JP4730100B2 - ブレーキ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に設けられた車輪に付与される制動力を制御するブレーキ制御装置に関する。
従来、ブレーキペダルの操作力に応じた液圧を液圧回路内に発生させて、ホイールシリンダにその液圧回路内の液圧を供給することにより車両の車輪に制動力を付与する車両用液圧ブレーキ装置が知られている。
かかる車両用液圧ブレーキ装置においては、何らかの事情で液圧回路内にエアが混入していると、ドライバがブレーキペダルの操作に違和感を覚えたり、ブレーキ操作を行ってから制動が開始されるまでのタイムラグが大きくなったりする場合がある。
このようなエアの混入を検出するために、特許文献1には、ブレーキ操作量検出手段により検出されたブレーキ操作量の立ち上がり開始に対する出力液圧検出手段により検出された出力液圧の立ち上がりに関連する応答時間により液圧回路内へのエア混入を検出するエア混入検出手段を備えた車両用液圧ブレーキ装置が開示されている。
特開2003−127849号公報
しかしながら、ブレーキ操作から出力液圧の立ち上がりまでの応答時間は、エアの混入だけでなく、ブレーキ装置を構成するポンプ・弁等のハードウェアの異常や、ブレーキ装置を制御する制御部の異常によっても変動する可能性がある。そのため、特許文献1に記載の車両用液圧ブレーキ装置では、エアの混入により応答遅れが大きくなる場合とハードウェアや制御部の異常により応答遅れが大きくなる場合とを判別することが困難である。また、エア混入量を推定することもできない。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、エアの混入を精度よく判別することができるブレーキ制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様のブレーキ制御装置は、車両に設けられた車輪に付与される制動力を制御するブレーキ制御装置において、作動流体が供給されて前記車輪に制動力を付与するホイールシリンダに流路を介して接続され、前記ホイールシリンダに作用する作動流体の圧力を調整する弁と、前記ホイールシリンダに供給される作動流体の圧力を検出する圧力検出手段と、前記圧力検出手段が検出した作動流体の圧力変動に基づいてエアが作動流体に混入しているか否かを判定するエア混入判定部と、前記エア混入判定部によりエアが混入していると判定された場合に、前記圧力検出手段が検出した作動流体の圧力変動に基づいて作動流体に混入したエアの混入量を算出するエア混入量算出部と、を備える。
この態様によると、エアが作動流体に混入しているか否かを判定するエア混入判定部と、作動流体に混入したエアの混入量を算出するエア混入量算出部と、を備えることで、作動流体の状態を複数の手段により判定することができる。そのため、作動流体の状態を示す情報が一つの場合と比較して精度よくエアの混入を判定することができ、適切なブレーキ制御を行うことができる。また、エアの混入の有無だけでなくエアの混入量も算出することができるため精度よくエアが混入した作動流体の状態を判定することができる。また、誤検知による車両の点検や整備の回数を抑制することができる。
前記エア混入判定部は、制動要求後の作動流体の昇圧時における圧力変動の振幅に基づいてエアが作動流体に混入しているか否かを判定してもよい。ブレーキ制御時に例えばリニア弁が開弁された場合、ホイールシリンダまでの流路にエアが混入していると、油圧回路の剛性が低くくなっている。そのため、所定の基準圧力から所定の目標圧力にあげるには、所定の割合で作動流体を送ればいいという仮定の下の制御では、送られる作動流体の割には圧力が上昇しない。その様な状況で、バルブ制御部201が更に作動流体を送るためにバルブの開度を大きくすると、急激に作動流体が低圧部に流れ込みエアがつぶれことで急激に圧力が上昇し、目標圧力を超えて脈動する場合がある。これらの振動は作動流体の脈動として検出される。そこで、通常のブレーキ制御による制動要求後の昇圧時の圧力変動の振幅に基づいてエアが作動流体に混入しているか否かを判定することができる。ここで、制動要求とは、車両に制動力を付与すべきときに生起される。制動要求は、例えば、運転者がブレーキ操作部材を操作した場合や、走行中に他の車両との距離を自動制御している際に当該他の車両との距離が所定の距離より縮まった場合などに生起される。
これによれば、例えば、エアの混入による応答遅れが振動により見かけ上少なくなり正常な状態とあまり変わらないような場合でも精度よくエアの混入を判定することができる。また、エアの混入による振動は昇圧の初期に起こりやすいため、制動要求後の所定時間内における振幅を検出するようにしてもよい。このようにすれば、より早期にエアの混入を判定することができる。
前記エア混入判定部は、制動要求終了後のホイールシリンダに作用していた作動流体の降圧時において、検出した作動流体の圧力とエア混入判定の基準となる基準圧力との比較に基づいてエアが作動流体に混入しているか否かを判定してもよい。ブレーキ制御を解除後に例えばリニア弁が開弁された場合、ホイールシリンダまでの流路にエアが混入していると、作動流体が昇圧されている状態から降圧する場合に時間が余計にかかる。そこで、通常のブレーキ制御解除後の状態において降圧時の基準となる基準圧力と検出した作動流体の圧力との比較に基づいてエアが作動流体に混入しているか否かを判定することができる。
前記エア混入判定部は、前記基準圧力に対する前記作動流体の圧力の応答遅れが所定の閾値より大きい場合にエアが作動流体に混入していると判定してもよい。これによれば、制動要求終了後においてもエアの混入を精度よく判定することができる。
前記エア混入量算出部は、要求制動力に応じて算出される目標圧力に対する前記作動流体の圧力の応答遅れが所定の基準偏差を超えている時間と、前記目標圧力の勾配とに基づいてエア混入量を算出してもよい。エアが作動流体に混入していても、その混入量により応答遅れは異なる。また、エアの混入量が同じであっても要求制動力に応じて算出される目標圧力の勾配によって応答遅れは異なる。そこで、作動流体の圧力の応答遅れが所定の基準偏差を超えている時間と、前記目標圧力の勾配とに基づいて、予めエア混入量との相関が決められているマップを参照してエア混入量を算出することでより精度の高いエアの混入量を判定することができる。
また、前記エア混入量算出部は、前記エア混入判定部によりエアが混入していると判定された場合にエアの混入量を判定するため、ブレーキ装置を構成するポンプ・弁等のハードウェアの異常や、ブレーキ装置を制御する制御部の異常によって生じる応答遅れと、エアの混入による応答遅れを判別することができ、エアの混入を精度よく判別することができる。
前記所定の基準偏差は、作動流体の温度に応じて設定されていてもよい。作動流体として用いるブレーキオイル等は、温度によってその粘性が変化する。一般的には低温では粘性が大きくなり高温では粘性が小さくなる。そのため、リニア弁等の弁のオリフィスを通過する速度が温度によって異なり、温度によって応答遅れに変化が生じる。そこで、作動流体の温度に応じて、目標圧力に対する作動流体の圧力の応答遅れと比較する所定の基準偏差を設定することで、温度が変化しても精度よくエアの混入量を算出することができる。
前記弁の開度を制御する弁制御部を更に備えてもよい。前記弁制御部は、前記エア混入判定部によりエアが作動流体に混入していると判定された場合、エア混入がない場合に設定される弁の開度より制動要求後の所定時間、弁の開度が大きくなるように前記弁を制御してもよい。エアが混入している場合、制動要求後の所定時間における応答遅れが特に大きくなる。そこで、エア混入がない場合に設定される弁の開度より制動要求後の所定時間、弁の開度が大きくなるように弁を制御することで、制動要求後の所定時間の応答遅れを改善することができる。
前記弁制御部は、前記エア混入量算出部により算出されたエア混入量に基づいて、エア混入がない場合に設定される弁の開度より制動要求後の所定時間、弁の開度が大きくなるように前記弁を制御してもよい。エアが混入している場合、制動要求後の所定時間における応答遅れが特に大きくなる。また、エアの混入量の増加に伴い、応答遅れも増加する。そこで、エア混入がない場合に設定される弁の開度より制動要求後の所定時間、弁の開度がエア混入量に基づいて大きくなるように弁を制御することで、制動要求後の所定時間の応答遅れを改善することができる。
前記弁制御部は、前記エア混入判定部によりエアが作動流体に混入していると判定された場合、ブレーキ操作が行われていない状態において、制動力が発生しない程度に前記ホイールシリンダに作用する作動流体の圧力を所定の圧力に維持するよう前記弁を制御してもよい。エアが混入している場合、制動要求後の所定時間における応答遅れが特に大きくなる。そこで、ブレーキ操作が行われていない状態において、制動力が発生しない程度に通常の作動流体の圧力より大きい所定の圧力に維持するように弁を制御することで、制動要求後の所定時間の応答遅れを改善することができる。
前記弁制御部は、ブレーキ操作が行われていない状態において、前記エア混入量算出部により算出されたエア混入量に基づいて、制動力が発生しない程度に前記ホイールシリンダに作用する作動流体の圧力を所定の圧力に維持するよう前記弁を制御してもよい。エアが混入している場合、制動要求後の所定時間における応答遅れが特に大きくなる。また、エアの混入量の増加に伴い、応答遅れも増加する。そこで、ブレーキ操作が行われていない状態において、制動力が発生しない程度に通常の作動流体の圧力よりエア混入量に基づいて大きく設定された所定の圧力に維持するように弁を制御することで、制動要求後の所定時間の応答遅れを改善することができる。
本発明によれば、エアの混入を精度よく判別することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
(ブレーキ制御装置の概略構成)
図1は、実施形態に係るブレーキ制御装置10を示す系統図である。図1に示されるブレーキ制御装置10は、車両用の電子制御式ブレーキシステム(ECB)を構成しており、運転者によるブレーキ操作部材としてのブレーキペダル12の操作に応じて車両の4輪のブレーキを独立かつ最適に設定する。つまり、ブレーキ制御装置10は、車両に設けられた車輪に付与される制動力を制御することができる。
ブレーキペダル12は、運転者による踏み込み操作に応じて作動流体(作動液)としてのブレーキオイルを送り出すマスタシリンダ14に接続されている。また、ブレーキペダル12には、その踏み込みストロークを検出するためのストロークセンサ46が設けられている。
さらに、マスタシリンダ14には、リザーバタンク26が接続されており、マスタシリンダ14の一方の出力ポートには、開閉弁23を介して、運転者によるブレーキペダル12の操作力に応じた反力を創出するストロークシミュレータ24が接続されている。なお、開閉弁23は、非通電時に閉状態にあり、運転者によるブレーキペダル12の操作が検出された際に開状態に切り換えられる常閉型電磁弁である。
マスタシリンダ14の一方の出力ポートには、右前輪用のブレーキ油圧制御管16が接続されている。ブレーキ油圧制御管16は、図示されない右前輪に対して制動力を付与する右前輪用のホイールシリンダ20FRに接続されている。また、マスタシリンダ14の他方の出力ポートには、左前輪用のブレーキ油圧制御管18が接続されており、ブレーキ油圧制御管18は、図示されない左前輪に対して制動力を付与する左前輪用のホイールシリンダ20FLに接続されている。
右前輪用のブレーキ油圧制御管16の中途には、右電磁開閉弁22FRが設けられており、左前輪用のブレーキ油圧制御管18の中途には、左電磁開閉弁22FLが設けられている。これらの右電磁開閉弁22FRおよび左電磁開閉弁22FLは、何れも、非通電時に開状態にあり、運転者によるブレーキペダル12の操作が検出された際に閉状態に切り換えられる常開型電磁弁である。
また、右前輪用のブレーキ油圧制御管16の中途には、右前輪側のマスタシリンダ圧を検出する右マスタ圧力センサ48FRが設けられており、左前輪用のブレーキ油圧制御管18の途中には、左前輪側のマスタシリンダ圧を計測する左マスタ圧力センサ48FLが設けられている。
ブレーキ制御装置10では、運転者によってブレーキペダル12が踏み込まれた際、ストロークセンサ46によりその踏み込み操作量が検出されるが、これらの右マスタ圧力センサ48FRおよび左マスタ圧力センサ48FLによって検出されるマスタシリンダ圧からもブレーキペダル12の踏み込み操作力(踏力)を求めることができる。このように、ストロークセンサ46の故障を想定して、マスタシリンダ圧を右マスタ圧力センサ48FRおよび左マスタ圧力センサ48FLの2つによって監視することは、フェイルセーフの観点からみて好ましい。
一方、リザーバタンク26には、油圧給排管28の一端が接続されており、この油圧給排管28の他端には、モータ32により駆動されるオイルポンプ34の吸込口が接続されている。オイルポンプ34の吐出口は、高圧管30に接続されており、この高圧管30には、アキュムレータ50とリリーフバルブ53とが接続されている。本実施形態では、オイルポンプ34として、モータ32によってそれぞれ往復移動させられる2体以上のピストン(図示せず)を備えた往復動ポンプが採用される。また、アキュムレータ50としては、ブレーキオイルの圧力エネルギを窒素等の封入ガスの圧力エネルギに変換して蓄えるものが採用される。
アキュムレータ50は、オイルポンプ34によって例えば14〜22MPa程度にまで昇圧されたブレーキオイルを蓄える。また、リリーフバルブ53の弁出口は、油圧給排管28に接続されており、アキュムレータ50におけるブレーキオイルの圧力が異常に高まって例えば25MPa程度になると、リリーフバルブ53が開弁し、高圧のブレーキオイルは油圧給排管28へと戻される。
さらに、高圧管30には、アキュムレータ50の出口圧力、すなわち、アキュムレータ50におけるブレーキオイルの圧力を検出するアキュムレータ圧センサ51が設けられている。
そして、高圧管30は、増圧弁40FR,40FL,40RR,40RLを介して右前輪用のホイールシリンダ20FR、左前輪用のホイールシリンダ20FL、右後輪用のホイールシリンダ20RRおよび左後輪用のホイールシリンダ20RLに接続されている。以下、適宜、ホイールシリンダ20FR〜20RLを総称して「ホイールシリンダ20」といい、適宜、増圧弁40FR〜40RLを総称して「増圧弁40」という。増圧弁40は、何れも、非通電時は閉じた状態にあり、必要に応じてホイールシリンダ20の増圧に利用される常閉型の電磁流量制御弁(リニア弁)である。
なお、図示されない車両の各車輪に対しては、ディスクブレーキユニットが設けられており、各ディスクブレーキユニットは、ホイールシリンダ20の作用によってブレーキパッドをディスクに押し付けることで制動力を発生する。
また、右前輪用のホイールシリンダ20FRと左前輪用のホイールシリンダ20FLとは、それぞれ減圧弁42FRまたは42FLを介して油圧給排管28に接続されている。減圧弁42FRおよび42FLは、必要に応じてホイールシリンダ20FR,20FLの減圧に利用される常閉型の電磁流量制御弁(リニア弁)である。一方、右後輪用のホイールシリンダ20RRと左後輪用のホイールシリンダ20RLとは、常開型の電磁流量制御弁である減圧弁42RRまたは42RLを介して油圧給排管28に接続されている。以下、適宜、減圧弁42FR〜42RLを総称して「減圧弁42」という。
図2は、常閉型のリニア弁の断面を模式的に示す断面図である。常閉型のリニア弁である増圧弁40、および減圧弁42FR、42FLは、図2に示されるように、弁座130と、弁子132と、スプリング136と、ソレノイド139と、可動部材134と、固定部材135とを含んで構成される。弁子132は、弁座130に対して接近・離間可能に設けられ、スプリング136は、弁子132を弁座130に接近させ着座させる方向に付勢する。ソレノイド139は、電流が供給されると、可動部材134を固定部材135に接近させる方向、すなわち、弁子132を弁座130から離間させる方向に電磁駆動力を作用させる。ソレノイド139に電流が供給されていない状態においてはスプリング136の付勢力により弁子132が弁座130に着座してリニア弁は閉状態とされている。
さらに、前後の差圧に応じた差圧作用力が弁子132を弁座130から離間させる方向に作用する。増圧弁40は、アキュムレータ50とホイールシリンダ20との間に設けられるため、前後の差圧は、アキュムレータ50とホイールシリンダ20との差圧に対応する。減圧弁42FR、42FLはホイールシリンダ20FR、20FLとリザーバタンク26との間に設けられ、リザーバタンク26の液圧は大気圧であるため、前後の差圧はホイールシリンダ20FR、20FLの液圧に対応する。
増圧弁40、および減圧弁42FR、42FLには、スプリング136による付勢力、ソレノイド139による電磁駆動力、前後の差圧に応じた差圧作用力が作用する。よって、これらの力の関係に基づいて弁子132の弁座130に対する相対位置が決まる。したがって、ソレノイド139に電流を供給し電磁駆動力を制御することにより弁子132が駆動され、リニア弁を開状態としてホイールシリンダ20に作用する油圧を制御することができる。
図3は、常開型のリニア弁の断面を模式的に示す断面図である。常開型のリニア弁である減圧弁42RR,42RLは、図3に示されるように、弁座140と、弁子142と、スプリング146と、ソレノイド149と、可動部材144と、固定部材145とを含んで構成される。弁子142は、弁座140に対して離間・接近可能に設けられ、スプリング146は、弁子142を弁座140から離間させる方向に付勢する。ソレノイド149は、電流が供給されると、可動部材144を固定部材145に接近させる方向、すなわち、弁子142を弁座140に接近させる方向に電磁駆動力を作用させる。ソレノイド149に電流が供給されていない状態においてはスプリング146の付勢力により弁子142が弁座140から離間してリニア弁は開状態とされている。
さらに、減圧弁42RR,42RLは、ホイールシリンダ20RR,20RLとリザーバタンク26との間に設けられているため、ホイールシリンダ20RR,20RLの液圧に応じた差圧作用力が作用する。よって、弁子142の弁座140に対する相対位置は、スプリング146の付勢力、ソレノイド149による電磁駆動力、ホイールシリンダ圧に応じた差圧作用力の関係によって決まる。したがって、ソレノイド149に電流を供給し電磁駆動力を制御することにより弁子142が駆動され、リニア弁を閉状態としてホイールシリンダ20に作用する油圧を維持することができる。
また、本実施形態に係るブレーキ制御装置10は、図1に示すように、右前輪用、左前輪用、右後輪用および左後輪用のホイールシリンダ20FR〜20RL付近に、それぞれ対応するホイールシリンダ20に作用するブレーキオイルの圧力であるホイールシリンダ圧を検出するシリンダ圧センサ44FR,44FL,44RRおよび44RLが設けられている。以下、適宜、シリンダ圧センサ44FR〜44RLを総称して「シリンダ圧センサ44」という。シリンダ圧センサ44は、ホイールシリンダ20に作用する作動流体としてのブレーキオイルの圧力を検出する圧力検出手段として機能する。
上述の右電磁開閉弁22FRおよび左電磁開閉弁22FL、増圧弁40FR〜40RL、減圧弁42FR〜42RL、オイルポンプ34、アキュムレータ50等は、ブレーキ制御装置10の油圧アクチュエータ80を構成する。そして、かかる油圧アクチュエータ80は、電子制御ユニット(以下「ECU」という)200によって制御される。ECU200は、各種演算処理を実行するCPU、各種制御プログラムを格納するROM、データ格納やプログラム実行のためのワークエリアとして利用されるRAM、入出力インターフェース、メモリ等を備えるものである。
(エア混入を判定する制御ブロック図)
図4は、第1の実施形態に係るブレーキ制御装置10の制御ブロック図である。ECU200には、図4に示されるように、上述の右電磁開閉弁22FR、左電磁開閉弁22FL、開閉弁23、増圧弁40FR〜40RL、減圧弁42FR〜42RL等が電気的に接続されている。これらの右電磁開閉弁22FR、左電磁開閉弁22FL、開閉弁23、増圧弁40FR〜40RL、および減圧弁42FR〜42RLは、ECU200に構築されたバルブ制御部201によってそれぞれ制御される。
また、ECU200には、シリンダ圧センサ44FR〜44RLから、ホイールシリンダ20FR〜20RLにおけるホイールシリンダ圧を示す信号が与えられるとともに、車輪速センサ60から、車輪の回転速度を示す信号が与えられる。更に、ECU200には、ストロークセンサ46からブレーキペダル12の踏み込みストロークを示す信号が与えられ、右マスタ圧力センサ48FRおよび左マスタ圧力センサ48FLからマスタシリンダ圧を示す信号が与えられる。
このように構成されるブレーキ制御装置10では、通常時においてはECU200が次のように各車輪に付与される制動力を算出する。ECU200に構築された要求制動力算出部203は、ブレーキペダル12の踏み込みストロークとマスタシリンダ圧とから車両の目標減速度を算出し、その目標減速度を達成するために必要とされる要求制動力を算出する。次いでECU200に構築された圧力設定部202は、要求制動力に応じた全作動流体圧を算出する。ここで全作動流体圧とは、前輪用のホイールシリンダ20FR、20FLに作用する前輪側ホイールシリンダ圧と後輪用のホイールシリンダ20RR、20RLに作用する後輪側ホイールシリンダ圧との総和に相当するものである。
全作動流体圧に対する前輪側ホイールシリンダ圧と後輪側ホイールシリンダ圧との配分は、予め定められてECU200に記憶されている。前輪側ホイールシリンダ圧および後輪側ホイールシリンダ圧はともに、運転者によるブレーキペダル12の踏力が比較的小さい場合には踏力に比例して増加され、ホイールシリンダ圧が所定の上限値に達した場合には踏力の大きさとは無関係にその上限値に維持される。なお、踏力は、例えば右マスタ圧力センサ48FRおよび左マスタ圧力センサ48FLにより測定されるマスタシリンダ圧から求められる。
前輪側ホイールシリンダ圧は、本実施形態では例えば10.8MPaとしている。後輪側ホイールシリンダ圧は、本実施形態では例えば5.0MPaとしている。なお、このように後輪側の上限値を前輪側の上限値よりも低く設定しているのは、常開型の電磁弁である後輪側の減圧弁42RR,42RLの制動時における連続通電による発熱を抑えるためである。
このような配分に基づいて、圧力設定部202は、各ホイールシリンダの目標圧を設定する。そして、バルブ制御部201によって、各ホイールシリンダ圧が目標圧になるように増圧弁40および減圧弁42への制御電流値が定められ、増圧弁40および減圧弁42が開閉される。
ブレーキペダル12の操作量が増加して要求制動力が増加している間は、増圧弁40が開状態とされるとともに減圧弁42は閉状態とされる。その結果、開状態とされた増圧弁40を介してアキュムレータ50に蓄えられたブレーキオイルがホイールシリンダ20に供給される。このとき、減圧弁42は閉状態とされているので、ホイールシリンダ圧は要求制動力に応じた目標圧を目指して上昇する。逆に、要求制動力が減少している間は、減圧弁42が開状態とされ、ホイールシリンダ20内のブレーキオイルはリザーバタンク26へと戻される。
本実施形態に係るブレーキ制御装置10のECU200は、更に圧力変動演算部204が構築されている。圧力変動演算部204は、後述するように、シリンダ圧センサ44により検出した作動流体の圧力変動を用いて異なる複数の演算により算出された作動流体の状態を示す複数の情報に基づいてエアが作動流体に混入している状態を判定する。
本実施形態に係る圧力変動演算部204は、昇圧時における作動流体圧の脈動と目標圧力に対する応答遅れを、検出した作動流体の圧力変動を用いて異なる演算により算出する。そして、作動流体の状態を示す情報である算出された作動流体圧の脈動と応答遅れに基づいて作動流体にエアが混入しているか否かを判定する。以下、より詳細に昇圧時における目標圧力に対する応答遅れと作動流体圧の脈動を演算する方法、およびそれらの情報を用いて作動流体にエアが混入しているか否かを判定する方法について説明する。
(昇圧時における圧力変動)
上述の増圧弁40は、作動流体が供給されて車輪に制動力を付与するホイールシリンダ20に流路を介して接続され、ホイールシリンダ20に作用する作動流体の圧力を調整する。つまり、増圧弁40は、ドライバによるブレーキ操作による制動要求により算出されたブレーキ制御の要求制動力に基づいて開弁され作動流体の圧力を昇圧する。
図5は、第1の実施形態に係る制動要求時の作動流体の圧力変動を示す図である。縦軸は作動流体の圧力を示し、横軸は制動要求の発生からの時間を示す。
図5に示すラインP1は、要求制動力算出部により算出された要求制動力に基づいて圧力設定部202が設定した目標圧力(油圧指圧値ともいう)である。本実施形態に係るラインP1は、制動が要求された時間を基準として一定の圧力勾配により圧力が上昇し、予め設定されている上限値により一定となるよう設定されている。一方、図5に示すラインP2は、作動流体にエアが混入していない状態における昇圧時の作動流体圧をシリンダ圧センサ44で検出した場合の圧力変動を模式的に示したものである。
図5に示すように、制動要求から実際に制御される作動流体の圧力が立ち上がり昇圧する際には、目標圧力を示すラインP1に対してラインP2は若干の応答遅れが発生している。この理由の一つとしては、制動力の制御が安定性を重視して通常は設計されており、若干の遊びを持たせていることが挙げられる。また、他の理由としては、例えば、ホイールシリンダやホイールシリンダに接続されている配管などの弾性の影響もある。つまり制動要求に伴ってホイールシリンダに作動流体が正常に供給されても、まずはホイールシリンダや配管が弾性的に拡張されることとなり、当初はホイールシリンダ圧の増加への寄与が小さいことが挙げられる。
それと共に、制動要求の直後において目標圧力は時間と共に増加するので、エア混入がない正常な場合であっても制御する作動流体圧は目標圧力から乖離しがちである。このように、目標圧力の増加に対する検出作動流体圧の増加の応答遅れは、通常若干は発生する。それに加え、作動流体にエアが混入している場合、特にリニア弁を備えるブレーキ制御装置では、エアが入っていないという前提で制御が行われているため、所定の基準圧力から所定の目標圧力にあげるには、所定の割合で作動流体を送ればいいという仮定の下に制御される。その結果、エアが混入している場合、そのエアの分余分に作動流体を送らなければならないが、設定されている所定の割合だとエアの分余計な時間がかかり、これが時間遅れにつながる。
そこで、本実施形態では、エアが作動流体に混入しているか否かを判定するために、圧力変動演算部204において、圧力設定部202により設定された目標圧力の変動に対する応答遅れを算出し閾値と比較する。例えば、図5に示すラインP3のように応答遅れdが所定の閾値300msを超えている場合、ブレーキ制御装置10の制御系統の作動流体にエアが混入していると判定する。
このように、圧力変動演算部204は、作動流体の圧力変動を用いて演算により算出された作動流体の状態を示す情報の一つである応答遅れに基づいてエアが作動流体に混入しているか否かを判定することができる。
本実施形態に係る圧力変動演算部204は、さらに、作動流体の圧力変動を用いて応答遅れを算出した演算とは異なる演算により作動流体の状態を示す他の情報を算出し、応答遅れを加味してエアが作動流体に混入しているか否かを判定することができる。作動流体圧の応答遅れは、エアの混入だけでなく、ブレーキ装置を構成するポンプ・弁等のハードウェアの異常や、ブレーキ装置を制御する制御部の異常によっても変動する可能性がある。そのため、応答遅れの情報だけではエアの混入を精度よく検出することができない場合がある。
そこで、本実施形態に係る圧力変動演算部204は、作動流体の圧力変動を用いて演算により算出した圧力変動の脈動による振幅と所定の閾値とを比較した結果に基づいてもエアが作動流体に混入しているか否かを判定することができる。これは、エアの混入により油圧回路の剛性が低くくなっているため、所定の基準圧力から所定の目標圧力にあげるには、所定の割合で作動流体を送ればいいという仮定の下の制御では、送られる作動流体の割には圧力が上昇しない。その様な状況で、バルブ制御部201が更に作動流体を送るためにバルブの開度を大きくすると、急激に作動流体が低圧部に流れ込みエアがつぶれことで急激に圧力が上昇し、目標圧力を超えて脈動する場合がある。
図6は、作動流体に混入したエアがつぶれて脈動が発生している状態を圧力検出手段により検出した圧力変動を模式的に示した図である。図6に示すラインP4は、作動流体に混入しているエアが制動要求後の昇圧時の作動流体圧によりつぶされた状態をシリンダ圧センサ44で検出した場合の圧力変動である。
このようにエアがつぶれて脈動する場合、応答遅れは見かけ上小さくなる。そのため、応答遅れだけの情報では、エアの混入があっても検出できない場合がある。そこで、本実施形態に係る圧力変動演算部204は、シリンダ圧センサ44で検出した作動流体の圧力変動から振幅Aを算出する。そして、圧力変動演算部204は、算出された振幅Aが所定の閾値Aより大きい場合にエアが作動流体に混入していると判定するエア混入判定部として機能する。
図7は、第1の実施形態におけるエア混入判定処理を説明するためのフローチャートである。図7に示す処理は、制動要求の発生から所定の期間内の作動流体の圧力変動に基づいて行われる。なお、エア混入判定処理は、各輪毎、前輪毎、後輪毎、全輪のいずれの組み合わせでも適宜圧力検出手段を設けていれば可能である。
図7に示すように、ECU200は、制動要求が発生して本実施形態の処理が開始されると、各ホイールシリンダ20の目標圧力を圧力設定部202にて設定する(S10)。次に、ECU200は、その目標圧力に基づいてバルブ制御部201により増圧弁40および必要に応じて減圧弁42を制御して、各ホイールシリンダにおける作動流体圧が目標圧力となるようにアキュムレータ50およびオイルポンプ34により送出されたブレーキフルード等の作動流体を各ホイールシリンダ20へ供給する(S12)。その際、ホイールシリンダ20に作用する作動流体圧の測定値を示すシリンダ圧センサ44からの信号を受け取る(S14)。
圧力変動演算部204は、目標圧力に対する検出した作動流体圧の圧力変動の応答遅れdを算出し(S16)、所定の閾値dと比較する(S18)。応答遅れd>dの場合(S18のYes)、作動流体へのエアの混入があると判定する(S20)。一方、応答遅れd≦dの場合(S18のNo)、圧力変動演算部204は、更に作動流体圧の振幅Aを算出し(S22)、所定の閾値Aと比較する(S24)。振幅A>Aの場合(S24のYes)、作動流体へのエアの混入があると判定する(S20)。一方、振幅A≦Aの場合(S24のNo)、この時点での作動流体へのエアの混入はないと判定する(S26)。
S18、S24のいずれにおいてもエアの混入がないと判定された場合、本実施形態におけるエア混入判定処理は終了し、次の実行タイミングに到来した段階で再び同様に実行される。一方、作動流体へのエアの混入があると判定された場合(S20)、図4に示す報知部205にその結果を送信することで乗員への警告を行うことができる(S28)。また、警告と共に又は警告の代わりに、その結果をブレーキ制御における制御条件を設定する圧力設定部202やバルブ制御部201に送信してもよい。
このように、本実施形態に係るブレーキ制御装置10は、作動流体の状態を示す情報を複数用いてエアの混入を判定するので、作動流体の状態を示す情報が一つの場合と比較して精度よくエアの混入を判定することができ、適切なブレーキ制御や乗員への警告を行うことができる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、作動流体の圧力変動を用いて異なる複数の演算により算出された作動流体の状態を示す複数の情報として、昇圧時の応答遅れおよび圧力変動の振幅に基づいてエアが作動流体に混入しているか否かを判定している。第2の実施形態では、昇圧時の応答遅れや圧力変動の振幅に代えて、またはそれらに加えて降圧時の圧力の抜けにくさ(以下、降圧時の応答遅れという)を作動流体の状態を示す情報として用いる点が第1の実施形態と大きく異なる点である。以下、第1の実施形態と重複する説明は適宜省略し、図1、図7、図8を参照して主な相違点を中心に説明する。
通常、図1に示す電子制御式のブレーキ制御装置10では、停車時等にブレーキ操作を解除すると、それまで昇圧されていたホイールシリンダ20に作用する作動流体圧を降圧するために減圧弁42を大きく開き、圧力を急激に降圧させている。
(降圧時の圧力変動)
図8は、第2の実施形態に係る制動要求終了時の作動流体の圧力変動を示す図である。縦軸は作動流体の圧力を示し、横軸は制動要求終了からの時間を示す。
図8に示すラインP5は、制動要求終了後に昇圧されていた作動流体圧を降圧する際に圧力設定部202が設定した目標圧力(油圧指圧値ともいう)である。本実施形態における目標圧力は、エア混入判定の基準となる基準圧力として用いることができる。本実施形態に係るラインP5は、制動要求が終了した時間を基準として一定の圧力勾配により所定の圧力まで降下する。一方、図8に示すラインP6は、作動流体にエアが混入していない状態における降圧時の作動流体圧をシリンダ圧センサ44で検出した場合の圧力変動を模式的に示したものである。
図8に示すように、作動流体にエアが混入していない場合、若干の応答遅れがあるもののその値は大きくない。しかし、作動流体にエアが混入している場合、ラインP7に示すように降圧時の特に低圧部は圧力が下がりにくい。これは、つぶれたエアが元に戻るまで時間がかかるためと考えられる。そこで、本実施形態では、この低圧部における応答遅れに着目し、検出した作動流体の圧力とエア混入判定の基準となる目標圧力との比較に基づいてエアが作動流体に混入しているか否かを判定する。具体的には、基準圧力に対する作動流体の圧力の応答遅れdが所定の閾値より大きい場合にエアが作動流体に混入していると判定することができる。
したがって、第1の実施形態で説明した図7に示すエア混入判定処理のステップS18、ステップS24のいずれかの処理に代えて、またはそれらに加えて本実施形態における降圧時の応答遅れを作動流体の状態を示す情報として用いることで、作動流体の状態を示す情報を複数用いてエアが作動流体に混入している状態を判定することができる。そのため、本実施形態に係るブレーキ制御装置は、図1に示すブレーキ制御装置10と同様に作動流体の状態を示す情報が一つの場合と比較して精度よくエアが混入している状態を判定することができ、適切なブレーキ制御や乗員への警告を行うことができる。
(第3の実施形態)
次に、図9乃至図11を参照してエア混入の有無とエアが混入していた場合にエアの混入量を算出できるブレーキ制御装置について説明する。図9は、第3の実施形態に係るブレーキ制御装置の制御ブロック図である。図10は、エアが混入した場合の応答遅れ継続時間と目標圧力勾配との関係を示したグラフである。図11は、第3の実施形態に係るエア混入判定およびエア混入量算出処理を説明するためのフローチャートである。ブレーキ制御装置の概略は第1の実施形態に係るブレーキ制御装置10とほぼ同様なため以下の説明では適宜省略する。
図9に示すように、第3の実施形態に係るブレーキ制御装置におけるECU300は、第1の実施形態における圧力変動演算部204に代わり、シリンダ圧センサ44により検出した作動流体の圧力変動に基づいてエアが作動流体に混入しているか否かを判定するエア混入判定部206と、エア混入判定部によりエアが混入していると判定された場合に、シリンダ圧センサ44により検出した作動流体の圧力変動に基づいて作動流体に混入したエアの混入量を算出するエア混入量算出部207と、を有する点が大きく異なる。
はじめに、どのようにエア混入量を算出するかについて説明する。先に図5に示したようにエアが作動流体に混入している場合、目標圧力に対して応答遅れが発生する。しかし、この応答遅れはエアの混入量と相関関係を有しており、その関係からエアの混入量を算出することができる。本実施形態では、要求制動力に応じて算出される目標圧力に対する作動流体の圧力の応答遅れが所定の基準偏差を超えている時間として、応答遅れ継続時間Tに着目してエアの混入量を算出する。応答遅れ継続時間Tとは、図5に示す応答遅れdが基準偏差である所定の閾値300ms以上の状態が継続している時間であり、応答遅れ継続時間T=t−tで求めることができる。ここで、t、tは、ラインP3の応答遅れが300msとなる時間である。さらに、応答遅れ継続時間Tは、目標圧力の上昇勾配にも依存している。
図10は、上述の知見からエアの混入量と応答遅れ継続時間Tと目標圧力勾配ΔPとの関係を示したグラフである。応答遅れ継続時間Tは、ブレーキ装置の構成により異なるが、数百msである。また、図10に示すように、応答遅れ継続時間Tは、目標圧力勾配が同じでもエア混入量が相違すれば異なり、エア混入量が多くなれば応答遅れ継続時間も増加する。図10では、点線で示すエア混入量Yは実線で示すエア混入量Xより多い。なお、一点鎖線で示す故障検出ラインとは、エアの混入ではなくブレーキ装置を構成するポンプ・弁等のハードウェアの異常や、ブレーキ装置を制御する制御部の異常によって応答遅れが発生する場合にそれらの故障を検出するための閾値である。
したがって、図10に示すような関係を不図示の記憶部にマップとして記憶しておけば、エアが作動流体へ混入していることだけでなく、エアの混入量も算出することができる。以下、図11を参照して、第3の実施形態に係るエア混入判定およびエア混入量算出処理を説明する。
図11に示すように、ECU300は、制動要求が発生して本実施形態の処理が開始されると、各ホイールシリンダ20の目標圧力を圧力設定部202にて設定する(S30)。次に、ECU300は、その目標圧力に基づいてバルブ制御部201により増圧弁40および必要に応じて減圧弁42を制御して、各ホイールシリンダにおける作動流体圧が目標圧力となるようにアキュムレータ50およびオイルポンプ34により送出されたブレーキフルード等の作動流体を各ホイールシリンダ20へ供給する(S32)。その際、ホイールシリンダ20に作用する作動流体圧の測定値を示すシリンダ圧センサ44からの信号を受け取る(S34)。
エア混入判定部206は、第1の実施形態と同様の方法により昇圧時の作動流体圧の振幅Aを算出し(S36)、所定の閾値Aと比較する(S38)。振幅A>Aの場合(S38のYes)、作動流体へのエアの混入があると判定する(S40)。その場合、エア混入量算出部207にて、目標圧力に対する検出した作動流体圧の圧力変動の応答遅れdを算出し(S42)、応答遅れdを用いて応答遅れ継続時間Tを算出する(S44)。さらに、図10に示すようなマップを用いて、応答遅れ継続時間Tと目標圧力勾配ΔPに基づいてエア混入量を算出する(S46)。そして、エア混入量の情報を報知部205にその結果を送信することで乗員への警告を行うことができる(S48)。また、警告と共に又は警告の代わりに、その結果をブレーキ制御における制御条件を設定する圧力設定部202やバルブ制御部201に送信してもよい。
一方、振幅A≦Aの場合(S38のNo)、この時点での作動流体へのエアの混入はないと判定する(S50)。この場合、エア混入量を算出する必要はないが、上述のようにブレーキ装置を構成するポンプ・弁等のハードウェアの異常や、ブレーキ装置を制御する制御部の異常によって応答遅れが発生することがある。そこで、応答遅れ継続時間Tを用いることでエアの混入ではなくそれらの故障を検出することができる。本実施形態では、目標圧力に対する検出した作動流体圧の圧力変動の応答遅れdを算出し(S52)、応答遅れdを用いて応答遅れ継続時間Tを算出する(S54)。そして、故障か否かを判定する故障検出ラインTと比較する(S56)。本実施形態に係る故障検出ラインTは、360msに設定してある。
ここで、応答遅れ継続時間T>Tの場合(S56のYes)、ハードウェアや制御部の故障として報知部205にその結果を送信することで乗員への警告を行うことができる(S58)。一方、応答遅れ継続時間T≦Tの場合、ブレーキ制御装置には特に異常がないと判定し処理を終了する。
なお、故障検出ラインTは、ステップS38にてエアの混入があると判定された場合、エア混入量を判定する際には機能しないようにマスクするとよい。エア混入量によっては、故障検出ラインTより応答遅れ継続時間Tが長くなる場合があり、ハードウェアや制御部の故障と誤検知することを回避することができる。
このように、本実施形態に係るエア混入判定およびエア混入量算出処理によれば、エアの混入量を算出できるだけでなく、エアが混入していない場合のハードウェアや制御部の故障を検出することができる。そのため、エアの混入による応答遅れとハードウェアや制御部の故障との応答遅れを精度よく判別することができる。
なお、ステップS38では、圧力変動の振幅Aを用いて作動流体へのエアの混入を判定していたが、第2の実施形態で説明した降圧時の応答遅れを用いて作動流体へのエアの混入を判定してもよい。
(第4の実施形態)
ブレーキ制御装置に用いる作動流体としてのブレーキオイル等は、温度によってその粘性が変化する。一般的には低温では粘性が大きくなり高温では粘性が小さくなる。そのため、リニア弁等の弁のオリフィスを通過する速度が温度によって異なり、温度によって応答遅れに変化が生じる。図12は、作動流体の温度による応答遅れの違いを説明するための図である。
図12は、作動流体の温度による応答遅れの違いを説明するための図である。図12に示すように、応答遅れはエアの混入の有無にかかわらず作動流体の温度により変化する。具体的には、粘性の高い低温時の応答遅れdは粘性の低い常温時の応答遅れdより大きくなる。図13は、作動流体の温度と遅れ時間との関係の一例を示した図である。図13に示すように作動流体の温度が上昇するにつれ、例えば目標圧力勾配ΔPが一定であっても応答遅れは増加する。
そこで、第3の実施形態における所定の基準偏差として用いていた所定の閾値300msを、図13に示すような関係のマップを用いて温度センサ62(図9参照)が検出した作動流体の温度に応じて設定することで、さらに精度よくエア混入量を算出することができる。
(第5の実施形態)
本実施形態に係るブレーキ制御装置は、上述の各実施形態において判定されたエア混入の有無、エア混入量に応じて昇圧時初期の弁の開度を大きくすることでエアの混入による応答遅れを緩和することができる。
通常、エアが混入している場合、制動要求後の所定時間における応答遅れが特に大きくなる。また、エアの混入量の増加に伴い、応答遅れも増加する。
そこで、本実施形態に係るブレーキ制御装置は、圧力変動演算部204やエア混入判定部206によりエアが作動流体に混入していると判定された場合、エア混入がない場合に設定される増圧弁40の開度より制動要求後の所定時間、増圧弁40の開度が大きくなるようにバルブ制御部201が増圧弁40を制御する。これにより、制動要求後の所定時間の応答遅れを改善することができる。
また、エア混入量算出部207により算出されたエア混入量に基づいて、エア混入がない場合に設定される増圧弁40の開度より制動要求後の所定時間、増圧弁40の開度が大きくなるようにバルブ制御部201が増圧弁40を制御する。これにより、制動要求後の所定時間の応答遅れを更に精度よく改善することができる。
(第6の実施形態)
本実施形態に係るブレーキ制御装置は、上述の各実施形態において判定されたエア混入の有無、エア混入量に応じて前もって作動流体圧を通常より高めに保持することでエアの混入による応答遅れを緩和することができる。
通常、エアが混入している場合、制動要求後の所定時間における応答遅れが特に大きくなる。また、エアの混入量の増加に伴い、応答遅れも増加する。
そこで、本実施形態に係るブレーキ制御装置は、圧力変動演算部204やエア混入判定部206によりエアが作動流体に混入していると判定された場合、ブレーキ操作が行われていない状態において、制動力が発生しない程度にホイールシリンダ20に作用する作動流体の圧力を所定の圧力に維持するよう減圧弁42を制御する。これにより、制動要求後の所定時間の応答遅れを改善することができる。
また、ブレーキ操作が行われていない状態において、エア混入量算出部207により算出されたエア混入量に基づいて、制動力が発生しない程度にホイールシリンダ20に作用する作動流体の圧力を所定の圧力に維持するよう減圧弁42を制御する。これにより、制動要求後の所定時間の応答遅れを更に精度よく改善することができる。
以上、本発明を各実施形態をもとに説明した。これらの実施形態は例示であり、各構成要素およびプロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、そのような変形例を述べる。
上述のエア混入判定処理やエア混入量算出処理は、車両の走行中に随時行えばよい。これにより測定機会を増やし早期にエア混入を検出すると共に判定精度を向上することができる。また、その結果を用いた最適なブレーキ制御を行うことができる。
あるいは、エア混入判定処理やエア混入量算出処理は、車両が停止している際に運転者が急踏みしている時に行ってもよい。車両停止時は要求制動力を算出する必要がなく、予め設定されている所定の目標圧力勾配を用いればよいため、エア混入の有無やエア混入量の判定精度を向上することができる。
実施形態に係るブレーキ制御装置を示す系統図である。 常閉型のリニア弁の断面を模式的に示す断面図である。 常開型のリニア弁の断面を模式的に示す断面図である。 第1の実施形態に係るブレーキ制御装置の制御ブロック図である。 第1の実施形態に係る制動要求時の作動流体の圧力変動を示す図である。 作動流体に混入したエアがつぶれて脈動が発生している状態を圧力検出手段により検出した圧力変動を模式的に示した図である。 第1の実施形態におけるエア混入判定処理を説明するためのフローチャートである。 第2の実施形態に係る制動要求終了時の作動流体の圧力変動を示す図である。 第3の実施形態に係るブレーキ制御装置の制御ブロック図である。 エアが混入した場合の応答遅れ継続時間と目標圧力勾配との関係を示したグラフである。 第3の実施形態に係るエア混入判定およびエア混入量算出処理を説明するためのフローチャートである。 作動流体の温度による応答遅れの違いを説明するための図である。 作動流体の温度と遅れ時間との関係の一例を示した図である。
符号の説明
10 ブレーキ制御装置、 20 ホイールシリンダ、 32 モータ、 34 オイルポンプ、 40 増圧弁、 42 減圧弁、 44 シリンダ圧センサ、 46 ストロークセンサ、 62 温度センサ、 200 ECU、 201 バルブ制御部、 202 圧力設定部、 203 要求制動力算出部、 204 圧力変動演算部、 205 報知部、 206 エア混入判定部、 207 エア混入量算出部、 300 ECU。

Claims (13)

  1. 車両に設けられた車輪に付与される制動力を制御するブレーキ制御装置において、
    作動流体が供給されて前記車輪に制動力を付与するホイールシリンダに流路を介して接続され、前記ホイールシリンダに作用する作動流体の圧力を調整する弁と、
    前記ホイールシリンダに供給される作動流体の圧力を検出する圧力検出手段と、
    前記圧力検出手段が検出した作動流体の圧力変動に基づいてエアが作動流体に混入しているか否かを判定するエア混入判定部と、
    前記エア混入判定部によりエアが混入していると判定された場合に、前記圧力検出手段が検出した作動流体の圧力変動に基づいて作動流体に混入したエアの混入量を算出するエア混入量算出部と、
    を備え
    前記エア混入量算出部は、要求制動力に応じて算出される目標圧力に対する前記作動流体の圧力の応答遅れが所定の基準偏差を超えている時間と、前記目標圧力の勾配とに基づいてエア混入量を算出することを特徴とするブレーキ制御装置。
  2. 前記エア混入判定部は、制動要求後の作動流体の昇圧時における圧力変動の振幅に基づいてエアが作動流体に混入しているか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載のブレーキ制御装置。
  3. 前記エア混入判定部は、制動要求終了後のホイールシリンダに作用していた作動流体の降圧時において、検出した作動流体の圧力とエア混入判定の基準となる基準圧力との比較に基づいてエアが作動流体に混入しているか否かを判定することを特徴とする請求項1または2に記載のブレーキ制御装置。
  4. 前記所定の基準偏差は、作動流体の温度に応じて設定されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のブレーキ制御装置。
  5. 車両に設けられた車輪に付与される制動力を制御するブレーキ制御装置において、
    作動流体が供給されて前記車輪に制動力を付与するホイールシリンダに流路を介して接続され、前記ホイールシリンダに作用する作動流体の圧力を調整する弁と、
    前記ホイールシリンダに供給される作動流体の圧力を検出する圧力検出手段と、
    前記圧力検出手段が検出した作動流体の圧力変動に基づいてエアが作動流体に混入しているか否かを判定するエア混入判定部と、
    前記エア混入判定部によりエアが混入していると判定された場合に、前記圧力検出手段が検出した作動流体の圧力変動に基づいて作動流体に混入したエアの混入量を算出するエア混入量算出部と、
    前記弁の開度を制御する弁制御部と、を備え、
    前記エア混入判定部は、制動要求後の作動流体の昇圧時における圧力変動の振幅に基づいてエアが作動流体に混入しているか否かを判定し、
    前記弁制御部は、前記エア混入判定部によりエアが作動流体に混入していると判定された場合、エア混入がない場合に設定される弁の開度より制動要求後の所定時間、弁の開度が大きくなるように前記弁を制御することを特徴とするブレーキ制御装置。
  6. 車両に設けられた車輪に付与される制動力を制御するブレーキ制御装置において、
    作動流体が供給されて前記車輪に制動力を付与するホイールシリンダに流路を介して接続され、前記ホイールシリンダに作用する作動流体の圧力を調整する弁と、
    前記ホイールシリンダに供給される作動流体の圧力を検出する圧力検出手段と、
    前記圧力検出手段が検出した作動流体の圧力変動に基づいてエアが作動流体に混入しているか否かを判定するエア混入判定部と、
    前記エア混入判定部によりエアが混入していると判定された場合に、前記圧力検出手段が検出した作動流体の圧力変動に基づいて作動流体に混入したエアの混入量を算出するエア混入量算出部と、
    前記弁の開度を制御する弁制御部と、を備え、
    前記エア混入判定部は、制動要求終了後のホイールシリンダに作用していた作動流体の降圧時において、検出した作動流体の圧力とエア混入判定の基準となる基準圧力との比較に基づいてエアが作動流体に混入しているか否かを判定し、
    前記弁制御部は、前記エア混入判定部によりエアが作動流体に混入していると判定された場合、エア混入がない場合に設定される弁の開度より制動要求後の所定時間、弁の開度が大きくなるように前記弁を制御することを特徴とするブレーキ制御装置。
  7. 車両に設けられた車輪に付与される制動力を制御するブレーキ制御装置において、
    作動流体が供給されて前記車輪に制動力を付与するホイールシリンダに流路を介して接続され、前記ホイールシリンダに作用する作動流体の圧力を調整する弁と、
    前記ホイールシリンダに供給される作動流体の圧力を検出する圧力検出手段と、
    前記圧力検出手段が検出した作動流体の圧力変動に基づいてエアが作動流体に混入しているか否かを判定するエア混入判定部と、
    前記エア混入判定部によりエアが混入していると判定された場合に、前記圧力検出手段が検出した作動流体の圧力変動に基づいて作動流体に混入したエアの混入量を算出するエア混入量算出部と、
    前記弁の開度を制御する弁制御部と、を備え、
    前記エア混入判定部は、制動要求後の作動流体の昇圧時における圧力変動の振幅に基づいてエアが作動流体に混入しているか否かを判定し、
    前記弁制御部は、前記エア混入量算出部により算出されたエア混入量に基づいて、エア混入がない場合に設定される弁の開度より制動要求後の所定時間、弁の開度が大きくなるように前記弁を制御することを特徴とするブレーキ制御装置。
  8. 車両に設けられた車輪に付与される制動力を制御するブレーキ制御装置において、
    作動流体が供給されて前記車輪に制動力を付与するホイールシリンダに流路を介して接続され、前記ホイールシリンダに作用する作動流体の圧力を調整する弁と、
    前記ホイールシリンダに供給される作動流体の圧力を検出する圧力検出手段と、
    前記圧力検出手段が検出した作動流体の圧力変動に基づいてエアが作動流体に混入しているか否かを判定するエア混入判定部と、
    前記エア混入判定部によりエアが混入していると判定された場合に、前記圧力検出手段が検出した作動流体の圧力変動に基づいて作動流体に混入したエアの混入量を算出するエア混入量算出部と、
    前記弁の開度を制御する弁制御部と、を備え、
    前記エア混入判定部は、制動要求終了後のホイールシリンダに作用していた作動流体の降圧時において、検出した作動流体の圧力とエア混入判定の基準となる基準圧力との比較に基づいてエアが作動流体に混入しているか否かを判定し、
    前記弁制御部は、前記エア混入量算出部により算出されたエア混入量に基づいて、エア混入がない場合に設定される弁の開度より制動要求後の所定時間、弁の開度が大きくなるように前記弁を制御することを特徴とするブレーキ制御装置。
  9. 車両に設けられた車輪に付与される制動力を制御するブレーキ制御装置において、
    作動流体が供給されて前記車輪に制動力を付与するホイールシリンダに流路を介して接続され、前記ホイールシリンダに作用する作動流体の圧力を調整する弁と、
    前記ホイールシリンダに供給される作動流体の圧力を検出する圧力検出手段と、
    前記圧力検出手段が検出した作動流体の圧力変動に基づいてエアが作動流体に混入しているか否かを判定するエア混入判定部と、
    前記エア混入判定部によりエアが混入していると判定された場合に、前記圧力検出手段が検出した作動流体の圧力変動に基づいて作動流体に混入したエアの混入量を算出するエア混入量算出部と、
    前記弁の開度を制御する弁制御部と、を備え、
    前記エア混入判定部は、制動要求後の作動流体の昇圧時における圧力変動の振幅に基づいてエアが作動流体に混入しているか否かを判定し、
    前記弁制御部は、前記エア混入判定部によりエアが作動流体に混入していると判定された場合、ブレーキ操作が行われていない状態において、制動力が発生しない程度に前記ホイールシリンダに作用する作動流体の圧力を所定の圧力に維持するよう前記弁を制御することを特徴とするブレーキ制御装置。
  10. 車両に設けられた車輪に付与される制動力を制御するブレーキ制御装置において、
    作動流体が供給されて前記車輪に制動力を付与するホイールシリンダに流路を介して接続され、前記ホイールシリンダに作用する作動流体の圧力を調整する弁と、
    前記ホイールシリンダに供給される作動流体の圧力を検出する圧力検出手段と、
    前記圧力検出手段が検出した作動流体の圧力変動に基づいてエアが作動流体に混入しているか否かを判定するエア混入判定部と、
    前記エア混入判定部によりエアが混入していると判定された場合に、前記圧力検出手段が検出した作動流体の圧力変動に基づいて作動流体に混入したエアの混入量を算出するエア混入量算出部と、
    前記弁の開度を制御する弁制御部と、を備え、
    前記エア混入判定部は、制動要求終了後のホイールシリンダに作用していた作動流体の降圧時において、検出した作動流体の圧力とエア混入判定の基準となる基準圧力との比較に基づいてエアが作動流体に混入しているか否かを判定し、
    前記弁制御部は、前記エア混入判定部によりエアが作動流体に混入していると判定された場合、ブレーキ操作が行われていない状態において、制動力が発生しない程度に前記ホイールシリンダに作用する作動流体の圧力を所定の圧力に維持するよう前記弁を制御することを特徴とするブレーキ制御装置。
  11. 車両に設けられた車輪に付与される制動力を制御するブレーキ制御装置において、
    作動流体が供給されて前記車輪に制動力を付与するホイールシリンダに流路を介して接続され、前記ホイールシリンダに作用する作動流体の圧力を調整する弁と、
    前記ホイールシリンダに供給される作動流体の圧力を検出する圧力検出手段と、
    前記圧力検出手段が検出した作動流体の圧力変動に基づいてエアが作動流体に混入しているか否かを判定するエア混入判定部と、
    前記エア混入判定部によりエアが混入していると判定された場合に、前記圧力検出手段が検出した作動流体の圧力変動に基づいて作動流体に混入したエアの混入量を算出するエア混入量算出部と、
    前記弁の開度を制御する弁制御部と、を備え、
    前記エア混入判定部は、制動要求後の作動流体の昇圧時における圧力変動の振幅に基づいてエアが作動流体に混入しているか否かを判定し、
    前記弁制御部は、前記エア混入量算出部により算出されたエア混入量に基づいて、ブレーキ操作が行われていない状態において、制動力が発生しない程度に前記ホイールシリンダに作用する作動流体の圧力を所定の圧力に維持するよう前記弁を制御することを特徴とするブレーキ制御装置。
  12. 車両に設けられた車輪に付与される制動力を制御するブレーキ制御装置において、
    作動流体が供給されて前記車輪に制動力を付与するホイールシリンダに流路を介して接続され、前記ホイールシリンダに作用する作動流体の圧力を調整する弁と、
    前記ホイールシリンダに供給される作動流体の圧力を検出する圧力検出手段と、
    前記圧力検出手段が検出した作動流体の圧力変動に基づいてエアが作動流体に混入しているか否かを判定するエア混入判定部と、
    前記エア混入判定部によりエアが混入していると判定された場合に、前記圧力検出手段が検出した作動流体の圧力変動に基づいて作動流体に混入したエアの混入量を算出するエア混入量算出部と、
    前記弁の開度を制御する弁制御部と、を備え、
    前記エア混入判定部は、制動要求終了後のホイールシリンダに作用していた作動流体の降圧時において、検出した作動流体の圧力とエア混入判定の基準となる基準圧力との比較に基づいてエアが作動流体に混入しているか否かを判定し、
    前記弁制御部は、前記エア混入量算出部により算出されたエア混入量に基づいて、ブレーキ操作が行われていない状態において、制動力が発生しない程度に前記ホイールシリンダに作用する作動流体の圧力を所定の圧力に維持するよう前記弁を制御することを特徴とするブレーキ制御装置。
  13. 前記エア混入判定部は、前記基準圧力に対する前記作動流体の圧力の応答遅れが所定の閾値より大きい場合にエアが作動流体に混入していると判定することを特徴とする請求項3、6、8、10、12のいずれか1項に記載のブレーキ制御装置。
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