JP4755363B2 - ウォーム減速装置のバックラッシュ調整装置 - Google Patents

ウォーム減速装置のバックラッシュ調整装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電動パワーステアリング装置等に用いて好適なウォーム減速装置のバックラッシュ調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電動パワーステアリング装置等では、モータの回転を減速して使えるためのウォーム減速装置として、モータをハウジングに固定し、モータに接続されるウォームギヤ軸をハウジングに支持し、ウォームギヤ軸のウォームギヤに噛合うウォームホイールをハウジングに支持したものを用いている。ウォーム減速装置では、ウォームギヤとウォームホイールを噛合わせたときの歯面間の遊びであるバックラッシュを適度に調整する必要がある。即ち、バックラッシュが小さすぎると、噛合う歯面同士が競り合いを起こし、大きすぎると、急激なトルク変動時に歯面同士が衝接し、結果として打音や歯面の異常磨耗、円滑なトルク伝達を損なう。
【0003】
従来技術では、適正なバックラッシュを得るために、ウォームギヤ、ウォームホイール、ハウジングの軸受部等の加工精度を高精度化したり、選択嵌合管理しており、コスト高になっている。また、組立の初期にバックラッシュの適正を図っても、長期使用によるウォームギヤ、ウォームホイールの歯面磨耗を生じ、適正なバックラッシュを維持できなくなる。
【0004】
そこで従来、バックラッシュ調整装置として、特開平10-297505(従来技術1)では、ウォームギヤ軸を支持するハウジングと、ウォームホイールを支持するハウジングを互いに分割し、両ハウジングの取付間隔をシムの交換によって調整し、ウォームギヤとウォームホイールの歯面間のバックラッシュを調整するものがある。
【0005】
また、他の従来のバックラッシュ調整装置として、特開2000-43739(従来技術2)では、ウォームギヤ軸の軸受をハウジングに設けた円弧状の凹所に偏倚可能とし、ウォームギヤ軸をその偏倚方向へ付勢する付勢手段を設け、ウォームギヤとウォームホイールの歯面間のバックラッシュをなくすものがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術1では、バックラッシュの調整のために複数本のボルトを用いてハウジングを着脱し、シムを交換する必要があるだけでなく、適正なバックラッシュを得るために適正厚みのシムを選ぶ思考錯誤を必要とし、ハウジングの再取付時にハウジングの取付位置をX方向とY方向の両方向で位置調整する必要もあり、バックラッシュの調整の作業性が悪い。
【0007】
従来技術2では、ウォームギヤ軸の軸受をハウジングの円弧状の凹所に偏倚可能に支持しており、ウォームギヤ軸の支持剛性が低い。また、ウォームギヤ軸の軸受をハウジングの円弧状の凹所の範囲内で、しかも付勢手段の付勢方向の一方向にしか位置調整できず、バックラッシュの調整巾が狭い。
【0008】
本発明の課題は、ウォーム減速装置のバックラッシュ調整装置において、ウォームギヤ軸をハウジングに強固に支持し、バックラッシュを簡易かつ高精度に広い調整巾で調整することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、モータをハウジングに固定し、モータに接続されるウォームギヤ軸をハウジングに支持し、ウォームギヤ軸のウォームギヤに噛合うウォームホイールをハウジングに支持したウォーム減速装置のバックラッシュ調整装置において、ウォームギヤ軸の少なくともモータに接続される端部と反対側の一端部に自動調心軸受を装填し、該自動調心軸受の内輪をウォームギヤ軸の一端部の外周の全周に軸方向に相対移動可能となるように隙間嵌めし、該軸受の内輪とウォームギヤ軸に設けたつば状内輪係止部との間に予圧縮された弾性変形具を介装してウォームギヤ軸を軸方向に弾性支持してなり、該自動調心軸受の外輪の外周の全周を支持するようにハウジングに設けた軸受孔をウォームホイールの径方向平面内でウォームギヤ軸の中心軸に対して傾斜し、該自動調心軸受の外輪を軸受孔の軸方向に移動可能にする軸受位置調整手段を有するようにしたものである。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記軸受位置調整手段が、ハウジングの軸受孔に螺合するボルトからなり、該ボルトに自動調心軸受の外輪を内蔵したものである。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1の発明において更に、前記自動調心軸受の外輪をハウジングの軸受孔に軸方向へスライド可能に装填し、前記軸受位置調整手段がハウジングの軸受孔に螺合し、上記自動調心軸受の外輪を押動可能とするボルトからなるようにしたものである。
【0012】
【作用】
請求項1の発明によれば下記▲1▼〜▲3▼の作用がある。
▲1▼軸受位置調整手段により、ウォームギヤ軸の一端部を支持している自動調心軸受の外輪を、ハウジングに設けた傾斜状の軸受孔に沿って移動することにより、ウォームギヤ軸の中心軸を変位させ、ウォームギヤ軸とウォームホイールの軸間距離(取付間隔)を変化させ、ウォームギヤとウォームホイールの歯面間のバックラッシュを調整できる。
【0013】
▲2▼ウォームギヤ軸の自動調心軸受の外輪をハウジングの軸受孔に対し全周を支持することができ、ウォームギヤ軸をハウジングに強固に支持できる。
【0014】
▲3▼軸受位置調整手段により自動調心軸受の外輪をハウジングの軸受孔に沿って移動するだけで、バックラッシュを簡易かつ高精度に調整できるし、バックラッシュを広い調整巾で調整できる。
【0015】
請求項2の発明によれば下記▲4▼の作用がある。
▲4▼軸受位置調整手段に予め自動調心軸受を内蔵してカートリッジ化しておくことができ、組付性を向上できる。
【0016】
請求項3の発明によれば下記▲5▼の作用がある。
▲5▼自動調心軸受の外輪をハウジングの軸受孔に直に支持し、ウォームギヤ軸をハウジングにより強固に支持できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は電動パワーステアリング装置を一部破断して示す正面図、図2は図1のII−II線に沿う断面図、図3は図2のIII−III線に沿う断面図、図4は図3の要部拡大図、図5は電動パワーステアリング装置の変形例を示す断面図である。
【0018】
電動パワーステアリング装置10は、図1、図2に示す如く、不図示のブラケットにより車体フレーム等に固定されるアルミ合金製のギヤハウジング11(第1〜第3のギヤハウジング11A〜11C)を有する。そして、ステアリングホイールが結合されるステアリング軸12にトーションバー13を介してピニオン軸14を連結し、このピニオン軸14にピニオン15を設け、このピニオン15に噛合うラック16Aを備えたラック軸16を第1ギヤハウジング11Aに左右動可能に支持している。ステアリング軸12とピニオン軸14の間には、操舵トルク検出装置17を設けてある。尚、ステアリング軸12とピニオン軸14は軸受12A、14A、14Bを介してギヤハウジング11に支持される。
【0019】
操舵トルク検出装置17は、図2に示す如く、ステアリング軸12、ピニオン軸14に係合している円筒状のコア17Cを囲む2個の検出コイル17A、17Bを第3ギヤハウジング11Cに設けている。コア17Cは、ピニオン軸14のガイドピン17Dに係合する縦溝17Eを備えて軸方向にのみ移動可能とされるとともに、ステアリング軸12のスライダピン17Fに係合するスパイラル溝17Gを備える。これにより、ステアリングホイールに加えた操舵トルクがステアリング軸12に付与され、トーションバー13の弾性ねじり変形により、ステアリング軸12とピニオン軸14の間に回転方向の相対変位を生ずると、ステアリング軸12とピニオン軸14の回転方向の変位がコア17Cを軸方向に変位させるものとなり、このコア17Cの変位による検出コイル17A、17Bの周辺の磁気的変化に起因する検出コイル17A、17Bのインダクタンスが変化する。即ち、コア17Cがステアリング軸12側へ移動すると、コア17Cが近づく方の検出コイル17Aのインダクタンスが増加し、コア17Cが遠ざかる方の検出コイル17Bのインダクタンスが減少し、このインダクタンスの変化により操舵トルクを検出できる。
【0020】
第1ギヤハウジング11A内でラック軸16の一端を挟んでピニオン15と相対する部分に設けられているシリンダ部18には、図2に示す如く、ラックガイド19が内蔵され、ラックガイド19(ブッシュ19A)はシリンダ部18に被着されるキャップ20により背面支持されるばね21によりラック軸16の側に弾発され、ラック軸16のラック16Aをピニオン15に押し付けるとともに、ラック軸16の一端を摺動自在に支持する。尚、ラック軸16の他端側は軸受22により支持される。また、ラック軸16の中間部には連結ボルト22A、22Bにより左右のタイロッド23A、23Bが連結される。
【0021】
第2ギヤハウジング11Bには、図3に示す如く、電動モータ30のモータケース31が固定され、電動モータ30の回転軸32には接続体80を介してウォームギヤ軸33が結合され、ウォームギヤ軸33は玉軸受等の軸受91、92により第2ギヤハウジング11Bに両端支持されている。そして、ウォームギヤ軸33の中間部にウォームギヤ37を一体に備え、このウォームギヤ37に噛合うウォームホイール38をピニオン軸14の中間部に固定してある。電動モータ30の発生トルクは、ウォーム減速装置40を構成するウォームギヤ37とウォームホイール38の噛合い、ピニオン15とラック16Aの噛合いを介してラック軸16に操舵アシスト力となって付与され、運転者がステアリング軸12に付与する操舵力をアシストする。
【0022】
ここで、電動モータ30は、図3に示す如く、鉄等の磁性材料により形成される筒状のヨーク52と、ヨーク52の内周の周方向複数位置にマグネット収容区画53Bを形成する絶縁性樹脂材料により形成された筒状体53Aからなるマグネットホルダ53と、マグネットホルダ53のマグネット収容区画53Bに収容されて位置決め保持されるマグネット54と、マグネットホルダ53に位置決め保持されたマグネット54の内側に圧入される非磁性材料の極薄板により成形されたマグネットカバー55(不図示)とからなる固定子51を有する。
【0023】
また、電動モータ30は、固定子51の内側に挿入されて回転軸32に固定される回転子56を有する。回転子56は、回転軸32の外周に設けられるアマチュアコア57とコンミテータ58とからなる。
【0024】
また、電動モータ30は、回転子56のコンミテータ58に接触せしめられるブラシ61と、ブラシ61を位置決め保持するブラシホルダ62を有する。また、電動モータ30は、ブラシホルダ62に位置決め保持されたブラシ61にピグテールを介して接続される給電コネクタ63を有する。
【0025】
電動モータ30は、ブラシ61から回転子56のコンミテータ58を経てアマチュアコア57に給電されると、アマチュアコア57の磁力線が固定子51のマグネット54で発生している磁界を切ることにより、回転子56が回転する。
【0026】
尚、電動モータ30は、ヨーク52を一端開口他端閉塞の円筒体とし、このヨーク52をモータケース31としている。ヨーク52は、ハウジング11Bに固定される一端フランジ部52Aと他端閉塞部52Bを有する。
【0027】
次に、電動モータ30の回転軸32とウォームギヤ軸33のモータケース31、ハウジング11Bへの支持構造について説明する。
【0028】
(A)ウォームギヤ軸33の支持構造(図3、図4)
電動モータ30のウォームギヤ軸33は、図3、図4に示す如く、ウォーム減速装置40を構成するウォームギヤ37とウォームホイール38のバックラッシュを調整可能とするバックラッシュ調整装置41を介してハウジング11Bに支持される。
【0029】
即ち、ウォームギヤ軸33は、ウォームギヤ37の両側に装填した軸受91と軸受92によりハウジング11Bに両端支持される。
【0030】
ウォームギヤ軸33のモータ30に接続される端部に装填される軸受91は内輪91Aと外輪91Bと転走体91Cからなる深溝玉軸受等にて構成され、内輪91Aをウォームギヤ軸33に軸方向に相対移動可能となるように隙間嵌めし、外輪91Bをハウジング11Bの段差部93と、ハウジング11Bに係着されるストッパリング94の間に挟持してハウジング11Bに固定される。
【0031】
尚、ハウジング11Bにおいて、軸受91の外輪91Bを支持する軸受孔95は、ハウジング11Bに軸受71によって支持されるモータ30の回転軸32と一直線をなすウォームギヤ軸33の中心軸と同軸をなすように設けられる。軸受91は、後述する軸受92と同様の自動調心軸受を採用しても良い。
【0032】
ウォームギヤ軸33のモータ30に接続される端部と反対側の端部に装填される軸受92は内輪92Aと外輪92Bと転走体92Cからなる自動調心玉軸受(又は自動調心ころ軸受)等の自動調心軸受にて構成され、内輪92Aをウォームギヤ軸33の軸方向に相対移動可能となるように隙間嵌めし、外輪92Bをボルト42の収容孔43にストッパリング44で保持して内蔵する。このとき、ハウジング11Bはウォームホイール38の径方向平面(ウォームホイール38の中心軸に直交する平面)内でウォームギヤ軸33の中心軸に対して傾斜する軸受孔45を有するとともに、軸受92の外輪92Bを上述の如くに内蔵するボルト42を軸受孔45に螺合し、外輪92Bを軸受孔45の軸方向に移動可能とする軸受位置調整手段46をボルト42により構成する。軸受孔45の中心軸はハウジング11Bの内方に向けてウォームギヤ軸33の中心軸よりウォームホイール38に近づく側に傾斜せしめられている。これにより、軸受位置調整手段46たるボルト42の六角工具孔42Aを用いてボルト42をハウジング11Bの内方に押し込み方向に螺動すると、軸受92の外輪92Bは軸受孔45の軸方向の内方に移動し、軸受92とウォームギヤ軸33が相対移動することにより、ウォームギヤ軸33とウォームホイール38の軸間距離を狭め、ウォームギヤ37とウォームホイール38の歯面間のバックラッシュを小さくする。他方、ボルト42をハウジング11Bの外方に引き出し方向に螺動すると、軸受92の外輪92Bは軸受孔45の軸方向の外方に移動し、ウォームギヤ軸33とウォームホイール38の軸間距離を広め、ウォームギヤ37とウォームホイール38の歯面間のバックラッシュを大きくし、バックラッシュを双方向で調整できる。ボルト42の螺動位置は、ロックナット47によりロックされる。
【0033】
また、電動モータ30のウォームギヤ軸33は、図4に示す如く、ハウジング11Bに対し、軸方向の双方向に弾性支持され、電動パワーステアリング装置10の反転駆動時や、タイヤの縁石乗り上げ時等に、ウォームギヤ軸33に作用する過大推力を吸収可能とする。
【0034】
即ち、ウォームギヤ軸33は、軸受91に対するウォームギヤ37の側に設けたつば状内輪係止部96と該軸受91の内輪91Aの間に弾性変形具97を介装し、かつ軸受92に対するウォームギヤ37の側に設けたつば状内輪係止部98と該軸受92の内輪92Aの間に弾性変形具99を介装してある。弾性変形具97は、四角断面円環状のゴムからなる弾性体97Aと、弾性体97Aの両側面に焼付きにて結合した平板円板状座金97B、97Cとからなり、弾性変形具99は圧縮コイルばね99Aからなり、ウォームギヤ軸33への上述の装填状態下で、弾性体97A、ばね99Aに一定の予圧縮量(一定の衝撃緩和性能)を付与されて組込まれ、結果として、ウォームギヤ軸33を軸方向の双方向に弾性支持する。弾性変形具97の弾性体97Aはばねからなるもので良く、弾性変形具99のばね99Aはゴムからなるものでも良い。
【0035】
(B)回転軸32の支持構造(図3、図4)
電動モータ30の回転軸32は、図3、図4に示す如く、一端部をモータケース31(ヨーク52)の他端閉塞部52Bの中心部に設けた軸受71に支持し、他端部を不支持構造とした。
【0036】
具体的には、回転軸32の一端部は、内輪71Aと外輪71Bと転走体71Cからなるアンギュラ玉軸受等にて構成される軸受71によりモータケース31に支持される。そして、回転軸32の他端部は、前述した如く、ウォームギヤ軸33の一端部と接続体80を介して接続される。このとき、回転軸32の他端部に軸方向で離隔して設けた2つの嵌合軸部32A、32Aを接続体80の嵌合孔部81にガタなく相対滑り回転可能に結合(インロー結合)するとともに、ウォームギヤ軸33の一端部に設けた歯付嵌合軸部33Aを接続体80の歯付嵌合孔部82にガタなく相対回転不能に結合(JIS B 1603のインボリュートスプライン大径合わせ)し、回転軸32とウォームギヤ軸33を接続体80を介して同芯結合する。
【0037】
従って、電動モータ30の回転軸32とウォームギヤ軸33は互いに同芯結合され、結果として回転軸32のウォームギヤ軸33に接続される側の端部はモータケース31に対し軸受を介さない不支持構造とし、ウォームギヤ軸33の両端部を前述の軸受91、92を介してハウジング11Bに2点支持し、回転軸32の一端部だけを上述の軸受71によりモータケース31に1点支持するものとした。
【0038】
更に、接続体80の嵌合孔部81の内周と、電動モータ30の回転軸32の両嵌合軸部32A、32Aに挟まれて陥凹状をなす外周の間にトルクリミッタ83を介装した。トルクリミッタ83は、接続体80の上述の内周と回転軸32の上述の外周の間に圧入等されて径方向に弾発支持されるばね樹脂等の弾性リングからなり、電動パワーステアリング装置10の通常使用されるトルク(リミットトルクより小なるトルク)では、弾性リングの弾発力により接続体80と回転軸32を滑りなく結合し続け、他方、タイヤが操舵中に縁石に乗り上げる等により、ラック軸16のストロークが急停止せしめられたときの電動モータ30の慣性トルクがその弾性リングの弾発力を越える衝撃トルク(リミットトルク以上のトルク)に対しては、回転軸32を接続体80に対してスリップさせ、電動モータ30のトルクを接続体80の側に伝達させないように機能する。
【0039】
電動モータ30は、回転軸32を前述の軸受71で支持するに際し、回転軸32を内輪71Aに圧入し、外輪71Bをモータケース31に隙間嵌め(又は外輪71Bをモータケース31に圧入し、回転軸32を内輪71Aに隙間嵌め)しており、結果として、回転軸32の軸方向に生じ得るガタの発生を以下の如くにより防いでいる。即ち、接続体80の嵌合孔部81と歯付嵌合孔部82の間に設けた段差部80Aを回転軸32の端面に軸方向で衝合させる状態で、回転軸32を反ウォームギヤ軸33の方向に押圧する皿ばね(又はOリング)からなる環状弾性体85を接続体80の側傍に設けた。具体的には、弾性体85は、接続体80の端面と軸受91の内輪91A(又はウォームギヤ軸33のつば状段差部)の端面との間に介装される。
【0040】
本実施形態によれば、以下の作用がある。
▲1▼軸受位置調整手段46により、ウォームギヤ軸33の一端部を支持している自動調心軸受92の外輪92Bを、ハウジング11Bに設けた傾斜状の軸受孔45に沿って移動し、軸受92とウォームギヤ軸33が相対移動することにより、ウォームギヤ軸33の中心軸を該ウォームギヤ軸33の他端部の軸受91を支点として揺動させるように変位させ、ウォームギヤ軸33とウォームホイール38の軸間距離(取付間隔)を変化させ、ウォームギヤ37とウォームホイール38の歯面間のバックラッシュを調整できる。
【0041】
▲2▼ウォームギヤ軸33の自動調心軸受92の外輪92Bをハウジング11Bの軸受孔45に対し全周を均等に隙間なく支持することができ、ウォームギヤ軸33をハウジング11Bに強固に支持できる。
【0042】
▲3▼軸受位置調整手段46により自動調心軸受92の外輪92Bをハウジング11Bの軸受孔45に沿って移動するだけで、バックラッシュを簡易かつ高精度に調整できるし、自動調心軸受92の外輪92Bを一方向に移動することでウォームギヤ軸33とウォームホイール38の軸間距離を狭め、他方側に移動することでウォームギヤ軸33とウォームホイール38の軸間距離を広げることができ、バックラッシュを双方向に広い調整巾で調整できる。
【0043】
▲4▼軸受位置調整手段46が、ハウジング11Bの軸受孔45に螺合するボルト42からなり、ボルト42に自動調心軸受92の外輪92Bを内蔵した。従って、軸受位置調整手段46に予め自動調心軸受92を内蔵してカートリッジ化しておくことができ、組付性を向上できる。
【0044】
図5は、図3、図4のバックラッシュ調整装置41の変形例である。この変形例のバックラッシュ調整装置100は、自動調心軸受92の外輪92Bをハウジング11Bの前述した軸受孔45に相当する傾斜軸受孔101のスライド部101Aに軸方向へスライド可能に直に装填し、軸受位置調整手段102たるボルト103(六角工具孔103A)をハウジング11Bの軸受孔101のねじ部101Bに螺合し、ボルト103により自動調心軸受92の外輪92Bを軸受孔101の軸方向に移動可能としたものである。104はロックナットである。尚、自動調心軸受92の外輪92Bは、ウォームギヤ軸33に設けた弾性変形具99のばね99Aによりボルト103の端面に加圧される状態で、ボルト103のハウジング11Bの内方への押し込み螺動により軸受孔101の軸方向の内方へ移動してバックラッシュを小とし、かつボルト103のハウジング11Bの外方への引き出し螺動により軸受孔101の軸方向の外方ヘ移動してバックラッシュを大きくし、バックラッシュを双方向で調整できる。
【0045】
バックラッシュ調整装置100によれば、自動調心軸受92の外輪92Bをハウジング11Bの軸受孔101に直に支持し、ウォームギヤ軸33をハウジング11Bにより強固に支持できる。
【0046】
尚、本発明の実施の形態では、軸受92(軸受92は傾斜軸受孔45の軸方向に移動する)とウォームギヤ軸33が相対移動する場合を細述したが、軸受92(軸受92は傾斜軸受孔45の軸方向に移動する)とウォームギヤ軸33が相対移動しない場合は軸受91側を相対移動するように構成すれば良い。
【0047】
以上、本発明の実施の形態を図面により詳述したが、電動モータの回転軸とウォームギヤ軸の連結構造は一般的な自由カップリング構造でも良く、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0048】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、ウォーム減速装置のバックラッシュ調整装置において、ウォームギヤ軸をハウジングに強固に支持し、バックラッシュを簡易かつ高精度に広い調整巾で調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は電動パワーステアリング装置を一部破断して示す正面図である。
【図2】 図2は図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】 図3は図2のIII−III線に沿う断面図である。
【図4】 図4は図3の要部拡大図である。
【図5】 図5は電動パワーステアリング装置の変形例を示す断面図である。
【符号の説明】
11 ハウジング
30 電動モータ
32 回転軸
33 ウォームギヤ軸
37 ウォームギヤ
38 ウォームホイール
40 ウォーム減速装置
41、100 バックラッシュ調整装置
42、103 ボルト
45、101 軸受孔
46、102 軸受位置調整手段
92 自動調心軸受
92B 外輪
98 つば状内輪係止部
99 弾性変形具

Claims (3)

  1. モータをハウジングに固定し、モータに接続されるウォームギヤ軸をハウジングに支持し、ウォームギヤ軸のウォームギヤに噛合うウォームホイールをハウジングに支持したウォーム減速装置のバックラッシュ調整装置において、
    ウォームギヤ軸の少なくともモータに接続される端部と反対側の一端部に自動調心軸受を装填し、
    該自動調心軸受の内輪をウォームギヤ軸の一端部の外周の全周に軸方向に相対移動可能となるように隙間嵌めし、該軸受の内輪とウォームギヤ軸に設けたつば状内輪係止部との間に予圧縮された弾性変形具を介装してウォームギヤ軸を軸方向に弾性支持してなり、
    該自動調心軸受の外輪の外周の全周を支持するようにハウジングに設けた軸受孔をウォームホイールの径方向平面内でウォームギヤ軸の中心軸に対して傾斜し、該自動調心軸受の外輪を軸受孔の軸方向に移動可能にする軸受位置調整手段を有することを特徴とするウォーム減速装置のバックラッシュ調整装置。
  2. 前記軸受位置調整手段が、ハウジングの軸受孔に螺合するボルトからなり、該ボルトに自動調心軸受の外輪を内蔵した請求項1に記載のウォーム減速装置のバックラッシュ調整装置。
  3. 前記自動調心軸受の外輪をハウジングの軸受孔に軸方向へスライド可能に装填し、
    前記軸受位置調整手段がハウジングの軸受孔に螺合し、上記自動調心軸受の外輪を押動可能とするボルトからなる請求項1に記載のウォーム減速装置のバックラッシュ調整装置。
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