー20等に衝突すると、エンジン22及びこれに連
結したトランスミッション23等からなるパワーユニッ
ト21に矢印方向の回転モーメントMが付与され、図7
に示すようにエンジン22の後部及びトランスミッショ
ン23を車室の下方に脱落させてパワーユニット21が
車室内に侵入するのを防止する衝突時のエンジン等脱落
機構が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記衝突時のエンジン
等脱落機構によると、エンジンの前面上部を突出せし
め、自動車が正面バリヤー等に衝突した際、パワーユニ
ットに回転モーメントを付与してエンジン後部及びトラ
ンスミッションを車室の下方に脱落させるものである。
しかし、特にエンジンルーム内に縦置きに搭載されるパ
ワーユニットは、一般に慣性主軸に沿って前後に大きく
離間されて配置されるマウントにより支持され、エンジ
ンがトーボード直前に位置し、かつトランスミッション
はフロアトンネル内にまで達し、更に最近の自動車にお
いては、エンジンルーム内に各種の機器が過密状態に搭
載されることから、衝突に際してパワーユニットを回転
させてエンジン等を脱落させるに十分な回転モーメント
をパワーユニットに付与することが困難であり、衝突時
のパワーユニットの車室内侵入防止を十分に達成するこ
とが困難である等の不具合がある。
【0005】従って、本発明の目的は、衝突時に積極的
にパワーユニットを揺動せしめて、パワーユニットをト
ーボードの下方に落し込ませることにより、パワーユニ
ットによるトーボードの変形乃至車室内への侵入を回避
して乗員の安全を確保する自動車のパワーユニット車室
内侵入防止構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明における自動車のパワーユニット車室内侵入防止構造
は、略水平方向に延設された前端にバンパ用バックビー
ムを支持する上側フレームと前方へ移行するに従って次
第に下方へ変位するよう傾斜して延設されて前端にラジ
エータ下部サポートフレームを支持する下側フレームと
に前部が分岐するフロントサイドフレームと、フロント
サイドフレームの前記上側フレームと下側フレームとの
分岐位置より後方位置に設けられてパワーユニットの略
重心位置を下方から支持するセンタマウントと、下側フ
レームの前記分岐位置近傍に設けられてパワーユニット
の前部を支持するフロントマウントとを有するものであ
る。
【0007】
【実施例】以下、本発明における自動車のパワーユニッ
ト車室内侵入防止構造の一実施例を図1乃至図5によっ
て説明する。
【0008】図1は、本実施例の要部を示す側面説明図
であり、図2はその平面説明図である。
【0009】図中符号1は、エンジンルームAと車室B
とに区画するトーボードであって、トーボード1の下部
にはフロアトンネル2が延設され、かつトーボード1の
車幅方向両端下部から車体前方方向に延びる閉断面形状
のフロントサイドフレーム3が設けられている。
【0010】フロントサイドフレーム3は車体前方にお
いて閉断面構造の上側フレーム4と下側フレーム5とに
上下に分岐し、上側フレーム4は略水平方向に車体前方
方向に延設され、前端にクラッシュフレーム6を介在し
てバンパ用バックビーム7を支持する。
【0011】一方下側フレーム5は、上側フレーム4と
分岐する基端側から前方へ移行するに従って次第に下方
に変位するよう傾斜して延設され、その上部に圧潰を容
易にするための下側フレーム5の上部を囲むコ字形のビ
ード5aが複数形成されている。そして下側フレーム5
の前端には前記バンパ用バックビーム7に沿って車体幅
方向に延びるラジエータ下部サポートフレーム8の端部
が結合されている。
【0012】これらバンパ用バックビーム7とラジエー
タ下部サポートフレーム8は、バンパ用バックビーム7
の頂部に配設される緩衝材(図示せず)と共にバンパフ
ェイス9により被装されてバンパ10を形成している。
【0013】一方このように構成されたフロントサイド
フレーム3に搭載されるパワーユニット11は、エンジ
ン12、エンジン12に一体的に連結されたトランスミ
ッション13及びこれらの附属機器からなり、図1及び
図3に図2のI−I断面を示すようにパワーユニット1
1の略重心位置Gを前記上側フレーム4と下側フレーム
5との分岐位置より車体後方に位置する左右のフロント
サイドフレーム3間に横架するクロスメンバ14に配設
されたセンタマウント15によって下方から支持し、か
つパワーユニット11の前方部位を左右の下側フレーム
5の基端近傍にマウントブラケット16を介して取付ら
れたフロントマウント17によって支持されている。
【0014】センタマウント15及びフロントマウント
17によって支持されるパワーユニット11は、前部が
後部に対して上方になる傾斜した前上り状態で後部がト
ーボード1の下方に連続するフロアトンネル2内にまで
達し、かつセンタマウント15によってパワーユニット
11の全重量の約80%を支持するよう搭載されてい
る。
【0015】更にラジエータ下部サポートフレーム8が
パワーユニット11の前端下部11aに対して車体前方
でかつ下方に位置し、ラジエータ下部サポートフレーム
8とパワーユニット11との間には円筒状の触媒コンバ
ータ18が配設されている。
【0016】次にこのように構成されたパワーユニット
車室内侵入防止構造の作動について説明する。
【0017】自動車が正面バリヤー等に所定以上の衝撃
力で衝突すると、先ずバンパ10の衝撃吸収部材が圧潰
され、続いてバンパ用バックビーム7の後退によりクラ
ッシュフレーム6が圧潰しつつ衝突エネルギを吸収す
る。
【0018】バンパ用バックビーム7の後退に伴ってラ
ジエータ下部サポートフレーム8が正面バリヤー等に衝
突し、ラジエータ下部サポートフレーム8が下側フレー
ム5を圧潰しつつ後退する。
【0019】ラジエータ下部サポートフレーム8の後退
に伴う下側フレーム5の圧潰は、下側フレーム5の上部
に複数のビート5aを有することから、図5に衝突状態
を示すように上方に湾曲して上側フレーム4の基端を突
き上げてフロントサイドフレーム3を変形させるととも
に、下側フレーム5に設けられたフロントマウント17
を介してパワーユニット11の前部を押し上げてパワー
ユニット11を、その略重心位置Gを下方から支持する
センタマウント15を揺動中心として回動せしめること
によりパワーユニット11の後部に位置するトランスミ
ッション13を車室Bの下方に脱落させる。
【0020】下側フレーム5の圧潰に伴うフロントマウ
ント17によるパワーユニット11の前部押し上げ作用
と共に、図4のように後退するラジエータ下部サポート
フレーム8によって触媒コンバータ18を後方へ押動せ
しめ、触媒コンバータ18によってパワーユニット11
の前端下部11aを押し上げ、パワーユニット11のセ
ンタマウント15を揺動中心とする回動をより確実なも
のとしている。
【0021】以上説明では、ラジエータ下部サポートフ
レーム8とパワーユニット11との間に触媒コンバータ
18を配置して衝突の際、後退するラジエータ下部サポ
ートフレーム8によって触媒コンバータ18を介してパ
ワーユニット11の前端下部11aを押し上げるよう構
成したが、触媒コンバータ18に代えて他の機器を配設
することも可能である。
【0022】
【発明の効果】以上説明した本発明における自動車のパ
ワーユニット車室内侵入防止構造によれば、パワーユニ
ットの重心位置を下方からセンタマウントによって、フ
ロントサイドフレームに支持し、かつ分岐して前下がり
に傾斜する下側フレームの分岐位置近傍に設けたフロン
トマウントによりパワーユニットの前部を支持すること
から、衝突時圧潰される下側フレームによってフロント
マウントが上方へ移動し、積極的にパワーユニットが回
転せしめられ、パワーユニットをトーボードの下方に落
し込ませることが可能になり、パワーユニットによるト
ーボードの変形乃至車室内への侵入が確実に回避されて
乗員の安全が確保できる等本発明特有の効果を有するも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における自動車のパワーユニット車室内
侵入防止構造の一実施例の要部を示す側面説明図であ
る。
【図2】同じく、本実施例の要部を示す平面説明図であ
る。
【図3】図1のI−I断面図である。
【図4】衝突状態における図1のI−I断面図である。
【図5】衝突状態における図1に対応する側面説明図で
ある。
【図6】従来の衝突時のエンジン等脱落機構の説明図で
ある。
【図7】同じく、従来の衝突時のエンジン等脱落機構の
説明図である。
【符号の説明】
1 トーボード 2 フロアトンネル 3 フロントサイドフレーム 4 上側フレーム 5 下側フレーム 5a ビード 8 ラジエータ下部サポートフレーム 11 パワーユニット 14 クロスメンバ 15 センタマウント 17 フロントマウント 18 触媒コンバータ G パワーユニットの重心位置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略水平方向に延設された前端にバンパ用
    バックビームを支持する上側フレームと前方へ移行する
    に従って次第に下方へ変位するよう傾斜して延設されて
    前端にラジエータ下部サポートフレームを支持する下側
    フレームとに前部が分岐するフロントサイドフレーム
    と、フロントサイドフレームの前記上側フレームと下側
    フレームとの分岐位置より後方位置に設けられてパワー
    ユニットの略重心位置を下方から支持するセンタマウン
    トと、下側フレームの前記分岐位置近傍に設けられてパ
    ワーユニットの前部を支持するフロントマウントとを有
    することを特徴とする自動車のパワーユニット車室内侵
    入防止構造。
  2. 【請求項2】 センタマウントが左右のフロントサイド
    フレーム間に横架するクロスメンバを介してフロントサ
    イドフレームに設けられている請求項1に記載の自動車
    のパワーユニット車室内侵入防止構造。
  3. 【請求項3】 下側フレームの上部に圧潰を容易にする
    ビードが形成されている請求項1または2に記載の自動
    車のパワーユニット車室内侵入防止構造。
  4. 【請求項4】 パワーユニットの前端下部とラジエータ
    下部サポートフレームとの間に触媒コンバータが配設さ
    れている請求項1〜3の1つに記載の自動車のパワーユ
    ニット車室内侵入防止構造。
  5. 【請求項5】 パワーユニットが、パワーユニットの前
    部が後部に対して上方になるよう傾斜した状態でセンタ
    マウント及びフロントマウントによって支持されている
    請求項1〜4の1つに記載の自動車のパワーユニット車
    室内侵入防止構造。
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