JP4747418B2 - 密封形転がり軸受 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車等の車両における冷凍サイクルのコンプレッサへの動力伝達と遮断とを行なう電磁クラッチや、そのベルト張力を均一に保つための中間プーリ等に使用される密封形転がり軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電磁クラッチや中間プーリ等に使用される密封形転がり軸受には、何れも片側に一枚ずつ計二枚の接触シール(密封板)300を配置して密封しており、シールリップ301が内輪シール溝202と接触する事で、水や泥の浸入を防いでいる。
また、近年より高い密封性の要求が強くなり、電磁クラッチや中間プーリ等に使用される密封形転がり軸受は、より密封性を向上させるため、図18に示すように、シール(密封板)300の外側に高密封性を確保するためにカバー(スリンガー)400を配置することがある(特開平11−101251)。このカバー400により密封板300と外輪100の少なくともいずれか一方との間にラビリンス500を形成し、外部からの水や泥等の浸入防止を向上させていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のこの種のカバー400は、内輪内径201の全面にわたって、左右のカバー400,400の固定部401,401を備えて配置されるものであるため、内径寸法精度を得る事は難しく、同時にラジアルすきまの管理も出来なくなってしまうという不具合があった。
【0004】
また、図19に示すように、内輪口元203にカバー400の固定部401を備えて配置する技術もある。
しかし、該技術によれば内径寸法精度を得ることはでき、上記従来技術の問題点は解消できるが、カバー固定部401の配置長さが十分に確保できないことから、位置決めが困難で、且つ取付けが容易でなく密封板300とのラビリンス500を一定にする事も困難であると共に、カバー400の分だけ軸方向に幅広となり使用範囲に大きな制約を受ける。
例えば、電磁クラッチ用軸受(複列アンギュラ玉軸受)の場合、現行の軸受サイズ内にカバー400を取付けると、その分だけ2列の玉間距離を小さくする必要が有り、これにより作用点間距離が小さくなり、負荷できるモーメント荷重が小さくなる。また、カバーの分だけ軸方向に幅広とすると、コンプレッサ全体の軸方向長さが長くなり、コストアップや、重量増加となる。
【0005】
本発明は、従来技術の有するこのような問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、密封板の外側にカバーを備えつつも、軸受精度を確保し得る密封形転がり軸受を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために本発明がなした技術的手段は、外輪と、内輪と、前記外輪と前記内輪との間に組み込んだ複数個の転動体と、前記外輪の内径に外径側を固定すると共に、内径側にリップ部を設けて接触シール部を形成する密封板と、軸方向に延びる固定片と該固定片から径方向に延びる円板状の密封片とからなり、該密封片が前記密封板の外側に配置されるカバーと、を備えた密封形転がり軸受であって、
前記固定片の一部は前記密封片側から離れるほど径が大きくなる傾斜面となると共に、その傾斜面の末端である遊端側は径方向内側に向けて屈曲されており、前記カバーは、前記固定片の傾斜面による弾性を利用して、前記外輪より軸方向外方に突出せず、且つ、前記内輪より径方向内側に突出しないように内輪の内周面に凹設された段差部に固定され、前記密封板には、軸方向に突出する副リップ部が設けられ、該副リップ部と、前記カバーの密封片の先端部との間にラビリンスを形成していることを特徴とする密封形転がり軸受としたことである。
【0007】
また、外輪と、内輪と、前記外輪と前記内輪との間に組み込んだ複数個の転動体と、前記外輪の内径に外径側を固定すると共に、内径側にリップ部を設けて接触シール部を形成する密封板と、軸方向に延びる固定片と該固定片から径方向に延びる円板状の密封片からなり、該密封片が前記密封板の外側に配置されるカバーと、を備えた密封形転がり軸受であって、
前記固定片の一部は前記密封片側から離れるほど径が大きくなる傾斜面となると共に、その傾斜面の末端である遊端側は径方向内側に向けて屈曲されており、前記カバーは、前記固定片の傾斜面による弾性を利用して、前記外輪より軸方向外方に突出せず、且つ、前記内輪より径方向内側に突出しないように内輪の内周面に凹設された段差部に固定され、前記密封板には、軸方向に突出する副リップ部が設けられ、該副リップ部が、前記カバーの密封片の先端部に接触することで、接触シールを形成していることを特徴とする密封形転がり軸受としたことである。
また、前記カバーの密封片の先端部は、軸方向内方に向けて折曲していることを特徴とする請求項1又は2に記載の密封形転がり軸受としたことである。
前述の密封形転がり軸受において、前記カバーの密封片の先端部は、軸方向内方に向けて折曲していることを特徴とする密封形転がり軸受としたことである。また、その前記密封板には、前記副リップ部と径方向に間隔をあけて、第二副リップ部を設け、前記カバーの密封片の先端部と、第二副リップ部との間及び、密封片の先端部と、密封板の前記副リップ部と第二副リップ部との間の領域との間でラビリンスを形成したことである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明転がり軸受の一実施形態を図に基づいて説明する。
図1は第一実施形態、図2は第二実施形態、図3は第三実施形態、図4は第四実施形態、図5は第五実施形態、図6は第六実施形態、図7は第七実施形態、図8は第八実施形態、図11は第九実施形態、図14は第十実施形態、図15は第十一実施形態、図16は第十二実施形態、図17は第十三実施形態を夫々示す。
なお、各実施形態は本発明の一実施形態を示したものにすぎず何等これに限定されず本発明の範囲内で適宜変更可能である。また、各実施形態では、転動体に玉をもって説明するが、ころを採用することを妨げるものではない。なお、潤滑剤・潤滑油を封入するものとしても良い。
【0009】
「第一実施形態」
本実施形態は、外輪1と、内輪2と、外輪1と内輪2との間に組み込んだ複数個の転動体(玉)16と、外輪1の内径1aに外径8側を固定すると共に、内輪2の外径2aに内径9側を接触して備えられる密封板(接触シール)7と、該密封板7の外側に配置されるカバー(防水カバー)4とで構成された密封形転がり軸受である。なお、本実施形態では単列のタイプについて説明するが、複列のタイプであっても本発明の範囲内である。
【0010】
内輪2は、外径2aに転動体16の軌道面2bを有すると共に、密封板内径9が接触するシール溝2c,2cを両側に有しており、内径2eの左右には段差部(溝)3,3を凹設している。
また、内輪2の軸方向幅は、両側に備えられる各カバー4,4の密封片6,6が、夫々外方に突出しないように、その密封片6,6幅を考慮して外輪1の軸方向幅よりも狭幅状に構成されている。
内輪2は、この段差部3を有する構造とした以外は、特に限定解釈されるものではなく、本発明の範囲内で適宜他の周知構造に変更可能である。
【0011】
段差部3は、本実施形態では、側面から所望な径方向深さをもって軸方向に所望な幅(深さ)で形成される周方向に連続する断面視略L字型の溝で、該段差部3の段差高さ範囲内でカバー4の固定片5を備える。
すなわち、本実施形態では、軸方向に所望長さの幅をもって周方向に連続する軸方向面3aと、径方向に所望深さをもって周方向に連続する径方向面3bとで構成される断面視略L字状に段差部3を形成する。
また、上記径方向面3bにテーパーを付けても良い。
【0012】
段差部3は、カバー4の固定片5形状によってもその断面視形状などを適宜変更可能であり限定解釈されるものではなく、また本実施形態では、周方向に連続する溝とするが、カバー4の固定片5が断続的に構成されている場合、当該段差部3も該固定片5形状に合わせて断続的な複数の溝から構成されるものとするのも本発明の範囲内である。
すなわち、段差部3の段差高さ範囲(径方向範囲)内からカバー4の固定片5が、内輪2の内径2e面に突出しない構造であれば本発明の範囲内である。
【0013】
段差部3は、軸受の強度低下を防ぐように、径方向深さ・軸方向幅を設定するのが好ましい。例えば本実施形態では、段差部3は、図1のようにrA<rBとする事で、内輪2の強度低下を防いでいる。
すなわち、上記条件を具備した上で内輪内径2eの左右に段差部3の軸方向面3aを最大限に長く採ることで、固定片設置長さを十分に設けることができ、位置決め精度を得ることができる。
このように内輪内径2eにカバー固定片5が収められる段差部3を上記条件の下に形成することで、軸受の大きさを変えることなく最小の空間で精度良くカバーが備えられる。
【0014】
外輪1は、内径1aに転動体16の軌道面1bを有すると共に、左右に配される密封板7,7の外径8,8を固定する固定溝1c,1cを有している周知構造のもので、特に限定されず本発明の範囲内で他の周知構造のものが選択適用可能である。
【0015】
カバー4は、内輪内径2eの段差部3に収納固定される固定片(外径円筒部)5と、該固定片5の端部から径方向に延びる密封片6とで断面視略L字状に構成されている。
本実施形態では、軸方向に真直ぐに延びる円環状の固定片5と、径方向に真直ぐに延びる円板状の密封片6とでその交差部を略直角状に構成した断面視略L字状に構成されている。また、本実施形態では、左右の密封板7,7の外側に夫々当該カバー4,4が夫々配置されている。
【0016】
固定片5は、上記内輪2の内径2eに設けた段差部3に、その外径5a面を当接せしめて嵌合固定されると共に、該段差部3の段差高さ範囲(径方向範囲)内から固定片5が内輪2の内径2e面に突出しない構造としている。
このようにカバー4が段差部3内に収まり、図に示すような引っ込んだ段差25が有るため、内径寸法公差の確保が可能である。
また、固定片5は、密封片6の内面6cが内輪2の側面2dに接するようにその軸方向長さを設定する。
【0017】
密封片6は、径方向に延びたその先端6bが、外輪内径1aに非接触状に位置して、該内径1aとの間で軸方向のラビリンス19を形成すると共に、該密封片6よりも内方に位置する密封板7との間で半径方向に長いラビリンス18を形成している。また、密封片6の外面6aは、外輪1の軸方向幅よりも外方に突出しないようにその幅を形成する。
密封片6の形状は特に本実施形態に限定解釈されるものではなく、外輪1と密封板7の少なくともいずれか一方との間でラビリンスを形成するものであれば本発明の範囲内である。
【0018】
また、固定片5の形状は本発明の範囲内で他の形状に変更可能で、例えば図9(a)、(b)、(c)に示すような形状とすることも可能である。
【0019】
図9(a)は、固定片5と密封片6との交差部を直角よりも僅かに鋭角となるように固定片5を密封片6の交差部から傾斜状に連絡し、該固定片5はその遊端側5cがR状に形成されて内輪2の段差部3内に収納されている。
すなわち、本実施形態によれば、固定片5は、遊端側5cのR状部分が挿入ガイドとなって内輪2の段差部3内へと固定片5が案内され、弾性を利用して段差部3に固定するものである。
従って、内輪2の段差部3も当該固定片5形状に合致するように、側面2dから連続する軸方向面3aが、軸方向内方に向けて径方向に傾斜状に構成されている。
【0020】
図9(b)は、固定片5と密封片6との交差部を直角よりも僅かに鋭角となるように固定片5を密封片6の交差部から傾斜状に連絡し、該固定片5が断面視略く字状に形成されて内輪2の段差部3内に収納されている。
すなわち、本実施形態によれば、固定片5は、遊端側5dの傾斜面が挿入ガイドとなって内輪2の段差部3内へと案内され、弾性を利用して段差部3に固定するものである。
従って、内輪2の段差部3も当該固定片形状に合致するように、側面2dから連続する軸方向面3aが、断面視略く字状に構成されている。
【0021】
図9(c)は、密封片6との交差部から直交状に固定片5を連絡すると共に、該固定片5の遊端側5eを径方向外方に向けて傾斜させた傾斜面を備え、内輪2の段差部3内に収納されている。
すなわち、本実施形態によれば、固定片5は、遊端側5eの傾斜面が挿入ガイドとなって内輪2の段差部3内へと案内され、弾性を利用して段差部3に固定するものである。
従って、内輪2の段差部3も当該固定片形状に合致するように、側面2dから連続する軸方向面3aの内方位置を、径方向外方に向けて傾斜状に構成し、傾斜面の嵌合部3cが形成されている。
【0022】
密封板7は、外径(固定部)8を外輪内径1aに固定すると共に、内径9を内輪2に接触してなる接触シールで、本発明の範囲内で適宜周知形態のシールが選択される。すなわち、接触シール部17を構成するリップ部9aの形状や、外径8の形状も任意である。
【0023】
また、本実施形態では、密封板外径8が外輪1にゴム等弾性力を利用して固定されている。密封板7を外輪1に圧入や加締め等で固定すると、軸受が高速で回転したときに、グリースの基油洩れが問題となる。特に、電磁クラッチ用軸受や中間プーリ軸受では、外輪回転のため、この問題は大きい。
本実施形態によれば、ゴム等部分が完全に外輪1と密封板7を密封するため、軸受が高速で回転したときのグリースの基油洩れを防ぐことが可能となる。
【0024】
本実施形態では、内径9を内輪外径2aに軸方向に接触させる接触シールをもって密封板7を説明するが、半径方向に接触させる接触シールであってもよく、また非接触シール若しくはシールドを採用することも妨げるものではなく、また特に図示しないが、芯金を有するシールであってもよい。
【0025】
また、本実施形態では、左右両側に密封板7を配するものとしているが、いずれか一方の場合も範囲内であり、このように左右いずれか一方にのみ密封板7を配置した場合には、その密封板7の外側にのみ上述したカバー4が配置される。
【0026】
本実施形態によれば、上述の通りの構成を有することで、密封板7のリップ部9aが、内輪2のシール溝2cに接触して接触シール部17を形成すると共に、該密封板7の外面10とカバー4の密封片内面6cとの間で長いラビリンス18を形成し、そして該カバー4の密封片先端6bは外輪内径1aとの間でラビリンス19を形成している。
従って、このような複数のシール部を有していることから高密封性が図れている。
そして、カバー4の固定片5は、内輪2の段差部3内に収められ、固定片5の内径5bは内輪内径2eから引っ込んだ状態であるため、内径寸法公差の確保が可能である。さらに、段差部3内に長尺状に固定片5を備えることが可能であるため、設置長さを十分に確保でき位置決め精度も得られる。
【0027】
また、内輪内径2eにカバー4の固定片5がくるため、密封板7とカバー4とのラビリンス18を一定に保つ事が出来、このラビリンスを生かす事で、耐水性を向上させる事が出来る。
軸受精度においては、rA<rBの条件下において段差部3を形成することとして軸受内径面を十分に確保しているため、内径寸法及びラジアル内部すきまを高精度に管理する事が出来る。
【0028】
「第二実施形態」
本実施形態は、図1に示す密封板構造の外面10に、軸方向に突出する副リップ部11を周方向に連続形成し、該副リップ部11内径とカバー4の密封片先端6bとの間で軸方向のラビリンス20を形成している(図2)。
その他の構成及び作用効果は上述の図1に示した第一実施形態と同一であるため同一箇所に同一符号を付してその説明を省略する。
これにより外部からの水や泥等の浸入が大幅に防止することができ、高密封性が図れる。
【0029】
「第三実施形態」
本実施形態は、図1に示す密封板構造の外面10が、断面視凹凸状となるように周方向に連続する凹部12と凸部13を同心円状に構成し、一方、カバー4の密封片6は、その対向する内面6cが、断面視凹凸状となるように周方向に連続する凹部6dと凸部6eを同心円状に構成している(図3)。
その他の構成及び作用効果は上述の図1に示した第一実施形態と同一であるため同一箇所に同一符号を付してその説明を省略する。
これにより、密封板7とカバー4との間には蛇行状の長いラビリンス21が半径方向に形成され、外部からの水や泥等の浸入が大幅に防止することができ、高密封性が図れる。
【0030】
「第四実施形態」
本実施形態は、図1に示す密封板構造の外面10に、周方向に連続して突出する第一副リップ部14と第二副リップ部15とを径方向に間隔をあけて形成し、一方、カバー4の密封片6は、その密封片先端6bを軸方向内方に向けて折曲形成している(図4)。
そして、上記第一副リップ部14を先端外径6fに接触させて接触シール部22を構成すると共に、該先端外径6fと密封板外面10との間および先端内径6gと第二副リップ部15との間でラビリンス23,24を形成している。
その他の構成及び作用効果は上述の図1に示した第一実施形態と同一であるため同一箇所に同一符号を付してその説明を省略する。
これにより外部からの水や泥等の浸入が大幅に防止することができ、高密封性が図れる。
【0031】
「第五実施形態」
本実施形態は、第二実施形態の密封板構造とカバー構造に相違点を有する。
その他の構成及び作用効果は上述の図1・図2に示した第一・第二実施形態と同一であるため同一箇所に同一符号を付してその説明を省略する。なお、図中、35は冠形保持器を示す。
【0032】
密封板7は、断面視略L字形の円環状芯金26をゴム若しくは合成樹脂材29で被覆してなる構造とした。
芯金26は、本実施形態では、軸方向の短い円筒部27と、半径方向の長い円環平面部28とで構成され、該軸方向の短い円筒部27が軸受平面側(外側)で、半径方向の長い円環平面部28が軸受内部側(内側)に位置せしめるようにして構成されている。
【0033】
すなわち、従来の芯金は軸方向の短い円筒部27の遊端27aを軸受内部側に向けているため、外輪1の固定溝1cの軸方向深さが深くなり、精度の良い溝加工が困難である。本実施形態のように、軸方向の短い円筒部27が軸受平面側(外側)で、半径方向の長い円環平面部28が軸受内部側(内側)に位置する構成(軸方向の短い円筒部27の遊端27aを外側に向けている構成)とすれば、外輪1の固定溝1cの軸方向深さが浅くなり、精度の良い溝加工ができる。また軸方向の短い円筒部27は、カバー4とのラビリンス機能も兼ねるため、軸方向の設計寸法を小さくすることが可能となる。
【0034】
密封板7は、軸方向に突出する副リップ部11を、外面10の周方向に連続形成し、該副リップ部11内径とカバー4の密封片先端6bとの間で軸方向のラビリンス20を形成している。該副リップ部11内には、上記芯金26における軸方向の短い円筒部27が内装されている。
密封板7は、外径8が外輪固定溝1cにゴム弾性力を利用して固定され、内径9側のリップ部9aが内輪シール溝2cと軸方向に摺接している。
【0035】
カバー4は、第二実施形態と密封片6の形状において相違する。すなわち、固定片5から半径方向に垂直状に延びた後、中途部から軸受内部側(内側)に折曲して傾斜面6hを形成し、その後傾斜面6h端部から半径方向に垂直状に延びている構成とした。
従って、このカバー4の傾斜面6hの傾斜に合わせた傾斜面10aを密封板外面10にも有しており、カバー4の密封片内面6cと密封板7の外面10との間で半径方向に長いラビリンス47が形成されている。
このカバー4の傾斜面6hおよび密封板7の傾斜面10aの傾斜角度・長さなどは特に限定解釈されず本発明の範囲内で適宜変更可能である。
これにより外部からの水や泥等の浸入が大幅に防止することができ、高密封性が図れる。
【0036】
「第六実施形態」
本実施形態は、第二実施形態の密封板構造に相違点を有する。
その他の構成及び作用効果は上述の図1・図2に示した第一・第二実施形態および図5に示した第五実施形態と同一であるため同一箇所に同一符号を付してその説明を省略する。
【0037】
密封板7は、軸方向に突出する副リップ部11からリップ部9aまでの外面10に、ゴム・合成樹脂材からなる凹凸部30を形成してカバー4の密封片内面6cとの間で半径方向に長いラビリンス48を形成している。
凹凸部30は、周方向に連続形成若しくは断続形成されている凹部30aと凸部30bが夫々交互に配されている。この凹凸部30の形状・配設数などは特に限定解釈されず、本発明の範囲内で適宜変更可能である。
これにより外部からの水や泥等の浸入が大幅に防止することができ、高密封性が図れる。
【0038】
「第七実施形態」
本実施形態は、第二実施形態の密封板構造とカバー構造に相違点を有する。
その他の構成及び作用効果は上述の図1・図2に示した第一・第二実施形態と同一であるため同一箇所に同一符号を付してその説明を省略する。また、密封板7に芯金26を有している点は図5に示す第五実施形態と同一でその説明は省略する。
【0039】
カバー4は、密封板7と対向する密封片内面6cが、断面視凹凸状となるように周方向に連続する凹部6dと凸部6eを同心円状に構成して、波板状に形成している(第三実施形態と同様の構成)。
密封板7は、芯金26の半径方向の長い円環平面部28外面に、カバー4の密封片内面6cと非接触状に凸部28bを周設すると共に、該円環平面部28の遊端28a側から、ゴム・合成樹脂材をもって外方に向けて傾斜状にカバー4の密封片内面6cと非接触状の第二副リップ部31を形成して、密封板7の外面10に凹凸面を形成している。
【0040】
また、カバー4の密封片先端6b上に位置して、該先端6bとの間で軸方向のラビリンス20を形成している副リップ部11は、第六実施形態よりもゴム・合成樹脂材部分29を軸方向に長尺状に延ばしている。
従って、密封板7とカバー4との間には半径方向に蛇行状の長いラビリンス21が形成され、上記軸方向のラビリンス20と共に外部からの水や泥等の浸入が大幅に防止することができ、高密封性が図れる。
これにより外部からの水や泥等の浸入が大幅に防止することができ、高密封性が図れる。
【0041】
「第八実施形態」
本実施形態は、部分的に相違する点はあるものの図4に示す第四実施形態と略同一構造で、密封板7が芯金26を有している形態である。
第一副リップ部11内には、芯金26の軸方向の短い円筒部27が内装されている。
その他の構成及び作用効果は上述の図1・図2に示した第一・第二実施形態および図4に示した第四実施形態と同一であるため同一箇所に同一符号を付してその説明を省略する。また、密封板7に芯金26を有している点は第五実施形態と同一でその説明は省略する。
【0042】
また、上述の第二乃至第八実施形態に、図9(a)乃至(c)に示す固定片5および内輪内径2eの段差部3構造を採用することは本発明の範囲内で適宜選択可能である。
【0043】
「第九実施形態」
本実施形態は、外輪32と、内輪33と、外輪32と内輪33との間に組み込まれる2列の転動体(玉)16…,16…と、該転動体16を保持する保持器35と、外輪32の内径32aに外径41側を固定した密封板(接触シール)39と、内輪33の外径33a上に備えて密封板39の外側に配置されるカバー36とで構成された複列アンギュラ玉軸受である。なお、本実施形態では、複列のタイプについて説明するが、単列のタイプであっても本発明の範囲内である。
【0044】
外輪32は、内径32aに2列の軌道面32b,32bを有すると共に、左右に配される密封板39,39の外径41,41を固定する固定溝32c,32cを有している。
内輪33は、外径33aに2列の軌道面33b,33bを有すると共に、カバー36の固定片37の内径37aを固定する段差部(溝)34,34を両側に凹設している。
【0045】
段差部34は、本実施形態では、側面から所望な径方向深さをもって軸方向に所望な幅(深さ)で形成される周方向に連続する断面視略L字型の溝で、該段差部34の段差高さ範囲内でカバー36の固定片37を備える。
すなわち、本実施形態では、軸方向に所望長さの幅をもって周方向に連続する軸方向面34aと、径方向に所望深さをもって周方向に連続する径方向面34bとで構成される断面視略L字状に段差部34を形成する。
【0046】
段差部34は、カバー36の固定片37形状によってもその断面視形状などを適宜変更可能であり限定解釈されるものではなく、また本実施形態では、周方向に連続する溝とするが、カバー36の固定片37が断続的に構成されている場合、当該段差部34も固定片37形状に合わせて断続的な複数の溝から構成されるものとするのも本発明の範囲内である。
すなわち、段差部34の段差高さ範囲(径方向範囲)内からカバー36の固定片37が、突出しない構造であれば本発明の範囲内である。
【0047】
本実施形態では、玉16の中心から軸受平面までの距離L1が、玉径Daの1.0〜1.4倍となるように構成されている。
すなわち、従来の軸受サイズでは、カバーの分だけ軸方向に幅広となり使用範囲に大きな制約を受けることがある。
例えば、電磁クラッチ用軸受(複列アンギュラ玉軸受)の場合、現行の軸受サイズ内にカバーを取付ける(玉中心から軸受平面までの距離が玉径の1.0倍より小さい場合)と、その分だけ2列の玉間距離を小さくする必要が有り、これにより作用点間距離が小さくなり、負荷できるモーメント荷重が小さくなる。また、カバーの分だけ軸方向に幅広とすると、コンプレッサ全体の軸方向長さが長くなり、コストアップや、重量増加となる。
本実施形態によれば、従来の軸受幅内にカバー36を取付けることができ、かつ密封性を大幅に向上できる。
【0048】
カバー36は、内輪33の段差部34に収納固定される固定片(内径円筒部)37と、該固定片37の端部から径方向に延びる密封片38とで断面視略L字状に構成されている。
【0049】
固定片37は、上記内輪33の外径33aに設けた段差部34に、その内径37aを当接せしめて嵌合固定される。
【0050】
密封片38は、径方向に延びたその先端38bが、密封板39の副リップ部44に非接触状に位置している。また、密封片38の外面38aは、外輪32の軸方向幅よりも外方に突出しないようにその幅を形成する。
密封片38の形状は、本実施形態では、第五実施形態の場合と同様の形状である。
【0051】
密封板39は、断面視略L字形の円環状芯金26をゴム若しくは合成樹脂材29で被覆してなる構造とした。
芯金26の構成および作用効果は第五実施形態にて説明した通りである。
【0052】
密封板39は、軸方向に突出する副リップ部44を、外面40の周方向に連続形成し、該副リップ部44内径とカバー36の密封片先端38bとの間で軸方向のラビリンス20を形成すると共に、密封板外面40とカバー36の密封片内面38cとの間で、半径方向の長いラビリンス49を形成している。
該副リップ部44内には、上記芯金26における軸方向の短い円筒部27が内装されている。
密封板39は、外径41が外輪固定溝32cにゴム弾性力を利用して固定され、内径42側のリップ部43がカバー36の固定片外径37bと半径方向に摺接している。
【0053】
なお、密封板39の形状およびカバー密封片38の形状は、特に限定解釈されるものではなく、密封板39とカバー密封片38とによって軸方向のラビリンスと半径方向のラビリンスを形成するものであれば全て本発明の範囲内であり、上述した各実施形態に示す形態を適用することも可能である。
【0054】
また、本実施形態では、密封板外径41が外輪32にゴム等弾性力を利用して固定されている。密封板39を外輪32に圧入や加締め等で固定すると、軸受が高速で回転したときに、グリースの基油洩れが問題となる。特に、電磁クラッチ用軸受や中間プーリ軸受では、外輪回転のため、この問題は大きい。
本実施形態によれば、ゴム等部分29が完全に外輪32と密封板39を密封するため、軸受が高速で回転したときのグリースの基油洩れを防ぐことが可能となる。
【0055】
また、本実施形態では、左右両側に密封板39を配するものとしているが、いずれか一方の場合も範囲内であり、このように左右いずれか一方にのみ密封板39を配置した場合には、その密封板39の外側にのみ上述したカバー36が配置される。
【0056】
本実施形態によれば、上述の通りの構成を有することで、密封板39のリップ部43が、カバー36の固定片外径37bに接触して接触シール部45を形成し、かつ副リップ部44内径とカバー36の密封片先端38bとの間で軸方向のラビリンス20を形成すると共に、該密封板39の外面40とカバー36の密封片内面38cとの間で半径方向に長いラビリンス49を形成している。
従って、このような複数のシール部を有していることから高密封性が図れている。
【0057】
また、固定片37は、内輪外径33aの段差部34に圧着又は接着剤により固定され、その平面部(遊端)37cは、内輪33の段差部端面(径方向面)34bと非接触としている。
固定片37の平面部(遊端)37cを、内輪33の段差部端面34bに接触させると、軸方向の取付精度が良くならず、密封性が低下する。本実施形態によれば、軸方向の取付精度が良く、密封性の低下を防ぐことが可能となる。また、圧入時にはカバー36の押し過ぎによる変形も防止できる。
【0058】
カバー36の固定片37の軸方向幅L2は、玉径Daの0.3〜0.6倍としている。
固定片(内径円筒部)37の軸方向幅L2が、玉径Daの0.3倍よりも小さいと、カバー36を精度良く内輪外径33aに固定できず、また、0.6倍よりも大きいと、軸方向スペースが大きくなってしまう。
本実施形態によれば、カバー36を精度良く内輪外径33aに固定し、かつ軸方向スペースを最小にすることが可能となる。これにより、従来の軸受幅内にカバー36を取付けることができ、密封性を大幅に向上でき、外部からの水や泥等の浸入が大幅に防止することができ、高密封性が図れる。
【0059】
また、密封板39のリップ部43が軸方向接触タイプの場合、その構成上軸受の軸方向寸法が大きくなることもあり得るが、本実施形態では、リップ部43が半径方向軽接触タイプとしたため、軸方向寸法を最小限に抑えることができる。これにより、従来の軸受の幅内にカバー36を取付けることができ、かつ密封性を向上できる。
【0060】
また、図13は、芯金26の軸方向に短い円筒部27の遊端27aが軸受内側に向いている実施形態で、軸方向のラビリンス20を形成するために、ゴム・合成樹脂材にて副リップ部46を軸方向に突設している。その他の構成・作用効果は上述の通りである。
【0061】
「第十実施形態」
本実施形態では、上述の第九実施形態と略同一構成であるが、相違する特有の構成として、冠形保持器35の底厚L3が玉径Daの0.1〜0.20倍とした。
その他の構成及び作用効果は上述の図11に示した第九実施形態と同一であるため同一箇所に同一符号を付してその説明を省略する。
保持器底厚L3が、玉径Daの0.20倍より大きいと(従来軸受では一般に0.25倍程度を使用)、従来の軸受幅内にカバー36を取付けることができない。
本実施形態によれば、軸受の軸方向寸法をできる限り小さくでき、これによれば従来の軸受幅内にカバー36を取付けることができ、密封性を大幅に向上できる。
【0062】
また、他の特有な構成として、保持器35の材料は、ナイロン66又はナイロン46で、ガラス繊維が20〜35%含有されているものとした。
従来保持器材料には、ナイロン66にガラス繊維10%含有が一般的であるが、軸方向寸法を小さくすると、高速回転時に遠心力で保持器が開き、外輪と接触し短寿命となる問題がある。
本実施形態によれば、材料の機械的強度を向上させ、軸方向寸法が小さくても、高速回転時に遠心力で保持器35が開き、外輪32と接触し短寿命となる問題を防ぐことができる。
【0063】
また、他の特有な構成として、保持器35の幅L4は、玉径Daの0.40〜0.50倍とした。
保持器幅L4が玉径Daの0.40倍より小さいと、機械的強度が大幅に低下し、高速回転時に遠心力で保持器が開き、外輪と接触して短寿命となる。また、0.50倍より大きいと、外輪内径や内輪外径と接触する可能性が高く耐久性が劣る。本実施形態によれば、軸方向寸法が小さくても最適な機械的強度を得ることができ、かつ外輪内径32aや内輪外径33aとの接触を防ぐことが可能となる。
【0064】
さらに、他の特有な構成として、保持器底面35aの平面部35bの寸法L5は、玉径Daの0.25倍以下とした。保持器底面35aの平面部35bが、玉径Daの0.25倍より大きいとき、保持器35と密封板39との軸方向すきまが小さいと、保持器35が密封板39と接触し、高速回転時に不具合を発生する。このため軸方向すきまを小さくすることができない。
本実施形態によれば、保持器35が密封板39と接触しても、接触抵抗が小さいため、高速回転時に不具合を発生することが無い。
【0065】
従って、上述した本実施形態の各構成の一つを採用すれば、従来の軸受幅内にカバー36を取付けることができ、かつ密封性を大幅に向上できる。
【0066】
「第十一実施形態」
本実施形態は、図11に示す第九実施形態と略同一構成であるが、密封板およびカバーの形状が相違する。
すなわち、本実施形態では、密封板39の外面に軸方向外方に傾斜(図面上で下り傾斜)するゴム・合成樹脂材からなる第二副リップ部50を備え、該第二副リップ部50がカバー36の密封片内面38cに接触すると共に、カバー36の密封片内面38cに軸方向内方に傾斜(図面上で昇り傾斜)する突片51を備え、該突片51が密封板39の外面40に接触し、リップ部43がカバー36の固定片外径37bと非接触状態とした。なお、本実施形態では、第二副リップ52が軸方向内方で、突片53が軸方向外方に位置しているが、第二副リップ52が軸方向外方で、突片53が軸方向内方に位置する構成とすることも可能である。
【0067】
「第十二実施形態」
本実施形態は、第十一実施形態と同様に第二副リップ部50がカバー36の密封片内面38cに接触し、リップ部43がカバー固定片外径37bと半径方向に接触する構成とした。
本実施形態の他の構成および作用効果は、第九実施形態と同一である。
【0068】
「第十三実施形態」
本実施形態は、図11に示した第九実施形態と略同一構成であるが、第九実施形態が、内輪外径33aに段差部34を設けて、該段差部34にカバー36の固定片内径37aを固定したのに対し、本実施形態では内輪外径33aに段差部34を設けること無く、内輪外径33aがストレートで固定片内径37aを直接内輪外面33aに固定する実施形態を示す。
本実施形態の他の構成および作用効果は、第九実施形態と同一である。
【0069】
上述した第九実施形態の特有の構成である、「玉16の中心から軸受平面までの距離L1が、玉径Daの1.0〜1.4倍とする」構成にあっては、第一実施形態乃至第八実施形態および第十実施形態乃至第十三実施形態に採用することも勿論可能で、本発明の範囲内である。
また、第十実施形態の構成を、第一実施形態乃至第九実施形態および第十一実施形態乃至第十三形態に採用することも勿論可能で、本発明の範囲内である。
【0070】
「耐水性能比較試験」
実際に、図1に示す第一実施形態の密封形転がり軸受(カバー付軸受)とカバー無し軸受の耐水性能を比較するため、下記試験条件の下に両軸受を回転水没させ、水浸入量の変化を測定した。その測定結果を図10に示す。
「試験条件」
回転数:2000[min−1
荷重:400[N]
軸受水没深さ:10[cm]
図10の測定結果により、軸受にカバーを備える事で耐水性が大幅に向上する事が分かる。
【0071】
【発明の効果】
本発明は、上述の通りの構成としたため、密封板の外側にカバーを備えつつも、軸受精度を確保し得る密封形転がり軸受を提供できる。
すなわち、請求項1の本発明によれば、カバーの固定片を、軸受内径に、該内径から径方向に突出することなく備え、且つ設置長さを十分に設けている事から位置決め精度を得る事が出来、軸受内径面も確保している事から、内径寸法及びラジアル寸法を管理する事が出来る。
そして、カバーの形状が簡素な事から軸受への組込み性も良くなる。
請求項2の本発明によれば、軸受の大きさを変える事なく、最小の空間で精度良く簡単に密封板の外側にカバーを備える事が出来る。例えば、複列アンギュラ玉軸受において、2列の玉間隔を小さくすることなく、軸受精度を確保しつつカバーを備えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明転がり軸受の一実施形態を一部省略して示す縦断面図。
【図2】第二実施形態を一部省略して示す縦断面図。
【図3】第三実施形態を一部省略して示す縦断面図。
【図4】第四実施形態を一部省略して示す縦断面図。
【図5】第五実施形態を一部省略して示す縦断面図。
【図6】第六実施形態を一部省略して示す縦断面図。
【図7】第七実施形態を一部省略して示す縦断面図。
【図8】第八実施形態を一部省略して示す縦断面図。
【図9】固定片の他の形態を示す縦断面図。
【図10】本発明のための効果確認試験結果を示す図。
【図11】第九実施形態を一部省略して示す縦断面図。
【図12】第九実施形態の一部を拡大して示す縦断面図。
【図13】第九実施形態の他の形態を示す縦断面図。
【図14】第十実施形態を一部省略して示す縦断面図。
【図15】第十一実施形態を一部省略して示す縦断面図。
【図16】第十二実施形態を一部省略して示す縦断面図。
【図17】第十三実施形態を一部省略して示す縦断面図。
【図18】従来技術の縦断面図。
【図19】他の従来技術の縦断面図。
【符号の説明】
1,32:外輪 2,33:内輪
3,34:段差部 4,36:カバー(防水カバー)
5,37:固定片 6,38:密封片
7,39:密封板 16:転動体
L1:玉中心から軸受平面までの距離
L2:固定片軸方向幅
L3:保持器底厚
L4:保持器幅
L5:保持器底面の平面部寸法

Claims (4)

  1. 外輪と、内輪と、前記外輪と前記内輪との間に組み込んだ複数個の転動体と、前記外輪の内径に外径側を固定すると共に、内径側にリップ部を設けて接触シール部を形成する密封板と、軸方向に延びる固定片と該固定片から径方向に延びる円板状の密封片とからなり、該密封片が前記密封板の外側に配置されるカバーと、を備えた密封形転がり軸受であって、
    前記固定片の一部は前記密封片側から離れるほど径が大きくなる傾斜面となると共に、その傾斜面の末端である遊端側は径方向内側に向けて屈曲されており、前記カバーは、前記固定片の傾斜面による弾性を利用して、前記外輪より軸方向外方に突出せず、且つ、前記内輪より径方向内側に突出しないように内輪の内周面に凹設された段差部に固定され、前記密封板には、軸方向に突出する副リップ部が設けられ、該副リップ部と、前記カバーの密封片の先端部との間にラビリンスを形成していることを特徴とする密封形転がり軸受。
  2. 外輪と、内輪と、前記外輪と前記内輪との間に組み込んだ複数個の転動体と、前記外輪の内径に外径側を固定すると共に、内径側にリップ部を設けて接触シール部を形成する密封板と、軸方向に延びる固定片と該固定片から径方向に延びる円板状の密封片からなり、該密封片が前記密封板の外側に配置されるカバーと、を備えた密封形転がり軸受であって、
    前記固定片の一部は前記密封片側から離れるほど径が大きくなる傾斜面となると共に、その傾斜面の末端である遊端側は径方向内側に向けて屈曲されており、前記カバーは、前記固定片の傾斜面による弾性を利用して、前記外輪より軸方向外方に突出せず、且つ、前記内輪より径方向内側に突出しないように内輪の内周面に凹設された段差部に固定され、前記密封板には、軸方向に突出する副リップ部が設けられ、該副リップ部が、前記カバーの密封片の先端部に接触することで、接触シールを形成していることを特徴とする密封形転がり軸受。
  3. 前記カバーの密封片の先端部は、軸方向内方に向けて折曲していることを特徴とする請求項1又は2に記載の密封形転がり軸受。
  4. 前記密封板には、前記副リップ部と径方向に間隔をあけて、第二副リップ部を設け、
    前記カバーの密封片の先端部と、第二副リップ部との間及び、密封片の先端部と、密封板の前記副リップ部と第二副リップ部との間の領域との間でラビリンスを形成していることを特徴とする請求項3に記載の密封形転がり軸受。
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