JP2002213465A - 密封形転がり軸受 - Google Patents
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Abstract
を確保し得る密封形転がり軸受を提供することである。 【解決手段】内輪2の内径に段差部3を形成し、該段差
部3にカバー4の固定片5を収めて、該カバー4の密封
片6を、密封板7の外方および外輪内径1aとの間にラ
ビリンス18,19を形成して並設する。これにより、
カバー固定片5の設置長さを十分に確保しつつ、内径寸
法公差を確保できる。
Description
車両における冷凍サイクルのコンプレッサへの動力伝達
と遮断とを行なう電磁クラッチや、そのベルト張力を均
一に保つための中間プーリ等に使用される密封形転がり
軸受に関する。
用される密封形転がり軸受には、何れも片側に一枚ずつ
計二枚の接触シール(密封板)300を配置して密封し
ており、シールリップ301が内輪シール溝202と接
触する事で、水や泥の浸入を防いでいる。また、近年よ
り高い密封性の要求が強くなり、電磁クラッチや中間プ
ーリ等に使用される密封形転がり軸受は、より密封性を
向上させるため、図18に示すように、シール(密封
板)300の外側に高密封性を確保するためにカバー
(スリンガー)400を配置することがある(特開平1
1−101251)。このカバー400により密封板3
00と外輪100の少なくともいずれか一方との間にラ
ビリンス500を形成し、外部からの水や泥等の浸入防
止を向上させていた。
のカバー400は、内輪内径201の全面にわたって、
左右のカバー400,400の固定部401,401を
備えて配置されるものであるため、内径寸法精度を得る
事は難しく、同時にラジアルすきまの管理も出来なくな
ってしまうという不具合があった。
3にカバー400の固定部401を備えて配置する技術
もある。しかし、該技術によれば内径寸法精度を得るこ
とはでき、上記従来技術の問題点は解消できるが、カバ
ー固定部401の配置長さが十分に確保できないことか
ら、位置決めが困難で、且つ取付けが容易でなく密封板
300とのラビリンス500を一定にする事も困難であ
ると共に、カバー400の分だけ軸方向に幅広となり使
用範囲に大きな制約を受ける。例えば、電磁クラッチ用
軸受(複列アンギュラ玉軸受)の場合、現行の軸受サイ
ズ内にカバー400を取付けると、その分だけ2列の玉
間距離を小さくする必要が有り、これにより作用点間距
離が小さくなり、負荷できるモーメント荷重が小さくな
る。また、カバーの分だけ軸方向に幅広とすると、コン
プレッサ全体の軸方向長さが長くなり、コストアップ
や、重量増加となる。
題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところ
は、密封板の外側にカバーを備えつつも、軸受精度を確
保し得る密封形転がり軸受を提供することである。
に本発明がなした技術的手段は、外輪と、内輪と、外輪
と内輪の間に組み込まれる転動体と、該外輪と内輪との
間に装着される密封板を備え、該密封板の外側にカバー
を配置して外輪と密封板の少なくともいずれか一方との
間にラビリンスを形成する転がり軸受であって、内輪内
径に側面から連続する段差部を凹設し、該段差部の段差
高さ範囲内でカバーの固定片を備えたことである。
組み込まれる転動体と、該外輪と内輪との間に装着され
る密封板を備え、該密封板の外側にカバーを配置して外
輪と密封板の少なくともいずれか一方との間にラビリン
スを形成する転がり軸受であって、転動体の中心から軸
受平面までの距離が、転動体径の1.0〜1.4倍とし
たことである。
形態を図に基づいて説明する。図1は第一実施形態、図
2は第二実施形態、図3は第三実施形態、図4は第四実
施形態、図5は第五実施形態、図6は第六実施形態、図
7は第七実施形態、図8は第八実施形態、図11は第九
実施形態、図14は第十実施形態、図15は第十一実施
形態、図16は第十二実施形態、図17は第十三実施形
態を夫々示す。なお、各実施形態は本発明の一実施形態
を示したものにすぎず何等これに限定されず本発明の範
囲内で適宜変更可能である。また、各実施形態では、転
動体に玉をもって説明するが、ころを採用することを妨
げるものではない。なお、潤滑剤・潤滑油を封入するも
のとしても良い。
と、内輪2と、外輪1と内輪2との間に組み込んだ複数
個の転動体(玉)16と、外輪1の内径1aに外径8側
を固定すると共に、内輪2の外径2aに内径9側を接触
して備えられる密封板(接触シール)7と、該密封板7
の外側に配置されるカバー(防水カバー)4とで構成さ
れた密封形転がり軸受である。なお、本実施形態では単
列のタイプについて説明するが、複列のタイプであって
も本発明の範囲内である。
2bを有すると共に、密封板内径9が接触するシール溝
2c,2cを両側に有しており、内径2eの左右には段
差部(溝)3,3を凹設している。また、内輪2の軸方
向幅は、両側に備えられる各カバー4,4の密封片6,
6が、夫々外方に突出しないように、その密封片6,6
幅を考慮して外輪1の軸方向幅よりも狭幅状に構成され
ている。内輪2は、この段差部3を有する構造とした以
外は、特に限定解釈されるものではなく、本発明の範囲
内で適宜他の周知構造に変更可能である。
望な径方向深さをもって軸方向に所望な幅(深さ)で形
成される周方向に連続する断面視略L字型の溝で、該段
差部3の段差高さ範囲内でカバー4の固定片5を備え
る。すなわち、本実施形態では、軸方向に所望長さの幅
をもって周方向に連続する軸方向面3aと、径方向に所
望深さをもって周方向に連続する径方向面3bとで構成
される断面視略L字状に段差部3を形成する。また、上
記径方向面3bにテーパーを付けても良い。
ってもその断面視形状などを適宜変更可能であり限定解
釈されるものではなく、また本実施形態では、周方向に
連続する溝とするが、カバー4の固定片5が断続的に構
成されている場合、当該段差部3も該固定片5形状に合
わせて断続的な複数の溝から構成されるものとするのも
本発明の範囲内である。すなわち、段差部3の段差高さ
範囲(径方向範囲)内からカバー4の固定片5が、内輪
2の内径2e面に突出しない構造であれば本発明の範囲
内である。
に、径方向深さ・軸方向幅を設定するのが好ましい。例
えば本実施形態では、段差部3は、図1のようにrA<
rBとする事で、内輪2の強度低下を防いでいる。すな
わち、上記条件を具備した上で内輪内径2eの左右に段
差部3の軸方向面3aを最大限に長く採ることで、固定
片設置長さを十分に設けることができ、位置決め精度を
得ることができる。このように内輪内径2eにカバー固
定片5が収められる段差部3を上記条件の下に形成する
ことで、軸受の大きさを変えることなく最小の空間で精
度良くカバーが備えられる。
1bを有すると共に、左右に配される密封板7,7の外
径8,8を固定する固定溝1c,1cを有している周知
構造のもので、特に限定されず本発明の範囲内で他の周
知構造のものが選択適用可能である。
納固定される固定片(外径円筒部)5と、該固定片5の
端部から径方向に延びる密封片6とで断面視略L字状に
構成されている。本実施形態では、軸方向に真直ぐに延
びる円環状の固定片5と、径方向に真直ぐに延びる円板
状の密封片6とでその交差部を略直角状に構成した断面
視略L字状に構成されている。また、本実施形態では、
左右の密封板7,7の外側に夫々当該カバー4,4が夫
々配置されている。
た段差部3に、その外径5a面を当接せしめて嵌合固定
されると共に、該段差部3の段差高さ範囲(径方向範
囲)内から固定片5が内輪2の内径2e面に突出しない
構造としている。このようにカバー4が段差部3内に収
まり、図に示すような引っ込んだ段差25が有るため、
内径寸法公差の確保が可能である。また、固定片5は、
密封片6の内面6cが内輪2の側面2dに接するように
その軸方向長さを設定する。
が、外輪内径1aに非接触状に位置して、該内径1aと
の間で軸方向のラビリンス19を形成すると共に、該密
封片6よりも内方に位置する密封板7との間で半径方向
に長いラビリンス18を形成している。また、密封片6
の外面6aは、外輪1の軸方向幅よりも外方に突出しな
いようにその幅を形成する。密封片6の形状は特に本実
施形態に限定解釈されるものではなく、外輪1と密封板
7の少なくともいずれか一方との間でラビリンスを形成
するものであれば本発明の範囲内である。
他の形状に変更可能で、例えば図9(a)、(b)、
(c)に示すような形状とすることも可能である。
差部を直角よりも僅かに鋭角となるように固定片5を密
封片6の交差部から傾斜状に連絡し、該固定片5はその
遊端側5cがR状に形成されて内輪2の段差部3内に収
納されている。すなわち、本実施形態によれば、固定片
5は、遊端側5cのR状部分が挿入ガイドとなって内輪
2の段差部3内へと固定片5が案内され、弾性を利用し
て段差部3に固定するものである。従って、内輪2の段
差部3も当該固定片5形状に合致するように、側面2d
から連続する軸方向面3aが、軸方向内方に向けて径方
向に傾斜状に構成されている。
差部を直角よりも僅かに鋭角となるように固定片5を密
封片6の交差部から傾斜状に連絡し、該固定片5が断面
視略く字状に形成されて内輪2の段差部3内に収納され
ている。すなわち、本実施形態によれば、固定片5は、
遊端側5dの傾斜面が挿入ガイドとなって内輪2の段差
部3内へと案内され、弾性を利用して段差部3に固定す
るものである。従って、内輪2の段差部3も当該固定片
形状に合致するように、側面2dから連続する軸方向面
3aが、断面視略く字状に構成されている。
交状に固定片5を連絡すると共に、該固定片5の遊端側
5eを径方向外方に向けて傾斜させた傾斜面を備え、内
輪2の段差部3内に収納されている。すなわち、本実施
形態によれば、固定片5は、遊端側5eの傾斜面が挿入
ガイドとなって内輪2の段差部3内へと案内され、弾性
を利用して段差部3に固定するものである。従って、内
輪2の段差部3も当該固定片形状に合致するように、側
面2dから連続する軸方向面3aの内方位置を、径方向
外方に向けて傾斜状に構成し、傾斜面の嵌合部3cが形
成されている。
1aに固定すると共に、内径9を内輪2に接触してなる
接触シールで、本発明の範囲内で適宜周知形態のシール
が選択される。すなわち、接触シール部17を構成する
リップ部9aの形状や、外径8の形状も任意である。
輪1にゴム等弾性力を利用して固定されている。密封板
7を外輪1に圧入や加締め等で固定すると、軸受が高速
で回転したときに、グリースの基油洩れが問題となる。
特に、電磁クラッチ用軸受や中間プーリ軸受では、外輪
回転のため、この問題は大きい。本実施形態によれば、
ゴム等部分が完全に外輪1と密封板7を密封するため、
軸受が高速で回転したときのグリースの基油洩れを防ぐ
ことが可能となる。
軸方向に接触させる接触シールをもって密封板7を説明
するが、半径方向に接触させる接触シールであってもよ
く、また非接触シール若しくはシールドを採用すること
も妨げるものではなく、また特に図示しないが、芯金を
有するシールであってもよい。
7を配するものとしているが、いずれか一方の場合も範
囲内であり、このように左右いずれか一方にのみ密封板
7を配置した場合には、その密封板7の外側にのみ上述
したカバー4が配置される。
有することで、密封板7のリップ部9aが、内輪2のシ
ール溝2cに接触して接触シール部17を形成すると共
に、該密封板7の外面10とカバー4の密封片内面6c
との間で長いラビリンス18を形成し、そして該カバー
4の密封片先端6bは外輪内径1aとの間でラビリンス
19を形成している。従って、このような複数のシール
部を有していることから高密封性が図れている。そし
て、カバー4の固定片5は、内輪2の段差部3内に収め
られ、固定片5の内径5bは内輪内径2eから引っ込ん
だ状態であるため、内径寸法公差の確保が可能である。
さらに、段差部3内に長尺状に固定片5を備えることが
可能であるため、設置長さを十分に確保でき位置決め精
度も得られる。
がくるため、密封板7とカバー4とのラビリンス18を
一定に保つ事が出来、このラビリンスを生かす事で、耐
水性を向上させる事が出来る。軸受精度においては、r
A<rBの条件下において段差部3を形成することとし
て軸受内径面を十分に確保しているため、内径寸法及び
ラジアル内部すきまを高精度に管理する事が出来る。
す密封板構造の外面10に、軸方向に突出する副リップ
部11を周方向に連続形成し、該副リップ部11内径と
カバー4の密封片先端6bとの間で軸方向のラビリンス
20を形成している(図2)。その他の構成及び作用効
果は上述の図1に示した第一実施形態と同一であるため
同一箇所に同一符号を付してその説明を省略する。これ
により外部からの水や泥等の浸入が大幅に防止すること
ができ、高密封性が図れる。
す密封板構造の外面10が、断面視凹凸状となるように
周方向に連続する凹部12と凸部13を同心円状に構成
し、一方、カバー4の密封片6は、その対向する内面6
cが、断面視凹凸状となるように周方向に連続する凹部
6dと凸部6eを同心円状に構成している(図3)。そ
の他の構成及び作用効果は上述の図1に示した第一実施
形態と同一であるため同一箇所に同一符号を付してその
説明を省略する。これにより、密封板7とカバー4との
間には蛇行状の長いラビリンス21が半径方向に形成さ
れ、外部からの水や泥等の浸入が大幅に防止することが
でき、高密封性が図れる。
す密封板構造の外面10に、周方向に連続して突出する
第一副リップ部14と第二副リップ部15とを径方向に
間隔をあけて形成し、一方、カバー4の密封片6は、そ
の密封片先端6bを軸方向内方に向けて折曲形成してい
る(図4)。そして、上記第一副リップ部14を先端外
径6fに接触させて接触シール部22を構成すると共
に、該先端外径6fと密封板外面10との間および先端
内径6gと第二副リップ部15との間でラビリンス2
3,24を形成している。その他の構成及び作用効果は
上述の図1に示した第一実施形態と同一であるため同一
箇所に同一符号を付してその説明を省略する。これによ
り外部からの水や泥等の浸入が大幅に防止することがで
き、高密封性が図れる。
形態の密封板構造とカバー構造に相違点を有する。その
他の構成及び作用効果は上述の図1・図2に示した第一
・第二実施形態と同一であるため同一箇所に同一符号を
付してその説明を省略する。なお、図中、35は冠形保
持器を示す。
26をゴム若しくは合成樹脂材29で被覆してなる構造
とした。芯金26は、本実施形態では、軸方向の短い円
筒部27と、半径方向の長い円環平面部28とで構成さ
れ、該軸方向の短い円筒部27が軸受平面側(外側)
で、半径方向の長い円環平面部28が軸受内部側(内
側)に位置せしめるようにして構成されている。
部27の遊端27aを軸受内部側に向けているため、外
輪1の固定溝1cの軸方向深さが深くなり、精度の良い
溝加工が困難である。本実施形態のように、軸方向の短
い円筒部27が軸受平面側(外側)で、半径方向の長い
円環平面部28が軸受内部側(内側)に位置する構成
(軸方向の短い円筒部27の遊端27aを外側に向けて
いる構成)とすれば、外輪1の固定溝1cの軸方向深さ
が浅くなり、精度の良い溝加工ができる。また軸方向の
短い円筒部27は、カバー4とのラビリンス機能も兼ね
るため、軸方向の設計寸法を小さくすることが可能とな
る。
11を、外面10の周方向に連続形成し、該副リップ部
11内径とカバー4の密封片先端6bとの間で軸方向の
ラビリンス20を形成している。該副リップ部11内に
は、上記芯金26における軸方向の短い円筒部27が内
装されている。密封板7は、外径8が外輪固定溝1cに
ゴム弾性力を利用して固定され、内径9側のリップ部9
aが内輪シール溝2cと軸方向に摺接している。
状において相違する。すなわち、固定片5から半径方向
に垂直状に延びた後、中途部から軸受内部側(内側)に
折曲して傾斜面6hを形成し、その後傾斜面6h端部か
ら半径方向に垂直状に延びている構成とした。従って、
このカバー4の傾斜面6hの傾斜に合わせた傾斜面10
aを密封板外面10にも有しており、カバー4の密封片
内面6cと密封板7の外面10との間で半径方向に長い
ラビリンス47が形成されている。このカバー4の傾斜
面6hおよび密封板7の傾斜面10aの傾斜角度・長さ
などは特に限定解釈されず本発明の範囲内で適宜変更可
能である。これにより外部からの水や泥等の浸入が大幅
に防止することができ、高密封性が図れる。
形態の密封板構造に相違点を有する。その他の構成及び
作用効果は上述の図1・図2に示した第一・第二実施形
態および図5に示した第五実施形態と同一であるため同
一箇所に同一符号を付してその説明を省略する。
11からリップ部9aまでの外面10に、ゴム・合成樹
脂材からなる凹凸部30を形成してカバー4の密封片内
面6cとの間で半径方向に長いラビリンス48を形成し
ている。凹凸部30は、周方向に連続形成若しくは断続
形成されている凹部30aと凸部30bが夫々交互に配
されている。この凹凸部30の形状・配設数などは特に
限定解釈されず、本発明の範囲内で適宜変更可能であ
る。これにより外部からの水や泥等の浸入が大幅に防止
することができ、高密封性が図れる。
形態の密封板構造とカバー構造に相違点を有する。その
他の構成及び作用効果は上述の図1・図2に示した第一
・第二実施形態と同一であるため同一箇所に同一符号を
付してその説明を省略する。また、密封板7に芯金26
を有している点は図5に示す第五実施形態と同一でその
説明は省略する。
面6cが、断面視凹凸状となるように周方向に連続する
凹部6dと凸部6eを同心円状に構成して、波板状に形
成している(第三実施形態と同様の構成)。密封板7
は、芯金26の半径方向の長い円環平面部28外面に、
カバー4の密封片内面6cと非接触状に凸部28bを周
設すると共に、該円環平面部28の遊端28a側から、
ゴム・合成樹脂材をもって外方に向けて傾斜状にカバー
4の密封片内面6cと非接触状の第二副リップ部31を
形成して、密封板7の外面10に凹凸面を形成してい
る。
して、該先端6bとの間で軸方向のラビリンス20を形
成している副リップ部11は、第六実施形態よりもゴム
・合成樹脂材部分29を軸方向に長尺状に延ばしてい
る。従って、密封板7とカバー4との間には半径方向に
蛇行状の長いラビリンス21が形成され、上記軸方向の
ラビリンス20と共に外部からの水や泥等の浸入が大幅
に防止することができ、高密封性が図れる。これにより
外部からの水や泥等の浸入が大幅に防止することがで
き、高密封性が図れる。
相違する点はあるものの図4に示す第四実施形態と略同
一構造で、密封板7が芯金26を有している形態であ
る。第一副リップ部11内には、芯金26の軸方向の短
い円筒部27が内装されている。その他の構成及び作用
効果は上述の図1・図2に示した第一・第二実施形態お
よび図4に示した第四実施形態と同一であるため同一箇
所に同一符号を付してその説明を省略する。また、密封
板7に芯金26を有している点は第五実施形態と同一で
その説明は省略する。
9(a)乃至(c)に示す固定片5および内輪内径2e
の段差部3構造を採用することは本発明の範囲内で適宜
選択可能である。
と、内輪33と、外輪32と内輪33との間に組み込ま
れる2列の転動体(玉)16…,16…と、該転動体1
6を保持する保持器35と、外輪32の内径32aに外
径41側を固定した密封板(接触シール)39と、内輪
33の外径33a上に備えて密封板39の外側に配置さ
れるカバー36とで構成された複列アンギュラ玉軸受で
ある。なお、本実施形態では、複列のタイプについて説
明するが、単列のタイプであっても本発明の範囲内であ
る。
2b,32bを有すると共に、左右に配される密封板3
9,39の外径41,41を固定する固定溝32c,3
2cを有している。内輪33は、外径33aに2列の軌
道面33b,33bを有すると共に、カバー36の固定
片37の内径37aを固定する段差部(溝)34,34
を両側に凹設している。
所望な径方向深さをもって軸方向に所望な幅(深さ)で
形成される周方向に連続する断面視略L字型の溝で、該
段差部34の段差高さ範囲内でカバー36の固定片37
を備える。すなわち、本実施形態では、軸方向に所望長
さの幅をもって周方向に連続する軸方向面34aと、径
方向に所望深さをもって周方向に連続する径方向面34
bとで構成される断面視略L字状に段差部34を形成す
る。
状によってもその断面視形状などを適宜変更可能であり
限定解釈されるものではなく、また本実施形態では、周
方向に連続する溝とするが、カバー36の固定片37が
断続的に構成されている場合、当該段差部34も固定片
37形状に合わせて断続的な複数の溝から構成されるも
のとするのも本発明の範囲内である。すなわち、段差部
34の段差高さ範囲(径方向範囲)内からカバー36の
固定片37が、突出しない構造であれば本発明の範囲内
である。
面までの距離L1が、玉径Daの1.0〜1.4倍とな
るように構成されている。すなわち、従来の軸受サイズ
では、カバーの分だけ軸方向に幅広となり使用範囲に大
きな制約を受けることがある。例えば、電磁クラッチ用
軸受(複列アンギュラ玉軸受)の場合、現行の軸受サイ
ズ内にカバーを取付ける(玉中心から軸受平面までの距
離が玉径の1.0倍より小さい場合)と、その分だけ2
列の玉間距離を小さくする必要が有り、これにより作用
点間距離が小さくなり、負荷できるモーメント荷重が小
さくなる。また、カバーの分だけ軸方向に幅広とする
と、コンプレッサ全体の軸方向長さが長くなり、コスト
アップや、重量増加となる。本実施形態によれば、従来
の軸受幅内にカバー36を取付けることができ、かつ密
封性を大幅に向上できる。
納固定される固定片(内径円筒部)37と、該固定片3
7の端部から径方向に延びる密封片38とで断面視略L
字状に構成されている。
に設けた段差部34に、その内径37aを当接せしめて
嵌合固定される。
8bが、密封板39の副リップ部44に非接触状に位置
している。また、密封片38の外面38aは、外輪32
の軸方向幅よりも外方に突出しないようにその幅を形成
する。密封片38の形状は、本実施形態では、第五実施
形態の場合と同様の形状である。
金26をゴム若しくは合成樹脂材29で被覆してなる構
造とした。芯金26の構成および作用効果は第五実施形
態にて説明した通りである。
部44を、外面40の周方向に連続形成し、該副リップ
部44内径とカバー36の密封片先端38bとの間で軸
方向のラビリンス20を形成すると共に、密封板外面4
0とカバー36の密封片内面38cとの間で、半径方向
の長いラビリンス49を形成している。該副リップ部4
4内には、上記芯金26における軸方向の短い円筒部2
7が内装されている。密封板39は、外径41が外輪固
定溝32cにゴム弾性力を利用して固定され、内径42
側のリップ部43がカバー36の固定片外径37bと半
径方向に摺接している。
片38の形状は、特に限定解釈されるものではなく、密
封板39とカバー密封片38とによって軸方向のラビリ
ンスと半径方向のラビリンスを形成するものであれば全
て本発明の範囲内であり、上述した各実施形態に示す形
態を適用することも可能である。
外輪32にゴム等弾性力を利用して固定されている。密
封板39を外輪32に圧入や加締め等で固定すると、軸
受が高速で回転したときに、グリースの基油洩れが問題
となる。特に、電磁クラッチ用軸受や中間プーリ軸受で
は、外輪回転のため、この問題は大きい。本実施形態に
よれば、ゴム等部分29が完全に外輪32と密封板39
を密封するため、軸受が高速で回転したときのグリース
の基油洩れを防ぐことが可能となる。
39を配するものとしているが、いずれか一方の場合も
範囲内であり、このように左右いずれか一方にのみ密封
板39を配置した場合には、その密封板39の外側にの
み上述したカバー36が配置される。
有することで、密封板39のリップ部43が、カバー3
6の固定片外径37bに接触して接触シール部45を形
成し、かつ副リップ部44内径とカバー36の密封片先
端38bとの間で軸方向のラビリンス20を形成すると
共に、該密封板39の外面40とカバー36の密封片内
面38cとの間で半径方向に長いラビリンス49を形成
している。従って、このような複数のシール部を有して
いることから高密封性が図れている。
差部34に圧着又は接着剤により固定され、その平面部
(遊端)37cは、内輪33の段差部端面(径方向面)
34bと非接触としている。固定片37の平面部(遊
端)37cを、内輪33の段差部端面34bに接触させ
ると、軸方向の取付精度が良くならず、密封性が低下す
る。本実施形態によれば、軸方向の取付精度が良く、密
封性の低下を防ぐことが可能となる。また、圧入時には
カバー36の押し過ぎによる変形も防止できる。
は、玉径Daの0.3〜0.6倍としている。固定片
(内径円筒部)37の軸方向幅L2が、玉径Daの0.
3倍よりも小さいと、カバー36を精度良く内輪外径3
3aに固定できず、また、0.6倍よりも大きいと、軸
方向スペースが大きくなってしまう。本実施形態によれ
ば、カバー36を精度良く内輪外径33aに固定し、か
つ軸方向スペースを最小にすることが可能となる。これ
により、従来の軸受幅内にカバー36を取付けることが
でき、密封性を大幅に向上でき、外部からの水や泥等の
浸入が大幅に防止することができ、高密封性が図れる。
接触タイプの場合、その構成上軸受の軸方向寸法が大き
くなることもあり得るが、本実施形態では、リップ部4
3が半径方向軽接触タイプとしたため、軸方向寸法を最
小限に抑えることができる。これにより、従来の軸受の
幅内にカバー36を取付けることができ、かつ密封性を
向上できる。
円筒部27の遊端27aが軸受内側に向いている実施形
態で、軸方向のラビリンス20を形成するために、ゴム
・合成樹脂材にて副リップ部46を軸方向に突設してい
る。その他の構成・作用効果は上述の通りである。
第九実施形態と略同一構成であるが、相違する特有の構
成として、冠形保持器35の底厚L3が玉径Daの0.
1〜0.20倍とした。その他の構成及び作用効果は上
述の図11に示した第九実施形態と同一であるため同一
箇所に同一符号を付してその説明を省略する。保持器底
厚L3が、玉径Daの0.20倍より大きいと(従来軸
受では一般に0.25倍程度を使用)、従来の軸受幅内
にカバー36を取付けることができない。本実施形態に
よれば、軸受の軸方向寸法をできる限り小さくでき、こ
れによれば従来の軸受幅内にカバー36を取付けること
ができ、密封性を大幅に向上できる。
の材料は、ナイロン66又はナイロン46で、ガラス繊
維が20〜35%含有されているものとした。従来保持
器材料には、ナイロン66にガラス繊維10%含有が一
般的であるが、軸方向寸法を小さくすると、高速回転時
に遠心力で保持器が開き、外輪と接触し短寿命となる問
題がある。本実施形態によれば、材料の機械的強度を向
上させ、軸方向寸法が小さくても、高速回転時に遠心力
で保持器35が開き、外輪32と接触し短寿命となる問
題を防ぐことができる。
の幅L4は、玉径Daの0.40〜0.50倍とした。
保持器幅L4が玉径Daの0.40倍より小さいと、機
械的強度が大幅に低下し、高速回転時に遠心力で保持器
が開き、外輪と接触して短寿命となる。また、0.50
倍より大きいと、外輪内径や内輪外径と接触する可能性
が高く耐久性が劣る。本実施形態によれば、軸方向寸法
が小さくても最適な機械的強度を得ることができ、かつ
外輪内径32aや内輪外径33aとの接触を防ぐことが
可能となる。
面35aの平面部35bの寸法L5は、玉径Daの0.
25倍以下とした。保持器底面35aの平面部35b
が、玉径Daの0.25倍より大きいとき、保持器35
と密封板39との軸方向すきまが小さいと、保持器35
が密封板39と接触し、高速回転時に不具合を発生す
る。このため軸方向すきまを小さくすることができな
い。本実施形態によれば、保持器35が密封板39と接
触しても、接触抵抗が小さいため、高速回転時に不具合
を発生することが無い。
つを採用すれば、従来の軸受幅内にカバー36を取付け
ることができ、かつ密封性を大幅に向上できる。
に示す第九実施形態と略同一構成であるが、密封板およ
びカバーの形状が相違する。すなわち、本実施形態で
は、密封板39の外面に軸方向外方に傾斜(図面上で下
り傾斜)するゴム・合成樹脂材からなる第二副リップ部
50を備え、該第二副リップ部50がカバー36の密封
片内面38cに接触すると共に、カバー36の密封片内
面38cに軸方向内方に傾斜(図面上で昇り傾斜)する
突片51を備え、該突片51が密封板39の外面40に
接触し、リップ部43がカバー36の固定片外径37b
と非接触状態とした。なお、本実施形態では、第二副リ
ップ52が軸方向内方で、突片53が軸方向外方に位置
しているが、第二副リップ52が軸方向外方で、突片5
3が軸方向内方に位置する構成とすることも可能であ
る。
実施形態と同様に第二副リップ部50がカバー36の密
封片内面38cに接触し、リップ部43がカバー固定片
外径37bと半径方向に接触する構成とした。本実施形
態の他の構成および作用効果は、第九実施形態と同一で
ある。
に示した第九実施形態と略同一構成であるが、第九実施
形態が、内輪外径33aに段差部34を設けて、該段差
部34にカバー36の固定片内径37aを固定したのに
対し、本実施形態では内輪外径33aに段差部34を設
けること無く、内輪外径33aがストレートで固定片内
径37aを直接内輪外面33aに固定する実施形態を示
す。本実施形態の他の構成および作用効果は、第九実施
形態と同一である。
る、「玉16の中心から軸受平面までの距離L1が、玉
径Daの1.0〜1.4倍とする」構成にあっては、第
一実施形態乃至第八実施形態および第十実施形態乃至第
十三実施形態に採用することも勿論可能で、本発明の範
囲内である。また、第十実施形態の構成を、第一実施形
態乃至第九実施形態および第十一実施形態乃至第十三形
態に採用することも勿論可能で、本発明の範囲内であ
る。
第一実施形態の密封形転がり軸受(カバー付軸受)とカ
バー無し軸受の耐水性能を比較するため、下記試験条件
の下に両軸受を回転水没させ、水浸入量の変化を測定し
た。その測定結果を図10に示す。 「試験条件」 回転数:2000[min−1] 荷重:400[N] 軸受水没深さ:10[cm] 図10の測定結果により、軸受にカバーを備える事で耐
水性が大幅に向上する事が分かる。
め、密封板の外側にカバーを備えつつも、軸受精度を確
保し得る密封形転がり軸受を提供できる。すなわち、請
求項1の本発明によれば、カバーの固定片を、軸受内径
に、該内径から径方向に突出することなく備え、且つ設
置長さを十分に設けている事から位置決め精度を得る事
が出来、軸受内径面も確保している事から、内径寸法及
びラジアル寸法を管理する事が出来る。そして、カバー
の形状が簡素な事から軸受への組込み性も良くなる。請
求項2の本発明によれば、軸受の大きさを変える事な
く、最小の空間で精度良く簡単に密封板の外側にカバー
を備える事が出来る。例えば、複列アンギュラ玉軸受に
おいて、2列の玉間隔を小さくすることなく、軸受精度
を確保しつつカバーを備えることができる。
示す縦断面図。
図。
図。
図。
図。
ー) 5,37:固定片 6,38:密封片 7,39:密封板 16:転動体 L1:玉中心から軸受平面までの距離 L2:固定片軸方向幅 L3:保持器底厚 L4:保持器幅 L5:保持器底面の平面部寸法
Claims (2)
- 【請求項1】外輪と、内輪と、外輪と内輪の間に組み込
まれる転動体と、該外輪と内輪との間に装着される密封
板を備え、該密封板の外側にカバーを配置して外輪と密
封板の少なくともいずれか一方との間にラビリンスを形
成する転がり軸受であって、内輪内径に側面から連続す
る段差部を凹設し、該段差部の段差高さ範囲内でカバー
の固定片を備えたことを特徴とする密封形転がり軸受。 - 【請求項2】外輪と、内輪と、外輪と内輪の間に組み込
まれる転動体と、該外輪と内輪との間に装着される密封
板を備え、該密封板の外側にカバーを配置して外輪と密
封板の少なくともいずれか一方との間にラビリンスを形
成する転がり軸受であって、転動体の中心から軸受平面
までの距離が、転動体径の1.0〜1.4倍であること
を特徴とする密封形転がり軸受。
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