JP4782392B2 - タイヤ摩耗のシミュレーション方法、装置、プログラム及び媒体 - Google Patents
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Description
但し、dEW(r,D)=EW(r,D)−EW(r,0)
dEW(r,2D))=EW(r,2D)−EW(r,0)
EW(r,0)は初期の摩耗エネルギ、rは位置、Dnは求める削り量、Dは単位削り量である。
また、前記ステップ(c)では、前記摩耗エネルギとして、前記ブロック毎に、前端部付近の前摩耗エネルギ及び後端部付近の後摩耗エネルギを求め、ステップ(d)では、前記微小削り量を削ったときのタイヤモデルにおける前端部付近の前摩耗エネルギ及び後端部付近の後摩耗エネルギを求め、前記前摩耗エネルギ及び後摩耗エネルギ及び求めた前摩耗エネルギ及び後摩耗エネルギに基づいてタイヤ周方向に傾斜度を有した複数のテーパブロックによるパターン形状を有するタイヤモデルを定め、定めたタイヤモデルを前記削り量を削ったときのタイヤモデルとして、前記タイヤモデルの変形計算を実行することができる。
また、前記ステップ(c)では、前記摩耗エネルギとして、前記ブロック毎に、前端部付近の前摩耗エネルギ及び後端部付近の後摩耗エネルギを求め、ステップ(d)では、前記微小削り量を削ったときのタイヤモデルにおける前端部付近の前摩耗エネルギ及び後端部付近の後摩耗エネルギを求め、前記前摩耗エネルギ及び後摩耗エネルギ及び求めた前摩耗エネルギ及び後摩耗エネルギに基づいてタイヤ周方向に傾斜度を有した複数のテーパブロックによるパターン形状を有するタイヤモデルを定め、定めたタイヤモデルを前記削り量を削ったときのタイヤモデルとして、前記タイヤモデルの変形計算を実行することができる。
図2は、本実施の形態のタイヤ摩耗シミュレーションプログラムの処理ルーチンを示すものである。ステップ100では、シミュレーションするタイヤの設計案(タイヤ形状、構造、材料、パターンの変更など)についての初期設定を実施する。この初期設定は、タイヤ摩耗のシミュレーションをするために必要となる、各種モデルやゴムなどの物性、そして各種初期データを設定する処理である。
の条件では、タイヤモデルは路面モデルに拘束されて、踏面内の節点は移動せずに、変位はない。
の条件では、タイヤモデルは路面モデルに拘束されず、踏面内の節点は路面モデルに対して相対的に移動する。この場合、タイヤモデルは水平応力を緩和する方向に変形し、変位が生じる。
dEW(r,2D))=EW(r,2D)−EW(r,0) ・・・(2)
但し、EW(r,0)は初期(切削直前)の摩耗エネルギ、rは位置、Dは単位削り量である。これらの2式を用いて、次の(3)式を満たす削り量Dnを求める。
Dnは求める削り量。
実際のタイヤを実地試験を行うと共に、そのタイヤのデータで本実施の形態のタイヤ摩耗シミュレーションを行った結果を以下に示す。本例では、モデル化及び実測したタイヤは、タイヤサイズは297/75R22.5のトラックバス用タイヤであり、タイヤショルダー部にブロックパターンを有したタイヤである。また、内圧700kpa、加重25kN、高速道路主体の走行を想定及び実地試験、トラック(2D4)のステア軸装着にて摩耗試験及びシミュレートを行った。
本実施の形態は、上記実施の形態と同様の構成のため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。本実施の形態では、タイヤモデルのブロック形状に着目し、ブロックの前後で摩耗量が異なる点を考慮してタイヤ摩耗をシミュレーションしている。
この式からテーパ量hが時間依存性を有することが見いだせる。この時間依存性について求めた結果を、図15に示した。この時間依存性は、タイヤについて言い換えれば走行距離依存性と考えることができる。この場合、定数kの値を変更することで、実現可能である。
実際のタイヤを実地試験を行うと共に、そのタイヤのデータで本実施の形態のタイヤ摩耗シミュレーションを行った結果を以下に示す。本例では、モデル化及び実測したタイヤは、タイヤサイズが195/65R15の乗用車用タイヤであり、タイヤショルダー部にブロックパターンを有したタイヤで、ブロック間の溝深さが6mmのタイヤと4mmのタイヤを採用している。また、これらのタイヤでは、内圧200kpa、加重4.6kNで摩耗試験及びシミュレートを行った。
本実施の形態は、上記実施の形態と同様の構成のため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。本実施の形態では、タイヤモデルのブロック形状に着目するにあたり、ブロック全体、ブロックの中腹や左右で摩耗量が異なる点を考慮してタイヤ摩耗をシミュレーションしている。
この式から段差量haが時間依存性を有することが見いだせる。この時間依存性は、タイヤについて言い換えれば走行距離依存性と考えることができる。この場合、定数kの値を変更することで、実現可能である。
本実施の形態は、上記実施の形態と同様の構成のため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。本実施の形態では、タイヤモデルに対して摩耗の状態を再現するため、実際の走行などで摩耗したタイヤを予め実測し、この実測したタイヤをモデル化した実測モデルを用いて摩耗状態以降の摩耗進展についてシミュレーションするものである。
実際のタイヤを実地試験を行うと共に、そのタイヤのデータで本実施の形態のタイヤ摩耗シミュレーションを行った結果を以下に示す。本例では、モデル化及び実測したタイヤは、タイヤサイズが195/65R15の乗用車用タイヤであり、タイヤショルダー部に矩形のブロックパターンを有したタイヤで、ショルダー部の溝深さが8mmのタイヤ1と5mmのタイヤ2を採用している。また、これらのタイヤでは、内圧200kpa、加重4.6kNであって一般道を主に走行する場合を想定し、摩耗試験及びシミュレートを行った。
12 コンピュータ本体
14 CRT
30 タイヤモデル
FD フレキシブルディスク(記録媒体)
Claims (12)
- 次の各ステップを含むタイヤ摩耗のシミュレーション方法。
(a)接地及び転動の少なくとも一方により変形を与えることが可能なように多数要素に分割して形成しかつパターン形状を有するタイヤモデルと、前記タイヤモデルの少なくとも一部に接触するための路面モデルと、前記タイヤモデルと前記路面モデルとの間の摩擦係数を含む走行条件と、を定めるステップ。
(b)前記走行条件に基づいて、前記タイヤモデルの一部を前記路面モデルに接触させて前記タイヤモデルを回転させる転動計算を実行するステップ。
(c)前記走行条件に基づいて、前記転動計算後に、前記多数要素の各々について前記路面モデルからの応力と接触部からの滑り量から摩耗エネルギを求めることにより、前記タイヤモデルにおける摩耗エネルギ分布の計算を実行するステップ。
(d)前記タイヤモデルで転動計算を行うときに計算誤差が小さくなるように、求める削り量Dnより十分に小さい予め定めた微小削り量Dを削ったときのタイヤモデルの変形計算、該タイヤモデルによる前記転動計算、及び該タイヤモデルにおける前記摩耗エネルギ分布の計算を実行し、前記微小削り量Dを削る前のタイヤモデルにおける摩耗エネルギ分布及び前記微小削り量Dを削ったときのタイヤモデルにおける摩耗エネルギ分布に基づいて、位置及び削り量Dnを求めかつ該位置で該削り量Dnを削ったときの前記タイヤモデルの変形計算を実行するステップ。
(e)前記ステップ(d)の前記位置で削り量Dnを削ったときの変形計算後のタイヤモデルについて、前記ステップ(b)及び前記ステップ(c)の計算をさせた後に前記ステップ(d)を計算させることを所定回繰り返すステップ。
(f)前記ステップ(e)の計算結果を出力するステップ。 - 前記微小削り量を、単位削り量Dとし、
前記削り量を、求める削り量Dnとし、
タイヤモデル上の位置を、位置rとし、
切削前のタイヤモデルの転動計算により求まる摩耗エネルギを、初期の摩耗エネルギEW(r、0)とし、
切削後のタイヤモデルの転動計算により求まる摩耗エネルギ分布を、摩耗エネルギ分布EW(r、D)とし、
前記ステップ(d)では、前記削り量について、次の式の制限条件を付与することを特徴とする請求項1に記載のタイヤ摩耗のシミュレーション方法。
Dn << D × (4 × dEW(r,D) − dEW(r,2D))/(dEW(r,2D) − dEW(r,D))
但し、dEW(r,D) = EW(r,D) − EW(r,0)
dEW(r,2D)) = EW(r,2D) − EW(r,0) - 前記ステップ(a)では、タイヤ周方向に複数のブロックによるパターン形状を有するタイヤモデルを定め、
前記ステップ(c)では、前記ブロック毎に、前記摩耗エネルギを求める、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のタイヤ摩耗のシミュレーション方法。 - 前記ステップ(c)では、前記摩耗エネルギとして、前記ブロック毎に、前端部付近の前摩耗エネルギ及び後端部付近の後摩耗エネルギを求め、前摩耗エネルギと後摩耗エネルギとの差分を摩耗進展速度として求め、
ステップ(d)では、前記微小削り量を削ったときのタイヤモデルにおける摩耗進展速度を求め、前記摩耗進展速度の分布及び求めた摩耗進展速度の分布に基づいてタイヤ周方向に傾斜度を有した複数のブロックによるパターン形状を有するタイヤモデルを定め、定めたタイヤモデルを前記削り量を削ったときのタイヤモデルとし、
前記ステップ(f)では、前記傾斜度の時間依存性として、前記摩耗進展速度の変動の時間特性を求める
ことを特徴とする請求項3に記載のタイヤ摩耗のシミュレーション方法。 - 前記ステップ(c)では、前記摩耗エネルギとして、前記ブロック毎に、前端部付近の前摩耗エネルギ及び後端部付近の後摩耗エネルギを求め、ステップ(d)では、前記微小削り量を削ったときのタイヤモデルにおける前端部付近の前摩耗エネルギ及び後端部付近の後摩耗エネルギを求め、前記前摩耗エネルギ及び後摩耗エネルギ及び求めた前摩耗エネルギ及び後摩耗エネルギに基づいてタイヤ周方向に傾斜度を有した複数のテーパブロックによるパターン形状を有するタイヤモデルを定め、定めたタイヤモデルを前記削り量を削ったときのタイヤモデルとして、前記タイヤモデルの変形計算を実行する
ことを特徴とする請求項3に記載のタイヤ摩耗のシミュレーション方法。 - 前記ステップ(a)では、タイヤ幅方向に複数のブロックによるパターン形状を有するタイヤモデルを定め、
前記ステップ(c)では、前記ブロック毎に、前記摩耗エネルギを求める、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のタイヤ摩耗のシミュレーション方法。 - 前記ステップ(c)では、前記摩耗エネルギとして、予め定めたブロックを基準に、ブロック毎に、摩耗エネルギを求め、基準ブロックの摩耗エネルギと他ブロックの摩耗エネルギとの差分を段差摩耗進展速度として求め、
ステップ(d)では、前記微小削り量を削ったときのタイヤモデルにおける段差摩耗進展速度を求め、前記段差摩耗進展速度の分布及び求めた段差摩耗進展速度の分布に基づいてタイヤ幅方向に高さの異なる複数のブロックによるパターン形状を有するタイヤモデルを定め、定めたタイヤモデルを前記削り量を削ったときのタイヤモデルとし、
前記ステップ(f)では、ブロック段差の時間依存性として、前記段差摩耗進展速度の変動の時間特性を求める
ことを特徴とする請求項6に記載のタイヤ摩耗のシミュレーション方法。 - 前記ステップ(d)では、前記微小削り量を削ったときのタイヤモデルにおける予め定めたブロックを基準にブロック毎に摩耗エネルギを求め、前記摩耗エネルギの分布及び求めた摩耗エネルギの分布に基づいてタイヤ幅方向に高さの異なるリブモデルを含む複数のブロックによるパターン形状を有するタイヤモデルを定め、定めたタイヤモデルを前記削り量を削ったときのタイヤモデルとして、前記タイヤモデルの変形計算を実行する
ことを特徴とする請求項6に記載のタイヤ摩耗のシミュレーション方法。 - 前記ステップ(a)では、予め定めた走行条件により摩耗したタイヤの実測値によりタイヤモデルを定める
ことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載のタイヤ摩耗のシミュレーション方法。 - 接地及び転動の少なくとも一方により変形を与えることが可能なように多数要素に分割して形成しかつパターン形状を有するタイヤモデルと、前記タイヤモデルの少なくとも一部に接触するための路面モデルと、前記タイヤモデルと前記路面モデルとの間の摩擦係数を含む走行条件と、を定める設定手段と、
前記走行条件に基づいて、前記タイヤモデルの一部を前記路面モデルに接触させて前記タイヤモデルを回転させる転動計算を実行する転動計算手段と、
前記走行条件に基づいて、前記転動計算後に、前記多数要素の各々について前記路面モデルからの応力と接触部からの滑り量から摩耗エネルギを求めることにより、前記タイヤモデルにおける摩耗エネルギ分布の計算を実行する摩耗エネルギ分布計算手段と、
前記タイヤモデルで転動計算を行うときに計算誤差が小さくなるように、求める削り量Dnより十分に小さい予め定めた微小削り量Dを削ったときのタイヤモデルの変形計算、該タイヤモデルによる前記転動計算、及び該タイヤモデルにおける前記摩耗エネルギ分布の計算を実行し、前記微小削り量Dを削る前のタイヤモデルにおける摩耗エネルギ分布及び前記微小削り量Dを削ったときのタイヤモデルにおける摩耗エネルギ分布に基づいて、位置及び削り量Dnを求めかつ該位置で該削り量Dnを削ったときの前記タイヤモデルの変形計算を実行する変形計算手段と、
前記位置で削り量Dnを削ったときの変形計算後のタイヤモデルについて、前記転動計算手段及び前記摩耗エネルギ分布計算手段で計算をさせた後に前記変形計算手段で計算させることを所定回繰り返す指示制御を実行する制御手段と、
前記制御手段の実行結果を出力する出力手段と、
を備えたタイヤ摩耗のシミュレーション装置。 - コンピュータによって実行される、タイヤ摩耗のシミュレーションプログラムであって、
接地及び転動の少なくとも一方により変形を与えることが可能なように多数要素に分割して形成しかつパターン形状を有するタイヤモデルと、前記タイヤモデルの少なくとも一部に接触するための路面モデルと、前記タイヤモデルと前記路面モデルとの間の摩擦係数を含む走行条件と、を定めさせ、
前記走行条件に基づいて、前記タイヤモデルの一部を前記路面モデルに接触させて前記タイヤモデルを回転させる転動計算を実行させ、
前記走行条件に基づいて、前記転動計算後に、前記多数要素の各々について前記路面モデルからの応力と接触部からの滑り量から摩耗エネルギを求めることにより、前記タイヤモデルにおける摩耗エネルギ分布の計算を実行させ、
前記タイヤモデルで転動計算を行うときに計算誤差が小さくなるように、求める削り量Dnより十分に小さい予め定めた微小削り量Dを削ったときのタイヤモデルの変形計算、該タイヤモデルによる前記転動計算、及び該タイヤモデルにおける前記摩耗エネルギ分布の計算を実行し、前記微小削り量Dを削る前のタイヤモデルにおける摩耗エネルギ分布及び前記微小削り量Dを削ったときのタイヤモデルにおける摩耗エネルギ分布に基づいて、位置及び削り量Dnを求めかつ該位置で該削り量Dnを削ったときの前記タイヤモデルの変形計算を実行させ、
前記位置で削り量Dnを削ったときの変形計算後のタイヤモデルについて、前記転動計算を実行させかつ前記摩耗エネルギ分布計算をさせた後に前記変形計算を実行させることを所定回繰り返させ、
前記制御手段の実行結果を出力させる、
ことを特徴とするタイヤ摩耗のシミュレーションプログラム。 - コンピュータによって実行される、タイヤ摩耗のシミュレーションプログラムを記録した記録媒体であって、
接地及び転動の少なくとも一方により変形を与えることが可能なように多数要素に分割して形成しかつパターン形状を有するタイヤモデルと、前記タイヤモデルの少なくとも一部に接触するための路面モデルと、前記タイヤモデルと前記路面モデルとの間の摩擦係数を含む走行条件と、を定めさせ、
前記走行条件に基づいて、前記タイヤモデルの一部を前記路面モデルに接触させて前記タイヤモデルを回転させる転動計算を実行させ、
前記走行条件に基づいて、前記転動計算後に、前記多数要素の各々について前記路面モデルからの応力と接触部からの滑り量から摩耗エネルギを求めることにより、前記タイヤモデルにおける摩耗エネルギ分布の計算を実行させ、
前記タイヤモデルで転動計算を行うときに計算誤差が小さくなるように、求める削り量Dnより十分に小さい予め定めた微小削り量Dを削ったときのタイヤモデルの変形計算、該タイヤモデルによる前記転動計算、及び該タイヤモデルにおける前記摩耗エネルギ分布の計算を実行し、前記微小削り量Dを削る前のタイヤモデルにおける摩耗エネルギ分布及び前記微小削り量Dを削ったときのタイヤモデルにおける摩耗エネルギ分布に基づいて、位置及び削り量Dnを求めかつ該位置で該削り量Dnを削ったときの前記タイヤモデルの変形計算を実行させ、
前記位置で削り量Dnを削ったときの変形計算後のタイヤモデルについて、前記転動計算を実行させかつ前記摩耗エネルギ分布計算をさせた後に前記変形計算を実行させることを所定回繰り返させ、
前記制御手段の実行結果を出力させる、
ことを特徴とするタイヤ摩耗のシミュレーションプログラムを記録した記録媒体。
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